環境委員会

2005-04-05 衆議院 全157発言

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会議録情報#0
平成十七年四月五日(火曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 小沢 鋭仁君
   理事 大野 松茂君 理事 桜井 郁三君
   理事 竹下  亘君 理事 西野あきら君
   理事 奥田  建君 理事 近藤 昭一君
   理事 肥田美代子君 理事 石田 祝稔君
      井上 信治君    宇野  治君
      加藤 勝信君    城内  実君
      小坂 憲次君    菅原 一秀君
      鈴木 淳司君    砂田 圭佑君
      田中 和徳君    根本  匠君
      能勢 和子君    鳩山 邦夫君
      船田  元君    松宮  勲君
      荒井  聰君    佐藤謙一郎君
      田島 一成君    長浜 博行君
      松本  龍君    村井 宗明君
      吉田  泉君    白保 台一君
      高木美智代君    東門美津子君
      山本喜代宏君
    …………………………………
   環境大臣         小池百合子君
   環境副大臣        高野 博師君
   環境大臣政務官      能勢 和子君
   政府参考人
   (防衛施設庁業務部長)  土屋 龍司君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           岩田 悟志君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 桜井 康好君
   政府参考人
   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   南川 秀樹君
   政府参考人
   (環境省環境管理局長)  小林  光君
   政府参考人
   (環境省自然環境局長)  小野寺 浩君
   参考人
   (財団法人福岡県環境保全公社リサイクル総合研究センター長)        花嶋 正孝君
   参考人
   (早稲田大学大学院法務研究科教授)
   (早稲田大学法学部教授) 大塚  直君
   参考人
   (特定非営利活動法人環境安全センター専務理事)  小畑 嘉雄君
   参考人
   (弁護士)        梶山 正三君
   環境委員会専門員     遠山 政久君
    —————————————
委員の異動
四月五日
 辞任         補欠選任
  大前 繁雄君     菅原 一秀君
  城内  実君     井上 信治君
  高木美智代君     白保 台一君
  土井たか子君     山本喜代宏君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 信治君     城内  実君
  菅原 一秀君     田中 和徳君
  白保 台一君     高木美智代君
  山本喜代宏君     東門美津子君
同日
 辞任         補欠選任
  田中 和徳君     大前 繁雄君
  東門美津子君     土井たか子君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第六七号)
     ————◇—————
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小沢鋭仁#1
○小沢委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本日は、本案審査のため、参考人として、財団法人福岡県環境保全公社リサイクル総合研究センター長花嶋正孝君、早稲田大学大学院法務研究科教授・早稲田大学法学部教授大塚直君、特定非営利活動法人環境安全センター専務理事小畑嘉雄君、弁護士梶山正三君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず花嶋参考人にお願いいたします。
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花嶋正孝#2
○花嶋参考人 花嶋でございます。
 私は、昨年末まで環境省の中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会長を務め、今回、廃棄物処理法の改正案につながる審議の取りまとめを行ってまいりました。本日は、これまでの一連の審議に廃棄物・リサイクル部会の部会長として携わった立場から、今回の取りまとめを行うに至った経緯、その中で提議した制度改正の概要と今後の課題について説明し、御審議の参考に供したいと思っております。
 まず最初に、廃棄物の現状に関する背景データを簡単に紹介します。
 お手元の資料一、我が国の廃棄物処理の現状をごらんください。
 廃棄物の排出量は、依然として高水準で推移しております。一般廃棄物は年間五千万トン、産業廃棄物は約四億トン排出されており、ここ数年ほぼ横ばいの状態でございます。したがって、廃棄物の発生抑制、いわゆるリデュースは、残念ながら十分進んでいない状況でございます。一方、廃棄物の最終処分場については、住民の不信感もありまして、新規に埋め立てすることは極めて困難という状況が続いております。その結果、最終処分場の残余容量は、一般廃棄物十三・一年分、産業廃棄物では四・五年分しかなく、依然として非常に逼迫した状態が続いております。このような状況の中、残念ながら、不法投棄事案の発生に歯どめがかかっておらず、不法投棄される廃棄物の量も減少しておりません。
 このような深刻な状況を背景に、中央環境審議会でも継続して審議を重ね、制度改正が必要な点などにつき意見具申を行ってきました。これをもとに、昨年、一昨年と連続して廃棄物処理法の改正を行っていただいたところでございます。
 審議会における今回の制度的な検討に際しても、一連の廃棄物処理改正の効果について検討を加え、既に一定の効果を上げていることを確認してまいりました。
 具体的には、平成十五年の改正においては、欠格要件に該当した場合の許可の取り消しを義務化することにより、悪質な業者の排除を徹底するというようなことがございます。その結果として、例えば、許可の取り消しの義務化により、改正法施行後の許可取り消し件数が大きく増加して、悪質業者の排除が進んでおります。それから、自動二輪メーカーやパソコンメーカーなど、広域的なリサイクルを推進する業者の大臣認定が着実に増加しております。
 同様に、平成十六年の改正におきましては、硫酸ピッチの不正処理を禁止するとともに、不法投棄をさらに早い段階で規制するため、不法投棄を目的とした収集運搬に対する罰則を適用する。その結果として、昨年八月には不法投棄目的の収集運搬の罪が初めて適用されたのを皮切りに、相次いで適用事例が報告されており、その効果が早くもあらわれ始めております。
 このように、これまでの法律改正による効果が着実に発揮されている一方、昨年も重大な事案が発生し、廃棄物処理をめぐる新たな課題が提起されております。具体的には、昨年三月、我が国最大規模の不法投棄事案が岐阜市で発覚したのに続き、我が国企業が中国に輸出した廃プラスチックに再生利用できないものが混入していたため、我が国からのプラスチックの輸入が昨年五月から停止され、いまだ開始されない事態が続いております。
 そこで、審議会では、これら事案を含めて最近の廃棄物処理をめぐる状況を改めて点検したところ、制度改正を必要とする課題があり、早急な対応が必要との判断に至りました。そのため、審議を行った結果として資料二の廃棄物・リサイクル部会としての取りまとめを行い、これをもとに廃棄物処理法の改正案を早急に国会に提出するよう環境省にお願いした次第でございます。
 部会としての結論は、資料二にございますが、まず最初に「大規模不法投棄事案への対応」として、産業廃棄物にかかわる事務を行う行政主体の見直しと、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェスト制度の強化が盛り込まれております。
 行政主体の見直しについては、二ページにありますように、これまでの数次の法改正により、廃棄物の不適正処理を監視し、規制するための法律上の規定は格段に強化された一方、都道府県知事と同じ立場でその事務を行う保健所設置市の一部では、必ずしも十分な体制を整えていないという現状があります。従来、地域密着型の公衆衛生行政の範疇にあるものとして、保健所設置市は都道府県と対等の立場で産業廃棄物に関する事務を行ってきましたが、広域化する産業廃棄物の問題は、むしろ生活環境保全の性格が強くなっており、保健所設置市がこれを行うことが制度的には合理的と言えなくなっているとの認識でございます。
 そこで、保健所設置市になれば自動的に産業廃棄物に関する事務を行うという現行の制度を見直し、ほかの環境法と同様、事務を行う体制が整備できる市を廃棄物処理法の政令で指定する制度に改めるべきとの結論を得たものでございます。
 この改正内容については、部会審議においても、地方分権に逆行するのではないかとか、業務を行う意欲のある保健所設置市から一方的に引き揚げるのは望ましくはないのではないかといった指摘がありました。しかし、十分な体制の整備ができない自治体に事務を行わせることは、かえって地方分権の趣旨に反するものでもあり、また、現に事務を行っている保健所設置市については、その意向を十分踏まえて判断することを確認し、部会の了承を得たものです。
 次に、マニフェスト制度の強化についてですが、三ページにありますように、大規模不法投棄事案において、産業廃棄物の組織的な横流しと、これを隠ぺいするためのマニフェスト不正行為が後を絶たないのが現状であります。これに対して、現行のマニフェスト違反に対する罰則は五十万円以下の罰金であり、これを強化すべきとの意見が強かったことを踏まえて、罰則の強化を盛り込んだものであります。
 さらに、排出事業者責任の追及には、運搬や処分を受託した業者に対してもマニフェストを保存させることが必要であり、また、マニフェスト制度の徹底には、都道府県知事の勧告に従わない場合に公表できるようにするなどの措置が必要であり、制度全体の実効性を高める内容を盛り込んでおります。
 次に、廃棄物の無確認輸出への対応です。
 三ページにもありますように、現行の規制内容では、輸出通関手続の段階でこれを発見しても罪に問えないことが最大の問題と認識しています。そこで、このような無確認輸出の未遂の段階でも確実に罪を問うことによって抑制効果を高めるため、未遂罪と予備罪を新しく創設し、さらに、無確認輸出の罰則を不法投棄並みに厳しくする内容を盛り込んでおります。
 最後に、悪質な業者を排除し廃棄物処理に対する信頼性を向上させる観点から、その他の制度上の問題についても検討し、具体的な対応を図るべき点をまとめたものです。
 例えば、四ページにありますように、埋め立て終了後の最終処分について適正な維持管理を確保する有効な手段として、維持管理積立金制度があります。この制度が施行される以前に埋め立てが開始された施設は制度の対象となっておりません。しかし、そのような施設においても、適切な維持管理がなされず問題になっている事案が生じていることから、今回の制度の対象に追加することが適切と整理されております。
 また、四ページから五ページにありますように、罰則適用上の問題点や現行許可制度の問題点を点検した結果として、罰則の強化の必要な措置を盛り込んでおります。
 以上のような内容を受けて、今回提出されております改正法案は、部会として提案を漏れなく網羅していただいており、今後の廃棄物行政にとって非常に大きな力となるものと考えております。審議会の審議に携わった一人としても、ぜひ早期に成立させていただきたく心からお願いいたします。
 今回の部会の取りまとめでは、五ページの最後にありますように、今回の制度改正以外の施策についてもあわせて推進していくことが重要であり、これを最後の課題として取りまとめます。
 具体的には、地方自治体の実務体制の充実や処理業者の優良化の推進、電子マニフェストの普及促進等の課題を含めた諸課題について、全体として着実な進展が図られるよう、さまざまな政策手法を活用して対策の強化、推進を図るべきことを指摘しております。また、その際には、特に運用面で支援施策の充実を図るとともに、対策の進捗状況のモニタリングと評価並びに情報公開を通じ、対策の評価、見直しを継続することが重要となります。
 そして、悪質な違法行為に対する厳正な処置を徹底するため、廃棄物行政分野における長期的な展望に立つ人材の育成を含めた人事上の考慮、関係行政機関相互の連携、環境関連NPOとの連携などによる監視体制の強化も重要な点として指摘しております。
 今回の法改正とあわせてこれら施策が総合的に講じられることによって、不法投棄などの事案の根絶と循環型社会の構築が一層推進されることを期待するものであります。
 以上でございます。
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小沢鋭仁#3
○小沢委員長 ありがとうございました。
 次に、大塚参考人にお願いいたします。
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大塚直#4
○大塚参考人 大塚でございます。
 今回の改正廃棄物処理法案、二〇〇五年改正案というふうに申し上げさせていただきたいと思いますが、これにつきまして、環境法の研究者の立場から、その考え方と今後の課題について扱っておきたいと思います。
 まず最初に、これまでの廃棄物処理法、廃掃法と呼びますが、廃掃法改正の経緯、背景について簡単に申し上げておきたいと思います。
 廃掃法に関しましては、一九九一年、九七年に大改正がございましたし、その後も数次の改正がございますが、二〇〇〇年以降におきます改正としては重要な点が幾つかありますので、そちらについて申し上げます。
 まず、二〇〇〇年改正におきましては、この年に循環型社会形成推進基本法が制定されまして、いわゆる三Rと呼ばれるリユース、リデュース、リサイクル、その中でも、リサイクルの中でもマテリアルリサイクルの方を優先いたしますが、この順序について規定が置かれましたし、いわゆる拡大生産者責任についての規定も置かれたわけでございます。
 このときに、廃掃法に関しましても幾つかの重要な修正、改正がございまして、その中でも特に申し上げておきたいのは、排出業者の責任の強化でございます。産業廃棄物の管理票制度が見直されたのと同時に、排出事業者が適法な委託をしていても一定の場合には原状回復の義務を負う、すなわち措置命令の対象になるということにこのときからなったということでございます。
 その後、二〇〇三年、二〇〇四年の改正を経ているわけですけれども、まず二〇〇三年の改正につきましては、大きく分けて二点ございます。
 一つは、不法投棄の未然防止等の措置といたしまして、都道府県等の調査権限が拡充されたということ。それから二つ目に、不法投棄、不法焼却の未遂罪がつくられたということでございます。それから三つ目に、国の関与が強化されたということ。それから四つ目に、特に悪質な業者に関しまして、先ほどお話もありましたように、許可権者は必ず許可を取り消さなければならないというふうにされたことでございます。
 それから、大きく分けて二つ目につきましては、リサイクルの促進等の措置がとられまして、いわゆる広域認定、広域的なリサイクル等の推進のために、環境大臣が認定した者は廃棄物処理業の許可を必要としないということなど、特例制度が整備されたということでございます。これによって、その後、二輪車、パソコンなど広域的なリサイクルを推進する業者の大臣認定がふえてきているという状況でございます。
 さらに、関連して、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法もこのときにつくられております。
 次に、二〇〇四年改正でございますが、二〇〇四年改正におきましては、大きく分けて三つのポイントがございました。
 一つは、やはり国の役割の強化ということでございまして、環境大臣は、産業廃棄物の不適正処理によって生活環境の保全上の支障が生じることを防止するために、緊急の必要があると認めるときには都道府県知事に対しまして指示ができるということが規定されたということでございます。
 それから二つ目は、廃棄物処理施設をめぐる問題の解決についての問題でございます。
 三つ目は、罰則の強化などによる不法投棄の撲滅でございまして、硫酸ピッチを指定有害廃棄物として指定いたしまして、これについての不適正処理が禁止されたということでございます。それから、罰則が強化されまして、中でも、(4)に挙げておきましたように、不法投棄、不法焼却の目的で廃棄物の収集運搬をしている者に対して罰則がかけられるようになったということがございます。先ほど未遂罪の創設ということがございましたが、ここで、それよりもまた前に、不法投棄等の目的で収集運搬をしているだけで犯罪になるということになったわけでございます。
 二〇〇四年の廃掃法改正と直接関連しない施行令、施行規則の改正としても重要なものがその後出てきております。そちらに挙げましたとおりでございますけれども、一つは、産業廃棄物の運搬車に係る表示及び書面備えつけについての義務づけがなされたということがございます。それから、最終処分場の残余容量の定期的な把握、記録閲覧の義務づけがなされたということもございます。
 さらに、つい最近、三月二十八日に省令が改正されまして、産業廃棄物処理業者の優良性の判断に係る評価制度がつくられたということがございます。この評価基準に適合する産業廃棄物の処理業者に対しましては、都道府県知事等の判断によって、産業廃棄物処理業の許可の更新、変更の際に提出する申請書類の一部が省略できるようになったということでございます。
 さて、今般の廃掃法改正案でございますけれども、その背景といたしましては、先ほどお話がございましたように、一つは大規模な不法投棄問題というものがございます。もう一つは中国の廃プラスチックの輸入の停止措置ということがございます。中国の廃プラスチックの輸入停止措置につきましては、我が国の企業が中国に輸出しました廃プラスチックに再生利用できないものがまざっているということが発覚して、昨年の五月、我が国から中国への廃プラスチックの輸入停止措置がとられたということがあります。中国から再発防止対応が求められているということもございまして、今回の改正案はこの点と関連しているということでございます。
 次に、改正案の主要点でございますが、まず、大規模不法投棄事案への対応についてでございます。これにつきましては、四つほどございます。
 第一は、産業廃棄物関係事務等を行う行政主体の見直しがなされるという提案でございます。これは、保健所設置市であれば必ず産業廃棄物の関係事務を行うという考え方を改めていくべきではないかということでございます。十分実施体制が整っていない自治体に事務を負わせるということは必ずしも合理的ではないという面があるということが一つございますし、もう一つは、先ほどもお話がございましたように、産業廃棄物行政というのは、従来は地域密着型の公衆衛生行政の範疇に入るというふうに考えられておりましたが、産業廃棄物問題が広域化するに伴って、これを生活環境保全行政というふうにとらえる立場が一般化しておりまして、この立場からは、保健所設置市であれば一律に事務を負わせるという議論には必ずしもならないということになってきたということでございます。
 改正案では、事務を行う体制が整備されていると判断される市を廃掃法の政令で指定するということが提案されておりますが、実際には、中核市でない保健所設置市について権限を調整するということになると思われます。
 第二は、マニフェスト制度の強化でございます。大規模な不法投棄事件に関しまして、産業廃棄物の組織的な横流しとそれを隠ぺいするためのマニフェストの不正行為が行われております。これに対しましては、三つの点が改正案として提案されております。
 一つは、マニフェストに関する罰則の強化でございます。
 もう一つは、運搬または処分を受託した処理業者のマニフェストの保存義務を設定するということでございます。これは、青森・岩手の県境不法投棄事件におきましては、処分を受託した処理業者にマニフェストの保存義務がなくてマニフェストを焼却してしまったということが問題視されたということが関連しているわけであります。
 さらに、マニフェストの違反行為に対する勧告に従わなかった者に対して都道府県知事がその旨を公表できるようにしようということであります。そして、公表をしても正当な理由がなくて勧告に係る措置をとらないという者に対しては、命令、命令違反の場合は罰則ということが考えられているわけであります。勧告だけではそれに従おうとしないという者が多いわけでございまして、処理業者が社会的なイメージを大事にしているということからも、公表の制度というのは重要であると考えられるわけでございます。
 第三は、無許可業者に対する抑止効果を強化するために、法人重課をする、罰金を一億円にするということでございます。
 第四は、収集運搬業者と処分業者が廃棄物の処理をほかの人に委託する場合の規制を明確化するということでございます。
 以上が、大きく分けて一つ目の不法投棄の未然防止の問題でございます。
 大きく分けて二つ目の問題といたしましては、廃棄物の無確認輸出に対する取り締まりの強化ということがございます。
 従来、輸出の通関手続の段階で環境大臣の確認を受けていない廃棄物を発見しても、未遂段階なので犯罪が成立しないという問題があったわけでございますけれども、これに対して未遂罪と予備罪をつくるということが今回の提案でございます。さらに、罰則も強化するということでございます。
 三つ目に、その他の制度上の問題に対する対応でございますが、先ほどもお話にありましたように、一つは、最終処分場の維持管理積立金の制度を拡充するということがございます。
 これは、平成十年六月以前に埋立処分が開始された最終処分場についても維持管理積立金制度の対象といたしまして、積み立てを義務づけるという提案でございます。平成十年以前に埋立処分が開始された最終処分場につきましても、倒産をして適切な維持管理がなされていないという事例がございますので、施設に対する不信感を払拭するためにも、このような改正が必要ではないかということでございます。
 この場合の積立金の金額につきましては、その処分場の残余容量に見合った金額に、必要なモニタリングの費用を加えたものになると思われます。したがって、過剰な規制にはならないということでございます。
 さらに、欠格要件の厳格化については、レジュメに書きました三つの点が改正案として提案されているわけでございます。
 最後に一言だけ申し上げておきますけれども、今回の改正案は、二〇〇〇年以降の産業廃棄物処理のあり方についての構造改革ということと大いに関係しているわけでございます。
 二〇〇〇年以降の廃掃法改正の大きな流れとして三つの点が挙げられると思いますけれども、その第一が、不法投棄等の未然防止等の規制の強化をしているということであります。そして第二に、リサイクルに関しまして不必要に厳格な規制を改めて、規制の合理化を図ったということがございます。第三が、国の役割の強化ということがございます。
 今回の改正は、このうち第一点に関する不法投棄等の未然防止等の規制を強化するということとともに、廃棄物の無確認輸出の取り締まりを強化するという新しい観点を加えたものでございます。最近の事件から得られた教訓をもとにして、地道ではありますけれども、きめ細やかな制度的な対応がなされつつあると言ってよいと思われます。
 この第一点の未然防止等に関しましては、先ほどもお話がありましたように、電子マニフェストの普及ということが一つの大きな課題となっているわけでございますけれども、現在、普及率が二%にとどまっているために、直ちに法律上の義務ということにするのは時期尚早ではないかと思われます。しかし、早急な普及率の拡大が望まれるところであります。
 さらに、産業廃棄物の優良業者の育成という観点については、先ほど申し上げたような新しい省令ができたところでございまして、こういうことも相まって、先ほど申し上げたような産業廃棄物処理の構造改革というのは徐々に進んできていると言ってよいと思います。
 このように、廃掃法の制度としては、コアの部分はでき上がってきているわけでございますけれども、不法投棄というのは極めて利益の多い経済犯罪となっておりまして、制度面を含めた対策の評価、見直しというのが今後も必要となってくると思われます。また、自治体の実施体制の充実、関係行政機関や住民との連携による監視体制の充実の必要など、運用上の問題はなお残されていると考えております。
 以上でございます。
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小沢鋭仁#5
○小沢委員長 ありがとうございました。
 次に、小畑参考人にお願いいたします。
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小畑嘉雄#6
○小畑参考人 ただいま御紹介をいただきました小畑です。
 NPOで環境問題にかかわっている、そういう立場から意見を述べたいと思います。
 よく、環境は祖先から譲り受けたものではなく子孫から借り受けたものであると言われますが、私たちももうこの辺で不法投棄等による廃棄物による環境汚染を防止して、きれいな地球環境を取り戻し、次の世代に申し送るべきときに来ているのではないかなというふうに考えます。産業廃棄物による不法投棄、不適正処理を本当になくするには、今回改正されます産廃の規制、罰則強化だけでなく、産廃の流れをガラス張りにする施策を考えていただきたいという立場で意見を述べたいと思います。
 産業廃棄物の現状ですけれども、産業廃棄物行政につきましては、法律的には、最近だけでも、平成九年、十二年、そして十五年、十六年、本年と改正を重ねて整備されてきております。ところが、不法投棄事件や不適正事例は後を絶たず、平成十一年には青森・岩手県境で八十二万トンという国内最大規模の不法投棄事件が発生し、昨年には岐阜県で五十万トンを超える不法投棄事件が発生しており、その他不法投棄、不適正処理は数え切れないほど発生をしております。
 このように、法整備が進んでいるのに不法投棄、不適正処理が多発するのは、法の仕組みと産業廃棄物の実務の間に乖離があるのではないかと考えられます。法改正による規制、罰則強化だけでは不法投棄や不適正処理の防止は限界に来ているのではないかなというふうに感じます。
 産業廃棄物に対する法律の整備は進んでいるにもかかわらず、不法投棄、不適正処理が続出しますのは、排出量に見合った処理・処分施設が不足しているために、産業廃棄物処理システムからオーバーフローした廃棄物が不適正処理につながっているのではないかと考えます。産業廃棄物処理の実態が正規ルートと地下組織に分かれて処理されているのは、中央環境審議会に出されました資料、図一を参考にしていただきたいんですけれども、そこからも明らかであって、問題は、年間四億トンも排出される産業廃棄物が正規ルートでどれだけ処理され、正規ルート以外にどれだけ流れているのか不明なところであります。この実態の解明は喫緊の課題であり、そのための対策を早急に行うべきではないかと考えております。
 廃棄物の適正処理は、実態を正確に把握した上で、その上に立って必要な処理施設の設置や不法投棄防止の対策を実施すべきであるというふうに考えます。ところが、産業廃棄物の実態把握につきましては遅々として進んでおりません。
 産業廃棄物の実態把握についてのこれまでの経過について触れますと、産業廃棄物の実態把握についての必要性は、今から二十四年前に、昭和五十六年、フェニックス法案がこの国会で審議をされたときに問題にされて、当時の厚生大臣が実態把握の約束をされましたが、なかなか進まず、その後、フェニックス計画は十年ほどたって稼働を始めたんですが、独自に努力して産廃の流れをつかむ対応をして、この間来ているところであります。
 その後、平成三年の廃棄物処理法改正で有害廃棄物対策として特別管理廃棄物が制度化され、同時に、特別管理産業廃棄物についてはマニフェスト制度が導入されて、排出事業者にはマニフェストの報告義務、それから、許可業者にはマニフェストを扱った場合、実績報告が義務づけられて、実態把握に向けて前進したと思っていたんですが、これは有害廃棄物に限定されておりましたので、全体の実態をつかむところまでは行かずに終わっております。
 平成九年に全産業廃棄物にマニフェスト制度が導入され、マニフェストの電子化も同時に採用されたため、実態把握に向けて大きく前進したと思っていたんですが、それが平成十二年八月の環境省の附則によりまして、経過措置としてマニフェストの排出事業者報告が一時猶予をされて封印がされております。それからまた、許可業者の業の実績報告も廃止されてしまったために、逆に、行政の産業廃棄物の実態把握については後退して今日に至っております。
 産業廃棄物の実態が非常に不透明であるために、残余容量、処理量の関係でも不明な点が見られます。資料一を見ていただきたいんですが、環境省は、産業廃棄物の排出及び処理状況を発表されている中で、残余容量と最終処分量を年度ごとに出されているのですが、それがうまくかみ合わないという問題が起こっております。
 本来ならば、年度当初の残余容量にその年度の新規開設されます最終処分場の受け入れ容量を足しますと、その年度の総受け入れ容量でありますが、例えば平成九年度を見ていただきますと、表にもありますように、その年度の左端のAは、四月一日の残余容量は二億七百六十七万トンであります。その年度の新規受け入れ量、Bの四千九百六万九千トンを足しますと、年度の総埋立量として、C、二億五千六百七十三万九千トンになるんですけれども、そこからその年度に最終処分されたDの六千七百万トンを引きますと、データではその年度末の残余容量は一億八千九百七十三万九千トンになるはずですが、環境省の発表されておる左端の、同じ欄の下の方の年度末の残余容量は二億一千百五万九千トンで、約二千百万トン近くが増加をしております。残余容量が増加しているということは、増加分が最終処分されずにどこかへ消えたということで、その解明が待たれるところであります。
 平成十年、十一年も二千万トン以上が不明になっております。それから二年間は年間の新規受け入れ量のデータがありませんので具体的な数字はわかりませんが、四千万トン以上最終処分されているのにほとんど残余容量が減っていないというのは、新規受け入れ量は四千万トンもなくて二千万トン以下だと思いますので、ここでも二千万トンぐらいの数字が合わないという状況になっております。そして、一番下の欄の平成十四年度では、ここは新しく年間新規埋立量のデータがありましたので、それを当てはめますと、ここでは三千百十四万七千トンの数字が合わないという、データ上はそういう数字になっております。
 二千万トン、三千万トンという数字は、年間処分量の半分近くの数字でして、平成十四年度の三千百万トン余りという不明な数字は、これは年間処分量四千万トンの七七・九%に当たる大変大きな数字の食い違いであります。このような数字をそのままにしておきますと、国民の産廃に対する不信はなかなか払拭できないのではないかというふうに考えます。済んでしまったことは今さら調べようがないと思いますけれども、今後はやはりこういうことがないように、早急に実態把握をして、その上に立った正確なデータを明らかにしていくことが重要ではないかなというふうに考えます。
 そのための方向として、産業廃棄物の適正処理につきましては、まず産業廃棄物の処理の流れを的確に把握できる体制の確立が急務であると考えます。そのためにはマニフェストの電子化を即時実施していただきたいと思います。今や紙のマニフェストはほとんど機能しておらず、特に業者間のところでは機能しておらず、岐阜県椿洞のマニフェスト偽造は、これが電子マニフェストであったならばもっと早い段階で不法投棄が発見されたというふうに思います。そういう意味で、一日も早いマニフェストの全電子化が望まれるところであります。
 しかし、マニフェストの電子化は、七年たちましてもいまだに二%少しという状況ですので、なかなか排出事業者全体のマニフェストの電子化というのは非常にこれから時間がかかると思いますので、そういうことであれば、それにかわる実態把握ができる体制の確立を急いでいただきたいというふうに考えます。不法投棄の防止には、あと何年も実態把握を待っているような余裕はありませんので、マニフェストの電子化が達成されるまで、何とか代替案を考えていただきたいというふうに思います。
 一つの案として、図二にお示ししましたように、マニフェストの制度が完全に電子化されるまで、それにかわる情報徴収方式として、紙マニフェストの報告を復活させて、その報告を排出者がするのはいろいろと零細等の関係もあって無理だということであれば、その報告を、紙マニフェストを受け取った収集運搬あるいは処理の各許可業者が、情報処理センターに電子で報告するという方式を一度検討していただきたいというふうに思います。
 産業廃棄物の実態把握ができれば、それに基づいて必要な量の産業廃棄物の処理施設の基盤整備を実施すべきであると考えます。それも、特に産業廃棄物は首都圏、近畿圏で日本全体の半分近くを排出されているわけですから、ブロック単位、特に首都園、近畿圏の施設整備計画を作成して実施すべきであるというふうに考えます。
 また、産業廃棄物のデータが情報センターにすべて蓄積されるようになりますと、そのデータに基づいて、不審な箇所がないか、その解析を行えば、不法投棄、不適正処理防止体制の確立も前進すると思います。
 もともと廃棄物事業は、マイナスの取引で、個々のチェック機能が働きにくいという特異性を持っています。そのため、廃棄物事業は競争経済になじみにくい要素を持っております。廃棄物の性質上、自分の手元から早く離れてほしい、また、その料金も、個々のチェック機能が働きませんので、できるだけ安い方がいい、安ければ一円でも安い方がいいという方に流れ、産業廃棄物事業では悪貨が良貨を駆逐する現象が起こったというふうに言われております。
 産業廃棄物事業を適正に進めるためには、個々の排出事業者以外が、追跡調査システムの確立など、個々のチェック機能の不足分をフォローする体制をつくることが重要ではないかと考えます。
 廃棄物行政については、安かろう悪かろうのコスト競争に流されることなく、地球環境あるいは生活環境保全の立場から、行政が産業廃棄物の一元管理ができるようなシステムを考え、不法投棄、不適正処理がなくなるまで行政も積極的にかかわって、適正処理の確保に努めていただきたいということを最後に申し述べまして、意見の陳述を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
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小沢鋭仁#7
○小沢委員長 ありがとうございました。
 次に、梶山参考人にお願いいたします。
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梶山正三#8
○梶山参考人 梶山でございます。
 全国で、終わったものも含めて五十を超える廃棄物紛争に弁護士としてかかわっております。それから、各地の廃棄物関係の条例策定等にもかかわっております。そういう立場で私の意見を申し上げたいと思います。
 お手元に簡単なものがございますが、それをちょっと見ていただきたいと思います。
 まず、今回の法改正案をどう評価するか。包括的にまず申し上げますと、簡単に言いますと、毒にも薬にもならないというのが私の全体的な考えでありまして、それは全くならないというわけじゃないんですが、薬としても弱い、毒としても弱い。だから、特にここをこうすべきだという反対意見というのはないんですが、むしろ、こういうものよりもこちら、こういうところに目をつけてほしい、そういう観点からの話を申し上げたいと思います。
 今回の法改正は、テーマとしては、不法投棄の根絶、不適正処理の根絶、マニフェストの実効性の確保、それから、廃棄物の無確認輸出の未遂罪、予備罪の創設と重罰化、それから、業許可の取り消し要件の自主申告とか最終処分場の維持管理積立金制度の対象範囲の拡大、こういうものが挙げられています。
 このうち、不法投棄、不適正処理、この区別も大変難しい問題があるんですが、それは置いておいて、古くからのテーマで法改正のたびに言われている部分であります。
 それから、無確認輸出の問題は、これはそういう意味でいうと新しい視点があるんですが、基本的には、この無確認輸出については、平成四年にバーゼル法ができて、それに対応して廃棄物処理法の改正が行われたわけですが、法制度自体に大きな欠陥があると私は考えています。ですから、ここで無確認輸出の重罰化をしても余り意味がないだろう、もっと根本的なところに問題があるはずだ、そう考えております。
 そういう意味で、順番に申し上げておきたいと思いますが、基本的には、実はもっと重大で根本的な問題が見過ごされていて、それがいつまでも俎上に上ってこないというのは、私から見ると、大変問題になるところ、本当に大事なところにもっと早く手をつけてほしい、そう考えております。
 まず、不法投棄、不適正処理の問題ですが、私のレジュメの一ページの下の方に書いてありますが、まず何が原因かという原因分析が十分ではないのではないかと。
 これは、現場の廃棄物処理業者の方ともよく話をする機会がございますが、一番問題なのは、まず自社処理だと。自社処理という形でもって法規制をくぐり抜ける。それからもう一つは、国が一貫してとっているいわゆる有価物解釈のドグマ。この二つが不法投棄の温床になっているということは、現場で廃棄物処理に携わっている人が口をそろえて言うところでありまして、そこの根本的な問題に全く目を向けていないというのが、今回の法改正でもそういうことが言えるものだと思います。
 それで、ここに四つ書きましたが、一つが自社処理で、一つが処理施設のすそ切り、すそ切りは改善されてきていることは、これは事実であります。それから、排出事業者の責任が強化されたというお話もありましたが、現行法の強化程度では、とてもこれは不法投棄を防止する程度に至っていない。先ほどの安かろう悪かろうの廃棄物処理の実態というのは、まさに排出事業者が無過失連帯責任という形で、自分の手足として使いながらそこでも責任を免れる道が大きく開けている、それがやはり一番大きな問題であろう、私自身はこう考えております。
 それから、四つと言いましたが、実はあと二つここにつけ加えますと、現場から見ますと、規制担当者の圧倒的なマンパワー不足です。
 私自身、法廷で都道府県の規制担当者を尋問したことは何度もあります。数知れないぐらいありますが、いかに彼らがマンパワー不足に悩んでいるか、それから、簡単に言うと、彼らがいかに能力がないかということを身にしみて知っております。
 先ほど、保健所設置市に体制がないという話がありましたが、実は都道府県だって全然ございません。そういう意味でいいますと、まじめに人材を育てる工夫をすれば、むしろ市町村の方が対応できるというのが私の考えでありまして、その点はまず実態把握からきちんとしないといけないのではないか、そう考えております。
 それから、これは関連なんですが、結局、安かろう悪かろうという、排出事業者に責任がない結果として、どうしても安い業者の方に荷が流れる。安い業者というのはそれなりにダンピング競争の中で生き残ってきた人たちですから、結局は、適正処理をしてもらえるだけのお金をもらっていない。それは、会社の、企業の命運をかけて不法投棄に走るわけでありまして、これは、不法投棄をしないとつぶれちゃうという構造をそこでつくっちゃっているわけですね。ですから、ここは、その点をほっておいて規制ばかり強化しても、実は不法投棄はなくなるはずがない、こう私は考えております。
 二ページの絵をちょっと見ていただきたいんですが、ごく簡単な絵で、これは実際に私が代理人を務めた、左の方が長野県御代田町の事例、それから右の方が新潟県中頸城郡三和村の事件です。
 これは要するに、焼却灰にセメントを混練りして、有償取引の契約書だけつくっちゃう。実際には有償取引じゃないんです、裏でお金を流していますから。だけれども、有償取引の格好をつくっちゃうと、これは廃棄物じゃないよということで、廃棄物処理法の規制を一切免れて、谷間に大量に埋め立てることができる。これは廃棄物処理法でとめられないので条例でとめたわけですが、こういうことができる。
 それから、右の場合は、これも今のお話の中でも実は一番抜けていた部分だと私は認識しているんですが、例えば、排出事業者から木くずを受け取ってそのまま燃やすんだったら、これは焼却の業の許可が要ります。ところが、それを一たん破砕機にかけちゃうと、それを燃やすときに業の許可は要らない。
 これは現行法の解釈として国が一貫してとっているわけでありまして、木くずを破砕した後は自社処理だ、だから業の許可は要らないよ、こういう解釈をとられますと、幾らでも自社処理の範囲が拡大して、それから自主的報告書にも載らない。それから、廃棄物処理の実態としても、数値としてみんな出てこない。幾らでも拡大ができる。実際にこの新潟県中頸城郡の事件では、破砕機は置いただけ、行政が来ると使う、後は直接燃やしているわけですね。実態は全く変わらないのに、これは自社処理として焼却業の許可なしで幾らでもできる。
 こういう中間処理を経ると、それから後は自社処理であって、マニフェストも何も機能しないという今の制度を維持している限り、幾らその周辺を規制強化してもむだであります。その点にぜひ目を向けていただきたいということでございます。この二ページの下の方に書きましたが、ごみがごみでなくなったり、業の許可も施設の許可も受けずに合法的に商売ができるというのが、今の廃棄物処理法の根本的な欠陥であります。
 それで、今回の改正案について簡単にコメントしたいと思います。
 一つは欠格要件の厳格化で、まず欠格要件に該当するに至ったときの自主申告というのがございます。自主申告することを義務づけること自体の是非は、これはやはり議論のあるところだと私は思います。
 もう一つは、この欠格要件の中に、例えばおそれ条項とか黒幕規定というのがございます。これは、おれは黒幕だよなんて名乗る黒幕はいないわけで、名を名乗らないから黒幕なわけですね。ですから、そういうことがほとんど期待できない欠格要件というのは、まずたくさんあると。明確なものは、これは申告しなくたって実はわかるということがありまして、この規定の意義は、私にとって大変疑問です。
 それから、現実には、先ほどから許可の取り消しの義務化というのがございましたが、これは特に悪質な業者でありまして、実際の現場で見ておりますと、七回違法行為をしても見逃してあげますよ、行政指導で済ませますよ、八回目からはこれは刑事告発をしますよ、そういうことを実際に運用している都道府県があるわけでありまして、そういう実態をまず見ないと、特に悪質な業者なんという認定を今の行政担当者がやるとは思えない、これはめったなことでないとやらないだろうということでありまして、その実効性にはやはり私は大変問題があると思っております。
 それから、不正の手段による処理業または処理施設設置許可を受けた者について取り消し処分の対象となる、これも、不正の手段というのはこれから具体化されるんだと思いますが、大変あいまいな規定のつくり方でありまして、ある意味ではこれは当然のことなんですが、これも、実際にはどこまでいくかというのは、後の規定を見てみないとわからない。
 それから、暴力団員等がその事業活動を支配する場合を欠格要件に追加、これは黒幕規定の要件が追加されたときにも議論になったところなんですが、その事業活動を支配するというのは一体何かと。
 何でこんなことを私は申し上げるかというと、やはりこの欠格要件が明確化される前に、我々は、実際にはAさんがこの企業を支配しているんだ、Aは欠格要件該当者だという主張を裁判上さんざんやりまして、この欠格要件が明確化される前に裁判所で随分その主張をしたときに、結局、Aさんは徹底してそれを否定したわけですね。そうすると、徹底して否定されると、これはどこでだれが認定するかという大変難しい問題が出てきまして、実際にはもっと簡単な要件設定をしないと、法を適用する現場では生きませんよ、生きた規定となりませんよということを私は申し上げたいということです。
 それで、先ほどの、保健所設置市から政令で定める市への事務の移管。事務が、従来、保健所設置市に一律に都道府県知事の権限が任されていた分を、今度は政令で定める市にすると。ここに私が三ページから四ページに書きましたとおり、基本的には、私はこれは地方分権の方向に反すると思っております。それは、さっきも申し上げましたが、では、都道府県とか政令市が十分な体制を持っているかというと、これは決してそういうことはない。
 例えば、神奈川県の例でいきますと、神奈川県は相当に広い県ですが、あの中で、例えば西部なら西部でもって、実際に現場で動く技術系の担当者というのは一人しかございません。それぐらいお粗末なところです。しかも、その一人も、尋問したときに、本当に基礎的な知識もないということが明らかになった、その程度の話でありまして、これは神奈川県だけに限らず、全国の規制行政の実態としてぜひ見ていただきたいと。それを見ないで、保健所設置市とか政令市というのを国のレベルで決めて、これは政令で定めたからできるというような認定が到底できるとは私には考えられない。
 むしろ、本当に住民と接していて、しかも地域に密着型という意味でいきますと、やはり市町村に権限を与える、これは一つ必要だろうと。広域化ということは当然あり得るわけですが、広域化があったとしても、地域の、そこに処理施設があり、そこに例えば焼却炉があるところがやはり一番密接に環境破壊、環境汚染を受けるわけでありまして、その視点からいっても、まず都道府県よりも市町村、さらに、それを支援する体制を考えた方がより合理的である、こう考えております。
 マニフェストのことについて申し上げますが、マニフェストについては、私は、現行法上二つ大きな欠陥があると思っております。これは、四ページのところに書きましたが、まず第一には、自社処分には一切適用がない。この自社処分の範囲も物すごくあいまいでして、先ほど例に挙げましたが、焼却したり破砕したりすると、後は全部自社処分だよと、他人から荷を受けてもですね。ですから、そこでマニフェストは切れてしまう、自社処分にはマニフェストはありませんから。そうすると、最終処分までの確認ができないということで、いわゆる二次マニフェストができたわけですね。たしか二〇〇〇年でしたか。
 ところが、二次マニフェスト、役に立つかというと、これは全然役に立たない。例を挙げますと、どういうことかといいますと、AさんがBさんに焼却を依頼する、それで、焼却してそれを最終処分したと。ここから先は自社処理だからマニフェストはないんだけれども、排出事業者は、自分が預けた荷が焼却されてどこに埋め立てられたか、これを確認しろというわけですね。このAさんが、ある業者のものしか受けていなければそれはいいんですけれども、例えば三十社受けている。これは普通の規模です。三十社受けて、それをまぜて燃やすのは当たり前なんです。まぜて燃やして、ある日燃やした、その灰がどこの灰かなんてことはわかるわけがないですね。つまり、人の遺骨と他人の遺骨をまぜちゃっているものを、これはおまえの遺骨だということでこれを確認する、つまり漫画の世界です、この二次マニフェストというのは。こういういわゆる漫画チックな制度をつくったというのは、やはり実態を知らないからだというふうに私自身は思っています。
 四ページのところにケース一、ケース二と書きましたが、これは私がよく法令講習会で使う図をそのまま使わせていただいただけです。これはちょっと時間がありませんので説明いたしません。
 そういうことがありまして、今回の法改正で言われていますマニフェストまたはその写しの保管義務だとか、処理が終了していないのにマニフェストの写しを送付をしてはならない、それから、違反に対する是正勧告を受けた事業者等に対する公表、命令の制度化、これ自身は、冒頭に申し上げたとおり、特に反対する理由は全くございません。ただし、重大な、基本的な欠陥をほっておいて、こういうものに手をつけて何の意味があるのかということが私の大きな疑問です。
 電子マニフェストについても、これは我々も随分議論したことがありますが、その実効性の前提として、やはりマニフェストの基本的な部分、自社処理をどう扱うのか、それから自社処理の範囲はどういうふうに明確化するかということをまず拾い上げないと、マニフェストばかり発達させてもしようがないだろう、こう思っています。
 それから、国庫補助金の廃止の問題がありますが、これはちょっと時間の都合で省略いたしまして、後で読んでいただきたいと。
 それから、最後に、無確認輸出の問題について申し上げたいと思います。
 無確認輸出の罰則の強化、六ページから七ページについてなんですが、実は平成四年十二月にバーゼル法ができまして、それを受けて廃棄物処理法の規定が改正された。バーゼル法の方は、特定有害廃棄物について、つまりバーゼル廃棄物についての規定であって、それから、廃棄物処理法の規定の方は、それ以外の一般廃棄物等についての規定。問題は、いずれもこの規定では到底適正な輸出入の確認あるいは承認等の手続ができないということになります。
 時間がなくなったので詳しくは申し上げられませんが、むしろ根本的な部分をやはり改めないと、この手の問題は今後も続発するだろうと思います。
 済みません、ちょっと時間を超過いたしまして。どうもありがとうございました。
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小沢鋭仁#9
○小沢委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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小沢鋭仁#10
○小沢委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。砂田圭佑君。
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砂田圭佑#11
○砂田委員 自由民主党の砂田圭佑でございます。
 きょうは、参考人の皆様におかれましては、大変お忙しい中、わざわざお時間をお割きくださいましてお話をいただきまして、まことにありがとうございます。心から御礼を申し上げる次第でございます。
 私は、もともと関西の舞子公園というところ、御存じかもわかりませんが、その辺の育ちでありまして、まさに白砂青松の地でありましたから、大変きれいな海の中で育ちました。六月ごろから十月ごろまでは毎日、学校から帰ったら海の中へ入っている、足の周りに魚が寄って来るというような、そんな海でございましたけれども、五、六年してから同じ海に入りますと、もう真っ黒な海で、底は見えませんし、そして上がってくれば重油に肌がべっとりぬれるというような、そんな海の中で、まことに自然というものの中で育った我々としては非常に残念な思いがしたものでございます。
 そういう点で、きょう先生方からもう既にこの問題について十分な御示唆、お話をいただいておるわけですから、わざわざ私どもが改めて質問を申し上げることもないのでありますけれども、やはり私は国民から選ばれた代表でございます。国民のために、あるいは国民が疑問に思うこと、そういう点について二、三お伺いをして、そして、我々、国民との間でどんな形で環境問題に取り組むべきか、あるいはどんな政策を打ち立てるべきか、どんな法律をつくるべきか、また、行政は当然その中でそれを普遍化して、国民すべてに良好な環境をもたらすということをやっていかなきゃなりません。そういう立場でぜひとも先生方に御質問をしていきたいと思っていますので、重複する部分もございますけれども、どうぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 まず最初に、環境問題の将来、いろいろな形で今環境処理を、あるいは環境をしっかりするためにいろいろな、ごみやらちりやら、あらゆるものを国の方でも考えながら、その処理を早めていかなければならない。きょう市民が出したごみは、あしたには十分片づいて、きれいに処理をされているということを国民は望んでいるわけでございますけれども、いろいろな状況から拝見して、この日本のごみ処理の問題は極めて厳しい環境に置かれている。ごみが多い、そういうことに対してそれを処理する能力は小さい、そのアンバランスがいろいろな不正を呼んだりしていることも事実ではないかという気がいたします。
 そういう点で、四人の先生方に、日本の将来、ごみというのはどんな形で処理をされていく、あるいは先生方のそれぞれのお立場でどうやってごみ処理をしていくことが理想的なのか、そこら辺をぜひともお聞かせいただきたいと思います。
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花嶋正孝#12
○花嶋参考人 環境問題というのは、今日、その意味で非常に喫緊の課題でございますので、殊にその中でもごみ処理というのは非常に喫緊の課題でございます。そういう意味で、どういうふうにすれば国民が安全、安心を担保できるかという話になると、非常に難しいわけでございます。
 私は、実は最終処分をずっと四十年近くやってまいりましたので、余り法律的なことはよくわかりませんけれども、技術的な問題として、最終処分場が足らないということが盛んに言われます。最後の受け皿ですから、今日の問題としては、非常に災害が多発しております。そういうときに、それをどういうふうにしてきちっと早急に片づけるかということになりますと、そういう片づける場がないということが非常に大きな問題になっております。
 御存じのように、神戸の震災のときに約二千万トン近い廃棄物が出てまいりました。それが割と速やかに排除されたのはなぜかといいますと、あそこに大きな処分場が三つございまして、神戸市に二つ、大体一千万トン以上の大型の処分場がございます。それから、もう一つ、御存じの海面処分場でございます。その三つに分散して、そこで整理をして、早く片づけたというようなことがございますので、私は必要最小限、今まで日本に五千カ所もあったような小さい、本当に一万トン以下のような処理場がたくさんできることは非常に問題がありますけれども、国がそれを総合的に、ただ処分場だけじゃなしに、中間処理施設あるいはリサイクル施設も兼ねた大型の都市施設としてそれをきちっと整備していただくということが、私は一番大事じゃないかと思っております。
 そういう意味では、そういうものに国の方の御援助をいただければ、技術としては、今も皆さんが御心配になるようなことは、最終処分場についてもここ三、四十年の間に非常に進歩いたしております。一番新しいところでは、ごみを洗うというような話までやっております。現に、私どものところの研究所では、ごみを洗う施設をつくって、WOWという研究会をつくって研究をいたしております。
 ちなみに、今、大阪湾なんかで、尼崎だとか泉北の海面処分場がそろそろ満杯になって、閉鎖をする。閉鎖して土地をできるだけ速やかに売りたいわけでございますけれども、それがなかなか売れない。なぜかというと、何が入っておるかわからない、それから法律上のいろいろな規制がございまして、もしそれを買ってから事が起きた場合には、その所有者の責任になるというようなことも含めて、土地が売れない。それなら最初から有害物を取り除いて埋めたらどうだというような、これはまじめに考えているんです。今度、大阪湾の新しい処分場をつくるときには、そういう施設を実際組み入れて処理を行っていこうというふうに考えております。
 そういう意味では、私の立場からでは、最終に受け皿をきちっと都市施設としてつくっていただきたいということが一つの方向だと思います。
 ありがとうございました。
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大塚直#13
○大塚参考人 大塚でございます。恐れ入ります。
 三点申し上げておきたいと思います。
 一つは、処理の前提として、先ほども申し上げましたスリーRというのを進めていく必要があるということでございます。基本的には発生抑制、その次はリユース、それからマテリアルリサイクル、サーマリサイクルという順番を堅持していくべきだということがあると思います。
 基本的には、廃棄物の発生を抑制して、できるだけ処理をしないようにしていくということが重要であると思います。そのためには、EPRと呼ばれる拡大生産責任というのが一つございますし、その一例として、例えば家電製品の中での有害物質の含有量を減らしていくとか、それ以外の製品についても有害物質を減らしていくというような方策が、EUなどではRoHSなどと言って進められているところでございまして、非常に参考になるのではないかと思っております。
 第二点は、もちろん焼却も必要ですし、最終的に最終処分もどうしても必要な場合は残るわけでございますけれども、これに対しての管理とか監視を徹底していくべきだということがございます。そこで一番のポイントになるのは、排出事業者の責任ということがあると思います。
 そして、最終処分に関しましては、例えばアメリカでは、最終処分場をつくるとき、三十年間は管理をしていくということを前提として計画をつくっていくわけですけれども、我が国は必ずしもそこまでは行っていないということがございまして、すぐにそこまで行けるかどうかわかりませんけれども、できるだけ早い時期にそういう計画を立てられるようなところまでいくべきではないか。そのためには、処分場の設置者の財政的な基礎というのが非常に重要になるということがあると思います。それを許可基準の中で実質化していくべきではないかと個人的には思っておりまして、例えば、保険などをつけることを最初に財政的な基礎の証明として必要としていくべきではないかというのも一案であります。まだこれは実際にできるかどうかわかりませんけれども、そういうことが例えば考えられるわけでございます。
 第三に、最近の分権推進の中で三位一体改革などが進んでいるわけですけれども、処分場というのは迷惑施設ですので、どうしても地方自治体だけに任せておくというわけにはなかなかまいらない点がございます。今般、循環型社会形成推進の交付金が成立したということは、私は結構なことだと思っておりますけれども、完全に自治体に任せ切りにしてしまって、財源だけを移譲すればこの問題が済むというものではないということも特に申し上げておきたい点でございます。
 以上でございます。
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小畑嘉雄#14
○小畑参考人 これからの最終処分のあり方ですけれども、やはりできるだけ中間処理なりリサイクルをするということをしながら、最終処分をできるだけ少なくしていくという方向が大事だと思います。
 それからもう一つは、日本の場合、地形的な関係で、やはり山の谷合いとかああいうところにはできるだけ処分場をつくらないようにすべきではないかな。したがって、中間処理なりリサイクルでできるだけ最終処分する量を減らして、そして、どうしても最終処分をしなければならないものは、むしろ海側といいますか、一番下流のところでつくれば、それまでの途中のところの汚染は防止されますし、それから、割合海側でつくります場合、そこから外へ流れ出る場合に、護岸をきちっとして、その周りの水質調査を定点を定めてやれば、かなりわかりやすく、何かそこから漏れて出るとそこの水位がぽっと上がるということで、大阪市はずっと埋め立てでやってきたんですけれども、もし何かあるときはわかりやすい、その場合はそこを掘り起こして補修すればいいということでありますので、そういう方向でひとつやっていく必要があるだろうということ。
 もう一点は、今やはり実態がわかりにくいために、どれだけのものをつくればいいかというのがなかなかわかりにくいということと、そういう意味で、今は余り公共はかかわらずに民間でやられているんですけれども、民間でやる場合、やはり、先ほども言いましたように、コストをかけた施設とコストをかけない施設がありますと、かけた方が絶対、環境上はいいんですけれども、搬入料の関係では、コストをかけたところは高い搬入料になりますし、それからコストをかけないところは安い料金になる。そうすると、持っていく人が、いや、わしのごみはどうしてもいいところで処理してほしいということで、コストの高いところに持っていってもらっていいんですけれども、どうしてもそれは安いところへ行く。そうすると、安いところ安いところへと流れていってしまうというのがありますので、その辺はやはり、そういうモラルがかなりきちっとよくなるまでは公共も一定かかわって、最低限こういう施設、こういうものは要るという形の処分場をつくっていかないと、なかなか環境という立場からはうまくいかぬのじゃないかなというふうに思います。
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梶山正三#15
○梶山参考人 ごみはたくさんある、しかし処理施設の能力は足りない、だから処理施設は必要だ、これが一般的にいう処理施設をつくる方の論理だと思います。これはもっともなようですが、実は私、その点にまず疑問を持っております。本当に足りないという解析をだれがどれだけまじめにやったのかということなんですね。
 私自身は、長野、千葉、その他で、約八十の市町村について、現実に、ごみ処理の原単位、それから人口予測等について自分自身で解析してみたことがあります。例えば長野の事例で、広域連合の処理施設については、原単位についても、それから人口予測についても、明らかに従来の趨勢を上回る過大予測をしております。
 これはごみ処理施設に限らず公共事業一般に言えることですが、それが本当に過大予測ではないのかどうかということについてやはり十分な吟味が必要であって、本当に必要なのかということについても、やはり基本的なところから洗い直していくべきであろう、こう思っております。
 それからもう一つは、これは現在も言われていることですが、かつてのごみ処理は、例えば十五センチ以下に破砕してから埋めなさいという埋立基準はほとんど守られておりません。東京湾の埋立処分場なんかについても、このぐらいの机だとか長いすがそのままぼんぼん投げ込まれて、大変乱暴な埋め立てをしてきた。これは実際の埋立容量の恐らく半分も使っていないのではないかという処分場が全国各地にいっぱいあるわけでありまして、まず、環境改善もかねて、従来の処理施設というのはいかにその地域に負荷を与えてきたか、その負荷を減らしながら、新しい処分場をつくるというよりも、日本国内ではほとんどが水源地でありまして、そういう適地というのは基本的にないと考えた方がいいわけでありますから、従来の施設の見直しがまず必要であろう。
 それからもう一つ申し上げますと、あと二年もすると日本全体で人口がピークを迎えて、それから八十年もすると日本の人口は半減する、何百年かすると日本人は絶滅危惧種になるということが、これは大まじめに考えなくてはいけない話でありまして、そういう趨勢を踏まえて、さらに右下がり経済が高齢化の中で避けられないものだとすると、それを織り込んだ本当の意味でのごみ予測をきちんとやるべきではないか。
 さらに、それに加えて、例えばペットボトルのことを例に挙げますと、ヨーロッパでは二十回のリターナブル型が標準です。これは、ヨーロッパに行って、例えばスーパーに行っておしりを見ると、一回ごとに刻印が押してある。刻印の数を見ると、これは十五回目のリターナブルだということがわかる。それが日本ではワンウエー型が基本になっている。これは本当の意味でリユースを全くやる気がない、きちんとやる気がない。そういう意味でいうと、ごみを本当の意味で発生抑制する行政的な努力というものも極めて欠けている。
 それらをすべて吟味した上で、本当に処理施設がどこまで必要なのかということを、きちんと将来予測を立てるべきだ。それがないと、私は、処理施設を足りないからつくれという議論にはすぐに乗れないということが基本にございます。
 それから、もちろんそういうものの必要性を私は全く否定するわけじゃなくて、仮に必要であったとしたら、どうやってつくるべきかというのは私なりの提案を持っております。
 それは、一つは、やはり環境に最も負荷を受ける地域住民を管理体制の中に必ず組み込むこと。それからもう一つは、大きい処分場はやはりどうしても環境負荷を……
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小沢鋭仁#16
○小沢委員長 済みません、簡潔にお願いを申し上げます。
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梶山正三#17
○梶山参考人 済みません、つい長くなっちゃって。
 大きいものは、どうしても、そこが問題を起こしたときに対処できない。つまり、フェールセーフの考え方で処理施設というのはつくっていくべきだ、そう考えております。また、いつものとおり長くなって済みません。
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砂田圭佑#18
○砂田委員 大変短い時間の間に有益なお話をいただきました。ありがとうございます。
 ぜひとも、きれいな日本を我々の将来の子孫に残したいと思います。これからも御協力をいただきたいと思います。ありがとうございました。
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小沢鋭仁#19
○小沢委員長 次に、山本喜代宏君。
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山本喜代宏#20
○山本(喜)委員 社民党の山本でございます。
 きょうは、参考人の皆さんには、お忙しいところ、貴重な御意見をありがとうございました。
 また、質問の順番を配慮いただきまして、大変ありがとうございます。
 まず最初に、花嶋先生にお伺いしますが、産廃の処理に関する国と地方の役割分担、これはどうあるべきかということでございます。
 国から地方へということで地方分権の流れがございますが、しかし、地方分権推進会議なんかでは、産廃行政は地方分権の例外分野というふうなことで、国の責任の明確化ということが定義をされております。しかし、不法投棄などに対する迅速かつ機動的な対応ということでは、やはり現場の自治体の役割というのが極めて重要なわけでございます。
 三位一体で自治体の財政は大変厳しい状況でありますし、事務処理能力ということもかなり厳しい状況ではありますが、この産廃の問題、迅速な対応ということにおける国と地方のあり方は、役割分担ということでどうあるべきか、まずお伺いしたいと思います。
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花嶋正孝#21
○花嶋参考人 非常に難しい質問で、私にはなかなか答えにくい問題なんでございますけれども。
 もちろん産廃というのは、やはりかなり国の権限が強くないと、どう申しましょうか、地方だけではやり切れない問題が私はあると思います。
 そういう意味で、国と地方のいい連携というか、少なくとも今、環境省の方は地方にこれから人を派遣しようという、何か地方駐在の環境省のお役人をふやそうという方向でございますが、やはり地方の実情を十分踏まえていただかないと。
 私らのように地方におりますと、話は全部中央の話になってまいりますので、そういう意味では、地方といいますか、これは今、何も地方だけじゃない、自治体の話と国の話でございますけれども、そういう連携をどういうふうにとっていくか、その辺の細かい仕組みについては、私は余りそういうことに関係しておりませんのでよくわからないんですが。
 地方がきちっとデータを、先ほどやはりデータがないという話で、まずそれだけの専門家が育っていない。だから、どういうふうにデータをとっていいのか、実は各自治体でも、幾つかの都市を除いてはほとんどわからないというような現状ではないかと思います。殊に小さい市町村では全くわかりませんし、そういう意味では、ことしは三千二百が千八百ぐらいに市町村が合併したということで、それなりの人材が供給されると思いますが、そういうことをわかる専門家を地方に育て、国がそれをもっときちっと指導をしていく、そういうシステムをつくり上げれば、私はこの産廃問題というのは割とわかりやすく解決できるんじゃないかと思っています。その程度しか私はこのシステムについてはわかりません。申しわけございません。
    〔委員長退席、近藤(昭)委員長代理着席〕
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山本喜代宏#22
○山本(喜)委員 ありがとうございました。
 次に、大塚参考人にお伺いします。
 先生は先ほど来、三つのRということでおっしゃられておりましたけれども、拡大生産者責任というもの、それからリデュース、リユース、リサイクルというこの優先順位、さらには排出者責任、これは最も重要な課題ですが、しかし、この実効性がなかなか伴わないというふうな状況でございます。これに実効性を持たせていくにはどうしたらいいのか、この点についての先生の御所見をお願いします。
    〔近藤(昭)委員長代理退席、委員長着席〕
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大塚直#23
○大塚参考人 大変大きな問題でございますが、今答えられる範囲で簡単に答えさせていただきたいと思います。
 まず、拡大生産者責任の方につきましては、これは御案内のように、従来は、消費者が製品を購入した後、みずから消費をして廃棄をするという段階においては、もはや消費者のものになっていて、消費者のみがいわゆる排出者としての責任を負うという可能性がある、責任というのもおかしいですけれども、費用の支払いを負うかもしれないというようなことでございましたが、それだけではなくて、生産者が、その製品の消費された後の、廃棄された後のところについてまで追っかけていって責任を負う。そのための、例えばデザインをするということもありますし、場合によっては引き取ってリサイクルをするというような義務を負うというのが拡大生産者責任でございます。これは、従来の廃棄物のあり方とそれから製品の製造の段階という完全に二つに分かれていたものを統合する、くっつけるという、一体化するということを目指しているものでございます。
 しかし、同時に、引き取りをしてリサイクルをするということになりますと、生産者に極めて大きな負担をかける可能性もあるわけでございまして、例えば、現在、容器包装とか家電とか、このたびは自動車とか、については新しく個別的なリサイクル法ができたわけでございますが、そのように、現在自治体において、一般廃棄物の処理について大変困っていたり、あるいは産業廃棄物としても大きな問題を発生させているものに限って適用されてきているところがございます。
 どうしても、法制度としていくという段階におきましては、そして義務化していくという段階におきましては、比例原則といいまして、余りにも過大な負担を事業者、製造業者等に与えるというわけにはまいりませんので、その他の観点から、EPRの徹底というのは望ましいのですけれども、同時に限界、限度もあるというところがございます。したがって、徐々に進めていくしかないというところもありまして、その辺が、すぐにはスリーRが徹底しにくいというところが残念ながらあるわけでございます。したがって、これにつきましては、地道ではありますけれども、徐々に拡大をしていくということが必要ではないかというふうに考えております。
 もう一つの、排出者責任に関しましては、排出者責任の強化ということが、先ほど私が説明させていただきましたように、二〇〇〇年の改正においてなされまして、それがいわゆる産業廃棄物処理についての構造改革につながってきている、そのきっかけとなっているということだと思います。
 十九条の六という条文がそれに関係するわけですけれども、これは現在はまだ十分に発動されていませんけれども、具体的なあり方としては、国の方でこの十九条の六の措置命令が出されるための行政手続法上の基準をお決めいただくと、もっと使いやすくなるのではないかというふうに考えております。
 そして、排出業者の責任の徹底といたしましては、それ以外の、マニフェスト等についての配慮も必要になってまいりますので、これに関しては個別的な対応をどうしてもしていく必要というのが残っておりますので、具体的な問題に対応しながら徐々に拡大をしていくということが必要ではないかというふうに考えております。
 とりあえず、排出業者責任としては、十九条の六の行政手続法上の基準を示すということが国に現在求められているところではないかということを申し上げておきたいと思います。
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山本喜代宏#24
○山本(喜)委員 ありがとうございます。
 次に、小畑参考人にお伺いしますが、産廃特措法でありますが、十年間の時限立法ということでございます。しかしながら、現状では、処理費用も含めてかなりの金額になっておりますね。果たして、この十年間の時限立法、現状のこの体制で十分なのかどうか。今後、不法投棄、たくさんあります、減らないという状況の中での対応についてどう考えていったらいいのか、お伺いします。
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小畑嘉雄#25
○小畑参考人 不法投棄の原状回復、十年の時限立法ですけれども、昨年豊島へちょっと行ってきたんですけれども、五十万トン、捨てられたいわゆる不法投棄の産業廃棄物を、今それを全部掘り起こして、そして無害化する事業をやられています。何かこれはやはり三百億近くかかるという話で、あと、青森・岩手の県境も、これはやはり五、六百億はかかると言われていますけれども、これ二つで一千億とかいう数字になります。それから、千葉県には、不法投棄されて現存している量が、豊島の大体十倍近くぐらいの量がまだ現存したままですので、これを全部原状回復していこうと思いますと、それは膨大な数字になると思います。
 私ども、もともと十年の時限立法のとき、これができて、恐らくこれはもうずっと、未来永劫続く法律になってしまうんじゃないかなというふうに個人的には考えていましたので、今の状況では、とても十年でおさまる状況じゃないだろうし、当然これは延長するか、何か次の手だてを考える必要があるだろうというふうに思います。
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山本喜代宏#26
○山本(喜)委員 ありがとうございました。
 次は、梶山参考人にお伺いしますけれども、廃棄物というものの定義の問題でございます。
 今の廃棄物の定義、これは、不要物であるということと、取引価値の有無あるいは占有者の意思等を勘案してということで、厚労省の判断となっているようでございますが、この定義が不十分なことが、産廃がどんどんふえていくということの原因の一つになっているんじゃないかというふうに思うんです。
 そういう意味で、この定義の問題についてどのように考えたらいいのか、お願いします。
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梶山正三#27
○梶山参考人 大変大事な問題提起をいただきまして、ありがとうございます。
 現場で私も常々その点を考えているところでありまして、やはり一番問題になるのは、不要物または汚物となっております、要するに、経済的な概念と汚染的な概念をごっちゃにした大変特異的な定義でありまして、不要物という概念は人によってまさに相対的でありまして、捨てた人にとって不要物であっても他の人にとっては有用物である、これが廃棄物全般に通じる特性でありますから、これを不要物という言葉でくくるというのはもともと無理がある。端的に申し上げますと、有償取引の対象になるものは廃棄物にあらずという、それほど単純に言っているわけじゃありませんが、たしか昭和四十六年でしたね、二回にわたって国が通達を出しておりますが、その通達自身大変わかりにくい。バーゼル法にあるように、基本的には、ヨーロッパにしてもアメリカにしても、不要物という、有償取引の対象になるものは廃棄物ではないという概念は既に克服しておりまして、要するに、排出者の時点でもってこれは要らないよと出されたものは、後、それが有用物になろうが、最終処分あるいは資源として生かされるまではこれは全部廃棄物として扱う、その方が合理的で明確であろうと思っております。
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山本喜代宏#28
○山本(喜)委員 済みません、もう一度梶山先生にお伺いします。
 先ほどの御意見の中で、マニフェストの強化、この実効、もともとこういうものはだめなんだというようなことでお話がありましたが、これが実効性を伴うにはどのような方策が必要か、お伺いします。
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梶山正三#29
○梶山参考人 一つは、今問題になっております自社処理という枠を一たん取っ払って、その自社処理の中でも、マニフェスト適用が可能なものと可能でないものとが、これはあり得るかと思うんですが、基本的には、今自社処理という枠でマニフェストがなくなっている部分をどうやってマニフェストに取り込むか、これがまず第一点必要だろうと思います。
 それからもう一つは、今の廃棄物の定義とも関連するんですが、やはり廃棄物の定義自体も、ある時点でごみになったり、ごみにならなかったりする。例えば紙でしたら、そのときの市況の状況によって、有償取引になったりあるいは逆有償になったり、それは揺れ動くわけですから、やはりそういうものにとらわれない廃棄物の定義、これは最低限必要だろう。
 まず第一点は、自社処理に対してもマニフェストの範囲を拡大する、これがスタートだろうと思っております。
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