国際・地球環境・食糧問題に関する調査会
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会
会議録情報#0
平成二十四年四月十八日(水曜日)
午後一時開会
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委員の異動
四月十七日
辞任 補欠選任
玉置 一弥君 柳田 稔君
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出席者は左のとおり。
会 長 藤原 正司君
理 事
大島九州男君
外山 斎君
山田 俊男君
加藤 修一君
松田 公太君
委 員
江田 五月君
ツルネン マルテイ君
友近 聡朗君
白 眞勲君
福山 哲郎君
藤末 健三君
舟山 康江君
柳田 稔君
熊谷 大君
佐藤 正久君
中山 恭子君
橋本 聖子君
水落 敏栄君
若林 健太君
石川 博崇君
紙 智子君
事務局側
第一特別調査室
長 宇佐美正行君
参考人
東京大学大学院
工学系研究科都
市工学専攻教授 滝沢 智君
株式会社資源・
食糧問題研究所
代表取締役 柴田 明夫君
立命館大学政策
科学部教授 仲上 健一君
─────────────
本日の会議に付した案件
○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する
調査
(「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、
アジアの水問題(アジアの水問題への取組の課
題)について)
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
四月十七日
辞任 補欠選任
玉置 一弥君 柳田 稔君
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出席者は左のとおり。
会 長 藤原 正司君
理 事
大島九州男君
外山 斎君
山田 俊男君
加藤 修一君
松田 公太君
委 員
江田 五月君
ツルネン マルテイ君
友近 聡朗君
白 眞勲君
福山 哲郎君
藤末 健三君
舟山 康江君
柳田 稔君
熊谷 大君
佐藤 正久君
中山 恭子君
橋本 聖子君
水落 敏栄君
若林 健太君
石川 博崇君
紙 智子君
事務局側
第一特別調査室
長 宇佐美正行君
参考人
東京大学大学院
工学系研究科都
市工学専攻教授 滝沢 智君
株式会社資源・
食糧問題研究所
代表取締役 柴田 明夫君
立命館大学政策
科学部教授 仲上 健一君
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本日の会議に付した案件
○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する
調査
(「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、
アジアの水問題(アジアの水問題への取組の課
題)について)
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藤
藤原正司#1
○会長(藤原正司君) ただいまから国際・地球環境・食糧問題に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、玉置一弥君が委員を辞任され、補欠として柳田稔君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、玉置一弥君が委員を辞任され、補欠として柳田稔君が選任されました。
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藤
藤原正司#2
○会長(藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。
本日は、「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、アジアの水問題に関し、アジアの水問題への取組の課題について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
本日は、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授滝沢智参考人、株式会社資源・食糧問題研究所代表取締役柴田明夫参考人及び立命館大学政策科学部教授仲上健一参考人に御出席をいただいております。
この際、一言御挨拶を申し上げます。
各参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして今後の調査会の参考にしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
本日の議事の進め方でございますが、まず滝沢参考人、柴田参考人、仲上参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、滝沢参考人から御意見をお述べいただきます。滝沢参考人。
この発言だけを見る →本日は、「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、アジアの水問題に関し、アジアの水問題への取組の課題について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
本日は、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授滝沢智参考人、株式会社資源・食糧問題研究所代表取締役柴田明夫参考人及び立命館大学政策科学部教授仲上健一参考人に御出席をいただいております。
この際、一言御挨拶を申し上げます。
各参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして今後の調査会の参考にしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
本日の議事の進め方でございますが、まず滝沢参考人、柴田参考人、仲上参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、滝沢参考人から御意見をお述べいただきます。滝沢参考人。
滝
滝沢智#3
○参考人(滝沢智君) 東京大学の滝沢と申します。よろしくお願い申し上げます。
お手元に資料のコピーが配付されていると思いますが、それに沿いまして進めさせていただきたいと思います。(資料映写)
本日、私の話は、アジア地域における水問題の現状と水ビジネス国際展開に向けた取組という題目で発表させていただきます。発表の内容でございますが、前半部分は、アジア各国の水不足、それから水質の問題についてお話をさせていただきたいと思います。後半部分は、日本の取組ということで、日本の水ビジネス国際展開に向けた取組、それから今後の展望についてお話をさせていただきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
初めに、水資源の不安定化ということですが、タイで大きな洪水がございましたけれども、そういった洪水の被害があるとともに、これは二年前ですけれども、中国メコン川の上流域で非常に大きな規模の渇水がございまして、メコン流域で水不足に悩んだということですけれども、新聞に報道されている、海外の新聞でも報道されるぐらい大きなことだったと。例えて言うと、中国の貴州、雲南を中心とした被害の規模ですけれども、渇水が五か月以上続いて、被害人口としては一千八百万人、また家畜が一千百万頭ぐらい死んだということがございます。
お隣、中国を参考にアジア地域全般の水問題の状況について御説明をさせていただきたいと思いますが、これは統計データからまとめました中国の水需要、水利用の変化でございます。一九八〇年以前のデータについてはそれほど信頼性がないデータかもしれませんが、その後は定期的にデータが取られているという状況です。
御覧のグラフの中で、全般的に上昇傾向はまだまだ続いております。水需要は非常に増えているんですけれども、中でも農業用水がほぼ頭打ちになっているのに比べて、生活用水あるいは工業用水、いわゆる都市で使う水が非常に増えている、今後も増えていくだろうという予測がなされております。
こうした中で、水の不足ということだけではなくて、水質の問題というのも顕在化してきております。これも海外のジャーナルに報道されたものですが、中国の水質汚染問題が中国全般の経済活動あるいは生活に大きな影響を及ぼすといったようなことが報道されております。
中国全般、中国には七大水系という、中国全体の河川を七つに分けておりますが、このうち、水質の基準がⅠ類というところからⅤ類というところまで五段階にあります。Ⅴ類よりも超過という、更にもっと悪いと、これを入れますと六段階ということになりますが、この分類の中で、中国の水質分類の中でⅠ類からⅢ類は飲用水、飲み水の水源として使えると、Ⅳ類以上は水質が悪いので飲み水には使えないということでございますが、御覧いただきますと、Ⅰ類からⅢ類が多いのは南の方の長江、揚子江等ですが、北の方に行きますと、松花江、これはハルビンを流れている川ですが、淮河、遼河、海河というようなところではⅢ類までの飲料水の水源として使えるところが二〇%ないし三〇%ぐらいということで、非常に汚染が進んでいるということが分かります。
一つ例を出しますと、これは中国の水質データをまとめたものですが、この海河流域、北京市を含む流域ですけれども、Ⅰ類、Ⅱ類、Ⅲ類というのは水色から緑色ですが、この河川の流域を見ますと、水色あるいは緑色の範囲に入るところがほとんどなくて、赤の濃い色になっている、つまり水質が非常に汚濁されているという河川が非常に増えているということでございます。水が足りないというところに加えまして、水質汚濁が進んでいると。
これは飲料水水源にもなっております湖あるいは大型のダムでございますが、これも水質類型がⅠ類からⅤ類あるいはⅤ類超過というところにありますが、飲料水水源として使えるのはⅢ類まででございますが、この表の一番下を見ていただきますと、Ⅰ類は〇%、それからⅡ類が七・一%、Ⅲ類が二一・四%で、全体として飲料水水源として使える湖は三割、三〇%以下しか残っていないということで、非常に大きな問題になっております。
こういった水質汚濁の問題に加えて、水質汚染事故と申しますけれども、様々な工場からの事故等で水源汚染が引き起こされているということでございます。これは二〇〇五年に松花江、ハルビンの付近で起こった大規模な水質汚染事故の報道ですけれども、そのとき、新聞報道、日本でも大分報道されましたが、中国の河川、七割は汚染されているという報道がありまして、今申し上げましたとおり飲料水として使えるのは三割ぐらいだということで、大体の割合が一致しておりますけれども、七割は飲料水としては使えないような河川になってしまっているという現状でございます。
たまたま私、その水質汚染事故のときにハルビンにおりましたけれども、その事故対応ということで、急にそういった汚染に対する対応策を考えておりますが、そのときはそういった対応策が元々できておりませんで、やっていたのは、この下段、下の真ん中にありますけれども、水源に活性炭をたくさん注入して汚染対応をすると、それもどちらかというと人がたくさん集まって作業をしながら活性炭を入れていくということで、なかなかこういった作業では大規模な汚染に追い付かないという問題もありました。
こういった問題が、中国を例に申し上げましたけれども、中国だけではなくて、アジアのいろいろな国で、経済開発に伴いまして、水の不足それから水質汚染問題というのが増えております。
もう一つ、特に都市部の人口と水需要が増えているということを申し上げましたけれども、こちらのグラフは、これも国連の統計から取ったものですけれども、二〇〇八年に世界人口、今七十億人ぐらいありますけれども、その当時六十六億人と言われていましたけれども、およそ半分が都市に住んでいるというふうに言われております。こちらのグラフの線を見ていただきますと、アーバンと書いてある都市人口は今後も増加していきますが、ルーラルと書いてある農村人口に関してはアジア地域も含めてそれ以上増えないと、余り増えないという傾向がございます。
こういう中で、都市人口のうちおよそ三分の一、三割がスラムというところに住んでいます。三十三億人のうち大体三〇%ですから、十億人ちょっとがスラムというところに住んでいて、そういう方々がどういう生活をしているかというと、この写真にありますけれども、これはジャカルタで撮った写真ですけれども、河川沿いに生活をしている、水道は来ていないと。どうしているかというと、この河川の水を生活用水に使い、洗濯をしておりますけれども、生活用水に使い、それから後ろの方を見ていただきますと、これはトイレなんですけれども、いかだの上にトイレがあって、そのままトイレにも使っていると。もっと奥の方を見ていただきますと、いかだがどんどんどんどんたくさんつながっていて、実は一つの水をいろんなことに繰り返しながら使っていて、上流で排せつされた水をそのまま下流で子供が水浴びをしたり体を洗ったり食器を洗ったり、そういうような形で暮らしていると。それが衛生上非常に大きな問題になっているということでございます。
飲み水の問題に限らず、水質の汚染の問題、いろんな健康影響を引き起こしておりまして、これ、トラコーマという目の病気ですけれども、ベトナムのハノイというところで調査しました。一人当たり一日使える水の量、これは日本ですと、東京ですと家庭用水で二百五十リッターぐらい使っていると思いますけれども、水の事情の悪い地域では三十リッター、四十リッター、あるいはそれ以下しか使えません。ハノイで、ちょっと古いデータですが、一九九九年に調査したところ、使える水の量が少ないと、それだけこの目の病気にかかる率も高い。子供たちは、暑いですからこういう形で川に入って、そのまま手も目も洗わずに上がってくる、その結果、こういった病気に感染するということでございます。
表流水はそういう形で大腸菌その他の感染症に汚染されていることが多いんですが、それ以外の水源として地下水がございます。地下水は通常、清澄できれいだというふうに考えられているんですが、地域によっては地質から出てくるような汚染物質というのがございまして、その代表的なものの一つに弗素があります。
弗素は、我々の歯磨きのチューブに入っていて虫歯から歯を守るといった効果がある反面、これを経常的に恒常的に摂取しますと、歯あるいは骨に弗素が沈着してこういった健康被害が生じる。これは歯医者さんが調査している事例ですけれども、男の子の歯の状態を調べている。それから、真ん中の御老人は長くこの地下水を飲んでいたために骨折してしまうといった問題があります。
それから、もう一つの問題として、地下水の問題として砒素による汚染というのがございます。これ、我々が調査した一つの事例ですけれども、バングラデシュあるいはウエストベンガルと言われているインドの地方でこの砒素の汚染、大規模に進行しておりますけれども、それ以外にアジアの様々な地域で地下水がこういった砒素によって汚染されているということが分かっています。
これは幾つかのコミュニティーで測ったものですが、砒素のグラフはAsと書いてある真ん中にあるグラフですけれども、このAsと書いてある砒素の濃度ですが、日本の基準、あるいはベトナムもそうなっていますが、WHOの基準は十マイクログラム、十というところが飲料水の基準ですが、多くの地下水でこの十という基準を超えたレベルに達しているということでございます。
振り返りまして、我が国、日本がどういう形で上下水道の整備をしてきたかということについて御説明を申し上げたいと思います。
今や水道あるいは下水道のサービスは日本では当たり前のサービスというふうになっておりますが、振り返ってみますと、日本もオリンピックのころの渇水、あるいは雨が降ったときの洪水、それから隅田川の汚染という問題がありました。
こういった問題に対して上下水道の建設を進めまして、今現在、一昨年度末のデータを見ますと、水道の普及率は九七・五%、これは全国ですけれども。それから、下水道の普及率は七三・七%という高いレベルの普及率を達成しております。
それだけではなくて、農業用水あるいは工業用水の水を一トン使った場合にどれだけの生産をできるかということですが、特にそのジャパンと書いてあるところのインダストリー、産業用水、工業用水については世界に比べても非常に高い生産高を誇っています。これだけ日本の産業は水の使い方が非常に効率がいいというところで、これが日本の強みの一つだろうというふうに考えております。
こういった日本の様々な経験あるいは強みを、先ほど申し上げました水に困っているアジアの、中国もそうですけれども、アジアの様々な国に対していろいろな形で貢献ができないか。その貢献の中に、これまで日本が力を注いでまいりましたODAだけではなくて、ビジネスという視点も入れて貢献ができないかというのがここ数年の動きでございます。
これは経済産業省がまとめたデータでございますが、水分野を上水道、海水淡水化、工業用水、再利用、下水というような分野に分けたときに、これからどれぐらいの需要があるかといったことをまとめております。上段が二〇二五年の予測値でございまして、括弧で囲んだ少し小さな字が二〇〇七年の実績値でございますが、各分野ともこういった水分野で高い需要の伸びが期待されるというふうに思われております。
その中で、伸び率が高い分野として海水淡水化あるいは工業用水の再利用といったことがございますし、それから金額として大きなところは、やはり上水道あるいは下水のサービスといった都市の上下水道のサービスだというふうに考えられております。
これまで日本は、世界の水のODAにおきまして、これは国連とか国際機関を含めても五分の一以上の貢献をしております。バイラテラルで考えますと四〇%ぐらいの貢献率だというふうに考えられておりまして、非常に高い割合の貢献をしてきたわけですけれども、これからはODAだけに限らず、更に発展させた形で水分野のビジネスパートナーをアジアあるいはそれ以外の地域に広げていくといったことが課題でございます。
こういった水ビジネスの動きですけれども、そもそも一九九〇年ごろ、世界で水に対する投資の資金が足りない、それをどうするか、あるいは途上国の水道事業体の運営効率が非常に悪い、それをどういうふうにして改善するかといった中でこういった、PPPと言われていますけれども、公民連携あるいは官民連携で水事業をやっていこうという流れがありました。
そもそものきっかけは、イギリスやニュージーランドあるいはチリなどで民営化して、それが成功例だというふうに伝えられたことが大きなきっかけになっております。その後、こちらの表にありますが、九〇年代を通じて世界各国でこういったPPPによる水道事業というのが拡大してまいりました。
最近は少し見直しもありまして、PPP事業、本当に成功しているのかということが疑問として投げかけられておりますが、これは世界銀行の研究者がまとめた事例でございまして、左側の円グラフを見ていただきますと、七年以上継続したPPP事業の評価ということをしておりまして、継続中が八五%、契約満了後公営化したのが七%、契約を解除したところが八%で、一五%は失敗といいますか公営に戻っておりますが、八五%は継続中だということですが、そのうち失敗といいますか再公営化した地域というのは割と偏っておりまして、サブサハラ・アフリカというアフリカの地域と、それからラテンアメリカにそういった事例が多いというふうな報告がございます。
もう一つ、水メジャーというような言葉がございますけれども、世界の民営化市場、二十年ぐらい前に始まっておりますけれども、その後、二〇〇〇年に入りましてその市場が大きく変わってきております。何が変わったかというと、元々水メジャーと呼ばれているような世界の大手五社が市場の八〇%から九〇%を占めているというふうに考えられていたんですが、二〇〇〇年を越えて過去十年を見ますと、上のグラフにございますように、市場そのものは、マーケットそのものは世界で拡大しておりますが、その中で割合を深めているのは一番上のピンク色の棒でございまして、それはその他ということで、世界のうちメジャーが占めている割合がだんだんだんだん減ってきて、それ以外の様々なプレーヤーといいますか企業がこの分野に参入してきている。それは、その中には地元の企業も含まれているということでございます。
そういった中で、周回遅れといいますか二十年遅れで日本が今水ビジネスということを言っているわけですが、何を目指すかということなんですが、これは一つの事例でございますが、上段が中国の水道の事例です、下段が日本の水道の事例ですが。中国、一番左側は、浄水場の中で水質をモニタリングしているモニタリングスペースです。上段が中国の事例で、下段が日本の事例。それから真ん中は、下が日本の浄水場、これは水が入っているんですけれども、非常にきれいな。中国の場合は、こういう中で、ホテルに行ってもこの水は飲めませんというレベルになっています。
すなわち、水が足りないのは確かなんですけれども、どのレベルのサービスを求めているかというのは国によって違っていまして、どんな国でも日本と同じレベルのサービスを求めているという、そういうふうに考えるのはやや勘違いがあるかもしれない。もしビジネスとしてやるのであれば、相手の国が求めている適切な水準のサービスをいかに低価格で提供することができるかというところが非常に重要になっていまして、日本レベルまではまだいいよという国に対して日本のレベルを無理やり押し付けるということではなかなかビジネスにはならない、そこは少し注意が必要だろうというふうに思います。
開発途上国における水インフラの市場の問題でございますが、冒頭申し上げましたとおりに、潜在的な需要というのは非常に大きくあります。水の不足、それから水需要の増加、水の不足、それから汚水、排水処理の問題、水質汚濁の問題、こういったところにインフラをしっかりと造っていかなきゃならないという潜在的な需要があるんですが、それをビジネスとしてとらえるためには顕在化した市場にしていかなければいけない。
その顕在化した市場というのは何かというと、それを誰が主体になって進めるかということですが、日本のように国や自治体に資金確保の手段、つまり信用力があってお金を借りてこれるとか、そういう状況にならないとビジネスは実際には顕在化してこない。あるいは、個人や企業にその水のコストを支払うだけの支払能力と意思があるか、そういったことをきちっと見極めないと、潜在的な市場があるよということと、それが顕在化して実際にビジネスができるということは少し違うということは十分に気を付けなきゃいけない。
課題は、この潜在的な市場があるというのは確かなんですが、これをいかに顕在化した市場に持っていくかというところが重要だろうと思います。
一つの考え方は既に顕在化した市場を攻めるということですが、海水淡水化あるいは工業用水のリサイクルについては中東産油国を含めて支払意思と能力のある国々があります。こういったところを中心にビジネスを広げていくというのが一つの考え方ですし、もう一つは、顕在化するための努力と、それから国あるいは地方自治体からの強力な支援をする。例えば、水やPPPに対する法制度や規制の確立とか、それから相手国あるいは自治体の事業資金確保手段の支援、それから水に関連した相手国の地元市場、日本企業だけが利益を得るのではなくて、相手企業、相手国の企業も育成しつつ両者がその利益をシェアするような形の地元の振興、それから相手国国民の啓発ですね、支払意思の向上。こういったことに関しては、民間企業よりも恐らく日本の国、あるいは自治体の方々、あるいは我々大学のような人間も含めて、そういったセクターがより強力に関与できるのではないかというふうに考えております。
それから、もう一つの点ですが、日本では大きな浄水場を造って、そこから、あるいは大きな下水処理場を造ってそこで集中的に処理すると、この方が効率がいいということで進んでいきましたが、海外では徐々に分散型の水処理、あるいは分散型の水道ということが進んでいます。これは、待っていてもいい水質の水が来なければもう自分たちで処理するしかないという意思の下で、こういった分散型、小さな処理がだんだんだんだん普及していくと。それが余りに普及してしまうと、そこに日本型の大きな浄水場を造りませんかという話を持っていってもなかなか受け入れてもらうのが難しい状況になってしまうということですので、相手国政府等も含めてしっかりとこういった話をしていかなきゃいけないというふうに思います。
ちょっと時間が参りましたので、あと技術の話を少し載せましたけれども、全体の話は以上で終了したいというふうに思います。
最後に一枚だけ、水ビジネス、今後の課題と取組というスライドを用意いたしました。
これは、先月横浜で水ビジネス関係のワークショップ、シンポジウムをやりましたけれども、そこで出たいろいろな意見を私の方で取りまとめたスライドでございます。
一つは、マーケットの顕在化に向けた努力が必要だと先ほど申し上げました。それから、部品供給については日本は強いと言われていますが、これを事業運営に持っていかなければいけない。それを実施するために、トラックレコードと書いてありますが、幾つかの実績をできるだけ早く付けていかなきゃいけない。そのためにはどういう市場があるかということをしっかりと見極めることが重要だということで、上記に向けた様々な努力が必要だというふうに考えてございます。
まとめもありますが、時間が来てまいりますので、以上で私の発表を終わりにしたいと思います。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →お手元に資料のコピーが配付されていると思いますが、それに沿いまして進めさせていただきたいと思います。(資料映写)
本日、私の話は、アジア地域における水問題の現状と水ビジネス国際展開に向けた取組という題目で発表させていただきます。発表の内容でございますが、前半部分は、アジア各国の水不足、それから水質の問題についてお話をさせていただきたいと思います。後半部分は、日本の取組ということで、日本の水ビジネス国際展開に向けた取組、それから今後の展望についてお話をさせていただきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
初めに、水資源の不安定化ということですが、タイで大きな洪水がございましたけれども、そういった洪水の被害があるとともに、これは二年前ですけれども、中国メコン川の上流域で非常に大きな規模の渇水がございまして、メコン流域で水不足に悩んだということですけれども、新聞に報道されている、海外の新聞でも報道されるぐらい大きなことだったと。例えて言うと、中国の貴州、雲南を中心とした被害の規模ですけれども、渇水が五か月以上続いて、被害人口としては一千八百万人、また家畜が一千百万頭ぐらい死んだということがございます。
お隣、中国を参考にアジア地域全般の水問題の状況について御説明をさせていただきたいと思いますが、これは統計データからまとめました中国の水需要、水利用の変化でございます。一九八〇年以前のデータについてはそれほど信頼性がないデータかもしれませんが、その後は定期的にデータが取られているという状況です。
御覧のグラフの中で、全般的に上昇傾向はまだまだ続いております。水需要は非常に増えているんですけれども、中でも農業用水がほぼ頭打ちになっているのに比べて、生活用水あるいは工業用水、いわゆる都市で使う水が非常に増えている、今後も増えていくだろうという予測がなされております。
こうした中で、水の不足ということだけではなくて、水質の問題というのも顕在化してきております。これも海外のジャーナルに報道されたものですが、中国の水質汚染問題が中国全般の経済活動あるいは生活に大きな影響を及ぼすといったようなことが報道されております。
中国全般、中国には七大水系という、中国全体の河川を七つに分けておりますが、このうち、水質の基準がⅠ類というところからⅤ類というところまで五段階にあります。Ⅴ類よりも超過という、更にもっと悪いと、これを入れますと六段階ということになりますが、この分類の中で、中国の水質分類の中でⅠ類からⅢ類は飲用水、飲み水の水源として使えると、Ⅳ類以上は水質が悪いので飲み水には使えないということでございますが、御覧いただきますと、Ⅰ類からⅢ類が多いのは南の方の長江、揚子江等ですが、北の方に行きますと、松花江、これはハルビンを流れている川ですが、淮河、遼河、海河というようなところではⅢ類までの飲料水の水源として使えるところが二〇%ないし三〇%ぐらいということで、非常に汚染が進んでいるということが分かります。
一つ例を出しますと、これは中国の水質データをまとめたものですが、この海河流域、北京市を含む流域ですけれども、Ⅰ類、Ⅱ類、Ⅲ類というのは水色から緑色ですが、この河川の流域を見ますと、水色あるいは緑色の範囲に入るところがほとんどなくて、赤の濃い色になっている、つまり水質が非常に汚濁されているという河川が非常に増えているということでございます。水が足りないというところに加えまして、水質汚濁が進んでいると。
これは飲料水水源にもなっております湖あるいは大型のダムでございますが、これも水質類型がⅠ類からⅤ類あるいはⅤ類超過というところにありますが、飲料水水源として使えるのはⅢ類まででございますが、この表の一番下を見ていただきますと、Ⅰ類は〇%、それからⅡ類が七・一%、Ⅲ類が二一・四%で、全体として飲料水水源として使える湖は三割、三〇%以下しか残っていないということで、非常に大きな問題になっております。
こういった水質汚濁の問題に加えて、水質汚染事故と申しますけれども、様々な工場からの事故等で水源汚染が引き起こされているということでございます。これは二〇〇五年に松花江、ハルビンの付近で起こった大規模な水質汚染事故の報道ですけれども、そのとき、新聞報道、日本でも大分報道されましたが、中国の河川、七割は汚染されているという報道がありまして、今申し上げましたとおり飲料水として使えるのは三割ぐらいだということで、大体の割合が一致しておりますけれども、七割は飲料水としては使えないような河川になってしまっているという現状でございます。
たまたま私、その水質汚染事故のときにハルビンにおりましたけれども、その事故対応ということで、急にそういった汚染に対する対応策を考えておりますが、そのときはそういった対応策が元々できておりませんで、やっていたのは、この下段、下の真ん中にありますけれども、水源に活性炭をたくさん注入して汚染対応をすると、それもどちらかというと人がたくさん集まって作業をしながら活性炭を入れていくということで、なかなかこういった作業では大規模な汚染に追い付かないという問題もありました。
こういった問題が、中国を例に申し上げましたけれども、中国だけではなくて、アジアのいろいろな国で、経済開発に伴いまして、水の不足それから水質汚染問題というのが増えております。
もう一つ、特に都市部の人口と水需要が増えているということを申し上げましたけれども、こちらのグラフは、これも国連の統計から取ったものですけれども、二〇〇八年に世界人口、今七十億人ぐらいありますけれども、その当時六十六億人と言われていましたけれども、およそ半分が都市に住んでいるというふうに言われております。こちらのグラフの線を見ていただきますと、アーバンと書いてある都市人口は今後も増加していきますが、ルーラルと書いてある農村人口に関してはアジア地域も含めてそれ以上増えないと、余り増えないという傾向がございます。
こういう中で、都市人口のうちおよそ三分の一、三割がスラムというところに住んでいます。三十三億人のうち大体三〇%ですから、十億人ちょっとがスラムというところに住んでいて、そういう方々がどういう生活をしているかというと、この写真にありますけれども、これはジャカルタで撮った写真ですけれども、河川沿いに生活をしている、水道は来ていないと。どうしているかというと、この河川の水を生活用水に使い、洗濯をしておりますけれども、生活用水に使い、それから後ろの方を見ていただきますと、これはトイレなんですけれども、いかだの上にトイレがあって、そのままトイレにも使っていると。もっと奥の方を見ていただきますと、いかだがどんどんどんどんたくさんつながっていて、実は一つの水をいろんなことに繰り返しながら使っていて、上流で排せつされた水をそのまま下流で子供が水浴びをしたり体を洗ったり食器を洗ったり、そういうような形で暮らしていると。それが衛生上非常に大きな問題になっているということでございます。
飲み水の問題に限らず、水質の汚染の問題、いろんな健康影響を引き起こしておりまして、これ、トラコーマという目の病気ですけれども、ベトナムのハノイというところで調査しました。一人当たり一日使える水の量、これは日本ですと、東京ですと家庭用水で二百五十リッターぐらい使っていると思いますけれども、水の事情の悪い地域では三十リッター、四十リッター、あるいはそれ以下しか使えません。ハノイで、ちょっと古いデータですが、一九九九年に調査したところ、使える水の量が少ないと、それだけこの目の病気にかかる率も高い。子供たちは、暑いですからこういう形で川に入って、そのまま手も目も洗わずに上がってくる、その結果、こういった病気に感染するということでございます。
表流水はそういう形で大腸菌その他の感染症に汚染されていることが多いんですが、それ以外の水源として地下水がございます。地下水は通常、清澄できれいだというふうに考えられているんですが、地域によっては地質から出てくるような汚染物質というのがございまして、その代表的なものの一つに弗素があります。
弗素は、我々の歯磨きのチューブに入っていて虫歯から歯を守るといった効果がある反面、これを経常的に恒常的に摂取しますと、歯あるいは骨に弗素が沈着してこういった健康被害が生じる。これは歯医者さんが調査している事例ですけれども、男の子の歯の状態を調べている。それから、真ん中の御老人は長くこの地下水を飲んでいたために骨折してしまうといった問題があります。
それから、もう一つの問題として、地下水の問題として砒素による汚染というのがございます。これ、我々が調査した一つの事例ですけれども、バングラデシュあるいはウエストベンガルと言われているインドの地方でこの砒素の汚染、大規模に進行しておりますけれども、それ以外にアジアの様々な地域で地下水がこういった砒素によって汚染されているということが分かっています。
これは幾つかのコミュニティーで測ったものですが、砒素のグラフはAsと書いてある真ん中にあるグラフですけれども、このAsと書いてある砒素の濃度ですが、日本の基準、あるいはベトナムもそうなっていますが、WHOの基準は十マイクログラム、十というところが飲料水の基準ですが、多くの地下水でこの十という基準を超えたレベルに達しているということでございます。
振り返りまして、我が国、日本がどういう形で上下水道の整備をしてきたかということについて御説明を申し上げたいと思います。
今や水道あるいは下水道のサービスは日本では当たり前のサービスというふうになっておりますが、振り返ってみますと、日本もオリンピックのころの渇水、あるいは雨が降ったときの洪水、それから隅田川の汚染という問題がありました。
こういった問題に対して上下水道の建設を進めまして、今現在、一昨年度末のデータを見ますと、水道の普及率は九七・五%、これは全国ですけれども。それから、下水道の普及率は七三・七%という高いレベルの普及率を達成しております。
それだけではなくて、農業用水あるいは工業用水の水を一トン使った場合にどれだけの生産をできるかということですが、特にそのジャパンと書いてあるところのインダストリー、産業用水、工業用水については世界に比べても非常に高い生産高を誇っています。これだけ日本の産業は水の使い方が非常に効率がいいというところで、これが日本の強みの一つだろうというふうに考えております。
こういった日本の様々な経験あるいは強みを、先ほど申し上げました水に困っているアジアの、中国もそうですけれども、アジアの様々な国に対していろいろな形で貢献ができないか。その貢献の中に、これまで日本が力を注いでまいりましたODAだけではなくて、ビジネスという視点も入れて貢献ができないかというのがここ数年の動きでございます。
これは経済産業省がまとめたデータでございますが、水分野を上水道、海水淡水化、工業用水、再利用、下水というような分野に分けたときに、これからどれぐらいの需要があるかといったことをまとめております。上段が二〇二五年の予測値でございまして、括弧で囲んだ少し小さな字が二〇〇七年の実績値でございますが、各分野ともこういった水分野で高い需要の伸びが期待されるというふうに思われております。
その中で、伸び率が高い分野として海水淡水化あるいは工業用水の再利用といったことがございますし、それから金額として大きなところは、やはり上水道あるいは下水のサービスといった都市の上下水道のサービスだというふうに考えられております。
これまで日本は、世界の水のODAにおきまして、これは国連とか国際機関を含めても五分の一以上の貢献をしております。バイラテラルで考えますと四〇%ぐらいの貢献率だというふうに考えられておりまして、非常に高い割合の貢献をしてきたわけですけれども、これからはODAだけに限らず、更に発展させた形で水分野のビジネスパートナーをアジアあるいはそれ以外の地域に広げていくといったことが課題でございます。
こういった水ビジネスの動きですけれども、そもそも一九九〇年ごろ、世界で水に対する投資の資金が足りない、それをどうするか、あるいは途上国の水道事業体の運営効率が非常に悪い、それをどういうふうにして改善するかといった中でこういった、PPPと言われていますけれども、公民連携あるいは官民連携で水事業をやっていこうという流れがありました。
そもそものきっかけは、イギリスやニュージーランドあるいはチリなどで民営化して、それが成功例だというふうに伝えられたことが大きなきっかけになっております。その後、こちらの表にありますが、九〇年代を通じて世界各国でこういったPPPによる水道事業というのが拡大してまいりました。
最近は少し見直しもありまして、PPP事業、本当に成功しているのかということが疑問として投げかけられておりますが、これは世界銀行の研究者がまとめた事例でございまして、左側の円グラフを見ていただきますと、七年以上継続したPPP事業の評価ということをしておりまして、継続中が八五%、契約満了後公営化したのが七%、契約を解除したところが八%で、一五%は失敗といいますか公営に戻っておりますが、八五%は継続中だということですが、そのうち失敗といいますか再公営化した地域というのは割と偏っておりまして、サブサハラ・アフリカというアフリカの地域と、それからラテンアメリカにそういった事例が多いというふうな報告がございます。
もう一つ、水メジャーというような言葉がございますけれども、世界の民営化市場、二十年ぐらい前に始まっておりますけれども、その後、二〇〇〇年に入りましてその市場が大きく変わってきております。何が変わったかというと、元々水メジャーと呼ばれているような世界の大手五社が市場の八〇%から九〇%を占めているというふうに考えられていたんですが、二〇〇〇年を越えて過去十年を見ますと、上のグラフにございますように、市場そのものは、マーケットそのものは世界で拡大しておりますが、その中で割合を深めているのは一番上のピンク色の棒でございまして、それはその他ということで、世界のうちメジャーが占めている割合がだんだんだんだん減ってきて、それ以外の様々なプレーヤーといいますか企業がこの分野に参入してきている。それは、その中には地元の企業も含まれているということでございます。
そういった中で、周回遅れといいますか二十年遅れで日本が今水ビジネスということを言っているわけですが、何を目指すかということなんですが、これは一つの事例でございますが、上段が中国の水道の事例です、下段が日本の水道の事例ですが。中国、一番左側は、浄水場の中で水質をモニタリングしているモニタリングスペースです。上段が中国の事例で、下段が日本の事例。それから真ん中は、下が日本の浄水場、これは水が入っているんですけれども、非常にきれいな。中国の場合は、こういう中で、ホテルに行ってもこの水は飲めませんというレベルになっています。
すなわち、水が足りないのは確かなんですけれども、どのレベルのサービスを求めているかというのは国によって違っていまして、どんな国でも日本と同じレベルのサービスを求めているという、そういうふうに考えるのはやや勘違いがあるかもしれない。もしビジネスとしてやるのであれば、相手の国が求めている適切な水準のサービスをいかに低価格で提供することができるかというところが非常に重要になっていまして、日本レベルまではまだいいよという国に対して日本のレベルを無理やり押し付けるということではなかなかビジネスにはならない、そこは少し注意が必要だろうというふうに思います。
開発途上国における水インフラの市場の問題でございますが、冒頭申し上げましたとおりに、潜在的な需要というのは非常に大きくあります。水の不足、それから水需要の増加、水の不足、それから汚水、排水処理の問題、水質汚濁の問題、こういったところにインフラをしっかりと造っていかなきゃならないという潜在的な需要があるんですが、それをビジネスとしてとらえるためには顕在化した市場にしていかなければいけない。
その顕在化した市場というのは何かというと、それを誰が主体になって進めるかということですが、日本のように国や自治体に資金確保の手段、つまり信用力があってお金を借りてこれるとか、そういう状況にならないとビジネスは実際には顕在化してこない。あるいは、個人や企業にその水のコストを支払うだけの支払能力と意思があるか、そういったことをきちっと見極めないと、潜在的な市場があるよということと、それが顕在化して実際にビジネスができるということは少し違うということは十分に気を付けなきゃいけない。
課題は、この潜在的な市場があるというのは確かなんですが、これをいかに顕在化した市場に持っていくかというところが重要だろうと思います。
一つの考え方は既に顕在化した市場を攻めるということですが、海水淡水化あるいは工業用水のリサイクルについては中東産油国を含めて支払意思と能力のある国々があります。こういったところを中心にビジネスを広げていくというのが一つの考え方ですし、もう一つは、顕在化するための努力と、それから国あるいは地方自治体からの強力な支援をする。例えば、水やPPPに対する法制度や規制の確立とか、それから相手国あるいは自治体の事業資金確保手段の支援、それから水に関連した相手国の地元市場、日本企業だけが利益を得るのではなくて、相手企業、相手国の企業も育成しつつ両者がその利益をシェアするような形の地元の振興、それから相手国国民の啓発ですね、支払意思の向上。こういったことに関しては、民間企業よりも恐らく日本の国、あるいは自治体の方々、あるいは我々大学のような人間も含めて、そういったセクターがより強力に関与できるのではないかというふうに考えております。
それから、もう一つの点ですが、日本では大きな浄水場を造って、そこから、あるいは大きな下水処理場を造ってそこで集中的に処理すると、この方が効率がいいということで進んでいきましたが、海外では徐々に分散型の水処理、あるいは分散型の水道ということが進んでいます。これは、待っていてもいい水質の水が来なければもう自分たちで処理するしかないという意思の下で、こういった分散型、小さな処理がだんだんだんだん普及していくと。それが余りに普及してしまうと、そこに日本型の大きな浄水場を造りませんかという話を持っていってもなかなか受け入れてもらうのが難しい状況になってしまうということですので、相手国政府等も含めてしっかりとこういった話をしていかなきゃいけないというふうに思います。
ちょっと時間が参りましたので、あと技術の話を少し載せましたけれども、全体の話は以上で終了したいというふうに思います。
最後に一枚だけ、水ビジネス、今後の課題と取組というスライドを用意いたしました。
これは、先月横浜で水ビジネス関係のワークショップ、シンポジウムをやりましたけれども、そこで出たいろいろな意見を私の方で取りまとめたスライドでございます。
一つは、マーケットの顕在化に向けた努力が必要だと先ほど申し上げました。それから、部品供給については日本は強いと言われていますが、これを事業運営に持っていかなければいけない。それを実施するために、トラックレコードと書いてありますが、幾つかの実績をできるだけ早く付けていかなきゃいけない。そのためにはどういう市場があるかということをしっかりと見極めることが重要だということで、上記に向けた様々な努力が必要だというふうに考えてございます。
まとめもありますが、時間が来てまいりますので、以上で私の発表を終わりにしたいと思います。
御清聴ありがとうございました。
藤
柴
柴田明夫#5
○参考人(柴田明夫君) 資源・食糧問題研究所柴田と申します。よろしくお願いいたします。
私の方は、前段で世界の食料問題について申し上げまして、次に水の話に進めていきたいと思います。(資料映写)
初めに、日本の食料生産を各国、主要国と比較したものであります。
日本は、八百万トンの米を中心に大体年間一千万トンの食料を生産しております。ほかの国と比べますと、例えばイギリスなどは人口、国土面積半分でありますけれども、三千万トンの穀物を生産しております。ドイツは五千五百万トンというレベルの穀物を生産しております。日本が一千万トンの国内穀物生産で済んでいるというのは、実は、もう一つ、三千万トン近い穀物を海外から輸入しているという、こういうことであります。実は、この輸入分は不足でありますけれども、この不足と、国内生産のよく過剰と言われています、過剰と不足が併存しているというのが日本の特色、特徴であります。
実は、不足分の三千万トンというのは、水の輸入、バーチャルウオーターの輸入でもありますし、大きな、そういう意味では国際社会に水の輸入という格好で日本は負担を強いているということも言えるかと思います。
世界の食料市場の動向でありますけれども、このグラフは過去六十年間の年平均の小麦とトウモロコシと原油価格の推移を見たものであります。七〇年代、八〇年代、九〇年代と、今振り返りますと低位安定した推移をしておりましたけれども、二〇〇〇年代に入ってステージが変わるように価格が上がってきております。この安い食料時代というのは終えんしたと、こんなふうに見ております。
背景でありますけれども、世界的な食料需給の逼迫が予想される。その中心は、中国の影響が大きくなってきているということであります。バイオエタノール等の生産も拡大しておりまして、今食料市場においては三つの性格の争奪戦が強まってきていると。国家間の奪い合い、エネルギー市場との奪い合い、それから水と土地をめぐって農業分野と工業分野、あるいは都市生活分野との奪い合いであります。
食料というのは、今までは言わば太陽の光と水と土地があれば幾らでも再生産可能な無限の資源でありましたが、だんだん有限の資源化の性格を帯びてきている。資源問題といえば希少性の問題でありましたけれども、今世紀に入ってからは徐々に希少性とは関係のなかった食料とか水とか温暖な気候とか多様な生物とか、こういうものも新たな希少性の問題をはらみ出したというところが非常に気になるところであります。
穀物の価格でありますけれども、二〇〇八年のリーマン・ショック前のときに過去最高レベルに達しました。リーマン・ショックで急落しましたけれども、下がったとはいえ、見ていただくと、これはシカゴの大豆、小麦、トウモロコシの価格でありますが、昔の十年に一度干ばつで大相場が出る、その高値が安値に変わっただけでありまして、穀物価格のステージは大きく変わってきております。足下、再びこれは上昇の兆しが見られるということであります。
穀物に限らず、石炭とか鉄鉱石、銅地金、原油、天然ゴム、あらゆる資源価格を時間軸五十年ほどで眺めてみますと、二〇〇〇年代に入ってから大きくこの価格の上昇が見られるようになったという点が特徴であります。投機マネーの影響はもちろん大きいわけですけれども、価格とは一体何かと。あらゆる情報が圧縮されたものが価格でありまして、その価格がこういう具合で均衡点が変わるような動きをしているということは、需給が大きく変わってきている、需給の構図が変わってきているということであります。
食料については、特に二〇〇〇年代に入ってから、これは穀物の生産、消費、期末在庫率の動きでありますが、二〇〇〇年に入ってからのいわゆる市場の拡大が著しくなってきております。消費はこの十年間、前年を下回ることなく過去最高を更新し続けているということであります。生産がこれに追い付いて足下の生産は過去最高レベルでありますけれども、異常気象等、干ばつ等で減産になれば投機マネーが入り価格が上昇する、期末在庫率も二割を維持するのがやっとと、こういうふうな状況であります。
穀物の在庫の特に三分の一以上は中国で在庫されていると、こういう状況であります。米とトウモロコシは世界の半分が中国の在庫であります。
市場が拡大している背景の一つの要因は人口の増加であります。昨年十月、国連によりますと、世界人口は七十億を超えた。この人口をどう見るかということでありますが、働き手として見れば、経済成長を押し上げるというわけで、むしろ好ましいことでありますけれども、消費者の口として見れば、あらゆる食料を含め資源を食べ尽くしていくという、こういう点では、地球が無限であれば問題ないわけですけれども、今、均衡点価格が上がったり資源の争奪戦が始まったりということは、もう既にこの地球は無限ではないという、こういう見方に切り替える必要があるなということであります。
人口の増加は、これ下の方で、マルサスの問題でありますけれども、幾何級数的に人口は増えていくけれども食料生産は直線的にしか増えない。しかしながら、生産性が上がって近代化してくる中で、その直線の立ち位置はずっと上に上方シフトしたわけですけれども、これが徐々に伸びが低下してくるだろうと、こういう懸念があります。
需要サイドの要因というのは中国でありまして、中国のGDP、七八年に改革・開放をしてからもう三十二年が過ぎ、平均成長率が一〇%で成長しますと、そのGDPの規模というのは幾何級数的な姿を示すようになった。今後も、しかしながら、日本のGDPを追い抜いたわけでありますけれども、人口で割るとまだまだ一人当たり四千四百ドル弱ということで、成長が必要であります。しかし、成長すれば、資源、エネルギー、食料、こういったもののまた需要が拡大してくるということであります。
中国の人口の増加も背景にありまして、増加する人口の約半分が都市部に生活すると。十万人以上の人が住む地域が都市でありますけれども、六百六十近い都市に人口の半分が住む。都市化をすれば、核家族化が進み世帯数が増える、食生活が一気に改善してくるという中で肉の消費が増える、そういう中で食料の需要が拡大しているわけであります。
この部分は、中国、九〇年代までの量の消費から質を伴う消費に拡大してきているということであります。
輸入も増えてきて、トウモロコシ、大豆などは、特に大豆は五千七百万トンという輸入規模になっています。トウモロコシは、これまで自給してきたものが二〇〇九年以降自給ができなくなって純輸入国に転じてきている。右側のはUSDAの二〇二一年までの見通しでありますが、一貫して輸入が拡大していくと、こういう見方になっております。
資源戦略も明確に打ち出してきておりまして、二〇〇八年以降、供給量を確保する、備蓄の拡充、需要サイドからの省エネ、省資源を徹底させると、こういうふうな戦略を中国は打ち出してきております。
アメリカにおいては、右の上にエタノール向けの消費量の拡大がなかなか止まらないという、そういう、青い部分でありますけれども、姿になっております。一方で、赤いグラフの部分、輸出でありますが、輸出の足下、絶対数が減ってきて、生産に占める輸出の比率も下がってきているという状況であります。長期的にも、右下でありますけれども、世界の在庫率は低下していく、アメリカの在庫率は低下していくという見通しであります。
生産を増やせばいいんですけれども、この青い棒グラフの部分でありますが、耕地面積はもう頭打ちであります。専ら単収を引き上げてきていますけれども、単収の伸びはだんだん鈍化してきているという状況にあります。長期的に見ても、世界の食料の需給というのは逼迫傾向をたどるというのが多くの国際機関の見通しになっております。
加えて、様々な自然の反逆とも受け取れかねない問題が生じてきていると。除草剤の効かないスーパー雑草が急繁殖するとか、こういったことも指摘されております。気象も、異常気象の頻発化というのは肌身に感じるところであります。
それから、水の問題でありますけれども、地球上の水のうち利用できるのが大体一万分の一というところで、水自体は循環資源であって増えもしなければ減りもしないわけですけれども、一方で需要はこのように急拡大している。今、食料の生産のために七割が消費されていますけれども、工業用水、都市生活用水の需要が拡大するという格好になってきております。
特に水の利用という面では、世界人口の六割が集中するアジアで、しかも急速な経済成長が見られます。一方で、降水量でいきますと、大体年間、世界の三割弱、淡水のシェアで二七%ということで、アジアにおいて最もこの水の問題というのは先鋭的に現れてくる可能性が高いわけであります。地下水においても、先ほど滝沢先生の方から指摘がありましたが、砒素の汚染の問題というのも深刻化しているということであります。
水の需要、これ、先ほどちょっと申し上げまして、四十年で倍増すると、人口の伸びを上回る形で伸びているということであります。
ここはちょっと飛ばしたいと思いますが、バーチャルウオーターの話であります。
それから、国内においては、右下のように、ちょっと細かな表で恐縮でありますが、日本の場合には大体年間千七百ミリを国土面積に掛けますと水の賦存量というのは六千五百億トンということでありますけれども、実際に利用されているものはこの左側の八百五十二億トンということで、蒸発した部分を除いて水資源量の二〇%ぐらいにとどまっているということであります。これは、国内の水資源のフル活用の方向へ切り替える、こういう必要があるのではないかと思います。
その一つは、沿岸部湧水地における水資源の活用ということで、例えばこの特定港湾の高知県宿毛湾など、湧水地の水を、国内の各地域はもとより、場合によっては海外への輸出も可能ではないかと。雨水の農業への有効利用とか、あるいは水道においても、おおむね下流のところに浄水場があるということで、重たい水を重力に逆らって排水していくという、こういうふうな状況にもなっていますので、なるたけ上流地点に浄水場を変えることによって電力を始めエネルギーの削減効果が得られるんじゃないか、こういうことも言われております。
これは、例えば国内資源のフル活用というところでは、木材なども、同時に水源涵養林としての木材もフルに活用していく必要があるなと。海外においては過伐採で問題になっているけれども、御承知のように、日本の場合には木を切らないことによる問題が生じているということであります。
それから、水のビジネスということであれば、左側のように、その地域地域によって必要とされる水の性格が異なるということでありますが、特に経済発展の段階に応じて、発展がまだ低いレベルの場合には上水道、それから第二段階になりますと下水道、そして第三段階であれば海水の淡水化を含めた造水、排水の処理と、こういうものが必要になってくるということであります。
これは、先ほど滝沢先生の御指摘の部分と重なりますので、飛ばしたいと思います。
水ビジネスの三つのパターンというところでは、上下水道関連ビジネス、規模の面では、ここでありますけれども、二番目、節水、リサイクル、水の高度利用というところも一つのビジネスの領域であります。それから、BOPビジネスということで、ベース・オブ・ザ・エコノミック・ピラミッド、非常に低所得層における水のビジネスというところがこれからは注目されるのかなと。
水は、膜による水処理市場というのも急速に伸びてきて、一方で右のように淡水化のコストもかなり下がってきております。一トン当たり一ドルを切るような状況にもなってきておりますので、この淡水化のビジネスも期待できるわけであります。
ここはちょっと技術的なところで飛ばしたいと思いますが。
一方で、水ビジネスの難しさというところでは、先ほどの大きな資金難、ファイナンスが問題であるというところであります。それから、一方で、この生命の糧としての水と、ビジネス、商品としての水と、いわゆるコモンズの、地域の共同資源なのか商品なのかという、こういう根本的な問題も出てきているなということであります。
ここは次に行きたいと思うんですが。
中国の水ビジネスの市場、これは参考までで、急速に、問題を抱えつつ、潜在的な市場が非常に大きいということであります。
日本の企業群としましては、よく言われておりますように、水処理の機器関連とかエンジニアリング、あるいは商社と、要素部分では力を持っているわけですけれども、一貫した開発から最終的な水道事業、そして下水道、料金の回収、こういうふうなところではなかなか力がまだ発揮できないという問題であります。
資源の問題、水の問題というのは、結局はこの地球の限界に対して活動がより活発化している、この帰結ではないかと、こういうふうなことであります。
以上であります。
この発言だけを見る →私の方は、前段で世界の食料問題について申し上げまして、次に水の話に進めていきたいと思います。(資料映写)
初めに、日本の食料生産を各国、主要国と比較したものであります。
日本は、八百万トンの米を中心に大体年間一千万トンの食料を生産しております。ほかの国と比べますと、例えばイギリスなどは人口、国土面積半分でありますけれども、三千万トンの穀物を生産しております。ドイツは五千五百万トンというレベルの穀物を生産しております。日本が一千万トンの国内穀物生産で済んでいるというのは、実は、もう一つ、三千万トン近い穀物を海外から輸入しているという、こういうことであります。実は、この輸入分は不足でありますけれども、この不足と、国内生産のよく過剰と言われています、過剰と不足が併存しているというのが日本の特色、特徴であります。
実は、不足分の三千万トンというのは、水の輸入、バーチャルウオーターの輸入でもありますし、大きな、そういう意味では国際社会に水の輸入という格好で日本は負担を強いているということも言えるかと思います。
世界の食料市場の動向でありますけれども、このグラフは過去六十年間の年平均の小麦とトウモロコシと原油価格の推移を見たものであります。七〇年代、八〇年代、九〇年代と、今振り返りますと低位安定した推移をしておりましたけれども、二〇〇〇年代に入ってステージが変わるように価格が上がってきております。この安い食料時代というのは終えんしたと、こんなふうに見ております。
背景でありますけれども、世界的な食料需給の逼迫が予想される。その中心は、中国の影響が大きくなってきているということであります。バイオエタノール等の生産も拡大しておりまして、今食料市場においては三つの性格の争奪戦が強まってきていると。国家間の奪い合い、エネルギー市場との奪い合い、それから水と土地をめぐって農業分野と工業分野、あるいは都市生活分野との奪い合いであります。
食料というのは、今までは言わば太陽の光と水と土地があれば幾らでも再生産可能な無限の資源でありましたが、だんだん有限の資源化の性格を帯びてきている。資源問題といえば希少性の問題でありましたけれども、今世紀に入ってからは徐々に希少性とは関係のなかった食料とか水とか温暖な気候とか多様な生物とか、こういうものも新たな希少性の問題をはらみ出したというところが非常に気になるところであります。
穀物の価格でありますけれども、二〇〇八年のリーマン・ショック前のときに過去最高レベルに達しました。リーマン・ショックで急落しましたけれども、下がったとはいえ、見ていただくと、これはシカゴの大豆、小麦、トウモロコシの価格でありますが、昔の十年に一度干ばつで大相場が出る、その高値が安値に変わっただけでありまして、穀物価格のステージは大きく変わってきております。足下、再びこれは上昇の兆しが見られるということであります。
穀物に限らず、石炭とか鉄鉱石、銅地金、原油、天然ゴム、あらゆる資源価格を時間軸五十年ほどで眺めてみますと、二〇〇〇年代に入ってから大きくこの価格の上昇が見られるようになったという点が特徴であります。投機マネーの影響はもちろん大きいわけですけれども、価格とは一体何かと。あらゆる情報が圧縮されたものが価格でありまして、その価格がこういう具合で均衡点が変わるような動きをしているということは、需給が大きく変わってきている、需給の構図が変わってきているということであります。
食料については、特に二〇〇〇年代に入ってから、これは穀物の生産、消費、期末在庫率の動きでありますが、二〇〇〇年に入ってからのいわゆる市場の拡大が著しくなってきております。消費はこの十年間、前年を下回ることなく過去最高を更新し続けているということであります。生産がこれに追い付いて足下の生産は過去最高レベルでありますけれども、異常気象等、干ばつ等で減産になれば投機マネーが入り価格が上昇する、期末在庫率も二割を維持するのがやっとと、こういうふうな状況であります。
穀物の在庫の特に三分の一以上は中国で在庫されていると、こういう状況であります。米とトウモロコシは世界の半分が中国の在庫であります。
市場が拡大している背景の一つの要因は人口の増加であります。昨年十月、国連によりますと、世界人口は七十億を超えた。この人口をどう見るかということでありますが、働き手として見れば、経済成長を押し上げるというわけで、むしろ好ましいことでありますけれども、消費者の口として見れば、あらゆる食料を含め資源を食べ尽くしていくという、こういう点では、地球が無限であれば問題ないわけですけれども、今、均衡点価格が上がったり資源の争奪戦が始まったりということは、もう既にこの地球は無限ではないという、こういう見方に切り替える必要があるなということであります。
人口の増加は、これ下の方で、マルサスの問題でありますけれども、幾何級数的に人口は増えていくけれども食料生産は直線的にしか増えない。しかしながら、生産性が上がって近代化してくる中で、その直線の立ち位置はずっと上に上方シフトしたわけですけれども、これが徐々に伸びが低下してくるだろうと、こういう懸念があります。
需要サイドの要因というのは中国でありまして、中国のGDP、七八年に改革・開放をしてからもう三十二年が過ぎ、平均成長率が一〇%で成長しますと、そのGDPの規模というのは幾何級数的な姿を示すようになった。今後も、しかしながら、日本のGDPを追い抜いたわけでありますけれども、人口で割るとまだまだ一人当たり四千四百ドル弱ということで、成長が必要であります。しかし、成長すれば、資源、エネルギー、食料、こういったもののまた需要が拡大してくるということであります。
中国の人口の増加も背景にありまして、増加する人口の約半分が都市部に生活すると。十万人以上の人が住む地域が都市でありますけれども、六百六十近い都市に人口の半分が住む。都市化をすれば、核家族化が進み世帯数が増える、食生活が一気に改善してくるという中で肉の消費が増える、そういう中で食料の需要が拡大しているわけであります。
この部分は、中国、九〇年代までの量の消費から質を伴う消費に拡大してきているということであります。
輸入も増えてきて、トウモロコシ、大豆などは、特に大豆は五千七百万トンという輸入規模になっています。トウモロコシは、これまで自給してきたものが二〇〇九年以降自給ができなくなって純輸入国に転じてきている。右側のはUSDAの二〇二一年までの見通しでありますが、一貫して輸入が拡大していくと、こういう見方になっております。
資源戦略も明確に打ち出してきておりまして、二〇〇八年以降、供給量を確保する、備蓄の拡充、需要サイドからの省エネ、省資源を徹底させると、こういうふうな戦略を中国は打ち出してきております。
アメリカにおいては、右の上にエタノール向けの消費量の拡大がなかなか止まらないという、そういう、青い部分でありますけれども、姿になっております。一方で、赤いグラフの部分、輸出でありますが、輸出の足下、絶対数が減ってきて、生産に占める輸出の比率も下がってきているという状況であります。長期的にも、右下でありますけれども、世界の在庫率は低下していく、アメリカの在庫率は低下していくという見通しであります。
生産を増やせばいいんですけれども、この青い棒グラフの部分でありますが、耕地面積はもう頭打ちであります。専ら単収を引き上げてきていますけれども、単収の伸びはだんだん鈍化してきているという状況にあります。長期的に見ても、世界の食料の需給というのは逼迫傾向をたどるというのが多くの国際機関の見通しになっております。
加えて、様々な自然の反逆とも受け取れかねない問題が生じてきていると。除草剤の効かないスーパー雑草が急繁殖するとか、こういったことも指摘されております。気象も、異常気象の頻発化というのは肌身に感じるところであります。
それから、水の問題でありますけれども、地球上の水のうち利用できるのが大体一万分の一というところで、水自体は循環資源であって増えもしなければ減りもしないわけですけれども、一方で需要はこのように急拡大している。今、食料の生産のために七割が消費されていますけれども、工業用水、都市生活用水の需要が拡大するという格好になってきております。
特に水の利用という面では、世界人口の六割が集中するアジアで、しかも急速な経済成長が見られます。一方で、降水量でいきますと、大体年間、世界の三割弱、淡水のシェアで二七%ということで、アジアにおいて最もこの水の問題というのは先鋭的に現れてくる可能性が高いわけであります。地下水においても、先ほど滝沢先生の方から指摘がありましたが、砒素の汚染の問題というのも深刻化しているということであります。
水の需要、これ、先ほどちょっと申し上げまして、四十年で倍増すると、人口の伸びを上回る形で伸びているということであります。
ここはちょっと飛ばしたいと思いますが、バーチャルウオーターの話であります。
それから、国内においては、右下のように、ちょっと細かな表で恐縮でありますが、日本の場合には大体年間千七百ミリを国土面積に掛けますと水の賦存量というのは六千五百億トンということでありますけれども、実際に利用されているものはこの左側の八百五十二億トンということで、蒸発した部分を除いて水資源量の二〇%ぐらいにとどまっているということであります。これは、国内の水資源のフル活用の方向へ切り替える、こういう必要があるのではないかと思います。
その一つは、沿岸部湧水地における水資源の活用ということで、例えばこの特定港湾の高知県宿毛湾など、湧水地の水を、国内の各地域はもとより、場合によっては海外への輸出も可能ではないかと。雨水の農業への有効利用とか、あるいは水道においても、おおむね下流のところに浄水場があるということで、重たい水を重力に逆らって排水していくという、こういうふうな状況にもなっていますので、なるたけ上流地点に浄水場を変えることによって電力を始めエネルギーの削減効果が得られるんじゃないか、こういうことも言われております。
これは、例えば国内資源のフル活用というところでは、木材なども、同時に水源涵養林としての木材もフルに活用していく必要があるなと。海外においては過伐採で問題になっているけれども、御承知のように、日本の場合には木を切らないことによる問題が生じているということであります。
それから、水のビジネスということであれば、左側のように、その地域地域によって必要とされる水の性格が異なるということでありますが、特に経済発展の段階に応じて、発展がまだ低いレベルの場合には上水道、それから第二段階になりますと下水道、そして第三段階であれば海水の淡水化を含めた造水、排水の処理と、こういうものが必要になってくるということであります。
これは、先ほど滝沢先生の御指摘の部分と重なりますので、飛ばしたいと思います。
水ビジネスの三つのパターンというところでは、上下水道関連ビジネス、規模の面では、ここでありますけれども、二番目、節水、リサイクル、水の高度利用というところも一つのビジネスの領域であります。それから、BOPビジネスということで、ベース・オブ・ザ・エコノミック・ピラミッド、非常に低所得層における水のビジネスというところがこれからは注目されるのかなと。
水は、膜による水処理市場というのも急速に伸びてきて、一方で右のように淡水化のコストもかなり下がってきております。一トン当たり一ドルを切るような状況にもなってきておりますので、この淡水化のビジネスも期待できるわけであります。
ここはちょっと技術的なところで飛ばしたいと思いますが。
一方で、水ビジネスの難しさというところでは、先ほどの大きな資金難、ファイナンスが問題であるというところであります。それから、一方で、この生命の糧としての水と、ビジネス、商品としての水と、いわゆるコモンズの、地域の共同資源なのか商品なのかという、こういう根本的な問題も出てきているなということであります。
ここは次に行きたいと思うんですが。
中国の水ビジネスの市場、これは参考までで、急速に、問題を抱えつつ、潜在的な市場が非常に大きいということであります。
日本の企業群としましては、よく言われておりますように、水処理の機器関連とかエンジニアリング、あるいは商社と、要素部分では力を持っているわけですけれども、一貫した開発から最終的な水道事業、そして下水道、料金の回収、こういうふうなところではなかなか力がまだ発揮できないという問題であります。
資源の問題、水の問題というのは、結局はこの地球の限界に対して活動がより活発化している、この帰結ではないかと、こういうふうなことであります。
以上であります。
藤
仲
仲上健一#7
○参考人(仲上健一君) 立命館大学の仲上と申します。今日はどうもありがとうございます。
私のテーマは、メコン川の流域開発問題ということに焦点を当てて御報告させてもらいたいと思います。(資料映写)
報告内容はこの四点でございます。
私の自己紹介につきましては、後で見ていただければというふうに思います。
メコン川というのを理解するためには、このように整理いたしました。一つは、非常に長い川で四千九百キロメーター、流域面積は七十九万五千五百平方キロメーター、そして、チベット高原から雲南省、そしてミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムを縦断して南シナ海に至るという非常に特色を持った河川です。もう一つの特色は、雨季と乾季の流量が非常に大きく異なるというのが特徴で、雨季の総流量は四千七百五十億トン、そして乾季の総流量は七百八十八億トンというふうになっております。国別にもいろいろな状況があり、そしてもう一つの特色は、メコン川流域には大小含めておよそ百二十五の支流があり、また非常に多くの小流域を形成しているというのがメコン川の特色です。
この特色につきましては、それぞれのデータを各国比較できるような形で整理をいたしております。
この図は、経済産業省の方で日メコン経済産業協力イニシアティブというような形で、現在、アジアのみならず、全世界がこのメコン流域にいろいろなインフラストラクチャーを造るということで、特に国道、有名なのは東西経済回廊、南部経済回廊、南北経済回廊という道路、そして橋、港が今一斉に造られている状況でございます。
こういう中で、メコン川を理解するためには、その歴史を知らなければいけないと。今日はそのことをるる申し上げる時間はございませんが、まず第一期として戦略的要衝としてのメコンということで、このメコンの有史以来の歴史があるんだということが第一期でございます。
第二期は、開発の中心としてのメコンということで、特に第二次世界大戦後、メコン川に関心を示したのは国連のアジア極東経済委員会、エカフェとアメリカでございました。そこでいろいろな調査が行われ、下の方に書いてございます、一九五七年にホイラー報告書、これが出まして、これがこのメコン川の開発に関する基本的な報告書になっております。さらに、この報告書を受けまして、カンボジア、ラオス、タイ、当時の南ベトナムの流域の四か国が一九五七年にメコン川下流域の調査調整委員会、通称メコン委員会を創設をするという中で、みんなの合意の下に開発を考えようというメコン・スピリットというのがこのときに出ました。
それで、第三期は、その考え方に基づいて開発を進めようというのがありましたが、域内における混乱により停滞が行われました。特にベトナム戦争の影響は非常に大きかったというのが第三期です。それの中でも更に調査が行われて、特に日本との関係では、日本企業が担当したラオスのナム・グム・ダム、それから南ベトナムのセー・サン上流の計画調査ということで、一九六〇年代にも深く日本政府はかかわっております。
次、そのような中で、第四期としまして経済発展が行われます。これはメコン委員会の中で、一九九〇年代になって冷戦が終結をいたしまして、そして一九九五年四月にメコン川流域の持続可能な開発のための協力協定が調印をされまして、これを受けまして正式にメコン川委員会が設置いたしました。
メコン川委員会の特色をここで整理いたしておりますが、まず、基本的には持続可能な開発というテーマがこの基本になっております。さらには、二〇〇二年の会合で中国がステートメントを出すなどで、次々にこのメコン委員会に大きな影響力を持ってきたというのが特色になっております。
その中で、委員会の目的を、より焦点を当てて、流域管理、そして一九九九年から二〇〇三年の戦略計画ということで、コアのプログラム、そしてサポートプログラム、そしてセクタープログラムというような課題を整理をいたしました。二〇〇六年には戦略計画ということで、二〇〇六年から二〇一〇年ということで、十二項目という統合的なプログラムが今メコン流域では展開をいたしております。
こういう中で、二〇〇九年十一月六、七におきまして日本・メコン地域諸国の首脳会議が行われて、非常に日本の役割の重要性が再確認され、そしてその成果として東京宣言と行動計画が発表されました。この特色は、一言で言いますと、緑あふれるメコンに向けた十年、グリーン・メコン・イニシアティブの開始ということでスタートしたわけです。この中身は、従来の開発に加えて、持続可能な開発、流域環境保全、統合的水管理というような理念がこのメコン川の開発に入ってきたわけでございます。
その中で、メコンの問題を、水問題を特にどのように考えるかという背景といたしまして、次のスライドにございますアジアの水問題というのは、先ほどのお二人の参考人からございましたように、非常に深刻であると同時に重要な問題であるということで、水問題を悪化させないように各国政府は水資源の管理を始めなければいけないと。と同時に、水ストレスは既に深刻で、各国政府と地域社会が真剣に対策に乗り出さない限り、更に厳しい状況に追い込まれるというような認識が共通にございます。
このことを受けまして、日本では、二〇〇七年十二月に第一回アジア・太平洋水サミットというのが行われました。これは三つの課題を整理して、水供給と衛生の課題、そして水と災害、そして水と食料というような課題を設定して、そして目標を数値的に明確にしたという重要な意味を持っております。
こういう中で、メコン委員会が今どのように評価されているのかというのがこの点でございます。一つは、九五年の協定の下で、水利用プログラム、流域開発計画というのが行われましたけれども、現在は、その実際の活動は、加盟国の開発テーマを列挙することが中心で、そのため、加盟各国の開発プロジェクトに対する支援の窓口と化して個別の国内プロジェクトの実施にかかわるだけだと。援助を提供する側はMRCに対する信認度を低下するとともに、MRCを経過しないで直接対象国を支援するようになり、MRCの存在意義が今大きく損なわれている事態に現在なっているという評価になっております。
こういう中で、メコン川の流域についての現状ということで、現在は第三次五か年計画、〇九から二〇一三年に基づきまして、持続可能な開発を志向した統合的水資源管理を実施をするということと同時に、持続可能な開発を理念に掲げて環境に対する負荷を最小限にすると主張して、本流における水力発電のダムの建設計画を遂行と。従来は、本流におきましてダムを造るというのは非常に難しい問題がありましたが、現在はもう実行され、更に展開をするというようなことになっております。
これに対しまして、援助国、下流国、環境NGOから強い反発を受けると。また、上流国、中国によるメコン川の本流でのダム開発が現在多く、十四近く進んでおります。これに対しまして、下流国、特にタイとの深刻な対立が起こっているということで、一言で言いますと、メコン川委員会におきましても内憂外患というような形で、例えば、内憂に関しましては、域内で最も影響力の強いタイと電力を輸出したいラオスの思惑が一致したり、経済発展のためのMRCもこれに支援せざるを得ないということで、ある面ではメコン委員会が建設側と反対をしている反対勢力との板挟みになっている状況。また、外患といたしましては、実害が出ると対立が表面化するために、どのようにこの問題をアセスメントすればいいかと。三番目に、MRCに利害調整の機能がないということになれば、もうMRCの存在危機が、非常に危うくなってきているというようなことで、現在はこのメコン委員会についての評価そのものが大きな課題になっております。
それで、例えば、新たな課題といたしまして気候変動の問題があります。これにつきましては、メコン川流域のIPCCのみならず各国政府も研究をいたしております。気温は〇・七九度上がり、流域の北部においてもっと上昇するというような形で、非常に、例えば洪水の可能性も増大をすると、乾季における降水量が減少するというような形で、水災害及び干ばつへの適応策が喫緊の課題であるという認識はメコン委員会も持っております。
そういう中で、昨年度、このタイを始め、これはタイだけではなくて、ラオス、カンボジアでも非常に降水量が平年と比べて大きく、約一・四から一・七倍ほど変化がありました。この傾向は更に高まっていく可能性はあるというふうに考えております。
そういう中で、タイの被害、特に洪水発生県五県、そして死者が七百五十二人、行方不明者が三人というような事態が起こりましたけれども、このことを、二〇一一年度の教訓をベースに二〇一二年度は更に対策が必要だ、事前の対策が必要だというふうに考えております。
そういう中で、メコン川流域の水問題ということで、どのようにメコン委員会は考えているかということで先ほどのことを整理いたしますと、メコン川主流におけるダム開発動向は、上流地域における中国サイドに四つのダム、さらに十二以上のダムが計画をされていると。下流部においては、主流部で十地点でダム開発が計画されているという、このダム開発動向が非常に活発に動いております。そして、中国とMRC諸国間における関係ということで、下流部の諸国の主張では、環境、農業、漁業へのインパクト、これはあるというだけではなくて、例えばベトナムなどでは、特に最下流になりますベトナムでは非常に大きな影響があり、従来の主要産業である農業、漁業が成り立っていかないというまでの強い主張がございます。また、中国も、立場はもうメコン川の利用に関しては同等の権利を有するんだというような形で、この国際間の対立というのはますます緊迫をしていくんではないかというふうに考えております。
そういう面では、プロジェクトにおきましてもメコン水系の水資源の管理やそれを取り巻く環境についての言及というのが、いろいろ重要であると言いながら見られていないという中でこの被害というのが報告をされ、これをどう調整するかというのがメコン委員会の課題になっております。
そういう中で、三番目に、メコン川流域の政策的課題をどのようにとらえるかということで、一つは、先ほどの東京の会議でございましたように、第一点の持続可能な経済発展と。
この地域が中国の発展及びインドの発展に連動して更に発展をする、特にインフラ整備が進む中で確実に発展するだろうと、そういう中では、やはり経済交流が持続可能な発展を保障するためにも、メコン川流域諸国のみならず近隣諸国とどのような経済依存関係を確立するかが重要であるというような形で、まさに単なるメコン川の水資源問題ではなくて、中国、そしてメコン地域、インドの発展を踏まえた経済依存関係の確立というのが重要になっております。特に、日本の関係では、メコン地域とは非常に深い関係が歴史的にもあり、かつ友好な関係がありますので、そこにどのようなリーダーシップを取るかというのが重要になると思います。
二番目に、流域環境保全の問題でございますが、水資源開発事業におきましては、戦略的環境アセスメントの導入とともに、少数民族の生活保障、感染症などの人間の安全保障の視点が重要であると。特に、水危機と戦略的適応策についての方策の検討が求められるというような形で、気候変動とも関連して新たな流域環境保全が必要だと。
三番目に、統合的水管理ということで、いろいろなセクターがございます。この複雑なセクターにおきまして、国際機関、国家、そして地方政府、企業、市民、NGOなどのステークホルダーの調整が必要になり、そこのことを踏まえて、統合的水管理の共通の認識が必要ではないかというふうに考えております。
最後に、政策提言というほどまでのことではございませんが、メコン川流域をどのようなガバナンスで考えることが重要であるかというので、四点ほど整理しました。
一つは、メコン川流域開発の持続的発展と環境保全ということで、アジア、世界の経済発展を保障するための流域環境保全政策を構築するという形で、流域の保全ということと経済発展をどう調和させるかというのが一点でございます。
二番目は、メコン川委員会の基本的精神はメコン・スピリットということでございますが、もう既に中国及びインドとの関係が非常に大きくなった中で、さらに、日本との関係を踏まえて新たなメコン・スピリットの確立が要るのではないかというのがこのメコン川流域のガバナンスの重要な視点ではないかというのが二点目です。
三点目は、メコン川流域ガバナンスと日本の取組ということで、長い歴史、古くからいえば山田長政以来の長い歴史があります。そういう中で、技術、経済に裏打ちされた存在感をアピールするということが重要ではないかと。
四番目に、水への希望ということで、二十一世紀は水の時代、そしてアジアの時代という面で、水の安全保障という視点でこのメコン川流域にそれを確立することが重要ではないかというふうに考えております。
そういう中で、例えばメコン川流域への日本のかかわり方ということで、非常に現在成功している例といたしましては、今、環境改善技術の輸出ということで北九州市によるカンボジアへの水道技術協力、これはもう十年も前から行われております。
こういう面で、急速な経済発展に伴って環境悪化が顕在化している中で、この日本の技術は、非常に丁寧にかつ確実に、そして継続的に行われるという高い評価が行われております。そういう中で、戦略性については中国、インドとは大分異なっておりますが、こういう一個一個仕事をきちんと行っていくというのが非常に高い評価を行われていると。例えば、日本の一村一品運動なども非常にカンボジア、ラオス、またタイでも高く評価されているというような技術がございます。
もう一点は、気候変動の適応策に関しましては、日本がこれまで蓄積した治水技術、例えば治水ダム、スーパー堤防、地下の貯水池、そのようなものの活用、また雨季における多過ぎる水と乾季における少な過ぎる水への両面の対策、こういうふうなシステムを導入することによって、日本のプレゼンスというだけではなくて、真にウオーターセキュリティーに対する対応策ができるのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
どうも御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →私のテーマは、メコン川の流域開発問題ということに焦点を当てて御報告させてもらいたいと思います。(資料映写)
報告内容はこの四点でございます。
私の自己紹介につきましては、後で見ていただければというふうに思います。
メコン川というのを理解するためには、このように整理いたしました。一つは、非常に長い川で四千九百キロメーター、流域面積は七十九万五千五百平方キロメーター、そして、チベット高原から雲南省、そしてミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムを縦断して南シナ海に至るという非常に特色を持った河川です。もう一つの特色は、雨季と乾季の流量が非常に大きく異なるというのが特徴で、雨季の総流量は四千七百五十億トン、そして乾季の総流量は七百八十八億トンというふうになっております。国別にもいろいろな状況があり、そしてもう一つの特色は、メコン川流域には大小含めておよそ百二十五の支流があり、また非常に多くの小流域を形成しているというのがメコン川の特色です。
この特色につきましては、それぞれのデータを各国比較できるような形で整理をいたしております。
この図は、経済産業省の方で日メコン経済産業協力イニシアティブというような形で、現在、アジアのみならず、全世界がこのメコン流域にいろいろなインフラストラクチャーを造るということで、特に国道、有名なのは東西経済回廊、南部経済回廊、南北経済回廊という道路、そして橋、港が今一斉に造られている状況でございます。
こういう中で、メコン川を理解するためには、その歴史を知らなければいけないと。今日はそのことをるる申し上げる時間はございませんが、まず第一期として戦略的要衝としてのメコンということで、このメコンの有史以来の歴史があるんだということが第一期でございます。
第二期は、開発の中心としてのメコンということで、特に第二次世界大戦後、メコン川に関心を示したのは国連のアジア極東経済委員会、エカフェとアメリカでございました。そこでいろいろな調査が行われ、下の方に書いてございます、一九五七年にホイラー報告書、これが出まして、これがこのメコン川の開発に関する基本的な報告書になっております。さらに、この報告書を受けまして、カンボジア、ラオス、タイ、当時の南ベトナムの流域の四か国が一九五七年にメコン川下流域の調査調整委員会、通称メコン委員会を創設をするという中で、みんなの合意の下に開発を考えようというメコン・スピリットというのがこのときに出ました。
それで、第三期は、その考え方に基づいて開発を進めようというのがありましたが、域内における混乱により停滞が行われました。特にベトナム戦争の影響は非常に大きかったというのが第三期です。それの中でも更に調査が行われて、特に日本との関係では、日本企業が担当したラオスのナム・グム・ダム、それから南ベトナムのセー・サン上流の計画調査ということで、一九六〇年代にも深く日本政府はかかわっております。
次、そのような中で、第四期としまして経済発展が行われます。これはメコン委員会の中で、一九九〇年代になって冷戦が終結をいたしまして、そして一九九五年四月にメコン川流域の持続可能な開発のための協力協定が調印をされまして、これを受けまして正式にメコン川委員会が設置いたしました。
メコン川委員会の特色をここで整理いたしておりますが、まず、基本的には持続可能な開発というテーマがこの基本になっております。さらには、二〇〇二年の会合で中国がステートメントを出すなどで、次々にこのメコン委員会に大きな影響力を持ってきたというのが特色になっております。
その中で、委員会の目的を、より焦点を当てて、流域管理、そして一九九九年から二〇〇三年の戦略計画ということで、コアのプログラム、そしてサポートプログラム、そしてセクタープログラムというような課題を整理をいたしました。二〇〇六年には戦略計画ということで、二〇〇六年から二〇一〇年ということで、十二項目という統合的なプログラムが今メコン流域では展開をいたしております。
こういう中で、二〇〇九年十一月六、七におきまして日本・メコン地域諸国の首脳会議が行われて、非常に日本の役割の重要性が再確認され、そしてその成果として東京宣言と行動計画が発表されました。この特色は、一言で言いますと、緑あふれるメコンに向けた十年、グリーン・メコン・イニシアティブの開始ということでスタートしたわけです。この中身は、従来の開発に加えて、持続可能な開発、流域環境保全、統合的水管理というような理念がこのメコン川の開発に入ってきたわけでございます。
その中で、メコンの問題を、水問題を特にどのように考えるかという背景といたしまして、次のスライドにございますアジアの水問題というのは、先ほどのお二人の参考人からございましたように、非常に深刻であると同時に重要な問題であるということで、水問題を悪化させないように各国政府は水資源の管理を始めなければいけないと。と同時に、水ストレスは既に深刻で、各国政府と地域社会が真剣に対策に乗り出さない限り、更に厳しい状況に追い込まれるというような認識が共通にございます。
このことを受けまして、日本では、二〇〇七年十二月に第一回アジア・太平洋水サミットというのが行われました。これは三つの課題を整理して、水供給と衛生の課題、そして水と災害、そして水と食料というような課題を設定して、そして目標を数値的に明確にしたという重要な意味を持っております。
こういう中で、メコン委員会が今どのように評価されているのかというのがこの点でございます。一つは、九五年の協定の下で、水利用プログラム、流域開発計画というのが行われましたけれども、現在は、その実際の活動は、加盟国の開発テーマを列挙することが中心で、そのため、加盟各国の開発プロジェクトに対する支援の窓口と化して個別の国内プロジェクトの実施にかかわるだけだと。援助を提供する側はMRCに対する信認度を低下するとともに、MRCを経過しないで直接対象国を支援するようになり、MRCの存在意義が今大きく損なわれている事態に現在なっているという評価になっております。
こういう中で、メコン川の流域についての現状ということで、現在は第三次五か年計画、〇九から二〇一三年に基づきまして、持続可能な開発を志向した統合的水資源管理を実施をするということと同時に、持続可能な開発を理念に掲げて環境に対する負荷を最小限にすると主張して、本流における水力発電のダムの建設計画を遂行と。従来は、本流におきましてダムを造るというのは非常に難しい問題がありましたが、現在はもう実行され、更に展開をするというようなことになっております。
これに対しまして、援助国、下流国、環境NGOから強い反発を受けると。また、上流国、中国によるメコン川の本流でのダム開発が現在多く、十四近く進んでおります。これに対しまして、下流国、特にタイとの深刻な対立が起こっているということで、一言で言いますと、メコン川委員会におきましても内憂外患というような形で、例えば、内憂に関しましては、域内で最も影響力の強いタイと電力を輸出したいラオスの思惑が一致したり、経済発展のためのMRCもこれに支援せざるを得ないということで、ある面ではメコン委員会が建設側と反対をしている反対勢力との板挟みになっている状況。また、外患といたしましては、実害が出ると対立が表面化するために、どのようにこの問題をアセスメントすればいいかと。三番目に、MRCに利害調整の機能がないということになれば、もうMRCの存在危機が、非常に危うくなってきているというようなことで、現在はこのメコン委員会についての評価そのものが大きな課題になっております。
それで、例えば、新たな課題といたしまして気候変動の問題があります。これにつきましては、メコン川流域のIPCCのみならず各国政府も研究をいたしております。気温は〇・七九度上がり、流域の北部においてもっと上昇するというような形で、非常に、例えば洪水の可能性も増大をすると、乾季における降水量が減少するというような形で、水災害及び干ばつへの適応策が喫緊の課題であるという認識はメコン委員会も持っております。
そういう中で、昨年度、このタイを始め、これはタイだけではなくて、ラオス、カンボジアでも非常に降水量が平年と比べて大きく、約一・四から一・七倍ほど変化がありました。この傾向は更に高まっていく可能性はあるというふうに考えております。
そういう中で、タイの被害、特に洪水発生県五県、そして死者が七百五十二人、行方不明者が三人というような事態が起こりましたけれども、このことを、二〇一一年度の教訓をベースに二〇一二年度は更に対策が必要だ、事前の対策が必要だというふうに考えております。
そういう中で、メコン川流域の水問題ということで、どのようにメコン委員会は考えているかということで先ほどのことを整理いたしますと、メコン川主流におけるダム開発動向は、上流地域における中国サイドに四つのダム、さらに十二以上のダムが計画をされていると。下流部においては、主流部で十地点でダム開発が計画されているという、このダム開発動向が非常に活発に動いております。そして、中国とMRC諸国間における関係ということで、下流部の諸国の主張では、環境、農業、漁業へのインパクト、これはあるというだけではなくて、例えばベトナムなどでは、特に最下流になりますベトナムでは非常に大きな影響があり、従来の主要産業である農業、漁業が成り立っていかないというまでの強い主張がございます。また、中国も、立場はもうメコン川の利用に関しては同等の権利を有するんだというような形で、この国際間の対立というのはますます緊迫をしていくんではないかというふうに考えております。
そういう面では、プロジェクトにおきましてもメコン水系の水資源の管理やそれを取り巻く環境についての言及というのが、いろいろ重要であると言いながら見られていないという中でこの被害というのが報告をされ、これをどう調整するかというのがメコン委員会の課題になっております。
そういう中で、三番目に、メコン川流域の政策的課題をどのようにとらえるかということで、一つは、先ほどの東京の会議でございましたように、第一点の持続可能な経済発展と。
この地域が中国の発展及びインドの発展に連動して更に発展をする、特にインフラ整備が進む中で確実に発展するだろうと、そういう中では、やはり経済交流が持続可能な発展を保障するためにも、メコン川流域諸国のみならず近隣諸国とどのような経済依存関係を確立するかが重要であるというような形で、まさに単なるメコン川の水資源問題ではなくて、中国、そしてメコン地域、インドの発展を踏まえた経済依存関係の確立というのが重要になっております。特に、日本の関係では、メコン地域とは非常に深い関係が歴史的にもあり、かつ友好な関係がありますので、そこにどのようなリーダーシップを取るかというのが重要になると思います。
二番目に、流域環境保全の問題でございますが、水資源開発事業におきましては、戦略的環境アセスメントの導入とともに、少数民族の生活保障、感染症などの人間の安全保障の視点が重要であると。特に、水危機と戦略的適応策についての方策の検討が求められるというような形で、気候変動とも関連して新たな流域環境保全が必要だと。
三番目に、統合的水管理ということで、いろいろなセクターがございます。この複雑なセクターにおきまして、国際機関、国家、そして地方政府、企業、市民、NGOなどのステークホルダーの調整が必要になり、そこのことを踏まえて、統合的水管理の共通の認識が必要ではないかというふうに考えております。
最後に、政策提言というほどまでのことではございませんが、メコン川流域をどのようなガバナンスで考えることが重要であるかというので、四点ほど整理しました。
一つは、メコン川流域開発の持続的発展と環境保全ということで、アジア、世界の経済発展を保障するための流域環境保全政策を構築するという形で、流域の保全ということと経済発展をどう調和させるかというのが一点でございます。
二番目は、メコン川委員会の基本的精神はメコン・スピリットということでございますが、もう既に中国及びインドとの関係が非常に大きくなった中で、さらに、日本との関係を踏まえて新たなメコン・スピリットの確立が要るのではないかというのがこのメコン川流域のガバナンスの重要な視点ではないかというのが二点目です。
三点目は、メコン川流域ガバナンスと日本の取組ということで、長い歴史、古くからいえば山田長政以来の長い歴史があります。そういう中で、技術、経済に裏打ちされた存在感をアピールするということが重要ではないかと。
四番目に、水への希望ということで、二十一世紀は水の時代、そしてアジアの時代という面で、水の安全保障という視点でこのメコン川流域にそれを確立することが重要ではないかというふうに考えております。
そういう中で、例えばメコン川流域への日本のかかわり方ということで、非常に現在成功している例といたしましては、今、環境改善技術の輸出ということで北九州市によるカンボジアへの水道技術協力、これはもう十年も前から行われております。
こういう面で、急速な経済発展に伴って環境悪化が顕在化している中で、この日本の技術は、非常に丁寧にかつ確実に、そして継続的に行われるという高い評価が行われております。そういう中で、戦略性については中国、インドとは大分異なっておりますが、こういう一個一個仕事をきちんと行っていくというのが非常に高い評価を行われていると。例えば、日本の一村一品運動なども非常にカンボジア、ラオス、またタイでも高く評価されているというような技術がございます。
もう一点は、気候変動の適応策に関しましては、日本がこれまで蓄積した治水技術、例えば治水ダム、スーパー堤防、地下の貯水池、そのようなものの活用、また雨季における多過ぎる水と乾季における少な過ぎる水への両面の対策、こういうふうなシステムを導入することによって、日本のプレゼンスというだけではなくて、真にウオーターセキュリティーに対する対応策ができるのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
どうも御清聴ありがとうございました。
藤
藤原正司#8
○会長(藤原正司君) 仲上参考人、どうもありがとうございました。
これより質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名をさせていただき、その後は会派にかかわらず発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。
なお、質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の発言は三分程度となるように、また、その都度答弁者を明示していただきますようにお願い申し上げます。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
藤末さん。
この発言だけを見る →これより質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名をさせていただき、その後は会派にかかわらず発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。
なお、質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の発言は三分程度となるように、また、その都度答弁者を明示していただきますようにお願い申し上げます。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
藤末さん。
藤
藤末健三#9
○藤末健三君 参考人の先生の方には、貴重なお話を本当にありがとうございました。
私は民主党の藤末と申します。
私自身、水の話にはすごく興味を持っておりまして、今までODAの関係でいきますと、エジプトの日本の水道事業や、あとカンボジアの井戸の事業、あとベトナムの河川の開発なども現地に行って拝見させていただきました。
その中で非常に感じましたのは、やはり、今日もお話ございましたが、我々のいろんな支援のプロジェクトが統合化されていないという形でございまして、例えばエジプトでありましたら、造るだけ造ってあとはメンテナンスをしておりませんでした。したがって、水道の日本のODAで造ったプロジェクトは止まっているという状況。また、カンボジアにおきましても同様でございまして、初め計画を作り井戸を掘っていく、途中で砒素が見付かりましたのでそれは止まったままという状況で、非常にやりっ放しじゃないかなという状況が非常に大きかったと思います。
三人の先生方にお聞きしたいのは、やはり我々の日本の水技術は非常に進んだものと思うんですが、滝沢先生からお話ありました経済産業省の実は研究会も、私は野党時代に経済産業委員会でいろんなことを見た中で提案させていただいて動き出したというところもございます、実は。ただ、その後いろいろ役所の方に議論していただいたにもかかわらず余りにも遅々として進み方が遅いというふうに思っておりまして、三人の先生方にお願いしたいのは、我々が国会の方から国会議員としていろんな提案が政府にできますので、我々がこの委員であり、そして国会議員としてどういうことがお役に立てるかという知恵をちょっとお三方にいただければと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →私は民主党の藤末と申します。
私自身、水の話にはすごく興味を持っておりまして、今までODAの関係でいきますと、エジプトの日本の水道事業や、あとカンボジアの井戸の事業、あとベトナムの河川の開発なども現地に行って拝見させていただきました。
その中で非常に感じましたのは、やはり、今日もお話ございましたが、我々のいろんな支援のプロジェクトが統合化されていないという形でございまして、例えばエジプトでありましたら、造るだけ造ってあとはメンテナンスをしておりませんでした。したがって、水道の日本のODAで造ったプロジェクトは止まっているという状況。また、カンボジアにおきましても同様でございまして、初め計画を作り井戸を掘っていく、途中で砒素が見付かりましたのでそれは止まったままという状況で、非常にやりっ放しじゃないかなという状況が非常に大きかったと思います。
三人の先生方にお聞きしたいのは、やはり我々の日本の水技術は非常に進んだものと思うんですが、滝沢先生からお話ありました経済産業省の実は研究会も、私は野党時代に経済産業委員会でいろんなことを見た中で提案させていただいて動き出したというところもございます、実は。ただ、その後いろいろ役所の方に議論していただいたにもかかわらず余りにも遅々として進み方が遅いというふうに思っておりまして、三人の先生方にお願いしたいのは、我々が国会の方から国会議員としていろんな提案が政府にできますので、我々がこの委員であり、そして国会議員としてどういうことがお役に立てるかという知恵をちょっとお三方にいただければと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
藤
滝
滝沢智#11
○参考人(滝沢智君) ただいまの御指摘の点ですけれども、一つは、水に関するいろんな地域で多様な事情があるということですね。
日本にいますと、日本の水資源、まあ飲料水、水道水に限りますと八割近くが、八〇%近くがダムを造って表流水を開発して、こういった技術は非常に日本が進んでいて経験もあるんですけれども、海外に行きますと、小さな井戸を使っていたり、いろんな水源でそれぞれの課題があるんですが、そういったものが十分に整理された形になっていない。
どういう問題が、あらかじめ起こり得る問題、先ほどの井戸の砒素の問題も、この地域であればこういう課題があり得るということを前提に入っていけば、出てその時点で慌てるということは多分ないと思うんですが、そういった情報が、個別にそこの地域に行った方々はいろいろ経験としては持っているんだけれども、どこかにしっかりとした情報として、これからその地域にODAをやるんでも開発をするんでも、行く人がちゃんとそこの情報が容易に取れるような形で整理されていないと、誰かが十年前に行って失敗したんだけどまた行って同じような問題があるとか、そういうことになりがちですので、水の問題は日本と同じだという頭では行かずに、海外の水問題は非常に多様だという前提で入っていく。そのためには、これまでいろんな地域に専門家も出て、ODAであれば専門家も出ていますし、議員の先生方も行かれていると思うので、そこを何とか統合的に分かりやすく伝えるような情報源というか、情報ソースが整理されていればいいというふうに思います。
もう一点、水ビジネスといえども、顕在化していないというふうに先ほど言いましたけれども、需要はあるんですけれども、その需要を、いかにお金が回ると、水が供給されるというだけじゃなくて、お金の面でもいかに需要家からお金を回収して、それを借りてきたお金を返すような仕組みをいかにつくるかというところまで立ち入って考えていかないと、なかなかその需要があるというだけではビジネスに結び付かない。そこがちょっとまだ十分な取組でないところじゃないかと思います。
この発言だけを見る →日本にいますと、日本の水資源、まあ飲料水、水道水に限りますと八割近くが、八〇%近くがダムを造って表流水を開発して、こういった技術は非常に日本が進んでいて経験もあるんですけれども、海外に行きますと、小さな井戸を使っていたり、いろんな水源でそれぞれの課題があるんですが、そういったものが十分に整理された形になっていない。
どういう問題が、あらかじめ起こり得る問題、先ほどの井戸の砒素の問題も、この地域であればこういう課題があり得るということを前提に入っていけば、出てその時点で慌てるということは多分ないと思うんですが、そういった情報が、個別にそこの地域に行った方々はいろいろ経験としては持っているんだけれども、どこかにしっかりとした情報として、これからその地域にODAをやるんでも開発をするんでも、行く人がちゃんとそこの情報が容易に取れるような形で整理されていないと、誰かが十年前に行って失敗したんだけどまた行って同じような問題があるとか、そういうことになりがちですので、水の問題は日本と同じだという頭では行かずに、海外の水問題は非常に多様だという前提で入っていく。そのためには、これまでいろんな地域に専門家も出て、ODAであれば専門家も出ていますし、議員の先生方も行かれていると思うので、そこを何とか統合的に分かりやすく伝えるような情報源というか、情報ソースが整理されていればいいというふうに思います。
もう一点、水ビジネスといえども、顕在化していないというふうに先ほど言いましたけれども、需要はあるんですけれども、その需要を、いかにお金が回ると、水が供給されるというだけじゃなくて、お金の面でもいかに需要家からお金を回収して、それを借りてきたお金を返すような仕組みをいかにつくるかというところまで立ち入って考えていかないと、なかなかその需要があるというだけではビジネスに結び付かない。そこがちょっとまだ十分な取組でないところじゃないかと思います。
柴
柴田明夫#12
○参考人(柴田明夫君) ほとんど先生のお話のとおりなんですけれども、基本的には一般的な支援の枠組みに対してやはり現地のニーズというのはニッチなニーズでそれぞれ違うわけでありますから、とにかく現地で進めていって問題点をくみ上げる、それをまた一般的なルールに取り込んでいくと、こういうふうな仕組みが必要なのかなという気がいたします。
以上です。
この発言だけを見る →以上です。
仲
仲上健一#13
○参考人(仲上健一君) どうもありがとうございます。
水の付き合いは非常に長い付き合いということで、例えば、十年というのは援助する側から見れば長いように見えるんですけれども、地元の人によれば十年でも百年でも長く付き合ってほしいというのがやっぱり根底にあると思います。
そういう面では、よく評価されるのはファースト・イン、ファースト・アウトというので、問題を発見してこんな問題だというのは評価されるんですけれども、日本のやり方はラスト・インでラスト・アウトで一番評価されない方式で、私はそういう両方じゃなくて、ロングステイというか、やっぱり今の若い人は非常にそういう気持ちが高くて、この国の発展のためには自分の人生をささげてもいいという人たちが、もう二十年、三十年ではなくて何世代にもわたってこの地域の水問題とかかわるんだというような形になれば、例えば中国の太湖という大きな湖があります。そこに浄化槽を一個造るのにせいぜい二千万ぐらいでできます。しかも、地元も非常にお金がこのごろありますので、そこを一個造り、将来的には太湖の周りを二千個造るというような形で実績があれば、もうその代わり一生太湖の周りに住むんだというような形の方式が今後求められていくんではないかなというふうに思います。
そういう面では、先ほどハノイとかバングラデシュでも砒素の問題を、日本の場合、砒素の対策技術を導入で、後、引き揚げるんですけれども、例えばスイスの会社とかそういうところは、二、三人の人がもう何十年の単位でそこに住んで新しい技術を普及して、その問題が解決するまでもう一生ここにおるんだという覚悟の下にやればまた付き合い方も違ってくるというようなことで、切替えが僕は必要ではないかなというふうに個人的には思っております。
この発言だけを見る →水の付き合いは非常に長い付き合いということで、例えば、十年というのは援助する側から見れば長いように見えるんですけれども、地元の人によれば十年でも百年でも長く付き合ってほしいというのがやっぱり根底にあると思います。
そういう面では、よく評価されるのはファースト・イン、ファースト・アウトというので、問題を発見してこんな問題だというのは評価されるんですけれども、日本のやり方はラスト・インでラスト・アウトで一番評価されない方式で、私はそういう両方じゃなくて、ロングステイというか、やっぱり今の若い人は非常にそういう気持ちが高くて、この国の発展のためには自分の人生をささげてもいいという人たちが、もう二十年、三十年ではなくて何世代にもわたってこの地域の水問題とかかわるんだというような形になれば、例えば中国の太湖という大きな湖があります。そこに浄化槽を一個造るのにせいぜい二千万ぐらいでできます。しかも、地元も非常にお金がこのごろありますので、そこを一個造り、将来的には太湖の周りを二千個造るというような形で実績があれば、もうその代わり一生太湖の周りに住むんだというような形の方式が今後求められていくんではないかなというふうに思います。
そういう面では、先ほどハノイとかバングラデシュでも砒素の問題を、日本の場合、砒素の対策技術を導入で、後、引き揚げるんですけれども、例えばスイスの会社とかそういうところは、二、三人の人がもう何十年の単位でそこに住んで新しい技術を普及して、その問題が解決するまでもう一生ここにおるんだという覚悟の下にやればまた付き合い方も違ってくるというようなことで、切替えが僕は必要ではないかなというふうに個人的には思っております。
藤
山
山田俊男#15
○山田俊男君 先生方、貴重なお話を大変ありがとうございました。
水不足は必ず生ずるという先生方のお話であったかというふうに思うんですが、その中でも、柴田先生のお話にもありましたが、食料の問題も含めまして、大変な食料の高騰だったり、それからコストの高騰だったり、それから水不足が生ずるということなわけですね。相当の混乱や、それから超インフレといいますか、そういうことも含めて生ずると。
ただ、お話それぞれありまして、先生方の中にもいろんな期待感があるわけで、一つは、水の浄化といいますか、浄水が技術的に可能かどうか、膜のお話もありました。それから二つ目には、海水の淡水化ができるかどうかということですね。もう相当程度やっているんだけれども、コスト高いよというお話もあります。三つ目は、節水やリサイクルがどんなふうにできるかということもあります。四つ目には、牛肉等、水を大いに必要とするものについての生産を転換していくということ、それで農産物の種類、食料の種類を変えることによってどの程度節水が可能かということがあるというふうに勉強させてもらったんですが。
これらのことについて、これ、先生方にだからお聞きしたいんですけれども、大きくは、世界の人類はちゃんと知恵や、それから節度や、それからそれぞれの国に対する配慮を生かしてちゃんと克服できていけるというふうにお考えになるものでしょうかね、これが一つ。
二つ目は、それとも、大変な混乱を経過しながら、どうですかね、議論のありました金融ビジネスみたいなものがそれぞれ介入してバランスを取っていくといいますか、一定のバランスを取っていくという、これは二番目の話は大変な混乱を経た上での話になるのかというふうに思うんですが、これ、どんなふうにお考え、まあよく勉強されてきた先生方ですから、この深刻なこれらの問題についてどんなふうに展望されているのかなということをお聞きしたいということです。
この発言だけを見る →水不足は必ず生ずるという先生方のお話であったかというふうに思うんですが、その中でも、柴田先生のお話にもありましたが、食料の問題も含めまして、大変な食料の高騰だったり、それからコストの高騰だったり、それから水不足が生ずるということなわけですね。相当の混乱や、それから超インフレといいますか、そういうことも含めて生ずると。
ただ、お話それぞれありまして、先生方の中にもいろんな期待感があるわけで、一つは、水の浄化といいますか、浄水が技術的に可能かどうか、膜のお話もありました。それから二つ目には、海水の淡水化ができるかどうかということですね。もう相当程度やっているんだけれども、コスト高いよというお話もあります。三つ目は、節水やリサイクルがどんなふうにできるかということもあります。四つ目には、牛肉等、水を大いに必要とするものについての生産を転換していくということ、それで農産物の種類、食料の種類を変えることによってどの程度節水が可能かということがあるというふうに勉強させてもらったんですが。
これらのことについて、これ、先生方にだからお聞きしたいんですけれども、大きくは、世界の人類はちゃんと知恵や、それから節度や、それからそれぞれの国に対する配慮を生かしてちゃんと克服できていけるというふうにお考えになるものでしょうかね、これが一つ。
二つ目は、それとも、大変な混乱を経過しながら、どうですかね、議論のありました金融ビジネスみたいなものがそれぞれ介入してバランスを取っていくといいますか、一定のバランスを取っていくという、これは二番目の話は大変な混乱を経た上での話になるのかというふうに思うんですが、これ、どんなふうにお考え、まあよく勉強されてきた先生方ですから、この深刻なこれらの問題についてどんなふうに展望されているのかなということをお聞きしたいということです。
藤
山
藤
仲
仲上健一#19
○参考人(仲上健一君) 節度は持って生きることができるかということで、まあ欲望は無限として、ある程度の水の大事さが、環境問題も大分意識が高まったように、水の大事さが認識できるような教育と同時に、そういう生活スタイルが重要なんだということで、私はできるのではないかと。やっぱり、できないというふうになれば答えが出てこないので、できるという前提でどのようにすればいいかというのが一つの私の考え方です。
それと同時に、水問題は人々の命の問題であり、また人々の生活の問題ですので、それが金融ビジネスの中で、特にもうお二人の先生が言われましたような水ビジネスの中で、水問題をどこまでかかわっていいかというのは一種の倫理観も要るのではないかと。これ以上やったらもう、お金はもうけたけれども人の命がなくなったという問題は、それは政府としても政治としても一定の枠をはめないと、無限の欲望に対してはやっぱり人間の命の方がもっと大事なんだというのを僕は強調した方がいいのではないかというふうに思っております。
この発言だけを見る →それと同時に、水問題は人々の命の問題であり、また人々の生活の問題ですので、それが金融ビジネスの中で、特にもうお二人の先生が言われましたような水ビジネスの中で、水問題をどこまでかかわっていいかというのは一種の倫理観も要るのではないかと。これ以上やったらもう、お金はもうけたけれども人の命がなくなったという問題は、それは政府としても政治としても一定の枠をはめないと、無限の欲望に対してはやっぱり人間の命の方がもっと大事なんだというのを僕は強調した方がいいのではないかというふうに思っております。
柴
柴田明夫#20
○参考人(柴田明夫君) 非常に難しくて、しかも極めて重要な問題提起だと思うんですけれども、基本的に、価格の上昇、要は水の問題とかこういった資源の問題をいわゆる市場のメカニズムで解決していいのか、あるいはもうちょっと共同管理的なこういう仕組みが必要なのかということになるかと思うんですけれども、大きなやはり流れというのは、グローバル化が進んでくる中で好むと好まざるとにかかわらず市場メカニズムというのが進み出している。食料も水も言ってみれば分配の問題だという見方もありますけれども、強制的にこれを分配してしまった場合に何が起こるか。多分、食料などは、翌年は価格が暴落して、食料の生産はかえって減産してもっと深刻な問題が起きてしまうというのも、そういう懸念もあるわけですね。だから、共同管理が本当はできればいいわけですけれども、今、G7、G8の世界ではなくて、G20で、Gゼロだと、もうそれぞれの国が国益を追求して資源の争奪戦に動いているという状況ではなかなか難しいわけであります。
したがって、私は、一つの期待というのは、価格の上昇というのは単にそれが困ったという話ではなくて様々な技術革新を促していくと、こういう一つのきっかけになる。日本はその中で、日本の得意技というか役割というのは、資源、水に関する四つのリとか三つのリとか言われますが、リプレースであり、リサイクルであり、リデュースであり、こういった技術面での対応で補っていくということなのかなという気がいたします。
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滝
滝沢智#21
○参考人(滝沢智君) 水の問題は幾つかの区分けができると思うんですが、ざくっと分けますと、水があるところの水の問題。水はたくさんある、雨も降るんだけれども、人口も増えて水質が悪くなってという地域の問題。それから、水が絶対的に足りない、非常に乾いていてそもそも水がないという地域の問題があると思います。
水があるところの問題は、これはいろんな工夫で解決の仕方があるんじゃないかと実は私は考えております。しかし、その水が圧倒的にないところで人口が増えて水需要が増えると、元々水がないわけですから非常に厳しい状況になる。しかも、その水がないところでも、水はないけれども石油資源があるとかお金があるところは海水淡水化も含めていろんな技術で解決があると思うんですが、水もない、だけどお金や資源もないところは、例えて言えばアフリカの幾つかのサブサハラと言われているような地域ですが、こういうところで人口が増えて水需要が増えて、さらに気候変動のようなことがあってもっと乾燥化してしまうと、いわゆる環境難民とかそういったことも考えられると思います。
ここは非常に厳しいところでありまして、日本も、日本が中心になってどういう解決策が考えられるかということを、その国だけに任せるのではなくて、国際社会が何らかの形で解決策を一緒に考えてあげるということが大事だろうというふうに考えております。
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ここは非常に厳しいところでありまして、日本も、日本が中心になってどういう解決策が考えられるかということを、その国だけに任せるのではなくて、国際社会が何らかの形で解決策を一緒に考えてあげるということが大事だろうというふうに考えております。
藤
松
松田公太#23
○松田公太君 ありがとうございます。みんなの党の松田公太と申します。
まず最初の質問は滝沢参考人と柴田参考人、そして二つ目の質問が仲上参考人にお聞きしたいと思います。
最初の質問ですけれども、これは滝沢参考人のお話の中であったことですけれども、潜在市場から顕在市場へということで、マーケットを自分たちでつくっていくんだと、こういう話だと思います。私も本当にそれに賛同いたします。
柴田参考人も、お話をお伺いしている以上は多分それに御同意いただいているんじゃないかなというふうに思いますが、実際、潜在市場から顕在市場へ変えるためにもうちょっと具体的にどのような手法があるのか、もちろんODA等考えられると思うんですけれども、例えばそのODAを行った場合に、どのようにそれを実際のビジネスチャンスに、プライベートセクターのビジネスチャンスにつなげていくべきだと思われるか、他国の例えばいい例があったら是非それも教えていただければというふうに思います。
二つ目の質問は仲上参考人にお願いしたいんですけれども、これは、国別の流量につきましては、メコン川で最も比率が高いラオス、三五%ということですが、ラオスについてお聞きしたいと思います。
ラオスは、十分御存じだと思いますが、中国からの投資が急増したわけですね、二〇〇〇年から。特に二〇〇〇年から二〇一〇年ぐらいまでは急増しまして、たしか日本の六倍ぐらいの投資を受けていたんじゃないかなというふうに記憶しております。その中で、中国との関係、依存度がどんどん高まってきたんですけれども、トンシン首相になられてからその政策を方向転換されまして、非常にちょっと中国の方が強引な手法があるということで危機感を感じたらしく、日本に対して協力、援助、これを求めてきました。実際、今年の一月、ODA調査班の一員としてラオスの方に伺わせていただいたんですけれども、副首相や大臣とお会いしたときに、ダム建設の協力、支援、これを直接依頼されたんですね。
いろんな問題点は先生のお話からあるというふうに感じたんですけれども、ただ、私はやはり今後の日本の外交のためにも、ビジネスチャンスのためにも、これは非常に大きなチャンスじゃないかなというふうに思っています。
実際、我々がそのダム建設、これを支援するということになりましたら、どのような点に留意しながらやるべきか、これを是非教えていただければと思います。
この発言だけを見る →まず最初の質問は滝沢参考人と柴田参考人、そして二つ目の質問が仲上参考人にお聞きしたいと思います。
最初の質問ですけれども、これは滝沢参考人のお話の中であったことですけれども、潜在市場から顕在市場へということで、マーケットを自分たちでつくっていくんだと、こういう話だと思います。私も本当にそれに賛同いたします。
柴田参考人も、お話をお伺いしている以上は多分それに御同意いただいているんじゃないかなというふうに思いますが、実際、潜在市場から顕在市場へ変えるためにもうちょっと具体的にどのような手法があるのか、もちろんODA等考えられると思うんですけれども、例えばそのODAを行った場合に、どのようにそれを実際のビジネスチャンスに、プライベートセクターのビジネスチャンスにつなげていくべきだと思われるか、他国の例えばいい例があったら是非それも教えていただければというふうに思います。
二つ目の質問は仲上参考人にお願いしたいんですけれども、これは、国別の流量につきましては、メコン川で最も比率が高いラオス、三五%ということですが、ラオスについてお聞きしたいと思います。
ラオスは、十分御存じだと思いますが、中国からの投資が急増したわけですね、二〇〇〇年から。特に二〇〇〇年から二〇一〇年ぐらいまでは急増しまして、たしか日本の六倍ぐらいの投資を受けていたんじゃないかなというふうに記憶しております。その中で、中国との関係、依存度がどんどん高まってきたんですけれども、トンシン首相になられてからその政策を方向転換されまして、非常にちょっと中国の方が強引な手法があるということで危機感を感じたらしく、日本に対して協力、援助、これを求めてきました。実際、今年の一月、ODA調査班の一員としてラオスの方に伺わせていただいたんですけれども、副首相や大臣とお会いしたときに、ダム建設の協力、支援、これを直接依頼されたんですね。
いろんな問題点は先生のお話からあるというふうに感じたんですけれども、ただ、私はやはり今後の日本の外交のためにも、ビジネスチャンスのためにも、これは非常に大きなチャンスじゃないかなというふうに思っています。
実際、我々がそのダム建設、これを支援するということになりましたら、どのような点に留意しながらやるべきか、これを是非教えていただければと思います。
藤
松
藤
滝
滝沢智#27
○参考人(滝沢智君) いかにして顕在化市場にするかということですが、これは海外で成功した事例というのは幾つかあると思います。先ほどおっしゃられたプノンペンとか、それからこれ日本の民間企業もかかわっておりますけれども、マニラウオーターの事例と。サービスレベルが改善していくプロセスの中で支払意思も上がっていくという事例があります。こういった事例を少しでも増やしていくということが重要だろうと思います。
もう一つは、いろいろな国で規制や制度、枠組みがしっかりしていないという課題があると思います。ある東南アジアの国で、例えば首都圏の水道のマスタープランを作った、こういうものを造ろうというマスタープランを作ったんですが、そのための建設資金はどこから出てくるんですかということを聞くと、それはまた別ですと。それはどこかの国がODAで持ってきてくれるんじゃないかという期待とか、お金とプランが付いていないフィジカルなプランはあるんですけれども、それをファイナンスするためのお金をどこから持ってくるのかということがきちっとリンクできていないんですね。そういったプラン作りの弱さということも多分あるだろうと思います。何かを造るというのであれば、市民が受益者として払うのか、国が税金でどれぐらい持ってくるのか。ODAでやるのであれば、どこの国とそれが可能なのかといったお金のプランと一緒にやっていかなければ、それはしょせん絵にかいたもちになってしまって、いつまでたってもプランはあるのに全然実現しない、そういうところがいっぱいあるんだと思います。
そこをいかに改善するかということですが、これは民間企業に、よし、頑張ってくださいと言うだけではなかなかできなくて、やっぱりGGといいますか、政府同士でそういったことが重要ですよということをしっかりと相手とかかわりながら、そういうお金の面も含めて相談に乗っていくといった、もっと距離を縮めてお金の面も何らかの形で相談、全部を出すということではなくてもっと相談に乗ってあげると。マスタープランの始めのところからそれをやっていかないといけないんじゃないかなという気がしております。
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そこをいかに改善するかということですが、これは民間企業に、よし、頑張ってくださいと言うだけではなかなかできなくて、やっぱりGGといいますか、政府同士でそういったことが重要ですよということをしっかりと相手とかかわりながら、そういうお金の面も含めて相談に乗っていくといった、もっと距離を縮めてお金の面も何らかの形で相談、全部を出すということではなくてもっと相談に乗ってあげると。マスタープランの始めのところからそれをやっていかないといけないんじゃないかなという気がしております。
柴
柴田明夫#28
○参考人(柴田明夫君) 最も優先されるのは、潜在市場から顕在化といっても、潜在市場のところでニーズがまず飲み水、安全な水へのアクセスが非常に高い地域において具体的に彼らに安全な水をいかにして供給できるのかという、こういうところがビジネスの前に必要なのかなという気もするんですけれども、やはり例えばグラミン銀行とヴェオリアがバングラデシュで行ったような、少ない投資でもって水を与えていくような仕組みをつくっていく。とにかく、やはりそうした小さな動きでも、いかにその資金を工面していくのかというのが重要でありますので、そこに日本などもまず何らかの形で協力していくということが必要なのかなと。
ベースを広げていくことによって経済成長をやはり促し、皆が豊かになって、最終的には海水の淡水化とかいっても、基本的にはそれは水源の確保、安全な水の確保のあくまでも補完的な位置付けだと思うんですね。基本的にはいかに安全な水源を確保して供給していくのか、ここが重要であって、そこはいきなりはなかなかビジネスライクでは進んでいかないような気がいたします。
この発言だけを見る →ベースを広げていくことによって経済成長をやはり促し、皆が豊かになって、最終的には海水の淡水化とかいっても、基本的にはそれは水源の確保、安全な水の確保のあくまでも補完的な位置付けだと思うんですね。基本的にはいかに安全な水源を確保して供給していくのか、ここが重要であって、そこはいきなりはなかなかビジネスライクでは進んでいかないような気がいたします。
藤