厚生労働委員会
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会
会議録情報#0
平成二十七年五月二十八日(木曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 渡辺 博道君
理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君
理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君
理事 松野 博一君 理事 西村智奈美君
理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君
大岡 敏孝君 大串 正樹君
加藤 鮎子君 木村 弥生君
黄川田仁志君 小松 裕君
白須賀貴樹君 新谷 正義君
田中 英之君 田畑 裕明君
谷川 とむ君 豊田真由子君
中川 俊直君 長尾 敬君
長坂 康正君 丹羽 雄哉君
橋本 岳君 比嘉奈津美君
堀内 詔子君 前川 恵君
牧原 秀樹君 松本 文明君
三ッ林裕巳君 若狭 勝君
阿部 知子君 小川 淳也君
大西 健介君 岡本 充功君
中島 克仁君 山井 和則君
足立 康史君 井坂 信彦君
牧 義夫君 輿水 恵一君
角田 秀穂君 中野 洋昌君
高橋千鶴子君 堀内 照文君
…………………………………
厚生労働大臣政務官 橋本 岳君
参考人
(中央大学経済学部教授) 阿部 正浩君
参考人
(一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長) 高橋 弘行君
参考人
(派遣ユニオン書記長)
(NPO法人・派遣労働ネットワーク事務局次長) 関根秀一郎君
参考人
(株式会社リクルートホールディングス専門役員リクルートワークス研究所所長) 大久保幸夫君
参考人
(自由法曹団常任幹事)
(弁護士) 鷲見賢一郎君
厚生労働委員会専門員 中尾 淳子君
—————————————
委員の異動
五月二十八日
辞任 補欠選任
加藤 鮎子君 前川 恵君
堀内 詔子君 若狭 勝君
松本 純君 長坂 康正君
村井 英樹君 黄川田仁志君
同日
辞任 補欠選任
黄川田仁志君 村井 英樹君
長坂 康正君 松本 純君
前川 恵君 加藤 鮎子君
若狭 勝君 堀内 詔子君
—————————————
五月二十八日
全てのウイルス性肝硬変・肝がん患者の療養支援とウイルス検診の推進に関する請願(武部新君紹介)(第一一九八号)
同(横路孝弘君紹介)(第一二五一号)
全国一律最賃・時給千円以上の実現に関する請願(堀内照文君紹介)(第一一九九号)
障害者福祉についての法制度の拡充に関する請願(鈴木義弘君紹介)(第一二〇〇号)
同(青柳陽一郎君紹介)(第一二五二号)
同(金子恵美君紹介)(第一二六五号)
同(藤丸敏君紹介)(第一二七六号)
新たな患者負担増をやめ、窓口負担の大幅軽減を求めることに関する請願(逢坂誠二君紹介)(第一二三五号)
同(近藤昭一君紹介)(第一二三六号)
同(清水忠史君紹介)(第一二六四号)
パーキンソン病患者・家族に対する治療・療養に関する対策の充実に関する請願(橘慶一郎君紹介)(第一二五〇号)
社会福祉法等の改正に関する請願(辻元清美君紹介)(第一二六三号)
身体障害者手帳等級の改善に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一二七五号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 渡辺 博道君
理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君
理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君
理事 松野 博一君 理事 西村智奈美君
理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君
大岡 敏孝君 大串 正樹君
加藤 鮎子君 木村 弥生君
黄川田仁志君 小松 裕君
白須賀貴樹君 新谷 正義君
田中 英之君 田畑 裕明君
谷川 とむ君 豊田真由子君
中川 俊直君 長尾 敬君
長坂 康正君 丹羽 雄哉君
橋本 岳君 比嘉奈津美君
堀内 詔子君 前川 恵君
牧原 秀樹君 松本 文明君
三ッ林裕巳君 若狭 勝君
阿部 知子君 小川 淳也君
大西 健介君 岡本 充功君
中島 克仁君 山井 和則君
足立 康史君 井坂 信彦君
牧 義夫君 輿水 恵一君
角田 秀穂君 中野 洋昌君
高橋千鶴子君 堀内 照文君
…………………………………
厚生労働大臣政務官 橋本 岳君
参考人
(中央大学経済学部教授) 阿部 正浩君
参考人
(一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長) 高橋 弘行君
参考人
(派遣ユニオン書記長)
(NPO法人・派遣労働ネットワーク事務局次長) 関根秀一郎君
参考人
(株式会社リクルートホールディングス専門役員リクルートワークス研究所所長) 大久保幸夫君
参考人
(自由法曹団常任幹事)
(弁護士) 鷲見賢一郎君
厚生労働委員会専門員 中尾 淳子君
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委員の異動
五月二十八日
辞任 補欠選任
加藤 鮎子君 前川 恵君
堀内 詔子君 若狭 勝君
松本 純君 長坂 康正君
村井 英樹君 黄川田仁志君
同日
辞任 補欠選任
黄川田仁志君 村井 英樹君
長坂 康正君 松本 純君
前川 恵君 加藤 鮎子君
若狭 勝君 堀内 詔子君
—————————————
五月二十八日
全てのウイルス性肝硬変・肝がん患者の療養支援とウイルス検診の推進に関する請願(武部新君紹介)(第一一九八号)
同(横路孝弘君紹介)(第一二五一号)
全国一律最賃・時給千円以上の実現に関する請願(堀内照文君紹介)(第一一九九号)
障害者福祉についての法制度の拡充に関する請願(鈴木義弘君紹介)(第一二〇〇号)
同(青柳陽一郎君紹介)(第一二五二号)
同(金子恵美君紹介)(第一二六五号)
同(藤丸敏君紹介)(第一二七六号)
新たな患者負担増をやめ、窓口負担の大幅軽減を求めることに関する請願(逢坂誠二君紹介)(第一二三五号)
同(近藤昭一君紹介)(第一二三六号)
同(清水忠史君紹介)(第一二六四号)
パーキンソン病患者・家族に対する治療・療養に関する対策の充実に関する請願(橘慶一郎君紹介)(第一二五〇号)
社会福祉法等の改正に関する請願(辻元清美君紹介)(第一二六三号)
身体障害者手帳等級の改善に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一二七五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)
————◇—————
渡
渡辺博道#1
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、中央大学経済学部教授阿部正浩君、一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長高橋弘行君、派遣ユニオン書記長、NPO法人・派遣労働ネットワーク事務局次長関根秀一郎君、株式会社リクルートホールディングス専門役員リクルートワークス研究所所長大久保幸夫君、自由法曹団常任幹事・弁護士鷲見賢一郎君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、まず阿部参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、中央大学経済学部教授阿部正浩君、一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長高橋弘行君、派遣ユニオン書記長、NPO法人・派遣労働ネットワーク事務局次長関根秀一郎君、株式会社リクルートホールディングス専門役員リクルートワークス研究所所長大久保幸夫君、自由法曹団常任幹事・弁護士鷲見賢一郎君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、まず阿部参考人にお願いいたします。
阿
阿部正浩#2
○阿部参考人 おはようございます。中央大学の阿部と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、このような場で意見を開陳する機会をいただきまして、大変光栄に存じております。
私は、経済学部で労働経済学を研究しておりますので、研究者としての立場から、今回の派遣法改正、あるいは今後の派遣制度について考えを述べさせていただきたいと思っております。
まず、皆様のお手元に資料をお配りいたしておりますが、一枚目、「雇用形態別、雇用者数の推移」ということで、これは、総務省統計局が調査しております、一九八四年から二〇〇一年までは労働力調査特別調査、それから二〇〇二年以降は労働力調査の詳細集計といったところで雇用形態別の雇用者数を把握しておりまして、それをグラフにしたものでございます。
これを見ますと、労働者派遣事業所の派遣社員というのは、派遣社員の推移でございますが、一九九九年の二十八万人から、ピーク時が二〇〇八年末の百四十八万人へ、派遣労働者数は傾向的に増加してまいりました。ただ、その後減少しまして、二〇一五年一—三月期は百二十万人へと推移しております。この二〇一五年の百二十万人という数字は、非正規労働者全体の約六%、雇用者全体の約二%に当たるということになっております。
派遣労働者が九九年の二十八万人から現在の百二十万人へと増加してきた背景としましては、幾つかあると思いますが、大きく二つの要因があるのではないかと思っております。この要因は、非正規雇用者増加の背景とも同様と思っております。
その一つには、お手元の資料の二枚目にございますが、そこに、技術代替的労働需要、ちょうど真ん中のあたりに書いてありますが、この技術代替的労働需要と申しますのは、技術革新によって比較的未熟練労働者でも遂行可能な仕事が今現在ふえておりまして、そうした需要が技術革新によって生み出されたものであるということでございます。
ただ、技術革新は、一方で技術補完的労働需要というのもつくってまいりましたが、技術代替的労働需要が比較的未熟練でも遂行可能ですので、企業が労働者を長期雇用する必要性が弱まったということで、以前に比べて、長期雇用ではない非正規雇用者、そして派遣労働者がふえてきたのではないかと考えております。
もう一つの大きな理由が、企業が、グローバル化などで、国際競争上、激しい競争をしております。企業は労務コストの抑制というのをせざるを得なかった側面もあり、そしてまた、労働市場が国際化していって賃金がやや上がりづらかった、賃金の上方硬直性というふうに書いてありますが、上がりづらかったといった点もあろうかと思います。
そういう背景もあって、特に九〇年代前半のバブル崩壊以降、日本の企業は雇用に関して選択と集中ということをやってきて、企業特殊的で熟練を要する仕事には正社員を雇用し、単純で簡単な仕事や高度で専門性の高い仕事は外部労働人材に頼るということで非正規雇用者がふえてきたというふうに考えております。
なお、派遣労働者が非正規の中で需要があるもう一つの理由としては、派遣労働者のマッチング機能が比較的高いという側面があろうかと思います。
企業が労働者を直接雇用しようとして採用活動を行う場合には、広告やあるいは職業紹介、あっせん機関等を利用して求人募集するわけでございますが、労働者と企業の間では情報の非対称性というものが非常に大きく、採用にはとても時間と費用がかかるということです。
一方、これに対して、派遣の場合は、派遣社員の能力を派遣会社が事前に把握して、比較的短時間でマッチングすることができており、採用に要する費用も企業にとって決して安くないので、派遣を通じた労働需要というものは、企業にとっても、そして働く側の労働者にとっても、すぐに仕事を探せるし、仕事を見つけることができるということで、相対的に効率のよいものになっているだろうということであります。
このように、企業が派遣労働者の需要をふやした背景としては、熟練を要さない仕事がふえて外部労働力の活用をふやしてきたことと、外部労働力のマッチングにおいては派遣の効率性が比較的高いということが考えられます。
なお、派遣労働者の比率が非正規雇用者の六%、雇用者全体の二%と高くないのは、パート労働者等に比べて派遣労働者の時給は手取りベースでもやや高いということがあって、労務コストの上では派遣労働者の方が比較的、企業は活用したいんだけれども、高いので、やはりなかなか活用できないという側面もあるのではないかと考えております。
一方、労働供給側の派遣社員に目を転じますと、平成二十四年派遣労働者実態調査によると、派遣労働者の今後の働き方に対する希望は、お手元の資料で最後のページ、三枚目になりますが、派遣労働者として働きたいと答えた方が四三・一%、派遣社員ではなく正社員として働きたいと答えた人が四三・二%と、ちょうど五人に二人ずつ、正社員になりたいという希望を持つ方と派遣社員のままで働きたいという方がいらっしゃるということでございます。
最近行われた日本人材派遣協会の調査では、約七割は当面派遣社員として働きたい、ただ、将来的には正社員が四割強ということになってございます。
そういう意味で、労働者の希望というのは、正社員にもなりたいという派遣労働者がいる一方で、派遣社員としてキャリアを形成していきたいという労働者がいるのも事実でございます。
労働者の希望をできるだけ実現することは、政策的に大変大事なことでございます。正社員になりたい人が正社員へのキャリアアップができるよう、そして同時に、派遣社員のままがよいという人には派遣社員でのキャリアアップを図ることができるよう、労働市場の環境を整備していくこと、これが非常に大切なことだと思います。
今回の派遣法、今提出されている案では、派遣会社に派遣社員の計画的な教育訓練と希望者に対するキャリアコンサルティングの実施を義務づけておりますが、これは非常に大切なポイントだろうと思います。ただ、このキャリア形成の問題は非正規雇用者全体にも当てはまっており、その意味では、派遣法だけで解決できる問題ではなく、ほかの政策も考えていくべきだろうと思います。
最後に、超高齢社会を迎えている我が国の社会経済の持続可能性を考えると、人々の多様な働き方を認めるとともに、労働者一人一人の生産性を高めていく必要があると思います。そのために、法制度は、労働者の希望する職業選択がかなうようなマッチングシステムの高度化、能力開発の整備を明確に織り込むべきだと思いますし、その一方で、企業の雇用ポートフォリオと労働需要をゆがめるような法制度は問題であろうというふうに思っております。
以上、今後の議論に参考になれば幸いと存じます。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような場で意見を開陳する機会をいただきまして、大変光栄に存じております。
私は、経済学部で労働経済学を研究しておりますので、研究者としての立場から、今回の派遣法改正、あるいは今後の派遣制度について考えを述べさせていただきたいと思っております。
まず、皆様のお手元に資料をお配りいたしておりますが、一枚目、「雇用形態別、雇用者数の推移」ということで、これは、総務省統計局が調査しております、一九八四年から二〇〇一年までは労働力調査特別調査、それから二〇〇二年以降は労働力調査の詳細集計といったところで雇用形態別の雇用者数を把握しておりまして、それをグラフにしたものでございます。
これを見ますと、労働者派遣事業所の派遣社員というのは、派遣社員の推移でございますが、一九九九年の二十八万人から、ピーク時が二〇〇八年末の百四十八万人へ、派遣労働者数は傾向的に増加してまいりました。ただ、その後減少しまして、二〇一五年一—三月期は百二十万人へと推移しております。この二〇一五年の百二十万人という数字は、非正規労働者全体の約六%、雇用者全体の約二%に当たるということになっております。
派遣労働者が九九年の二十八万人から現在の百二十万人へと増加してきた背景としましては、幾つかあると思いますが、大きく二つの要因があるのではないかと思っております。この要因は、非正規雇用者増加の背景とも同様と思っております。
その一つには、お手元の資料の二枚目にございますが、そこに、技術代替的労働需要、ちょうど真ん中のあたりに書いてありますが、この技術代替的労働需要と申しますのは、技術革新によって比較的未熟練労働者でも遂行可能な仕事が今現在ふえておりまして、そうした需要が技術革新によって生み出されたものであるということでございます。
ただ、技術革新は、一方で技術補完的労働需要というのもつくってまいりましたが、技術代替的労働需要が比較的未熟練でも遂行可能ですので、企業が労働者を長期雇用する必要性が弱まったということで、以前に比べて、長期雇用ではない非正規雇用者、そして派遣労働者がふえてきたのではないかと考えております。
もう一つの大きな理由が、企業が、グローバル化などで、国際競争上、激しい競争をしております。企業は労務コストの抑制というのをせざるを得なかった側面もあり、そしてまた、労働市場が国際化していって賃金がやや上がりづらかった、賃金の上方硬直性というふうに書いてありますが、上がりづらかったといった点もあろうかと思います。
そういう背景もあって、特に九〇年代前半のバブル崩壊以降、日本の企業は雇用に関して選択と集中ということをやってきて、企業特殊的で熟練を要する仕事には正社員を雇用し、単純で簡単な仕事や高度で専門性の高い仕事は外部労働人材に頼るということで非正規雇用者がふえてきたというふうに考えております。
なお、派遣労働者が非正規の中で需要があるもう一つの理由としては、派遣労働者のマッチング機能が比較的高いという側面があろうかと思います。
企業が労働者を直接雇用しようとして採用活動を行う場合には、広告やあるいは職業紹介、あっせん機関等を利用して求人募集するわけでございますが、労働者と企業の間では情報の非対称性というものが非常に大きく、採用にはとても時間と費用がかかるということです。
一方、これに対して、派遣の場合は、派遣社員の能力を派遣会社が事前に把握して、比較的短時間でマッチングすることができており、採用に要する費用も企業にとって決して安くないので、派遣を通じた労働需要というものは、企業にとっても、そして働く側の労働者にとっても、すぐに仕事を探せるし、仕事を見つけることができるということで、相対的に効率のよいものになっているだろうということであります。
このように、企業が派遣労働者の需要をふやした背景としては、熟練を要さない仕事がふえて外部労働力の活用をふやしてきたことと、外部労働力のマッチングにおいては派遣の効率性が比較的高いということが考えられます。
なお、派遣労働者の比率が非正規雇用者の六%、雇用者全体の二%と高くないのは、パート労働者等に比べて派遣労働者の時給は手取りベースでもやや高いということがあって、労務コストの上では派遣労働者の方が比較的、企業は活用したいんだけれども、高いので、やはりなかなか活用できないという側面もあるのではないかと考えております。
一方、労働供給側の派遣社員に目を転じますと、平成二十四年派遣労働者実態調査によると、派遣労働者の今後の働き方に対する希望は、お手元の資料で最後のページ、三枚目になりますが、派遣労働者として働きたいと答えた方が四三・一%、派遣社員ではなく正社員として働きたいと答えた人が四三・二%と、ちょうど五人に二人ずつ、正社員になりたいという希望を持つ方と派遣社員のままで働きたいという方がいらっしゃるということでございます。
最近行われた日本人材派遣協会の調査では、約七割は当面派遣社員として働きたい、ただ、将来的には正社員が四割強ということになってございます。
そういう意味で、労働者の希望というのは、正社員にもなりたいという派遣労働者がいる一方で、派遣社員としてキャリアを形成していきたいという労働者がいるのも事実でございます。
労働者の希望をできるだけ実現することは、政策的に大変大事なことでございます。正社員になりたい人が正社員へのキャリアアップができるよう、そして同時に、派遣社員のままがよいという人には派遣社員でのキャリアアップを図ることができるよう、労働市場の環境を整備していくこと、これが非常に大切なことだと思います。
今回の派遣法、今提出されている案では、派遣会社に派遣社員の計画的な教育訓練と希望者に対するキャリアコンサルティングの実施を義務づけておりますが、これは非常に大切なポイントだろうと思います。ただ、このキャリア形成の問題は非正規雇用者全体にも当てはまっており、その意味では、派遣法だけで解決できる問題ではなく、ほかの政策も考えていくべきだろうと思います。
最後に、超高齢社会を迎えている我が国の社会経済の持続可能性を考えると、人々の多様な働き方を認めるとともに、労働者一人一人の生産性を高めていく必要があると思います。そのために、法制度は、労働者の希望する職業選択がかなうようなマッチングシステムの高度化、能力開発の整備を明確に織り込むべきだと思いますし、その一方で、企業の雇用ポートフォリオと労働需要をゆがめるような法制度は問題であろうというふうに思っております。
以上、今後の議論に参考になれば幸いと存じます。どうもありがとうございました。拍手
渡
高
高橋弘行#4
○高橋参考人 おはようございます。経団連労働政策本部長の高橋でございます。
本日は、労働者派遣法改正法案に対する考え方を述べさせていただく機会を頂戴し、まことにありがとうございます。
限られておりますけれども、改正法案について申し上げる前に、労働者派遣制度に関する基本的な考え方を述べたいと存じます。
労働者派遣制度は、労働市場における重要な需給調整機能を担っており、多様な働き方のニーズと人材活用に応える選択肢を提供するものであると考えております。
派遣労働者にとりましては、希望する勤務地や勤務時間、仕事内容を迅速に選ぶことができるという柔軟性がございますし、企業側にとりましては、必要なスキルや知識を持った人材を早期に確保できるという利点がございます。労使双方にとりまして重要なマッチング機能の役割を果たしております労働者派遣制度を、今後ともよりよいものに見直していくことが肝要であります。
派遣という働き方に関しましては、雇用が不安定であるとか処遇改善やキャリアアップの機会に乏しいといった指摘がございますけれども、他方で、二〇一四年の労働力調査によりますと、派遣労働者の六割はみずから派遣労働を選択して就労しているということが確認できるわけでございます。
派遣という働き方を否定し、規制強化によって制限していくことは、制度の持つすぐれたマッチング機能を損なうことになります。重要なことは、不本意ながら派遣として長く働いている方々に向けた適切な支援と多くの就業機会をつくり出していくことであると考えております。
それでは、改正法について申し上げたいと存じます。
私といたしましては、改正法案は大きく四つの点ですぐれていると評価しております。
第一は、特定労働者派遣事業の廃止であります。
私は、労働政策審議会労働力需給制度部会の委員を拝命しておりますけれども、毎月の会合のたびに、悪質な法令違反の報告を多く受けております。それらの事案を見ますと、行政への届け出だけで事業を営むことができる特定労働者派遣事業に特に悪質な違反が目立っておりまして、私は、そのことに常々大きな問題意識を持っております。また、派遣事業者の八割近くが届け出だけで事業運営を行っている実態にも疑問を感じております。
そこで、小規模な派遣事業者には大変な規制強化となりますけれども、法改正について議論をしておりました二〇一三年の労働政策審議会の場で、私から、特定労働者派遣事業を廃止し、全て資産要件などを要する許可制とすべきことを主張いたしました。この点は労使で考え方は完全に一致しておりまして、改正法案へと結実いたしました。全て許可制へと移行することで、健全な派遣事業者が事業を営む基盤となり、それがひいては派遣労働者の保護につながると期待しております。
第二は、期間制限のあり方を抜本的に見直して、わかりやすい制度に変更することであります。
現行制度では、派遣労働者が行う業務に着目し、政令で定めますいわゆる二十六業務につきましては、派遣可能期間に制限を設けていない一方で、その他の自由化業務については、原則一年、最長三年までとしております。しかしながら、二十六業務に該当するかどうかの判断をめぐりまして、労働局、派遣先、派遣元、派遣労働者の間で認識にそごが生じがちでございます。
とりわけ、二〇一〇年に厚生労働省が行いました専門二十六業務派遣適正化プランをめぐりまして、大変な混乱が見られたのは記憶に新しいところであります。適正化プランのもとで、二十六業務に関する行政解釈が突然変更されました。例えば、派遣労働者の方が一緒に働いております派遣先の従業員の電話をとっただけで、専門業務とは認められないといった極端な行政指導がなされたことは、制度を不安定化させただけではなく、行政に対する不信を生じさせたと考えております。
こうした経緯から申し上げられますことは、業務の専門性に着目して期間制限の有無を判断することには無理があるということであります。
改正法案では、二十六業務を廃止し、派遣元における雇用形態の違いによりまして期間制限の有無が異なる仕組みに見直します。派遣労働者を受け入れる場合、派遣元で有期雇用なのか無期雇用なのかは、派遣契約を締結する際に書類上で確認することができますので、非常にわかりやすい形となります。
雇用が安定している無期雇用の派遣労働者について、期間制限なしとすることで、派遣という働き方をみずから選択する労働者にとりましては、同一の派遣先で長期にわたってスキルや経験を磨くことにつながることが期待されます。
一方、有期雇用派遣労働者の場合には、個人単位と派遣先単位の二つの点から三年という期間制限がかかってまいります。この点に関しまして、三年ごとに人をかえれば派遣を使い続けられるといった批判がありますが、事業所単位で見まして、派遣労働者の受け入れから三年が経過する前に過半数組合等からの意見聴取を義務づけている点は、すぐれた制度であると思っております。
職場のあり方は、何より、労使が意見交換を行いながら自社に最も適した形としていくことが基本となります。改正法案が労使の話し合いに重点を置き、労使自治を尊重しているということは、高く評価できると思います。
第三は、派遣労働者の雇用安定が現行制度より図られやすくなる点です。
派遣労働者につきましては、使用者責任が曖昧になりやすいといった点や、派遣契約の終了と同時に雇用が不安定になるといった指摘が多くございます。確かに、リーマン・ショックの際には、未曽有の危機であったために、派遣契約の終了が相次ぎ、派遣元において雇いどめや解雇も多く行われました。
ただし、こうした状況を踏まえまして、平成二十四年改正におきまして、派遣先の都合により派遣契約を中途解除した場合には、派遣先が当該派遣労働者に対しまして新たな就業機会を確保することや、休業手当の支払いに要する費用等を派遣先が負担することが法定化されたわけでございます。
今回の改正法案では、派遣元に雇用安定措置を義務づけております。このことは、派遣元の雇用主責任を一層明確化するものであります。また、有期派遣労働者の雇用安定に必要な措置であると思っております。派遣先が新たに正社員などを事業所に雇い入れる際に、その募集情報を派遣労働者にも周知するといった措置を図ることとしておりますので、派遣労働者の保護に関する取り組みは一層整備されてまいります。
改正法案が成立しても派遣先での直接雇用がふえることは期待できないという御意見もお聞きします。そもそも、雇用は経済情勢などによって大きく変動するものでありますけれども、二〇一三年十月十日の労働政策審議会に提出されました厚生労働省の資料によりますと、現行制度におきましても、派遣期間制限の抵触日が到来した対応といたしまして、五割以上の派遣先が直接雇用をしているという実態がございます。
派遣労働者と雇用契約が成立するかどうかは、派遣先と派遣労働者の双方のニーズが合致するかどうかで決まってまいります。派遣労働者の方が必ずしも現在の派遣先で就業したいと希望されているわけではなく、中小企業などの場合でございますと、ぜひうちで働いてほしいと申し入れても、派遣労働者の方から遠慮したいと断られるケースも多いと聞いております。
重要なことは、就業継続を希望している方への支援であり、今回の雇用安定措置は現行制度にはないものでありまして、その効果を期待しております。
最後に、第四といたしましては、派遣労働者の処遇改善とキャリアアップ支援が強化されるということであります。
派遣労働者は、長く働いても処遇改善につながりにくいとか、キャリアアップの機会に乏しいという指摘がございます。
既に大手の派遣業者などでは、専門の学校施設を設けるなど、派遣労働者の教育訓練やキャリア形成の支援について積極的な取り組みが行われていますが、全ての派遣元事業主が取り組むといった状況には至っておりません。
派遣労働者のキャリアアップにつきましては、第一義的に、雇用主である派遣元がその責任を負うものと考えておりますけれども、業務に関するスキルや能力、経験は仕事を通じて身につけることが多いため、派遣先でのOJTも大変重要となってまいります。
そのため、改正法案では、派遣元に計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングの実施を義務づけており、許可要件にも、キャリア形成支援制度を有することを追加するとしています。その上で、派遣先に対しましても、業務遂行に密接に関連した教育訓練の実施や、職務遂行能力などに関する情報を派遣元の求めに応じて提供することとされています。
また、業務単位の期間制限が撤廃されることについても、派遣労働者の仕事の幅が広がり、派遣先としてもOJTが行いやすくなるということが期待されます。
これらは、キャリアアップやステップアップを考えている派遣労働者にとりまして非常にプラスになる仕組みであると考えております。さらに、みずから望んで派遣就業している労働者にとりましても有益でありますので、派遣法改正法案の早期成立が求められると考えてございます。
簡単ではございますが、今回の改正法案に関する考え方につきまして、評価されるべき四点を中心に申し上げました。
御清聴まことにありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、労働者派遣法改正法案に対する考え方を述べさせていただく機会を頂戴し、まことにありがとうございます。
限られておりますけれども、改正法案について申し上げる前に、労働者派遣制度に関する基本的な考え方を述べたいと存じます。
労働者派遣制度は、労働市場における重要な需給調整機能を担っており、多様な働き方のニーズと人材活用に応える選択肢を提供するものであると考えております。
派遣労働者にとりましては、希望する勤務地や勤務時間、仕事内容を迅速に選ぶことができるという柔軟性がございますし、企業側にとりましては、必要なスキルや知識を持った人材を早期に確保できるという利点がございます。労使双方にとりまして重要なマッチング機能の役割を果たしております労働者派遣制度を、今後ともよりよいものに見直していくことが肝要であります。
派遣という働き方に関しましては、雇用が不安定であるとか処遇改善やキャリアアップの機会に乏しいといった指摘がございますけれども、他方で、二〇一四年の労働力調査によりますと、派遣労働者の六割はみずから派遣労働を選択して就労しているということが確認できるわけでございます。
派遣という働き方を否定し、規制強化によって制限していくことは、制度の持つすぐれたマッチング機能を損なうことになります。重要なことは、不本意ながら派遣として長く働いている方々に向けた適切な支援と多くの就業機会をつくり出していくことであると考えております。
それでは、改正法について申し上げたいと存じます。
私といたしましては、改正法案は大きく四つの点ですぐれていると評価しております。
第一は、特定労働者派遣事業の廃止であります。
私は、労働政策審議会労働力需給制度部会の委員を拝命しておりますけれども、毎月の会合のたびに、悪質な法令違反の報告を多く受けております。それらの事案を見ますと、行政への届け出だけで事業を営むことができる特定労働者派遣事業に特に悪質な違反が目立っておりまして、私は、そのことに常々大きな問題意識を持っております。また、派遣事業者の八割近くが届け出だけで事業運営を行っている実態にも疑問を感じております。
そこで、小規模な派遣事業者には大変な規制強化となりますけれども、法改正について議論をしておりました二〇一三年の労働政策審議会の場で、私から、特定労働者派遣事業を廃止し、全て資産要件などを要する許可制とすべきことを主張いたしました。この点は労使で考え方は完全に一致しておりまして、改正法案へと結実いたしました。全て許可制へと移行することで、健全な派遣事業者が事業を営む基盤となり、それがひいては派遣労働者の保護につながると期待しております。
第二は、期間制限のあり方を抜本的に見直して、わかりやすい制度に変更することであります。
現行制度では、派遣労働者が行う業務に着目し、政令で定めますいわゆる二十六業務につきましては、派遣可能期間に制限を設けていない一方で、その他の自由化業務については、原則一年、最長三年までとしております。しかしながら、二十六業務に該当するかどうかの判断をめぐりまして、労働局、派遣先、派遣元、派遣労働者の間で認識にそごが生じがちでございます。
とりわけ、二〇一〇年に厚生労働省が行いました専門二十六業務派遣適正化プランをめぐりまして、大変な混乱が見られたのは記憶に新しいところであります。適正化プランのもとで、二十六業務に関する行政解釈が突然変更されました。例えば、派遣労働者の方が一緒に働いております派遣先の従業員の電話をとっただけで、専門業務とは認められないといった極端な行政指導がなされたことは、制度を不安定化させただけではなく、行政に対する不信を生じさせたと考えております。
こうした経緯から申し上げられますことは、業務の専門性に着目して期間制限の有無を判断することには無理があるということであります。
改正法案では、二十六業務を廃止し、派遣元における雇用形態の違いによりまして期間制限の有無が異なる仕組みに見直します。派遣労働者を受け入れる場合、派遣元で有期雇用なのか無期雇用なのかは、派遣契約を締結する際に書類上で確認することができますので、非常にわかりやすい形となります。
雇用が安定している無期雇用の派遣労働者について、期間制限なしとすることで、派遣という働き方をみずから選択する労働者にとりましては、同一の派遣先で長期にわたってスキルや経験を磨くことにつながることが期待されます。
一方、有期雇用派遣労働者の場合には、個人単位と派遣先単位の二つの点から三年という期間制限がかかってまいります。この点に関しまして、三年ごとに人をかえれば派遣を使い続けられるといった批判がありますが、事業所単位で見まして、派遣労働者の受け入れから三年が経過する前に過半数組合等からの意見聴取を義務づけている点は、すぐれた制度であると思っております。
職場のあり方は、何より、労使が意見交換を行いながら自社に最も適した形としていくことが基本となります。改正法案が労使の話し合いに重点を置き、労使自治を尊重しているということは、高く評価できると思います。
第三は、派遣労働者の雇用安定が現行制度より図られやすくなる点です。
派遣労働者につきましては、使用者責任が曖昧になりやすいといった点や、派遣契約の終了と同時に雇用が不安定になるといった指摘が多くございます。確かに、リーマン・ショックの際には、未曽有の危機であったために、派遣契約の終了が相次ぎ、派遣元において雇いどめや解雇も多く行われました。
ただし、こうした状況を踏まえまして、平成二十四年改正におきまして、派遣先の都合により派遣契約を中途解除した場合には、派遣先が当該派遣労働者に対しまして新たな就業機会を確保することや、休業手当の支払いに要する費用等を派遣先が負担することが法定化されたわけでございます。
今回の改正法案では、派遣元に雇用安定措置を義務づけております。このことは、派遣元の雇用主責任を一層明確化するものであります。また、有期派遣労働者の雇用安定に必要な措置であると思っております。派遣先が新たに正社員などを事業所に雇い入れる際に、その募集情報を派遣労働者にも周知するといった措置を図ることとしておりますので、派遣労働者の保護に関する取り組みは一層整備されてまいります。
改正法案が成立しても派遣先での直接雇用がふえることは期待できないという御意見もお聞きします。そもそも、雇用は経済情勢などによって大きく変動するものでありますけれども、二〇一三年十月十日の労働政策審議会に提出されました厚生労働省の資料によりますと、現行制度におきましても、派遣期間制限の抵触日が到来した対応といたしまして、五割以上の派遣先が直接雇用をしているという実態がございます。
派遣労働者と雇用契約が成立するかどうかは、派遣先と派遣労働者の双方のニーズが合致するかどうかで決まってまいります。派遣労働者の方が必ずしも現在の派遣先で就業したいと希望されているわけではなく、中小企業などの場合でございますと、ぜひうちで働いてほしいと申し入れても、派遣労働者の方から遠慮したいと断られるケースも多いと聞いております。
重要なことは、就業継続を希望している方への支援であり、今回の雇用安定措置は現行制度にはないものでありまして、その効果を期待しております。
最後に、第四といたしましては、派遣労働者の処遇改善とキャリアアップ支援が強化されるということであります。
派遣労働者は、長く働いても処遇改善につながりにくいとか、キャリアアップの機会に乏しいという指摘がございます。
既に大手の派遣業者などでは、専門の学校施設を設けるなど、派遣労働者の教育訓練やキャリア形成の支援について積極的な取り組みが行われていますが、全ての派遣元事業主が取り組むといった状況には至っておりません。
派遣労働者のキャリアアップにつきましては、第一義的に、雇用主である派遣元がその責任を負うものと考えておりますけれども、業務に関するスキルや能力、経験は仕事を通じて身につけることが多いため、派遣先でのOJTも大変重要となってまいります。
そのため、改正法案では、派遣元に計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングの実施を義務づけており、許可要件にも、キャリア形成支援制度を有することを追加するとしています。その上で、派遣先に対しましても、業務遂行に密接に関連した教育訓練の実施や、職務遂行能力などに関する情報を派遣元の求めに応じて提供することとされています。
また、業務単位の期間制限が撤廃されることについても、派遣労働者の仕事の幅が広がり、派遣先としてもOJTが行いやすくなるということが期待されます。
これらは、キャリアアップやステップアップを考えている派遣労働者にとりまして非常にプラスになる仕組みであると考えております。さらに、みずから望んで派遣就業している労働者にとりましても有益でありますので、派遣法改正法案の早期成立が求められると考えてございます。
簡単ではございますが、今回の改正法案に関する考え方につきまして、評価されるべき四点を中心に申し上げました。
御清聴まことにありがとうございました。拍手
渡
関
関根秀一郎#6
○関根参考人 派遣ユニオンの関根と申します。
余り滑らかにお話しするのは得意ではないので、御容赦ください。
私は、派遣ユニオンの書記長として、派遣労働者からの相談を日ごろ受けております。また同時に、私自身も、あちらこちらの派遣会社に登録して働いてみた、就労をしてきたというような経験もございますので、そうした、相談を受けたり実際に働いた経験の中から、派遣の実態、そして今回の労働者派遣法の改正案についてどのように見ているかということについてお話しさせていただきたいというふうに思います。
まず第一に、今回の労働者派遣法改正案の最大の問題点についてなんですが、派遣労働者を正社員化する法案であるというのは全く真実ではなく、むしろ不安定な派遣労働者を大幅に拡大してしまうという法案であること、つまり、特に若者、これから就職しようという人たちが正社員として就職する機会を完全に奪ってしまう法案であるということ、これこそが最大の問題だろうというふうに考えております。
派遣の実態といたしましては、まず、最大の問題は派遣切りであります。
リーマン・ショックのときにも、東日本大震災のときにも、一番真っ先に切り捨てられたのは派遣労働者です。最も切りやすい労働力として派遣労働者が位置づけられているがために、数十万人の派遣労働者が切り捨てられ、路上に放り出される。年越し派遣村にあらわれたたくさんの人たちは、命の危機にさらされるというような事態があったわけです。
残念ながら、この派遣労働者の不安定性というのは全く変わることなく、現状においても不安定なまま、二カ月から三カ月程度の雇用契約を何回も更新しながら働くというような働き方で、なおかつ、派遣先企業、働かせている企業の側は、雇用上の責任を全く負わないということから、ごくごく簡単に切り捨ててしまうというような実態にございます。
一ページめくっていただきますと、派遣スタッフアンケートがございます。私どもが二年から三年に一回のペースで行ってきた派遣労働者に対する実態調査なんですけれども、一ページ目のこの表は、派遣労働者の平均時給をあらわしています。一九九四年の段階では千七百円台だった平均の時給が、二〇一三年の段階では千百円台にまで落ちてしまっています。これは、もうずっと派遣労働者の時給が落ち続けているということを示していますし、大幅なダウンです。
それから、二ページには、年収の水準、百万円から二百万円程度の派遣労働者が多数いるということや、現在の収入では大変苦しい、生活が少し苦しいということで、苦しいと言っていらっしゃる方がたくさんいるというような実態がございます。
それから、四ページをごらんいただきたいんですけれども、現在の労働契約期間というのは、二カ月から三カ月程度の人が大変多く、通算就労期間というのも、一年未満であるとか、二年未満、三年未満というような形で切られている人たちがたくさんいらっしゃいます。
そして、五ページにございますけれども、これからの自分の将来の働き方について聞いているわけなんですが、まず、自分の将来には不安を感じているという人たちが約六割いらっしゃる。さらに、今後の働き方の希望については、正社員として働きたいという方が六三%で、派遣スタッフを続けたいという方が二一%でした。
その下に、今後どのような働き方を希望するかというアンケートに関する経年の変化が出ておりますけれども、九四年に調査した段階では、派遣スタッフを続けたいという方の方が多かったわけなんですが、これがどんどんどんどん減って、派遣スタッフを続けたいという方が減っていって、正社員として働くことを希望するという人がふえていくというような推移が、この表にも見てとれるかと思います。
つまり、どんどんどんどん労働者派遣法が規制緩和されていくに従って、派遣がどんどん拡大されていく。結果として、働く人たちは、正社員として働きたい、あるいは安定した雇用で働きたいけれども、安定した雇用がないから、派遣という働き方を余儀なく選択しているという人たちがふえているということになっているわけです。
今回の労働者派遣法に関しては、正社員化する法案というふうに言われておりますけれども、実際にはその雇用安定化措置というのは、あくまでも、派遣会社が三年たった時点で派遣先に、雇ってくださいね、派遣先で直接雇用してくださいという要請をするだけであって、これを派遣先が、嫌ですよ、うちは雇いませんよというふうに言ってしまえば、全く効力がない。また、派遣会社がかわりの仕事を紹介するという場合についても、通勤時間が著しく長い仕事を紹介される可能性や、あるいは時給がダウンしてしまう仕事、あるいは全くできない業務内容の仕事を紹介されてしまう危険性もありまして、そこのルール化がまだ全くなされていない中で、雇用安定化措置とはとても言えず、実効性のないものであるというふうに考えられます。
今回の改正案が施行された場合にどんなことが起こっていくのか、その問題点についてお話しさせていただきたいと思います。
まず第一に、三年ごとに派遣労働者を別の派遣労働者に差しかえさえすれば永続的に派遣が活用できる、今までの期間制限というのが事実上なくなってしまう法案ですので、企業の側は派遣が使い勝手のいいものだということになりますので、これから不安定な派遣労働者が大幅に拡大していくことは間違いありません。企業の側は、労働力としては派遣ばかり活用するようになって、正社員の募集というのは著しく減少していくということになるかと思います。正社員ゼロ法案であるというふうに言われているのも、そうしたことから言われているわけです。
また、今回、期間の定めのないいわゆる無期雇用の派遣というものについては、正社員として募集するということも許されるというようなお話も聞こえてきておりますけれども、名ばかり正社員というふうに言わざるを得ないだろうと思っております。事実上、派遣というのは間接雇用ですから、まさに正社員ではないことの要件の一番大きなところなんですね。ところが、これを正社員として募集する、結果として、派遣労働者が正社員という名前だけで募集されている。
きのうも私、ある派遣労働者の相談を受けていたわけなんですけれども、その派遣労働者は、正社員ということで募集されて派遣で働いていたけれども、賃金は月収で十三万から十四万ぐらいだということで、派遣がいかに労働条件が悪いかということをお話しされていました。
それから、今回の労働者派遣法の改正案の中で非常に大きな問題点、三年後には専門二十六業務の派遣労働者が一斉に切り捨てられることになってしまうということなんです。
九ページをごらんいただきたいんですけれども、これは、専門二十六業務、研究開発職で働いていらっしゃる派遣労働者、五十代の男性の実態なんです。
彼は、十七年間にわたって派遣で働いているわけなんですけれども、研究開発職という極めて専門性の高いお仕事をしていらっしゃいます。彼は、三年後に備えて派遣先、派遣元と話をしているんですが、まず、派遣先に正規雇用してもらうという点については、派遣先からは、もうあなたの年齢と学歴では無理ですよというふうに言われてしまっている。また、派遣元からは、あなたの年齢では期間の定めのない雇用契約に切りかえるのは無理ですよというふうに言われてしまっているということなんです。
専門性が高い仕事であればあるほど、三年後に切られて、新たな仕事を紹介することは非常に難しいということなんです。
十ページの中段あたりから書いてありますが、この方は、どう転んでも、この法案によって失業するというふうに認識している。そして、その後は生活保護になるか、生活苦から老いた母とともに無理心中することも考えてしまうというふうに話していらっしゃいます。
本人は、現実的には、現在の派遣制度による生涯派遣でも構わないと思っているとのことです。ただし、その条件としては、同一労働同一賃金とまでは言わないけれども、正社員の七、八割ぐらいの賃金はもらえるようにしてもらいたい、つまり均等待遇を定めてほしいということ、とにもかくにも安定雇用を保障してほしいんだということを話していらっしゃいます。
本人は、安心した暮らしと仕事があれば再婚もできる、この方はバツ一だということなんですが、再婚もできるかもしれないし、そうすれば、いずれやってくる親の介護も何とかなるかもしれない、しかし、今度の改悪案は、そういった希望を全て奪い去り、それどころか命の危機にさらされるようになってしまうということを危惧していらっしゃいます。
それから十一ページには、同じく五十代の女性の方、この方も、事務用機器操作で十五年働いていらっしゃる方なんです。
この方も、正社員にはあるが派遣にはないものとして、交通費、賞与、退職金、慶弔休暇等々がありまして、非常に大きな格差、給与でいうと半分程度の給与しかもらっていないということ。派遣法改悪がもし施行されたら、三年で自分も雇いどめになってしまう、今だっていつ切られるかわからないけれども、少なくともこの法案によって三年で確実に切られるということに定められるのは御免だということを話していらっしゃいます。
再び経済的な変動や大規模災害が発生したときには、この法案で派遣をふやしておいたら、また大規模な派遣切りが発生してしまうことは間違いありません。
本来望まれる派遣法改正の方向性としては、まず何といいましても、派遣労働者の雇用の安定を図っていただきたいというふうに思っております。今回の改正案では、残念ながら、無期雇用に移行するということはございません。期間の定めのない雇用契約を前提とする派遣に切りかえていっていただきたいというふうに考えています。
それから、派遣労働者と同一の業務を行う派遣先の労働者との均等待遇、同一労働同一賃金をきちんと定めていただきたい。
そしてもう一つは、派遣先の責任の強化です。やはり派遣先というのは、実際に派遣労働者を使いながら、そして大きな権限を握りながら、責任を負わずともさまざまなことができるというふうになってしまっていることから、派遣労働者が派遣切りされて派遣先に申し入れても、うちは雇用関係がないから関係ありませんよというふうに逃げられてしまう。あるいは、さまざまなセクシュアルハラスメント等の被害に遭っている方もたくさんいらっしゃいます。
そうした問題を解決するためにも、本当に実効性のある労働者派遣法の改正を行っていただきたいというふうに考えております。
以上です。拍手
この発言だけを見る →余り滑らかにお話しするのは得意ではないので、御容赦ください。
私は、派遣ユニオンの書記長として、派遣労働者からの相談を日ごろ受けております。また同時に、私自身も、あちらこちらの派遣会社に登録して働いてみた、就労をしてきたというような経験もございますので、そうした、相談を受けたり実際に働いた経験の中から、派遣の実態、そして今回の労働者派遣法の改正案についてどのように見ているかということについてお話しさせていただきたいというふうに思います。
まず第一に、今回の労働者派遣法改正案の最大の問題点についてなんですが、派遣労働者を正社員化する法案であるというのは全く真実ではなく、むしろ不安定な派遣労働者を大幅に拡大してしまうという法案であること、つまり、特に若者、これから就職しようという人たちが正社員として就職する機会を完全に奪ってしまう法案であるということ、これこそが最大の問題だろうというふうに考えております。
派遣の実態といたしましては、まず、最大の問題は派遣切りであります。
リーマン・ショックのときにも、東日本大震災のときにも、一番真っ先に切り捨てられたのは派遣労働者です。最も切りやすい労働力として派遣労働者が位置づけられているがために、数十万人の派遣労働者が切り捨てられ、路上に放り出される。年越し派遣村にあらわれたたくさんの人たちは、命の危機にさらされるというような事態があったわけです。
残念ながら、この派遣労働者の不安定性というのは全く変わることなく、現状においても不安定なまま、二カ月から三カ月程度の雇用契約を何回も更新しながら働くというような働き方で、なおかつ、派遣先企業、働かせている企業の側は、雇用上の責任を全く負わないということから、ごくごく簡単に切り捨ててしまうというような実態にございます。
一ページめくっていただきますと、派遣スタッフアンケートがございます。私どもが二年から三年に一回のペースで行ってきた派遣労働者に対する実態調査なんですけれども、一ページ目のこの表は、派遣労働者の平均時給をあらわしています。一九九四年の段階では千七百円台だった平均の時給が、二〇一三年の段階では千百円台にまで落ちてしまっています。これは、もうずっと派遣労働者の時給が落ち続けているということを示していますし、大幅なダウンです。
それから、二ページには、年収の水準、百万円から二百万円程度の派遣労働者が多数いるということや、現在の収入では大変苦しい、生活が少し苦しいということで、苦しいと言っていらっしゃる方がたくさんいるというような実態がございます。
それから、四ページをごらんいただきたいんですけれども、現在の労働契約期間というのは、二カ月から三カ月程度の人が大変多く、通算就労期間というのも、一年未満であるとか、二年未満、三年未満というような形で切られている人たちがたくさんいらっしゃいます。
そして、五ページにございますけれども、これからの自分の将来の働き方について聞いているわけなんですが、まず、自分の将来には不安を感じているという人たちが約六割いらっしゃる。さらに、今後の働き方の希望については、正社員として働きたいという方が六三%で、派遣スタッフを続けたいという方が二一%でした。
その下に、今後どのような働き方を希望するかというアンケートに関する経年の変化が出ておりますけれども、九四年に調査した段階では、派遣スタッフを続けたいという方の方が多かったわけなんですが、これがどんどんどんどん減って、派遣スタッフを続けたいという方が減っていって、正社員として働くことを希望するという人がふえていくというような推移が、この表にも見てとれるかと思います。
つまり、どんどんどんどん労働者派遣法が規制緩和されていくに従って、派遣がどんどん拡大されていく。結果として、働く人たちは、正社員として働きたい、あるいは安定した雇用で働きたいけれども、安定した雇用がないから、派遣という働き方を余儀なく選択しているという人たちがふえているということになっているわけです。
今回の労働者派遣法に関しては、正社員化する法案というふうに言われておりますけれども、実際にはその雇用安定化措置というのは、あくまでも、派遣会社が三年たった時点で派遣先に、雇ってくださいね、派遣先で直接雇用してくださいという要請をするだけであって、これを派遣先が、嫌ですよ、うちは雇いませんよというふうに言ってしまえば、全く効力がない。また、派遣会社がかわりの仕事を紹介するという場合についても、通勤時間が著しく長い仕事を紹介される可能性や、あるいは時給がダウンしてしまう仕事、あるいは全くできない業務内容の仕事を紹介されてしまう危険性もありまして、そこのルール化がまだ全くなされていない中で、雇用安定化措置とはとても言えず、実効性のないものであるというふうに考えられます。
今回の改正案が施行された場合にどんなことが起こっていくのか、その問題点についてお話しさせていただきたいと思います。
まず第一に、三年ごとに派遣労働者を別の派遣労働者に差しかえさえすれば永続的に派遣が活用できる、今までの期間制限というのが事実上なくなってしまう法案ですので、企業の側は派遣が使い勝手のいいものだということになりますので、これから不安定な派遣労働者が大幅に拡大していくことは間違いありません。企業の側は、労働力としては派遣ばかり活用するようになって、正社員の募集というのは著しく減少していくということになるかと思います。正社員ゼロ法案であるというふうに言われているのも、そうしたことから言われているわけです。
また、今回、期間の定めのないいわゆる無期雇用の派遣というものについては、正社員として募集するということも許されるというようなお話も聞こえてきておりますけれども、名ばかり正社員というふうに言わざるを得ないだろうと思っております。事実上、派遣というのは間接雇用ですから、まさに正社員ではないことの要件の一番大きなところなんですね。ところが、これを正社員として募集する、結果として、派遣労働者が正社員という名前だけで募集されている。
きのうも私、ある派遣労働者の相談を受けていたわけなんですけれども、その派遣労働者は、正社員ということで募集されて派遣で働いていたけれども、賃金は月収で十三万から十四万ぐらいだということで、派遣がいかに労働条件が悪いかということをお話しされていました。
それから、今回の労働者派遣法の改正案の中で非常に大きな問題点、三年後には専門二十六業務の派遣労働者が一斉に切り捨てられることになってしまうということなんです。
九ページをごらんいただきたいんですけれども、これは、専門二十六業務、研究開発職で働いていらっしゃる派遣労働者、五十代の男性の実態なんです。
彼は、十七年間にわたって派遣で働いているわけなんですけれども、研究開発職という極めて専門性の高いお仕事をしていらっしゃいます。彼は、三年後に備えて派遣先、派遣元と話をしているんですが、まず、派遣先に正規雇用してもらうという点については、派遣先からは、もうあなたの年齢と学歴では無理ですよというふうに言われてしまっている。また、派遣元からは、あなたの年齢では期間の定めのない雇用契約に切りかえるのは無理ですよというふうに言われてしまっているということなんです。
専門性が高い仕事であればあるほど、三年後に切られて、新たな仕事を紹介することは非常に難しいということなんです。
十ページの中段あたりから書いてありますが、この方は、どう転んでも、この法案によって失業するというふうに認識している。そして、その後は生活保護になるか、生活苦から老いた母とともに無理心中することも考えてしまうというふうに話していらっしゃいます。
本人は、現実的には、現在の派遣制度による生涯派遣でも構わないと思っているとのことです。ただし、その条件としては、同一労働同一賃金とまでは言わないけれども、正社員の七、八割ぐらいの賃金はもらえるようにしてもらいたい、つまり均等待遇を定めてほしいということ、とにもかくにも安定雇用を保障してほしいんだということを話していらっしゃいます。
本人は、安心した暮らしと仕事があれば再婚もできる、この方はバツ一だということなんですが、再婚もできるかもしれないし、そうすれば、いずれやってくる親の介護も何とかなるかもしれない、しかし、今度の改悪案は、そういった希望を全て奪い去り、それどころか命の危機にさらされるようになってしまうということを危惧していらっしゃいます。
それから十一ページには、同じく五十代の女性の方、この方も、事務用機器操作で十五年働いていらっしゃる方なんです。
この方も、正社員にはあるが派遣にはないものとして、交通費、賞与、退職金、慶弔休暇等々がありまして、非常に大きな格差、給与でいうと半分程度の給与しかもらっていないということ。派遣法改悪がもし施行されたら、三年で自分も雇いどめになってしまう、今だっていつ切られるかわからないけれども、少なくともこの法案によって三年で確実に切られるということに定められるのは御免だということを話していらっしゃいます。
再び経済的な変動や大規模災害が発生したときには、この法案で派遣をふやしておいたら、また大規模な派遣切りが発生してしまうことは間違いありません。
本来望まれる派遣法改正の方向性としては、まず何といいましても、派遣労働者の雇用の安定を図っていただきたいというふうに思っております。今回の改正案では、残念ながら、無期雇用に移行するということはございません。期間の定めのない雇用契約を前提とする派遣に切りかえていっていただきたいというふうに考えています。
それから、派遣労働者と同一の業務を行う派遣先の労働者との均等待遇、同一労働同一賃金をきちんと定めていただきたい。
そしてもう一つは、派遣先の責任の強化です。やはり派遣先というのは、実際に派遣労働者を使いながら、そして大きな権限を握りながら、責任を負わずともさまざまなことができるというふうになってしまっていることから、派遣労働者が派遣切りされて派遣先に申し入れても、うちは雇用関係がないから関係ありませんよというふうに逃げられてしまう。あるいは、さまざまなセクシュアルハラスメント等の被害に遭っている方もたくさんいらっしゃいます。
そうした問題を解決するためにも、本当に実効性のある労働者派遣法の改正を行っていただきたいというふうに考えております。
以上です。拍手
渡
大
大久保幸夫#8
○大久保参考人 おはようございます。リクルートワークス研究所の大久保と申します。このような機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、企業の人事管理、それから個人のキャリア形成、あとは労働政策ということについて、長年研究をしております。
この派遣という制度についてもかなり長く見詰めてまいりましたし、その間、派遣労働者向けの調査を行ったりとか、ヒアリングを行ったりということも長年やってまいりました。その中で、この派遣制度というものに対して私がずっと思い続けていることが一つございます。
それは何かというと、派遣というのは何なのか、派遣という制度というのはどういうふうにあるべきなのか、どちらに向かっていったらいいのかということがはっきりしない。そこが非常に不明瞭な、ある種、相反するものがこの制度の中に組み込まれているということをずっと思い続けてきております。
それは、もともとできた派遣法というものが、改正に改正を重ねて、家を増改築を繰り返していくようなもので、だんだん複雑になっていって、かなりわかりにくい制度になっている。しかも、そのときの議論がそれぞれ反映されて、ちょっと俯瞰的に見ると、これは両立しないんじゃないかと思うことが含まれているときがあるんですね。
例えば、今回、派遣については臨時的、一時的なものにするという方向性が打ち出されておりますけれども、もともと日本の派遣制度というのは、ほかの国の派遣制度と比べた場合に、一つの職場で働き続ける期間が長いという大きな特徴がございます。国際的に見ると、派遣制度はかなり短いものです。日本は長かった。どちらかというと安定性を目指して、日雇い派遣については禁止をした。日雇い派遣を禁止したことと、一時的、臨時的なものだということについては、どういうふうに組み合わせて理解をしたらいいのか、このあたりは若干悩ましいところが残っております。
あるいは、もともと正社員とか常用雇用の代替になるようなものは派遣にしないんだ、これは日本独特な考え方で、そういう考え方をしてきましたけれども、ということは、正社員と違う仕事をするということなんですね。その人を円滑に正社員化するということはどういうことなのか。このあたりもなかなか難しい、相反するところを含んでいて、例えば雇用の安定、派遣労働者の安定、派遣切りはいけないということでより安定性を目指すと、今度は派遣というものが生涯派遣だという批判が出てくる。一体このどちらを目指して派遣という制度をつくっていくのかという議論をしっかり収束させることが、派遣制度をいい制度にしていくことなのかなというのをまず大前提としては私はずっと思い続けております。
ただ、これは相当な、丁寧な時間をかけた議論がまた継続的に必要なんだろうと思っていまして、今回提案されている法改正について言えば、それでも私は幾つかの点で大きな改善があるというふうに考えております。
特に、私がそのポイントとして大きいと思っているところをお話をしたいと思うんですが、これは、現場の実際の派遣労働者を使っている企業の方々、働いている派遣労働者の方々、派遣事業者の立場、それぞれからさまざまな話を聞いているわけでありますけれども、改善のポイントとして一番大きいと思っているのは、いわゆる専門二十六業務という枠組みをやめることです。これは非常に大きいです。
御承知のとおり、もともと派遣制度ができたときには十六業務からスタートしているわけですが、この十六をどうやって選んだのかというと、いわゆる今働いている正社員、常用雇用で働いている方々の代替にならないものを選んだ。かつ、それ以前には事務業務請負というサービスがございまして、これは外資系企業のテレックスの対応をしたりするような仕事ですね、そういう方をこの新しい派遣制度で吸収する。もう一つ、女性の雇用機会をつくろうじゃないかと。これが議論されて、当初十六業務というのが決められました。最後の方の理由があるから、事務機器操作とかファイリングというものも入ってきたわけですね。
つまり、これで設定されているものというのは、必ずしも専門職ではないんです。事務機器操作とかファイリングという専門職というのは、実際にはないんです。ただ、専門二十六業務と便宜的に呼んでおりました。
それが後に、ネガティブリスト化することによって、二十六業務については期限を決めなくていい、それ以外は三年だ、こういうふうに決めたことによって、この線引きを明確にすることを求められたわけです。
いわゆる適正化プランというものが展開されたんですが、これが実は大混乱でございまして、もともとファイリングというのは何だというと、非常に曖昧なものであって、今、全ての事務職は大体パソコンを使ってやっていますので、そういう中で、ファイリングかファイリングじゃないのか、事務機器操作であるのかそうじゃないのか、そこについての見解が労働局でも分かれたりして、どんどん動きが手足が縛られてわかりにくくなっていく、そういうプロセスをたどってまいりました。
先ほど高橋参考人からもお話がありましたけれども、実際には、その業務に専念をしなければいけない、何割以上はそれじゃなきゃいけないとかということになってくると、本当に電話をとることすら制約されたりとか、職場に置いていくと、だんだん距離を置かれていくんですよね。だんだんその職場の人間ともなじみにくくなっていくというようなことがあって、非常に働きづらいということで、何を守ったらこの法律を守っていることになるか非常にわかりにくいということもあって、現場は大変混乱をいたしました。その関係で、事務機器操作で働いている人の数というのはかなり減るんです。
そういうような混乱状態から今回の法改正によって抜け出せるということは、現場で派遣に直接携わっている人は大変それを評価している、喜んでいるんじゃないかというふうに思います。それが、改善と申し上げたことの一つであります。
二つ目は、派遣事業者の許可要件を厳しくしたこと、これは私は大変いいことだというふうに思っています。
特定労働者派遣、届け出制だったものについて全部許可制にするということは大変結構なことですし、それから、教育訓練とかキャリアコンサルティングを義務づけて、キャリア支援制度を有する会社でなければ派遣事業は営めないというふうにしたことも大変いいと思います。
人材サービスの中でも、派遣事業というのは直接雇用をする事業なので非常に責任が大きいんですね。その労働者を、間接雇用ですけれども守らなければいけないという大きな責任がありますし、その労働者のキャリアについての責任も負うわけですから、それだけのある種能力が必要である、体制が必要であるということだと思っておりますので、それを求めることは極めて自然なことだというふうに思います。
実際にこのようなルール改定が提示されて、確かに、中小の派遣事業者の中にはあっぷあっぷしているところも結構あります。ただ、これは筋としては極めて通っていることだと思いますので、意欲のある業者は一生懸命この法改正についていこうというふうに思っておりますし、それが派遣制度全体の健全化につながるのではないかということで、このポイントについては評価をしております。
あともう一つ、これは一〇〇%賛成というふうには言い切れなくて、両面性が若干あるんですけれども、全て三年を上限にして、派遣先の、継続したいと思ってもそこで終わってしまうという問題に関しては、実際にこの法改正について反対している派遣労働者の中の一番大きな声は、やはり自分自身が三年を超えて今の職場にいて、そこについての期限を定められてしまうということについての懸念であります。
ただ、これについてはかなりポジティブな側面もございます。
つまり、一つは、三年間その職場で働き続けてきて、ということは、一定程度その職場で評価をされてきてそこまで継続してきた人なので、派遣事業者から見ると、そういう方であれば、次の派遣先を紹介することについては非常に可能性が高いということが一つは想定される。
三年ということで最初から決まっているので、働いている人は三年というのを一つのキャリアのスパンとして考えるんですね、この三年の次はどうしようかと。それは、正社員へのトライアルをしようか、それとも派遣としての働き方を継続して、むしろそこにおけるスキルアップを図っていこうか、一つ、キャリアを考える上での節目になるということなんでしょう。つまり、御本人の希望どおりに働くことがもちろん最善なんですけれども、一つのきっかけになるという意味においては、キャリア形成上のプラスの部分もあるのではないか。
この両面があると思いますので、私はこの法改正については理解できるというふうに考えております。
改めて、派遣制度、派遣労働者のことを考えたときに、ぜひ議論の中で考えていただきたいこと、留意していただきたいと思っていることを最後に申し上げたいと思います。
一つは、派遣労働者の中には、非常に多様な志向を持った人、多様な背景、環境を持った人たちがいます。そのことにぜひ配慮をしていただきたいというふうに思っております。
代表的なものは、派遣で働き続けたいと思う人と、この仕事を通じて次は正社員になりたいと思っている人が両方いるということで、両方の志向がかなえられるということを大事にしていただきたいというふうに思うんですね。一方的に、皆さん正社員になった方がいいんだというのは、ちょっとそれは押しつけになってしまうので。そうじゃない人たちもたくさんいる。
特に派遣の方で多いのは、今まで正社員として働いていて、かなり残業もしていました、そういう人が、例えば結婚したのを機会にもうちょっとワークライフの見直しをしたいと。できればフルタイムか、もしくは若干短時間労働で働きたいんだけれども、なかなか正社員だとそういう場がない、今までやってきた経験は生かしたいといったときに、やはり一番最初に候補になるのは派遣なんですね。ですから、そういう形で派遣労働に入られた方というのは、概して満足度も高いということでございます。
あるいは、例えば旦那さんが転勤をした、その転勤についていって自分も引っ越しをするというときに、とりあえず派遣で働きながら次どうするかを考えよう、そういう一時的な働き場としても派遣の満足度は非常に高いということがございます。
そういういろいろなケースがございますので、そういう人たちにもしっかり使っていただけるし、かといって正社員になりたいという人を閉じ込めるのではなくて、その人にはしっかりとまた支援ができるという、この両方を含んだものであるかどうかということについては、こだわっていただきたいというふうに私は思い続けております。
正社員にどのぐらい派遣の人たちが変われるのかということについては、それは若干限界があるんだろうというふうに思います。
というのは、派遣労働というのは、この仕事を担当するといういわゆるジョブ型なんですね、基本的には。御承知のように、日本の正社員というのはメンバーシップ型なので、何でもやるという方ですから、むしろこれからは、直接雇用の中にもジョブ型が広がっていったときに初めて正社員から直雇としてのキャリア形成が促進されていくんだろうと思いますけれども、今はまだやはり正社員イコールメンバーシップ型ですので、仮に、すぐれた派遣労働者の方がいて、この人の戦力を失いたくないと思っても、それだけで簡単に正社員にできるかというと、なかなか企業の人事管理を考えるとできないところもあります。若干時間がかかるだろうというふうには思います。
ただ、紹介予定派遣のような方法を使って、本当に正社員になりたいという志向のある方には、担当業務プラスアルファのことをその期間中に経験していただいて、じっくりと評価をしていただいて、正社員の道をつくっていくということは可能でありますし、そのようなことを、スキルアップ支援等キャリアコンサルティングを含めながらやっていくということは可能だと思いますので、今は、そういう道筋をとりながら、少しでも正社員化を希望する人の希望にも応えられるようにという第一歩をとっていくということなのかなというふうに思っております。
ぜひとも、派遣労働者はいわゆる非正規社員の一つでありますが、正規がよくて非正規が悪い、そういう二元論での議論というのは私はもう終わりにすべきなんじゃないかなというふうに思っております。
例えば、非正規は本当にいろいろな働き方がありまして、これまでの労働政策の議論の中で、やはり雇用保険に入れるという状態を重視しようということで雇用保険の対象拡大をやってきましたから、そうじゃない状態は不安定な状態、よりそのセーフティーネットが機能している状態に持っていこうという、この間に大きな違いがあるわけですよね。
あとは、みずから望んでその仕事をやっている働き方を選んだという人と、そうでない、不本意でそれを選んでいる人の間にも違いがあるわけで、むしろそこの境目というのを重視するべきであって、単純に無期か有期かということだけでは、よしあしを議論すべきではないんじゃないかなというふうに思っております。
そして、もう一つだけ申し上げたいと思いますが、派遣で働くということについては、ほかの雇用形態では用意できていない働き方を派遣は提供している部分がございます。労働市場全体からすると、多様な働き方を選択できる、用意できるようにしておくということがとても重要だと思います。これは、さまざまな環境、状況にある人たちの就業率を上げるということにつながりますので、今後、人口減少が続いていく日本においては、多様な働き方を用意することというのは、これは間違いなく私は方向性として確保しなければいけない道だと。
そうすると、では派遣の問題をどうするのかということになると、派遣そのものについては多様な働き方の一つとして認めつつ、そのかわり、処遇条件については、待遇条件についてはやはり改善していく必要がある。いわゆる均等処遇ということでありますけれども、これは賃金だけじゃありません。福利厚生も含めて直雇の正社員と変わらないようにしていくこととか、あるいは賃金そのものも、これはジョブ型なので何と比較するかは難しいんですけれども、なかなか比較対象がないこともあるんですが、それを適正な相場にしていくということの均等待遇については、これはEUも苦戦しておりますが、一歩一歩でも前に進めていくことが大事だというふうに思っております。
そういうところを御配慮いただきながら、派遣制度の改善を進めていただきたいというふうに思っております。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、企業の人事管理、それから個人のキャリア形成、あとは労働政策ということについて、長年研究をしております。
この派遣という制度についてもかなり長く見詰めてまいりましたし、その間、派遣労働者向けの調査を行ったりとか、ヒアリングを行ったりということも長年やってまいりました。その中で、この派遣制度というものに対して私がずっと思い続けていることが一つございます。
それは何かというと、派遣というのは何なのか、派遣という制度というのはどういうふうにあるべきなのか、どちらに向かっていったらいいのかということがはっきりしない。そこが非常に不明瞭な、ある種、相反するものがこの制度の中に組み込まれているということをずっと思い続けてきております。
それは、もともとできた派遣法というものが、改正に改正を重ねて、家を増改築を繰り返していくようなもので、だんだん複雑になっていって、かなりわかりにくい制度になっている。しかも、そのときの議論がそれぞれ反映されて、ちょっと俯瞰的に見ると、これは両立しないんじゃないかと思うことが含まれているときがあるんですね。
例えば、今回、派遣については臨時的、一時的なものにするという方向性が打ち出されておりますけれども、もともと日本の派遣制度というのは、ほかの国の派遣制度と比べた場合に、一つの職場で働き続ける期間が長いという大きな特徴がございます。国際的に見ると、派遣制度はかなり短いものです。日本は長かった。どちらかというと安定性を目指して、日雇い派遣については禁止をした。日雇い派遣を禁止したことと、一時的、臨時的なものだということについては、どういうふうに組み合わせて理解をしたらいいのか、このあたりは若干悩ましいところが残っております。
あるいは、もともと正社員とか常用雇用の代替になるようなものは派遣にしないんだ、これは日本独特な考え方で、そういう考え方をしてきましたけれども、ということは、正社員と違う仕事をするということなんですね。その人を円滑に正社員化するということはどういうことなのか。このあたりもなかなか難しい、相反するところを含んでいて、例えば雇用の安定、派遣労働者の安定、派遣切りはいけないということでより安定性を目指すと、今度は派遣というものが生涯派遣だという批判が出てくる。一体このどちらを目指して派遣という制度をつくっていくのかという議論をしっかり収束させることが、派遣制度をいい制度にしていくことなのかなというのをまず大前提としては私はずっと思い続けております。
ただ、これは相当な、丁寧な時間をかけた議論がまた継続的に必要なんだろうと思っていまして、今回提案されている法改正について言えば、それでも私は幾つかの点で大きな改善があるというふうに考えております。
特に、私がそのポイントとして大きいと思っているところをお話をしたいと思うんですが、これは、現場の実際の派遣労働者を使っている企業の方々、働いている派遣労働者の方々、派遣事業者の立場、それぞれからさまざまな話を聞いているわけでありますけれども、改善のポイントとして一番大きいと思っているのは、いわゆる専門二十六業務という枠組みをやめることです。これは非常に大きいです。
御承知のとおり、もともと派遣制度ができたときには十六業務からスタートしているわけですが、この十六をどうやって選んだのかというと、いわゆる今働いている正社員、常用雇用で働いている方々の代替にならないものを選んだ。かつ、それ以前には事務業務請負というサービスがございまして、これは外資系企業のテレックスの対応をしたりするような仕事ですね、そういう方をこの新しい派遣制度で吸収する。もう一つ、女性の雇用機会をつくろうじゃないかと。これが議論されて、当初十六業務というのが決められました。最後の方の理由があるから、事務機器操作とかファイリングというものも入ってきたわけですね。
つまり、これで設定されているものというのは、必ずしも専門職ではないんです。事務機器操作とかファイリングという専門職というのは、実際にはないんです。ただ、専門二十六業務と便宜的に呼んでおりました。
それが後に、ネガティブリスト化することによって、二十六業務については期限を決めなくていい、それ以外は三年だ、こういうふうに決めたことによって、この線引きを明確にすることを求められたわけです。
いわゆる適正化プランというものが展開されたんですが、これが実は大混乱でございまして、もともとファイリングというのは何だというと、非常に曖昧なものであって、今、全ての事務職は大体パソコンを使ってやっていますので、そういう中で、ファイリングかファイリングじゃないのか、事務機器操作であるのかそうじゃないのか、そこについての見解が労働局でも分かれたりして、どんどん動きが手足が縛られてわかりにくくなっていく、そういうプロセスをたどってまいりました。
先ほど高橋参考人からもお話がありましたけれども、実際には、その業務に専念をしなければいけない、何割以上はそれじゃなきゃいけないとかということになってくると、本当に電話をとることすら制約されたりとか、職場に置いていくと、だんだん距離を置かれていくんですよね。だんだんその職場の人間ともなじみにくくなっていくというようなことがあって、非常に働きづらいということで、何を守ったらこの法律を守っていることになるか非常にわかりにくいということもあって、現場は大変混乱をいたしました。その関係で、事務機器操作で働いている人の数というのはかなり減るんです。
そういうような混乱状態から今回の法改正によって抜け出せるということは、現場で派遣に直接携わっている人は大変それを評価している、喜んでいるんじゃないかというふうに思います。それが、改善と申し上げたことの一つであります。
二つ目は、派遣事業者の許可要件を厳しくしたこと、これは私は大変いいことだというふうに思っています。
特定労働者派遣、届け出制だったものについて全部許可制にするということは大変結構なことですし、それから、教育訓練とかキャリアコンサルティングを義務づけて、キャリア支援制度を有する会社でなければ派遣事業は営めないというふうにしたことも大変いいと思います。
人材サービスの中でも、派遣事業というのは直接雇用をする事業なので非常に責任が大きいんですね。その労働者を、間接雇用ですけれども守らなければいけないという大きな責任がありますし、その労働者のキャリアについての責任も負うわけですから、それだけのある種能力が必要である、体制が必要であるということだと思っておりますので、それを求めることは極めて自然なことだというふうに思います。
実際にこのようなルール改定が提示されて、確かに、中小の派遣事業者の中にはあっぷあっぷしているところも結構あります。ただ、これは筋としては極めて通っていることだと思いますので、意欲のある業者は一生懸命この法改正についていこうというふうに思っておりますし、それが派遣制度全体の健全化につながるのではないかということで、このポイントについては評価をしております。
あともう一つ、これは一〇〇%賛成というふうには言い切れなくて、両面性が若干あるんですけれども、全て三年を上限にして、派遣先の、継続したいと思ってもそこで終わってしまうという問題に関しては、実際にこの法改正について反対している派遣労働者の中の一番大きな声は、やはり自分自身が三年を超えて今の職場にいて、そこについての期限を定められてしまうということについての懸念であります。
ただ、これについてはかなりポジティブな側面もございます。
つまり、一つは、三年間その職場で働き続けてきて、ということは、一定程度その職場で評価をされてきてそこまで継続してきた人なので、派遣事業者から見ると、そういう方であれば、次の派遣先を紹介することについては非常に可能性が高いということが一つは想定される。
三年ということで最初から決まっているので、働いている人は三年というのを一つのキャリアのスパンとして考えるんですね、この三年の次はどうしようかと。それは、正社員へのトライアルをしようか、それとも派遣としての働き方を継続して、むしろそこにおけるスキルアップを図っていこうか、一つ、キャリアを考える上での節目になるということなんでしょう。つまり、御本人の希望どおりに働くことがもちろん最善なんですけれども、一つのきっかけになるという意味においては、キャリア形成上のプラスの部分もあるのではないか。
この両面があると思いますので、私はこの法改正については理解できるというふうに考えております。
改めて、派遣制度、派遣労働者のことを考えたときに、ぜひ議論の中で考えていただきたいこと、留意していただきたいと思っていることを最後に申し上げたいと思います。
一つは、派遣労働者の中には、非常に多様な志向を持った人、多様な背景、環境を持った人たちがいます。そのことにぜひ配慮をしていただきたいというふうに思っております。
代表的なものは、派遣で働き続けたいと思う人と、この仕事を通じて次は正社員になりたいと思っている人が両方いるということで、両方の志向がかなえられるということを大事にしていただきたいというふうに思うんですね。一方的に、皆さん正社員になった方がいいんだというのは、ちょっとそれは押しつけになってしまうので。そうじゃない人たちもたくさんいる。
特に派遣の方で多いのは、今まで正社員として働いていて、かなり残業もしていました、そういう人が、例えば結婚したのを機会にもうちょっとワークライフの見直しをしたいと。できればフルタイムか、もしくは若干短時間労働で働きたいんだけれども、なかなか正社員だとそういう場がない、今までやってきた経験は生かしたいといったときに、やはり一番最初に候補になるのは派遣なんですね。ですから、そういう形で派遣労働に入られた方というのは、概して満足度も高いということでございます。
あるいは、例えば旦那さんが転勤をした、その転勤についていって自分も引っ越しをするというときに、とりあえず派遣で働きながら次どうするかを考えよう、そういう一時的な働き場としても派遣の満足度は非常に高いということがございます。
そういういろいろなケースがございますので、そういう人たちにもしっかり使っていただけるし、かといって正社員になりたいという人を閉じ込めるのではなくて、その人にはしっかりとまた支援ができるという、この両方を含んだものであるかどうかということについては、こだわっていただきたいというふうに私は思い続けております。
正社員にどのぐらい派遣の人たちが変われるのかということについては、それは若干限界があるんだろうというふうに思います。
というのは、派遣労働というのは、この仕事を担当するといういわゆるジョブ型なんですね、基本的には。御承知のように、日本の正社員というのはメンバーシップ型なので、何でもやるという方ですから、むしろこれからは、直接雇用の中にもジョブ型が広がっていったときに初めて正社員から直雇としてのキャリア形成が促進されていくんだろうと思いますけれども、今はまだやはり正社員イコールメンバーシップ型ですので、仮に、すぐれた派遣労働者の方がいて、この人の戦力を失いたくないと思っても、それだけで簡単に正社員にできるかというと、なかなか企業の人事管理を考えるとできないところもあります。若干時間がかかるだろうというふうには思います。
ただ、紹介予定派遣のような方法を使って、本当に正社員になりたいという志向のある方には、担当業務プラスアルファのことをその期間中に経験していただいて、じっくりと評価をしていただいて、正社員の道をつくっていくということは可能でありますし、そのようなことを、スキルアップ支援等キャリアコンサルティングを含めながらやっていくということは可能だと思いますので、今は、そういう道筋をとりながら、少しでも正社員化を希望する人の希望にも応えられるようにという第一歩をとっていくということなのかなというふうに思っております。
ぜひとも、派遣労働者はいわゆる非正規社員の一つでありますが、正規がよくて非正規が悪い、そういう二元論での議論というのは私はもう終わりにすべきなんじゃないかなというふうに思っております。
例えば、非正規は本当にいろいろな働き方がありまして、これまでの労働政策の議論の中で、やはり雇用保険に入れるという状態を重視しようということで雇用保険の対象拡大をやってきましたから、そうじゃない状態は不安定な状態、よりそのセーフティーネットが機能している状態に持っていこうという、この間に大きな違いがあるわけですよね。
あとは、みずから望んでその仕事をやっている働き方を選んだという人と、そうでない、不本意でそれを選んでいる人の間にも違いがあるわけで、むしろそこの境目というのを重視するべきであって、単純に無期か有期かということだけでは、よしあしを議論すべきではないんじゃないかなというふうに思っております。
そして、もう一つだけ申し上げたいと思いますが、派遣で働くということについては、ほかの雇用形態では用意できていない働き方を派遣は提供している部分がございます。労働市場全体からすると、多様な働き方を選択できる、用意できるようにしておくということがとても重要だと思います。これは、さまざまな環境、状況にある人たちの就業率を上げるということにつながりますので、今後、人口減少が続いていく日本においては、多様な働き方を用意することというのは、これは間違いなく私は方向性として確保しなければいけない道だと。
そうすると、では派遣の問題をどうするのかということになると、派遣そのものについては多様な働き方の一つとして認めつつ、そのかわり、処遇条件については、待遇条件についてはやはり改善していく必要がある。いわゆる均等処遇ということでありますけれども、これは賃金だけじゃありません。福利厚生も含めて直雇の正社員と変わらないようにしていくこととか、あるいは賃金そのものも、これはジョブ型なので何と比較するかは難しいんですけれども、なかなか比較対象がないこともあるんですが、それを適正な相場にしていくということの均等待遇については、これはEUも苦戦しておりますが、一歩一歩でも前に進めていくことが大事だというふうに思っております。
そういうところを御配慮いただきながら、派遣制度の改善を進めていただきたいというふうに思っております。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
渡
鷲
鷲見賢一郎#10
○鷲見参考人 鷲見です。
お手元に、「「生涯派遣・正社員ゼロ」法案の仕組み 何故、私たちは労働者派遣法「改正」案を「生涯派遣・正社員ゼロ」法案と呼ぶのか?」という冊子を配らせていただきました。あるいは、違う、そうじゃないというぐあいなお考えの方もおられるかと思いますが、私はそう思っております。
自由法曹団常任幹事、弁護士、鷲見賢一郎ということで出させていただきましたけれども、自由法曹団といいますのは弁護士の団体でして、全国で二千名ほどの弁護士でつくっている団体でありますが、今回の労働者派遣法改正案については廃案をお願いしたい、要求したいという決議も何度か上げておりまして、私もそういう考えではあります。
そういう考えではありますが、私はこれから、改正案の条文に即して、この条文がどういう意味を持っているのかということを中心に発言させていただきたいと思いますので、私が廃案をという考えを持っている人間だから、おまえの言うことは違うというだけではなくて、条文が何を意味しているかということで、ぜひ私の話を聞いていただけたらと思います。
皆さん、今回の派遣法改正案では、期間制限がどうなのかということが問題になっておりますよね。
従来は、専門業務については期間制限なし、自由化業務、一般業務については一年から三年の期間制限があるということでございます。それで、今までは業務単位の期間制限なんですね、業務単位の期間制限。
今回の改正案は、事業所単位で三年ごとの、まあ、聞くだけじゃないかという話もありますけれども、三年ごとの期間制限。あともう一つは、それとは別個に個人単位、組織単位、職場ですよね、職場単位で上限三年という、二つの期間制限を改正案は設けているわけです。
私は、その期間制限を、今までと対象が違うじゃないかとか手続が違うじゃないかということではなくて、もちろんそれは違うんですよ、違うんだけれども、一番大事な問題は、機能が違うんです。期間制限の果たす役割が違うんです。
今までは業務ごとの期間制限でしょう。業務ごとの期間制限といいますのは、例えば私が経験した例でいいますと、工場のライン労働者でいえば、その二十名なら二十名のライン労働者の中には、派遣社員が、まだ来たばかりで一カ月の人もいるんですよ、だけれども、三年の人も出てくるわけです。ですから、そこでは業務単位の期間制限ですから、三年になれば全員がもうその職場では派遣はだめだよということ。その職場では、一カ月の人も三年の人も、とにかく業務単位の期間制限三年に来たら、もう派遣労働者を使っちゃだめだよということになるんです。
皆さん、派遣労働者を使っちゃだめだよということになると派遣労働者は困るじゃないか、だから期間制限はよくないねと言う人がいるんですよ。私は、そこは違うと言うんです。期間制限が来たら直接雇用しなさいという仕組みに、今の法律は一応なっているんです。
機能としまして、例えば百名の製造ラインで三割、三十人の派遣労働者を使っていたら、期間制限が来たからといって三十人の派遣労働者がいなくなったら製造ラインは回らなくなりますから、事業を続けたいと考える限りは、期間制限が来たら派遣労働者を直接雇用せざるを得ないという、私は、業務単位の期間制限というのはそういう機能を果たしていると思うんです。
これは実は、この問題になったときに、継続かどうかということで、皆さん、クーリングオフというのを御存じでしょう。要は、私は短いと思うんですけれども、三カ月間のクーリングオフを置けば、三カ月間の冷却期間を置けば、再度雇っていい、再度派遣労働者を使っていいとか、脱法になったらだめなんですけれどもね、いろいろあるんです。一応そういう指針があることはあるんですよ、派遣先指針が。
このときに、労働省の方がどういうぐあいに答弁しているかというと、クーリングオフが一カ月では余りにも短い、それだと企業が何とかやりくりしちゃう、だけれども、三カ月ぐらいをあければ企業が何とかしのぐというには限界があって、やはり労働者が必要だということであれば常用労働者をそこに配置するんじゃないかということで、私は三カ月も短いと思うんだけれども、一カ月じゃだめだと。
三カ月のクーリングオフにしたというのは、とにかくそれ以上はそこではゼロにしないとだめなんだから、派遣労働者を。ということは、自動的に、あるいはほぼ直接雇用するんじゃないか。だから、業務単位の期間制限というのは私は直接雇用につながっていると思うんですよ。
事実、私が体験した例でも、ある製造メーカーなんですけれども、二つの工場で千五百名の派遣労働者を使っているんです。だけれども、期間一年だと。一年が来たんですよ。その中には一カ月、二カ月の労働者もいますよ。ですけれども、その千五百名の労働者全員に対して直接雇用の申し入れをしたんです。
それで、その派遣先が何と言っていたかというと、とにかく派遣労働者をゼロにしないとだめなんだ、派遣法の業務単位の期間制限からいったら派遣労働者をゼロにしないとだめなんだ、だから、皆さん、派遣先と労働契約を締結して直接雇用になるか、それとも、それが嫌だったらやめるか、どっちかを選択してくださいと。全員にですよ。その後、ほぼ全員が直接雇用になりました。
もちろん、その後、クーリングオフとかいろいろな問題はあるんですけれども、私は、今の業務単位の期間制限というのは、そういう直接雇用を促進する機能を持っている、そもそもそういうものとして定められたというのは、労働省の当時の答弁からも明確だと思うんです。
今度の期間制限というのは事業所単位でしょう。大きい事業所単位で、そこにいっぱい労働者がいる。それは三年に一回だけれども、過半数労働組合の意見を聞きさえすれば延長できるということになっているから、そこからどう見たって、私は意見聴取だけというのは非常に問題があると思っているんですけれども、いずれにしろ、そういう制度があるからといって、派遣先が直接雇用にしないとだめだなんという機能は私は全くないと思います。
それから、個人単位の上限三年ですよね。職場で個人単位の上限三年。だけれども、今度の派遣期間制限というのは、職場には、三年になった人は上限だからだめだけれども、二カ月、三カ月、六カ月の人は幾らいたっていいんですよ。あるいは、三年になった人も、別の労働者に取りかえれば。だから、その職場としては派遣労働者をゼロにする必要は全然ないんですよ。ずっと派遣労働者を使い続けることができるという制度なんです。
そういう意味で、今度も期間制限があるといえば私はあると思いますよ。あると思うけれども、事業所単位の期間制限は機能しない、個人単位の期間制限は個人の労働者が取りかえられるだけということで、直接雇用につながるような役割は全然ないんじゃないかなと思います。その辺はぜひ皆さんに御理解いただけたらと思います。
ちなみに、個人単位の上限三年というのは、派遣先が、あなたを配置転換してほかのところで使うか、それともあなたにやめてもらうかという、派遣先が非常に権限が強くなりますから、非常に派遣労働者の従属化を進めるような役割を果たすんじゃないかなと思っております。
そのほか、この私の論文というのか文章というのかに書いておきましたけれども、今の条文にある四十条の四とかあるいは四十九条の二の関係とか、直接雇用を促進するような条文は、改正案では全てなくなっています。そういう機能の点だけではなくて条文の点でも、直接雇用に向けての条文は改正案ではなくなっているということが言えるんじゃないかと思います。
それから、あと一点だけこの関係で申し上げたいのは、四十条の六で、違法派遣の場合の労働契約申し込み制度、派遣先が労働契約を申し込む、直接雇用に自動的にするという条文があるわけですけれども、それが十月一日から施行ということになっています。九月一日でこの改正案は施行するということですから、現行法のみなし規定が全然施行されないうちになくなっちゃう。
目玉は、業務単位の期間制限の場合の直接雇用みなし、自動的にみなしになるという部分がなくなっちゃうということです。
これは、例えば、専門二十六業務で、偽装だったとか、一割を超えて一般業務をやっているときは、専門二十六業務じゃなくて期間制限が出てきますから、そういう方は、十月一日になれば自動的な直接雇用が請求できるようになる方が多数おられると思います。
そういうふうな制度を、三年間待たせた上で、二年十一カ月をもってあなたには一切適用しないよという形でしてしまうような改正案というのは、私は、派遣労働者に対する裏切り行為、背信行為ではないかなと思っております。この点については、三年間待たせて、直前のあと一カ月になって、いや、あなた、いろいろ期待していたかもしれないけれども、法律を変えるから、あなたの自動的に直接雇用される権利はなくなるよというのは、立法政策としても全く間違っているのではないかなと思います。
あと、簡単にします。
読んでいただきたいんですけれども、九ページから、改正案の均衡待遇の推進やキャリアアップ措置は直接雇用や正社員化につながるかということなんですけれども、二点だけ言います。
やはり、均等待遇になっていないというのは、私は日本の派遣法の最大の問題だと思いますよ。
私が知っている派遣労働者は製造関係が多いんですけれども、大体、正社員と同じ製造ラインですよ、同じ仕事をしているんですよ。だけれども、賃金は、私が知っているあれだと、製造ラインで同じ仕事をしていて、夜勤、残業を目いっぱいやって、派遣労働者は年収三百万、有期の労働者は年収四百万。有期の方がいいんですよ、直接雇用だから。正社員になると、年齢によって違いますけれども、平均五百五十万とか六百万なわけで、派遣労働者の低賃金というか、人の嫌がる夜勤、残業、人の嫌がる仕事をやって年収三百万ですからね。それで田舎に仕送りしているんですから。それが均衡待遇の名のもとで許されているんですよ。
ですから、私は、日本の派遣法の悪いところはいっぱいあると思うんですけれども、一番悪いところは均等待遇がないからなんです。均等待遇があれば、まだしも、やはり安上がりの労働者を使うという話じゃないからということで違った展開になると思うんですけれども、それが一つ言いたい。
それから、キャリアアップ措置とか正社員化ということを言っているでしょう。条文上はそういう法律になっていないということは今言ったんですけれども、皆さん、正社員化を嫌がるのは誰だと思いますか。派遣労働者の直接雇用、正社員化を嫌がるのは誰だと思いますか。
私が知っている限りでは、派遣先は嫌がりますよ。それは、自分のところの労働者にしたくないから嫌がるんです。だけれども、それだけじゃないんですよ。派遣元も嫌がるんです。それはそうですよ。自分が全国から集めてきた派遣労働者で、自分の事業のもとになる、自分が苦労して集めてきた派遣労働者を何で自分の手から離して派遣先のもとにやらないとだめなんだ、そんなことをしたら自分の派遣会社が成り立っていかなくなるんじゃないかと。私が経験した範囲では、派遣会社も、派遣労働者が直接雇用、自分の手を離れることを嫌がるんです。
ですから、キャリアアップ措置とか教育訓練ということで、自動的に正社員化につながるなどということは私は全くないと思っています。
それから、実効性のない雇用安定措置ということでいろいろ書いておいたんですけれども、一つは、確かに、現行法よりは改正案の方が表現は厳しくはなっているんですよ。それは認めます。だけれども、やはり法的な強制力とか、こうなった場合は法的にこうだということは一つもないんです。それはないんです。
ですから、結局、さっきの話、派遣先に直接雇用を頼んだって断られたらそれまでだ、自分のところで新しい派遣先を探すといったって派遣先がなければそれまでだというふうな形で、私は実効性がないということなんじゃないかなと思います。
最後に、十二ページに書いておいたんですけれども、派遣労働者激増の可能性ということで、実は皆さん、派遣労働者の方のカウントの仕方には、一つは総務省と厚労省で違うみたいですし、厚労省の中でもカウントの仕方が二種類ぐらいあるんです、いわゆる常用換算とかいいまして。ここに書いているのは、これも厚労省が発表している数字なんですけれども、いわゆる自由化、一九九九年に自由化される前の一九九八年には約九十万人だった。それが、二〇〇八年には、それの四・四三倍の三百九十九万人、四百万人。その後、リーマン・ショックがあったり、世論の批判が強くて、確かに今、派遣労働者は減っています、そのころよりは。
ですけれども、一旦は三百九十九万人まで行ったわけですので、この改正案が通れば派遣は激増して、むしろこの改正案というのは、リーマン・ショック時の労働者派遣法より悪くなる改正案だと私は思っています。ですから、ますます激増して、残念ながら、正社員ゼロ法案という名にふさわしい事態ができるのではないかなと思っております。
最後に、私、ある方にこういう話をしたんです。賛成の方でしたよ。今度の改正案というのは、あなたの立場に立ってあえて言えば、派遣労働者のままで派遣労働者を大事にするという法律なんでしょうと。その方は、我が意を得たりという形で、そうだとおっしゃっておられました。
派遣労働者を大事にするという面が、私、全くないとは言いません、この法律に。しかし、それはあくまでも派遣労働者のままで大事にするということであって、しかし、皆さん、派遣労働者が、派遣先から雇用されているわけでもなく、一番低賃金で、いざというときには真っ先に首を切られる存在だというのは、残念ながら、動かしがたい事実だと思います。
そういう意味では、派遣労働というのは、低賃金、不安定雇用の宿命を持った法律だと思います。それを派遣労働者のままで大事にするなどといって、正社員化とか直接雇用の道を全く塞ぐということでは、日本の雇用は本当にひどくなるのではないのかなと思っております。
私たちは廃案ということで希望しておりますけれども、私が言ったことは自分では客観性のあることだと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。拍手
この発言だけを見る →お手元に、「「生涯派遣・正社員ゼロ」法案の仕組み 何故、私たちは労働者派遣法「改正」案を「生涯派遣・正社員ゼロ」法案と呼ぶのか?」という冊子を配らせていただきました。あるいは、違う、そうじゃないというぐあいなお考えの方もおられるかと思いますが、私はそう思っております。
自由法曹団常任幹事、弁護士、鷲見賢一郎ということで出させていただきましたけれども、自由法曹団といいますのは弁護士の団体でして、全国で二千名ほどの弁護士でつくっている団体でありますが、今回の労働者派遣法改正案については廃案をお願いしたい、要求したいという決議も何度か上げておりまして、私もそういう考えではあります。
そういう考えではありますが、私はこれから、改正案の条文に即して、この条文がどういう意味を持っているのかということを中心に発言させていただきたいと思いますので、私が廃案をという考えを持っている人間だから、おまえの言うことは違うというだけではなくて、条文が何を意味しているかということで、ぜひ私の話を聞いていただけたらと思います。
皆さん、今回の派遣法改正案では、期間制限がどうなのかということが問題になっておりますよね。
従来は、専門業務については期間制限なし、自由化業務、一般業務については一年から三年の期間制限があるということでございます。それで、今までは業務単位の期間制限なんですね、業務単位の期間制限。
今回の改正案は、事業所単位で三年ごとの、まあ、聞くだけじゃないかという話もありますけれども、三年ごとの期間制限。あともう一つは、それとは別個に個人単位、組織単位、職場ですよね、職場単位で上限三年という、二つの期間制限を改正案は設けているわけです。
私は、その期間制限を、今までと対象が違うじゃないかとか手続が違うじゃないかということではなくて、もちろんそれは違うんですよ、違うんだけれども、一番大事な問題は、機能が違うんです。期間制限の果たす役割が違うんです。
今までは業務ごとの期間制限でしょう。業務ごとの期間制限といいますのは、例えば私が経験した例でいいますと、工場のライン労働者でいえば、その二十名なら二十名のライン労働者の中には、派遣社員が、まだ来たばかりで一カ月の人もいるんですよ、だけれども、三年の人も出てくるわけです。ですから、そこでは業務単位の期間制限ですから、三年になれば全員がもうその職場では派遣はだめだよということ。その職場では、一カ月の人も三年の人も、とにかく業務単位の期間制限三年に来たら、もう派遣労働者を使っちゃだめだよということになるんです。
皆さん、派遣労働者を使っちゃだめだよということになると派遣労働者は困るじゃないか、だから期間制限はよくないねと言う人がいるんですよ。私は、そこは違うと言うんです。期間制限が来たら直接雇用しなさいという仕組みに、今の法律は一応なっているんです。
機能としまして、例えば百名の製造ラインで三割、三十人の派遣労働者を使っていたら、期間制限が来たからといって三十人の派遣労働者がいなくなったら製造ラインは回らなくなりますから、事業を続けたいと考える限りは、期間制限が来たら派遣労働者を直接雇用せざるを得ないという、私は、業務単位の期間制限というのはそういう機能を果たしていると思うんです。
これは実は、この問題になったときに、継続かどうかということで、皆さん、クーリングオフというのを御存じでしょう。要は、私は短いと思うんですけれども、三カ月間のクーリングオフを置けば、三カ月間の冷却期間を置けば、再度雇っていい、再度派遣労働者を使っていいとか、脱法になったらだめなんですけれどもね、いろいろあるんです。一応そういう指針があることはあるんですよ、派遣先指針が。
このときに、労働省の方がどういうぐあいに答弁しているかというと、クーリングオフが一カ月では余りにも短い、それだと企業が何とかやりくりしちゃう、だけれども、三カ月ぐらいをあければ企業が何とかしのぐというには限界があって、やはり労働者が必要だということであれば常用労働者をそこに配置するんじゃないかということで、私は三カ月も短いと思うんだけれども、一カ月じゃだめだと。
三カ月のクーリングオフにしたというのは、とにかくそれ以上はそこではゼロにしないとだめなんだから、派遣労働者を。ということは、自動的に、あるいはほぼ直接雇用するんじゃないか。だから、業務単位の期間制限というのは私は直接雇用につながっていると思うんですよ。
事実、私が体験した例でも、ある製造メーカーなんですけれども、二つの工場で千五百名の派遣労働者を使っているんです。だけれども、期間一年だと。一年が来たんですよ。その中には一カ月、二カ月の労働者もいますよ。ですけれども、その千五百名の労働者全員に対して直接雇用の申し入れをしたんです。
それで、その派遣先が何と言っていたかというと、とにかく派遣労働者をゼロにしないとだめなんだ、派遣法の業務単位の期間制限からいったら派遣労働者をゼロにしないとだめなんだ、だから、皆さん、派遣先と労働契約を締結して直接雇用になるか、それとも、それが嫌だったらやめるか、どっちかを選択してくださいと。全員にですよ。その後、ほぼ全員が直接雇用になりました。
もちろん、その後、クーリングオフとかいろいろな問題はあるんですけれども、私は、今の業務単位の期間制限というのは、そういう直接雇用を促進する機能を持っている、そもそもそういうものとして定められたというのは、労働省の当時の答弁からも明確だと思うんです。
今度の期間制限というのは事業所単位でしょう。大きい事業所単位で、そこにいっぱい労働者がいる。それは三年に一回だけれども、過半数労働組合の意見を聞きさえすれば延長できるということになっているから、そこからどう見たって、私は意見聴取だけというのは非常に問題があると思っているんですけれども、いずれにしろ、そういう制度があるからといって、派遣先が直接雇用にしないとだめだなんという機能は私は全くないと思います。
それから、個人単位の上限三年ですよね。職場で個人単位の上限三年。だけれども、今度の派遣期間制限というのは、職場には、三年になった人は上限だからだめだけれども、二カ月、三カ月、六カ月の人は幾らいたっていいんですよ。あるいは、三年になった人も、別の労働者に取りかえれば。だから、その職場としては派遣労働者をゼロにする必要は全然ないんですよ。ずっと派遣労働者を使い続けることができるという制度なんです。
そういう意味で、今度も期間制限があるといえば私はあると思いますよ。あると思うけれども、事業所単位の期間制限は機能しない、個人単位の期間制限は個人の労働者が取りかえられるだけということで、直接雇用につながるような役割は全然ないんじゃないかなと思います。その辺はぜひ皆さんに御理解いただけたらと思います。
ちなみに、個人単位の上限三年というのは、派遣先が、あなたを配置転換してほかのところで使うか、それともあなたにやめてもらうかという、派遣先が非常に権限が強くなりますから、非常に派遣労働者の従属化を進めるような役割を果たすんじゃないかなと思っております。
そのほか、この私の論文というのか文章というのかに書いておきましたけれども、今の条文にある四十条の四とかあるいは四十九条の二の関係とか、直接雇用を促進するような条文は、改正案では全てなくなっています。そういう機能の点だけではなくて条文の点でも、直接雇用に向けての条文は改正案ではなくなっているということが言えるんじゃないかと思います。
それから、あと一点だけこの関係で申し上げたいのは、四十条の六で、違法派遣の場合の労働契約申し込み制度、派遣先が労働契約を申し込む、直接雇用に自動的にするという条文があるわけですけれども、それが十月一日から施行ということになっています。九月一日でこの改正案は施行するということですから、現行法のみなし規定が全然施行されないうちになくなっちゃう。
目玉は、業務単位の期間制限の場合の直接雇用みなし、自動的にみなしになるという部分がなくなっちゃうということです。
これは、例えば、専門二十六業務で、偽装だったとか、一割を超えて一般業務をやっているときは、専門二十六業務じゃなくて期間制限が出てきますから、そういう方は、十月一日になれば自動的な直接雇用が請求できるようになる方が多数おられると思います。
そういうふうな制度を、三年間待たせた上で、二年十一カ月をもってあなたには一切適用しないよという形でしてしまうような改正案というのは、私は、派遣労働者に対する裏切り行為、背信行為ではないかなと思っております。この点については、三年間待たせて、直前のあと一カ月になって、いや、あなた、いろいろ期待していたかもしれないけれども、法律を変えるから、あなたの自動的に直接雇用される権利はなくなるよというのは、立法政策としても全く間違っているのではないかなと思います。
あと、簡単にします。
読んでいただきたいんですけれども、九ページから、改正案の均衡待遇の推進やキャリアアップ措置は直接雇用や正社員化につながるかということなんですけれども、二点だけ言います。
やはり、均等待遇になっていないというのは、私は日本の派遣法の最大の問題だと思いますよ。
私が知っている派遣労働者は製造関係が多いんですけれども、大体、正社員と同じ製造ラインですよ、同じ仕事をしているんですよ。だけれども、賃金は、私が知っているあれだと、製造ラインで同じ仕事をしていて、夜勤、残業を目いっぱいやって、派遣労働者は年収三百万、有期の労働者は年収四百万。有期の方がいいんですよ、直接雇用だから。正社員になると、年齢によって違いますけれども、平均五百五十万とか六百万なわけで、派遣労働者の低賃金というか、人の嫌がる夜勤、残業、人の嫌がる仕事をやって年収三百万ですからね。それで田舎に仕送りしているんですから。それが均衡待遇の名のもとで許されているんですよ。
ですから、私は、日本の派遣法の悪いところはいっぱいあると思うんですけれども、一番悪いところは均等待遇がないからなんです。均等待遇があれば、まだしも、やはり安上がりの労働者を使うという話じゃないからということで違った展開になると思うんですけれども、それが一つ言いたい。
それから、キャリアアップ措置とか正社員化ということを言っているでしょう。条文上はそういう法律になっていないということは今言ったんですけれども、皆さん、正社員化を嫌がるのは誰だと思いますか。派遣労働者の直接雇用、正社員化を嫌がるのは誰だと思いますか。
私が知っている限りでは、派遣先は嫌がりますよ。それは、自分のところの労働者にしたくないから嫌がるんです。だけれども、それだけじゃないんですよ。派遣元も嫌がるんです。それはそうですよ。自分が全国から集めてきた派遣労働者で、自分の事業のもとになる、自分が苦労して集めてきた派遣労働者を何で自分の手から離して派遣先のもとにやらないとだめなんだ、そんなことをしたら自分の派遣会社が成り立っていかなくなるんじゃないかと。私が経験した範囲では、派遣会社も、派遣労働者が直接雇用、自分の手を離れることを嫌がるんです。
ですから、キャリアアップ措置とか教育訓練ということで、自動的に正社員化につながるなどということは私は全くないと思っています。
それから、実効性のない雇用安定措置ということでいろいろ書いておいたんですけれども、一つは、確かに、現行法よりは改正案の方が表現は厳しくはなっているんですよ。それは認めます。だけれども、やはり法的な強制力とか、こうなった場合は法的にこうだということは一つもないんです。それはないんです。
ですから、結局、さっきの話、派遣先に直接雇用を頼んだって断られたらそれまでだ、自分のところで新しい派遣先を探すといったって派遣先がなければそれまでだというふうな形で、私は実効性がないということなんじゃないかなと思います。
最後に、十二ページに書いておいたんですけれども、派遣労働者激増の可能性ということで、実は皆さん、派遣労働者の方のカウントの仕方には、一つは総務省と厚労省で違うみたいですし、厚労省の中でもカウントの仕方が二種類ぐらいあるんです、いわゆる常用換算とかいいまして。ここに書いているのは、これも厚労省が発表している数字なんですけれども、いわゆる自由化、一九九九年に自由化される前の一九九八年には約九十万人だった。それが、二〇〇八年には、それの四・四三倍の三百九十九万人、四百万人。その後、リーマン・ショックがあったり、世論の批判が強くて、確かに今、派遣労働者は減っています、そのころよりは。
ですけれども、一旦は三百九十九万人まで行ったわけですので、この改正案が通れば派遣は激増して、むしろこの改正案というのは、リーマン・ショック時の労働者派遣法より悪くなる改正案だと私は思っています。ですから、ますます激増して、残念ながら、正社員ゼロ法案という名にふさわしい事態ができるのではないかなと思っております。
最後に、私、ある方にこういう話をしたんです。賛成の方でしたよ。今度の改正案というのは、あなたの立場に立ってあえて言えば、派遣労働者のままで派遣労働者を大事にするという法律なんでしょうと。その方は、我が意を得たりという形で、そうだとおっしゃっておられました。
派遣労働者を大事にするという面が、私、全くないとは言いません、この法律に。しかし、それはあくまでも派遣労働者のままで大事にするということであって、しかし、皆さん、派遣労働者が、派遣先から雇用されているわけでもなく、一番低賃金で、いざというときには真っ先に首を切られる存在だというのは、残念ながら、動かしがたい事実だと思います。
そういう意味では、派遣労働というのは、低賃金、不安定雇用の宿命を持った法律だと思います。それを派遣労働者のままで大事にするなどといって、正社員化とか直接雇用の道を全く塞ぐということでは、日本の雇用は本当にひどくなるのではないのかなと思っております。
私たちは廃案ということで希望しておりますけれども、私が言ったことは自分では客観性のあることだと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。拍手
渡
渡
谷
谷川とむ#13
○谷川(と)委員 おはようございます。自由民主党の谷川とむでございます。
参考人の皆さん、本日は、本当にお忙しい中をお越しいただき、また貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。
二十分という限られた時間でございますので、全ての皆さんに質問できないかもしれませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、今回の法改正におきまして、人材ビジネスの歴史を見てみました。そうすると、意外に古く、江戸時代から、必要に応じて労働力を提供するという中間業者が存在していました。しかしながら、中間業者による賃金の搾取や劣悪な労働条件で働かせるなどさまざまな問題があり、近年、労働者保護の観点から、労働者供給事業は職業安定法によって厳しく規制されるようになりました。
人材派遣はというと、アメリカで生まれたと言われていますが、日本にも古くから、特に製造分野において構内請負という事業があり、日本における人材派遣の原型であるという考え方もあります。
労働者派遣業は労働者供給事業に当たり、禁止されていましたが、一九六六年にアメリカの人材派遣会社の子会社が日本に設立され、外部の事務処理業の利用が日本でも広まってきたことから、その是非を問わなければならず、労働者派遣法を制定し、同時に職業安定法を改正することで、労働者派遣業を合法化することとなったという経緯があります。
その時代時代によって改正を積み重ね、そして今日、経済、産業構造、また雇用形態が非常に変化し、仕事とプライベートの両立がしやすい、働く期間や時間を自分で決められるなど、派遣という働き方をみずから望む労働者が増加したことや、必要な労働力をスピーディーに確保できるという、企業側、労働者側双方に強いニーズがあることを踏まえ、それらに対応できる法改正を行うために議論を重ねているところでもあります。
そこで、ただいま歴史的経緯でも触れましたが、派遣労働者の権利を守り、きちんとした経営をしていない悪質な事業者を排除して、健全な事業者が引き続き事業を継続していける仕組みが必要であると考えております。
今回の改正案では、特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区分を廃止して、全ての労働者派遣事業を許可制とすることとしています。私は、非常に評価できるのではないかと考えていますけれども、もう一度、阿部参考人、そして高橋参考人の御見解をお聞かせいただければ幸いでございます。
この発言だけを見る →参考人の皆さん、本日は、本当にお忙しい中をお越しいただき、また貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。
二十分という限られた時間でございますので、全ての皆さんに質問できないかもしれませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、今回の法改正におきまして、人材ビジネスの歴史を見てみました。そうすると、意外に古く、江戸時代から、必要に応じて労働力を提供するという中間業者が存在していました。しかしながら、中間業者による賃金の搾取や劣悪な労働条件で働かせるなどさまざまな問題があり、近年、労働者保護の観点から、労働者供給事業は職業安定法によって厳しく規制されるようになりました。
人材派遣はというと、アメリカで生まれたと言われていますが、日本にも古くから、特に製造分野において構内請負という事業があり、日本における人材派遣の原型であるという考え方もあります。
労働者派遣業は労働者供給事業に当たり、禁止されていましたが、一九六六年にアメリカの人材派遣会社の子会社が日本に設立され、外部の事務処理業の利用が日本でも広まってきたことから、その是非を問わなければならず、労働者派遣法を制定し、同時に職業安定法を改正することで、労働者派遣業を合法化することとなったという経緯があります。
その時代時代によって改正を積み重ね、そして今日、経済、産業構造、また雇用形態が非常に変化し、仕事とプライベートの両立がしやすい、働く期間や時間を自分で決められるなど、派遣という働き方をみずから望む労働者が増加したことや、必要な労働力をスピーディーに確保できるという、企業側、労働者側双方に強いニーズがあることを踏まえ、それらに対応できる法改正を行うために議論を重ねているところでもあります。
そこで、ただいま歴史的経緯でも触れましたが、派遣労働者の権利を守り、きちんとした経営をしていない悪質な事業者を排除して、健全な事業者が引き続き事業を継続していける仕組みが必要であると考えております。
今回の改正案では、特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区分を廃止して、全ての労働者派遣事業を許可制とすることとしています。私は、非常に評価できるのではないかと考えていますけれども、もう一度、阿部参考人、そして高橋参考人の御見解をお聞かせいただければ幸いでございます。
阿
阿部正浩#14
○阿部参考人 ありがとうございます。
ただいま御指摘のとおり、今回の派遣法では、届け出制から許可制へ、全ての派遣事業者は必要になってまいります。その許可要件も厳しいところがあるかと思っておりますので、現行の派遣法よりも、派遣事業者の規制という点ではより強くなったものと承知しております。
この発言だけを見る →ただいま御指摘のとおり、今回の派遣法では、届け出制から許可制へ、全ての派遣事業者は必要になってまいります。その許可要件も厳しいところがあるかと思っておりますので、現行の派遣法よりも、派遣事業者の規制という点ではより強くなったものと承知しております。
高
高橋弘行#15
○高橋参考人 御質問ありがとうございます。
実は、一般労働者派遣事業の許可につきましては、二〇〇九年に上限を引き上げました。その後に起こったことは何かといいますと、一般労働者派遣事業の許可が大幅に減少いたしまして、特定労働者派遣事業の届け出がふえまして、現在は、全事業者のうち八割が、届け出だけで行う特定労働者派遣事業になってございます。許可を免れる目的かどうかはわかりませんけれども、圧倒的に届け出だけで行う事業所が多いというのが実態でございます。
しかも、そうした特定の事業所の中に、二重派遣といったような極めて悪質な違反を行う事業所も多く見られるところでございまして、その意味におきまして、今回の改正法案で全ての事業所を許可を要するとする改正は、まことに時宜を得た、正しい方向性であると考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →実は、一般労働者派遣事業の許可につきましては、二〇〇九年に上限を引き上げました。その後に起こったことは何かといいますと、一般労働者派遣事業の許可が大幅に減少いたしまして、特定労働者派遣事業の届け出がふえまして、現在は、全事業者のうち八割が、届け出だけで行う特定労働者派遣事業になってございます。許可を免れる目的かどうかはわかりませんけれども、圧倒的に届け出だけで行う事業所が多いというのが実態でございます。
しかも、そうした特定の事業所の中に、二重派遣といったような極めて悪質な違反を行う事業所も多く見られるところでございまして、その意味におきまして、今回の改正法案で全ての事業所を許可を要するとする改正は、まことに時宜を得た、正しい方向性であると考えております。
以上でございます。
谷
谷川とむ#16
○谷川(と)委員 ありがとうございます。
この点については、本当に非常に評価が高いということを確認できたことを本当にありがたく思っております。
次に、今回の改正案では、これまで期間制限のなかった専門業務、いわゆる二十六業務に三年を上限とする期間制限を設けることから、三年首切り法や、生涯派遣になるだの、批判の声も聞こえていますが、私はそうは思っておりません。
これまで、派遣は臨時的、一時的な労働力の需給調整に関する対策とされており、常用代替の防止、つまり正社員の置きかえにならないということが強調される制度設計になっていたのではないかと思っております。これは正社員を保護するということであり、言いかえれば、派遣で働く派遣労働者が正社員になれないという意味を踏まえていると思います。
それらを踏まえて、今回の改正案では、正社員になりたいと思っている、不本意な派遣就労から脱出したいという派遣労働者の選択肢を広げることとなると考えております。
派遣元に対して、派遣期間が一定期間に達する有期雇用派遣労働者について、派遣先への直接雇用の依頼、または新たな派遣先の提供、派遣元での無期雇用、その他安定した雇用の継続を図るための必要な措置を講ずることを義務づけるとされております。有期雇用派遣労働者にとっても、正社員への道が開かれることとなると考えております。
また、引き続き派遣で働きたいと思う派遣労働者も新たに働ける場を提供されるなど、人それぞれ、ニーズに合った、対応した雇用の安定化につながるものと考えておりますけれども、阿部参考人、高橋参考人、大久保参考人の御見解をお聞かせください。
この発言だけを見る →この点については、本当に非常に評価が高いということを確認できたことを本当にありがたく思っております。
次に、今回の改正案では、これまで期間制限のなかった専門業務、いわゆる二十六業務に三年を上限とする期間制限を設けることから、三年首切り法や、生涯派遣になるだの、批判の声も聞こえていますが、私はそうは思っておりません。
これまで、派遣は臨時的、一時的な労働力の需給調整に関する対策とされており、常用代替の防止、つまり正社員の置きかえにならないということが強調される制度設計になっていたのではないかと思っております。これは正社員を保護するということであり、言いかえれば、派遣で働く派遣労働者が正社員になれないという意味を踏まえていると思います。
それらを踏まえて、今回の改正案では、正社員になりたいと思っている、不本意な派遣就労から脱出したいという派遣労働者の選択肢を広げることとなると考えております。
派遣元に対して、派遣期間が一定期間に達する有期雇用派遣労働者について、派遣先への直接雇用の依頼、または新たな派遣先の提供、派遣元での無期雇用、その他安定した雇用の継続を図るための必要な措置を講ずることを義務づけるとされております。有期雇用派遣労働者にとっても、正社員への道が開かれることとなると考えております。
また、引き続き派遣で働きたいと思う派遣労働者も新たに働ける場を提供されるなど、人それぞれ、ニーズに合った、対応した雇用の安定化につながるものと考えておりますけれども、阿部参考人、高橋参考人、大久保参考人の御見解をお聞かせください。
阿
阿部正浩#17
○阿部参考人 私、最初の意見陳述でも申しましたとおり、派遣労働者の中には、正社員を希望する労働者、そして派遣労働者を希望する労働者、それぞれいらっしゃるわけで、その人たちのキャリア形成を考える上では、非常に、今御指摘のとおり、今回の派遣法ではそういった点が目配りされていると考えております。
この発言だけを見る →高
高橋弘行#18
○高橋参考人 今回の改正法案では、雇用安定化措置だけではなくて、キャリアアップにつきましても派遣元に義務づけを行っているところでございます。そうしたキャリアアップ措置とあわせまして雇用安定化措置が講じられているという意味で、派遣労働者の方につきましては、キャリアアップを望む方については大変好ましい内容の法案になっているというふうに考えております。
この発言だけを見る →大
大久保幸夫#19
○大久保参考人 派遣で働いていた方が正社員になるためには、やはり幾つかの準備が必要だと思っています。つまり、その本人が正社員を希望するのであれば、できれば紹介予定派遣のような形の中で派遣を行い、本人にもキャリアカウンセリングを提供し、そして、正社員になるために足りないところがあれば、そのスキルを高めるための教育機会を提供しということをやっていかないと、なかなかなれないんだと思うんですね。
そのための必要な要素は今回の法改正の中には幾つか盛り込まれているんだろうというふうに理解をしておりますので、紹介予定派遣の枠組みを広げながら今回の法改正の内容を生かしていけば、正社員化につながる部分が出てくるのではないかというふうに理解をしております。
この発言だけを見る →そのための必要な要素は今回の法改正の中には幾つか盛り込まれているんだろうというふうに理解をしておりますので、紹介予定派遣の枠組みを広げながら今回の法改正の内容を生かしていけば、正社員化につながる部分が出てくるのではないかというふうに理解をしております。
谷
谷川とむ#20
○谷川(と)委員 ありがとうございます。
キャリアアップのお話も少し出てきましたけれども、その点についてもう少し詳しくお話をさせていただきたいというか、聞きたいなというふうに思います。
次に、平成二十四年派遣労働者実態調査によりますと、派遣労働者として働きたいと思う派遣労働者は四三・一%、正社員として働きたいと思う派遣労働者は四三・二%という結果となっております。これは、先ほど阿部参考人の初めの意見にも出てきましたとおりでございます。
正社員として働きたいと思っているにもかかわらず、その意思に反して派遣労働者となっている者については、やはり正社員への道をつくっていくことが大変重要になっていると思っております。そのためには、派遣労働者本人と雇い主である派遣元、双方に努力だったりとかいろいろな義務を講じることが必要であると考えております。
派遣労働者においては、みずからのスキルや能力を磨いて、正社員として雇用されるような努力をしていくことも必要であると私は考えております。そして、派遣元については、教育訓練や派遣労働者にとって必要な経験を積めるように仕事をコーディネートしていくことも必要。つまり、キャリアアップをどんどんどんどん進めていくことが本当に必要ではないかなというふうに思っています。
今回の改正法案では、派遣労働者に対する教育訓練や希望者へのキャリアコンサルティングを派遣元に義務化されるという点で、非常に評価ができるのではないかなというふうに思っていますし、これはどんどんどんどん推し進めていくべきだと思っておりますけれども、この点についてもちょっと詳しく、阿部参考人と高橋参考人と大久保参考人に御意見をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →キャリアアップのお話も少し出てきましたけれども、その点についてもう少し詳しくお話をさせていただきたいというか、聞きたいなというふうに思います。
次に、平成二十四年派遣労働者実態調査によりますと、派遣労働者として働きたいと思う派遣労働者は四三・一%、正社員として働きたいと思う派遣労働者は四三・二%という結果となっております。これは、先ほど阿部参考人の初めの意見にも出てきましたとおりでございます。
正社員として働きたいと思っているにもかかわらず、その意思に反して派遣労働者となっている者については、やはり正社員への道をつくっていくことが大変重要になっていると思っております。そのためには、派遣労働者本人と雇い主である派遣元、双方に努力だったりとかいろいろな義務を講じることが必要であると考えております。
派遣労働者においては、みずからのスキルや能力を磨いて、正社員として雇用されるような努力をしていくことも必要であると私は考えております。そして、派遣元については、教育訓練や派遣労働者にとって必要な経験を積めるように仕事をコーディネートしていくことも必要。つまり、キャリアアップをどんどんどんどん進めていくことが本当に必要ではないかなというふうに思っています。
今回の改正法案では、派遣労働者に対する教育訓練や希望者へのキャリアコンサルティングを派遣元に義務化されるという点で、非常に評価ができるのではないかなというふうに思っていますし、これはどんどんどんどん推し進めていくべきだと思っておりますけれども、この点についてもちょっと詳しく、阿部参考人と高橋参考人と大久保参考人に御意見をいただきたいと思います。
阿
阿部正浩#21
○阿部参考人 ただいま御指摘の点でございますが、これまでの研究では、派遣労働者、あるいは非正規雇用者全般そうなんですが、長い間同じ会社でキャリアを形成していくことによって正社員化が図られているという研究成果が出ております。
ですので、派遣労働者が派遣先で一生懸命努力してスキルを磨いていくことによって正社員化するという確率が高まるということもありますので、今回の派遣法でさらに、派遣元、派遣先が派遣労働者のキャリア形成についてしっかりやっていくということが書かれておりますので、正社員化あるいは直接雇用の道というのは、もしかしたら拡大するのではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →ですので、派遣労働者が派遣先で一生懸命努力してスキルを磨いていくことによって正社員化するという確率が高まるということもありますので、今回の派遣法でさらに、派遣元、派遣先が派遣労働者のキャリア形成についてしっかりやっていくということが書かれておりますので、正社員化あるいは直接雇用の道というのは、もしかしたら拡大するのではないかというふうに考えております。
高
高橋弘行#22
○高橋参考人 先ほども申し上げましたが、派遣労働者の方は、今現在派遣されている会社に、必ずそこで直接雇用されたいという方ばかりではございません。やはり、現在の派遣先での経験、スキルを磨きながら、また別の道を模索される方々もいらっしゃると思います。
そうした方々も含めて、派遣元でしっかりと教育訓練やキャリアコンサルティング等を実施していただくということによって、派遣労働者の方の選択肢が大きく広がっていくというふうに考えてございます。そうした結果がまた、その経験を通じまして正社員化にもつながっていくのではないかと期待しております。
以上でございます。
この発言だけを見る →そうした方々も含めて、派遣元でしっかりと教育訓練やキャリアコンサルティング等を実施していただくということによって、派遣労働者の方の選択肢が大きく広がっていくというふうに考えてございます。そうした結果がまた、その経験を通じまして正社員化にもつながっていくのではないかと期待しております。
以上でございます。
大
大久保幸夫#23
○大久保参考人 派遣労働者に対して人材派遣協会が調査などをやっておりますけれども、そうすると、もともと正社員の経験を持っている派遣労働者というのがかなりの比率に上るんですね。八割ぐらいの人は過去に正社員として勤務した経験があるということですから、もともと非常に能力が高くて、本人が希望すれば正社員になれるだけのもともとの能力は持っていらっしゃる方が多い。
ただ、今すぐに正社員になりたいかというと、この調査は四割、四割というふうになっていますけれども、今すぐになりたいという人は大体二割ぐらいで、何年か先になりたいという人が四割という、そんなような感じになっています。ですから、即座になりたいというわけではない人もいる。
それから、今お話がありましたけれども、現在派遣されているところから直接雇用の正社員にならないかというふうに言われたら、それを受けますというふうに回答している人は四割なんですね。どうかな、若干悩むな、ちゃんと考えたいという人が四割ぐらいで、即座に断る、拒否するという人も二割ぐらいいるんですよ。
そういう意味では、御本人が正社員志向があっても、そのタイミングとか先については実は多様な志向がありますので、そういうものに配慮してキャリアアップをしていかなきゃいけないということも考えております。
この発言だけを見る →ただ、今すぐに正社員になりたいかというと、この調査は四割、四割というふうになっていますけれども、今すぐになりたいという人は大体二割ぐらいで、何年か先になりたいという人が四割という、そんなような感じになっています。ですから、即座になりたいというわけではない人もいる。
それから、今お話がありましたけれども、現在派遣されているところから直接雇用の正社員にならないかというふうに言われたら、それを受けますというふうに回答している人は四割なんですね。どうかな、若干悩むな、ちゃんと考えたいという人が四割ぐらいで、即座に断る、拒否するという人も二割ぐらいいるんですよ。
そういう意味では、御本人が正社員志向があっても、そのタイミングとか先については実は多様な志向がありますので、そういうものに配慮してキャリアアップをしていかなきゃいけないということも考えております。
谷
谷川とむ#24
○谷川(と)委員 ありがとうございます。
本当に人それぞれ、多様な働き方で、どのように働きたい、正社員になりたいと思う人もおれば、そのまま派遣で働きたいという方もおられますし、これも、派遣労働者の立場に立つ目線と、派遣元の目線に立つ、派遣先の目線に立つということで、いろいろ変わってくると思います。
先ほど鷲見参考人もおっしゃっていましたけれども、働きたいと思っても、どこまでその人のことを考えられるかということもそうですし、しっかりとした制度をつくったとしても、どのような方向に向かっていくかは、人それぞれ生き方も違いますし働き方も違うというふうに思っていますので、大変難しいことではあると思っていますけれども、今回の法改正案で一番のポイントを挙げるとすれば皆さんどういうふうにお考えであるのか、皆さんにちょっとお伺いしたいなというふうに思います。
この発言だけを見る →本当に人それぞれ、多様な働き方で、どのように働きたい、正社員になりたいと思う人もおれば、そのまま派遣で働きたいという方もおられますし、これも、派遣労働者の立場に立つ目線と、派遣元の目線に立つ、派遣先の目線に立つということで、いろいろ変わってくると思います。
先ほど鷲見参考人もおっしゃっていましたけれども、働きたいと思っても、どこまでその人のことを考えられるかということもそうですし、しっかりとした制度をつくったとしても、どのような方向に向かっていくかは、人それぞれ生き方も違いますし働き方も違うというふうに思っていますので、大変難しいことではあると思っていますけれども、今回の法改正案で一番のポイントを挙げるとすれば皆さんどういうふうにお考えであるのか、皆さんにちょっとお伺いしたいなというふうに思います。
阿
阿部正浩#25
○阿部参考人 先ほども申しましたとおり、労働者の希望をかなえるということが一番大事なことだろうと思っておりますので、正社員になりたい方には正社員のキャリアアップを、派遣社員あるいは非正規のまま働きたいという方もいらっしゃいますので、その方たちのキャリアアップを目指していくということが大事だと思っておりまして、今回の派遣法ではそういった点に目配りされているということで、評価しております。
この発言だけを見る →高
高橋弘行#26
○高橋参考人 何よりも派遣業界は人材を扱う業界でございますので、大切なことは、業界のより一層の健全化でございます。その意味におきまして、特定労働者派遣事業の廃止、これは非常に大切なことであると考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →以上でございます。
関
関根秀一郎#27
○関根参考人 今回の労働者派遣法の改正案のポイントということなんですけれども、私どもが考えるには、やはり今回は改正ではなく改悪である。正社員をほとんどなくしてしまって、非正規の派遣を、不安定な派遣をふやしていくという法案になっている。三年ごとに派遣労働者を別の人に差しかえさえすれば永続的に派遣を活用できるということから、明らかに派遣をふやしていってしまう法案であるというふうに思っています。残念ながら、正社員になっていくというような点は実効性が全くないというふうに考えております。
この発言だけを見る →大
大久保幸夫#28
○大久保参考人 私が思う一番大事なポイントは、わかりやすくすることだというふうに思っていまして、派遣労働者の多くの人たちが派遣法の中身をよく理解していないんです。また、人事が派遣労働者の採用をしているわけではなく、事業所単位になっているところもありますので、そういう方々に全ての細かい法律、ルールを理解しろというのはなかなか無理なので、できる限り派遣法に関してはわかりやすくしていただきたい。それが派遣制度をよくするポイントだと私は思っております。
この発言だけを見る →鷲
鷲見賢一郎#29
○鷲見参考人 まず、労働者派遣制度のもとで派遣労働者がどういう働かせられ方をしているのか。私が知っている範囲では、少なくとも九九年以降の自由化業務、一般業務の派遣労働者に関して言うと、非常に悲惨な働かせられ方をしているんじゃないかなと思っているんです。賃金も、ほぼ同じ仕事をしている正社員と言われる労働者の半分程度とか、それから、人の一番嫌がる仕事をさせられるとか、労働災害の発生率が一番高いとか。専門業務の場合は多少違った状況があるかもしれませんけれども、少なくとも一般業務に関して言うと、それは割かしはっきりしているんじゃないかなと思うんです。
それから、もう一つ言いたいのは、これはマスコミ報道で、マスコミ報道が常に正しいとは言えないかもしれませんけれども、マスコミ報道でこの間この改正案に関して言っているのは、派遣先企業にとって使いやすい制度になるので派遣労働者はふえるんじゃないかというのはほぼ共通して言っているわけでして、私はやはりそれはそうだろうなと思っているんです。
それで、例えば、これは申し上げていいかどうか、この間、厚生労働省が一〇・一問題ということでおつくりになられた文書でも、経済界等の懸念という基準で発言なされているんですよね。私はやはり、今回、労働者派遣法は、前回の改正で保護法という位置づけも入っていますので、派遣労働者の働き方がどうなのかということを大事にすることを出発点に考えるべきなのに、派遣先にとって使い勝手がいい法律とか、経済界の懸念を出発点にして考えるなどということでやられている面があるわけでして、そういう点では、私の言いたいのは先ほど言ったところがメーンなわけなんですけれども、これは圧倒的に派遣労働者がふえるんじゃないかなと。
しかも、条文上は、派遣労働者のままで今までよりは大事にするような条文はありますけれども、果たしてそれがどこまで機能するのか。自由化業務、製造派遣を解禁したときに、こんなひどい実態になるということは余り多くの人は想像していなかったと思うんですけれども、実際は、リーマンで首切られたら、貯金もない状態の労働者という状態だったわけですから。
私は、今回の改正案というのはリーマンの前の派遣法よりもっと悪くなると思っていますので、やはりそういう非常に悲惨な事態が生じかねない法律だなと思っていますので、ぜひそういう目でも皆さん見ていただけたらと思っています。
以上です。
この発言だけを見る →それから、もう一つ言いたいのは、これはマスコミ報道で、マスコミ報道が常に正しいとは言えないかもしれませんけれども、マスコミ報道でこの間この改正案に関して言っているのは、派遣先企業にとって使いやすい制度になるので派遣労働者はふえるんじゃないかというのはほぼ共通して言っているわけでして、私はやはりそれはそうだろうなと思っているんです。
それで、例えば、これは申し上げていいかどうか、この間、厚生労働省が一〇・一問題ということでおつくりになられた文書でも、経済界等の懸念という基準で発言なされているんですよね。私はやはり、今回、労働者派遣法は、前回の改正で保護法という位置づけも入っていますので、派遣労働者の働き方がどうなのかということを大事にすることを出発点に考えるべきなのに、派遣先にとって使い勝手がいい法律とか、経済界の懸念を出発点にして考えるなどということでやられている面があるわけでして、そういう点では、私の言いたいのは先ほど言ったところがメーンなわけなんですけれども、これは圧倒的に派遣労働者がふえるんじゃないかなと。
しかも、条文上は、派遣労働者のままで今までよりは大事にするような条文はありますけれども、果たしてそれがどこまで機能するのか。自由化業務、製造派遣を解禁したときに、こんなひどい実態になるということは余り多くの人は想像していなかったと思うんですけれども、実際は、リーマンで首切られたら、貯金もない状態の労働者という状態だったわけですから。
私は、今回の改正案というのはリーマンの前の派遣法よりもっと悪くなると思っていますので、やはりそういう非常に悲惨な事態が生じかねない法律だなと思っていますので、ぜひそういう目でも皆さん見ていただけたらと思っています。
以上です。