外務委員会

2016-03-23 衆議院 全141発言

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会議録情報#0
平成二十八年三月二十三日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 岸  信夫君
   理事 島田 佳和君 理事 新藤 義孝君
   理事 土屋 品子君 理事 中山 泰秀君
   理事 橋本  岳君 理事 篠原  豪君
   理事 武正 公一君 理事 岡本 三成君
      青山 周平君    小渕 優子君
      大野敬太郎君    城内  実君
      黄川田仁志君    小林 鷹之君
      佐々木 紀君    笹川 博義君
      白須賀貴樹君    鈴木 隼人君
      薗浦健太郎君    辻  清人君
      根本 幸典君    野中  厚君
      細田 健一君    堀井  学君
      三ッ矢憲生君    吉良 州司君
      寺田  学君    長島 昭久君
      原口 一博君    赤嶺 政賢君
      笠井  亮君    丸山 穂高君
      小熊 慎司君
    …………………………………
   外務大臣         岸田 文雄君
   外務副大臣        武藤 容治君
   経済産業副大臣      鈴木 淳司君
   外務大臣政務官      黄川田仁志君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 露木 康浩君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 辻  裕教君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 水嶋 光一君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 垂  秀夫君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 相木 俊宏君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 滝崎 成樹君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 豊田 欣吾君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 道井緑一郎君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   相川 一俊君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    森  健良君
   政府参考人
   (外務省国際情報統括官) 鈴木  哲君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           松尾 泰樹君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           樽見 英樹君
   外務委員会専門員     辻本 頼昭君
    —————————————
委員の異動
三月二十三日
 辞任         補欠選任
  小渕 優子君     笹川 博義君
  小林 鷹之君     野中  厚君
  松島みどり君     堀井  学君
  山田 美樹君     根本 幸典君
  大島  敦君     原口 一博君
  笠井  亮君     赤嶺 政賢君
同日
 辞任         補欠選任
  笹川 博義君     小渕 優子君
  根本 幸典君     細田 健一君
  野中  厚君     小林 鷹之君
  堀井  学君     白須賀貴樹君
  原口 一博君     大島  敦君
  赤嶺 政賢君     笠井  亮君
同日
 辞任         補欠選任
  白須賀貴樹君     松島みどり君
  細田 健一君     青山 周平君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     山田 美樹君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国際情勢に関する件
     ————◇—————
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岸信夫#1
○岸委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官水嶋光一君、大臣官房審議官垂秀夫君、大臣官房審議官相木俊宏君、大臣官房審議官滝崎成樹君、大臣官房審議官豊田欣吾君、大臣官房参事官道井緑一郎君、総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長相川一俊君、北米局長森健良君、国際情報統括官鈴木哲君、警察庁長官官房審議官露木康浩君、法務省大臣官房審議官辻裕教君、文部科学省大臣官房審議官松尾泰樹君、厚生労働省大臣官房審議官樽見英樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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岸信夫#2
○岸委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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岸信夫#3
○岸委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。
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原口一博#4
○原口委員 おはようございます。民主党の原口一博です。
 きょうは国際情勢、とりわけ核の問題について、北朝鮮の問題について、外務大臣それから法制局長官、お見えいただいていますが、議論していきたいと思います。
 その前に、二十二日にベルギー・ブラッセルで発生した一連のテロ事件において、多数の死傷者が出ています。この非道なテロを強く非難するとともに、テロに決して屈しない、犠牲者の皆様に哀悼とお見舞いを申し上げるとともに、皆様とともにこのテロに屈しないということを宣言し、国際社会と連帯して、テロの根絶に私も尽力をしていきたいと思います。
 外務大臣、日本人も巻き込まれているという情報がございますが、事実関係についてだけ、まずお尋ねをいたします。
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岸田文雄#5
○岸田国務大臣 二十二日、ベルギーの首都ブリュッセルにおきまして爆弾テロ事件が発生し、多数の犠牲者が発生しています。まずは、こうしたテロ事件に対して強い憤りを感じ、そして、亡くなられた方々に哀悼の意を表し申し上げます。
 そして、その中で、邦人の被害につきましては、邦人の方、重傷一名そして軽傷一名が確認されております。負傷された方々にも一日も早い回復をお祈りするところであります。
 いずれにしましても、いかなる理由があってもこうしたテロは許すことはできず、断固非難をいたします。
 事件の状況につきましては、ベルギー当局において引き続き状況把握が続いておりますので、我が国としましても、情報収集に万全を期し、そして、邦人の安全確保に全力で努めていきたいと思います。
 あわせて、テロ対策、暴力的過激主義対策について、我が国としましても積極的に国際社会と連携しながら取り組んでいきたいと考えます。
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原口一博#6
○原口委員 外務大臣、ありがとうございます。
 続いて、北朝鮮の問題について。
 北朝鮮による核実験及び弾道ミサイル発射に関する安保理決議、これを全会一致で、三月三日、未明になりますが採択をされました。いかなる脅迫にも私たちは屈しないし、この北朝鮮の態度を強く非難するものであります。
 制裁を大幅に追加、強化する強い内容の決議案が採択されたということは、核を廃絶し、北朝鮮の非道な今の現状に対して、それを変える大きな道になるのだと思います。
 そこで、一つだけ伺いますが、私たちは、拉致の問題についても決議案の中に入れてくださいと、これは自民党の谷垣幹事長も本会議で質問されていましたが、どのようになりましたでしょうか。
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岸田文雄#7
○岸田国務大臣 今般採択されました決議二二七〇ですが、人権についての扱いは、従来と同様の内容としまして、国際社会が有する人道上の懸念に対応する重要性を改めて強調している、こういった内容となっております。この人道上の懸念には、当然、拉致問題も含まれると解されているところであります。
 そして、今般の決議は、従来の内容に加えまして、新たに、北朝鮮の人々が受けている深刻な苦難に深い懸念を表明するなど、北朝鮮の人権、人道問題に関する言及を強めたものになっております。
 拉致問題につきましては、こうした人道上のさまざまな懸念あるいは扱い、こういった内容の中に含まれている、こういった内容になっております。
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原口一博#8
○原口委員 これは予算委員会でも御質問いたしましたけれども、ストックホルム合意を受けて、私たちは、今回の決議の中に特段拉致の文言を入れてほしい、拉致の問題について、過去の核実験決議と同様の、今外務大臣がお話しになった、国際社会が有する人道上の懸念への対応の重要性を強調ということが過去の決議でも入っている、今回のは特別やはり拉致の問題についても入れてほしいということを言っておりましたが、それは文言としては入っていないというのは遺憾であります。
 また、北朝鮮は、挑発言動を繰り返して、四月三十日ですか、米韓の軍事演習に恐れを募らせているというふうに考えます。北朝鮮の暴発など有事の場合、難民についてどう考えるか。私は、この間、防衛大臣とも議論をしましたが、難民問題あるいはサイバー攻撃、そういったものにしっかりと対応しておかなければいけないと思いますが、外務大臣の基本的な御認識を伺うとともに、今回の北朝鮮のリーダーは、そのお父さん、おじいさんの時代とは随分違う、中国のコントロールもききづらい、あるいは不確実性が増しているんじゃないかというふうに思うんですが、外務大臣の御認識をあわせて伺います。
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岸田文雄#9
○岸田国務大臣 今般、この安保理決議が採択されたわけですが、こうした決議採択後も挑発的な行動が続いているということ、これは断じて許すことはできないと考えます。
 北朝鮮の状況につきましては、さまざまな情報収集、分析を行っております。今後の予見可能性ということについても、さまざまな議論があるわけですが、一つ申し上げられるのは、今の北朝鮮の体制の中で予見することが難しくなっている、こういったことを感じる次第であります。
 こういった点を考えますときに、我が国としまして、さまざまな事態に対応できるように万全の体制で臨んでおかなければなりません。御指摘の点等につきましても、政府として、あらゆる可能性を想定して準備をしていくべき課題であると認識をしております。
 五月には、三十六年ぶりとなります北朝鮮の党大会が予定されてもいます。こういった点もしっかり注視しながら、政府としての対応、しっかりと整えていきたいと考えます。
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原口一博#10
○原口委員 朝鮮半島有事ということになれば、大量の難民が日本に押し寄せてくることも考えられるでしょう。そのときに、今ヨーロッパで起きているように、テロに加担をする人とそうでない人、あるいはその人たちに対する人道的な支援というのは、今からきっちり議論をしておかなきゃいけないというふうに思います。
 私は、いかなる核実験も許すべきではない、そして挑発的な言動を即刻やめるべきだというふうに思います。
 そこで、今度、四月十日ですか、G7外相会談が広島で行われます。原爆被爆そして核の問題について、少し議論をしていきたいと思います。
 大臣は広島の御出身なので、今までの放射線の安全基準というものについても、ABCC、原爆傷害調査委員会、放射線の人体への長期的影響を調査するためトルーマン大統領令により一九四七年に広島、長崎に設立されて、七五年から日米共同運営の放射線影響研究所がその研究を引き継いだというふうに認識をしています。
 このABCCの存在は非常に重要で、ICRP、国際放射線防護委員会が提唱する年間被曝線量の推奨値など、現在の放射線の安全基準はABCCのデータ、報告をもとにつくられているというふうに認識をしていますが、きょうは厚労省からもお見えいただいていますでしょうか、この認識でよろしいでしょうか。
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樽見英樹#11
○樽見政府参考人 お答え申し上げます。
 放射性物質が人体に与える一般的な影響の基準ということになりますと、必ずしも厚生労働省の所管ということになりませんけれども、便宜私から、経緯もございますので申し上げます。
 国際的な放射線防護に関する基準につきましては、民間の国際学術組織でございます御指摘のICRP、国際放射線防護委員会というものが各国に対して勧告をしているということでございますけれども、このICRP勧告の骨格というものにつきましては、広島や長崎の原爆被爆者の疫学調査を初めとする広範な科学的知見をもとにしているということになっているというふうに承知をしてございます。
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原口一博#12
○原口委員 その基準が正しいかどうか、それを認定できる人に外務委員会に出てきてくださいと言っていたのに、厚労省が所管でないと言うんだったら、出てこないでください。
 ABCCのもとデータが、もしも残留放射線による外部被爆と内部被爆、死の灰、それから、その後広島市に入市された方もいらっしゃいますね、多くの人たちを救おうと、看護兵だったりいろいろなことで入られた人たち、その人たちのデータは入っていないんじゃないですか。
 放射線の推定被曝線量は、DS86やDS02、86というのは一九八六年、02というのは二〇〇二年方式で計算されてきましたけれども、この放射線被曝の歴史を考えてみると、爆心から二・二キロないし二キロ以内にて被爆した人だけを被爆者とし、それより外の人たちを全く被爆していない人と、両者を比較している。
 爆心から二・二キロ以遠にいる人たちも被爆している可能性は非常に高いにもかかわらず、もともと、外部被爆や残留放射線で内部被爆した人たちと狭義の被爆者を比べても、安全基準としての意味あるデータにはならないと私は思います。
 もう一つデータの信頼性に欠ける理由は、残留放射線の影響が十分反映されていないから。そもそも、DS86にしてもDS02についても、もともとは、T57D、T65D、つまり、原爆を落としたその国がABCCをつくって調査をし、多くの事実が隠されてきた、隠された被爆者がいるんだということを、私はこれまでずっと国会でも追及をしてきました。
 私は、核についての不必要な幻想は持つべきではない、核使用というのは、いかなる兵器よりも人道に対する罪の深い兵器であり、子孫に対しても、まだ広島、長崎の原爆から百年たっていません、七十年ですね、そういう中で本当の影響というのは出てこない。
 ですから、あらゆる核兵器を廃絶するというのが私たちの使命であり、そして今回、広島で外相会談が行われるということですから、ぜひ大臣にはその強い意思を示していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
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岸田文雄#13
○岸田国務大臣 核兵器のない世界を目指す上で、我が国は唯一の戦争被爆国として大きな責任を担っていると思います。そして、その立場から国際世論をリードするに当たって、委員御指摘のように、この被爆の実相、非人道性も含めて正確に把握するということは基本であります。その議論の基本となる正しい認識をしっかり持つこと、確認すること、これは大変重要なことだと思います。委員のそうした御努力には心から敬意を表し申し上げますし、そうした認識のもとに、これから行われますG7の外相会談においても、軍縮・不拡散の議論をしっかりリードしていかなければならないと考えます。
 ぜひそうした思いで議論をリードしたいと思いますし、特に、こうした核兵器のない世界を目指すに当たっては、核兵器国と非核兵器国の協力というものがなければ結果につながりません。G7は核兵器国と非核兵器国ともに含まれる枠組みでありますので、こうした枠組みはしっかりと活用する意味があると感じております。
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原口一博#14
○原口委員 前向きの答弁をいただいてありがとうございます。
 実は、ABCCは、一九五〇年代に入市被爆者に関する調査をしている。アメリカはやはりすごい国だなと思うんです。当時は隠していたことでも、何十年かするとそれが公開されて、そのことがわかっています。ところが、ローウェル・A・ウッドベリーというABCCの科学者が、調査結果を推定線量に反映できないかを打診しているということまでわかっていますが、反映されない状態のまま現在に至っています。
 私は、今大臣がお答えになったように、世界が事実を知れば、核兵器を持つなどということはあり得ないんだと思うんです。ぜひ、大臣のリーダーシップで、今回のG7会議で、世界の中の核、広島の上空何百メーターで爆発したかさえずっと隠されてきたわけです、これを、世界の大規模で真摯な調査の取り組みを呼びかけていただきたい。そして、我が国を中心として、あるいは米国を中心として、核兵器の真実を知るということのプロジェクトを立ち上げていただきたいというふうに思います。
 そこで、横畠長官にもお見えいただいたので、安保法制改変と核兵器の保有、使用についてということで少し議論をしていきたいと思います。
 まず、質問の前提を申し上げます。ここで私がこれから伺うのは、政策論としてではなくて、法理論上のお話として答弁をいただきたいと思います。
 そこで、核兵器に関する過去の政府見解について確認しますが、我が国は、平成二十六年七月一日の閣議決定以前において、憲法上核兵器を保有できると解していたという理解でよろしいでしょうか。
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横畠裕介#15
○横畠政府特別補佐人 お答えする前に、大事なことですので、誤解を招かないようにちょっと前提だけ申し上げさせていただきたいと思いますけれども、我が国は、いわゆる非核三原則により、憲法上保有することが禁じられていないものも含めて、政策上の方針として一切の核兵器を保有しないという原則を堅持しております。
 法的にも、原子力基本法におきまして、原子力利用は平和の目的に限るとされており、また、NPT、核兵器の不拡散に関する条約の締約国、非核兵器国でございまして、一切の核兵器を保有し得ないということになっているというのが大前提でございます。その上で、憲法上の法理、純粋に法理の問題としての議論というのがこれまでも行われてきているということです。その点についてのお尋ねだというふうに理解いたします。
 我が国には固有の自衛権がございますが、憲法第九条第二項によりまして、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持することは禁止されていると解しております。すなわち戦力、憲法上禁止されている戦力ということでございます。これにより、性能上、専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためのみに用いられる、いわゆる攻撃的兵器を自衛隊が保持することは、自衛のための必要最小限度を超えるものであり、許されないと解してきております。
 他方、核兵器、すなわち核エネルギーを用いて人を殺傷し物を破壊する、その種の兵器ということになろうと思いますけれども、核兵器でございましても、仮に、自衛のための必要最小限度にとどまるものがあるとすれば、それを保有しまたは使用することは、法理上の話でございますが、必ずしも憲法上許されないものではないと解してきております。
 このことについては、例えば、古くは昭和三十九年でございますけれども、当時の林内閣法制局長官が、「戦闘的な目的として、殺傷用あるいは破壊用に核エネルギーを使った武器を使うということそれ自身だけで、直ちに憲法違反となるというものではあるまい。」「防御的なものは憲法違反じゃないということばになってくる」と答えておりますし、また、昭和五十三年四月三日の参議院予算委員会におきまして、当時の真田内閣法制局長官が、「通常兵器であっても自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるものは、その保有を許されないと解される一方、核兵器であっても仮に右の限度の範囲内にとどまるものがあるとすれば、憲法上その保有が許されることになるというのが法解釈論としての当然の論理的帰結であり、」と述べ、また、平成十年六月十七日の参議院予算委員会におきまして、当時の大森内閣法制局長官が「核兵器の使用も我が国を防衛するために必要最小限度のものにとどまるならばそれも可能であるということに論理的にはなろうかと考えます。」と答弁しているところでございます。
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原口一博#16
○原口委員 いろいろな前提を詳しく説明いただきまして、ありがとうございます。それは全部わかっていますので、以後はもう結構です。過去の答弁も全部ここに持っております。
 私はその解釈が、今、外務大臣と議論をさせていただきましたが、昭和三十年当時と今とでは、この核の影響、その後の研究、もう比べ物にならないと思うんですね。私は、憲法が核を保有したという論には立ちません。そういう中で少し議論を、ただ理論上のことについてだけ、もうこれからはお答えください。さっきから申し上げているので。
 そうすると、今、必要最小限ということのお話がございましたが、資料一をごらんになってください。
 これは、安倍総理が自民党の幹事長時代に大事な御質問をなさっています。この必要最小限の意味について、安倍総理が御議論されているんですね。ここには、傍線をいっぱい引っ張っていますけれども、必要最小限というのは量的概念なのかということを「数量的な概念を示しているわけでありまして、」と、一番上の段落のところに書いてあります。
 横畠長官に伺いますが、この必要最小限という概念は、安倍総理がこのときおっしゃっているように、数量的な概念でございますか。
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横畠裕介#17
○横畠政府特別補佐人 必要最小限度という言葉が幾つかの場面で用いられております。一つは、戦力不保持を定めた憲法第九条のもとでの戦力、それに当たらないものとしての、自衛のための必要最小限度の範囲内の実力の保持は禁じられていないという場合の必要最小限度というものでございます。
 このほかに、御指摘の秋山内閣法制局長官の答弁は、集団的自衛権の発動が許されないことについての説明ぶりとして、第一要件を満たしていないからであるということを申し上げたものでございます。
 その際の、質問にございますその数量的という意味についてはちょっとわかりかねるところがございますけれども、法制局の立場といたしましては、いわゆる裁量的、数量的な考え方、判断、別の言い方をすれば、我が国の防衛あるいは我が国の安全のために必要なものは必要な限度で、アナログ的と言ってはあれですけれども、できるところまでできるんだというような、そういう考え方ではなくて、やはり規範性を持った、きっちりした要件を定めて、それに当たる、当たらないということで、武力の行使ができる、できないということを判断する、決めていくという、それが必要であるという考え方でございまして、いわゆる新三要件もそのような考え方に基づいて、憲法上の規範性を維持して、それを具体化したものというふうに理解しております。
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原口一博#18
○原口委員 大事な御答弁ですね。
 つまり、安倍総理がこのときおっしゃっている数量的な概念というのではなくて、英語で言うとコンディションなんだ、要件なんだと。当時、三要件、今の新三要件の前にある、我が国に対する武力攻撃が発生していないにもかかわらず外国のために実力を行使する、こういう要件になってしまうので憲法違反であるということを答弁されて、今も横畠長官が同様の答弁をされたというふうに理解をします。
 そうすると、同じく、我が国には固有の自衛権があり、自衛のための必要最小限の実力を保持することは憲法第九条二項によっても禁止されているわけではない、したがって、核兵器であっても、仮にそのような限度にとどまるものであるとすれば、それを保有することは必ずしも憲法の禁止することではないというのを、今前段でお話しになった。
 同じく、平成二十六年七月一日の閣議決定以前において、我が国は、憲法上、核兵器の使用をできると解されていたか、今度は使用ですね、これはどうでしょうか。
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横畠裕介#19
○横畠政府特別補佐人 先ほどお答えしました昭和三十九年三月九日の参議院予算委員会における当時の林内閣法制局長官の答弁、これも使用についてでございますし、平成十年六月十七日の参議院予算委員会におきます、当時の大森内閣法制局長官の答弁も、使用について答弁したものでございます。
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原口一博#20
○原口委員 今ずっと、平成二十六年七月一日閣議決定、つまり要件が変わる、前のことについて、要件が変わる前も、使用、保有も憲法上、理論上は許されていた。これは、要件が変わった後も、つまり昨年の安保法制成立後も、変わっていないということで認識してよろしいでしょうか。
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横畠裕介#21
○横畠政府特別補佐人 御指摘のとおりでございます。
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原口一博#22
○原口委員 核兵器の性質について、核兵器は通常、甚大な被害を広範囲に与えます。自国領域で使用するということは考えることはできない。攻撃国である他国領域での使用を想定している、こういう理解でよろしいでしょうか。
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横畠裕介#23
○横畠政府特別補佐人 従来から、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと解してきております。
 すなわち、他国において武力を行使するということは、一般的に我が国の防衛のための必要最小限度を超えるということと解しておりまして、個別的自衛権の場合におきましても、誘導弾が多数我が国に飛来する、その発射基地をたたく以外に方法がないというときに他国の発射基地をたたくということも例外的にあり得るという、唯一の例外としてそのようなものを挙げさせてもらっていたわけでございます。
 今般、新三要件のもとで、国際法上は集団的自衛権の行使に当たるようなものも認めることになりましたが、いわゆる集団的自衛権行使一般を認めるものではございません。
 集団的自衛権の行使といいますと、一般の方からしますと、他国を助けるために他国に赴いてそこで戦闘をする、戦うというようなイメージを持たれる方もおられるかと思いますけれども、そのような集団的自衛権を認めたものではございません。
 そこが重要なポイントでございまして、あくまでも我が国と国民の生命、自由及び幸福追求の権利を守るための、我が国防衛のための武力の行使にとどまるということでございまして、言ってみますれば、個別的自衛権の行使でできることを超えること、そのような武力の行使を行うということではございませんし、海外での武力行使が我が国を防衛するための必要最小限度を超えるという考え方そのものは全く変わっていないということでございまして、新三要件のもとで他国に赴いて武力を行使するということは基本的にないということで、これまでも、例外があるじゃないかということでは、いわゆるホルムズ海峡の機雷掃海というのが唯一の考えられる例外ということで御説明させていただいております。
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原口一博#24
○原口委員 法制局長官、私、限られた時間で議論を深めたいと思うので、議論を発散させないでください。
 私が伺っているのは、自国領域では核というのは使いませんねと。もちろん領有権を争った紛争があって、例えばフォークランド紛争とかクリミア紛争であるとか、そういったときに、核の使用が想定されなかったかというと、そうではないかもわからないんです。しかし、一般的に考えると、自国で核兵器を使用するというのはありませんねと。攻撃国である他国領域での使用を想定して、法理論上、憲法は許している、そういう理解でよろしいんでしょうかと聞いているので、聞いたことに直接答えてほしいんです。集団的自衛権について聞いているんじゃないんです。
 他国で核を使用するということは許されますね、法理論上。
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横畠裕介#25
○横畠政府特別補佐人 他国での武力の行使につきましては先ほどお答えしたとおりで、憲法上、我が国を防衛するための必要最小限度を超えるというふうに解しておりまして、まさか核兵器を他国で使うことを憲法が許しているというふうに解しているわけでは、もちろんございません。
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原口一博#26
○原口委員 今皆さんお聞きになって、では、今まで何回も、私が求めてもいないのに、過去の法制局長官の答弁、保有も使用もできると、それと矛盾しませんか。
 平成二十六年の七月一日閣議決定以前においてという、冒頭でそういう前提で御質問したのは、旧三要件では、我が国への直接の武力攻撃があることを第一要件としていたために、今長官がおっしゃったように、原則として他国領域での武力行使は想定されていなかったんです。このことから、憲法上の核兵器の保有はあり得るとしたとしても、自国領域では使用できないという核兵器の性質に照らし、自衛の措置としての核兵器の使用は現実的ではなく、いわば顕在化してこなかった。
 ところが、例外であったにしても、他国における、今、次の質問を先取りしてお答えになりましたけれども、ホルムズ海峡について例外を認めたために、核兵器を使う場面というのはどこなんだろうという議論になってきたわけであります。
 ホルムズ海峡での機雷掃海は、受動的かつ限定的であるため例外として許容されるのであれば、これが答弁だと思うんですけれども、政府の見解だと思うんですが、明らかに核兵器の使用というのはそれを超えているわけで、憲法上許されないと解するのが正しいんじゃないんでしょうか。
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横畠裕介#27
○横畠政府特別補佐人 機雷掃海のために核兵器を使うということは考えられないと思います。
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原口一博#28
○原口委員 機雷掃海のために核兵器を使うなんか言っていませんよ。
 あなた方は、武力行使を、例外を認めたと。一方、先ほどからお答えいただいているように、憲法で核使用というものはできるということであるのであれば、では、それはどこでの核使用を憲法は認めているというんですか。そういう聞き方にしましょう。憲法が認めている核使用は、我が国国内における核使用ですか。
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横畠裕介#29
○横畠政府特別補佐人 このまま議論していると、前提を忘れないように、やはり我が国は非核兵器国でございまして、核は持っていないわけです。現実的に使うという議論をしているわけではもちろんないわけで、あくまでも憲法の法理上どうなのかというところで、全ての核兵器が禁じられていると解しているわけではないのだということを申し上げているわけで、実際に使うことを考えて何か申し上げているわけでは全くございません。
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