厚生労働委員会

2016-11-25 衆議院 全313発言

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会議録情報#0
平成二十八年十一月二十五日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 丹羽 秀樹君
   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君
   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君
   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君
   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君
      あべ 俊子君    青山 周平君
      赤枝 恒雄君    秋葉 賢也君
      江渡 聡徳君    大隈 和英君
      鬼木  誠君    木原 誠二君
      木村 弥生君    小松  裕君
      白須賀貴樹君    新谷 正義君
      田中 英之君    田畑 裕明君
      高橋ひなこ君    武部  新君
      谷川 とむ君    豊田真由子君
      中川 郁子君    長尾  敬君
      丹羽 雄哉君    福山  守君
      星野 剛士君    堀内 詔子君
      村井 英樹君    山下 貴司君
      阿部 知子君    大西 健介君
      岡本 充功君    郡  和子君
      玉木雄一郎君    中島 克仁君
      長妻  昭君    初鹿 明博君
      水戸 将史君    伊佐 進一君
      角田 秀穂君    中野 洋昌君
      高橋千鶴子君    堀内 照文君
      河野 正美君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君
   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       伊原 和人君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    堀江  裕君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  鈴木 俊彦君
   参考人
   (一般社団法人日本経済団体連合会常務理事)    井上  隆君
   参考人
   (特定非営利活動法人ほっとプラス代表理事)    藤田 孝典君
   参考人
   (東京大学名誉教授)   神野 直彦君
   参考人
   (全日本年金者組合大阪府本部書記長)       加納  忠君
   参考人
   (嘉悦大学教授)     高橋 洋一君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
    —————————————
委員の異動
十一月二十五日
 辞任         補欠選任
  田畑 裕明君     武部  新君
  高橋ひなこ君     鬼木  誠君
  村井 英樹君     青山 周平君
  大西 健介君     玉木雄一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     村井 英樹君
  鬼木  誠君     高橋ひなこ君
  武部  新君     星野 剛士君
  玉木雄一郎君     大西 健介君
同日
 辞任         補欠選任
  星野 剛士君     田畑 裕明君
    —————————————
十一月二十五日
 民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律案(木村弥生君外三名提出、第百九十回国会衆法第五三号)
 特別養子縁組の促進等のための児童の養子縁組に関する法律案(田嶋要君外四名提出、第百九十回国会衆法第五六号)
は委員会の許可を得て撤回された。
同月二十四日
 最低保障年金制度の実現に関する請願(小宮山泰子君紹介)(第七五二号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第九一四号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇一九号)
 同(藤野保史君紹介)(第一一二二号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一四二八号)
 さらなる患者負担増計画の中止に関する請願(小宮山泰子君紹介)(第七五三号)
 同(島津幸広君紹介)(第八二三号)
 同(田村貴昭君紹介)(第九〇一号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第九〇二号)
 同(池内さおり君紹介)(第一〇〇八号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一〇〇九号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇一〇号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一〇一一号)
 同(今井雅人君紹介)(第一〇八〇号)
 同(郡和子君紹介)(第一〇八一号)
 同(池内さおり君紹介)(第一二四二号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一二四三号)
 同(枝野幸男君紹介)(第一二四四号)
 同(田嶋要君紹介)(第一二四五号)
 同(泉健太君紹介)(第一四一〇号)
 同(小川淳也君紹介)(第一四一一号)
 同(坂本祐之輔君紹介)(第一四一二号)
 同(清水忠史君紹介)(第一四一三号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一四一四号)
 同(牧義夫君紹介)(第一四一五号)
 安心・安全の医療・介護に関する請願(重徳和彦君紹介)(第七五四号)
 同(本村伸子君紹介)(第七六七号)
 同(島津幸広君紹介)(第八二四号)
 同(中根康浩君紹介)(第八二五号)
 同(近藤昭一君紹介)(第九〇三号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇一三号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一〇一四号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一〇八二号)
 同(池内さおり君紹介)(第一〇八三号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一〇八四号)
 同(大平喜信君紹介)(第一〇八五号)
 同(笠井亮君紹介)(第一〇八六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一〇八七号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一〇八八号)
 同(志位和夫君紹介)(第一〇八九号)
 同(清水忠史君紹介)(第一〇九〇号)
 同(島津幸広君紹介)(第一〇九一号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一〇九二号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇九三号)
 同(畠山和也君紹介)(第一〇九四号)
 同(藤野保史君紹介)(第一〇九五号)
 同(堀内照文君紹介)(第一〇九六号)
 同(真島省三君紹介)(第一〇九七号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一〇九八号)
 同(宮本徹君紹介)(第一〇九九号)
 同(本村伸子君紹介)(第一一〇〇号)
 同(鈴木克昌君紹介)(第一二四六号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一四一六号)
 同(畠山和也君紹介)(第一四一七号)
 子ども医療費無料制度に関する請願(本村伸子君紹介)(第七六六号)
 同(田村貴昭君紹介)(第九一五号)
 同(池内さおり君紹介)(第一〇二〇号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一一二三号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一一二四号)
 同(大平喜信君紹介)(第一一二五号)
 同(笠井亮君紹介)(第一一二六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一一二七号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一一二八号)
 同(志位和夫君紹介)(第一一二九号)
 同(清水忠史君紹介)(第一一三〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一一三一号)
 同(島津幸広君紹介)(第一一三二号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一一三三号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一一三四号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一一三五号)
 同(畠山和也君紹介)(第一一三六号)
 同(藤野保史君紹介)(第一一三七号)
 同(堀内照文君紹介)(第一一三八号)
 同(真島省三君紹介)(第一一三九号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一一四〇号)
 同(宮本徹君紹介)(第一一四一号)
 同(本村伸子君紹介)(第一一四二号)
 子供のための予算を大幅にふやし安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(松野頼久君紹介)(第七六八号)
 同(本村伸子君紹介)(第七六九号)
 同(野間健君紹介)(第八〇三号)
 同(小宮山泰子君紹介)(第八二六号)
 同(島津幸広君紹介)(第八二七号)
 同(大畠章宏君紹介)(第九〇四号)
 同(大平喜信君紹介)(第九〇五号)
 同(近藤昭一君紹介)(第九〇六号)
 同(篠原孝君紹介)(第九〇七号)
 同(牧原秀樹君紹介)(第九〇八号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一〇一五号)
 同(松木けんこう君紹介)(第一〇一六号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一〇一七号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一一〇一号)
 同(池内さおり君紹介)(第一一〇二号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一一〇三号)
 同(大平喜信君紹介)(第一一〇四号)
 同(笠井亮君紹介)(第一一〇五号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一一〇六号)
 同(志位和夫君紹介)(第一一〇七号)
 同(清水忠史君紹介)(第一一〇八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一一〇九号)
 同(島津幸広君紹介)(第一一一〇号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一一一一号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一一一二号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一一一三号)
 同(畠山和也君紹介)(第一一一四号)
 同(藤野保史君紹介)(第一一一五号)
 同(堀内照文君紹介)(第一一一六号)
 同(真島省三君紹介)(第一一一七号)
 同(宮本徹君紹介)(第一一一八号)
 同(本村伸子君紹介)(第一一一九号)
 同(井坂信彦君紹介)(第一二四七号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一二四八号)
 同(奥野総一郎君紹介)(第一二四九号)
 同(田嶋要君紹介)(第一二五〇号)
 同(阿部知子君紹介)(第一四一八号)
 同(小川淳也君紹介)(第一四一九号)
 同(北神圭朗君紹介)(第一四二〇号)
 同(清水忠史君紹介)(第一四二一号)
 同(畠山和也君紹介)(第一四二二号)
 同(宮崎岳志君紹介)(第一四二三号)
 筋痛性脳脊髄炎の診療体制確立と治験の研究促進に関する請願(井上義久君紹介)(第七八一号)
 同(稲津久君紹介)(第七八二号)
 同(浦野靖人君紹介)(第七八三号)
 同(大西健介君紹介)(第七八四号)
 同(金子恵美君紹介)(第七八五号)
 同(金子恭之君紹介)(第七八六号)
 同(木原誠二君紹介)(第七八七号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第七八八号)
 同(左藤章君紹介)(第七八九号)
 同(佐藤茂樹君紹介)(第七九〇号)
 同(重徳和彦君紹介)(第七九一号)
 同(高木美智代君紹介)(第七九二号)
 同(角田秀穂君紹介)(第七九三号)
 同(とかしきなおみ君紹介)(第七九四号)
 同(仲里利信君紹介)(第七九五号)
 同(丹羽雄哉君紹介)(第七九六号)
 同(西村明宏君紹介)(第七九七号)
 同(堀内照文君紹介)(第七九八号)
 同(村岡敏英君紹介)(第七九九号)
 同(山井和則君紹介)(第八〇〇号)
 同(渡辺博道君紹介)(第八〇一号)
 同(荒井聰君紹介)(第八二八号)
 同(井出庸生君紹介)(第八二九号)
 同(今枝宗一郎君紹介)(第八三〇号)
 同(柿沢未途君紹介)(第八三一号)
 同(小宮山泰子君紹介)(第八三二号)
 同(後藤茂之君紹介)(第八三三号)
 同(照屋寛徳君紹介)(第八三四号)
 同(中根康浩君紹介)(第八三五号)
 同(西村智奈美君紹介)(第八三六号)
 同(福田昭夫君紹介)(第八三七号)
 同(船田元君紹介)(第八三八号)
 同(星野剛士君紹介)(第八三九号)
 同(松本文明君紹介)(第八四〇号)
 同(秋葉賢也君紹介)(第九一六号)
 同(岡本充功君紹介)(第九一七号)
 同(上川陽子君紹介)(第九一八号)
 同(小松裕君紹介)(第九一九号)
 同(輿水恵一君紹介)(第九二〇号)
 同(玉城デニー君紹介)(第九二一号)
 同(土井亨君紹介)(第九二二号)
 同(野田聖子君紹介)(第九二三号)
 同(初鹿明博君紹介)(第九二四号)
 同(桝屋敬悟君紹介)(第九二五号)
 同(村井英樹君紹介)(第九二六号)
 同(あべ俊子君紹介)(第一〇二一号)
 同(竹内譲君紹介)(第一〇二二号)
 同(富田茂之君紹介)(第一〇二三号)
 同(御法川信英君紹介)(第一〇二四号)
 同(宮崎政久君紹介)(第一〇二五号)
 同(郡和子君紹介)(第一一四三号)
 同(高鳥修一君紹介)(第一一四四号)
 同(中島克仁君紹介)(第一一四五号)
 同(井坂信彦君紹介)(第一二五四号)
 同(伊佐進一君紹介)(第一二五五号)
 同(今津寛君紹介)(第一二五六号)
 同(高鳥修一君紹介)(第一二五七号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一二五八号)
 同(高橋ひなこ君紹介)(第一二五九号)
 同(阿部知子君紹介)(第一四二九号)
 同(泉健太君紹介)(第一四三〇号)
 同(江田康幸君紹介)(第一四三一号)
 同(木村弥生君紹介)(第一四三二号)
 同(北村誠吾君紹介)(第一四三三号)
 同(笹川博義君紹介)(第一四三四号)
 同(津村啓介君紹介)(第一四三五号)
 同(中谷真一君紹介)(第一四三六号)
 同(長尾敬君紹介)(第一四三七号)
 憲法を生かして安全・安心の医療・介護の実現をすることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第八〇二号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一一四六号)
 現下の雇用失業情勢を踏まえた労働行政体制の拡充・強化を目指すことに関する請願(宮崎岳志君紹介)(第八〇四号)
 同(柚木道義君紹介)(第八〇五号)
 同(近藤昭一君紹介)(第九一〇号)
 同(篠原孝君紹介)(第九一一号)
 同(玉城デニー君紹介)(第九一二号)
 同(初鹿明博君紹介)(第九一三号)
 同(大西健介君紹介)(第一〇一八号)
 同(郡和子君紹介)(第一一二〇号)
 同(吉川元君紹介)(第一一二一号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一二五三号)
 同(阿部知子君紹介)(第一四二四号)
 同(小川淳也君紹介)(第一四二五号)
 同(畠山和也君紹介)(第一四二六号)
 同(堀内照文君紹介)(第一四二七号)
 介護保険制度の見直しに関する請願(初鹿明博君紹介)(第九〇九号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一二五二号)
 ウイルス性肝硬変・肝がん患者の療養支援、B型肝炎ウイルス排除治療薬等の研究・開発促進、肝炎ウイルス検診の推進に関する請願(宮本岳志君紹介)(第一〇一二号)
 新たな患者負担増をやめ、窓口負担の大幅軽減を求めることに関する請願(斉藤和子君紹介)(第一〇七四号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一〇七五号)
 患者窓口負担の大幅軽減に関する請願(宮本岳志君紹介)(第一〇七六号)
 社会保障の連続削減を中止し、充実を求めることに関する請願(池内さおり君紹介)(第一〇七七号)
 同(畠山和也君紹介)(第一四三八号)
 若い人も高齢者も安心できる年金を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一〇七八号)
 同(堀内照文君紹介)(第一〇七九号)
 障害者福祉についての法制度の拡充に関する請願(寺田稔君紹介)(第一二五一号)
 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤改善・大幅増員に関する請願(寺田稔君紹介)(第一三六二号)
 育児・介護休業法の改正、仕事と生活の両立支援のための基盤整備に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一三六三号)
 介護労働者の処遇改善と介護報酬の緊急改定に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三六四号)
 同(池内さおり君紹介)(第一三六五号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一三六六号)
 同(大平喜信君紹介)(第一三六七号)
 同(笠井亮君紹介)(第一三六八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一三六九号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一三七〇号)
 同(志位和夫君紹介)(第一三七一号)
 同(清水忠史君紹介)(第一三七二号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一三七三号)
 同(島津幸広君紹介)(第一三七四号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一三七五号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三七六号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一三七七号)
 同(畠山和也君紹介)(第一三七八号)
 同(藤野保史君紹介)(第一三七九号)
 同(堀内照文君紹介)(第一三八〇号)
 同(真島省三君紹介)(第一三八一号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一三八二号)
 同(宮本徹君紹介)(第一三八三号)
 同(本村伸子君紹介)(第一三八四号)
 健康で文化的な生活ができる生活保護基準に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三八五号)
 同(池内さおり君紹介)(第一三八六号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一三八七号)
 同(大平喜信君紹介)(第一三八八号)
 同(笠井亮君紹介)(第一三八九号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一三九〇号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一三九一号)
 同(志位和夫君紹介)(第一三九二号)
 同(清水忠史君紹介)(第一三九三号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一三九四号)
 同(島津幸広君紹介)(第一三九五号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一三九六号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三九七号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一三九八号)
 同(畠山和也君紹介)(第一三九九号)
 同(藤野保史君紹介)(第一四〇〇号)
 同(堀内照文君紹介)(第一四〇一号)
 同(真島省三君紹介)(第一四〇二号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一四〇三号)
 同(宮本徹君紹介)(第一四〇四号)
 同(本村伸子君紹介)(第一四〇五号)
 国民が安心して暮らせるための社会保障制度の確立等を求めることに関する請願(野間健君紹介)(第一四〇六号)
 社会保障の切り捨て中止に関する請願(斉藤和子君紹介)(第一四〇七号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(寺田稔君紹介)(第一四〇八号)
 年金機構と協会けんぽの業務一元化に関する請願(とかしきなおみ君紹介)(第一四〇九号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百九十回国会閣法第五四号)
 民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律案(木村弥生君外三名提出、第百九十回国会衆法第五三号)及び特別養子縁組の促進等のための児童の養子縁組に関する法律案(田嶋要君外四名提出、第百九十回国会衆法第五六号)の撤回許可に関する件
     ————◇—————
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丹羽秀樹#1
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
 第百九十回国会、内閣提出、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案及びこれに対するとかしきなおみ君外三名提出の修正案を一括して議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案及び修正案審査のため、本日、参考人として一般社団法人日本経済団体連合会常務理事井上隆君、特定非営利活動法人ほっとプラス代表理事藤田孝典君、東京大学名誉教授神野直彦君、全日本年金者組合大阪府本部書記長加納忠君、嘉悦大学教授高橋洋一君の出席を求め、御意見を拝聴したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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丹羽秀樹#2
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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丹羽秀樹#3
○丹羽委員長 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、大変急なお願いにもかかわらず本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えを願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと思います。
 それでは、まず井上参考人にお願いいたします。
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井上隆#4
○井上参考人 経団連で常務理事を務めております井上でございます。
 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
 厚生労働委員会の先生方におかれましては、日ごろより経済界の声に対しまして御理解を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 また、本日は、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案の審議に際しまして、経済界からの意見を開陳させていただく機会を頂戴いたしましたこと、重ねて御礼を申し上げます。
 さて、本法案につきましては、一昨年の財政検証を踏まえ、社会保障審議会における検討の結果を踏まえた内容だと理解をしております。審議会の検討段階におきましても、経済界から種々御意見を申し上げたところでありまして、本日は本法案に賛成の立場から意見を申し述べます。
 まず、私どもが賛成である理由として、大きく二点を申し上げたいと思います。
 第一点目といたしまして、二〇〇四年の制度改正により導入されましたマクロ経済スライドは、長期的な給付と負担の均衡を図る適切な制度と考えておりますが、その後、長らく続きました物価と賃金の低迷によりまして、その発動が十分に機能しなかったことから、制度の持続可能性や将来世代の給付水準の確保に向けた一段の対応が必要であると考えております。そのために、今回の法案によって制度が見直されることが不可欠だと認識しているところでございます。
 また、第二点目といたしまして、女性のさらなる活躍や多様な働き方を推進する必要性、また、社会や労働市場を取り巻く環境が変化をしていく中、この変化に応じまして年金制度も改革を行っていく必要がございます。その観点からも、今回の法案は時宜にかなったものでありまして、非常に重要であると考えております。
 経済界といたしましては、引き続き、デフレの脱却、持続的な成長に向けまして、賃上げのモメンタムの継続や積極的な設備投資、研究開発投資に努めていく所存でございます。それとともに、デフレから脱却を果たすためには、社会保障制度に対する現役世代の将来不安を解消していく必要が急務であります。本法案は、このような観点からも重要であり、経済界といたしましては、ぜひとも早期の成立をお願いする次第でございます。
 あわせまして、高齢者の方々にとりましても、現役世代にとりましても、また社会保障制度全体にとりましても、重要なのは持続的な成長でございます。成長戦略の実現に向けましても、皆様の一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 次に、各論につきまして申し上げます。
 今回の法案の中でも、とりわけ経済界として重要と考えておりますのは、年金額改定ルールの見直しに関してでございます。この点は、将来世代の年金水準を確保するとともに、年金制度の持続可能性を高めるという観点から、必要不可欠な見直しであると考えております。
 御案内のとおり、二〇〇四年の改正に基づきまして、毎年、年金保険料が引き上げられております。現役世代や企業は、賃金や経済が低迷をしていた中におきましても、年金制度の持続性を確保するための負担を着実に行ってきているところでございます。他方、給付に着目をいたしますと、マクロ経済スライドの発動は、平成二十七年度に一度行われたのみでございます。
 このような状況の中、年金制度の基本が世代間の分かち合いであるという基本に立ち返りますと、やはり給付面におきましても、賃金や物価の動向を踏まえた調整が不可欠であると認識をしております。制度の持続可能性確保、将来世代の給付水準の確保に向けまして、今回の法案に盛り込まれました年金額改定ルールの見直しを実現いただきたいと考えております。
 次に、GPIFの組織等の見直しにつきまして申し上げたいと思います。
 申し上げるまでもなく、国民の貴重な財産である年金の積立金を運用するGPIFは、年金制度の安全、効率的な運営を図る上で極めて重要、重大な機能を担っており、国民からの信頼が確保される組織、ガバナンスを確立することが不可欠でございます。
 現在のGPIFでは、この点、理事長に意思決定権限が集約された独任制の形態をとっておりまして、経済や金融に関し高い識見を有する専門家などによる運用委員会がその執行監視を行うこととなっております。
 しかし、私どもといたしましては、理事長の独任制のもとでは、諮問機関的な運用委員会が監視を行うという形式だけでは、国民的な信頼確保という面からも限界があるのではないかという問題意識を持っているところでございます。
 したがいまして、現在の独任制を改め、合議制の機関として経営委員会が意思決定を行うとともに、執行部門の責任、権限を明確化して機能を分離することにより、執行部門の活動を経営委員会が監督する、そういうガバナンス体制とする今回の法案を支持いたしたいと思います。
 新たな経営委員会の構成につきましては、事業主の立場を代表できる委員一名が参画するということとなっておりますので、改正法が成立した暁には、経済界といたしましても、与えられた役割をしっかりと果たしていきたいと考えております。
 なお、今回の法案では、運用のあり方に関しまして検討規定が設けられております。
 これに関しまして、私どもといたしましては、特に株式の自家運用につきましては、これまで慎重な立場から審議会などにおきまして意見を述べてまいりました。社会保障審議会年金部会が本年一月に取りまとめましたGPIF改革に係る議論の整理におきましても、多数意見といたしまして、ガバナンス改革を中心に実施をし、その状況を踏まえつつ運用のあり方を考えることとされたところでございます。
 今般の改正法案では、こうした点も踏まえまして、施行後三年後をめどとした検討規定が置かれたと認識をしております。市場あるいは企業活動への影響を十分に踏まえながら御検討をいただきたいというふうに考えております。
 このほか、今回の法案では、労使合意に基づく被用者保険の適用拡大を可能とすること、また、産前産後期間の国民年金保険料の免除なども盛り込まれておりますが、いずれも、働き方の多様化あるいは女性のさらなる活躍を促進するという観点から、適切かつ有用な措置と考えておるところでございます。
 以上、今般の改正法案につきまして、経済界としての意見を申し上げました。改めまして本法案の早期成立をお願い申し上げまして、私からの意見を終わります。
 ありがとうございました。拍手
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丹羽秀樹#5
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 次に、藤田参考人にお願いいたします。
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藤田孝典#6
○藤田参考人 まず初めに、厚生労働委員の皆様には、市民生活に、福祉の向上推進に御尽力いただきまして、まことにありがとうございます。
 お手元に私の資料をお配りいただいておると思いますけれども、それに従ってきょうは話をさせていただけたらと思っております。
 私は、この法案に対して、反対の立場から意見を申し上げさせていただこうと思っております。
 なぜかといえば、この後、御説明させていただきますが、一つ目は、かなり時期尚早なのではないかということと、なおかつもう一つは、それが国民に十分理解されているのか、十分周知されているのかという点です。
 もう一点は、この後、御説明させていただきますが、かなり今の現状の生活困窮されている高齢者の実態がひどい、相当生活が逼迫されているという状況を申し上げておきたいなというふうに思っております。
 まず、その前提となる話ですけれども、私の自己紹介から始めたいと思いますが、NPO法人ほっとプラスは、埼玉県さいたま市に事務所を構えておりまして、年間五百件、十代から八十代まで、さまざまな方が相談に来られてきています。いわゆる生活困窮者という状況で、日々の生活費に事欠く状態で相談に来ております。そのうち約半数が高齢者ということで、中でも、国民年金が足りない、あるいは今の生活費だと生活がしていけないという状況が次々に寄せられております。ですので、きょうはこの実態について少しお話をさせていただけたらと思っております。
 一枚資料をめくっていただけると、実態が書いてあると思います。
 まず、年金がこのまま、もし景気浮揚等なく減らされていくという状況におかれましては、まず、生活困窮状態にある高齢者がどういうふうな状態に陥っていくのかということです。これはぜひ丁寧に御審議いただけたらありがたいと思っております。
 まず一つ目に、私たちのもとに相談に来られる方たち、病院の受診回数、服薬回数を減らしております。現行の年金制度であると、十分に支給が至っていない方は、なるべく病院に行かないように、日々、本当は受診をしなきゃいけない、そういった回数が規定されていますが、医師の指導に従えない、そういった状況なんかが見られております。
 あるいはもう一つ、介護保険制度も、本当は要介護四のサービスを入れないと普通の生活がしていけないという状態であるんですが、その助成に至っても、年金金額が少ないがために、要介護一分のサービスしか入っていない。現状では、今の年金制度では、このお金が、介護費が捻出できないというようなこともおっしゃられる方が相談に来ております。
 あとは当然、趣味とか楽しみ、社会参加の機会等の抑制をせざるを得ないということで、社会参加の機会が得られにくくなる、外に出ることが難しくなるということは、当然ですが、リハビリ等、歩くこととか外出することが、外出できないということは健康状態等を悪化させるということにつながっていきますので、今後の医療費、介護費の増大につながっていくんじゃないかということが懸念されます。
 あとは、所得に応じた健康格差の拡大ということを指摘しておりますけれども、ほかの、私以外の多くの研究者の方たちも、低所得にある高齢者の人たちがいかに健康を害しているのかという調査も既に多く出されております。この間、低所得高齢者の男性は、ほかの男性と比べても、うつ症状が七倍くらいに見られている、広がっているんだというような、そういった指摘もなされております。
 これらを見る限りは、たかが数千円、あるいは数万円という月々の生活費が減らされるという状況において、その金額だけを見るとわずかなものだと思われがちだと思いますが、この効果は非常に大きいということです。ですので、現行の年金制度でほとんど生活ができないという声を聞きながら、ぜひ先行投資的に、この高齢者の人たちにお金を出す意義、将来の介護費負担、健康についても考えながら、支給基準を検討いただけたらありがたいなと思っております。
 残念ながら、今の状態で年金制度改革がされてしまうと、若者へのツケをしないためにということで検討がなされていると思いますが、現在の高齢者を取り巻く家族が、さらに負担は増していくんじゃないかということが非常に危惧されているところです。
 なおかつ、現状の高齢者の生活におかれましては、この下に書いておりますが、高齢者の貧困率が非常に高い状況です。六十五歳以上の高齢者で一八%の相対的貧困率を示しております。
 これは国が認めているもので、大体、ひとり暮らしだと百二十二万円、二人暮らしだと百七十万円、これは年間の所得になりますけれども、そのあたりの所得以下で暮らしている高齢者の方が一八%、ひとり暮らしの方においては四割から五割を占めるというような、非常に高い数字が上がっております。要するに、現行の年金制度がほとんど生活保障の役割を担えていない、この金額だと生活がしていけないという状況にある高齢者が非常に多いという状況です。
 この水準ではかると、現行においては、少なく見積もって、控え目に見積もっても、約七百万人の高齢者の方が生活保護基準相当か、それ以下で暮らされているという状況にあります。立命館大学の唐鎌先生は約九百万人という指標を出していますけれども、同様に、もう少し多いのではないかというくらい、今の高齢者の年金水準は低いということが、これが研究のスタンダードかなというふうに思っております。
 私は昨年、「下流老人」という本を出版させていただきながら、その本で実情を、さすがにこれは厳しいだろうということで警鐘を鳴らしております。それが、もう一枚めくっていただいた後、括弧一、括弧二と書いている、高齢者の実情を明らかにさせていただきました。
 例えば、相談に来られた、飲食店にずっと勤めてこられた男性は、今現在、厚生年金月額九万円で暮らされています。例えば、この方がどういうふうな生活になっていくのかということも御検討いただきたいなと思っているんですが、七十六歳の男性、埼玉県在住です。平屋で民間賃貸住宅に五万円を払いながら暮らしているという方です。この方は、年金が足りないがために、春は野草を食べながら暮らしているという状況で相談に来られています。先進国日本において、年金水準が低くて、もう自前で野草を食べなければ生きていけないというような高齢者が現に発生しているという状況です。
 この方、一時期は主食を野草にしていた、それを食べて暮らすんだ、ヨモギとかフキノトウ、ツクシなんかもとっていたな、野草には救われた、それがなかったら餓死していたかもしれないと思うときもある、恥ずかしいけれどもホームレス専用の炊き出しにも並んだこともあった。
 ホームレスの方に対して支援をするという炊き出しは、当然、年金受給者、家を持っているという方は対象としていません。でも、そこに並ばざるを得ないという高齢者が実態としては出てきているという現状があります。
 二つ目に、うつ病の看病をしながら三人で暮らす御夫婦の事例です。この方は、月額年金十七万円の厚生年金を受給されております。七十七歳男性、七十四歳の奥さん、四十八歳の長女の三人暮らしです。金型工で長いこと町工場で働いてきたという男性です。一般的な中小零細企業で働いてきた、そんな男性の御家族になります。
 この方も、娘さんの治療費、医療費等を払いながら暮らしているので、月額二十六万円の出費があるという状況で暮らしております。自宅を売却しながら、その資金を得ながら生活をしているという状況になるわけなんですが、年金だけが生活の命綱なんだということを語っております。なのに年金は上がらないし、下がる一方なんだ、そこに働けない娘もいる、十七万円ではとても暮らしていけない、夫婦二人では、健康なうちは何とかなるけれども、どちらかが病気になったらおしまいなんだということを言っております。出費があり、貯金もできない暮らしが続いているということも相談の中で語っている方です。
 ほかにも、こういった相談は枚挙にいとまがない状況で、日々、毎日のようにメール、電話、来所されてこられる状況にあります。
 ほかにも、七十代の御夫婦は、国民年金二人で九万円です。それでは足りないので、夫、男性の方が新聞配達で働きながら何とか生活をやりくりしている。本当は仕事をしない方がいいんだけれども、医師にとめられているんだけれども、働かないと暮らしが成り立たないという状況にもあります。
 あとは、六十代の男性なんかは、厚生年金の金額が十万円に満たないという金額ですので、もうそれだけでは生活していけない。ですので、窃盗、強盗未遂等にならざるを得ない状況で、弁護士さんと一緒にかかわるという事例なんかも既に、これも数件というレベルではなくて、数十件というレベルで発生しているという状況にあります。
 年金金額がわずかでも減らされるということは生活を相当圧迫するということで、それが犯罪であるとか自殺であるとか、そういったものを招きかねないということを思っておりますので、ぜひ、この点も考慮いただきながら検討いただけたらと思っております。
 もう一枚めくっていただくと、だから、年金が足りないので働かざるを得ないという高齢者がこの間ずっと急増しているという状況です。本当は、仕事をせずに年金をもらいながら、仕事の件数を減らしたい、回数を減らしたいということをおっしゃる方も多いんですけれども、残念ながら、そういった状況になっていないということが多いかなと思っております。
 この状態になると、先ほどもお話ししましたが、私たちのもとには、自殺を考えている、一家心中を考えている、あるいは介護殺人を考えているというような声が既に数多く呼びかけられて、出されています。これは、六十代以上の方の自殺率あるいは自殺の件数が非常に高いということを考えてみていただければ、この改正がどんな影響を及ぼすかを、もう一度検討いただけたらありがたいなと思っております。
 最終的には生活保護を受ければいいじゃないかという話になると思いますけれども、現在では、生活保護はほとんど機能していないと言っていいかなというのが現場の感覚です。
 これは、もう一枚めくっていただけると、約七百万人の貧困状態にある高齢者のうち、現行で生活保護を受給できている方は約百万人程度に及んでいます。ですので、まだ六百万人程度は、本来生活保護は受けられるんだけれども、受けられていないという状況です。それは、生活保護を受けると恥ずかしい、あるいはさまざまなスティグマを伴う問題があって、せっかく年金を掛けてきたのに、生活保護を受けると苦しい、生活制限があるんじゃないか、さまざまな問題があって、まだ受けられていないという状況もあります。
 年金が少ないということであれば、本来、生活保護を支給すべきなんですが、残念ながら、これくらい低い捕捉率であれば生活保護という選択肢が出てきませんので、当然、死を考えるという方も出てくるだろうということを思っております。
 年間、私たちのもとに五百件相談がありますが、そのうちのほとんどの方は生活保護を選択肢の中に入れていないという状況です。これ以上年金が減るということが万が一あるのであれば、生活保護を当然支給していかないといけないはずですけれども、生活保護が十分機能していない現状においては、かなり生活が逼迫される、その後、何が起こるかということは容易に想像がつくところかなというふうに思っております。
 さらに、今の生活保護受給者の方の内訳を見ると、この表に書いてありますが、多くの方が、約半数の方が、生活保護を受けている方のうち、年金を受給されている方です。年金を受給しているんだけれども、年金が足りないから生活保護を、現行、半分の方が受けているという状況にあります。ですので、さらにこれは年金が減っていくと、生活保護になだれ込んでいくという現象が起きますので、生活保護受給者をふやすことが、本当にそれでいいのかということも、あわせて検討いただけたらと思っております。
 あとは、一番下に書いておりますけれども、年金がもしカットされるということが、これが現状よりも下がっていくということがあるのであれば、少なくとも今の高齢者の支出を抑制する、支出を削減するという政策を入れていかない限りは、厳しい生活がさらに追い打ちをかけるだろうというふうに思っております。
 現行においては、非常に高い医療費、介護費、負担を求めております。なおかつ、住宅費の負担が非常に重たい国の一つです。特に、低所得であればあるほど民間賃貸住宅にお住まいであって、そのうちの家賃がかなり高くなってきているという状況にありますので、この家賃負担を下げるということであるとか、租税、保険料を下げるということであるとか、地方においては軽自動車の保有とか維持に随分負担が重たくなってきておりますので、さまざま、電気、ガス、水道、その他、必要な費用の支出削減をするような政策の導入を検討いただけたらありがたいなと思っております。
 最後になりますが、一番下に書いておりますとおり、いずれにしても、この年金法案は、人々の、特に高齢者と、その取り巻く家族について、命とか暮らしに重大な影響がある法案です。これについては、非常に時間をかけて丁寧な審議をいただきたいということを思っております。なおかつ、今この審議自体が国民に幅広く共有されているとは到底思えませんので、これについても丁寧に説明いただきたいと思っております。
 私からは以上です。どうもありがとうございました。拍手
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丹羽秀樹#7
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 次に、神野参考人にお願いいたします。
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神野直彦#8
○神野参考人 神野でございます。
 私のような者をこの場にお招きいただきましたことに、厚生労働委員会の皆様方に深く感謝を申し上げる次第でございます。
 とはいえ、私は網膜剥離を患っておりまして、手術でどうにか失明をもたせているという状態です。それで、目が思うように機能いたしませんので、きょうの発表でも失礼があるやと思いますので、その点、何とぞ御寛容いただければと思います。また、私、おとといまでずっと長野の方で調査活動等々やっておりまして、準備も十分にできておりません。この点もお許しいただければと思います。
 私は一介の財政学者にしかすぎませんが、社会保障制度審議会の年金部会長を仰せつかっております。そこで、本日は、年金部会での議論を、これは私の責任においてでございますが、御紹介させていただきながら、この法案の意義について意見を陳述させていただければというふうに考えております。
 結論を先に申し上げておきますと、年金部会長という立場、視座から今回の法案を眺めさせていただきますと、年金部会での議論を尊重していただいて、反映していただいているということが理解でき、国会におかれましても生産的な議論の上に成立を実現させていただくことを望みたいというふうに思っております。
 それで、この法案の内容についてでございますが、お手元に私の簡単なメモ、骨子をお配りしているかと思います。二番目に書いてあります「改正案の概要」というところですね。五項目にまとめられております。短時間労働者の被用者保険の適用拡大の促進、国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料免除、それから年金額の改定ルールの見直し等々、五項目にまとめております。
 この内容につきまして、ごらんいただければおわかりいただけますように、この法案は大きく二つの内容から成り立っております。一つは、年金制度にかかわる内容ですし、もう一つは、GPIFの改革にかかわる内容でございます。
 年金制度の改革にかかわる、重点が置かれている年金制度の改正に焦点を絞りながら、年金部会でも共有している、恐らくこの改正法案もそれを目指していると思いますが、目的を示しておきますと、三つあるというふうに考えられると思います。制度の持続可能性の確保、将来世代の給付水準の確保、それから社会経済情勢の変化に対応した保障機能の、セーフティーネット機能の強化というこの三点にあるかというふうに考えております。
 この意義を考える上で、どうしても触れておかなければならない前提があります。それは、もう釈迦に説法かと思いますけれども、この改正の意義を考える上で、二〇〇四年の、つまりそれまでと発想を全く逆転させた年金改革について指摘しておく必要があるかと思います。
 それまでの年金は、御存じのとおり、給付水準を先に決めた上で社会保険料率を決定する、こういうやり方だったわけですね。ところが、これを二〇〇四年の改革でもって逆転させまして、社会保険料の水準を固定化しておいて、給付水準の方を調整するという仕組みに切りかえたわけですね。
 これは、どうしてこういうことをやったのか。御案内のとおり、少子高齢化が急速に進行している中で、常に負担が上がっていくというような、つまり将来世代に過剰な負担を強いていくようなことをどうにかクリアできないかということを目的にしながら、この給付水準を調整する仕組みとしてマクロ経済スライドを入れているわけですね。つまり、賃金再評価や物価スライドに対して一定の調整を行うマクロ経済スライドの導入をしたということになるわけでございます。
 この改革の目的を考えていく上で、そういう改革が行われたということを受けて、言うまでもございません、社会保障・税一体改革、それから国民会議での議論を経て、二〇一三年、つまり平成二十五年十二月に社会保障改革プログラム法が成立いたします。
 この意義は、このプログラム法で、先ほど言いました、平成十六年の、逆転の発想で改革した年金制度の基本的なフレームが完成したというふうに考えていいだろうと思います。かつ、その上で、このプログラム法は、四つの検討課題を明記しております。それは、マクロ経済スライドの見直し、それから短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、高齢期の就労と年金受給のあり方、高所得者の年金給付の見直し、この四つの課題が必要だということを提起しているわけですね。これが、今回の課題に結びついていて、今回の改革の重要な導き星になっているというふうに考えています。
 それと同時に、平成二十六年の財政検証では、負担を固定化しておいて給付の方を調整していくということで、五年ごとの財政検証が行われるわけですけれども、こうした国民会議や社会保障改革プログラム法で指摘された四つの課題に対応するために、新たな試みとして、制度改革の実施を仮定したオプション試算をやっております。
 この結果でございますけれども、五年ごとに行われる財政検証で、次の検証までに所得代替率が五〇%を下回る可能性がない、つまり差し当たっての改革は必要がないということが確認されると同時に、日本経済の再生と労働市場への参加が進めば、将来的に所得代替率五〇%は確保可能だということが確認されております。
 ただ一方で、平成十六年、平成二十一年当時の想定よりも、基礎年金のマクロ経済スライドの調整期間が延びておりますので、また将来の基礎年金の水準が相対的に大きく低下してしまうという問題が明らかにされました。
 年金部会では、今申し上げましたように、国民会議及び社会保障プログラム法などで提起された検討課題や財政検証を念頭に置きながら、今回行うべき改革の課題を共有いたしました。それが、お手元の骨子の三番目に書いてある事柄ですね。将来世代の給付水準の確保への配慮、被用者保険の適用拡大、基礎年金の水準低下への対応、それから国民の合意の形成とスピード感を持った制度改革の実施、こういうふうな検討課題を共有した上で、その具体的なまとめをいたしまして、議論の整理をいたしました。
 その整理、これは全部、私どもが報告している報告書の分野別項目を列挙したものでございますが、そこの七項目に整理できますが、これを提起いたしました。もちろんさまざまな課題を提起しておりますけれども、このうち早急に対応しなければならないような課題については、今回の法案で道筋がもうつけられている、こういうふうに認識をいたしております。
 もう一つのGPIFの方の改革でございますが、このGPIFの改革については、年金制度の信頼を高める上で、しっかりした組織改革をしていく必要があるということについては、年金部会で共有した認識として合意されているというふうに理解しております。
 GPIFは、発足してから十年足らずでございますけれども、市場環境は一層高度に複雑化している中で、百四十兆円という巨大な積立金を運用する世界最大の機関投資家になっているわけですね。そうした事実を踏まえながら、つまり、年金制度改革とそういう世界最大の機関投資家になっているということをにらみながら、組織的な改革が必要かというふうに考えている次第でございます。
 このGPIFにかかわる議論の整理についても、年金部会の方では、さらなるガバナンス体制の強化、これは合議制の機関の設置とか、運用の見直し、株式のインハウス運用とかオルタナティブとか、いろいろございますが、多くの方が合意していただいたのは、改革の進め方については、いろいろな議論があるとしても、当面は、ガバナンス改革を中心に実施して、運用については、早急に手当てが必要なデリバティブの規制緩和やコール市場の活用を行うということにとどめた方がいい、これも一致しているところでございます。
 今回のGPIFの改革法案を見させていただくと、このような年金部会の議論を踏まえて必要な改革が盛り込まれているということで、これも支持させていただきたいというふうに思っております。
 私は、これは個人的な意見でございますが、世界各国が年金制度に苦しんでいます。それは条件は三つあると思いますね。
 一つは、黄金の三十年と言われた第二次世界大戦後の経済成長がいずれの国でも失速して、賃金、まあ経済成長と言ってもいいかもしれませんが、その上昇がとまり、停滞しているという事実ですね。
 もう一つは、先進諸国の人口構成。つまり、少子高齢化という言葉で語られる、人口構造が大きく変化した、これが二番目です。
 もう一つ私が強調しておきたいのは、この年金制度の本質は、人間は、家族内での連帯でもって命の鎖をつないでいるんです。働ける世代が、子供たちを養うと同時に、労働能力を失った人を養うことによって私たちの人類の命の鎖はつながれているわけですね。この機能が弱まったときに、社会化するといったのが年金のはずです。つまり年金は家族内における世代間連帯を社会化したものだ。この事実を国民が認識しないと、年金制度そのものは揺らいでいくというふうに思います。
 私は、この年金法案の審議あるいは国民的な議論を通じて、ぜひとも、国民が、国民の誰もが誰もに対して不幸にならないということを願い、国民の誰もが誰もに対して幸福になってほしいというふうに願い合っているんだという確信が醸成されていくことを望んでいる次第でございます。拍手
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丹羽秀樹#9
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 次に、加納参考人にお願いいたします。
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加納忠#10
○加納参考人 私は、全日本年金者組合大阪府本部で書記長を務めております加納でございます。
 年金者組合は、年金受給者を中心に、全国で高齢者が人間らしく暮らせる町づくりや、年金制度を初めとした社会保障の充実を求める運動をしている任意団体であります。
 私たちは、国民年金法等の一部を改正する法律案の、特に年金額の改定ルールの見直し、すなわち、一つには、マクロ経済スライドの前年度までの未調整分を含めて調整する案、及び、賃金変動が物価変動を下回る場合、賃金変動に合わせて年金額を改定する考えを徹底する案、これについて強い懸念を持って反対をしております。この法案に反対をする立場から意見を述べていきたいと思っております。
 この案は、年金制度維持に必要とされる費用総額を抑制することを前提に、つまるところ、公的年金の給付水準を順次引き下げ、年金の支払い総額を大きく抑制して、制度維持の可能性の向上を図るというものにしかすぎないと思います。ここには、退職した年金受給者や障害年金を受けておられる方たちの健康で文化的な最低限度の生活を営む権利をどう確保するか、さらに、社会保障としての公的年金の向上及び増進にどう努めるのかの視点がほとんどないと言わざるを得ないと思います。年金制度後退を回避する方策を全く検討しないで、ひたすら年金引き下げを進めるものとなっていると思っています。
 高齢者や障害者の扶養の問題は、高齢者自身、また、その家族の自己責任を基本とするのではなく、社会的扶養を基本として解決することが現実的であり、合理的であると思っています。日本における公的年金を含めた社会保障財源の根本的な問題点は、本来負担すべきものがその責任を十分果たしていないというところにあると思います。国家の税制度と予算配分を通じた合理的な所得再分配機能が十分発揮されておりません。三百十兆円を超す内部留保を持つ資本十億円以上の大企業五千数社を中心とした資本の側の社会的責任は十分果たされていないと思います。このことが問われなければならないと思います。これは、今格差、貧困の拡大が大きな問題になっている、この背景と同様の構図があるのではないかと思っております。
 さて、きょうは、年金受給者の置かれている状況とその思いを私たちの運動の中から御報告申し上げたいと思っています。
 年金者組合の運動の中で、平成二十五年十月からの一%年金減額措置及び平成二十七年、昨年四月から実施されましたマクロ経済スライド年金減額に対し、今現在、全国で四千六百三十六人以上の原告による年金引き下げ違憲訴訟運動が起こっております。
 大阪府本部に寄せられたこの年金減額に対する年金受給者の切実な訴えの一端を御紹介してみたいと思います。
 これは、大阪市在住の、仮名ではありますが、松本さんの訴えです。
 昭和十三年八月生まれ、七十八歳です。長崎の製鋼所に働く一家の長男として出生しました。一歳のとき、ポリオ、小児麻痺にかかり、突然全く歩行できない両下肢麻痺の重度障害の状態となり、現在に至っています。
 小学校を含め、障害を理由に一切学校に入学できませんでした。三歳下の弟の通学かばんの中の教科書を見て、字を読めるようになりたいと思い、父や弟に平仮名の読み方を教えてもらって、教科書を何回も読み返し、何とか本も読めるようになりました。しかし、算数などは全くわからず、九九も知らないまま過ごして大人になりました。
 昭和二十五年、十二歳のとき、父は、勤めていた製鋼所を整理解雇され失業しました。失業と同時に父は体調を崩し、就業と失業を繰り返すという苦しい生活でした。車椅子もありませんでしたので、いつも家の中だけの生活で、雑誌などを読んで過ごす少年時代でした。今思えば、就学免除とされ、憲法二十六条に書かれている教育を受ける権利を剥奪されていたのであります。
 十七歳ごろ、小倉市に家族とともに転居。市が車椅子を支給してくれて、初めて車椅子に乗りました。知り合いに連れられて映画館に行き、西部劇を見ましたが、字幕が全く見えず、ひどい近視だということがわかったということもありました。
 十九歳のとき、小倉市の障害者職業訓練所に入り、印鑑づくりを習いました。その後、小倉市内の小さな印鑑店にやっとのことで就職できました。
 昭和三十四年十一月から国民年金の障害福祉年金が支給されるようになり、昭和三十五年三月に初めて障害年金を受け取りました。障害一級で、その当時、月額千五百円でした。早速、眼鏡を買うことができ、こんなにも世界が鮮明なのかと感激したことを覚えています。心から、年金制度は私たちにとって大切なものだと思いました。
 二十六歳のとき、単身で大阪に出て、吹田市の印鑑店に就職、約十年勤めた後、昭和四十九年、三十六歳で独立、借家の自宅で下請の仕事の印鑑店を持ちました。やっていけるのだろうかと大変不安でしたが、徐々に得意先もふえ、何とか自立した生活ができました。重度障害の私がどうにか生活できたのも、仕事があり、障害基礎年金があったからこそです。
 しかし、日本の少なくない障害者は、不当に厳しい受給要件や、制度を知らないために無年金のまま放置されている方がたくさんおられます。年金を受給していても、一級、二級の重度障害のほとんどは就業できず、生活費の全てを低水準の障害年金に頼らざるを得ず、自立した生活を送れないでいます。まさに社会保障は、人間が人間らしく自立して生きるための前提として機能しなければだめだと思います。
 体力も衰えてきたので、平成十二年、六十二歳で吹田市の店を閉じ、大阪市内の府営住宅に転居しました。同時に結婚し、現在、妻と二人暮らしです。収入は、私の障害基礎年金月額八万一千円余り、妻の老齢厚生年金、老齢基礎年金合計月額八万五千円余り、二人足して月十六万六千円のみです。
 妻は、厚生年金に入れない非正規の勤務時間が非常に長かったので、老齢年金額はわずかです。家賃や光熱費、また介護保険料や後期高齢者医療保険料、その他生活必需品などを支払うと、多くは残りません。私たちは自営業だったので退職金はなく、貯蓄も余りできませんでした。将来のために貯蓄をしなければと切り詰めて生活をしています。ほとんど旅行もしたことはありません。二人で生活をしているので何とか生活をできますが、二人とも後期高齢者で将来のことが不安です。片一方が亡くなれば、たちまち大変な事態になると思っています。
 平成二十五年十月から二・五%の年金削減をされました。私たちのように低年金者にも一律の削減に怒りを持っていましたが、昨年四月にマクロ経済スライドが実施され、今審議されている年金法案では、今後の年金減額のスピードが増すと聞いています。本当に許せません。
 私は、みずからの人生を振り返って強く思うことは、少年時代は就学免除で教育を受ける権利を奪われ、高齢になり、いよいよ障害基礎年金だけで暮らしていくことになった今、憲法二十五条で保障されているはずの健康で文化的に生きる生存権を奪われているということであります。
 最低保障もない、ほとんどお小遣い年金のようなひどい年金制度を若い世代に残すわけにはいきません。私は、これから生まれてくる人も含めて、全ての人が人間らしく生きる権利を守るため、マクロ経済スライド違憲訴訟の原告となりました。
 こういうお話でございます。これはまさに個人の自己責任の問題として放置することができるでしょうか。
 もうお一人、七十二歳の女性、山本さん、これも仮名でございますが、年金について簡単に御紹介したいと思います。
 この方の年金額につきましては、資料としてお手元に届けておりますが、高校を卒業し、大企業の紡績会社に就職、十八歳から六十歳定年まで四十一年間、厚生年金を掛けてこられました。この方の年金額は、何と月額十三万六千円です。お手元に年金記録の資料をつけております。ぜひ見ていただきたいと思います。
 四百九十三月、四十一年の年金加入でこの年金額に山本さんは衝撃を受けたと述べています。女性の賃金の低さが直接年金額に反映しているわけであります。さらに、年金制度の仕組み、日本の年金制度の水準の低さ、四十年も掛けてこの水準、十五年、二十年の方はいかがなものか、すぐ想像つくことだと思います。
 現在七十二歳、年々ふえる国民健康保険料、介護保険料など公租公課の天引きで生活はどんどん余裕がなくなっていくとおっしゃっています。高齢者の年金は高過ぎるは、全くの見当外れであります。
 このような年金受給者の厳しい状況は、今の年金受給者だけの問題ではなく、現役世代、若者にとってこそさらに深刻、切実な問題であります。持続可能であっても、もしこのような年金制度を残されたら、現役世代こそいい迷惑ということではないでしょうか。
 最大の問題は、日本には最低保障年金制度が確立していないということであります。
 国連人権規約委員会は、既に二度にわたって日本政府に、最低保障年金制度をつくるべきと総括所見で勧告をしております。この部分をお手元に資料としてお配りしております。
 スウェーデンでは、一九九〇年代後半、年金制度改革が議論され、年金水準の一定の見直しがされましたが、それでも、低所得者、無所得者であった者には、最低保障の年金により、最低生活保障の、ナショナルミニマムを保障する仕組みがあります。日本は、ナショナルミニマムを保障する最低保障年金制度もつくらず、一切の考慮もなく一律に年金削減を続けるなど、余りにもひどい年金制度となっていると思います。
 まさに今、最低保障年金制度の確立を初めとした年金制度の改善こそ、今、国会でも審議され、それが実現するべきことではないかと訴えて、私の陳述とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。拍手
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丹羽秀樹#11
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 次に、高橋参考人にお願いいたします。
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高橋洋一#12
○高橋参考人 高橋洋一でございます。
 本日は、こういう機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案について、賛成でございます。その立場で陳述をさせていただきます。
 私は、経済学者と言われているんですが、実は数量分析家でありまして、たまたま経済とか財政なんかを数量分析するというので今までやってきました。
 その中で、バランスシートアプローチというのを年金に対して導入するという話をずっと前からやっておりまして、そういう立場からいいますと、世代間のバランスシートというのを見ますと、過去の年金改正では、世代間の格差を広げたものもありました。ただ、マクロ経済スライドというものは、年金財政の安定性を向上させるためには極めて有効な手段であるというふうに私は思っておりまして、そうした世代間の格差の拡大を少しでも食いとめるための措置というふうに理解しておりました。
 この法案ですけれども、現在の高齢者の給付を削減し、将来の高齢者の年金を確保しようという試みでありますので、その意味で、年金の持続可能性という観点からは評価に値すると思います。
 問題は、これまでデフレが続いていて、マクロ経済スライドをまともに行ってこなかったことです。過去二十何年間、ずっとデフレでございますけれども、マクロ経済スライドが導入されたのは二〇〇〇年以降です、二〇〇六年以降だと思いますけれども、ほとんどまともに発動されてこなかったというのが問題です。デフレだからマクロ経済スライドが発動できないという何か本末転倒の話で、それにもかかわらずデフレを放置していたというのは大問題であるというふうに思っております。
 そもそも、デフレというのは経済運営が極めて困難になります。例えば、財政再建というのが問題になるんですけれども、これは、実は名目経済成長率が高くないと、ほぼできません。こういうのは、一九六〇年代からOECDのいろいろな加盟国の研究がありまして、財政再建に成功した国、しなかった国とあるんですけれども、そういうのを調べますと、実は、名目経済成長率が高くなった方は成長しておりますけれども、高くないとほとんど失敗です。
 日本にもそういう例がありまして、私自身は実は公務員をしておりましたけれども、第一次安倍政権と小泉政権のときにいましたけれども、このときは経済成長していますので、財政再建はほぼできております。今の安倍政権でも同じような傾向だと思います。
 これを見ますと、プライマリーバランス、基礎的財政収支というのは何で決まってくるかというのが結構簡単にわかりまして、一年前の名目経済成長率で九割決まります。これは別に日本だけの話ではなくて、どこの国でも一緒です。
 ですから、財政再建というのを仮にやろうとすると、実は、名目経済成長率を高めれば、後からついてくるという形です。
 デフレ脱却というのは、実は金融政策なんです。ここの理解が従来の政権は余りなかったと思いますが、今の安倍政権はかなりあると思うので、その意味では、ましであります。ただし、二〇一四年の四月の消費増税はデフレ脱却においては失敗でありましたので、そこは残念だったと思います。
 これから少子高齢化という話で、年金の財源問題というのはそれなりの問題であるというふうに思います。
 例えば、この委員会で、議事録を拝見させていただきますと、国民年金の未納とか、厚生年金の加入要件を満たすにもかかわらず加入していないという加入逃れの問題を解消するのが重要だったというふうに思います。まずは、納めるべき社会保険料なのに納められていない、徴収すべき保険料が徴収されていないところをしっかりと集める必要があると思います。
 あわせて、行政改革という観点も必要だと思います。
 政府が進めておられる社会保障と税の一体改革においても、税と社会保障というのは性格が違うということ、あと、公務員である国税庁と非公務員である独法の年金機構は違うとか、こういう議論がありますけれども、社会保険料と税というのは、基本的には一体、同じようなものです、両方とも税金の性格がありますので。
 その意味では、世界的な潮流というのが実は、税と社会保障を一体にする、社会保障と税の一体改革というんですけれども、本当は徴収の方を一体にするというのが世界の流れでありますので、そういう歳入庁の検討というのをぜひ進められるべきであるというふうに思っています。
 例えば、国税庁が把握している法人の数と年金機構の把握している法人の数は全く違いまして、数十万件もずれております。そのため、捕捉率が全く違いまして、労働者から天引きされる社会保険料が年金機構に行っていないという可能性はかなりあります。そういうことを推計しますと、多分、社会保険料の徴収漏れが少なく見ても数兆円あると思います。これはいろいろな計算がいろいろな国会でも行われておりましたけれども、ありますね。
 一方で、歳入庁というのは、国民にとっては、納税と保険料、一緒にできるという意味で、行革的には極めて効率的な組織です。
 海外でも、アメリカ、カナダ、アイルランド、イギリス、オランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、アイスランド、ノルウェーというのは基本的に歳入庁で、税と社会保険料は同じで、一元徴収であります。東ヨーロッパの国は、最近はほとんどの国がそういうふうな形で歳入庁というパターンになっております。
 ただ、この歳入庁の創設というのは、霞が関官僚には極めて評判が悪いようです。私もかつて首相官邸におりましたけれども、わかりますが、例えば、国税庁というのは財務省の植民地になっておりまして、国税権力というのを財務省がなかなか手放さない。私の経験でも、第一次安倍政権のときに実はこの歳入庁の話をやりましたけれども、猛烈な抵抗がありました。
 次に、財源の話をします。
 社会保険料とか社会保障の抜本改革というのは、そもそも消費税をどのように位置づけるかという話と密接にかかわってきますが、この消費税の位置づけについて、今の一体改革は間違っていると私は思っております。消費税を社会保障目的税とするというんですけれども、そうした国は多分ないと思います。
 社会保障は、要するに、助け合いの精神で、所得再分配でありまして、国民の理解というのが必要であるんですけれども、日本も含めて大体は、負担と給付の関係が明確な社会保険方式であります。
 社会保険方式でありますと、実は、保険原理から、保険料で払うというのが普通です。ただし、保険料を払えない人がいる。保険料を払えない人については、実は、多くの国は、所得税の累進課税の部分から持ってくる。これは社会保障が所得再分配であるということから出てきます。そうしますと、基本的には、保険料プラス累進課税という形が普通であります。日本のように、社会保険方式といいながら巨額な税金を投入するというのは、私は余り知りません。
 消費税の社会保障目的税というのは、実は、社会保障を保険方式で運用するという世界の流れと極めて逆行する話であるということは、もう一回強調しておきたいと思います。
 社会保障の目的税に消費税を充てて社会保障目的税というのが間違いという私の言った意見は、実は一九九〇年代までは大蔵省の主張でもありました。たしかこれは、二〇〇〇年のちょっと前に、政治的に、自自公連立のときに、当時の自由党の幹部の人に大蔵省が働きかけて、社会保障に消費税を使うというのを予算総則に書いたというふうに私は記憶しております。
 なお、そのときに同時に出た政府の税制の答申、政府税制調査会の答申では、「諸外国においても消費税等を目的税としている例は見当たらない」という記述があります。
 こう考えますと、実は、消費税をどうやって位置づけるかといいますと、これは社会保障目的税ではなくて地方税とすべきというのが普通に出てきます。消費税は一般財源なんですけれども、国が取るか、地方が取るかという問題になるんですが、実は、地方分権が進んだ国では、国ではなく地方の財源とみなせるという例も多いのです。これは、国と地方の税金の配分理論、国は応能税、個人の能力に応じて払う税、それとあと、地方は応益税、各人の便益に応じて払う税という税理論にも合致する話であります。
 こういう話をしますと、ヨーロッパの国は消費税が多いんじゃないかというんですけれども、ヨーロッパの国は一つの国の規模が小さくて、GDPで見ても、日本は欧州の大体七個か八個のレベルの集まった国、経済体であります。ヨーロッパの国はサイズがちっちゃくて、日本から見れば恐らく地方の単位であります。だから、そういうふうなEUが一つの国として消費税を取るというのは、私がさっき申し上げた消費税の地方税化というのと何ら矛盾はないと思います。
 いろいろな国をほかに見ていましても、地方分権が進んだ国では、オーストラリアのように、国のみが消費税を課税し、地方に配分する国とか、ドイツ、オーストリアのように、国と地方が消費税を共同税として課税して、それで税収を国と地方で配分する。アメリカは、消費税を課税しないで、地方が消費税を課税する。カナダはちょっと変わっていますけれども、国が消費税を課税するんですけれども、その上に地方が課税するという方式もあります。
 いずれにしても、分権度が高いほど国としての消費税というウエートはちっちゃくなっていると思います。
 いずれにしましても、消費税というのをしっかりと地方税と位置づけた上で、それでいろいろな社会保障改革をしていただくというのが多分いいのかなというふうに思います。
 最後に、GPIFの話をします。
 これは、行革の観点、年金財政の観点、あと、組織のガバナンスという観点から述べたいと思います。
 年金運用という話をしますと、条件反射的に株式という話に行くのがよくあるパターンなんですけれども、実は、年金財政の観点から見れば、株式運用、市場運用は必ずしも必要ではありません。例えば、市場運用をしないで、非市場性国債、非市場性の物価連動国債という形でGPIFの運用をするということも可能です。こういう形にしますと、市場運用は全く不必要、年金財政も全く問題ないです。
 それとあと、ここでいろいろ議論になっている組織のガバナンスもないです。というのは、この非市場性の物価連動国債によるGPIF運用という形ですと、GPIFの組織は一人で多分できると思います。毎月、保険料が入りました、非市場性国債ですから実は財務省に連絡するんですけれども、これだけお金が入ったので非市場性国債をこのくらい出してくださいと言うだけで終わります。実は、こういう例というのは、今はちょっとなくなりましたが、かつてはありました。ですから、その意味ではガバナンスは極めて簡単であります。
 こういう話はなぜ反対を受けるか。もちろん、組織を持っているGPIFも反対かもしれない。それとあと、GPIFから運用委託されている金融機関も反対だと思います。それは、当然のことながら、GPIFの運用にかかわっていろいろなコストがかかるんですけれども、そのコストというか、それを報酬として受けている金融機関が多いからです。
 例えば、百兆円の運用、これで運用報酬というのは、実はこれほど高くないんですけれども、仮に〇・一%としても一千億円ですよ。これはかなりでかいです。もちろん、こんなに大きくなくて、もうちょっと、それより一個下の桁の数字かもしれませんけれども。でも、いずれにしても、大きな手数料が動いていることです。先ほどの、全額、非市場性の物価連動国債でやると、ほとんどこの運用コストはかからないです。
 ですから、今の私の言ったやり方というのは裁量性が全くないやり方ですね。それで、年金の運用額が幾ら巨額になっても問題がないです。実は、こういうやり方を志向するというのもガバナンスを高めるやり方としてはあるんじゃないでしょうかというふうに思います。コスト安。
 それとあと、こういう形で年金運用していますと、官民の癒着とか、こういうのも危惧されるものですけれども、私が申し上げたような、全く裁量性のない、全額、非市場性の物価連動国債でやると、そのような官民の癒着の問題も全く、ほとんど発生しません。
 ですから、そういう意味で、ガバナンス問題というのを一気に解決する手段、やり方であるというふうに思います。
 運用額が大きくなって、ガバナンスを強めて、それを、運用の責任があるからといって、いろいろな組織をやるというやり方を今回の法案では志向しているようなんですけれども、全く逆転の発想ですけれども、全額、非市場性の物価連動債というやり方もあるんじゃないかというふうに思います。
 以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
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丹羽秀樹#13
○丹羽委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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丹羽秀樹#14
○丹羽委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。白須賀貴樹君。
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白須賀貴樹#15
○白須賀委員 自民党の白須賀でございます。
 まず初めに、参考人の皆様方、さまざまな立場から見識の高いお話を頂戴いたしまして、本当にありがとうございます。
 私は、五人の皆様方全員に御質問をしていきたいと思いますので、そんな難しい質問はしません、どうか忌憚のない御意見をいただけたらと思います。
 まず初めに、今回の法案とちょっと関係のないというか、基本的な話で大変恐縮でございますけれども、年金について私がどう思っているか、そして皆様方の意見を聞きたいんです。
 私は、日本の年金というのは、これほどすばらしくて、これほど安定度が高くて、こんなにすごいシステムをつくってくれた先代の方々、そして、今現在支えている方々に対して敬意を表しているぐらい、本当に日本の年金制度というのはすごいと思っています。
 例えば、年金の支払いというのは、御存じのとおり、半分、二分の一は国庫負担です。そして、残りの二分の一は現役の方々が年金保険料という形で支えていただける。そして、そこにプラスアルファでGPIF、何と百三十兆円という資産を持っている、しかも毎年コンスタントに二%の利回りをたたき出している、このGPIFという組織が補填をしてくれながら、将来世代に対する負担を減らしながら支え続けている年金システムです。
 このGPIFの百三十兆円というのは、世界的に見たら物すごいレベルなんです。アメリカの年金制度の資産の総額というのは百兆円ぐらいしかないんですね。ですから、この百三十兆というお金、基礎体力ですけれども、この基礎体力がまずすごい。
 そして、この日本国、そして日本国民が支えていることがまたすごい。
 皆さん、日本に住んでいるとわかりませんけれども、日本というのはすごい国なんですよ。日本のGDPは、世界全体を一〇〇%としたら、世界第一位の国はアメリカです、経済大国、世界全体のGDPの二四%。第二位が中国、大体一二%ぐらい。第三位の日本が全体の六%のGDPをたたき出している。ヨーロッパのEU、イギリスも含めて二十八カ国全部足してもGDP総額は大体二二%ですから。日本一国で六%もたたき出しているんですよ。その日本国が、二分の一のいわゆる支払いの税金をちゃんと入れてくださって支えているこの現在。
 そしてまた、日本国の人口構成も、いろいろと世代間の人口構成も変わってきていますけれども、今現在、人口の数だけ比べますと、世界一位の人口は中国の十三億七千万人、第二位がインドの十二億九千万人、第三位がアメリカの三億四千万人、第四位がインドネシアの二億五千万人で、第九位がロシアの一億四千万人。第十位はこの日本、一億二千七百万人。この方々が支えているんですよ。
 つまり、世界で十番目の人口を有して、世界で三番目の、全世界の六%のGDPを支えているこの日本国が、そして日本国民が支えていて、そして、先ほど話したように、アメリカの年金財政の総額なんて百兆なんです。日本の約三倍の人口を有している国が百兆で、日本は、一億二千万人しかいない中で、その一・三倍の百三十兆の資産を、基礎体力として、年金の財政として持っている。一人当たりの持っている年金の財産ということを考えれば、はるかにレベルの違う、本当にすごいシステムだと思っています。
 そして、皆さん御存じのとおり、何か障害を受けたら障害年金も出る、大黒柱の方が亡くなったら遺族年金が出る、そしてまた、長生きリスクで、死ぬまでちゃんと毎月お金がいただける。そして、平成十六年の年金制度の改正で上限の金額も決まっていて、その中でやっていきましょうねと。
 これだけそろっている日本の年金制度、年金のシステム、これは、例えば、ほかの民間会社で、生命保険会社、損保会社、資産運用だって十兆、二十兆ですよ。その会社がトリプルAとかそういう形でランキングで安心度がされていますけれども、もしも日本の年金の制度をランキングしたら、私は世界トップだと思っております。
 これに対して、まず、基本的な認識として、五人の参考人の皆様方から御意見をいただきたいと思います。
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井上隆#16
○井上参考人 ただいま御指摘のありましたとおり、私どもとしても、この日本の年金制度というのはすばらしい制度だと思っております。
 特に、年金保険料の上限を決めてある、それにまた、マクロ経済スライドを入れているということで一定のリスクの上限も決まっているということで、これはもう非常に現役世代としても安心できる年金制度になりますし、GPIFの資産の大きさ、ただ、資産の大きさゆえに、市場に与える影響というのはちょっと心配なところがあって、そこは慎重に考えなくてはならないんですけれども、すばらしい資産額を持っておりますので、日本の年金制度はすばらしいものだというふうに考えております。
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藤田孝典#17
○藤田参考人 まず、私は、資産をどれくらい活用するのかということで、現行、その資産が十分にちゃんと所得再分配に至っているのかということもやはり注目する必要があるかなというふうに思っております。
 この間、厚生年金は、当然、私たちが支払えば、その分、税も含めて返ってくるという形で、非常に、保険料を高く掛けている部分は返ってくる状況にありますけれども、下層の人たち、国民年金であるとか、年金が払えないという方については、その資産がその人たちに分配されないということを意味しますので、だから、資産がたくさんあるから国民が豊かである、国民が安心して暮らせるということはイコールではないということを考えると、十分な資産がある、これは私も本当に有効だと思っておりますので、これをしっかりと低所得であるとか低年金の高齢者の方たちにいかに分配するなり支援を入れていくのかということは、また別の方向で議論いただけたら非常にありがたいなというふうに思っております。
 なお、さらに言えば、年金制度全体だけだと、どうしても年金の支給基準はどうするかという話にもなってきますけれども、年金だけだとどうしても議論が終わらないところもありますので、ほかの社会保障とあわせて検討もいただきたいなと思いますし、引き続き御議論いただけたらありがたいなと思っております。
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神野直彦#18
○神野参考人 年金制度だけに関して言えば、先生の御指摘のところがあるかと思います。
 つまり、日本は少し年金制度に対して自信をなくしているというところがあるかと思います。ただ、それは、逆に悪口を言われていて、ペンションステートと日本は国際的に言われておりまして、つまり、社会保障の中で年金だけが突出しているじゃないかという批判です。
 そこで、改革する必要がないかとおっしゃられれば、私は、いろいろな状況に合わせて改革していく必要があると思いますし、さらに重要な点は、社会保障というのは社会保険と生活保護が車の両輪になりますが、それと同時に、これから福祉サービス給付が重要だと思いますので、それぞれの社会保障制度を有機的に関連づけて、体系立てたものにしていくというビジョンを描いて、年金もその観点から見直していく必要があるかなというふうに考えております。
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加納忠#19
○加納参考人 私は、日本の年金制度の問題点としては、やはり非常に大きな格差があるという点が大きな問題だと思っております。
 先ほどの私の意見発表の中でも述べましたけれども、極めて多くの無年金者の方も現実におられる。そして、厚生年金にも大きな格差がありまして、女性ですと、平均すれば月額十万前後という方が多いとか、一方で二十万を超える人ももちろんおられるんですけれども、年金の格差問題と、高齢者または障害の方が必要としている本当の所得保障を達成できていないという点が最大の問題かと思います。
 この点については、日本の年金制度を本当に社会保障の名に恥じない制度とするためには、いわゆる社会保険と言われておりますが、社会原理としての、全体で支える、税金を投入してやるという部分と、もちろん保険料というのもありますが、保険料にはいわゆる使用者側の保険料と労働者の負担の保険料がある、このバランスをもっと、国の税金を投入するという形や、使用者側の、資本の側の負担をふやすという形で、本当に所得再分配をきちっとしたものにしてほしいと思っています。
 ヨーロッパの最低保障年金制度、スウェーデンなんかでも、先ほど言いましたように、最低保障年金制度は全額国庫負担でぴしっと決める。この上に保険原理という所得比例年金を上乗せするということは十分あり得ることと思いますが、ぜひ、この大きな格差をなくすためにこそ年金制度の改革が必要だと思っています。
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高橋洋一#20
○高橋参考人 まず、日本の積立金が大きい。大きいというときには、百三十兆は大きな数字ですが、年金財政全体からちょっと見てみましょう。
 私はバランスシートというので説明しますけれども、年金のバランスシートを書くときに、左側の資産には将来保険料、それとあと積立金が計上されます。右側の負債には年金債務です。この大きさを見ますと、実は二千兆ぐらいあります。この意味で、左側の資産の方の百三十兆が大きいといっても、たかだか全体の資産総額の五%から一〇%程度です。この意味では余り大きくないです。
 アメリカの話をしましたけれども、アメリカはこの比率がちょっと違いますので、そういう意味では、どっちの年金制度が大きいかというと、多分アメリカの方が大きいんですけれども、資産構成の比率が違うというだけです。
 こういうのをリスク管理の観点から見ますと、積立金には市場リスクがあります。将来保険料と年金債務の方には人口という問題があるんですけれども、実は、人口という問題は資産と負債、両方にあるので、かなりヘッジができます。ただし、左側だけにある、積立金だけにある市場リスクというのは、これは、大きくて、なかなか解消ができないです。ですから、私が先ほど申し上げたような非市場性の話にすれば、ここは圧倒的に市場リスクが減ります。
 ですから、その意味で、日本の年金がすばらしいというのは、私の観点から見ると余りすばらしくないという答えになります。要するに、これが市場リスクの観点です。全額、非市場性の国債にしていただいたら、この市場リスクはなくなるし、マーケットインパクトといって、市場に対する影響もなくなるので、これはぜひやるべきだと思います。こちらの方が年金財政は安定します。
 ですから、その意味では、まだ改善の余地があると思います。
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白須賀貴樹#21
○白須賀委員 皆様方、貴重な御意見をありがとうございます。
 私、テニスの松岡修造さんばりにポジティブな男なので、皆様方の御意見を参考にしながら、またより安心なものをつくっていきたいと思っております。
 そして、今回の法案の方に入りますが、平成十六年の制度改正によって、支払う金額が決まりました。つまり、全体の支払うパイというか、よくようかんに例えられますが、その分は決まっております。ですから、今回の法案は、いかに世代間格差をなくして、いかに公平にまず分配するかという観点から考えるならば、今回のマクロスライドも含めてしっかりとした制度をつくることは私は大切だと思っております。
 でも、先ほどさまざまな方から年金収入の少ない方々に対するいろいろな御懸念がございました。
 例えば、この与えられた年金の中で十分生活できる方々もたくさんいらっしゃると思います。でも、その方々に、下の方々に合わせて支給額をふやしてしまったら、先の方々、未来の方々のようかんの部分が減ってしまいますから、本来ここで議論するべきことは、この年金というものをまず持続させて、皆さんに公平に分配しましょうね、その上で、例えば低年金の方々や弱者の方々、無年金の方々に対してどういうふうに手当てをしていかなければいけないかということを、別の、もう一つの観点で考えて議論をしていかなければいけないんですが、どうも厚生労働委員会というのは、全部一くくりにして、年金の枠にしてしまって全部を議論してしまうから議論がおかしくなってしまうと私は思っております。
 ですから、まず最初にやらなければいけないことは、いかに公平に、世代間も含めて、分配をどうするかを考えて、その中で出てきた弱い立場の方々やそこで補填しなければいけない方々はまた違う法律で、みんなで話して、違う財源を持ってくるとか違う手当てをしていくとか、そういう議論をしていくべきだと思うんですけれども、手短に、お時間がないので、五人の方々、よろしくお願いいたします。
    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
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井上隆#22
○井上参考人 御指摘のとおりでございまして、ようかんの大きさは決まっておりますので、将来世代、いずれ現役世代も将来、高齢者になるわけです。そのときの給付水準を同様に確保するためにも、今回のこの見方というのは正しいと思いますし、年金の少ない、生活の水準という面でいけば、それ以外のさまざまな手当てで対応すべきというふうに考えております。
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藤田孝典#23
○藤田参考人 まず、第一点目で、そのようかんをもう少し、どれくらいあるのか、これを明確に国民の人たちにやはり示す必要があるかなというふうに思っております。本当にようかんはふえないのか、ようかんは縮小するのか、どれくらいなのかということをもう少し幅広く御議論いただけたらありがたいなと思っております。
 私は、税の使い方で先ほど例えられましたけれども、年金は民間の会社の保険とは全く別物ですので、国が運営する所得再分配の役割も非常に大きいものですので、こういった民間の商品から比べて、これくらいパイがあるからこれくらいしか配れないというものでなく、実際にはどれくらいの金額が必要で、どれくらいあれば生活保障、所得再分配機能が高まるのかということをやはり重要視するべきかなというふうに思っております。
 ただ、後半は、やはり年金だけだと当然、おっしゃるとおり、もうパイが限られている、その前提で議論するのであれば、やはりほかの社会保障を整備していくということは当然必要だと思いますので、住宅政策、医療政策、介護政策、さまざま負担が重たいということが当然ありますので、このパイでちゃんと支出して生活ができる、このようかんで人々がちゃんと暮らせるような、そういった制度設計になるということがやはり大事だろうというふうに思っておりますので、このバランスというんですか、これをうまく考慮いただけたらありがたいなと思っております。
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神野直彦#24
○神野参考人 先生のおっしゃるとおりだと思います。
 つまり、年金というのは、現在の枠組みに立てば、当然のことながら、世代間の分かち合いであり、世代間の連帯のお金ですから、御指摘のように、負担の方を決めたというと、給付の方で調整せざるを得ないということになると思います。それから、生活保障とかそういったものは、社会保障全体でやっていくものだというふうに私は考えております。
 したがって、社会保険、年金はどういう意義を持っているのかということを明確に考えないといけないと思うんですね。これは、労働所得を高齢退職ということで失った、その代替として支出されるわけですから、それだけで低所得者の生活を保障するというわけにいきません。
 私は、サービス給付と現金で高齢者の生活は保障すべきだと思っておりますし、特に低所得、低所得というよりも生活困窮と言いかえた方がいいと思いますが、生活困窮者の生活については、さまざまな意義のある社会保障制度を有機的に関連づけて守るべきだというふうに考えています。
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加納忠#25
○加納参考人 私は、日本の年金の積立金は、全て合わすと百六十兆円を超える部分があると思いますが、これはやはり、本当の意味で日本の年金制度の維持と年金制度の内容を考えた場合、百六十兆円を超える年金積立金を持っていて、それを株式投資にやっていこうということ自身が非常に危険なことだと思っています。
 本当の意味の所得再分配をきちっとやるためには、今、百六十兆円を超える年金積立金を、先ほどから話が出ていますような、大変な人たちの生活を改善するために、当面、これを給付改善とか、保険料を下げるような形でするということがやはり大切かなと思っています。
 そして、やはり、年金制度は、応能負担、それから必要充足という点をきちっと置いた上で制度を設計すべきだと思っております。
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高橋洋一#26
○高橋参考人 社会保障制度というのは、財源があるんですけれども、実は、社会保障は全て保険方式で扱われています。
 保険方式というのはどういうことかというと、各人の持ち分権がはっきり言えば確定できます。要するに、それぞれの社会保障の制度について、各人の、個人レベルの持ち分権が実は理論的には確定できます。ですから、そういう持ち分権を持って、その中をちょっと融通するという制度はあり得ます。
 実は、こういう考えのもとに、私は二〇〇一年から、社会保障個人勘定というのを、経済財政諮問会議の場で、私は委員じゃないので、その委員の人に言って提案をしたことがあります。五回ぐらいやりましたけれども、全く相手にされないで没になりました。
 今言ったように、社会保険方式というのは各社会保障の持ち分権があるので、例えば、自分が健康にすごく自信があって、早く死ぬという人は、年金の受給権を避けた方がいいんですよね。要するに、そういうのは、ごく一定の範囲はできます。
 こういうのは実はカフェテリア方式といって、社会保障の持ち分権を個人の段階でちょっと融通するという制度があるんじゃないでしょうか。こういうふうにやると、画一的な社会保障ではなくて、限られた財源で各人のニーズを満たすということは、ちょっとは可能であります。
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白須賀貴樹#27
○白須賀委員 参考人の皆様方、ありがとうございました。
 もっと本当は話したいんですけれども、時間が来てしまったので、最後に、今の団塊の世代の方々が七十五歳以上になる二〇二五年、それからの十年、十五年間は恐らく団塊ジュニアの私たちがしっかりと支えることができますが、次の、私たち団塊ジュニアが七十五歳、八十歳、八十五歳になったときに、本当に、支える方々がほとんど、少なくなってきます。
 ですから、今、年金も話し合って、年金を持続性にするためには、本来は子育て政策とか経済対策とかさまざまなこともセットにして考えないと、今回の年金の話というのは絶対におかしくなってしまうので、どうか参考人の皆様方は、いろいろな意見を含めて、そして、年金は安心だ、安全だということをしっかりと皆様方に伝えていただきたいと思います。
 以上です。終わりにします。
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三ッ林裕巳#28
○三ッ林委員長代理 次に、郡和子君。
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郡和子#29
○郡委員 おはようございます。民進党の郡和子です。
 今、年金そのもののみならず、社会保障としてどういうふうに考えていくのか、徹底的に議論していこうという他の委員の方からの提案があったというふうに思っております。新聞報道等々でも、何やら、きょう採決というようなことも書かれているようですけれども、まだまだ議論は入り口に立っているということだろうというふうに思います。
 きょうは、参考人の皆様方、急な要請にもかかわらず、早朝からおいでいただきましたこと、私からも御礼を申し上げたいと思います。
 社保審の年金部会長である神野先生までもが準備が不足しているというふうなことをエクスキューズせねばならないような事態だということも本当に申しわけなく思いますけれども、この委員会の運びに対して、やはり問題があるんだろうなというふうに私自身は思ったところであります。
 年金の改革ということで、この間、給付額をどういうふうに変えていくのか、新しいルールについて議論をさせていただいているところですけれども、年金制度改革の大事なことというのは、これはもう皆様共通の認識だと思います。老後の生活保障をどういうふうに担保できるのかということと、そしてまた、世代間の公平性をどう担保するのかという、このことなんだと思います。
 今般、私ども、いろいろ議論させていただく中で、なぜかこの委員会で、紛糾続きというふうに申し上げると参考人の方々にも申しわけなく思うんですけれども、なかなか厚労省から納得できるような試算というのが出てまいりませんで、今般のこの制度設計というのが、年金給付の抑制を強化するものでありまして、年金額を増額していく法案ではないわけであります。
 給付を抑制していくということであるならば、今の高齢者の皆様方、そしてまた、これから高齢世代になられる方々を含めて、どういう水準になるのか、それをしっかりと示していくのが国会の場であろうというふうに思っているわけであります。
 先ほど、部会長の神野先生、最低保障機能についてちょっとお話しされておりました。
 今の年金支給額基礎部分は、基礎的消費支出七・二万円で、基礎年金の水準が六・四万円ということで、厚労大臣は、おおむね賄えるというふうに、この間ずっと答弁されています。しかし、七・二万円であり、年金の額は六・四万円ですから、基礎的消費するには年金が足りていないということは明らかなわけなんです。
 この最低保障機能について、私は、どうも配慮が足りないんじゃないかというふうに考えているわけですけれども、この点について、神野委員、先ほどちょっと言及がありましたけれども、どのようにお感じになっていらっしゃるのか。また、年金部会でも、今後の課題ということで、このことについていろいろ議論があったというふうに承知しておりますけれども、お話しいただけますでしょうか。
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