財務金融委員会

2017-04-04 衆議院 全170発言

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会議録情報#0
平成二十九年四月四日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 御法川信英君
   理事 井上 信治君 理事 土井  亨君
   理事 藤丸  敏君 理事 宮下 一郎君
   理事 山田 賢司君 理事 木内 孝胤君
   理事 伴野  豊君 理事 上田  勇君
      石崎  徹君    大岡 敏孝君
      大野敬太郎君    大見  正君
      鬼木  誠君    勝俣 孝明君
      神田 憲次君    斎藤 洋明君
      坂井  学君    助田 重義君
      鈴木 隼人君    竹本 直一君
      津島  淳君    中山 展宏君
      福田 達夫君    宗清 皇一君
      村井 英樹君    山田 美樹君
      今井 雅人君    重徳 和彦君
      古川 元久君    古本伸一郎君
      前原 誠司君    鷲尾英一郎君
      伊藤  渉君    浜地 雅一君
      宮本 岳志君    宮本  徹君
      足立 康史君    丸山 穂高君
      小泉 龍司君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   財務副大臣        大塚  拓君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  土生 栄二君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  池田 唯一君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 加藤 俊治君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   可部 哲生君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    星野 次彦君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    佐川 宣寿君
   政府参考人
   (国税庁次長)      飯塚  厚君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           白間竜一郎君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           森  和彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           浜谷 浩樹君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           諏訪園健司君
   政府参考人
   (国土交通省土地・建設産業局次長)        鳩山 正仁君
   政府参考人
   (国土交通省航空局次長) 平垣内久隆君
   政府参考人
   (観光庁次長)      蝦名 邦晴君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君
    —————————————
委員の異動
四月四日
 辞任         補欠選任
  丸山 穂高君     足立 康史君
同日
 辞任         補欠選任
  足立 康史君     丸山 穂高君
    —————————————
四月三日
 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)
三月三十日
 消費税増税を中止して五%に戻し、生活費非課税・応能負担の税制を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第六三七号)
 消費税増税の中止に関する請願(志位和夫君紹介)(第六三八号)
 消費税一〇%の中止、減税に関する請願(宮本徹君紹介)(第六三九号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)
 財政及び金融に関する件
     ————◇—————
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御法川信英#1
○御法川委員長 これより会議を開きます。
 財政及び金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君、金融庁総務企画局長池田唯一君、法務省大臣官房審議官加藤俊治君、財務省主計局次長可部哲生君、主税局長星野次彦君、理財局長佐川宣寿君、国税庁次長飯塚厚君、文部科学省大臣官房審議官白間竜一郎君、厚生労働省大臣官房審議官森和彦君、大臣官房審議官浜谷浩樹君、大臣官房審議官諏訪園健司君、国土交通省土地・建設産業局次長鳩山正仁君、航空局次長平垣内久隆君、観光庁次長蝦名邦晴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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御法川信英#2
○御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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御法川信英#3
○御法川委員長 この際、佐川財務省理財局長から発言を求められておりますので、これを許します。佐川理財局長。
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佐川宣寿#4
○佐川政府参考人 衆議院財務金融委員会御法川委員長より財務省に対して御指示のあった事項について、近畿財務局の職員から聴取した結果は以下のとおりでございます。
 森友学園関係の建設業者が作成したとされるメモにおいて、平成二十七年九月四日の近畿財務局、大阪航空局、関係業者の打ち合わせの中で、近畿財務局の発言として、産廃残土を場内処分の方向で協力お願いしますとの記述があるが、これは事実か、当時の担当者である池田統括官に確認したところ、「平成二十七年九月当時は、低深度の土壌汚染等の除去工事が実施されていたところであり、貸付契約上、その費用は国が有益費として償還することとされていたため、九月初旬に大阪航空局とともに関係業者と工事内容等について打ち合わせを行っていた記憶はある。」「ただし、業者に対して、産業廃棄物の場内処理を求めるような発言を行ったことはなかった。」とのことでありました。
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御法川信英#5
○御法川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤渉君。
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伊藤渉#6
○伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。
 昨日の決算行政監視委員会に続きまして、麻生財務大臣にはお世話になりますが、よろしくお願いしたいと思います。
 まず初めに、旅行会社の「てるみくらぶ」のことについて、これは国土交通省にお伺いをしたいと思います。
 財務金融委員会ですので、そもそもは、いわゆる金商法等からこういった事象を未然に防ぐようなことが可能だったのかどうかという観点で調べましたところ、この「てるみくらぶ」は非上場ですので、金商法の監査については対象外、そして資本金が五億未満かつ負債が二百億未満ですので、会社法の監査も対象外ということで、きょうは観光庁にお越しをいただいた次第でございます。
 三月二十五日に、航空券の発券が滞ってトラブルが起きているということがわかって、国交省にも相談が寄せられている、報道で皆様御存じのとおりでございます。ニュースで拝見をしておりますと、韓国まで行って、行ったホテルがキャンセルされていたとか、旅行を予約して八十万円も入金しているとか、それぞれの方から見れば大変な出来事なわけでございまして、こういったことが、できれば、発覚をする前に把握をし、未然に防ぐということが望ましいわけですけれども、こうした旅行会社もたくさんございますでしょうし、なかなか難しいのであろうということはわかります。
 そういう意味で、まず初めに、観光行政の監督官庁である国土交通省に、こういった問題を、仕組み上、未然に防ぐことは可能だったのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
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蝦名邦晴#7
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 旅行業法第六条の三に基づきまして、五年に一度の旅行業の更新登録の際に、基準資産、取扱管理者の選任状況、弁済業務保証金分担金の納付額などの確認を行うこととなっております。
 同社の前回の更新登録は平成二十六年一月でございまして、その際には、平成二十四年十月から平成二十五年九月の決算状況等につきまして確認を行いましたが、提出された書類によりますと、旅行業法上の瑕疵があったことは確認されておりません。ただし、このような報道があることを踏まえまして、登録更新申請時の書類の真正性等について事実関係を調べてまいりたいと思っております。
 また、今回の事案を踏まえつつ、再発防止策について、どのような対策が必要か、検討してまいりたいと考えております。
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伊藤渉#8
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 五年に一度、もちろん、たくさん会社がございますし、なかなか未然に防ぐことの難しさもあろうかと思います。
 これは通告をしておりませんが、観光庁のホームページに書かれていることなどで、確認ですけれども、要するに、お金を払ってしまっているなど、旅行取引により債権を有する旅行者は、旅行業法に基づいて弁済を求める権利があって、いわゆる協会、旅行業協会の認証を受ければ、これを取り返すことができるというようなことがホームページに書かれておりますけれども、こういった方が今現在お見えになると思いますので、この辺の手続等について簡単に御報告いただけるとありがたいと思います。
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蝦名邦晴#9
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 旅行業務に関しまして取引をした旅行者が、その取引によって生じた債権につきまして、日本旅行業協会が国に供託した弁済業務保証金の中から一定の範囲で旅行者に弁済する制度というのがございまして、今回の場合もこれを活用することとなります。
 また、一般的に、破産した法人につきましては、破産管財人による債権確定が行われまして、確定した債権額に応じて、会社財産の処分代金により配当がされるということになります。
 旅行者の方に対しましては、弁済される具体的な額はこれらの制度を通じまして確定の上、返金をされるということになります。
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伊藤渉#10
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 御心配をいただいている方、複数お見えになると思いますので、丁寧な対応を、監督官庁である国交省にはぜひお願いしたいと思います。
 国交省への御質問はこれ一問だけですので、退室をしていただいて結構でございます。ありがとうございました。
 続いて、大きく話題になっております東芝問題について御質問をさせていただきます。
 これも皆さん報道等でよく御存じのとおり、最終損益が最大で約一兆円の赤字、もともと三千九百億円の赤字等々という報道がありましたけれども、最終一兆円を超える赤字。そして、これによって、東芝の債務超過額は、二〇一七年三月末で約六千二百億円と報道で承知をしております。
 一七年三月期からはウェスチングハウス・グループは東芝の連結からは外れて、米国中心の海外原子力事業から撤退する見通しが立ったと聞いておりますし、また、記憶用の半導体、フラッシュメモリー事業の分社化を図りまして、これを売却することで約二兆円規模の資金を調達もしたいというようなことも報道で聞いております。今の「てるみくらぶ」もそうですけれども、この東芝の問題は、大変関係者が多く、日本の経済にも多大な影響を与えると思います。
 そういう意味でも、会計監査の重要性ということが改めて認識をされたと思いますけれども、金融庁においては、この三月三十一日、監査法人にも上場企業と同様のガバナンスコードを導入したと聞いておりますけれども、まず、このガバナンスコードの概要について、金融庁に答弁を求めます。
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池田唯一#11
○池田政府参考人 お答え申し上げます。
 御質問のございました監査法人のガバナンスコードでございますけれども、これにつきましては、昨年七月に有識者検討会を設置しまして、検討を開始しました。そして、御指摘のとおり、この三月三十一日に、監査法人のガバナンスコードを最終確定し、公表させていただいたところでございます。
 この監査法人のガバナンスコードでは、監査法人のトップがリーダーシップを発揮することや監査法人の監督・評価機関などの機能の強化を図るなど、組織運営の原則が示されているところでございます。
 このコードを踏まえまして、今後、大手監査法人を初め各監査法人において、監査の品質の向上に向け、実効的な組織運営の実現のための改革が進められることを期待しているところでございますが、当局としてもその状況をしっかりと注視してまいりたいと考えているところでございます。
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伊藤渉#12
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 けさのニュースでも見ましたけれども、監督監査機関フォーラムの本部ですか、東京に本部、事務局も開設をされるなど、特にアジア地域における日本の会計監査体制の充実というのは世界的にも期待をされていると思いますので、ぜひともこの取り組みをしっかり進めていっていただきたいと思います。
 また、これも報道などで、今回の東芝の問題で少しクローズアップされておりましたのが、いわゆるMアンドA、合併、買収に伴うのれんの扱いということを報道等で何回か拝見いたしました。
 日本の企業会計基準委員会が昨年十月に発表した調査によると、欧米の主要企業が抱えているのれんは、二〇一四年の時点で、平均して純資産の三〇%に達している。日本はまだその状況が低く、平均四%と小さい。
 これも報道で承知をしておりますけれども、このMアンドAに基づくのれんの扱い、例えば小刻みに再評価すべきだなど、この評価の厳格化のようなことが取り沙汰されておりますけれども、具体的にこののれんの会計上の見直しや厳格化について、今後の検討の方向性等があれば、あわせて金融庁にお伺いをいたします。
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池田唯一#13
○池田政府参考人 お答え申し上げます。
 企業がMアンドAを行います際に、相手方に支払いました金額が取得した企業の時価を超えるというような場合に、その差額をのれんとして資産計上することが求められることとなります。
 日本の会計基準におきましては、こののれんにつきましては、のれんの価値が減損している場合にはのれんの価値を減額するとともに、二十年以内の期間で定期的な償却を行うということが求められているところでございます。
 これに対しまして、米国の会計基準あるいは国際会計基準などにおきましては、のれんの価値が毀損している場合にのれんの減額処理が求められることにはなりますが、それに加えて定期的な償却が求められるということは行われておりません。
 いずれにしても、各企業におきましては適用される会計基準に従って適切な会計処理が求められるわけですが、こののれんの会計処理につきまして、御指摘のありました我が国の会計基準設定主体であります企業会計基準委員会は、我が国の経済界、投資家などの関係者と連携して、健全な会計処理を確保する等の観点から、例えば、国際会計基準においても定期的な償却を導入するよう意見発信を行っているものと承知をしております。
 これに対しまして、国際的な議論におきましては、のれんは必ずしも定期的に減価していくとは限らないとして、償却に否定的な意見もあると承知をしておりますが、会計基準設定主体を初めとする関係者の間でしっかりとした議論が行われていくことを期待しているところでございます。
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伊藤渉#14
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 会計全体の評価の適正化という取り組みももちろんですし、事東芝の問題については、現在、けさの新聞等にも大きく取り上げられておりますけれども、二〇一六年の四月から十二月期の決算などの報告書が提出できるのかどうか、それに伴って、上場の維持が可能なのかどうか、大変関係者の多い、また大きな課題として、現在、眼前にございますので、金融庁としてもよく注視をしていただきたいとお願いをしておきたいと思います。
 次は、ちょっと個別具体的な、確定申告も終わった時期ですので、e—Taxのことで、これはまた急に細かくなりますけれども、現場からいただいたお話について御質問をさせていただきたいと思います。
 この方は税理士の方で、申告をかわってなさっているんですけれども、どうも利用者番号を違う人と間違えて申告をしてしまった。何かいろいろメッセージが出るらしいんですけれども、何回かボタンを押している間にきちんと通っていった。ですから、申告をした税理士の方は、申告ができたと思って放置をしていたら、随分時間がたってから、申告ができていないというものが返ってきて、返ってきたときはいわゆる申告期日を超えていたそうです。よって、再申告をしても、本来なら得られる六十五万円の控除が得られなかった。
 お話しいただいたのは、間違っているなら間違っているで早く言ってほしい、間に合うように修正できるようにしてほしい。あるいは、たくさん申告があるわけですから、申告期日内に返すことが無理なのであれば、どうあれ預かっていたのは国税庁サイドですから、例えば返信をした時点からある一時期までは、いわゆる申告期日前までに申告したのと同じような控除が得られるようにするとか、こういう改善をぜひともお願いできないかという声が現場にございまして、これについて、ぜひ国税庁に前向きなお答えを頂戴したいと思います。
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飯塚厚#15
○飯塚政府参考人 お答えいたします。
 国税の電子申告・納税システムでございますe—Taxにおきましては、申告等のデータとあわせて、本人確認のために、あらかじめ税務署長から通知された利用者識別番号を送信していただく必要がございます。
 国税庁では、誤った利用者識別番号が送信されることのないように、昨年一月以降、過去に送信された申告データと照合するシステムチェック等を実施しておりまして、システムチェック等の結果、送信内容に誤りの可能性がある場合には、確認を促すメッセージを表示し、注意喚起を行う等の手当てを行っているところでございます。
 国税庁としては、今後とも、送信内容の確認を徹底していただけるように一層の周知を図ってまいりたいと考えております。
 なお、申告期限や、先ほどのお話は青色申告特別控除の話だと思いますが、こういったものの取り扱いなどにつきましては、法令に基づいた執行を行っているところでございまして、国税庁としては、今後とも、個々の事実関係に基づき、法令等に照らして、適正な取り扱いに努めてまいりたいと考えております。
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伊藤渉#16
○伊藤(渉)委員 多分、こういう事例は日本じゅうを見ると幾つかあると思いますし、六十五万円の控除は大変大きいので、もちろん申告した人が間違っているというのが一番のことですけれども、間違えないように申告していただくことはもちろんですけれども、人間ですからヒューマンエラーはどうしても避けられませんので、そういった場合も、いわゆる意図的に何か横着なことをしているわけではなくて、きちっとやったけれども、たまたま間違っていて結果的に控除が得られないというのは、なかなか庶民目線から見ると殺生な話ですので、ぜひとも引き続きの御検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、いわゆる再分配政策について御質問をしたいと思います。
 資料を配らせていただいておりますが、これをきょう取り上げようと思いましたのは、ことしの衆議院の予算委員会で、日本の税、そして社会保障による再分配について、何回か議論がなされているのを拝聴しておりまして、一度私自身もきちんと調査をしてこの場で取り上げたい、こう思っておりまして、きょうに至ったところでございます。
 資料の一枚目、右下に1とございますけれども、これは平成二十六年の所得再分配調査報告書に基づく資料でございます。図は、左から平成十四年、十七年、二十年、二十三年、二十六年。
 棒グラフの丈を見ていただきますと、当初の所得の格差は経年で徐々に拡大をしていることが見てとれると思います。これに対しまして税と社会保障による再分配が行われまして、今度は棒グラフのちょっと色の濃い、黒いところになりますけれども、平成十四年が、これはジニ係数ですけれども〇・三八、ずっと経年変化があって、平成二十六年は〇・三七五ですから、若干ではございますけれども、年が経るに従って所得格差の是正は行われているということが見てとれると思います。
 ちなみに、折れ線グラフで、それぞれの格差是正の寄与度、社会保障による改善度及び税による改善度が示されておりますけれども、やはり社会保障による改善度の方が、平成二十六年で見ますと三一%、税による改善度が四・五%ですから、社会保障による改善度が圧倒的に大きいということが見てとれると思います。
 このグラフからは、日本国のみで経年変化で見た場合には、所得格差の是正は、少しずつではありますけれども、改善をしているということが見ていただけると思います。
 裏を見ていただいて、二、予算委員会でも何回か拝見をしましたけれども、OECD諸国、資料は平成二十一年年次経済報告に基づく再分配効果の国際比較でございます。一目瞭然で、左側、公的移転による再分配効果は日本が下から三番目、右側、税による再分配効果は残念ながら日本が一番下になっております。
 最初にごらんをいただきました我が国における再分配は、年とともに改善はしているものの、諸外国と比較をすると、まだまだその再分配の効果が弱いということは残念ながら事実のようでございます。
 そこで、まず一つ目、この再分配を実施するに当たって、税と社会保障ということになるわけですけれども、まず税の観点から財務省にお伺いをしたいと思います。
 平成二十九年度税制改正でも、所定の所得控除、これは所得税ですけれども、いわゆる高額所得者について逓減、消滅する仕組みを配偶者控除で取り入れました。これにより、さらに税負担の累進性は強化をされていると思います。
 また、平成三十年度の税制改正に向けて議論がスタートしているわけですけれども、再分配機能を強化するための税制度の手法あるいは手段としてきょう現在考えられているものについて、できるだけ網羅的に御教授をいただければと思います。財務省の政府参考人、よろしくお願いいたします。
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星野次彦#17
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
 今後の個人所得課税改革におきまして、昨年末の与党税制改正大綱の中で、所得再分配機能の回復を図る観点から、基礎控除などの人的控除につきまして、控除方式の見直しを検討するなどの基本的な方向性が示されております。
 具体的には、基礎控除などの人的控除が採用しております所得控除方式、これは高所得者ほど税負担の軽減額が大きいことを踏まえて、収入にかかわらず税負担の軽減額が一定となるゼロ税率方式あるいは税額控除方式や、所得控除方式を維持しつつ、高所得者について税負担の軽減額を逓減、消失させる仕組みなど、主要諸外国における例も参考にしつつ、控除方式のあり方について検討を進めることとされております。
 与党での御議論も踏まえながら、個人所得課税改革について、引き続き丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。
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伊藤渉#18
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 控除方式、税額控除と所得控除、もちろん税額控除をすれば所得が低い方ほど控除がききますので、所得の再分配の機能というのは高くなると思います。
 ただ、税は、所得税のみならず、最近は相続税もだんだん非課税限度額が下がってきていますので、こういう言い方が正しいかどうかわかりませんけれども、大衆課税に相続税もなってきているというフレーズを使われる方も見えますので、また年末に向けて、再分配機能の強化と税の公平性、公正性、こんな観点から議論をさせていただきたい、こういうふうに思います。
 続いて、社会保障制度の観点からお伺いをしたいと思います。
 私が思うに、先ほどの、日本国における再分配機能に社会保障制度が大きく寄与しているという数字も紹介をさせていただきましたけれども、やはり再分配を議論するときには、税ももちろんですけれども、社会保障制度というものが非常に大きくきいてきているだろうというふうに思います。といいますのも、私たちの生活を見れば一目瞭然で、我が国は国民皆保険、国民皆年金、すばらしいことだと思います。
 一方で、国民皆保険、お医者さんに行くときに、我々は保険を使ってお医者さんにかかるわけですけれども、当然、年齢が高くなればなるほどお医者様にかかる確率は高くなってくるわけですから、いわゆる保険を同じように皆さん払っていますけれども、その給付を受ける方は年齢の高い方の方が圧倒的に多分多くなる。
 また、年金を見てもそうですけれども、我が国は賦課方式ですから、我々現役世代が年金保険料をかけて、それがある一定の年齢以降で給付をされるわけです。これも、いわゆる若い現役世代の方の所得に応じて年金保険料の額も変化しますけれども、基本的には現役世代が先輩方を支えていますから、これも再分配という意味でいうと、逆方向に影響が出てしまっている可能性もあるというふうに思います。
 この再分配機能という観点から、社会保障制度についても慎重に、しかし不断の見直しが必要だと思いますけれども、きょうは、まず年金制度についてお伺いをしたいと思います。
 これは、多分、きょうの資料の一番最後、4につけてあるんですけれども、税と社会保障の議論のときに、政府原案には盛り込まれたけれども、最終的に附則に落ちた項目があるということが物の文献等にも出ておりまして、それは、一定の所得以上であれば年金受給を消滅させる、いわゆるクローバックの導入についてでございます。日経新聞などでも取り上げられておりました。
 年金給付は所得に応じて減額をしますけれども、現在も、いわゆる基礎年金部分は給付をされます。しかし、もちろん相当所得のある方からすれば、基礎年金というのは月額六万円何がしですので、それが果たして生活をしていく上で必要なのかどうかというのは議論の余地があると思います。
 このクローバックの導入について、このときも相当議論されたんでしょうけれども、引き続き検討事項に残っておりますので、現時点の検討、あるいはどういう角度で議論をしていく必要があるのかという物差し、この点について厚生労働省にお伺いをしておきたいと思います。
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諏訪園健司#19
○諏訪園政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、クローバックにつきましては、社会保障・税一体改革におきまして、平成二十四年に政府としてクローバックを含む法案を提出いたしましたが、三党協議におきまして、保険料納付インセンティブに与える悪影響、あるいは約束した給付が支払われないのは社会保険の原則に反するのではないかといった懸念が示されまして、法案から削除されたという経緯がございます。
 その後、社会保障制度改革国民会議における議論を経まして、二十五年に成立した社会保障制度改革プログラム法におきまして、この論点につきましては、高所得者の年金給付のあり方及び公的年金等控除を含めた年金課税のあり方の見直しという形で、課題として改めて示されたところでございます。
 これを受けまして、社会保障審議会年金部会で、平成二十六年から二十七年にかけましてクローバックにつきましても議論が行われまして、高齢者世代内の再分配につきましては、年金制度内部にとどまらず、年金課税や福祉制度などより大きな視点から幅広い議論が必要と整理されたところでございます。
 なお、昨年成立しました年金改革法におきましても、クローバックを含む高所得者の年金給付のあり方や年金課税の見直しといった社会保障制度改革プログラム法の課題につきまして、法律の施行後速やかに検討する旨の検討規定を盛り込んでおりまして、次期財政検証を三十一年に予定しておりますが、そこに向けて、引き続きしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
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伊藤渉#20
○伊藤(渉)委員 ありがとうございました。
 まさに今言われたようなことを、もちろん所得の高い方は御自身の御努力によってその立場をつくり上げてきたわけですし、お支払いになった保険料に、それでも見合わない少ない年金しか受給できないわけですから、それでも十分いわゆる再分配には御協力をいただいているわけですので、その辺は慎重な議論が必要だと思います。
 一方で、議論をしていかなきゃいけないと思うことは、やはり将来に対する不安というものが国民の中にあるのも事実だと思います。現役世代の努力に応じて得られたそれぞれの人生の結果を、いわゆる年金受給世代といいますか、高齢者になったときにも引きずる必要があるのか、あるいは、現役世代に頑張った努力は努力として、年配になったらできるだけ再分配をきかせて平等な世の中に、平等というか余り格差のない世の中をつくるのか、こういった大きな議論が必要だと思いますので、これからも私自身も調査をしていきたいと思います。
 時間になりましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
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御法川信英#21
○御法川委員長 次に、鷲尾英一郎君。
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鷲尾英一郎#22
○鷲尾委員 民進党の鷲尾でございます。
 久しぶりに質問に立たせていただきますが、きょうは、まず、公的マネーが市場を席巻しているぞという切り口から質問をさせていただきたいというふうに思うわけであります。
 去る二月二十六日の朝日新聞朝刊の一面に、「公的マネーが大株主 九百八十社 東証一部 時価総額の八%運用」、こういう記事が出ております。かねてから、日銀とそれからGPIFが席巻する我が国の株式市場を官製相場と評す向きもありましたけれども、改めてその状況を数字で示したもので、大変興味深いものだと受けとめております。
 この記事によりますと、いずれも専門家の試算に基づくとして、一六年三月の時点で、東証一部上場企業の時価総額が五百兆円あるのに対しまして、GPIFが保有する同総額が三十兆円、日銀が上場投資信託を通じて購入した株式の累積が十一兆円ほどありまして、合計で約四十兆円だと。とすると、両者で全体の八%を占めるということでありました。
 その後も、昨年の七月末に、日銀がETF買い入れ額を年間三・三兆円から六兆円に拡大するということを決定しておりますので、これは四十兆円からさらにふえているはずだと思っております。
 そこでなんですけれども、東証一部上場企業の時価総額がこの三月末で五百七十兆円ほどと承知しております。そのうち、現在、日銀ETF及びGPIFが信託銀行などを通じて実質的に所有している割合と額を承りたいと思います。
    〔委員長退席、土井委員長代理着席〕
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黒田東彦#23
○黒田参考人 日本銀行が保有しておりますETFの時価は、毎年九月末、三月末の決算において公表いたしております。その金額は、昨年九月末の時点で十一兆円となっております。これに対し、同時点における東証一部上場株式の時価総額は四百九十・二兆円であると承知しております。このベースで計算いたしますと、御指摘の割合は二・三%となります。
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池田唯一#24
○池田政府参考人 それでは、GPIFについてお答えさせていただきます。
 GPIFが保有しております国内株式につきましては、毎年三月末に時価が公表されております。直近では、昨年の三月末時点で三十・六兆円とされていると承知をしております。同時点におきます東証一部上場株式の時価総額は五百兆円でございますので、御指摘の割合は六・一%ということになると考えております。
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鷲尾英一郎#25
○鷲尾委員 これも今紹介した記事ですけれども、GPIFと日銀が実質保有する株式を足しますと、東証一部の全千九百四十五社のうち、半数を超える九百八十社において、両者を合わせれば五%の大株主になっていたといいます。もちろん、間接的な保有のために議決権行使ができるわけではありませんが、全体の四分の一に当たる約四百九十社では事実上の筆頭株主にまでなっていたということであります。
 そこでなんですけれども、東証一部上場企業のうち、日銀ETF及びGPIFが事実上の筆頭株主になっている企業の数、また具体な企業名というのはどんなところがあるか、承りたいと思います。
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池田唯一#26
○池田政府参考人 お答え申し上げます。
 ETFを構成します株式の議決権は、ETFを組成しております運用会社が信託銀行を通じて行使するという仕組みになっておりまして、したがいまして、信託銀行がETFの構成銘柄の株主となっておって、日本銀行が株主という形になることは想定されていない。それから、GPIFの場合も、運用対象の株式の管理は信託銀行に委託されておりまして、信託銀行が株主となりまして、GPIFが株主になるということは想定されていない。また、ETFの受益者ごとの保有者状況は必ずしも公表されていない。GPIFについても、有価証券報告書において企業が公表しています株式の状況というのは、所有株式数が資産管理機関名で開示されているケースも多い。
 そうした事情から、お尋ねのありました日銀のETF及びGPIFが事実上の筆頭株主になっている企業数、企業名ということは、把握しますことがなかなか困難であるということを御理解いただきたいというふうに考えております。
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鷲尾英一郎#27
○鷲尾委員 事実上の筆頭株主になっているだろうということで、さまざまな資料を照合すると、例えば、ファーストリテイリングとかユニクロとかも、あと京セラさんですか、こういったところもGPIFや日銀の実質的な保有比率が高い、こういう代表的な企業になっているというわけであります。
 昨年四月二十五日付のブルームバーグの同趣旨の記事で、ETF爆買いの果てに、日銀が日経平均企業九割で実質大株主となる試算、そういう記事によりますと、ブルームバーグ社試算に基づけば、日経平均の指数採用二百二十五銘柄のうち約二百社で日銀が保有比率上位十位内に入る実質大株主になっているということでありまして、さらに、八月二十三日付の同ブルームバーグ記事でいきますと、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループの三メガバンクに加えまして、ホンダなどの優良企業でも、今度はGPIFが筆頭株主として君臨しているという状況もうかがえるわけであります。我が国を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車につきましても、発行済み株式数の五・五%を保有する第二位の大株主がGPIFでありますから、このように、我が国の株式市場における日銀及びGPIFの存在感というのは非常に大きなものだと認識しているわけであります。
 そこでなんですけれども、日銀のように、金融政策として政府部門が、間接的にであっても市場から株式を購入している例というのは、これは海外ではあるんでしょうか。
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黒田東彦#28
○黒田参考人 主要先進国の中央銀行において、金融政策上の目的で株式やETFを購入したという事例はないというふうに理解しております。
 私の記憶では、主要先進国ではありませんが、香港が、一九九七、八年のいわゆるアジア通貨危機の中で、中央銀行が株式を購入した事例があるとは承知しておりますけれども、主要先進国の中央銀行が金融政策上の目的で株式やETFを購入したという事例はないというふうに理解しております。
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池田唯一#29
○池田政府参考人 私どもとしても、今、日銀総裁の方からお答えがございましたようなことと理解をしているところでございます。
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