予算委員会第三分科会

2017-02-22 衆議院 全350発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
本分科会は平成二十九年二月二十日(月曜日)委員会において、設置することに決した。
二月二十一日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      衛藤征士郎君    黄川田仁志君
      葉梨 康弘君    保岡 興治君
      今井 雅人君    前原 誠司君
      國重  徹君
二月二十一日
 葉梨康弘君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成二十九年二月二十二日(水曜日)
    午前八時開議
 出席分科員
   主査 葉梨 康弘君
      衛藤征士郎君    神田 憲次君
      黄川田仁志君    田所 嘉徳君
      藤丸  敏君    村井 英樹君
      保岡 興治君    山田 賢司君
      今井 雅人君    枝野 幸男君
      逢坂 誠二君    前原 誠司君
      濱村  進君
   兼務 赤枝 恒雄君 兼務 門  博文君
   兼務 稲津  久君 兼務 佐藤 英道君
   兼務 赤嶺 政賢君 兼務 畠山 和也君
   兼務 小沢 鋭仁君
    …………………………………
   財務大臣         麻生 太郎君
   法務大臣         金田 勝年君
   外務大臣         岸田 文雄君
   法務副大臣        盛山 正仁君
   外務副大臣        薗浦健太郎君
   財務副大臣        大塚  拓君
   財務副大臣        木原  稔君
   法務大臣政務官      井野 俊郎君
   防衛大臣政務官      宮澤 博行君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (内閣府北方対策本部審議官)           山本 茂樹君
   政府参考人
   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         中村  格君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 佐々木聖子君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小川 秀樹君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    畝本 直美君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  萩本  修君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  和田 雅樹君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 相木 俊宏君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 飯田 圭哉君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 森 美樹夫君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 四方 敬之君
   政府参考人
   (外務省領事局長)    能化 正樹君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 井上 裕之君
   政府参考人
   (国税庁次長)      飯塚  厚君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           森  和彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           谷内  繁君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           諏訪園健司君
   政府参考人
   (水産庁増殖推進部長)  保科 正樹君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           赤石 浩一君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           高科  淳君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官) 小澤 典明君
   政府参考人
   (観光庁審議官)     瓦林 康人君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局長)  深山 延暁君
   法務委員会専門員     齋藤 育子君
   外務委員会専門員     辻本 頼昭君
   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君
   予算委員会専門員     柏  尚志君
    —————————————
分科員の異動
二月二十二日
 辞任         補欠選任
  衛藤征士郎君     神田 憲次君
  保岡 興治君     村井 英樹君
  前原 誠司君     高井 崇志君
  國重  徹君     濱村  進君
同日
 辞任         補欠選任
  神田 憲次君     田所 嘉徳君
  村井 英樹君     山田 賢司君
  高井 崇志君     逢坂 誠二君
  濱村  進君     國重  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  田所 嘉徳君     衛藤征士郎君
  山田 賢司君     藤丸  敏君
  逢坂 誠二君     枝野 幸男君
同日
 辞任         補欠選任
  藤丸  敏君     尾身 朝子君
  枝野 幸男君     前原 誠司君
同日
 辞任         補欠選任
  尾身 朝子君     保岡 興治君
同日
 第二分科員赤嶺政賢君、第四分科員小沢鋭仁君、第五分科員赤枝恒雄君、第六分科員畠山和也君、第七分科員稲津久君、佐藤英道君及び第八分科員門博文君が本分科兼務となった。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 平成二十九年度一般会計予算
 平成二十九年度特別会計予算
 平成二十九年度政府関係機関予算
 (法務省、外務省及び財務省所管)
     ————◇—————
この発言だけを見る →
葉梨康弘#1
○葉梨主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。
 私、理事の葉梨が本分科会の主査を務めることになりましたので、何とぞよろしくお願いいたします。
 本分科会は、法務省、外務省及び財務省所管について審査を行うことになっております。
 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。
 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算及び平成二十九年度政府関係機関予算中財務省所管について、政府から説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
この発言だけを見る →
麻生太郎#2
○麻生国務大臣 平成二十九年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は、九十七兆四千五百四十七億円余となっております。
 その内訳について申し上げます。租税及び印紙収入は五十七兆七千百二十億円、その他収入は五兆三千七百二十九億円余、公債金は三十四兆三千六百九十八億円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、二十五兆七千三百四億円余となっております。
 このうち主な事項につきまして申し上げますと、国債費は二十三兆五千二百八十四億円余、復興事業費等東日本大震災復興特別会計へ繰り入れは五千七百十兆円、予備費は三千五百億円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出いずれも百九十六兆六千四百十五億円余となっております。
 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただければと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入一千六百九億円余、支出九百五十二億円余となっております。
 このほか、同公庫の農林水産業者向け業務等の各業務及び沖縄振興開発金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 復興特別会計への収入は五千七百十兆円と申し上げましたが、これは億円の間違いでありました。失礼しました。
 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付いたしております印刷物をもちまして詳しい説明にかえさせていただきますので、記録にとどめてくださいますようよろしくお願い申し上げます。
 以上であります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
葉梨康弘#3
○葉梨主査 この際、お諮りいたします。
 ただいま麻生財務大臣から申し出がありましたとおり、財務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
葉梨康弘#4
○葉梨主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
葉梨康弘#5
○葉梨主査 以上をもちまして財務省所管についての説明は終わりました。
    —————————————
この発言だけを見る →
葉梨康弘#6
○葉梨主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村井英樹君。
この発言だけを見る →
村井英樹#7
○村井分科員 自民党の村井英樹です。
 本日は、予算委員会分科会で質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、麻生大臣初め財務省の皆さんも、朝早くからお疲れさまでございます。
 さて、きょうは、税と社会保障の制度を俯瞰して、ひずみとでも言ったらいいんでしょうか、幾つか、解決すべきではないかという課題について指摘をさせていただいて、財務省の皆さんから見解を伺うとともに、今後の社会保障制度改革の方向性を共有させていただければと考えております。
 現在進められております社会保障・税一体改革については、私も役所にいたときに少し携わらせていただきましたけれども、もともとは福田政権時の社会保障国民会議等の議論を踏まえて、麻生政権での改正所得税法の附則百四条という形で結実したものを、政権交代後でありましたけれども、三党合意が行われ、その三党合意に基づいて、今、税・社会保障一体改革が進められているわけであります。
 ただ、この税と社会保障の一体改革、消費税がまだ八%であるということからも明らかなとおり、未完の状態にあるわけでありまして、私が何を申し上げたいかと申し上げますと、現在進められている社会保障・税の一体改革、これはもちろん完遂を目指すべきものだと思いますけれども、その一方で、今の枠組みが議論をされ始めた二〇〇〇年代一桁台、そこからもう約十年が経過をしておりまして、当時は想定をしていなかったような社会保障、税制度のひずみ、当時は想定をされていなかった、また、余り問題視をされていなかったようなものがあらわれ始めているのではないかというところでございます。
 きょうは、そうした課題を四点ほど指摘させていただきたいと思います。
 今、お手元にさまざまな資料をまとめたものをお配りしておりますけれども、一点目として資料一から順々にお話をさせていただければと思っております。
 資料一、これは、政府税調の資料がもとになっておりますので、皆さんおなじみのものかもしれませんけれども、若年世帯、壮年世帯、また高齢者世帯についての収入分布を九四年時点と二〇一四年時点で比較をしたものであります。
 若年世帯の収入が、一番左側ですけれども、下方にシフトをしているというのがもう明らかに見てとれるわけであります。また、余り目立ちませんけれども、真ん中の壮年世帯についても、年収八百万のボリュームゾーン、八百万より下の層がふえて、八百万よりも上の層が減っている。また、一番右側の高齢者世帯についても、高収入の層が減っていることが見てとれるかなと思います。
 さらに、ちょっと一歩引いてみると、高齢化の影響で、高収入の割合が高い、この真ん中の壮年世帯は減っていて、一番右側の、四百万のところにメディアンがある高齢者世帯がふえているわけでありまして、そういう意味で、全体として見ても、やはり収入水準が下方にシフトをしているということだろうと思います。
 こうした状況を踏まえていただきながら、資料二をごらんいただければと思います。これも政府税調の資料なんですけれども、所得税と保険料の負担割合を収入水準ごとに示したものを昭和六十二年度から平成二十七年度まで比較したものであります。
 まず、この左側をごらんいただきたいんですけれども、こちらは、所得課税、税の方の負担のみを取り出したものでありますけれども、昭和六十二年度時点の赤い点々線が、この下の黄色い点々になって、青になって、平成二十七年度の黒い線になっておるわけであります。この間、直間比率の是正といったようなかけ声もあって、基本的に所得税率はフラット化をしてきております。
 その一方、右側を見ていただきたいんですけれども、これは、この左側の所得課税負担にプラスをして社会保険料負担を乗せたものとなっております。若干複雑に、ぐちゃっとなっているんですけれども、これもポイントは赤から黒に移動しているということなんですけれども、昭和六十二年度の赤の点々線が、現状、黒の線に移動をしているということであります。見ていただくとわかるとおりで、所得の高い層では負担が下がっていて、所得の低い層では負担が上がっているということであります。
 これは、先ほど申し上げたとおりで、所得税がフラット化をしている一方で、社会保険料は知らない間にじわじわ上がってきておりまして、右下にも書いておりますけれども、社会保険料率が昭和六十一年には八・九五%であったものが、平成二十六年には一四・九二%まで上昇している。さらには、社会保険料率は、御案内のとおり、基本的には所得水準にかかわらず負担が比例的にかかってきますので、税と保険料の合算の負担率で見ると逆進性が高まる形となってくるわけであります。
 ここまでおつき合いをいただいた上で質問をさせていただきたいと思いますが、まとめると、この二十年間で我が国の収入水準は下方にシフトをしております。特に若年の部分、これは非正規雇用の話とかいろいろな原因があると思いますけれども、大きく下方シフトしております。その一方で、税、保険料負担の逆進性は高まっているという状況があるわけですけれども、こうした点について、財務省としてどのように考えていらっしゃるのか、見解を伺いたいと存じます。
この発言だけを見る →
木原稔#8
○木原副大臣 村井委員から、税と保険料負担の逆進性という問題意識がある、そういう御質問でございますが、確かに重要な視点だというふうに考えておりまして、私どもとしましても、そういった逆進性を排除するように是正する方向で常に配慮を行っているところであります。その結果として、今の日本の税と社会保障制度全体としては、逆進的とまでは言えないというふうに考えているところです。
 まず、我が国の基礎年金、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険については、社会保険制度の費用の半額は税金、公費で賄われており、これらに加入することで、所得がなく、あるいは所得が低く、税金を負担していない、あるいは少額の負担にとどまる、そういう場合でも各種の給付を受けることができるようになっているところです。
 さらに、所得税について言えば、昭和六十年代以降、税率構造について大幅な累進緩和が行われた時期がありました。再分配機能が低下した中で、近年ですが、最高税率を引き上げました、御承知のとおり四〇%から四五%に。そういった対応を行っているところです。
 そして、消費税についても、いわゆる逆進性を有している面があることは、これは否定しませんけれども、税率引き上げの増収分は、社会保障の充実、またその安定化というものに充てられて、国民健康保険料の軽減等の低所得者対策というものを行っているほか、軽減税率制度によって逆進性を緩和することができると考えております。
 政府といたしましては、今回の平成二十九年度予算において、保育士、介護人材等の処遇改善や、また教育負担の軽減等、若者への投資を拡大するとともに、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジである働き方改革の中で、同一労働同一賃金を実現し、正規と非正規の労働者の格差を埋めることで若者が将来に明るい希望を持てるようにしたい、そのように考えております。
この発言だけを見る →
村井英樹#9
○村井分科員 ありがとうございました。政府としてさまざまな取り組みをしていただいているという御紹介をいただきました。
 副大臣の御答弁の中でも、現状、逆進的とまでは言えないというお話がありました。確かに、累進性は保たれているので、そういうことなんだろうと思いますけれども、その一方で、逆進性が高まってはいるというこの変化については、ぜひまた財務省さんの方でも検討していただければとも思っております。
 ここまで、税と保険料の負担に着目をして、逆進性の話等を指摘させていただきましたけれども、ここから、給付の方も含めて、今、国の再分配の機能がどのような形になっているのか見ていきたいと思っております。
 資料三をごらんいただきたいと思います。この図は、厚労省の所得再分配調査をベースにして、所得水準ごとに負担と受益、受益についてはサービス給付、医療とか介護も含めておりますけれども、これらがどうなっているのかを整理したものであります。
 見ていただくとわかるとおりで、上が収入、所得が低くて、下に行くにつれて高所得になっているんですけれども、収入が高い方の方が負担が大きくて、収入が低い方の方に給付が多い形となっているので、全体として見ると、しっかり再分配機能が発揮されているというふうに見えるわけであります。
 ただ、これを今度は年齢別にしてみるとどうなるのかというのが、次の資料四でございます。この資料四をごらんいただきますと、実は、高齢者ほど負担が少なくて受益が大きい、若者、若年層は受益が少ないということが見てとれます。これは、我が国の社会保障において年金が主な再分配のツールであるということだとか、医療、介護みたいなサービス給付も基本的には高齢の方が多く受けるということからこういうような形になっているわけであります。
 この状況そのものを取り上げて、いいとか悪いとか、そういうことはなかなか言えないんだろうと思いますし、また、壮年、若年世代がばりばり仕事をして収入もある、これからどんどん上がっていくという形で、高齢世代は収入が少ないかわいそうな人たちというようなイメージがはまる時代背景であればこういうことでいいんだろうと思いますけれども、果たして今そういう状況なのかということなんですよね。
 こういうことを踏まえながら、資料五を見ていただければと思うんです。実はこれは前政権時代に割と出てきた資料なんですけれども、では、その再分配機能を働いている人に限定して見るとどうなのか、何が起きているのかということなんです。
 OECD諸国と比較をして、再分配前と後で貧困削減率がどうなっているのかということでありまして、ほかの諸外国は貧困削減率がかなり高い水準にあって、当たり前ですけれども、再分配が行われる前と後で、格差という言葉で言っていいんでしょうか、格差がより小さくなっているという形になっているわけでありますけれども、我が国を見ると、驚くべきことに、赤い方、一人が就業というのでもかなり小さいんですけれども、成人全員が就業というこの青の方を見ると、何と、再分配前と後で、これは相対的貧困率で見ているんですけれども、相対的貧困率が上がっているという結果が出ております。これは東大の大沢先生の研究なのでありますけれども、こういうように諸外国と比較をすると、働いている部分に限定して見ると、実は再分配が機能しているどころかマイナスになっているような指摘もなされているわけであります。
 こういうような状況についてどう考えるのか。もう一回整理をしますと、全体として見ると再分配機能がきいているように見えるけれども、実はそれは世代間の支え合いというところに重きが置かれていて、実は、働いている世代に限定をして見ると、再分配が機能していないんじゃないかというような指摘もあるかと思いますけれども、その点について財務省さんの御見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
木原稔#10
○木原副大臣 所得再分配についての御指摘でございましたが、格差の固定化を防止するという観点から、これは重要だというふうに考えております。
 再分配といいますと、その規模ではなくて、再分配の結果、どうなっているか、格差の状況というものをよく見る必要があるな、そのように考えているところです。この点で申し上げますと、現役世帯の所得再分配の状況について、OECDの統計によれば、日本の社会保障と税による再分配後のジニ係数ですけれども、ここに着目すれば、OECD平均と同水準にあるものと承知しているところです。
 他方で、平成二十七年に取りまとめられた政府税制調査会の論点整理において、若い世代や子育て世帯に光を当てていくことが重要との観点から、所得再分配機能の重要性が高まっていることが指摘されているように、また、委員が先ほど御指摘されたように、再分配機能の確保が重要というのはそのとおりだというふうに考えております。
 こうした中で、再分配機能の確保のために、これまでに、所得税及び相続税の最高税率について平成二十七年からの引き上げ、先ほど申し上げました所得税四〇%から四五%、相続税は五〇から五五%にということ、そして金融所得課税については平成二十六年からの見直し、これは一〇%から二〇%というところでございます。また、児童扶養手当の機能の拡充等の一人親家庭への支援や子ども・子育て支援の強化などを、これまで随時行ってきたところであります。
 まずは、こうした措置の影響を、社会全体にどう波及していくか、その影響を見きわめる必要があると考えておりまして、税、社会保障制度については、所得再分配機能のあり方を含めて、引き続き丁寧に検証しながら検討してまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
村井英樹#11
○村井分科員 木原副大臣、ありがとうございます。副大臣から、ジニ係数ベースで見るとOECD諸国と比べても遜色ないといったようなお話がありました。
 おっしゃるとおり、貧困の話とか格差の話とかというのは、見方ですよね。統計のとり方によってもかなりいろいろな見方ができるのはおっしゃるとおりでありまして、ぜひさまざまな視点からまた検討を行っていただきたいと思います。
 ただ、その一方で、一ページめくっていただいて、資料六ですけれども、これはよく一橋の小塩先生なんかが使っていらっしゃいますけれども、半分直観的に言うと、やはり本来は、若者、高齢者で、それぞれ、貧困でない方が貧困な方を支える、困っていない方が困っている方を支えるのがある意味、社会保障のあるべき姿なんですけれども、実は、世代を超えている、ここの支え合いのところが強過ぎる、若者で困っていない人も困っている人も、高齢者の困っていない人も困っている人をも支えるという形になっているんじゃないかというような問題意識を指摘させていただきたいと思います。
 その上で、大分時間が来てしまいましたので、ちょっとペースアップをしていきたいと思いますが、一ページおめくりをいただきまして、資料七をごらんいただければと思います。
 いきなり表題に「低所得者と「中間低位層」の間に可処分所得の逆転が生じている?」というよくわからない表題がついていますけれども、この中間低位層、これは私が名づけたんですけれども、低所得の上の方ですね。いわゆる、いろいろな支援策が当たっているこの低所得の方よりは所得が高いんだけれども、その中で所得が低い層の方々。
 例えばで言うと、ここの右側のラインで出ていますけれども、今非正規で働いている方の平均年収というのは約百七十万円なんですね。この百七十万円ぐらいの皆さん方と、この左側に出ているような住民税の非課税だとか所得税の課税最低限の下の層で、実は、いろいろな給付だとか税負担の優遇施策を積み合わせていくと、可処分所得の逆転とまで言えるかどうかわからないけれども、かなり、ある意味での不公平が生じているんじゃないかという指摘であります。
 見ていただくとわかるとおりで、百十五万以下で住民税非課税、これは所得割の方ですね、均等割も百万以下で非課税。所得税の課税最低限は百二十万。さらには、国保の保険料の軽減だとか年金の保険料の減免も、この下に書いたような形できいてきますし、一ページめくっていただいて、資料八で、例えば住民税非課税を対象としている制度というのは物すごくあるんですよね。
 例えば、高額療養費も上限額を低く設定していたりとか、高額介護サービス費もそうですし、介護保険の保険料の低所得者軽減、保育料の軽減、就園奨励費も住民税非課税はかなり手厚く出ているだとか、また簡素な給付措置についてもしっかりと出ていたといったようなことがあります。
 これは代表的なものでありますけれども、実は、我が国の低所得者対策と呼ばれるものは結構あるんです。いろいろな優遇施策はあるんですけれども、そのちょっと上のところ、まさに今、層としてふえ始めているこの百七十万円ぐらいの中間低位層、一生懸命非正規で頑張っているんだけれどもという層が、実はここからこぼれ落ちてしまっているんじゃないかというような指摘が考えられると思いますけれども、その点について財務省の見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
木原稔#12
○木原副大臣 中間低位層という言葉、大変興味深い区分だというふうに思います。
 年収百七十万円程度の非正規労働者と一口に言っても、就業の目的であったり、扶養者がいるかどうかとか、そういうものに応じて、置かれている環境はさまざまであり、また必要な支援や内容、程度もそれぞれ異なるというふうに考えておりますが、その上で、低所得者向けの施策としては、税や社会保障料の軽減措置といった優遇措置だけでなくて、例えば、キャリアアップをさらに目指す方を念頭に置いた非正規から正社員への転換などを行う事業主へのキャリアアップ助成金の拡充であるとか、また、子育て中の方を念頭に置いた保育の受け皿整備を初めとする子育て支援の拡充、そういった、低所得者が置かれている環境に応じた政策支援もあるわけであります。
 我々財政当局といたしましては、国民一人一人の実情にきめ細かな配慮を行いつつ、実効性のある支援策が講じられることが重要だと考えておりまして、今後とも厚労省など関係省庁とよく相談しながら取り組んでまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
村井英樹#13
○村井分科員 ありがとうございます。
 もう一問、最賃と生活保護世帯で実は可処分所得が逆転しているんじゃないかというような指摘もさせていただきたかったんですけれども、時間が来ておりますので省略をしたいと思います。
 最後に申し上げたいことは、冒頭にも申し上げましたけれども、今回の、今進行している社会保障・税の一体改革の議論がスタートして十年、三党合意から五年という時間が経過をしております。この間、高齢化だとかグローバル化、IoT化という変化が加速度的に起きていて、我が国の経済社会構造も変化が起き始めているし、この変化はさらに大きなものになってくる。例えば、アメリカの大統領選なんかでも、ミドルクラスの没落といったようなことが一つのテーマとなってきました。我が国においても、そうした問題はさらに深刻化をしていくおそれがあると思います。
 こうした変化をしっかり見据えながら、財政的な持続可能性はもちろん大切でありますけれども、財政論のみならず、大きな視野から新しい時代の社会保障、税制度についての検討を進めていただきたいと思います。
 特に、制度横断的にということですよね。先ほども見ていただいたとおりでありますけれども、主税局は税のことだけ、主計局は予算のことだけ、厚労省は社会保障、保険の世界だけということでいくと、やはり全体として見たときにどこかにひずみだとか不公平というものが生じてきてしまうものでありますので、ぜひ財務省の皆さん方にはリーダーシップをとっていただいて、そういったような大きな改革の検討を今こそ再スタートしていただきたいということを申し上げたいと思いますが、最後に麻生副総理・財務大臣の御感想を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
麻生太郎#14
○麻生国務大臣 いい資料ですよ、これは。どれくらい手間と暇と金をかけたんだか知らないけれども、よくできています。大したもの。役所をやめてよかったのか、やめてよくなかったのか知らぬけれども。
 社会保障制度や税制の話に当たっては、逆進性とか再分配機能という話というのは大変大事なことなので、これは考慮をしておかないかぬ大事なことなんだ、私どもはそう認識をして、今回もいろいろ相続税やら何やら大分さわったところではあるんです。
 いずれにしても、社会保障というものを我々としては持続可能なものにしていかないかぬ、次の世代に残すようにしていかないかぬということで、社会保障・税の一体改革とか改革工程表でしたか、ああいったようなものに沿って社会保障制度の改革を進めていくということで、いわゆる負担と給付の話を、そこそこ持っている人はちょっと控えてもらおうというような話で今いろいろさせていただいているところなんです。
 いずれもそういったのを今スタートさせておりますので、御指摘のような点というものも大いに踏まえつつ、今、大きなものを十分に頭に入れながら、こうした改革を着実に進めていくというところからスタートさせていただかないかぬところで、まずはちょっと二〇二〇年までそれでやらせていただいて、その後というところが、今、村井先生の言っておられるところに行くべきところかなという感じはしました。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
村井英樹#15
○村井分科員 ありがとうございました。終わります。
この発言だけを見る →
葉梨康弘#16
○葉梨主査 これにて村井英樹君の質疑は終了いたしました。
 次に、神田憲次君。
この発言だけを見る →
神田憲次#17
○神田分科員 おはようございます。自由民主党の神田憲次でございます。
 本日は、質疑の時間をいただき、まことにありがとうございます。
 本日、麻生財務大臣のお顔もお見えになりますけれども、早朝からお疲れさまでございます。財務金融委員会、九時からということでございまして、本日の委員会、七時間全て野党からの質疑ですので、大臣には御退席をいただければ、そして英気を養っていただければと存じます。ありがとうございます。
 では、続けます。
 先ほど、同期の村井先生の方から、マクロの視点からの質疑をいただいたところでございます。私は税務行政についての質疑を用意いたしてまいりましたので、少々細かいことをお伺いするかもしれませんが、どうかお許しいただきたいと存じます。
 本日はまた、大塚副大臣にお見えいただいております。主税局からは井上審議官、そして国税庁からは飯塚次長に来ていただきまして、御多用の中、質疑に応じていただきまして、重ねて感謝申し上げます。
 先ほども述べましたように、私、税理士出身でございますので、やはり、よりよき税制の構築というのが国政に参画した私の思いの一丁目一番地であるということは自負しておるところでございます。
 一般に、税制には三つの機能があると言われております。それぞれ、財源の調達、所得再配分、それから経済、景気対策でございます。この三つは、現在の日本の社会経済が抱える問題そのものでございますし、また、安倍政権が挑む課題そのものでもあります。その意味からも、税制改正は、我が国の、日本の未来を考えますときに、本当にこれが根幹であると考えている次第でございます。
 しかし、一般的に税制というのは、納税、税法、それから税務、ほとんどいいイメージで捉えられることはありませんし、税は、どちらかというと、その表現にもありますように、取られるという認識のものでありまして、とかく不公平であるとか、あるいは何に使われているのかわからないとか、そういったイメージで見られるものではないでしょうか。
 もちろん、国政を担う者としては国会議員も大いに反省しなくてはなりませんが、本来の税制の成り立ちというのはもっと国民的サイドから自発的なものであったように思われるわけです。
 歴史をひもとけば、近代の市民革命の理論的支柱でありましたトーマス・ホッブスは、租税とは、国家が私たち市民に提供する生命と財産の保護、この二つの便益への対価であると語っておりまして、近代以降の国家では、自主的納税倫理とも言うべきものに基づいて、国民が国家に対して、信任を持って、正当な対価として納めるべきものだと考えられてまいりました。
 ですから、我が日本の納税者の皆々様には、その納税については気持ちよく納税をしてもらわなければなりませんし、そのための努力を、私たち国政の議員も、それから税務当局も、惜しんではならないと思うわけでございます。
 当局の方もさまざまな努力をしてこられたと思いますけれども、近年は特に行政の電子化、すなわち電子申告の普及促進に力を入れられております。
 我が国では、国税はe—Tax、地方税はeLTAXと、それぞれ主管庁である国税庁と総務省がシステムの構築をしてこられました。当初はなかなか普及しないなどの意見がございましたし、実際に税の申告の実務を行っておりますと、今まさに行われている確定申告でも、ことしからはマイナンバーの登録が始まっておりますし、着実に一歩一歩、その定着が図られているように感じておるところでございます。
 そのような中で、ことしの一月三十一日に、地方税の電子納税システムであるeLTAXへのアクセスが集中しまして、システムがダウンするという事件が起こりました。
 一月三十一日は、地方税ですと、まず十一月期の決算法人の確定申告と五月期決算法人の中間申告、それから給与支払い報告書の提出、償却資産税の提出等々、四つの締め切りが重なっておりまして、サーバーに負荷がかかったことがシステムダウンの原因であったと。これは総務省の方からも既に報告を受けておるところでございますが、結果的に二週間程度の幅を持って未達のデータも受理することとなりましたが、やはりまことに、この電子申告の怖さというものを感じたところでございます。
 そこで、国税庁にお伺いしますが、確定申告の締め切りももう間近となっておりますし、ふるさと納税の広がり等もございます。そこで、ことしの確定申告も一定数はふえるのでないかということは予想されますし、それから、提出附属書類の作成もふえていく時期でございますので、eLTAXのようなことが起きないように、サーバーの負荷テストなど、システムの準備は大丈夫でしょうか。
 また、eLTAXのシステムダウンの際には救済措置がとられたわけですが、各自治体で告知の時期や方法がばらばらで、納税サイドでは大分混乱をいたしたわけですし、国税は一つしかございませんから、ばらばらということはないわけでしょうが、万が一の場合、速やかに対応するための想定やマニュアルの準備はできておりますでしょうか。
この発言だけを見る →
飯塚厚#18
○飯塚政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のように、地方税の電子申告システムでございますeLTAXにおきまして、ことし一月に、あらかじめシステムに設定された上限値を超えたアクセスが集中し、システムにつながりにくい事象が発生したということを承知しております。
 お尋ねは、国税の電子申告システムでございますe—Taxについてでございますけれども、e—Taxにおきましても同様のトラブルが発生した場合には納税者や税務行政に多大な影響を与えるということになりますことから、前年度のピーク日の受け付け件数の実績を踏まえた負荷テストを実施するとともに、日々のアクセス状況を常時監視するなどの事前対策を講じているところでございます。
 また、万が一システムに同様のトラブルが発生した場合には、システムの設定情報の点検等を行うことにより早期の原因究明と復旧を図ることを想定しております。
 いずれにいたしましても、国税庁といたしましては、e—Taxシステムの安定稼働が引き続き図られますよう努力してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
神田憲次#19
○神田分科員 御答弁ありがとうございました。
 国税庁内部の技術的な問題ですので、余り深掘りをいたしますとセキュリティー上の問題も生じる可能性があると思いますので、そこは深掘りはいたしませんが、今御答弁ありましたように、備えられておると伺い、ひとまず胸をなでおろすというような思いでございます。
 全国の税理士や会計士がこの期日に向けて帳票のデータを送信し続けるわけですから、おくれること、すなわちそれは納税者に迷惑をかけるということにもなりますし、それから、適正なる申告納税制度の確立という観点からも、そういう事態が起きないように、皆様にも御尽力いただければと存じます。
 次の質問に移らせていただきます。
 まさに今、財務金融委員会では二十九年度の税制改正に伴う所得税法改正案が審議されておるわけですが、税制を変革するということで国家財政がよみがえる、あるいは経済活力が創出されるという例を、特に高齢化という問題を抱える先進国で見ることができると思います。
 具体的には、ドイツのメルケル政権において行われた税制改正のパッケージ、消費税、所得税をふやして、法人税と社会保険料負担を軽減する、キャピタルゲイン課税を簡素化する等、包括的な税制改正パッケージですが、実施の結果、EU圏内でも圧倒的に強い経済と財政健全化を誇るに至ったわけです。
 また、英国やオランダでは、社会保障と税の一体改革を行った結果、所得再配分効果が発揮されたと聞いております。
 具体的には、英国では、勤労税額控除、児童税額控除の導入など税制改正によって社会保障費の肥大化に歯どめがかかって、オランダでは、勤労税額控除によってワーキングシェアの導入、それから税額控除方式の採用によって所得再配分率の劇的な上昇が見られたと伺っております。
 我が国でも、二〇一一年以降、社会保障と税の一体改革ということが進められてまいりましたけれども、その中でも重要な柱であった所得税改革につきましては、昨年末の政府・与党の税制改正論議で、二十三年ぶりに検討が行われております。
 所得税改革の背景には、請負型事業主の増加など雇用の多様性が生まれる一方で、就業調整の原因と長く指摘を受けてまいりました配偶者控除の見直しの必要性が高まったことなどが考えられるわけですが、所得税改革は、先ほど申しました税の三つの機能に資する税制改革だと思っております。
 個人的には、一般的に言われる百三万の壁というのは、配偶者特別控除が導入されている以上、私は、幻想の壁でしかない、むしろ、その壁はないと思っていますし、本当の壁というのは違うところにあるのではないかと考えております。この点については後ほど質問をしたいと思いますが。
 与党税制改正大綱の中でも、配偶者控除それから配偶者特別控除の見直しが個人の所得課税改革の第一弾である、そして今後も改革を継続していく。それから、さらに税制、社会保障、労働政策等の面でも総合的な取り組みを進める必要があるんですが、個人所得課税においては、所得再配分機能の回復を図ることが重要であって、各種控除等の総合的な見直しを丁寧にしていくとあります。
 我が自民党の宮沢洋一税調会長が執筆されました税務の専門誌の記事を拝読してまいりましたら、所得税改革議論については、平成二十九年度が改正一年目というふうに示されておりました。
 そこで、税務当局に、お考えの今後のスケジュール感、さらに抜本改革の内容、そして、可能であれば、その改革を終えた後の姿、御教示をいただけませんでしょうか。
この発言だけを見る →
大塚拓#20
○大塚副大臣 今般の税制改正、昨年、与党でずっと議論しております際、当初、夫婦控除の話、政務官のころからずっと議論があることだと思います。夫婦控除というようなこともあったわけですけれども、結局、最終的な形としては、配偶者控除の基準額の見直しという形になっているところであるわけでございますけれども、就業調整をめぐるいろいろな課題に対応する、こういう観点で、そういう議論がなされたところであるわけでございます。
 百三万円の壁というのは実際にはないという御指摘もありましたけれども、私どももそう思っております。ただ、百三万円というのは一つの基準になってしまっている、民間、後ほど御質問があるということですけれども、そういう側面もあるというふうにも思いまして、この百三万円の壁というのはもう明確にないという状況をつくったわけでございますけれども、その上で、今後、数年かけて個人所得課税改革に取り組んでいくということとしているわけでございます。
 具体的には、二十九年度の与党税制改正大綱において、所得再分配機能の回復の観点から、基礎控除など人的控除等における控除方式の見直し、多様な働き方を踏まえた所得の種類に応じた控除と人的控除のあり方の見直し、老後の生活に備えるための自助努力を支援するための私的年金、金融所得等にかかわる税制の見直しなどの改革の方向性が示されているわけでございます。
 最終的な見直しが全部終わった後の姿ということでございますが、これはもうまさにこれから何年かかけて、与党税調とも、いろいろ御指導もいただきながら、財政当局、税務当局としても検討していかなければならないわけでございまして、負担構造のあるべき姿ということを検討していくわけですけれども、まさに家族とか社会のあり方そのものにかかわることでございますので、さまざまな、所得再分配機能でありますとか就業調整、今回の見直しでどの程度改善されるかといったことも踏まえながら検討していくものというふうに考えております。
この発言だけを見る →
神田憲次#21
○神田分科員 ありがとうございます。
 昨年の改正で、配偶者控除の線引きというものを百五十万というところに設定された結果、今また話題として上るのが、百五十万の壁ができるという方もおられるようでございます。
 そういう意見もある中、本当にこの壁という表現が正しいのか否か、用語の適切な運用というのもあるわけですが、壁というのは、もしその金額の上限が壁ということで言われるようなものであったとしたら、本来の壁というのは百五十万にあるのではなくて、本当の壁というのは、民間の会社におけるいわゆる手当の問題だと私は思っております。
 基準として、どうしても旧来の百三万というのを考え方の基準に置かれている法人ないしはパートの皆さんが多いということなので、いまだに百三万の壁があるかに見える、そんなものが具体的事象として見受けられるのではないでしょうか。
 そこで、引き続いてお伺いしたいのですが、今回の配偶者控除の改定それから所得税改革を通じて、民間企業による配偶者手当の壁の解消、これには対応をしておられますでしょうか。見解をお聞かせ願えればと存じます。
この発言だけを見る →
大塚拓#22
○大塚副大臣 まさに御指摘のとおりというふうに思っておりまして、私ども、百三万円という基準自体が、今までの控除の水準自体が壁になっていたというよりも、それをもとに、民間企業の皆様などが社内のさまざまな制度をつくるときの基準にしてきたというところの効果が非常に大きいと思っているわけでございます。
 そうした意味で、就業調整を意識しなくて済む仕組みの構築というのは税制だけで達成できないとも思っているわけでございまして、そうしたさまざまな、社会保障制度などもございますけれども、さまざまなものを一つ一つ丁寧に解きほぐしていくことが重要だと考えております。
 具体的に、民間企業の配偶者手当につきましては、一月二十五日、経済財政諮問会議におきまして、総理と私どもの麻生大臣から、経済界に対してお願いをさせていただいたところでございまして、それに対して、経団連の榊原会長からも、今回の税制改正を好機として、見直しに向けた検討を早期に広げていきたいという旨の御発言をいただいたところでございます。
 このように、官民合わせたというか、このような就業調整の社会的な構造の改革ということがまさに動き始めたわけでございますので、今後も、民間の動向もいろいろ注視をしながら、必要なところはお願いをさせていただきながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
神田憲次#23
○神田分科員 ありがとうございます。
 ちょうど昨日の日経新聞の報道であったかと思いますが、大手食品会社の味の素ホールディングスでしたが、手当の全面見直しを行うということが大きく取り上げられておりました。
 専業主婦の方を前提としてつくられた配偶者手当、これは、働き方の多様化とともに、その手当が現実の社会情勢に合わなくなってきたと判断することが適当なのではないかと思いますし、また、そういった意味の企業側の諸手当、例えば、工場の夜間勤務手当とか本当にさまざま、呼び出し手当とか、それから営業担当者向けには早朝手当とか被服手当とか、さらには四季のある国日本では寒冷地手当なんというのも見受けられるわけで、そういったものを見直した上で、子育てや介護支援の新しい手当の創設と基本給の一万円アップを決定したんだというふうに報じられております。
 基本給が上がることですから、会社にとっては固定費負担増となりますが、さまざまな働き方の選択ということになりますし、障壁としての手当から、やはりインセンティブとしての手当、さらには働く人を支える手当という意味で、この味の素ホールディングスさんの改革というのは画期的ではなかったのかというふうに感じております。
 これは、経営資源である体力があるから、大きな会社だからできるというのではなくて、今後は、中小企業も含めてさまざまな選択肢をとることができるように、これからの所得税改革の中で行っていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 次の質問に参ります。
 税目がちょっと変わるんですが、次に消費税でございます。
 消費税の軽減税率導入に伴って、インボイスが導入される。これは、平成二十九年四月に予定されておりました消費税率の引き上げと軽減税率の導入が三十カ月余り延長されて、三十一年十月からとなりました。時間的にはまだ一定の時間があるわけですが、軽減税率の実際の導入というのは、やはり消費税施行後初めての制度でございますし、民間企業が行わなくてはいけない設備投資等の準備期間を考えますと、一年半程度は必要でないかと考えております。
 逆算いたしますと、平成三十年の四月には、当局から法令それから通達、さらには事業者に対するQアンドA等々、ある程度骨格が固まっていなくてはならないと思うわけであります。そうなりますと、ことしの末に行われる与党の税制改正議論の中での話を始めなければ間に合わないと考えております。
 現行制度のたてつけですと、平成三十五年十月にはインボイス制度の導入も始まりますので、民間企業にとっては再度の設備投資を行わなくてはならなくなるわけで、大手だったらまた二度の対応ということも可能なのかもしれませんが、いずれにしても、経費という部分での増大ということ、設備投資が二度も行われるということはできたら避けたいわけで、一度で終わらせたいという思いが経営する側の考え方だと思いますし、そういう思いもやはり理解できるわけです。
 そういたしますと、インボイス制度の骨格、法令や通達、QアンドA等が、こちらも早期に検討される必要があるのではないか。
 そこで、主税局にお伺いしたいのですが、インボイス制度の検討についてはどのような段階に至っておりますでしょうか。
この発言だけを見る →
井上裕之#24
○井上政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のインボイス制度でございますけれども、消費税率一〇%の引き上げ、軽減税率の実施が平成三十一年十月になりましたので、御指摘のとおり、その四年後ということで、平成三十五年十月からインボイス制度の導入ということになっております。
 その具体的な制度設計でございますけれども、法律部分は既に公布されておりますし、政省令事項につきましても、二十八年度の税制改正の大綱において、可能な限り、相当程度明確にさせていただいております。
 その上で、現在、具体的な政省令事項、具体的には適格請求書の交付義務を免除する取引の詳細でありますとか、事業者の登録制度の詳細等について鋭意検討を進めております。適格請求書等保存方式は、幅広い事業者の方の実務に影響を与えますので、よくお話を聞いて丁寧に検討する必要があると考えております。
 同時に、今先生がおっしゃいましたように、平成三十一年十月に軽減税率制度のシステム対応等をするわけでございますので、その際に、その後のインボイス制度への対応も済ませたい、要するに二重投資は防ぎたいという御意見もあるということは承知しております。それはごもっともな御指摘だとも思います。
 我々も、そうした御意見も踏まえながら、また引き続き、丁寧に関係の方のお話も聞いて、余り遅過ぎないようなタイミングできちんと政省令を公布できるように、しっかり作業に取り組んでいきたいと思っております。
この発言だけを見る →
神田憲次#25
○神田分科員 今、井上審議官にお答えいただきましたように、ぜひ事業者、納税者のことを考えて、先手先手で御検討いただいて、納税者の利便性に配慮した形の税制改正を進めていただきますよう、改めてお願い申し上げるところでございます。
 それで、消費税を減免されている事業者、免税業者というふうに私たちは呼ぶわけですが、審議官も言われました、このインボイスの手続が大変煩雑であると言われております。
 ここで一番、先ほど適格請求書という話も出たんですが、事務手続という部分で制度導入のコストに耐え切れない、それから、さらには取引から排除されてしまうのではないかという心配等も小規模事業者から聞いておるわけでございます。
 こうした免税事業者への配慮はどのようになっておるのか、御答弁いただけますでしょうか。
この発言だけを見る →
井上裕之#26
○井上政府参考人 お答えいたします。
 先生のおっしゃったような免税事業者の取引の排除、それから導入コストの問題、御懸念があることは承知しております。
 しかしながら、例えば、納入先の事業者の方が簡易課税を適用している場合でございますと、仕入れ税額を積み上げて計算する必要がありませんので、適格請求書の保存も要しないということから、免税事業者の方が取引から排除されることはないということだと思います。
 それから一方で、事業コスト、事務コストでございますけれども、免税事業者の方が課税事業者に転換する場合には、今度は逆に、簡易課税の利用によって事務負担の軽減ということも可能だとは思っております。
 まずは、こうした事情をよく御理解いただくということで、インボイス方式を含む諸制度について、しっかり周知徹底を図りたいと思っております。
 その上ででございますけれども、免税事業者の方が課税事業者への転換の要否を見きわめながらしっかりと準備できるように、適格請求書等保存方式の導入、平成三十五年十月にまずは、繰り返しになりますけれども、四年間の準備期間を設けるとともに、その導入から六年間、仕入れ税額控除、免税事業者からの仕入れについて一定の控除を認めるということにさせていただいております。
 こうしたことをあわせ行いながら、円滑な導入に向けて万全の対応を行ってまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
神田憲次#27
○神田分科員 ありがとうございます。
 やはり地域を支えるのはこういった中小の事業者、本当に、くくりとしては中小事業者と呼ぶわけですけれども、実際は零細で、お父ちゃん、お母ちゃんの会社というのが本当に多いわけですから、こういうところにぜひ配慮をお願いしたいと思います。
 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきますが、御多用の中、皆様に御答弁いただき、大変ありがとうございました。
この発言だけを見る →
葉梨康弘#28
○葉梨主査 これにて神田憲次君の質疑は終了いたしました。
    —————————————
この発言だけを見る →
葉梨康弘#29
○葉梨主査 次に、外務省所管について政府から説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
この発言だけを見る →
← 戻る