内閣委員会

2018-05-24 衆議院 全180発言

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会議録情報#0
平成三十年五月二十四日(木曜日)
    午前八時三十分開議
 出席委員
   委員長 山際大志郎君
   理事 石原 宏高君 理事 谷川 弥一君
   理事 中山 展宏君 理事 永岡 桂子君
   理事 松野 博一君 理事 阿部 知子君
   理事 稲富 修二君 理事 佐藤 茂樹君
      井野 俊郎君    池田 佳隆君
      泉田 裕彦君    上野 宏史君
      大隈 和英君    大西 宏幸君
      岡下 昌平君    加藤 鮎子君
      金子 俊平君    神谷  昇君
      亀岡 偉民君    小寺 裕雄君
      古賀  篤君    杉田 水脈君
      高木  啓君    武井 俊輔君
      長坂 康正君    西田 昭二君
      百武 公親君    船橋 利実君
      三谷 英弘君    村井 英樹君
      大河原雅子君    篠原  豪君
      福田 昭夫君    森山 浩行君
      山崎  誠君    源馬謙太郎君
      森田 俊和君    浜地 雅一君
      濱村  進君    中川 正春君
      塩川 鉄也君    浦野 靖人君
      串田 誠一君    玉城デニー君
    …………………………………
   議員           初鹿 明博君
   議員           岩屋  毅君
   議員           桝屋 敬悟君
   議員           佐藤 茂樹君
   議員           浦野 靖人君
   議員           中谷  元君
   内閣府大臣政務官     村井 英樹君
   内閣府大臣政務官     長坂 康正君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  中川  真君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    宮嵜 雅則君
   参考人
   (認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク代表理事)    西村 直之君
   参考人
   (公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会代表理事)          田中 紀子君
   参考人
   (弁護士)        三上  理君
   内閣委員会専門員     長谷田晃二君
    —————————————
委員の異動
五月二十四日
 辞任         補欠選任
  大西 宏幸君     船橋 利実君
  杉田 水脈君     上野 宏史君
  武井 俊輔君     井野 俊郎君
  浦野 靖人君     串田 誠一君
同日
 辞任         補欠選任
  井野 俊郎君     武井 俊輔君
  上野 宏史君     百武 公親君
  船橋 利実君     大西 宏幸君
  串田 誠一君     浦野 靖人君
同日
 辞任         補欠選任
  百武 公親君     杉田 水脈君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 ギャンブル等依存症対策基本法案(中谷元君外七名提出、衆法第二〇号)
 ギャンブル依存症対策基本法案(初鹿明博君外十名提出、第百九十五回国会衆法第六号)
     ————◇—————
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山際大志郎#1
○山際委員長 これより会議を開きます。
 中谷元君外七名提出、ギャンブル等依存症対策基本法案及び第百九十五回国会、初鹿明博君外十名提出、ギャンブル依存症対策基本法案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人として、認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク代表理事西村直之君、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会代表理事田中紀子君、弁護士三上理君、以上三名の方々から御意見を承ることにいたしております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。両案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 西村参考人、田中参考人、三上参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、西村参考人にお願いいたします。
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西
西村直之#2
○西村参考人 それでは、ギャンブル等依存症及びギャンブル等依存症対策基本法、ギャンブル依存対策基本法に関する意見を述べさせていただきます。
 まず、本法案は基本法ですので、この問題に必要な対策をこの問題にかかわってきた私から見れば、過不足という感じはあります、正直。しかし、これはあくまでも基本法なので、この基本法が今後より有効に機能するために重要と思われる課題について、少し取り上げさせていただきたいと思います。
 まず、用語の問題について少し触れさせていただきます。
 国民に対して、現在、この法案の議論の中で、わかりやすい用語で議論するということはとても重要なことだというふうに考えております。しかし、議論の根幹となるいわゆるギャンブル依存症、ギャンブル等依存症というのは、今回、両法案の中ではその定義自体が異なったまま今日に至っております。定義の明確化というのは、やはりその対策をする者から考えると必須の課題というふうに考えています。
 自公維の案では、ギャンブル等依存症は、海外の対策で標準的な考え方となっているプロブレムギャンブリング、いわゆる問題あるギャンブリングという、かなり幅が広いところを対象としております。一方、立憲、自由、社民案では、疾病と捉える、どちらかというと医学モデルというのが強く表現されております。
 これはどちらがよいということではないと思うんですが、やはりモデルが、いわゆる問題ギャンブリングという障害モデルに立つか疾病モデルに立つかというのは、実は、今後対策をしていく上でどこに重点的に対策の力をかけていくかというところでかなり変わってくるんだと思います。大きく言うと、医療モデル型の対策になるのか、公衆衛生モデル型の対策になるかというのがここで大きく変わってきます。
 この対策は、実は対策費用のかけ方に大きな違いが出てきます。費用面の異なり、違いというのは、今後の対策費をどう確保していくかということにおいても非常に大きな議論になりますので、やはり、納税者や事業者も含めたいろいろなステークホルダー、利害関係者が納得できる費用効果の達成というのが明確になる公衆衛生モデルの方が私はいいのではないかというふうに考えております。
 次に、医学的には、精神医療分野におけるギャンブル依存症という病名というふうに使われているものは、実はごく限られたところで使われている通称のもので、明確に医学的な定義として、ギャンブル依存症という病名は存在していません。これはやはり政治用語であるというところからスタートをぜひしていただきたいと思います。
 つまり、定義がはっきりせず、病的ギャンブリング、ICD10というWHOの定義ではこれは病的賭博という訳になっております、また、アメリカ精神医学会のDSM—5におけるギャンブリング障害はギャンブル障害と訳されていますが、これがやはりいつの間にか全て混在されて、ギャンブル依存症とされています。
 さらに、この法案ではギャンブル依存症、ギャンブル等依存症となっていますが、実は、世界の中では、依存症、いわゆるディペンデンス、という訳が当たっているものは既に診断基準から消えておりまして、依存症であるかないかという線引き、それから、ギャンブルやアルコールが原因であるかないかという議論自体が、治療論、因果関係をおいて、まずは問題がある人たちにどのように早期に介入するかというのが今援助及び対策の中心課題になっているので、やはり、ちょっと世界の流れから考えると、今回の対策の中でより医療的なものが中心に出てきていることに関してはかなり違和感を持っております。
 この点については、やはり海外の対策をしている人たち、研究者からも、なぜ、今新たな対策をするのに、一番コストがかかって費用効果の悪い医療モデルを使うのかというふうなことをたびたび聞かれて、返答に正直窮しているところです。
 また、用語と関連する部分ではあるんですが、今回の中で、ギャンブル等依存症、昨日は患者という言い方がかなり出ていましたが、このギャンブル等依存症の問題を抱える人たちというのは一体誰を指しているのかというのがやはり曖昧なところがあります。
 ギャンブルの参加者の中には、やはり実際、病的な依存状態に陥る、いわゆる本来の医学的水準の依存症レベルに陥る人たちがいることはもう間違いない事実で、これは非常に深刻な問題で、しっかりした対策が必要です。
 ただ、実際、いろいろな数値があります。数値の中で、実際、ギャンブルの習慣を持つ人たちの中で重度の依存状態にある人たちは全体の一から三%程度ということで、決して数としては多くないということがさまざまな疫学検査でわかっております。
 一方で、自分で何とかコントロールしながら、ギャンブリング習慣を、ギャンブルの習慣を何とかコントロールしながら若干問題を抱えている人たちというのがかなりの数います。この人たちがやはり参加者の五%から一〇%ぐらいはいるだろうというふうなことが世界的にも言われておりまして、この群がいわゆる問題ギャンブラーと呼ばれる人たち、プロブレムギャンブラーと呼ばれる人たちで、この方たちは必ずしも病的な状態に移行するわけではなくて、問題を抱えながら、割と長期間その状態をキープする。そういう意味では、その周辺の人たちには長いこと影響が出ることは間違いないので、これは対策が必要なわけです。
 ただ、この方たちは、何らかのきっかけでかなりの人たちが自己回復しているというデータもまたあります。
 そのようなことを踏まえて、世界の対策というのは、黎明期はより重篤な、いわゆる依存症レベルの治療介入を標的として始まってきたんですが、対策が進むにつれて、問題ギャンブラーへの早期介入と、どうやって依存症水準に進行させない自己制御を支援していくかというふうに対策がシフトしています。
 昨日のこの会の中でもAMEDのデータがかなり使われたと思うんですが、あの中に、直近一年、七十万人がいわゆるギャンブル依存症の疑いということになっていますが、あれは一体何を指すかというと、多分、実際、病的水準はその数分の一で、七十万人のうちの多分九〇%ぐらいは問題ギャンブラーであって、いわゆる医学的依存症ではないということは、これはやはり注意しておかないといけないと思います。この方たちは、病院に連れていったからといって、必ずしも治療効果が、まあ、ないわけではないですが、極端に言うと、費用効果がかなり悪い支援になり得るということですね。ただ、数万人の深刻な問題を抱える人たちがいるということは、もう間違いない事実です。
 さらに、問題ギャンブラーのレベルで見る場合というのは、実はアルコールや薬物の病的依存とやはりかなり病態が異なっておりまして、そのケアのやり方というのはもっともっと幅が広く、柔軟なものであった方がいいというふうに考えております。
 つまり、病的な依存症レベルではない問題ギャンブラーをいかにふやさないか、いかに問題ギャンブラーを病的な依存状態に進行させないかを主眼とした予防対策というのが、やはりこれからやる対策としては非常に重要だと思います。
 シンガポールなどもこの点を強調しておりまして、まずは予防できる人をして、その上で、その予防をすり抜けていく人たちに対して重点的に対策を行うというふうにしております。
 この問題ギャンブラーは、本人から援助を求める行動がかなり期待できますので、やはりこちらの方をより重点的にやっていった方がいいと思います。
 時間の関係で、少し飛ばさせていただきますが、もう一点、やはり、自助グループ、当事者活動に対しての支援ということに対して、これはとても重要なことではあるんですが、実は他の依存の問題でも、精神保健の行政が医療機関につないで、医療機関が、また精神保健の機関が単に自助グループに丸投げするという事態が、ずっとこれはアルコール、薬物の問題でも起こっております。これは実は支援の劣化というふうな問題を引き起こしておりまして、その途中にある、自分でコントロールできたり戻れる人たちの支援、それから、そうならない予防に対して、やはり、この法案の中では少し、両法案とも若干弱いように思います。その点はぜひ、より検討されていただきたいと思います。
 特に、カジノの是非は別として、この対策については、やはり海外は日本より三十年ぐらいさきに取り組んでおりますので、特に事業者や向こうの対策のノウハウというのは非常に有効なものを持っておりますので、その点は、ぜひ活用していくべきではないかというふうに思っております。
 以上です。ありがとうございました。拍手
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山際大志郎#3
○山際委員長 ありがとうございました。
 次に、田中参考人にお願いいたします。
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田中紀子#4
○田中参考人 公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会代表理事の田中と申します。
 私は、自分自身がギャンブル依存症からの回復者でもあり、また、祖父、父、夫と、家族に依存症者を持つ立場でもあります。それらの経験を生かして、現在では、ギャンブル依存症問題に苦しむ当事者と御家族の支援を行っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、短いお時間でございますので、三つの要点に絞ってお話ししたいと思います。
 まず第一に、民間団体の役割と支援についてです。
 二〇一六年十二月にIR推進法が通って以来、ギャンブル依存症がにわかに注目され、各地の精神保健福祉センターほか、行政の窓口や、公営競技、遊技の運営者側の皆様方も電話相談窓口などを設置されました。
 その結果、早期に支援につながれる方たちもいる反面、重篤な案件に対しては、電話相談のたらい回しという現実も起きています。
 例えば、お金を渡さないと、暴力を振るったり、近所に聞こえるようにわざと大声を上げる、首をつるなどしながら、今から自殺するぞと脅迫動画を送ってくる、暴れて家の中を破壊するので、家族が車上生活を強いられている、こうした案件に対し、行政、医療その他電話相談窓口に相談しても、本人を連れてきなさいとどこでも言われてしまい、家族にはなすすべがありません。また、警察に相談しても、当事者に対する説教で終わってしまっています。
 これらの案件は、全て私どもが対処した事例です。私たちは、どこからの支援も受けられず、予算もつかないまま、同じ問題を抱えた家族同士で寄附を出し合い、こうしたハイリスクの案件に対応しております。こんなおばさんである私が、包丁を振り回したり、暴れている当事者の説得に向かい、医療や回復施設への入院、入寮を促し、自分の車で現地まで送っていき、その後、御家族の安全対策や自立支援を行っております。
 御本人が自殺を図ったケースもあります。家族と連携し、何とか一命を取りとめ救急病院へ運んだにもかかわらず、救急から精神科への連携を拒否されてしまいました。私どもが懇願しても入院はかなわず、結局自死されてしまい、救えるはずだった命を救えなかったという苦い経験もございます。
 現状の依存症対策は、こうした重篤な問題に対する支援が置き去りにされたまま、電話相談や数回の認知行動療法などの入り口対策ばかりが強化され、私たちの現実と対策が乖離しております。
 御参考までに、現状の課題について図でお示しいたします。
 第二に申し上げたいことは、連携の強化です。
 カジノ議論とともにギャンブル依存症対策が取り上げられると、医療の強化ばかりが叫ばれるようになり、我々は困惑しております。ギャンブル依存症は、アルコールのように身体的健康が損なわれるわけではなく、また治療薬もない現状では、医療の果たす役割はわずかです。
 むしろ、ギャンブル依存症は、多重債務などの金銭的な問題とそれに伴う犯罪によって介入されるケースの方がずっと多くあります。
 例えば、動機にギャンブルの問題があった事件は毎日のようにニュース報道となっており、つい最近も、五月十八日、信金職員着服、三百五十一万、使途はパチンコ、五月二十一日、青果卸会社元課長代理、八年間で二億五千万円着服、使途はギャンブル、五月二十一日、小学校職員、給食費六百八十八万円着服、使途はパチンコ、スロットと報道がありました。
 御参考までに、当会が二〇一八年一月以降ニュース報道で把握した事件を添付いたしております。
 私どものもとにも毎日、横領、窃盗、万引きなどの相談が寄せられ、こういった事件の裏には悲しみに暮れる御家族がいます。
 昨年十二月には、九十二歳の父親が、六十五歳になる無職で父親の年金をせびってギャンブルに行く長男をハンマーで殴り殺すという痛ましい事件もございました。
 ギャンブル依存症は、弁護士や司法書士、警察との連携及び職場への正しい知識の啓発や予防教育がむしろ急務と感じております。
 また、最近では、高校の養護教師から、家庭内にギャンブルの問題がある生徒が家に帰りたくないと言っているなどという相談も寄せられるようになったり、大学等の中退問題にギャンブル依存症が少なからずかかわっていることがわかっています。教育現場との連携も欠かせません。
 さらに、ギャンブル依存症は、残念ながら当事者が回復しない場合も多くあり、その場合には、残された妻子が貧困状態に陥り、問題が子供の世代へと伝播していきます。一人親支援や子育て支援との連携も必要です。
 また、医療と行政だけを強化することは、別の弊害も生みます。ギャンブル依存症の民間回復施設では依存症からの回復者が支援者として活躍しており、やりがいを感じ、生計を立て、納税者として社会復帰を果たしています。医療と行政に偏った支援は、このような回復した依存症者の居場所を奪うことにつながります。
 ギャンブル依存症対策を考える際には、必ず、民間団体、民間回復施設、そして自助グループを含め、弁護士、司法書士、警察、児童養護施設、自殺対策、学校教育、企業教育、地域社会、もちろん行政、医療、ギャンブル産業といった幅広い連携が必要です。
 御参考までに、多重債務や中退問題、養育問題に関するギャンブル依存症者の家族に対する筑波大学と当会との合同調査資料を添付いたします。
 最後に、予算の現状です。
 二〇一八年度、厚生労働省の依存症対策予算は六・一億円のうち、民間団体へ直接支援される助成金は、アルコール、薬物、ギャンブル全ての団体を合わせ一千八百万円です。
 また、国と都道府県・政令指定都市が折半で行う地域生活支援事業による民間団体の助成では、ギャンブル依存症支援への助成を検討していると答えてくださった自治体は、当会及び他団体の電話調査によると、六十七分の十九自治体となっており、実施率は二八%、金額は三万円から二十万円となっております。その中でも、企画は全て行政が行うというものや、事業の半分だけ助成するという、実質的には利用できない助成金もございました。
 そして、興味深いことには、早々にIRに名乗りを上げておられる北海道、東京都、横浜市、大阪府、和歌山県、長崎県は、この民間助成金にゼロ回答でございました。
 ギャンブル依存症対策をしっかりやるという口約束ではなく、対策費拠出を含めた対策のあり方、また予算の規模などをお示しいただかないと、私たちは安心できません。相談電話の設置だけでは、対策を行ったとはとても言えない現状があるからです。また、どのような対策が必要なのか、ギャンブル依存症により現状起きている社会負担費などのコスト計算や実態調査を行う費用なども計上されておらず、本当にしっかりとした対策が行えるのか、不安です。
 また、ギャンブル産業側が民間団体や研究者に直接助成することは利益相反の問題もあり、やはり、国が売上げの一部を税金などの形で管理し、依存症対策費として分担する制度を整備することが、世界的に見てもスタンダードな方式だと思います。ギャンブル依存症対策を整備する上で、いま一度御一考願えないかと思っております。
 最後になりますが、このギャンブル依存症対策で最も大きな前進となり、今後基本計画を作成する上で重要な役割を果たすと思われる関係者会議が実現したことは、中谷先生を筆頭とした与党のギャンブル依存症対策PTの先生方、また、この問題にお詳しい野党の先生方に心から御礼申し上げます。
 ギャンブル依存症問題により、悲鳴を上げ、助けを求めておりますのは、当事者そして家族でございます。どうか、当事者、家族の声を一つでも多く法案に取り入れていただけるよう、心からお願い申し上げます。
 お伝えしたいことはまだたくさんございますが、あとは質疑応答の時間に御質問いただければと思います。
 どうもありがとうございました。拍手
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山際大志郎#5
○山際委員長 ありがとうございました。
 次に、三上参考人にお願いいたします。
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三上理#6
○三上参考人 弁護士の三上理と申します。
 日本弁護士連合会のカジノ・ギャンブル問題検討ワーキンググループの事務局長をしております。
 本日、日本弁護士連合会の意見を二つ配付させていただきました。
 二枚目からあるのが、二〇一八年四月十三日付、ギャンブル依存対策推進に関する意見書です。ここでは、ギャンブル依存対策の推進に当たって留意すべきと考えられることを述べております。
 意見の趣旨として、まず、ギャンブル依存対策は、ギャンブル依存の問題が自己責任の問題ではないことを基本的な立脚点として、消費者安全の見地から考えられなければならないこと、また、ギャンブルとの物理的、精神的な近接性の排除をギャンブル依存対策の重要な柱の一つとし、厳格な入場制限が行われるべきこと、ギャンブル依存対策は全てのギャンブルを包括して行われるべきであり、そのために独立した司令塔が必要であることなどを述べております。
 また、一枚目のところで、四月二十七日付、日本弁護士連合会の会長声明として、特定複合観光施設区域整備法案の国会上程に反対し、廃案を求める会長声明を出しております。ここでは、今カジノを解禁することについて、ギャンブル依存症対策が不十分であることなどを理由として、反対することを述べております。
 これらの意見を踏まえて、以下、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 ギャンブル依存症対策においてまず一番に大事なのは、予防だと思います。
 ギャンブル依存症対策とは何かということについて、今提出されている法案では、例えばギャンブル依存症の発症、進行及び再発の防止及び回復のための対策とされ、あるいはギャンブル依存症の発生、進行及び再発並びに問題の発生の防止等を図るための施策等とされています。
 その中で、ギャンブル依存症になってしまった人の進行を防ぐこと、回復のための対策をし、支援すること、再発を防ぐことももちろん大事であり、必ずやらなければならないことであり、そういう深刻な現実があるからこそこういう法案が必要になってくるわけですけれども、やはり基本的な理念として一番大事なのは、ギャンブル依存症になる人を生み出さないこと、つまり、発症を防止することなんだろうというふうに思っております。間違っても、依存症になる人がこれから更にふえたとしても、その回復のための対策と支援さえ充実していれば大丈夫というふうになってはいけないというふうに考えます。
 私は、これまで、弁護士として多重債務の問題にかかわってきました。かつて、多額の借金を抱えて返せなくなる多重債務者が二百万人とも三百万人とも言われ、貸金業法の改正がありました。そのとき、多重債務になってしまった人をどう支援するか、むしろ弁護士にとってはそういう場面でこそ活躍する機会があるわけですけれども、やはり一番大事なのは、そもそも多重債務になる人を生み出さない社会をつくることだと考えられたわけです。
 今も同じだと思います。ギャンブル依存症の経験がある人が五百三十六万とも三百二十万とも言われる中で、ギャンブル依存症になってしまった人の回復と再発防止のための対策と支援、これを放置することはできないんですけれども、やはり基本的な理念として一番大事なのは、ギャンブル依存症の発症を防ぐことでなければならないと思います。
 そのような観点から、ギャンブル依存症になってしまう人を生み出さない社会をつくるために、ギャンブルについて、時間的、場所的な近接性を排除することが必要であると考えます。
 今、いつでもどこでもギャンブルが身近にあります。駅前にはすぐにパチンコがあり、テレビでは頻繁に競馬のCMが流れています。未成年者にとっても、ギャンブルが日常的に身近にあるわけです。
 このようなギャンブルとの物理的、精神的な近接性を排除することが必要であり、そのためには、ギャンブル事業者の広告は禁止されるべきであり、ギャンブル施設への入場については厳格な制限が行われるべきであると考えます。
 また、全てのギャンブルについて、包括的な対策が行われる必要があると思います。
 現状では、競馬については農林水産省、競輪については経済産業省、競艇については国土交通省、パチンコについては警察庁と、所管が分かれています。
 昨年八月二十九日、ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議の「ギャンブル等依存症対策の強化について」、取りまとめが公表されましたけれども、そこでも、それぞれのギャンブルごとに、ばらばらに対策が検討されていました。全てのギャンブルについて一貫した包括的な対策が見られないことは残念に思います。
 そのような、一貫した包括的な対策の必要性という観点から、幾つか具体的に意見を述べさせていただきたいと思います。
 例えば、射幸性の抑制という問題について。
 パチンコについては、最近、出玉規制が強化されました。警察庁としては、依存症対策のために射幸性を抑えることが必要であると考えたわけです。
 それでは、競馬、競輪、競艇はどうなのか。本来であれば、競馬、競輪、競艇等の公営ギャンブルについても射幸性の抑制が必要であるというふうに思いますし、今検討されているカジノについても、民間賭博であるという特性からしても、刑法で刑罰として禁止された賭博の違法性を阻却するためにも、射幸性を抑制することは不可欠であろうと考えます。
 次に、入場回数の制限という問題について。
 カジノについては、現在、週三回、月十回までの入場回数制限が検討されているようですけれども、それでも、パチンコには毎日通っていても問題はないというふうに言っていいのかどうか。週三日はカジノに通い、残りの四日はパチンコ、競馬に通うということができるのであっては、依存症対策にはならないのではないかという疑問があります。
 パチンコについても競馬についても含めるような形で、全てのギャンブルについての入場回数制限が検討されるべきであると思います。
 また、営業時間の制限という問題について。
 パチンコについては、現在、風俗営業法と条例で、営業時間が朝何時から夜何時までと定められています。
 これに対して、今想定されているカジノは、日本で初めての二十四時間営業のギャンブル施設です。三日連続で七十二時間、家に帰らず、ギャンブル施設にい続けることができるというのでは、依存症になってしまう危険性はかなり大きいと思います。
 カジノについても、営業時間の制限は必要であるはずです。
 さらに、ギャンブルのための資金調達という問題について。
 現在、競馬場などでは、ATMのキャッシング機能を廃止したり、ATMを撤去することが検討されています。
 しかし、カジノについては、一定の金額を預けた人に対してはカジノ事業者が貸付けを行うということが想定されています。ギャンブル事業者が顧客に対してギャンブル資金を貸し付けるというのも、日本で初めてのことです。
 例えば、五百万円を預けたら三千万円分のギャンブルができるということでは、いわゆる信用取引、証拠金取引と同じです。射幸性は更に高まるのであり、大きな問題があると思います。
 このように、それぞれのギャンブルについてばらばらに対策を考えると、ちぐはぐな、おかしなことになるという問題があると思います。独立した司令塔となる機関によって、全てのギャンブルについて一貫した包括的な対策を考える必要があると思います。
 この基本法案に基づいてこれからギャンブル依存症対策推進基本計画が定められ、その計画に基づいて各種の対策が行われることになるわけですけれども、その基本計画の内容、各種対策の内容について、全て推進本部に委ねるというのではなく、やはり国民の代表である国会として、今きちんとその青写真を描くということを議論して、検討していただきたいというふうに考えます。
 その際、ギャンブル依存症の発症を防止するために、ギャンブル依存症になってしまう人を生み出さない、そういう人をできるだけ少なくする社会をつくっていくために、全てのギャンブルについて一貫した包括的な対策が必要であるという基本理念を打ち出していただきたいというふうに思っております。
 私からは以上です。拍手
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山際大志郎#7
○山際委員長 ありがとうございました。
 以上で各参考人からの御意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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山際大志郎#8
○山際委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。金子俊平君。
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金子俊平#9
○金子(俊)委員 おはようございます。自由民主党、岐阜県第四選挙区から選出をさせていただきました金子俊平でございます。
 きょうは、参考人の三名の皆様方におかれましては、早朝より貴重な御意見、また御教授を賜りまして、改めて御礼を申し上げさせていただきます。
 今、三名の皆様、時間が相当短くて、もっとおっしゃりたいことがそれぞれにあったのではないのかなというふうに思いますけれども、いただいた御意見、幾つか教えていただきたいこと、また更に御教授賜りたいことがありますので、質問をさせていただきたいというふうに思います。
 今回、このギャンブル等、またギャンブル依存に関して、法案自体は二つに分かれておりますけれども、一方で、我が国としては初めてギャンブル等依存症に対する法案が出されたわけでありまして、しっかりと国会において議論されるということは、まずは画期的なことであろうと思いますし、昨年の十月当選をさせていただいた私が言うのもなんでありますけれども、昨年、会期の都合だったというふうに認識しておりますけれども、一度廃案になったということは非常に残念でありますし、なおさら今国会に、我々国会議員として、この法案にかける意気込みというのはしっかりと持っていかなければならないのかなというふうに思います。
 今、皆様方の御主張を、また御意見を賜っておりまして、共通していることに関しては、やはり今、私自身、ギャンブル依存症というものに関して、またギャンブル等依存症というものに関しては、誰にでも起こり得る問題なんだというふうに改めて認識をさせていただきました。
 そして、この誰にでも起こり得るギャンブル等依存症を今度は社会でいかに助けていくのか、また、我々がそれを早期に発見をして、対処をして、彼らが、また依存症と思われるような方々が社会復帰をしていくのか、そのまさに支援をしていくことが重要なんだろうというふうに思います。
 依存症自体は、薬物でありますとかアルコールでありますとか、ニュースで見ていますと、例えば買物なんかももしかしたら依存症に陥ってしまう可能性があるんだろうというふうに思いますけれども、今御意見を拝聴しておりまして、依存症が重度になる前から認識また発見をいかにできるのか、また、それをどのような場所に、どのタイミングで相談をすればいいかという体制がやはり非常に大事なのではないのかなということを認識させていただきました。
 また、加えて、多重債務問題を取り扱われている相談支援機関、また精神保健福祉センター、また自助グループ、民間の皆様方でありますけれども、活動をしっかりとやっていただいているわけで、いかにこうした皆様方と我々、行政とが連携をしていく、またそういう体制を構築していくべきかという重要性も認識をさせていただきました。
 そこで、参考人の皆様方にお伺いをさせていただきます。
 皆様方は、ふだんの業務またお仕事の中で、数多くの本人、御家族の方から御相談をいただいているんだろうというふうに思います。相談をいただいた中で、この方は、どのタイミングでどのような相談をいただいて、依存症であるか、またどのぐらいの重度の依存症であるかというのを認識されるのか。また、先ほど参考人の皆様方も述べておられました相談体制の構築、繰り返しになって結構でありますので、どのようにしていくべきかというものもあわせて教えていただきたいなというふうに思います。
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西
西村直之#10
○西村参考人 では、今の点についてお答えさせていただきます。
 まず、どなたも、全員の方がギャンブルの依存になり得るというのは、これは確かな事実ですが、一方で、誰もが依存症状態になるわけではない、これはやはり重要な事実で、依存と病的な依存の間にはかなりの開きがあります。
 私がやっております、NPO法人リカバリーサポート・ネットワークの方では、電話相談、パチンコホールにポスターを張っておりまして、そこで年間、現在六千件の相談があります。六千件は、うち八〇%が本人からです。この方たちがやはり問題を持っていらっしゃいます。
 この人たちの相談は、依存症であるかないかではなくて、現在自分の持っている習慣で生活にどのような影響が出ているか、それをどのように修正する手伝いをするかということで、そこにおいては依存症であるかないかということはほとんど問題にはならないわけでして、その中で自分なりの調整をしていただいて、そこが難しければ、いろいろな、段階的にアドバイスをしていく、又は専門機関に紹介するという形で、ほぼ半数の方たちは電話相談だけで対応がある程度終わるというふうな形になっております。
 このような簡易介入というのは、依存症であるかないかではなくて、早期の、さまざまな簡易介入ですね、最近は、スマートフォンのアプリケーションを使った簡易介入、それからチャット、それからメール相談等、そのような多様なことが可能になってくると思いまして、このように敷居を下げるということが非常に重要だというふうに考えております。
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田中紀子#11
○田中参考人 お答えさせていただきます。
 私の場合は、西村先生がおっしゃったような、問題あるギャンブラーというような状況をもう超えてしまって、本当に完璧に依存症になって、周りの方たちも困り果てていて、御相談を受けるというパターンがほとんどでございます。ですので、本人から相談を受けるということはほとんどありません。周りの御家族からの御相談がもう九割です。
 相談体制なんですけれども、やはり、ここまでいってしまうと、医療においそれとつながったりもしませんし、本人にどこかに行きなさいと言っても、まずつなげることが難しいんですね。なので、私がなぜ本人を説得してつなぐことができるかといえば、やはりそれは同じ道を経験しているということが大きいかと思います。
 その、やめたくない、でもやめなきゃいけない、やめた方がずっと幸せになれるのにというところで、もがき苦しんでいる、こんな人生嫌だって本当に自分のことが嫌いになっている、そういう状況が痛いほどよくわかるという、その当事者の経験が生かせているから、こうして多くの人たちを救うことに役立てられていると思っています。
 ですので、やはり、その辺のすみ分け、重篤な依存症に陥ってしまった人たちに対しては、同じ当事者であったり、同じ問題を経験した御家族が相談に乗って、一朝一夕にはうまくいかないので、やはり長い年月がかかるんですけれども、少しずつこの状況をよくしていく、その寄り添っていくサポーターみたいな体制が必要ではないかなというふうに思っております。
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三上理#12
○三上参考人 ギャンブル依存症というのは否認の病気と言われておりますので、御本人が自覚しづらい病気であり、自覚したとしても認めたがらない病気であるというところから、なかなかそれを発見するのは難しいというところがあるんだろうと思います。ましてや、私は弁護士ですので、基本的には、ギャンブル依存症そのものについて相談を受けるということは私はありませんので。
 私が相談を受けた中で、例えば多重債務者の相談を受けたときに、多重債務の原因となっているのがギャンブルであるということがあり、例えば自己破産をして、借金の問題については解決して、銀行とかクレジットとか、まともなところからは借りられなくなった人が、闇金から借りて、それでもまたギャンブルをやってしまうというような事例に直面したりとか、ギャンブルが原因で離婚の問題になって、もう二度としないということを誓って、やり直していこうということになったのに、またギャンブルをしてしまって、結局、離婚になってしまうとか、そういうような形で、私としては、法律問題の原因となっているのがギャンブルであるという形で、ギャンブル依存症の人に直面するというところがあります。
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金子俊平#13
○金子(俊)委員 ありがとうございます。
 時間が許せば、個別具体的にどのようなアドバイスを、ケース・バイ・ケースでしょうけれども、されているのかとか等々をお聞きしたいんですけれども、残り六、七分になってしまいましたので、次、お伺いをさせていただきたいと思います。
 きのう、同僚の加藤鮎子議員の質問に対して政府参考人から、今政府でどのような具体的な対処をしているのか、政策をしているのかという質問でございましたけれども、早期に相談や治療が受けられるような環境を整備すべく、全国における相談、治療体制の整備、医師などの人材育成、自助グループの皆様や民間団体への支援の推進、学校教育の指導、啓発を推進するとともに、多重債務における相談体制の強化等々の答弁がございました。
 今回議論になっております両案ともに、この指針はうたっていただいておるんだというふうに認識をしておりますけれども、西村参考人にお伺いをしたいんですが、先ほど西村参考人からの御意見の中で、公衆衛生モデルを今後進めるべきだというふうにおっしゃっていただいたというふうに認識をしておりますけれども、今現在この政府がやっておられる施策と西村参考人がおっしゃっていた公衆衛生モデルとの中で、乖離があるという部分としてはどの部分が乖離があるのか、教えていただきたいというふうに思います。
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西
西村直之#14
○西村参考人 その点について、お答えさせていただきます。
 本来、公衆衛生モデルというのは、地域の保健全体、生活障害等をサポートするような全体の上に、さらに、その中に精神保健があって、精神保健の中に精神医療というのがピラミッドで存在していなければならないんですが、今回のモデルというのは先に精神保健医療というところが核になっていて、地域の保健、つまり、一次予防、教育にしても、それが、何がどういうふうにパッケージとして地域のモデルとしてやっていくかが明確でないまま、最終的には、依存症の人たちを見つけて、どう発見して医療につなぐかというところに余りにも主眼が置かれていて、そうならないため、そして、ギャンブルの問題の人たちは、実は先行する障害がたくさんありまして、つまり、お金の問題がもともとコントロールできていない人たちが、ギャンブルをやめても解決しないわけです。
 そういう生活障害の支援、先行する問題も含めて、地域の中でどのようにその人が暮らしていけるかということが、まずここに主眼を置いて、その中の一つの問題として依存症があるというふうに考えていかないといけないんですが、やはりそこが少し整理されていない。ゼロと言っているわけではなくて、やはりちょっと主眼がずれているというふうに感じております。
 以上です。
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金子俊平#15
○金子(俊)委員 ありがとうございます。
 続きまして、質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先ほど田中委員の御意見の中で、暴力を振るったり、近所に聞こえるようにわざと大声を上げるとか、また、首をつるしながら、今からでも自殺をするという脅迫動画を送ってくるとか、本当に生々しい現状を教えていただきました。
 こういう現状というものは、大都会だけではなくて、地方でも起こり得ることだろうと思いますし、むしろ地方の方が個人的には多いのではないのかなというふうに思います。
 私自身も非常に、飛騨高山という地方出身の人間でありますけれども、昨日この国会において議論されましたデータの中では、地方の差、地方同士の差というのは特段出てこなかったわけでありまして、そこはまた今後検証していく必要があるんだろうというふうに思いますけれども、今回、両法案ともに、第六条で、国と同時に地方公共団体に対しても義務を課しております。私が今一番心配をしているのは、国は多分、ある程度の施策をやっていただけるんだろうと思いますけれども、一方で、地方公共団体はそれなりに差がついてきてしまうのではないのかなというふうに思っております。
 今回、全国津々浦々にこのギャンブル依存症の対策をしっかり講じていくために、どのように地方自治体に対してやっていくべきなのか、若しくは、地方自治体を監視するためにどのようなことをすればいいのか、もしお考えがあれば教えていただきたいなというふうに思います。
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田中紀子#16
○田中参考人 ありがとうございます。
 先生のおっしゃるとおり、地方によって物すごくばらつきがあって、やはりモチベーションの高い担当の方がいらっしゃるとすごく依存症対策をやるんだけれども、そういった方たちはみんな三年で異動してしまうので、私たち、急に北風が吹くときもあって、その辺の人材のばらつきというのはすごく大きな問題です。
 また、地方の方独特の問題なんですけれども、地方の方ほど行政に相談に行かれないという問題があります。
 それは、まず、精神保健福祉センターとか医療というところにギャンブル依存症がそもそも相談できるというふうに思っていないという人たちが多いんですね。私もそうですけれども、これ、医者に相談できるのというふうにすごく思ったんですね。自分ちの借金の問題が、何で医者に相談するんだろうということをすごく驚いたのと、まだ本当にこの問題に触れる前に、精神保健福祉センターなんというところは全く知りませんでした。
 あとは、もう一つは、地方の方たちは、そういったところにつながると、知り合いに会うということを物すごく恐れているんですね。なので、行政に相談に行くということができないのと、わざと県をまたいで相談に行ったりすると、県をまたいでしまうと、担当の方は、県をまたぐと相談は受けられないというふうに答えられたりするんですね。
 なので、地方の方ほど、やはり私たちのような民間団体を活用していただきたい。私たちは、東京から支援に行くというようなこともできるし、近くの県から支援に行くということもできるんですね。なので、世間の目ということを恐れている地方の方たちは、やはり民間団体を活用して、そして、地域の知り合いに会わないような、そういう心配を取り除いてあげるという配慮がすごく重要だと思います。
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金子俊平#17
○金子(俊)委員 時間が参りました。
 貴重な御意見を賜りまして、改めて御礼を申し上げさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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山際大志郎#18
○山際委員長 次に、阿部知子君。
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阿部知子#19
○阿部委員 立憲民主党の阿部知子です。
 本日は、与野党の合意そして委員長の采配で参考人の皆さんに来ていただけて、本当によかったと思います。お話を聞けば聞くほど、本格的に、ギャンブル等と言ってもいい、ギャンブル依存症という言い方もあるでしょう、対策の奥の深さ、必要性が認識されたものと思います。
 まず、西村参考人にお伺いをいたします。
 もともと精神科のお医者様でいらっしゃると思いますし、このまとめられたレポートを拝見していても、そもそも、我が国の精神医療に対する治療体系が長年、疾患モデルできて、地域保健あるいは精神保健というものが手薄であったことを嘆かれて、また、そこからスタートしての御発言だと思います。ですから、今回のものも、疾患モデルじゃなくて、より広い障害と考えて、それをどう包み込みながら地域生活をしていくかという観点での問題の指摘だったと思います。
 ちなみに、私は野党案の提案者なので、先生の御指摘のように、この野党案が、単に疾患モデルにとどまるものとして規定したわけではございませんが、逆に、そのような不十分性を持つのであれば、私どもも今後その点を含んでいかなきゃいけないと思いますので、御指摘をありがとうございます。
 ちなみに、私どもの野党案では、ギャンブル依存等を特定原因行為というふうにして、広くそうした依存症を起こすような行為に、全般にやはり視野を持ちたいと思い、また、その後も、これは基本理念のところで述べさせていただきましたが、十九条においては、国及び地方公共団体が、こうした活動を行う民間団体と、医療、保健、福祉、教育、法務、矯正その他全てで必要な施策を講ずるようと。願わくば、地域包括ケアの中核にこれもきちんと位置づけられていくべきことと思います。もう少し踏み込んで書けばよかったなと思います。
 まず、長年この問題にかかわってこられて、ぜひ教えていただきたいのですけれども、先ほど、シンガポール等々での取組が、いわゆるギャンブルのアディクション、ディペンデンシー以前の、先生はディスオーダーという形で言われると思いますが、ギャンブル障害で、そこから更に依存症にならないための施策に力を注いできたと。
 私は、それが王道だ、本筋だと思いますが、その際、どのくらいの予算規模、例えば、日本でAMEDが七十万人と予想するような現在依存症に進みやすい方たちの対策を、社会が担うコストとしては、どのくらいあればよいのか。これはいろいろ私もこの法案の提出前に調べたんですけれども、いい前例を発見できなくて悩んでいたところでありますので、シンガポールの例等々で教えていただければと思います。
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西
西村直之#20
○西村参考人 ちょっと申しわけありませんが、シンガポールと日本ではやはり全く規模が違うことと、それから、日本の場合、今後、対策はやはり、パチンコホールは全部ありますが、公営競技がある自治体、ない自治体、それからIRを誘致する自治体と、全然、それから人口構成も違うので、それを、シンガポールの数を押しなべて広げていくというのはかなり危険なことになります。
 むしろ大事なことは、やはり今回、基本法なので、対策を打っていったものの評価、アウトプットを、どのように費用効果を評価していくか。その中で適正な支出を、もうここにお金を上げたからいいだろうではなくて、本来、どこに上げるとどのような効果があるかを、どのような形でアウトプットを評価していくかという、そこのことこそが大事で、今からそれをむしろこの基本法をベースにして検証していくスタートにすべきではないかというふうに考えております。
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阿部知子#21
○阿部委員 確かに、御指摘いただいたように、アウトプットを評価しながら必要額を見積もっていくということが大変重要なのは、他の疾患でも、予防の方がより長い目で見たら費用は少なくなるということなんだと思います。
 ただしかし、そういうことをやるにも、ある程度の予算規模がなければ、先ほど田中さんがおっしゃったように、現在六億で、民間自助団体には千八百万円ですか、とてもこれは全部の依存症を合わせた費用としてもやれない額だと思いますので、まず国会としては、必要なそうした検証、あるいはそのためにかけられる費用を求めてまいりたいと思います。
 あと、医師としての観点から一つ教えていただきたいんですけれども、いわゆる今問題になっておりますカジノは非常に射幸性が高いと、私はやったことがないけれども、予想をいたします。プラス、夜中もできるということは、これはやはり睡眠障害等加わってまいりますので、より依存症として重篤なものをもたらす危険性があると思いますが、このあたりは、今、精神医療の分野ではどのように思われているんでしょう。
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西
西村直之#22
○西村参考人 やはり、射幸性と依存性の問題というのは常に出てくる課題ではありますが、実を言うと、射幸性と依存性の明確な因果関係というのはいまだにわかっていないんですね。むしろ、射幸性が低くても、反復していく場合に問題が起きてくる。
 つまり、依存症ではなくて問題が起きる場合は、例えば少額でも、射幸性が低いものでも、繰り返し繰り返し行っているとその中で生活障害が起きてくるということなので、やはり、問題という点からいくと、射幸性とは必ずしも一致しないというところがありますので、余りそこを直線的に考えてしまうと、この問題の対策の本質がちょっと見えなくなるかもしれないというふうには思っております。
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阿部知子#23
○阿部委員 もう一つの御質問であった、夜間ということですね、不夜城のようにあいておりますので。パチンコなどは朝行くともう行列ができていて、でも夜の時間は基本は遮断をされていると思います。
 私は、おっしゃったように、射幸性も確かに証明はされていない、ただ、より大きなかけ金をかけることによって得る幸福感というのも大きいところもあるかもしれないなと思いますので、その点はちょっと懸念の点でございます。
 次に、田中さんにお伺いいたします。きょうはありがとうございます。
 そして、当事者としていろいろな方の声を受けとめる、もうこれにまさることは実はないと思います。特に、子育て中のお母さんたちからの声も聞いてこられたと思います。どこにもSOSが出せない、そして結局子供を虐待してしまわざるを得ない。そうしたことに対して、これまで田中さんのお取組、あるいは社会の政策として何があればよいか、ちょっとお話をお願いいたします。
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田中紀子#24
○田中参考人 ありがとうございます。
 やはり、御主人がギャンブル依存症になってしまうと、本当に家庭の中のお金の問題とか、あとは子育ての問題がすごくのしかかってくるんですね。
 まず一つには、私たち、ギャンブラーの妻、通称ギャン妻というふうに呼んでいるんですけれども、ギャン妻たちは助け合って、本当に就職活動なんかをすごく支援したりしているんですね。それで、旦那の給料に頼っているのは泥舟に乗っているようなものだよということで、まずそういった人たちを就職させようということを一生懸命頑張ります。
 なので、例えば、ギャンブル依存症とか、そういった障害とか疾病を持っている御主人というふうに、何かが認定されたりすると就労支援みたいなものとかが受けられたりするということがあると、すごくありがたいかなというふうに思います。
 あと、奥さんが働いていなかった場合に、やはりちょっと保育園の問題などがかかってきて、これは今、日本人の、みんな大きな問題だとは思うんですけれども、急には働けないみたいな、年度の途中だと急には働けないみたいなふうになってしまうんですね。でも、もう旦那のギャンブル依存症はとまらないわけなので、そこで、働くことがままならないというような状況もありまして、その辺がすごく大きな課題ではないかなというふうに思っております。
 また、やはり精神的な、メンタルのサポートということで、一つには、私たちも、こういうことをやっているところがあるんだというのですごく驚いたんですけれども、赤ちゃんが生まれたときに、保健所の方が一カ月健診で自宅に来てくれるんですね。そのときに、ギャンブルの問題はないですかと聞いてくれたということで、そのとき初めて打ち明けることができたということがあったので、あれは本当にプライベートな空間なので、そういう保健師さんなんかがいてくださるとすごくありがたいなというふうに思いました。
 ありがとうございます。
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阿部知子#25
○阿部委員 家庭内のDVの被害の方たちには、家庭内のそういう虐待防止法が、ドメスティック・バイオレンスの防止法ができて、シェルター機能のあるところもできてと。カジノの場合も、大半は家庭内暴力も伴いますし、また生活苦も大変強いものなので、何らかの社会的な支援策、緊急避難的なものも必要かなと思って、伺いました。
 また、保健所の機能にそういうものを付随させていくという御指摘も、ありがとうございます。
 最後に、三上参考人にお伺いいたします。
 私は、冒頭の西村参考人への質疑でも取り上げましたが、やはり、夜間にカジノというものが営業されているということは、極めて人間の生物学的なサイクルを狂わせますし、この前、お相撲さんの貴闘力がカジノの依存症であったというお話の中に、やはり夜の怖さというんでしょうか、そこに向かってしまう怖さを言っておられました。
 日弁連としておまとめになったところのいろいろでも、カジノに対しての入場制限が極めて緩いという御指摘もあるかと思いましたが、この営業時間規制等々についても一つお伺いしたいのと、また、全般的な規制、ギャンブルに関連するようないろいろな、私たちの言う特定原因行為に対しての規制と、それから社会的コストの負担のあり方について、御意見があればお願いをいたします。
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三上理#26
○三上参考人 私は、先ほども述べさせていただきましたけれども、やはり、二十四時間営業のギャンブル施設、そこに三日間続けて七十二時間い続けることができるということについては、かなり深刻な問題を引き起こすのではないかというふうに思っております。ギャンブルについて途中で自分の意思でやめることは難しいという状況の中で、パチンコであれば夜何時になれば店を出なければいけないというのと違って、いつまでもいられるということは、やはり深刻な問題、大きな問題なのではないかというふうに思っているところであります。
 全体的な規制というのはなかなか難しいところはありますけれども、やはり、そもそもギャンブル依存症になる人をできるだけ少なくする社会をつくるということで考えるのであれば、時間的な、場所的な近接性を排除するということで、ギャンブルについて、包括的な規制として、入場回数制限であったりとかそういうことを考えるべきなんだろうというふうに思っております。あるいは、その人の収入に応じてかけ金額の上限を設定するとか、御自身の、あるいは家族の事前の申告によって、入場回数、金額をあらかじめ制限した上でギャンブルを行うというような、そういうことも、カジノに限らず、既存のパチンコ、公営ギャンブルも含めた全体的な規制として考えなければいけない問題だろうというふうに思っております。
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阿部知子#27
○阿部委員 アメリカで以前、がん対策、がんになってから治療するよりもその予防対策にお金を投入する方が本当に社会的コストも低いと言われて、アメリカは国を挙げて取り組んだ。
 実は、このギャンブル依存症の問題は、多重債務、犯罪、あるいは子供への影響、社会的なマイナスの非常に大きな、それを誰も試算したことはないけれども、非常に大きな問題だと思いますので、そうならないためにも、規制、きちんと接近を制限する、あるいはやらない、私どもはカジノについては反対をいたしておりますし、そうした上で、なお、さらに、予防策に国として十分なお金と、また地域の協力をつくっていくということの必要性について、きょうは、お三方からそれぞれのお考えを伺うことができました。
 きょう伺いましたことを私たちも糧にして、よりよいギャンブル依存症対策ができるようやってまいりたいと思います。
 ありがとうございます。
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山際大志郎#28
○山際委員長 次に、森田俊和君。
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森田俊和#29
○森田委員 国民民主党の森田俊和でございます。
 本日は、西村様、田中様、三上様、本当に、それぞれ違うお立場のお話を先ほども聞かせていただきまして、なるほど、そういうことかということを、改めて納得をさせていただいたというところがございました。
 私自身は、うちの亡くなった祖母に、おばあさんですけれども、ギャンブルなんかやるもんじゃないというふうに、小さいころ、パチンコ屋の脇を通ったときにそんなことを言われて育って、それ以来、そういったところにはそもそも近寄らないというところから、子供の時代から今まで至っておりまして、そういった意味では、予防という意味では、非常に祖母の教育というか、そういう言葉も自分にとっては大きな影響があったのかなというふうに思っているんです。
 私、今のお話を伺って、大きく二つの点からお三方にお尋ねをさせていただきたいというふうに思っておりますが、一つは予防という観点と、もう一つが、御本人とかあるいは御家族の支援、ケアという意味でお尋ねをしていきたいと思います。
 まず、予防という観点なんですけれども、先ほど西村先生のお話の中で、まず定義づけの問題ですよね。問題ギャンブラーと言われている五%—一〇%という方たちから始まって、いわゆる依存症レベルの一から三%、こういった、それぞれの段階というか、分類分けされるということになってくると思います。
 そこで、皆様のいろいろな御経験、お立場の中で、少し、大きく二段階ぐらいに分けさせていただいて、まず、問題ギャンブラーにならないための予防策としてどんなようなものが優先的に挙がってくるかということと、今、問題ギャンブラーを病的ギャンブラーに持っていかないための予防という観点、この大きく二つの観点で、皆様、もうそれぞれ言っていただいた点もありますけれども、確認の意味も含めて、あるいはその補足も含めて、お答えいただけるとありがたいと思います。よろしくお願いします。
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