文部科学委員会

2018-04-11 衆議院 全274発言

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会議録情報#0
平成三十年四月十一日(水曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 冨岡  勉君
   理事 安藤  裕君 理事 神山 佐市君
   理事 亀岡 偉民君 理事 工藤 彰三君
   理事 鈴木 淳司君 理事 川内 博史君
   理事 城井  崇君 理事 浮島 智子君
      安藤 高夫君    池田 佳隆君
      石川 昭政君    上杉謙太郎君
      尾身 朝子君    大見  正君
      木村 弥生君    小林 茂樹君
      櫻田 義孝君    下村 博文君
      鈴木 貴子君    田野瀬太道君
      高木  啓君    中曽根康隆君
      根本 幸典君    馳   浩君
      鳩山 二郎君    船田  元君
      古田 圭一君    松本 剛明君
      宮内 秀樹君    宮川 典子君
      宮路 拓馬君    八木 哲也君
      櫻井  周君    日吉 雄太君
      山本和嘉子君    源馬謙太郎君
      長島 昭久君    西岡 秀子君
      太田 昌孝君    中野 洋昌君
      平野 博文君    畑野 君枝君
      串田 誠一君    吉川  元君
    …………………………………
   文部科学大臣       林  芳正君
   文部科学大臣政務官    宮川 典子君
   政府参考人
   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        住田 孝之君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 小田部耕治君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 奈良 俊哉君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          常盤  豊君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          高橋 道和君
   政府参考人
   (文化庁次長)      中岡  司君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁次長) 保坂  伸君
   参考人
   (吉備国際大学大学院特任教授)
   (弁護士)        土肥 一史君
   参考人
   (一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム専務理事)         岸原 孝昌君
   参考人
   (社会福祉法人日本盲人会連合会長)        竹下 義樹君
   文部科学委員会専門員   鈴木 宏幸君
    —————————————
委員の異動
四月十一日
 辞任         補欠選任
  尾身 朝子君     木村 弥生君
  船田  元君     中曽根康隆君
  宮路 拓馬君     鳩山 二郎君
  鰐淵 洋子君     太田 昌孝君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 弥生君     安藤 高夫君
  中曽根康隆君     鈴木 貴子君
  鳩山 二郎君     宮路 拓馬君
  太田 昌孝君     鰐淵 洋子君
同日
 辞任         補欠選任
  安藤 高夫君     尾身 朝子君
  鈴木 貴子君     船田  元君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
     ————◇—————
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冨岡勉#1
○冨岡委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、著作権法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、吉備国際大学大学院特任教授・弁護士土肥一史君、一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム専務理事岸原孝昌君及び社会福祉法人日本盲人会連合会長竹下義樹君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位から一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御了承ください。
 それでは、まず土肥参考人にお願いいたします。
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土肥一史#2
○土肥参考人 ただいま御紹介を頂戴いたしました土肥でございます。
 委員長から十分間、冒頭、意見を述べる機会をいただきましたこと、厚くお礼を申し上げたいと存じます。
 今回、皆様に御審議をいただいております著作権法等の一部を改正する法律案、これは大きく四つの柱から成っておるかと思います。柔軟な権利制限規定の導入、それから教育の情報化の推進、さらに障害者の方々の情報アクセスの改善、そして著作物のアーカイブの利活用の促進、こういう四つの柱かと思います。
 本日、私以外の参考人としてのお二方のお顔を拝見すると、恐らく、柔軟な権利制限規定と、それから障害者の方々の情報アクセスの改善、これについて集中的にお話しになるのではないかと思いますので、私はまず、教育の情報化と、それから著作物のアーカイブの利活用の促進、このあたりを中心にお話をして、そのほかの点は質疑の中でお答えさせていただければというふうに思っております。
 まず、教育の情報化についてでございます。
 今般、いわゆる三十五条の同時授業公衆送信に加えて、新たに、異時授業公衆送信という授業形態を権利制限の対象とするという提案がなされているように承知しております。
 この異時授業公衆送信という形態なんですけれども、同時授業公衆送信とは違って、補償金というものを組み合わせて設計されておるわけでございます。
 この点、教育という公益性の高い利益からいたしますと、若干、委員の先生方の中には違和感があるのではないかなというふうに拝察申し上げておるわけでございますけれども、例えば、教科書あるいは学校教育番組の放送、こういったものについては既に補償金の対象になっておるわけでございます。
 確かに、三十五条一項の複製のところ、それから同時授業公衆送信のところ、これは補償金はついておりません。おりませんけれども、先生方に思い出していただきたいんですけれども、現行法は昭和四十五年に生まれております。その当時、複製機器はどうであったか。
 ゼロックスの九一四、キヤノンの写真型のコピー機、こういったものがようやく出たころでございまして、当時の初等中等教育局長の通達によると、学校における複製機器というのは、ガリ版、こういうものが指定されておるわけでありまして、お若い方には全然この状況はちょっとわかりにくいかと思うんですけれども、私などは、そのガリ版で先生がコリコリ書かれておったのをよく承知しております。ですから、その当時の著作物の利用というのは、おのずからわかるわけでございます。
 ところが、いわゆる同時授業公衆送信は今から十五年前にできましたので、これは確かに、もうデジタルネットワーク環境は大きく変わっておりまして、現在に近いものがあったわけでございます。これが入るときに補償金はついておりません。
 これは何でついていないのかということなんですけれども、これは同時授業でございますので、要するに、教室で先生が授業をなさる、それを、例えば病気その他の理由で学校に行けない、病院のベッドの上でクラス仲間と一緒に授業を受けるという際に、先生が教室で紙媒体の資料を配ったりなさる、それをネットでも配信を受ける、こういうことを想定しておりましたので、三十五条一項と同様に、同時授業公衆送信については無償にその当時はなっているというふうに理解をしております。
 そもそもという話なんですけれども、現在、授業で先生方が教室で使われる例えばホワイトボードとかあるいはマジックインキとか、あるいはネット環境を整えるための機器であるとかプロバイダー契約とか、こういったものはみんな対価が必要なわけであります。
 さらに、先生方がお話しになる中では、当然クリエーティブな授業内容なんかをおやりになるんだろうと思いますけれども、そういうクリエーティブな授業内容なんかも考慮した上で俸給なんかは決まっていて、何がしかの部分はそういうものも見込まれているのではないかと私は思うんですね。しかし、なぜ著作物だけが無償なのかというと、これはよくわからないところでございます。
 審議会のレベルでの資料の中に外国の事情なんかも紹介されましたけれども、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、あるいは隣の韓国なんかの状態を見ますと、いわゆる日本の三十五条の中の授業形態について、全部若しくは一部が補償金の対象になっております。
 そういう状況を踏まえますと、審議会の委員の中には、当然これは、複製を含めて、三十五条全体を補償金の対象にすべきではないかという意見が非常に強かったわけであります。
 しかし、結果として、異時授業公衆送信のみを補償金の対象にしたわけであります。これはなぜかといいますと、当然ヒアリングを受けるわけですけれども、関係団体の方に来ていただいて、委員会のときにいろいろな御意見を伺うんですが、言われたことは、先生方が今までやられていることを変えないでほしい、現場が混乱することだけはちょっとやめてくださいというようなことを切実に訴えられまして、それなら、新たに入るところの、いわゆる異時授業公衆送信のみを補償金の対象にするという案にまとめることで、いわゆる制度全体をソフトにテークオフさせるということを考えたわけでございます。
 補償金の制度そのものも、今現在、教育利用のための著作権管理準備協議会ですか、何かそういう管理準備協議会という場がございまして、そこの中で、先生方にもあるいは教育機関の設置者にも父兄の方にもなるほどと思っていただけるようなそういう補償金の制度、システムを策定していただいていると思いますので、そういうことも織り込んでいただいて、ぜひ今回の三十五条の法改正案に御承認といいますか賛成をいただきたいというふうに、まず一点、思っておるところでございます。
 私、三十五分から始めましたのであと三分ぐらいあると思っておるんですけれども、それで、二つ目に申し上げたいのは、著作物のアーカイブの利活用の促進なんですが、これは現在四十七条で、小冊子によって、作品の展示者は展示物の紹介、解説をすることができるということになっています。それを今度は、この時代に合わせて、デジタル端末でもってそれができるというふうにしているわけです。ここは普通のところでありますが、大事なところはこの後でありまして、いわゆる美術館や博物館及びこれに準ずる政令で指定するものは、所蔵する作品の所在を広く国内外に発信できるという規定になっております。
 これは文部科学委員会でございますので、ユーロピアーナの意味合いというのはよくお聞きのことだと思います。ヨーロッパには、加盟二十八カ国の芸術作品を統合して、そこのワンストップのポータルサイトに入っていけば何でもわかるというような仕組みができているやに聞いております。日本もこれができるわけです。
 つまり、国内外に日本の美術作品、写真作品、美術の範囲というのは非常に広うございますから、そういう広い日本の著作物、権利が切れたもの、権利がまだ残っているものもトータルにして発信をして、日本にはこういうすばらしいものがあるということを、例えば国もできるんですね、要するに政令で指定することによって。そうすることで、ぜひとも、近い将来、これがなるほど日本版ユーロピアーナだなと思っていただけるようなものを構築していただければと思っておるところでございます。
 ちょっと、もしかしたら時間が来ているんだろうと思いますので、以上で私の意見にかえさせていただければと思います。
 ありがとうございました。拍手
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冨岡勉#3
○冨岡委員長 ありがとうございました。
 次に、岸原参考人にお願いいたします。
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岸原孝昌#4
○岸原参考人 このたび陳述の機会をいただきまして、どうもありがとうございます。
 私の方からは、柔軟な規定の重要性と有益性について、イノベーション開発に有効なデザイン思考という考えが今あります。それと、法制面でのプリンシプルベースという考えから、実体験を交えて、これは反省も込めて御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
 ちょっとしゃべっているだけだと退屈かと思いますので、懐かしいものを持ってまいりました。皆さん、これは御存じだと、これはアイポッドですね。これはiモード携帯、ガラ携と言われております。これは何かわかりますか。ソニーの新製品、まだ未発売と言っても信じるぐらいなんですが、実はこれは、アイポッドと同じ時期にソニーさんがつくったマジックゲートウォークマンというものになります。ただ、これは世の中にもほとんど知られていなくて、残ったのはこちらだけ。最終的には、これとこれをくっつけて、アップルさんはアイフォンをつくったという流れになっています。
 じゃ、何で負けたかということなんですが、実は、ここの重要なところが、ユーザー利便性と権利保護、これのバランスをとれたかどうかではないかなというふうに思っております。
 我々、iモード携帯あるいはこのマジックゲートウォークマン、これはすばらしい著作権保護機能がついています。複製をすると前のコンテンツが消えたりとか、複製を制限したり、あるいは、iモードで、私も権利者団体さんと交渉しましたが、ここから出ないような仕様にする、ありとあらゆる手段で保護するということをやってきました。
 これは、権利保護というところも重要だという観点に立って、一曲ごとに管理をするという形でやっていたんですが、スティーブ・ジョブズが何をやったかというと、我々は、こちらの方に入るのは二十曲だけだったんですね、要するにアルバムが入ればいいでしょうと。スティーブ・ジョブズは、ユーザーは千曲欲しい、要するに、ユーザー利便性も確保しましょう、一定のフェアプレーという著作権保護機能も入れましょうということで、ユーザーの利便性と権利保護のバランスをとって大成功した。
 じゃ、これを出したときに、スティーブ・ジョブズが、やった、これで勝ったと思ったかというと、すぐ日本が追いついてくると思っていたらしいんです。何でかというと、この中の製品はほとんど日本製です。一・八インチの東芝のハードディスク、今、会社自体は非常に困っていますが、当時は、この小さなハードディスクというのは、パソコンでは余りにも小さ過ぎて必要ないと言われて、ニーズがないと言われていた。一方で、ここに出すための電池、これのリチウムイオン電池はソニーさんが開発をして、これを利用する。要するに、中は全部日本製だったんですね。これでヒットすれば、すぐ日本が追いついて我々は負けるというので、日本の携帯をまねしてアイフォンをつくったということになっています。
 じゃ、我々も追いつけばよかったということなんですが、そのときの思考からすると、こんなことをやると著作権違反の幇助で逮捕されるんじゃないかと、個人的には非常に思考のフレームワーク自体を限定されてしまって、こういう発想ができなかったというのが一つの理由になっております。最終的には、我々自体は、iモード等のコンテンツ配信で、着うたコンテンツ、一千億マーケットまでつくりました。ただ、今本当、数十億ぐらいに限定してしまっているという状況になっております。
 こういったユーザーの課題とか要求に応えて、ユーザーにどれだけすてきな体験、ユーザーエクスペリエンスを提供できるかというのがデザイン思考という考え方で、これがイノベーションの今の肝になっています。今出ておりますウーバーとかエアビーアンドビー、そういったサービス、全てデザイン思考から来ております。要するに、ユーザー視点で物事を考えてくる。これは、皆様方が選挙民の方々のことも考えていることと多分一緒です。
 この法制度のとき、よく事業者対権利者という構図になりますが、最終的に考えなきゃいけないのはユーザーにどういったものを提供できるかといった観点で、法制度の中にもデザイン思考という考え方を、この中にぜひ入れていただきたいというふうに思っております。
 その中で、一方で柔軟な規定が必要な背景といったところについて、簡単に御説明をしたいと思います。
 御存じのように、今、テクノロジーの進化が非常に激しい時代で、不確実性が非常に高まっていると言われております。こういう状況の中では、未来を人間が予測するというのはもう不可能です。
 一方で、法制度は必ず現実からおくれるというローラグが発生するという考えがあります。今回の法案も、もう一年前の報告書をベースにしておりますので、施行するまで二年かかってしまう。そうしますと、どうしてもおくれてしまう。
 これは、慎重な審議という上では非常に重要なことにはなります。ただ、これをカバーするという上で、今回の柔軟な規定というのは非常に有効ではないかなというふうに思っております。
 ただ、今回考えられている、適切な明確性と柔軟性の度合いを検討する、こういったバランスをとる、明確性と柔軟性のバランスをとる、あるいは柔軟な規定のために抽象化するということが書かれておりますが、この明確性の対象というのは、硬直的な仕様ではなくて、原則、プリンシプルベースで考えるということではないかなというふうに思っております。今回の報告書の中に、そういった原則、プリンシプルという言葉がありません。ただ、これは明らかにプリンシプルベースでの法制度ではないかなというふうに思っています。
 大陸法の立法の中では、原則を発見して明文化するという手続が基本的なところではないかなと思っておりまして、直近ですと、大陸法の本家であるEUの方で、一般データ保護規則、GDPRは完全にプリンシプルベースでつくられております。ですので、細かい規定は一切入っておりません。今回の著作権法とほぼ同じです。
 一方で、日本でも銀行法や保険業法は既にもうプリンシプルベースでつくられておりまして、あと、建材の進化が激しい建築基準法では一九九八年に、これはルールベースですが、仕様規定から性能規定化といったものが今進んでいるということになっております。
 ですので、今回の柔軟な規定というのは、大陸法の中でも既に先例があるということではないかなというふうに思っております。
 一方で、この柔軟な規定、これは事業者とか利用者だけの利便性かというと、権利者にとっても二点において有益だと思っております。一つはグローバル化のジレンマ、もう一つは明確化のパラドックスという二つのポイントがあるかと思っております。
 簡単に御説明しますと、グローバル化のジレンマ、現在、日本の事業者は、こういったローラグが発生している中で、厳密に法制度を解釈しておりますので、なかなかイノベーションを起こせないという状況になっております。どうしても海外の後追いになってしまう。そうなりますと、日本の権利者の方たちは、海外で普及したモデルを、嫌々ながらというわけではないんですが、日本の現状に合わなくても受け入れざるを得ないということで、今の日本の法制度の中で実は海外事業者が得をしているという状況になっているのではないかなというふうに思っております。
 一方で、明確化のパラドックスというのは、仕様を細かく、要するに、明確化しようということで細かい規定までつくっていきますと、どんなにやっても絶対にグレーゾーンが出てきます。あるいは、先ほどのように、ローラグとして、時代の変化とともにそういったグレーゾーンというのは拡大をしていきます。
 そこで、通常、健全にやる事業者は別に権利者のことを思って対応しますが、悪意を持った事業者がこういったもののグレーゾーンを利用して、悪貨が良貨を駆逐するようなことが現在起きております。これは今、漫画とかを含めた形で起きておりますので御存じかと思うんですが、そういった状況の中で、未来が予想できない人間にとって全ての事象を事前に整理するというのは不可能だという状況の中では、細かい条文で仕様をどんなに明確にしてもグレーゾーンが残るという考え方からすると、こういうプリンシプルベースでの制度の発見といいますか、今回、皆さんの方で原則を、もう幾つか現在ありますが、この原則を発見されて法制化されるという手続をこれから踏むのではないかなというふうに考えておりますので、ぜひ先ほどのユーザー視点に立ったデザイン思考の考え方とプリンシプルベースでの法制度といったものを進めていただきたいというふうに思っております。
 以上でございます。拍手
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冨岡勉#5
○冨岡委員長 ありがとうございました。
 次に、竹下参考人にお願いいたします。
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竹下義樹#6
○竹下参考人 この証言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 日本盲人会連合の竹下といいます。よろしくお願いいたします。
 私は、十四歳で失明をして、その後、日本で初めて司法試験の点字受験を認めていただいたおかげで、現在、弁護士という仕事につけている人間であります。そういう意味では、点字あるいは音声訳というものが、視覚障害者の生きる上で、あるいは職業選択の上で極めて重要であるということを実感している当事者であります。
 きょうは、マラケシュ条約の批准と、それに伴う国内法の整備としての著作権法の改正を準備いただいたことに心からお礼申し上げます。ここでは、その関係で著作権法三十七条三項の改正が審議されていることを心から歓迎申し上げます。
 御存じのとおり、視覚障害者の場合には、情報を得るためには、点字化、音声化、そして弱視の方は拡大文字、この三つの方法が情報を得るための手段であります。
 日本においては、点字にせよ、録音にせよ、そして拡大文字の作成にせよ、全てはボランティアの方々によってその支援が行われております。その活動を支えているのが三十七条三項ということになるわけであります。
 今回のマラケシュ条約の批准に伴って、その受益者の範囲が、視覚障害者だけでなく、手が動かないためにページがめくれない、本が持てない寝たきりの人たち、あるいは、発達障害の人たちのように、出版物そのもののままでは内容を自分のものにできない人たちのために書き直しをする問題、そうした受益者の範囲を広げていただいたことは非常にありがたいと思っております。
 ただ、今回の三十七条三項の改正によって、そうした受益者の範囲が、出版物をそのままでは自分では利用できない人たちの全てに行き渡るのかどうか、ここが若干懸念しているところであります。
 もう一つは、冒頭に申し上げたように、日本では点字化も音訳化も拡大文字もボランティアの手によって担われているわけでありますが、そうしたボランティアの活動が、今回の三十七条三項によってどこまで自由に活動できるかということが問題になるわけでございます。
 すなわち、これまでは、文化庁の長官の認可を受けた団体、あるいは点字図書館といった政令で定められた団体、そういうところが音声訳をすることは権利制限として許されてきたわけでありますが、そのボランティア団体の人たちというのは、点字図書館をはるかに超える社会資源として支援をする人たちがおられて、その人たちの活動のおかげで我々は読書ができているわけです。そうしたボランティアの人たちの活動がどこまで自由にできるようになるか、このことが今回の三十七条三項改正と政令の制定によって大きく広がることを期待しているわけでありますが、この制限がどういう形でまた残るかが懸念しているところであります。
 最後に、三十七条三項の改正だけでは、情報障害を持っている私たちの仲間が全て救済されることにはならないということに目を向けていただきたいと思っております。
 例えば、この間の文科省の努力や議員の先生方の御理解で、検定教科書につきましては、発行元が電子データを提供することが義務づけられました。そのおかげで、検定教科書は、点字化するときも拡大文字をつくるときも非常にスムーズにできるようになりました。しかし、問題集であるとか副読本であるとか参考書であるとかそうしたものについては、いまだ出版元からデータが提供されないために、教育の場面においても十分な援助が受けられない現実があります。
 すなわち、今どきは、出版は、ほぼどの分野においてもというか、出版者においても電子データをお持ちなわけでありますが、その電子データを十分に、あるいは自由に利用できるという環境がないことであります。もちろん、著作権の問題があるわけでありますから、その利用には十分なルールが必要であることは承知しております。
 問題は、そういう出版者が、点字化するときや音声化するとき、拡大文字化するときにそうした道筋をつけていただけるかどうか。
 すなわち、電子データ、とりわけテキストデータを自動点訳にかければ、私がここで今読んでいる点字になるわけです。それから、テキストデータをスクリーンリーダーというソフトにかけると、全部音声で読み上げてくれるわけです。それから、拡大文字に関しましても、電子データだと、十八ポイントであろうが二十二ポイントであろうが、その障害者に合わせたポイントに自由に変換できるわけです。そうしたものが十分に制度的に保障されるようになることこそが、出版された図書の多くが、私たち障害を持った仲間の読書へのアクセスになることを御理解いただきたいと思っております。
 そして、国会図書館、公共図書館、点字図書館、それらの全ての、社会資源がお持ちの電子データをインターネットでつないでいただいて、ユーザーである障害者がそういうデータを利用できる環境をつくっていただく、ここまで発展させていただくことが今回マラケシュ条約が求めているものに近づくことをぜひ御理解いただき、私からの訴えにかえさせていただきます。
 どうもありがとうございました。拍手
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冨岡勉#7
○冨岡委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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冨岡勉#8
○冨岡委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。上杉謙太郎君。
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上杉謙太郎#9
○上杉委員 自民党の上杉謙太郎でございます。
 委員始め理事の皆様、また委員の皆様、御質問の場をいただきまして、まことにありがとうございます。
 また、土肥先生、岸原先生、竹下先生、きょうは、お忙しい中、この衆議院の文科委員会にお越しいただきまして、また貴重な御知見を拝聴させていただきまして、ありがとうございます。
 十五分という時間の中でどれだけ御知見を御教示いただけるのか、許す限りちょっとお伺いしてみたいと思いますが、まず土肥先生にお伺いしたいんですけれども、先生今まで、分科会の方で本当にいろいろと御尽力されてこられたということで、その今までの長い期間、本当に敬意を表しております。
 先ほど、教育のお話ですとか具体的な話が多かったんですけれども、きょうトップバッターで最初の質問でありますので、この数年間、二十四年のときの改正のときですとか、先生の中では、もうちょっとこうだったらいい等々もあり、今回また、少し御希望に沿うような形での改正になったのかなというように、勝手に、資料を拝見させていただいて思ったところであります。
 ぜひ先生から、この長い間のさまざまな思いと、今回の改正の内容に対しての御所感を、また改めてちょっと御指導いただけたらありがたいと思います。
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土肥一史#10
○土肥参考人 ありがとうございます。
 そこまでおっしゃっていただくと思っていなかったんですけれども、御質問の、二十三、二十四年、いわゆる一般的な権利制限規定の導入の際との比較でございますけれども、あのときは、A類型、B類型、C類型というものが考えられまして、いわゆる写り込みのような軽微な著作物の利用の部分、それから、適法な利用の過程における著作物の使用、それから三つ目が、今回実質的には入ったわけですけれども、いわゆる著作物の表現を享受しない、そういう類型、これがC類型であったわけですけれども、結局、A類型、B類型は当時の法改正の中に入ったわけですけれども、C類型が基本的には残念ながら入りませんで、そのC類型としての、つまり著作物の表現を享受しない類型のうち幾つか入ったわけですけれども、そのときは、恐らくそういう限度が、いわば対社会との関係ではやむを得ない事情として妥当だったのではないかなと思います。
 なぜかといいますと、法改正をする場合は、外の状況と中の状況、そっ啄といいますか、一致しないと、やはり内側からこう変えていこう、こう変えていこうというふうに提案しても、社会の方がまだそういうふうになっていないとすれば、やはりなかなか実質的に法改正というふうにはつながらないものでございます。
 ですから、確かにその当時残念だというふうに思ってはおりましたけれども、今般、まさに内と外のそういう状況が一致して、こういう法案として、内閣提出法案として閣議決定をしていただいて今こうやって出ているということで、私としては、ありがたいといいますか、非常にうれしく思っているところでございます。
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上杉謙太郎#11
○上杉委員 土肥先生、ありがとうございました。
 長きにわたって、各業界の方からも文化庁さんがヒアリングをしたりですとか、分科会でいろいろ議論をされて、最大公約数的にいいものを、また海外のものをしっかり参考にしながら、日本なりのものをつくったということなのだろうなというふうに思います。
 権利制限規定は、いろいろデジタル化の方も、教育また福祉の分野、図書館等のアーカイブ等、いろいろいい形で包括的に、これは施行された後に、想定していないようなものが出てきてもいいように包括的な条文にしたんだというところで、非常にいい法案なんだろうというふうに私は思っておりまして、ただ、これ、運用が始まった後と、あと、一般の広く国民の皆様という、ちょっと違う視点で岸原参考人の方にお伺いしたいんです。
 先ほど、アイポッドとか、私も持っておりましたが、ウエブ、デジタル、そういうところにお詳しいということで教えていただきたいんですけれども、恐らく、一般の広く国民の皆様が、私たちを含めて、著作権に対して意識が低いんじゃないかなと思うんですよね。我々政治家事務所で資料をつくるときも、役所の皆さんも資料をつくるときも、インターネット上で右クリックしてコピーして、パワーポイントに張りつけたら、もうコピーできてしまうわけですし、画像で検索して、上杉謙太郎と検索したらばっと出てきて、違う人が出てきて、それが著作権にかかわるものなのかどうかとか、何も考えないでコピーして使ったりもあると思うんです。
 そういう意味では、ウエブの中で、しっかりと、しかも来年の一月に施行されるとなると、広く国民の皆様に著作権に対しての意識づけですとか周知をするということ等、広く認知をするということが必要になってくるんだと思うんですけれども、その点、どういうふうにすべきなのか、岸原先生の御知見を御指導いただけたらありがたいと思います。
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岸原孝昌#12
○岸原参考人 そうですね、今回の改正自体は権利制限規定なので、著作権法全体の考え方という感じではないかなと思うんですが、おっしゃるように、一般の方たちに著作権法を説明するのはすごく難しいんですね。これは私も全部読んだことは実際はなくて、条文自体を読んでいても、途中でよくわからなくなるという、先ほどの、仕様の明確化のパラドックスに多分陥っているのではないかなと思うんですけれども、そういった意味では、今回の、土肥先生を始めとして御尽力された方たちの柔軟な規定というのは、これは一般の方たちにとってもわかりやすくなるのではないかなと。
 要するに、これからは、原則を教えて、それに基づいて運用していく。これまでは、箸の上げ下げまで、斜め四十五度まではオーケーだけれども、それ以上上げたら違反ですよと。これは多分わからないんですね。これはプロの方たちにとってももう既にわからないレベルになっているということでは、今回の改正というのは、著作権法自体を一般の方たちにより身近にするという点では、非常に有効な取組ではないかなというふうに思っています。
 ですので、できましたら、この流れを全体に広げていただいて、この条文といいますか、この考え方でいえば、下手したら著作権法を十分の一ぐらいにできるかもしれない、ちょっと言い過ぎかと思うんですが。
 そうすると何ができるかというと、著作権法というのは、これはプロだけの話ではなくて、まさしく、これから一般の人たちも全部が参加をするという世界の中では、国民みんなが理解しなきゃいけないものだと思うんですが、それが、一部、本当のプロしか理解できないというのは非常に不幸ではないかなというふうに思っていますので、できるだけこういった原則的な考え方、柔軟な規定といったものを進めていくことによって、より一般の方たちの理解というのも深まってくるのではないかなというふうに思っております。
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上杉謙太郎#13
○上杉委員 ありがとうございました。
 広く国民の皆様に認知をしていくということで、もう一度土肥先生にお伺いしたいんです。
 我々大人でも余り著作権のことを考えていないと。先ほど先生の、教育の場での自動送信等々お話ありましたが、多分、小学校でも中学校でも、子供たちはより一層著作権って考えていないんだと思うんですね。
 先生たち、今回のこれで、教育現場でも権利制限規定等が整備されてよくなる。とはいっても、今度、子供たちにもしっかり、著作権というのがあるんだよ、勝手にコピーしちゃいけないよということを教えていかないといけないと思うんです。
 この点、これを今後施行された後に、私ども、また文科省さん、文化庁さんがやる取組としてはどういった取組をしていくべきか、御指導いただけたらありがたいと思います。
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土肥一史#14
○土肥参考人 非常に大事なところであろうと思います。
 私個人の経験でも、小学校のときの一年生、二年生のときの先生がおっしゃったことってまだ今でも覚えている。
 確かに、著作権に限らず、あらゆる教育は、生涯的に、生涯学習としてやっていくこと、これも必要なんだと思いますけれども、まずは、小学校の初めの学年というんですか、初期の学年において、これから、有体物に限らず無体物、中でもこういうコンテンツとか著作物、そういったものがますます今後重要性が高まっていきますので、そういう小学校の生徒さんあたりにも先生の授業を通して説明していただく。
 先生には、例えば、最近では、教員免許の更新なんかの際にはいろいろ講習とか何かがあるようでございますので、自動車の免許の更新でさえございますし、ああいうところであらゆる場面において、自動車の免許の更新の場合は安全運転ですけれども、小学校の先生方にはぜひとも、本来お持ちになる教科以外に、著作権に関するベーシックな重要性のところを講習の内容としていただいて、生徒さんにもあわせて教育の場でお伝えいただいて、将来の日本のコンテンツ社会にとって有用な人材を育てていただきたいな、こういうふうに思っております。
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上杉謙太郎#15
○上杉委員 先生、ありがとうございました。
 ちょうど、小学校三年生以上が英語教育と情報化の教育が始まりますし、三年後ですか、文科省として、著作権を改正するだけでなくて、今度は著作権の教育ということもやっていかないといけないんだろうなというふうに感じているところであります。
 時間がなくなってまいりましたので、最後の質問にいたします。
 竹下先生にお伺いをしたいんですけれども、今回のこれで、点字ですとかまた音声によって書物なり動画なりを享受するときに、これができるようになるというこの先に、今度はもっと、利便性ですとか、いつでもそういった方々が希望したときに希望する書物を希望する形で、点字なのか音声で読み上げてくれるのか、そういうのをつくるべきだというふうに思っていまして、先ほどの先生のお話の中でそういうふうにすべきだというのがありました。
 これは国としていろいろと支援策というのを具体的に進めていくべきなんだろうなというふうに思っておりますが、踏み込んで、どういった形をとっていけばいいのか、先生の御知見を御教示いただけたらありがたいと思います。
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竹下義樹#16
○竹下参考人 重要な御指摘をありがとうございました。
 二点だけ、答えさせていただきます。
 まず一点目は、点訳、音訳という言い方をしますけれども、点字化、音声化されるものは出版物の中で極めて一部でしかありません。それは、どうしてもボランティアの手をお願いするしかない、そういう現実があるわけですが、そうすると、そのボランティアの方々に頼るにしても、そのボランティアの方々を更に安定的に活動できるようにするときには、どれだけの条件がそこに用意されるかというのがあります。
 例えば、かつてのように、電子データが出る前の時代のように、点筆といいますけれども、一個ずつの点字を打ちながら点訳するのと違いまして、現在では、テキストデータを手に入れますと、それをコンピューターで、先ほど申し上げたように、いきなり点訳ソフトで点字化できます。それで、そのソフトが誤読した部分だけをボランティアの方がチェックして点字の本を完成させることができるわけです。
 それから、拡大文字も同じでして、電子データをボランティアの方々が、当の障害者の目の状態に合わせてポイント数を変更して、その変更したポイントで読みやすさを更にレイアウトしていくという形がとれるわけですから、非常にボランティア活動そのものがより活発になって、点字や録音、あるいは拡大文字がつくられるということがあります。
 もう一つの問題は、電子データが直接、視覚障害者でいいますと、例えば出版者から買えるとか、あるいは図書館から電子データのものを借りられる、その借りたあるいは購入した電子データが、電子録音の形式において点字化や音声化が非常にしやすい、そういうデータであることを我々は望んでおりまして、そういう形式で提供していただくと、直接出版者から購入したデータを自分で音声で直接聞けたり、あるいは図書館から電子データを借りてそのまま音声で読書ができるという環境をつくれるわけであります。そういう意味では、出版者の御理解で、データの形式を点字化や拡大文字にしやすい形式で提供していただく、そういう環境をつくっていただくことをお願いしたいというのが大きな一点目になります。
 もう一つは、今はいろいろなところが電子情報を持っているわけです。国会図書館も持つ。全国の点字図書館の一つのネットワーク化された図書館でも持っている。ところが、それらの電子情報が我々に自由に使える環境に今なっているか。全国にある公共図書館も含めて、その状況はまだでき上がっておりません。これをぜひ、どこにいても電子情報化されたものが利用できる、そういうインターネットの環境を整えていただくことを私たちは実現していただきたいと思っている次第であります。
 どうもありがとうございました。
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上杉謙太郎#17
○上杉委員 ありがとうございました。
 時間が来ましたので、質問を終了いたします。三人の先生方、本当にありがとうございました。
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冨岡勉#18
○冨岡委員長 次に、櫻井周君。
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櫻井周#19
○櫻井委員 立憲民主党・市民クラブの櫻井周と申します。
 参考人の先生方には初めてお会いすることになろうかと思います。昨年の十月初当選の議員でございます。フレッシュな質問をさせていただきたいと思います。
 まず、竹下先生にお伺いをします。
 先ほどもいろいろお話をいただきました。最初のお話の中で、ボランティア活動をいただいて、その協力でいろいろな、点字であるとか音声、読み上げというようなことをつくってもらっているけれども、そのボランティア活動が制限されるようなことになりはしないか、まだ不十分な可能性があるのではないか、そのような御懸念も示されていたように拝聴いたしました。
 もし御懸念の点、ここをこう改善してくれたらいいんだとか、ないしは運用の段階でこういうことに気をつけてほしいというものがありましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。
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竹下義樹#20
○竹下参考人 ありがとうございます。
 実は、これまでも、ボランティア団体が点訳や音声化、特に音声化が問題なんですけれども、音声化する場合に、文化庁の長官が定めた要件を具備したボランティアにつきましては、その活動において、一つ一つの著作物について認諾をとらなくても録音できたわけです。
 しかし、その要件が非常に厳しかったために、なかなかボランティアの方の活動が自由にできないという現実があるわけです。すなわち、その要件に当てはまらないボランティア団体の方々は、一個一個の著作物について著者の了解を得ないと録音できない、そういう状況があったわけです。
 今回の改正で、その部分が緩和されて、より幅広い形でボランティアの方々が活動できるようになるだろうと期待しているわけですが、そうであったとしても、誰でもがボランティアという名のもとに録音をできる、そういう無秩序なものでは多分あってはならないんだろうと思うんです。
 その点で、一定の、現実に具備が可能な要件を準備していただいて、そして、そのボランティア団体が、文化庁の定める、例えば登録機関に登録をすることによってボランティア活動ができるようになる、そしてそれによって自由に録音図書がつくれるようになるという環境を期待しているわけですが、今回、そのボランティアの活動が大きく拡大するような登録制になるかどうかというところが、まだ少し私の方は理解できていないので、懸念しているという状況でございます。
 以上でございます。
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櫻井周#21
○櫻井委員 それから、竹下先生に再度お尋ねをさせていただきます。
 先ほどのお話の中で、学校教育の現場で、検定の教科書については、デジタルの情報も提供されているから非常に利便性が高まっている、しかし課題は副教材、こちらについては、デジタルのものが提供されないので非常に困っているというお話もございました。また、そもそも、世の中、今どき出版される出版物というのは、ほとんどはもうデジタルベースでつくられている、そういったものにアクセスできるのであれば、非常に円滑に書籍を楽しむことができるというお話もいただきました。
 これは、もしかすると法律によってどうこうということの外枠になってしまうかもしれませんが、そうしたことも含めて、また出版業界のある種社会的な貢献という観点からも、御要望等ありましたら、ぜひこの機会を利用して御説明いただければと思います。
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竹下義樹#22
○竹下参考人 ありがとうございます。
 まず一点目の、先生の御質問の教科書の関連の部分ですが、きょうはちょっと資料を確認してきませんでしたけれども、もう何年か前になるわけですが、統合教育を受けている人たち、すなわち、盲学校とか聾学校ではなくて地域の学校に就学している子供さんたちが、その学校で教科書を手に入れようと思うと、ボランティアの方々が、あるいは親御さんたちが紙媒体を、例えば教科書でいうと、五人で点訳するためには、それをちぎって五人で点訳をして、それを子供さんに提供するということをやっていたわけです。これではなかなか授業の進みぐあいに間に合わないという現実がありました。
 そういう中で、この間の当事者団体の働きかけや文科省の御理解をいただいて、そして教科書を出版していただいている方々の御理解をいただいて、検定教科書に関しましては、点字化とか拡大文字をつくっている、そういうボランティア団体や図書館などにデータ提供がされるようになったおかげで、地域の学校に通っている視覚障害者が非常に、教科書に関してはバリアフリー化されたというふうに理解しています。
 しかし、先ほども申し上げましたけれども、それが教科書に限定されておりまして、現実に学校で使うのは、副教材というんでしょうか、教科書以外の教材であったり問題集などにつきましてはそういう便宜が図られていないために、子供さんたちは非常に苦労しております。
 そういうところで、結局は、いまだ問題集や副教材につきましては出版者等からのデータ提供がないために、非常に自由にというか幅広くスピード感を持って点字化や拡大文字化できないという現実があるので、この部分を改善いただければと思っているわけでございます。
 二点目の部分は、実はこの一点目にもかぶってくるわけなんですけれども、社会にずっと出版される、年何万か正確にわかりませんが、そういう出版物の中で私たちが、どの出版者も持っているであろう電子データ、これの利用が、しかもそれが、デジタルの形式において一番我々がアクセスしやすいのはテキストデータなんだそうですけれども、そういう音声化したり、点訳したり、それから拡大するときに、非常に便利なテキストデータで利用できるようにしていただければと。
 これにつきましては、それを自由というのはあり得ないとは思っていまして、例えば、今でもそうなんですが、一部の出版者、あるいは、ごく例外的なまだ数ですけれども、作家の方々が、自分の本については、自分の会社については、視覚障害者が購入したときは、裏についているカードを出版社に送ると電子データをCDで送ってくれるわけです。ごく例外的ですけれども、そういう便宜を図ってくれている方々がおられるのを、もっと全ての出版物について、そういう形で、本を買った視覚障害者がデータも希望すればそれに添付してもらえる、こういう環境をつくっていただければ、先ほど申し上げた副教材等についてもあわせて解決できるのではないかなと思っている次第でございます。
 よろしくお願いいたします。
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櫻井周#23
○櫻井委員 御説明ありがとうございました。
 続きまして、岸原先生にお尋ねしたいと思います。
 先ほどのお話の中で、グローバル化のジレンマ、それから明確化のパラドックス、こういうお話をいただきました。これらは、ある種、法律、我が国の著作権法が障害となって起きているのか、それとも、若しくは、我が国の企業文化といいますか、リスクアバースとも考えられるような、そうした企業文化にあるのか、この点について御説明いただけますでしょうか。
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岸原孝昌#24
○岸原参考人 先ほどの部分に関しては、著作権法の例ということで御説明をさせていただきました。おっしゃるように、企業文化というか、日本人が持っているメンタリティーということが、当然のことながら、法制度というのは日本国民でつくったものでございますので、そこの関係性があるというところからすると、両方原因があるのではないかなというふうに思います。
 これは私見でございますけれども、日本の制度というのは、形式である程度事前に整理をした上で制度をつくる、あるいは、これは礼儀とかいうところも全部そうだと思うんですが、これのよさというのは、社会を安定化させるという部分ではすごく有効で、そういった点では、今、日本の社会ってすごく安定しているんだと思うんですが、一方で、これというのは形に依存してしまいますので、どうしても硬直化をするという弊害が多分あるのではないかなと思っております。
 ですので、先ほど言いましたグローバル化のところだったりとかあるいは明確化のパラドックス、要するに、法律をつくる上でも明確にしなきゃいけないということで、非常に考えられるだけのこと、私も法改正のたびにお役所から言われて、どんな場合が考えられるんですか、全部出してくださいと言われるんですが、いや、来年どうなっているかわかりませんという中で厳密化していかなきゃいけないというのは、事前にある程度決めてしまう、ただし、日本人としては、そういった形式の中で安定的に運用するというところは非常に落ちつきどころがいいというところがありますので、これは、我々からの反省でもあるんですが、役所が硬直的だというんですが、よくよく聞いてみると、民間から決めてくださいというパターンが結構多くて、そんな曖昧じゃ我々はどうしていいかわかりませんと。
 だから、最近、裏では言っているんですが、余り明確化を要望するのはやめましょう、ちゃんと自分で考えて自分の責任で行動していくと。ただし、法律の中で、原則は明確化していただくというのがいいのではないかなということかなというふうに思います。済みません。
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櫻井周#25
○櫻井委員 ありがとうございます。
 今のお話と、それから、先ほど御説明いただいていたプリンシプルベースにより重点を置くべきだというお話、プリンシプルをしっかりとした上で、あとは現場の方で実際の企業なり市民が考えて自分で行動するというお話だったかと思います。それに対応できるだけのデザイン思考の法律でなければいけないというお話もいただきましたので、その点、よく理解させていただきました。
 ただ、これらについて、まだ発展途上といいますか、課題があるのかなというふうにお話を聞いていて感じたんですけれども、更にデザイン思考ですとかプリンシプルベースを進めていくに当たり、そして、これをしっかりと進めていけば、著作権法、今みたいに長くなくてもっとコンパクトにできるのではないのか、そのようなお話もいただきましたが、その点についてもう少しお話しいただけますでしょうか。
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岸原孝昌#26
○岸原参考人 まずは、今回の改正なんですが、とてもイノベーティブだしデザイン思考で考えられた法改正だというふうに非常に評価をしております。
 ただ一方で、当然のことながら、現状どちらかというと、出ている事例から整理をしてそこから導き出すということでございますので、現段階では、報告書ができた去年、あるいは現在出ておりますさまざまな先進サービスを前提につくられているということが言えるのではないかなというふうに思います。
 そういった点では、やはり著作権法自体がそもそも何を守るべきで、ではがちがちに権利保護をすればこれがいいのかというと、一方で、社会の便益を提供する、社会の進化を提供していくというところが大きな法の趣旨ではないかなというふうに思っております。
 ですので、これも個人的な話になるんですが、最終的には立法趣旨、そこに多分もう多くのことが書いてあって、そこからさまざまな原則をまさしく国会で発見して、それをどんどん追加していく、その変えるところは立法趣旨ではないかな、そこに解はもう既に書いてあるのではないかなというふうに思っております。済みません、生意気言いまして。
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櫻井周#27
○櫻井委員 もう時間がほとんどなくなってまいりましたので、最後の質問にさせていただきます。
 土肥先生にお伺いをいたします。
 先ほど学校現場のお話もいただきました。ただ、学校と一言で言っても、大学もあれば、小学校、中学校、高校といろいろございます。学校の事務処理レベルというのも、能力も学校のレベルによって全然変わってくるのではなかろうかというふうにも思うんですが、今回の法改正によって、学校現場、特に小学校、中学校、先ほどまた竹下先生からもお話がありましたけれども、特にインクルーシブ教育をやっている方々に対して考えたときに、どこまでしっかりできるのかな、学校の負担にはなりはしないのかということもちょっと懸念をするんですが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
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土肥一史#28
○土肥参考人 そこのところは非常に重要なところでございまして、先ほど少し申し上げましたが、いわゆる教育利用の準備協議会という場において補償金のシステムに関しては検討するわけですけれども、我々が期待しておりますのは、それは単に補償金の問題だけ扱うというわけではなくて、もっと幅広い、つまり教育に関するライセンス、そういったものの窓口、あるいは、教育という場面において先生方がお持ちになっているいろいろなノウハウは、これは資源でございますので、そういう質の高い教育資源を一人一人の先生あるいは一つの学校の中でとどめるよりも、例えば県全体でとかそういう共有の問題なんかも必要なんだと思います。
 ですから、そういうあらゆる問題を一つの窓口で処理できるようにして、小学校、中学校、高校、大学、いろいろあると思うんですけれども、そういういろいろな学校教育の先生方が迷わないで処理できるような仕組みが一つあるんだと思います。
 それからやはり、おっしゃるところは、大学のような場面においての著作物の利用と小学校一年生、二年生ぐらいのレベルにおける著作物の利用というのは恐らく違うんですよね。
 例えば、そこで同じ扱いにするというのは、これは逆に不平等ということになりますので、先生がおっしゃるような、学校ごとにまた考えていく、そういう仕組みを、あと三年ほどありますので、三年の中で、準備協議会の中できちんと策定していただきたいというふうに私は期待しているところでございます。
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櫻井周#29
○櫻井委員 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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