環境委員会

2018-05-31 参議院 全72発言

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会議録情報#0
平成三十年五月三十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     二之湯武史君     松村 祥史君
     元榮太一郎君     関口 昌一君
    渡辺美知太郎君    三原じゅん子君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     関口 昌一君     佐藤  啓君
     松村 祥史君     二之湯武史君
    三原じゅん子君    渡辺美知太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 嘉隆君
    理 事
                滝沢  求君
                森 まさこ君
                宮沢 由佳君
                片山 大介君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                佐藤  啓君
                佐藤 信秋君
                高野光二郎君
                二之湯武史君
               渡辺美知太郎君
                河野 義博君
                浜田 昌良君
                柳田  稔君
                芝  博一君
                市田 忠義君
                武田 良介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星   明君
   参考人
       学校法人福岡大
       学名誉教授    浅野 直人君
       公益財団法人世
       界自然保護基金
       ジャパン自然保
       護室気候変動・
       エネルギーグル
       ープ長      山岸 尚之君
       地球環境市民会
       議専務理事・弁
       護士       早川 光俊君
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  本日の会議に付した案件
○気候変動適応法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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斎藤嘉隆#1
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、元榮太一郎君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君が選任されました。
    ─────────────
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斎藤嘉隆#2
○委員長(斎藤嘉隆君) 気候変動適応法案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として学校法人福岡大学名誉教授浅野直人君、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン自然保護室気候変動・エネルギーグループ長山岸尚之君及び地球環境市民会議専務理事・弁護士早川光俊君の三名に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。
 皆様から忌憚のない御意見を賜り、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、浅野参考人、山岸参考人、早川参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人の皆様及び質疑者の発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず浅野参考人にお願いいたします。浅野参考人。
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浅野直人#3
○参考人(浅野直人君) 本日は、気候変動適応法案の参議院環境委員会での審議に際しまして、参考人として意見を述べさせていただく機会をお与えくださいましたことに感謝を申し上げます。
 気候変動の緩和のために、地球温暖化対策計画は、我が国が二〇三〇年度において温室効果ガス排出量を二〇一三年度比で二六%削減し、さらに、長期的目標として二〇五〇年度までに八〇%の削減を目指すこととしており、本年四月に閣議決定されました第五次環境基本計画もこれを再確認しております。しかし、これらの目標が達成できたといたしましても、平均気温が引き続き上昇することを完全に抑えることができるものではございません。
 本年二月に発表されました気候変動の観測・予測及び影響評価統合リポート二〇一八によりますと、一九〇八年から二〇一六年までの、ということは、つまりこの約百年間の日本付近の海面水温の年平均値の変化は東シナ海では一・二度前後の上昇と報告されておりまして、この海域での表面海水温の上昇は、昨年の福岡県朝倉市、東峰村や大分県日田市で起こりました九州北部豪雨被害にも大きく関係していると専門の方からお聞きいたしました。
 なお、このリポートには、こういったような傾向は二一〇〇年までに更に進行する可能性が高いとも報じておりまして、このことが渡り鳥でありますタカの一種のハチクマ、これは福岡市油山の上空を渡りのルートにしておりまして、福岡市城南区はタカが渡る町という言葉を区の愛称にしているんでございますけれども、このハチクマの飛翔ルートにも大きな影響をもたらすおそれがあると報告をしております。お配りした資料の二枚目にはそのことについてのリポートも載せておりますので、御覧いただきたいと思います。
 というわけで、この気候変動に対応して、これによる被害の防止、軽減、その他生活の安定、社会経済の発展、自然環境の保全を図ること、すなわち気候変動への適応を図ることは、緩和とともに環境政策の大きな課題でございます。
 我が国では、二〇〇五年から、環境研究総合推進費によりまして、地球温暖化影響の本格的な研究、これS4と申しますが、が始まりました。続きまして、二〇一〇年からは温暖化影響評価・適応政策の総合的研究、S8という研究が始まりまして、これが大きな成果を上げ、高い評価を受けております。
 また、これにちょっと先立ちますが、二〇〇六年に閣議決定されました第三次環境基本計画は、適応策が必要であることを既にこの時期から指摘しておりまして、さらに、二〇一二年の第四次環境基本計画では、適応への取組が必要であることを更に強調いたしました。
 これらを受けまして、二〇一三年には、中央環境審議会地球環境部会の下に気候変動影響評価等小委員会が設置されております。この小委員会は、さきの総合推進費での研究に従事した方々を中心として、日本のこの領域の研究者を総動員する形で温暖化影響の評価、検討を進めてくださいまして、二〇一五年三月には「日本における気候変動による影響の評価に関する報告と今後の課題について」とする報告書を取りまとめていただきました。これが中央環境審議会から意見具申という形で環境大臣に提言されたことでございます。
 その結果だと存じますが、同年、二〇一五年の九月には、政府に局長級の気候変動の影響への適応に関する関係府省連絡会議が設置されまして、さらには、十一月に、日本の気候変動の影響への適応計画が閣議決定されるということになりました。
 こういうようなことによりまして、我が国の政府や地方公共団体あるいは事業者による適応への取組が本格的に進み始めました。昨年からは、関係府省、地方公共団体の御協力を得まして、地域適応コンソーシアム事業も始まりました。こういうような研究やこれまでの取組の積み重ねがございまして、今回、この気候変動適応法案が国会に提出されたわけでございます。
 私は、この法案が早く速やかに可決されまして気候変動適応法として施行されますならば、これまで以上に国民の適応に関する関心が高くなりまして、取組も進められていくことと大いに期待をいたしております。
 ところで、気候変動の影響について緩和と適応は深く関わりを持っておりますので、この二つを統合的に法制化すべきだという考え方は、実は昨年、環境法政策学会でシンポジウムを行いましたときにもそのような発言が大塚先生などから出されまして、恐らく、今回適応のみを取り扱うという法案が出たことには不満があるという御意見があろうということも理解はできます。
 ただ、緩和の政策に比べますと、適応策というのは、防災あるいは農林業その他多くのこれまであった他の政策領域での施策と深く関わり合いがございまして、関係する府省が多岐にわたります。そしてまた、適応策というものは、緩和に係る政策の体系とは構造を異にする面も少なくないと考えております。
 参考資料の三枚目には、これまでの我が国の緩和策に関する法令や計画がこんな沿革を持っているということを記しておりますが、これ御覧いただいたら分かりますように、一々は申し上げませんけれども、緩和に関しては随分多くの法律ができ上がり、また、それに基づく計画などが作られております。
 したがって、現在、直ちにこの緩和と適応を同一の法律の下で一つの体系として制度化していくということのためには、制度間調整の検討のために少し時間が掛かるのではないかと思われます。しかし、適応策への取組は緊急に始める必要もございますので、これを本法案のように緩和策を定める法令とは別の法律に位置付けまして、関係主体の連携の下で直ちに適応策にも本格的に取り組んでいくという、そういうやり方も当面はやむを得ないのではないかと考えております。
 その上で、本法案の規定のうち大きな意義があると考えております点は次の点でございまして、まず、特に、国及び地方公共団体が法定計画として適応計画を作るという規定が置かれたこと、そして、このために必要となる科学的な知見の獲得に一層力を入れなきゃいけないというので、いろいろなことが規定に置かれていることでございます。国にあっては国立環境研究所の適応策推進のための役割を法的に位置付けておりますし、また、地域にも気候変動適応センターを置いて情報収集と提供を行うとされたことも重要だろうと思います。
 これによりまして、国と地域での適応計画が円滑に作られ、さらに、計画に基づいた国や地方公共団体による適応策への取組が進められていくということ、また、関係主体によって組織される気候変動広域協議会が活動をすることができますと、これで関係主体の連携の下での適応策への取組が更に拡大されるということを大きく期待しております。
 先ほど申しましたように、適応策と申しますのはこれまである政策や施策とのつながりが大変大きいものでございまして、ある意味では、これまで他の目的で進めてきた施策や政策というものが適応策としても位置付けられるのだということに気付くというのがこの領域でのポイントではないかと思っております。ですから、関係主体が連携するということはそのためにも大変有効なことではないかというふうに思っているわけでございます。
 気候変動の影響は、地域の置かれた状況でその現れ方が違ってまいります。ですから、緩和策を進めるということ以上に地域の特性に応じて考えられなければなりませんし、地域の特性に応じた取組が必要でございます。
 地方分権が強く言われております現在でございますから、地方公共団体に計画策定を義務付けるという立法はなかなか難しいとも聞いておりますけれども、地域でそうはいいながら着実に適応計画が作られること、そして、地域での状況に応じてどういう取組をすべきなのかということが明らかにされ、関係する各主体の役割がはっきりしまして、取組も促進されるということは大いに大事なことだろうと思います。
 本法案は、計画やセンターについては、各自治体ごとにといわずに、単独で又は共同で策定、設置というふうな弾力的な考え方を示しておりますけれども、これもまた適応策の特性ということを考えますと、よく考えられた規定ではないかと思います。国立研究所との連携の下での地域センター、広域協議会の役割、繰り返しになりますが、とても重要ではないかと思っております。
 広域の協議会でございますが、これは先ほど触れました昨年度からの地域適応コンソーシアム事業の中では、北海道・東北、関東、中部、近畿、中・四国、そして九州・沖縄と、以上の六ブロックでこの法令の趣旨に近い組織が既に設置されまして、活動を始めております。
 九州・沖縄地域では、実はこれに先立ちます十年前の平成二十一年から、九州・沖縄地方の地球温暖化影響・適応策検討会といたしまして、法案の定める地域協議会に近い情報交換組織をつくって活動を進めております。
 具体的には、工学、医学、農学、水産学、環境科学や社会科学分野の研究者に集まっていただき、さらに九州・沖縄各県、九州の政令市の関係者を加え、これに国土交通省、ここは大変協力的でありまして、河川部局や運輸部局がそれぞれ人を出してくださっていますけれども、気象庁あるいは農林水産省、林野庁、経済産業省、内閣府沖縄総合事務所、厚生労働省、これは検疫でございますが、こういったような国の地方支分局・事務所からも参加をいただいておりまして、環境省九州地方環境事務所が母体となって組織がつくられました。これまでに定期的に協議会の会合を開きまして、そこで情報交換をしたり意見交換をしておりますし、さらに、この会が母体となりました地域でのワーキンググループの会合あるいは一般への情報発信などを進めてまいりました。
 そのこともありましてか、九州・沖縄の各県、政令市では、この十年の間に、環境行政の担当者のみならず関係する政策領域の担当者の方々が適応策の必要性を認識してくださるようになりまして、多くの自治体では既に環境基本計画あるいは地球温暖化対策法に基づく自治体の実行計画の中に適応策に関する記述が取り入れられて、実際の施策も進められるようになってまいりました。
 ただ、これまでの地球温暖化対策での経験に照らして考えてみますと、国は、例えば地域に温暖化防止活動センターを置くといったような組織制度づくりには大変熱心でありますけれども、そのつくられた組織が持続可能な形で活動できるようにという支援という面で見ると、必ずしも十分でないことが気になってきております。ですから、特に財政的な支援を含めて、本法案に基づいてつくられることになります地域の気候変動適応センターや気候変動適応広域協議会の活動支援については、国としての特段の配慮をお願いしたいと考えております。
 加えまして、特にエネルギー供給とか通信、運輸その他の公共サービスに関わりがあります民間事業者を特に中心といたしまして、さらに、この国の経済社会に必要な製品やサービスの供給に関わる民間事業者にも将来の気候変動への十分な認識を持った事前の準備、対策を進めていただくことは是非とも必要だと思います。
 本法案では、事業者に適応計画を策定、義務付けというところまでは規定しておりませんけれども、しかしながら、三条の二項、四条の二項は、国や地方公共団体の責務ということで、この事業者に対する様々な配慮が必要だということを規定しておりますし、五条には事業者が努力をしなければならないと規定され、七条の国の適応計画にも、その七号では事業者の活動促進に関する条項が置かれております。さらにまた、十四条で定められている広域協議会の構成メンバーが例示されておりますけれども、その中に事業者が加えられていることについても注意されるべきことと考えます。特に、行政関係者はこういう規定があることをしっかり認識し、事業者が適応策に積極的に加わってくださるように促進させる必要があろうかと思います。そういう意味では、業所管の各府省にもこのためにしっかり働きかけていただく、種々の御協力をいただくように強く要望したいと思います。
 なお、最初に申し上げましたハチクマの渡りルートがなくなってしまうおそれといったようなことについて、人間が適応策を考える余地は極めて少ないわけでございます。適応と並んで、あるいはそれ以上に何よりも緩和の実現が必要である、このことについては、長期の視点からの対策を検討し、さらに今からその実施をしなければならない、こういうことは昨年三月に中央環境審議会地球環境部会に置かれました長期低炭素ビジョン小委員会で取りまとめました長期低炭素ビジョンに記したとおりでございますので、この点も改めて付け加えさせていただきたいと存じます。
 私の冒頭の陳述は以上でございます。
 どうも御清聴ありがとうございました。
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斎藤嘉隆#4
○委員長(斎藤嘉隆君) ありがとうございました。
 次に、山岸参考人にお願いいたします。山岸参考人。
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山岸尚之#5
○参考人(山岸尚之君) おはようございます。
 WWFジャパンの気候変動・エネルギーグループ長、山岸と申します。本日はこのような機会をいただきましたこと、改めて御礼申し上げます。
 WWFジャパンは一九七一年に設立されまして、世界百か国以上で活動を展開しているWWFという組織の日本のオフィスになります。私は、WWFの中で気候変動、いわゆる温暖化問題を担当する担当者として、本日、この適応法案についての意見を軽く三点ほど申し述べさせていただきます。
 早速中身の方に入っていきたいと思います。
 お手元に配付されております資料の、スライドで言いますと二番目、「改善および実効性確保に向けたポイント」という形で本日三点ほどお話をさせていただきたいと思います。これらの諸点は、現行の法案の改善点と、それから、もしこれらが実施されるときに是非留意していただきたいポイントとなっております。
 まず一点目は、パリ協定との連携をもう少し明示的にしてはいかがかという点でございます。この点について、後ほど詳しく述べさせていただきます。二つ目は、地域における実施を確保するための仕組みを整備する必要があるという点です。そして三番目が、緩和こそ最大の適応策であるというポイントです。これらについて、順を追って説明をさせていただきます。
 おめくりいただきまして、下のスライド、「パリ協定とは」というところを御覧ください。
 釈迦に説法ではありますけれども、パリ協定は、世界の百九十か国以上が合意をした本当の意味でのグローバルな国際合意です。その中では、地球の平均気温の上昇を二度より十分低く、できれば一・五度に抑えるという大目標を掲げて、そしてそれに向けて、今世紀後半に向けては世界の排出量を実質的にはゼロに持っていくという大きな目標を掲げています。業界関係者の中では、この目標のことをよく脱炭素化というふうに表現をしております。そして、そうした排出量削減の側面だけではなく、能力が足りない、若しくは経済的な支援が必要な国に対しては支援を提供するし、今日のテーマであります気候変動の影響に対して適応していくということも盛り込まれております。
 おめくりいただきまして、その中でも、パリ協定の中でも、適応というのはかなり高く位置付けられております。
 一つおわびがございまして、この五番目のスライド、「パリ協定の「目的」」の後に括弧書きで「二条b項」と書いておりますが、二条一項(b)の間違いです。おわびして訂正申し上げます。
 このパリ協定の二条というのは、パリ協定の目的を書いてある条項なんですね。そして、二条一項の(a)というところでは、先ほど言及をいたしました二度とか一・五度ということが書かれています。それと並列する形でこの(b)には適応が書かれているということをまず強調しておきたいと思います。それだけパリ協定自体の中でも適応というのは高く位置付けられている目標、目的であるということです。
 そのため、下のスライドに行っていただきますと、パリ協定全体の中でも適応に対して各国が取り組むということは非常に重視をされています。各国が、日本も出しております国別目標、通称NDCと呼んでいる目標の中には、適応を含めている国もありますし、それとは別の形で適応に関する報告書を出すということもパリ協定の中では言われております。これらをもって世界各国で適応を進めていくということが強調されているわけです。
 ただ、おめくりいただきまして、実はパリ協定が目指すものとそれから各国の取組の間には大きなギャップがある、つまり差があるということも同時に認識がされています。こちらのスライドにありますUNEPの報告書が示す大きなギャップというのは、緩和、つまり排出量削減におけるギャップではあるんですけれども、同様にして、適応分野においても、やはりまだまだパリ協定が目指すようなところと各国の取組の間には大きな差があるということが認識されています。
 このために、パリ協定の下では一つ大きな仕組みが導入されておりまして、その一つが五年ごとに各国の取組を強化していくという仕組みです。それを図示したのが八枚目のスライドになっておりまして、五年サイクルでの改善の仕組みというものです。
 この図の下の二本のラインに着目していただきますと、一つ目のライン、一番右側には「グローバル・ストックテイク」とありますが、これは要するに世界全体で取組を見直す五年のサイクル、そして、その下が各国ごとに目標を出す五年のサイクルになるんですけれども、この二つの、世界と国別の五年のサイクルが同時に連携することによって世界全体の取組を強化するという仕組みがパリ協定の下では導入されております。
 こうしたパリ協定の仕組みを見たときに、今回の法案の中では、これを書かれた皆様方の中には、既にこれに対応しようという意図が明確に見て取れます。例えば、適応の計画に関しては、いつとは書いてありませんが、必要なときに見直しをしましょうということが書いていただいておりますし、影響評価については五年をめどに見直すということを書いていただいております。
 ただ一つ純粋な疑問としてありますのは、余りこの法案自体の中にパリ協定そのものに対する言及がないということです。例えば、パリ協定の二条一項(b)の中に明確に適応が目標として掲げてあるにもかかわらず、この法案自体はそれに対して対応しましょうというようなことは余り書かれていません。国際社会の一員として、日本がこういった適応対策を、単に自国の中にとどまることなく世界の文脈の中でやるんですよということを強調する意味では、もう少しパリ協定との連携ということを法案の中でも強調していいのではないかということがあります。
 恐らく難しいのは、おめくりいただきますと、現在、パリ協定に関する詳細なルールを今年の年末に合意する予定で国連の方で交渉をしております。その意味で、まだ若干ルールとして定まっていないところもあるので難しい面はあるかとは思うんですけれども、そうしたパリ協定との連携、特に五年サイクルとの連携という点をもう少し強調してもいいんではないかというのが第一点目の私の意見です。
 続きまして、第二点目、「実施を確保するための地域の役割」についてです。
 この気候変動の適応法案は全体としては非常に良いものだと私どもは考えておりますが、やはり法律は一つのツール、手段であって、これが活用されないことには本当の意味で日本の国内で適応が進むということはないと思いますので、その意味で非常に大事なのが地域の役割です。
 おめくりいただきまして、二つここでポイントを強調させていただきたいと思います。「地域での人材・能力育成の重要性」と「他の分野の政策に「適応」を埋め込む」というポイントです。
 当たり前のことと思われるかもしれませんが、例えば、この法案の中でも、国立環境研究所さん、それから地域気候変動適応センターからの知見を提供するというようなことが書かれています。私は、この仕事を始めてもう十五年になりますけれども、一応、そしてその地球温暖化、気候変動という分野を専門にしているつもりではおります。その人間から見ても、国立環境研究所さんが提供されるような報告書というのはやっぱり難解です。
 それらをきちんとそしゃくをして地域の対策の中に生かしていくというのは実はそんなに簡単ではなく、恐らく、皆さんの方がよく御存じだと思うんですけれども、地域はもう既に抱え切れないほどのいろんな課題を抱えておられます。人口減少などはその最たるものだと思いますし、それに連なっていろんな課題に対処しなければならない。その中で、適応について追加でやってくださいというふうに言うのは、なかなか確かに厳しいと思うんです。いい人材を確保して、しかも、後に述べますように、ほかの分野との連携、つまり、縦割りを超えた連携を促進していけるような人材というのが非常に大事になってきます。これを育成するような仕組みというものがなければ、恐らくこの法案に基づいて良い計画ができたとしても実施がされていかないということになると思います。
 その意味で、もう一つ強調しておきたいポイントが、適応対策に関していいますと、適応法案の下で、国レベル、そして地方公共団体のレベルで良い計画が作られるということと同時に、恐らくほかの分野、例えば防災政策、農業政策、国土に関する政策等々の中でそれらがきちんと取り込まれるということが非常に大事だと思います。その意味で、法案の中の十五条で他の施策との連携ということをうたっていただいていますが、これは単に、例えば適応計画があります、それからほかの分野での何らかの何とか計画があります、これら二つの間で連携ができますというだけでは恐らく不十分だというふうに思っております。
 そのことについて、次のスライド、ハリケーン・サンディのスライドで少し説明をさせていただきます。
 ハリケーン・サンディは、アメリカを二〇一二年に襲ったハリケーンでして、このときの被害というのは、ニューヨーク市にかなり大きな被害を与えました。四十人以上の人たちがお亡くなりになられたりですとか、大規模停電を引き起こしたりとか、ニューヨーク市が想定していた以上の被害がありました。
 この被害があった後にニューヨークでもいろんな研究が行われまして、その中で一つ印象的だったのが、左下にそのハリケーン・サンディが引き起こした被害があった地域と、それから、そもそもニューヨーク市で準備をしていた洪水に関する想定の地図を比較したものがあります。
 細かい議論は飛ばして端的に結論だけ申し上げますと、百年に一度程度の洪水を想定していた地図よりもサンディが引き起こした被害の方が範囲が広かったんですね。こういうことを受けて、ニューヨーク市では、今後こういった洪水の被害等を検討する際には気候変動によって洪水等の規模や頻度が高くなるということを織り込まないともうできないねという気付きに至ったということが論文等でも書かれておりました。
 このように、単に適応対策が別個のものとして存在するということだけではなくて、防災対策であるとか農業対策であるとか、あるいは地域の医療・衛生対策、これからますます気温が高まれば熱中症にかかられる患者の方も増えると思います。そういった対策をするときに気候変動を加味すると、今まで以上に頻度であったりとか規模であったりといったものが増えるかもしれないということを考慮して書けるかどうかということです。
 これは、良い適応対策ができるかどうかということとは別に、その適応の考え方、気候変動を加味するという考え方がほかの対策の中に入り込んでいけるかどうかということが大事になってくる。これをできる人材というものを地域で確保していけるかどうか、制度的に確保していけるかどうか、縦割りを超えていけるかどうかというのがかなり大きな課題になってくるだろうというふうに思います。
 法律の中で具体的にどれぐらいそれを強く入れるのかというのは先生方のお知恵に頼るところだと思うんですけれども、単に連携という言葉だけで済ますのではなく、もう一歩踏み込めたら本当はいいのではないか、法律の中にそれが書いてあれば、地域でもそれを実施する際により強固に実施していけるのではないかというふうには思います。これが第二点目のポイントです。
 そして、第三点目、最後のポイントになりますが、「緩和こそが最大の適応」ということです。
 どれぐらい適応が必要になってしまうかというのは、究極的にどれぐらい排出量削減をしてきちんと温暖化を抑制できているかどうかにかなり依存します。その意味で、緩和をやるということこそが最大の適応対策であると言うことができます。その点でいいますと、日本は必ずしも緩和の方面で十分にできていないということを残念ながら申し上げざるを得ません。
 スライドの「日本の現在の温室効果ガス排出量削減目標」のポイントでは、二〇二〇年、二〇三〇年、二〇五〇年の日本の現在の目標を列挙しております。このうち二〇三〇年の目標というのがパリ協定の下で日本が誓約している目標ですけれども、これについては、国際的な研究グループ等から不十分であるという残念な烙印を押されてしまっています。残念ながら、我々WWFジャパンも、必ずしも十分ではないというふうに同意せざるを得ません。
 それを更に事態として悪化させるのが、昨今進んでいる石炭火力発電所の増設の傾向です。これが本当に全部建設されてしまいますと、難しい話を抜きにして、恐らく、今の不十分と言われる二〇三〇年の目標ですら達成が難しくなるであろうということが言われております。
 こうした未来とは違う未来を選択する必要があるのではないかという観点から、WWFジャパンとしては別のシナリオという形で研究報告等も出しております。これが十六枚目のスライド、「WWFの長期シナリオ」と書かれているシナリオの中で御紹介しているものでして、全て化石燃料を使わない日本社会を描いた一〇〇%の自然エネルギーのシナリオと、日本が二〇五〇年について掲げている八〇%の目標を達成したときのブリッジシナリオという二つのシナリオを検討して、少なくとも、技術的には、理論的にはこれら二つは両方とも達成できるという結論に至っております。
 それの中身については十七枚目のスライドでごく簡単に御紹介をしておりますが、まず、どれぐらい省エネでいけるのか、そして、原子力、化石燃料を段階的にフェーズアウトしていくということを想定して、残ったエネルギー需要を自然エネルギーで本当に賄うことができて、それがどれぐらいのコストになるのかということも実は検証をしております。
 それらを踏まえて、最終的には、十八枚目のスライドでお示ししているように、違った未来はあり得るんですということを一応は示しております。こうした形でお示ししていますように、違う未来を、より強固な緩和の政策を目指すことによって必要とされる適応の度合いというものも引き下げていくことが将来的には可能だというふうに考えております。
 その点で考えますと、今回の適応法案というのは適応の面ではすばらしいものだとは思いますが、もう一つ大事なのは、温暖化対策の緩和についてより強固な法律を作るということです。現在、温対法、いわゆる温暖化対策の推進法がありますけれども、ここでもう一度原点に立ち返って、これだけ国際的に重要な対策であれば基本法を制定するということも必要ではないかとWWFジャパンとしては考えております。これを最後のポイントとして申し述べて、まとめとさせていただきます。
 どうもありがとうございます。
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斎藤嘉隆#6
○委員長(斎藤嘉隆君) ありがとうございました。
 次に、早川参考人にお願いいたします。早川参考人。
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早川光俊#7
○参考人(早川光俊君) おはようございます。CASAという団体の早川と申します。
 お手元にお配りさせていただいているレジュメに沿ってお話をさせていただきます。
 私は、どちらかというと、パリ協定以後、世界がどういうふうに動いているのか、かなり急速な動きをしていますので、そのことについて発言し、議員の皆様の参考にしていただけたらと思っています。
 最初に、グラフ、二酸化炭素濃度四〇〇ppmを超えたという図を示しましたけれども、皆さん御承知のとおりですけれども、四〇〇ppmが何か意味があるという意味ではありません。ただ、一直線にもう増加しているということは私たちがまず押さえておかなきゃいかぬことだと思います。大体二ppmぐらいずつ毎年上がっていたのが、最近は三ppm、加速しているということですね。
 それで、二枚目のスライドは、それに伴って平均気温は上昇している。二〇一四年、一五年、一六年と三年連続で世界の平均気温は過去最高を更新しました。二〇一七年は過去三番目ですから一四年と一五年の間に入ってくるわけですけれども、こういったことが現在起こっているということはまず我々は確認しておかなきゃいかぬ。
 そして、その中でいろんなことが起こります。温暖化というのは、恐らく、地球規模の環境問題の中でも人類の生存に関わる最も大きな環境問題だと思います。本当に人類の生存に関わってくる、健全な生存ができなくなるかどうかという問題だと思っています。
 もう一つ一つ説明しませんけれども、もちろん、雨の降り方が変わる、気温が上がる、洪水が増える、ただそれ以上に、作物への影響、食料への影響とか、それから人間の健康への影響というようなことが起こってきます。今すぐ起こるわけじゃありませんけれども、極端現象と言われる現象、例えばグリーンランドの氷が全部解ければ海水面は六、七メーター上がると言われます。南極の氷が全部解ければ六十メートルから七十メートル海水面が上がる。世界の都市は全て水没してしまうわけですね。そういうことが今始まっているということを我々はまず認識しなきゃいかぬ。それで、そこにやはり当然、安全保障の問題が関わってくると。
 IPCCの第五次報告書というのがあります。パリ協定の説明が山岸さんからありましたけれども、このパリ協定というのはIPCCの第五次報告書を踏まえて作られたものだと思います。二度という目標も、このIPCCの第五次報告書に書かれているということですね。第一作業部会、第二作業部会、第三作業部会と書いてありますけれども、第二作業部会の、赤字にしてあるところですけれども、「温暖化の進行がより早く、大きくなると、適応の限界を超える可能性がある。」、こういう、控えめな形ですけれども、温暖化が進んでしまうともう適応できないという状況になってしまうということですね。そして、それが、一つのめどが二度だということですね。
 その下に、二度を超えるとリスクが最高にと書いてありますけれども、これ、右側の棒グラフですけれども、黄色が中程度のリスク、赤が高いリスク、紫はもう非常に高いリスクです。それで、この一番右の棒グラフが、独特で脅威にさらされているシステムと書いてありまして、北極の海氷やサンゴ礁などに対する影響です。二番目が極端な気象現象。熱波や、それから極端な降水、洪水とかですね。それで、三番目が影響の分布という棒グラフでして、影響がより脆弱なところに現れる、途上国であるとか貧しい人たち。それで、四番目が世界総合的な影響。生物の多様性とか世界経済ですね。それで、一番右が大規模な特異現象。全て二度、横に赤いラインを引きましたけれども、この下のラインが二度ですね。
 これ、産業革命以前からの二度ですから、もう既に一度近く上がっていますから、あと一度しか残っていないわけですけれども、このラインに来ると、ほとんどもう中程度のリスクか高いレベルのリスクに掛かってくる。そして、それよりも上がってしまえばもう後戻りができない状況というのが来つつあるということですね。
 そして、もう一つIPCCの報告書が言ったのが累積排出量。過去のCO2の累積排出量と平均気温の上昇というのは比例関係にある、過去の累積排出量が増えれば、それだけ平均気温が上がるという関係にあるということを言いました。
 なぜこうなるかというと、私、大気汚染裁判にずっと関わってきましたけれども、大気汚染物質は大体大気中に二週間か三週間しか滞留しません。雨で落ちたり植物に吸収されたりします。だけど、二酸化炭素というのはそうはならないんですね。平均で百年ぐらいの単位で大気中に滞留しますから、こういう影響を及ぼしてしまう。
 そういうことを受けて、パリ協定ができました。パリ協定の意義は山岸さんもおっしゃいましたから繰り返しませんけれども、「歴史的なパリ協定」の次の「炭素循環」というところを見てもらいたいんですけれども、これ、気象庁のホームページから取ってきたものです。
 大体、人間の活動で八十九ギガトン、八十九というのは、ギガトンですけれども、の炭素換算で、ぐらいのCO2が排出されます。そして、陸とか海とかに吸収されて、四十ぐらいが大気中に残ってしまう、これが温暖化の原因になっているわけですけれども、パリ協定はこの四十を全部なくそうという協定です。だけではなくて、この八十九を全て、全て人間が出したものだから人間の活動で相殺しようと。自然界の吸収というのは当てにしない、そうでないと二度未満になりません。四十なくすだけじゃないんですね、八十九全てをなくすというのがパリ協定の合意です。そういう合意を受けて、今世界は物すごい勢いで変化しつつあります。
 四つほど挙げましたけれども、一つは脱石炭火力、もう一つがダイベストメント、要するに投資の撤退です。もう一つはガソリン、ディーゼル車の販売禁止、そして再生可能エネルギーの爆発的な普及ですね。
 脱石炭の動きというのは非常にすさまじいものがありまして、もう石炭火力は全部なくすんだという動きが世界中に広がっています。
 COP23が昨年ボンで開かれましたけれども、そのさなかに、脱石炭のグローバル連合というのがイギリスとカナダ政府の主導で結成されました。私もその結成式に立ち会いましたけれども、かなりの国がもう脱石炭に向けて動き出している、グローバルに動き出している。イギリスとかオーストリア、カナダ、フィンランドなんかはもう脱石炭、石炭火力を全廃するという方向になっています。
 ダイベストメント、これは、石炭火力、化石燃料に対する投資から撤退するという動きですけれども、既に七十六か国六百八十八機関、これ、ちょっとデータが古いですから、今はもっと増えていると思うんですけれども、というような動きが広がっています。
 世界的な銀行、BNPパリバと書いてありますけれども、これは欧州で、EUで一番大きな銀行ですけれども、ここも石炭、化石燃料への投資を撤退する、世界銀行も投資を撤退するというふうになっています。
 ちなみに、そういった化石燃料に投資しているいろんな企業、銀行なんかをリスト化したNGOのリストがあるんですけれども、日本は二十ぐらい入っています。まだ石炭火力、化石燃料から撤退が全くできていない。
 それと、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止。インド、フランス、イギリス、中国を挙げていますけれども、インドは二〇三〇年にはもう自動車を全て電気自動車にする、中国も今年から既に段階的にこういった対策を始めています。今年はまだ自主的なものですけれども、来年、二〇一九年度からは強制的に自動車の販売をこういった低炭素型に替えていくという方針を取っています。世界は思った以上に速く動いているということを私たちは認識しておく必要があります。残念ながら、日本は全くこれに付いていっていません。
 再生可能エネルギーの動きももう既に一〇〇%、先ほど山岸さんの話にもありましたけれども、一〇〇%再生可能エネルギーにするということに動き出しています。パリ協定を実施しようとしたら、とにかくエネルギー源を替える、それか省エネする、これしかありません。そして、エネルギー源を再生可能エネルギーに全て替えるしかない、一〇〇%です。そうしないとこのパリ協定の目標は達成できません。そういった動きが世界中に広がっている。
 グラフを、「世界の風力、太陽光発電と原発の推移」というふうに掲げましたけれども、一番伸びているのが太陽光と風力とを合わせた年度変化ですね。その次に上がっているのが風力、そして下が太陽光です。そして、横にずっとはっているのが、これ原子力です。世界は、もう原発ではなくて再生可能エネルギーに完全にシフトしています。最近発表された資料ですと、再生可能エネルギーが生み出した雇用が三百万というふうに出ています。そういったことに日本が付いていけているかどうかということですね。
 実は、石炭火力、再生可能エネルギーの導入変化幅の相関図とあります。これ安田先生という京大の先生が作ったやつをもらったんですけれども、このグラフの縦軸は、上に行くほど再生可能エネルギーの導入が多い国です。右に行くほど石炭火力の導入が多い国です。ほとんど世界の先進国は、ゼロから再生可能エネルギーを増やして、石炭火力を減らしています。日本だけが、再生可能エネルギーをそれほど増やさずに、そして石炭火力を増やそうとしている。赤いところが日本で、二〇三〇年ではまだ右の下に位置している。これが今の日本の現状です。これでは、とてもじゃないけれども世界の動きに付いていけません。
 最後にちょっと申し上げたいのは、適応法案については私はそれほど大きな問題点を感じていません。是非審議して進めていただきたいと思っています。
 ただ、一つお願いしたいのは、日本は温暖化問題加害国ですから、その視点を入れていただきたい。日本は現在の排出量で世界五番目です。累積排出量で世界で六番目です。先ほど申し上げたように、累積排出量が平均気温の上昇に相関関係があるならば、過去の累積排出量はやはりそれだけ温暖化に対する責任を意味します。そうであれば、やはりその被害を受ける途上国の子供たち、そして将来世代に思いをはせることが必ず必要だと思っています。
 アフガニスタンのことで、中村哲さんというお医者さんですけれども、アフガニスタンで井戸を掘り、井戸ではもう間に合わないということで運河を造っておられる方ですけれども、「天、共に在り」という本から引きました。アフガニスタンで起こっていることは何なのかというと、物すごい被害が起きている。たしかあの国は、旧ソ連が侵攻したり今もアメリカが軍隊が駐留して、いろんな戦争が起きている。だけれども、最大の脅威はそれではなくて温暖化だというふうに書いてあります。
 アフガニスタンという国は、北の方に山があって、氷河があって、その氷河が徐々に解けて、一年中水を供給してくれる。ところが、温暖化のために氷河が一気に解けてしまって洪水になって、水を供給してくれないと作物ができません。そうすると、子供たちが死んでしまう。飢えや渇きは薬で治すことができないというふうに本に書いてあります。こういうことが今世界中で起きているということに私たちは思いをはせなきゃいかぬ。
 今、六百五十万人ぐらいの五歳以下の子供の命が奪われています。それが温暖化のせいだと申し上げるつもりはありませんけれども、少なくとも、きれいな水が飲めない、食料がない、干ばつによって食料が取れないということによって奪われた命が相当数あります。そういうものに、これから温暖化が進めばもっと大きな脅威にさらされるということを私たちはやはり考えなきゃいかぬと思います。
 私は、ずっと条約交渉に参加してきて、途上国の人たちから随分いろんなことを教えられます。私自身はやはり日本という先進国の市民ですから、どうしてもそういった考え方に染まっている。しかし、途上国の人たちと交わることによっていろんなことを教えられます。そういう視点を是非持っていただきたいと思います。
 適応は非常に重要ですし、ただ、そういった場合に一番やはり重視されなきゃいかぬのは、温暖化だけでいろんな影響が起こるわけじゃありませんから、農業、漁業、林業なんかの、まずそこら辺を産業として強いものにしないと、温暖化の影響を防げない。単に場当たり的にやっていても何もできないということを是非お考えいただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
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斎藤嘉隆#8
○委員長(斎藤嘉隆君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様の意見陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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高野光二郎#9
○高野光二郎君 三人の先生方、大変意味のある有意義なお話、大変ありがとうございました。ほとんど私も共有するところでございます。
 それでは質問させていただきますが、今回の適応法案は、歯止めの掛からない気温上昇に対し、その原因である温室効果ガスの排出を抑制する緩和策、これは先ほど浅野先生からお話ございましたけど、国際条約にしても国内法にしても非常に整備をされているんですが、それでも気温上昇を防ぐことができないといったことが現実の世界情勢の中で、我が国の国民の生命と財産を将来にわたり守るための被害を回避、軽減するための適応策でございます。
 その中で私が最も必要だなというのは、やっぱり人材の教育なんですね。
 二つちょっとお話しさせていただきたいんですが、一つは、我々政治家がすぐ実効的に取り組めるのは、やはり学習指導要領の在り方であるとか、これは十年に一回改訂をされていまして、小中は去年の三月に改訂をされました。そして高校は今年の三月に改訂をされました。座学も踏まえた中で、この環境教育の充実を小さい世代からいかにしっかりしてもらうかということが非常に必要だというふうに思っております。
 その中で、義務教育における環境教育の重要性、または、もし現状等を先生方が御存じでありましたら、その評価であるとか課題であるとか必要性であるとかいったことをお話しいただければと思います。三人の先生にお伺いいたします。
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浅野直人#10
○参考人(浅野直人君) 今先生がおっしゃいました環境教育、義務教育の中での重要性というのは本当に度々言われていることでございます。
 今の最大の問題は、教科がばらばらに分かれてしまっている、その結果、担当する教員も、必ずしもみんながしっかり情報を持っていないということだと思います。ですから、カリキュラムを変え、学習指導要領よりも、まあ変えることは大事なんですが、何より大事なことは、教員の教育をしっかりしなきゃいけない。情報をしっかり提供して、新しい情報がしっかり教員の頭に入っていないとうまくいかないだろうというふうに思っております。
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山岸尚之#11
○参考人(山岸尚之君) 正直申し上げて、私、教育は専門外なんですけれども、一つ申し上げたいポイントがありまして、それは、学ぶことの楽しさという面でいいますと、いろんな分野を横断的に学ぶことができる人材を教育できるようにするということがあります。
 先ほども申し上げましたように、恐らく、気候変動の適応策という観点からいいますと、いわゆる理系の文脈だけではなくて、文系に関わるようなものを総合的に使ってお互いのコミュニケーションができるような人材が育っていかないと難しいと考えていますので、そうしたいわゆる学際的と呼ばれるような知見の活用ができるような人材を育てるような教育が必要であるというふうに思っております。
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早川光俊#12
○参考人(早川光俊君) 私は、一番教育において大事なのは教員です。先生がちゃんと温暖化について正しい知識を持っていれば、ずっと授業をやってくれるわけです。ただ、残念ながら、私も小学校へ行ったり中学校へ呼ばれて行ったりして一時間とかの授業をやらせてもらうんですけれども、先生方がそういったところにいない、情報が先生のところに行っていない、また、先生方もそういった時間がない。
 だから、環境問題についてちゃんと先生方に情報が行くように、先生方自身は意欲は持っていますから、そういうシステムをつくることが一番大事だと思います。先生がそういった意識を持てばずっと毎年やってくれますから、そういうシステムをつくることが一番大事ですね。そうすれば、環境教育は進むと思います。
 以上です。
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高野光二郎#13
○高野光二郎君 緩和策も適応策もそうなんですけど、身近なところでも非常にやっぱり見えますよね。例えば、我々の仕事でいうと、もう本当に、余り使用頻度のない文書の山積みであるとか、あとは市町村によってごみの分別のレベルであるとか、あと食品のロスとかいうことがやっぱりすぐ見えるところであって、それが環境負荷、地球温暖化にどれぐらい関わっているのかということをやっぱり見える化していくこと、非常に大事だというふうに私も思っております。
 人材育成についてもう一つお伺いしたいんですけど、今教員という話もありました。そして、自治体の職員の、今後適応計画を作る職員のレベルもあるというふうに思います。そして、また先生方を踏まえて、高度な知見と知識を持った環境政策に通じた人材、レベル別に教育をしていかなければいけない、養成をしていかなければいけないと私も思っていますが、国がそれらに対してできること、具体的に何かございましたら御提言をいただきたいと思います。
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浅野直人#14
○参考人(浅野直人君) 適応に関しては、衆議院の委員会の審議のときにも議論があったと思いますけれども、本当に今それを研究できる人材が少ないということが言われています。これは、最大の問題は、今若い研究者は、本当に待遇が悪いし処遇が悪い、なかなか人が育たないんですね。それから、環境研究に関して言うと、私もずっと環境研究の資金配分携わっていますけれども、大型研究ですぐ役に立つ研究にはお金が付きますけれども、基礎的な研究であるとか若い人を育てるための、割合金額が少なくてもしっかり基礎的な仕事ができるようになっている研究費は全く恵まれていないんですね。ですから、これは文科省の科研費がその機能を果たしているんだと思いますけれども、まだまだ十分ではない。
 さらに、最近はやっぱり環境研究に関心を持つ人が非常に減ってしまっていて、後継者がなかなか育たないという悩みを持っています。ですから、多分適応の領域の先生方も同じ悩みを抱えておられるんだろうと思っております。
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山岸尚之#15
○参考人(山岸尚之君) 二点ほど申し上げたいと思います。
 一つは、地域に在住している地域の研究者の育成という点です。
 これは、適応に関しては、恐らく長期的な研究が必要だと思います。どのような変化がその地域で起きてきてどのような変化が起こり得るのかを調べるためには、やはり、例えば先ほどの浅野先生の御主張でも出てきたような渡りのルートというものは、そもそも渡りのルートがその地域でどのようにあるのかということ自体を地域で研究がなされていなければ分かりません、変化が、どのように変化するのか。そういったことは結構地域の研究としては時間が掛かりますし、それが中央の研究者だけで賄われていると正直言って人材は恐らく不足すると思いますので、地域の大学等々で行われる研究に対してそういった体制がつくれるということがまず一点目。そして、そのために必要なのはそうした地域での研究、息の長い研究に対してどのような支援を与えていけるのかということだというふうに思います。
 以上です。
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早川光俊#16
○参考人(早川光俊君) 私は、一番適応で大事なこと、適応って本当地域地域なんですね。地域地域で別ですね。例えば、琵琶湖の近くの農家の方に聞くと、田植が五月の連休にできなくなった。そうしちゃうとお米によくないからもっとずらさなきゃいかぬ、後にずらさにゃいかぬ、温暖化のために、というようなことが起こっているわけですね。そういう一つ一つのことが恐らく地域地域違うわけですから、そういったことをちゃんと酌み取る、地域の人たちと交流する。例えば、セミを調べている人もいればタンポポを調べている市民団体もありますから、そういうところと連携をまずしてほしいなと、学校の先生方が。そうすることによって環境教育進むでしょうし、それをもうちょっと上げて、研究者と、研究機関と結び付けて対応していかないと対応できないだろうと。
 適応って、物すごく難しいのは、本当にまだ見えていないところが随分ありますし、これから随分起こるでしょうし、恐らくそれを全部我々が今予測ができないところですから、現場からとにかく上げていくしかないんじゃないかなと思っています。
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高野光二郎#17
○高野光二郎君 最後に、皆さんにお答えしていただきたいんですけど、時間がないので山岸参考人にお伺いします。
 この国際条約が、緩和も適応もどんどんどんどん整備をされてきて、国内法もいろいろ推進をされていって、国民のこの環境に対しての意識だとか温暖化に対しての危機感はここ数年でどういうふうに変化をしてきていると実感をされているのかというのをお伺いしたいです。
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山岸尚之#18
○参考人(山岸尚之君) 端的にお答えしますと、引き続き高い関心はあるとは思っておりますが、震災以降、若干、温暖化問題、気候変動問題に関する関心そのものは少し下がっているかなと思います。
 もう一つ課題としてありますのは、その高い関心が必ずしも政策的な関心に結び付いていないと。例えば、こういった話題は微妙かもしれませんけれども、選挙のときの争点とかに余り出てこないというのは一つ残念かなというふうに思っております。
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高野光二郎#19
○高野光二郎君 ありがとうございました。
 以上です。終わります。
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河野義博#20
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 今日は、三先生方、ありがとうございました。
 排出削減、いわゆる緩和策、そして被害をいかに回避するかという適応策というのが車の両輪とよく言われておりますが、緩和策については、浅野先生から御披露ありましたとおり、長年にわたって法制化も含めて我が国も取り組んでまいりましたけれども、二〇〇〇年以降、世界の潮流として適応策も議論が中心となっていく中で、我が党としても、政府に適応策の法制化というのを申入れをしました。その流れの中でこの法律というのができてきた。また、この適応策の法制化については、三先生方からも非常に意義のあることという評価をいただけたものというふうに承知をしております。
 その上で、まず法体系の面を中心にちょっと浅野先生に伺いたいと思っておりますけれども、どうやって実効性を高めていくのかという観点でも御提案を様々いただきました。地域の取組をどうやって強めていくのか、そして事業者にどのように実効性を高めて取組を実際に進めていただくのかという、私、大変重要な点だと思いまして、さきの委員会でも同様な質問をさせていただきました。ただやれと言われても、自治体も困りますし、連携機関も困りますし、また事業者も困るという中で、国がどのように関わっていくのかという面に関してちょっと具体的にアドバイスをいただけたらなと思いますけれども、浅野参考人、お願いいたします。
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浅野直人#21
○参考人(浅野直人君) 地域での取組ということがどうやって実効性を高めることができるか、とりわけ事業者の取組を進めていただくことの重要性を私強調したわけでございますが、その中でも、やはりイギリスの法制なんか見ても、公益事業に関わる事業者の方には、やはり社会的責務ということで、法令上の義務がなくてもやっていただく必要があるわけですけれども、このためにやはりガイドラインのようなものをしっかり国で用意することも必要ではないかと思います。
 それから、陳述の中でも申し上げましたが、やっぱり業所管省庁がしっかりと認識を持って、そこからも働きかけていただくと。そういうことがあれば、お願いしたときに受ける事業者の方が何となく遠慮をされてしまうんですね。こういう協議会に入っていただけませんか、いや、なかなか、みたいな話になるんですが、一押し所管の省庁から押していただければ、そこは動かなきゃいけないというふうに思うだろうと思うんですね。
 それから、多分これから先は環境報告書のようなものに適応をしっかり入れていただくということを、お願いして幾つかの事業者の報告書の中には入っていますけれども、これが普及していくことによってそこを取り組まなきゃいけないという認識が出てくるでしょうから、この辺りについてももっとガイドラインを示すときにしっかり書いて、これに沿った報告書を作っていただくような方向に持っていくということが早いのではないかと思っています。
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河野義博#22
○河野義博君 ガイドラインやマニュアルというのは環境省も実際に考えているようであります。この法整備をきっかけに事業者サイドも意識を高めてもらう、国民運動を展開していくという意味でもこの立法というのは非常に大事なんだなというふうに私自身は思っております。
 その上で浅野先生にもう一問。緩和策の法律では、地方自治体にも計画義務付けをしております、今回努力義務ですが。先生おっしゃるように、立法が、緩和策の方が先行してまいりましたので、その整合性を取るのに時間が掛かるだろうというお話でございました。私も現段階では努力義務でいいと思うんですが、行く行くはこれ義務化していって全国内でやっていくべきなんだろうというふうに思うんですが、事業者も含めて義務化していくべきじゃないかなというふうに私は思っておりますが、先生どのようにお考えか、教えていただけたらと思います。
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浅野直人#23
○参考人(浅野直人君) 将来的には、先生のおっしゃるように、やはりある種の義務化という方向に行くべきだろうと思います。
 緩和に関しては、幸いにも、最初の温対法を作った頃には、実行計画を作るべしということがまだ地方分権との関係でそれほどうるさく否定されなかったんですね。しかし、その後、累次の法制をやろうと思うと、すぐ地方分権を振りかざして反対されてしまうということが出てきた。なものですから、結局、変な形ですけれども、現在の温対法は、地域での取組について実行計画の中に書いてくださいという言い方をしているんですね。本来なら地域気候温暖化対策計画のようなものを作ってくださいというのが筋なのに、自治体の固有の事務についてこういうふうにしなきゃいけないということを書くべき実行計画に、その中に地域編を入れるというようなことになってしまったと。これは、法制上、前にあるものはもう否定できないので、そのまま義務化された法令を使うことができるけれども、新しく書けないということであんな変なことになってしまったんですけれども。
 分権は、私、随分熱心に取り組んだことがありますから必要だと思いますけれども、やはり全国できちっとやっていただかなきゃならないことについて、国会がしっかりお決めになったものを法令に書けないというのも変な話だなというふうに思っています。
 ですから、余りにも地方分権を言い過ぎて、何かの義務化はやっちゃいけないというような方向が、全ての領域について適応できるかどうかということについてはかなり前から疑問に思っておりましたので、この際、少し乱暴ですけれども、申し上げておきたいと思います。
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河野義博#24
○河野義博君 ありがとうございました。
 山岸先生にお伺いしたいと思っております。
 最後に基本法の重要性というのを教えていただきましたけれども、これは、緩和と適応と両方合わせた基本法という概念でしょうか。もう少し具体的に、どういった基本法をイメージされているのか、その重要性も含めて教えていただけたらと思います。
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山岸尚之#25
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。
 理想的には、緩和と適応、両方を含めた形での基本法が望ましいと考えております。そして、冒頭で御説明申し上げたようなパリ協定の目標、目的に向かって日本も貢献していきますよということをきちんと目的の部分に書き、そして、五年ごとのサイクルに合わせてきちんと日本も目標を漸次的に改善していきますよということを緩和、適応両方の側面で述べるような基本政策、そして、それを達成するための政策を計画という形で定めていきますよ、そしてそのレビューもきちんとやっていきますよというようなことを概要としては書いていただくような法律案になるかなというふうには思っています。
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河野義博#26
○河野義博君 ちょっと具体論ですけれども、先生の、地域での実施を確保するための仕組みということで、十一ページ目、資料の中で御説明をいただきました。
 国立環境研究所の文書は先生であっても難解だということで、それを通訳できるような人材、コーディネーションできるような人材というのを育てていかなければならないと思います。役所の方でも、人材育成というのはキーワードとして国と政府としても取り組んでいると思うんですが、そうはいってもなかなか難しい。やっぱりその道で食べていける人をどれだけ増やしていくかということが大事なんだろうというふうに思います。科研費の話もいただきました。
 そういった観点から、国に対する提言といいますか、具体にこういうことをというところがもしあれば、簡潔に教えていただけたらと思います。
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山岸尚之#27
○参考人(山岸尚之君) やや曖昧な言い方になりますけれども、二つほど申し上げたいと思います。
 それは、先ほど別の御質問に対するお答えの中で申し上げたことなんですけれども、地域の大学等と、要するに地域の研究者の活用を上手にやる仕組みというものをつくっていくということが第一点目です。
 もう一つは、私自身、正直すぱっとした解法がないんですが、特に地方公共団体、中央でもそうなんですけれども、お役人の方が二、三年で交代されるということに対して、どのように知見の継続とか取組の継続を担保していけるのかということを考える必要があると思っています。つまり、誰かが取組の継続性を担保するような仕組みを持っていないと、こうした息の長い対策が必要な分野というのはなかなか難しいのではないかと。特に、専門性を二、三年でようやく深めたと思ったら次の部署に移ってしまうという形だとなかなか正直厳しいのではないかというふうに感じているので、そこを解決する策が正直私もないんですけれども、問題意識としては御指摘申し上げたいと思います。
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河野義博#28
○河野義博君 役所の担当者はころころ替わりますので、政治家も息を長く見守っていかなければなりませんし、しっかりチェックをしていきたいというふうに思っております。
 早川参考人にも様々御示唆に富む御教示を賜りましたけれども、ちょっと時間の関係でまたの機会にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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柳田稔#29
○柳田稔君 国民民主党の柳田でございます。
 今日は貴重な御意見、本当にありがとうございました。
 最初に浅野先生にお尋ねしたいんですが、今回は緩和と適応、両方言いますよね。でも、よく法案の中身見ると、削減と適応なんじゃないかなと。なぜ削減と言わずに、CO2とか削減ですよね、なぜ緩和なんだろうかと疑問に思うんですけど、多分いろんな歴史とか理由があってそうおっしゃっているんだろうかと思うんですが、なぜ削減じゃなくて緩和なんでしょうか。
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