消費者問題に関する特別委員会

2018-06-06 参議院 全228発言

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会議録情報#0
平成三十年六月六日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     石井みどり君
     藤木 眞也君     三木  亨君
     礒崎 哲史君     矢田わか子君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     宮本 周司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        三原じゅん子君
    理 事
                太田 房江君
                島田 三郎君
                渡邉 美樹君
                若松 謙維君
                森本 真治君
    委 員
                青木 一彦君
                石井みどり君
                小川 克巳君
                小野田紀美君
                尾辻 秀久君
                徳茂 雅之君
                福岡 資麿君
                三木  亨君
                宮島 喜文君
                宮本 周司君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                田名部匡代君
                矢田わか子君
                斎藤 嘉隆君
                杉尾 秀哉君
                大門実紀史君
                山添  拓君
                片山 大介君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       修正案提出者   永岡 桂子君
       修正案提出者   大河原雅子君
       修正案提出者   柚木 道義君
       修正案提出者   畑野 君枝君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        福井  照君
   副大臣
       内閣府副大臣   あかま二郎君
       法務副大臣    葉梨 康弘君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        山下 雄平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣府消費者委
       員会事務局長   黒木 理恵君
       消費者庁次長   川口 康裕君
       消費者庁政策立
       案総括審議官   井内 正敏君
       消費者庁審議官  福岡  徹君
       法務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        金子  修君
       文部科学大臣官
       房審議官     下間 康行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○消費者契約法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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三原じゅん子#1
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、礒崎哲史君、藤木眞也君及び朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として矢田わか子君、三木亨君及び石井みどり君が選任されました。
    ─────────────
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三原じゅん子#2
○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消費者契約法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府消費者委員会事務局長黒木理恵君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三原じゅん子#3
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三原じゅん子#4
○委員長(三原じゅん子君) 消費者契約法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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矢田わか子#5
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。
 今日は、まず、法案審議に入る前に、一昨日前に森友文書の改ざんが報告されたことに伴いましていろいろと、元佐川理財局長、基本的には免職ではなく停職三か月相当の処分ということに報道されておりますけれども、ほかにも官僚の皆さんは二十数名近く処分がなされるということなんですが、この処分が本当に妥当なものなのか、甘いのではないかという、そういう見方も広がっております。
 一方で、民間は、昨日の報道で神戸製鋼が家宅捜査を受けまして、もう既にデータの改ざんによって四月一日付けで社長も副社長も辞任されているということでもあります。こういう民間と比べて、やっぱり民間に厳しく官には甘いのかというふうな、そんな非難もあるわけですけれども、民間を監督する立場の福井大臣、この件についてどのように捉えていらっしゃるか、冒頭お聞かせいただけませんか。
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福井照#6
○国務大臣(福井照君) 火曜日の朝、閣議の後、公文書の管理につきまして、特別な、全大臣に対しての総理大臣からの言わば業務命令がございました。公文書管理についてその適切さを徹底するようにということでございまして、手前どももそのまま受け止めさせていただいて、公文書管理徹底をさせていただきたいと思います。
 なお、財務省の役所の人事につきましては、ここでコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
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矢田わか子#7
○矢田わか子君 やはり佐川前理財局長ですね、あの立場にある方が今停職ということになっておりますけれども、結局退職金の三か月相当分、停職期間ということで給与の三か月相当分の減額ということにとどまっているわけですが、一方で、今日のニュースでは外務省の課長職の方がセクハラということで停職九か月相当というふうな、そんなニュースも出ております。
 もうこの九か月と三か月、ここまでの差が、セクハラ、片やセクハラももちろんあってはならないことです、これが九か月処分。そして、これだけ国民的な大議論を巻き起こして、国会の審議もある面ストップさせて、そして本当に三か月で妥当だったのかということのやはり論議はあると思いますので、是非ともまた内閣の一員として福井大臣からも内閣に対する御助言を、御助言というか御意見を述べていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、本題に入りたいと思います。
 今日は、消費者契約法の改正案ということでございますが、まずもって、今回この民法における成人年齢の引下げという新たな状況変化の中で、売買契約における不当な勧誘行為の類型の追加、そして無効となる不当な契約条項の類型が追加されたということについては評価できるものだと思っています。
 ところが、今回、専門調査会で法改正の検討がされていた当該事業者に生ずるべき平均的な損害の額の立証責任の課題、あるいはサルベージ条項の不当条項への追加などについては、結局、先送りされることになりました。国会の附帯決議で、前回の附帯決議で検討の要請が行われて、そして、消費者委員会がそれを引き受けて、専門委員会の中で一年にわたって制度改正に関する詳細な検討を行い、結果として内閣に提言したというものが三月の八日付けで出ております。
 これを見る限りにおいて、この中に書いてあることが本当に履行されることになったのかということであります。申し上げているとおり、やってほしいことはやらずに、要するに、今まで指摘してきたような平均的な損害の額、それからサルベージ条項への対応などはやらずに、不当な勧誘行為による取消し権に問題となっている社会生活上の経験が乏しいことの要件が追加されるなど、結局、両者が十分に連携できていないのではないかと見受けられる面があります。
 まず、消費者委員会としては、一年間にわたった結果、答申を出された消費者委員会としては今回のことについてどのようにお感じになっていらっしゃるのか、御見解をお願いします。
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黒木理恵#8
○政府参考人(黒木理恵君) お答え申し上げます。
 消費者契約法に関しましては、消費者委員会では、昨年八月八日付けで、消費者契約法専門調査会報告書の内容を踏まえ、措置すべき内容を含むとされた論点のうち、法改正を行うべきとされた事項については、速やかに消費者契約法改正法案を策定した上で国会に提出すべきという旨の答申をしたところでございます。
 その後、閣議決定がされ国会に提出されました御指摘の消費者契約法の一部を改正する法律案に対しましては、本年の三月八日に、消費者委員会におきまして、消費者庁から御説明を受けた上で、同日付けで、本法律案成立後に更に対応が必要な事項について消費者庁に速やかに検討を進めることを要請する旨の消費者委員会の意見を発出したところでございます。
 具体的には、昨年八月の答申の付言事項への対応、それから、御指摘のありました平均的な損害の額の立証責任に関する規律の在り方について速やかに検討をすべきとしていること、また、困惑類型の追加への対応のうち、不安をあおる告知と人間関係の濫用につきまして、社会生活上の経験が乏しいことという要件が付加されることによって特に若年層の被害対応に重点が置かれたものとなっていることから、高齢者等の被害対応についても速やかに検討すべきとしたところでございます。
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矢田わか子#9
○矢田わか子君 というように、消費者委員会が御提案されたことについては余り反映されていないように見受けられます。是非この点を含めて今日の質問を掘り下げていきたいというふうに思います。
 ずっとこれ話題になっている社会生活上の経験が乏しいことという文言についてお伺いをしていきたいと思います。
 一枚資料をお配りしています。資料一を御覧ください。
 今回の法改正で、付け込み型勧誘に関する法案が付け加えられたことについては評価できるわけなんですが、結局この一文、社会生活上の経験が乏しいということが入ったことによって、広範囲な意味で高齢者をこれ対象とすることが可能なのかどうかということが一番今問題になっているのではないかというふうに思います。
 この表は、大臣、それから大臣以外の消費者庁の関連の方が答えているものを順次時系列的に並べたものなんですが、簡潔に申し上げますと、特に不安をあおる勧誘や恋愛感情に乗じた人間関係の濫用のところで、広範囲な意味で定義していたことがどんどん時系列的に狭められる、対象が狭められるような発言に変わっていっているというか、それを整理されているというふうに消費者庁はお答えになっていますけれども、実際には変わっていっているように見受けられるということであります。
 この社会生活上の経験が乏しいという要件、依然としてどう解釈したらいいのか、今現在も曖昧なままではないかというふうに思います。ここは法案の審議をする場で、この中ですら、私たちですら理解できないということは、一般の消費者は理解できないわけであります。だからこそ、きちっとこれをどういうものなのかということを整理しておく必要性があるというふうに考えております。
 まず、この経過についてどのように答弁が変わってきたというか、整理されたのかもしれませんが、捉えられているのか、福井大臣から明快なお答えをお願いしたいと思います。
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福井照#10
○国務大臣(福井照君) 整理していただきましてありがとうございます。この衆議院における答弁につきましては、それぞれ、いただいた御質問の内容に応じてお答えしたものでございます。
 今先生御指摘のように、社会生活上の経験が乏しい、これについて議論が集中をいたしました。この要件は、当該消費者における社会生活上の経験の積み重ねが、一般に消費者契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないことを意味するということで、もう一度整理をさせていただきたいと思います。
 ですので、本要件は年齢によって定まるものではございません。消費者が若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいて、これと同様の評価をすべき者は本要件に該当するということでございます。
 あと、勧誘の態様が云々というところも整理をしていただきましたので、また勧誘の態様が悪質なものである場合などには、消費者による取消し権が認められやすくなるものでございます。
 私の答弁、そして消費者庁の答弁は、このような趣旨で述べたものでございます。
 以上でございます。
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矢田わか子#11
○矢田わか子君 赤いところの文字がずっと大臣なり消費者庁が発言されていること。若年層はいいんですよ、これ全部対象になりますということになりますので。
 中高年層のところを見ていただいて、一つ目の丸は五月十一日の衆議院本会議での御答弁です。高齢者であっても、契約の目的となるものや勧誘の様態との関係で該当する場合もあるとおっしゃっていますが、次の丸が五月二十三日の衆議院消費者委員会での御答弁ということで、就労経験等がなくて、外出することもめったになくて、そして他者との交流がほとんどない、一例として引きこもり、その他の事例は最終的には裁判所が判断するとされています。また、三つ目の丸は、前回の熊野委員の質問に対して、認知症のこと等にも触れていただいたんですが、結局、この著しくということが入ったことによってかなりその定義が狭められるのではないかという懸念がなされています。
 これ、修正案の提起をされた衆議院についても、前回答弁していただいていますけれども、事業者が勧誘する際の事情に基づいて判断されるものですと、最終的には。濱村理事、前回来ていただいた方がお答えになっているんですが、その解釈でよろしいんでしょうか。
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柚木道義#12
○衆議院議員(柚木道義君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおりでございます。
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矢田わか子#13
○矢田わか子君 したがって、若年者と同視すべき者のところの一体それがどこを指すのかということが一番のポイントでして、いろいろ移り変わっていく中で、最終的にこの著しく低下した消費者というのがまだ定義付けられていないということでもあります。
 前回の熊野委員の質問だと、軽度の認知症の扱いは、結局のところ、個別判断をしていくというふうにも捉えられるんですけれども、それでいいのかということ。四百万人、軽度の認知症の方がいらっしゃると言われています。そんな中で、本当に個別、個別、個別で判断していくことが妥当なのかどうかということも疑念を感じざるを得ません。
 この若年者と同視すべき者、もう一度、どのような人を指すのか、消費者庁なり大臣、御答弁いただけますか。
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川口康裕#14
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 社会生活上の経験が乏しいことという要件につきましては、消費者が若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいて、これと同様に評価すべき者は年齢にかかわらず本要件に該当し得るものと考えております。
 そして、この若年者と同様に評価すべき者としては、具体的には、就労経験等がなく、外出することもめったにない、他者との交流がほとんどない者が考えられますが、これはあくまで本要件に該当する一例として申し上げたものでございます。これ以外の事例についても該当し得るものでございます。
 と申し上げますのも、消費者契約法は民事ルールでございまして、最終的には裁判所が個別具体的な事例において該当性が判断されるものでございます。裁判実務の中で本要件に関する事例が蓄積されれば、消費者庁が作成する逐条解説等に反映をいたしまして、裁判外あるいは相談現場など様々な紛争解決に役立ててもらえるよう努めてまいりたいと考えております。
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矢田わか子#15
○矢田わか子君 個別個別に判断ということですけれども、結局、相談現場で無用な論議を巻き起こし、たくさんの件数が発生した場合に本当にさばき切れるのか。裁判したらええやないかというふうな発言もありますけれども、裁判するということは一般の方にとって物すごく敷居が高いわけであります。弁護士に相談しに行くだけでも、手付金から何から掛かるわけですよ。それでもって、それを消費者庁が言ってしまうのはどうなのかなというふうには思っております。
 それと、衆議院の方で修正に加えられた、柚木さん、事業者が勧誘する際の事情に基づいて判断ということなんですが、それも結局は個別個別の判断ということになりかねないわけですね。事業者が、その人が本当に軽度な認知症、重症だったかどうか、その場をもう一度思い出してといっても、事業者は売りたいわけですから、あの人すごく認知症に見えませんでしたよとか言えば終わってしまうわけなので、これはかなり曖昧な表現ではないかと思われますが、これで十分だったと衆議院としては思われますか。
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柚木道義#16
○衆議院議員(柚木道義君) 御答弁を申し上げます。
 委員御指摘のとおり、個別の事案をそれぞれどのように整理をして、そして、実際の法施行までにどのようなそれぞれの、例えば逐条解説のような分かりやすいものも含めて準備するということは非常に重要なことでありますし、また御指摘のような課題もあろうかと思っております。
 したがいまして、例えば軽度の認知障害の場合、これ著しく判断力が低下した状態という、著しくの議論も先ほど御指摘がございました。この場合につきましても、その部分に当たるか否かについては、まさに消費者契約の締結について事業者が勧誘する際の事情に基づいて判断されるのも事実でございますので、これは、私どもといたしましては、法案の審議の中に基づきまして、消費者が認知症を発症している場合ということで申し上げれば、これ一般的には判断力が著しく低下している場合に該当するということでございますし、軽度の認知障害の場合にもこれに該当するかについては、まさに御指摘があったとおりではございますが、当該消費者に係る個別具体的な事情も踏まえて判断されるべきものと考えるところでございまして、その点についての課題についても、御指摘の部分をしっかり踏まえていかなければならないと思っています。
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矢田わか子#17
○矢田わか子君 参議院は熟考の参議院とも言われますので、もう一度ここを根から掘り下げて話をしておきたいなというふうに思っております。
 同じように、恋愛感情に乗じた人間関係の濫用のところについても見ていただければと思いますが、要するに、この赤いところの答弁、特に結婚等の人間関係形成に係る経験を考慮するなど総合的に判断するという答弁や、勧誘者に対する恋愛感情に比すべき特別な好意というふうなことで書かれています。これも極めて曖昧で、中高年の方は、じゃ、恋愛しないのかというと、やっぱり好きだとかそういう感情は芽生えるのは当たり前のことであります。
 資料二を御覧いただければと思いますが、これはデート商法に関する各年代別の相談件数をまとめたものなんですが、見ていただくと分かるとおり、九十代の人でも、九十代がお一人いらっしゃいますよね、相談されているんです。実際に、六十代以上の方、十二、一、二といらっしゃるわけですよね、こういったことに対しての相談が。したがって、一くくりにして中高年はここはもう対象外と言われると、怒られる方いっぱいいらっしゃると思うんですね。それは違うんじゃないかと。
 そこで、こういったことについても曖昧なままにしておいていいのかということ。高齢者がそういった判断力、要するに、いろんな好意を感じて、この人が言うんやったら買おうかなとかいうふうな気持ちが芽生えても当然のことであって、それが、的確な判断力がそこの場で発揮できずに、不足していたり、若しくは低下しているようなことが原因となって乗ってしまったような場合もやはり規定していくべきではないかというふうに思います。
 したがって、これ全体を通してですけれども、もう一度お聞きしますが、この社会生活上の経験が乏しいという要件、混乱を巻き起こしているこの要件を削除するというふうなことをなぜできないのか。なぜできないのか、それを是非大臣からお答えいただければと思います。
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福井照#18
○国務大臣(福井照君) 仮にこの本要件を置かなければ、本来想定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがあるからでございます。したがって、社会生活上の経験が乏しいことからとの要件を設ける必要があると考えている次第でございます。
 本来想定していない場合とは具体的にどういうことかというお尋ねがあると思いますけれども、それは、本来想定していない場合とは、必ずしも類型的に困惑するとは考えられない消費者を対象とする場合が考えられる。例えば、個別具体的な事情にもよりますけれども、就労経験等が豊富な社会生活上の経験を十分に積み重ねてきた消費者など、通常困惑しないと考えられる勧誘についても取消し権の範囲に入るおそれがある、つまりそれは想定していないということですので、本来想定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがありますので、社会生活上の経験が乏しいことという文言を入れたわけでございます。
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矢田わか子#19
○矢田わか子君 大臣、この社会生活上の経験が乏しいということを抜いても多分大丈夫だというふうに私は思うんですけれども、というのは、消費者庁は、あくまでもやっぱり消費者の立場に立って、救うためにあるべきであるわけですよね。
 事業活動が妨げられるだとか経済活動に支障があるというのは違う省の方が言うべきことでありますので、やはり大臣がおっしゃるべきことではなく、あくまでも弱者として判断力が低下した方をやっぱり救うためにどうあるべきかという立ち位置に立つのであれば、この文言はやはり要らないのではないかなと思いますし、もし仮に入れられる、どうしても都合があって入れられるというのであれば、せめて付け加えて、又は、例えば、判断力の不足している若しくは低下している人というようなことを追記していただければ今のような混乱は少しは収まるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
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川口康裕#20
○政府参考人(川口康裕君) 判断力の低下が原因で、そこに付け込んで勧誘をして契約をさせるということ、商法の中にあるわけでございます。そうしたものについてもこれは検討はしたわけでございますけれども、消費者庁における検討におきましては、やはり客観的な要素によって確認できるというものということで、経験のところを要件化をいたしまして条文にした次第でございます。
 判断力の低下については、主観的な、内面の問題でございますので、事後的に確認がなかなか難しいということで政府案には入れなかったところでございますが、衆議院における修正協議の中では、判断力の低下ということも大変重要だということで修正の中に入っているものというふうに承知している次第でございます。
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矢田わか子#21
○矢田わか子君 客観的な要素というふうにおっしゃったんですが、であるのであれば、社会生活上の経験に乏しい、これこそ客観的に見てどんなふうにデータ、数値化していくのか、極めて曖昧なものであります。曖昧が悪いと言っているのではなくて、あえて包括的な法体系にしているのがこの消費者契約法なのです。したがって、包括して皆さんを救えるようにしておくのが消費者庁の務めだというふうに御意見として申し上げておきたいというふうに思います。
 じゃ、続いての質問に参ります。続いては、高校生や大学生の消費者教育の推進についてというところに触れたいと思います。
 今回の法の改正によって、成人年齢十八歳に引き下げることによって、十八歳になる高校生への消費者教育の重要性、当然ますます高まります。皆さんにはちょっとコピーで申し訳ないんですが、「社会への扉」というものを配らせていただきました。こういう冊子が既に出されておりまして、何ページにも及ぶ冊子の一部だけをお配りしたわけですけれども、これの三ページ目のところ、私も、済みません、高校一年生の息子がいて、昨日家へ持って帰って、どうやと見せたんですけれども、まあまあ一応は見てくれましたが、イエス、ノーと進んでいくものが何か古い昭和の薫りがすると言われて、やっぱり今はスマホとか携帯によってゲームに慣れている世代なので、いや、こんなんじゃなくて、お母さん、インターネットで契約できるように、この契約について危ないことを示唆できるようにできないのなんてことを言われたということを少し申し添えておきたいんですが、質問があったのは四ページ目の三のところ、契約をやめる、未成年者の取消しのところであります。
 ここに、小さい文字なんですが、未成年者取消しできるの下のところに、ただしということでアスタリスクが付いて、ただし、小遣い範囲の少額な契約、これ幾らやねんということですね。うちは三千円しか渡していません。じゃ、三千円のしか駄目なのか、お隣の子は二万もらっていると、もちろん差があるわけです、各家庭で。少額なの範囲が分からない。それから、結婚をしている者、これは分かります。成人であると積極的にうそをついたり、これも、いい格好して、成人かと言われたときに、おお、おおとかと言ったことも対象になるのかとか、法定代理人の同意があるとうそをついたり、これ、お母さんに許可もらっているのと聞かれて、欲しいものやったらもらっているよとうそをつきますよね。そういったときも取消し権は働かないのかどうか等も聞かれて、私も答えに困ってしまいました。
 こういう曖昧な要素も含めて、テキスト、今回初めて発行されたわけですけれども、きちっとこれをもって明らかにしていく必要があると思いますし、かつ、資料四を御覧いただくと、今年から消費者教育、高校生の教育が始まっていくわけなんですが、今年は四十七都道府県中八県だけです、対象となるのが。次、二〇一九年、来年が二十五県、そして二〇二〇年度になれば四十七県全部ということなんですが、当然のことながら、漏れていく人たちがいるわけです。私の息子も漏れるんじゃないかなと思うんですけれども、漏れたときにその人たちをどうカバーし得るのかを考えると、やはり、例えば大学の教育に入れるとか、若しくはもっと早い段階、当然高校に進学しない人たちもいるわけです。
 そういう中学で出て働くような人たちに対しても何らかの形でフォローしていく必要性があると思いますけれども、この辺りどうお考えなのか、お答えいただけますか。
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福井照#22
○国務大臣(福井照君) まず、資料お示しの、先生御指摘のとおり、未成年者取消し権につきましては、民法におきまして、お小遣いの範囲の少額な契約や、成人であると積極的にうそをついた場合などは取消しができないとされておりますので、この「社会への扉」で紹介をさせていただいている次第でございます。
 そして、遺漏のないように、高校生、大学生に消費者教育を施すべしという御指摘、誠にそのとおりだと思いますので、まずは高校等において消費者教育の推進が、これがまず重要であると認識をさせていただいた上で、一方で、高校だけではなくて、大学においても、学生生活の支援の中で、契約を含む消費生活に関する情報や知識を積極的に提供することが重要であると認識をさせていただいた上で、大学等における消費者教育の推進につきましては、アクションプログラムに基づきまして、文部科学省等の関係省庁と緊密に連携をして、例えば、大学等と消費生活センターとの連携の支援、出前講座等の実施などに取り組む、そしてまた、アクションプログラムに基づく取組は進捗状況のフォローアップも行い、若年者に漏れなく消費者教育を受ける機会が提供されますよう必要な施策を検討してまいりたいというふうに存じている次第でございます。
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矢田わか子#23
○矢田わか子君 ありがとうございます。是非、漏れなく皆さんにそういう機会が与えられるようにお願いをしたいと思います。
 なかなか、教科書に載っていても、受験受験というふうな今時代ですので、読み飛ばされてしまう可能性もあるわけです。もう全然授業の中では触れられもしない、教科書には載っているけれども。そう思うと、やはり文科省との連携が欠かせないと思いますので、必須教科、例えば一時間なり二時間必ず取りなさいというふうなことで義務付けをしていただかないと難しいのかなと思いますので、是非お願いしたいと思います。
 それからこの「社会への扉」、高校の授業やテキストとして多分活用されていくものだと思いますけれども、大事なことは、この内容をいかに実践に落とし込んでいくかということだと思います。
 実践に落とし込みをするときに、やっぱりこのテキストを家に持って帰って、例えば家族と一度話をしてみるとか、家族にも見せる。家族にも見せることで、家族もその内容を理解し、ああ、こうなっているのかと改めて理解が浸透していくということもあるかと思いますので、是非そういう工夫をしたり、若しくは、いわゆる消費者ホットライン一八八という、ここだけ大阪弁ですねと前にも申し上げたんですが、イヤヤという番号が本当どこまで広がっているのかを見ると、ほとんど知られていないわけです。この一八八を、ここに書いているだけではなくて、授業中、もしあれだったら一度掛けてみましょうとか、一旦つないでみましょう、一旦一斉に鳴らしてみましょう、履歴が残ることによって登録してみましょうということにもつながっていきます。それぐらいの思いで実践力を上げる、実践を上げるということを是非意識していただきたいなと思いますが、何か御見解があればお願いします。
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福井照#24
○国務大臣(福井照君) 実践的なという御指摘、誠にそのとおりだと思いますので、「社会への扉」は、教職員などによる指導の下、実践的な消費者教育を実施することができるよう、制度の意味を理解させるため、先生御指摘のように、いろいろあるかもしれませんが、クイズも活用しながら、具体的な事例を取り上げて説明をしております。
 より詳細な内容につきましては、今のところ省略されておりますけれども、「社会への扉」に掲載されていないような場面に遭遇し、あれ、困ったと思うような場合には、消費者ホットライン一八八、イヤヤを活用し、自身で消費生活センターに聞いてみるということも促していきたいというふうに思っておりますし、「社会への扉」を活用した授業を全国で展開していく中で、内容をより実践的にさせていただきたいというふうに思っております。
 先ほど先生おっしゃいましたように、家庭でも保護者の皆さんに伝えようとしてみるように促すこと、生徒が得た知識を生活の中で実践できるように家庭でも話題にするということ、そして最寄りの消費生活センターを訪問して消費者被害について調べたり消費生活相談員から話を聞いたりする機会をつくること、そして自らの抱える消費者問題であれば積極的に一八八に相談してみることなどなど、実践的な能力を育むための全ての努力を続けていきたいというふうに思っております。
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矢田わか子#25
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 この「社会への扉」、是非期待しておりますので、私が指摘したような問題、例えば少額なお小遣いって幾らなんやとかも含めて、また、多分、順次プラスして改定をしていくような御予定もいただけると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 加えて、逆に今度、高齢者の方々への教育です。なかなか難しいと思いますが、実際に被害に遭われている方は高齢者の方多いわけです。何も分からず様々なトラブルに巻き込まれている。先ほどの一覧表にもありましたとおり、消費者相談がうなぎ登りになる中で、やっぱり高齢者の方々の相談件数が増えているのも事実であります。でも、大体は、何か本当に大きな落とし穴にはまったときに御家族に相談されて、御家族に促されて相談センターに行くというようなことが見受けられます。
 是非、高齢者の方に対しても、例えば一番よく集まるスーパーだとか病院だとか、そういうところで何かこういうパンフレット置いてみるとか、啓発活動をちょっと集まってくださいと言ってやるとか工夫をしていただけないかと思いますが、この辺り何か御見解があればお願いします。
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福井照#26
○国務大臣(福井照君) まさに生涯教育という御指摘だと思います。さらに、社会の中で生きる力を、冒頭、太田房江議員からも議論がありましたが、この生きる力を育む消費者教育は、学校だけではなくて地域、家庭、職域、全てのステークホルダーが集まって、ライフステージに応じた様々な場において、生涯を通じて消費者教育、自らもそしてコミュニティーとしても行われることが最も重要だというふうに思います。
 消費者教育の推進に関する法律や、これに基づき定められた消費者教育の推進に関する基本的な方針を踏まえて、関係省庁を挙げて消費者教育の推進に取り組んでまいりたいということでございますけれども、今先生御指摘、せっかくでございますので、高齢者が決して独りぼっちにならないようなそういう社会づくりというのも基本かというふうに存じております。
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矢田わか子#27
○矢田わか子君 ありがとうございました。
 続いて、地域消費者行政の推進についてお伺いをしていきたいと思います。
 消費者庁、二十七年の三月に地方消費者行政強化作戦を改定されまして、資料四を御覧ください。昨年十一月に、平成二十八年四月からの一年間の進捗状況を報告をされております。この作戦は、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられ、安全、安心が確保される地域体制を全国的に整備することを目的とされていて、相談体制の空白地域の解消や相談体制の質の向上、適格消費者団体の空白地域の解消など、五つの目標を立てられております。
 この進捗状況、予定どおりに進んでいるのだろうかということが少し疑問なんですけれども、その見解をいただきたいのとともに、予算に関して、地方消費者行政の活性化基金の取崩しをされたり、補正予算から地方消費者行政推進交付金があるわけなんですけれども、見ていると本当に的確かつ効率的に執行されているのだろうかという少し疑問がありますので、見解があれば御説明お願いします。
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川口康裕#28
○政府参考人(川口康裕君) 御指摘の地方消費者行政強化作戦でございますが、相談の空白地域の解消という意味では着実に進捗しているというふうに見ておりますが、他方、人口五万人未満の市町村の五〇%以上で消費生活センターを設置している、言わば小規模自治体について目標を達成しているのは十九道府県にとどまっております。
 また、御指摘の質の向上でございますが、消費生活相談員の資格保有率が七五%以上という目標、これは二十四都府県にとどまっております。また、先ほどの消費者教育、高齢者の消費者教育にも関連いたしますが、人口五万人以上の全市町で消費者安全確保地域協議会の設置、これが進んでいるのは一県にとどまっているということで、目標達成については道半ばという状況でございます。
 続きまして、お尋ねの交付金、地方消費者行政推進交付金でございますが、これは、これまで消費者庁設立以来、総額五百四十億円、基金と合わせますと五百四十億円を措置しているわけでございまして、ただいま申し上げましたような相談の空白地域の解消等、あるいは消費生活相談員資格の取得促進などには役に立ってきたという面があるわけでございますが、これは基本的に地方消費者行政の体制整備の立ち上げ支援ということでやっているものでございまして、そういう面で申し上げますと、地方公共団体の自主財源における消費者行政予算、これは消費者庁ができる前の平成二十年度の百二十五億円からほぼ横ばいのままでございまして、この地方交付税措置、地方交付税交付金の消費者行政に係る基準財政需要額、本来この全額を措置していただきたいわけですが、これに比べますと四四%にとどまっているという状況でございまして、まとめて申し上げますと、この交付金でございますけど、地方消費者行政の体制整備には着実な成果を上げてきたという一方で、交付金を呼び水として充実することが期待された地方公共団体における自主財源に裏付けられた消費者行政予算の確保、これについては進んでいないと言わざるを得ないものと認識をしております。
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矢田わか子#29
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 一定程度効果は上がっているけれどもというふうなお話があったと思います。道半ばであるということなんですが。
 その一方で、平成三十年度の消費者庁の予算案を見てみたら、この地方消費者行政の推進金が地方消費者行政強化交付金と名前を変えまして、強化交付金とされているにもかかわらず、六億円の減額になっているんですね。
 このことについて、地方自治体も財政事情一段と厳しくなる中で、なぜ地方の消費者行政予算が減額されているのかという声が行政の関係者からも上がっていると思っています。特に、消費者センターの設立の促進とか、相談員のレベルアップ、それから、こういった複雑怪奇になってきている様々な消費者問題に取り組むためには、それなりの当然のことながら専門知識も要るわけであります。
 そういうことを鑑みると、なぜ予算が減額されているのか、その理由と、今後の予算拡充に対する大臣の思いを聞かせていただければと思います。
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