法務委員会

2018-12-05 参議院 全141発言

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会議録情報#0
平成三十年十二月五日(水曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     片山さつき君     藤木 眞也君
     山谷えり子君     朝日健太郎君
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     進藤金日子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                福岡 資麿君
                元榮太一郎君
                伊藤 孝江君
                有田 芳生君
    委 員
                朝日健太郎君
                進藤金日子君
                徳茂 雅之君
                長谷川 岳君
                藤木 眞也君
                丸山 和也君
                柳本 卓治君
                小川 敏夫君
                櫻井  充君
                仁比 聡平君
                石井 苗子君
                糸数 慶子君
                山口 和之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   参考人
       千葉大学名誉教
       授        多賀谷一照君
       移住者と連帯す
       る全国ネットワ
       ーク理事
       大阪大学大学院
       人間科学研究科
       准教授      高谷  幸君
       神戸大学大学院
       国際協力研究科
       准教授      斉藤 善久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理
 に関する法律案(櫻井充君外一名発議)
    ─────────────
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横山信一#1
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、片山さつき君及び山谷えり子君が委員を辞任され、その補欠として藤木眞也君及び朝日健太郎君が選任されました。
 また、本日、松川るい君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君が選任されました。
    ─────────────
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横山信一#2
○委員長(横山信一君) 出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案及び外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 本日御出席いただいております参考人は、千葉大学名誉教授多賀谷一照君、移住者と連帯する全国ネットワーク理事・大阪大学大学院人間科学研究科准教授高谷幸君及び神戸大学大学院国際協力研究科准教授斉藤善久君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見を賜り、今後の審査のための参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方について申し上げます。
 まず、多賀谷参考人、高谷参考人、斉藤参考人の順に、お一人十五分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
 それでは、多賀谷参考人からお願いいたします。多賀谷参考人。
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多賀谷一照#3
○参考人(多賀谷一照君) 千葉大学名誉教授多賀谷ですけれども、今回国会に上程されている入管法改正案等について、参考人として意見を述べさせていただきます。
 それでは、レジュメは簡単なものですが、それに従って陳述させていただきます。
 改正入管法の趣旨、目的ですけれども、従前の入管法での外国人労働者の状況というのは、既に御存じと思いますけれども、狭い意味での就労資格、例えば教授とか経営管理、高度専門職といったような狭い意味での就労資格で在留している外国人はおよそ二十三・八万人であります。これは、平成二十九年末の外国人労働者数総数百二十八万人の約五分の一にすぎません。他方、就労資格以外での資格の外国人労働者としましては、日本人配偶者等、日系人などの定住者から成るいわゆる身分に基づく資格者が四十五・九万人、全体の三五・八%、技能実習生が二十六万人、全体の二〇・二%、留学生、家族滞在者などの資格外活動三十万人、二三・二%であります。
 有効求人倍率等からも人手不足は深刻で、外国人材受入れの社会的ニーズは高いところから、このように、狭義の就労資格以外の在留資格を用いての労働に我が国は大量に依存している実態であります。日本人配偶者、日系人など身分に基づく資格者には就労職種に制限はありません。また、留学生などの資格外活動についても時間的制限等があるのみです。それゆえ、これらの外国人は、単純労働を含め、様々な職種で外国人人材として働いております。
 次に、逸脱的な利用ですけれども、このように、狭い意味での就労資格以外の在留資格での外国人が労働力不足の社会的ニーズを受け止めるために変節的に使われていることから、御存じのように、教育機関としての実態が希薄な日本語学校の問題、日本人配偶者との関係で偽装結婚、あるいは偽装中国残留孤児などのゆがみが顕在化しつつあります。
 また、技能実習制度も、技能の実習ではなく、主として就労人材の導入目的で逸脱的に利用されてきた面があることは、最近の技能実習生の失踪問題が示すところであります。
 次に、新制度の必要性ですけれども、新制度は、労働力不足を正面から受け止めるために外国人に特定技能なる新たなる在留資格を認めると、ただし、無制限に受け入れるのではなく、上限を設け管理をする制度を設けるという趣旨であります。
 すなわち、人材が不足する一定の産業分野においてその産業が必要とする人材として一定の専門能力を有する外国人の登用を図ることとし、その意味においては、人材不足が客観的指標で評価される分野においてのみ受け入れると。受け入れる人材は、ある程度以上の日本語能力を有し、日本人労働者と互いに連携を取り、チームの一員としてその産業分野で必要とされる多様な諸業務をこなしていく能力が必要であるとされます。
 五年間で上限値を最大三十四万五千人として受け入れるとのことでありますので、その点で急速な拡大は回避されると思います。また、特定技能一号の場合、通算五年を上限とすると。他の狭義の就労資格の場合には更新の仕組みがありますけれども、特定技能一号の場合、特定技能二号にランクアップする場合を除いては滞在期間に上限があります。すなわち、そのことは、特定技能資格一号は、通算五年間我が国で働いて、一定の収入を得て本国に戻ってもらうという趣旨の資格であり、いわゆる移民を認めるものではありません。
 本国に戻るのを原則とする資格である以上、家族の帯同は認めないということになります。ただし、途中帰国の可能性を認めることにより、後で述べますけれども、外国人が家族生活を過度に犠牲にしないように配慮をするという趣旨も入っております。
 このように、労働者としての就労資格で在留を認め、最大三十四・五万人受け入れるということで、人数として従来の外国人労働者数を三割程度拡大するという制度改正であります。このような制度改正は省庁レベルでは踏み出せなかった新たな一歩であり、私が見るところ、それは政治的な決断と言えます。私もこれ、従来そういう問題について携わってきましたが、省庁レベルではそこまではとてもできなかったということです。それゆえ、閣議決定である骨太の方針二〇一八で方針として制度の骨組みが示され、法案としてなってきたという経緯があります。
 そして、そのことは、現行法制の下で、上記のような実態、すなわち、就労資格でない資格による逸脱的な労働者の確保というものが批判の対象になっているという、そのことをいつまでも放置することはできないだろうと。その意味において、新たな導入の一歩を踏み出したという、そういう政治的判断があったと私は推察いたします。今後は、省令でそれを具体化していくということになるのでありましょう。
 第二、技能実習制度と新しい制度の比較。
 従来の技能実習制度の問題点は、固有の意味での労働者としても受け入れていないのに、実質的に労働力確保的に用いられている面があることでありますけれども、そのほかに、いわゆる監理団体に、支援のみならず本来は公的機関が行うべき受入れ機関の監理を委ねたこと、また、転職や一時帰国を許さず、事実上実習生を受入れ機関での実習に拘束したこと、それは逃亡の原因になりましたけれども、また、外国の派遣団体と監理団体が民民で連携し、一部でブローカー的な活動を行い得る可能性があったことが指摘されております。
 従来、技能実習制度についても、二年前の平成二十八年の法改正で、このような批判を踏まえて特別法を定め、監理団体を許可制にし、技能実習計画の認定を行い、外国人技能実習機構という認可法人を置くなど、その適正化を図っているところでありますけれども、今回の法改正は、そのような技能実習制度とは別に就労を正面から認める新しい仕組みを求め、問題点を抜本的に改めようとするものであります。
 新しい制度は、そもそも就労目的での一定の専門性のある外国人材の受入れを拡充するものであり、転職可能、一時帰国可能とする点で技能実習制度とは明確に異なるものであります。
 転職可能性につきましては、転職を例外にしか認めない技能実習制度とは異なり、日本人労働者と同じように、受入れ企業等のニーズと外国人労働者の希望に沿って同一産業分野内で転職することができるようにしてあります。また、出入国在留管理庁という新たに定められるとする機関は、外国人管理のために転職の届出を求めるけれども、一定の要件の下、転職を可能とし、転職そのものを制約することはしないということだろうと思います。
 次に、一時帰国ですけれども、技能実習の場合、プログラムどおりに技能実習するため、一時帰国は事実上困難であります。一年若しくは三年継続して在留することを原則とする場合は、このようにして家族との離反を招く人権問題となりかねないことがアメリカ等で指摘されているところであります。これに比べ、特定技能の場合、期間途中、一時帰国することを可能とするとなっております。また、農業や何かの場合で需要がある季節労働的な業務の場合には、一年に数か月のみ滞在して本国に毎年帰り、滞在月数が通算五年に達するまでは五年だろうと十年だろうとわたって入国するという、何度も入国するという、そういうパターンもあり得るだろうということになります。
 次に、受入れ機関、登録支援機関による支援が実施されます。
 登録支援機関は、生活ガイダンス、日本語の習得支援、相談、苦情対応、各種行政手続の情報提供など支援をする役割に徹し、監理機能は有しないと。技能実習制度における監理団体のような監理機能は有しませんと。受入れ状況の適正さ、その監理的な機能は出入国在留管理庁を中心に公的機関が責任を持って担保するという、そういう区分けになっております。そのようにして、それがうまく機能すれば、技能実習制度で起こったような問題は回避されるだろうと思います。
 現在、技能実習生として入国している者については、本来の意味での技能実習をしている者はそのまま技能実習資格に残留するということになるでしょうけれども、逸脱的な利用を行うブローカー的な監理団体の下での、本当は労働目的、労働をすることが目的で入ってきたような技能実習生はおのずと特定技能に移行することになろうと。この移行を円滑にするというのが今回の制度の一つの注目点、重要な点であります。
 第三に、新しい制度と在留管理等ですけれども、一定数の外国人材を労働力として適正に受け入れるため、出入国在留管理庁という新たな庁を設け、在留管理を公的機関が主体的に行うこととしております、この法律は。入国時だけではなく、在留期間中も継続的に管理するという、点の管理から線の管理への移行を図るものであります。入国時のみならず、五年後にチェックするのではなく、毎年更新するということになります。具体的には、受入れ機関からの届出についても、契約変更、締結、活動状況等届出を要する事項を拡充し、届出義務を努力義務から法的義務へとしております。
 また、技能実習制度のように監理団体経由ではなくて、受入れ機関を出入国在留管理庁が直接規制するという仕組みになっております。具体的には、受入れ機関に対する報告の徴収、立入調査に係る規定、改善命令を罰則で担保していること。
 また、受入れ人数のコントロールも、これも正面からは書いてありませんけれども、法七条の二で認定証明書新規交付の停止という仕組みがあります。外国人の上陸許可は在留資格認定証明書の交付を受けてなされるのが通例でありますけれども、七条の二によりますと、産業分野単位で労働人材不足という状態が解消した場合には、その分野については資格認定証明書の交付を行わないという定めになっております。この仕組みを使えば、言わば蛇口を閉めることになり、人数制限が事実上可能となるということになります。
 最後に、実効性確保のための課題ですけれども、受入れ機関と外国人のマッチング、新しい特定技能で入国する外国人に対してはブローカーの関与を排除し、日本人の就職、転職と遜色のないような就労環境をつくることが望ましいわけです。転職可能とすることにより、劣悪な就労環境からの離脱可能性を外国人に認める必要はありますけれども、そのためには、就労先についての情報提供、ある種のハローワーク的な仕組みをこれらの者に対しても認める必要があります。
 第二に、支援体制の実効化。事業者組合等が登録支援機関として中心的な役割を果たし、営利目的でのブローカーの参入を抑止すべきだと思います。例えば農業分野においては、北海道で若干先例があるそうですけれども、農協などの協同組合が全国的に責任を持って支援する必要があると思います。
 また、地方公共団体などの地方組織も支援の一翼を担うべきであります。地方単位で地方公共団体とも連携して外国人を支援する仕組みをつくり、地域に外国人をつなぎ止める方策を講じる必要があると思います。
 最後に、制度的な担保。現在、外国人を受け入れている事業所は二十万弱、そして、五年間の上限値を最大三十四万五千人受け入れる可能性があるわけですから、これらに新しい制度で付与された権限等を活用するためには、受入れ事業所に調査に赴く等、書類審査でない方策が重要であります。そのためには、調査人員の増強等、体制整備が不可欠でありますし、関係省庁の情報連携、情報活用による不法就労の把握が必要であります。
 また、制度の運用について、地方単位で省庁の地方支分部局、地方公共団体が連携していく必要性があります。特にまた、技能実習生から特定技能への移行においては、二年前に定められた特別法により整備されている外国人技能実習機構との間で重複規制にならないように相互連携を密に行う必要があります。
 以上が新法案についての私の意見であります。
 これで一〇〇%問題が解決するということにはならなく、今後も運用の改正が必要であるかもしれませんけれども、この法案は、我が国の外国人法制の問題点を改正する新たな一歩を踏み出すものであり、その意味で意義のあるもので、是非とも成立するべきだろうと考えます。
 以上であります。
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横山信一#4
○委員長(横山信一君) ありがとうございました。
 次に、高谷参考人にお願いいたします。高谷参考人。
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高谷幸#5
○参考人(高谷幸君) ありがとうございます。
 移住者と連帯する全国ネットワーク理事・大阪大学大学院人間科学研究科の高谷と申します。
 本日は、このような意見を述べさせていただく貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。
 一方で、非常に論点の多いこの法案が余りにも短い時間でしか審議されないこと、議論を避けるかのような一部の国会議員の方々の発言には残念に感じました。この法案は、選挙権のない外国籍の方々の生活に大きな影響を与える法律です。だからこそ、より公正で慎重な審議をお願いしたいと考えています。
 法案審議の中で外国人技能実習制度の問題点が注目され、野党の議員の方々の書き写しによって、法務省の調査の間違い、技能実習生が置かれた深刻な状況が改めて明らかにされました。御尽力いただいた議員の皆様に御礼申し上げます。
 私自身、十数年前になりますが、大学院生の頃に在日外国人のテーマに関心を持ち、移住者と連帯する全国ネットワークの前身の団体にインターンとして関わり始めました。ちょうどその年、当時はまだ研修・技能実習制度の時代でしたが、岐阜県の縫製業で働く研修生の大規模な労働問題が明らかになるという事件がありました。移住連の関係団体に相談があり、救援活動が行われました。時給三百円の労働者という言葉がつくられ、研修・技能実習制度が社会問題として一定程度認識されるきっかけになった事件でした。それから二度の法制度改正が行われましたが、やはり根本的な問題は変わっていないのかなと認識しています。
 過去四半世紀にわたり、技能実習制度という本来は趣旨も目的も異なる制度を日本の人手不足を解消するために使いつつ、単純労働者は受け入れないとの建前を維持してきたことから考えると、今回、外国人労働者の受入れを政府が提案したことには、政府もやっとこの問題に向き合う姿勢を示したのだなという思いを抱いています。
 これまで、海外の研究者と話をすると、日本はなぜ移民政策を取らないのか、正面から受け入れないのかと質問されてきました。日本では、欧米の状況を見て、移民受入れがリスクになると捉えられがちですが、彼らから見ると、これだけ人口減少がしているにもかかわらず、かたくなに移民を拒否しようとしている日本の姿勢の方が奇異に映るといいますかリスクに見えるのですね。外から見れば日本はそうした状況なのだというのは認識しておいてもいいのかなと思います。
 しかし、問題は今回の受入れ方です。結局、この在留資格、特定技能の創設による受入れは技能実習制度による受入れと酷似しており、しかも、技能実習から相当程度の移行が見込まれるということで、技能実習で生じている問題がより拡大してしまうのではないかと大変危惧をしております。
 既に国会でも様々な指摘がされていますが、労働条件、ブローカー、登録支援機関の問題など、多数の課題があります。また、統合あるいは包摂政策という、本来は外国人の生活をサポートする制度の確立が急務であるにもかかわらず、そちらの議論が国会ではほとんど議論されていないということにも問題を感じています。
 さらに、現在の入管局が出入国在留管理庁として在日外国人に関わる課題の司令塔的役割を果たすという制度設計も問題だと感じています。というのも、労働問題あるいは子供の教育というような問題は、出入国在留管理庁がその役割を担うことができないからです。結果として、こうした政策がより一層不十分になってしまうおそれがあります。
 しかし、本日は、時間も限られていますので、もう少し大枠の、日本の外国人労働者の受入れ方、あるいは移民政策ではないという主張に表れている姿勢が、可能な限り定住、永住につながらないようにするものであること、それがどのような不合理を今までもたらしてきたのかについて考えを述べさせていただきたいと考えます。
 今回、特定技能一号には家族帯同が認められません。当初は、特定技能二号に道が開け、これまでの政府の姿勢の転換のようにも思いましたが、二号の創設を求める声がしぼみ、現時点では、介護を加えても非常に少数の業種だけが定住、永住につながる形になるとされています。また、一号で働く期間は永住許可要件の就労資格要件にも該当しないとの答弁もなされています。
 ここには、定住、永住を可能な限り阻止するという日本政府の姿勢が端的に表れています。それは、技能実習制度を維持してきた姿勢と同じです。しかし、この定住、永住をできる限り阻止するという姿勢は何をもたらしてきたのでしょうか。
 まず、その帰結の一つが外国人労働者の生活面の様々な形での介入と権利の制限です。手元の資料にも入れさせていただきましたが、先日、実習生は恋愛も妊娠も禁止され、妊娠が分かった時点で中絶か帰国を迫られるという報道がありました。こうした措置は認められるものではないというのが政府の見解のようですが、このような例は後を絶ちません。私も、技能実習生が多く働く地域でフィールド調査をした経験がありますが、そこでも同様の例を聞きました。
 なぜこのようなことが起きるのでしょうか。それは、技能実習制度は、技能実習生を可能な限り労働力としてしか存在しないようにするものだからです。人間である技能実習生を労働力としてしか存在しないようにするには何が必要か。それは、彼、彼女らに、家族との生活、恋愛、妊娠という労働を離れた生活の部分を制限するしかありません。つまり、この制度を維持するには、労働力が人間として暮らす局面を最大限制限するほかないのです。
 私の考えでは、定住の阻止もこの延長上にあります。というのも、定住あるいは永住とは、労働市場から離れて生きられる局面が増えることを意味するからです。定住、永住とは、単に日本に長く住めるということだけを意味するのではありません。外国人労働者が労働市場から離れても生きていける場面が増えることを意味するのです。例えば、家族を連れて子供を産み育てることができるというのは、労働市場から出て生きる権利を認めるということです。逆に言えば、定住、永住を認めないということは、労働市場を離れて生きる権利は極力認めないということです。
 そして、これこそが、日本がこれまでも外国人労働者にできる限り制限しようとしてきた権利です。その背景には、定住を認めると教育などにコストが掛かり、また社会問題も引き起こされるという認識があります。当初は日系人が増えましたが、二〇〇〇年代半ば以降は、定住させずに済む外国人技能実習制度の方が使われるようになりました。
 しかし、今の状況はどうでしょうか。むしろ、定住を認めない、労働力が人間として生きることを制約しようとすることこそが様々な人権侵害を引き起こしています。つまり、技能実習生の人権問題が教えるのは、定住を認めないことこそが社会問題を引き起こしているという事実です。
 同時に、この発想は、教育や出産、子育てをコストとして見る発想に根差しています。私は、この発想は、外国人の問題に限らず、出産や子育て、教育に十分な公的支援がなされていないという日本社会全体の問題と地続きであるように感じています。その意味では、外国人技能実習制度、そして今回の特定技能一号の創設は、人が生まれ、育つことを大事にしないこの国の姿勢が象徴的に表れるように考えています。そうした社会で、誰が安心して幸せに暮らすことができるでしょうか。
 家族帯同が認められず、永住許可要件の就労資格にも該当しない、失業しても在留資格が切れてしまえば帰国させてしまえるような制度、言い換えれば、労働力としてのみ存在が許されるというような制度は認められてはなりません。技能実習制度は廃止すべきですし、特定技能一号の家族帯同要件は見直すべきです。
 また、定住を認めないという問題が引き起こすのは、外国人労働者の人権侵害に限りません。この姿勢は、仕事を通じて熟練していくという、従来は日本の製造業が得意にしてきたはずの人の育て方と矛盾します。つまり、技術を身に付けたと思ったら帰国しかないという不合理です。もちろん、技能実習からの移行を想定している特定技能の創設は、こうした不合理を一定程度解消することを目指したものと言えます。しかし、本当にこれは不合理の解消になるでしょうか。私にはそう思えません。
 現時点の推定では、多くの場合、技能実習と特定技能一号だけで帰国してしまうことになります。そうすると、最大十年間働き、かなり熟練した人が帰国してしまい、また新たな外国人労働者を受け入れ、一から育て上げなければいけないという、より一層不合理な制度になります。こうして、日本ではますます熟練した労働者が育たず、技術の継承もできないということになってしまうでしょう。
 さらに、このような定住を阻止された外国人労働者は、地域にとってどのような存在か考えてみましょう。日系人や技能実習生など多様な外国人が暮らす自治体の方にお話を伺ったことがあります。そこでは、技能実習生は日系人以上に見えない存在だと言われます。また、地場産業で技能実習生を受け入れている地域で伺った話からは、技能実習生を受け入れている企業の方以外の住民にとって、実習生とは接点が少なく、つながりを築くことが難しいことが分かりました。そうした地域にとって、技能実習生はよく分からない、見えない存在になりがちです。
 そこに一定の人数で存在しているにもかかわらず、名前の付いた存在としては認識できず、実質的な関係性もない、言わば集合としての他者です。そして、数年ごとに、彼、彼女らは入れ替わります。人口減少の中、実習生がいなくては地場産業が成り立たなくなっている地域はたくさんあります。しかし、そうした地場産業の貴重な支え手が、地域生活の中では顔が見えない他者なのです。地域にとって、これほど難しいことはあるでしょうか。
 定住をできる限り阻もうとするのが日本の外国人労働者に対する一貫した姿勢であること、その背景には生活をコストとして捉える発想があること、一方で、定住を認めないことが企業や地域にとっていかに不合理であるのかをお話ししてきました。
 しかし、こうした中で、言わば例外的に地域で定住してきたのが日本人と国際結婚した方々や日系人です。定住した外国人に対する政策はほとんどないと言って過言ではなく、生活のための基本的なインフラは整えられていません。
 ただ、そうした制限の中でも、地域社会を支え、活躍している方がいます。配付資料にも関係資料を入れていますが、岡山県総社市は、そうした定住した外国人への積極的なサポートを行ってきた自治体の一つです。自動車産業が盛んで、元々日系人が集住していましたが、リーマン・ショックで大量解雇に直面しました。自治体が相談窓口をつくり、そこで雇った外国人がつなぎ役になることで、コミュニティーと自治体の連携がうまくいくようになりました。市も外国人のコミュニティーづくりを支え、地元のNPOも連携を支えました。今や、自治体、外国人コミュニティー、NPOが連携して地域づくりを共に行っています。
 私、今日、写真も持ってきましたが、(資料提示)これは西日本大豪雨の、ちょっと少し小さいので見えるか分からないんですが、西日本大豪雨の際にボランティアした地域の総社市やその周辺地域の外国人の姿です。このように、外国人コミュニティーのメンバーが、大豪雨の際にも地域のお年寄りの家の泥かきや避難所などでボランティアを行いました。外国人は地域社会の構成員、担い手として生活しているというのが現状です。それは、今私が暮らしている大阪でも大いに実感してきたことです。
 社会に貢献したいと考えている外国人は少なくありません。しかし、日本社会は、彼、彼女らが貢献できる場、活躍できる土台をつくってきたでしょうか。今、地域で中心的な役割を担っているのは、既に二十年、三十年、その地で暮らしているという方々が多いです。皆多大な努力をして、生きる場、力を発揮できる空間を築いてきました。様々なサポートがあれば、もっと多くの人が安心して自分らしく生き、地域の担い手としても活躍できるのではないでしょうか。
 国会審議で、特定技能で転職の自由を認めたら賃金の高い都市部に移ってしまうのではないかという質問があり、衆議院の修正でも、人材が不足している地域の状況に配慮し、都市部等に過度に集中しないよう必要な措置を講じるとの規定が設けられました。もし、外国人労働者を労働力として見れば、経済的利害のみを考慮してより賃金の高い場所へ移動するという発想になるでしょう。もちろん、それは労働者としての権利で、健全に市場を機能させるという意味でも否定されるべきことではありません。
 しかし、同時に、人は経済的利害だけで生きているわけではないことも確かです。暮らしてきた地域で家を購入し、子供を育て、老いていく、そうした人間としての生活をできることこそが地域に定住する契機になるのではないでしょうか。人間としての生活を制限し、労働力としてしか生きられないような制度にしておきながら、労働者としての権利まで否定するのは認められません。地域に定住してほしいならば、定住の権利を認め、その地域で人間として暮らすことができるような制度設計をする必要があります。
 私たちは何から目を背けようとしているのでしょうか。何を恐れているのでしょうか。外国人労働者、移民、外国にルーツを持つ人々は既にここにおり、共に社会を支えています。彼、彼女らは、人間としてそれぞれの地域、この日本で暮らしています。
 統合政策がない中、彼、彼女らの権利は制限され、差別による尊厳の毀損、格差、貧困による潜在能力の発揮の困難という状況に置かれがちです。彼、彼女らが人間として暮らせるための権利と尊厳を保障しなくてはなりません。外国人住民基本法、差別禁止法など、多文化共生社会のインフラが必要です。外国人の人権の保障は在留制度の枠内で与えられるにすぎないという、難民条約や国際人権規約を締結する前に出された最高裁判決の見直しも必要です。こうした時代錯誤的な考えを変えられるのは政治の力だけです。
 一方で、こうした状況の中でも、地域社会で積極的な働きをしている方も少なくありません。私は、共生社会のインフラ、政策のサポート、安心して生活できる場や活躍できる空間があれば、より多くの方が自分らしく生き、また潜在能力を発揮できると考えています。多文化共生社会の土台づくりに向け、十分な審議をお願いする次第です。
 以上で私からの意見陳述を終わります。御清聴ありがとうございました。
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横山信一#6
○委員長(横山信一君) ありがとうございました。
 次に、斉藤参考人にお願いいたします。斉藤参考人。
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斉藤善久#7
○参考人(斉藤善久君) 神戸大学の斉藤です。
 私は、外国人技能実習生の支援に携わりながら、関係する法制度を研究し、また、彼らの母国であるアジアを中心とする発展途上諸国から日本に学びに来ている公務員、役人などに、法治国家日本、民主国家日本の法制度を教えている、そういう立場からこの法案に対する意見を述べさせていただきます。
 法務大臣は、この法案に言う特定技能と既存の外国人技能実習制度は無関係な別個の制度である旨を述べておられたと思いますが、すかすかと批判されている法案を読んでみても、また、この法案に関する政府の説明を聞いてみても、特定技能は技能実習制度の存在を前提として、その屋上に屋を重ねる、全体として連続した制度であると言うほかありません。
 例えば、技能実習二号ないし三号を修了した者については日本語や技能の試験を免除するといった制度の立て付けについてもそうですし、初年度のこの在留資格取得者の大半が技能実習からの移行組になると見込まれているなどの実態面についてもそうです。
 家族の帯同とか永住権とかももちろん大切なんですが、それ以前に、この制度案の基本構造は、国際貢献という誰ももうもはや信じていない技能実習制度の建前をようやく取り外した、この点を除くほかは問題の多い技能実習制度の言わば劣化コピーで、技能実習三号ダッシュとか四号とか呼んでも過言ではないものとなっています。したがって、このような制度案を出してくるのであれば、まずは現在の外国人技能実習制度に関するファクトに基づいた問題点の検証と改善が行われるべきです。
 ところが、安倍首相は、技能実習制度について、九割の実習生は制度趣旨どおりにやっていると思いますよと、つまり、九割の人がつつがなく日本で技能を修得し、その技能を母国で活用し、母国の発展に寄与しているんだと思いますよという趣旨の答弁をなさっている。
 無責任にも程があります。この制度に少しでも関わっている人、少しでも関心を持って勉強している方、ここにいらっしゃる方は皆さんすごく勉強していると思いますが、誰でも御存じだと思いますが、技能実習生のほとんどは母国で活用できる技能など学べていないし、当然、帰国後にそのような技能を生かした仕事などしていません。妄想というか幻想というか分かりませんが、九割なんという荒唐無稽な思い込みを前提に新しい制度を設計されては困ります。
 もっとも、外国人技能実習生の中には、技能は身に付かないにしても、せめて日本語を上達させて、将来より良い仕事、楽に稼げる仕事に就こうとする人もいます。送り出し機関や監理団体で、今度はスタッフなどに立場を変えて働くなどがその典型です。中には、送り出し機関を自ら設立して非常に成功して、意見参考人になるような人もいます。
 しかし、他方で、非常に多くの実習生が、技能はもちろん、日本語すら身に付かないまま帰国を余儀なくされています。例えば、私が支援に関わった中でも、言葉を覚えようにも職場には牛しかいなくて母国語も忘れそうだとか、週に一回しか工場から出られず、日本人と挨拶することも禁じられている。日本人にこんにちはと言われたら走って逃げろ、話しているところを見付けたら国に帰すぞと、そういった事例が枚挙にいとまがありません。こうして、技能もなく、日本語はむしろ下手になって帰国の日を迎える実習生が少なくないのです。
 しかし、特定技能については、技能実習二号ないし三号の修了者は無試験でこれに移行できることとされています。これは何を意味するのか。二つの見方ができると思います。
 一つはスクリーニング。つまり、技能や日本語はどうでもいいから、とにかくつらいこと、理不尽なことも多い技能実習の三年間ないし五年間を辞めもせず失踪もせずに働き抜いて、更になお日本で働こうというおとなしくて我慢強くて多分親日な人は無試験で受け入れましょうということ。もう一つはインセンティブですね。つまり、更に五年間働かせてやるから技能実習生になれ、そして辞めるな、逃げるなということですね。
 いずれにせよ、特定技能をインセンティブとし、あるいは特定技能のためのスクリーニング装置として、外国人技能実習制度がその根本的な問題点を改善されないまま維持されようとしているところに問題があります。
 根本的な問題点とは、すなわち民間人材ビジネスの介在が一つ、それから転居の自由がないこと及び転職やアルバイトの自由がないこと、この三点です。
 このために、技能実習生の皆さんは、高額な経費を支払わされ、何重にもピンはねされ、最低賃金又はそれ以下の給料から高額な家賃、水光熱費を回収されても文句が言えず、暴力やセクハラにさいなまれても職場から距離を置くことができず、監理団体や機構の同意と支援がなければ次の職場を探せず、緊急避難的に職場を離れると失踪と言われ、そのままビザが切れたら不法滞在と言われ、生活のためにアルバイトをしたら不法就労と呼ばれて、犯罪者扱いされてテレビに追い回されるわけです。
 このような状況を改善するために、技能実習法の下で技能実習機構は、転職が必要な場合にこれを支援し、また必要に応じてシェルターを提供することとされました。もしこの二つが十全に機能していたら、失踪の多くはその必要性を失っていた可能性もあります。しかし、実態はどうでしょうか。
 機構は、会社が倒産した場合などにほかの実習実施機関に関するデータベースの閲覧を許可するだけでマッチングは行いませんし、シェルターにしても、必要が生じた段階で初めて、協定を結んでいる、提携しているホテルに電話をしてくれて、おたく空いていますかと空室状況を問い合わせてくれます。で、旅行客なんかでそのホテルが満室だったらアウト。そんなものがシェルターと呼べるでしょうか。
 こうして民間人材ビジネスが介在し、転居の自由も転職の自由もない中で、入管行政当局の煩雑なばかりで実態を見ない審査を経て、職務経験の有無も怪しいような多くのアジアの若者たちが、運悪くブラックな監理団体や会社に当たってしまっても声を上げることもできず、じっと三年間を耐え忍ぶか、あるいは耐え切れずに逃げ出して犯罪者扱いを受けるかの二択を迫られているわけです。年間のいわゆる失踪者が七千人とか八千人とかいう数字が取り沙汰されていて、実際それは物すごい数字ではありますが、しかしその背後には、逃げることもできずにひどい環境の中でじっと耐えている人たちがもっともっと存在しています。
 そもそも、入管行政や労働行政がちゃんと本人と受入先を審査せず、入国後もちゃんと職場の監督や生活のサポートを行わないからこんな問題が発生するとも言えます。そんな審査やサポートのためのマンパワーがないというのであれば、つまりこの国には彼らを受け入れる資格がないということですから、ほかの道を探すしかありません。例えば、ただでさえ災害復興で建設を始めとする人材が足りないときに、オリンピックとか万博とかやっている場合じゃないということになるんだろうと思います。
 さて、ここで改めてこれまでに示された特定技能の制度案を見ますと、さきにも述べましたとおり、技能実習制度の劣化コピーです。つまり、技能実習制度の根本的な三つの問題点が更に危ない形で引き継がれています。
 まず、民間人材ビジネスの介在については、技能実習制度の下では、監理団体は、実態はともかく制度上は非営利とされていますが、特定技能における登録支援機関については特にそういった縛りがありません。また、監理団体がさきの技能実習法で許可制とされたのに対し、登録支援機関は届出制になっています。自分は暴力団じゃありませんと言えばいいみたいな、簡単な手続ですよね。大手の人材派遣会社がすぐに乗り出してきそうな感じがしますね。もう目に浮かぶようですね。また、資料として北海道新聞の記事をお配りいただいていると思いますが、暴力団などによるピンはねビジネスとしてすぐに悪用されてしまいそうだと思います。
 また、住居については、会社ではなく登録支援機関が用意する場合も出てくるでしょう。これは、労働基準法上の規制対象である寄宿舎ではなくなるという意味でもあると思います。
 また、転職は認められやすくなるようなことが言われていますが、このことも併せて、結局、民間人材ビジネスが手元で管理している外国人労働者をあちこちの会社や現場に送り込んで、そして経費とか家賃の形でピンはねするという、ある意味古典的な搾取構造のお膳立てをわざわざしてあげているような気がしてなりません。
 他方で、例えば社長のセクハラに耐えかねた労働者がほかの会社に移ろうとしても、行政も登録支援機関も誰も助けてはくれないという、そういう制度になっています。
 政府は、外国人技能実習制度の問題点、その功罪をちゃんと検証し、その反省に立った抜本的な外国人労働者政策を練り直すべきです。そして、その中で、技能実習制度については廃止する方向で進めるのがベストだと思います。この間の政府当局者の答弁などからも、政府自身、外国人技能実習制度の制度目的なんかもうどうでもいいんだと考えていることが明らかです。
 例えば、特定技能の対象となる宿泊業について、技能実習二号にはないから、移行してくれる人材確保のために技能実習二号の対象として入れ込んでほしいとか入れ込もうとか、あるいは、法務大臣がこの法律の施行を急ぐ理由としておっしゃった、半年遅れたら数万人の実習生が帰ってしまうじゃないかという御発言。つまり、技能移転の建前のために技能実習生を一旦母国に戻すことすらせず、そのまま特定技能に移行させようということですよね。
 このように、政府は、外国人技能実習制度の制度目的、国際貢献、技能移転、これらを自ら葬り去っている、捨て去っている。要するに、もう国際貢献はどうでもいいんだと、語るに落ちた状態です。だったら、こんな技能実習制度はやめた方がいいです。
 外国人技能実習制度にしてもこの度の特定技能のアイデアにしても、要は若い労働者の使い捨てです。日本人労働者に対しても、非正規、低賃金労働の拡大や社会保障の切下げなどが進められてきましたが、外国人なら使い終わったら母国に送り返してしまえばいいから楽だとでも考えているんでしょうか。
 例えば、養子が欲しい、かわいくておとなしくて反抗しない養子が欲しい、病気にならない子がいい、御飯食べなかったらもっといい、そして大きくならなかったらもっといい、大きくなったら取り替えたいとか、そんなような話ですよね。
 しかし、これは、持続的発展が望めない斜陽産業とか不人気産業の延命措置にすぎません。このままでは、後継者が育成されないまま、早晩そういった産業自体がこの国から消えてしまいます。高齢の経営者の引退が先か、あるいは外国人労働者から日本が見放されるのが先か、そういった違いでしかないと思います。
 保護すべき産業は国がしっかり保護し、大企業による下請工賃の切下げとか無理な納期の押し付けといったことを規制して、日本人自体に対する適正な労働条件を確保していかない限り、外国人労働者もいつまでもは来てくれません。
 最後に、冒頭にも述べましたように、私は、所属する神戸大学大学院国際協力研究科において発展途上国の役人に日本の法制度を教える機会をたくさんいただいておりますが、特にこの数年、日本の行政とか立法過程における文書やデータの改ざん、国会における不誠実な答弁や強行採決が目に余るために大変恥ずかしい思いをしています。なかなか、これが日本だ、これが民主国家だ、法治国家だというふうに自信を持って教えることができないというジレンマを抱えています。そして、そういった学生たちからも、先生、これは十年前、二十年前の自分たちの国と同じですね、独裁政権だったあの頃と同じですねというふうに言われる始末です。
 どうか、まあここにいらっしゃる先生方に申し上げてもしようがないですけど、どうかちゃんとやってくださいと言いたい。よろしくお願い申し上げます。
 以上です。ありがとうございました。
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横山信一#8
○委員長(横山信一君) ありがとうございました。
 以上で参考人の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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福岡資麿#9
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿と申します。
 今日は、三人の参考人の先生方、貴重なお話を伺う機会をつくっていただきましたことを心から感謝を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 まず、多賀谷先生の方にお伺いをさせていただきたいと思います。
 この委員会の審議の中でも、失踪技能実習生の個票の問題等がかなり議論になりました。当然、新しい新法の下で厳格な管理をしていかなければいけないということは、もうこれ言うまでもない話でありますが、そういう方がいらっしゃる一方で、私の周辺見回しましても、来られた実習生の方と企業がうまくマッチして、引き続きそういった環境の下で働きたいという思いの方がたくさんいらっしゃるということも一方では事実なわけでございます。
 これまではなかなかそういった方々がとどまるということが制度的に難しい状況だったわけですが、今回そういった道を開くことができたということについては、働く方々の希望ということの意味においても、新たな制度を設ける意義というのは大変大きいものがあろうと思いますが、先生のお考えをお聞かせいただければと思います。
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多賀谷一照#10
○参考人(多賀谷一照君) それは、おっしゃるとおりだろうと思います。今までほかの、この場でも技能実習制度を全廃すべきだという御意見が一部ありますが、私はそうは思いません。本来、技能実習制度というのは、物づくりの日本の技能を学ぶという、そういう意味でつくられてきて、そして、特に企業が行う技能実習はその意味で非常に機能してきたと思うんですけれども、世の中は物づくりからサービスに移りますが、サービスにおいても日本のサービスというものは非常にレベルが高いといいますか、ただ、技能実習とは違いますが、例えば介護のようなもののサービスとかいろんなものについて、やはり外国からそれを学びに来る人はいると思います。その意味において、そういう人々を受け入れる、そしてこの技能実習制度から特定技能の制度へ延長することにより、その人たちが日本で働きながら暮らすという、そういう仕組みを設けるということは意味のあることだろうと思います。
 ただ、一方において、ただ働くだけ、要するに、日本に五年いて、それで帰ってくると。これは、言ってみれば、何か日本と東南アジアの発展途上国との間で隔絶あるような議論が元々ありますが、私は、次第に東南アジアの諸国も生活レベルが上がってきて、国力も上がってきて、それほど変わってこない。そうすると、東南アジアの若者が来るのは、日本の技能を勉強するということだけではなくて、例えばほかの制度でワーキングホリデーみたいな感じで日本でちょっと働きつつ日本の文化に接してみようという、そういう目的で来るような人もいると思うんですね。
 そういう様々な目的での来日を可能とする制度としてこの新しい新法が、要するに技能を実習する、あるいはワーキングホリデー的に使うという、そういういろんな可能性を開く、運用によっては開くことができるだろうと思います。
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福岡資麿#11
○福岡資麿君 先ほど先生おっしゃいましたように、技能実習制度の下では転職とか一時帰国というのが非常に制度的に難しくて、そういった制度もあって、事実上合わない方がもう失踪してしまわなきゃいけない状況になってしまっていたというような状況があるとすれば、今回のこの制度の下で転職とか一時帰国を設けたということの意義、それはどうしてもやっぱり人間同士ですから、合う合わないってきっとあると思うんですね。そういった中で、そういった道を開いたということは非常に大きいことだというふうに思います。
 その御評価を聞きたいのと、あわせて、ただ一方で、この委員会でも議論になっていましたように、自由に転職ができるようになれば、やはり働く方もより条件のいいところに移りたいというふうに思うのが人間のさがでございまして、そうすると、どうしても大手企業とか都市部とかに人材が偏ってしまって、人材に枯渇している地方の人材確保が難しくなってしまうのではないかというような声も一方でありますので、その点についてもどうお考えかを併せて教えていただきたいと思います。
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多賀谷一照#12
○参考人(多賀谷一照君) 最初の方については、そもそも技能実習制度というのは、一年若しくは三年間継続的に技能を教えるという、そういう仕組みですので、途中で帰国したりとか、そういう仕組みというのは合わないと。
 ところが、例えば農業の例、農業とか牧畜とかは、忙しいときは一年のうちで限られているわけです。そうすると、例えば一年のうち農繁期等三、四か月働いたとしても、あとは、現実には、必要ないと言ったら申し訳ないですけれども、その農業としての需要は低くなってくる。そのときにあえて拘束するからやはり問題が起こるんであって、そのことは、要するに、その期間だけ日本にいて、あとは別のところに行くとか、あるいはさっきのワーキングホリデー的に使うとか、いろんな可能性がこれでもって開かれると思うんですね。そういう意味において、技能実習ではない形での入国に意味を、新しい制度ではそれができると思うんです。
 済みません、後半は何でしたっけ。済みません。
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福岡資麿#13
○福岡資麿君 外国人が転職を可能にするということは、今おっしゃったような道を開くというのもあるんですが、逆に、都市部とか大企業とかに人材が偏ってしまうという問題を生んでしまうのではないかということです。
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多賀谷一照#14
○参考人(多賀谷一照君) その点は確かに懸念のされるところであります。というのは、この制度は基本的に日本人と同じように転職を可能とすると。要するに、ハローワーク的な仕組みでやってくれと。だから、その仕組みが本当に機能すれば、都市部に移ってしまうんじゃないかという、そういう懸念がされることはもっともだと思うんですけれども。
 ただ、日本人を考えてみてください。今、地方活性化の話ですね。大都市から若者を地方に移すといってもこれはなかなか難しい。それは要するに、人を強制的に移住させることはできないという、その点同じで、じゃ、今までは技能実習制度は強制的に地方に縛り付けていたわけですね。それを、じゃ、新しい制度でまた地方に縛り付けるという仕組みにするということは、やっぱりそれ、ある意味では人権侵害だろうと。
 したがって、しかし、考えてみるに、じゃ、都市部がいいのかというと、都市部は、それは時給は高いかもしれませんが、同時に住宅コストとかその他生活コストが高いわけです。それに対して、地方はそうではないというところがあると。それから、恐らく若者の中には、都市部で楽しく遊ぶ、そのために日本に来たというのではなくて、特定の地域でもってじっくり働いて稼いで、そしてそこの地域の文化に触れて帰るという、地方文化に触れるというか、そういう若者もいるはずだと、落ち着いて暮らしたいという方も。
 その点で、先ほど私言いましたように、地方公共団体と地方の機関が、例えば外国の、東南アジアのある国のある地域と連携を結んで、そこから恒常的に一定の人材を引き受けるというような、そんな仕組みをつくれば、地方に外国人人材がつなぎ止められるという、そういう仕組みもできるんじゃないかというふうに考えます。
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福岡資麿#15
○福岡資麿君 続きまして、高谷参考人にお伺いさせていただきます。
 いろいろ、何というか、入管法の問題点について指摘をされたというふうに思います。受け止め方としては、いろいろ問題点は指摘されましたが、現行の技能実習生の問題も様々指摘される中で、今回のこの制度を設けることが今までよりも少しでも前進することになるのかどうかという部分の認識についてはどう思っていらっしゃるのかというところが一つと、もう一つが、先ほどのお話の中で、定住、永住というお言葉を何回も使われていましたが、参考人のお考えとしては、そうやって日本に来ることを希望されている方はもう全てそういったことをお認めしようというお考えの下で御発言されているのかどうかということについて併せて教えていただければと思います。
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高谷幸#16
○参考人(高谷幸君) 御質問ありがとうございます。
 一点目ですが、今までより前進するかということですが、私は、特定技能の創設というものが技能実習制度からの延長という形で捉えていますので、むしろ問題が、現時点の、特に特定技能一号についてですけれども、一号だと技能実習制度がより拡大する方向になってしまうのじゃないかと危惧しております。
 二番目の質問で、じゃ定住、永住を全員認めるべきかという御質問だったと思うんですけれども、これは、私、今申し上げたのは、特定技能一号の家族帯同要件を外すようにという主張でございました。
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福岡資麿#17
○福岡資麿君 じゃ、確認でございますが、特定技能一号の設け方については、今疑問向けられましたが、そういったその制度の下で家族帯同も認めていくということがお考えだということですか。
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高谷幸#18
○参考人(高谷幸君) そうですね、一つには、この入管法案全体の問題としては慎重な審議をして、より、何というか、生活全般のサポートも含めたような議論をして考えるべきだということなんですが、特定技能一号に関しましては、家族帯同要件を認めるという形で考えていただきたいということです。
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福岡資麿#19
○福岡資麿君 済みません、改めまして多賀谷参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回、技能実習二号から特定技能一号への移行ということが可能な形というのが予定されているわけですが、当然その技能実習も三号というのもあるわけです。技能実習二号から三号に行くという道もあれば、そこから特定技能一号に行くという道も当然あるということですが、今後の技能実習三号の意義みたいなところについてはどうお考えなのかをお聞かせいただきたいと思います。
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多賀谷一照#20
○参考人(多賀谷一照君) 技能実習三号の仕組みは、基本的に、技能実習の本来の仕組みといいますか、技能実習を、そのまま技能を高めたいという、その特定の分野での技能を高めたいという、そういう外国人について認められるというところだろうと思います。
 だから、先ほど申し上げましたように、特定技能と技能実習とは違います。特定技能の場合には人材不足の分野について認めるわけですけれども、技能実習三号というのは、そういう人材不足とは別に、要するに技能を高めたいという、そういう人材に向けてのカテゴリーだと思います。
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福岡資麿#21
○福岡資麿君 最後、斉藤参考人にお聞かせをいただきたいと思います。
 先ほどいろいろ問題点御指摘された技能実習にしても今回の入管法改正にしても、日本に来ていただく外国人の方に対してどういった支援をしていくか、その支援が現行で十分でないという部分をいろいろ御指摘されたというふうに思いますが、そういった特定技能一号であったり技能実習であってもそうですが、今後、そういった外国人に対しての支援の在り方とか、そういったものについてのお考えとかがあればお聞かせいただきたいと思います。
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斉藤善久#22
○参考人(斉藤善久君) 問題点は、民間人材ビジネスに丸投げしている点がすごく多いということで、いずれも国策として入れるわけですから、ちゃんと国が前面に出て、日本語教育であるとか生活のサポートをするということが必要だろうと思います。
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福岡資麿#23
○福岡資麿君 では、以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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伊藤孝江#24
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 今日は、三人の参考人の先生方、大変お忙しい中、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
 まず、多賀谷参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 先ほどの福岡議員の質問とも少しかぶるところがあるんですけれども、今回の改正入管法の趣旨、目的のところで、新制度の必要性についてお話をいただきました。技能実習の法の趣旨を潜脱するような実態がある中で今回新しく法律を作る意味があるんだということもおっしゃられておられたわけですけれども、技能実習の制度を廃止する、あるいは技能実習生の制度を含んで一体化するような法律ではなく、改めて別の法律として今回の入管法改正という形で制度をつくることの二つ、技能実習と今回の資格付与と併存させることの意味についてどのようにお考えなのか、お教えいただけますでしょうか。
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多賀谷一照#25
○参考人(多賀谷一照君) 技能実習制度というのは元来が、まさに日本の持っている、日本の事業が持っている技能を、まあ国際貢献というのはどこまで国際貢献かという御意見もありましたけれども、しかし、やはり物づくりとかサービス産業についても日本の技能を学びたいという人はいるわけですから、受入れ機関側も責任を持ってそれについて教えるという、そういう仕組みというものは、それはほとんど機能していないか、あるいは九割であるかとか、いろんな御意見がありましたけれども、やはり一定の割合でそういう存在はあると思うので、それを全くやめてしまうという議論はやはりちょっとそれは無理だろうと思います。
 他方において、今回の制度は、基本的に要するに労働力として受け入れる、そして労働力として受け入れる場合には、技能実習ではない、要するにただ単に、単にというか働く人を受け入れるという制度でありますから、考え方が根幹的に違うと思うんですね。
 それで、こちらの方、その意味において、両方を一緒にするとまた同じような話が出てくるという、あるいは国として運用するにおいても、技能実習の方の運用の話と、それからこちらの運用の仕方は全然違うと思うんですね。技能実習の場合には、この技能実習法もかなり、技能実習であるということで、それは労働力として入れるというわけではなくて、監理団体がそこの技能実習が適正になされているかというものを監理するという、そういう仕組みなわけですけれども、他方、この特定技能の方は基本的に労働者として受け入れるのであると。
 したがって、労働者としてどのように就労環境が維持されるかというのは基本的には民民間の話であって、そこに監理団体的なものが監理するものではないと。公権力的な機能がそこに入らなくて、ただし、もちろんその場合において、日本人と違って外国人の場合には弱者的な面があるので、その弱者的な面を支援するという、そういう仕組みという形で出てくる。そういう意味において、仕組みの考え方がやはりかなり違うと思います。
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伊藤孝江#26
○伊藤孝江君 もう一度多賀谷参考人にお伺いをしたいんですが、今おっしゃられた技能実習制度が元々持っている国際貢献というその趣旨を、本来の目的を更にきっちりと機能していくようにするために今一番何が必要というふうにお考えになられますでしょうか。
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多賀谷一照#27
○参考人(多賀谷一照君) 技能実習制度が逸脱的に利用されていることを改善するために、国会では平成二十八年に改正法を定めまして、それに基づいて、御存じのように外国人技能実習機構というものをつくりました。
 その外国人技能実習機構が昨年からは監理団体に対する許可制度を全部見直して、許可をして、許可権限は法務大臣、厚生労働大臣ですけれども、それから実習機関が作る技能実習計画というものを全部認定をしているということ。その仕組みが、先ほど、要するにまだ、昨年一年掛けて許可をし終わって、今年度から、実習計画どおりに実習しているか、実習計画の中には、例えば賃金がどのぐらいであるかとかどの程度実習をしているかということが入りますから、それについて今年度から立入検査等具体的な運用をしていると。したがって、それを、その運用をたしか、多分全国で三百五十人ぐらいで十八くらいの地方支部、地方部局でやっていると思いますけれども、その運用をより高めることによって技能実習制度を本来のやり方の方へ持っていくと。
 問題は、先ほど来ありますけど、ブローカー的な監理団体、営利的な監理団体をどのように排除するか、あるいは押さえ込むかという、それはやはりその機構に委ねるしかない。まあ、元々は機構の背後には当然両大臣がいますけれども、そういう仕組みだろうと思います。
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伊藤孝江#28
○伊藤孝江君 三人の先生方にお伺いしたいと思います。
 今の技能実習の課題の中で、また新たな制度においても懸念の中で、実際に受け入れた会社なり企業なり機関なりがどのような形でその外国人の方に接するのかという、単に労働者という側面だけではなく人間という面もあって、生活という面もあって、いろんな形での支援が必要だというお話もありましたけれども、本当に、労働条件を担保するにしても、生活支援をするにしても、またその会社の中での人間関係をつくっていくにしても、一番その基となる受入れ機関がどのような手だてを取るのか、取れるのか、またどのような意識で外国人の方を受け入れるのかというところが一番直接的には影響するところの一つとしてあるのではないかと思うんですが、その受入れ機関の意識改革というのか、その部分についてどのようにしていくことが必要だというようなことで、もしお考えがありましたら教えていただければと思います。
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斉藤善久#29
○参考人(斉藤善久君) それは、技能実習制度に関して言うと非常に難しい話で、制度自体が使用者にそういう意識を持たせないような仕組みになっていると思います。あの制度の中で使用者が、これは自分の会社の後継者だとか大事な日本人と同じ従業員であるとか、そういう意識を非常に持ちづらい構造になってしまっていると思いますので、あの制度はもう廃止する方がいいと思う。あの制度の中でどうしたらいいですかという話ではなかなか解決が見付かりません。
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