経済産業委員会

2019-04-12 衆議院 全186発言

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会議録情報#0
平成三十一年四月十二日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 赤羽 一嘉君
   理事 穴見 陽一君 理事 梶山 弘志君
   理事 小林 鷹之君 理事 國場幸之助君
   理事 西村 明宏君 理事 落合 貴之君
   理事 斉木 武志君 理事 富田 茂之君
      青山 周平君    池田 佳隆君
      石川 昭政君    石崎  徹君
      上杉謙太郎君    尾身 朝子君
      岡下 昌平君    金子 俊平君
      神山 佐市君    神田 憲次君
      神田  裕君    佐々木 紀君
      冨樫 博之君    野中  厚君
      福山  守君    藤丸  敏君
      穂坂  泰君    星野 剛士君
      細田 健一君    三原 朝彦君
      宮澤 博行君    宮路 拓馬君
      八木 哲也君    山際大志郎君
      吉川  赳君    菅  直人君
      櫻井  周君    田嶋  要君
      松平 浩一君    宮川  伸君
      山崎  誠君    浅野  哲君
      泉  健太君    太田 昌孝君
      笠井  亮君    足立 康史君
      笠  浩史君
    …………………………………
   経済産業大臣       世耕 弘成君
   財務大臣政務官      伊佐 進一君
   経済産業大臣政務官    石川 昭政君
   最高裁判所事務総局行政局長            門田 友昌君
   政府参考人
   (内閣官房内閣情報調査室内閣審議官)       森 美樹夫君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局審議官)            油布 志行君
   政府参考人
   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        佐々木 浩君
   政府参考人
   (公安調査庁総務部長)  横尾 洋一君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           風木  淳君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           島田 勘資君
   政府参考人
   (特許庁長官)      宗像 直子君
   政府参考人
   (特許庁総務部長)    米村  猛君
   政府参考人
   (特許庁審査第一部長)  澤井 智毅君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            木村  聡君
   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十二日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     福山  守君
  石崎  徹君     金子 俊平君
  岩田 和親君     藤丸  敏君
  佐々木 紀君     神田 憲次君
  簗  和生君     上杉謙太郎君
  山際大志郎君     宮路 拓馬君
  宮川  伸君     櫻井  周君
同日
 辞任         補欠選任
  上杉謙太郎君     簗  和生君
  金子 俊平君     石崎  徹君
  神田 憲次君     佐々木 紀君
  福山  守君     青山 周平君
  藤丸  敏君     池田 佳隆君
  宮路 拓馬君     山際大志郎君
  櫻井  周君     宮川  伸君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     岩田 和親君
    ―――――――――――――
四月十一日
 原発から撤退し、再生可能エネルギーへの転換を求めることに関する請願(笠井亮君紹介)(第八六五号)
 小規模事業者に対する社会保険料負担軽減支援策等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第八六六号)
 同(笠井亮君紹介)(第八六七号)
 同(穀田恵二君紹介)(第八六八号)
 同(志位和夫君紹介)(第八六九号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第八七〇号)
 同(田村貴昭君紹介)(第八七一号)
 国と東京電力が責任を果たすことに関する請願(藤野保史君紹介)(第八九七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
     ――――◇―――――
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赤羽一嘉#1
○赤羽委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣情報調査室内閣審議官森美樹夫さん、金融庁総合政策局審議官油布志行さん、総務省大臣官房地域力創造審議官佐々木浩さん、公安調査庁総務部長横尾洋一さん、経済産業省大臣官房審議官風木淳さん、経済産業省大臣官房審議官島田勘資さん、特許庁長官宗像直子さん、特許庁総務部長米村猛さん、特許庁審査第一部長澤井智毅さん及び中小企業庁事業環境部長木村聡さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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赤羽一嘉#2
○赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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赤羽一嘉#3
○赤羽委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局行政局長門田友昌さんから出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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赤羽一嘉#4
○赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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赤羽一嘉#5
○赤羽委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。三原朝彦さん。
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三原朝彦#6
○三原委員 どうも。何年ぶりで質問するかちょっと思い出せないぐらいなんですけれども、でも、我が国の特許庁の長官というのが女性で、特許庁長官に質問するというこの栄誉を得たことを心から感謝申し上げたい。僕のパーソナルヒストリーに残ると思いますけれども。
 昔から、前々から、私は七、八年前から特許とか知的財産とかに大いに興味があった。
 というのも、二〇〇〇年に入ってから、我が国の貿易収支というのが、どんどんどんどん競争力がなくなってきて厳しい状況になってくる。今、ここ数年は円が安いこともあって、貿易収支は輸出超過ですけれども、それ以外のところの国際的な関係になると、そこでやはり我が国は今から頑張っていかぬと先進国としての立場は保てないな、そういう強い気持ちがありました。特許がそのまた一つ、サービスの収支の中では特許もその一つですけれども。
 最初は、何か、調べてみたら、二〇〇三年ぐらいから我が国はもらう方が払うよりも多くなってきたらしいんです。今日に至っては、三千億から四千億ぐらい我が国は海外から特許料を得ているという、確実に伸びてきていることはこれはすばらしいことだと思います。
 一面、諸外国を見てみますと、この十年ぐらいで、中国の特許に対する力というのはすごいものですね。我が国は毎年今でも三十万ぐらい特許を出しているのかな、アメリカがその倍ぐらい、中国はその四倍ぐらい、百二十万ぐらい出していると言われていたら、あっという間に百二十万も超しちゃった。
 そういうことで、私は、そういう意味では、我が国のこれから先のイノベーションとか科学技術の発展とかに危惧もしておることでありまして、そういう中で、大企業、中小企業を含めて、これから先、どんどん更に特許、つまりイノベーション、先端的な技術を磨いていかなきゃいけないという状況の中で、いろいろな意味での特許のあつれきなんかあったときにトラブルがあったりしていることも確かなことです。
 宗像長官に前聞きましたら、ドイツやいろいろなところまで行って勉強もしてきましたよというようなことなんですけれども、我が国でもそういうことに関してもっと踏み込んで、世界にオープンになりつつ、なおかつフェアな制度というのをやっていかなきゃいけないと思うんですけれども、その点に関しての国としての立場なり考え方をまずは大広に聞かせていただきたいと思います。
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世耕弘成#7
○世耕国務大臣 全くおっしゃるとおりでありまして、特許制度というのは常にアップデートをしていかなければいけないものだというふうに思っています。特に、その中で、諸外国の状況等はよく把握をしていく必要があると思います。
 宗像長官は、総理秘書官から長官に転進してから、積極的に海外の事情も見てきてくれました。我々のイメージとしては、例えば中国なんかは、もう何か、特許制度については穴だらけだというイメージでいたわけですが、実際見てきてもらうとそうでもない。極めて洗練された特許制度に、知財の保護の仕組みがもうなっていっているという報告でありました。
 そういったことを踏まえて、今回もこの法律の改正ということに臨ませていただいているところでございます。
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三原朝彦#8
○三原委員 それは確かに力強い方向性だと私は思いますし、確かにものづくりも我が国は大切で、今から四、五年前だったかな、茂木大臣のときに、思い出しますけれども、経産省が、グローバルニッチ産業とかいって、中小企業の中で海外での展開を頑張ってやっているところ百社というのを表彰されて、実は私の友人も表彰されて、えらい私もうれしかったんですけれども。
 そのときに、同様のような、じゃ、いつも我々が対象として見るドイツはどうだったんだと言ったら、いや、三原さん、ドイツは我が国のグローバルニッチみたいなやつは二千社ありますとか言われたので、がっくりきたことを思い出したんです。それもやはり、ちゃんとした、しっかりした特許を持っていて、まあ営業秘密もあるんでしょうけれども、ここじゃなきゃだめだというのが二千社もあるというんですね。
 だから、そういうことを考えたときに、やはり、これから先は、大企業はもちろん自分で、自分の足で対外的に、新日鉄が、今の日本製鉄がそうだったように戦って勝てるようなものになるでしょうけれども、中小企業あたりだとそうもいかない。そこのところをどうするかという、いろんなこと、施策を特許庁も考えてきてくれているとは思うんですけれども。
 その一つの中で、なかなか、弁護士さんあたりでも雇おうと思ってもお金がかかるし雇えない、手付金も要る、何だかんだというので。しかし、そういうことを頼んだときに、じゃ、中立的立場に立ったところで制度を、特許というのは調べにくいけれども、調べていって入るようなときにどうしているんだと聞いたら、ドイツあたりでは第三者が入っていってというようなことだったということを聞いて、日本も、じゃ、やるんですかと言ったら、やりたいと思うというようなことを聞かれたものですから、その点に関してわかりやすく説明してもらいたいと思います。
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宗像直子#9
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 今の日本の裁判制度、特許訴訟制度におきまして、例えば、製法の特許であるとか、大型の機械で簡単には市場で手に入らないものとか、プログラムの特許などは、実際に現物を、それも専門家の目で見なければ本当に侵害が起きているかどうかがわからない。こうなりますと、調査能力のある企業であればある程度のことができるかもしれませんけれども、中小、スタートアップなどにとっては非常に証明のハードルが高いというところがございます。
 そこで、先進国あるいは中国、韓国なども、そこの証拠収集をしっかりとする仕組みを備えておりまして、国によって形は違うのでそれをそのまま持ってくるということではないんですけれども、そういうものをいろいろ参考にいたしまして、日本に合う仕組みは何かということで検討した結果が、今回の導入をお願いしている制度でございます。
 査証制度という名前なんですけれども、裁判所が選定した専門家が、被告の、特許を侵害したのではないかと疑われる者の建物や敷地に立ち入って証拠の収集を行うものであります。ただ、濫用があってはいけませんので、裁判所が、この証拠は本当に侵害の立証に必要だという必要性とか、確かにその侵害したことを疑うに足りる相当な理由があるという蓋然性、そして、ほかの手段では証拠収集を行うことが困難という補充性、そして、ほかの、相手方の負担が不相当にならないという相当性という、四つの厳格な要件を満たした場合に限って発動できるようにしております。
 証拠収集を行う者というのは、裁判所が中立公正な専門家を指定をして、それについて当事者が問題だと考えれば、忌避という制度で、この方はやめてほしいということを裁判所に申し立てられるというような濫用防止の仕組みであるとか、あるいは、産業界はこの査証制度を通じて営業秘密の漏えいを懸念しておりますので、これらについても、査証を実施する際に申立人の立会いを認めないとか、あるいは、専門家に、秘密保護の観点から、罰則で担保された秘密保持義務を課すであるとか、専門家が現場に行って、結果を報告書に書いて、それを最終的には申立人に開示するわけですけれども、その前に、まず、立ち入られた側がここはうちの営業秘密だからといって黒塗りを申し立てて、裁判所が、これは確かにと、正当な理由があると認めれば、営業秘密が黒塗りされるといったような厳格な仕組みを設けておって、営業秘密の漏えいにも配慮しながら、真実解明への被疑侵害者側の協力を促すという仕組みとなっております。
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三原朝彦#10
○三原委員 もう七、八年前ですかね、私も、例の亀山印というのが一世を風靡したときに現場を見に行ったことがありますけれども、僕らが見たって何もわからないけれども、これから先はブラックボックスですからカーテンを閉めていますなんか言われたりしてね。それでも、最終的には、あそこに出ていた会社の工場はみんなやめちゃったんでしょう。あれは液晶パネルか何かをつくっていたんだけれども、競争に負けちゃったのがあって、すごいスピードで変化が起こっているんだなと思って。
 そうこうしているうちに、今僕らが使っているスマホなんかの液晶のあれは、サムスンとか決まったところで、日本が頑張っても何かだめなようになっちゃったというらしいんですけれどもね。
 そういう意味では、現場の本当に一番、第一線で、ちょうちょうはっしの、嫌な言い方だけれども、盗んだり盗まれたりしているのかもわからないですけれども、そういうのがないようにして、アイデアを出した人がそれによって恩恵を得るようなことにならないとまずいなと。まずいって、当たり前のことですけれどもね。
 今、日本は、今までは見て学んだ方かもしれないけれども、今はもう見られる側になった、そういう自覚も持って、なおかつ、フェアに産業競争をやろうということが絶対に大切だと私は思いますので、今回の改正に関しては大いに頑張ってもらいたいと思います。
 それと、いま一つ、私が思うのは、これもよく我が党の中での知財の問題のとき議論するんですけれども、もしそういうことをやったら、何か民法の中で、損した分だけ返せということで、じゃ、悪いことをしたのに、盗んでやったのに、それに対して懲罰はないのかと。いや、それはちょっとまた別のことで、ないんですよと言われて、そういうことをよそはやっていないのと言ったら、いや、諸外国によっては三倍金を返せというようなこととか、中国なんかは何か五倍というのをやり始めるそうですよなんて言われたんですけれども、どうして日本はやらないんだろうと思って。
 悪いことをやったら、懲罰して、もうけた分の三倍返せというようなことをどうしてやらないんだろうと私は思うんですけれども、その点についての意見をちょっと聞かせてもらいたいと思います。
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世耕弘成#11
○世耕国務大臣 今、アメリカや台湾では、実損の三倍を懲罰的賠償という形で導入をしています。また、中国、韓国でも同じような動きが進んでいます。しかし一方で、ヨーロッパでは、懲罰的賠償はだめだという対応になっているわけであります。
 今回の見直しに当たっても、悪質な特許侵害を抑止するという観点から、懲罰賠償制度の導入というものの検討も行われましたが、産業界の一部からは、これは濫用をされると困るという懸念の声も上がったわけでありまして、この懲罰賠償については賛否両論あるわけであります。
 いずれにしても、ただ、まだ日本は根っこの部分も弱いので、三倍で計算するにしても、根っこの一倍の部分が小さいと幾ら三倍にやったって抑止力が働きませんので、まずは一倍の部分をしっかりと充実をさせるということで、今回、損害賠償額の算定方法を見直すということにさせていただいたわけであります。
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三原朝彦#12
○三原委員 確かに、まだ日本は特許の訴訟というのは少ないらしいですよね。少ないこともあるし、特許でどれだけ損したかというのは、旧新日鉄のあの鉄の問題なんかのときには大いに訴訟してもということになるんでしょうけれども、確かに大臣がおっしゃったようなこともあるけれども、やはり、正しくないことをしたときには、それに対して明確に、あなた、だめですという罰を与えることは、国民の皆さんも理解する、理にかなっているんじゃないかと私は思うんです。その点では、やはりこれからも大いに議論を続けていってもらいたいと思います。
 今回の改正に関しては、私は納得していますのでもちろん賛成ですけれども、ちょっと、他の特許、特に隣国の中国あたりのどんどん進んでいるのを見ると、何だかスローな感じもしなくもないなという。日本国内だけで何かやるときには、商道徳にのっとってそしてというようなことが、お互いにまあまあ、なあなあでやるかもしれないけれども、もっとこれが国際的になると、やはり更に厳しい現実に直面したときには、今言ったような懲罰の問題とかももっと深く議論してもらいたいという感じがします。
 それと、それこそきのうの新聞ですけれども、昔議論した職務発明のことで、昔、LEDの問題で大いにかんかんがくがくのがあったんですけれども、今回はまた、ノーベル賞をとられた本庶先生が問題提起されて、これから先どうなるのか、薬品会社との間で議論があるかもしれませんが。その一面、二年前にノーベル賞をとられた大村先生は、上手にそれを、職務発明といえども企業とうまく契約されて、それで、そのおかげで、あの先生が得られたお金でいろいろな研究施設やら病院まで建てられて、絵画まで買われて、病院の中に絵画をかけて、見に行きましたけれども、北本病院というのを。えらいものだと思いましたけれども。
 これはちょっと質問から外れますが、何とか、今言った職務発明と収益の問題に関しても、もっとわかりやすく、なおかつ、何も、学者さんがエゴになって金だけもらいたいと思っているというのは違うと思うんですよね。
 だから、そういう面でも、これから先も、特許と収益との問題についても、特許を生み出した人のインセンティブを与えられるように、そういうことをやはり配慮してもらいたいということを最後に申し上げて、もう時間が終わりましたので、私、終わらせてもらいたいと思います。
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赤羽一嘉#13
○赤羽委員長 次に、富田茂之さん。
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富田茂之#14
○富田委員 公明党の富田です。
 大学の先輩の三原先生の後で非常に質問をやりにくいんですが、特許法の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、証拠収集手続の強化についてお尋ねをします。
 特許権の侵害訴訟では、技術的に高度な専門的知見をもとにした適切な判断が求められることや、特に製法特許や装置の特許に関する侵害行為のように、侵害行為が侵害者の工場内で行われ、外部にあらわれにくい場合等、証拠が侵害者側に偏っており、特許権者が侵害の証拠を入手しにくい場合が一般の民事訴訟に比べて多いと言えると思います。このような場合、特許権者は、自己の権利が侵害されているのではないかという疑念を抱きながらも、具体的な証拠を入手することができないため、訴訟提起を断念し、いわゆる泣き寝入りとなる場合も多いと思われます。
 また、先ほど来お話がありましたが、諸外国と比べても、ディスカバリー制度を有するアメリカ、EU・エンフォースメント指令に基づくそれぞれの証拠収集制度を有するドイツ、イギリス、フランスに比べまして、我が国の証拠収集手続の強制力は十分とは言えません。そのため、我が国の証拠収集手続を少なくとも諸外国と遜色ない程度まで充実させるべきであるというふうに指摘されてきました。
 今回、改正特許法第百五条の二等により、専門家による現地調査、査証制度を導入することとしましたが、その必要性と効果につき、どのように考えているんでしょうか。
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宗像直子#15
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、アメリカやヨーロッパでは、日本よりもはるかに強制力のある証拠収集制度によって権利の実効的な保護を図っております。また、近年、中国、韓国も、訴訟制度を急速に強化をして、権利保護によるイノベーションの促進を図っております。
 日本では、昨年、中小企業の特許料を一律半減する法案をお認めいただきまして、この四月から施行されたところですが、中小・ベンチャー企業にとってみれば、せっかく特許をとってもいざというときに使えなければ意味がない、特に、今御指摘のあった製法に関する特許などについては、侵害されたことを立証する証拠をなかなか集められないなどの声が寄せられております。
 そこで、専門家が強制力を持って現場で証拠収集を行う査証制度を創設することで、専門家が実際のものを調査しなければ収集が困難な証拠について十分収集できるようになるということで、特許権保護の実効性が高まると考えております。
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富田茂之#16
○富田委員 本改正案では、制度の濫用を防ぐため、必要性、蓋然性、補充性、相当性を査証の発令要件としています。
 産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会報告書、実効的な権利保護に向けた知財紛争処理システムの在り方、平成三十一年二月ですが、これによりますと、このような記載がありました。
 現行法の書類提出命令や検証物提示命令と同様、資料収集の命令の発令は、その特許権を侵害されたと主張する特許権者の申立てによるものとし、本手続の濫用を防ぐため、必要性、蓋然性、補充性、相当性を発令要件とする。そして、本手続は、その存在によって本手続によることなく当事者が任意に証拠を提出することが促されることを期待するものであり、これらの要件のもとで、結果として、いわば伝家の宝刀として運用されることが期待されるというふうに記載されておりました。
 このような認識に立った上での査証制度導入と考えていいんでしょうか。
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宗像直子#17
○宗像政府参考人 今先生御指摘のとおり、査証制度につきましては、四つの厳格な要件を満たした場合に限って発令されることとしておりますけれども、この伝家の宝刀という表現でございますけれども、これは、査証の命令が、これらの厳格な要件のもと、本当に必要な場合に限って発令される特別に強力な手段だということを意味しておりまして、他方で、抜かずの宝刀ということではありません。
 この制度が存在することで、そしてそれが確かに機能するということが皆さん認識しておられることによって、いずれ強制的に証拠を収集されてしまうのであれば早い段階でみずから証拠を提出しようというように、侵害を疑われた側にも真実解明に向けた協力を促すという効果が期待できると考えております。
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富田茂之#18
○富田委員 本改正案で導入される査証におきましては、裁判所が査証を実施する主体となる専門家を指定することとされております。専門家は、相手方の工場等に立ち入り、対象となる文書や物品を調査し、相手方の幅広い営業秘密等に接する可能性があることや、調査の結果が訴訟の帰趨に影響を与える可能性があることから、秘密保持義務を課した上で、弁護士、弁理士、研究者等を含め幅広い職種から指定することとなるというふうに聞いております。こうした専門家には高度な知識及び技能が求められることから、職務遂行能力のある人材を十分に確保できるよう、人材育成面で十分な対応が求められております。
 弁護士、弁理士といっても全てが専門家ではありませんので、こういう人材をどういうふうに確保しようとしているんでしょうか。
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門田友昌#19
○門田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 査証人につきましては、技術と訴訟手続の双方に精通した公平な専門家が確保されなければならないと理解しております。最高裁判所としましても、各裁判体が円滑に査証人を選任できるよう、必要な手だてを講じていかねばならないと考えております。
 裁判に専門家に関与していただく既存の制度としましては専門委員の制度がございますけれども、この専門委員として任命している方を査証人の候補者として活用することが考えられます。そこで、まず、知的財産権関係の専門委員の名簿を査証人の選任にも活用できるように整えてまいりたいと考えております。
 それ以外にも、候補者の給源となる弁護士会や弁理士会との間で、裁判所からの依頼に基づき各会が査証人として適切と思われる会員を推薦する仕組みを構築すべく協議を始めたところでございます。また、専門委員の任命に当たりましては、各種の学会に推薦を依頼する方法もとられておりますけれども、査証人候補者につきましても同様に推薦をしてもらえるよう依頼することも検討しております。
 査証人につきましては、これらの仕組みを通じて、質、量ともに十分な候補者を確保してまいりたいと考えております。
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富田茂之#20
○富田委員 細かく説明していただいてありがとうございます。
 調査室の方からいただいた資料を読んでいましたら、こんな指摘がありました。専門家に大学教授や研究者が指定された場合、当業者でもあることが想定され、秘密保持義務を課したとしても、その専門家のその後の活動に影響を及ぼすリスクを払拭することは難しいとの意見もあると。
 確かに、研究者の中で、自分が研究しているものに当たる可能性もあるわけで、そのリスクはどのように払拭していこうとされているんでしょうか。
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門田友昌#21
○門田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 裁判所が査証人を選任する際の具体的な運用については、今後、各裁判所で検討が進められることとなりますけれども、現在ございます鑑定人の選任などの例を参考にしますと、候補者が決まりましたら、その候補者に対しまして、査証人になることができるかについて事前に意見聴取を行うことが考えられます。このような事前の手続を行って、当該専門家からその後の活動に支障が生じる旨の意見が述べられた場合には、その点も踏まえて裁判体が適切に判断することが可能になると思われます。
 いずれにしましても、最高裁としましては、各裁判体が適切に査証人を選任できるよう、必要なサポート等をしてまいりたいと存じます。
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富田茂之#22
○富田委員 ありがとうございました。
 損害賠償額算定方法の見直しについて質問したいと思います。
 改正法第百二条第四項に、このように規定をされております。
 「裁判所は、第一項第二号及び前項に規定する特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、特許権者又は専用実施権者が、自己の特許権又は専用実施権に係る特許発明の実施の対価について、当該特許権又は専用実施権の侵害があつたことを前提として当該特許権又は専用実施権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該特許権者又は専用実施権者が得ることとなるその対価を考慮することができる。」というふうに規定されています。
 なかなかよく考えた法文だなと思うんですが、これは特許制度小委員会の、先ほどお示しした報告書の中にこんなふうな記載がありました。
 特許法第百二条第三項の考慮要素の明確化については、これまでの裁判例や学説によって、第三項の定める相当実施料額の算定に当たって考慮すべき訴訟当事者間の諸般の事情が示されてきている。
 具体的な考慮要素としては、過去の実施許諾例、業界相場、特許発明の内容、特許発明の寄与度、侵害品の販売価格・販売数量・販売期間、市場における当事者の地位などが挙げられる。これらの要素は、個別具体的な事案に応じて、増価、減少のいずれにも働き得る。
 これらの要素に加えて、典型的に増額に働き得ると考えられる考慮要素として以下の要素が挙げられるということで、第一は、有効な特許が侵害されたことが認定されていること。第二は、特許権者による実施許諾の判断機会の喪失である。第三は、侵害者は契約上の制約を負っていないことである。
 条文化に当たっては、想定される考慮要素を網羅的に規定するのではなく、例えば、裁判所は、相当実施料額の認定に当たり、特許権の侵害を前提として特許権者が実施の対価について侵害者との間で合意したならば得られたであろう額を考慮することができる旨などを概念的に規定し、当該文言の中で、さまざまな考慮要素を読み込めるようにするべきであるというふうに書いてありました。
 この報告書の趣旨を具現化した条文というふうに理解してよろしいでしょうか。
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宗像直子#23
○宗像政府参考人 今先生が御指摘なさったとおりでございます。
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富田茂之#24
○富田委員 ありがとうございました。
 最後に、大臣にちょっとお尋ねしたいと思いますが、中小・ベンチャー企業のイノベーション促進に向けた施策についてお尋ねします。
 中小・ベンチャー企業は、経済の新陳代謝を促し、日本のイノベーションを支える重要な主体であるというふうに思います。デジタル革命によって業種の垣根が崩れ、オープンイノベーションが進む中、中小・ベンチャー企業が生き残っていくためには、自社が開発した技術をみずから知的財産としてしっかり管理し、それを生かして収益を上げていく必要があるというふうに思います。
 今後、知的財産を通じて中小・ベンチャー企業をどのように支えていくのか、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
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世耕弘成#25
○世耕国務大臣 中小・ベンチャー企業の皆さんには、ぜひ、独自性のある技術、アイデアを知的財産権で守って、外部の技術や知識を活用して、新たな製品やサービスを生み出していただきたいと思っています。
 そのための支援として、まず、やはり特許料の負担というのが結構重いですから、これを一律に軽減する制度というのを、四月一日から利用可能になりました。また、特にベンチャーにとってはスピード感が極めて重要でありますので、審査期間が短くなる早期審査、更に短縮されるスーパー早期審査というのを入れていまして、二十九年度実績でいきますと、通常十四カ月かかっている審査が二・五カ月に短縮されるというような形のものも行っています。
 また、知財総合支援窓口というのを全国四十七都道府県に設置をして、三十年度は十万件の相談に応じています。
 また、ベンチャーに対しては、さらに、知財アクセラレーションプログラムというので、ベンチャーというのは、ある程度うまくいってから、さあ知財大変だとなるんですけれども、創業期にしっかり知財のことも含めた経営戦略を立ててもらえるようなサポートをするというような仕組みも入れさせていただいております。
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富田茂之#26
○富田委員 ありがとうございました。
 終わります。
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赤羽一嘉#27
○赤羽委員長 次に、櫻井周さん。
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櫻井周#28
○櫻井委員 経済産業委員会で初めて質問させていただきます、立憲民主党・無所属フォーラムの櫻井周です。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、特許法等の改正について早速質問させていただきます。
 今回の法改正の意義について、デジタル革命により業種の垣根が崩れ、オープンイノベーションが進む中、中小・ベンチャー企業がすぐれた技術を生かして飛躍するチャンスが拡大している、せっかく取得した特許、大切な技術をしっかり守れるよう制度を改善していく、充実させていく、こういうことだと承知をしております。
 更にちょっと踏み込んで御説明いただけますでしょうか。といいますのも、これまで私、別な委員会、科学技術・イノベーション推進特別委員会などでは、こうした特許制度は、日本がせっかく持っている技術がしっかり守られていないのではないのか、そうした課題について問題提起をさせていただいたところでございます。そういう意味で、今回の法改正は、大きな一歩を踏み出したなということで、高く評価をさせていただきたいと思っております。
 しかしながら、一歩踏み出したとはいえ、諸外国に比べると随分とおくれている、千里の道の一歩を踏み出したにすぎないとも評価をしておりまして、こうした観点から、今回の法改正の意義についてお尋ねさせていただきます。
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宗像直子#29
○宗像政府参考人 お答えいたします。
 今先生御指摘いただいたように、中小・ベンチャー企業がチャンスをつかめる時代になってきた中で、中小・ベンチャー企業が、今までの取引先に権利処理を委ねずに、自分で権利を守りやすくするようにしたいと。権利保護のためには、権利保護の最終手段である訴訟制度を中小・ベンチャー企業にとっても使いやすくするということが、今回の制度改革の眼目でございます。
 その具体的な中身として、証拠収集制度、そして損害賠償制度、特に後者につきましては、売上げが小さいのでなかなか大きな賠償額が得られないという規模の小さい企業に対しても、相手方が侵害した部分をライセンス料として回収できる道を開くことで、それなりの回収ができるようにするということでございます。
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