法務委員会

2019-05-24 衆議院 全212発言

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会議録情報#0
令和元年五月二十四日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 葉梨 康弘君
   理事 石原 宏高君 理事 田所 嘉徳君
   理事 平沢 勝栄君 理事 藤原  崇君
   理事 宮崎 政久君 理事 山尾志桜里君
   理事 源馬謙太郎君 理事 浜地 雅一君
      赤澤 亮正君    井野 俊郎君
      奥野 信亮君    鬼木  誠君
      門  博文君    門山 宏哲君
      上川 陽子君    神田  裕君
      黄川田仁志君    国光あやの君
      小林 茂樹君    中曽根康隆君
      古川  康君    古川 禎久君
      和田 義明君    逢坂 誠二君
      黒岩 宇洋君    松田  功君
      松平 浩一君    山本和嘉子君
      森田 俊和君    遠山 清彦君
      藤野 保史君    串田 誠一君
      井出 庸生君    柚木 道義君
    …………………………………
   法務大臣         山下 貴司君
   法務副大臣        平口  洋君
   法務大臣政務官      門山 宏哲君
   文部科学大臣政務官    中村 裕之君
   最高裁判所事務総局刑事局長            安東  章君
   最高裁判所事務総局家庭局長            手嶋あさみ君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 田中 勝也君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小野瀬 厚君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    小山 太士君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁長官) 佐々木聖子君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 岡野 正敬君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           矢野 和彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           本多 則惠君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)           藤原 朋子君
   法務委員会専門員     齋藤 育子君
    —————————————
委員の異動
五月二十四日
 辞任         補欠選任
  岸本 周平君     森田 俊和君
同日
 辞任         補欠選任
  森田 俊和君     岸本 周平君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)
     ————◇—————
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葉梨康弘#1
○葉梨委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、民法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官田中勝也君、法務省民事局長小野瀬厚君、法務省刑事局長小山太士君、出入国在留管理庁長官佐々木聖子君、外務省大臣官房審議官岡野正敬君、文部科学省大臣官房審議官矢野和彦君、厚生労働省大臣官房審議官本多則惠君及び厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長藤原朋子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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葉梨康弘#2
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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葉梨康弘#3
○葉梨委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局刑事局長安東章君及び家庭局長手嶋あさみ君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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葉梨康弘#4
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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葉梨康弘#5
○葉梨委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤野保史君。
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藤野保史#6
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 先日、二十二日の参考人質疑というのは、大変、私自身、認識が深まりました。その際、複数の参考人から、児童養護施設等の処遇の改善も必要という意見をいただきました。法案に入る前に、この問題についてお聞きをしたいと思います。とりわけ、実態の把握という点で幾つかお聞きをしたいと思っております。
 まず、外国人の子供の実態把握についてお聞きをしたいと思っております。
 配付資料の一を見ていただきたいんですけれども、これは、東京都の児童相談所が調査をされている、調査といいますか報告されている実態概要というものの二〇一八年度版であります。
 児童又は親の少なくとも一人が外国人である相談を外国人ケースとして集計をしているわけですけれども、それによりますと、これを見ていただきますと、養護相談というものが、この棒グラフなんですけれども、やはりこの間、二〇一三年から二〇一七年の間にほぼ倍になってきているということであります。二〇一三年は六百十四件だったんですけれども、二〇一七年度は千二百四十四件ということでありまして、こうした実態を東京都は把握をしているわけです。
 厚労省にお聞きしたいんですが、やはり、全国的には、こうした社会的養護を必要とする外国人の子供の実態というのは把握されているんでしょうか。
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藤原朋子#7
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 児童養護施設に入所している外国にルーツを持つ子供の人数につきましては、全国的には、私ども把握はしてございません。
 外国にルーツを持つ子供を含めて、子供の個別のニーズに対応するということは重要であると考えておりまして、厚生労働省といたしましては、個別の対応が必要な子供への対応を行う職員ですとか、あるいは心理的、医療的なケアが必要な子供に対する専門的ケアを実施する心理担当職員や看護師の配置の加算など、こういったことで配置を促進しておりまして、個別的な対応が必要な子供に対して適切な対応ができるように、必要な支援に取り組んでいるところでございます。
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藤野保史#8
○藤野委員 後半の方は後でまた聞く予定なんですが、まずは、実態は把握されていないということであります。
 配付資料の二、裏を見ていただきますと、これは全体の個別の中身がわかる資料なんですが、二十九年度、二〇一七年度でいいますと、全体は千七百四十四件なんですけれども、このうち施設入所というのは七十九名で、傾向としては大体八十数名とか七十数名ということで、施設入所自体は、こういう規模で一応推移しております。
 ただ、右側の方に行くと、助言というものが、例えば、二十五年度は六百十一件だったのが、二十九年度、二〇一七年度は千三百八件ということで、やはり相談がふえているということが中身としてはわかると思うんです。
 そのうち、やはり養護相談というのが非常に多いわけですけれども、これはちょっとこのページには載っていないんですが、この養護相談のうち、二〇一七年、千二百四十四件なんですが、このうち、被虐待、要するに虐待を受けているというものが千二十六件、東京の調査ではある。ですから、相談のうち、虐待にかかわるものが八二%なんですね。
 これは東京の事例ではありますけれども、やはり外国人の子供にとっても、虐待の問題というのが深刻なんじゃないだろうかということをうかがわせる調査だというふうに思っております。
 厚労省にお聞きしたいんですが、今後、今はされていないということなんですが、やはり虐待の問題についても、外国人の子供というのが深刻な可能性があるわけですから、個別の対応とおっしゃいましたけれども、前提として、国としてもこうした調査を行うべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
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藤原朋子#9
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の点でございますが、厚生労働省といたしましては、児童養護施設等においても、できる限り家庭的な環境となるように、小規模かつ地域分散化を進めているということでございます。こうした取組を進める上で、施設に入所している子供の実態を把握することも重要であるというふうに考えております。
 ですので、外国にルーツを持つ入所中の子供についても、把握の必要性ですとか、どのような方法があり得るのかなどにつきまして、検討はしていきたいというふうに考えております。
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藤野保史#10
○藤野委員 ぜひこれはやっていただきたいというふうに思います。
 中日新聞のことしの四月一日の報道では、中日新聞は調査をされたんですね。全国ではなくて、中部地方を中心とした九県、愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀、石川、富山の百四の児童養護施設についてアンケート調査をされていまして、このうち九十四施設から回答があった。その回答によりますと、外国籍かあるいは無国籍かという子供が八十七人入所していたことがわかったということなんですね。これは、九十四施設の入所者全体の二・四%だということであります。
 ただ、これは報道だけでは、数はわかるんですけれども、国籍もわかるんですが、何で入所をされたのかということがよくわからない、うかがい知れないということで、あるいは相談のこととか、東京の調査などでわかっている中身まではなかなか伝わってこないという面もありまして、やはり、こうした実態をつかんでいく必要がある。
 この調査によりますと、施設の側としては、通訳の力をかりたいという要求がかなりあるそうであります。当然だと思うんですね。子供ですから、そもそも言葉にできにくいということもありますし、さらに、話を聞こうと思ったらば通訳が必要だということでありますので、ぜひ、こうした要望も上がっておりますので、厚労省としては、実態把握、そしてそれに基づいた対策というのをやっていただきたいと思っております。
 法務大臣にもちょっとお聞きしたいんですが、やはりこれは、現状でも急増している、東京の調査ではありますが、ふえております。今後、更に大臣のもとで外国人の受入れが拡大していくということでありますから、政府全体としても、こうした外国人の子供のやはり社会的養護の必要性の実態等を把握していく必要があるというふうに思います。どのようにお考えでしょうか。
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山下貴司#11
○山下国務大臣 社会の国際化が進展する中で、我が国に居住する外国人が更に増加し、議員御指摘のとおり、社会的養護を必要とする外国人の子供が増加していくことも予想されているところでございます。
 社会的養護を必要とする者を含め、誰一人取り残されることがない社会を実現することというのは、政府としても重要な課題であると認識しておりまして、御指摘のような調査の必要性も含め、厚生労働省を始め関係府省庁と連携して検討してまいりたいと考えています。
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藤野保史#12
○藤野委員 その上で、厚労省に重ねてちょっとお聞きしたいんですが、参考人から、今厚労省が進めている小規模化との関係で、小規模化はそれ自体必要なんですけれども、しかし、例えばですが、影山参考人は、小規模化すれば当然のことながら職員の人数も少なくなる、大きな施設であれば何十人という職員で、場合によってはみんなでバックアップしてやっていけるのが、小規模化することによって少ない人数で対応しなきゃいけない、ましてや経験年数が非常に短いということで、より困難になってまた職員がやめていく、こういう悪循環に陥っている、そういうところもあるという指摘がございました。
 厚労省としては、先ほどちょっとお触れになりましたけれども、この点について、職員の経験不足の問題も含めて、悪循環という指摘、これはどのように改善していこうとされているのか、御答弁ください。
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藤原朋子#13
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 児童養護施設等の施設の小規模化についてのお尋ねでございました。
 施設の小規模化につきましては、個別の対応が必要な子供への対応を適切に行うという観点から重要な政策課題であるというふうに考えておりまして、そのため、施設の職員の配置等につきましても充実を図ってきているところでございます。
 例えばでございますけれども、個別の対応が必要な子供への対応を行う職員の配置ですとか、それから、やはり、子供の障害がある場合、あるいは医療的なケアが必要な場合ということもふえておりますので、心理的、医療的なケアが必要な子供に対する専門的なケアを実施する心理療法担当職員や看護師を配置する場合の加算の措置、それから、小規模な施設につきましては、今年度、プラス一人、常勤で加配をするというような予算についても確保しているところでございます。
 また、今年度中に、都道府県におきましては社会的養育の推進計画を策定をいただくということにしておりますので、各都道府県におきまして、そういった施設での取組ですとか県での支援体制、こういったことについても計画を定めていただくというふうにしておりますので、こういったことを、全体として取組が進むように厚労省でも支援を進めていきたいというふうに考えてございます。
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藤野保史#14
○藤野委員 配置の問題がございました。ぜひ進めていただきたいんですが、同時に、影山参考人は、配置してもなかなか定着しないという話もありまして、二、三年でやめてしまう実態もあるという指摘もありましたので、やはり待遇改善という要望もありました。ですから、そういうことも含めて、あるいは研修等もあると思います、ぜひ検討いただきたいと思います。
 あわせて、伊藤参考人からは、児童養護施設なんですけれども、やはり地方公共団体の施設になっているということで、別の県との関係で連携がなかなか難しいという指摘もされておりました。事案によっては親との距離をとらせたいということがあるんだけれども、なかなか神奈川から別の県へということが実務の上では難しいというふうに伊藤参考人はおっしゃっておりました。
 そういう点で、こうした都道府県の間の児童相談所間の連携ということについては何か検討されているんでしょうか。
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藤原朋子#15
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 都道府県間の移動などに伴うお子さんの支援について、切れ目なく行っていくということが非常に重要であるというふうに考えております。
 児童虐待の事例におきましても、例えば県間を移動するような転居のケース、その間に支援が切れないようにということは非常に重要な観点だと思っておりまして、児童相談所間での連携ということと、特に、事案についてきっちりと引継ぎを行っていくというふうなことを、現在、児童相談所等に対して周知、指導を行っているところでございます。
 こういったことをしっかり取組を進めていくことによりまして、事案について、転居等で移動した場合にも支援が切れ目なく行われること、また、入所措置をする場合にも、やはり県の中だけで対応できるケースばかりではありませんので、この場合、例えば、ある県の児相から別の県の児相に対して協力依頼をするようなこともございます。こういったことも、切れ目がないようにしっかりと指導をしていきたいというふうに考えております。
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藤野保史#16
○藤野委員 入所以前の一時保護の段階でそうしたことが必要ではないかというのが伊藤参考人の指摘でしたので、そこも踏まえて対応いただきたいと思います。
 次に、法案についてお聞きしたいと思うんですが、法案では、十五歳に達している場合には、特別養子縁組の成立に当たってその者の同意が必要だということであります。一昨日の参考人質疑の中でも、じゃ、十五歳未満の場合はどうやってその意思を確認していくのか、尊重していくのかということがかなり議論になったと思っております。
 大村参考人からは印象的な発言がありまして、十五歳未満については手続の方で従来も対応しているということで、そちらに委ねるという説明をいただいたんですね。グラデーションがあるんだろうという表現もありました。聞き方も年齢に応じてさまざまな工夫が必要だろうということを審議会の場では確認しているということであったんです。
 しかし、十五歳未満というのは手続の方で従来も対応しているという話なんですが、従来はほとんどが乳幼児であって、今回のように大きく引き上げていくという場合には、やはりなかなか、従来の発想や方法というのがどこまで対応していくのか。しかも、グラデーションがあるというんですね。
 これをどのように法務省として、あるいは厚労省として検討しているのか、ちょっとお聞きしたいと思っております。
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小野瀬厚#17
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 今委員御指摘のとおり、養子となる者が十五歳未満の者である場合でありましても、家事事件手続法の第六十五条の規定によりまして、家庭裁判所が特別養子縁組の成立の審判をするに当たっては、養子となる者の意思を把握するように努め、その者の意思を考慮しなければならないこととされております。
 家庭裁判所におきましては、実際にも家庭裁判所調査官による調査等の適切な方法によって子供の意思を把握するように努めておりまして、審判をするに当たっては、子供の年齢や発達の程度に応じて、その意思を適切に考慮しているものと承知しております。
 子供の意思の把握でございますが、年齢、発達の程度に応じて適切な方法で行うことになりますけれども、家庭裁判所調査官が養子となる者と面接したり、家庭を訪問して養子となる者の様子を観察し、養親となる者との適合状況を分析したりすることにより、子供の意思を把握していることが多いものと承知しております。
 御指摘のとおり、今後、養子となるべき者の年齢の上限が引き上げられますけれども、これまでのこういった家庭裁判所調査官における意思の把握等々、そういった経験、知見を活用して、今後も適切に意思の把握がされていくものだというふうに承知しております。
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藤野保史#18
○藤野委員 今お話がありましたように、やはり家庭裁判所の調査官というのが非常に大事な役割を担ってくると思っております。
 とりわけ、現場の調査官、現役の調査官の方にもお話を聞いたんですが、非常にその方が心配されていたのは、告知、つまり、いろいろなケースがあると思うんですけれども、子供の意思を尊重しつつ、どの段階で告知をしていくのか、これを大変気にされていらっしゃいました。
 子供にとっては、小さい場合は実の親だとずっと思っている場合もあるわけでありまして、そうしたケースもあれば、そうでないケースもあるということで、逆に、親にとっても、子供との間に血縁関係が知られたくないというケースもあって、この意向調査を拒むことも予想されるというお話もお聞きしました。
 ですから、この告知について、とりわけ申立人の、親に理解してもらうということも含めてなんですが、とりわけ告知についてはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
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小野瀬厚#19
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 特別養子縁組の養親が養子に対して縁組の事実を知らせる真実告知でございますが、養親からもし知らされないで、養子がみずからその事実を知った場合ですとか、あるいは第三者から真実を知らされた場合などに養子が受ける精神的衝撃を未然に防止して、養子の心理的安定を確保するために必要とされているものと承知しておりまして、養親がこれを行う場合にも、養子の精神面に与える影響等を考慮して慎重に行うべきものであると承知しております。養親はみずからそういったことを自覚された上でこれを実施すべきであって、その実施時期につきましても、基本的には養親自身が適切な時期を選んで行うのが相当であると考えられます。
 そこで、養親には、事前に、その告知の重要性ですとか、あるいはこれを行う場合の注意点等について十分に理解をしていただく必要があると考えておりまして、厚生労働省の児童相談所運営指針ですとか民間あっせん機関が適切に養子縁組のあっせんに係る業務を行うための指針におきましても、児童相談所や民間あっせん団体は告知に関する支援をすべきこととされているものと承知しております。
 法務省といたしましては、今回の改正案が成立した後は、その見直しの内容はもちろんのこと、特別養子制度自体についても、養親となられる方などに対して十分に周知する必要があると考えておりまして、関係諸機関とも協力しつつ、効果的な周知活動のあり方について検討してまいりたいと考えております。
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藤野保史#20
○藤野委員 調査官の方も心配されていましたけれども、やはり事前のそういう周知しかないんですよね、事前の。やはり事後、皆さんも、参考人もおっしゃっていましたけれども、特別養子縁組だからもう支援はないよということではなくて、成立後も、この告知の問題というのは非常に大きなウエートを占めますし、それ以外にもあるんですが、やはり成立後もしっかりとサポートしていくということがどうしても必要になるというふうに思っております。その点についてもぜひ検討いただきたいと強く求めたいと思います。
 その上で、これは伊藤参考人からありましたけれども、子供の手続代理人ということについてお聞きしたいんです。
 ちょっと時間の関係で、これについて、この間、二〇一三年以降、大体九十七件ぐらいしか使われていないということなんです。弁護士会による助成制度もあるとは聞いているんですけれども、それがどれぐらい利用されているかという実態はよくわからないというふうに聞いております。
 参考人の話では、要するに、夫婦が争って、親権を争っているような場合は、父親は弁護士を立てるし母親も弁護士を立てるんだけれども、肝心の子供が、その間で、激烈な間で声を代弁できる人がなかなかいないという指摘でありました。子供の手続代理人というのはそういうための制度なんですが、実際にはどういう場合につくかというと、対立しているお父さんとお母さんが合意しているとか、あるいは対立しているお父さんとお母さんが費用を出してくれる場合でなければなかなかつかないということであります。
 これは、伊藤参考人も言っていましたけれども、国として、やはり子供のために弁護士さんをちゃんとつけるために何らかの改善をしてほしいという要望でありました。大臣、これはもっともだと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
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小野瀬厚#21
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 子供の手続代理人についての問題でございますけれども、手続代理人が選任された場合には、裁判所の定める相当額の報酬を手続代理人に支払わなければならないとなっておりますけれども、子に支払う能力がない場合には、手続上の救助の制度によりまして、手続代理人に対する報酬の支払いの猶予を受けることができることとされておりまして、また、この費用につきましては、家庭裁判所の判断によって両親に対して負担させることも可能でございます。
 御指摘のように、子供の手続代理人の費用負担について、さまざまな考え方があろうかと思います。例えば、公費で負担するという考え方につきましては、これは私人間の紛争の処理のために要する費用を公費で賄うことについて国民の理解、納得を得られるかなどの問題がありますことから、慎重に検討する必要があるものと考えておりますが、いずれにしましても、家事事件の手続において、みずから事件に関与することを希望する子の手続保障が図られることは重要でありまして、そのためには子供の手続代理人の制度のより一層の活用が望ましいと考えられますことから、引き続き、関係機関と連携しつつ、実務の運用状況を注視してまいりたいと考えております。
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山下貴司#22
○山下国務大臣 今局長から御説明いたしましたけれども、私人間の紛争の処理のために要する費用を公費で賄うということでございますので、まず国民の理解、納得が得られるかという問題もございますけれども、関係機関と連携しつつ、実務の運用状況を注視した上で、更に検討していきたいと考えております。
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藤野保史#23
○藤野委員 これはぜひ前向きに検討いただきたいというふうに思っております。
 次に、いわゆる、先ほどもお話がありましたけれども、家裁の役割、とりわけ調査官の役割というのが大変重要になってきているというふうに思っております。
 今回、今法案だけではなくて、この法案でいえば、それほど特別養子縁組が爆発的にふえるかどうかは、これはまだわかりません。ただ、これ以外にも、この間、家事事件手続法の改正や児童福祉法の改正、今まさに別委員会でやっておりますけれども、児童虐待防止法、これも改正される見込みですし、当委員会でも、つい先日も、子の引渡しに関する民事執行法改正も行われました。ですから、子供の最善の利益という観点での法改正というのは、この間、連続しているというふうに思うんですね。
 ですから、それに伴って家裁やあるいは家裁調査官の果たすべき役割というのも非常に大きく広がっているというふうに思っております。逆に言いますと、家裁や家裁調査官の役割が発揮されなければ子供たちの利益が損なわれかねないという、そこにもはね返ってくる問題だと思うんですね。
 最高裁にお聞きしたいんですが、そういう意味で、やはり家裁調査官を始めとした人的体制の整備というのは必要だと思うんですが、増員を検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
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手嶋あさみ#24
○手嶋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 家裁調査官につきましては、その特色でもあります科学性や後見性を十分に発揮して的確な事件処理を図れるよう、事件動向や事件処理状況等も踏まえまして、必要な体制整備にこれまでも努めてきたところでございますが、具体的には、平成十二年度から平成二十一年度までの間に合計で七十三人の増員を行い、必要な体制整備を行ってきたところでございます。
 このような状況のもとで、家裁調査官の人的体制につきましては、家事事件、少年事件の動向やそれから事件処理状況に照らして検討してきているところでございますが、委員御指摘のとおり、今回の特別養子制度の事件処理において家裁調査官が担う役割等、こうしたことの重要性等も踏まえまして、必要な人的体制の整備に引き続き努めてまいりたいというふうに考えております。
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藤野保史#25
○藤野委員 いやいや、それはちょっとおかしいと思うんですね。今、平成十二年から二十一年までで七十三人ふえたと言いましたが、それから十年間、何といいますか、平成二十一年まではふやした、そこでふやして最後なんですね、そこからずっとふえていないわけですよ。その間、家事事件については非常にふえておりますし、虐待については急増しているという状況であります。
 今申し上げたように、この間、国会自身が法改正で子供の利益ということに関する法律を何度もつくってきているもとで、家裁調査官の役割がふえているというふうに思うんですが、最高裁には家裁調査官の役割がふえているという認識はあるんですか。
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手嶋あさみ#26
○手嶋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 家裁の役割それから家裁調査官の調査の重要性、そうしたものがますます重要になってきているということは、委員御指摘のとおりかというふうに存じます。
 そのような認識も踏まえまして、事件の動向、事件処理状況等に照らしまして、引き続き必要な体制整備を図ってまいりたいと思います。
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藤野保史#27
○藤野委員 いや、もう動向は明らかじゃないですか。この間ずっとふえてきているから、我々は、国会としては法的に対応しているわけであります。だから、こうやって議論もされているわけですね。
 もう動向ははっきり言って明らかであります。にもかかわらず、二〇〇九年、平成でいえば二十一年以降、家裁調査官は一人もふえていないわけですよ。増員がないわけです。これは余りにも実態とかけ離れているし、我々が法律をつくっても、それをしっかりと運用してもらう調査官がいなければ、結局は子供の利益が図れないわけですから、これはやはりかじを切っていただく必要がある、このことを強く求めたいと思います。
 最後に、大臣にもお伺いしたいんですが、やはり、今回の法案というのは運用が非常に、新たな領域といいますか、難しい領域だというふうに思います。
 大村参考人は、先日の陳述でこう述べられました。家族法の改正というのは意見が対立することが多く、立案はなかなか難しいのですけれども、今回はとりわけ立場の違いが大きく、取りまとめは難航したというふうに理解しております、さまざまな機会に表明されました懸念に対して十分な配慮を行い、制度が適切に運用されることを期待しておりますというふうに。私も期待はするんですが、しかし、やはり難しい問題ですから、不断の見直しも必要だと思います。
 大臣にお聞きしたいんですが、やはり、仮にですけれども、これが成立しましたらば、その後の施行状況をしっかり見ながら、適切な時期に見直しも必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
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山下貴司#28
○山下国務大臣 先日の参考人質疑において大村敦志参考人も述べておられましたとおり、今回の改正は、特別養子制度に関する喫緊の課題について見直しを行うものでございます。
 法制審議会の議論においても、養子制度に関しましては検討すべき課題が残されているとの指摘がされたということも承知しております。
 委員御指摘のとおり、本法律案が成立し、施行された場合には、まずは改正後の特別養子制度の運用状況を注視してまいりたいと考えておりますが、養子制度のあり方については、特別養子制度も含め、必要に応じて引き続き検討してまいりたいと考えております。
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藤野保史#29
○藤野委員 終わりますが、家裁調査官の増員については重ねて強く求めて、質問を終わります。
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