外務委員会

2019-11-06 衆議院 全249発言

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会議録情報#0
令和元年十一月六日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 松本 剛明君
   理事 岩屋  毅君 理事 木原 誠二君
   理事 鈴木 憲和君 理事 中山 泰秀君
   理事 山田 賢司君 理事 下条 みつ君
   理事 山内 康一君 理事 竹内  譲君
      小野寺五典君    尾身 朝子君
      城内  実君    黄川田仁志君
      小寺 裕雄君    新藤 義孝君
      杉田 水脈君    鈴木 隼人君
      武井 俊輔君    中曽根康隆君
      中谷 真一君    中山 展宏君
      宮路 拓馬君    岡田 克也君
      岡本あき子君    川内 博史君
      玄葉光一郎君    後藤 祐一君
      櫻井  周君    高木錬太郎君
      堀越 啓仁君    森山 浩行君
      岡本 三成君    穀田 恵二君
      杉本 和巳君    井上 一徳君
    …………………………………
   外務大臣         茂木 敏充君
   経済産業副大臣      松本 洋平君
   防衛副大臣       山本ともひろ君
   外務大臣政務官      尾身 朝子君
   外務大臣政務官      中谷 真一君
   外務大臣政務官      中山 展宏君
   財務大臣政務官      井上 貴博君
   農林水産大臣政務官    藤木 眞也君
   政府参考人
   (内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官)  澁谷 和久君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 御巫 智洋君
   政府参考人
   (外務省経済局長)    山上 信吾君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 山名 規雄君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         浅川 京子君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房国際部長)          水野 政義君
   政府参考人
   (農林水産省生産局畜産部長)           渡邊  毅君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           渡邉 洋一君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局次長) 石川  武君
   参考人
   (独立行政法人農畜産業振興機構理事長)      佐藤 一雄君
   外務委員会専門員     小林 扶次君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月六日
 辞任         補欠選任
  鈴木 貴子君     宮路 拓馬君
  中谷 真一君     小寺 裕雄君
  阿久津幸彦君     岡本あき子君
  小熊 慎司君     後藤 祐一君
  森山 浩行君     川内 博史君
同日
 辞任         補欠選任
  小寺 裕雄君     中谷 真一君
  宮路 拓馬君     鈴木 貴子君
  岡本あき子君     堀越 啓仁君
  川内 博史君     森山 浩行君
  後藤 祐一君     小熊 慎司君
同日
 辞任         補欠選任
  堀越 啓仁君     櫻井  周君
同日
 辞任         補欠選任
  櫻井  周君     高木錬太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  高木錬太郎君     阿久津幸彦君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
 デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
     ――――◇―――――
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松本剛明#1
○松本委員長 これより会議を開きます。
 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両件審査のため、本日、参考人として独立行政法人農畜産業振興機構理事長佐藤一雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として外務省大臣官房参事官御巫智洋君、経済局長山上信吾君、内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官澁谷和久君、財務省大臣官房審議官山名規雄君、農林水産省大臣官房総括審議官浅川京子君、大臣官房国際部長水野政義君、生産局畜産部長渡邊毅君、経済産業省大臣官房審議官渡邉洋一君、防衛省防衛政策局次長石川武君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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松本剛明#2
○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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松本剛明#3
○松本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。岡本三成君。
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岡本三成#4
○岡本(三)委員 皆様、おはようございます。公明党、岡本三成です。
 質疑の時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。
 本日、日米貿易協定について質問をさせていただきます。
 本日いただいた時間の中で、大きく、手段と目的という問題意識を持って質問をさせていただきたいと思います。なぜならば、この手の協定がよく議題に上がるときに、本来、目的は、その協定を活用して、企業であったり個人であったり、ビジネスがより拡大をする、前に進むということが目的であるにもかかわらず、手段が目的化をして、細かい、どうでもいいようなことばかり議論されていることがたまにあったりするような気がいたしますので、今回の貿易の協定の目的、この協定を活用しながら、日本でビジネスをしていらっしゃる方が世界に向けてどのように前進できるのかというところに問題意識を持ちながら、質問をさせていただきたいと思います。
 その上で、今回の最大の懸案は、対米に対して、輸出、この全体の三分の一を占めます自動車の輸入制限措置をどのようにしていくかということが一つと、もう一つは米の問題であったというふうに理解をしていますけれども、この自動車の輸入制限の措置が回避をされていること、そして、米の交渉が交渉の中から除外されたという点で大きな成果があったと私は思っています。
 その上で一つ目に質問させていただきたいんですが、今回の日米貿易協定というのは、いずれ、どのタイミングかはわかりませんけれども、アメリカをTPPの中にいま一度入ってもらうようなことを本気で諦めずに、その手段、一里塚として日米協定があったと私は信じておりますし、そういうふうに政府にも理解をいただいているというふうに思います。
 今回の貿易協定の中身が農産品や自動車など、その項目がいわゆるTPPの枠の中から外れていない。であるがゆえに、トランプ政権かその次の政権かわかりませんけれども、やはりマルチの中で日本が戦っていく方が日本の貿易環境が前進できると信じておりますので、今なお、笑い事でも何でもなくて、本気で米国をTPPに引き戻す決意の一里塚として今回の貿易協定を結ばれたということが、そういう私の認識が正しいかどうかをまず初めにお伺いしたいと思います。
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茂木敏充#5
○茂木国務大臣 この日米の貿易協定を振り返ってみますと、昨年の四月、マーラ・ラゴでの日米首脳会談におきまして、私とライトハイザー通商代表、この間で、当時はFFRと呼んでおりましたが、この議論を始めるということで、昨年の九月二十六日に、日米共同声明によりまして、今回の交渉、スタートをすることになったわけであります。
 さらには、本年の四月から本格的な交渉、これが行われまして、九月二十五日に最終合意、そして十月の七日に署名、こういうことに至っているわけでありますけれども、この間一貫して我が国として、米国にとっても、TPPに復帰する、このことが最善であるということは何度も米側の方に説明をしてきているところであります。
 その上で、今回の協定をごらんいただきますと、日本の農産品については、岡本委員の方から御指摘のありました米、これはこれまでさまざまな通商交渉で一番大きな焦点となってきた、この米については加工品も含めて全く譲許していない、完全に例外にしている。さらには、林産品、水産品、そしてTPPワイド関税割当て対象の三十三品目、多くの品目で全く譲許を行っていないわけであります。
 さらには、投資、サービス、ルール等につきましては、デジタル貿易ルール、これは日米デジタル貿易協定、こういった形で今回合意しておりますが、このデジタル貿易ルール以外は今回の合意には含まれていないわけであります。
 ということは、米国にとってみますと、TPP12の際に得られていた内容で本協定では得られないものが残っているわけでありまして、米国がTPPに戻るインセンティブ、これがなくなったとは言えない、このように考えております。
 TPPの、ハイスタンダードでバランスのとれた二十一世紀型の新たな共通ルールを世界に広めていく、これは国際経済社会の安定と繁栄に大きな意義があると考えております。
 そうした観点から、我が国としては、米国を含めできるだけ多くの国、地域がTPPに参加する、こういったことを期待したいと思っております。
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岡本三成#6
○岡本(三)委員 安心いたしました。
 米国から見るとまだTPPに参加するインセンティブが将来にわたってあるということをちゃんと認識された上で、マルチな世界をつくっていくということにコミットされているという答弁だと受けとめました。
 続きまして、自動車及びその他の部品の関税撤廃について、実はそれが先送りをされて、即時撤廃も示されなかったということを、一部のマスコミの皆さんや一部の議員の皆さんも批判されている声をたまに聞くことがあります。
 ただ、周りがどう言おうと、その当事者である自動車工業会の皆さんは今回の交渉を大変評価されています。そういうことを申し上げると、いやいや、オンでは評価しているけれども、本当は一つ一つの会社は大変残念に思っているんだという声も聞くので、それぞれの主要な会社の、社長ではありませんが、重役以上の方に私はお話を伺いましたけれども、大変に評価されています。
 なぜならば、ワーストシナリオ、最悪のシナリオ、やはり数量規制、又はこれに絡めて為替の規制まで手をつけられるリスクがあるのではないかと思っていたところ、今回、実際には今までどおりの条件で商売をしていいということを提示されたわけでありまして、個別の皆さんがオフでも大変評価されていた。であるがゆえに、一部の方がどう言おうと、当事者に関しては大変ハッピーであるということを確認をいたしました。
 その上で、今回のこの英文の文言、よくマスコミの方が、これは先送りをされて今後どうなるかわからない、もしかしたら関税も引き上げられるんじゃないか、逆方向へ行くんじゃないかというようなことを言われることがありますけれども、ちょっと英文の確認をしたいんですね。
 よくマスコミの方、一部の議員の方が言われる訳とは私は思えなくて、この英文、もちろん、議論があったときには、英文に協定は戻っていきます。英文の中には、「カスタムズ デューティーズ オン オートモービル アンド オート パーツ ウイル ビー サブジェクト ツー ファーザー ネゴシエーションズ ウイズ リスペクト ツー ザ エリミネーション オブ カスタムズ デューティーズ」、「ウイズ リスペクト ツー」と書いてあるんですね。
 もしこれがなければ、ウイズ リスペクト ツー ザ エリミネーションがなければ、将来どうなるかわからないけれども、とりあえずまた議論しましょうということなんだというふうに私の英語力では読めるんですが、ウイズ リスペクト ツー ザ エリミネーションというのは、将来関税撤廃するということについて議論しましょうねという英文だと思うんですけれども、これ、確認させてください。
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澁谷和久#7
○澁谷政府参考人 おはようございます。
 先生御指摘になった条文は米国側の附属書に書いているところでございまして、日本語の訳としては、自動車及び自動車部品の関税については、関税の撤廃に関して更に交渉する、先生のおっしゃるとおりだと理解しております。
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岡本三成#8
○岡本(三)委員 たまにマスコミの方で誤訳をされている方がいますが、これは、一生何もやらないとか、また関税がふえるんじゃないかとかということじゃなくて、なくすことを議論していくということだということを確認させていただきました。
 次に、ちょっとトピックがかわりまして、今回の関税撤廃率、日本は、日本側八四%、米国側九二%とされていますけれども、今までそうは言いましたけれども、これは単なる将来の約束を自動車分で含めてしまっていて、実質的には米国側は六〇%ぐらいなんだと思うんですけれども、こういうところで将来の約束分も込み込みで言ってしまっているがゆえに、これだけ頑張っているのに、何か隠しているんじゃないかとか、本気でやっているのかと思われちゃうんだと思うんですね。
 これは、自動車部門を除くと本当は何%か。いやいや、それは将来なくなりますからみたいなふわふわした答えじゃなくて、本当は今の時点で何%なのか教えてください。
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澁谷和久#9
○澁谷政府参考人 今回の協定では、自動車と自動車部品について、単なる交渉の継続ではなく、さらなる交渉による関税撤廃というのを明記したところでございます。
 合意内容そのものがそのようになっているところでございますので、自動車及び自動車部品を除くという形、これは合意内容に反するところでございますし、今後のアメリカとの交渉にも影響を与えますので、差し控えさせていただきたいと思います。
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岡本三成#10
○岡本(三)委員 言えないことはあると思うんですが、これだけ澁谷さんを始めとして頑張っていらっしゃるのに、残念ながら、そんな答えをするから残念に思われちゃうんですよ。もう皆さんの御尽力、御苦労、本当によくわかっているのに、これ、本当に……ヤジ
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松本剛明#11
○松本委員長 御静粛に願います。
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岡本三成#12
○岡本(三)委員 政治の責任だと思うんです。大臣や政務の皆さんが澁谷さんに、もうちょっと言っていいよというふうにアドバイスしてあげないと、本当にかわいそうだと思うんですよ。
 よく言われているように、ガットの目標はもっと高いところにあります。現実、皆さんが発表されている日本側八四%、米国側九二%というのは、アズ・オブ・トゥデーの、今はまだ発効されていませんけれども、実際に始まったそのタイミングではないわけで、これはもうちょっとちゃんと事実を伝えられるような体制にぜひ今後はしていただきたいと思います。
 今後の交渉において、それでもこの今皆さんが公に発表されている日本側八四%、米国側九二%となるように撤廃を実現化されていくということを決意されていると思うんですけれども、この数字が将来うそじゃなかったというふうに言われるように、この撤廃について、実現に向ける決意をお伺いしたいと思います。
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茂木敏充#13
○茂木国務大臣 TPP12、TPP11を始め、さまざまな過去の経済連携協定におきまして、品目によってはかなり長いステージングで関税の撤廃、削減が行われている品目はあるわけであります。例えば、一時点をとって一年後に全部なくなっているかというと、そういうことではない、この点についてよく御理解いただいていると思うんですね。
 それで、今回の協定における自動車そして自動車部品の関税の削減のスキームがどうなっていくか、これは、協定の本文と、それから御指摘いただいている附属書、これを両方見ていただいて、正しく解釈していただくということが必要だと思っておりまして、まず、本協定におきましては、協定の本文の方の第五条の1におきまして、「各締約国は、」「附属書1又は附属書2の規定に従って、市場アクセスを改善する。」と、両締約国、ここでは日本とアメリカということになるわけですが、この両締約国の義務を規定した上で、それぞれの締約国の附属書において市場アクセスの具体的な改善の仕方を記載をする、こういう形態をとっております。
 では、そこの中で、具体的な規定の仕方がどうなっているかということでありますが、米国の附属書、これには、自動車・自動車部品について、関税の撤廃に関して更に交渉すると書かれているわけでありまして、これが、米国が第五条の1の規定に基づいて市場アクセスの改善を行う具体的なやり方となる、つまり、関税の撤廃に関して更に交渉する、関税の撤廃が前提となった交渉が行われるというのが米国のやり方ということになるわけであります。
 こういった形で、自動車・自動車部品については、関税撤廃がなされることを前提に、市場アクセスの改善策として、その具体的な撤廃の時期等について今後交渉が行われる。
 TPP12においても、自動車二十五年、トラック三十年、かなり長いステージングでありまして、今回はその短縮も含めてしっかり交渉していきたいと思っております。
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岡本三成#14
○岡本(三)委員 ありがとうございます。大臣のおっしゃったことは、よく理解いたします。
 その上で、それであれば、何年後にどう撤廃するというふうに決めているのもあるので、エクセル一つあればできますから、何年には撤廃率は何%、その次の年は何%、将来ゼロになるときがどこかわからないけれども、ゼロになったときには何%で、ちなみに今は、将来どこかで撤廃を約束していますけれども、今はそれが始まっていませんので、発効の一年目は何%と、やはりファクトを示すべきだと思います。それを見ながら、更に政府にどのような交渉をしたいかということを立法府として応援させていただきたいと思いますので、今後、そのような明示の仕方も真剣に御検討いただきたいと思います。
 ちょっと目線を変えまして、初めに申し上げたように、今回の協定を手段として、その目的である、協定を活用しながらさまざまな方のビジネスを後押ししたいということを質問させていただきたいと思います。
 全体でいうと、今回のこの協定が発効すれば実質GDPが〇・八%押し上げられるというふうに政府の試算があります。これ、今でいうと約四兆円です。二十八万人の雇用の創出効果もあると分析をされていますので、ぜひそれ以上の効果があるように取り組んでいただきたいんですが、これは別に自動車会社ばかりを応援しているわけではないんですね。自動車は大切です。一台つくるのに、大手の自動車メーカーでも下請を数百社つくっていますので、労働波及効果は大きいんですけれども、中小企業をどのように支援していくかということを、この手段を使ってその目的の実現を本気で考えていただきたいと思うんですね。
 これは別に今回の日米貿易協定だけではなくて、TPP11も日・EUのEPAも一緒なんですけれども、日本は、自動車が大きいですから、輸出の金額でいいますと、世界第四位です。これはGDPも大きいです。けれども、生産性と考えると、生産性はGDPパーキャピタ、一人頭ですので、輸出総額でいうと世界第四位の日本が一人頭の輸出金額でいうと第何位か、皆さん御存じでしょうか。第四十四位です。
 一部の自動車会社や大手の家電等が輸出しているので、その分で数字は大きいんですが、多くの方が輸出というのをビジネスの戦略の中に入れていらっしゃるかというと、決してそうではないんですね。日本に法人は四百二十万社ありますが、その法人の中で売上げに輸出が立っているのは、何と法人数のたったの三%です。多くの方は忙しいので、輸出ということが選択肢にあることさえも考える時間がないんですね。
 けれども、例えば、埼玉県のある古着屋さん、日本の中で古着の売上げ、大変苦労していたんですが、それをベトナムに持っていった瞬間に日本の古着にプレミアムがついて、同じ取扱量なのに、売上利益は物すごいふえています。栃木県のとちおとめをつくっているイチゴの農業生産法人、国内で販売するのと同じだけ、量は一切ふえていないのに、香港に輸出した途端に一つの売り値が上がって、利益が大きく拡大しています。
 要は、今まで、まさかうちの商売が輸出なんかできるわけないなと思っていたところがたくさんある中で、世界には、それを付加価値として認めて、より高い値段で買ってくれるようなところがたくさんあるんですね。米国にもその他の国にもTPP11の国にもヨーロッパにも、ぜひ進めていただきたいんです。
 その上で、これは経産省にぜひお伺いしたいんですけれども、大手の会社であれば、そんな輸出戦略は自分で立てます。政府が考えるよりもよっぽどいい政策を考えるんですが、中小企業の方はそうじゃないんです。だから、ジェトロという組織を使って後押しをしようとしていただいていて、土俵はつくっているんですが、私は、土俵をつくるだけでいいのかと思うんですよ。
 今月の十一月一日には、国内最後のジェトロのオフィスが埼玉県にオープンしていただきましたけれども、ジェトロはすごく頑張っています。外務省も在外公館は頑張っていますが、何となく、末が、はい、つくりました、資料もあります、皆さんよかったら活用してくださいみたいなことになっている感じがしていて、もしかしたら、ジェトロの方から企業訪問等もして、いやいや、おたくのこの商品、今回こういう貿易協定でこうなりましたので、日本国内だけで売っているなんてもったいないですよ、アメリカも行けるしヨーロッパも行けるし、もっと世界に行きましょうよというふうに営業をかけてもいいぐらいだと思っているんですけれども、基本的なジェトロの戦略、今後、この貿易協定等を活用して更に中小企業の輸出支援をどのようにしていくかということをお伺いしたいと思います。
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松本洋平#15
○松本副大臣 経済産業省といたしましては、我が国の中堅・中小企業が、グローバルに広がる市場の中で、今回御審議をいただいております日米貿易協定に加えまして、TPP11、また、日・EU・EPA等を活用してビジネスチャンスを獲得できるよう支援しているところであります。
 具体的には、新輸出大国コンソーシアムにおいて、事業計画策定から商談成立に至るまで専門家によるきめ細かなサービスの実施、また、国内外の見本市、展示会への出展や商談会の開催に対する支援、海外の主要ECサイトに設置をいたしましたジャパン・モールを利用した日本産品の販売支援などに取り組んでいるところであります。
 実際に今委員がお示しをいただいたように、こうした制度を活用をいたしまして新たに海外に販路を求めているような、そうした中小企業も出ているところでありまして、今後も、関係省庁やジェトロなどの支援機関と連携をして全力で取り組んでまいりたいと思いますが、今委員からも御指摘がございましたように、待ちの姿勢ではなくて、政府としても、こうした手段を中小企業に示すなど、いろいろな工夫をしながら、更にそうした制度の活用を通じて、海外への中小企業の進出の支援というものをぜひ行ってまいりたいと思っております。
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岡本三成#16
○岡本(三)委員 同じことを外務省にもお伺いしたいんですが、その前に、副大臣、せっかくおいでいただいたのでもう一声いただきたいんですけれども、私は議員にしていただいて丸七年たちます。当然、副大臣も私も、いろいろな企業の訪問に行きます。企業の訪問に行ったときに、さすがにこれは海外とは関係ないだろうと思いながらも、常に、最後に社長さんにどう思いますかと聞きますと、私の肌感覚だと、ジェトロって何ですかというところが半分以上。ジェトロというのを知っていても、そのジェトロの機能を、名前を知らない人が半分以上ですよ、知っていても、何をやっているところですかと。
 要は、支援が、政府の支援なので当然プッシュ型になりづらいのはわかります。けれども、ここまでいっぱい土俵をつくっておいて、結局、頑張って、もうかったのは自動車会社でした。やってほしいですけれども、それ以外のところに。
 だって、実際に、農産品や酒や自転車や眼鏡とか書いてあるのに、多分、眼鏡会社に、これ、行きませんかというふうにジェトロの人が訪問して、又は連絡をして、さまざまなセミナーをやっているなんて聞いたことがないんですよね。いろいろなことを言うんです、いろいろなパーツとか商品とか言うんですが、自動車以外のところに本気で取り組んでいる気が全くしないんですけれども。責めているわけではなくて、ちょっと責めているんですけれども。
 副大臣、今後、物すごいコンテンツを持っているんですよ、しかも、ジェトロの方も怠けているわけじゃなくて、いやいや、こういうこともやってください、皆さんの守備範囲なんです、このセグメント、このインダストリーに対してセミナーをやって、全部インビテーションをかけてがんがんやってください、これは皆さんの守備範囲ですからねという御指導をいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
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松本洋平#17
○松本副大臣 海外に市場を求めるという観点において、中小企業等が持っているポテンシャルをしっかりと伸ばしていくことが大変重要だと思いますが、そのためには、やはり当事者である企業に、自分たちが持っている可能性をしっかりと知っていただくということが大変重要だと思います。
 一方で、そういう企業は、とはいいながらも、なかなか海外の事情であったりとか、また、それを日本政府がどのような形で支援をしているのかという手段を知らないがためにその機会というものを失っているということがあれば、それは我が国全体にとっても大変な不利益だと思っております。
 どういう形でそうしたことをより当事者である企業に知ってもらえるかどうか、この点に関しましては、これからしっかりと検討を改めてさせていただきたいと思っておりますが、今の委員のお言葉というものもしっかりと受けとめて、我々としても、どのような方策をとれるのか、これから考えてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
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岡本三成#18
○岡本(三)委員 ありがとうございます。
 何でそこまでしつこく申し上げたかというと、私、中小企業庁に問い合わせたことがあるんです、中小企業支援をもっとやってほしいと。けれども、目的はもうかって給料を上げてもらうことなので、もうかる、給料が上がる、生産性の高い中小企業と生産性の低い中小企業、生産性の高い中小企業に共通のことは何ですかと聞きました。そうしたら、そんな調査はしていませんと言われたんですね。
 OECDに調べてもらいました。OECDは調査しているんですよ。従業員二百人以下の中小企業で、もうかって給料をいっぱい払っている生産性の高い企業のいろいろなものを出しています。これは、相関係数〇・八四、めちゃくちゃ高いですが、それは輸出なんです。輸出している中小企業は、輸出していない中小企業よりも、相関係数〇・八五で、生産性が高くて給料が高い。なので、これはぜひやってください。お願いします。
 同じことを、外務省のさまざまな公館等も使って御尽力いただいているんですが、外務省からも一言いただけますでしょうか。
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茂木敏充#19
○茂木国務大臣 御指摘のとおり、中小企業を含めて、海外展開を推し進める日本企業、日本産品等によります新たな市場開拓を促すことは極めて重要だと考えております。この点は、先月公表しました総合的なTPP等関連政策大綱改訂に係る基本方針にも盛り込まれております。
 こうした考え方のもと、外務省としても、関係省庁、団体と連携して、中堅・中小企業を始めとする多くの日本企業が、グローバル市場でTPP11や日・EU・EPAを始めとするEPAを活用してビジネスチャンスを獲得できるよう、支援しているところであります。
 具体的に申し上げますと、経済連携協定、署名をいたしますと、速やかにその内容を外務省のホームページに掲載をし、内容の周知に努めるとともに、ジェトロや各地域の商工会議所等とも連携をしながら、EPAのメリットや具体的活用法に関するセミナーを全国各地で開催をして、その利用促進に努めているところであります。
 さらには、各在外公館に設置をしております日本企業の支援窓口におきまして、中堅・中小企業を含みます現地に進出している企業、若しくは、現地に進出をしたい、そういう関心を持っている企業への情報提供であったりとか相談対応、さらには、相手国政府に対して、なかなか中小企業ですと、問合せをどこにしていいかわからない、誰にしていいかわからない、こういう問合せ等の支援も行っているところでありまして、今後とも、関係省庁、団体で緊密に連携しつつ、中堅・中小企業を始めとする日本企業によりますEPAの一層の利用促進に向けて、しっかりと取り組んでいきたい。
 工業品にしても農産品にしても、非常にポテンシャルは大きいと思っておりますし、せっかく栃木のとちおとめの話もしてもらいましたが、本当に今香港で売れているんですよ、すごく。やはりこういった、やってみるとできる、こういう事例をつくっていくということが極めて重要なんだと思っております。
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岡本三成#20
○岡本(三)委員 ありがとうございます。
 時間の関係で最後、通告させていただいた二つの質問をちょっと一つにまとめさせてください。デジタル貿易協定で一つ確認させてください。
 プロバイダー責任制限法、問題があるんじゃないかというふうにいろいろ言われています。私も問題があるんじゃないかなと思っています。日本の消費者の方々が、いざだまされたときにちゃんと訴えられるような仕組みにしていただきたいということをお願いした上で、更に問題なんじゃないかなと思っていることがありまして、この協定の締結に伴いまして、十月の七日に貿易交換公文を結んでいます。
 その公文の中でわざわざ、このプロバイダー制限法、このままいくけれども、このために日本の国内法改正の必要はないと合意しているんですね。私、これは英語で何と言っているのかと思ったんですよ。行政の皆さんが、立法府が本来判断を下すべきことを、その必要はないと合意していると書いてあるので、ウイ・アー・コンフィデントとかウイ・アー・シュアーと書いてあるかと思ったら、実は英語では、ウイですね、二つの国、ザ・パーティーズ・アグリー・ザット、アグリーしているんですよね。
 これは正直言って、越権行為じゃないかと私は思うんです。今までこんなふうにやっていたんでしょうか。本来、その協定について立法措置が必要、法改正が必要なのは国会が判断すべきなのに、行政府が平気でウイ・アグリーなんというのが本当に通るのかどうなのか、皆さんの見解を伺いたいと思います。
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澁谷和久#21
○澁谷政府参考人 お答えいたします。
 日米デジタル貿易協定、御指摘、第十八条でございますが、コンピューターを利用した双方向サービスの提供者等の民事上の責任を一定の限度で制限することを定めております。
 御存じだと思いますが、この分野に関しましては日本の法制度とアメリカの法制度が微妙に違っているところでございます。日本の法制度は、過去十年以上かけて、官民でさまざまな話合いをして、調整をして、日本の制度というものをつくり上げてきたところでございますが、アメリカと制度が違うということがございます。
 私どもが協定の承認議案を国会に提出する際に、あわせていわゆる実施法を国会に提出するかどうか、これはまず、一元的に、私ども、政府の方で判断をする際において、アメリカとここは十分話し合った上で、協定の十八条、我が国のプロバイダー責任制限法の内容はこの十八条に反しない、この両国政府の認識を確認したということでございます。
 したがいまして、私どもとしては、その確認をしたということに基づいて、政府としては今回実施法を提出していないということで、政府の判断を行う上での確認を行った、そういうことでございます。
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岡本三成#22
○岡本(三)委員 時間が来ましたので、今の御答弁に最後、一言コメントさせてください。
 いいんです、もちろん、閣法が出てくるときにさまざまな御判断を行政府でされますけれども、英語の文章が常に言及されるのであれば、法整備が必要ないことをアグリーした、法修正を、アグリーしたと書いてあるので、そうであればこの文章は、ザ・パーティーズ・アー・コンフィデントとかシュアとかという形の文章にして、行政府が立法府を越権行為するようなことに、疑われることがないような交渉をお願いして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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松本剛明#23
○松本委員長 次に、後藤祐一君。
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後藤祐一#24
○後藤(祐)委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの後藤祐一でございます。
 まず、茂木大臣にお伺いしたいと思いますが、日米貿易協定はFTAでしょうか。
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茂木敏充#25
○茂木国務大臣 これまで日本が結んできたFTA、これは、単に物品貿易だけではなくて、サービスであったりとかさまざまなルール、こういった分野も取り上げております。
 そういった意味におきましては、まさに、今回の日米貿易協定、これは物品貿易に関する協定である、このように考えております。
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後藤祐一#26
○後藤(祐)委員 御質問にお答えいただきたいんですが、FTAでしょうか。
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茂木敏充#27
○茂木国務大臣 きちんとお答えしたとおりです。
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後藤祐一#28
○後藤(祐)委員 つまり、物品貿易協定であって、FTAではないということでしょうか。
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茂木敏充#29
○茂木国務大臣 これまで日本として、FTA、さまざま結んできておりますが、これまで我が国が結んできたまず包括的なFTA、ここにおきましては、物品貿易に加えて、サービス全般の自由化を含むものを基本とし、さらに、知的財産、投資、競争など、幅広いルールを協定に盛り込むことを交渉を開始する段階から明確に目指してきたわけであります。
 日米貿易協定には全てのサービス分野の自由化であったりとか幅広いルールまで盛り込まれておらず、その意味で、これまで我が国が結んできた包括的なFTAとは異なるものであると考えております。
 また、FTAについて、国際的に確立した定義も、御案内のとおり、あるわけではありませんが、我が国では、これまで、特定の国や地域との間で物品貿易やサービス貿易全般の自由化を目的とする協定、そういった意味でFTAという語を用いてきたということであります。
 先ほどの答弁を若干長く言わせていただきますと、今のとおりです。
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