外交防衛委員会

2020-01-17 参議院 全130発言

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会議録情報#0
令和二年一月十七日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月十六日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     熊野 正士君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北村 経夫君
    理 事
                宇都 隆史君
                中西  哲君
                羽田雄一郎君
                秋野 公造君
                井上 哲士君
    委 員
                猪口 邦子君
                佐藤 正久君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                松川 るい君
                三宅 伸吾君
                山田  宏君
                小西 洋之君
                榛葉賀津也君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                熊野 正士君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     河野 太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       中嶋浩一郎君
       内閣法制局長官  近藤 正春君
       外務省大臣官房
       参事官      田村 政美君
       外務省大臣官房
       参事官      有馬  裕君
       外務省総合外交
       政策局長     山田 重夫君
       外務省中東アフ
       リカ局長     高橋 克彦君
       外務省国際法局
       長        岡野 正敬君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  宮武 宜史君
       防衛省大臣官房
       長        島田 和久君
       防衛省大臣官房
       公文書監理官   齋藤 雅一君
       防衛省防衛政策
       局長       槌道 明宏君
       防衛省整備計画
       局長       鈴木 敦夫君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    菅原 隆拓君
       防衛装備庁長官  武田 博史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (中東地域における日本関係船舶の安全確保に
 関する政府の取組に関する件)
    ─────────────
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北村経夫#1
○委員長(北村経夫君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として熊野正士君が選任されました。
    ─────────────
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北村経夫#2
○委員長(北村経夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官中嶋浩一郎君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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北村経夫#3
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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北村経夫#4
○委員長(北村経夫君) 外交、防衛等に関する調査のうち、中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組に関する件を議題といたします。
 まず、政府から報告を聴取いたします。茂木外務大臣。
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茂木敏充#5
○国務大臣(茂木敏充君) 昨年十二月、「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について」の閣議決定がなされました。外務省としては、今回決定された政府方針の三つの柱の一つである中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けた更なる外交努力を継続していきます。
 具体的には、米国、イランを始めとする関係国に対し、引き続き様々なレベルで緊張緩和と情勢の安定化のための働きかけを行っていきます。船舶の安全な航行に大きな役割を有する沿岸諸国に対しても、航行安全確保のための働きかけを引き続き実施します。また、中東地域における自衛隊の情報収集活動については、これまでも、関係国に対し、その目的や内容の説明を行い、理解を得てきたところですが、今後ともこうした努力を継続していきます。
 昨年六月の安倍総理のイラン訪問や、十二月のローハニ大統領の訪日、そして、先週末から今週にかけての安倍総理の湾岸諸国訪問といった活発な首脳レベルの往来も通じ、中東地域の緊張緩和と情勢安定化に向けた粘り強い外交努力を続けてきました。
 私自身も今週米国を訪問し、ポンペオ国務長官と中東情勢について意見交換を行いました。事態のエスカレーションは回避すべきであり、関係国と緊密に連携しつつ、引き続き外交努力を尽くすことの重要性をポンペオ長官と確認いたしました。
 中東の緊張緩和と情勢の安定化は、我が国を含む国際社会の平和と繁栄にとって極めて重要です。引き続き、こうした外交努力を粘り強く行っていきます。
 北村委員長始め、理事、委員各位の御指導、御理解をよろしくお願い申し上げます。
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北村経夫#6
○委員長(北村経夫君) 河野防衛大臣。
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河野太郎#7
○国務大臣(河野太郎君) 昨年十二月二十七日、国家安全保障会議及び閣議において決定した「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について」に関し、防衛大臣として御報告申し上げます。
 世界における主要なエネルギー供給源である中東地域の平和と安定は、我が国を含む国際社会の平和と繁栄にとって極めて重要であり、同地域において日本関係船舶の航行の安全を確保することは非常に重要です。特に、我が国は原油輸入の約九割を中東地域に依存しています。
 今般の政府の取組は、このように重要な地域の平和と安定及び日本関係船舶の安全の確保のため、我が国独自の取組として、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けた更なる外交努力、関係業界との綿密な情報共有を始めとする航行安全対策の徹底並びに情報収集態勢強化のための自衛隊の艦艇及び航空機の活用について、政府一体となった総合的な施策を関係省庁が連携して実施するものです。自衛隊による情報収集活動は、大きな意義を有するものと考えております。
 防衛省・自衛隊としては、昨年末の閣議決定を受け、これまで派遣に向けた所要の準備を進めてまいりました。去る一月十日、派遣準備完了の時期についてめどが立ったことから、私から中東地域における日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動の実施に関する自衛隊一般命令を発出したところです。
 今後、自衛艦一隻をもって編成される派遣情報収集活動水上部隊は、二月二日に出国し、二月下旬に活動を開始するとともに、一月十一日に出国した派遣海賊対処行動航空隊のP3Cは、一月二十日から情報収集活動を併せて開始する予定です。
 防衛省・自衛隊としては、関係省庁とも連携し、現地情勢の的確な把握に努めつつ、日本関係船舶の安全確保のための情報収集活動に万全を期す所存です。
 また、現地において隊員諸君が高い士気を維持してこの重要な任務に専念できるよう、御家族への万全の支援や派遣隊員の処遇についてもしっかりと取り組みます。
 委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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北村経夫#8
○委員長(北村経夫君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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佐藤正久#9
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。
 私は、航行の安全確保のための自衛隊の派遣を含む政府の取組には賛成の立場であります。
 中東に日本経済、国民生活に不可欠な原油の約九割を依存している我が国が、他国の軍隊やタンカーの乗組員に汗をかかせ高みの見物というわけにはいきません。自衛隊は行くな、だけどタンカーには行ってほしい、これは通用しない。対案もなく反対反対と言って日本経済や国民の生活が守れるなら、私も思いっ切り反対します。でも、現実は反対だけでは守れない。電気がない生活、これは考えられません。ただ、派遣には国民の理解も必要です。その意味で、国民が持つであろう素朴な疑問を確認したいと思います。
 ペルシャ湾からインド洋、マラッカ海峡、南シナ海、そして日本を結ぶ油の道、オイルシーレーンの上には、この瞬間も約九十隻の日本関連船舶が浮いています。ただ、そのタンカーにはほとんど日本人の船員がいません。昨年の六月、損傷を受けた日本関連船舶、コクカ・カレイジャスの乗組員二十一名も全員がフィリピン人でした。本当に緊張が高まったら、外国人が命を懸けて日本に油を運んでくれるでしょうか。船の保険料も、あるいは用船料も船員費も上がる、結果的にガソリンの値段や電気代にも跳ね返ります。また、株価にも影響します。日本は一日約六十万トンの油がなければこの現状の維持を保つことはできませんが、原油輸入量が減れば株価が下がったり、さらに、備蓄に手を付ければ更に株価は下がるでしょう。暴落する可能性だってあると思います。日本がこの一本の油の道に頼っている以上、このオイルシーレーンの安全確保は国益そのものだと思います。
 それでは、防衛大臣に確認します。
 昨年来、ペルシャ湾、オマーン湾等でタンカーに対するハラスメントが発生し、諸外国は艦船を出して自国関連船舶を守ろうとしております。日本の場合、海上自衛隊を派遣をして日本関連船舶を守る海上警備行動ではなく、なぜ情報収集なのでしょうか。情勢が不安定なら海上警備行動をまず掛けておいて日本関連船舶を守りながら情報収集し、不測事態が発生したらそのまま権限に基づき対応すれば海上警備行動の発令の手間も掛からず、現場は迅速に対応できるメリットもあります。
 海賊対処行動の場合は、当初、海上警備行動で派遣をし、途中で特措法に切り替えました。海賊対処行動といっても、通常は海賊に対する情報収集活動、これを行っております。なぜ今回、情報収集のための調査研究で派遣をし、不測事態が発生したら海上警備行動という二段階対応なのでしょうか。当初から海上警備行動という形で派遣しない、この理由をお聞かせください。
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河野太郎#10
○国務大臣(河野太郎君) 中東地域における現在の情勢につきましては、日本関係船舶に対する侵害の兆候がある状況あるいは断続的に他国関係船舶への攻撃等が発生をしている状況にはありません。したがって、日本関係船舶への侵害行為が発生するおそれがあるとは考えておらず、日本関係船舶の防護の実施を直ちに要する状況にはありません。
 他方、中東地域での緊張が高まっている状況を踏まえると、日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集態勢の強化はこれは必要だというふうに考えており、今般、防衛省設置法に基づいて自衛隊による情報収集活動を実施する、そういうふうに考えております。
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佐藤正久#11
○佐藤正久君 まだ直接日本関連船舶を守る情勢ではなく、海上警備行動の要件を満たす、そういう段階ではないという答弁だったと思います。実際に、船主協会からも派遣の歓迎の評価はあっても、海賊のときと違い警護要請までは来ていないという状況だと思います。
 では、情報収集と海警行動に区分して、その実効性の担保について確認をしていきたいと思います。
 海上自衛隊の情報収集の活動地域、これは、これまで各国のタンカーに対するハラスメントが発生したペルシャ湾内とかホルムズ海峡周辺ではなく、アデン湾やアラビア海北部、オマーン湾となっております。なぜこの地域なのでしょうか、お答えください。
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河野太郎#12
○国務大臣(河野太郎君) この日本のタンカーあるいは日本関係の船舶の通るシーレーン、かなり広大な海域でございます。護衛艦を一隻派遣をすることになりますので、この情報収集活動を効率的にやらなければなりません。
 そうした考え方の中で、このホルムズ海峡からペルシャ湾に至る海域におきまして、日本関係船舶の航行が集中する分離航路帯と言われているところは、これはオマーンあるいはイランの領海でございます。この領海における航行の安全は、沿岸国が一義的には責任と役割を有している。また、この領海内での情報収集活動は沿岸国から無害通航に該当しないという主張をされ得る、そういうことがございます。また、ペルシャ湾、ホルムズ海峡の情報につきましては、沿岸国やアメリカを含む関係各国との意思疎通を通じて一定の情報収集が可能である。こうしたことを総合的に勘案して、オマーン湾あるいはアラビア海北部、そしてバブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾で情報収集活動を行う、そうしたことでございます。
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佐藤正久#13
○佐藤正久君 これは国民に、やっぱりなぜこのペルシャ湾内とかホルムズ海峡ではなくこの周辺海域かという部分は丁寧に説明しないとなかなか理解が得にくい。直接守った方がいいんではないかという声はやっぱり国民にあるということは御理解いただきたいと思います。
 ただ、この広大な海域の情報収集を実効的に行うというのは、大臣の答弁のとおり一国だけでは無理で、やはり他国との連携というのが必要なのは当然であります。
 ただ、今回の派遣部隊の特性を見ますと、哨戒機のうちP3C、これを長期間派遣できるのは日本とアメリカだけです。さらに、護衛艦に哨戒ヘリ、これを二機搭載して、広い海域を見ることができる護衛艦を長期に派遣できるのも日本あるいはアメリカぐらいです。であれば、日本が役割分担としてアデン湾からアラビア海、オマーン湾と広い海域を航空機をもって情報収集をする、ペルシャ湾からホルムズ海峡はほかの部隊にお願いする、これはある意味理にかなった態勢ということも言えるかと思います。ほかの国は航空機がありませんから、あの広い海域見ることができない。ただし、大事なことは、その情報の共有をいかに図るかということだと思います。
 さらに、今回の日本関連船舶に対する脅威、これは海上からだけではなく、陸上からのドローン、あるいは陸上からの地対艦ミサイル、これも関連船舶に対する脅威であります。これは、残念ながら海上自衛隊では集めることができません。やはり米中央軍等からの情報が必要になります。
 ゆえに、有志連合とかあるいは米中央軍とかいうものが取った情報を、米軍の司令部に派遣された連絡員、彼が入手をして、また一方では日本が集めた情報を有志連合とかあるいは米軍等に与えるということによって情報共有を図ると。連絡員が集めた情報というものを官民連絡会議というものを通じて船主協会や船員組合あるいは石油連盟等の方にこれを渡すということが今回極めて大事だと思います。
 大臣の答弁にあるように、今欲しいのは情報。多分、乗組員が一番欲しいのは脅威情報だと思います。そういう意味におきまして、この連絡員が取る情報、ドローンあるいは地対艦ミサイルの情報、あるいはいろんな情勢の動きを含めて、やっぱり中央の司令部に集まる、この部分が極めて大事だと思います。その意味で、この米中央軍司令部の連絡員の派遣の体制、あるいはバックアップ体制、これについての検討状況をお聞かせください。
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河野太郎#14
○国務大臣(河野太郎君) 今回の自衛隊のアセットの派遣は日本独自の取組として行うものであって、有志連合に加わることは考えておりません。よって、有志連合との情報共有ということは今のところ考えておりません。
 しかし、沿岸国との様々な意思疎通、あるいは米軍、特に米中央海軍司令部との情報の共有というのは、これは円滑に行ってまいりたいというふうに考えております。現時点で、バーレーンの米中央海軍司令部に海上自衛官一名を派遣をし、一月十六日から連絡員としての活動を開始したところでございます。中東地域において情報収集活動を行う自衛隊の任務遂行に必要な連絡調整や情報収集等に従事をしていく、そういう予定になっているところでございます。
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佐藤正久#15
○佐藤正久君 確かに、これは有志連合に入っていないために、有志連合の司令部、これには派遣しない。ただ一方で、米中央海軍司令部の方に派遣をすると。実際には、私も現場へ行きましたけれども、米中央海軍司令部の方には様々な情報が入ってきます。当然、周辺国の軍事情報、あるいは有志連合が取った情報、あるいは実際今あるCTF150とか、そういうものの情報も司令部に入ってきます。そういう意味においては、結果的に連絡員が得る情報というのは極めて大きいものがあるという中で、やはり一名というのは極めて私は問題だと思っています。
 私もイラクに派遣されたときに部下をバグダッドの司令部の方に置きましたけど、やっぱりオペレーションは二十四時間でやっています。シフトで組んでいます。となると、一名ではやっぱり継続的に情報収集というのはこれは無理で、実際タンカーも海上自衛隊の船も二十四時間動いているとなれば、やっぱり一人ではこれは無理で、今私ちょっと風邪ぎみですけれども、風邪を引いたりしてもこれは対応できない。実際に今、同じ敷地内に別な形で、海賊対処の連絡員として最低三名は今います。彼らにダブルキャップというものを掛けてもこれは対応できるし、これは閣議決定でなくて大臣の判断でこの連絡要員のバックアップ体制、充実はできると思いますので、これについては引き続きの検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
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河野太郎#16
○国務大臣(河野太郎君) 連絡員につきましては、この業務の状況を見て、必要ならば委員のおっしゃったようなことも検討する余地はあろうかと思います。
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佐藤正久#17
○佐藤正久君 やっぱり情報収集が大事だというんであれば、連絡員の果たす役割は極めて大きいので、やっぱり船員にとって脅威情報が極めて必要で、海上自衛隊が取る情報だけでは不十分なんですよ。だから、是非検討の方をお願いしたいと思います。
 それでは、資料一、これを見ていただきたいと思います。
 これは今回の船舶の航行の安全確保と海賊対処行動を端的に比較したものでありますけれども、海賊の場合はこれは犯罪であり、国連海洋法条約上、全ての国に管轄権を認めているので、海賊対処特措法によって日本籍以外の船舶でも武器使用が可能だったり強制力の行使が認められております。しかし、今回は相手が海賊でないために、国連海洋法条約上、旗国に排他的管轄権を認めているため、幾ら日本人が乗ったり、積荷が日本向け、あるいは日本の会社が運航していても、船籍が外国であればその旗国の排他的管轄権を越えて強制力を発揮することはできないということになっております。できるのは、外国籍の場合は海警行動を掛けても、近接あるいは呼びかけ、あるいは音、大音量の音を出す、あるいは割り込みぐらいであって、そういう状況になります。
 一方、日本関連船舶、この九割が外国籍です。日本関連船舶のうち日本籍はたった一割です。そういう中で、どうやってこの日本関連船舶の安全をこの不測事態、海警行動を掛けたときに担保していくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
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河野太郎#18
○国務大臣(河野太郎君) 公海上における外国船籍の防護につきましては、国際法上、一般的には当該船舶への排他的管轄権を有する旗国がその責任の下に行うべきという旗国主義の考えに基づいて対処する、これが基本になります。
 自衛隊がいかなる措置をとることができるかにつきましては、その個別具体的な状況に即して判断する必要があって、一般的に、一概に一般論で論ずるのは困難でございますが、我が国が被る法益侵害と比例する形で、例えば呼びかけあるいは近接といった実力の行使を伴わない措置をとることはできるというふうに考えております。
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佐藤正久#19
○佐藤正久君 実はこれは極めて大きな現実で、確かに日本籍船少ないんですよ。となると、国際法の関係で、自衛隊が不測事態に実力行使ができるというのはこれは国際法の現実で、すなわち、逆を言えば幾ら特措法を作ったとしてもこの問題は解決できない、国内法で対応できる問題ではない。ただし、やはりこの自衛隊を派遣するということの意義、これは非常に大きいと私は思っています。
 なぜならば、私、イラクに派遣された二〇〇四年の四月、実はペルシャ湾で日本タンカー高鈴が武装勢力に襲われました。そのときに高鈴は損傷を受けました。でも、結果として、この高鈴を守ったアメリカ海軍の若者二名とコーストガード一名、三名が命を落としました。日本関連の船舶に乗っている乗員は無事でした。でも、その後アメリカが言ってくれた言葉は、同じ活動をやっている仲間を守るのは当たり前だ、同じ活動をやっている仲間を守るのは当たり前だと言ってくれました。その理由は、当時、海上自衛隊がインド洋でテロ対策に従事をし、航空自衛隊がクウェートで輸送支援、我々陸上自衛隊がイラクで人道支援をやっていた。つまり、みんなで汗をかいている、そこに部隊がいるということが、日本のタンカーを仲間と見てくれた。実際、現場は机上とは違います。それぞれいろんな枠組みで部隊が派遣されている。でも、目的は同じ、みんなで助け合おうという気持ちはあります。
 そういうときに、自衛隊が派遣、船がいる、いないで、やっぱりほかの国の気持ちも変わってくる、これが一つの例でありますし、やはり近くに自衛隊の船がいて、何かあったら実力行使ができなくても近くに来てくれる、駆け付けてくれる、この安心感が極めて実は大きいと私は思っております。
 外国船籍であっても、日本関連船舶であればできるだけのこの安全確保措置というものを自衛隊の方で個別の条件を合わせて検討し、対応していただきたいというふうに思います。
 ただ、現場の海上自衛隊の話を聞くと、中東に護衛艦を更に一隻継続的に派遣するというのは容易でないという意見があります。これは大臣も聞いたことがあると思います。
 それでは、現在整備に入っている護衛艦も含めて、ヘリコプター二機、これを搭載できる護衛艦は今海上自衛隊に何隻保有しているでしょうか。政府参考人でも結構ですので、お答えください。
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槌道明宏#20
○政府参考人(槌道明宏君) 一隻のものと二隻のものとございます。済みません、汎用護衛艦自体は全体で二十八隻でございます。済みません、そのうち一番古いものは一隻搭載だったと思いますが、残りは全て二機搭載タイプでございます。
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佐藤正久#21
○佐藤正久君 これは通告してありますのでしっかり答えていただきたいんですけれども、昨日の説明では約二十数隻と、二十隻強という話でありました。つまり、海賊対処の方に一隻、大臣、今回船舶の航行に一隻となると、交代の時期になると二隻が同時に洋上で中東の方にいると。さらに、派遣準備と考えると、中東だけで海賊合わせると約五ないし六隻がこの中東対応に当たるとなると、残り十七、八隻で日本周辺の任務に当たらないといけない。実際に整備も相当な数が入りますので、実際に運用できるのは十数隻ということになるでしょう。となると、非常に現場の方に負担が大きいということが言えます。
 実は、ある海上自衛隊の奥さんから、昨年、主人を家に帰してくださいという陳情を数人から受けました。あるイージス艦は、行動、帰港、すぐまた行動、行動、行動と、行動の連続でなかなか家に帰れないという状況もあったようです。
 そういう中で、大臣はワシントンDCの方で、講演の中で、尖閣諸島を含む東シナ海の情勢の安定化というものについても言及されたというふうに聞いております。やはり、東シナ海の情勢の鎮静化というものを図れば、隊員の負担、中東への派遣という意味でも、これは大きな効果があると思います。
 やはり、この東シナ海の情勢緩和には外交当局だけではなく防衛当局の努力も極めて大事で、大臣が昨年十二月訪中して、向こうの国防大臣の方に直接この東シナ海問題含めて懸案をぶつけられたと、極めてこれは大事だと思います。さらに、ワシントンの講演の中では、この春の習近平国家主席の訪日をめぐって、尖閣諸島を含む東シナ海での状況改善が必要で、さもなくば訪問に向けた環境づくりは難しくなるかもしれないと述べられました。これは、防衛大臣として私は当然の発言だと思います。今この瞬間も、尖閣あるいは東シナ海で本当に緊張状態の中で汗をかいている隊員たちがいます。
 やはり、習近平の訪日の前にこの東シナ海の情勢の安定化という環境醸成は政府一丸となって行うということが大事で、これは結果的に隊員の負担の軽減というものにつながると思います。大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
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河野太郎#22
○国務大臣(河野太郎君) 中国は、継続してかなり高い水準でこの国防費を増加させてきております。軍事力の質、量共にかなり急速に強化しながら東シナ海を始めとする海空域で活動を活発化、拡大化させている。それが、この国防政策や軍事力の不透明性と相まって、我が国だけでなく国際社会の安全保障上の懸念となっているという現実があろうかと思います。こうしたことについて、先般訪中した際に、国防大臣にもお伝えをしたところでございます。
 日中間、この習近平国家主席の国賓としての訪日を見据えて、こうした懸案を適切に処理しながら、この両国の関係を新たな段階に押し上げて日中新時代を切り開いていこうというのが政府の考えでございますので、この国家主席の訪日を日本側としても多くの国民が歓迎できる雰囲気をつくるために、中国側にこの尖閣諸島周辺の海空域の事象を含め前向きな対応を求めていきたいというふうに考えております。
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佐藤正久#23
○佐藤正久君 まさに今大臣言われたように、日本国民が、多くの国民がもろ手を挙げて歓迎できる環境をつくるのが望ましいと。ただ、外務大臣、今政府の調査でも七五%ぐらいの方が中国にいい印象を持っていないと。言論NPOの調査になると八割を超えるという状況になります。やっぱり、そのうちの一番大きな懸念がこの尖閣の事象でありまして、これについてはやはり、まさに今一番大事な訪日前のある意味チャンスかもしれません。
 外務大臣、やっぱりリーダーシップを取っていただきながら、この環境改善、これについてお願いしたいと思いますが、外務大臣の決意のほどをお願いしたいと思います。
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茂木敏充#24
○国務大臣(茂木敏充君) 日中両国は、アジアそして世界の平和と繁栄に大きな責任を有しているわけであります。
 中国の経済、私が初当選した二十六年前、世界のGDPの二%でした。それが今二〇%に近寄ると、こういう状況にあるわけでありまして、こういった大きな責任を中国にもしっかり果たしてほしいと思っております。今春の習近平国家主席の国賓訪日を、その責任を果たしていくとの意思を明確に内外に示していく機会にしたいと思っております。
 中国との間には、佐藤委員御指摘のように、東シナ海の問題を含め様々な懸案というのが存在をしているわけであります。こうした懸案につきましては、昨今の日中のハイレベルの交流、直近でいいますと、昨年末に日中韓サミット出席するために訪中した際に、安倍総理、そして私からも中国側に直接提起をしたところであります。
 懸案の改善というものが訪日環境にもプラスになるものでありまして、引き続き主張すべきはしっかりと主張して、中国側に前向きな対応を強く求めていくと、こういったことが求められていると思っております。
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佐藤正久#25
○佐藤正久君 やはり訪日が近づけば近づくほど、やっぱりこの環境がどういう状況になっているかと。改善が全然図れないとやっぱり国民世論というのは今よりも厳しく振れる可能性がありますので、やはりこれから一月、二月、三月が正念場だと思いますので、是非外務大臣のリーダーシップを発揮していただいて、結果を出していただきたいというふうに思います。
 それでは、資料二、これを御覧ください。
 これは防衛省からいただいた資料で、今回派遣される護衛艦「たかなみ」の仮装備等の概要であります。
 今回、新たに防弾ガラスとか、あるいは大音量のLRAD、あるいは衛星通信装備、あるいは機関銃の銃架というものも付けるようですけれども、大臣、今回これを付けるだけで約千二百万円掛かると、帰ってきたときにこれを撤去し、そして全部洗ったりすると五千九百万円掛かります。実際、これを外すだけだと、やっぱり付けたものを外すと大体八百万円掛かると、つまり取り外しだけで約二千万掛かるんだと。私も実際向こうに行って驚いたのは、艦長に聞いたら、防弾ガラス付けたままで何か問題あるのかと、ないと艦長は言っていました。
 実は、海警行動は日本周辺でも起きます。実は、なぜ海上自衛隊が海上保安庁と違って防弾ガラスにしていないかということは、ミサイル等には防弾ガラスが効かないからというのが説明なんです。だけど、海上保安庁の巡視船は防弾ガラスです、警察行動ですから。でも、自衛隊も警察行動をやる。今、各護衛隊群ありますけれども、中東の海賊以外は一隻もこういう防弾ガラスになっていない。海警行動のときに相手が一番狙うのは艦橋ですから、だからそういう状況になっている。若干端の方が見えにくいということはあっても、そんなに影響はない。
 ちょっと計算してみたんです。二〇〇九年の三月からこの海賊対処の方にずっと派遣されています。当初は二隻です。途中から一隻体制になりました。今まで六十隻以上の船が延べ行っています。そうすると、取り外すだけで、もう今までで十三億ぐらい掛かっています、取り外すだけで。付けて外すだけで十三億掛かっている。全部に付ければ二億で済みますから、さっき言った二十数隻しかないわけですから。これはどう考えても無駄が多過ぎる。これがずっと行けば行くほど取り外しにまたお金が掛かると。少なくとも各護衛隊群のところに一隻ぐらいは何かあったときに海警行動用にこういうのを付けておけば、場合によりそれも中東にも転用できますから、これは非常に無駄が多過ぎる。
 実際、大音量のLRADが日本周辺の海警行動にも役立ちますし、これはしっかり予算を付けて整備すべきだと私は思いますけれども、河野大臣のお考えをお聞かせください。
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河野太郎#26
○国務大臣(河野太郎君) この付ける費用、それから外す費用、私も見まして、これ一々外さなくてもいいんではないかなと思った次第でございます。
 少し、この防弾ガラスの調達がどういうふうになっているのか、全部のものに一遍に付けてしまえば二億で済むじゃないかという、そういう議論も当然あると思います。少し、常設した方がいいものかどうか、しっかり検討して対応していきたいというふうに思います。
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佐藤正久#27
○佐藤正久君 これ、付けるだけで千二百万だったら、私も何かやりたいぐらい結構いい調達だなと思います。結構高いですよね、これ。銃架付けるってそんなに難しくないと思いますけども、我々でもよくやりますから、このぐらいのやつは。
 なので、ここは是非、やっぱり艦橋というのは一番弱点なので、これ海上保安庁の巡視船が防弾ガラスで海上自衛隊のが防弾ガラスじゃないと、これ旧軍からの伝統という部分もあるかもしれませんけれども、この辺りは、海警行動を日本周辺でもやると。実際、今瀬取りやっていますよね、瀬取り対応の船、これは護衛艦だけでなく補給艦とか多用途艦も行っています。彼らも瀬取り対応のときに見ているだけですけれども、これも防弾ガラスじゃないんですよ。隊員の気持ちはやっぱり不安ですよ。本当に向こうから、瀬取りの船から小銃撃たれたら貫通しますから。この部分含めて、時代に合ったお考えをお願いしたいと思います。
 最後に、これ要望です。
 今回、撤収の時期というのは当然まだ定まっておりませんけれども、これが長期にわたる場合、しかも海賊と違ってエスコートとかゾーンディフェンスではない、あの広いアラビア海、オマーン湾の方に一隻がいるということは、かなり場合によっては、隊員の士気を維持する、モメンタムを維持するって結構難しい任務になるかもしれません。実際に随伴するとかいうものであれば別ですけれども、オマーン湾のホルムズ海峡の出口にいるんだったらかなり行き来はあるでしょうけれども、あの広いアラビア海、そんなに航行があるわけでありませんから、この辺の士気の維持というのは、これは極めて実は現場指揮官にとっても大事なものだと思います。
 ジブチの方でも、あそこに大臣行かれて、警備する隊員いたと思います。そんなに大きな事象がなくても、ずっと二十四時間三百六十五日体制で警備勤務をやっている。あれは、まさにこの前大臣が跳び出し塔から降りた、空挺隊員がやっています。だから、物すごく士気が高いという部隊なので、ああいう何にもないような状況でも対応はできますけれども、やはり何にもない海域でずっと長時間いるということの、この警戒監視、この厳しさというものは、これは相当なものがあると思います。しかも、さっき言ったように、帰ってきたらそれ以外の行動ですごく忙しい。本当に、奥様からうちの主人を帰してくださいと。
 今、陸海空自衛隊、一番多分忙しいのが海上自衛隊で、弾道ミサイル防衛はやり、そして引き続きの周辺海域の警戒監視もやり、瀬取りもやり、そして尖閣におけるあの緊張の中での対応もやり、そして共同訓練、これもやらないといけない。そしてまた、今非常に海上自衛隊、募集が厳しいために、募集広報、これは募集広報においては、海上自衛隊の船がその港に、各地に入る、入らないと、これはかなり大きく違います。これも非常に募集広報というものも多分今の海上自衛隊からしたら軽視できない状況。
 本当に、多分多忙感というものがもうマックス状態にあるという中での今回の新たな中東への派遣ですから、この辺りのやっぱり隊員の士気、そしてあるいはこの多忙感というものについては、これは海上幕僚監部が中心となって抜本的にこれ対応しないと本当に大きな事故が起きかねないと。どうしても、忙しくなると運用でやります。実際に、あのイージス艦「あたご」と清徳丸がぶつかったときに、実は乗組員の充足は七〇パーでした。七〇パーのゆえに、正規の手続ではなく応用でこういう監視業務をやってしまった結果としてああいう事故が起きたと当時の海上自衛隊は反省しました。
 やはり今、航空機の場合は一二〇%いないと運用できませんけれども、船は七〇パーでも動いてしまうという現実。今、しわ寄せは航空部隊ではなくどうしても艦艇の方に行くという状況を考えると、今回の派遣というのは中央が考えている以上に現場の護衛隊群の方はかなり負担を感じておりますので、その辺りについては、これは要望ですけれども、是非大臣の方も現場の方に行っていただいて話を聞いていただきたいと思います。いかがでしょうか。
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河野太郎#28
○国務大臣(河野太郎君) この中東のシーレーンというのは、日本の原油の九割が通る非常に大事なところでございます。そういう意味で、ここの情報収集態勢の強化というのは、日本の経済、その他国民の生活に非常に重要な任務であるというふうに思っております。
 ただ、今委員が御指摘をいただきましたように、この北朝鮮のミサイル防衛ですとかあるいは瀬取り対策、様々なことを同時に行っているのも現実でございますので、防衛大臣としてしっかりとそうしたことにも目配りをして、負担が、過重な負担がどこか特別なところに掛かることがないようにしっかりと見てまいりたいと思います。
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佐藤正久#29
○佐藤正久君 是非お願いします。
 さらに、今日はあえて質問しませんけれども、やはり隊員の精神的なケア、あるいは何かあったときの医療・後送態勢、これもやっぱり日本と違いますから。しかも、非常に広い海域ですので、その辺りについても対応していただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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