内閣委員会

2021-04-08 衆議院 全71発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和三年四月八日(木曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 木原 誠二君
   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君
   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君
   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君
   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君
      安藤  裕君    池田 佳隆君
      岡下 昌平君    金子 俊平君
      神田 憲次君    小寺 裕雄君
      杉田 水脈君    高木  啓君
      中曽根康隆君    永岡 桂子君
      長尾  敬君    西田 昭二君
      本田 太郎君    牧島かれん君
      牧原 秀樹君    松本 洋平君
      宮崎 政久君    吉川  赳君
      和田 義明君    阿部 知子君
      大西 健介君    玄葉光一郎君
      森田 俊和君    森山 浩行君
      柚木 道義君    吉田 統彦君
      江田 康幸君    古屋 範子君
      塩川 鉄也君    藤田 文武君
      岸本 周平君
    …………………………………
   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君
   内閣府大臣政務官     和田 義明君
   内閣府大臣政務官     吉川  赳君
   参考人
   (学習院大学文学部教授)
   (東京大学大学院教育学研究科客員教授)      秋田喜代美君
   参考人
   (東京都立大学人文社会学部教授)
   (子ども・若者貧困研究センターセンター長)    阿部  彩君
   参考人
   (株式会社保育システム研究所代表取締役)
   (保育専門誌「遊育」発行人)           吉田 正幸君
   参考人
   (鹿児島大学法文学部教授)            伊藤 周平君
   内閣委員会専門員     近藤 博人君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月八日
 辞任         補欠選任
  岡下 昌平君     中曽根康隆君
  足立 康史君     藤田 文武君
同日
 辞任         補欠選任
  中曽根康隆君     岡下 昌平君
  藤田 文武君     足立 康史君
    ―――――――――――――
四月八日
 特定秘密保護法の撤廃に関する請願(藤野保史君紹介)(第七九一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)
     ――――◇―――――
この発言だけを見る →
木原誠二#1
○木原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、学習院大学文学部教授・東京大学大学院教育学研究科客員教授秋田喜代美さん、東京都立大学人文社会学部教授、子ども・若者貧困研究センターセンター長阿部彩さん、株式会社保育システム研究所代表取締役・保育専門誌「遊育」発行人吉田正幸さん、鹿児島大学法文学部教授伊藤周平さん、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。本案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、秋田参考人、阿部参考人、吉田参考人、伊藤参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、秋田参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
秋田喜代美#2
○秋田参考人 おはようございます。秋田でございます。
 この度は、発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。お手元に配付資料はございませんので、口頭で説明をさせていただきたいと思います。
 私は、今回の子ども・子育て支援法並びに児童手当の一部を改正する法律案に賛成をいたしております。そこで、その理由をこれから順に御説明をさせていただきたいと思います。
 まず一つ目は、子ども・子育て支援法の一部改正に関する三点でございます。
 一つは、関係機関の相互の連携の推進に関する事項を追加する件でございますが、この記載によって、専門家が連帯、連携し、妊娠期からの切れ目ない支援を行うことによって、子供と子育て家族を支援するネットワークの網、ネットワーク網、セーフティーネットがより細やかになります。子育てする家族にとっては安心感が高まり、専門家の協働によって子育て支援の質の向上が見込めると判断されます。
 そして、第二点目の事業主の拠出金の上限割合の引上げに関してでございますが、皆様御存じのように、ゼロ歳から二歳児の保育所運営費に関しましては一千億円が追加拠出されることとなったことから、保育所等運営費に充てる拠出金の額が現行の充当上限割合である六分の一を超えることがもう今既に見込まれるという実態を踏まえますと、また、特にゼロから二歳児の保育ニーズが極めて高いことからも、この法案の変更というものが妥当であるというふうに考えられます。
 なお、保育の質が、運営費が増えると保育の質が高まるということは、反対に、海外では、オランダやカナダでは、運営費が削減されると質の低下を招くということがエビデンスでも既に出されている点からも、極めて重要であると考えられます。
 そして、第三点には、積極的に取り組む事業主に対する助成及び援助を行う事業ですけれども、仕事と子育ての両立を更に推進していく優れた方策の一つでございます。実態としては中小企業の割合が低いというような事実がございますので、この推進へのインセンティブになることが望まれますし、広くイメージアップのための広報をしていくというようなことによって、両立支援の機運を更に高めることが重要であると判断しております。
 そして、次に、恐らく今回の最も大きな論点であります児童手当法の一部改正に関して意見を述べさせていただきます。
 まず、この点に関して意見を述べるに当たり、私の前提を申し上げます。
 私は、子ども・子育て支援新システム検討会議の発足以来今日まで、子ども・子育て支援新制度の検討会議の委員として、ずっと継続して参画してまいりました。この期間、国の子育て支援政策は、待機児童対策、幼児教育、保育の無償化など、全体として充実が図られてきていると認識しております。
 しかし、それでも実際には、待機児童対策等の量的拡充は図られてきてもまだ十分ではなく、さらに、質の充実も必要とされていますが、財源は十分とは言えません。保育の量的な拡大を更に進めると同時に、質の充実も今後、乳幼児期の子供にとって生涯にわたる人格の形成を培う上で重要であるというふうに判断されます。
 子ども・子育て支援の量的拡大と質の向上を実現するためには一兆円超の予算が必要ということが言われてきておりますが、令和三年度の予算は現在七千億で、当初想定された額より三千億円不足しております。まだまだ予算は十分ではなく、子育て支援のための予算も今後更に充実していく必要があるという認識に立っているのが、まず私の前提であり立場であるということを述べさせていただきます。
 その上で、限られた財源をどのように配分していくのか、その配分の優先順位は何か、それが国全体の子供たちや子育て家族のウェルビーイングにとって重要かという判断が、今回の児童手当法案の議論の主要論点であるというふうに理解しております。
 限られた財源をどうするかということでございますが、第一に、国際的な政策動向から考えてみますと、児童手当や児童扶養手当のような保護者に現金給付を直接行う現金給付と、保育や幼児教育等、子供自身の生活をする場の保育、幼児教育の充実を図る現物給付で、どちらをより厚く配分する政策を取ってきているかというような比率を見ますと、先進諸国、スウェーデン、ドイツ、フランス、イギリス等の先進諸国においては、どの国でも、現金給付よりも現物給付をより充実するよう増やしてきているということが内閣府の資料等で指摘されております。
 そして、スウェーデン、ドイツ、フランスでは、実際に現物給付の比率が現金給付よりも多くなっています。これは、保護者に配付される手当が専ら子供のために真に使われるかということの保証が十分にはなく、保護者自らが使用する懸念もないわけではないからです。
 また、多くの子供たちが乳児期から保育所に登園しているという現在の我が国の状況を考えますと、現物給付によって子育て家族を支えるということが極めて重要になってきていると考えられます。
 また、児童手当のような現金給付に関しても、イギリスやフランスでは所得による違いをつけております。それは、世界的に経済的な格差が増大する中で、より困難な層に手厚く、困窮の層に手厚く子ども・子育てに関する資金の充実が図られるべきだと考えられているからです。
 税金ですので、真に貧困世帯、困窮世帯の子供たちが質の高い保育を受け、子供をより多く産んでも安心して子育てが家庭でできることに優先的に配分されるべきではないかというふうに考えられます。
 英国、米国等の保育の質の効果研究でも、経済的困難層の乳幼児の保育の質が子供の発達に及ぼす影響が大きいということが示されております。家庭の経済状況が児童虐待の生起の直接原因となっているという因果関係は同定できませんけれども、経済状況が媒介要因の一つとして影響することは指摘されているところです。
 厚労省の二〇一九年の世帯調査によりましても、全世帯が五百五十二万三千円、児童のいる世帯が七百四十五万九千円でありまして、特に子育て世代では六百十四万円が世帯年収でありますので、今回の千二百万円は、およそその二倍になります。しかも、今回は、世帯の合算額ではなく、世帯主のみで千二百万円の所得制限になっております。つまり、共働き世帯が増えていることから、世帯合算で見ればより高くなる可能性も考慮に入れる必要があります。
 また、年収が千二百万を超える世帯では金融資産が大きいということも示されていますし、児童手当が実際の生活費や養育費よりも将来の貯蓄や保険料として使用されているというようなことも内閣府のデータで示されています。世帯年収が高くなるほど金融資産も多く、さらに、児童手当が貯蓄等に使用されることも容易に予想されます。
 この所得制限で児童手当受給対象となる児童数は約四%でございます。この今回の見直しの三百七十億の財源効果が見込めるわけですが、それを子育て安心プランそして待機児童対策の方に割り当てていくということが困っている家庭をより厚く支援することにつながりますし、今後は、多子世帯への給付の拡充や、経済格差拡大の中で生活困窮世帯への給付支援等、現在において喫緊に必要とする保育の問題の解決に使用されるべきではないかと判断をいたします。
 少子化対策という観点から見たときにも、今回、新たに不妊治療それから全ての子供の幼児教育の無償化に大きな予算配分が充てられております。ですので、児童手当で、特に所得の高い層での少子化対策として児童手当がどこまで有効であるのかというようなところも疑問があります。
 このようなことから、新型コロナで経済格差が一層拡大している中で、限られた予算では、所得制限をかけて、その資金を保育の充実に充てていくための第一歩にするということが妥当なものであるというふうに判断がなされます。
 終わりですけれども、最も重要なことは、社会保障の中でも子ども・子育て支援のための予算は国の未来を開いていくために今後も一層充実していく必要があるということ、そして、それを子供たち、特に困窮世帯の子供たちへの喫緊の課題に対して手厚く対応し、人生の始まりにおいて目の前の子供たちが豊かな人生のスタートを切れるようにしてほしいと願っておりますことをつけ加えまして、私の意見陳述とさせていただきます。
 以上になります。拍手
この発言だけを見る →
木原誠二#3
○木原委員長 ありがとうございました。
 次に、阿部参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
阿部彩#4
○阿部参考人 おはようございます。東京都立大学人文社会学部、また子ども・若者貧困研究センターの阿部彩と申します。
 今日は、このような機会をいただき、ありがとうございます。
 私は、貧困の専門家ということですので、子供の貧困の立場から、必ずしも今日の法案の範疇にとどまることだけではないんですけれども、今の子供の貧困の現状からの意見を述べさせていただきたいというふうに思います。お手元に資料を配っておりますので、そのグラフを見ながら聞いていただければ幸いです。
 三ページ目になります。日本の相対的貧困率、これは御承知のとおり、二〇一八年値で子供の貧困率は一三・五%となっております。
 残念なことに、この調査は三年ごとに行われておりまして、二〇一八年の数値というのは、もちろん今のコロナ禍の子育て世帯の状況に比べると、大分状況がよかった頃のことです。ですけれども、そのような時点でもどのような子供が貧困なのかということでお聞きいただければと思います。
 ちなみに、もし経済状況が二〇〇九年、一〇年ぐらいの経済状況まで戻るんだとすれば、子供の貧困率がやはり一六、一七%過ぎになっていくというのは十分に考えられることかなというふうに思っております。
 一ページおめくりください。これは厚労省の今の二〇一八年のデータを年齢別に、性別に推計し直したものになります。
 御覧になりますように、今、日本の貧困率は二つの山があり、一つが若年期、一つが高齢期になります。高齢期は男女差が非常に大きいんですけれども、子供の方に着目していただきますと、まず、子供の方の貧困率が高齢者とほぼ同じぐらいになっている、特に男性ではということがあります。それと、一つやはり注目していただきたいのが、子供の中でも年齢によって非常に大きな差があるということです。これが、年齢の低い層の方が子供の貧困率が高いと思っていらっしゃる方が多いんですが、実は年齢の高い層の方が子供の貧困率は高くなっております。
 一ページおめくりください。これはちょっと長期的に、八五年から二〇一八年に何が起こってきたかという、これは男性の方の年齢別貧困率ですが、赤が二〇一八年、青が一九八五年ですので、約三十年前です。
 見ますと、まず、子供期の山が非常に顕著になってきたというのが非常に顕著に分かるかなと思います。それと同時に、先ほども申し上げましたように、やはりこの時期は山なんですね。一ページめくっていただくと、女性も同じように十五歳―十九歳又は二十―二十四歳をピークとする山が子供期に起きています。
 もう一ページおめくりください。ここは二〇〇〇年代からの状況ですけれども、見ていただきますと、赤で囲っていますように、ゼロ歳から二歳、三歳から五歳の貧困率は二〇一二年から大きく下がっておりますけれども、年齢の高い層ではそれほど下がっておりません。
 では、なぜこのようなことが起こっているのかということですが、二ページおめくりください。
 次は、二〇一八年の再分配前と再分配後ですが、見ていただきますと、まず、再分配前の貧困率、男性ですけれども、年齢層によって大きく違うということです。
 その次のページも女性で同じようなことをしておりますけれども、再分配がどれぐらい貧困率を削減したかということを見ますと、確かに年齢の小さい層というのはそれほど削減されてはいないんですけれども、ですけれども、元々の再分配前の所得の貧困率が子供の年齢が高い層で高いんですね。
 もう一ページめくっていただきますと、二〇一八年の再分配前と再分配後を三歳刻みに出してみましたけれども、これで見ても分かりますように、やはり再分配前の差が非常に大きいということで、それの差を縮めることは再分配後に起きていません。
 もう一ページ、済みません、どんどん行きますが、めくっていただきますと、これが八五年から二〇一八年の違いを見せています。八五年が薄いブルーで、二〇一八年、一番直近のものが濃いピンクになりますけれども、やはり全体的にどの年齢層も再分配前の所得の貧困率が非常に大きく伸びているんですね。中でも、やはり、どこが伸びているかというと、子供の年齢層の中でいえば、年齢層の高い層の方が伸びています。
 その次のページは女性で同じようなことを言っています。
 ポイントですけれども、長期的に見ると、子供のいる世帯においては再分配前の貧困率が悪化した。つまり、子育て世帯の雇用状況が悪化しているということなんですね。それがまず第一の、一番の大きな貧困の元凶です。
 再分配の逆機能ということで、再分配前の方が再分配の後よりも貧困率が低くなっている、貧困率が悪化してしまうという逆機能というのは、実は、二〇一五年まではずっと見られておりました、子育て世帯の中では。ですが、それは解消されています、二〇一八年では。ですが、それでも、やはり、特に中学生以上の子供においての貧困率の長期的な悪化と、その改善の恩恵が行き渡っていないという状況があります。
 次に申し上げたいことが、平時における生活困窮があるということ。ポイントとしては、生活困難というのはコロナで初めて現れた問題ではないということで、一例だけ持ってきました。それが債務の滞納です。公共料金と債務の滞納。
 今回、コロナの中で、家賃が払えない、公共料金が払えないといったことで、様々な措置がなされました。ですけれども、このデータは二〇一七年のものです、二〇一七年の時点で、過去一年間で金銭的な理由で電気料金が払えなかった率、一人親では一割を超え、二人親でも二から四%となっておりますので、三十人に一人、各学年に数名はいるといった状況です。
 これは全国調査のものなんですけれども、各自治体が行っている子供の貧困調査を見てみますと、もっと赤裸々な状況が見て取れます。ここは、済みません、愛知県、沖縄県、北海道、香川だけを持ってきましたけれども、どこの自治体でも、ほとんどの都道府県がこの実態調査をやっておりますけれども、見ても同じような数値になります。ですので、沖縄であれば、一割以上の子供たちの世帯においてこれらの料金を滞納したことが一年間であるといった状況です。
 一ページめくっていただきますと、大阪と沖縄では、実際に電気やガス、水道が止められたことがありますかということも聞いておりますけれども、大阪では、半年の間で一%以上の子供において電気、ガス、水道が止められています。一%というのは百人に一人ですので、一学年に一人の子供が電気が止められている家に住んでいるということになります。実際を申し上げますと、子供のある世帯の生活保護率は約一%ぐらいですので、それと同じぐらいの割合の子供でそういった状況が起こっているということです。
 一ページめくっていただくと、これが私の意見となります。
 まず、今回、コロナによって様々な政策が施されており、それはすばらしいことなんですけれども、所得補填、つまり、所得が下がったという人たちに対する所得補填と、それと、憲法が保障する最低限の生活ができていないという人たちに対する所得保障、この二つは違うのではないかということです。特に、やはり、私は、赤の所得保障の方を今強く強化するべきだというふうに思っております。それは、憲法で、二十五条で定めるもの、また、子供の貧困、推進に関わる法に定めてある子供の機会の保障といったことになります。
 このような生活困難はふだんでも起こっているんですね。コロナで初めて起こったわけではないです。コロナに対して、緊急時として、特別措置として対処することには、もちろんやらなければいけないのでやっているんですけれども、弊害もございます。
 一つが、リアクショナリーな対応、つまり、声を上げたところに対しての給付はすぐなされるけれども、声を上げられないところには出せない。一時的なものにとどまる。貸付事業というのがまたありますし、一回だけの給付金といったようなことになります。
 切れ味が悪く、非効率な対応になるというのは、必ずしも必要でない人にも全て配ってしまうというような方法を取るしかないということです。確かに、所得が下がっている子育て世帯は多いですけれども、全然所得が下がっていない子育て世帯もたくさんあるし、その方が大部分だというふうに私は思います。
 それから、平時の生活困難に対しては何らかの便益がなく、逆に財政圧迫により悪化する可能性がこの数年間はあるというふうに思っております。
 ですので、子育て世帯への生活保障を考えたときには、まずコロナ禍の目前の生活困難に対処するというのを優先すべきで、特に今の時点では優先すべきでないかというふうに思っています。
 これから、次の貧困率が、物すごく、一八%となってもおかしくないといったような状況のときには、やはりここが一番今手を打っていくべきところかなというふうに思っております。これは、今回の法案の中では対処されるところではないと思いますし、児童手当か保育か、どちらに配給するのかといった二項選択ではないと私は思います。
 そういった中では、やはり、生活保護というのは、一番これが最後のセーフティーネットであり、これを受けやすくし、そして恥でないというような状況をつくっていかなければいけない。ですので、私は、首相が生活保護があるというふうにおっしゃってくださったことは、非常にうれしいというふうに思いました。ですけれども、お言葉に合うように、生活保護を必要な人は全部受けられるようにしていただきたいということで、そこの条件の緩和というのは是非御検討いただきたい。
 今、生活保護の保護率、二〇一七年のものしかなかったんですけれども、これを見ますと、やはりゼロから十九歳のところは一%といった程度になっております。ですので、高齢者に比べて大分少なくなっているといったようなことがあります。
 そこで、最後に、政府の信頼の回復といったところで、まず今の国民に必要なのは、どんなに困っても、どんなに仕事がなくても、ここまでの生活は絶対に政府が守ってくれるという安心感を持てないということだと思うんです。それはやはり、ボトムラインが何なのか、どんなに困っても、日本にいたら、医療が受けられないことはないんだよ、子供が食に困ることがないんだよ、そういった状況、お母さんやお父さんが失職しても心中しなくてもいいんだよ、生活保護があるんだよ、そういう安心感がないというのが一番の問題かなというふうに思っていますので、私はそこを強化するというのを一番に考えていただきたいなというふうに思います。
 そのほかに、子供に関しては、食の支援、これは子供食堂などのNPOに対する支援が今なされていますけれども、公立の中学校であっても給食というのが一〇〇%給付されておりません。ですので、そういった食の支援。また、定時制高校や高校生年代、子供の施策というのが全て中学生以下の子供に対するものに今収まっているというようなことがあります。医療の保障もそうです。これも自治体が行っていますけれども、ほとんどが中学生までです。それと、住まいの保障。この三つをまず考えていただきたいなというふうに思います。
 済みません、今回の法案に直接関係、それを超えてしまうところもございますけれども、是非子供の貧困という観点から御検討の材料にしていただければなというふうに思いました。
 御清聴どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
木原誠二#5
○木原委員長 ありがとうございました。
 次に、吉田参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
吉田正幸#6
○吉田参考人 三人の大学の研究者に挟まれまして、一体私は何者だろうと自分でもちょっと思ったのでございますが、保育専門誌を四半世紀出し続け、現場、行政、いろいろな方々とやり取りをしているその経験、あるいは、国、地方自治体の様々な子供関係の会議にも関わらせていただいていますので、そういう立場を踏まえてお話し申し上げたいと思います。
 本日の案件については、秋田先生の方からかなり詳細に正確なお話をいただきましたので、少し視点を変えて、この児童手当あるいは子ども・子育て支援の問題を少しマクロな視点で整理をした上で、今日の案件に対する意見を二つほど申し上げたいと思います。
 釈迦に説法でございますが、そもそもこの子ども・子育て支援新制度というのは、税と社会保障一体改革の中で誕生しまして、いわゆる全世代対応型の社会保障ということで、消費税財源から七千億円を入れる、それから、社会全体が支援するということで、企業等の事業主拠出金というところから七千百億円ぐらいが今入っている。その中から、今般の問題の児童手当、あるいは三歳未満児の保育、あるいは企業主導型保育というものに使われております。
 先ほどもお話ございましたように、そもそもこの新制度、スタートのときには、一兆円を超えるような新たな財源を追加をして、質、量共にしっかり進めるという大前提でございましたが、七千億円については消費税から入りましたが、残り三千億がいまだ実現をしていない。この三千億円で本当は、量だけでなく、より質の改善につなげるということであったわけですが、まだこれが実現をしていないということでございます。
 その意味では、OECD加盟諸国、先進国の中で、相当ここ数年、日本の子供財源は膨らんできたとは思いますが、是非とも世界に胸を張れるような一層の子供財源の拡充をしていただきたい、まずこれが大前提だということでございます。
 さはさりながら、コロナ禍の下で、歳出がかなり膨らみ、歳入も厳しくなるだろうという厳しい財政事情の中で、今般の児童手当等の改正という話になったわけでございます。したがって、本来であれば、恐らく誰一人特例給付等を廃止はしたくない、与野党の先生方問わずに、むしろ増やしたいということだと思いますが、しかし、残念ながら限られた財源の中で、これをどう有効に、あるいは効果的に使うのかというところで是非意見の調整をいただきたいと考えております。
 そのためには、児童手当ということだけで特化して議論をしたのでは恐らく答えは出ないのではないか。つまり、子ども・子育ての関係施策というのは、いわば総合的に、あるいは包括的に、あるいはパッケージのような形で成果を出すことを考えるのが私は筋だと思っておりますので、その意味で二つの視点で申し上げたいと思います。
 今日の資料は、いろいろごちゃごちゃ書いてございますが、御参考にしていただきたい。
 その中でも大きく取り上げていますが、一つは、部分最適の発想ではなく、全体最適の発想が子ども・子育て支援政策においても重要であろう。もちろん児童手当そのものも非常に重要ですけれども、そのことだけで恐らく答えは出ないのではないか、様々な多様な施策の総合化、包括化が必要だ。あるいは、言い換えれば、児童手当を始めとした、育児休業給付もそうでしょうが、現金給付と、それから幼児教育、保育あるいは子育て支援のような現物給付の組合せ、バランス、これをどう考えるかということだと思います。
 その点でいえば、今回の特例給付の廃止ということは、残念なことではございますが、一方で、二年前に行われた幼児教育、保育の無償化によって全ての世帯収入の家庭が無償化をされましたが、結果的には、保育料を考えれば比較的高所得層の方が無償化の、金額的には大きかった。それを、合わせ技ということは適当じゃないかもしれませんが、児童手当と無償化を重ねて考えると、特例給付のやむない縮減というのは、組合せで考えればあり得るのかなというふうに考えております。
 そして、今日の資料で唯一使う資料は、最後から二枚目でございますね。二つのデータを出してございます。七ページ目と八ページ目。これは、今年一月中旬ぐらいでしたか、日本保育協会の石川県支部の方で国際的なことをやりたいという依頼がありまして、先ほどの秋田先生にも大変御協力いただきましたが、オックスフォード大学のエドワード・メルウィッシュという、大変、政府、政策にも関わっている先生にオンラインでつないでいろいろな話等、やり取りをさせていただきました。その中の資料の一部ということになります。
 八ページ目の資料を御覧いただくと、もうこれは一目瞭然、もちろん日本とイギリスでは状況が違いますからイコールにはなりませんが、御覧いただいたとおり、子供のいる家庭の収入状況によって子供の発達状況がどうか。このグラフが、低い方がいいわけですね、発達遅延率ですから、これは低い方がいいということなんですが、やはり貧困層あるいは平均より以下の世帯の方が残念ながら子供の育ちにいろいろ問題を生じている。言い換えれば、所得が高い家庭ほど、やはりそこはいいんだということが如実にうかがえます。言い換えれば、児童手当等の現金給付がより効果を発揮するのは、中間以下若しくは貧困層でより効果が出ると言っていいかと思います。
 しかし一方、ここからもう一つ読み取れるのは、幼児教育、保育を受けている場合と受けていない場合で、これは、家庭の収入にかかわらず、全ての家庭において、幼児教育、保育を受けている方が子供の育ちにやはりメリットが出てきている。ということは、より高所得層は、現金給付以上に幼児教育、保育という現物給付の質で貢献できる要素はかなり高い。
 今回、千二百万円というモデル世帯の、どちらかの親の収入ということでございますが、夫婦合算すると恐らくもっと多い、千五百万、二千万の家庭もあるでしょう、その家庭が月五千円もらうということと、いや、五千円はなくなりますが、あなたのお子さんの幼児教育、保育、あるいは小中学校の教育環境が非常によくなって、あなたのお子さんの育ちにいろいろ整備されるんですよ、そっちにも回るんですよということの方が恐らく理解していただける家庭は多いのではないか。極論ですけれども、私は、実はそのように考えております。
 それからもう一つは、これも、所得にかかわらず、子育て家庭の家庭状況が子供の育ちにかなり影響する。それは、その前の七ページのところを御覧いただければお分かりのように、真ん中から左の方が主に家庭の状況ですね、世帯の収入であったり、親の学歴であったり、社会経済的地位であったり、家庭学習環境であったり、これはかなり子供の、十一歳時点ですけれども、読み書き算に大きく影響しているということ。じゃ、ここの家庭がどんな家庭でも豊かな家庭環境になるように、多様な手厚い子育て支援という現物給付を提供することが恐らく相当有効だろう。
 そしてもう一つは、右二つが質の高いプレスクール、プライマリースクールでございますが、これは十一歳時点ですから、もうプライマリースクールの教育もほぼほぼ受けている。そして、随分前にプレスクール、いわゆる幼児教育を受けている。しかし、プライマリースクールよりもプレスクール、幼児教育の影響の方が若干まだ高い、十一歳時点でも。いかに幼児教育、保育の質というものが、その年代だけじゃなく、後々にまで大きな影響を及ぼしているのか。
 こういったことを総合的に勘案をいただいて、児童手当等のような現金給付と、それから幼児教育、保育あるいは子育て支援のような現物給付と、そのバランスを、残念ながら限られた財源の中でいかにうまく組合せをして、いかに高い効果、成果を出すか、そこに政策の知恵を、是非とも、与野党を超えて、子供党という視点で結集していただきたい、そのことを切にお願いしたいと思います。
 以上でございます。拍手
この発言だけを見る →
木原誠二#7
○木原委員長 ありがとうございました。
 次に、伊藤参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
伊藤周平#8
○伊藤参考人 おはようございます。鹿児島大学の伊藤と申します。よろしくお願いします。
 本当に、このような機会をつくっていただいて、非常にありがたく思っております。
 私の方は、レジュメみたいな感じなんですけれども、これを全部読むと十分じゃ終わらないので、要点だけお話ししたいと思います。
 端的に言いますと、まず、今回の子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案は廃案にしていただきたい。
 そこに、後で書いているように、私の対案みたいなのがあるんですけれども、是非、子ども・子育て支援新制度については抜本的な見直しを行って、議員立法でも何でもいいですから出していただきたいと思っております。
 このままでは待機児童は解消できないだろうし、実際問題として、先ほどの支援事業の計画のお話がありましたが、計画に連携を盛り込むというのがありますけれども、これもほとんど理念的なもので、実態として、子ども・子育て支援法自体が待機児童解消なり子育て支援の拡充になっていないというのが一番大きな論点。
 それから、先ほどからお話が出ています児童手当法の特例給付の廃止。これを廃止した上で待機児童解消の財源にするというのは、これは社会保障・税一体改革の一つの流れだろうと思うんですね。つまり、社会保障の財源は消費税でやるか、別の社会保障の給付を削って、そっちに、財源にするか。
 でも、このやり方って、本当に保育が充実するんですか、これは。消費税を上げなかったら保育士の給料は上がらないんですかということになりますよね、結局、リンクさせれば。あるいは、今回みたいに、待機児童の解消をやるためには児童手当を削るんですか。これはおかしいと思いませんか。
 そういう観点から私は意見を述べさせていただきます。
 コロナ禍の法案提出ということで、そこに書いてありますように、非常に状況が悪い中、子供の貧困だけじゃなくて学生の貧困も、私のゼミ生は学費が払えなくて除籍になりました。バイトもなくなった。親にも私は電話をかけたんですけれども、でもそういう状況です。本当に若い人たちの貧困は深刻な状況で、学ぶ権利すらも十分保障されない。
 それから、待機児童の問題もそこに書いてありますが、二ページから三ページにずっと書いているんですけれども、結局、本来であれば認可保育所をもっと増やして、保育士の給料をよくして、配置基準をもうちょっと手厚くすればいいんですが、それをやらない。むしろ、小規模保育事業とかそういうのを作って、保育士でなくてもいい、保育士の資格は要らないと。こんなのあり得ますか。学校で、済みません、私の学校は半分しか教員免許を持っていない教師しかいないんですというのは通用しないでしょう。何で保育所はそれができるんですか、保育施設は。本来、保育士資格のある人に、その人たちをちゃんと給料をよくして配置すべきですが、そういう規制緩和をずっとやってきました。
 そして、子ども・子育て支援制度、新制度のときに、四ページのところですが、結局、これは御承知のとおり、二〇一二年の六月に、もう九年前ですけれども、当時与党だった民主党と自民党、公明党の三党合意で、従来は幼保一体化ということだったんですが、それをなくした上で、子ども・子育て支援法と認定こども園法の一部改正、児童福祉法の改正ですが、児童福祉法の、先ほどもお話がありましたが、消費税一〇%への引上げによる増収分ですね、七千億でしたっけ。あと三千億で一兆円。なかなか三千億が確保できないということですが。そういう形で子育て支援を充実するということだったんですが、私はそういう狙いじゃなかったと思うんです。
 子ども・子育て支援新制度は、あくまでも介護保険のようにしたかったわけです。あるいは障害者福祉のように。市町村が持っている保育の実施義務を外したかった。だけれども、それはいろいろな保育団体も含めていろいろなところの批判があって、結局、児童福祉法の二十四条一項は残りました。なので、新制度というのはすごい複雑な制度になっています。訳が分かりません。給付制度なのか、それともそういった市町村が委託できる制度なのかよく分かりません。法的に整合性が取れない制度なんです。これについてはもう時間がないのでとてもしゃべれないんですが。
 やはり、そういう意味では、ちゃんと公的に責任を持って、自治体やあるいは国の責任で財政的な面も含めて保育所を増設していくということが大切なんですが、事業計画というものが、見てもらったら分かるんですけれども、事業計画については五ページの下の方ですね、子ども・子育て支援事業計画というのは、私も関わっていたことがあるんですけれども、市町村レベルで、鹿児島県の阿久根市というところの子ども・子育て会議でそういう計画を策定したんですが、全部コンサルタント会社に丸投げです。だって、分からないんですよ。そういう中で議論して、でもほとんど事務局が出したのを丸のみです。恐らく、こういう自治体が多いんだろうと思うんですよね。計画は作って終わりです。検証も何もしていない。それで本当に需要が足りていたのか。
 恐らく、このままいくと、六ページのところに書いてあるんですけれども、子ども・子育て支援事業計画に定めるよう努めるべき事項として、その事業を行う市町村その他の当該市町村において、先ほどお話があった関係機関等の連携の推進に関する事項が追加されています。これ、実は医療計画とか介護保険支援事業計画でも連携というのはよく言われるんですが、全然進んでいません。
 だから、やはり理念的なものじゃなくて、本当に計画をちゃんと検証できるような仕組みをつくること、そしてさらに、市町村とかそういったところで保育所を整備する義務があるというのを、そこまで書き込むべきです。ドイツとかはそういうところまでやっていますものね。
 だから、ドイツなんかは、後ろの方に判例がありますが、保育所に入れなかったと裁判を起こしたら、自治体が負けるんですよ。損害賠償責任。ちゃんとつくらなかったということ。そういう義務を明記すること、それが必要じゃないかな。
 保育の実施については、私は、市町村が責任を持つべきだと思うんです。これは、今、コロナの中で本当に明らかになっているんですけれども、やはり公的なものでやるべきなんですよ。公助じゃなくて、公的責任でやるべきなんです。そういったことが、全然、今回の法案にも出てこないし。
 さらに、児童手当については、先ほどもお話ししたとおりです。
 これは、よく言われるんですよ、一番困っている人に行き渡る現金給付。これをやると、必ず、一番困っている人には行きません。一番困っている人は声が上げられない、申請できない。
 そして、所得制限をつけると、ボーダーの人が困ります。児童手当もそうですが、児童扶養手当もそうですが、まあ、児童扶養手当が特にそうなんですが、前年度の所得で変わってくるんですよ。だから、前年度の所得がすごくあって、ところが、コロナで全然所得がなくなったら、前年度の所得が高過ぎたから、三百何十万を超していたらもらえないわけですよ。所得制限は本来なくすべきです。
 それと、皆さん方も、お金がある人に、そんな、五千円も渡す必要はないじゃないかと言うけれども、多くの国はそうしていますよ。日本は割と選別主義的で。結局、お金持ちからは、税金や保険料を高くして取ればいいんですよ。給付は平等なんですよ。それは事務手続もかからないし。もし、それでどうしても嫌と言うんだったら、十万円みたいに、私は受け取りませんに丸をしてもらえればいいです、あの十万円の給付みたいに。そういう普遍的な制度設計をすべきで、普遍的な制度設計、みんなに配るというのが、一番困っている人に行き渡りやすいんです。
 これを私は強調したいし、もう一つは、消費税に依存しない、最後のところですが、十二ページのところですが、消費税と保育の財源をリンクするのはやめるべきです。
 これだと、消費税を上げられないと保育は充実しないということになります。そういう目的でリンクさせたんだろうと思うんですが、やはり必要な予算は一般財源で、それが政治の力だろうと思うんですね。政治にやる気があれば、限られた財源じゃなくて、必要なところは、朝日訴訟の一審判決が言っていますが、予算の配分、つまり、そういったものは、予算が足りないから最低限度の生活を削るということはやっちゃいけないと。予算が足りなかったらどこかから持ってこい、必要な給付は。それが政治の役割だろうと。まあ、そこまでは言っていませんが。と私は思いますし、やはり、今回の、児童手当の特例給付を外して三百七十億ですか。これ、三百七十億、何で出せぬのですか、特例給付を外さなくても。なぜその財源が確保できないんですか。オリンピック予算で一兆円ぐらい。だから、これは本当に政治の配分の問題じゃないかと思うんです。
 特例給付の廃止は是非やめていただいて、更に児童手当なり児童扶養手当を上積みするような政策を求めて、審議を尽くして、今回の子ども・子育て支援の、拡充というか、むしろ逆行ですね、この法案は是非廃案にしていただいて、そういった、もうちょっと一般財源でやって、子供の、更にもう一回言えば、学生たち、若い人たちの貧困に対処できるような財政出動を行ってほしいと思って、私の陳述を終わります。
 どうも御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
木原誠二#9
○木原委員長 ありがとうございました。
 以上で各参考人からの御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
この発言だけを見る →
木原誠二#10
○木原委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤原崇君。
この発言だけを見る →
藤原崇#11
○藤原委員 自由民主党の藤原崇でございます。
 本日は、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案につきまして、参考人ということで、先生方、大変ありがとうございました。
 私の方から、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 まず、事前に委員部からお配りをいただいている資料を見ながらなんですが、まず、秋田参考人と吉田参考人に簡潔にお聞きをしたいのは、この法案とはちょっと違うんですが、幼児教育の無償化が導入されてまだ一年ちょっとしかたっておりませんので、評価をするにはちょっと早計だとは思うんですけれども、今の時点で、導入して効果的なものであるとか、例えば吉田参考人ですと、保育に預ける時間が延びてしまうというような懸念もあるのではないかというようないろいろなお話をなさっていたりするんですが、今一年ちょっとたって、ちょっとそれについての感想というか、評価とまでは言わないんですが、感想をちょっと順次お聞かせをいただければと思います。
この発言だけを見る →
秋田喜代美#12
○秋田参考人 質問ありがとうございます。
 まず、教育ですけれども、全ての施設類型に対して無償化がなされたことによって、公教育を担っているということで、保育所も幼稚園も認定こども園も教育のカリキュラムということに対する意識というのが大変高くなってきているというところが評価できる点ではないかというふうに考えております。
 それによって、この無償化がなされたことによって、専門性、保育者や幼稚園教諭、保育教諭がより一層の研修に励もうと、その動機づけはなされている。すぐに子供に成果が出ているというようなことは断言できませんけれども、非常に無償化によって私たちは教育をしているんだということの意識が高くなり、それが小学校へどうつながるのかというようなところの意識にも関わってきているのではないか。
 これは実証のエビデンスがあるわけではありませんが、関わっている園や、全国の園長や、そういう人たちからの話として御報告申し上げたいと思います。
 以上です。
この発言だけを見る →
吉田正幸#13
○吉田参考人 実は、残念ながら、コロナ禍によって登園自粛あるいは臨時休園等が特に去年の今頃から相当続きましたので、ちょうど無償化が本当に新年度から効力を発揮する時期にコロナによって非常にその部分が見えにくくなったことはあろうかと思います。
 ただ、全てではありませんが、日本中いろいろなところに呼ばれてお話をしている中で、やはり若干保育時間が延びるということはあったやに聞いております。ただ、これも正確な調査をしているわけではありませんので、私の聞いている範囲の感覚として、しかしやはり、四時間利用しようと、八時間利用しようと、十一時間利用しようと無償ですから、同じ無償ならちょっと長い方が助かるなという家庭があるということは想像に難くないだろうと思います。
 しかし、一方では、今秋田先生がおっしゃったように、提供する側にとっては、やはり無償ということで相当な国民の税金をいただいているということに対して、じゃ、我々はどうするんだということで、相当質を上げなきゃいけない。
 幼児教育の無償化の非常に大きい価値は、ただ子育て家庭の経済的負担の軽減のみならず、所得にかかわらず全ての幼児が質の高い幼児教育を受けられて、まさにヘックマン博士がおっしゃるように、また今日のデータでも示されているように、より質の高い幼児教育によって子供に大きな恩恵がある。ただ子育て家庭の親の負担軽減だけではなく、一番主役である子供に幼児教育無償化の質という面で効果を及ぼすということが重要だと思っていまして、その質に関しては、残念ながら、私はまだ十分ではないと正直思っています。
 今回の無償化は子育て家庭の無償ということであって、無償の中身を、プラス、質の方にもう少し政策として目を向けて財源も考えていただければ、より無償化の成果が上がるのでないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →
藤原崇#14
○藤原委員 ありがとうございました。
 始まったばかりですが、大きな転換で、私も、今、今月から長男は小学生ということで恩恵を受けさせていただいたと同時に、特例給付の関係も利害関係がある世代ではあるんですが、大変ありがとうございました。
 この特例給付の削減について賛否いろいろあると思うんですが、特に秋田参考人、吉田参考人、伊藤参考人、共通なのは、もっと子育て予算を増やせばそれが一番いいんだということだろうと思っています。
 そういう中で、伊藤参考人、本法案については反対ということなんですが、本法において事業主拠出金の割合を増やすということをやっております。ある意味、子育て予算を増やすような取組なんですが、ただ、これ、その一方で、一般財源と言えるかどうかというのと、そもそも租税法律主義の観点でちょっといろいろな評価があると思うんですけれども、こういうような取組で保育料というか子育て財源を増やしていくという取組についてどうお考えかというのを、ちょっと御所見をいただければと思います。
この発言だけを見る →
伊藤周平#15
○伊藤参考人 ありがとうございます。
 事業主の拠出金、非常に児童手当に割と特異なことで、それが入っているということはある意味では意味があることではないかなと思うんですが、ただ、後でもお話ししようと思うんですけれども、事業主拠出金を増やしていくということになると、それは企業が連帯的に子育て支援について責任を負う、企業も一緒に。ただ、それで一方で国庫負担が減っていくわけですね、国の負担。その図を見られるとまさにそうなので。
 だとすると、やはり国庫負担の部分も増やしていくべきじゃないかということで、むしろ、どっちかというと、今回のやり方というのは、やはり公的な負担の部分を減らして事業主負担に置き換えよう、そういう魂胆が見え見えなので。
 むしろ、そうじゃなくて、パイを増やすのであれば、やはり国庫負担の部分も増やしていくというような形で、割合としては減ってもその額を増やすとか、それで全体のパイを増やすというようなやり方がいいんじゃないかなと思うし、もう一つは、これは後でも言おうと思ったんですけれども、結局、拠出金の負担を増大していくと、恐らく、これは実は財務省の財政制度等審議会の、資料にもあったんですけれども、令和三年度の建議というのがありまして、毎年出しているんですけれども、かなりシビアなことを言っていますよね、いつも。
 これについて、私の資料の九ページのところですが、少子化対策の安定財源として保険料財源を求める動きが出ているんですね。これは資料に出ていました。
 保険料財源というのは一体何を意味しているのか。つまり、拠出金という形でやりつつ、企業の負担ばかりじゃなくて、じゃ、やはり被保険者本人も負担して、被保険者じゃないですね、企業従業員にも負担させようということで、子供保険のような構想が出てくるんじゃないかなというのを私は非常に心配していまして。
 こういった少子化対策というのは、やはり保険でやるべきではないです。ちゃんと税をつぎ込んでやるべきなので、その一つとして、拠出金というのは一つの方法だろうとは思うんですが、これがやはりそういった社会保険料負担、社会保険料拠出というように行かないような監視は必要だなと思いますし、それと、保険料の事業主負担については、事業主の間で、やはり中小企業と大企業で全然違うし、事業主負担を嫌がって非正規にするということが多いので、私自身の意見としては、フランスがやっているような社会保障税という形でそういった事業主負担分を取るという方法もあるんじゃないかなと思っています。
 今回の法案に出ているのは、やはり国の負担の割合が減っていくというところがちょっと疑問があるし、全体としてはもちろん廃案を求めますが、制度自体は、拠出金を入れること自体については特に異論はないということです。
 済みません、長引いて。
この発言だけを見る →
藤原崇#16
○藤原委員 ありがとうございました。よく分かりました。
 阿部参考人に、またちょっと本法とは違う観点の、今日、御示唆をいただいたんですが、私もまさしくそのとおりだと思っているんです。
 私も弁護士をやっていて、特に、独り身で、非常にビジネスに失敗して借金を負ってしまったとなると、弁護士は、自己破産をして、しばらく立ち直れない間は生活保護を受ければいいのではないでしょうかということを結構簡単に言うこともあるんですよね。
 我々としては、立ち行かないのであれば保護を受けられる、それは権利ですから、受ける。窓口で何か言われるのであれば、それは、しっかりついていって、ちゃんと受給をしてというのは、そんなに違和感がないんですけれども、その一方で、やはり生活保護を受けるということについてネガティブな感じを持っている方もいらっしゃるというのも事実で、今日お話あったと思うんですけれども、もちろん行政の対応を変えていくということも一つ大事なことだと思うんですが、受ければいいのではないでしょうかと言ったときに、ちょっとやはり、ううんという方もいらっしゃるんですね、私も相談を受けていたりしたときには。
 やはり、そういうのをどうやってマインドを変えていくかというので、変えていくのは必要だ。
 どういう取組が大事かなというのを先生から御示唆をいただければと思います。
この発言だけを見る →
阿部彩#17
○阿部参考人 御質問ありがとうございます。
 生活保護というのが国民の権利であるということ自体が、非常にやはり国民の方に浸透していないというふうに思います。また、生活保護に一旦かかったら抜けられないというのは、今は、本当に高齢者の方ですとかそういった方々しか受けることができないという事実があるからであって、それこそがより今後変えていくべきところだと思うんですね。若い方も困ったら受けて、そして元気になったらそこから出ていくという、そのうまいサイクルをやっていけばいいんじゃないかなと思います。
 また、今、生活保護については、もうオール・オア・ナッシングという形になってしまっていますので、例えば、じゃ、住居費だけ何とかなれば生活していけるとかそういった方々も、医療費だけ何とかなれば生活、今は医療単給をやっていますけれども、特殊なケースしかないというふうに思います、ホームレスの方ですとか。なので、そのように、やはり、より柔軟にセーフティーネットとして機能させていくということが重要なのではないかなというふうに思います。
 子供に関して言えば、生活保護は子供に関してはかなり手厚くなってきました、ここ数年で。そういったことも含めて、やはり子育て世帯にも生活保護、本当に困ったら生活保護というのを、もっとポジティブなメッセージとして政治家の方々から発信していただければなというふうに思います。
この発言だけを見る →
藤原崇#18
○藤原委員 ありがとうございます。
 どういうふうにしてポジティブなメッセージを発するのが浸透するのかというのはなかなか難しいなというのは私も思っているんですが、今、部分的なセーフティーネットというのはまさしくおっしゃるとおりだなということで、非常に勉強になりました。
 吉田参考人にちょっと一点。
 資料の方で、十一歳時の効果、リテラシーと計算力というのと、所得層別の発達遅延率という資料を添付をいただいているんですが、今の日本というのは、大分変わってきたところもあるんだと思うんですが、学歴社会だと思うんですよね。高い学歴の方が職業選択もある程度自由が広がりますし、もちろん、別に学歴が高くていい仕事に就くのがいいという世の中ではないんですが、人生の中で、一般的な今の世の中が見る、成功したと言われるためには、学歴を得る方が大事だというふうに言われています。ある意味、学歴で差別をしていると私は言えるんだろうと思います。学歴を差別の根拠にできるのは、学歴は本人の努力で何とかなるからだ、そういうことが大前提にあると思うんですよ。
 ですが、この資料を見ると、これは十一歳時ということなんですが、生まれによって、ある意味、そういう基礎的な能力のところで差異が出ているというのは、これは非常に大きな示唆を与えている。学歴というのは本人の努力で手に入れているんだ、だから、それで区別をすることは問題がない。だけれども、そうではないんじゃないかというようなことだと思うんですが。
 これは十一歳時の効果ということなんですが、やはり、そういうふうになったときに、今の世の中、学歴というものが非常にまだまだ大きな指標になっているんですが、この研究結果なんかを見ると、必ずしも学歴というのは本人の努力だけではないところがある。それを埋めるためには幼児教育、保育教育の重要性がということなんですが、今後、どういう点で質の向上といったときに取組をしていくのがよいのかというのを吉田参考人に少しお聞きをさせていただければと思います。
この発言だけを見る →
吉田正幸#19
○吉田参考人 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。
 手元にデータがございませんが、巷間よく言われているのは、例えば、東京大学に入る学生は、やはり調べてみると、相当、高所得、高学歴の親御さんが多い。これは以前から言われていました。恐らくそういう傾向が強いんだろうと思います。
 そうすると、学歴というのが本人だけの努力で決まるのかというと、恐らく、生まれ育ってくる幼少期から、家庭環境で学びの環境があったり、塾とか家庭教師とか予備校とか、あるいはいろいろな教材とかおもちゃとか絵本とか、やはりお金のかかる世界もありますので、そういうものが潤沢に用意できる家庭に生まれ育つ子供の方が、スタートラインで、その子自身の能力より、やはり有利であるという問題はあろうかと思います。
 であればこそ、そういうものを超えてもう少し普遍的な形で、子供が生まれてから、幼少期、乳幼児期から小中高校の時期にかけて、そういう違いを超えて、やはり、日本に生まれ育って、今後の日本を支える重要な人材として健やかに育っていけるような環境づくりは極めて重要だと思います。
 それが、先ほどヘックマンの話もしましたが、このメルウィッシュ教授も含めて、OECD加盟のいろいろな保育政策を考える世界の中で、まあ、秋田先生もそうでございますが、乳幼児期の教育、保育の質はとても重要である、特に非認知能力においても有効である、そういう環境から整備をしていくということで、先ほど申し上げたとおりですが、やはり、より質に着目をする。ただし、コストのかかる部分は、低所得家庭が決してそれによって不利益を被らないような現金給付は有効である。
 でも、現金給付プラス質の高いそういう環境、あるいは現物、サービスを抱き合わせで、合わせ技で提供することが極めて重要だし、それはやはり未来を支える人材への投資として、未来への投資として決して高くはない。そういう意味で、本当に財源をしっかり確保していただきたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →
藤原崇#20
○藤原委員 終わります。今日は大変ありがとうございました。
この発言だけを見る →
木原誠二#21
○木原委員長 次に、塩川鉄也君。
この発言だけを見る →
塩川鉄也#22
○塩川委員 日本共産党の塩川です。
 今日は、四人の参考人の皆様に貴重な御意見を賜り、本当にありがとうございます。
 最初に、四人の皆様に同じ質問をさせていただきます。
 新子育て安心プランの中で、短時間勤務の保育士の活躍促進ということが書かれております。保育士の確保の問題のところですけれども、待機児童が存在する市町村において各クラスで常勤保育士一名必須との規制をなくし、それに代えて二名の短時間保育士で可とするというものです。
 厚生労働省も、常勤保育士の確保が原則だということをはっきりと述べているわけですが、こうなると、やはり保育の質の低下が懸念をされます。背景にあるのが、常勤保育士の確保が困難となっていることであります。この常勤保育士の確保が困難となっている要因は何なのかについて、皆様からお考えをお聞かせください。
この発言だけを見る →
秋田喜代美#23
○秋田参考人 御質問ありがとうございます。
 常勤保育士が困難な理由のまず一つは、離職率が高いということにあります。つまり、保育士になっても定着しないということです。
 それはなぜかということを考えますと、一つは、処遇が一般の通常の年齢層よりも数万低いというような、今かなりキャリアアップ等で改善が図られていてもまだ低いことや、社会的な評価というものが、先ほど学校の先生の話がありましたけれども、そういう専門家であるにもかかわらず社会的な評価がまだまだ低く、託児的な発想に、社会の方たちがそういう仕事として見ているというようなことによって離職率が高い。
 それから、一旦辞めたとしても、戻ってくるかといえば、非常に厳しい労働環境であったために、もう一度、一回離職した人が再就職をするというような割合も低い。つまり、M字カーブで、自分の子供の子育ての間、一旦例えば退職したとしても、その後また復帰するというようなことが、支援はされていますけれども、現実には上がってこない。それはやはり、労働環境が悪いという、その悪循環が生じている。結局、離職すれば人手が足りなくなるので、誰かがそれをカバーするというような形が喫緊で起こります。それが厳しい職場というものをつくってきているというようなところが大きな要因ではないかと思います。
 今、キャリアアップを始めていますけれども、やはり保育士の資格というものが、続けていくとそれによって、展望というんでしょうか、専門家として成長していく、そういうキャリアラダーという階梯が十二分にまだ保障されていないというようなところも大きな要因ではないかというふうに思います。キャリアアップはその一歩ではありますけれども、まだまだやはり、ほかの看護婦、看護師とか、そういう人たちの職に比べて、そうしたキャリアラダーも見えにくい。
 そして、やりがいというよりも、常に命と向き合ってやっている職業でありますので、その辺りの仕事の大変さとの関係があるのではないかというふうに思っております。
 以上です。
この発言だけを見る →
阿部彩#24
○阿部参考人 私は保育の専門家ではないので、ここはあくまでも一般論かというふうに思いますけれども、保育の質が貧困の子供に対して非常に重要だというのは、ほかの参考人と全く同感です。ですけれども、やはり保育の質というのは人が大事。そのときに、実は、アメリカの子供の貧困対策の中で一番費用対効果が高かったものの一つが、教員の給与の賃上げでした。
 ですので、やはり、先ほどの秋田先生もおっしゃったように、待遇を改善するということがまず一番大事なのではないかなというふうに思います。
この発言だけを見る →
吉田正幸#25
○吉田参考人 実は、昨年、私、厚労省の、保育の現場・職業の魅力向上検討会の副座長をしてございまして、今お尋ねをいただいた件のど真ん中に関わる検討をしてございました。
 今、秋田先生からもおっしゃったように、人材確保は大変困難である、これは事実でございますが、一つは、やはり処遇が必ずしもよくなかった、あるいは職場環境、労働環境が厳しかった、あるいは職場の人間関係等、いろいろ問題があったというふうに言われてございますが、では、どうすればいいのかということで、私自身は二つの視点があると思っていまして、一つは離職率を下げる、もう一つは定着率を上げる、これは似て非なるものだと思っています。
 離職率、離職するというのは、もうこんな大変な仕事で安い給料でやっていられるかという話ですから、離職率を下げるためにはマイナス面を減らす、つまり、今まで十分でなかった処遇を上げる、あるいは残業をさせない、持ち帰りの仕事はさせない、福利厚生を充実させる等々で、今までのマイナスをなくしていくことによって離職率を下げることは可能だろう。
 しかし、では、それで定着するかというと、そうではなくて、よりいい仕事を長くやり続けるためには、仕事を通して、この保育の世界で私はいろいろな研修の機会に恵まれて専門家として成長できたという、成長できる職場であること、あるいは、その職場の先輩、後輩を含めて、お互いに専門家同士で支え合って学び合っていけるんだという職場であること、そしてもう一つは、そういうふうに学び、成長したことが子供の育ちに非常に役に立って、私は貢献できているんだと実感できる職場であること、そして最後に、そういったことが職場の同僚や園長や保護者や、もっと言えば地域社会の方から認められ、評価されるという職場になれば、当然これは辞めない、定着をすると思っていますので、離職を食い止めるということと定着を促すという両面で、私は、職員の質、量の確保を図るべきだと思っております。
 ちなみに、常勤保育士に対して短時間勤務保育士の問題がございましたが、これもいろいろな多様な側面がございますので、私が現場で聞いている中では、非常にいい職場で職員が辞めない、そうすると、かなり高齢化をしていく、高齢化をして体力的に自信はないけれども、保育の仕事は好きだし続けたい、給料も、私はもう年も取って息子も成長したから高い給料は要らない、では、むしろ私は短時間勤務にしてください、朝から一日中働き続けてシフトに入ることは大変ですという方が少なからずいらっしゃることも事実ですので、その短時間保育についても、いろいろな側面があるということも御理解いただけると、プラスの面もあるんだというふうに考えております。
 以上です。
この発言だけを見る →
伊藤周平#26
○伊藤参考人 御質問の、パート化につながる規制緩和は絶対私は反対です、今回のやつも。短時間保育士を入れればいいという問題ではないです。ちゃんと常勤保育士で専門性を持って対処すべきだと思います。
 なぜ保育士の処遇が改善できないかというのは、私の資料の七ページのところにも書いてありますが、一言で言えば、国が公定価格に算定している保育士の給与基準額が低過ぎるからです。だから、そこを増やすしかないと思います。
 そして、八時間労働なんですけれども、保育所の開設時間は、十一時間というような長いところもありますし、八時間労働でやると、もうほとんど子供にかかりっ切りで、記録とか計画の策定とかはできません。つまり、国のそういう算定基準が、だから、あと、記録とか保育計画の作成というのはサービス残業になっちゃいますね。労働基準法上もこれは違法じゃないかと私は思うんですが。だから、国の基準が低過ぎる、国がちゃんと財源を投入して公定価格を引き上げるしかないんじゃないかなと思っています。
 だけれども、先ほど言いましたように、それをやるためには消費税を上げなきゃいけないとか、別の社会保障給付を削るとか、そういうことをやっているから上がらないので、まず基準、それとあと配置基準ですね。人をやはり増やさないと駄目だと思うんです。
 御承知かもしれませんが、そこに書いてありますが、四歳児、五歳児の国の配置基準は三十対一です。三十人の四歳児を一人で見るんですか、保育士。めちゃくちゃですよね。これもちゃんと改善して、だから、ほとんど自治体は、これではとてもできないというので、七ページのそこにも書いてありますが、全国の平均では国基準の一・九倍の保育士を配置しています。そうしないとできない。
 だから、まず基準を上げること、そして保育士の給与基準の公定価格を引き上げること、これがまず最大の解決の道だと思います。
 以上です。
この発言だけを見る →
塩川鉄也#27
○塩川委員 ありがとうございます。
 続けて伊藤参考人にお尋ねいたします。
 伊藤参考人は、公的保育の大切さ、自治体の保育実施義務の重要性を指摘をされました。
 今、企業主導型保育事業が広がり、いろいろな課題も出されているところであります。自治体の保育実施義務のいわば外にあるこの企業主導型保育事業について、どのように評価をされておられますか、お聞かせください。
この発言だけを見る →
伊藤周平#28
○伊藤参考人 企業主導型については、非常に、市町村の責任というか、市町村から離れたところであって、不正受給も多いし、なかなか、開設しても、開設できないとかいうことも多いので、私は廃止すべきだと思っています。
 本来は、やはりこういった小規模、まあ、小規模保育事業自体は、今、認定こども園も含めて、そういったもの自体は市町村に実施責任がないので、それも含めて、企業主導型をまず廃止した上で、認定こども園や小規模保育、更に保育所、そこに市町村が保育実施責任を持つ形にして、児童福祉法の二十四条二項ですが、そこを改正した上で市町村の実施責任というのを明記した上で、こういった規制緩和はやるべきじゃないです、やはりこれは子供の命が懸かっていますから。
 今回の無償化でも認可外保育施設なんかが対象になりましたけれども、やはり認可外保育施設だとどうしても、保育士の資格がなくてもいいわけですから、別にあってもということだけれども、やはり、子供の体の状態とか発達を知らない人が保育していく中で、事故が多発しています。
 企業主導型もそうなんですけれども、一部、できないことはないんです。私の大学の組合でつくっていた認可外保育施設が企業主導型になったんですけれども、そういう使い道はないことはないんだけれども、やはり保育については自治体が保育実施責任を持つような形にして、どんな施設であれ、それがやはりベストだろうというふうに考えております。
 以上です。
この発言だけを見る →
塩川鉄也#29
○塩川委員 ありがとうございます。
 続けて伊藤参考人にお尋ねいたします。
 今回の児童手当法改正で、特例給付の対象から一定の所得以上の者を外すとしております。日本の家族関係予算は主要国の対GDP比の家族関係支出と比較をしても少ない下で、児童手当の削減は行うべきではない、子育て世帯間のやりくりでこういう対象というのはおかしいと思っております。
 そこで、こういった子育て関連の予算の財源をどのように確保すべきなのか、この点についてのお考えをお聞かせください。
この発言だけを見る →
← 戻る