農林水産委員会

2021-03-10 衆議院 全270発言

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会議録情報#0
令和三年三月十日(水曜日)
    午前九時六分開議
 出席委員
   委員長 高鳥 修一君
   理事 加藤 寛治君 理事 齋藤  健君
   理事 津島  淳君 理事 宮腰 光寛君
   理事 宮下 一郎君 理事 亀井亜紀子君
   理事 矢上 雅義君 理事 稲津  久君
      伊東 良孝君    池田 道孝君
      泉田 裕彦君    今枝宗一郎君
      上杉謙太郎君    江藤  拓君
      金子 俊平君    木村 次郎君
      小寺 裕雄君    佐々木 紀君
      斎藤 洋明君    鈴木 憲和君
      西田 昭二君    根本 幸典君
      野中  厚君    福田 達夫君
      福山  守君    細田 健一君
      渡辺 孝一君    石川 香織君
      大串 博志君    金子 恵美君
      神谷  裕君    近藤 和也君
      佐々木隆博君    佐藤 公治君
      緑川 貴士君    濱村  進君
      田村 貴昭君    藤田 文武君
      玉木雄一郎君
    …………………………………
   農林水産大臣       野上浩太郎君
   内閣官房副長官      坂井  学君
   財務副大臣        伊藤  渉君
   農林水産副大臣      葉梨 康弘君
   総務大臣政務官      宮路 拓馬君
   外務大臣政務官      國場幸之助君
   農林水産大臣政務官    池田 道孝君
   国土交通大臣政務官    鳩山 二郎君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        佐藤 朋哉君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 馬場竹次郎君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    川原 隆司君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房長) 横山  紳君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         青山 豊久君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           伏見 啓二君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房検査・監察部長)       松原 明紀君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           新井ゆたか君
   政府参考人
   (農林水産省食料産業局長)            太田 豊彦君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  水田 正和君
   政府参考人
   (農林水産省生産局畜産部長)           渡邊  毅君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  光吉  一君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            牧元 幸司君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官) 天羽  隆君
   政府参考人
   (農林水産技術会議事務局長)           菱沼 義久君
   政府参考人
   (水産庁長官)      山口 英彰君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君
   政府参考人
   (海上保安庁警備救難部長)            瀬口 良夫君
   農林水産委員会専門員   森田 倫子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)
 農林水産関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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高鳥修一#1
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房長横山紳君、大臣官房総括審議官青山豊久君、大臣官房審議官伏見啓二君、大臣官房検査・監察部長松原明紀君、消費・安全局長新井ゆたか君、食料産業局長太田豊彦君、生産局長水田正和君、生産局畜産部長渡邊毅君、経営局長光吉一君、農村振興局長牧元幸司君、政策統括官天羽隆君、農林水産技術会議事務局長菱沼義久君、水産庁長官山口英彰君、内閣府地方創生推進事務局審議官佐藤朋哉君、総務省大臣官房審議官馬場竹次郎君、法務省刑事局長川原隆司君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官浅沼一成君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君及び海上保安庁警備救難部長瀬口良夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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高鳥修一#2
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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高鳥修一#3
○高鳥委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。福田達夫君。
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福田達夫#4
○福田(達)委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の福田でございます。
 農水委員会におきます質問は、四年前の農業競争力強化支援法案の質問以来でございまして、四年ぶりでございます。まず、委員長そして与野党の理事の皆様方に、お時間をいただきましたことを心からお礼申し上げます。
 農林水産業の世界、大変に構造的な問題を抱え、しかし、食料供給という国の最も根本的なところでしっかりと責任を負わなければいけないというところでありますが、それに加え、また、コロナという非常に難しい問題を抱えております。その中におきまして、大臣、強いリーダーシップを発揮していただいて、農業政策を引っ張っていただきたいと思っております。
 まず、今日の御質問は二つに絞らせていただきたいというふうに思っております。実は、所信表明の中でも十ページに書いてございますが、みどりの食料システム戦略、これについてまずはお話を伺っていきたいと思います。
 私、二年前にアメリカのワシントンDCにお邪魔いたしまして、各種シンクタンクと話をしてまいりました。その中で、センター・フォー・アメリカン・プログレス、CAPというふうに呼ばれていますが、いわゆるリベラル系、民主党系のシンクタンクであります。どちらかというと理想主義を語るところではあるんですけれども、ここの研究員としゃべっておりましたらば、面白いことを言っていました。
 農業というものは、食料供給、そして、金もうけだけでなくて、もっといろいろな機能があるというふうに思うんだ、地球環境だとか社会をつくるだとか、そういうふうに我々は今考え始めているという話をしていました。あの、それって日本が四半世紀前から言っている多面的機能という話じゃないですかという話をお返ししましたらば、全く彼らはそれを知らなくて、びっくりした顔をしていました。
 どうも、最近アメリカの方と話をしていると、特に進歩系の方と話をしていると感じるんですが、やっとアメリカというのは社会というものの重さを感じ始めたのかなと。経済成長だけで社会というものを引っ張れる、若しくは人間社会がつくれるというふうに思ってきた、地球環境も全て克服ができると思ってきたものに対し、やはり社会は相当重いな、やはり社会というものにしっかりと向き合って、その基本である自然、天候、気候、そういうものに向き合わない限り、どうも人間社会というものはうまく回らないんじゃないか。やっと彼らは分かってきたのかなという印象を正直受けました。
 今日の質問の一番最初の、みどりの食料システム戦略、私は非常にこれはすばらしいことだというふうに思っています。やっとSDGsの考え方というものが、世界的にも、また我が国においてもしっかりと根づいてきたなというふうに思っています。
 やはり、技術で自然環境すら克服できる、いわばこの技術進歩主義、経済成長という、近代化というものが十九世紀末から世界中に広まっているわけでありますが、それに対しまして、気候風土の中で育まれる社会の価値観、これをしっかりと踏んまえて新しい社会政策というものを、しかも農業、食料政策という根幹中の根幹からお出しになるということでもって、非常に立派なものだと思っています。
 中には、みどりの食料システム戦略、まだお聞き及びでない方もいらっしゃるかもしれませんので、政府参考人から、みどりの戦略について簡単に御説明いただければと思います。
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菱沼義久#5
○菱沼政府参考人 お答えいたします。
 みどりの食料システム戦略は、食料、農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるための新たな戦略として検討しているところであります。
 二〇五〇年に目指す姿として、農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現、化学農薬や化学肥料の使用量の削減、有機農業の面積拡大、持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現などを掲げておりまして、革新的な技術・生産体系の開発、その後の社会実装により実現していきたいと考えており、五月までに戦略を策定することとしております。
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福田達夫#6
○福田(達)委員 ありがとうございます。
 私、すばらしいなと思うことが幾つかあるんですけれども。やはり、一番大事なことは、今まで何となく日本らしいというふうに感覚的に言われてきたこと、これをしっかりと文字化した上で体系化して国際的に発信する。しかも、アジア・モンスーン地域という言葉が実はこの戦略の中には入っています。アジア・モンスーン地域という形に土俵を広げて、それを日本が引っ張っていくんだ、こういう形で国際発信をしていくんだということ、このことが私としては非常に強く意義深いものだと思っております。
 これを世界的に発信する第一の舞台として、国連食料システムサミット、こちらで打ち出すという話を伺っておりますが、アジア・モンスーン地域の独自性をどのように日本としては発信していくおつもりなのか。大臣から一言お願いします。
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野上浩太郎#7
○野上国務大臣 EUなど世界各国が今、環境負荷の低減を目指した食料システムの構築に向けて戦略を打ち出しておりますが、そういう中で、我が国としても意欲的な目標を掲げて積極的に取り組む姿勢を示していくことが必要だと考えております。
 こうした中で、我が国は欧米と比較しますと、温暖湿潤な気候のために病害虫や雑草が発生しやすい気候条件下にあることですとか、あるいは農業については稲作が食料生産の基本でありまして小規模な生産者が多い、こういった特徴があります。
 農業などの生産力向上と持続性の両立はアジア・モンスーン地域において特に重要な課題と考えておりまして、我が国のスマート農業ですとか防除技術を確立、普及することによって、これらの課題への対処に貢献できる可能性が大きいと考えております。
 今後、アジア等の国々が参加する各種会合の機会を捉えまして、この戦略の内容ですとか、この戦略が提唱しているイノベーションのアジア等における意義を説明をしていくことといたしておりますが、その上で、本年九月に開催予定の食料システムサミットにおきまして、本戦略を始めとして我が国の取組を積極的に発信することによりまして、アジア・モンスーン地域の新しい持続的な食料システムを提唱して、国際的な議論にも積極的に参画をしてまいりたいと考えております。
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福田達夫#8
○福田(達)委員 ありがとうございます。
 やはり、まず成長ありきではなくて、しっかりと、まず自分たちという立ち位置をしっかり踏まえた上で、しっかりそこにイノベーションをのっけていく。まず価値観の部分をしっかりと日本には発信をしていただきたいと思いますし、また、その上で、イノベーションの部分で、我が日本には、使える技術、ソフト、若しくは、割と法制度まで含めて使えるものがたくさんあると思います。アジアの国々においてそういうものをしっかりと打ち込むことによって、日本の総合力で日本が引っ張っていただくということで、大臣の牽引力に期待したいと思います。
 ただ、このビジョン、いい話で終わってはいけないと思っています。党の方の議論でも齋藤先生が強くおっしゃっていましたけれども、こういう話は、七〇年代以降、何度も出ては消えているという印象がないわけではありません。これをしっかりと現実的な産業構造の転換戦略に落とし込んで、初めて実際に現実化できるというふうに思っています。
 産業サイドが構造転換をするためには、しかし、将来的なある程度の市場規模、これが見えていないとなかなか産業構造転換はできません。やはり、今現在の形で効率化され合理化されてしまっている産業構造であります。新たなことを始めるためには投資が必要であり、その投資の基本となるのはこれから先の市場規模というふうになります。
 今々、この市場規模というのは、意識転換ができた消費者の数掛ける可処分所得、これで決まってしまうと思います。このシステム戦略の実現をしっかりとやっていくために、市場規模がしっかりと計算できているのかどうかを政府参考人の方にお尋ねします。
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菱沼義久#9
○菱沼政府参考人 お答えいたします。
 農林水産業の生産力の向上と持続性の両立をイノベーションで実現させる、イノベーション創出に当たりましては、産業界、大学などの研究機関、行政機関及び生産現場が一体となって推進することが重要であります。この推進には、需要や市場規模についてもイメージを描きながら関係者間で共有していくことが重要と考えております。
 御指摘の需要、市場規模の将来見通しについては、中間取りまとめ案では記載しておりませんけれども、様々な手法があることから、今後、どのような考え方で整理できるのか、よく検討していきたいと考えております。
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福田達夫#10
○福田(達)委員 ありがとうございます。
 やはり、この市場規模というのは、産業転換という経営、経済のことでありますので、基本中の基本だと思います。是非これはしっかりと試算をしていただき、それを示していただきたいと思います。これを示すことによりまして、農業のみならず農業関連の産業に対しても期待感が生まれるというふうに思います。その期待感によってしっかりと牽引をしていただくことが基本中の基本かというふうに思います。
 ただ、残念ながら、この国は、大臣も所信でおっしゃっていましたけれども、人口が減少します。また、可処分所得についても、これはデフレ脱却のためにも是非増やしていかなきゃいけないものでありますけれども、しかし、ここもそんなに大きく変化が見込めないというふうに多くの方は多分思っていらっしゃる。
 そうしますと、市場規模の拡大という意味においては、みどりの食料システム戦略においても海外市場というのをしっかり押さえていくということも必要かと思うので、是非、試算にはそこの部分もしっかりと踏んまえていただきたいというふうに思っています。この現実的な数字さえ示されれば、このシステム戦略というものは農業及び農業関連産業に新しい期待感を生むというふうに思っています。正直、今、慣れ親しんだ産業構造を変えていくのは大変難しいことでありますけれども、大きな挑戦ゆえに新しい商機、ビジネスチャンスをつくるものだというふうに思っています。
 ただ、もう一つ難しいのは、今の商流の中の各産業別、各段階別、川上から川下までの段階で、それぞれのプレーヤーの方々がばらばらだとなかなかうまくいきません。やはり、商流の中にいる全てのプレーヤーが一つの目的に向かって進んでいく、このことをしっかりとできるかどうかというのが、現実性を高めるか高めないかの一番の問題だと思っています。
 やはり、最初に市場規模が大きくは増えていかない、そういう現状であれば、一方で産業構造の転換ということはコスト増になります。一つの商流の中で市場規模が大きく変わらない、一方で生産の方のコストが上がるとなると、中で取れる利益が減ってしまう。この利益をみんなが分捕りし始めたらば、このことはうまくいかない。
 是非、これをしっかりと、全てのプレーヤーが同じ方向に向くように政府には強い牽引力を発揮していただきたいと思いますけれども、これは政府から見るとどういうふうに見えているのか。よろしくお願いします。
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菱沼義久#11
○菱沼政府参考人 お答えいたします。
 本戦略が掲げるような、新たな技術を活用した新しいサービスは、農業関連産業にとって新たなビジネスチャンスとなると考えております。
 本戦略の推進に当たりましては、生産現場を始めとする関係者の理解を得ることが最も重要と考えています。
 このため、農林水産省といたしましては、今後、農林漁業者、流通関係者、食品事業者等に対して、持続的な食料システムの必要性はもとより、目標とする将来の魅力ある農林漁業経営などの姿について丁寧な説明を行うとともに、求められる目標や水準の達成に向けて、ステップアップを志向する農林漁業者を対象として後押ししていくことにより、関係者の意欲的な取組を引き出してまいります。
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福田達夫#12
○福田(達)委員 ありがとうございます。是非、しっかりと取りまとめをしていただきたいと思います。
 私自身が商社の人間で、商流というものを見ていた立場からすると、やはり、関係者がどういう方がいらっしゃるのか、そして商流全体がどういうふうな形になっているのか、これを見るということがとても大事だと思っておりますが、そういう中においては実は僕は、JAさん若しくは全農さんがそういうことをしっかりと全部皆さんは持っているだろうなというふうな観点からしますと、是非JAグループ等もしっかり大臣に引っ張っていただいてというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 残りが十分を切りましたので、もう一つの話題であります輸出についてお尋ねしたいと思います。
 まず、大臣からお伺いしたいと思います。輸出を増やしていく、しかも大変意欲的に増やしていくというこの意義につきまして、大臣から一言お願い申し上げます。
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野上浩太郎#13
○野上国務大臣 お答え申し上げます。
 国内の食市場が縮小する一方で、世界の食市場は今後大幅に拡大することが見込まれております。こういう中で、農林漁業者の所得向上を図り、また食料供給力の維持拡大を図るためには、農林水産物・食品の輸出促進によりまして海外のマーケットを獲得していくことが重要であると考えております。
 農林水産物・食品の輸出拡大のためには、やはり、輸出先の消費者のニーズを正確に把握して、海外市場で求められる産品を専門的、継続的に供給するマーケットインの輸出体制の整備が重要であります。
 このため、昨年十一月に関係閣僚会議におきまして輸出拡大実行戦略を取りまとめたところでありますが、この戦略をスピーディーに実行しまして、輸出拡大によって海外のマーケットを獲得して、我が国の食料供給力の推進、維持拡大に努めてまいりたいと考えております。
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福田達夫#14
○福田(達)委員 ありがとうございます。
 この国が海外の活力、特にアジアの活力も取り入れて成長する、これは二〇〇七年に安倍総理がアジア・ゲートウェイ構想で掲げたことでありまして、食品部門、農業部門についても例外じゃないと思っています。デフレでなかなか温まらない円という通貨に対して毎年毎年インフレを続ける外貨をしっかりと注ぎ込むことによって、日本の国内のお金の巡りも温める、このことは当然なのかなというふうに思っております。
 しかし、一方で、お配りしています資料の二を御覧いただきますと、農林水産物輸出額の推移と書いておりますが、青い部分は実績であります。黄色い部分が二〇三〇年までの目標。これは、二〇二五年に二兆円の目標、そして二〇三〇年に五兆円の目標、これをプロットした上で、後は年率が伸びていくという形でもって作ったグラフでありますが、見ていただきまして分かるとおり、年率一七%弱伸びるという非常に意欲的な計画であります。
 正直、民間出身の者からすると、売上高が毎年一七%伸び続けるというのは、これはほとんど普通の会社では考えられない世界であります。だからこそ、幅広く考え方を持ちまして、そして力強く押していくという戦略性が政府に求められているというふうに私は思っております。
 やはり、海外から稼ぐということは、国内で稼ぐのと比べてもいろいろなハードルがあります。ましてや、どうしても農業という世界は、自分自身で売るというところ、なかなかそれを力強くやってきたというわけではありません。ですので、稼ぐということは、もちろんまずは物の販売というものをしっかりと生かしていくわけでありますけれども、様々なことをやらなければいけない。
 確かに、政府の方でも輸出本部ができて、各国と基準とか検疫の調整をしていく、このこともやっていただいておりますし、また、今回の輸出戦略におきましては、マーケットインで輸出産業をつくっていく、このことも言及していただいております。ただ、やはり、それよりも幅広く多様な稼ぎ方をしていく必要があるのじゃないかと私自身は思っています。
 実際、昨年の三月に閣議決定されました食料・農業・農村基本計画でも、食品産業や農業等の戦略的な海外展開を通じて広く海外需要を獲得していくことが国内生産者の販路や稼ぎの機会を増やすと明記されておりますし、また、さらには、昨年作成されました輸出戦略の基本的な考え方の中に、海外市場に商流を開き、新たな稼ぎ方を常に模索し続けなければ拡大する海外市場に広く浸透していくことは困難というふうに書いていただいています。これはある意味、物の輸出を増やすためにも様々な物の輸出だけじゃない活動が必要であるということを示していただいたものだというふうに思っております。
 多様な稼ぎ方の検討が必要かということにつきまして、政府の考え方を問いたいと思います。
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太田豊彦#15
○太田政府参考人 お答えいたします。
 農林漁業者の所得向上のために、輸出促進によりまして海外のマーケットを獲得しているところでございます。
 その輸出を持続的に拡大していくためには、我が国の農林水産物・食品のマーケットを広げていく必要がございます。例えば、食肉のスライス工場をアメリカに日本の企業が設置して和牛の輸出の実績を伸ばした、こういった例もありますように、加工、物流、それから販売拠点、こういったものを海外に展開するということは、輸出の可能性を広げるという観点からも有効だというふうに考えております。
 こういった事例だけではなくて、優れた技術、ノウハウを持つ我が国の農林水産業・食品産業が海外に事業を展開して、現地の需要をより広く獲得いたしまして、様々な形で稼げる仕組みといったことを構築するということを支援するとともに、実行戦略に基づきまして、その海外展開がノウハウなどの流出につながらないように、我が国の農林水産業・食品産業の利益となる海外展開の推進方策につきまして、今年の夏を目途にしっかりと検討してまいります。
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福田達夫#16
○福田(達)委員 ありがとうございます。
 実は、ほかのことにおいては日本国というのは先進国であります。特に家電とか車とか、そういう機械工業品については先進国でありますが、食品の輸出について、若しくは農業産品の輸出については実は我々は経験が少ない、ある意味発展途上であります。
 海外の優れた技術とか若しくはやり方を全て学んででもこの五兆円目標をしっかりと達成するということが必要であると思いますし、そのためには、日本国内に意識をとどめるのではなくて、海外にもしっかりと打って出ていく、そのつもりをしっかりと持った上で輸出の牽引を政府にはしていただきたいと思っています。また、これを増やすためには、作るだけではなくて売る方の力も増やしていかなければいけないと思います。
 商社出身の僕としましては、物を作るというのは十分条件ではなく必要条件、売って初めて十分条件を達する。しかも、売るだけではない、稼ぐ、しっかり利益を上げていくことで初めて必要条件まで達するというふうに思っております。
 なかなかこれを農業者の方に全てお願いするのは難しゅうございます。ここはやはり、産業というものにそういうことをしっかりとやっていただくためにもやる必要がありますし、また、五兆円目標の二兆円は加工品であります。食品関連産業とか食品加工産業、これをどのように巻き込んでインセンティブをつけて五兆円中の二兆円を達成していただくか、若しくは売るということをやっていただくのか、政府にお尋ねします。
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太田豊彦#17
○太田政府参考人 お答えをいたします。
 食品産業五兆円目標のうち、加工食品は二兆円でございまして、輸出振興において重要な役割を占めております。さらに、農林水産業とともに地域経済を支え、また、地域の加工食品には魅力のあるものが数多くあるということから、輸出につながる可能性が大きいという認識をしております。
 このため、昨年十一月に取りまとめました輸出拡大の実行戦略におきまして、輸出重点品目といたしまして、清涼飲料水、菓子、ソース混合調味料、みそ・しょうゆ、この四つの加工食品を選定するとともに、本年二月に合計で百九十二産地を加工食品の輸出産地として公表しており、輸出の拡大に本格的に取り組むということとしております。
 加工食品につきましては、輸出促進法に基づく認定による低利融資や、地域の規制に対応するためのHACCP等対応施設の整備、こういったことの支援によりまして促進していきますし、また、加工食品クラスターとして、地域において輸出に取り組む食品産業事業者間の協力体制の構築、こういったことも令和三年、本年夏を目途に結論づけようということをしておりまして、加工食品の輸出に向けたインセンティブ、こういったことを検討してまいりたいと考えております。
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福田達夫#18
○福田(達)委員 時間が終わりましたので終わりますが、済みません、二点だけ、付言だけさせてください。
 資料三に、輸出の流れというものを書かせていただいているものが、農水省の資料でありますが、ございます。左の生産から一番右の販売まで、この中で生産については、しっかりと今回、輸出産地をやっていただきます。運ぶところにつきまして、これも輸出本部でやっていただきます。それ以外にも、これだけの機能が輸出を成立させるためにはございます。ここの全てを全部政府がやる必要はありませんけれども、これだけのことがあるということを念頭に置いていただきたいということ。
 そしてもう一つ、十年間の目標であります。十年間この戦略をしっかり見続ける方、輸出戦略の専門家という方がやはり政府内に必要だというふうに思っています。なかんずく農水省の中においてこの専門人材をつくっていただくこと、これをお願い申し上げまして、私からの質問といたします。
 ありがとうございました。
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高鳥修一#19
○高鳥委員長 次に、金子俊平君。
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金子俊平#20
○金子(俊)委員 おはようございます。自由民主党の金子俊平でございます。
 本日、質問の機会をいただきました。理事の皆様に感謝を申し上げます。
 昨日、大臣所信を拝聴させていただきました。政務三役の皆様方におかれましては、コロナ禍でありますけれども、是非また力強い農林水産行政を推し進めていただきたいというふうに思います。
 早々ではありますけれども、質問に入らせていただきたいと思いますが、ちょっと身長が大き過ぎてアクリル板が、もうちょっと大きいアクリル板を、次回もしあれば、準備をしていただきたいと思います。また、横の津島先生、全く意味がないので、事前におわびをさせていただきたいと思います。
 それでは、冒頭、鳥インフルエンザに関して二問ほど質問をさせていただきたいというふうに思います。
 昨年十一月に香川県で発生してから、今年はちょっと時期が早かったというふうに思いますけれども、十七県五十一事例、おとといまででありますけれども、確認をされたというふうに思っております。
 私の地元の岐阜県の美濃加茂市でも、今年一月に発生をしてしまいまして、六万八千羽の殺処分。おかげさまで、この一件で岐阜県は終息を今のところしております。搬出制限、移動制限も既に解除をしていただいております。
 一方で、全国で見れば、一番直近では宮崎県の二月二十五日だというふうに聞いておりますけれども、いまだ移動制限区域の解除がされていない地域というのがまだまだあるというふうに聞いております。
 更なる発生を防ぐために、農水省としてどのような対策を講じていくのか。基本的に、私自身は、飼養衛生基準を守っていただくというのが一丁目一番地なんだろうというふうに思いますけれども、是非その御見解をお伺いしたいのと同時に、残念ながら発生してしまった農家の皆様方に今後またどのような支援策を講じる予定があるのか、お考えがあるのか、御教授を賜りたいと思います。
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新井ゆたか#21
○新井政府参考人 お答えいたします。
 高病原性の鳥インフルエンザ、今シーズンは、十一月五日に初発ということで、委員御指摘のとおり、例年より早く発生をしております。二月二十五日を最後に現在までは発生しておりませんが、発生した十七県のうち、移動制限が残っているのは千葉県と宮崎県という二県となっております。しかしながら、野生の、野鳥の鳥の状況等を見ますと、発生リスクは五月の連休ぐらいまで高いというふうに考えておりますので、引き続き最大限の警戒が必要であるというふうに思っております。
 こういう中、鳥インフルエンザの発生を予防するためには、支援策も活用いただきながら、農場主自身が飼養衛生管理の徹底を図るということがまず基本でございます。それに加えまして、農場、人、物、車両の消毒等によりウイルス量を一定量以下まで減らせば感染を防ぐことができるということでございますので、関係者一体となって地域の徹底的な消毒を行うということも重要であるというふうに考えております。
 飼養衛生管理の徹底に当たりましては、昨年十月に、改正した家禽の飼養衛生管理基準を施行したほか、各都道府県が行う飼養衛生管理に係る指導について高位平準化を図るために、改正家伝法におきましては、国が策定する指針に即して県が計画を策定し、その計画によって県が指導を行うという制度を導入したところでありまして、本制度は今年の四月一日から施行ということになっております。
 今シーズンのこれまでの鳥インフルエンザの発生はこの制度の施行前ということでございましたので、発生状況に応じまして、繰り返し、都道府県に対して飼養衛生管理の指導のポイントを通知するとともに、全国の一斉点検というのを行いました。これを一か月ごとに行いまして各県の情報を公表するということで、皆様の飼養衛生管理の徹底を図るほか、全国一斉の緊急消毒、それから分かりやすい情報の伝達というのに努めてきたところでございます。今後も引き続き、高い緊張感を持って臨みたいと思っております。
 それから、二点目でございますけれども、経営再開に係る支援についてでございます。これにつきましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、殺処分した鶏の所有者に対しまして原則として評価額の全額を手当金として支払うということになっております。
 県によりましては、県庁や家畜保健衛生所に相談窓口を設置して、担当を決めて手当金の申請の支援を行っているというふうに承知しておりまして、既に順次交付決定をする段階になっているということでございます。農林水産省としても、発生県と緊密に連携しながら、早期の支払いに対応していきたいと考えております。
 このほか、経営支援互助金の交付、それから各種の低利資金の活用も可能ということでございます。
 それから、経営再開の動きでございます。経営再開に当たりましては、再導入の前にモニターの鶏というのを導入いたしまして、農場の清浄性を確認するということになっております。既に幾つかの農場ではこのようなモニターの鶏の導入が始まっておりまして、再開に向けての動きが着実に進んでいるというふうに考えております。農林水産省といたしましても、県と協力しながら、発生農家の一日も早い経営再開を支援してまいりたいと考えております。
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金子俊平#22
○金子(俊)委員 ありがとうございます。
 今、自民党でも、こちらに見えます江藤先生の下、鳥PTをやらせていただいて、どうやって農家に衛生基準を守っていただくのか。お答えしなくて結構ですけれども、特に、もう廃業を予定している農家の皆さん方は守るわけがないと言うと語弊があると思いますけれども、そういう方に対してもどうやって守っていくのか、是非またそういう部分でお力を、お知恵を拝借したいというふうに思います。
 もう一問、鳥インフルエンザに関してお伺いをさせていただきたいというふうに思います。殺処分の具体的な内容に関してでありますけれども。
 今回、百万羽規模の農場でも、残念ながら殺処分の対象になったところが何か所かあるというふうに聞いております。具体的な地名、自治体名を挙げてしまうと差し支えると思いますので挙げませんが。
 本来は殺処分は県等の自治体が主体となって対応していただかなければいけない、だけれども、できない場合に関しては自衛隊の協力を仰ぐことになっているというふうに聞いております。ところが、今回の鳥インフルエンザに関しては、むしろ、自治体が主力ではなくて、一部の自治体では自衛隊が主力になって殺処分を、対応せざるを得なかったということが起こったということを聞いております。
 自衛隊に関して過度な負担にならないように、基本原則に立ち戻って、都道府県でしっかりと、関係団体に協力をいただきつつ、迅速に対応ができるようにするには、どのようなことを農水省で頑張っていただければよろしいか。御見解があれば教えていただきたいというふうに思います。
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新井ゆたか#23
○新井政府参考人 お答えいたします。
 今シーズンの鳥インフルエンザの発生につきましては、御指摘のとおり、大規模農場での発生、あるいは一定の地域で多発をしたということもございまして、自衛隊の方々に殺処分に関しまして多大な御協力をいただいております。今までの発生のうち、半分以上のケースで自衛隊に災害派遣要請をしたということでございまして、大変感謝をしているところでございます。
 本来は、まさに、殺処分の防疫措置は、都道府県が実施をするということでございますので、都道府県内で発生した場合に備えて全県的な体制を確立しておいていただくことが重要だというふうに考えております。
 このため、昨年末におきましては、改めて、県内最大の飼養規模も想定して、机上ではございますけれども防疫演習を実施するということを通知いたしまして、必要な人員の算定、それから動員元、いろいろな各種団体との協定についてチェックをしていただきました。
 その後、例えば岐阜県におきましては、年始の発生にもかかわらず、六万八千羽という規模でございましたが、自衛隊の災害派遣要請をせず、全庁的な対応で迅速に防疫措置を完了していただきました。また、茨城県では、大規模農場の発生時には、県職員の動員とともに、畜産以外の、林業、水産業、さらには中小企業の団体等の職員も動員をしていただきまして、迅速に防疫措置を完了していただいたという優良事例もございました。
 それから、防疫措置で非常に重要になります鶏の焼却、埋却につきましてでございます。これにつきましても、平時から県と市町村が連携を図ることで円滑に焼却施設を活用できた事例、それから、周辺住民との良好な関係を構築することで用意していた埋却地に円滑に埋却作業が進んだというような事例もございますので、このような平時の準備作業が非常に重要だというふうに思っております。
 このような今回の教訓を踏まえまして、農林水産省としては、発生した場合の迅速な防疫措置を各県が徹底できるように、必要な人員の確保、それから埋却地の確保について事前協定をするなどの措置を奨励していきたいというふうに考えております。
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金子俊平#24
○金子(俊)委員 ありがとうございました。
 続きまして、マルキンに関して二問ほど質問させていただきたいというふうに思います。
 去年のコロナ発生から、マルキンの仕組みが一転二転しているというふうに思っております。特に、昨年五月の、県別算定からブロック算定に一回見直しをしていただき、その後また更に県別に戻されて、県単独での算定をする、これは運用改善だというふうに思っておりますけれども、していただく、結果、何が起こっているのか。
 私の地元の岐阜県、飛騨牛って食べたことありますか。
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水田正和#25
○水田政府参考人 済みません、お答えいたします。通告がなかった質問でございますので、今記憶をたどっておりますが、ちょっと、食べたかどうか、はっきりいたしておりません。
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金子俊平#26
○金子(俊)委員 大変失礼しました。
 飛騨牛、私の地元の岐阜県でありますけれども、実は岐阜県がブロック算定から県算定にした瞬間に、価格が高いものですから、軒並み交付対象外に入ってしまっている。多分、ここまで交付対象外になっているのは、岐阜県と北陸、特に福井が対象外になっている月が多いんだろうというふうに思いますけれども。
 地元や生産者の皆さん方が努力を重ねて、ブランド化に成功して、そして値段が上がってきた。値段が上がった、これは努力の結晶でありますけれども、努力の結晶で頑張った結果がマルキンの対象外になる。これは、仕組み上、頑張って牛をやっているけれどもなかなか生産が立ち行かない、その人たちを助ける制度というのはよく分かっているつもりでありますので、あえて先ほど運用改善という言い方をさせていただきましたけれども。やはり、飛騨牛を生産して頑張っている皆さん方からすると、何で俺らはマルキンの対象外になってしまうのかと、不満は実際たまっているんだろうというふうに思います。特に、コロナが入ってから運用改善が二度あった、それも相当影響しているんだろうというふうに思いますけれども。
 今後、どういうような運用をされるつもりがあるのか。若しくは、福井、岐阜、対象外になっちゃう、最近は価格が上がって相当対象外になっている県が多いんだろうというふうに思いますけれども、そういう県に対して、是非、飼育されている農家の皆さん方が頑張れるようなメッセージも込めて、アドバイスをいただきたいというふうに思います。
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水田正和#27
○水田政府参考人 お答えいたします。
 牛マルキンについてでございますが、肉用牛の肥育経営に不可欠なセーフティーネットということでございますけれども、従前から県によって交付金単価の格差が大きくなっていたところでございます。そうした中で、昨年の春、新型コロナの影響で枝肉価格が大きく下落した中で、十万円以上の交付金単価となる県もあれば、発動がない県も見られまして、このままでは、関係者間の不公平感が高まり、牛マルキン制度自体への信頼が失われかねない状況でございました。
 こうしたことから、昨年五月、標準的販売価格につきまして、県別の算定ではなくて、地域ブロック別の平均で算定するという見直しをさせていただいたところでございまして、この結果、全ての県で発動するなど、肥育農家の資金繰りに大きな効果があったと考えているところでございます。
 ただ、その後、委員御指摘のとおり、枝肉価格が回復する過程で、委員の御地元であります岐阜県など一部の県では枝肉価格が極めて高い水準になりまして、こうした県が属するブロックにおきましては標準的な販売価格が引き上げられまして、同じブロックのほかの県において、その県の事情によらずして、交付金単価が極端に低くなってしまうという事態となったところでございます。
 こうした事態を回避するため、昨年の八月の支払い分から、枝肉価格が極めて高い県につきましては、ブロック算定から除いて県単独の算定とする運用改善を行うこととさせていただいたところでございます。
 委員御指摘のとおり、これによりまして、岐阜県におきましては、非常に価格が高いものですから、八月支払い分以降、毎月県単独の算定となったところでございます。そういたしますと、標準的な販売価格が標準的生産費を上回り、赤字が生じていないということで、牛マルキンが発動していないという事態になったところでございます。
 このことは、まさに岐阜県の生産者の方々のブランド化の御努力が実を結んで、収益性の高い経営、優れた経営が行われているということでございます。
 マルキンはセーフティーネットでございまして、そもそも、マルキンが発動しない、もうかる経営を目指すのが望ましい姿でございまして、そうした意味で、岐阜県の肉用牛経営は全国の模範となるものとして改めて敬意を表したいと思いますし、また、今後のますますの御発展に期待したいと思っているところでございます。
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金子俊平#28
○金子(俊)委員 ありがとうございます。
 生産者負担金の納付再開について、現時点での見通しが分かれば、何かあれば教えていただきたいと思います。
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水田正和#29
○水田政府参考人 お答えいたします。
 牛マルキンにつきましては、昨年の四月以降、コロナによる枝肉価格の大幅な下落を踏まえまして、肥育農家の資金繰り支援という観点から、生産者負担金の納付猶予、これは実質免除になるわけでございますが、これを行っているところでございます。
 ただ、一方、最近になりまして枝肉価格もかなり回復してきたところでございます。昨年十二月には、生産者負担金の納付の再開についての考え方を定めまして、一定の条件を満たせば生産者負担金の納付を再開することといたしているところでございます。
 具体的には、今年の一月以降でございますが、食肉中央卸売市場の和牛去勢の全規格平均の枝肉価格、これが三か月連続でキログラム二千三百円を超えた場合に、その後、準備期間として二か月を経て納付を再開すること、そういう考え方をまとめたところでございます。
 その後の価格の推移でございますが、一月分は二千五百七十四円でございまして、二千三百円を上回っている状況でございます。二月分は、まだ速報値でございますが二千五百五十三円と、これも二千三百円を上回っている状況でございます。
 引き続き三月の枝肉価格も二千三百円を上回った場合には、六月から納付再開ということになる次第でございまして、現場で混乱が生じないよう、周知を丁寧に行うなど、しっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。
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