経済産業委員会

2021-06-03 参議院 全169発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和三年六月三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月一日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     青木 一彦君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     青木 一彦君     三浦  靖君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     三浦  靖君     宮島 喜文君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         有田 芳生君
    理 事
                青山 繁晴君
                加田 裕之君
                宮本 周司君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
    委 員
                阿達 雅志君
                江島  潔君
                佐藤  啓君
                高橋はるみ君
                松村 祥史君
                三浦  靖君
                宮島 喜文君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                里見 隆治君
                高瀬 弘美君
                新妻 秀規君
                石井  章君
                浜野 喜史君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
   国務大臣
       経済産業大臣   梶山 弘志君
   副大臣
       経済産業副大臣  江島  潔君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       佐藤  啓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   田辺  治君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    志村 幸久君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    富田  望君
       経済産業省大臣
       官房サイバーセ
       キュリティ・情
       報化審議官    江口 純一君
       経済産業省大臣
       官房審議官    中原 裕彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    田村 暁彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    福永 哲郎君
       経済産業省大臣
       官房審議官    安居  徹君
       経済産業省大臣
       官房審議官    三浦 章豪君
       経済産業省経済
       産業政策局長   新原 浩朗君
       経済産業省経済
       産業政策局地域
       経済産業グルー
       プ長       濱野 幸一君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   飯田 陽一君
       経済産業省産業
       技術環境局長   山下 隆一君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       中小企業庁次長  奈須野 太君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       中小企業庁経営
       支援部長     村上 敬亮君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
この発言だけを見る →
有田芳生#1
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋克法さんが委員を辞任され、その補欠として三浦靖さんが選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
有田芳生#2
○委員長(有田芳生君) 政府参考人の出席要求に関する件ついてお諮りいたします。
 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長田辺治さん外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
有田芳生#3
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
有田芳生#4
○委員長(有田芳生君) 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#5
○高橋はるみ君 自由民主党の高橋はるみでございます。質問の機会をいただきまして、委員長を始め皆様方に心から感謝を申し上げます。
 まず、企業へのコロナ対策について伺ってまいります。
 日本の経済社会がコロナ禍に直面をし、既に一年以上経過したところであります。我が国経済は戦後最大の落ち込みを記録をいたしました。これまで、コロナ禍の影響で厳しい状況にある企業に対し、持続化給付金を始め様々な支援策が講じられてきたところであります。今、政権が挙げてワクチン接種、努力をしていただき、それが進んでおりまして、少し明るい方向に向けて動き出してきていると感ずるところでありますが、まだまだ企業にとっての厳しい局面は続くものとも考えるところであります。
 こうした中、現在コロナ禍で苦境にある企業に対する支援策はどのような形で進められているのか、中小企業へのものも含め、お答えをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
奈須野太#6
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 昨年来の新型コロナウイルス感染症によって中小・小規模事業者が先行きの見えない厳しい状況に直面する中で、まずは資金繰りを強力に支援しようということで、二月にセーフティーネット貸付け、それからセーフティーネット保証を全ての都道府県に発動しております。三月には、政府系金融機関から元本据置き最大五年かつ実質無利子無担保の融資を始めております。
 昨年四月に成立した令和二年度一次補正におきまして生産性革命推進事業の特別枠を創設いたしまして、補助率や補助上限を引き上げて感染症の影響を乗り越えるための投資というものを支援し始めています。また、先ほど申し上げた実質無利子無担保融資につきましては、更に五月から民間金融機関を通じての融資についても拡大して、資金繰り支援に万全を期しているということでございます。また、五月でございますけれども持続化給付金、それから七月には家賃支援給付金ということで、事業継続のための前例のない大胆な支援を行っております。
 そうした中で、一年を経過して、現在感染症の影響というのは事業者ごとによって様々な状況になっています。飲食や宿泊業、こういった方は依然として厳しい状況が続いていると。一方で、半導体、家庭向け飲食料品関係みたいなところは景況感が改善しているというようなところも若干ございます。
 厳しい状況が続く事業者につきましては、政府系金融機関の実質無利子無担保融資、これを延長してまいります。それから、緊急事態宣言やまん延防止重点措置の影響を受けた事業者につきましては、一時支援金、それからこれから始まる月次支援金ということで引き続き事業継続を支援してまいりたいというふうに考えております。
 また、今年一月以降の緊急事態宣言等に伴うイベントの開催制限ございました。音楽コンサートなどが中止、延期となった場合のキャンセル費用、こちらについても支援してまいります。また、休業要請に応じていただいた百貨店などの大規模施設に対する支援も政府として講じているということでございます。
 今後、ポストコロナ、アフターコロナに対応するための新分野の展開、業態転換に取り組もうとする事業者もいらっしゃるということで、最大一億円の補助を行う事業再構築補助金などによって中小企業の前向きな取組を支援してまいりたいと考えております。
 引き続き、事業者の方々が置かれている状況を丁寧に把握しながら、きめ細かい支援を継続してまいります。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#7
○高橋はるみ君 よろしくお願いいたします。
 コロナ禍を抜け出し、ポストコロナに向けて新たな日常への模索が始まっております。その過程で産業構造の変化なども想定されるところであります。こうした企業を支援をし、我が国企業、経済の持続的発展を図るために本法案が提案されたと理解するところでありますが、改めて法案提案の趣旨について、江島副大臣、よろしくお願いをいたします。
この発言だけを見る →
江島潔#8
○副大臣(江島潔君) 今回のこのコロナ禍でございますけれども、過去の経営・経済危機とは若干異なっております。全ての産業に一律に影響、悪い影響を与えているということではなくて、K字回復とも言われておりますけれども、悪影響を受けている企業がある一方、利益を伸ばしている企業もあるというのが今回の特徴ではないかというふうに思っております。
 少し具体的に申し上げますと、日本の場合には、利益率が五%以上向上した上場企業、いわゆるコロナ禍によって業績を伸ばした企業、これが日本では一四・二%、また米国では一九・〇%、欧州では二三・八%と、このような状況になっております。これは、やはりデジタル化、それから巣ごもり需要等に対応した企業が中心になってこの利益率が向上をしているというふうに思われます。
 一方で、この利益率が五%以上悪化した上場企業でありますけれども、これも同じく、日本の場合には一〇・七%、また米国では一九・七%、欧州では二四・八%となっておりまして、こちらの方は飲食それから宿泊等が中心に悪影響が生じているものでございます。
 このようなウイズコロナ、そして今後のポストコロナにおきまして日本の競争力を向上をさせるためには、まずコロナ禍で経営環境が厳しい企業に対しまして、ウイズコロナ、ポストコロナに向けた新たな取組あるいは業態転換といったような事業再構築を支援をさせていただくとともに、デジタルあるいはグリーンといった成長の可能性がある分野に積極的な成長投資を進めていくということが政策として重要ではないかと思います。
 高橋委員さんは、北海道の経産局長を御就任になる前には中小企業庁の指導部指導課長等も務められて、やはり中小企業のすばらしい点あるいは厳しい点ももう十二分に御理解をいただいているというふうに思っておりますけれども、今回のようなコロナ禍というような経済への多様な影響、これを踏まえまして、本法案におきましては、まずこの厳しい経営環境の中で赤字でも努力を惜しまずに事業再構築等に向けた投資を行う企業に対する繰越欠損金の控除上限額の拡大、それからカーボンニュートラルを進めるための設備投資に対する税額控除一〇%等の投資促進税制、さらには全社レベルのデジタルトランスフォーメーション計画に基づくデジタル関連投資に対する税控除額五%等の投資促進税制などを講じることが、これが中心的な中身となっております。
 なお、今回の法案だけではなくて、予算、税制によるこの措置を総動員をすることによりまして、コロナ禍の厳しい事業環境の中であっても、まず今我が国が目指しているグリーン社会への転換、それからデジタル化への対応、さらには新たな日常に向けた事業再構築などへの集中投資、これを促していくことでイノベーションを後押しをいたしまして、日本におけるウイズコロナ、そしてポストコロナにおきまして再び経済が力強く成長できるように経産省としては取り組んでまいりたいと思います。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#9
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 次に、苦境の続く企業の雇用対策についてであります。
 雇用調整助成金の特例措置、これについてはいろんな評価があって、労働市場の流動化を阻害するというような議論があることも承知をしておりますが、私の地元北海道からも強く、やっぱり運輸業、サービス業を始めとして、この雇調金の特例措置の延長など雇用維持の支援制度を存続を求める声が多数あるのも現実であります。
 コロナ禍の現状、またその先を見通して、企業への雇用支援政策をどのような方向性で展開をしていかれるのか、厚労省にお伺いをいたします。
この発言だけを見る →
達谷窟庸野#10
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 まず、雇用調整助成金の特例措置についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で、前例のない特例措置を講じることによりまして事業主の皆様の雇用維持の取組を強力に支援しているところでございます。
 一方で、雇用調整助成金で長期にわたり休業により雇用の維持を図り続けることにつきましては、働く方々の能力が十分に発揮されないことや望ましい労働移動を阻害するといった懸念もあるところでございます。
 このため、五月、六月につきましては、雇用調整助成金の特例措置につきましては助成内容の見直しを行いまして、特に業況が厳しい事業主等に対しましては日額上限一万五千円、助成率最大十分の十の手厚い支援を引き続き行うこととし、これに該当しない場合でも、リーマン・ショック時の水準を大きく上回る日額上限一万三千五百円等の支援を行っているところでございます。
 このような中、緊急事態宣言の期間が延長され、東京都、大阪府を始めとする十都道府県において六月二十日までとなったことから、雇用調整助成金の特例措置につきましては七月末まで現行の特例措置を継続することをお示ししたところでございます。これにより、宣言によって影響を受ける事業主の皆様に、引き続き労働者の雇用の維持に取り組んでいただきたいと考えているところでございます。
 八月以降の助成内容につきましては六月中に改めてお示しすることとしておりますが、いずれにいたしましても、雇用情勢等をしっかりと見極めながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、働く方々の休業ではなく在籍型出向による雇用維持を進めるという観点から、出向元と出向先の双方に対して助成を行う産業雇用安定助成金の創設、出向、移籍のあっせんを行う産業雇用安定センターによるマッチング支援体制の強化、全国及び地方における在籍型出向等支援協議会の開催による労使団体や関係省庁等とのネットワークの構築等により、在籍型出向を活用した雇用維持につきましてもしっかりと支援してまいりたいと考えているところでございます。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#11
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
 それでは次に、産業競争力強化政策について伺ってまいりたいと思います。
 本法律は二〇一三年に成立をし、民間投資の拡大などを目指し、こうしたことを通じて世界で勝ち抜く製造業を復活させることを目標にしたと理解をいたします。本法案は二〇一八年に一度改正され、今回は二度目の改正案の御提案と理解をいたします。
 さらに、過去、長期に振り返れば、戦後の経済産業行政の大きな目的の一つが、まさに我が国産業の国際マーケットで戦える競争力の強化であったと考えるところであります。一九七五年発刊された「官僚たちの夏」という小説、御存じでしょうか。高度経済成長期において日本産業の競争力強化政策に尽力をした官僚の姿が描かれているものでありまして、私も読ませていただきましたが、まさにこういったところにも今申しました長い歴史が感じられるところであります。
 こうした長い産業競争力強化政策の流れの中で、二〇二一年の今日における国際、国内環境に対する現状認識と、それを踏まえての日本国の産業競争力強化政策の方向性について伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
江島潔#12
○副大臣(江島潔君) この国際的な競争、もう御指摘のとおり、大変に激化をしているところでございます。また、我が国におきましても、産業競争力を強化をしていきまして経済成長を実現をしていくということはどの時代でも大変重要であると思います。
 恐らくは、高橋委員におかれましては、官僚時代にはこの日米の競争の最先端でお取組をしていらっしゃったんじゃないかと思いますけれども、現在におきましては、まず欧州でグリーンリカバリーというものが掲げられております。また、同じく米国におきましても、バイデン政権になりましてから、クリーンエネルギー、インフラ等への投資を通じました国内雇用創出、それからサプライチェーン強靱化を目的とした政策が打ち出されております。もう世界は、まさに今、脱炭素技術それから半導体等の産業をめぐって、国若しくは企業の大競争時代に突入をしていると言ってもいいんではないかと思います。
 これに加えましてこのコロナ禍でありますけれども、これは恐らく中長期的にはもう不可逆的な産業構造の変化を伴うものというふうに考えております。社会の変化を主体的に捉える企業には、これは逆に言うと大きなチャンスになり得るものというふうに思います。日本企業が今後付加価値の高い新製品あるいは新サービスを生み出して高い売値を確保できるような付加価値、こういうものを創造できるようになるためには、どうしてもこれはデジタルそれからグリーンといった世界の成長の潜在可能性のある分野におきまして積極的に未来投資というものを進めなければいけないと思います。
 このような認識の下で、経産省としては、予算、税制、法律による措置を総動員をすると先ほども申し上げましたが、これを通じまして、まずグリーン社会への転換、そしてデジタル化への対応、さらには新たな日常に向けた事業再構築への集中投資、これらを促してまいりたいと思います。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#13
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 そして、コロナ禍への対処を通じての教訓として、私たちは、去年のマスク不足の社会的なパニックなど我々は覚えているわけでありますが、こういった経験を踏まえて、経済合理性だけで国際分業を考えるだけではなく、サプライチェーンを国内で構築する、あるいは少なくとも世界の複数国からの調達が可能な状況にするなど、経済安全保障の観点を重視しなければならないことを学んだと理解をいたします。
 こうした我々の経験から、産業競争力強化政策の推進において経済安全保障の視点を入れることが不可欠と考えるところでありますが、どのように対応していく御方針か、副大臣にお伺いをいたします。
この発言だけを見る →
江島潔#14
○副大臣(江島潔君) まず、私が最近、長く私たちが目にしております米中両国による技術覇権争い、これの激化であります。それから、新型コロナウイルスの感染拡大等によって顕在化をしました幾つものリスク、これらを踏まえまして、機微技術の管理、それから国内外のサプライチェーンの強靱化等、経済そして安全保障というのは、これはもう不可分な領域であるという、こういうこの対応の重要性が一層増しているんではないかというふうに認識をしております。
 このような状況の下で、米中欧等の主要各国は機微技術の管理の強化をしております。更に加えまして、半導体等の重要技術の研究開発や産業基盤の確保に対する数兆円規模の財政出動など、経済安全保障政策をかなり強力に推進をしているように把握をしているところであります。
 もうこれは日本としても当然のことでありますけれども、しっかりとこの分野におきまして、安全保障上重要な技術や物資についてサプライチェーンの分析をしっかりと進めることによりまして、まずこの機微技術に関する我が国の優位性と脆弱性、ここも当然顕在化しましたので、これらをまず把握をすること、それから次に、外為法に基づく輸出規制やあるいは投資のスクリーニングなど、この機微技術が流出してしまうという幾つかの事例もありましたので、こういう流出経路に応じた流出防止策を構築をしていかなきゃいけないということ、そしてさらには、経済安全保障上の重要技術の開発、それからサプライチェーンの強靱化のための国内投資の促進、これらを統合的に進めているところでございます。
 なお、これらの取組というのは、これは産業競争力の強化にも資するものであるということはもう当然のことでありまして、このような観点も踏まえてこの経済安全保障の確保を進めていかなければいけないと考えます。
 これらのことを、引き続き、内閣官房国家安全保障局を中心とした関係省庁とも連携をしながら経産省としても取り組んでまいりたいと思います。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#15
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
 そして次に、私は、この戦後の産業競争力強化政策の中における半導体産業への政策を取り上げさせていただきたいと思います。
 一九八〇年代、世界の五〇%近くのシェアを占めていた日本の半導体産業は、その後、徐々に地位を低下させ、二〇一九年には一〇%まで落ちてきたところであります。残念ながら、二〇一三年の産業競争力強化法成立後においてもその傾向はとどまっていないところであります。そういった中で幾つか質問をさせていただきます。
 まず、半導体産業というのは、かつて産業の米と言われ、多くの製造品に使われる重要部品であったと、このように認識をいたします。今日的には、デジタルと物づくりなどあらゆる産業分野の融合化や、あるいは教育、地域社会などのデジタル化など進む中で、半導体の重要性というのはかつて以上に高まっていると考えるところでありますが、半導体の重要性についての認識をお伺いをいたします。
この発言だけを見る →
三浦章豪#16
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 デジタル化が進む中、コンピューターから家電、自動車などあらゆる機器に頭脳として使用される半導体は、経済社会を支える極めて重要な基盤部品というふうに考えております。今後、自動運転やスマートシティーなど社会がソサエティー五・〇へ移り変わっていく中で、半導体はより一層重要になってくるものというふうに考えてございます。
 また、半導体はあらゆる機器やインフラに使用されるということになるわけでございまして、カーボンニュートラル社会実現に向けた省エネ性能の向上、また経済安全保障、産業全体のサプライチェーンの強靱化などの観点からも、今後より一層重要性を増してくる政策対象となっているものということでございます。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#17
○高橋はるみ君 次にお伺いしたいのは、それではなぜ、それだけ重要性の認識がある日本の半導体産業が、凋落という言葉をあえて使わせていただきますが、凋落したのか、そのことについての政策当局としての御認識をお伺いをいたします。
この発言だけを見る →
三浦章豪#18
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 日本の半導体産業、先ほどお話があったとおり、一九八八年にはグローバルシェアの五〇・三%を占めていたわけでございますが、一九九〇年代以降徐々にそのシェアを低下させて、足下では一〇%程度のシェアとなってございます。
 こうしたシェア低下の背景には、国際的に半導体の設計、製造が垂直統合型から水平分業型に移行する中、自前主義に陥り、世界とつながるオープンイノベーションのエコシステムを築けなかったこと、また、バブル経済崩壊後の長期不況により将来に向けた思い切った投資ができず、国内企業のビジネスが縮小してきたことなど、様々な要因があるものというふうに考えております。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#19
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 今の御答弁に加えまして、一九八〇年代以降の日米貿易摩擦に伴う影響、こういったことも大きかったのかなと私自身は思うところであります。
 いずれにいたしましても、そういった様々な現状認識、過去の認識を踏まえて、今回提案されております産業競争力強化法の運用も含め、どのような戦略で半導体産業の競争力強化を目指していく御所存なのか、大臣の御見解をお伺いをいたします。
この発言だけを見る →
梶山弘志#20
○国務大臣(梶山弘志君) 日本の半導体産業の足下の状況ということですが、まずは、センサーやパワー半導体などの分野では、世界市場で戦える企業が国内に残っていると承知しております。また、半導体の製造装置や素材産業は、世界市場において日本企業のシェアが高い位置を占めているということであります。
 一方、日本には高い計算能力を持つ先端ロジック半導体の製造拠点が存在しないという状況であります。また、世界的な半導体需要が急増する中、最先端の半導体だけでなく、ミドルエンド半導体の供給能力の強化が必要であるということであります。
 このような状況を踏まえて、経済産業省としても、海外企業とも連携した先端半導体の製造技術開発の支援、半導体製造工場も含め生産拠点を多元化するためのサプライチェーン強靱化に向けた支援を実施をしているところであります。
 また、本法案において措置することを予定しているカーボンニュートラル投資促進税制では、脱炭素効果が高い製品として、例えば新素材を活用した化合物パワー半導体を想定しておりまして、生産設備の投資促進を図っていくことを目指しております。
 さらに、半導体に関する新たな産業政策を検討するため、三月より検討会議を開催をしてきております。検討会議での御意見や国際情勢を踏まえて今後の方向性を早急に取りまとめるとともに、様々な政策を動員して半導体産業の競争力強化を実現をしてまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#21
○高橋はるみ君 今の御答弁の中でもございましたとおり、製造装置あるいは素材分野など、半導体産業というのは幅広いわけでありますが、現在でも日本企業が強みを持っている分野があるということは大変心強い限りであります。ただ一方で、米、中、欧州など各国、そして台湾など地域も、国を挙げて巨額な財政投入を含め支援に力を入れている状況でありますので、日本政府におかれても、経産省におかれてもしっかり対応していただきたいと考えるところであります。
 次に、多様な中小企業への支援策について質問を進めてまいります。
 我が国企業の中で、企業数で見て九九・五%以上を占める中小企業は実に多様であります。多様な中小企業を幾つかのパターンに分類し、それぞれに沿った支援策を講ずることは大変意義深いと考えるものであります。
 まずは、成長志向の中小企業の事業規模拡大を促進する政策について伺ってまいります。
 昨年、二〇二〇年成立した中小企業成長促進法などにより、成長を目指し、かつそれを実現した中堅企業に対し、一定期間、一定の条件の下にこれまでと同様の手厚い中小企業政策を継続する政策は、これまでの長い中小企業政策の中でも画期的なことと評価をするものであります。今回の法改正案でも更にこれを充実しようとするものであります。
 改めて、こうした中小企業の規模拡大支援策の政策意図をお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →
奈須野太#22
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 ポストコロナを見据えて、中小企業の経営基盤を強化することで、中小企業から中堅企業に成長して海外で競争できるような事業者を増やしていくということが重要でございます。
 そこで、中小企業から中堅企業に成長した企業の多くは、まずは資本金を増加させて事業を拡大し、その上で従業員を増加させるということが多くなっています。例えば、二〇一一年度から二〇一三年度までの間に中小企業から中堅企業に成長した製造業等の企業、これ年間約六十社あるわけですけれども、約八割の企業がこの順序で中小企業から卒業しているということでございます。
 今回の法案では、こうした規模拡大のパスに沿って中堅企業に成長する企業を応援するため、資本金によらないで中小企業の定義よりも従業員基準を引き上げた新たな支援対象類型を創設するということにしております。具体的には、中小企業の成長を後押しする経営力向上計画、経営革新計画、それと地域経済牽引事業計画の三つの計画認定制度について、規模拡大の事例が多い今申し上げた企業群を支援対象とするように見直して、日本政策金融公庫の融資などの金融支援等の措置を講じるということにしております。
 政府としては、二〇二〇年七月に閣議決定した成長戦略フォローアップにおいて、中堅企業に成長する企業が年四百社以上になるということを新たな中小企業政策の目標としています。今回のこうした制度を通じて、中小企業から中堅企業へ成長を目指すという企業がちゅうちょなく成長できるよう、力強く後押ししてまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#23
○高橋はるみ君 次に、地域密着型企業支援策についてであります。
 中小企業の九割近くを占める小規模企業に着目をし、その社会経済的な役割を踏まえ、小規模企業基本法が二〇一四年に制定されたところであり、これも長い中小企業政策の歴史の中で大変意義深いことだったと振り返るところであります。
 小規模企業のほとんどは地域の経済そして雇用を支える重要な存在であり、地域社会、経済の安定的発展のため、その支援策を講ずることは大変重要であります。こうした観点から、今回の法改正によって措置された政策を含め、今後の地域密着型中小企業支援策の方向性を伺ってまいります。
この発言だけを見る →
奈須野太#24
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 中小・小規模事業者はまさしく多種多様でございまして、業種、地域ごとに役割も在り方もそれぞれ違うため、ポストコロナを見据えてはそれぞれの役割に応じた支援を行っていくということが重要でございます。
 本法案では、先ほど申し上げた中堅企業に成長する企業に対する支援だけでなく、事業継続力の強化、それから取引の適正化といった中小・小規模事業者の事業活動に不可欠な基盤を整備するための幅広い支援策を規定しております。
 例えば、事業継続力の強化につきましては、中小・小規模事業者が災害の発生リスクを正確に理解していただくということが必要であるため、地方自治体がハザードマップなどを活用して行う中小企業に対する災害リスクの周知を促進するということにしております。
 また、取引の適正化につきましては、国が下請取引の実態について調査を行うことができるという規定を盛り込むことで、全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を強化して、望ましい取引の在り方を示した振興基準に照らして問題となる事例については、業所管担当大臣による指導、助言につなげていくということにしております。
 こうした基盤の整備に加えて、例えば地域の事業者が移動式のスーパーの事業を展開して、なかなか買物に行けない方の地域課題を解決しながら、同時にビジネスとしても持続可能な仕組みを構築している事例など、地域の課題の解決とビジネスモデルの両立を図る中小・小規模事業者による事業の持続的発展への支援も重要となっています。
 そこで、経済産業省としても、例えば令和三年度当初予算で十・八億円を計上している自治体連携型補助金を活用しながら、国と自治体が連携することで、こうした意欲ある小規模事業者の取組を支援してまいります。
 さらに、地域経済に根差した商工会、商工会議所の役割も併せて非常に重要でございます。そこで、令和三年度当初予算で五十三・二億円を計上している小規模事業者対策推進等事業で、引き続き、全国約七千五百名いらっしゃいます経営指導員の資質の向上のための研修の実施や専門家派遣といった商工会などの支援体制の充実を図っていくところでございます。
 本法案や予算措置を通じて、引き続き地域の経済や雇用を支える中小・小規模事業者の持続的発展を支援してまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#25
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 多様な中小企業の最後は、フリーランスについてであります。
 そもそもフリーランスは多種多様な概念であり、個人事業主、すなわち中小企業の一部との位置付けもあり得るわけでありますが、その活動の環境によっては労働者との位置付けもあり得ると理解をするものであります。
 このフリーランスに関しては、取引の相手方との契約を結ぶに際して取引条件が明確化されていないなどの状況の中で、特にコロナ禍への対応において大きなダメージを受けていたことが明らかになったところであります。こうした中、他の事業者と同様に、コロナ対策としての支援策も様々に行われてきたところであります。
 世の中には四百五十万人以上いると言われておりますこのフリーランスについては、今後更なる実態の把握が必要とまずは考えるところであります。また、その実態を踏まえ、必要に応じてではありますが、今回の改正案に含まれている保護ルールの面の充実などと併せ、振興策、フリーランスへの振興策ということも検討すべきと考えるところでありますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
奈須野太#26
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 現行の下請振興法では、例えばスポーツジムの運営者がスタジオでのレッスンを行う場合に、その講師をフリーランスであるインストラクターに委託して、自らのスタジオレッスンとして顧客に提供する場合の委託契約などは対象外というふうになっています。しかしながら、昨今の働き方が多様化しているという影響などによって、現行の今申し上げた下請振興法では対象となっていない取引形態などに関する下請かけこみ寺への相談件数といったものが増加しておりまして、平成三十年度にはこういった類型が年間五千三百件程度であったものが、令和元年度には六千四百件程度に増加しております。
 そこで、今般の改正によって、親事業者が自らのサービスの一部を委託する取引につきましても下請振興法の対象としてまいりたいと考えております。これによって、新たに対象となる取引を行う事業者に対しても、中小企業庁として全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を進めていくとともに、業所管大臣が発注書面の交付など、望ましい取引の在り方を示した振興基準に基づく指導、助言を行うことが可能になるということで取引の適正化が進むというふうに考えております。
 また、振興策でございます。フリーランスである個人事業主を含めて、中小・小規模事業者の生産性向上に向けた前向きな取組を支援するため、持続化補助金それからIT導入補助金など各種の補助金を措置しております。また、中小企業経営強化税制などの中小企業関連税制につきましても、フリーランスを含めた青色申告書を提出している個人事業主も対象としております。
 また、内閣官房の下で昨年二月から三月にかけて実施したフリーランス実態調査によれば、今後もフリーランスとして働き続けたいと回答された方が約七八%いて、そのうち、今後は受ける仕事を増やす予定であるというふうに回答した者が四六%いらっしゃいます。したがって、この調査に基づけば、成長を志向するフリーランスといったものは全体の約三六%もいるということでございます。
 こうした成長を志向するフリーランスが事業規模を拡大していくことで、例えば法人化する、あるいは更に起業が増えて雇用を拡大していく、そして将来の中小企業、さらには中堅企業に成長していくということも十分考えられるわけでございます。こうした観点から、関係省庁とも連携しながらフリーランスの実態把握に努めるとともに、フリーランスガイドラインや振興基準に基づいた安心して働ける環境の整備、それから中小・小規模事業者の生産性を向上させる取組などを進めて、更にいかなる措置が必要か、いかなる支援策が必要かと、こういったことも併せて議論、検討してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
高橋はるみ#27
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 最後に、グリーン成長戦略について伺ってまいります。
 今後のカーボンニュートラル実現に向けての切り札、再生可能エネルギー、その中でも洋上風力発電、可能性が高いと言われておりまして、私の地元の北海道では、その潜在力の高さを顕在化するために、主として日本海側沿岸を想定をして地域の水産関係者との理解促進セミナーなど開催し、地元としての努力も今一生懸命やっているところであります。
 台風の上陸が少ない北海道は、こうした気象面でも洋上風力発電の適地と考え、大いに期待するものでありますが、他方、洋上風力は、先行するヨーロッパとの比較で見ると、立地環境など日本は不利な点も多いと聞くところでありますが、実態認識について、時間も押しております、簡潔に教えていただければと思います。
この発言だけを見る →
小野洋太#28
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 洋上風力につきましては、昨年末には洋上風力産業ビジョンということで、エリア別の導入イメージをお示ししたところでございますけれども、二〇四〇年の導入見通しは北海道が最大ということでございまして、北海道への洋上風力の導入拡大の可能性は大きいというふうに認識しているところでございます。
 他方、日本とヨーロッパを比べてみますと、イギリスや北欧諸国等が面する北海などは風況が良い、遠浅の海が多く存在するということでございまして、これに対しまして日本はこのような海が少ないということで、実用化が進んでいる着床式洋上風力について見ますと、我が国の設置可能面積は洋上風力の導入が進んでいるイギリスに比べて八分の一ということでございます。
 この中で、官民が、洋上風力産業ビジョン、これ昨年官民で策定したわけでございますけれども、二〇四〇年までに浮体式を含む三千万キロワットから四千五百万キロワットの案件を形成するという高い導入目標、これを掲げているところでございまして、この野心的な目標を実現するためには着床式だけではなくて浮体式、これ双方でやっていかなきゃいけないということでございまして、このため、再エネ海域利用法に基づいた漁業者などの先行利用や地域との調整に加えまして、浮体式洋上風力につきまして、二兆円の基金も活用して早期にコストの低減を図り、その上で、限られた適地を有効に活用し、着床式、浮体式の双方の導入拡大を図っていく所存でございます。
この発言だけを見る →
有田芳生#29
○委員長(有田芳生君) 高橋さん、時間が来ましたので、おまとめください。
この発言だけを見る →
← 戻る