国土交通委員会

2021-04-27 参議院 全123発言

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会議録情報#0
令和三年四月二十七日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     安江 伸夫君     西田 実仁君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     西田 実仁君     里見 隆治君
     室井 邦彦君     音喜多 駿君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     音喜多 駿君     東   徹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江崎  孝君
    理 事
                足立 敏之君
                大野 泰正君
                青木  愛君
                杉  久武君
                浜口  誠君
    委 員
                朝日健太郎君
                岩井 茂樹君
                岩本 剛人君
                岡田  広君
                金子原二郎君
                清水 真人君
                鶴保 庸介君
                馬場 成志君
                牧野たかお君
                増子 輝彦君
                熊谷 裕人君
                野田 国義君
                森屋  隆君
                里見 隆治君
                竹内 真二君
                東   徹君
                音喜多 駿君
                榛葉賀津也君
                武田 良介君
                木村 英子君
   国務大臣
       国土交通大臣   赤羽 一嘉君
   副大臣
       国土交通副大臣  岩井 茂樹君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       朝日健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      内田 欽也君
       総務省大臣官房
       審議官      川窪 俊広君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    横幕 章人君
       国土交通省都市
       局長       榊  真一君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
       気象庁長官    長谷川直之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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江崎孝#1
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、安江伸夫君及び室井邦彦君が委員を辞任され、その補欠として音喜多駿君及び里見隆治君が選任されました。
    ─────────────
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江崎孝#2
○委員長(江崎孝君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省水管理・国土保全局長井上智夫君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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江崎孝#3
○委員長(江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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江崎孝#4
○委員長(江崎孝君) その前に、委員の皆様に一言お知らせをさせていただきます。
 今日から、質疑者、持ち時間がなくなる一分前に持ち時間がなくなった旨のメモを提出させていただきますので、どうぞ御了承いただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
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江崎孝#5
○委員長(江崎孝君) 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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馬場成志#6
○馬場成志君 おはようございます。自民党の馬場成志です。
 今日は、こうやって質問の機会を与えていただきましたことに、皆様方に感謝をしながら入らせていただきます。
 私の地元熊本県では、近年、震災、水害が相次いでおりまして、その応急対策、復旧復興に当たって、テックフォースを始め国交省の対応、支援に大変感謝しているところでありますが、特に今月は、球磨川の沿川の河川と道路の一体的な復旧復興を行うための八代復興事務所、そして阿蘇山の砂防事業を本格化するために阿蘇砂防事務所を設置していただきました。地元は大変心強く思っているところであります。改めて感謝を申し上げます。
 そして、昨年七月豪雨は、熊本県の球磨川で甚大な被害を被りました。国交省の記録によると、昨年の洪水のピーク流量は、現況の整備基準はおろか、長期的な目標である河川整備基本方針のピーク流量を大きく上回り、中流部、人吉市では町中を川のように洪水が流れ、津波のようだったというような言葉も聞かれております。県内の死者、行方不明者は六十七名に及び、球磨川では、本川、支川で道路橋、鉄道橋合わせて十七の橋が流失いたしました。改めて、亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、今も不自由な暮らしをされている方々にお見舞いを申し上げるところであります。
 熊本、球磨川等、被害地の復旧復興は最優先で対応する必要がありますが、この水害の教訓を全国に生かしていくことも必要なことであり、今回の流域治水関連法案でも対応されていると思いますが、まずその観点から質問をさせていただきます。
 熊本県の球磨郡の球磨村にある特別養護老人ホームでは、十四名の尊い命が失われました。何度も話が出ていると思いますが、この老人ホームでは入所者が確実に避難できるように避難確保計画が作成されておりましたが、残念ながら急激な水位上昇に避難が間に合わなかったと。避難確保計画が十分に機能しなかったという面もあると思います。
 今回の流域治水関連法案ではその対応が盛り込まれていると承知しておりますが、その概要についてお尋ねをいたします。
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井上智夫#7
○政府参考人(井上智夫君) お答えいたします。
 令和二年七月豪雨により十四名が犠牲になった熊本県球磨村の高齢者施設の被災については、厚生労働省と共同で設置した有識者検討会での検証によって、避難確保計画に、屋外運動場などに、避難に適さない避難先が選定されていた、避難支援要員の具体的な確保方策まで定められていなかったなどの課題があったことが明らかになりました。
 こうした課題を踏まえ、避難確保計画の実効性を確保するためには、計画の作成やその後の訓練を踏まえた見直しの際に、災害の種類に応じたふさわしい避難先や避難支援要員の確保方策を適切に定めることができるよう、防災の専門知識を有する市区町村からのアドバイスが有効であり、本法案では、施設管理者が市区町村から避難確保計画に関する助言等を受けられる仕組みを設けることとしました。また、市区町村が助言等を適切に行うことができるよう、参考となるチェックリスト等を国において取りまとめ、研修会等を通じて市区町村に周知することとしています。
 さらに、こうした避難対策の強化以外にも、避難自体をしなくて済むよう要配慮者利用施設を安全な場所へと誘導するとともに、浸水しないよう高さを確保するため、本法案では、特に浸水リスクの高いエリアを浸水被害防止区域に指定し、施設の開発、建築を許可制とすることにより、その安全性を事前に確認することとしております。
 厚生労働省におきましても浸水リスクの高いエリアに新設する高齢者施設への補助要件を厳格化することとしており、引き続き、厚生労働省とも連携して、高齢者施設等の利用者の安全を確保する取組を進めてまいります。
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馬場成志#8
○馬場成志君 今答弁にもありましたように、施設の管理者だけでは対応が難しくて、市町村の支援は必須であります。
 しかし、例えば球磨村、今話した球磨村の職員というのは、二〇一九年の四月一日現在の実態調査では、一般行政職員は六十名です。そのうち介護・保健職は三名となっています。もちろん、災害の後に今拡充している部分はあると思いますが、そういった中でこの支援というものはとても大事でありますが、災害対策特別委員会では、金曜日に可決いたしました災害対策基本法の改正でも在宅の高齢者などの個別避難計画の策定が努力義務化されておりますが、これも是非推進する必要があって、村の福祉部局の負担はより大きくなってまいります。
 今日は厚労省から来ていただいていますが、全国には同じような状態の市町村も多くあると思われますので、助言、勧告を行う市町村の支援をしないと制度が機能しないと考えておりまして、特に福祉部局へは厚生労働省の支援も不可欠でありますので、厚労省に具体的な支援の内容を伺いたいと思います。
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横幕章人#9
○政府参考人(横幕章人君) お答えをいたします。
 今御指摘をいただきましたとおり、福祉施設等で、避難確保計画作成等、実効性のある取組を進めていただくに当たりましては、市町村の側におきましても、体制面等厳しい状況にあることに留意いたしまして、取組の優先順位、それから、その中でも最低限実施すべき事項を示すことが重要であるというふうに考えております。
 このため、先ほど御説明ございましたとおり、国土交通省と共同で設置いたしました検討会におきまして避難の実効性を高める方策を取りまとめるとともに、チェックリストをお示ししたところでございます。
 また、都道府県の側におきましても、介護職員向けに防災の研修でありますとか防災相談を受ける窓口を設置する、こういったことに対する支援を行うこととしております。
 また、在宅の方につきまして市町村が作成する個別避難計画に関する御指摘をいただきました。こちらの方におきましても、本年三月、都道府県の福祉部局あるいは関係団体等に宛てまして、消防防災主管部局あるいは保健医療など関係部局と連携して個別計画の取組を検討する、また、実施準備に対して協力が得られるよう依頼をし、さらに、本年度からは、個別計画の作成に当たりまして福祉専門職の参画が得られた場合にはその報酬等の経費を新たに地方交付税措置といたしましたので、このことをお示ししたといったところでございます。
 引き続き、国土交通省とも連携をいたしまして、市町村への支援しっかりと行い、高齢者施設等の利用者の安全が確保されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
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馬場成志#10
○馬場成志君 申すまでもなく、本当に悲しいことが繰り返されないようにしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 避難を適切に行うには、その場所のどのような危険性があるかをきちんと認識してできるようにする必要があります。特別養護老人ホームの横を流れておりました球磨川に流れ込む支川の小川という川がありますが、の氾濫も施設を襲ったと言われております。
 今回の法改正ではこのような支川についても浸水想定の公表を義務付けることになりますが、新たに対象となる河川は都道府県管理の河川がほとんどであると思われます。そういったことから都道府県の事務の負担が大きくなると考えられますが、浸水想定に基づき市町村がハザードマップを作成することになりますので、浸水想定の公表を急ぐ必要があります。そのためには都道府県の負担を軽減する必要がありますが、国交省の取組についてお尋ねをいたします。
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井上智夫#11
○政府参考人(井上智夫君) 議員御指摘のとおり、球磨川支川の小川を含め、多くの中小河川では浸水想定区域が設定されておらず的確な避難が困難であることから、本法案では、浸水想定区域の指定対象を現行の大河川から原則全ての中小河川に拡大し、水害リスク情報の空白域を解消していくこととしております。
 新たに浸水想定区域を指定する必要がある河川は全国で約一万五千河川、熊本県においても約四百河川に及び、指定を短期間に進めることは都道府県にとって大きな負担となります。
 このため、国土交通省としては、浸水想定範囲の簡便な設定手法や必要な地形データの提供など、浸水想定範囲の設定を技術面から支援するとともに、防災・安全交付金でこれらを財政面から支援することとしています。さらに、こうしたこれまでの支援措置に加えて、今回は特に浸水想定範囲の簡便な設定手法を改善するための国の調査検討の中で中小河川の浸水範囲のデータが得られる予定となっているため、これを国から都道府県に提供し、副次的に活用していただくことで作業負担を軽減したいと考えております。
 本法案を活用した流域治水の成否は自治体が握っていると言っても過言ではなく、都道府県との連携を密に取りながら、水害リスク情報の空白域解消に取り組む都道府県を支援してまいります。
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馬場成志#12
○馬場成志君 よろしくお願いします。
 今日は気象庁にも来ていただいておりますが、昨年の七月豪雨で避難が円滑にできなかった要因の大きな一つとして、線状降水帯の発達が予測できなかったとの指摘があります。これは本当に難しいことだと思いますが、昨年七月だけではなく、近年、毎年のように線状降水帯によって被害が発生しております。
 その予測精度を上げることが住民の的確な避難のために必要であるというふうに思いますが、線状降水帯による豪雨の予測精度の向上について、今どのような取組をされておるか、お伺いします。
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長谷川直之#13
○政府参考人(長谷川直之君) お答えいたします。
 令和二年七月豪雨では、熊本県などにおいて、線状降水帯により記録的な大雨となりました。このような線状降水帯の発生を事前に予測することは、技術的に非常に難しい課題です。その予測精度を向上させるためには、線状降水帯の発生と関連が深い水蒸気の正確な把握と、スーパーコンピューターを活用した予測技術の高度化が必要と考えております。
 このため、まず、水蒸気などを正確に把握できるよう、令和二年度第三次補正予算によりまして、海上保安庁との連携による海洋、洋上の観測の強化、それからアメダスへの湿度計の導入、そして最新の技術を用いた気象レーダーへの更新強化などの取組を進めているところでございます。
 また、予測技術の高度化につきましては、有識者から成ります線状降水帯予測精度向上ワーキンググループというものを開催して意見交換を行うなど、大学、研究機関とも連携した取組を始めたところでございます。
 また、こうした取組と併せまして、予測精度向上の進展に応じた効果的な情報発表にも努めてまいります。今出水期には、事前の予測が難しいことから、発生した線状降水帯について情報提供をすることを予定しております。また、事前の予測につきましては、来年度には半日前から線状降水帯などによる大雨となる可能性につきまして情報提供を開始し、その後も段階的な予測精度の向上を図りながら、二〇三〇年には半日前から危険度分布の形で情報提供をすることを目指しているところでございます。
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馬場成志#14
○馬場成志君 難しいこととは思いますが、御努力に期待をさせていただきます。
 予測精度を上げる一方で、またその危険性が市町村や住民に伝わることが重要であります。気象庁は今年の出水期に向けて線状降水帯に関する新しい情報を出すということでありますが、その概要はどのようなものか、また、もう梅雨時期まで時間がないわけでありますが、この新しい情報を自治体にどのように周知するのか、お尋ねをいたします。
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長谷川直之#15
○政府参考人(長谷川直之君) 気象庁がこの出水期に提供を予定しております情報は、線状降水帯の予測が難しい中、気象レーダーなどの観測によりまして線状降水帯が発生していることを検知した場合にお伝えするものでございます。線状降水帯により非常に激しい雨が同じ場所で降り続いている状況について、これまでに多くの災害を引き起こしてきた線状降水帯という言葉をキーワードとして使ってお伝えをすることで危機感を高めていただくことが期待できるというふうに考えております。
 それから、この情報につきまして自治体や地域の住民の方々に御理解をいただくこと、これ大変重要なことだと考えてございまして、この出水期に向けまして、全国の地方気象台などから全ての自治体に御説明をさせていただくとともに、報道機関や気象キャスターの方々にも御協力をいただいて広く周知に努めてまいります。
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馬場成志#16
○馬場成志君 少し話が変わりますが、先日の参考人の意見陳述において、治水事業に関し、ダム建設よりも河川改修を優先すべきという発言がありました。
 治水事業における河川改修とダム等の洪水調節施設の整備については、基本的な考え方を改めて国交省に伺いたいと思います。
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井上智夫#17
○政府参考人(井上智夫君) 治水の基本的な考え方は、河川の水位を下げて安全に水を流すことにあります。このため、流域の特性や河川沿いの人口、資産等を踏まえつつ、下流から計画的に進める堤防整備や河道掘削、中上流で整備するダムや遊水地などを組み合わせて進めることを基本としております。
 堤防整備等の河川改修は、整備効果を順次発現するなどの長所があるものの、下流から実施しなければならないなど、事業の進捗に一定の制限が掛かる場合もあります。
 一方で、ダムは、堤防整備等に比べれば効果の発現までに一定の時間が掛かり、一時的に予算の集中投資も必要となるものの、下流の河川改修を待つことなく上流で洪水を貯留することができ、また、下流全域の長い区間にわたって効果を発揮することができる効果の大きな施設であると認識しています。
 引き続き、河川の特性等に応じた治水対策を上下流の治水安全度バランスも図りながら計画的に進めていくことが重要と認識しております。
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馬場成志#18
○馬場成志君 今答弁にもありましたように、これはそれぞれの河川の特性に応じて適切な手段を選択しなければならないということであると思います。
 計画的に安全度を上げていくことが重要ですが、球磨川は日本三大急流と呼ばれ、治水事業が難しい川だと思います。いろんな手段の効果を検証し、地域の合意を得て最適な対策を進める必要があるというふうに考えています。
 昨年の七月豪雨に対して様々な対策の効果の検証がなされ、ダムがあった場合の効果も算出されているというふうに思いますが、その効果について改めてお伺いします。
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井上智夫#19
○政府参考人(井上智夫君) 昨年七月の記録的な大雨により球磨川流域では五十名もの尊い命が失われるなど、甚大な被害が発生しました。
 このため、国と県が設置した委員会で豪雨時の河川の水位や流量などの検証を行い、今回の豪雨に対して従来から検討していた貯留型の川辺川ダムを整備していた場合には、人吉地点のピーク流量が毎秒約七千四百立方メートルから毎秒約四千八百立方メートルにまで低減されたと推計しています。
 この流量は、人吉地点において川の中で安全に流すことができる流量の毎秒約四千立方メートルを上回っており、このダムだけによって浸水被害を完全に防ぐことはできませんが、例えば、人吉市内の人吉大橋上流付近では球磨川本川の水位が約一・九メートル程度低下し堤防高以下となる、また、人吉市街部から球磨村渡地区にかけての浸水面積が約六割程度減少し、さらに、浸水深が家屋の二階の高さに相当する三・〇メートルを超えることになる浸水面積は約九割程度減少するなどの効果があったと推計しています。
 また、昨年の洪水では、人吉市内を流れる山田川などの支川の水位が球磨川本川の影響も受けて高くなり、早朝から浸水被害が発生しましたが、仮に川辺川ダムを整備していた場合には、球磨川本川の水位が下がることにより、山田川などの支川の水位も低下し、支川からの氾濫の発生を遅らせることで避難時間を稼ぐことにもなったと考えられます。
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馬場成志#20
○馬場成志君 熊本の話ばかりで恐縮ですが、熊本地震からようやく復興というときに球磨川で大きな被害ということになりました。
 蒲島熊本県の知事は、丁寧な議論を経て、新たな流水型のダムを含む緑の流域治水を進めることを決断されております。赤羽大臣にも直接要望されたということですが、是非熊本県と連携して球磨川の流域治水プロジェクトを推進していただきたいというふうに思いますが、大臣の決意を伺いたいと思います。
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赤羽一嘉#21
○国務大臣(赤羽一嘉君) 熊本県球磨川流域における今回の豪雨災害は、熊本地震、そして昨年来のコロナウイルス禍、そして今回の豪雨災害と、もうトリプルパンチ、大変大きな打撃だというふうに認識をしております。
 私も、発災直後、球磨川地域の被災地域に足を運び、直接首長の皆さん、関係者の皆さんから様々な御要望を頂戴いたしました。
 これからのその地域の本格的な復興を始める大前提として、やはり球磨川の抜本的な流域治水対策を講じることは本当に必要だというふうに考えておりますので、早急にお示しをする必要があるというふうに認識をしております。
 蒲島知事からも、昨年十一月に、御地元で三十回にわたる住民の皆様の御意見、御提案をお聞きする会を主催し、自らも御出席をされて様々な御意見を聞いた上で、球磨川流域の治水の方向性が決まらなければ住まいやなりわいの再建ができないという御意見を重く受け止め、様々これまでダムに関しては経緯がありましたが、知事としても、新たな流水型ダムに関する御要望を知事からも私自身も直接いただいたところでございます。
 こうした地元の御要望も踏まえまして、去る三月末に、上流、下流、本川、支川など流域全体を俯瞰した、また国、県、流域の市町村、企業、住民などあらゆる関係者が協働して取り組む球磨川の流域治水プロジェクトを取りまとめたところでございます。
 ここでは、昨年七月の同様の豪雨による再度災害を防ぐために、流水型ダムの建設に向けた検討に加えまして、河道掘削、遊水地の整備等々、こうした河川の中の対策、加えて、また、まちづくりと連携をいたしました掘削土砂を活用した宅地のかさ上げ、そして雨水の貯留のための田んぼダムですとか、森林の保全、整備の推進と、そしてソフト対策としてのタイムラインの改善と、こうした関係者と協働して実施することとしておるところでございます。
 私、現場へ行って、特に人吉市の観光関係の皆さんからは、やはり抜本的な治水対策をしていただかないと、また再開をしてもまた再度災害が起こってしまうと、大変な危機感も訴えられたこと、記憶に鮮明に残っておりますので、こうした地元の皆さんの気持ちをしっかり重く受け止めて、着実に流域治水をしっかり進めていきたいと、こう決意をしております。
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馬場成志#22
○馬場成志君 大臣、本当によろしくお願いを申し上げます。
 委員長から時間のことを言われましたので、最後に入ろうか入るまいか、短くお答えいただければ。
 七月の豪雨では、県道、県管理の国道や球磨川本川の合流する県管理の支川の区間でも被害が、大きな被害があっていますが、国の権限代行によって復旧工事が進めていただいておりまして、これ大変感謝しておりますが、その復旧状況、現在の状況をお聞かせいただきたいと思います。
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井上智夫#23
○政府参考人(井上智夫君) 令和二年七月豪雨により球磨川流域では河川や道路等のインフラにも甚大な被害が発生し、このうち、川が埋まるほどの著しい土砂堆積が発生した熊本県管理の川内川など球磨川の九つの支川及び流失した橋梁十橋を含む国道二百十九号や熊本県道、市町村道など約百キロに及ぶ自治体管理の道路については、熊本県から要請を受け、九州地方整備局が権限代行により復旧工事を実施しております。
 まず、河川の復旧状況は、九支川のうち、川内川など二支川においては既に土砂撤去を完了しており、残る七支川も五月末までに撤去が完了する見込みとなっています。引き続き、護岸や排水施設の復旧を今年度中に完了するよう進めてまいります。
 次に、道路については、これまでに全線にわたり緊急車両等の通行を確保し、現在は、一般車両の通行を可能とするため、道路の応急復旧や鎌瀬橋など三橋への仮橋設置を進めています。このうち、仮橋設置については五月末までに完了する見込みです。
 本年四月一日には、これら河川や道路の復旧工事、さらには本年一月に公表した球磨川水系緊急治水プロジェクトの事業を専従で担当する新体制として総勢五十三名の八代復興事務所を設け、被災地の本格的な復旧復興を支援することとしました。
 引き続き、熊本県や流域市町村とも緊密に連携し、的確な避難に資する水害対応タイムラインなどのソフト対策も並行して進めながら、地域の安全、安心を確保すべく全力で取り組んでまいります。
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馬場成志#24
○馬場成志君 ありがとうございました。
 これからまたしっかりと新しい法も、改正していただいて取り組んでいただきますことをお願いを申し上げて、終わります。ありがとうございました。
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江崎孝#25
○委員長(江崎孝君) 馬場委員、ありがとうございました。
 別に厳しくしているつもりはございませんので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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熊谷裕人#26
○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。
 いつも質問時間で委員長に注意をされますので、今日は遅れないように注意をしながら質問させていただきたいと思います。
 先般、流域治水法全体、全般の質問をさせていただきましたので、今回は少し個別に、一つずつ法律の中身に沿って質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、どなたか質問されるかと思っていたんですが、利水ダムの事前放流について質問がまだ出ていませんでしたので、最初にその質問をさせていただきたいと思います。
 流域水害対策に係る協議会と、今度、ダムごとに協定を結んでダムの洪水調整機能の協議会を創設をするというふうに法案に書かれておりますが、この流域治水全体の協議会とダムごとにつくられる調整機能の協議会の関係を、まずどのようになっているのか。国管理のダム、それから都道府県管理のダムとあると思いますけれど、今回、治水という面で考えたときにつくられるこの協議会と全体を考えた協議会の関係性をまず最初にお聞かせいただければと思います。
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井上智夫#27
○政府参考人(井上智夫君) ダム洪水調節機能協議会は、事前放流の推進を目的に、利水ダム等に対して費用を負担し権利を有しているダムの利水者と河川管理者等が協議するものです。一方、流域水害対策協議会は、河川や下水道の管理者、流域自治体等の関係者が特定都市河川において講じるべき対策の協議を調整をするものです。
 特定都市河川に利水ダムがある場合は、ダム洪水調節機能協議会において協議が調った利水ダムの活用については、流域水害対策協議会で取りまとめる対策に位置付けていくこととします。
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熊谷裕人#28
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 この事前放流について、ダムごとの協議会でどのようにしていこうかということを一つずつ協定を結んでつくっていかれると思うんですけれど、水系の中に幾つかダムがある場合もあると思うんですね。そうしたときに、やはりこのダムをトータルで見て、どこのダムをどれだけ放流をするのか、ダムの位置が違いますから、どのダムでどれだけ放流をすればどれだけの下流域に影響があるんだろうかとか、そういうところの連携というか横のというか、トータルでその水系を見たときに、どのダムをどう調整するのか、それから下流域にどういう影響があるのか、その協議会ごとに連携をしたり情報の共有をしなければいけないことが当然考えられると思うんですが、その辺の、水系の中に複数のダムがあるときの水系全体としての連携方法や情報共有の方法についてどのように考えられているのか、どこかが司令塔にならないと多分抑えられないと思うんですが、その辺について教えていただければと思います。
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井上智夫#29
○政府参考人(井上智夫君) 事前放流については、ダム上流域の予測雨量に応じて放流を開始する必要があり、また、河川管理者とダム管理者が連絡を取り合いながら連携して実施する必要があります。
 このため、国土交通省においてダム管理者が事前放流を開始する際に参照すべき予測雨量が自動的に提供されるツールを開発するとともに、気象庁から台風や大雨に関する情報が発表された場合には、ダム管理者へ事前放流を実施する態勢に入るように伝達するなど、適時にダム管理者とコミュニケーションを取っています。また、複数のダムが配置されている水系において、上流の各ダムからの放流量が合わさったときに下流の河川利用者等への影響が認められる場合は、河川管理者がダム管理者に対し事前放流の放流量を調整するなどの必要な措置をとるよう要請することとしております。
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