文教科学委員会
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会
会議録情報#0
令和五年十二月五日(火曜日)
午前十時七分開会
─────────────
委員の異動
十二月五日
辞任 補欠選任
末松 信介君 田中 昌史君
斎藤 嘉隆君 勝部 賢志君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 高橋 克法君
理 事
赤池 誠章君
赤松 健君
今井絵理子君
蓮 舫君
伊藤 孝恵君
委 員
上野 通子君
臼井 正一君
末松 信介君
田中 昌史君
高橋はるみ君
橋本 聖子君
本田 顕子君
勝部 賢志君
古賀 千景君
宮口 治子君
下野 六太君
安江 伸夫君
金子 道仁君
中条きよし君
吉良よし子君
舩後 靖彦君
国務大臣
文部科学大臣 盛山 正仁君
副大臣
文部科学副大臣 青山 周平君
事務局側
常任委員会専門
員 武蔵 誠憲君
参考人
国立大学法人東
京医科歯科大学
学長 田中雄二郎君
総合科学技術・
イノベーション
会議常勤議員 上山 隆大君
北海道大学大学
院教育学研究院
准教授 光本 滋君
金沢工業大学大
学院教授 高橋真木子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
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この発言だけを見る →午前十時七分開会
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委員の異動
十二月五日
辞任 補欠選任
末松 信介君 田中 昌史君
斎藤 嘉隆君 勝部 賢志君
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出席者は左のとおり。
委員長 高橋 克法君
理 事
赤池 誠章君
赤松 健君
今井絵理子君
蓮 舫君
伊藤 孝恵君
委 員
上野 通子君
臼井 正一君
末松 信介君
田中 昌史君
高橋はるみ君
橋本 聖子君
本田 顕子君
勝部 賢志君
古賀 千景君
宮口 治子君
下野 六太君
安江 伸夫君
金子 道仁君
中条きよし君
吉良よし子君
舩後 靖彦君
国務大臣
文部科学大臣 盛山 正仁君
副大臣
文部科学副大臣 青山 周平君
事務局側
常任委員会専門
員 武蔵 誠憲君
参考人
国立大学法人東
京医科歯科大学
学長 田中雄二郎君
総合科学技術・
イノベーション
会議常勤議員 上山 隆大君
北海道大学大学
院教育学研究院
准教授 光本 滋君
金沢工業大学大
学院教授 高橋真木子君
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本日の会議に付した案件
○国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
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高
高橋克法#1
○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
理事会が延びてしまいまして、大変定刻を過ぎて御迷惑を掛けました。申し訳なく思います。
委員の異動について御報告いたします。
本日、斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君が選任されました。
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この発言だけを見る →理事会が延びてしまいまして、大変定刻を過ぎて御迷惑を掛けました。申し訳なく思います。
委員の異動について御報告いたします。
本日、斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君が選任されました。
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高
盛
盛山正仁#3
○国務大臣(盛山正仁君) この度、政府から提出いたしました国立大学法人法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
国立大学法人は、それぞれの強みや特色を生かして、教育、研究、そして、その成果を生かした社会貢献に積極的に取り組んでいます。最近では、国際卓越研究大学制度の創設や地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージの策定など、様々なステークホルダーとともに、研究力の強化に向けて大学の活動を充実させる政策を進めているところです。そのような中で、大学の大きな運営方針の継続性、安定性を確保することや、多様な専門性を有する方々にも運営に参画いただくこと、また、大学の自律的な財務運営を支えるためにも、規制を緩和することが必要です。
この法律案は、このような観点から、国立大学法人等の管理運営の改善並びに教育研究体制の整備及び充実等を図るため、事業の規模が特に大きい国立大学法人についての運営方針会議の設置及び中期計画の決定方法等の特例の創設、国立大学法人等が長期借入金等を充てることができる費用の範囲の拡大、認可を受けた貸付計画に係る土地等の貸付けに関する届出制の導入等の措置を講ずるとともに、国立大学法人東京医科歯科大学と国立大学法人東京工業大学を統合するなどの措置を講ずるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、事業の規模が特に大きいものとして政令で指定する国立大学法人には、中期目標についての意見、中期計画の作成、予算及び決算の作成等に関する事項の決議、中期計画等に基づく法人運営の監督、学長選考・監察会議に対する学長選考に関する意見の陳述についての権限を有する運営方針会議を置くこととしております。また、その他の国立大学法人も、長期かつ多額の民間資金を調達する必要があることなどの特別な事情により、体制強化を図る必要があるときは、文部科学大臣の承認を受けて運営方針会議を置くことができるとしております。
第二に、国立大学法人等が長期借入金や債券発行できる費用の範囲について、現行制度上可能である土地の取得、施設の設置、整備、設備の設置に加え、先端的な教育研究の用に供する知的基盤の開発、整備についても可能とすることとしております。
第三に、国立大学法人等の所有する土地等の第三者への貸付けについて、あらかじめ文部科学大臣の認可を受けた貸付計画に基づいて土地等の貸付けを行う場合には、現行制度上、個別の貸付けごとに必要となる文部科学大臣の認可を要せず、届出によって行うことができることとしております。
第四に、国立大学法人東京医科歯科大学と国立大学法人東京工業大学を統合し、国立大学法人東京科学大学とすることとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
この発言だけを見る →国立大学法人は、それぞれの強みや特色を生かして、教育、研究、そして、その成果を生かした社会貢献に積極的に取り組んでいます。最近では、国際卓越研究大学制度の創設や地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージの策定など、様々なステークホルダーとともに、研究力の強化に向けて大学の活動を充実させる政策を進めているところです。そのような中で、大学の大きな運営方針の継続性、安定性を確保することや、多様な専門性を有する方々にも運営に参画いただくこと、また、大学の自律的な財務運営を支えるためにも、規制を緩和することが必要です。
この法律案は、このような観点から、国立大学法人等の管理運営の改善並びに教育研究体制の整備及び充実等を図るため、事業の規模が特に大きい国立大学法人についての運営方針会議の設置及び中期計画の決定方法等の特例の創設、国立大学法人等が長期借入金等を充てることができる費用の範囲の拡大、認可を受けた貸付計画に係る土地等の貸付けに関する届出制の導入等の措置を講ずるとともに、国立大学法人東京医科歯科大学と国立大学法人東京工業大学を統合するなどの措置を講ずるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、事業の規模が特に大きいものとして政令で指定する国立大学法人には、中期目標についての意見、中期計画の作成、予算及び決算の作成等に関する事項の決議、中期計画等に基づく法人運営の監督、学長選考・監察会議に対する学長選考に関する意見の陳述についての権限を有する運営方針会議を置くこととしております。また、その他の国立大学法人も、長期かつ多額の民間資金を調達する必要があることなどの特別な事情により、体制強化を図る必要があるときは、文部科学大臣の承認を受けて運営方針会議を置くことができるとしております。
第二に、国立大学法人等が長期借入金や債券発行できる費用の範囲について、現行制度上可能である土地の取得、施設の設置、整備、設備の設置に加え、先端的な教育研究の用に供する知的基盤の開発、整備についても可能とすることとしております。
第三に、国立大学法人等の所有する土地等の第三者への貸付けについて、あらかじめ文部科学大臣の認可を受けた貸付計画に基づいて土地等の貸付けを行う場合には、現行制度上、個別の貸付けごとに必要となる文部科学大臣の認可を要せず、届出によって行うことができることとしております。
第四に、国立大学法人東京医科歯科大学と国立大学法人東京工業大学を統合し、国立大学法人東京科学大学とすることとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
高
高
高
高橋克法#6
○委員長(高橋克法君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
国立大学法人法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国立大学法人東京医科歯科大学学長田中雄二郎君、総合科学技術・イノベーション会議常勤議員上山隆大君、北海道大学大学院教育学研究院准教授光本滋君及び金沢工業大学大学院教授高橋真木子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →国立大学法人法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国立大学法人東京医科歯科大学学長田中雄二郎君、総合科学技術・イノベーション会議常勤議員上山隆大君、北海道大学大学院教育学研究院准教授光本滋君及び金沢工業大学大学院教授高橋真木子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
高
高
高橋克法#8
○委員長(高橋克法君) 国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、田中参考人、上山参考人、光本参考人、高橋参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず田中参考人からお願いいたします。田中参考人。
この発言だけを見る →この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、田中参考人、上山参考人、光本参考人、高橋参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず田中参考人からお願いいたします。田中参考人。
田
田中雄二郎#9
○参考人(田中雄二郎君) 田中でございます。
おはようございます。東京医科歯科大学学長の田中雄二郎でございます。
まず、私たちの大学等が含まれている法案を御審議いただいておられる当事者の一人として、心から感謝申し上げます。
また、今日はこのような機会を与えていただき、ありがとうございます。せっかくの機会ですので、当事者として、本学と東京工業大学の法人統合に絞って私見を申し述べたいと思います。
資料を御覧ください。資料の二ページを御覧ください。こちらが資料になります。
これまでの経緯を御説明申し上げます。
令和三年の秋に、今から二年少し前になりますが、本学から東京工業大学に統合を打診し、令和四年春に統合形態について東工大、東京工業大学から具体的な提案があって、ここに記されているとおりの経緯で今に至っております。
次のページ、三ページを御覧ください。
一法人複数大学の先行事例もありましたけれども、私たちは一法人一大学を選択することといたしました。つまり、両大学は一つの新しい大学になるということです。一法人一大学を選択した理由は、両大学に重なる学部がないこと、メインキャンパスが電車で三十分程度と比較的近接していることから、統合した方がより多くのシナジー効果が得られると考えました。
次のページ、四ページを御覧ください。
統合に至った背景について御説明いたします。
これまで両大学は、指定国立大学法人として広く理工学及び医歯学に関する知見を創出して、自在に応用できる人材の育成を通じて、産業の発展と医療の進歩を牽引してきたと自負しております。
しかし、人類は、これまで想像し得なかった地球環境の悪化や新興・再興感染症の世界的流行、少子高齢化の急速な進行など様々な課題に直面しています。これらの地球規模の課題や今後起こり得るであろう未知の問題の解決に向けて、両大学はその知を結集して、より大きな役割を果たすことが社会から期待されていると認識しております。
資料五ページを御覧ください。
これは経済産業省の大学発ベンチャー実態調査の資料です。少し字が小さいですが、縦軸は会社の数であり、横軸は過去五年間順番にどうなっていったかということを示しています。バイオヘルスケア分野は、その赤枠で囲ったところですけれども、IT分野とともに過去五年間でベンチャー数は急速な伸びを示しています。
下段に示す横長の棒グラフですけれども、これはその割合を示していますけれども、バイオヘルスケアだけでもその数は三割近くに及び、医療機器や素材、IoTなどを含めると、二つの大学で統合する、カバーする領域は八〇%を超えるというもので、極めて大きいことが分かっています。このように、カバーする大学発のベンチャーが多いということは、単に外部資金の獲得が増えるということにとどまらず、社会貢献の度合いが大きくなると考えました。
次のページ、資料六ページを御覧ください。
このような背景から、両大学のこれまでの実績、伝統と先進性を生かしながら、統合によってかつてどの大学もなし得なかった新しい大学の在り方を創出することを目指すこととしました。このために、両法人の統合と新しい大学の設立を実現し、国際的に卓越した教育研究拠点として、社会とともに活力ある未来を切り開く決意を固めました。これが統合の目的になります。
次のページ、七ページを御覧ください。
新大学の目指す姿については、大きくは四点について合意しております。
まず、一点目としては、両大学のとがった研究を更に推進することです。研究者にそれぞれの興味に根差した研究を行える環境を提供します。
二点目としては、医師、理工学、さらにはリベラルアーツ、人文社会科学を含む様々な学問領域が自由な発想で融合するコンバージェンス・サイエンスを展開することです。
三点目としては、高度専門人材、特に博士人材の輩出です。教養教育と専門教育を有機的に関連させた総合知の教育を充実させます。これにより、真に解決すべき課題を設定でき、その解決を導く人材を育成します。
四点目としては、構成員に高度なダイバーシティーを実現することです。この下で、世界に開かれた知の創造と人材育成の場を構築したいと考えています。
次のページ、資料八ページで、新大学のキーワードであるコンバージェンス・サイエンスについて御説明いたします。
下段のように、現時点で私たちはグリーンテクノロジーから再生医療に至るまで幅広い分野で先端的な研究を展開していますが、統合によって、中段にあるように、地球環境、ウエルビーイング、トータルヘルスケアという社会課題に直結する新しい研究領域をつくることができると考えています。上段のように、さらに未来は、社会課題を率先して発見し、柔軟に新しい学術領域を創成して、社会とともに解決する大学であり続けたいと考えています。
次のページ、資料九を御覧ください。
コンバージェンス・サイエンスを実現するために知の循環を重視します。
スライドの下に、総合研究院と書かれた枠がありますけれども、この研究院をつくり、異分野融合の研究が研究者同士の交流から自然発生的に生まれるように大学で支援します。研究者同士が交流する場を創設することによって自然発生的に生まれるということを期待するわけです。
それに対して、スライド上にある未来社会創成研究院、これも新しくつくるものですけれども、大学が重点領域と考えた分野にインセンティブを用意して、医工連携を始めとする異分野融合の研究を促進する予定です。要は、言わばミッションで動いていくという、そういう研究院です。
さらに、社会実装が近づいた段階では、これも新設ですが、新産業創成研究院というものをつくり、そこで企業とともに実用化を図っていきたいと考えています。特に、医工連携については、医療工学研究所の設立を考えています。
次のページ、十ページを御覧ください。
大学病院は診療報酬に依存する今日の医療だけで財政的にも精いっぱいな現状があります。本学附属病院は、コロナ重症患者を当初から多く受け入れた病院で、社会からも大きな評価をいただきました。それは私たちの励みとなっています。しかし、ワクチンを含め、新たなコロナの治療薬の開発ができたわけでは残念ながらありません。明日の医療にまでは十分手が回らなかったということです。
この反省を踏まえ、新大学では、明日の医療を支える研究と人材開発を積極的に行うため、財政的にもこの部分を別会計にする予定です。別会計の財源は産学連携等の外部資金に求める構想となっています。
資料十一ページを御覧ください。
さて、新大学において、従来の日本の大学が陥りがちであった閉鎖的な組織文化を完全に払拭したいと考えています。本来アカデミアが持つべき自由でフラットな人間関係を構築することが極めて重要であると考えています。その下で、精神の余裕を取り戻した構成員による広く社会に開かれた創造空間を構築したいと考えています。
その実現に向けて、一点目は、全ての構成員の専門性と役割の尊重です。教員、職員、学生の別にかかわらず、一人一人が自らに誇りを持ち、お互いをリスペクトし協調できる組織文化を目指します。二点目は、試行錯誤を恐れず、イノベーションに挑戦する文化の醸成です。三点目は、大学の構成員自身のウエルビーイングの実現です。大学の構成員自身が余裕を取り戻すこと、それが自発性を生むことになり、大学の知の創出の源となるために必要不可欠であると考えています。
資料十二ページを御覧ください。
先ほど、構成員にチャレンジすることを、そういう文化をつくりたいとお話ししましたけれども、大学自身も常に変わり続ける組織でありたいと考えています。時代に先駆けた研究、教育、経営ポートフォリオの不断の見直しと、ポートフォリオに基づいた研究教育組織の改革、財務戦略の策定、病院事業の改革が重要で、それらを実現するために、学内の教育、研究、診療現場からのフィードバック、社会情勢を踏まえた運営の観点からのフィードバックが重要だと考えています。
次、十三ページです。
細かい数字が並んでいますが、要は、両大学が統合することで、職員数、経常収益が二倍の規模となり、研究実績なども国立大学の上位五位に入ることになります。しかし、我々は、一プラス一が二ではなくて三にも四にもなるような統合を目指したいと思っています。
次のページ、十四ページを御覧ください。私たちがそれが可能だと思う理由をお話しさせていただきます。
東工大に行きますと、東工大のキャンパスの一番手前の建物に二二〇〇年までの未来年表が掲げられています。未来から今を考えて研究するという姿勢がよく分かります。他方、医科歯科大学では、病院における目の前の患者さんから研究が始まります。言わば、今から未来を考える視点です。このように、バックキャストとフォーキャストの視点が融合することで、単に理工学と医歯学が交わる以上の効果が期待できると考えています。そして、その視点で社会とともに課題を解決していきたいと考えています。
最後ですけれども、大学統合に当たっての要望を申し上げたいと思います。
これからも社会の変化に伴い様々な理由で統合を目指す大学が出てくるのではないかと思います。そのような大学のためにも、大学統合が行いやすいように、このページにある二つの点について御配慮をお願いしたいと思っております。もちろん医学科のように国レベルで定員管理している学科は別ですけれども、現在の分野別の大学ごとの厳格な定員管理は、例えば入学後の進路変更の妨げにもなり得ます。学生の定員管理の柔軟化を今後御検討いただきたいと思います。
また、世の中の変化に迅速に対応できるように、これまでの学生総定員の中であれば、その大学に許されている学生総定員の中であれば、新たな学部の創設や再編等の取組を行うことが必要になると思います。その際には設置審での様々な手続がありますけれども、できる限り軽減していただければ有り難いと思っています。
また、統合前後は教学管理システムや労務管理システムなどの統一が必要になります。これには非常に経費が掛かることが予想されています。科学大学でも、様々な統一作業は統合後も数年は掛かると見込んでいます。統合に関する一定期間の予算支援をお願いしたいのです。これによって、ほかの大学も統合を考えたときに、それに対してちゅうちょすることがなくなるのではないかというふうに思っております。
以上で私の陳述を終わります。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →おはようございます。東京医科歯科大学学長の田中雄二郎でございます。
まず、私たちの大学等が含まれている法案を御審議いただいておられる当事者の一人として、心から感謝申し上げます。
また、今日はこのような機会を与えていただき、ありがとうございます。せっかくの機会ですので、当事者として、本学と東京工業大学の法人統合に絞って私見を申し述べたいと思います。
資料を御覧ください。資料の二ページを御覧ください。こちらが資料になります。
これまでの経緯を御説明申し上げます。
令和三年の秋に、今から二年少し前になりますが、本学から東京工業大学に統合を打診し、令和四年春に統合形態について東工大、東京工業大学から具体的な提案があって、ここに記されているとおりの経緯で今に至っております。
次のページ、三ページを御覧ください。
一法人複数大学の先行事例もありましたけれども、私たちは一法人一大学を選択することといたしました。つまり、両大学は一つの新しい大学になるということです。一法人一大学を選択した理由は、両大学に重なる学部がないこと、メインキャンパスが電車で三十分程度と比較的近接していることから、統合した方がより多くのシナジー効果が得られると考えました。
次のページ、四ページを御覧ください。
統合に至った背景について御説明いたします。
これまで両大学は、指定国立大学法人として広く理工学及び医歯学に関する知見を創出して、自在に応用できる人材の育成を通じて、産業の発展と医療の進歩を牽引してきたと自負しております。
しかし、人類は、これまで想像し得なかった地球環境の悪化や新興・再興感染症の世界的流行、少子高齢化の急速な進行など様々な課題に直面しています。これらの地球規模の課題や今後起こり得るであろう未知の問題の解決に向けて、両大学はその知を結集して、より大きな役割を果たすことが社会から期待されていると認識しております。
資料五ページを御覧ください。
これは経済産業省の大学発ベンチャー実態調査の資料です。少し字が小さいですが、縦軸は会社の数であり、横軸は過去五年間順番にどうなっていったかということを示しています。バイオヘルスケア分野は、その赤枠で囲ったところですけれども、IT分野とともに過去五年間でベンチャー数は急速な伸びを示しています。
下段に示す横長の棒グラフですけれども、これはその割合を示していますけれども、バイオヘルスケアだけでもその数は三割近くに及び、医療機器や素材、IoTなどを含めると、二つの大学で統合する、カバーする領域は八〇%を超えるというもので、極めて大きいことが分かっています。このように、カバーする大学発のベンチャーが多いということは、単に外部資金の獲得が増えるということにとどまらず、社会貢献の度合いが大きくなると考えました。
次のページ、資料六ページを御覧ください。
このような背景から、両大学のこれまでの実績、伝統と先進性を生かしながら、統合によってかつてどの大学もなし得なかった新しい大学の在り方を創出することを目指すこととしました。このために、両法人の統合と新しい大学の設立を実現し、国際的に卓越した教育研究拠点として、社会とともに活力ある未来を切り開く決意を固めました。これが統合の目的になります。
次のページ、七ページを御覧ください。
新大学の目指す姿については、大きくは四点について合意しております。
まず、一点目としては、両大学のとがった研究を更に推進することです。研究者にそれぞれの興味に根差した研究を行える環境を提供します。
二点目としては、医師、理工学、さらにはリベラルアーツ、人文社会科学を含む様々な学問領域が自由な発想で融合するコンバージェンス・サイエンスを展開することです。
三点目としては、高度専門人材、特に博士人材の輩出です。教養教育と専門教育を有機的に関連させた総合知の教育を充実させます。これにより、真に解決すべき課題を設定でき、その解決を導く人材を育成します。
四点目としては、構成員に高度なダイバーシティーを実現することです。この下で、世界に開かれた知の創造と人材育成の場を構築したいと考えています。
次のページ、資料八ページで、新大学のキーワードであるコンバージェンス・サイエンスについて御説明いたします。
下段のように、現時点で私たちはグリーンテクノロジーから再生医療に至るまで幅広い分野で先端的な研究を展開していますが、統合によって、中段にあるように、地球環境、ウエルビーイング、トータルヘルスケアという社会課題に直結する新しい研究領域をつくることができると考えています。上段のように、さらに未来は、社会課題を率先して発見し、柔軟に新しい学術領域を創成して、社会とともに解決する大学であり続けたいと考えています。
次のページ、資料九を御覧ください。
コンバージェンス・サイエンスを実現するために知の循環を重視します。
スライドの下に、総合研究院と書かれた枠がありますけれども、この研究院をつくり、異分野融合の研究が研究者同士の交流から自然発生的に生まれるように大学で支援します。研究者同士が交流する場を創設することによって自然発生的に生まれるということを期待するわけです。
それに対して、スライド上にある未来社会創成研究院、これも新しくつくるものですけれども、大学が重点領域と考えた分野にインセンティブを用意して、医工連携を始めとする異分野融合の研究を促進する予定です。要は、言わばミッションで動いていくという、そういう研究院です。
さらに、社会実装が近づいた段階では、これも新設ですが、新産業創成研究院というものをつくり、そこで企業とともに実用化を図っていきたいと考えています。特に、医工連携については、医療工学研究所の設立を考えています。
次のページ、十ページを御覧ください。
大学病院は診療報酬に依存する今日の医療だけで財政的にも精いっぱいな現状があります。本学附属病院は、コロナ重症患者を当初から多く受け入れた病院で、社会からも大きな評価をいただきました。それは私たちの励みとなっています。しかし、ワクチンを含め、新たなコロナの治療薬の開発ができたわけでは残念ながらありません。明日の医療にまでは十分手が回らなかったということです。
この反省を踏まえ、新大学では、明日の医療を支える研究と人材開発を積極的に行うため、財政的にもこの部分を別会計にする予定です。別会計の財源は産学連携等の外部資金に求める構想となっています。
資料十一ページを御覧ください。
さて、新大学において、従来の日本の大学が陥りがちであった閉鎖的な組織文化を完全に払拭したいと考えています。本来アカデミアが持つべき自由でフラットな人間関係を構築することが極めて重要であると考えています。その下で、精神の余裕を取り戻した構成員による広く社会に開かれた創造空間を構築したいと考えています。
その実現に向けて、一点目は、全ての構成員の専門性と役割の尊重です。教員、職員、学生の別にかかわらず、一人一人が自らに誇りを持ち、お互いをリスペクトし協調できる組織文化を目指します。二点目は、試行錯誤を恐れず、イノベーションに挑戦する文化の醸成です。三点目は、大学の構成員自身のウエルビーイングの実現です。大学の構成員自身が余裕を取り戻すこと、それが自発性を生むことになり、大学の知の創出の源となるために必要不可欠であると考えています。
資料十二ページを御覧ください。
先ほど、構成員にチャレンジすることを、そういう文化をつくりたいとお話ししましたけれども、大学自身も常に変わり続ける組織でありたいと考えています。時代に先駆けた研究、教育、経営ポートフォリオの不断の見直しと、ポートフォリオに基づいた研究教育組織の改革、財務戦略の策定、病院事業の改革が重要で、それらを実現するために、学内の教育、研究、診療現場からのフィードバック、社会情勢を踏まえた運営の観点からのフィードバックが重要だと考えています。
次、十三ページです。
細かい数字が並んでいますが、要は、両大学が統合することで、職員数、経常収益が二倍の規模となり、研究実績なども国立大学の上位五位に入ることになります。しかし、我々は、一プラス一が二ではなくて三にも四にもなるような統合を目指したいと思っています。
次のページ、十四ページを御覧ください。私たちがそれが可能だと思う理由をお話しさせていただきます。
東工大に行きますと、東工大のキャンパスの一番手前の建物に二二〇〇年までの未来年表が掲げられています。未来から今を考えて研究するという姿勢がよく分かります。他方、医科歯科大学では、病院における目の前の患者さんから研究が始まります。言わば、今から未来を考える視点です。このように、バックキャストとフォーキャストの視点が融合することで、単に理工学と医歯学が交わる以上の効果が期待できると考えています。そして、その視点で社会とともに課題を解決していきたいと考えています。
最後ですけれども、大学統合に当たっての要望を申し上げたいと思います。
これからも社会の変化に伴い様々な理由で統合を目指す大学が出てくるのではないかと思います。そのような大学のためにも、大学統合が行いやすいように、このページにある二つの点について御配慮をお願いしたいと思っております。もちろん医学科のように国レベルで定員管理している学科は別ですけれども、現在の分野別の大学ごとの厳格な定員管理は、例えば入学後の進路変更の妨げにもなり得ます。学生の定員管理の柔軟化を今後御検討いただきたいと思います。
また、世の中の変化に迅速に対応できるように、これまでの学生総定員の中であれば、その大学に許されている学生総定員の中であれば、新たな学部の創設や再編等の取組を行うことが必要になると思います。その際には設置審での様々な手続がありますけれども、できる限り軽減していただければ有り難いと思っています。
また、統合前後は教学管理システムや労務管理システムなどの統一が必要になります。これには非常に経費が掛かることが予想されています。科学大学でも、様々な統一作業は統合後も数年は掛かると見込んでいます。統合に関する一定期間の予算支援をお願いしたいのです。これによって、ほかの大学も統合を考えたときに、それに対してちゅうちょすることがなくなるのではないかというふうに思っております。
以上で私の陳述を終わります。御清聴ありがとうございました。
高
上
上山隆大#11
○参考人(上山隆大君) おはようございます。内閣府の総合科学技術・イノベーション会議、我々CSTIと呼んでおりますけれども、そこの常勤議員をしております上山でございます。
このような機会をいただきまして、今回、国立大学法人法の改正についての御審議をいただくと伺っており、この間、数年間にわたってCSTIと文科省で図ってきた政策の最終的な形として法案に至ったということを大変有り難く思っております。このような形で意見陳述をさせていただくことは、この法案の成立に向けての大きな一歩となると思いますので、是非とも御審議をいただきたいと思っております。
この数年間、文科省と一緒になりまして、内閣府のCSTIでは、この法律の背景にある国際卓越大学制度、十兆円のファンドを動かしながら国際卓越大学を制定していくというスキームをつくってまいりました。同時に、それと補完する形ではありますけれども、地域中核・特色ある研究大学振興パッケージというものをつくり、トップ層の大学のみならず全ての国立大学に、あるいは私立大学、公立大学も含めて支援をしていくという背景をつくってまいりました。
このような動きの中の背景を二つほど申し上げます。
まず一つは、二〇〇四年の国立大学の法人化以来、国立大学に対する運営費交付金は毎年一%ずつ、十二年間にわたって削減を徐々にされてまいりました。もちろん、その資金というのは競争的資金へとして、決して全体としてのフレームワークは変わりませんけれども、国立大学の自由に使える運営費交付金というものが毎年一%、十二年間にわたって削られていったということは、大学のパフォーマンスを考えるときには非常にシリアスな問題であると考えたのが一つの背景でございます。
もう一つは、各国のトップ層の大学の研究あるいは教育のシステムががらがらと大きく変わりつつあるこの二十年間を見据えなければいけないということでございました。例えばトップ層でいうとスタンフォード、ハーバード、MITといったところですね、に対する国家の支援は急速に伸びております。全般として、世界のどの国においても、アカデミア、大学、研究に対する国家的な投資というのは確実に増えている、しかもまた、その増え方が加速度的に増えているという現状でございます。
同時に、国由来の資金だけではなかなか手当てのできない非常に複雑な研究と教育の在り方に関して、例えばハーバード大学は独自の基金を一九七〇年ぐらいから積み上げてまいりまして、今大体六兆円ぐらいの独自の基金を持ち、その基金を世界中のマーケットに投資をして、毎年九%ぐらいの利益を上げ、そのうちの五%を必ず大学の研究と教育、フェローシップ、学生への支援に向けるということをやっております。すなわち、毎年国由来の資金でないものが二千億から三千億円ぐらい各大学に入っているという現状でございます。この間、各国のトップ大学は、その財務構造を見ますと、ほぼ大体毎年七%ぐらいの勢いで確実に伸展をしている。七%で伸びるということは、十年たつとその大学の財務構造がほぼ倍になるという激しい勢いで各大学の、各トップ大学の競争力を高めているという現状でございます。
翻って、我が国の研究大学、いわゆるトップ、大型大学を見ますと、相変わらず運営費交付金と僅かな民間からの資金を得ながら、東京大学、例えば例を挙げますと、年間の財務が大体二千五百億円でございます、これは病院収入も入れてですが。例えば、私のよく知っているスタンフォードなどですと、今もうほぼ一兆円に迫ろうとしています、年間の予算がですね。これがこの十年間でほぼ倍になりました。この倍になる勢いというのは、もちろん国家による公的な税金由来の資金が入ったということもありますが、同時に、スタンフォードで今大体四兆円から五兆円ぐらいの基金を持って、かつ寄附を拡大させながら、財務構造を健全化させているという現状でございます。
果たして我が国においてそのようなトップ大学は何校必要なのか、あるいはあり得るのかということについてはいろんな議論がございますが、恐らくは五校から八校ぐらいの間の研究大学が世界におけるトップトゥエンティーに入り、そういったトップ校と競争していき、様々な大学からのリクルートメントで研究者を引き抜きながら競争しているという現状に対して、どのような方策を我が国のトップ研究大学はなすことができるのかということが問題の背景としてございました。
もしハーバードやスタンフォードが数兆円規模の研究基金を持っているとすれば、それを到底各大学が今の現状ですぐに確保することができない。だとすれば、その彼我の差を埋めるためにも十兆円規模の基金をつくって、その基金を国として回して、国として投資の仕方をモデルをつくって、各研究大学にそのモデルを引き受けてもらうと。そのためのある種の種銭としての十兆円を考えてほしいということが我々の希望でございましたし、同時にそのことを文部科学省では非常に切実に強く受け止めていただいて、タッグを組んでこの十兆円規模の国際卓越大学用のファンドというのをつくったところでございます。
同時に、先ほど第一点と申し上げましたように、トップの研究大学だけではなくて、全ての研究大学に対してのやっぱり研究支援を国家としてやるべきだということの中から、改めて財政当局と図って二千億円の資金をつくったところでございます。今この二千億円については六十九校の大学が申請を出してきて、今申請の審査の最中でございますが、先般二十七大学に絞り、さらにまた、恐らくは十三大学ぐらいまで絞ることになると思いますが、その目的というのは、トップ層の支援する研究大学のみならず、幅広い国立大学、公立大学、私立大学にも視線を向けながら、研究の在り方、教育の在り方に対して国家的な支援をしていくというフレームワークでございました。
このようなことを考えますと、我が国の研究大学あるいは大学に置かれている世界における環境は極めて劣後していると思います。
かつ、世界中の国々がなぜ大学にこれほどの資金を入れるようになったかと申し上げますと、それは、明らかに全ての国において知識基盤型の社会がもう到来をしているということです。従来のような産業社会ではなくて、新たな知恵を生み出し、新たな人材を生み出し、新たなスタートアップ企業を生み出していって、そして社会の負託に応えることができるような大学をつくっていく、そのためにも国家的な投資を拡大しなければいけないという背景があったと思います。言わば、その知識基盤型社会における大学の在り方を考えますと、単に十八歳の学生がやってきて、四年間、企業に行くまでの間の教育をやっているという大学の形では、到底世界の中でのこの劣後環境を改善することはできないと強く信じております。
そうすると、単に大学の研究者だけが考える大学でいいのか。社会の負託に応えるためにも、様々な社会の声を大学の中に引き受け、その声を大学のシステムの中に反映するような第三者のアドバイスが必要だろうと考えたことも事実でございます。それは何も第三者が大学の自治を侵すということではなくて、むしろ大学の在り方、研究の在り方、教育の在り方に関して幅広い社会のステークホルダーの声を反映させる組織として、運営協議体、日本もつくるべきだと考えたことは事実でございまして、それは、とりわけトップ層の大学についてはこれは国際的に活動をしていかなければいけませんから、そのステークホルダーというのは、単に国内のみならず、海外のステークホルダーの声も反映するような第三者委員会が必要だろうと考えました。
しかしながら、これは単にトップ校だけではなくて、恐らくはこのような意識を持っている大学は今後増えていくだろうと、そのような大学をサポートするような組織体というのもあり得るかもしれないと考えたことは事実でございます。今回の国立大学法人法の中でその範囲が広がり過ぎているという声があるとは理解をしておりますが、我々は、基本的にこれは国際卓越大学のフレームワークの中で考えたことでございまして、それが、そのような方向が正しいと考えられる、お考えになるような、国立大学においても同じようなシステムが広がっていくかもしれない、それはそれぞれの大学の御判断に任せるべきだというふうに考えております。
その意味で、しばしばなされるような大学の自治を侵すとか、あるいは学問の自由を侵すということはかけらも考えたことはございません。むしろ、このような潤沢な資金をもって国家がサポートをし、あるいは幅広い社会のステークホルダーがサポートすることによって大学の自治が守られる、あるいは学者の自由が守られる、そのような方向性をずっと探ってまいりました。
外部の運営方針会議なるものができますけども、この運営会議は、先ほど申し上げましたように、幅広い社会の声を反映させる一つのメカニズムにすぎない。また、その運営会議の在り方に関しては、大学の中における教員、学生の方々の声が反映されて決まっていくものですから、最終的にはそれは大学の自治の中できちんと担保されるはずだと強く信じております。最終的にその方向性が大臣によって承認されるという構造についても様々な議論があるとはお伺いしておりますけども、これは今の国立大学においても最終的に学長の承認についてはやっぱり文科大臣の承認が必要だということになっておりますので、そのことの整合性については、新しいシステムとこれまでのシステムとそれほど大きな差異はないだろうというふうに考えてございます。
また、特定大学あるいは準特定大学という用語が飛び交ってあるとは聞いておりますけども、これは何も大学を二つに分けるとか三つに分けるということを恐らくは文科省はお考えになっておられないと思います。CSTIの中ではそのような議論をしたことはございません。
私たちのところでは、まずは特殊、非常に強い研究大学をつくる、そのためのファンドを形成をし、それに重点的な支援をし、かつそれを多くの大学の中にその成果を広げていくということだけを考えておりまして、その意味では、今回の国立大学に関する法人法が順当に成立することによって、改めて、今既に始まっております国際卓越大学のフレームワークを更に前に進めていき、そしてまた、そのような大学だけではなくて、幅広い研究大学、あるいは教育大学、あるいは地域に対して大きな貢献をなすような大学に対しても国家としての支援を広げていっていきたいと、あるいは広げていっていただきたいと、こういう強い希望を持ってございます。
この間のプロセスについては、できる限りトランスペアレンシーを持って、透明感を持って様々な関係者に対して御説明を申し上げてまいりましたし、CSTIの中でも専門調査会を開き、その中でも多くの方々に来ていただいて、御批判をいただきながら、国際卓越大学のフレームワークをつくったところでございます。
でも、やはり何十万人といるそれぞれの研究者の中には様々な御疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますので、今後はこのプロセスを推進していくとともに、できる限り多くの大学の関係者、教職員、学生たちとも対話を重ねながら、私たちが意図していること、あるいは文科省とともにやってきたフレームワークが決してこれまでの大学のシステムを壊すものでもないし、むしろ我々は強い応援団としてアカデミアを支えていきたいと、大学あるいは研究者、学生たちに対する強い応援団であっていきたいと思って、このシステムを進めてまいりました。
今回の国立大学法人法の改正というのは、その最終的なメルクマールでございますので、是非とも先生方には真摯な御検討をいただいて、この法案に対して積極的な御賛同を賜れば大変有り難いと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
この発言だけを見る →このような機会をいただきまして、今回、国立大学法人法の改正についての御審議をいただくと伺っており、この間、数年間にわたってCSTIと文科省で図ってきた政策の最終的な形として法案に至ったということを大変有り難く思っております。このような形で意見陳述をさせていただくことは、この法案の成立に向けての大きな一歩となると思いますので、是非とも御審議をいただきたいと思っております。
この数年間、文科省と一緒になりまして、内閣府のCSTIでは、この法律の背景にある国際卓越大学制度、十兆円のファンドを動かしながら国際卓越大学を制定していくというスキームをつくってまいりました。同時に、それと補完する形ではありますけれども、地域中核・特色ある研究大学振興パッケージというものをつくり、トップ層の大学のみならず全ての国立大学に、あるいは私立大学、公立大学も含めて支援をしていくという背景をつくってまいりました。
このような動きの中の背景を二つほど申し上げます。
まず一つは、二〇〇四年の国立大学の法人化以来、国立大学に対する運営費交付金は毎年一%ずつ、十二年間にわたって削減を徐々にされてまいりました。もちろん、その資金というのは競争的資金へとして、決して全体としてのフレームワークは変わりませんけれども、国立大学の自由に使える運営費交付金というものが毎年一%、十二年間にわたって削られていったということは、大学のパフォーマンスを考えるときには非常にシリアスな問題であると考えたのが一つの背景でございます。
もう一つは、各国のトップ層の大学の研究あるいは教育のシステムががらがらと大きく変わりつつあるこの二十年間を見据えなければいけないということでございました。例えばトップ層でいうとスタンフォード、ハーバード、MITといったところですね、に対する国家の支援は急速に伸びております。全般として、世界のどの国においても、アカデミア、大学、研究に対する国家的な投資というのは確実に増えている、しかもまた、その増え方が加速度的に増えているという現状でございます。
同時に、国由来の資金だけではなかなか手当てのできない非常に複雑な研究と教育の在り方に関して、例えばハーバード大学は独自の基金を一九七〇年ぐらいから積み上げてまいりまして、今大体六兆円ぐらいの独自の基金を持ち、その基金を世界中のマーケットに投資をして、毎年九%ぐらいの利益を上げ、そのうちの五%を必ず大学の研究と教育、フェローシップ、学生への支援に向けるということをやっております。すなわち、毎年国由来の資金でないものが二千億から三千億円ぐらい各大学に入っているという現状でございます。この間、各国のトップ大学は、その財務構造を見ますと、ほぼ大体毎年七%ぐらいの勢いで確実に伸展をしている。七%で伸びるということは、十年たつとその大学の財務構造がほぼ倍になるという激しい勢いで各大学の、各トップ大学の競争力を高めているという現状でございます。
翻って、我が国の研究大学、いわゆるトップ、大型大学を見ますと、相変わらず運営費交付金と僅かな民間からの資金を得ながら、東京大学、例えば例を挙げますと、年間の財務が大体二千五百億円でございます、これは病院収入も入れてですが。例えば、私のよく知っているスタンフォードなどですと、今もうほぼ一兆円に迫ろうとしています、年間の予算がですね。これがこの十年間でほぼ倍になりました。この倍になる勢いというのは、もちろん国家による公的な税金由来の資金が入ったということもありますが、同時に、スタンフォードで今大体四兆円から五兆円ぐらいの基金を持って、かつ寄附を拡大させながら、財務構造を健全化させているという現状でございます。
果たして我が国においてそのようなトップ大学は何校必要なのか、あるいはあり得るのかということについてはいろんな議論がございますが、恐らくは五校から八校ぐらいの間の研究大学が世界におけるトップトゥエンティーに入り、そういったトップ校と競争していき、様々な大学からのリクルートメントで研究者を引き抜きながら競争しているという現状に対して、どのような方策を我が国のトップ研究大学はなすことができるのかということが問題の背景としてございました。
もしハーバードやスタンフォードが数兆円規模の研究基金を持っているとすれば、それを到底各大学が今の現状ですぐに確保することができない。だとすれば、その彼我の差を埋めるためにも十兆円規模の基金をつくって、その基金を国として回して、国として投資の仕方をモデルをつくって、各研究大学にそのモデルを引き受けてもらうと。そのためのある種の種銭としての十兆円を考えてほしいということが我々の希望でございましたし、同時にそのことを文部科学省では非常に切実に強く受け止めていただいて、タッグを組んでこの十兆円規模の国際卓越大学用のファンドというのをつくったところでございます。
同時に、先ほど第一点と申し上げましたように、トップの研究大学だけではなくて、全ての研究大学に対してのやっぱり研究支援を国家としてやるべきだということの中から、改めて財政当局と図って二千億円の資金をつくったところでございます。今この二千億円については六十九校の大学が申請を出してきて、今申請の審査の最中でございますが、先般二十七大学に絞り、さらにまた、恐らくは十三大学ぐらいまで絞ることになると思いますが、その目的というのは、トップ層の支援する研究大学のみならず、幅広い国立大学、公立大学、私立大学にも視線を向けながら、研究の在り方、教育の在り方に対して国家的な支援をしていくというフレームワークでございました。
このようなことを考えますと、我が国の研究大学あるいは大学に置かれている世界における環境は極めて劣後していると思います。
かつ、世界中の国々がなぜ大学にこれほどの資金を入れるようになったかと申し上げますと、それは、明らかに全ての国において知識基盤型の社会がもう到来をしているということです。従来のような産業社会ではなくて、新たな知恵を生み出し、新たな人材を生み出し、新たなスタートアップ企業を生み出していって、そして社会の負託に応えることができるような大学をつくっていく、そのためにも国家的な投資を拡大しなければいけないという背景があったと思います。言わば、その知識基盤型社会における大学の在り方を考えますと、単に十八歳の学生がやってきて、四年間、企業に行くまでの間の教育をやっているという大学の形では、到底世界の中でのこの劣後環境を改善することはできないと強く信じております。
そうすると、単に大学の研究者だけが考える大学でいいのか。社会の負託に応えるためにも、様々な社会の声を大学の中に引き受け、その声を大学のシステムの中に反映するような第三者のアドバイスが必要だろうと考えたことも事実でございます。それは何も第三者が大学の自治を侵すということではなくて、むしろ大学の在り方、研究の在り方、教育の在り方に関して幅広い社会のステークホルダーの声を反映させる組織として、運営協議体、日本もつくるべきだと考えたことは事実でございまして、それは、とりわけトップ層の大学についてはこれは国際的に活動をしていかなければいけませんから、そのステークホルダーというのは、単に国内のみならず、海外のステークホルダーの声も反映するような第三者委員会が必要だろうと考えました。
しかしながら、これは単にトップ校だけではなくて、恐らくはこのような意識を持っている大学は今後増えていくだろうと、そのような大学をサポートするような組織体というのもあり得るかもしれないと考えたことは事実でございます。今回の国立大学法人法の中でその範囲が広がり過ぎているという声があるとは理解をしておりますが、我々は、基本的にこれは国際卓越大学のフレームワークの中で考えたことでございまして、それが、そのような方向が正しいと考えられる、お考えになるような、国立大学においても同じようなシステムが広がっていくかもしれない、それはそれぞれの大学の御判断に任せるべきだというふうに考えております。
その意味で、しばしばなされるような大学の自治を侵すとか、あるいは学問の自由を侵すということはかけらも考えたことはございません。むしろ、このような潤沢な資金をもって国家がサポートをし、あるいは幅広い社会のステークホルダーがサポートすることによって大学の自治が守られる、あるいは学者の自由が守られる、そのような方向性をずっと探ってまいりました。
外部の運営方針会議なるものができますけども、この運営会議は、先ほど申し上げましたように、幅広い社会の声を反映させる一つのメカニズムにすぎない。また、その運営会議の在り方に関しては、大学の中における教員、学生の方々の声が反映されて決まっていくものですから、最終的にはそれは大学の自治の中できちんと担保されるはずだと強く信じております。最終的にその方向性が大臣によって承認されるという構造についても様々な議論があるとはお伺いしておりますけども、これは今の国立大学においても最終的に学長の承認についてはやっぱり文科大臣の承認が必要だということになっておりますので、そのことの整合性については、新しいシステムとこれまでのシステムとそれほど大きな差異はないだろうというふうに考えてございます。
また、特定大学あるいは準特定大学という用語が飛び交ってあるとは聞いておりますけども、これは何も大学を二つに分けるとか三つに分けるということを恐らくは文科省はお考えになっておられないと思います。CSTIの中ではそのような議論をしたことはございません。
私たちのところでは、まずは特殊、非常に強い研究大学をつくる、そのためのファンドを形成をし、それに重点的な支援をし、かつそれを多くの大学の中にその成果を広げていくということだけを考えておりまして、その意味では、今回の国立大学に関する法人法が順当に成立することによって、改めて、今既に始まっております国際卓越大学のフレームワークを更に前に進めていき、そしてまた、そのような大学だけではなくて、幅広い研究大学、あるいは教育大学、あるいは地域に対して大きな貢献をなすような大学に対しても国家としての支援を広げていっていきたいと、あるいは広げていっていただきたいと、こういう強い希望を持ってございます。
この間のプロセスについては、できる限りトランスペアレンシーを持って、透明感を持って様々な関係者に対して御説明を申し上げてまいりましたし、CSTIの中でも専門調査会を開き、その中でも多くの方々に来ていただいて、御批判をいただきながら、国際卓越大学のフレームワークをつくったところでございます。
でも、やはり何十万人といるそれぞれの研究者の中には様々な御疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますので、今後はこのプロセスを推進していくとともに、できる限り多くの大学の関係者、教職員、学生たちとも対話を重ねながら、私たちが意図していること、あるいは文科省とともにやってきたフレームワークが決してこれまでの大学のシステムを壊すものでもないし、むしろ我々は強い応援団としてアカデミアを支えていきたいと、大学あるいは研究者、学生たちに対する強い応援団であっていきたいと思って、このシステムを進めてまいりました。
今回の国立大学法人法の改正というのは、その最終的なメルクマールでございますので、是非とも先生方には真摯な御検討をいただいて、この法案に対して積極的な御賛同を賜れば大変有り難いと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
高
光
光本滋#13
○参考人(光本滋君) おはようございます。光本滋と申します。
私は、北海道大学大学院教育学研究院の教員です。専門は教育学です。特に関心を持っておりますのは、青年期以降の教育です。教育は人格の完成を目指しという言葉が教育基本法にありますけれども、このような教育を高等教育にも実現していきたい、高等教育において人格の完成を目指せるような教育を実現していけるような大学法制の在り方について探求しております。
さて、本日は、参議院文部科学、失礼しました、文教科学委員会におきまして、参考人として意見を陳述し、また委員の皆様の質問に答える機会を賜りましたこと、お礼申し上げます。
と同時に、参議院だけでなく衆議院を含めた本国会の審議の状況に関しても一言申し上げたいことがございます。
国立大学法人法の一部を改正する法律案は、十月三十一日に閣議決定され、国会に提出されました。法案は既に衆議院本会議で可決されておりますが、昨日確認しましたところ、衆議院のホームページに掲載されている本会議の議事録は十月二十三日までのものでした。文部科学委員会の議事録は十一月一日までのものでした。本法案の審議に関する議事録は、いまだ一切公表されていないわけです。しかし、参議院の法案審議も始まってしまいました。なぜこんなに急ぐ必要があるのか。参議院の審議は、参考人だけでなく、多くの大学関係者、国民が衆議院の審議の状況を知り、更に検討すべき点などについて意見を持つようになってから始めるべきなのではないでしょうか。おまけに会期末は十二月十三日です。残り期間に十分な審議を行うことは非常に難しいのではないでしょうか。
また、法案自体にも問題があります。詳細は省きますが、本法案、大変複雑な構造になっておりまして、全体が大きく二つの部分に分かれているんですね。この二つをつなげないと法案が理解できないんですが、そういった資料が実はないのです。仕方がありませんので、私は二つの部分を一本にまとめて、条項の番号も整理して、自分で整理したんです。果たして委員の皆様はどのようにして法案の全体像を理解されていますでしょうか。
昨日の午後、昨日です、参議院の事務局から国立大学法人法の一部を改正する法律案、閣法第一〇号参考資料、ここに、机上にあるものと同じですね、というのが送られてきました。ありがとうございます。
その中には、本法律案の概要というのがあって、条文の解説や関連資料も載っているので理解の助けになりました。しかしながら、ここにも改正後の法律を一本にまとめたものはありませんでした。
このような状況で、果たして法案を理解し、きちんと審議することができるのでしょうか。会期末までに法案審議を終結させてしまってよいのか、良識の府と呼ばれる参議院の文教科学委員の皆様には是非考えていただきたいと思っております。
さて、法案、本題に入ります。
私、本日ここに参りますまで、本法案の内容、どのような方が作ったのか分かりませんので、ひょっとしたら内閣府の意向もあるのかなとかいろいろ考えていたのですが、今の上山参考人のお話を聞いて、伺いまして、それもちょっと違うのかなと少し混乱しております。
法案の問題点につきましては、衆議院でも既に指摘されている点も多々ございます。本日は時間限られておりますので、ここでは三点に絞って指摘したいと思います。
率直に申し上げて、本法案を作った方は国立大学法人法制というものを理解していない、ないしは関心がないのではないかというふうに思っております。そういったことが浮き上がるのではないかというふうに思っております。
さて、第一の問題です。運営方針会議を置く国立大学法人を政府が指定するということです。
先ほど、上山参考人は、国際卓越の制度が広がっていくことがあるかもしれない、しかし、それはそれぞれの大学の御判断に委ねるべきとおっしゃいました。私も全くそのとおりだと思います。
ところが、この法案はそれと異なっております。国際卓越研究大学ですとかあるいは指定国立大学法人というものがございますけれども、いずれも、大学設置者、国立大学の場合は国立大学法人が応募し、文部科学大臣が認定や指定をすることになっております。つまり、大学側に選択の余地があるわけです。ところが、本法案では、運営方針会議の設置という国立大学法人のガバナンス体制の大きな変更を、当該の大学の意見を聞くこともなく、言わば上から決めているわけです。特定の国立大学法人の指定は政令によって行うわけですから、これを増やしたり認定を取り消すことも政府のさじ加減次第ということになります。
このような制度は、従来の国立大学法人制度との関係においても異常なものです。国立大学法人とは、中期目標期間の業務実績に対して評価を行い、評価結果を参考に組織、制度を見直したり、次期の中期目標、中期計画を策定していくことを根幹とする制度です。このこと自体にも批判はありますが、言わば政治主導により始められた国立大学法人化の議論が独立行政法人通則法をベースにした法人化の道を選んでしまったことから、現在の形に落ち着いたのです。そして、そのような中にあって、憲法上の要請である大学の自治を侵害しないようにするために、中期目標の策定や評価の方法に工夫を凝らしてきたのです。
ところが、今回の法案は、こうした国立大学法人の評価制度と関わりなく、国立大学法人の組織、この文言は改正後の目次にあります、の中に特定国立大学法人等の特例等を創設しようとしています。つまり、特定国立大学法人とは、従来の評価制度、国立大学法人法制を無視した、あるいはこれとは異質な制度なのです。
続いて、第二の問題です。
運営方針会議は、国立大学法人が自発的につくった場合でも重大な事態を生じます。法案では、運営方針会議は、運営方針事項、すなわち中期目標についての意見に関する事項、中期目標の作成又は変更に関する事項、予算作成に関する事項等を決議することにより決定するとされています。当然、現在の国立大学法人の諸機関が持つ権限を制約します。なぜこのようなことが可能になるのか。
盛山正仁文部科学大臣は、衆議院の審議において、今回の改正法案により学長の決定権限の一部を移譲する、つまり譲り渡すものだと説明なさっています。これは奇妙な論理です。国立大学法人の学長は、大学の長と法人の長という言わば二つの顔を持つ存在です。国立大学法人法を改正することにより学長の権限を移譲することができるとしても、譲り渡すことができるのは法人の長としての権限にとどまるはずです。
国立大学法人以外の独立行政法人、中期目標管理法人というのがありますが、ここでは法人の長が中期目標について意見を述べるということを規定していません。一方、国立大学法人法は、文部科学大臣が中期目標を策定する際に国立大学法人の意見を聞くことを義務付け、学長が中期目標に関する意見を述べる権限、すなわち中期目標の原案策定権を持つと定めています。これは、国立大学法人が他の独立行政法人と異なり、大学の教育研究の特性に配慮した仕組みとなっているためです。つまり、学長が中期目標の原案策定権を持つというのは、学長が法人の長だからではなく、そうすることが大学という組織にとって必要だからなのです。
このことについて、国立大学法人法が国会審議された当時の遠山敦子文部科学大臣は、委員会質疑の中で、中期目標に関する国立大学法人の原案への配慮義務を規定いたしました国立大学法人法案第三十条第三項は、教育研究の特性への配慮を定めた第三条と相まって、国立大学法人が作成する原案を最大限尊重するという趣旨であるというふうに考えておりますと答弁しています。
ところが、本法案では、第十一条第三項が定める学長が決定権限を持つ事項の第一号、中期目標についての意見の括弧書きというのがその中にあるんですが、この説明をこっそり書き換えています。これにより、学長が決定権限を持つのは、大臣に対して述べる意見、中期目標原案の内容ではなくなり、大臣に対して意見を述べること、つまり中期目標原案を提出する行為だけとなりました。そして、新設の条文、第二十一条の五第一号の方で、中期目標についての意見に関する事項の議決権を運営方針会議に与えています。
一方、運営方針会議の権限や組織に関しては、教育研究の特性へ配慮する規定は何もありません。衆議院の議論で明らかにされたように、民間企業の経営の実務経験がある人を委員として想定しているなどと言われています。
国立大学法人法では、教育研究評議会は、中期目標についての意見に関する事項、中期計画に関する事項に関する審議権を持っています。このことに関して、盛山文部科学大臣は、衆議院の委員会において、改正案が成立した場合には、中期目標に関する意見や中期計画の作成等については、経営協議会や教育研究評議会の審議などを経て学長が原案を作成し、その原案について運営方針会議が議論して決定することになりますと述べています。運営方針会議が原案について議論する。遠山文部科学大臣のように、原案を最大限尊重するとは言わないんですね。
このように、本法案が成立することは、国立大学法人法が制定以来保ってきた大学が持つ中期目標の原案策定権の意義を喪失させかねない、国立大学法制史上の重大事件だと言わなければなりません。
第三の問題。法案策定の経緯が不明であり、改正の必要が分からないことです。
既に述べたように、本改正法案は、国立大学法人のうち、規模が特に大きなもののうち政令で定める法人に対して運営方針会議の設置を義務付けるとしています。国際卓越研究大学制度と関わりなく、大学の自発性に基づくこともなく、特定の大学に合議体を設置させるという重大な方針変更は、いつ、誰によって行われたのでしょうか。
運営方針会議、最高意思決定機関としての合議体というアイデアは、先ほど上山参考人が申されました十兆円の大学ファンドを原資として助成を行う国際卓越研究大学に関する議論の中で生まれました。というよりも、国際卓越研究大学に限定した話でした。
二〇二二年二月にCSTIの最終まとめが公表されまして、ここでは、国際卓越研究大学に対して独自のミッションを与え、認定条件として最高意思決定機関としての合議体を置くということを提言しています。その後、この最終まとめを基に作られました国際卓越研究大学法が昨年の通常国会で成立しました。国際卓越研究大学法は、国際卓越研究大学の認定を受けようとする大学に対して、文部科学省令で定める基準に適合していることを求めています。そして、この法律の規定を受けて、省令により合議体の設置が必要とされているのです。
国際卓越研究大学法の法案審議、参議院の委員会において、当時の増子宏高等教育局長は、国際卓越研究大学は、多額の運用益が回ってくるということで、一人の学長だけではなかなかその辺の責任が果たせないだろうということで合議体を設けておりますので、その辺の、その他の国立大学法人につきましては通常どおり学長のリーダーシップで大学運営を図っていただくと述べています。
方針変更の経緯を示す文書は、一般の国民はもとよりですが、私ども大学教職員にも一切示されておりません。衆議院の参考人質疑で明らかにされたように、国立大学の学長、元学長の方々、本日見えられています田中参考人も衆議院の参考人質疑で申されておりましたが、ですら、法案の内容を知ったのはごくごく最近だというお話です。
したがって、国立大学法人法をなぜ改正しなければならないのか、私には分かりません。本日、私から質問することはできないと思いますが、もし御存じなら上山参考人に教えてもらいたいです。政府内できちんと審議、検討したのであれば、その過程を公表すべきです。それが行われない限り、本法案の立法事実は不明です。立法事実不明の法案を成立させることがあってはなりません。
最後に、法案が成立した場合に予想されることを述べます。
今から約二十年前、国立大学の法人化が行われました。当時、積極的賛成派と言えばよいか、法人化すれば国立大学は自由度が高まる、経営上のメリットがある、社会との積極的な交流が生まれると言っていた方々もいました。一方で、消極的賛成派あるいは容認派は、法人化によっても大学は変わらない、変えてはならないと言っていた。もちろん、当時反対していた方々もいました。
二十年たった現在、どうか。未来を予想することは困難であるとしても、国立大学法人の、国立大学法人化の結果の予測はそれほど難しいことではなかったはずです。当時から、国の統制が強まり大学は自由を失っていく、大学は独立採算を求められるようになり、授業料が引き上げられたり、経済的な観点から教育研究組織や大学が再編されていくことになると予想し、法人化を批判してきた方は少なくありませんでした。
大切なことは、予想どおりになったかではなく、予想が違ったなら違ったで結構ですから、それを認め、なぜそうなってしまったのか反省し、同じ見当違いを繰り返さないようにすることだと思うのです。当時法人化の旗を振ってきた人々の中で、現在そうしている人がどれだけいるのか。現在、運営方針会議をつくろうとしている人たちの中に、二十年後、十年後でもいいですけれども、この改革のてん末が誰の目にもはっきりしたときに責任ある行動を取る人が果たしているのかと考えると、この改革を支持することは私はできないなという気持ちになるのです。
大学に数々の被害をもたらす重大な問題を持つものであり、立法事実も分からない、こんな法案は当然廃案にすべきことを述べて、私の意見陳述を終わります。
この発言だけを見る →私は、北海道大学大学院教育学研究院の教員です。専門は教育学です。特に関心を持っておりますのは、青年期以降の教育です。教育は人格の完成を目指しという言葉が教育基本法にありますけれども、このような教育を高等教育にも実現していきたい、高等教育において人格の完成を目指せるような教育を実現していけるような大学法制の在り方について探求しております。
さて、本日は、参議院文部科学、失礼しました、文教科学委員会におきまして、参考人として意見を陳述し、また委員の皆様の質問に答える機会を賜りましたこと、お礼申し上げます。
と同時に、参議院だけでなく衆議院を含めた本国会の審議の状況に関しても一言申し上げたいことがございます。
国立大学法人法の一部を改正する法律案は、十月三十一日に閣議決定され、国会に提出されました。法案は既に衆議院本会議で可決されておりますが、昨日確認しましたところ、衆議院のホームページに掲載されている本会議の議事録は十月二十三日までのものでした。文部科学委員会の議事録は十一月一日までのものでした。本法案の審議に関する議事録は、いまだ一切公表されていないわけです。しかし、参議院の法案審議も始まってしまいました。なぜこんなに急ぐ必要があるのか。参議院の審議は、参考人だけでなく、多くの大学関係者、国民が衆議院の審議の状況を知り、更に検討すべき点などについて意見を持つようになってから始めるべきなのではないでしょうか。おまけに会期末は十二月十三日です。残り期間に十分な審議を行うことは非常に難しいのではないでしょうか。
また、法案自体にも問題があります。詳細は省きますが、本法案、大変複雑な構造になっておりまして、全体が大きく二つの部分に分かれているんですね。この二つをつなげないと法案が理解できないんですが、そういった資料が実はないのです。仕方がありませんので、私は二つの部分を一本にまとめて、条項の番号も整理して、自分で整理したんです。果たして委員の皆様はどのようにして法案の全体像を理解されていますでしょうか。
昨日の午後、昨日です、参議院の事務局から国立大学法人法の一部を改正する法律案、閣法第一〇号参考資料、ここに、机上にあるものと同じですね、というのが送られてきました。ありがとうございます。
その中には、本法律案の概要というのがあって、条文の解説や関連資料も載っているので理解の助けになりました。しかしながら、ここにも改正後の法律を一本にまとめたものはありませんでした。
このような状況で、果たして法案を理解し、きちんと審議することができるのでしょうか。会期末までに法案審議を終結させてしまってよいのか、良識の府と呼ばれる参議院の文教科学委員の皆様には是非考えていただきたいと思っております。
さて、法案、本題に入ります。
私、本日ここに参りますまで、本法案の内容、どのような方が作ったのか分かりませんので、ひょっとしたら内閣府の意向もあるのかなとかいろいろ考えていたのですが、今の上山参考人のお話を聞いて、伺いまして、それもちょっと違うのかなと少し混乱しております。
法案の問題点につきましては、衆議院でも既に指摘されている点も多々ございます。本日は時間限られておりますので、ここでは三点に絞って指摘したいと思います。
率直に申し上げて、本法案を作った方は国立大学法人法制というものを理解していない、ないしは関心がないのではないかというふうに思っております。そういったことが浮き上がるのではないかというふうに思っております。
さて、第一の問題です。運営方針会議を置く国立大学法人を政府が指定するということです。
先ほど、上山参考人は、国際卓越の制度が広がっていくことがあるかもしれない、しかし、それはそれぞれの大学の御判断に委ねるべきとおっしゃいました。私も全くそのとおりだと思います。
ところが、この法案はそれと異なっております。国際卓越研究大学ですとかあるいは指定国立大学法人というものがございますけれども、いずれも、大学設置者、国立大学の場合は国立大学法人が応募し、文部科学大臣が認定や指定をすることになっております。つまり、大学側に選択の余地があるわけです。ところが、本法案では、運営方針会議の設置という国立大学法人のガバナンス体制の大きな変更を、当該の大学の意見を聞くこともなく、言わば上から決めているわけです。特定の国立大学法人の指定は政令によって行うわけですから、これを増やしたり認定を取り消すことも政府のさじ加減次第ということになります。
このような制度は、従来の国立大学法人制度との関係においても異常なものです。国立大学法人とは、中期目標期間の業務実績に対して評価を行い、評価結果を参考に組織、制度を見直したり、次期の中期目標、中期計画を策定していくことを根幹とする制度です。このこと自体にも批判はありますが、言わば政治主導により始められた国立大学法人化の議論が独立行政法人通則法をベースにした法人化の道を選んでしまったことから、現在の形に落ち着いたのです。そして、そのような中にあって、憲法上の要請である大学の自治を侵害しないようにするために、中期目標の策定や評価の方法に工夫を凝らしてきたのです。
ところが、今回の法案は、こうした国立大学法人の評価制度と関わりなく、国立大学法人の組織、この文言は改正後の目次にあります、の中に特定国立大学法人等の特例等を創設しようとしています。つまり、特定国立大学法人とは、従来の評価制度、国立大学法人法制を無視した、あるいはこれとは異質な制度なのです。
続いて、第二の問題です。
運営方針会議は、国立大学法人が自発的につくった場合でも重大な事態を生じます。法案では、運営方針会議は、運営方針事項、すなわち中期目標についての意見に関する事項、中期目標の作成又は変更に関する事項、予算作成に関する事項等を決議することにより決定するとされています。当然、現在の国立大学法人の諸機関が持つ権限を制約します。なぜこのようなことが可能になるのか。
盛山正仁文部科学大臣は、衆議院の審議において、今回の改正法案により学長の決定権限の一部を移譲する、つまり譲り渡すものだと説明なさっています。これは奇妙な論理です。国立大学法人の学長は、大学の長と法人の長という言わば二つの顔を持つ存在です。国立大学法人法を改正することにより学長の権限を移譲することができるとしても、譲り渡すことができるのは法人の長としての権限にとどまるはずです。
国立大学法人以外の独立行政法人、中期目標管理法人というのがありますが、ここでは法人の長が中期目標について意見を述べるということを規定していません。一方、国立大学法人法は、文部科学大臣が中期目標を策定する際に国立大学法人の意見を聞くことを義務付け、学長が中期目標に関する意見を述べる権限、すなわち中期目標の原案策定権を持つと定めています。これは、国立大学法人が他の独立行政法人と異なり、大学の教育研究の特性に配慮した仕組みとなっているためです。つまり、学長が中期目標の原案策定権を持つというのは、学長が法人の長だからではなく、そうすることが大学という組織にとって必要だからなのです。
このことについて、国立大学法人法が国会審議された当時の遠山敦子文部科学大臣は、委員会質疑の中で、中期目標に関する国立大学法人の原案への配慮義務を規定いたしました国立大学法人法案第三十条第三項は、教育研究の特性への配慮を定めた第三条と相まって、国立大学法人が作成する原案を最大限尊重するという趣旨であるというふうに考えておりますと答弁しています。
ところが、本法案では、第十一条第三項が定める学長が決定権限を持つ事項の第一号、中期目標についての意見の括弧書きというのがその中にあるんですが、この説明をこっそり書き換えています。これにより、学長が決定権限を持つのは、大臣に対して述べる意見、中期目標原案の内容ではなくなり、大臣に対して意見を述べること、つまり中期目標原案を提出する行為だけとなりました。そして、新設の条文、第二十一条の五第一号の方で、中期目標についての意見に関する事項の議決権を運営方針会議に与えています。
一方、運営方針会議の権限や組織に関しては、教育研究の特性へ配慮する規定は何もありません。衆議院の議論で明らかにされたように、民間企業の経営の実務経験がある人を委員として想定しているなどと言われています。
国立大学法人法では、教育研究評議会は、中期目標についての意見に関する事項、中期計画に関する事項に関する審議権を持っています。このことに関して、盛山文部科学大臣は、衆議院の委員会において、改正案が成立した場合には、中期目標に関する意見や中期計画の作成等については、経営協議会や教育研究評議会の審議などを経て学長が原案を作成し、その原案について運営方針会議が議論して決定することになりますと述べています。運営方針会議が原案について議論する。遠山文部科学大臣のように、原案を最大限尊重するとは言わないんですね。
このように、本法案が成立することは、国立大学法人法が制定以来保ってきた大学が持つ中期目標の原案策定権の意義を喪失させかねない、国立大学法制史上の重大事件だと言わなければなりません。
第三の問題。法案策定の経緯が不明であり、改正の必要が分からないことです。
既に述べたように、本改正法案は、国立大学法人のうち、規模が特に大きなもののうち政令で定める法人に対して運営方針会議の設置を義務付けるとしています。国際卓越研究大学制度と関わりなく、大学の自発性に基づくこともなく、特定の大学に合議体を設置させるという重大な方針変更は、いつ、誰によって行われたのでしょうか。
運営方針会議、最高意思決定機関としての合議体というアイデアは、先ほど上山参考人が申されました十兆円の大学ファンドを原資として助成を行う国際卓越研究大学に関する議論の中で生まれました。というよりも、国際卓越研究大学に限定した話でした。
二〇二二年二月にCSTIの最終まとめが公表されまして、ここでは、国際卓越研究大学に対して独自のミッションを与え、認定条件として最高意思決定機関としての合議体を置くということを提言しています。その後、この最終まとめを基に作られました国際卓越研究大学法が昨年の通常国会で成立しました。国際卓越研究大学法は、国際卓越研究大学の認定を受けようとする大学に対して、文部科学省令で定める基準に適合していることを求めています。そして、この法律の規定を受けて、省令により合議体の設置が必要とされているのです。
国際卓越研究大学法の法案審議、参議院の委員会において、当時の増子宏高等教育局長は、国際卓越研究大学は、多額の運用益が回ってくるということで、一人の学長だけではなかなかその辺の責任が果たせないだろうということで合議体を設けておりますので、その辺の、その他の国立大学法人につきましては通常どおり学長のリーダーシップで大学運営を図っていただくと述べています。
方針変更の経緯を示す文書は、一般の国民はもとよりですが、私ども大学教職員にも一切示されておりません。衆議院の参考人質疑で明らかにされたように、国立大学の学長、元学長の方々、本日見えられています田中参考人も衆議院の参考人質疑で申されておりましたが、ですら、法案の内容を知ったのはごくごく最近だというお話です。
したがって、国立大学法人法をなぜ改正しなければならないのか、私には分かりません。本日、私から質問することはできないと思いますが、もし御存じなら上山参考人に教えてもらいたいです。政府内できちんと審議、検討したのであれば、その過程を公表すべきです。それが行われない限り、本法案の立法事実は不明です。立法事実不明の法案を成立させることがあってはなりません。
最後に、法案が成立した場合に予想されることを述べます。
今から約二十年前、国立大学の法人化が行われました。当時、積極的賛成派と言えばよいか、法人化すれば国立大学は自由度が高まる、経営上のメリットがある、社会との積極的な交流が生まれると言っていた方々もいました。一方で、消極的賛成派あるいは容認派は、法人化によっても大学は変わらない、変えてはならないと言っていた。もちろん、当時反対していた方々もいました。
二十年たった現在、どうか。未来を予想することは困難であるとしても、国立大学法人の、国立大学法人化の結果の予測はそれほど難しいことではなかったはずです。当時から、国の統制が強まり大学は自由を失っていく、大学は独立採算を求められるようになり、授業料が引き上げられたり、経済的な観点から教育研究組織や大学が再編されていくことになると予想し、法人化を批判してきた方は少なくありませんでした。
大切なことは、予想どおりになったかではなく、予想が違ったなら違ったで結構ですから、それを認め、なぜそうなってしまったのか反省し、同じ見当違いを繰り返さないようにすることだと思うのです。当時法人化の旗を振ってきた人々の中で、現在そうしている人がどれだけいるのか。現在、運営方針会議をつくろうとしている人たちの中に、二十年後、十年後でもいいですけれども、この改革のてん末が誰の目にもはっきりしたときに責任ある行動を取る人が果たしているのかと考えると、この改革を支持することは私はできないなという気持ちになるのです。
大学に数々の被害をもたらす重大な問題を持つものであり、立法事実も分からない、こんな法案は当然廃案にすべきことを述べて、私の意見陳述を終わります。
高
高
高橋真木子#15
○参考人(高橋真木子君) ありがとうございます。高橋真木子と申します。
私は私立大学の教員ですが、今日は法律改正に関連する二つの経験を持った者として意見を述べさせていただきます。
一つ目は、本法案に係る省庁の審議会などへの委員としての関与です。
具体的には、まず一つ目として、今までも話題に出たと思いますが、文部科学省科学技術・学術審議会の大学研究力強化委員会です。この議論を通じて、現在、選考、認定の過程にある、国際卓越とパッケージである、対を成す地域中核・特色ある研究大学強化促進事業の検討、審査を担う事業推進委員会の委員も務めております。
これに加えて、昨今と申しますか、済みません、昨今じゃないです、この十年以上、二十年以上ですね、大学の機能強化はもちろんいろいろなところで議論され求められてきたところですが、そのうち、大学の機能を少し分化させていくという意味では、研究力の強化は非常に重要な議論として一つのトピックでありました。その研究力強化の議論をした指定国立大学創設の議論、また、科学技術・学術審議会の下に設置されている産学連携関係の委員会の委員もさせていただいております。
なぜこのような若輩者の私がこのような委員をさせていただいたかというと、今、光本参考人からおっしゃられた、二〇〇四年以降の国立大学の激変に実務者としてその荒波の中で仕事をしてきたという実体験からです。
まず一つは、この委員としての経緯に関わったところと、自分自身が、この国立大学が変わっていく中で、その必要性と難しさ、そして課題があるけれども、それでも進めなくちゃいけないかというところを、私は今日この場で少し自分の経験も含めて申し上げたいと思います。
二つ目の観点というのがまさにそれでして、今、日本の大学にはURAという研究推進支援の専門人材が、日本全国で、たったですけれども千六百人ほどおります。この方たちは、二〇一一年以降、文部科学省の政策により、大学の中で主に研究者とともに研究推進支援の役割を担う専門家として徐々にその定着を図ってきたところです。
私自身、分子生物学で修士学を取った後、三十年間、約、いわゆるURAのような仕事をしてまいりました。現在では、そのコミュニティー、日本の中での千六百人をまとめるような形でのコミュニティーの形成にも貢献しておりますし、その中で、国際的な学会のようなものがありますけれども、ネットワークにも関与する機会を恵まれました。そこで得たのは、日本の大学の圧倒的な世界の流れに対しての蚊帳の外感であり、これでは非常にまずいという危機感です。
今日、三つのことを申し上げたいと思って参りました。
まず一つは、もう共有されているとは思いますが、日本の科学技術力低下に関する現状認識です。
これはもう一定の認識を持っていらっしゃると思いますので非常に簡単に申し上げたいと思いますが、国際比較でいうと、各数字が非常にシビアな現状を示しています。
主たる理由は四つほどあると思っておりまして、大学の基盤的経費の削減、競争的資金による事業の増加、ここが増えたことによって激増した大学及び研究者の事務コスト増、また、三点目として現役研究者の研究時間の減少、特に若手で顕著です。四点目は、研究者の任期制割合の増加。これらはいずれも連関する現象であり、これがひいては、一つとして科学者という職種への魅力の減少、二つ目は博士課程進学率の減少という、国に中期的に、中長期的にもうボディーブローのように利いてくる負のスパイラルを加速させています。今までの三人の参考人の先生方がおっしゃった意見も、このそれぞれの事象を捉えてどうすべきかということに刺さっているのだと思います。この危機的な状況を幾つかの大学の先生方が、総長、学長のリーダーシップで何とか変えていく方策、今回のこの事業というのはその方策の一つだというふうに私は理解しております。
まず、これが一点目の科学技術力低下に関する現状認識です。
この根拠、どうしてこの認識についてこの対策があり得るのかということと、このシステム、制度が動いたときに実際次にどのようなことが必要になってくるのかということについて、私の現場感覚を含めて申し上げたいと思います。
まず、最初に申し上げた、世界から取り残されるという圧倒的な危機感と、どうすればうまくいくかということについては、連関するのでまとめて申し上げたいというふうに思います。先ほど私の実務経験と申し上げたユニバーシティー・リサーチ・アドミニストレーター、研究推進支援の専門人材に関連するところです。
欧米諸国のどの大学でも、今、いわゆる大学の二大職種、事務方と研究者以外に、大学をうまく回していくためには、それ以外に重要な専門家がいます。田中参考人がおっしゃった、新しい大学において産業界と窓口になるような組織、これには知財の専門家、契約の専門家、コンプライアンス、データ、それのような、大学の今までの方たちにはなかなかなし得ないような、また、今後も新しい、世界が動く中で大学が果たす役割を果たすためにいろいろな専門家が必要になります。そういう方たちをどうやって大学の中の一員として担わせて、大学の中に職種として定着させて、大学として組織がうまく回していくのか、これは非常に重要な問題で、日本だけの問題ではありません。もちろんアメリカもヨーロッパもそれに対して手を打ってきています。その一つの職種が、総称すればユニバーシティー・リサーチ・アドミニストレーターです。
圧倒的な危機感ということについて、私は、そういう意味では、概念ではなく、今年の五月に体験した惨敗する思いを申し上げたいと思います。
私は、日本のURAのコミュニティーの代表者ですが、この五月、南アフリカのダーバンで開かれました国際大会に行ってまいりました。参加者は世界四十か国から五百人程度、URAの専門家が集まる会議です。ここでは、二年に一回開かれているわけですが、アメリカやEUの大学のうち、いわゆるアフリカに対して連携を取りたいという人たちが非常に積極的にアフリカの大学に対するアプローチをしていました。
今、我々が国内でアフリカの大学をどう認識しているかというと、指標で見れば、まだまだそんなに私たちの存在を脅かすものではないと思います。むしろ地域的だったり学術的なダイバーシティーの観点から、うまくイコール、うまくパートナーシップを結べるような相手だというふうにきっと思っていると思います。
しかし、その五月のダーバンで感じたのは、ヨーロッパに関しては、ヨーロッパの連携、EUフレームワークというのがありますけれども、アフリカの大学といかに人としてつながり、ファンドをきちんとして共同で回し、そこから研究成果を生み、ひいては研究をうまく連携して共同研究で持っていくか、そのためのアプローチのために応援団、視察団を送っていました。また、アメリカの大学の方は、いかにアメリカのファンドをアフリカの大学と一緒につくって動かしていくかというために、アフリカのシステムについて、あっ、アメリカのシステムについてアフリカの大学に直接説明をするような、そういうセッションを多く持っていました。
では、日本はどうかというと、あいにくその五百人の参加者のうち、私がその国際機構の二年間チェアを務めたんですけれども、私ともう一人、一緒に付いてきた人たちだけです。なぜかというと、一つには、まだURAの歴史が日本では浅いから、千六百人しかいないからですし、個々の大学でも活動をし始めていますけれども、そういう人たちがまだ大学の中で、あしたの仕事には関わらないかもしれないけれど、五年、十年先の国際連携のために大切だからそういうところに人を送るという判断がなかなかできないからだと思います。これは単に一つの例です。
やはり、大学がこれから自分の大学の強みを生かし、場合によっては五年、十年先の投資のためにアフリカまで人を出すですとか、うちの大学の研究資源として最もいいパートナーはアフリカなのでという形で積極的な手を打っていくようなことをなかなか今の日本の大学ではしにくい、ここが一つ致命的に日本の研究力にとってダメージになるというふうに私は思っております。
これには、これを解決するのはそう簡単なことではないです。もう既にいろいろな御議論がされていますし、お金も投じているということも理解しています。しかし、やはり私の実務経験から思うのは、個々の施策がピンポイントで連携をつなげるのがどうしても組織レベルではなかなか難しいということです。
今の経験に基づくと、一番いい打てる手というのは、やはり大学のトップが自分のこととして、自分の資源でどう資源配分をし外の資源をうまく使えるかという、もう少しそのハンドリングを大学側に持たせること、そのためには今回の国際卓越と地域中核という政策パッケージは非常に有効であると思っております。このシステムをうまく回すために、今回の法案に関して、地域目標や地域計画が一人の学長の領域を超えて組織として意思決定をうまく進めていくために非常に重要だと思っております。
以上です。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は私立大学の教員ですが、今日は法律改正に関連する二つの経験を持った者として意見を述べさせていただきます。
一つ目は、本法案に係る省庁の審議会などへの委員としての関与です。
具体的には、まず一つ目として、今までも話題に出たと思いますが、文部科学省科学技術・学術審議会の大学研究力強化委員会です。この議論を通じて、現在、選考、認定の過程にある、国際卓越とパッケージである、対を成す地域中核・特色ある研究大学強化促進事業の検討、審査を担う事業推進委員会の委員も務めております。
これに加えて、昨今と申しますか、済みません、昨今じゃないです、この十年以上、二十年以上ですね、大学の機能強化はもちろんいろいろなところで議論され求められてきたところですが、そのうち、大学の機能を少し分化させていくという意味では、研究力の強化は非常に重要な議論として一つのトピックでありました。その研究力強化の議論をした指定国立大学創設の議論、また、科学技術・学術審議会の下に設置されている産学連携関係の委員会の委員もさせていただいております。
なぜこのような若輩者の私がこのような委員をさせていただいたかというと、今、光本参考人からおっしゃられた、二〇〇四年以降の国立大学の激変に実務者としてその荒波の中で仕事をしてきたという実体験からです。
まず一つは、この委員としての経緯に関わったところと、自分自身が、この国立大学が変わっていく中で、その必要性と難しさ、そして課題があるけれども、それでも進めなくちゃいけないかというところを、私は今日この場で少し自分の経験も含めて申し上げたいと思います。
二つ目の観点というのがまさにそれでして、今、日本の大学にはURAという研究推進支援の専門人材が、日本全国で、たったですけれども千六百人ほどおります。この方たちは、二〇一一年以降、文部科学省の政策により、大学の中で主に研究者とともに研究推進支援の役割を担う専門家として徐々にその定着を図ってきたところです。
私自身、分子生物学で修士学を取った後、三十年間、約、いわゆるURAのような仕事をしてまいりました。現在では、そのコミュニティー、日本の中での千六百人をまとめるような形でのコミュニティーの形成にも貢献しておりますし、その中で、国際的な学会のようなものがありますけれども、ネットワークにも関与する機会を恵まれました。そこで得たのは、日本の大学の圧倒的な世界の流れに対しての蚊帳の外感であり、これでは非常にまずいという危機感です。
今日、三つのことを申し上げたいと思って参りました。
まず一つは、もう共有されているとは思いますが、日本の科学技術力低下に関する現状認識です。
これはもう一定の認識を持っていらっしゃると思いますので非常に簡単に申し上げたいと思いますが、国際比較でいうと、各数字が非常にシビアな現状を示しています。
主たる理由は四つほどあると思っておりまして、大学の基盤的経費の削減、競争的資金による事業の増加、ここが増えたことによって激増した大学及び研究者の事務コスト増、また、三点目として現役研究者の研究時間の減少、特に若手で顕著です。四点目は、研究者の任期制割合の増加。これらはいずれも連関する現象であり、これがひいては、一つとして科学者という職種への魅力の減少、二つ目は博士課程進学率の減少という、国に中期的に、中長期的にもうボディーブローのように利いてくる負のスパイラルを加速させています。今までの三人の参考人の先生方がおっしゃった意見も、このそれぞれの事象を捉えてどうすべきかということに刺さっているのだと思います。この危機的な状況を幾つかの大学の先生方が、総長、学長のリーダーシップで何とか変えていく方策、今回のこの事業というのはその方策の一つだというふうに私は理解しております。
まず、これが一点目の科学技術力低下に関する現状認識です。
この根拠、どうしてこの認識についてこの対策があり得るのかということと、このシステム、制度が動いたときに実際次にどのようなことが必要になってくるのかということについて、私の現場感覚を含めて申し上げたいと思います。
まず、最初に申し上げた、世界から取り残されるという圧倒的な危機感と、どうすればうまくいくかということについては、連関するのでまとめて申し上げたいというふうに思います。先ほど私の実務経験と申し上げたユニバーシティー・リサーチ・アドミニストレーター、研究推進支援の専門人材に関連するところです。
欧米諸国のどの大学でも、今、いわゆる大学の二大職種、事務方と研究者以外に、大学をうまく回していくためには、それ以外に重要な専門家がいます。田中参考人がおっしゃった、新しい大学において産業界と窓口になるような組織、これには知財の専門家、契約の専門家、コンプライアンス、データ、それのような、大学の今までの方たちにはなかなかなし得ないような、また、今後も新しい、世界が動く中で大学が果たす役割を果たすためにいろいろな専門家が必要になります。そういう方たちをどうやって大学の中の一員として担わせて、大学の中に職種として定着させて、大学として組織がうまく回していくのか、これは非常に重要な問題で、日本だけの問題ではありません。もちろんアメリカもヨーロッパもそれに対して手を打ってきています。その一つの職種が、総称すればユニバーシティー・リサーチ・アドミニストレーターです。
圧倒的な危機感ということについて、私は、そういう意味では、概念ではなく、今年の五月に体験した惨敗する思いを申し上げたいと思います。
私は、日本のURAのコミュニティーの代表者ですが、この五月、南アフリカのダーバンで開かれました国際大会に行ってまいりました。参加者は世界四十か国から五百人程度、URAの専門家が集まる会議です。ここでは、二年に一回開かれているわけですが、アメリカやEUの大学のうち、いわゆるアフリカに対して連携を取りたいという人たちが非常に積極的にアフリカの大学に対するアプローチをしていました。
今、我々が国内でアフリカの大学をどう認識しているかというと、指標で見れば、まだまだそんなに私たちの存在を脅かすものではないと思います。むしろ地域的だったり学術的なダイバーシティーの観点から、うまくイコール、うまくパートナーシップを結べるような相手だというふうにきっと思っていると思います。
しかし、その五月のダーバンで感じたのは、ヨーロッパに関しては、ヨーロッパの連携、EUフレームワークというのがありますけれども、アフリカの大学といかに人としてつながり、ファンドをきちんとして共同で回し、そこから研究成果を生み、ひいては研究をうまく連携して共同研究で持っていくか、そのためのアプローチのために応援団、視察団を送っていました。また、アメリカの大学の方は、いかにアメリカのファンドをアフリカの大学と一緒につくって動かしていくかというために、アフリカのシステムについて、あっ、アメリカのシステムについてアフリカの大学に直接説明をするような、そういうセッションを多く持っていました。
では、日本はどうかというと、あいにくその五百人の参加者のうち、私がその国際機構の二年間チェアを務めたんですけれども、私ともう一人、一緒に付いてきた人たちだけです。なぜかというと、一つには、まだURAの歴史が日本では浅いから、千六百人しかいないからですし、個々の大学でも活動をし始めていますけれども、そういう人たちがまだ大学の中で、あしたの仕事には関わらないかもしれないけれど、五年、十年先の国際連携のために大切だからそういうところに人を送るという判断がなかなかできないからだと思います。これは単に一つの例です。
やはり、大学がこれから自分の大学の強みを生かし、場合によっては五年、十年先の投資のためにアフリカまで人を出すですとか、うちの大学の研究資源として最もいいパートナーはアフリカなのでという形で積極的な手を打っていくようなことをなかなか今の日本の大学ではしにくい、ここが一つ致命的に日本の研究力にとってダメージになるというふうに私は思っております。
これには、これを解決するのはそう簡単なことではないです。もう既にいろいろな御議論がされていますし、お金も投じているということも理解しています。しかし、やはり私の実務経験から思うのは、個々の施策がピンポイントで連携をつなげるのがどうしても組織レベルではなかなか難しいということです。
今の経験に基づくと、一番いい打てる手というのは、やはり大学のトップが自分のこととして、自分の資源でどう資源配分をし外の資源をうまく使えるかという、もう少しそのハンドリングを大学側に持たせること、そのためには今回の国際卓越と地域中核という政策パッケージは非常に有効であると思っております。このシステムをうまく回すために、今回の法案に関して、地域目標や地域計画が一人の学長の領域を超えて組織として意思決定をうまく進めていくために非常に重要だと思っております。
以上です。ありがとうございました。
高
高
高橋克法#17
○委員長(高橋克法君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、末松信介君が委員を辞任され、その補欠として田中昌史君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →本日、末松信介君が委員を辞任され、その補欠として田中昌史君が選任されました。
─────────────
高
高
高橋はるみ#19
○高橋はるみ君 自由民主党の高橋はるみと申します。
今日は、参考人の皆様方に対する質疑の、質問の時間をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれ四人の参考人の皆様方、それぞれの専門分野から大変意義ある御発言をいただきましたこと、まず冒頭、御礼を申し上げたいと思います。
それでは、時間の許す限り、四名の参考人の方々にそれぞれお伺いをしてまいりたいと思います。
まず、最初に意見をおっしゃっていただいた田中参考人にお伺いをいたします。
東京科学大学への統合を進めようとしておられるわけであります。その御説明の中で、コンバージェンス・サイエンスの展開を目指すといったような大変わくわくするようなお話をいただいたところでありますが、更なるこの統合大学の飛躍を目指すために、本法案では大学の統合以外も、合議体の設置等の規定もあるわけでありますが、本法案の他の規定の施行について、統合後の大学の活動の場を更に広げていくため、どのように活用していこうと考えておられるのか、お伺いをいたします。
この発言だけを見る →今日は、参考人の皆様方に対する質疑の、質問の時間をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれ四人の参考人の皆様方、それぞれの専門分野から大変意義ある御発言をいただきましたこと、まず冒頭、御礼を申し上げたいと思います。
それでは、時間の許す限り、四名の参考人の方々にそれぞれお伺いをしてまいりたいと思います。
まず、最初に意見をおっしゃっていただいた田中参考人にお伺いをいたします。
東京科学大学への統合を進めようとしておられるわけであります。その御説明の中で、コンバージェンス・サイエンスの展開を目指すといったような大変わくわくするようなお話をいただいたところでありますが、更なるこの統合大学の飛躍を目指すために、本法案では大学の統合以外も、合議体の設置等の規定もあるわけでありますが、本法案の他の規定の施行について、統合後の大学の活動の場を更に広げていくため、どのように活用していこうと考えておられるのか、お伺いをいたします。
田
田中雄二郎#20
○参考人(田中雄二郎君) 御質問いただき、ありがとうございます。
まず第一に、運営方針会議については、やはり社会のステークホルダーとともに大学を運営していきたいというのは、東京医科歯科大学でコロナ対応したときから感じていたことでございますので、それは活用していきたいというふうに思っています。ですから、いろんなステークホルダーの方に参加していただく形が望ましいと思います。
それから、二番目の規制緩和なんですけれども、これは大変有り難いと思っておりまして、東京科学大学ではまだ新たに大学債を発行する、法人債を発行する予定は今のところありませんけれども、これが発行する段階になったときに、言わばハードだけでなくてソフトの部分にも使用が可能になったということは、大学の運営にとっては将来非常に有用なことだと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →まず第一に、運営方針会議については、やはり社会のステークホルダーとともに大学を運営していきたいというのは、東京医科歯科大学でコロナ対応したときから感じていたことでございますので、それは活用していきたいというふうに思っています。ですから、いろんなステークホルダーの方に参加していただく形が望ましいと思います。
それから、二番目の規制緩和なんですけれども、これは大変有り難いと思っておりまして、東京科学大学ではまだ新たに大学債を発行する、法人債を発行する予定は今のところありませんけれども、これが発行する段階になったときに、言わばハードだけでなくてソフトの部分にも使用が可能になったということは、大学の運営にとっては将来非常に有用なことだと思っております。
以上です。
高
高橋はるみ#21
○高橋はるみ君 失礼しました。
ありがとうございました。
それでは、次は上山参考人にお伺いをいたします。
今回の改正法案は、日本の大学が世界トップレベルを目指す国際卓越研究大学に必要なガバナンスとして合議体の設置を求めることにつながるものでございますが、本法の施行によりどのように研究力強化につながっていくとお考えでしょうか。
この発言だけを見る →ありがとうございました。
それでは、次は上山参考人にお伺いをいたします。
今回の改正法案は、日本の大学が世界トップレベルを目指す国際卓越研究大学に必要なガバナンスとして合議体の設置を求めることにつながるものでございますが、本法の施行によりどのように研究力強化につながっていくとお考えでしょうか。
上
上山隆大#22
○参考人(上山隆大君) 我々とすると、この間の二十年間にわたる研究力の、低下とは言いませんが、まあ足踏み状態ということに対して、非常にシリアスに考えて政策を議論をしてまいりました。何よりも、この合議体が入ってくるということは、大学の中において研究のレベルでもとてもポジティブな影響があると思います。
なぜかといいますと、この研究の内容は多岐にわたるように拡大、多様化しておりまして、例えば、最近でいえば、地球環境の問題、感染症の問題、社会の様々な課題に関して研究者は一体どういう方向で更に研究力を発展させていけばいいのかについて当然ながら考えなければいけませんが、そのような情報を外部のステークホルダーの方々からいただく、また、それに関してどのような形で財務的にそれを支えるのかという議論は、恐らくはこういう外部の有識者の議員の方々から大学の中に入ってくるということでございまして、そのことは研究力の向上にほぼ直結すると考えております。
この発言だけを見る →なぜかといいますと、この研究の内容は多岐にわたるように拡大、多様化しておりまして、例えば、最近でいえば、地球環境の問題、感染症の問題、社会の様々な課題に関して研究者は一体どういう方向で更に研究力を発展させていけばいいのかについて当然ながら考えなければいけませんが、そのような情報を外部のステークホルダーの方々からいただく、また、それに関してどのような形で財務的にそれを支えるのかという議論は、恐らくはこういう外部の有識者の議員の方々から大学の中に入ってくるということでございまして、そのことは研究力の向上にほぼ直結すると考えております。
高
高橋はるみ#23
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
次に、光本参考人にお伺いをいたします。
先生からは、大学の自治の観点など大変深みのある意見を述べていただきまして、興味深くお伺いをしたところであります。
全国には八十六、展開する国立大学があるわけであります。大変規模の大きい総合大学もございますが、また、それ以外にも様々な分野をカバーする多様な大学が存在し展開をしていると、こういうふうに理解をするところでありますが、こういった多様な国立大学がその大学運営をこれからもしっかりと進めていく上でどのような視点が政策的に必要とお考えになるのか、御所見をお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →次に、光本参考人にお伺いをいたします。
先生からは、大学の自治の観点など大変深みのある意見を述べていただきまして、興味深くお伺いをしたところであります。
全国には八十六、展開する国立大学があるわけであります。大変規模の大きい総合大学もございますが、また、それ以外にも様々な分野をカバーする多様な大学が存在し展開をしていると、こういうふうに理解をするところでありますが、こういった多様な国立大学がその大学運営をこれからもしっかりと進めていく上でどのような視点が政策的に必要とお考えになるのか、御所見をお伺いをしたいと思います。
光
光本滋#24
○参考人(光本滋君) 御質問ありがとうございます。
多種多様な国立大学がそれぞれ発展していくためにどのような政策的な視点が必要か、これは本当に一言で申し上げるのが逆に難しいといいますか、大学の多様性というものを政策当事者が理解し、その意義や課題をそれぞれ考えていく必要が当然あるかと思います。
本法案との関わりでいいますと、誰がそれを考えていくべきかということが問われているんじゃないかなというふうに思います。運営方針会議をつくる大学では、これまでの大学のガバナンスシステムの上に合議体をつくって、そこで大学の方針を決めていくということになるわけです。言わば、大学の決めたことをある意味相対化するといいますか、問い直すということになろうかと思います。
今、上山参考人の御発言の中にもありましたけれども、社会の様々な意見を聞くということ自体は私も必要だというふうに思っておりますが、ただ、それは合議体でなければできないのかという疑問は持っております。
私の見解ということになりますけれども、大学が現に社会と様々な形で、各研究分野、教育分野もそうですし、大学そのものもそうだと思います、つながっておりますので、その現在大学が持っている社会とのつながりを生かして大学の在り方を決めていく、そうしたことを励ますような政策であってもらいたいと思いますし、資金の面からもそういった大学の活動をサポートしていただきたいというふうに思っております。
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本法案との関わりでいいますと、誰がそれを考えていくべきかということが問われているんじゃないかなというふうに思います。運営方針会議をつくる大学では、これまでの大学のガバナンスシステムの上に合議体をつくって、そこで大学の方針を決めていくということになるわけです。言わば、大学の決めたことをある意味相対化するといいますか、問い直すということになろうかと思います。
今、上山参考人の御発言の中にもありましたけれども、社会の様々な意見を聞くということ自体は私も必要だというふうに思っておりますが、ただ、それは合議体でなければできないのかという疑問は持っております。
私の見解ということになりますけれども、大学が現に社会と様々な形で、各研究分野、教育分野もそうですし、大学そのものもそうだと思います、つながっておりますので、その現在大学が持っている社会とのつながりを生かして大学の在り方を決めていく、そうしたことを励ますような政策であってもらいたいと思いますし、資金の面からもそういった大学の活動をサポートしていただきたいというふうに思っております。
高
高橋はるみ#25
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
そして、高橋参考人にお伺いをいたします。
高橋先生からは、日本の研究力をもっと高めていかなければならない、そしてそのためにURA、ユニバーシティー・リサーチ・アドミニストレーターと呼ばれる専門的なスタッフというか、人材の重要性ということを強く強調をしていただいたところでございますが、こういったURAをもっともっと増やしていくために政府に対してどのような政策展開をすべきとお考えでございましょうか。
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高橋先生からは、日本の研究力をもっと高めていかなければならない、そしてそのためにURA、ユニバーシティー・リサーチ・アドミニストレーターと呼ばれる専門的なスタッフというか、人材の重要性ということを強く強調をしていただいたところでございますが、こういったURAをもっともっと増やしていくために政府に対してどのような政策展開をすべきとお考えでございましょうか。
高
高橋真木子#26
○参考人(高橋真木子君) 御質問ありがとうございます。
本法案との絡みでいうと、URAのような新しい機能が必要だというふうな御説明もさせていただきました。その上で、意義を御理解いただき、ありがとうございます。
URAはまだ千六百人です。八割が任期制のポジションで大学に仕事をしております。やはり、安定的な雇用、そして魅力的なポジション、キャリアアップというのが必要になります。
政府としては、そういう魅力的な仕事が大学の研究者以外にも大学の仕事の中であるんだというようなことを、また、いろいろな人が、いろいろなキャリアを持った人たちが入ってくることによってこの職種の魅力も高まると思いますので、そういう意味では、例えばインダストリーでRアンドDの経験を持った人や知財の経験を持った人たちが転職をして大学にも行くような、その人のシフトのしやすさのようなものをつくっていただければと思います。
ありがとうございます。
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URAはまだ千六百人です。八割が任期制のポジションで大学に仕事をしております。やはり、安定的な雇用、そして魅力的なポジション、キャリアアップというのが必要になります。
政府としては、そういう魅力的な仕事が大学の研究者以外にも大学の仕事の中であるんだというようなことを、また、いろいろな人が、いろいろなキャリアを持った人たちが入ってくることによってこの職種の魅力も高まると思いますので、そういう意味では、例えばインダストリーでRアンドDの経験を持った人や知財の経験を持った人たちが転職をして大学にも行くような、その人のシフトのしやすさのようなものをつくっていただければと思います。
ありがとうございます。
高
宮
宮口治子#28
○宮口治子君 おはようございます。立憲民主・社民の宮口治子と申します。
本日は、参考人の方々から貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございます。
本法律案の内容が広く明らかになりましたのは、今年九月のCSTIの有識者議員懇談会においてです。そして、十月末に本法律案が提出され、審議が開始されました。
十一月十四日に行われた衆議院の参考人質疑で、本法律案の内容で国会に提出されることをいつ知ったかという我が党の菊田真紀子議員からの質問に対して、参考人として呼ばれた現職学長、そして学長経験者、専門家の方々も、本法律案の内容を知ったのはごく最近だったと、先ほどのお話にもあったかと思います。大学現場の教職員や学生を含むほとんどの大学関係者にとって寝耳に水だったということは想像に難くありません。
そこで、改めて、参議院でも参考人の方全員にお尋ねをしたいと思います。法案がこのような内容となって国会提出される、なるということをいつお知りになったでしょうか。
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本法律案の内容が広く明らかになりましたのは、今年九月のCSTIの有識者議員懇談会においてです。そして、十月末に本法律案が提出され、審議が開始されました。
十一月十四日に行われた衆議院の参考人質疑で、本法律案の内容で国会に提出されることをいつ知ったかという我が党の菊田真紀子議員からの質問に対して、参考人として呼ばれた現職学長、そして学長経験者、専門家の方々も、本法律案の内容を知ったのはごく最近だったと、先ほどのお話にもあったかと思います。大学現場の教職員や学生を含むほとんどの大学関係者にとって寝耳に水だったということは想像に難くありません。
そこで、改めて、参議院でも参考人の方全員にお尋ねをしたいと思います。法案がこのような内容となって国会提出される、なるということをいつお知りになったでしょうか。
田
田中雄二郎#29
○参考人(田中雄二郎君) 今御指摘ありましたように、私、衆議院の参考人にも出ておりまして、そのときに十月頃ではなかったかと思うと申し上げたんですけれども、その後、大学に戻りまして、いや、もっと前に文部科学省から説明がありましたということを事務から指摘されましたので、ちょっとここで訂正させていただきます。
概要ではありますけれども、七月の二十六日に文部科学省の法人支援課長が医科歯科大学に来られまして、私とそれから東京工業大学の益学長と二人で、医科歯科大学で法案のポイントについてお話を伺いました。そのときに伺ったお話というのは、正確には覚えていないんですけれども、運営方針会議という名前だったかどうかちょっと覚えていないんですけれども、そういうものができるということと、それは限られた大学に設置されるけれどもそれ以外の大学も望めばできるということが言われたということと、規制緩和の話が、詳しくはありませんでしたけれども、法人債の話があったかと思います。あとは、統合についてですから、私たち当事者でしたので、その点については詳しく伺いました。
以上でございます。
この発言だけを見る →概要ではありますけれども、七月の二十六日に文部科学省の法人支援課長が医科歯科大学に来られまして、私とそれから東京工業大学の益学長と二人で、医科歯科大学で法案のポイントについてお話を伺いました。そのときに伺ったお話というのは、正確には覚えていないんですけれども、運営方針会議という名前だったかどうかちょっと覚えていないんですけれども、そういうものができるということと、それは限られた大学に設置されるけれどもそれ以外の大学も望めばできるということが言われたということと、規制緩和の話が、詳しくはありませんでしたけれども、法人債の話があったかと思います。あとは、統合についてですから、私たち当事者でしたので、その点については詳しく伺いました。
以上でございます。