法務委員会

2023-11-16 参議院 全131発言

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会議録情報#0
令和五年十一月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     世耕 弘成君
     長谷川英晴君     山崎 正昭君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     長谷川英晴君
     世耕 弘成君     井上 義行君
     山崎 正昭君     吉井  章君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        佐々木さやか君
    理 事
                古庄 玄知君
                和田 政宗君
                牧山ひろえ君
                伊藤 孝江君
                川合 孝典君
    委 員
                井上 義行君
                山東 昭子君
                田中 昌史君
                長谷川英晴君
                福岡 資麿君
                森 まさこ君
                吉井  章君
                石川 大我君
                福島みずほ君
                石川 博崇君
                清水 貴之君
                仁比 聡平君
                鈴木 宗男君
   国務大臣
       法務大臣     小泉 龍司君
   副大臣
       法務副大臣    門山 宏哲君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中野 英幸君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   小野寺真也君
       最高裁判所事務
       総局人事局長   徳岡  治君
       最高裁判所事務
       総局民事局長   福田千恵子君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   馬渡 直史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        久保田正志君
   政府参考人
       こども家庭庁長
       官官房審議官   野村 知司君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   坂本 三郎君
       法務省民事局長  竹内  努君
       法務省刑事局長  松下 裕子君
       法務省人権擁護
       局長       鎌田 隆志君
       出入国在留管理
       庁次長      丸山 秀治君
       外務省大臣官房
       サイバーセキュ
       リティ・情報化
       参事官      今福 孝男君
       文部科学省大臣
       官房審議官    西條 正明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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佐々木さやか#1
○委員長(佐々木さやか君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、岩本剛人さん及び岡田直樹さんが委員を辞任され、その補欠として吉井章さん及び井上義行さんが選任されました。
    ─────────────
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佐々木さやか#2
○委員長(佐々木さやか君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房司法法制部長坂本三郎さん外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐々木さやか#3
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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佐々木さやか#4
○委員長(佐々木さやか君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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古庄玄知#5
○古庄玄知君 おはようございます。自民党の古庄玄知です。
 まず、法曹人口の確保に向けた取組についてお尋ねしたいと思います。
 去る十一月八日、司法試験の合格発表がありました。合格者は、前年から三百七十八人増えて千七百八十一人となりまして、政府目標の千五百人を上回る結果となりました。また、受験者数につきましても、前年から八百四十六人増えて三千九百二十八人となっています。合格者数及び受験者数共に、平成二十七年以降、七年連続で減少していましたが、八年ぶりに増加したということになります。
 これは、令和二年度に誕生したいわゆる3プラス2という新たな法曹養成制度の一期生が受験したことや、在学中受験資格の制度による受験が始まったことによるものと考えられます。これまで、法曹になるルートとして、法科大学院を経る場合、司法修習も含めると、最短でも大学入学から八年近く掛かっており、学費や時間的な負担が重いとの指摘がされていましたが、今般、司法試験の受験者数が増加したことで、新制度の導入が効果を上げたものと考えられます。
 しかし、旧司法試験との一本化以降、司法試験の受験者数のピークが平成二十四年の八千三百八十七人だったことを考えると、三千九百二十八人はその半分にも満たない数です。受験者数の一層の増加を図り、裁判官、検察官としてふさわしい資質、能力を備えた有為な人材を確保するため更なる環境整備が必要になってくるものと考えますが、そのための取組状況と大臣の取組姿勢について御教示いただきたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
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小泉龍司#6
○国務大臣(小泉龍司君) いわゆる法曹養成制度改革法、令和元年の改正によりまして、法学部三年と法科大学院二年のルート、いわゆる3プラス2が制度化され、加えまして、法科大学院在学中の者にも受験資格が付与されるようになりました。本年度の司法試験からこうした仕組みが始まったわけでございます。こうした制度改正の結果、今先生から御指摘ありましたように、受験者も増えた、合格者も増えた。そして、千八百人の合格者のうち約三分の一が在学中受験資格による現役の方の合格という形が見えました。一定の成果はあったと思います。
 しかし、これまた先生御指摘のとおり、これが定着したわけではないし、絶対数はまだ少ないし、まだまだとどまっていい状況ではないと思います。これをスタートラインとして更に環境整備を進めていくということが非常に重要なことであろうと思います。
 具体的には、この3プラス2の制度が始まりました、そして合格率も結構高いですということも発信したいし、また、そもそも法曹という仕事の魅力についても情報を発信していくこと、また、新たな法的需要を掘り起こして法曹が活躍できる領域を更に広げていくための取組を進める。こうした全体としての取組を通じて有為な人材が法曹界を志望してくれるように、環境整備、全力で取り組みたいと思っております。
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古庄玄知#7
○古庄玄知君 ありがとうございました。
 続きまして、法曹のワーク・ライフ・バランスと在宅勤務等の手当についてお伺いしたいと思います。
 法曹志願者数の増加のためには、裁判官や検察官の多様な働き方を可能とするなど、ワーク・ライフ・バランスの確保も重要と考えますけれども、今般の人事院勧告では、在宅勤務など手当の新設が勧告されました。
 そこで、裁判官、検察官が在宅勤務をした場合には在宅勤務等手当の支給対象となるのでしょうか。最高裁と法務省にお伺いしたいと思います。
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徳岡治#8
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
 裁判官につきましては、裁判官の報酬等に関する法律九条一項本文によりまして、報酬以外の給与、いわゆる諸手当でございますが、は一般の政府職員の例に準じて最高裁判所の定めるところによりこれを支給することとされております。実際に在宅勤務等手当を支給する場合には、裁判官の報酬等に関する規則に具体的規定を置く必要がございます。
 現段階におきましては、裁判官が在宅勤務等手当の支給対象となるような働き方をすることは想定しにくいところでございますので、直ちに規則上の措置を講ずるということは予定をしていないところでございます。
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坂本三郎#9
○政府参考人(坂本三郎君) 引き続きまして、検察官についてお答えいたします。
 検察官につきましては、いわゆる認証官以外の検察官が支給対象となります。すなわち、検察官についても業務内容等に応じて在宅勤務を行っており、一般職給与法の適用を受ける職員の例により給与が支給される検察官につきましては、一般職給与法で新設される在宅勤務等手当の支給対象となります。
 他方で、特別職給与法の適用を受ける職員の例により給与が支給される認証官、すなわち検事総長、次長検事及び検事長につきましては、特別職給与法において在宅勤務等手当が措置されないことから、在宅勤務等手当の支給対象とはならないこととなります。
 以上でございます。
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古庄玄知#10
○古庄玄知君 ありがとうございました。
 次に、フレックスタイム制の導入についてお尋ねしたいと思います。
 今年度の人事院勧告におきましては、フレックスタイム制を活用した勤務時間を割り振らない日の対象職員の拡大が勧告されており、フレックスタイム制の活用による柔軟な働き方の推進はワーク・ライフ・バランスの実現にもつながるものと考えます。
 職務の性質上、勤務時間に定めのない裁判官については一般職の職員と同様の勤務時間を観念することは困難かと思いますが、一般職としての勤務時間の適用を受ける検察官については、フレックスタイム制の導入によりワーク・ライフ・バランスの実現が期待できるものと考えます。
 そこで、検察官について、フレックスタイム制の活用による週休三日制の導入における検討状況についてお示しください。
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坂本三郎#11
○政府参考人(坂本三郎君) お答えいたします。
 国家公務員のフレックスタイム制は、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律第六条第三項及び第四項に定められておりまして、検察官におきましても同法律の適用を受けることから、現行法下におきましても検察官に対してフレックスタイム制が適用されるものと承知しております。
 その上で、令和五年八月の人事院勧告に基づきまして、今後、令和七年四月一日施行予定で一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律が改正された場合には、検察官につきましてもフレックスタイム制を活用することにより、勤務時間の総量を維持した上で、週一日を限度に勤務時間を割り振らない日を設定することが可能となるものと承知しております。
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古庄玄知#12
○古庄玄知君 ありがとうございました。
 次に、子供をめぐる人権問題についてお尋ねしたいと思います。
 令和四年度の小中高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数が六十八万千九百四十八件と過去最多を記録するなど、いじめ問題への対応は喫緊の課題となっております。いじめに悩む子供の相談対応について、そして、いじめのない社会の実現に向けて法務省はどのような取組を行っているのか、当局にお伺いします。
 また、最後に、子供をめぐる様々な人権問題への取組について法務大臣の決意をお伺いし、最後の質問としたいと思います。よろしくお願いします。
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鎌田隆志#13
○政府参考人(鎌田隆志君) いじめに悩む子供の相談対応についてのお尋ねでございますが、法務省の人権擁護機関では、法務局等における窓口相談のほか、子どもの人権一一〇番や子どもの人権SOSミニレターに加え、若者の利用が多いSNSによる人権相談に応じるなど、様々な方法で子供からの人権相談に応じており、関係機関等とも連携しながらこれらに対応しております。その中で、重大ないじめ事案、その他人権侵害の疑いのある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として調査を行い、事案に応じた適切な措置を講じることとしております。
 また、いじめのない社会の実現、すなわち、いじめの未然防止という点についてのお尋ねでございますが、法務省の人権擁護機関におきましては、例えば、人権擁護委員等が学校に赴き、いじめ等の問題を題材に、互いの人権を尊重することの重要性について理解を深めてもらうことなどを目的とした人権教室や全国中学生人権作文コンテストを実施しております。さらに、児童の権利に関する条約の子供向け啓発冊子を作成、配付するなどして、子供に様々な権利の享有主体であることの認識を促すよう努めるなど、各種人権啓発活動を行っているところでございます。
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小泉龍司#14
○国務大臣(小泉龍司君) 先生からさっき御指摘いただきました令和四年度の小中高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数が、六十八万件を超え過去最多となったという事実がございます。そうした事実に心を痛めております。
 そうした状況もありまして、いじめを始めとする子供の人権問題は、国を挙げて取り組むべき極めて重要な課題であると認識しております。
 法務省の人権擁護機関では、子供の人権を守ろうを人権啓発活動の強調事項の一つとして掲げ、各種人権啓発活動を行っております。先ほど局長からも御紹介しました、様々な子供たちの声を直接聞く一一〇番あるいはSOSレター、こういったものもきめ細かく配付をして、活用してもらえるような活動を進めています。
 SOSレターの現物も私見てみましたけど、かなりの枚数返ってくるんですね。本当に大きな反応がやはりあります。だから、その手紙がしっかり子供たちに届けばその答えが返ってくるんだということも感じられたわけでありまして、そういうところも含めて、現場でしっかりサポートできる体制をこれからもより積極的に構築していきたいと思っております。関係省庁、関係機関との連携もしっかりやっていきたいと思います。
 それから、子供の人権という広い御指摘でありますので、もう一つ法務省としては柱がございまして、児童虐待ですね、これについても政府の方針があります。こういったものを踏まえ、関係機関と連携を密にしてその根絶に取り組みたいと思います。
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古庄玄知#15
○古庄玄知君 前向きな御答弁ありがとうございました。
 以上をもって終わりたいと思います。ありがとうございます。
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牧山ひろえ#16
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
 本日は、裁判官の報酬等と検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、まずは質問させていただきたいと思います。
 人事院勧告と、それを反映した給与法のうち、働き方改革に関連する内容では、テレワークで発生する自宅の光熱費や水道代などの相当分を補助する在宅勤務手当が新設されました。三か月以上の期間、月平均十日を超えてテレワークをする場合に月三千円を支給するとされています。
 そもそも、裁判所や裁判官の就業におきまして、どの程度テレワークが普及しているのでしょうか。
 そして、それも含めて、裁判官や検察官のワーク・ライフ・バランスの現状についても、評価も含め御説明いただければと思います。
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徳岡治#17
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
 まず、裁判官のテレワークの関係でございますけれども、裁判官は、裁判期日の実施等のために裁判所に登庁して、通常、仕事をしているのが通常でございます。ただ、裁判官は、日々の職務遂行がそれぞれの自律的判断に委ねられておりまして、従前から非開廷日には、必要に応じて、自宅で記録の精査や判決の起案等を行うといった働き方をしている者もいるものと承知をしているところでございます。
 なお、現在、各種裁判手続のデジタル化が進展しておりまして、これによって裁判官の職務遂行の在り方が変容していくことがあり得ることから、引き続き状況は注視してまいりたいと思っているところでございます。
 あと、ワーク・ライフ・バランスの点のお尋ねでございます。
 裁判官のワーク・ライフ・バランスは重要であるというふうに考えております。各庁の事件動向等に応じた裁判官の配置に努めるとともに、各庁の実情に応じて担当事務の分担の仕方の工夫をするなどの配慮をするほか、仕事と育児や介護等の両立支援制度の周知に努めるなどして、積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、ワーク・ライフ・バランスを実現できる執務環境の整備に努めたいと考えております。
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松下裕子#18
○政府参考人(松下裕子君) 検察官のテレワークを含めたワーク・ライフ・バランスの取組状況についてお尋ねいただいたと思います。
 検察当局におきましては、検察官を含む職員のワーク・ライフ・バランスの実現は非常に重要なことだと認識をしておりまして、職員が心身の健康を保って働くことのできる働きやすい職場環境の構築に取り組んでいるものと承知しております。
 また、検察におけるワーク・ライフ・バランスの取組状況につきましては、法務省全体の取組がございまして、それに基づきまして、職務の性質に照らし、可能な範囲でテレワークの推進にも柔軟に取り組んでいるものと承知をしております。例えば、最高検察庁においては、検察庁職員が容易かつ広範囲にテレワークを実施できるようにすることを目的といたしましてガイドラインを策定しております。
 また、育児休業、配偶者出産休暇、育児参加休暇等の各種休暇制度を周知し、それらの取得を促進するその環境整備をするとともに、早出遅出勤務の活用などにより、個々の事情に応じた柔軟な勤務を可能とするなどの取組も積極的に行っているものと承知しております。
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牧山ひろえ#19
○牧山ひろえ君 是非、裁判所や検察庁におきましても、合理的、そして効率的に業務を行えるように職場環境を見直すことも大事だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、裁判官や検察官のなり手不足が話題になって久しいものがございます。特に裁判補の人員不足は深刻だと思うんですね。
 御承知のとおり、弁護士や裁判官になるには、難関司法試験を合格して、司法修習を終了した法曹資格を所持している必要がございます。その上で、裁判官、検察官、弁護士を選択することになるわけでございますが、すなわち、裁判官や検察官の採用に際しまして比較対象となるのは弁護士なわけなんですけれども、裁判官の報酬月額や検察官の俸給月額の改定に当たっては、弁護士の給与に準拠するのではなく、人事院勧告を受けて行われる一般の政府職員の俸給表の改定に準じて行われることになっているわけですね。
 今回の人事院勧告でも、初任給の大幅な引上げが行われました。ですが、以前と異なり、法律事務所の大規模化が進行しておりまして、規模の拡大が報酬面にも反映してきているということです。海外の大規模渉外事務所の日本進出が活発化しているということから、法曹報酬の官民較差は今後拡大していくことが想定されると思うんですね。
 法曹報酬の官民較差によって、判事補などの採用活動についてどの程度の影響が生じていると御認識していらっしゃるんでしょうか。
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徳岡治#20
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
 裁判所といたしましては、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者に任官してほしいと考えているところではございますけれども、新任判事補の採用数がやや伸び悩んでいるところでございます。
 その理由といたしましては、判事補の給源となる司法修習終了者の人数が減少していることに加えまして、弁護士として活躍する分野が広がっているということだけでなく、大規模法律事務所等との競合が激化していることや、あるいは大都市志向の強まり、配偶者が有職であることの一般化に伴って転勤への不安を持つ司法修習生が増えていることなどが理由になっていると考えているところでございます。
 なお、裁判官と弁護士とは、その所得を得る態様あるいは職務内容が大きく異なるところでございまして、なかなか、裁判官の給与と弁護士の収入とを単純に比較をし、その影響を測るということはなかなか難しいかというふうに考えているところでございます。
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牧山ひろえ#21
○牧山ひろえ君 おっしゃるとおり、裁判官や検察官と弁護士では、おっしゃるとおり、その所得を得る職務の在り方や内容が大きく異なっているということは理解できるんですけれども、そういった側面があるというのはやむを得ないと思います。
 でも、法曹の官民較差を放置していては、我が国が法治国家たる軸が痩せ細ってしまいます。当局は、それに対してどのような対応、手段をお考えでしょうか。
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徳岡治#22
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
 裁判所といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者には任官してほしいと考えておりまして、これまで、実務修習の指導担当裁判官あるいは司法研修所の教官から司法修習生に対して、裁判官のやりがいや魅力、あるいは異動の希望や負担にはできる限り配慮していることを伝えるなどしてきておりますし、若手裁判官にその仕事の内容や司法修習生へのメッセージを話してもらう企画を実施するなど、裁判官の仕事の実情と、その魅力が司法修習生に伝わるよう努めてきたところでございます。
 今後とも、一層の工夫に努めて、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者に任官してもらえるよう努力してまいりたいと考えております。
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牧山ひろえ#23
○牧山ひろえ君 この官民較差を是正する初任給調整手当がその是正する要因となるわけですが、官民較差が広がり過ぎますと、おのずと限界があると思うんですね。平成二十五年の大分古い記録なんですけれども、米国連邦地方裁判所第一審の裁判官の報酬月額は約百六十五万円とのことです。法曹人材のますますの流動化という側面にも注意しつつ、報酬面、そして報酬以外の側面における人材確保の工夫を積み重ねていく必要があると思います。
 さて、司法関係の予算は、人件費と設備費が大きな役割を占めます。近年の予算措置に共通する傾向なんですけれども、今年度の概算要求におきましても裁判や司法のデジタル化に非常に熱心に取り組んでおられるとお見受けいたしますが、もちろん、国民の司法サービスに関する便宜の供与という意義からしても必要な措置であるということは間違いないと思うんですね。
 ですが、デジタル化を推進するということは、施設としての裁判所、オフライン、非デジタル、対面を軽視するということを意味するわけではないですよね。最高裁の認識を確認させていただければと思います。
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小野寺真也#24
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
 個別具体的な事件においてどのような手続を選択するかというのは、当事者の希望や手続実施場面等を踏まえて裁判官が適切に判断するものではございますが、今後、裁判手続のデジタル化の進展によりまして、ウェブ会議等を活用することで、実際に裁判所に出頭することなく裁判手続を実施することも可能となりつつあるところでございます。他方で、例えば証人尋問等、裁判所において裁判官と当事者が現実に対面することが必要な場面というのも想定されるところでございます。
 このように、裁判手続のデジタル化は司法アクセスの向上に資する面もあるというふうに考えておりますが、裁判所において対面の手続を行うことを軽視するというものではございません。
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牧山ひろえ#25
○牧山ひろえ君 個々の裁判体の選択であり、当事者の要望も加味してということですと、必ずしも施設としての裁判所をデジタルより劣後させるという意図ではないということですね。
 では、リアルの裁判所へのアクセス、利便性の向上に関しては、最高裁は全体としてどのような方針を取っておられるのでしょうか。
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小野寺真也#26
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
 裁判所へのアクセスということについてのお尋ねでございましたけれども、これにつきまして、裁判所へのアクセス、あるいは提供する司法サービス等を総合した国民の利便性を確保するという観点から、人口動態、交通事情の変化、裁判所で取り扱う事件数の動向等を考慮して、また裁判手続のデジタル化が進展すること等も視野に入れながら、総合的な利便性の向上の見地から検討していく必要があるというふうに認識しております。
 最高裁といたしましては、限られた人的、物的資源を有効に活用しつつ、利用者の利便性を確保し、司法サービスを充実させていくことが重要であるというふうに考えており、今後とも、申し上げたような人口動態や交通事情、事件数の動向等を注視しつつ、必要な事件処理体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
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牧山ひろえ#27
○牧山ひろえ君 おっしゃるとおり、限られた資源ではあるということは理解するんですけれども、その制約の中であっても、やはり最適、最良を目指していただきたいなと思うんですね。
 ただ、このところの法務省や最高裁に関しましては、現に存在する裁判所へのアクセス、利便性を向上させるということの熱意に関しましては全く感じられないんですね。率直に申し上げると、やらない理由を繰り返し探しているという、そういう印象さえ受けるんです。
 一方で、政府は、平成十四年三月十九日に司法制度改革推進計画を閣議決定し、司法制度を支える体制の充実強化の第五番になるんですけれども、裁判官制度の改革において、裁判所運営について、国民の意見を反映することが可能になるような仕組みを整備することに関し、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には本部設置期限までに所要の措置を講ずるというふうになっているんです。
 司法や裁判に関する、国民、すなわち住民の要望として裁判所へのアクセスの改善が各地域で強く要望されているのは御承知のとおりだと思うんです。この検討結果や所要の措置は一体どうなったんでしょうか。すなわち、どのような対応がなされたのでしょうか。具体的にお知らせください。
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小野寺真也#28
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
 最高裁判所は、司法制度改革に関する施策を実施するために必要な措置の内容と、その実施時期を明らかにするため、平成十四年三月二十日に「司法制度改革推進計画要綱 着実な改革推進のためのプログラム」を策定し、同日公表したところでございます。この要綱におきまして、裁判所運営について、広く国民の意見等を反映することが可能となるような仕組みを整備するために、家庭裁判所委員会制度の充実を図るとともに、地方裁判所においても同様の仕組みを導入することとしていたところでございます。
 これに基づきまして、平成十五年三月、地方裁判所の運営及び家庭裁判所の運営に広く国民の意見を反映させるための機関を設けるため、各庁に地方裁判所委員会及び家庭裁判所委員会を置くことを内容とする最高裁判所規則を制定し、その後、各庁においても、これらの委員会での議論を通じて、裁判の利用者など広く国民の意見や要望等を把握するよう努めてきておるところでございます。
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牧山ひろえ#29
○牧山ひろえ君 国民の意見が反映される裁判所運営が国民に身近で信頼される司法構築にとって重要であるという考え方は、司法制度改革推進本部の解散後の現在におきましても政府の基本的立場として維持されているというふうに考えていますけれども、その認識に誤りはないでしょうか。もし、政府の基本的立場として維持されていないのであれば、その旨明らかにしていただきたいなと思います。
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