総務委員会

2024-04-18 衆議院 全173発言

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会議録情報#0
令和六年四月十八日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 古屋 範子君
   理事 斎藤 洋明君 理事 田所 嘉徳君
   理事 田中 良生君 理事 本田 太郎君
   理事 湯原 俊二君 理事 吉川  元君
   理事 中司  宏君 理事 中川 康洋君
      井原  巧君    石田 真敏君
      尾身 朝子君    梶山 弘志君
      勝目  康君    金子 俊平君
      川崎ひでと君    国光あやの君
      坂井  学君    田畑 裕明君
      寺田  稔君    中川 貴元君
      西田 昭二君    西野 太亮君
      根本 幸典君    葉梨 康弘君
      長谷川淳二君    鳩山 二郎君
      古川 直季君    保岡 宏武君
      柳本  顕君    山本 左近君
      おおつき紅葉君    奥野総一郎君
      神谷  裕君    櫻井  周君
      福田 昭夫君    藤岡 隆雄君
      道下 大樹君    阿部  司君
      中嶋 秀樹君    吉田とも代君
      平林  晃君    宮本 岳志君
      西岡 秀子君    吉川  赳君
    …………………………………
   議員           中司  宏君
   総務大臣         松本 剛明君
   総務副大臣        渡辺 孝一君
   文部科学副大臣      あべ 俊子君
   総務大臣政務官      西田 昭二君
   総務大臣政務官      長谷川淳二君
   法務大臣政務官      中野 英幸君
   政府参考人
   (総務省大臣官房総括審議官)           湯本 博信君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長)            今川 拓郎君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 柴田 紀子君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 松井 信憲君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       浅野 敦行君
   総務委員会専門員     阿部 哲也君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十八日
 辞任         補欠選任
  金子 恭之君     梶山 弘志君
  川崎ひでと君     勝目  康君
  長谷川淳二君     柳本  顕君
  岡本あき子君     神谷  裕君
  藤岡 隆雄君     櫻井  周君
同日
 辞任         補欠選任
  梶山 弘志君     金子 俊平君
  勝目  康君     山本 左近君
  柳本  顕君     長谷川淳二君
  神谷  裕君     岡本あき子君
  櫻井  周君     藤岡 隆雄君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 俊平君     金子 恭之君
  山本 左近君     川崎ひでと君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三四号)
 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案(岩谷良平君外一名提出、第二百十二回国会衆法第一五号)
     ――――◇―――――
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古屋範子#1
○古屋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案及び第二百十二回国会、岩谷良平さん外一名提出、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房総括審議官湯本博信さん、総合通信基盤局長今川拓郎さん、法務省大臣官房審議官柴田紀子さん、法務省大臣官房審議官松井信憲さん及び文部科学省大臣官房学習基盤審議官浅野敦行さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古屋範子#2
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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古屋範子#3
○古屋委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。西野太亮さん。
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西
西野太亮#4
○西野委員 皆様、おはようございます。熊本二区選出、自由民主党の西野太亮でございます。
 今日は、早速、プロバイダー責任制限法一部改正案について伺っていきたいと思います。
 現在の我々の生活において、インターネットというものはもちろん欠かすことができない存在であります。しかし、一方で、SNS、さらにはヤフーニュースのコメント欄などを見ますと、本当に見るに堪えない罵詈雑言が散見されます。
 我々は政治家ですので、政策論争における反論、さらには主義主張に対する批判、こうしたものは当然真摯に受け止めなければいけないわけでございますけれども、のりを越えて人格攻撃になる、そういったリスクも我々にはあるわけでございますので、ある意味でそういった誹謗中傷に苦しんでいらっしゃる皆様方の気持ちが一番分かる立場にあるというふうにも言えると思います。我々は、誰もが安心して活用できるネット空間の実現、快適で公正なネット空間の実現に向けて、これからも政治の立場からしっかり取り組んでいかなくてはいけないというふうに思います。
 今回の法案はそういう意味において第二歩あるいは第三歩となる取組だというふうに考えておりますが、こうしたネット空間の規制を考える場合に避けては通れない課題がやはり表現の自由とのバランスということになろうかと思います。
 私、大学は法学部でございますので、憲法の授業で一番最初に習ったことの一つが、表現の自由というものは憲法が保障している様々な権利の中で最大限尊重されなければいけない、そういう権利、人権の一つであるということを勉強しました。
 なぜかと申しますと、表現の自由というのは一旦失われてしまうと民主主義の過程で回復困難だと。つまり、例えば経済の自由などにおいてはたとえ仮に過度な規制がかかったとしても言論活動を通じてそれを回復していく余地がある、一方で、表現の自由については一旦規制がかかってしまうと言論活動自体に規制がかかってしまうから、民主主義の過程においてももしかしたら回復できない可能性がある、だから規制については慎重にしなくてはいけないという考え方だというふうに思います。
 とはいっても、侮辱罪、あるいは名誉毀損罪、さらには脅迫罪といった、表現の仕方次第では犯罪を構成する場合も考えられるわけですから、表現の自由といえども必ずしも無制約、無制限ではないということだと思います。このことは、憲法においても、公共の福祉に反しない限りという文言で表現の自由に対する内在的な制約を規定しているところでございます。
 そうした大原則を確認した上で、まずは、今回の法改正で対象となる違法、有害情報について確認していきたいというふうに思います。
 まず、違法、有害情報と一言で言っても、責任の度合いというのは様々なものがあると思います。一番重いのは、今申し上げました刑事責任を構成するような表現でございます。次に、仮に刑事犯罪とまではいかなくても、例えば他人のプライバシーを侵害する、損害賠償の対象になり得るような民事責任を伴う場合、さらには我々でいえば政治責任を伴うような場合、社会的責任を伴うような言動、責任といっても、違法といっても、いろいろな段階があるんだというふうに思います。
 そこで、お伺いいたしますが、今回の改正で新たに課されることとなる義務の対象となる違法、有害情報としてどのようなものを想定しているのかということを総務省からお伺いしたいと思います。
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今川拓郎#5
○今川政府参考人 お答え申し上げます。
 インターネット上の情報流通の主要な場となっているSNSなどのプラットフォームを提供する事業者には、違法、有害情報の流通の低減に向けて社会的責任があり、対策の実施が求められているとの認識の下、今回の法律案では、プラットフォーム事業者の社会的な責任を踏まえ、削除などの対応に係る迅速化と透明化を求めることとしております。
 具体的には、違法となる権利侵害情報については大規模なプラットフォーム事業者に対して一定期間の応答義務を課す対応の迅速化を求め、必ずしも違法ではない有害情報については削除基準の策定と運用状況の透明化を求め、異なる内容の規律を課すこととしております。
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西
西野太亮#6
○西野委員 ありがとうございます。
 今いろいろお答えいただきましたけれども、私が思うに、刑事犯罪を構成しないようなものについては当然、被害を受けた方、さらには事業者がいろいろ工夫をしながら削除するのかどうか検討するということが必要になるのかもしれませんが、犯罪を構成するような侮辱罪とか名誉毀損罪とか、そういった刑事責任を伴うような違法情報の発信については、私は、被害者とか事業者に委ねるのではなくて政府としてやはり一定の対応をすべきなんじゃないかというふうに思いますけれども、総務省としてはどのようにお考えか伺いたいと思います。
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今川拓郎#7
○今川政府参考人 お答え申し上げます。
 委員から御指摘がございました刑事責任を伴うような情報について、例えばプラットフォーム事業者に行政機関による削除要請への対応を義務づけることは、行政機関からの要請があれば内容を確認せず自動的、機械的に削除されることにより、利用者の表現の自由を実質的に制約するおそれがあるため慎重な検討が要るとの指摘があり、総務省の有識者会議の第三次取りまとめにおいてもそのような報告がなされたところでございます。
 SNS上の権利侵害情報については、これまでプラットフォーム事業者による利用規約に基づく自主的な削除などの対応を促進してきたところでございまして、このプラットフォーム事業者による削除などの対応が更に適切に進むよう、本法案ではプラットフォーム事業者に対し削除対応の迅速化や運用状況の透明化を求めることとしております。
 その上で、表現の自由に配慮しつつも被害者救済の実効性を確保するため、総務省において、どのような情報を流通させることが法令違反や権利侵害となるのか明確になるよう、関係団体と協力することによりガイドラインなどを示すことを検討してまいりたいと考えております。
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西
西野太亮#8
○西野委員 ありがとうございます。
 昨日、総務省の方々と話をさせていただきましたけれども、確かにこうした刑事犯罪を構成するような表現について、表現の自由を守る観点からがっちりとした規制は難しいんだけれども、実態として、現実問題としてそういったものに関しては速やかに削除されているから問題ない、現実問題としてそんなに問題じゃないという話を聞きましたので、私もそういった点では安心をしているところでございます。
 次に、今回の改正で義務の対象となる違法、有害情報については当然民事責任を伴う情報も含まれるというふうに理解しておりますけれども、例えば、個人攻撃、誹謗中傷、こういったものだけではなくて、不特定多数の皆さん方を混乱させるようなフェイクニュース、こういったものが対象になるのかどうかということについても伺いたいと思います。
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今川拓郎#9
○今川政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のありましたフェイクニュースなども含む偽・誤情報については、名誉毀損や著作権侵害、営業上の利益の侵害など、権利侵害に該当する場合には、大規模なプラットフォーム事業者に対して被害者からの申出に対し一定期間内に応答する迅速化の義務がかかることになります。
 また、偽・誤情報が権利侵害情報に該当しない場合であっても、事業者に対して自らの削除基準やその運用状況の公表を求める透明化の義務を課すこととしておりまして、これにより、各事業者の偽・誤情報に関する取組が国民、利用者に分かりやすいように開示され、プラットフォーム事業者自身による削除基準や運用の見直しなどの対応を促すことにつながると考えております。
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西
西野太亮#10
○西野委員 ありがとうございました。個人の権利の侵害になるかどうかということを基準の中心としつつも、利用者、あるいは事業者、さらには発信者、そういった方々が納得できるような仕組みづくりがされるということでございます。私もそれで納得したいというふうに思います。
 続いて、今回の義務の対象となる大規模プラットフォーム事業者について伺いたいと思いますが、SNS事業者のみならず、例えば5ちゃんねる、2ちゃんねるといった掲示板事業者、さらにはヤフーニュースのコメント欄事業者、こういったものも対象になるのでしょうか。SNSのみならず、こういった掲示板やニュースのコメント欄にも罵詈雑言が散見されますので、そういった観点から伺いたいと思います。
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今川拓郎#11
○今川政府参考人 お答え申し上げます。
 削除対応の迅速化や運用状況の透明化の義務を負う対象事業者については、権利侵害が多く発生する可能性が高いものとして、多くの者に利用されているサービスを提供する事業者を指定することとしております。
 この点につきまして、総務省の有識者会議の報告書では、特に権利侵害情報の流通やその拡散が生じやすいものとして、不特定者間の交流を目的とするサービスであって、他のサービスに付随して提供されるものではないサービスを提供する事業者を対象とすることが適当であるとされております。
 本法案が成立した暁には具体的な対象事業者を検討してまいりたいと考えておりますが、この有識者会議の報告書を踏まえると、不特定者間の交流を目的とするサービスであって、他のサービスに付随して提供されるものではないサービスということでございまして、SNSや掲示板などを提供する事業者のうち大規模なものを対象とすることを考えているところでございます。
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西
西野太亮#12
○西野委員 ありがとうございます。今回の法案では、まずは不特定多数の皆さん方に情報が行き渡り得るSNSを対象としつつ、それ以外のものについては今後検討していくということで理解しているところでございます。
 次に、今回の法案で、様々な義務、削除基準の策定、公表、こういったものが義務づけられておりますけれども、例えばヨーロッパ、EUの基準なんかを見ますと、これに付加して様々な義務が課せられております。こういった今回の法制の義務だけで十分対応できるのか、その実効性についてどうお考えなのかということもお伺いしたいと思います。
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今川拓郎#13
○今川政府参考人 お答えいたします。
 インターネット上の情報流通の主要な場となっているSNSなどのプラットフォームを提供する事業者には、違法、有害情報や偽・誤情報の流通の低減に向けて社会的責任があり、対策の実施が求められていると認識をしております。
 本法案では、こうした観点から、従来の発信者情報開示の仕組みに加えましてプラットフォーム事業者による削除などの対応に係る迅速化と透明化を求めることとしておりまして、インターネット上の誹謗中傷などによる被害の早急な回復と表現の自由とのバランスに鑑みまして実効的な対策であるというふうに考えております。
 また、本法案により新たに設けられるプラットフォーム事業者における義務規定への履行状況につきましては、政府として、各事業者から公表される内容をしっかり把握し分析した上で、社会情勢や技術の進展などを踏まえて不断に必要な検討を加えてまいりたいと考えております。
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西
西野太亮#14
○西野委員 ありがとうございます。
 どうやってその義務を履行していることを確認するのかということについても今お答えがありましたので、一つ質問を飛ばしたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、例えば、諸外国の規制を見てみますと、アメリカでは、連邦政府レベルでは全く規制を課していない、州政府レベルにおいてもカリフォルニアとか一部の州を除いてこういったネット上の規制を課していないという状況でございます。一方で、EUでは、先ほど申し上げましたように日本以上の規制を課しているというところでございます。
 ネット空間の規制をめぐっては、諸外国の例を見ても、本当に試行錯誤しながら進めているというのが現状だと思います。それほど表現の自由、そして名誉毀損、あるいは人を傷つけるような言動を規制するそのバランスが非常に難しいということだというふうに思いますので、私は、これからも引き続き最適なネット空間の在り方について検討を進めていく必要があるというふうに思います。政府としてどのような決意を持っていらっしゃるのかということを最後に伺って、終わらせていただきたいと思います。
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今川拓郎#15
○今川政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、諸外国においては様々な考え方がある中で、我が国におきましては違法、有害情報の流通が依然深刻な状況であることを踏まえまして、被害の早急な回復と表現の自由とのバランスに鑑み、EUに近しい規律を入れることとし、大規模なプラットフォーム事業者に対して削除対応の迅速化や運用状況の透明化を義務づけることとするものでございます。
 その上で、委員御指摘の最適なネット空間の在り方といったことでございますけれども、総務省におきまして、デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会という有識者会議におきまして、生成AIによる偽・誤情報の流通、拡散などの新たな課題について検討をたゆまず進めているところでございます。
 総務省としては、国際的な動向も踏まえ、この夏頃の取りまとめに向けまして、偽・誤情報の流通、拡散の問題への対処と表現の自由の確保、これら両方をしっかりと見つつ、制度面を含めた総合的な対策の検討を進めてまいりたいと考えております。
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西
西野太亮#16
○西野委員 ありがとうございました。
 松本大臣、渡辺副大臣、西田政務官におかれましても、最後までおつき合いいただいてありがとうございました。
 これで終わります。
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古屋範子#17
○古屋委員長 次に、平林晃さん。
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平林晃#18
○平林委員 おはようございます。公明党の平林晃です。
 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 一昨日、参考人質疑に立たせていただきまして、権利侵害の回復と表現の自由のバランスに対する考え方でありますとか、法案における規定の意図もより深く理解をさせていただきまして、大変勉強になったところでございます。その認識の下、本日は総務省の方に質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず、立法事実について確認させていただければと思います。
 総務省におかれましては、誹謗中傷対策あるいは違法、有害情報への対策をこれまでもずっと講じてこられたというふうに認識しております。すなわち、プラットフォーム事業者の責任制限規定の明確化であったり、簡易迅速な裁判手続でありましたり、あるいはユーザーに対する情報モラル及びICTリテラシーの向上のための啓発活動、こういったことにも取り組んでこられたというふうに認識をさせていただいております。こうした経緯の中で今回の法改正に至っている、その意味におきまして、現行制度のどこに問題があって、それを今回の改正によってどう解決しようと考えておられるのでしょうか。西田総務大臣政務官に伺います。
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西
西田昭二#19
○西田大臣政務官 お答えをさせていただきます。
 総務省では、インターネット上の誹謗中傷等の被害者の救済を円滑にするなどの対応を図るため、利用者のICTリテラシーの向上や、令和三年のプロバイダー責任制限法改正による簡易な裁判手続の創設、相談体制の強化など、総合的な対策を進めてまいりました。
 一方、インターネット上における誹謗中傷等の違法、有害情報の流通は依然深刻な状況でございます。被害者の皆様からは、投稿の削除に関する相談が多く寄せられているところでございます。
 こうした現状認識を踏まえ、被害者にとっては大きな負担となる裁判手続によらなくてもプラットフォーム事業者による誹謗中傷等への適切な対応が促進されるよう、本法案では、大規模SNS等のプラットフォーム事業者に対して、誹謗中傷等の投稿の削除申請について一定期間内の応答義務を課すなどの削除対応の迅速化や、投稿の削除基準の策定とその運用状況の公表等の運用状況の透明化を求めることとするものでございます。
 以上でございます。
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平林晃#20
○平林委員 ありがとうございます。投稿削除に関する相談が多く寄せられており、そこにしっかりと対応していこうということで、なおかつ、参考人の皆様も評価しておられましたけれども、結構バランスにしっかりと配慮されているということでもあって、今回の法案はそういう意味において意味のあるものだと理解をさせていただいております。
 その上で、西野委員からも御指摘がございましたが、諸外国においてもこういった法制が、試行錯誤しながらともおっしゃられましたけれども、進められてきているというふうに認識をしております。とりわけ、EUにおきますデジタルサービス法、いわゆるDSAはある意味我々が目指しているものと最も類似した法整備なのではないかなというふうに伺っているところでございますけれども、こうしたDSAあるいは米国の法整備と比べまして改正案成立後の日本の法整備はどのように評価されるとお考えでしょうか。総務省の御見解を伺います。
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今川拓郎#21
○今川政府参考人 お答えいたします。
 プラットフォーム事業者への規律について、EUではデジタルサービス法が設けられておりまして、削除申出に対し遅滞なく通知する義務、削除基準の策定、公表義務、運用状況の公表義務などの規律を課しております。
 一方、アメリカでは、連邦法レベルではプラットフォーム事業者に対して対応の迅速化や運用状況の透明化を求める公法上の義務を課しておりませんが、カリフォルニア州では、州法により、プラットフォーム事業者に対して削除基準の策定、公表義務、運用状況の公表義務の規律を課しております。
 このように、プラットフォーム事業者への規律は先進国の中でも様々ではございますけれども、今回の本法案による迅速化、透明化の規律は、プラットフォーム事業者への規律で先行するEUのデジタルサービス法に近しい規律となっておりまして、その上で、EUにはない一定期間内の通知義務も課しているものでございます。
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平林晃#22
○平林委員 ありがとうございます。
 今回の法案はある意味ヨーロッパのDSAを目標としつつ、それ以外の規定も設けられている、そういうお話でございました。これは呼称として日本版DSAという言い方をしてもいいのかなと思うんですけれども、通告していませんけれども、局長、いかがでございましょうか。
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今川拓郎#23
○今川政府参考人 委員御指摘のとおりと考えております。
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平林晃#24
○平林委員 ありがとうございます。定着していくことを心から期待させていただいております。
 引き続きまして、今回の改正案におきましては、大規模特定電気通信役務提供者を規定し、その事業者に対しまして対応の迅速化、運用状況の透明化に関する各種措置を講ずることを義務としているということでございます。
 ここで、大規模とはユーザー数や通信回数などで規定をされることですけれども、かなり大きな数字、ユーザー数でいえば一千万といったような数字が想定されると伺っているところでございます。こうした大規模事業者に対応を義務づけること、これは当然異論はないんですけれども、それだけでいいのかということはちょっと疑問を持っているところでございます。
 大学などにおける学内のSNS、あるいは社内のSNS、また地域別SNSなど、対象とするユーザーを限定した小規模SNSも数多く存在しているというふうに聞いております。こうした小規模SNSにおいては、誹謗中傷を受けたときの権利侵害は実生活に直結することも考えられまして、日常生活が激変する可能性すらあると考えます。
 そういった意味におきまして、この規定に関することをまとめて聞かせていただきたいんですけれども、大規模特定電気通信役務提供者とはいつどうやって定められるのかということがまず一点、二点目として、その規模は省令で定められることとされていますけれども、その妥当性に関してが二点目、三点目として、具体的にどんな事業者が指定される見込みかということ、また、四点目として、小規模事業者も含むようにすべきではないか。この点に関しまして、まとめてお伺いいたします。
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今川拓郎#25
○今川政府参考人 お答えいたします。
 先ほども少し答弁させていただきましたが、対象事業者は施行に向けた省令などの整備において具体的に検討していくこととなりますが、利用者に対して削除対応の迅速化と運用状況の透明化を図る必要性が特に高い国内外の大規模なプラットフォーム事業者を対象とすることを想定しております。
 具体的には、アクティブユーザー数又は投稿数を指標に一定規模以上のものを対象とすることが考えられまして、その場合、主要なSNS事業者や掲示板運営者が対象事業者と指定されることになる見込みでございます。
 これは、大規模なプラットフォーム事業者が提供するサービスでは利用者数や投稿数の多さなどから短時間で被害が深刻化する傾向があるため、手当てを行う必要性、緊急性が高いと考えられるとともに、本法案が課す義務の履行には一定の経済的、実務的負担が生じることも鑑みまして、このような対象事業者の考え方としているものでございます。
 一方で、委員御指摘のとおり、中小のプラットフォーム事業者が提供するサービスでも一定の被害が生じていることは事実でございまして、大規模なプラットフォーム事業者に準じて対応いただくことが重要と考えております。
 そのため、本法案が成立した暁には、中小のプラットフォーム事業者においても権利侵害などへの対処が適切に行われるよう、どのような情報が法令違反や権利侵害となるかといったことや、分かりやすい窓口設置の在り方などについて、関係団体と協力しつつ周知することなどにより、適切な対応を促進してまいりたいと考えております。
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平林晃#26
○平林委員 ありがとうございます。
 続きまして、改正案の第二十四条におきまして、対象事業者に侵害情報調査専門員の選任等が義務づけられることとされています。
 この点に関しまして、一昨日の参考人質疑において、私は、金参考人に部落解放同盟の皆様の関連でお聞きしたところでございます。そのお答えの中で、途中を省きますが、どのような知識を持った専門家を要請するのか、法律家、社会学者、歴史学者なのか、こうした点に注目すべきであって、報告させる義務もあるので、そこも大きな論点になるだろうと御答弁されました。この意味するところ、私なりの解釈としては、被侵害者からの申出に基づき行われる調査には明確なものとそうでないものとが含まれ、調査専門員の選任は慎重に実施するように、このように言っておられたのかなというふうに理解をさせていただいております。
 また、専門員の人数に関しまして、ユーザー数や発信数及び種別に応じて総務省令で定められる数以上でなければならないと。この数が余りにも大きいものであれば、今局長の答弁もあったとおり、コストもかかりますし、そもそも集められるかも危惧をするところでございます。
 そこで、この専門調査員には具体的にどのような人材が想定されているのか、その数は省令で定めることとされていますけれども、どの程度の数になっているのか、総務省に伺います。
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今川拓郎#27
○今川政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の第二十四条に規定する侵害情報調査専門員は、特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害への対処に関して十分な知識経験を有する者を選任することとしておりまして、具体的には、日本の法令や文化、社会的背景に精通した者を想定しております。
 また、専門員の具体的な数については総務省令で定めることとなっておりますけれども、有識者や関係事業者の御意見を丁寧に聞きながら速やかに検討してまいりたいと考えております。
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平林晃#28
○平林委員 もうちょっと踏み込んでいただきたかったなという気もいたしますけれども、時間もありますので、次に進みます。
 直近の事案といたしまして、インスタグラムやフェイスブックで著名人に成り済まして投資などを呼びかける詐欺広告が出回り、大きな社会問題となっております。警視庁のまとめでは、現金をだまし取られるなどの被害は、都内で去年一年間に少なくとも二百十件、被害額はおよそ三十八億円に上っているとのことであります。この問題をめぐっては、識者の声として、運営するメタは徹底的に詐欺広告を排除すべきであるのにそれを果たしていないというような声も紹介されています。成り済まされた著名人の方は怒り心頭のコメントを発表しておられるということでございます。
 そこで、西田政務官にお伺いいたします。今回の法改正によって、このような成り済ましによる投資詐欺についても対応はできるのでしょうか。
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西
西田昭二#29
○西田大臣政務官 お答えをいたします。
 SNS等のプラットフォームサービス上で、本人や組織の許可を得ずに、本人であるかのように加工、編集された成り済まし型の偽広告が流通しております。
 こうした成り済まし型の偽広告は、閲覧者に財産上の被害をもたらす場合があるほか、成り済まされた者の社会的評価を下げるなど権利を侵害する可能性もあり、重大な課題であると考えております。
 また、成り済まし行為については、日本人の目から見れば明らかに成り済ましなのに削除されない、削除申出を放置されている、成り済ましに対する削除、アカウント停止の基準はあるが適切に運用されていないなどの課題がございます。
 本法案は、大規模なプラットフォーム事業者に対し、権利侵害への対処に関して十分な知識経験を有する者の選任や、削除申出に対する判断、通知義務、削除基準の策定、公表、削除の実施状況についての評価、公表を求めることとしており、成り済ましの課題にも一定程度対応できるものと考えております。
 本法案が成立した暁には、制度の着実な運用を通じ、SNS上での成り済まし型の偽広告に対しても厳正に対処するとともに、関係省庁と連携して必要な対策に取り組んでまいりたいと思います。
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