総務委員会

2024-06-18 参議院 全98発言

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会議録情報#0
令和六年六月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     星  北斗君     堀井  巌君
     下野 六太君     西田 実仁君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     牧野たかお君     吉井  章君
     西田 実仁君     塩田 博昭君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         新妻 秀規君
    理 事
                井上 義行君
                岩本 剛人君
                藤井 一博君
                小沢 雅仁君
                山本 博司君
    委 員
                中西 祐介君
                馬場 成志君
                藤川 政人君
                船橋 利実君
                堀井  巌君
                松下 新平君
                山本 順三君
                吉井  章君
                岸 真紀子君
                野田 国義君
                吉川 沙織君
                塩田 博昭君
                音喜多 駿君
                高木かおり君
                芳賀 道也君
                伊藤  岳君
                齊藤健一郎君
                浜田  聡君
                広田  一君
   国務大臣
       総務大臣     松本 剛明君
   副大臣
       総務副大臣    馬場 成志君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  船橋 利実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒井 透雅君
   政府参考人
       こども家庭庁長
       官官房審議官   高橋 宏治君
       デジタル庁審議
       官        阿部 知明君
       デジタル庁審議
       官        榊原  毅君
       総務省自治行政
       局長       山野  謙君
       総務省自治行政
       局公務員部長   小池 信之君
       総務省自治税務
       局長       池田 達雄君
       総務省情報流通
       行政局長     小笠原陽一君
       文部科学省大臣
       官房文部科学戦
       略官       中原 裕彦君
   参考人
       日本放送協会専
       務理事      山名 啓雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
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新妻秀規#1
○委員長(新妻秀規君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、下野六太さん、星北斗さん、牧野たかおさんが委員を辞任され、その補欠として堀井巌さん、塩田博昭さん及び吉井章さんが選任されました。
    ─────────────
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新妻秀規#2
○委員長(新妻秀規君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方自治法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、こども家庭庁長官官房審議官高橋宏治さん外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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新妻秀規#3
○委員長(新妻秀規君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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新妻秀規#4
○委員長(新妻秀規君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方自治法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本放送協会専務理事山名啓雄さんを参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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新妻秀規#5
○委員長(新妻秀規君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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新妻秀規#6
○委員長(新妻秀規君) 地方自治法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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岸真紀子#7
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。先週に引き続き、地方自治法改正案について質疑を行います。
 六月十三日の当委員会で質疑した補充的指示権以外にも多々問題があるので、最初にそちらの方を質問したいと思います。自治体情報システムのクラウド化問題を問います。
 自治体の情報システムは自治事務であり、標準化は義務付けとはなりますが、共同化は各自治体が決めることであり、それをこの改正案の第十一章第二百四十四条の五に新設をし、「他の普通地方公共団体又は国と協力して当該事務の処理に係る情報システムの利用の最適化を図るよう努めなければならない。」というふうに新たに文言が追加されることになります。これ、努力義務とはいえ、これではシステムの中央集権化とならないのかということに疑念があります。
 デジタル社会形成基本法の第十条でもクラウド化は適正化を努力義務としてきましたが、本改正案では共同化を努力義務化したと読み取れる条文になっているのではないか、これだと更に踏み込んだもので、政府の思惑が透けて見えるのではないかというところです。各々の自治体が効率化などを勘案し、自ら共同利用を選択するならいいのですが、地方自治法の改正まで行って、努めるとなっているとはいえ義務化を明文化することは、分権の観点からいえば踏み込み過ぎであると指摘します。
 あくまでも自主的、自立的選択であることをゆがめるべきではないと思いますが、大臣の見解をお伺いします。
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松本剛明#8
○国務大臣(松本剛明君) 第三十三次地方制度調査会の答申では、事務の種類に応じて、他の地方公共団体や国等と協力し、デジタル技術を最適化された形で活用することが重要である旨の指摘がなされております。今般の改正はこの答申を踏まえたものでございまして、他の地方公共団体又は国との協力による情報システムの利用の最適化については、事務の種類及び内容に応じて、また、住民の利便性の向上、地方公共団体のコスト及び職員の負担軽減の観点から必要と認める場合に行うことを明確化したものでございます。
 規定の運用に当たりましてもこの考え方に立つべきものと考えておりまして、地方公共団体の自主性、自立性を損なう趣旨のものではございません。
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岸真紀子#9
○岸真紀子君 大臣、何でもかんでもその第三十三次地方制度調査会の答申を踏まえたという言葉を使いますが、本来であれば、この自治体の標準化システムなり共同化というものは、自治体側からきちんと意見を聴いて、自治法をどうするかというのを議論すべきではないかということも厳しく指摘しておきます。
 ただ、この問題、まだまだほかにも課題があるので、今後も、引き続きDX化についてはこの法案の以外でも今後も質問をしていきたいと思うので、今日はこのぐらいで止めておきます。
 次に、本法律案において新設される第十四章に第二百五十二条の二十六の六から十にかけて規定されています応援の要求及び指示、派遣のあっせんと派遣義務についてお伺いをします。
 これまでの職員派遣は、相互に助け合い、協力して困難を克服するという、全ての地方自治体における崇高な精神と対応によるものにほかなりません。
 そのことを踏まえ、新たに国又は都道府県知事による応援の要求及び指示等及び職員の派遣のあっせん、職員の派遣義務というものを措置する立法事実は、既に措置されている個別法、つまりは、災害対策基本法、国民保護法、感染症法、新型インフルエンザ特措法に基づくもの以外にどのようなものがあるのでしょうか。国の指示権拡大と同じく、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態とは、立法事実の有無に関する焦点となりますが、具体的な事例の例示を大臣にお伺いします。
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松本剛明#10
○国務大臣(松本剛明君) 個別法につきましては、やはり過去の災害や感染症の蔓延等の事態やその対応に当たり生じた課題等を踏まえまして、備えるべき事態を適切に想定をしてその都度必要な規定を設けるなど、見直しが重ねられてまいりました。このような努力は今後も引き続き必要であると考えているところでございますが、これまでの経験を踏まえると、今後も個別法において想定されていない事態は生じ得るものでありまして、そのような場合に備える必要があると考えているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症対応でも、保健所等におきまして、事態への対応に必要な職員が不足し、業務の逼迫により、検査、入院調整、保護、健康観察等が遅れるなどの事態が生じました。その際、必要な職員の確保について、地方公共団体相互間の求めに基づく応援では対応ができず、国が、地方三団体とともに調整して、広域的な応援を行いました。
 このため、答申におかれまして、災害に限らず、国民の安全に重大な影響を及ぼす様々な事態について、地方公共団体が個々に調整をすることが困難であり、国民の生命、身体又は財産の保護のための措置が的確かつ迅速に実施されるようにするため必要があると認める場合には、国が地方公共団体間の応援や職員派遣の調整の役割を担うことを明確化することについて提言をいただいたところでございます。
 今回の改正は、この答申を踏まえまして、個別法の規定では想定されていない国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において、国民の生命等の保護の措置を的確、迅速に実施するため、あらかじめ応援や職員派遣に係る必要な要件、手続を整備するものでございまして、是非そのように備えるものであるということで御理解をいただきたいと思います。
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岸真紀子#11
○岸真紀子君 大臣の今の説明だと、例えばコロナのときに、保健所の、入院ができなくて自宅で待機した方の健康観察に、市町村の職員から都道府県に応援に行ってということがありました。でも、これ、決して今のような指示とか要求がなくたって、できていましたよね。できるところはみんなやっていたはずなんですよ。だから、何だかよく分からないですね、今の例示で言うと。
 次に、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態というのは、国の地方公共団体に対する補充的な指示と同様の場合と解していいのか、大臣、これ簡潔にお答えください。
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松本剛明#12
○国務大臣(松本剛明君) 応援や職員派遣の規定における国民の安全に重大な影響を及ぼす事態は、国の地方公共団体に対する補充的な指示において想定される事態と同様と考えております。
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岸真紀子#13
○岸真紀子君 個別法である既存の災害対策基本法及び国民保護法などに基づき、まあ今のですね、ある現行の法律に基づいて、応援の要求又は応援指示が具体的に行われた事例というのは、これまであるのでしょうか。あれば、その詳細を明らかにしていただきたいんですが、どうぞ。
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小池信之#14
○政府参考人(小池信之君) 個別法である災害対策基本法や国民保護法の規定による応援の要求や指示について、内閣府、内閣官房、消防庁において把握している限りでは、これまで行使された事例はないものと承知をしておりますが、個別法の規定が存在する前提の下で実際の運用が行われているものと承知をしております。
 個別法の規定による応援の要求や指示の事例としては、消防組織法の規定による緊急消防援助隊の出動の求め又は指示について、平成七年の創設以来、これまで、三十八回の求め、六回の指示による出動があったものと承知をしております。
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岸真紀子#15
○岸真紀子君 今も現行個別法にはその応援の指示とか求めというのがある法律があるにもかかわらず、現在まで使われたのは緊急消防援助隊、この間もずっと議論してきた緊急消防援助隊ぐらいしかないということが分かりました。
 次に、応援とは、それを受ける地方自治体への人的支援、物的支援、若しくは施設、業務の提供があると考えますが、更にこの詳細の内容を厳格化する、しておくことが必要になっています。いかなる措置を考えているのか、具体的に例示をお願いします。
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小池信之#16
○政府参考人(小池信之君) 本改正案に規定する応援とは、マンパワーとしての人員に着目し地方公共団体に対して職員を短期間送るものであり、事態発生から間もない初動対応の際に用いることが想定されている手法です。職員を短期間送るものであることから、身分の異動は伴わないものでございます。
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岸真紀子#17
○岸真紀子君 今、マンパワーの対する人的支援ということだったんですが、改めてちょっと確認させていただきますが、通常の自治体間の支援には、今はお互いさま精神でやっているやつですが、これでは災害物資とか施設の提供などが含まれています。ここで言う応援は、あくまでも今おっしゃったとおり、人的支援ということを確認させていただきました。
 念のため確認をしておきますが、ということは、例えば原発事故の際の放射性廃棄物の受入れなどは、あくまでも自治体の判断であり、国が指示できないということでよろしいか、確認させてください。
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小池信之#18
○政府参考人(小池信之君) 本改正案に規定する応援とは、マンパワーとしての人員に着目し地方公共団体に対して職員を短期間送るものでありますので、放射性廃棄物を受け入れることは応援には当てはまらないものと考えております。
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岸真紀子#19
○岸真紀子君 今ここで言う、十四章に新たにつくるこの自治体の支援というのは、あくまでも人的だということを確認させていただきました。
 次に、第二百五十二条の二十六の八第二項から第四項、各大臣による応援の要求又は指示、及び第二百五十二条の二十六の九第一項、各大臣への職員の派遣のあっせんの求めに関して各大臣に付与する権限については、地方自治体が職員を派遣する場合、派遣期間において従事する職務内容、給与等の処遇、安全の確保を始めとする職務環境、能登半島地震でもはっきりとしていましたが、宿泊などの生活環境、そして職員が従事していた業務の取扱いや代替要員の確保など、様々な課題、問題を整理しなければなりません。そして、これらは職員が所属している部局のみで完結できるものでは到底なく、人事担当課を中心とした地方自治体全体における対応が不可欠です。つまりは、地方自治体における職員の派遣は、その要請に対し一元化、一括化した対応とならざるを得ないものであります。
 その意味で、応援又は派遣に関する権限が今回のように各大臣に付与されれば、各々が独断で一方的に、しかも地方自治体の様々な部局に対して個別に要求又は指示などが行われることとなり、職員の派遣に無用な混乱をもたらすのみではないかと考えますが、大臣の見解を明らかにしてください。
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松本剛明#20
○国務大臣(松本剛明君) この度の能登半島の地震におきましても、被災自治体に対しまして全国の自治体からは多大な御協力をいただいたところでございますが、今委員御指摘のとおり、御協力をいただくに当たっては、御協力を言わば出してくださる方にも大変大きな負担が掛かること、また、今お話がありましたように、今回能登半島において、私も支援者への支援と申してまいりましたが、これも大きな課題であったことも御指摘のとおりでございますが、各大臣が行うこととしていることにつきまして、本改正案におきましては、国による地方公共団体に対する応援の要求、指示や職員の派遣のあっせんについて各大臣が行うこととしておりますところは、これは各大臣が事態に係る状況を最も把握していると考えられるためでございます。
 現在、災害時において、総務省の応急対策職員派遣制度のほか、各省庁においてその担任する事務に関する職員の応援に係る制度をそれぞれ運用しているものと承知をしております。
 本改正案による応援の調整が必要な場面におきましては、国と地方公共団体との間で適切にコミュニケーションを図り、国民の生命等の保護を的確、迅速に行うことが重要であると考えており、状況に応じて地方公共団体等と十分な協議、調整を行うことを含め、法律の運用の考え方について各府省へ周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
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岸真紀子#21
○岸真紀子君 各大臣に応援又は派遣に関する権限を付与するということが問題であると私は考えています。
 今日は、配付資料で、令和六年三月二十六日、こども家庭庁成育局保育政策課が発出した事務連絡、要は、能登半島地震に係る保育関係の災害対応について、保育所等に対する保育士等の派遣についてという文書を配付させていただいております。
 これ、中身が本当に読んでいただけると分かると思うんですが、そもそもこの通知は、保育士の派遣の要請であったり、お願いするという文言は一切見当たらず、しかも、派遣の仕組みを構築することといたしましたと、一方的に保育士などの派遣を求めています。
 しかも、二ページ目の方を見ていただいて、真ん中の辺りになってくるんですが、留意点のところには、驚くことに、保育事故が起きた場合には、派遣先自治体及び当該保育士の責任となることに留意が必要ですというふうに全く責任のないことを言いながら、保育士、自治体から出してくださいというように読み取れる内容となっています。
 果たしてこれ、一体どの法令上の根拠があってこのようなものになったのか、こども家庭庁にお伺いします。
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高橋宏治#22
○政府参考人(高橋宏治君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘いただきましたこの事務連絡でございますけれども、こちらは現行の地方自治法第二百五十二条の十七の規定によります自治体同士による自主的な協力に基づいて行われる公務員の派遣に関しまして、こども家庭庁が被災自治体と他の自治体の間に入って、現地の派遣要望でありますとか全国の派遣可能状況などを確認し、必要な調整を行うため、これは現地の自治体からもこういうことを考えてほしいということを受けたものでございますが、そうした要望も受けまして、総務省とも御相談の上、その取扱いをお示ししたというものでございます。
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岸真紀子#23
○岸真紀子君 現地の要望を受けてということではあるかもしれませんが、これ、地方自治法二百五十二条の十七というのは、あくまでも地方公共団体が他の地方公共団体に対して職員の派遣を求めることができるという規定であって、これを根拠として保育士の派遣の仕組みがこども家庭庁の独断で措置できるものでは断じてないと私は考えます。その上で、現在行われている職員の派遣について、全ての地方自治体が自らの行政運営に決して余裕を持って対応していることではないということを改めて指摘しておきます。
 その前提において、職員の派遣は真に必要なものでなければなりません。特に、保育の現場というのは、いずれの地方自治体においても、保育士の人材不足や待機児童の問題など、極めて困難な実態にあります。また、保育という児童の命と安全に関わる業務の性格上、子供と保護者との信頼関係が不可欠であることは言うまでもありません。一時的な派遣でそのことが確保できるのか否かなど、極めて慎重でなければなりません。
 その意味では、被災地における客観的で納得性のあるニーズが前提でなければならないと考えますが、能登半島地震の被災自治体において、例えば利用児童数に対応した保育士数が確保できていないなど、客観的な実態の有無があったのかどうか、お答えください。
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高橋宏治#24
○政府参考人(高橋宏治君) 私どもは、この三月の事務連絡の発出以降も、定期的に石川県を始めといたします被災自治体から保育の提供状況等を伺いながら必要な対応を進めておるというところでございますけれども、現時点で公立園の保育士等の派遣につきましては、派遣のニーズがないという状況になってございます。
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岸真紀子#25
○岸真紀子君 なので、ちょっとこれ、先走り過ぎたんじゃないかというのと、しかもこの文書の中身が本当にひど過ぎるので、ここはしっかりと反省をしていただきたいです。
 被災地において、保育を含めた住民生活に可能な限り支障を来さない措置を講じることは当然に必要ではあります。しかし、客観的で納得性のあるニーズもないところ、しかも、こども家庭庁が保育士の派遣の仕組みを構築できるなどという権限は法令上存在しないものと思います。さらに、事務連絡なんですよ、これ。事務連絡などという簡易な文書レベルというのは論外の対応で、極めて問題ではないかと考えます。
 職員の派遣について中心的役割を果たしている総務省において、例えば、地方自治体に対する大臣書簡を発出して理解と協力を求めている総務大臣は、このようなこども家庭庁による対応をどのように考えているのか、見解をお伺いします。
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松本剛明#26
○国務大臣(松本剛明君) 御承知のとおり、総務省でも被災市町村に対し職員の派遣に携わっているところでございますが、専門職種につきまして関係省庁におかれて派遣調整を進めているところでございまして、例えば、上水道に関する職員派遣は、二月、三月の段階では国交省、失礼、厚労省、四月以降国交省になっておりますし、下水道に係る職員派遣は国交省さんが調整をいただいております。
 専門職種につきましては各所管省庁で派遣調整を行うこと自体はあるものと考えているところでございますが、派遣調整を行うに当たっては、国が自治体との間で適切にコミュニケーションを図ることが大切でございます。
 地域の実情を踏まえた対応が可能となるよう、政府において国と地方との連絡調整を担う総務省としても、しっかり自治体の声を伺いながら各府省と連携して取組を進めてまいりたいと思っております。
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岸真紀子#27
○岸真紀子君 今、大臣が御答弁いただいたように、様々な職種について被災地方自治体から職員の派遣に関する要望が生じるということは理解ができます。
 しかし、各大臣がそれぞれの担当業務で独断で地方自治体の担当課に対して職員派遣を求めるということは、縦割りによる各府省の権限ばかりが優先されて、自治体において無用な混乱を生じるばかりであり、指摘している保育士の派遣は、それを明らかにしたものではないかと考えています。実際に、公立保育所は、全然保育士が足りなくて苦労している中で、どうやって派遣をするのかと。しかも、中身を言うと、会計年度任用職員という非正規が六割、七割という実態で、正規の職員が三割で本当に派遣ができるのかといったことも、果たしてこども家庭庁は知っていたのかどうかというところに疑問があります。
 各大臣に応援の要求、指示又は派遣のあっせんなどの権限を付与することは、実情と最低限の手続を無視した、ずさんで論外な保育士の派遣に関する対応を制度的に認めるものとなりかねないことを厳しく指摘します。
 国又は都道府県による応援要求、指示については、個別法において発動された事例は緊急消防援助隊以外ないので、その上、基本法である地方自治法に規定すべき立法事実が明確にされない下では、最低限の前提として、先ほど大臣おっしゃってくれましたが、地方自治体に対して事前に相談、了承を得た後での措置とすることが不可欠となっています。
 これ、必ず事前相談を行うことでよいか、大臣、お答えください。
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松本剛明#28
○国務大臣(松本剛明君) 国民の安全に重大な影響を及ぼす事態におきまして、国、都道府県、市町村がそれぞれの役割を適切に果たしていく必要があるわけですが、事態への対応を実効的なものとする上で、国、地方公共団体の間、あるいは地方公共団体相互間の十分な情報共有、コミュニケーションは大変大切だというふうに考えております。
 本改正案による応援の調整が必要な場面におきましても、国と地方公共団体の間、あるいは地方公共団体相互間で、事前の相談も含め適切にコミュニケーションを図りまして、国民の生命等の保護を的確、迅速に行うことが重要でございます。総務省におきまして災害時の派遣の調整を行う際にも、現在のところ、地方公共団体とコミュニケーションを図りながら実施をしているところでございます。
 法案が成立をいたしましたら、状況に応じて地方公共団体と十分な協議、調整を行うことを含め、法律の運用の考え方について各府省へ周知徹底を図ってまいります。また、この趣旨を自治体の皆様にも丁寧に御説明申し上げたいと考えております。
 総務省といたしましては、国と地方との連絡調整を担う立場でございますので、政府において地域の実情を踏まえた対応が可能となるよう、しっかり自治体の声を伺いながら各府省と連携して取り組んでまいります。
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岸真紀子#29
○岸真紀子君 派遣元となる自治体の意向なくして成り立たないというのは、今の答弁でも、大臣、分かっていただいたと思うんです。
 で、もう一つそこにプラスしてほしいのは、各大臣、各省庁がそれぞれ出すんじゃなくて、必ず総務省に合い議をしてほしいというところですね。総務省がきっちりとチェックをしていただかないと、先ほどの事例があるし、先ほども紹介したとおり、派遣元の自治体は人事の管理として一元的にやっているので、これはまさしく総務省の力の見せどころだと思いますので、そこはしっかりと対応をお願いいたします。
 次に、自治法第二百五十二条の十七にある職員の派遣において新たに措置される二百五十二条の二十六の九、あっせんとは何か。通常、あっせんとは紛争解決の手続の一つとされていますが、そのようなものなのでしょうか。
 また、災害等が発生した際において、被災自治体の要望との関係で一定の調整が必要となることは当然ではありますが、あっせんという措置を導入することは、自治体の協調性を阻害するばかりではなく、相互に助け合い、協力して困難を克服するという全ての地方自治体における崇高な精神と対応を否定するものとなりかねません。
 その上で、災害対策基本法は内閣総理大臣又は都道府県知事をあっせんを求める相手としているのに対し、本法案では関係事務を担当する各大臣に拡大をしていますが、その理由はいかなるものか、答弁を求めます。
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