国民生活・経済及び地方に関する調査会
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会
会議録情報#0
令和六年二月七日(水曜日)
午後一時一分開会
─────────────
委員氏名
会 長 福山 哲郎君
理 事 今井絵理子君
理 事 清水 真人君
理 事 長峯 誠君
理 事 田名部匡代君
理 事 下野 六太君
理 事 中条きよし君
理 事 舟山 康江君
理 事 山添 拓君
越智 俊之君
白坂 亜紀君
田中 昌史君
堂故 茂君
友納 理緒君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
柴 愼一君
森屋 隆君
竹内 真二君
三浦 信祐君
高木かおり君
木村 英子君
─────────────
委員の異動
二月一日
辞任 補欠選任
越智 俊之君 長谷川英晴君
二月六日
辞任 補欠選任
木村 英子君 天畠 大輔君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 福山 哲郎君
理 事
今井絵理子君
清水 真人君
長峯 誠君
田名部匡代君
下野 六太君
中条きよし君
舟山 康江君
山添 拓君
委 員
白坂 亜紀君
田中 昌史君
堂故 茂君
友納 理緒君
長谷川英晴君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
柴 愼一君
森屋 隆君
竹内 真二君
三浦 信祐君
高木かおり君
天畠 大輔君
参考人
株式会社農林中
金総合研究所主
事研究員 石田 一喜君
摂南大学現代社
会学部特任教授
神戸大学名誉教
授 平山 洋介君
徳島大学大学院
教授 田口 太郎君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
(「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構
築」のうち、社会経済、地方及び国民生活に必
要な施策(地域経済とコミュニティの活性化)
について)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時一分開会
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委員氏名
会 長 福山 哲郎君
理 事 今井絵理子君
理 事 清水 真人君
理 事 長峯 誠君
理 事 田名部匡代君
理 事 下野 六太君
理 事 中条きよし君
理 事 舟山 康江君
理 事 山添 拓君
越智 俊之君
白坂 亜紀君
田中 昌史君
堂故 茂君
友納 理緒君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
柴 愼一君
森屋 隆君
竹内 真二君
三浦 信祐君
高木かおり君
木村 英子君
─────────────
委員の異動
二月一日
辞任 補欠選任
越智 俊之君 長谷川英晴君
二月六日
辞任 補欠選任
木村 英子君 天畠 大輔君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 福山 哲郎君
理 事
今井絵理子君
清水 真人君
長峯 誠君
田名部匡代君
下野 六太君
中条きよし君
舟山 康江君
山添 拓君
委 員
白坂 亜紀君
田中 昌史君
堂故 茂君
友納 理緒君
長谷川英晴君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
柴 愼一君
森屋 隆君
竹内 真二君
三浦 信祐君
高木かおり君
天畠 大輔君
参考人
株式会社農林中
金総合研究所主
事研究員 石田 一喜君
摂南大学現代社
会学部特任教授
神戸大学名誉教
授 平山 洋介君
徳島大学大学院
教授 田口 太郎君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
(「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構
築」のうち、社会経済、地方及び国民生活に必
要な施策(地域経済とコミュニティの活性化)
について)
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福
福山哲郎#1
○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。
議事に先立ち、一言申し上げます。
この度の令和六年能登半島地震により甚大な被害がもたらされ、多くの尊い人命が失われたことは誠に痛ましい限りでございます。
犠牲者の御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆さんにも心からお見舞い申し上げます。
ここに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
どうぞ御起立願います。黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
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この度の令和六年能登半島地震により甚大な被害がもたらされ、多くの尊い人命が失われたことは誠に痛ましい限りでございます。
犠牲者の御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆さんにも心からお見舞い申し上げます。
ここに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
どうぞ御起立願います。黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
福
福
福山哲郎#3
○会長(福山哲郎君) 委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、越智俊之君及び木村英子君が委員を辞任され、その補欠として長谷川英晴君及び天畠大輔君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →昨日までに、越智俊之君及び木村英子君が委員を辞任され、その補欠として長谷川英晴君及び天畠大輔君が選任されました。
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福
福山哲郎#4
○会長(福山哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
福
福山哲郎#5
○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
福
福
福山哲郎#7
○会長(福山哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続については、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続については、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
福
福
福山哲郎#9
○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。
本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活に必要な施策」に関し、「地域経済とコミュニティの活性化」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、株式会社農林中金総合研究所主事研究員石田一喜君、摂南大学現代社会学部特任教授・神戸大学名誉教授平山洋介君及び徳島大学大学院教授田口太郎君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、石田参考人、平山参考人、田口参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構です。
それでは、まず石田参考人からお願いいたします。ヤジ石田参考人、挙手をお願いします。石田参考人。
この発言だけを見る →本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活に必要な施策」に関し、「地域経済とコミュニティの活性化」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、株式会社農林中金総合研究所主事研究員石田一喜君、摂南大学現代社会学部特任教授・神戸大学名誉教授平山洋介君及び徳島大学大学院教授田口太郎君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、石田参考人、平山参考人、田口参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構です。
それでは、まず石田参考人からお願いいたします。ヤジ石田参考人、挙手をお願いします。石田参考人。
石
石田一喜#10
○参考人(石田一喜君) 今ほど御紹介あずかりました株式会社農林中金総合研究所の石田と申します。本日はよろしくお願いいたします。
着座にて御説明させていただきます。(資料映写)
私の方からは、産業の担い手確保というタイトルで、特に特定地域づくり事業に着目した御説明をしたいと思います。
一枚おめくりいただきまして、本日お話しする内容を大きく六つにまとめております。一つが、私の研究テーマでもある受援力という御説明をまずさせていただいた後に、今回着目する特定地域づくり事業協同組合をめぐる状況と、移住時に係るなりわいというものに係る状況、また、多業という最近着目されている考え方を述べた後、特定地域づくり事業をめぐる個人的な評価を説明したいと思います。最後六番目は、本事業の事例の御紹介でございます。よろしくお願いいたします。
まず、受援力の説明という前に、私の簡単な自己紹介したいと思います。私、石田は農業経済学という学問を専門領域としておりまして、特に農地の利用あるいは地域資源の利用というものに着目してきました。そうしますと、下の方に書いてあるんですが、農地関連法制度の研究もしておりますし、今、みどり戦略というところで、環境に優しい農業というものは何かというような議論もしております。
今回のテーマにつきましては、一番右下の、やはり農業、地方の人手不足というような課題に対してどのようなことができるのか、これを仕事づくりというふうにまとめまして調査研究を行っております。その中で、外国人労働力、かなり農村部にも増えてきておりますので、こういった方たちの働き方、暮らし方についても研究しているということでございます。
本日は、一番右下の地方農村部での仕事づくりの特定地域づくり事業協同組合制度との関わりについて述べさせていただきます。
こうした考えを持つときに私の方で考えているのが、五枚目のスライドでまとめております受援力というような考え方になっております。こちら、元々、災害ボランティアであったり除雪ボランティアの支援を受け入れる際にその力を十分発揮してもらうための受入先に求められる環境や知恵の総称を指す言葉なんですけれども、今、関係人口という後ほども御説明させていただくようなトレンドがある中で、地域課題解決と関係人口を結び付けるような発想も、デジタル田園都市の中でもよく見られる表現になっております。
こうしたときに農村側、地域側が何もしなくていいのかというと決してそんなことはなくて、やはり人を受け止めるために何らか対応しなければならないだろうというのが私の考えです。この受援力というような発想に基づいて、せっかく来てくれたのに何もすることがないとか、何したらいいか分からないを含むようなミスマッチであったり、来てから思うような自分の夢が実現できないというような課題が発生しないようにするためにどんな取組が必要かというものを考えております。
参考を下の方に書かせていただきましたけれども、農村部、人が足りない足りないというんですが、実際どのぐらい足りないんですか、どのぐらい雇用できますかというふうに聞いてみますと意外と分からなかったり、地域全体で何人必要なのかというのは、業界またぐと全く分からないということになっております。
もちろんハローワークがあるわけですけれども、そこでも明確化できないという課題もありますので、それを行って、その課題に対して何ができるのか、また、その課題に対していかに情報発信するのかというような様々な取組を含めて受援力向上というふうに名付けておりますので、特定地域づくり協同組合制度も、この流れに沿った一番の取組、非常に分かりやすい取組だろうということで私の方も研究を始めたというところでございます。
続けて、特定地域づくり事業協同組合をめぐる状況というスライドに進みたく思います。六枚目以降の御説明になります。
まず、七枚目でございます。
こちらの方は皆様既に御存じの内容が多いので大変恐縮なんですけれども、やはり本制度、あるいは今後の地域づくり、仕事づくりを考える際に欠かせないのが東京一極集中というところだと思います。
この東京一極集中の進展とその是正に関しましては、地方創生以降、特に着目というものは進んでおりまして、地方創生を始め国土形成計画でも、地方移住を含む田園回帰の考え方というのがはっきり明記されて、田園回帰元年と呼ばれた経緯もございました。また、農村政策におきましても、持続的低密度社会という名称の下、これを実現するためにどんな農村政策を取るべきかというような議論なされております。また、二二年十二月のデジタル田園都市国家構想の中でも、転入転出を均衡にするというような目標が改めて掲示されるとともに、第三次国土形成計画でもこの是正というものが目指されております。ですので、この考え方というのは非常に広まってもおりますし、取組もあるというふうに認識できます。
また、それと同時に、右の方で説明しておりますけれども、都市部住民の田園回帰への関心の高まりというのも近年非常に多く見られるということでございます。赤字で示しておりますけれども、二〇二二年のふるさと回帰支援センターの移住相談件数は二年連続で過去最多というふうになっておりまして、コロナ禍の影響もちろんあったとは思うんですけれども、それが落ち着いてからも移住というところが考えられております。
また、右下に関係人口という言葉を書いておりますけれども、移住よりも更に広い関わり方の関係人口が注目を集めておりまして、これが先ほども御説明したデジタル田園都市国家構想でも地域の社会課題解決や魅力向上に貢献する存在というふうに見られております。
この関係人口というところがどのようなものなのかまとめたのが八枚目のスライドになっております。八枚目のスライドを御覧いただきますと、関係人口と一口に申しましても様々あるということでございます。
一番下は特定の地域と関わりがないと答えた方でありまして、これが関係人口ではない方なんですが、七二・九%はこういう方になっております。ただ一方で、今、ふるさと納税で地方との関わりを持つであったりというのもありますので、訪問はしたことないんですが思い入れのある地域があるという関係人口が二・六%、また、定期的、継続的に関わる地域があって、かつ訪問しているという方も一八・四%ございます。こちら三大都市圏の方へのアンケートなんですけれども、二割ぐらいの方は何らか、第二のふるさとではないですけれども、特定の地域が思い浮かぶというような状況になっております。
かつ、右の方に応援者というような表現書いておりますけれども、このように、特定の地域が思い浮かぶ方というのはやはり移住というものも考えている方が多いというのが今回アンケートの結果から分かったことでございます。
応援する地域がある方としての応援者のうち四一・八%が移住したいなというふうに考えているような状況になっておりまして、そのうち、すぐに住みたいという方も六・六%存在しております。こうした方を応援できる仕組みというのは非常に大事だと思います。また、地方から都市部に出てきて、私もその一人なんですけれども、今後Uターンしたいなという方がやはり四一・三%おりまして、こうした方は、いずれ地方で働き暮らしていくということを希望していると思いますので、こういった方への着目も含めながら施策を考えていくべきだというふうに思っております。
続けて、九枚目のスライドが移住時に係るなりわいをめぐる状況についてでございます。
今ほど申したとおり、移住、地方で暮らすということの関心は非常に高くなっているんですが、十枚目のスライド見ていただきますとお分かりになるとおり、農村移住へは三つのハードルがあるということをこれまで言われてきました。その三つというのが、左に書いてあります住まい、なりわい、コミュニティーという内容なんですけれども、後ほど先生方からも御紹介がある、住まい、暮らすところがなかなか見付からない、コミュニティーといって、なかなか溶け込むことが難しいというものに並んで、なりわいという経済的な基盤の確保が難しいということが挙がっております。このうち、私の研究領域であるなりわいが非常に課題があるというふうに言われておりまして、二〇一七年以降のアンケートで一番問題があるというふうに指摘されているところでもございます。
簡単に申し上げますと、右上から、地方移住を妨げる要因として五割弱が仕事関連を回答しているというような状況でありますし、都市部から地方にUターンする方などを中心としていると思うんですが、移住先で専門性をなかなか生かすことができないというような指摘もございます。こちらについては、今ほど、転職なき移住ということで、テレワークなども含めた移住の在り方模索されておりますけれども、かつそこで解決できるところもあると思うんですが、やはり専門性を生かす賃金が高い職がないというところも一つ指摘されているところでございます。
また、一八年の田園回帰に関するアンケートでも、生活が維持できる仕事、収入があることが最重視事項であること、また、まち・ひと・しごと創生本部のアンケートでも、移住に当たって不足していた情報何ですかと聞くと、仕事、求職の情報ということで、なかなか地域外の方が仕事を見付けるということができにくい状況になっているということが分かります。
また、今回、新型コロナウイルス感染症の第六回目の調査、昨年度ありましたけれども、こちらについても、地方移住に当たっての懸念が仕事や収入が最多というような状況になっておりまして、ここ五年、ずっと仕事のところが課題になっているということでございます。
ただ、もちろん、十一枚目のスライドで見ていますとおり、これまで仕事に着目した取組などがなかったというわけでは決してございません。そもそも、左上に書いております、地方創生が仕事づくりから着手するというような方針を示しておりましたし、農業分野の政策である基本計画においても、地域資源を活用した所得と雇用機会の確保ということで、やはり仕事に着目しております。
ただ、なぜこれまでのアンケートで仕事がないないと言い続けてこられたのかというところを私なりに考えてみますと、十一枚目のスライドの右の方にまとめておりますとおり、なかなか働く人のニーズと合致してこなかったんだろうなというところを思っております。
大きく理由三つあるんですが、一つは、地方創生も始めとしまして、東京二十三区から本社機能を地方に移転するという発想が強く見られました。そうしますと、都会で働いていた働き方とは違う働き方をしたいなという方のニーズとは一致しないということになってしまいます。
農水省の方でも企業誘致を図って農村地域工業等導入促進法の改正を行いましたけれども、これもなかなか、元々住んでいる方が働くというところにも非常にプラスの結果がもたらせていて、移住者の仕事づくりにはなかなかつながってこなかったというところでございます。
また、もう一つ、農村では、移住してくる、都会から地方に来るという人に対して新規就農してほしいというような思いが非常に強くて、新規就農者施策ばっかりを用意してしまったというところも一つあると思います。もちろん農業に関心がある方は多いんですが、それ以外の方も非常に多くなっておりますので、その人が今後と考えますと、少し手薄だった部分があるというふうに思います。
また、本日のテーマである三点目は、地域事業者の人手不足への着目が希薄だったということでございます。今、農村部に行きますと、農業者の多くが、もう人がいない、人手がいないということを多くおっしゃります。ただ一方で、移住希望者は仕事がないという話をしますので、かなりミスマッチが起きているということでございます。もちろんこれには後ほど御説明するように理由があるんですけれども、地域事業者の人手不足と、こうやって地方に来てくれる方を結び付けるという発想がこれまで少し弱かったんではないかという中で、今回、特定地域づくり事業が大きく寄与しているというところを御説明したいと思います。
その前に、十二枚目のスライドが、多業、マルチワークの考え方でございます。まず、十三枚目のスライド見ていただきたいんですけれども、こちら、多業、マルチワークという言葉が最近よく聞かれるようになってきたということをまとめております。
これは、一つの仕事のみに従事するのではなく、同時に複数の仕事に関わる働き方ということで所得源が多数あるということも強みでありますし、半農半Xというような単語も非常に聞かれるようになってきております。各先生たちも、この多業というものを、かつては多く見られたんですが、現代的な復活ができないかということを言うんですが、それをどのようにやるのかというところが今地域側に求められている課題になっているということでございまして、特定地域づくり事業が一つのヒントになっているということでございます。
十四枚目、十五枚目は、参考のスライドですのでお手すきのときに見ていただきたいんですけれども、農村は、やはり人手不足とはいえ年間を通じた仕事が少ないというところがなかなか移住者の希望とは一致しなかったということを十四枚目のスライドでまとめておりますし、十五枚目も、一次産業、なかなか天候で仕事があったりなかったりというような特質性持っていますので、働く人にとって不安定な就労先なんではないかというふうに見られてしまうこともありました。それもあってなかなか人が集まらなかったんですが、安定的な仕事づくりというところをすれば、そのギャップが若干埋まるんではないかというような発想も持つことができます。
最後の残り時間は、私の特定地域づくり事業をめぐる個人的な評価というものを述べさせていただきます。
制度については既に周知と思いますので、私から詳しく御説明しませんけれども、十七枚目に特定地域づくり事業協同組合制度の概要をまとめております。地方回帰の土台としての雇用の場が必要という発想の下、赤字で示しております、地域の産業力を結集し、年間を通じた仕事として、給与水準も確保して安定した雇用を創出するというような狙いになっております。
ポイント三つありまして、一つは、本当であれば通年の雇用ができない事業者が組み合わせて地域の担い手不足に対応するということ、②でも書いておりますけれども、それによって安定した仕事、給与水準を確保して、移住希望者を含めて就業機会として提供すること、また三点目が、こうした方が定住していただくというような流れをつくる中で、地域づくり人材というふうに制度上は呼んでおりますけれども、こうした方を迎えて地域社会を維持、活性化していくというような狙いになっております。
十八枚目のスライドが、今回の制度の参考になったというふうに聞いております海士町の事例を掲載されております。
参照でございますけれども、春夏秋冬、それぞれ一時的に人手が必要になる仕事を組み合わせて一年間の仕事をつくるというような発想になっておりまして、働く人は、この中からちょっと長く働いてみたいなとか関心を持った産業に就職していくというインターンにも近いような発想を持っているという仕組みでございます。
十九枚目のところが、本制度のこれまでの実績をまとめております。
総務省のウェブサイトから掲載しておりますけれども、組合数九十組合できておりまして、いっときよりかなり増えたなという印象です。コロナ時期とバッティングしてしまってなかなか話合いの機会が持てないというような時期があったため、当初の数年間は組合数少なかったんですが、やはり急激に増えているというような状況でございます。また、検討中という市町村も非常に多くなっております。
これまでの実績見ますと、職員年齢が非常に若いという特徴があります。四百二十一人を採用しているんですが、六割が二十代から三十代というふうになっておりますし、移住状況を見ていただくと、派遣職員の七割が地域外から来ているという方になっております。このうち、市町村内に以前から居住という方も二五%ほどいるんですが、これは地域おこし協力隊が終わってそのまま地域に暮らしたいという人も含まれておりますので、これ自体決して悪いことではなくて、そういう方たちの働く場所にもなっているということでございます。
また、退職後の動向をまとめておりますけれども、退職というのも悪い部分ばかりではなくて、組合員の企業に直接雇用されるというような割合も増えております。この企業で働いてみたかったけど本当に働きたいという思いが確定されたというような意味含まれていますし、それ以外のところで雇用されたり自ら起業するという流れにもつながっていて、転居の割合二七%あるんですが、逆に申し上げると、七〇%くらいは地域に住み続けるというところにつながっております。このとき、私の専門である農業の分野に働く方、非常に多くなっておりまして、農業の派遣先七〇%ぐらいあります。ですので、農業分野としても、本仕組み、非常にいいというような印象でございます。
最後、印象を手短に述べさせていただきます。
特定地域づくりの仕組みができて、マルチワークという働き方に魅力感じている人、非常に多いなという印象があります。また、二点目で書いておりますとおり、この制度が移住決定の決め手となったという方も非常に多くいらっしゃいまして、仕事がないという悩みが解決されると、こんなに、じゃ移住してみようという人がいるんだというところを私自身も実感しております。また、独立就農や起業を考える方も、まず準備期間として組合で働くということもあって、一旦の受皿というふうな位置付けもあると思います。
また、続いて二十二枚目のスライド見ていただきたいんですが、こちら見てみますと、地域の事業者にとっては、地域における仕事づくりというものの選択肢の一つとして見られているというような印象もありますし、まず地域に来てみて暮らしてみるという地域インターン的な発想というものにも寄与しているというふうに思います。
非常にいい面ばかり述べてきましたけれども、もちろん対応すべき課題も多くなっております。
一つは、仕事の組合せと言葉で言うのは非常に簡単なんですが、意外とその調整は難しいということでございますし、二点目に書いておりますとおり、人手不足解決手段としての意義、限界があるということでございます。派遣という仕組みを使うんですが、一般の派遣とは違うという認識がないと、低賃金で使える人だというふうな認識になってしまうので、そうではないということをやはり理解しないといけないと思います。
また、最後、二十三枚目のスライドでございますけれども、組合の運営というものを考えてみると、今、交付金、非常に付いておりますけれども、これなしで組合の運営ができそうなところはまだまだ少ないというところでございますし、計画どおりにいけばうまくいったんですが、計画どおりいっていないというところも少なからず存在しているというふうに思います。
最後、三点目、四点目が今後の課題ですけれども、三点目は、組合で働くということは非常にメリットなんですが、ここで働くことに関してノウハウを付けてもらうというようなことが大事だと思います。派遣を通じたキャリアアップというところをどのように実現していくかということなんですが、やはりノウハウが付けば、その分賃金もアップできるし、受け入れる事業者にとっても非常にうれしいということになります。ですので、この仕組みでどのようにキャリアを付けていくかということが大事だと思います。
最後、四点目は、副業希望あるいは半農半Xの方はこの特定地域づくり事業になかなか対応し切れないということもありますので、この方たちを地域で受け止めるときにどうしていくかというところは、JAグループ含め地域の対応、別途必要だと思っております。
最後、二十四枚目以降は事例の紹介でございましたので、本日は割愛させていただきますけれども、非常に農業分野に特化しているJAの取組中心にまとめております。お時間あるときに見ていただければ幸いです。
私からの御報告、以上でございました。ありがとうございました。
この発言だけを見る →着座にて御説明させていただきます。(資料映写)
私の方からは、産業の担い手確保というタイトルで、特に特定地域づくり事業に着目した御説明をしたいと思います。
一枚おめくりいただきまして、本日お話しする内容を大きく六つにまとめております。一つが、私の研究テーマでもある受援力という御説明をまずさせていただいた後に、今回着目する特定地域づくり事業協同組合をめぐる状況と、移住時に係るなりわいというものに係る状況、また、多業という最近着目されている考え方を述べた後、特定地域づくり事業をめぐる個人的な評価を説明したいと思います。最後六番目は、本事業の事例の御紹介でございます。よろしくお願いいたします。
まず、受援力の説明という前に、私の簡単な自己紹介したいと思います。私、石田は農業経済学という学問を専門領域としておりまして、特に農地の利用あるいは地域資源の利用というものに着目してきました。そうしますと、下の方に書いてあるんですが、農地関連法制度の研究もしておりますし、今、みどり戦略というところで、環境に優しい農業というものは何かというような議論もしております。
今回のテーマにつきましては、一番右下の、やはり農業、地方の人手不足というような課題に対してどのようなことができるのか、これを仕事づくりというふうにまとめまして調査研究を行っております。その中で、外国人労働力、かなり農村部にも増えてきておりますので、こういった方たちの働き方、暮らし方についても研究しているということでございます。
本日は、一番右下の地方農村部での仕事づくりの特定地域づくり事業協同組合制度との関わりについて述べさせていただきます。
こうした考えを持つときに私の方で考えているのが、五枚目のスライドでまとめております受援力というような考え方になっております。こちら、元々、災害ボランティアであったり除雪ボランティアの支援を受け入れる際にその力を十分発揮してもらうための受入先に求められる環境や知恵の総称を指す言葉なんですけれども、今、関係人口という後ほども御説明させていただくようなトレンドがある中で、地域課題解決と関係人口を結び付けるような発想も、デジタル田園都市の中でもよく見られる表現になっております。
こうしたときに農村側、地域側が何もしなくていいのかというと決してそんなことはなくて、やはり人を受け止めるために何らか対応しなければならないだろうというのが私の考えです。この受援力というような発想に基づいて、せっかく来てくれたのに何もすることがないとか、何したらいいか分からないを含むようなミスマッチであったり、来てから思うような自分の夢が実現できないというような課題が発生しないようにするためにどんな取組が必要かというものを考えております。
参考を下の方に書かせていただきましたけれども、農村部、人が足りない足りないというんですが、実際どのぐらい足りないんですか、どのぐらい雇用できますかというふうに聞いてみますと意外と分からなかったり、地域全体で何人必要なのかというのは、業界またぐと全く分からないということになっております。
もちろんハローワークがあるわけですけれども、そこでも明確化できないという課題もありますので、それを行って、その課題に対して何ができるのか、また、その課題に対していかに情報発信するのかというような様々な取組を含めて受援力向上というふうに名付けておりますので、特定地域づくり協同組合制度も、この流れに沿った一番の取組、非常に分かりやすい取組だろうということで私の方も研究を始めたというところでございます。
続けて、特定地域づくり事業協同組合をめぐる状況というスライドに進みたく思います。六枚目以降の御説明になります。
まず、七枚目でございます。
こちらの方は皆様既に御存じの内容が多いので大変恐縮なんですけれども、やはり本制度、あるいは今後の地域づくり、仕事づくりを考える際に欠かせないのが東京一極集中というところだと思います。
この東京一極集中の進展とその是正に関しましては、地方創生以降、特に着目というものは進んでおりまして、地方創生を始め国土形成計画でも、地方移住を含む田園回帰の考え方というのがはっきり明記されて、田園回帰元年と呼ばれた経緯もございました。また、農村政策におきましても、持続的低密度社会という名称の下、これを実現するためにどんな農村政策を取るべきかというような議論なされております。また、二二年十二月のデジタル田園都市国家構想の中でも、転入転出を均衡にするというような目標が改めて掲示されるとともに、第三次国土形成計画でもこの是正というものが目指されております。ですので、この考え方というのは非常に広まってもおりますし、取組もあるというふうに認識できます。
また、それと同時に、右の方で説明しておりますけれども、都市部住民の田園回帰への関心の高まりというのも近年非常に多く見られるということでございます。赤字で示しておりますけれども、二〇二二年のふるさと回帰支援センターの移住相談件数は二年連続で過去最多というふうになっておりまして、コロナ禍の影響もちろんあったとは思うんですけれども、それが落ち着いてからも移住というところが考えられております。
また、右下に関係人口という言葉を書いておりますけれども、移住よりも更に広い関わり方の関係人口が注目を集めておりまして、これが先ほども御説明したデジタル田園都市国家構想でも地域の社会課題解決や魅力向上に貢献する存在というふうに見られております。
この関係人口というところがどのようなものなのかまとめたのが八枚目のスライドになっております。八枚目のスライドを御覧いただきますと、関係人口と一口に申しましても様々あるということでございます。
一番下は特定の地域と関わりがないと答えた方でありまして、これが関係人口ではない方なんですが、七二・九%はこういう方になっております。ただ一方で、今、ふるさと納税で地方との関わりを持つであったりというのもありますので、訪問はしたことないんですが思い入れのある地域があるという関係人口が二・六%、また、定期的、継続的に関わる地域があって、かつ訪問しているという方も一八・四%ございます。こちら三大都市圏の方へのアンケートなんですけれども、二割ぐらいの方は何らか、第二のふるさとではないですけれども、特定の地域が思い浮かぶというような状況になっております。
かつ、右の方に応援者というような表現書いておりますけれども、このように、特定の地域が思い浮かぶ方というのはやはり移住というものも考えている方が多いというのが今回アンケートの結果から分かったことでございます。
応援する地域がある方としての応援者のうち四一・八%が移住したいなというふうに考えているような状況になっておりまして、そのうち、すぐに住みたいという方も六・六%存在しております。こうした方を応援できる仕組みというのは非常に大事だと思います。また、地方から都市部に出てきて、私もその一人なんですけれども、今後Uターンしたいなという方がやはり四一・三%おりまして、こうした方は、いずれ地方で働き暮らしていくということを希望していると思いますので、こういった方への着目も含めながら施策を考えていくべきだというふうに思っております。
続けて、九枚目のスライドが移住時に係るなりわいをめぐる状況についてでございます。
今ほど申したとおり、移住、地方で暮らすということの関心は非常に高くなっているんですが、十枚目のスライド見ていただきますとお分かりになるとおり、農村移住へは三つのハードルがあるということをこれまで言われてきました。その三つというのが、左に書いてあります住まい、なりわい、コミュニティーという内容なんですけれども、後ほど先生方からも御紹介がある、住まい、暮らすところがなかなか見付からない、コミュニティーといって、なかなか溶け込むことが難しいというものに並んで、なりわいという経済的な基盤の確保が難しいということが挙がっております。このうち、私の研究領域であるなりわいが非常に課題があるというふうに言われておりまして、二〇一七年以降のアンケートで一番問題があるというふうに指摘されているところでもございます。
簡単に申し上げますと、右上から、地方移住を妨げる要因として五割弱が仕事関連を回答しているというような状況でありますし、都市部から地方にUターンする方などを中心としていると思うんですが、移住先で専門性をなかなか生かすことができないというような指摘もございます。こちらについては、今ほど、転職なき移住ということで、テレワークなども含めた移住の在り方模索されておりますけれども、かつそこで解決できるところもあると思うんですが、やはり専門性を生かす賃金が高い職がないというところも一つ指摘されているところでございます。
また、一八年の田園回帰に関するアンケートでも、生活が維持できる仕事、収入があることが最重視事項であること、また、まち・ひと・しごと創生本部のアンケートでも、移住に当たって不足していた情報何ですかと聞くと、仕事、求職の情報ということで、なかなか地域外の方が仕事を見付けるということができにくい状況になっているということが分かります。
また、今回、新型コロナウイルス感染症の第六回目の調査、昨年度ありましたけれども、こちらについても、地方移住に当たっての懸念が仕事や収入が最多というような状況になっておりまして、ここ五年、ずっと仕事のところが課題になっているということでございます。
ただ、もちろん、十一枚目のスライドで見ていますとおり、これまで仕事に着目した取組などがなかったというわけでは決してございません。そもそも、左上に書いております、地方創生が仕事づくりから着手するというような方針を示しておりましたし、農業分野の政策である基本計画においても、地域資源を活用した所得と雇用機会の確保ということで、やはり仕事に着目しております。
ただ、なぜこれまでのアンケートで仕事がないないと言い続けてこられたのかというところを私なりに考えてみますと、十一枚目のスライドの右の方にまとめておりますとおり、なかなか働く人のニーズと合致してこなかったんだろうなというところを思っております。
大きく理由三つあるんですが、一つは、地方創生も始めとしまして、東京二十三区から本社機能を地方に移転するという発想が強く見られました。そうしますと、都会で働いていた働き方とは違う働き方をしたいなという方のニーズとは一致しないということになってしまいます。
農水省の方でも企業誘致を図って農村地域工業等導入促進法の改正を行いましたけれども、これもなかなか、元々住んでいる方が働くというところにも非常にプラスの結果がもたらせていて、移住者の仕事づくりにはなかなかつながってこなかったというところでございます。
また、もう一つ、農村では、移住してくる、都会から地方に来るという人に対して新規就農してほしいというような思いが非常に強くて、新規就農者施策ばっかりを用意してしまったというところも一つあると思います。もちろん農業に関心がある方は多いんですが、それ以外の方も非常に多くなっておりますので、その人が今後と考えますと、少し手薄だった部分があるというふうに思います。
また、本日のテーマである三点目は、地域事業者の人手不足への着目が希薄だったということでございます。今、農村部に行きますと、農業者の多くが、もう人がいない、人手がいないということを多くおっしゃります。ただ一方で、移住希望者は仕事がないという話をしますので、かなりミスマッチが起きているということでございます。もちろんこれには後ほど御説明するように理由があるんですけれども、地域事業者の人手不足と、こうやって地方に来てくれる方を結び付けるという発想がこれまで少し弱かったんではないかという中で、今回、特定地域づくり事業が大きく寄与しているというところを御説明したいと思います。
その前に、十二枚目のスライドが、多業、マルチワークの考え方でございます。まず、十三枚目のスライド見ていただきたいんですけれども、こちら、多業、マルチワークという言葉が最近よく聞かれるようになってきたということをまとめております。
これは、一つの仕事のみに従事するのではなく、同時に複数の仕事に関わる働き方ということで所得源が多数あるということも強みでありますし、半農半Xというような単語も非常に聞かれるようになってきております。各先生たちも、この多業というものを、かつては多く見られたんですが、現代的な復活ができないかということを言うんですが、それをどのようにやるのかというところが今地域側に求められている課題になっているということでございまして、特定地域づくり事業が一つのヒントになっているということでございます。
十四枚目、十五枚目は、参考のスライドですのでお手すきのときに見ていただきたいんですけれども、農村は、やはり人手不足とはいえ年間を通じた仕事が少ないというところがなかなか移住者の希望とは一致しなかったということを十四枚目のスライドでまとめておりますし、十五枚目も、一次産業、なかなか天候で仕事があったりなかったりというような特質性持っていますので、働く人にとって不安定な就労先なんではないかというふうに見られてしまうこともありました。それもあってなかなか人が集まらなかったんですが、安定的な仕事づくりというところをすれば、そのギャップが若干埋まるんではないかというような発想も持つことができます。
最後の残り時間は、私の特定地域づくり事業をめぐる個人的な評価というものを述べさせていただきます。
制度については既に周知と思いますので、私から詳しく御説明しませんけれども、十七枚目に特定地域づくり事業協同組合制度の概要をまとめております。地方回帰の土台としての雇用の場が必要という発想の下、赤字で示しております、地域の産業力を結集し、年間を通じた仕事として、給与水準も確保して安定した雇用を創出するというような狙いになっております。
ポイント三つありまして、一つは、本当であれば通年の雇用ができない事業者が組み合わせて地域の担い手不足に対応するということ、②でも書いておりますけれども、それによって安定した仕事、給与水準を確保して、移住希望者を含めて就業機会として提供すること、また三点目が、こうした方が定住していただくというような流れをつくる中で、地域づくり人材というふうに制度上は呼んでおりますけれども、こうした方を迎えて地域社会を維持、活性化していくというような狙いになっております。
十八枚目のスライドが、今回の制度の参考になったというふうに聞いております海士町の事例を掲載されております。
参照でございますけれども、春夏秋冬、それぞれ一時的に人手が必要になる仕事を組み合わせて一年間の仕事をつくるというような発想になっておりまして、働く人は、この中からちょっと長く働いてみたいなとか関心を持った産業に就職していくというインターンにも近いような発想を持っているという仕組みでございます。
十九枚目のところが、本制度のこれまでの実績をまとめております。
総務省のウェブサイトから掲載しておりますけれども、組合数九十組合できておりまして、いっときよりかなり増えたなという印象です。コロナ時期とバッティングしてしまってなかなか話合いの機会が持てないというような時期があったため、当初の数年間は組合数少なかったんですが、やはり急激に増えているというような状況でございます。また、検討中という市町村も非常に多くなっております。
これまでの実績見ますと、職員年齢が非常に若いという特徴があります。四百二十一人を採用しているんですが、六割が二十代から三十代というふうになっておりますし、移住状況を見ていただくと、派遣職員の七割が地域外から来ているという方になっております。このうち、市町村内に以前から居住という方も二五%ほどいるんですが、これは地域おこし協力隊が終わってそのまま地域に暮らしたいという人も含まれておりますので、これ自体決して悪いことではなくて、そういう方たちの働く場所にもなっているということでございます。
また、退職後の動向をまとめておりますけれども、退職というのも悪い部分ばかりではなくて、組合員の企業に直接雇用されるというような割合も増えております。この企業で働いてみたかったけど本当に働きたいという思いが確定されたというような意味含まれていますし、それ以外のところで雇用されたり自ら起業するという流れにもつながっていて、転居の割合二七%あるんですが、逆に申し上げると、七〇%くらいは地域に住み続けるというところにつながっております。このとき、私の専門である農業の分野に働く方、非常に多くなっておりまして、農業の派遣先七〇%ぐらいあります。ですので、農業分野としても、本仕組み、非常にいいというような印象でございます。
最後、印象を手短に述べさせていただきます。
特定地域づくりの仕組みができて、マルチワークという働き方に魅力感じている人、非常に多いなという印象があります。また、二点目で書いておりますとおり、この制度が移住決定の決め手となったという方も非常に多くいらっしゃいまして、仕事がないという悩みが解決されると、こんなに、じゃ移住してみようという人がいるんだというところを私自身も実感しております。また、独立就農や起業を考える方も、まず準備期間として組合で働くということもあって、一旦の受皿というふうな位置付けもあると思います。
また、続いて二十二枚目のスライド見ていただきたいんですが、こちら見てみますと、地域の事業者にとっては、地域における仕事づくりというものの選択肢の一つとして見られているというような印象もありますし、まず地域に来てみて暮らしてみるという地域インターン的な発想というものにも寄与しているというふうに思います。
非常にいい面ばかり述べてきましたけれども、もちろん対応すべき課題も多くなっております。
一つは、仕事の組合せと言葉で言うのは非常に簡単なんですが、意外とその調整は難しいということでございますし、二点目に書いておりますとおり、人手不足解決手段としての意義、限界があるということでございます。派遣という仕組みを使うんですが、一般の派遣とは違うという認識がないと、低賃金で使える人だというふうな認識になってしまうので、そうではないということをやはり理解しないといけないと思います。
また、最後、二十三枚目のスライドでございますけれども、組合の運営というものを考えてみると、今、交付金、非常に付いておりますけれども、これなしで組合の運営ができそうなところはまだまだ少ないというところでございますし、計画どおりにいけばうまくいったんですが、計画どおりいっていないというところも少なからず存在しているというふうに思います。
最後、三点目、四点目が今後の課題ですけれども、三点目は、組合で働くということは非常にメリットなんですが、ここで働くことに関してノウハウを付けてもらうというようなことが大事だと思います。派遣を通じたキャリアアップというところをどのように実現していくかということなんですが、やはりノウハウが付けば、その分賃金もアップできるし、受け入れる事業者にとっても非常にうれしいということになります。ですので、この仕組みでどのようにキャリアを付けていくかということが大事だと思います。
最後、四点目は、副業希望あるいは半農半Xの方はこの特定地域づくり事業になかなか対応し切れないということもありますので、この方たちを地域で受け止めるときにどうしていくかというところは、JAグループ含め地域の対応、別途必要だと思っております。
最後、二十四枚目以降は事例の紹介でございましたので、本日は割愛させていただきますけれども、非常に農業分野に特化しているJAの取組中心にまとめております。お時間あるときに見ていただければ幸いです。
私からの御報告、以上でございました。ありがとうございました。
福
平
平山洋介#12
○参考人(平山洋介君) 今御紹介いただきました平山でございます。
私の方からは、空き家と地方再生ということでお話ししたいと思います。(資料映写)
私は、ずっと住宅問題、住宅政策を勉強、研究を重ねてきた者です。ふだんは主に大都市がどうなっているかということにどうしても目が行きがちなんですが、今日は空き家と地方再生ということでお話しさせていただきます。
今日お話しする内容はここに示しておりますとおりで、空き家が今どういう実態になっているかということをお話しした後に、それを地方再生の話に結び付けたいと思います。
まず、事実認識からですが、日本の住宅問題は、もう御承知だと思いますが、とにかく住宅が足りないというところから住宅政策が始まっております。終戦直後、四百二十万戸不足というのが政府の発表の数字でありました。空爆で家がなくなってたくさんの方が外地から帰ってくるということで、とにかく家が足りないからたくさん住宅を造るのだというシステムをつくったというのが戦後の日本であります。
ところが、二十一世紀に入りまして住宅が余るようになってきて、要するに、住宅をたくさん造るというシステムをとにかくひたすら頑張って頑張って住宅を建ててきて、気が付くと、ここに書いてありますように空き家数が八百四十六万戸、空き家率が一三・六%ということになっております。四百二十万戸不足から八百四十六万戸余っているというようなことになっておりますので、やはり非常に大規模な変化があったと見るべきだろうと思います。
この空き家の内訳が重要でございまして、今空き家は増えて大変だという話が多いわけですが、なかったらないで困るわけですね、誰も引っ越しできなくなりますので。そういう意味では空き家は必要なのですが、その内訳が重要でございまして、賃貸用が半分あって、売却用、二次的住宅が少しありますが、問題は、ここにありますその他の空き家、四一%、三百四十七万戸でございます。何に使うのかよく分からない、お持ちの方が、これ、自分でも何に使うのかよく分からずに持っているという空き家が四一%、三百四十七万戸ございます。このその他空き家がやはりこれからどうしていったらいいのかということの焦点になりますが、国交省の推計では、二〇三〇年には四百七十万戸に増えるだろうということでございます。また、腐朽、破損のある住宅というものを統計から調べますと、全体の、日本の全住宅の六・四%に腐朽、破損がございますが、その他の空き家では二八・八%、やはり傷んでいるものが多いということが分かります。
次に、空き家の分布を見たものがこれでございますが、空き家率の上位十県並べますとこういう感じになっておりまして、このうち、一位の山梨、三位の長野は別荘も結構あるので、実態はちょっと本当にこれが全部空き家なのかどうかという点は留保が必要かもしれません。ただ、山梨県さんは、空き家が非常に増えて大変であるということを知事御自身がおっしゃっていたかと思います。この山梨、長野を除きますと、和歌山、徳島、高知、鹿児島、愛媛ということで関西に結構集中しているという印象。特に、四国でしょうか、四国全体の空き家率が非常に多いのかなというふうに思います。
ただ一方、大都市でも、じゃ、大都市は空き家がないのかといいますとそうでもなくて、首都圏の地図をそこに示しておきましたが、やはり周辺部、首都圏の周辺部の集合住宅に限って、その下の地図でございますが、統計を見ますと空き家率が二五%を超えると。周辺部で集合住宅というとやっぱり需要が少ないためでございましょうが、二五%というと四軒に一軒が空き家ですので、大都市圏だから空き家問題がないということではございません。
それに、また、東京のど真ん中の辺りですね、少し黒くなっておりますが、杉並、世田谷の辺りでございますが、大きな、ぱっと見た目立派な住宅で何の問題もないように見えるんですが、そこにお年寄りが一人で住んでおられたり、お亡くなりになって空き家になっているのが実は外から見たらよく分からない。ただ、申し上げたいことは、大都市の立派な住宅地でもそういう傾向が出てきているということでございます。
続きまして、じゃ、空き家がなぜ増えたのかと。
やっぱり原因が分からないと対策を打てないわけでございますが、一つ一番重要なのは、住宅の大量建設のシステムをつくったということです。先進国の中で欧米に次いで日本は近代化したわけですが、欧米の住宅政策に比べまして、日本はやはり住宅をとにかくたくさん造るという体制をつくった点で非常に特徴的だったろうと思いますし、それが韓国、中国に移っていったということでございますが、とにかく住宅をたくさん建てる。
その理由は、一つは、先ほど申しましたように元々住宅が非常に足らなかったということ、それと、一九七三年のオイルショックを契機にしまして、住宅建設が景気対策の柱になったということがございまして、景気が悪くなるたびにひたすら建てるということをやってきたということがございます。
それから二点目に、その話の裏返しで非常に重要なことは、既存住宅市場、これ、かつて中古住宅市場と言っていましたが、言葉の感じが悪いということで、今、既存住宅という言葉を使いますが、既存住宅市場が未発達だということでございます。そのための制度をつくってこなかったという点が重要ですね。
それから、これはもう御承知のように、人口が減り始めました。人口が減りましても、世帯が増えておりますと住宅は必要なのでまあ大丈夫かなということだったんですが、二〇二〇年代、もう今現在ぐらいでしょうか、世帯数自体が減り始めているということで、ますます空き家が増えるだろうと。
それから、人が都市部へ動くのであれば空き家が増えるというようなことになります。人がじっとしていれば空き家にならないわけですが。
それから、後でも触れますが、新しい重要な要因は、住宅の相続が非常に増えていて、相続された住宅が空き家になるというようなメカニズムがだんだん分かってきているということですね。
それから、空き家対応システムとして政策、制度ようやく動き出してはおりますけれども、これがまだ始まったところだということであります。
こういった複合的な要因で空き家が増えているということでございます。
そこに載せておりますグラフは新築着工の数ですね。高度成長期、とにかくどんどんどんどんどんどん住宅が増えて、オイルショックでがたっと減って、あと、凸凹しておりますのは、景気が悪くなると住宅が減って、それで空き家対策で住宅建設を促進するので、凸凹があってだんだん減っていく、減ってはきているというようなグラフでございます。
次に、空き家の所有の実態。じゃ、空き家は、所有の実態どうなっているのか。マクロには空き家が幾らあるかというのは分かるんですけれども、所有の実態を国交省の調査から御紹介しますと、じゃ、なぜ空き家をお持ちなのかというと、五五%が相続で、相続した住宅を空き家にしているということでございます。
それから、今後どうするかということなんですけれども、空き家のままにしておくという方が二八%ございます。これも後で触れるかもしれませんが、いろいろ聞いておりますと、やはり一番お困りなのは片付けられないということのようです。後でも触れますが、地方の空き家を都会に住んでおられる方が相続するケースで、その地方の住宅を、物すごい量の荷物があって、親御さんがため込んだものをこれどうするのかということで途方に暮れているということで二八%あるということですね。
それから、賃貸、売却できないと。空き家が不要であれば売ったり貸せばいいわけですけれども、特に、先ほど申しましたように地方で空き家率が高いわけですが、借り手、買手が少ないというのがやはりお悩みの方が多いということです。
空き家にしておく理由は、物置として必要というと本当に必要なようですが、さっき申し上げたように、片付けられないという理由が物置として必要だということで六割になっております。
それと、もう一点重要なのが、あと解体費用を掛けたくないということで、やはりお金が、一生懸命お金を、一生懸命というか、お金をたくさん使って建物を除去するだけ、なかなかお金がないし、あっても使いにくい用途なのかもしれないというふうに思います。
今注目すべきは、住宅相続が増えているということがあろうかと思います。住宅相続が増えている要因の一つ目は多死社会ですね。超高齢社会というのは亡くなる方が非常に増える。毎年百六十万人強の方がお亡くなりになる多死社会の形成を迎えることになります。すると、相続が増えます。
それから、親世代が、戦後の日本の住宅政策は、持家を所有してもらおうという政策を中心にやってきたものですから、かつては、例えば五、六十年前ですと、親が亡くなっても親が家を持っていないという方が非常にたくさんおられたわけですが、現在の親世代は持家率が八割、九割ございます。なので、必ず住宅の相続が発生するということ。
それから、子世代では、兄弟姉妹が少なくなっておりますので、住宅相続を経験される次の世代が非常に多いということですね。住宅相続というものが非常に普及した、普遍化したということが非常に、昔はそんな、何といいますか、誰でも経験することではなかった。ところが、今はほぼ誰でも経験するようなことになってきているということです。
それから、もう一つ住宅相続で重要なのは、相続というと、勘違いで、若い人たちに相続されて若い人たちの役に立つんだよねというイメージがあるとしたら、それは非常に事実と違いまして、今は寿命が延びておりますので、相続される方がもう既に高齢者だという場合が多くて、住宅の資産というのは物すごい高齢者から次の高齢者に相続をされていて、実は高齢層の中でぐるぐるぐるぐる不動産が回っているだけなんだという点を見逃してはならないかなというふうに思います。
それから、住宅の相続に関しまして、二〇一七年、ちょっと古いですが、これは私がオリジナルで調査をしたものなんですけれども、住宅相続にもいろいろ階層性があるということが重要でございまして、まず、相続した住宅に自分で住んでおられるという方は自己居住四三%で、付加住宅というのは、自分が住んでいる以外に持っている住宅を付加住宅と申しますが、相続住宅を付加住宅にしておられる方が五六・三%おられます。そのうち二八・八%が空き家になっているということです。ですから、相続してもどうしていいか分からないという方がかなりおられるということですね。
それから次に、所得階層との関係で見ますと、低所得の方が相続しますと自分で住むという方が六割超えるんですが、逆に、高所得の方は賃貸住宅として貸しておられるということが分かります。
次のこのグラフが重要かなと思うんですが、この左に、現住都道府県、現住都市圏云々とありますが、これは相続した方がどこに相続住宅をお持ちかということです。これ、非常にグラフが違うんですけれども、現在住んでいる都府県で住宅を相続した方は自分が住んでいたり賃貸住宅で貸したりして何かの役に立っているわけですが、相続した方の住んでいる都市圏より遠いところの住宅を相続した方というのは空き家率が四三%になるということですね。先ほど触れましたが、都会の方が地方の住宅を相続した場合、空き家としておく以外にどうしようもないというような辺りを見ておく必要があるのかなと思います。
こういった問題に対しまして、新たな制度対応は既に始まっておりまして、ついこの間できたところでしょうか、相続した土地を使い道ない場合は国庫に帰属させる制度というのが始まりました。ただ、これも、建物を除却して空き地にしなければならないとか管理費用を納めなければならないとか、いろいろハードルはあるというふうに言われておりまして、この制度がどこまで役に立つかということを見ておく必要があると思いますし、重要なことは、地方の方でこういう空き地、空き家をどういうふうに地方の自治体として活用していくのかという計画を持った上でこういったものを公共のところに戻していくのかということが重要だろうというふうに思います。
それから、相続登記の義務化が始まっております。これも非常に重要なことでございまして、もう御承知のように、住宅を誰が所有しているのかよく分からないという土地が物すごくたくさんございますが、これは相続登記をされていなかったというのが大きな原因でありまして、これは一歩前進だろうと思います。
東北の震災復興のときに私も仕事で行きましたら、もう誰の土地かが全く分からないというところから仕事をしなきゃいけなかったので非常に大変だったというふうに聞いております。
次に、先ほど申しましたように既存住宅市場というものが非常に重要で、住宅が流通する仕組みがないので空き家が増えるという点に注目しておく必要があるだろうというふうに思います。
この点で、日本ではずっと、先ほど申しましたように、景気対策として新築住宅を建てるということをやってきまして、新築住宅を建てることが経済に非常に刺激要因になって良いのだという考え方が染み付いていると思うんですけれども、もう既に時代はそれは違うことになっているということについて若干触れたいと思います。
そこに国際比較の表がございますが、着工戸数御覧いただきますと、日本では着工が減っておりましても、英、米、フランス、ドイツに比べてまだまだ住宅建設の戸数は多いということが分かります。例えば、ドイツでは千人当たり一・九戸しか建てていないところ、日本では八・三戸建てています。ところが、住宅投資額を御覧いただきますと、千人当たりの投資額は日本は一番低いわけですね。一番たくさん建てているのに住宅投資は一番少なくなっている。これは、新築重視の住宅経済が実はもう小さい効果しか生まないんだということです。
では、どうなっているのかと、どういうことかと申しますと、日本はリフォーム投資、ストックの流通率も格段に低いわけですね。ヨーロッパではもう新築住宅等が非常に少ないわけですけれども、皆さんが常に住宅に投資しておられます。自分の住宅を年がら年中修繕しておられるわけですね。
なぜかといいますと、既存住宅市場が非常に大きい、で、自分が住んでいる住宅はいつでも市場に出せるようにしておくと。市場評価を得るために自分の住宅に投資し続けているという経済で、トータルで見ると日本よりも大きな住宅経済になっている。日本はいまだに景気対策として住宅ローン減税、まあ重要だとは思うんですけれども、新築住宅を建てることが住宅経済の刺激になるということなんですけれども、そうじゃなくて、既存住宅の住宅市場をつくることが経済にもいい効果を、持続可能な大きな経済をつくるし、空き家流通にも役に立つということを指摘したいと思います。
それと、住宅の寿命が日本では短いということをよく言われておりますが、これもだんだんだんだん改善はしてきていますが、まだ少ない。
それから、政府も、ストック重視、既存住宅重視の住宅政策への転換ということで、ここに挙げましたようなことをいろいろやっておられますが、ただ、先ほど述べましたように、既存住宅の流通量、国際的にはまだまだ非常に低い水準にあって、実は、それはなぜなのかということがまだ完全には説明されていないように思います。ここの原因、既存住宅市場がなぜ成長しないのかということの解明をしていかないといけないと思います。
ただ一つ、若干変化を見せていますのは、若い方々で新築信仰を超えるような動きが出てきております。若い方は、やっぱり戸建て、一戸建てよりも都心の集合住宅、新築じゃなくてもリノベーションでいいですよと、大きな住宅じゃなくてコンパクトでいいですよという方が増えているように見えます、なかなか実証的なデータはないのですが。
それから、かつての応接間、仏間、座敷というものが住宅の新しいプランからは何かだんだんだんだん消えているように見えます。ただ、これも地方性がございまして、例えば北陸の方に行きますと、やはり仏間は必要だとかいう方ありますけれども、若い方はそこまでこだわっていないかもしれないということですね。
それから、所得が先行き不透明ということもあって、昭和時代、私の親世代というのは、郊外に大きな家を建てて家族をやって子育てをするというのが非常に重要なことだったと思うんですけれども、次の世代は多分違う形で夢を持つのではないか。それがどういったものかということを見ないといけませんし、二十世紀後半の一戸建て住宅というのは物をいっぱいとにかく買い込むということがあって、物がたくさんあるということが、やはり戦争を経験した私の父親の世代なんかには物をいろいろため込むというようなことが大事だったように思います。
私の家なんかも、例えば書物とかレコードとか、もう家がいっぱいなんですけど、今の若い人たちはこれ全部データで持っていますから、大きい家は必要ないかもしれません。それとか、昭和時代というのは、皆さん百科事典をいっぱい必ずそろえたんですけれども、あれも誰も読まないと思うんですけれども、本当大変な作業で作った百科事典かわいそうだと思うんですけれども、これも今はもうDVD一枚で済む話ですので、やっぱり、だからどういう住宅に住みたいのかということが変わってきているのかもしれない。そこをつかまえて空き家対策をしていく必要があるだろうと思います。
これはURさんがおやりになった古い団地の修復で、こんな感じで、若い方にも来てほしいよねというようなことをやっておられます。
時間があれですね。空き家対策の構築ということも始まっておりますが、要するに、使えない、もうどうしようもない空き家は除却する、使えるものは手を入れて使うということを仕分して、だから、空き家全部が必要だとか空き家全部が不要だということにならない、きちっと仕分をしていかないといけないわけですね。
空家対策特措法、昨年改正になりまして、空き家活用、それから空き家活用として空家活用促進区域を指定して活用していくということと、管理不全、特定空家を指定して、指導、勧告、命令、それから代執行までやれるというところに踏み込んでいるということが極めて重要だろうと思います。
この点、最後の点で若干付け加えますと、研究者的には非常に興味がありますのは、私有財産に公的支援が踏み込まざるを得ない場面が非常に増えていて、これはどういう論拠で可能なのか、理論として成り立つのかどうか、これなかなか難しい問題です。空き家とか高経年のマンションですね、これが二、三十年後大問題になります。
それから、被災地の住宅再建、これにかつては税金を使うことに非常に抵抗がありました。今はそうでもなくなってきています。やっぱり、一歩一歩、なぜ必要なのか、なぜそんなことが、私有財産に公的に助けるということがなぜ可能なのかということを、やはり、理論というのは回り道ですけれども、そういう論拠がないと政策は進まないので、そこを考えていく必要があるかなと思います。で、空き家活用としまして、ここに書いてあるようないろいろな事例が出てきてございます。
最後、時間がちょっとないんですけれども、地方再生について申し上げたいことだけ申し上げますと、地方に対する国の政策の枠組みが分配から自立、競争へ変わってきているということですね、一番重要なことは。九九年の地方分権一括法に始まって、そこにずらずらずらとあるのは、市町村合併があって三位一体の改革があって、いろいろあります。地方をどうするかということは重要な課題になっていますが、国が地方を平等に助けるという時代ではなくなってきていて、競争と自立ということになっている。ですので、地方に対する政府支援も、困っている自治体をどうするかというよりも頑張っている自治体を助ける方向に制度設計が変わってきている。これをどう評価するかということが重要かなと思います。補助金にしても、コンペ形式の補助金が増えたと思います。
で、地方移住促進、先ほどの御発表にもありましたが、地方移住を促進するということは国の方針として決まっておりますし、空き家を活用していくといういろんな事例も出てきております。
が、今申し上げましたように、国と地方の関係をどう考えるかというのは非常に重要でございまして、一例としまして、十年前の「地方消滅」というレポートと書籍があって、これ大変、結構話題になったと思うんですけれども、ここで何が問われたかということなんですけれども、時間があれですが、このレポートの中には、人口という国家の持続可能性、国土利用という国家のための資源配置、グランドデザインをどう描くかは国家戦略である、要するに国家の問題として論が立てられているわけで、ここで問われたのは、国が地方を支えるのか、国を地方が支えているのか、まあどっちか一方じゃないとは思いますけれども、そこをどう考えるかということ。
それから、このレポートで非常に重要だったのは、二十代、三十代の女性人口という指標で地方を評価している。ということは、やはり出生率ということで評価している。これは、あえて言いますと、国のために産む地方ということで評価している。かつて、地方をどう見るかというと、やはりもうちょっと経済的な指標とか多かったわけですけれども、今、国の政策は人口ファクターが非常に大きくなってきているということですね。これをどう評価するのかということですね。
それから、自治体半数の消滅可能性というのがこのレポートのショッキングな結論だったわけですが、ここでほのめかされたのは、消滅予定の自治体の再生は可能なのか、そこに分配、投資するのかということが問われたのだと思います。実際に幾つかの地方では、一生懸命地域おこしをやっていたんですけれども、この本でうちの自治体は消えるらしいということが書いてあって、急に何か元気なくなっちゃったとか、そういうことがあるわけですね。
なので、最後に申し上げたいことは、自立、競争のレジームということにこの二十年変わってきたわけですけれども、少数のグッドプラクティスがあちこちで紹介されているわけですけれども、実のところ、なかなか衰退が止まらない地方もたくさんございまして、その困っている地域を助けるのかどうか、頑張っている地域に目を向けるのか、何かその辺が国政には問われているように思います。
時間が過ぎてしまいました。以上です。どうも。
この発言だけを見る →私の方からは、空き家と地方再生ということでお話ししたいと思います。(資料映写)
私は、ずっと住宅問題、住宅政策を勉強、研究を重ねてきた者です。ふだんは主に大都市がどうなっているかということにどうしても目が行きがちなんですが、今日は空き家と地方再生ということでお話しさせていただきます。
今日お話しする内容はここに示しておりますとおりで、空き家が今どういう実態になっているかということをお話しした後に、それを地方再生の話に結び付けたいと思います。
まず、事実認識からですが、日本の住宅問題は、もう御承知だと思いますが、とにかく住宅が足りないというところから住宅政策が始まっております。終戦直後、四百二十万戸不足というのが政府の発表の数字でありました。空爆で家がなくなってたくさんの方が外地から帰ってくるということで、とにかく家が足りないからたくさん住宅を造るのだというシステムをつくったというのが戦後の日本であります。
ところが、二十一世紀に入りまして住宅が余るようになってきて、要するに、住宅をたくさん造るというシステムをとにかくひたすら頑張って頑張って住宅を建ててきて、気が付くと、ここに書いてありますように空き家数が八百四十六万戸、空き家率が一三・六%ということになっております。四百二十万戸不足から八百四十六万戸余っているというようなことになっておりますので、やはり非常に大規模な変化があったと見るべきだろうと思います。
この空き家の内訳が重要でございまして、今空き家は増えて大変だという話が多いわけですが、なかったらないで困るわけですね、誰も引っ越しできなくなりますので。そういう意味では空き家は必要なのですが、その内訳が重要でございまして、賃貸用が半分あって、売却用、二次的住宅が少しありますが、問題は、ここにありますその他の空き家、四一%、三百四十七万戸でございます。何に使うのかよく分からない、お持ちの方が、これ、自分でも何に使うのかよく分からずに持っているという空き家が四一%、三百四十七万戸ございます。このその他空き家がやはりこれからどうしていったらいいのかということの焦点になりますが、国交省の推計では、二〇三〇年には四百七十万戸に増えるだろうということでございます。また、腐朽、破損のある住宅というものを統計から調べますと、全体の、日本の全住宅の六・四%に腐朽、破損がございますが、その他の空き家では二八・八%、やはり傷んでいるものが多いということが分かります。
次に、空き家の分布を見たものがこれでございますが、空き家率の上位十県並べますとこういう感じになっておりまして、このうち、一位の山梨、三位の長野は別荘も結構あるので、実態はちょっと本当にこれが全部空き家なのかどうかという点は留保が必要かもしれません。ただ、山梨県さんは、空き家が非常に増えて大変であるということを知事御自身がおっしゃっていたかと思います。この山梨、長野を除きますと、和歌山、徳島、高知、鹿児島、愛媛ということで関西に結構集中しているという印象。特に、四国でしょうか、四国全体の空き家率が非常に多いのかなというふうに思います。
ただ一方、大都市でも、じゃ、大都市は空き家がないのかといいますとそうでもなくて、首都圏の地図をそこに示しておきましたが、やはり周辺部、首都圏の周辺部の集合住宅に限って、その下の地図でございますが、統計を見ますと空き家率が二五%を超えると。周辺部で集合住宅というとやっぱり需要が少ないためでございましょうが、二五%というと四軒に一軒が空き家ですので、大都市圏だから空き家問題がないということではございません。
それに、また、東京のど真ん中の辺りですね、少し黒くなっておりますが、杉並、世田谷の辺りでございますが、大きな、ぱっと見た目立派な住宅で何の問題もないように見えるんですが、そこにお年寄りが一人で住んでおられたり、お亡くなりになって空き家になっているのが実は外から見たらよく分からない。ただ、申し上げたいことは、大都市の立派な住宅地でもそういう傾向が出てきているということでございます。
続きまして、じゃ、空き家がなぜ増えたのかと。
やっぱり原因が分からないと対策を打てないわけでございますが、一つ一番重要なのは、住宅の大量建設のシステムをつくったということです。先進国の中で欧米に次いで日本は近代化したわけですが、欧米の住宅政策に比べまして、日本はやはり住宅をとにかくたくさん造るという体制をつくった点で非常に特徴的だったろうと思いますし、それが韓国、中国に移っていったということでございますが、とにかく住宅をたくさん建てる。
その理由は、一つは、先ほど申しましたように元々住宅が非常に足らなかったということ、それと、一九七三年のオイルショックを契機にしまして、住宅建設が景気対策の柱になったということがございまして、景気が悪くなるたびにひたすら建てるということをやってきたということがございます。
それから二点目に、その話の裏返しで非常に重要なことは、既存住宅市場、これ、かつて中古住宅市場と言っていましたが、言葉の感じが悪いということで、今、既存住宅という言葉を使いますが、既存住宅市場が未発達だということでございます。そのための制度をつくってこなかったという点が重要ですね。
それから、これはもう御承知のように、人口が減り始めました。人口が減りましても、世帯が増えておりますと住宅は必要なのでまあ大丈夫かなということだったんですが、二〇二〇年代、もう今現在ぐらいでしょうか、世帯数自体が減り始めているということで、ますます空き家が増えるだろうと。
それから、人が都市部へ動くのであれば空き家が増えるというようなことになります。人がじっとしていれば空き家にならないわけですが。
それから、後でも触れますが、新しい重要な要因は、住宅の相続が非常に増えていて、相続された住宅が空き家になるというようなメカニズムがだんだん分かってきているということですね。
それから、空き家対応システムとして政策、制度ようやく動き出してはおりますけれども、これがまだ始まったところだということであります。
こういった複合的な要因で空き家が増えているということでございます。
そこに載せておりますグラフは新築着工の数ですね。高度成長期、とにかくどんどんどんどんどんどん住宅が増えて、オイルショックでがたっと減って、あと、凸凹しておりますのは、景気が悪くなると住宅が減って、それで空き家対策で住宅建設を促進するので、凸凹があってだんだん減っていく、減ってはきているというようなグラフでございます。
次に、空き家の所有の実態。じゃ、空き家は、所有の実態どうなっているのか。マクロには空き家が幾らあるかというのは分かるんですけれども、所有の実態を国交省の調査から御紹介しますと、じゃ、なぜ空き家をお持ちなのかというと、五五%が相続で、相続した住宅を空き家にしているということでございます。
それから、今後どうするかということなんですけれども、空き家のままにしておくという方が二八%ございます。これも後で触れるかもしれませんが、いろいろ聞いておりますと、やはり一番お困りなのは片付けられないということのようです。後でも触れますが、地方の空き家を都会に住んでおられる方が相続するケースで、その地方の住宅を、物すごい量の荷物があって、親御さんがため込んだものをこれどうするのかということで途方に暮れているということで二八%あるということですね。
それから、賃貸、売却できないと。空き家が不要であれば売ったり貸せばいいわけですけれども、特に、先ほど申しましたように地方で空き家率が高いわけですが、借り手、買手が少ないというのがやはりお悩みの方が多いということです。
空き家にしておく理由は、物置として必要というと本当に必要なようですが、さっき申し上げたように、片付けられないという理由が物置として必要だということで六割になっております。
それと、もう一点重要なのが、あと解体費用を掛けたくないということで、やはりお金が、一生懸命お金を、一生懸命というか、お金をたくさん使って建物を除去するだけ、なかなかお金がないし、あっても使いにくい用途なのかもしれないというふうに思います。
今注目すべきは、住宅相続が増えているということがあろうかと思います。住宅相続が増えている要因の一つ目は多死社会ですね。超高齢社会というのは亡くなる方が非常に増える。毎年百六十万人強の方がお亡くなりになる多死社会の形成を迎えることになります。すると、相続が増えます。
それから、親世代が、戦後の日本の住宅政策は、持家を所有してもらおうという政策を中心にやってきたものですから、かつては、例えば五、六十年前ですと、親が亡くなっても親が家を持っていないという方が非常にたくさんおられたわけですが、現在の親世代は持家率が八割、九割ございます。なので、必ず住宅の相続が発生するということ。
それから、子世代では、兄弟姉妹が少なくなっておりますので、住宅相続を経験される次の世代が非常に多いということですね。住宅相続というものが非常に普及した、普遍化したということが非常に、昔はそんな、何といいますか、誰でも経験することではなかった。ところが、今はほぼ誰でも経験するようなことになってきているということです。
それから、もう一つ住宅相続で重要なのは、相続というと、勘違いで、若い人たちに相続されて若い人たちの役に立つんだよねというイメージがあるとしたら、それは非常に事実と違いまして、今は寿命が延びておりますので、相続される方がもう既に高齢者だという場合が多くて、住宅の資産というのは物すごい高齢者から次の高齢者に相続をされていて、実は高齢層の中でぐるぐるぐるぐる不動産が回っているだけなんだという点を見逃してはならないかなというふうに思います。
それから、住宅の相続に関しまして、二〇一七年、ちょっと古いですが、これは私がオリジナルで調査をしたものなんですけれども、住宅相続にもいろいろ階層性があるということが重要でございまして、まず、相続した住宅に自分で住んでおられるという方は自己居住四三%で、付加住宅というのは、自分が住んでいる以外に持っている住宅を付加住宅と申しますが、相続住宅を付加住宅にしておられる方が五六・三%おられます。そのうち二八・八%が空き家になっているということです。ですから、相続してもどうしていいか分からないという方がかなりおられるということですね。
それから次に、所得階層との関係で見ますと、低所得の方が相続しますと自分で住むという方が六割超えるんですが、逆に、高所得の方は賃貸住宅として貸しておられるということが分かります。
次のこのグラフが重要かなと思うんですが、この左に、現住都道府県、現住都市圏云々とありますが、これは相続した方がどこに相続住宅をお持ちかということです。これ、非常にグラフが違うんですけれども、現在住んでいる都府県で住宅を相続した方は自分が住んでいたり賃貸住宅で貸したりして何かの役に立っているわけですが、相続した方の住んでいる都市圏より遠いところの住宅を相続した方というのは空き家率が四三%になるということですね。先ほど触れましたが、都会の方が地方の住宅を相続した場合、空き家としておく以外にどうしようもないというような辺りを見ておく必要があるのかなと思います。
こういった問題に対しまして、新たな制度対応は既に始まっておりまして、ついこの間できたところでしょうか、相続した土地を使い道ない場合は国庫に帰属させる制度というのが始まりました。ただ、これも、建物を除却して空き地にしなければならないとか管理費用を納めなければならないとか、いろいろハードルはあるというふうに言われておりまして、この制度がどこまで役に立つかということを見ておく必要があると思いますし、重要なことは、地方の方でこういう空き地、空き家をどういうふうに地方の自治体として活用していくのかという計画を持った上でこういったものを公共のところに戻していくのかということが重要だろうというふうに思います。
それから、相続登記の義務化が始まっております。これも非常に重要なことでございまして、もう御承知のように、住宅を誰が所有しているのかよく分からないという土地が物すごくたくさんございますが、これは相続登記をされていなかったというのが大きな原因でありまして、これは一歩前進だろうと思います。
東北の震災復興のときに私も仕事で行きましたら、もう誰の土地かが全く分からないというところから仕事をしなきゃいけなかったので非常に大変だったというふうに聞いております。
次に、先ほど申しましたように既存住宅市場というものが非常に重要で、住宅が流通する仕組みがないので空き家が増えるという点に注目しておく必要があるだろうというふうに思います。
この点で、日本ではずっと、先ほど申しましたように、景気対策として新築住宅を建てるということをやってきまして、新築住宅を建てることが経済に非常に刺激要因になって良いのだという考え方が染み付いていると思うんですけれども、もう既に時代はそれは違うことになっているということについて若干触れたいと思います。
そこに国際比較の表がございますが、着工戸数御覧いただきますと、日本では着工が減っておりましても、英、米、フランス、ドイツに比べてまだまだ住宅建設の戸数は多いということが分かります。例えば、ドイツでは千人当たり一・九戸しか建てていないところ、日本では八・三戸建てています。ところが、住宅投資額を御覧いただきますと、千人当たりの投資額は日本は一番低いわけですね。一番たくさん建てているのに住宅投資は一番少なくなっている。これは、新築重視の住宅経済が実はもう小さい効果しか生まないんだということです。
では、どうなっているのかと、どういうことかと申しますと、日本はリフォーム投資、ストックの流通率も格段に低いわけですね。ヨーロッパではもう新築住宅等が非常に少ないわけですけれども、皆さんが常に住宅に投資しておられます。自分の住宅を年がら年中修繕しておられるわけですね。
なぜかといいますと、既存住宅市場が非常に大きい、で、自分が住んでいる住宅はいつでも市場に出せるようにしておくと。市場評価を得るために自分の住宅に投資し続けているという経済で、トータルで見ると日本よりも大きな住宅経済になっている。日本はいまだに景気対策として住宅ローン減税、まあ重要だとは思うんですけれども、新築住宅を建てることが住宅経済の刺激になるということなんですけれども、そうじゃなくて、既存住宅の住宅市場をつくることが経済にもいい効果を、持続可能な大きな経済をつくるし、空き家流通にも役に立つということを指摘したいと思います。
それと、住宅の寿命が日本では短いということをよく言われておりますが、これもだんだんだんだん改善はしてきていますが、まだ少ない。
それから、政府も、ストック重視、既存住宅重視の住宅政策への転換ということで、ここに挙げましたようなことをいろいろやっておられますが、ただ、先ほど述べましたように、既存住宅の流通量、国際的にはまだまだ非常に低い水準にあって、実は、それはなぜなのかということがまだ完全には説明されていないように思います。ここの原因、既存住宅市場がなぜ成長しないのかということの解明をしていかないといけないと思います。
ただ一つ、若干変化を見せていますのは、若い方々で新築信仰を超えるような動きが出てきております。若い方は、やっぱり戸建て、一戸建てよりも都心の集合住宅、新築じゃなくてもリノベーションでいいですよと、大きな住宅じゃなくてコンパクトでいいですよという方が増えているように見えます、なかなか実証的なデータはないのですが。
それから、かつての応接間、仏間、座敷というものが住宅の新しいプランからは何かだんだんだんだん消えているように見えます。ただ、これも地方性がございまして、例えば北陸の方に行きますと、やはり仏間は必要だとかいう方ありますけれども、若い方はそこまでこだわっていないかもしれないということですね。
それから、所得が先行き不透明ということもあって、昭和時代、私の親世代というのは、郊外に大きな家を建てて家族をやって子育てをするというのが非常に重要なことだったと思うんですけれども、次の世代は多分違う形で夢を持つのではないか。それがどういったものかということを見ないといけませんし、二十世紀後半の一戸建て住宅というのは物をいっぱいとにかく買い込むということがあって、物がたくさんあるということが、やはり戦争を経験した私の父親の世代なんかには物をいろいろため込むというようなことが大事だったように思います。
私の家なんかも、例えば書物とかレコードとか、もう家がいっぱいなんですけど、今の若い人たちはこれ全部データで持っていますから、大きい家は必要ないかもしれません。それとか、昭和時代というのは、皆さん百科事典をいっぱい必ずそろえたんですけれども、あれも誰も読まないと思うんですけれども、本当大変な作業で作った百科事典かわいそうだと思うんですけれども、これも今はもうDVD一枚で済む話ですので、やっぱり、だからどういう住宅に住みたいのかということが変わってきているのかもしれない。そこをつかまえて空き家対策をしていく必要があるだろうと思います。
これはURさんがおやりになった古い団地の修復で、こんな感じで、若い方にも来てほしいよねというようなことをやっておられます。
時間があれですね。空き家対策の構築ということも始まっておりますが、要するに、使えない、もうどうしようもない空き家は除却する、使えるものは手を入れて使うということを仕分して、だから、空き家全部が必要だとか空き家全部が不要だということにならない、きちっと仕分をしていかないといけないわけですね。
空家対策特措法、昨年改正になりまして、空き家活用、それから空き家活用として空家活用促進区域を指定して活用していくということと、管理不全、特定空家を指定して、指導、勧告、命令、それから代執行までやれるというところに踏み込んでいるということが極めて重要だろうと思います。
この点、最後の点で若干付け加えますと、研究者的には非常に興味がありますのは、私有財産に公的支援が踏み込まざるを得ない場面が非常に増えていて、これはどういう論拠で可能なのか、理論として成り立つのかどうか、これなかなか難しい問題です。空き家とか高経年のマンションですね、これが二、三十年後大問題になります。
それから、被災地の住宅再建、これにかつては税金を使うことに非常に抵抗がありました。今はそうでもなくなってきています。やっぱり、一歩一歩、なぜ必要なのか、なぜそんなことが、私有財産に公的に助けるということがなぜ可能なのかということを、やはり、理論というのは回り道ですけれども、そういう論拠がないと政策は進まないので、そこを考えていく必要があるかなと思います。で、空き家活用としまして、ここに書いてあるようないろいろな事例が出てきてございます。
最後、時間がちょっとないんですけれども、地方再生について申し上げたいことだけ申し上げますと、地方に対する国の政策の枠組みが分配から自立、競争へ変わってきているということですね、一番重要なことは。九九年の地方分権一括法に始まって、そこにずらずらずらとあるのは、市町村合併があって三位一体の改革があって、いろいろあります。地方をどうするかということは重要な課題になっていますが、国が地方を平等に助けるという時代ではなくなってきていて、競争と自立ということになっている。ですので、地方に対する政府支援も、困っている自治体をどうするかというよりも頑張っている自治体を助ける方向に制度設計が変わってきている。これをどう評価するかということが重要かなと思います。補助金にしても、コンペ形式の補助金が増えたと思います。
で、地方移住促進、先ほどの御発表にもありましたが、地方移住を促進するということは国の方針として決まっておりますし、空き家を活用していくといういろんな事例も出てきております。
が、今申し上げましたように、国と地方の関係をどう考えるかというのは非常に重要でございまして、一例としまして、十年前の「地方消滅」というレポートと書籍があって、これ大変、結構話題になったと思うんですけれども、ここで何が問われたかということなんですけれども、時間があれですが、このレポートの中には、人口という国家の持続可能性、国土利用という国家のための資源配置、グランドデザインをどう描くかは国家戦略である、要するに国家の問題として論が立てられているわけで、ここで問われたのは、国が地方を支えるのか、国を地方が支えているのか、まあどっちか一方じゃないとは思いますけれども、そこをどう考えるかということ。
それから、このレポートで非常に重要だったのは、二十代、三十代の女性人口という指標で地方を評価している。ということは、やはり出生率ということで評価している。これは、あえて言いますと、国のために産む地方ということで評価している。かつて、地方をどう見るかというと、やはりもうちょっと経済的な指標とか多かったわけですけれども、今、国の政策は人口ファクターが非常に大きくなってきているということですね。これをどう評価するのかということですね。
それから、自治体半数の消滅可能性というのがこのレポートのショッキングな結論だったわけですが、ここでほのめかされたのは、消滅予定の自治体の再生は可能なのか、そこに分配、投資するのかということが問われたのだと思います。実際に幾つかの地方では、一生懸命地域おこしをやっていたんですけれども、この本でうちの自治体は消えるらしいということが書いてあって、急に何か元気なくなっちゃったとか、そういうことがあるわけですね。
なので、最後に申し上げたいことは、自立、競争のレジームということにこの二十年変わってきたわけですけれども、少数のグッドプラクティスがあちこちで紹介されているわけですけれども、実のところ、なかなか衰退が止まらない地方もたくさんございまして、その困っている地域を助けるのかどうか、頑張っている地域に目を向けるのか、何かその辺が国政には問われているように思います。
時間が過ぎてしまいました。以上です。どうも。
福
田
田口太郎#14
○参考人(田口太郎君) ただいま御紹介いただきました徳島大学の田口と申します。
地域づくり、住民協働という立場でお話をさせていただきたいと思います。(資料映写)
まず、自己紹介ですけれども、私は、バックグラウンドとしては建築の都市計画の出身で、ただ、ハードではなくて、ハード、ソフト両面から市民を中心とした町づくりの研究みたいなことをしたいと思っております。今日は徳島から参っておりますけれども、徳島の小さな、実は私、八年前に小さな農村に移住をしまして、今、平山先生からあったとおり、若い人ではなかったかもしれないんですが、築九十年の古民家をリノベーションして今生活をしていると。十一世帯の集落で、私より若い人はうちの家族だけというところで生活をしております。
この生活をしてみてすごく気付いたことは、それまでは、都市部からフィールドワークとして地域に入っていっていろんな研究をしてきてそれを発表してきたんですけれども、やっぱり外から入るとどうしてもキーパーソンにしか出会えないという問題が実はあって、実際に生活をしてみると、キーパーソンが語る地域づくりの現状と実際の生活者の普通の人の地域の状況というのに大分乖離があるなという印象も実はありまして、やっぱりその辺りをもうちょっと丁寧に見ていかなくてはいけないんじゃないかという問題意識の下に、結構そのコミュニティーの意識みたいなことをすごく大事に、あるいは、いろんな国の動きがありますけれども、居住者側の視点でどう見えているかということをすごく大事に私はふだんの研究をやっております。
まず、今回私にお声掛けいただいたことの一つにコミュニティーの変遷について話をしてほしいということだったんですが、よくコミュニティーというと、地縁型コミュニティー、あるいはテーマ型コミュニティー、あるいは血縁型コミュニティーということを言っているんですが、実は、かつてはその地縁型コミュニティーというものが地域の中核にあって、全員参加で活動し、その利益を全員で受容するということが一般的だったのが、最近は結構、町内会に加入するのかしないのか問題というのがあるように、町内会でも価値観の多様化が、多様化しているので、地域活動を何でしなきゃいけないんだということを声高に叫ぶような人たちが出てきていると。
そうすると、その人たちは、実はその地域活動をしてくれている人のおかげで治安が守られていたり衛生面が守られたりいろんな利益があるんですけれども、その利益を享受はしている、だからこれはフリーライドだというような批判が起こってきてしまっているというのが、町内会どうするんだ議論ではよくあるんですけれども。
ただ一方で、これを無理やり地縁コミュニティーに組み込んでいくというのは余り現実的ではないですし、じゃ、そこで頑張っている方々って、そんなにフリーライドの人たちに対して目くじら立てて怒っているかというとそうではなくて、結構自己実現みたいなところで冷静に判断しているなという気がしておりますし、あるいは、最近NPO等いろんな担い手が出てきておりまして、彼らは、自分が住んでいない地域の公共的な利益に対してもいろんな活動をしていると。
ですから、今まで、住んでいる人たちが、受益者が負担をするべきであり、負担者が受益をするべきであるという議論だったんですが、それが必ずしも行って来いの関係にはなっていないという現状があるのかなというふうに理解をしています。
ですので、これは、都市部ではこういうことが多くて、じゃ、農村部はいまだに地縁型だということ多いんですけれども、私、実際農村で暮らしていても、農村でもこれかなり広がっているという印象です。特に三十代、四十代ぐらいの若手世帯だと、例えばお祭りには参加しないとか、あるいは、私住んでいる自治体は常備消防がないので消防団の活動がすごく大事なんですけれども、消防団活動出てこないとかですね、やっぱりそういうようなことが多々起こっております。
こうなってくると、やっぱり、だからといって、彼らを強制的に参加させるというわけにはいかないので、このコミュニティーがどんどん変わってきて、今地縁コミュニティーを支えているという人たちは、地縁コミュニティーを大事にしたいというテーマコミュニティーになっているというのが現実的なところかなというふうに私としては理解しております。ですので、この辺りを今後どう考えるかですね。
じゃ、テーマコミュニティーは良くないのかというとそうではなくて、個人個人の単位でいうと、なかなか、いろんな趣味とか考え方が多様化しているときに、やっぱりどうしても地域にいると自分と同じような考え方を持った人が少ない中で、テーマコミュニティーとかSNSが広がったことによってそういう人たちにとっても居場所がどんどんでき上がってきたという面でいうと、すごく意味があったのかなというふうには思っています。
ただ、何でこれを申し上げたいかというと、先ほどの平山先生の議論にもあったとおり、基本的に、今、日本の地方の政策というのは、いかに人口を確保するかということに物すごく比重が置かれていて、人口減少が地域課題の一丁目一番地だとなっていると。人口を増やせば何でも解決するんだという雰囲気があるんですけれども、実際住んでいる人の中身というのはこれぐらい変化しているにもかかわらず、これも恐らく、人口が増えればいいというのは全員参加型コミュニティーというのが前提に立ってしまっていて、これをもう一度考え直さなくてはいけないんじゃないかということが私の基本的な考え方です。
これは、まち・ひと・しごと創生本部の会議に出ていたときにすごく感じたことなんですけれども、施策と人口の関係ということが全く整理されていないという現状があるからだと思っています。例えば、経済産業施策なんかで人口を捉えるときというのは、商圏人口であったり労働力人口であったり、そういうようなことが中心になっています。ただ、商圏人口ということをよく言うんですけれども、今我々のライフスタイルというのはどんどんインターネットにシフトしていっているということもあって、特に物販に関しては商圏人口という概念自体が今後成立し得なくなってくるんじゃないかという話もあります。
あるいは、労働力人口に関しては、これも先ほどの両先生からも話があったとおり、移住者と地域の仕事というのがマッチしないとか、あるいは、よく若年女性の流出が問題だという話になるんですけれども、これ、他方、言い方を考えると、若年女性のキャリアが相当上がってきていると、だからいいことなんではないかというふうに考えられるんですよ。ちょうど高度経済成長のときというのは、若年男性のキャリアがすごく上がって大学進学率が上がるわけですね。その結果、都市部に出ていって、いわゆるホワイトカラーというような職種に就いていっていたと。今地方にあるのが、どうしてもやっぱりそういった職種が少ないということもあるので、なかなかそこに人手が足りないという話になってくると。そこは、先ほどの石田先生の話にもあったとおり、外国人労働力がかなりそこを支えているという印象がございます。
それに対して、じゃ、地域振興という立場で見たときに、やっぱり担い手をどう確保するか。だから、単純に人が住んでいれば担い手になるかというと、やっぱりそこの人の価値観であったり、あるいは地域の人たちとの信頼関係であったり、そういったこともあるにもかかわらず、やっぱりここに対して十分な考え方というのができていない。
ですから、とにかく、例えば、今移住という政策が各地で進められていますけれども、結局、人をたくさん集めるということに注力されているわけですね。ただ、その人がどういうタイプの人なのかによって、地域にとって、どういう地域になっていくかって大分変わってきてしまうんですね。この辺りの議論が明らかに欠落してしまっているというのが今地方の移住に関してはちょっと問題があるかなというふうに思っていますし、就農という話もあったんですが、これも、やっぱり地域で長らく農業をやられてきた方の農業のやり方と移住者が好む農業のやり方がちょっと違うということもあって、その辺りの関係性というのがなかなか崩れているということもあります。
他方、自治体の皆さんと話していると、やはり地方交付税の算出根拠であったり、最近だと森林環境税の算出根拠としての人口というのがすごく効いてくるという話があって、そのために人口が必要だという意見があるんですが、これは、私としては、研究のためというか、これはもう単純に税の再分配の問題であったりするので、余りここは論じないというスタンスでふだんは考えております。
じゃ、地域の人たちがどうして衰退感を抱えているかということを簡単に申し上げると、これはよく私が出している図なんですけれども、一番下の曲線というのは人口です。で、人口が、真ん中にある曲線ですね、人口というのは二次曲線的に減っていくんですが、昔は人の数が担い手の数だったんですけれども、今は、価値観が多様化することによって、人口より実際の担い手の数は少ないという状況に陥っていると。ただ、じゃ、人口が減ると同時に、地域の維持に必要な労力ですね、そういったものが減っているかどうかというと、同じようには減ってくれない。
かつては、これは多かったというふうに思っています。例えば、田舎に行くと、お祭りの山車の上で太鼓をたたけるのは長男だけだったとか、抽せんで選ばれた子だけだったとか、あるいは、いまだに、集落の出事みたいなこと、集落作業というと一世帯一人出てくればいいという話が一般的なんですけれども、恐らくこれも、人が割と多かった時代に分かりやすいフィルタリングの方法であったというふうに解釈できるかなと思っています。ところが、今は、この地域の維持に必要な労力を実際の担い手の数が下回ってしまっていると。
じゃ、どうして地域は存在し得ているかというと、今、この少ない人たちが過剰に頑張っているという現実があるからだというふうに思っています。例えば、自治会の役員の任期みたいなものがすごく延びているとか、もっと、大きな消防団とか、今の多分、若手の消防団は、恐らく退団するめどが立っていないというのが現状だと思います。ほとんどアリ地獄状態になってしまっているので、この辺りがすごく衰退感につながっている。こういう状況を見ていると、若い人たちがますます担い手から距離を置くということも起こってしまうので、この辺りをどう解消するかということがすごく大事なポイントかなというふうに思っております。
今、自治体がいろんな施策打っている現実があるんですけれども、これ、地方創生とかで言われている施策というのが、生活者のレベルでいうと、ほとんど今、無関心化しているという状態が起こっています。これ単純に言うと、いろんな町づくりの取組あるんですが、これ、心理学のマズローの欲求段階と地域の行動動機みたいなものを比較して考えると、上の方が価値創造型の取組です、新しいことを、事おこしをしていこうというもの。下の方は、どっちかというと、今困っていることを穴埋めしていこうということが多いんですけれども、何となく、自治体の施策で多いのは、上の取組が圧倒的に多いんです。例えば、新しい移住者と一緒にカフェをやろうとか、六次産業化を進めていこうとか。
何でこれに対して地域の人たちが無関心になってくるかというと、地域の人たちが困っているのはもっと下の部分なんですね。例えば、移動の問題どうするんだとか、買物の問題ってどうするんだ。この辺りにほとんど手だてが行われずに、上の方の取組ばかりに今、残念ながら地方創生のお金の大半がそっちに流れてしまっていると。これは、政策の問題と同時に、マスコミがそっちばっかり報道するという問題も当然あるんですけれども、ただ、これが、地域の人たちの自分たちの生活が良くなる実感と地方創生で行われているいろんな施策のずれみたいなものがあって無関心化を呼んでいるなという印象がすごくあります。
では、地域をどうしていかなくちゃいけないかというときに、私、最近、自治の空白という言葉を多用するようにしているんですけれども、基本的には地域づくりというのは自治の再生だと思っています。自治というのは自分たちで自分たちの地域をどう運営していくかという力ですね。かつては行政による団体自治と住民による住民活動というのが両方力を持っていたので、ある程度オーバーラップをして、どっちがやるんだという、両方やっていればいいという話はあったんですけれども、自治体は今どんどん財政が苦しくなってきて縮小していると。住民は少子高齢化で縮小していると。で、今ここの間に隙間が生まれてしまっているというのを私は自治の空白と呼んでいます。
例えば、かつては潤沢に行われていたような公共サービスが少しずつ減っているとか、あるいは道路の草刈りが年三回やっていたものが一回になってしまったとか。こういったようなことによって景観が少しずつ悪化していて今の現在があると。ただ、この隙間というのは今後増えるしかないというのが現状としてあって、住民の皆さんは、この隙間の感覚ですね、この喪失感みたいなものを強く感じていらっしゃると。この隙間が埋まらない限りは地域は良くならないわけで、いろんな施策は、じゃ、この隙間をどう埋めるということに役立っているかどうかというところがどうしても抜け落ちてしまっているという現状があるかなというふうに思っています。
具体的には何なのかというと、そもそもこの全体のパイみたいなものが本当にこれだけ必要かどうか、人口が減っていく中でこれだけのことを今やり続けなきゃいけないのかということも一方で議論する必要があります。例えば、今農村に行くと非常に、これは田畑の区分所有が行われているということも一因ですけれども、非常に非効率で耕作放棄が起こっていると。ですので、ここをある程度集約化させて効率よく自然に返していくというような議論も当然必要ですし、今まであちこちでやってきた祭り事ですよね、地域のいろんな行事みたいなものを少し棚卸ししていくということも一方で必要かなというふうに考えております。
じゃ、それだけで埋まるかというと、埋まらない。じゃ、そこはどうするかというと、ICTの活用というのも一つあるのかなと。例えば、高齢者の見守りみたいなものを、かつては集落で、黄色い旗運動といって朝起きたら黄色い旗を掲げましょうみたいなことをやってきましたし、それがちょっと、デジタル化をしようというと、ポットのスイッチが押されたかどうかということを考えようという話がコロナ前はあったんですけれども、いまいち地域に普及していかないというのは、恐らく顔が見えないからということが大きかったと思います。
ところが、コロナによって、結構、地域のおばあさん方にもLINEが普及したという現実があるかなと思っています。こうやって、言ってしまうと、こういったテレビ会議システムみたいなものが末端の居住者にまで普及していくとなってくると、この見守り機能みたいなものはこういったものを利用していくということも一つあり得るのかなと。高齢者では無理ですよという議論をよく聞くんですけれども、いやいや、でもコンピューターよりタブレットの方がはるかに扱いはしやすくなっているので、こういったことを模索するということも一方で大事なことかなというふうに考えております。
先ほどから話題になっている移住者であったり関係人口という話も、これも今の関係人口の議論ということをすごく僕が懸念していることは何かというと、ほとんど都市側の議論として行われていることです。都市側の人たちが自分たちのQOLを高めるために農村とも関わりたいであったり、あるいは農村に観光に行くだけでは物足りないから地域の人たちと交流したいと。ただ、それによって交流させられる側の地域の論理というのはほとんど考えられていないわけですね。
一方で、じゃ、地域は人手がないかというと、人が足りないわけで、だったら、自分たちにとってどういう人たちとつながっていくかということを考えた上で、そこにフィットするような人たちとのコミュニケーションを取っていくということが必要かなというふうに考えています。
幸いに、これ、DIDから農村、農業集落への距離というのを農林業センサスで調べてみると、今九割ぐらいの自治体が一時間以内でDIDに到達できるんですね。だから、例えば、私が今十一世帯の集落で生活をしていますが、高齢化率でいうと七〇%ぐらいですけれども、そこから私、今職場までの通勤時間三十分です。
こういった暮らしが幾らでもできちゃうのが地方の一つのメリットでして、にもかかわらず、自治体という枠をはめた瞬間、人口減少だと、仕事がないという話になるんですけれども、もっとネットワーク型のライフスタイルというか、移動するライフスタイルということを前提に捉えていいんじゃないかということの問題提起も申し上げておきたいと。
そこで、じゃ、地域の人たちとの新しい担い手として関係人口ということが盛んに言われるんですけれども、関係人口というのも、今までは、都市側の論理じゃなくて地方側の論理でいうと、例えばそこから出ていった子供たちとか、あるいはそこに住んでみたけれども移住し切れずに出ざるを得なかったような人たちというのはある程度信頼関係ができていますので、そういう人たちと継続的に付き合っていく。
例えば、先ほども話に出た地域おこし協力隊という人たちが地域へいっぱい入っていますけれども、あれも今、定住率というものがすごく評価軸になっています。ただ、定住しなくたって、東京にいて地域の宣伝をいっぱいしてくれる人はいっぱいいますし、だから、何か地域に定住しなければ失敗かというと、そんなわけではないんですよね。むしろ地域から出ていった転出者の人たちの方が地域との関係づくりは非常に上手だったりしますので、こういった人たちにもっと注目するべきですし、いかに出ていった人たちはその関係人口の枠内にとどまってもらえるかどうかということが一つ地域が問われていることかなというふうに思っています。
こういうことを考えていくと、これは私がネットワーク型自治という言葉で呼んでいるものなんですけれども、今までその地域の住民だけでいろんなことをやっていこうというような考え方から、地域の外に出ていった人とか地域の外の信頼できるような人たちとどういうネットワークをつくっていくか。
これはよく関係人口論で言われるんですが、この関係人口の一つ大きなポイントというのは、誰でもいいというわけではなくて、ここに、実は関係人口の語源としては、かつて交流人口という言葉があり、もうちょっと根っこでいうと、一九八八年に磯村英一さんが信託市民という言い方をしているんですね。ここで信託という言葉がすごく大事だと思っていまして、この信じて託するというような関係性のネットワークというものを地域がどれだけ持てるかどうかということが今後問われているのではないかというふうに私は考えております。
こういうことをやりながら、ネットワーク自治というものをどう高めていくか、つくっていくかというのはこれから地域に課せられていること。だから、どうしても地方創生でジリツというと立つという字が使われているんですけれども、今、独立的な地域づくりというのは現実的ではなくて、地域の中がその周りの人たちをいかにコントロールしながら、だから律するという字を使うべきで、そちらのような地域づくりをどう進めていくかということが必要かなというふうに思っています。
その上で、じゃ、地域において何が必要なのか。ただ人を集めればいい、先ほど受援力というお話を石田先生してくださいましたけれども、地域の自治をするときに企画機能と実行機能という二つで自治力は規定できるかなというふうに考えていまして、実行機能というのは、今大学連携とか関係人口とかいろんな動きがあるので何とかなる気はするんですけれども、圧倒的に今落ちているものが企画機能です。自分たちの地域で今何が問題でどういうことを考えなきゃいけないのかというような企画機能がもう自治体のレベルからして非常に低下してしまっている。そこに、先ほど平山先生からあったように、頑張っている自治体にしかお金が行かないという状況があると、どんどんどんどんこの考える力格差みたいなものが地域の中で広がってしまっているという現実が非常にあるのかなというふうに思っています。
その上で申し上げたいことが、じゃ、実際地域に入ってみると、地域に入って新しい町づくりの例というとすごく美しいストーリーが語られるんですけれども、これはあくまで地域の中の上澄み的な前向きな人たちのストーリーであると。その裏側に九割五分ぐらいの無関心であったり普通の人たちの物語があるにもかかわらず、今いろんな施策というのは、このトップ層に対する支援施策に注力されているんです。
ただ、恐らく、地域を盛り上げていこうということを考えると、上を引き上げるというよりも下を押し上げるということの方が必要なんじゃないかということを是非申し上げておきたいと。この部分が、もっと言うと、上を引き上げるというのは、公共としては、支援するというよりも規制緩和をしてあげるといって露払いをしてあげた方がよかったかもしれない。にもかかわらず、下の方というのは今ほとんど手落ちになっていて目が向けられていないという現実があります。やっぱりそこのところを盛り上げていかないと、地域は最終的に上がっていけないんじゃないかというふうに私は考えております。
実際、昨年が、二〇二七年で、来年が、二〇二七年です、あっ、二〇二七年です。この年というのは、団塊世代が後期高齢者に入ってくるので、地域の、今まで集落は粘り強いと言われてきたんですけれども、この集落がいよいよ維持がかなり困難になってくると。ところが、ほとんど今までこの集落対策というのが、考える対策みたいなことが行われてこなかったので、気が付けばもう手遅れという集落がこれから続出してくるんですね。
これは非常に不幸なことだと思っておりまして、何をするべきかというと、やっぱり地域の状況に応じて今何をしなきゃいけないかということを自治体が集落単位で考えていくというようなことが必要ですし、少なくとも全ての集落に、自分たちの集落の今後のことを考えてその方向性を考える機会の提供というのが必要なんじゃないかということは最後に申し上げておきたいと思います。
例えばこれ、私が今一生懸命各地でやっていることなんですけれども、単純に集落の年齢構成の現在と十年後を比較してみるだけで、十年後の戦力がどれだけ低下するかということを簡単に視覚化することができます。これをやったところは結構問題意識を持って、自分たちの生活がどう変わるかということがイメージできますので、そこに対して対策が打てるんですけれども、こういう機会すらなく、気が付いたらもう全てじり貧になってしまっていたという地域がいっぱい出てきてしまっているという現状がありますので、是非、この辺りは施策として是非応援していただきたいなというふうに思っております。
最後ですけれども、今地域づくりというものがどうしても攻めのきらきらした施策に非常に偏っているところがあって、いま一度、福祉的な守りということを是非大事にしていただきたいと。
もう一つは、主体的に考える機会ということがすごく減っていて、今、国が一生懸命いろんな支援制度を用意してくれているがために、地方はそれに乗っかるばかりになってしまっているような傾向があって、自分たちにとって何が必要で何が不必要であるかということを考えるということを今ちょっと失いつつあるということが、これは、なかなか人材が不足していて、考えているだけの人的な余裕がないということも実際あるんですけれども、これも踏まえて是非考えていただけると、地域の主体的な戦略というのが作れていくんじゃないかなというふうに思っている次第です。
以上で私の発表を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
この発言だけを見る →地域づくり、住民協働という立場でお話をさせていただきたいと思います。(資料映写)
まず、自己紹介ですけれども、私は、バックグラウンドとしては建築の都市計画の出身で、ただ、ハードではなくて、ハード、ソフト両面から市民を中心とした町づくりの研究みたいなことをしたいと思っております。今日は徳島から参っておりますけれども、徳島の小さな、実は私、八年前に小さな農村に移住をしまして、今、平山先生からあったとおり、若い人ではなかったかもしれないんですが、築九十年の古民家をリノベーションして今生活をしていると。十一世帯の集落で、私より若い人はうちの家族だけというところで生活をしております。
この生活をしてみてすごく気付いたことは、それまでは、都市部からフィールドワークとして地域に入っていっていろんな研究をしてきてそれを発表してきたんですけれども、やっぱり外から入るとどうしてもキーパーソンにしか出会えないという問題が実はあって、実際に生活をしてみると、キーパーソンが語る地域づくりの現状と実際の生活者の普通の人の地域の状況というのに大分乖離があるなという印象も実はありまして、やっぱりその辺りをもうちょっと丁寧に見ていかなくてはいけないんじゃないかという問題意識の下に、結構そのコミュニティーの意識みたいなことをすごく大事に、あるいは、いろんな国の動きがありますけれども、居住者側の視点でどう見えているかということをすごく大事に私はふだんの研究をやっております。
まず、今回私にお声掛けいただいたことの一つにコミュニティーの変遷について話をしてほしいということだったんですが、よくコミュニティーというと、地縁型コミュニティー、あるいはテーマ型コミュニティー、あるいは血縁型コミュニティーということを言っているんですが、実は、かつてはその地縁型コミュニティーというものが地域の中核にあって、全員参加で活動し、その利益を全員で受容するということが一般的だったのが、最近は結構、町内会に加入するのかしないのか問題というのがあるように、町内会でも価値観の多様化が、多様化しているので、地域活動を何でしなきゃいけないんだということを声高に叫ぶような人たちが出てきていると。
そうすると、その人たちは、実はその地域活動をしてくれている人のおかげで治安が守られていたり衛生面が守られたりいろんな利益があるんですけれども、その利益を享受はしている、だからこれはフリーライドだというような批判が起こってきてしまっているというのが、町内会どうするんだ議論ではよくあるんですけれども。
ただ一方で、これを無理やり地縁コミュニティーに組み込んでいくというのは余り現実的ではないですし、じゃ、そこで頑張っている方々って、そんなにフリーライドの人たちに対して目くじら立てて怒っているかというとそうではなくて、結構自己実現みたいなところで冷静に判断しているなという気がしておりますし、あるいは、最近NPO等いろんな担い手が出てきておりまして、彼らは、自分が住んでいない地域の公共的な利益に対してもいろんな活動をしていると。
ですから、今まで、住んでいる人たちが、受益者が負担をするべきであり、負担者が受益をするべきであるという議論だったんですが、それが必ずしも行って来いの関係にはなっていないという現状があるのかなというふうに理解をしています。
ですので、これは、都市部ではこういうことが多くて、じゃ、農村部はいまだに地縁型だということ多いんですけれども、私、実際農村で暮らしていても、農村でもこれかなり広がっているという印象です。特に三十代、四十代ぐらいの若手世帯だと、例えばお祭りには参加しないとか、あるいは、私住んでいる自治体は常備消防がないので消防団の活動がすごく大事なんですけれども、消防団活動出てこないとかですね、やっぱりそういうようなことが多々起こっております。
こうなってくると、やっぱり、だからといって、彼らを強制的に参加させるというわけにはいかないので、このコミュニティーがどんどん変わってきて、今地縁コミュニティーを支えているという人たちは、地縁コミュニティーを大事にしたいというテーマコミュニティーになっているというのが現実的なところかなというふうに私としては理解しております。ですので、この辺りを今後どう考えるかですね。
じゃ、テーマコミュニティーは良くないのかというとそうではなくて、個人個人の単位でいうと、なかなか、いろんな趣味とか考え方が多様化しているときに、やっぱりどうしても地域にいると自分と同じような考え方を持った人が少ない中で、テーマコミュニティーとかSNSが広がったことによってそういう人たちにとっても居場所がどんどんでき上がってきたという面でいうと、すごく意味があったのかなというふうには思っています。
ただ、何でこれを申し上げたいかというと、先ほどの平山先生の議論にもあったとおり、基本的に、今、日本の地方の政策というのは、いかに人口を確保するかということに物すごく比重が置かれていて、人口減少が地域課題の一丁目一番地だとなっていると。人口を増やせば何でも解決するんだという雰囲気があるんですけれども、実際住んでいる人の中身というのはこれぐらい変化しているにもかかわらず、これも恐らく、人口が増えればいいというのは全員参加型コミュニティーというのが前提に立ってしまっていて、これをもう一度考え直さなくてはいけないんじゃないかということが私の基本的な考え方です。
これは、まち・ひと・しごと創生本部の会議に出ていたときにすごく感じたことなんですけれども、施策と人口の関係ということが全く整理されていないという現状があるからだと思っています。例えば、経済産業施策なんかで人口を捉えるときというのは、商圏人口であったり労働力人口であったり、そういうようなことが中心になっています。ただ、商圏人口ということをよく言うんですけれども、今我々のライフスタイルというのはどんどんインターネットにシフトしていっているということもあって、特に物販に関しては商圏人口という概念自体が今後成立し得なくなってくるんじゃないかという話もあります。
あるいは、労働力人口に関しては、これも先ほどの両先生からも話があったとおり、移住者と地域の仕事というのがマッチしないとか、あるいは、よく若年女性の流出が問題だという話になるんですけれども、これ、他方、言い方を考えると、若年女性のキャリアが相当上がってきていると、だからいいことなんではないかというふうに考えられるんですよ。ちょうど高度経済成長のときというのは、若年男性のキャリアがすごく上がって大学進学率が上がるわけですね。その結果、都市部に出ていって、いわゆるホワイトカラーというような職種に就いていっていたと。今地方にあるのが、どうしてもやっぱりそういった職種が少ないということもあるので、なかなかそこに人手が足りないという話になってくると。そこは、先ほどの石田先生の話にもあったとおり、外国人労働力がかなりそこを支えているという印象がございます。
それに対して、じゃ、地域振興という立場で見たときに、やっぱり担い手をどう確保するか。だから、単純に人が住んでいれば担い手になるかというと、やっぱりそこの人の価値観であったり、あるいは地域の人たちとの信頼関係であったり、そういったこともあるにもかかわらず、やっぱりここに対して十分な考え方というのができていない。
ですから、とにかく、例えば、今移住という政策が各地で進められていますけれども、結局、人をたくさん集めるということに注力されているわけですね。ただ、その人がどういうタイプの人なのかによって、地域にとって、どういう地域になっていくかって大分変わってきてしまうんですね。この辺りの議論が明らかに欠落してしまっているというのが今地方の移住に関してはちょっと問題があるかなというふうに思っていますし、就農という話もあったんですが、これも、やっぱり地域で長らく農業をやられてきた方の農業のやり方と移住者が好む農業のやり方がちょっと違うということもあって、その辺りの関係性というのがなかなか崩れているということもあります。
他方、自治体の皆さんと話していると、やはり地方交付税の算出根拠であったり、最近だと森林環境税の算出根拠としての人口というのがすごく効いてくるという話があって、そのために人口が必要だという意見があるんですが、これは、私としては、研究のためというか、これはもう単純に税の再分配の問題であったりするので、余りここは論じないというスタンスでふだんは考えております。
じゃ、地域の人たちがどうして衰退感を抱えているかということを簡単に申し上げると、これはよく私が出している図なんですけれども、一番下の曲線というのは人口です。で、人口が、真ん中にある曲線ですね、人口というのは二次曲線的に減っていくんですが、昔は人の数が担い手の数だったんですけれども、今は、価値観が多様化することによって、人口より実際の担い手の数は少ないという状況に陥っていると。ただ、じゃ、人口が減ると同時に、地域の維持に必要な労力ですね、そういったものが減っているかどうかというと、同じようには減ってくれない。
かつては、これは多かったというふうに思っています。例えば、田舎に行くと、お祭りの山車の上で太鼓をたたけるのは長男だけだったとか、抽せんで選ばれた子だけだったとか、あるいは、いまだに、集落の出事みたいなこと、集落作業というと一世帯一人出てくればいいという話が一般的なんですけれども、恐らくこれも、人が割と多かった時代に分かりやすいフィルタリングの方法であったというふうに解釈できるかなと思っています。ところが、今は、この地域の維持に必要な労力を実際の担い手の数が下回ってしまっていると。
じゃ、どうして地域は存在し得ているかというと、今、この少ない人たちが過剰に頑張っているという現実があるからだというふうに思っています。例えば、自治会の役員の任期みたいなものがすごく延びているとか、もっと、大きな消防団とか、今の多分、若手の消防団は、恐らく退団するめどが立っていないというのが現状だと思います。ほとんどアリ地獄状態になってしまっているので、この辺りがすごく衰退感につながっている。こういう状況を見ていると、若い人たちがますます担い手から距離を置くということも起こってしまうので、この辺りをどう解消するかということがすごく大事なポイントかなというふうに思っております。
今、自治体がいろんな施策打っている現実があるんですけれども、これ、地方創生とかで言われている施策というのが、生活者のレベルでいうと、ほとんど今、無関心化しているという状態が起こっています。これ単純に言うと、いろんな町づくりの取組あるんですが、これ、心理学のマズローの欲求段階と地域の行動動機みたいなものを比較して考えると、上の方が価値創造型の取組です、新しいことを、事おこしをしていこうというもの。下の方は、どっちかというと、今困っていることを穴埋めしていこうということが多いんですけれども、何となく、自治体の施策で多いのは、上の取組が圧倒的に多いんです。例えば、新しい移住者と一緒にカフェをやろうとか、六次産業化を進めていこうとか。
何でこれに対して地域の人たちが無関心になってくるかというと、地域の人たちが困っているのはもっと下の部分なんですね。例えば、移動の問題どうするんだとか、買物の問題ってどうするんだ。この辺りにほとんど手だてが行われずに、上の方の取組ばかりに今、残念ながら地方創生のお金の大半がそっちに流れてしまっていると。これは、政策の問題と同時に、マスコミがそっちばっかり報道するという問題も当然あるんですけれども、ただ、これが、地域の人たちの自分たちの生活が良くなる実感と地方創生で行われているいろんな施策のずれみたいなものがあって無関心化を呼んでいるなという印象がすごくあります。
では、地域をどうしていかなくちゃいけないかというときに、私、最近、自治の空白という言葉を多用するようにしているんですけれども、基本的には地域づくりというのは自治の再生だと思っています。自治というのは自分たちで自分たちの地域をどう運営していくかという力ですね。かつては行政による団体自治と住民による住民活動というのが両方力を持っていたので、ある程度オーバーラップをして、どっちがやるんだという、両方やっていればいいという話はあったんですけれども、自治体は今どんどん財政が苦しくなってきて縮小していると。住民は少子高齢化で縮小していると。で、今ここの間に隙間が生まれてしまっているというのを私は自治の空白と呼んでいます。
例えば、かつては潤沢に行われていたような公共サービスが少しずつ減っているとか、あるいは道路の草刈りが年三回やっていたものが一回になってしまったとか。こういったようなことによって景観が少しずつ悪化していて今の現在があると。ただ、この隙間というのは今後増えるしかないというのが現状としてあって、住民の皆さんは、この隙間の感覚ですね、この喪失感みたいなものを強く感じていらっしゃると。この隙間が埋まらない限りは地域は良くならないわけで、いろんな施策は、じゃ、この隙間をどう埋めるということに役立っているかどうかというところがどうしても抜け落ちてしまっているという現状があるかなというふうに思っています。
具体的には何なのかというと、そもそもこの全体のパイみたいなものが本当にこれだけ必要かどうか、人口が減っていく中でこれだけのことを今やり続けなきゃいけないのかということも一方で議論する必要があります。例えば、今農村に行くと非常に、これは田畑の区分所有が行われているということも一因ですけれども、非常に非効率で耕作放棄が起こっていると。ですので、ここをある程度集約化させて効率よく自然に返していくというような議論も当然必要ですし、今まであちこちでやってきた祭り事ですよね、地域のいろんな行事みたいなものを少し棚卸ししていくということも一方で必要かなというふうに考えております。
じゃ、それだけで埋まるかというと、埋まらない。じゃ、そこはどうするかというと、ICTの活用というのも一つあるのかなと。例えば、高齢者の見守りみたいなものを、かつては集落で、黄色い旗運動といって朝起きたら黄色い旗を掲げましょうみたいなことをやってきましたし、それがちょっと、デジタル化をしようというと、ポットのスイッチが押されたかどうかということを考えようという話がコロナ前はあったんですけれども、いまいち地域に普及していかないというのは、恐らく顔が見えないからということが大きかったと思います。
ところが、コロナによって、結構、地域のおばあさん方にもLINEが普及したという現実があるかなと思っています。こうやって、言ってしまうと、こういったテレビ会議システムみたいなものが末端の居住者にまで普及していくとなってくると、この見守り機能みたいなものはこういったものを利用していくということも一つあり得るのかなと。高齢者では無理ですよという議論をよく聞くんですけれども、いやいや、でもコンピューターよりタブレットの方がはるかに扱いはしやすくなっているので、こういったことを模索するということも一方で大事なことかなというふうに考えております。
先ほどから話題になっている移住者であったり関係人口という話も、これも今の関係人口の議論ということをすごく僕が懸念していることは何かというと、ほとんど都市側の議論として行われていることです。都市側の人たちが自分たちのQOLを高めるために農村とも関わりたいであったり、あるいは農村に観光に行くだけでは物足りないから地域の人たちと交流したいと。ただ、それによって交流させられる側の地域の論理というのはほとんど考えられていないわけですね。
一方で、じゃ、地域は人手がないかというと、人が足りないわけで、だったら、自分たちにとってどういう人たちとつながっていくかということを考えた上で、そこにフィットするような人たちとのコミュニケーションを取っていくということが必要かなというふうに考えています。
幸いに、これ、DIDから農村、農業集落への距離というのを農林業センサスで調べてみると、今九割ぐらいの自治体が一時間以内でDIDに到達できるんですね。だから、例えば、私が今十一世帯の集落で生活をしていますが、高齢化率でいうと七〇%ぐらいですけれども、そこから私、今職場までの通勤時間三十分です。
こういった暮らしが幾らでもできちゃうのが地方の一つのメリットでして、にもかかわらず、自治体という枠をはめた瞬間、人口減少だと、仕事がないという話になるんですけれども、もっとネットワーク型のライフスタイルというか、移動するライフスタイルということを前提に捉えていいんじゃないかということの問題提起も申し上げておきたいと。
そこで、じゃ、地域の人たちとの新しい担い手として関係人口ということが盛んに言われるんですけれども、関係人口というのも、今までは、都市側の論理じゃなくて地方側の論理でいうと、例えばそこから出ていった子供たちとか、あるいはそこに住んでみたけれども移住し切れずに出ざるを得なかったような人たちというのはある程度信頼関係ができていますので、そういう人たちと継続的に付き合っていく。
例えば、先ほども話に出た地域おこし協力隊という人たちが地域へいっぱい入っていますけれども、あれも今、定住率というものがすごく評価軸になっています。ただ、定住しなくたって、東京にいて地域の宣伝をいっぱいしてくれる人はいっぱいいますし、だから、何か地域に定住しなければ失敗かというと、そんなわけではないんですよね。むしろ地域から出ていった転出者の人たちの方が地域との関係づくりは非常に上手だったりしますので、こういった人たちにもっと注目するべきですし、いかに出ていった人たちはその関係人口の枠内にとどまってもらえるかどうかということが一つ地域が問われていることかなというふうに思っています。
こういうことを考えていくと、これは私がネットワーク型自治という言葉で呼んでいるものなんですけれども、今までその地域の住民だけでいろんなことをやっていこうというような考え方から、地域の外に出ていった人とか地域の外の信頼できるような人たちとどういうネットワークをつくっていくか。
これはよく関係人口論で言われるんですが、この関係人口の一つ大きなポイントというのは、誰でもいいというわけではなくて、ここに、実は関係人口の語源としては、かつて交流人口という言葉があり、もうちょっと根っこでいうと、一九八八年に磯村英一さんが信託市民という言い方をしているんですね。ここで信託という言葉がすごく大事だと思っていまして、この信じて託するというような関係性のネットワークというものを地域がどれだけ持てるかどうかということが今後問われているのではないかというふうに私は考えております。
こういうことをやりながら、ネットワーク自治というものをどう高めていくか、つくっていくかというのはこれから地域に課せられていること。だから、どうしても地方創生でジリツというと立つという字が使われているんですけれども、今、独立的な地域づくりというのは現実的ではなくて、地域の中がその周りの人たちをいかにコントロールしながら、だから律するという字を使うべきで、そちらのような地域づくりをどう進めていくかということが必要かなというふうに思っています。
その上で、じゃ、地域において何が必要なのか。ただ人を集めればいい、先ほど受援力というお話を石田先生してくださいましたけれども、地域の自治をするときに企画機能と実行機能という二つで自治力は規定できるかなというふうに考えていまして、実行機能というのは、今大学連携とか関係人口とかいろんな動きがあるので何とかなる気はするんですけれども、圧倒的に今落ちているものが企画機能です。自分たちの地域で今何が問題でどういうことを考えなきゃいけないのかというような企画機能がもう自治体のレベルからして非常に低下してしまっている。そこに、先ほど平山先生からあったように、頑張っている自治体にしかお金が行かないという状況があると、どんどんどんどんこの考える力格差みたいなものが地域の中で広がってしまっているという現実が非常にあるのかなというふうに思っています。
その上で申し上げたいことが、じゃ、実際地域に入ってみると、地域に入って新しい町づくりの例というとすごく美しいストーリーが語られるんですけれども、これはあくまで地域の中の上澄み的な前向きな人たちのストーリーであると。その裏側に九割五分ぐらいの無関心であったり普通の人たちの物語があるにもかかわらず、今いろんな施策というのは、このトップ層に対する支援施策に注力されているんです。
ただ、恐らく、地域を盛り上げていこうということを考えると、上を引き上げるというよりも下を押し上げるということの方が必要なんじゃないかということを是非申し上げておきたいと。この部分が、もっと言うと、上を引き上げるというのは、公共としては、支援するというよりも規制緩和をしてあげるといって露払いをしてあげた方がよかったかもしれない。にもかかわらず、下の方というのは今ほとんど手落ちになっていて目が向けられていないという現実があります。やっぱりそこのところを盛り上げていかないと、地域は最終的に上がっていけないんじゃないかというふうに私は考えております。
実際、昨年が、二〇二七年で、来年が、二〇二七年です、あっ、二〇二七年です。この年というのは、団塊世代が後期高齢者に入ってくるので、地域の、今まで集落は粘り強いと言われてきたんですけれども、この集落がいよいよ維持がかなり困難になってくると。ところが、ほとんど今までこの集落対策というのが、考える対策みたいなことが行われてこなかったので、気が付けばもう手遅れという集落がこれから続出してくるんですね。
これは非常に不幸なことだと思っておりまして、何をするべきかというと、やっぱり地域の状況に応じて今何をしなきゃいけないかということを自治体が集落単位で考えていくというようなことが必要ですし、少なくとも全ての集落に、自分たちの集落の今後のことを考えてその方向性を考える機会の提供というのが必要なんじゃないかということは最後に申し上げておきたいと思います。
例えばこれ、私が今一生懸命各地でやっていることなんですけれども、単純に集落の年齢構成の現在と十年後を比較してみるだけで、十年後の戦力がどれだけ低下するかということを簡単に視覚化することができます。これをやったところは結構問題意識を持って、自分たちの生活がどう変わるかということがイメージできますので、そこに対して対策が打てるんですけれども、こういう機会すらなく、気が付いたらもう全てじり貧になってしまっていたという地域がいっぱい出てきてしまっているという現状がありますので、是非、この辺りは施策として是非応援していただきたいなというふうに思っております。
最後ですけれども、今地域づくりというものがどうしても攻めのきらきらした施策に非常に偏っているところがあって、いま一度、福祉的な守りということを是非大事にしていただきたいと。
もう一つは、主体的に考える機会ということがすごく減っていて、今、国が一生懸命いろんな支援制度を用意してくれているがために、地方はそれに乗っかるばかりになってしまっているような傾向があって、自分たちにとって何が必要で何が不必要であるかということを考えるということを今ちょっと失いつつあるということが、これは、なかなか人材が不足していて、考えているだけの人的な余裕がないということも実際あるんですけれども、これも踏まえて是非考えていただけると、地域の主体的な戦略というのが作れていくんじゃないかなというふうに思っている次第です。
以上で私の発表を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
福
福山哲郎#15
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと思います。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力をお願いいたします。
これより一巡目の質疑を行います。
質疑のある方は挙手を願います。
若林洋平君。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと思います。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力をお願いいたします。
これより一巡目の質疑を行います。
質疑のある方は挙手を願います。
若林洋平君。
若
福
若
若林洋平#18
○若林洋平君 はい、済みません。
自由民主党、静岡県選出の若林洋平でございます。
まずもちまして、石田様、平山様、田口様におかれましては、大変御多忙の中、我々のために貴重な御意見をいただきましたことを改めて深く感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
また、福山会長を始め理事の皆様、調査会の皆様、貴重な質問の機会をいただきましたことを本当にありがとうございます。
初めに、改めて、年明け早々に起きました能登半島地震によりお亡くなりになられた方々とその御家族様に心より哀悼の意を表します。また、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げますとともに、発災以来、連日、復興、復旧復興に尽力いただいている全ての皆様に深く感謝と敬意を表するところでございます。
一日も早い復旧復興を願い、我々も引き続き尽力していくところでもございますが、何といっても、国が一体となって被災地を支援していかなければいけないというのは言うまでもございません。そのためにも、今日先生方からお話をいただいた内容というのは非常に大きい。というのは、全国各地域のやっぱり地域経済を盛り上げて支えていくことがやはり大切だということは、私はそういうふうに思っております。
私自身、富士山の麓、御殿場市の市長を十三年ほど務めさせていただきましたけれども、常々考えていたのは、大企業はもとより、中小企業が潤ってこそ本当の日本経済の強さであると、それが構築されるものであるというふうに考えて市の発展に励んでおりました。言い換えれば、各市町の発展の結集こそが県の発展につながり、県の力につながり、その県の発展、力の結集こそが真の日本の強さにつながる、そう信じて、その理念を持って、各自治体の代弁者ということを自負して今参議員としてこの場に立たせていただいているところでございます。
地域経済を盛り上げるためにも、特に一次産業だと思うんですけれども、中小企業の賃上げはもとより、どの業種においても今ちょっとやっぱり人材不足というのが喫緊の課題で、特に地方における人材不足の解消というのは本当に待ったなしの状況ではないのかなというふうには感じているところでございます。
最初に石田参考人にお聞きしたいんですけれども、私、その市長やっていたときに、大学生はもとより、一般の方の再就職希望者、それ、市民でですね、と、特にこれ大学に行く前の高校生。で、これ狙いは何かというと、結局、意外とその地元の高校生というか地元の人って、企業の看板は見ていても、どういう仕事をしているとか、どういう業種があって、どれだけ人が、先ほどどなたか参考人の方おっしゃっていましたけれども、具体的に何人足りなくて、何人というか、余り分かってない、特に、ましてや就職をしたい側も分かってないという中において、しかも、本当は、高校から大学に行ったときに都会に行ってしまうのはこれ仕方がないとは思うんですけれども、本来やっぱり帰ってきてもらいたいわけですよね。なのに、その時点で分からないものが、大学に行って、例えば、東京でも大阪でもいいんですけれども、大都市の企業で内容を見てしまったら、地元に帰る気というのはなかなかやっぱりないと思うんですよね。
そこで考えて、これ平成二十九年につくったんですけど、合同企業ガイダンスというのを市と商工会でつくったんですね。とにかく、市内にある、大中小問わず企業全部来てもらって市民に分かってもらう。しかも、これ、もちろん優先は市民だったんですけれども、市外でもいいようにしたんですが、特に特に高校生、とにかく大学行ってもいいから戻ってきて。で、結構、聞くと、やっぱり戻ってきたときにどういう職場があるかが分からない、何やっているんだか分からないということがあったもんで、そういうことを努力してやったら、一定の成果はやっぱり出たんですよね。
ところが、じゃ、それだけでいけるかといったらいけるはずもなく、で、先生方がおっしゃったようなことを、あらゆることをやってきているんですけど、何が聞きたいかというと、それでもなぜ都会に集中してしまうのか、そのマインドというかですね。
本来であれば、先生方の資料にも書いてあったとは思うんですけれども、逆に貧困が起きると思うんですよね。家賃は高いし物価は高いし、幾ら給与が上がったところで、そもそもですよ、これ賃金が上がっても、私、なかなか本来厳しいと思うんですよ。都会で若い人たちが生活をしていくというのは本当は厳しいと思うんですね。
だから、本来は地方で、まあ一番分かりやすいのは家賃だと思うんですけれども、そういう中においてやっていった方がいいというふうに思うんですけど、その大都市に残りたがる一番の要因って石田参考人は何だと思いますか。また、それをどうやったら解消できるのかなと。これ、デフレマインドとちょっと似ているとは思うんですけど、その辺何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →自由民主党、静岡県選出の若林洋平でございます。
まずもちまして、石田様、平山様、田口様におかれましては、大変御多忙の中、我々のために貴重な御意見をいただきましたことを改めて深く感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
また、福山会長を始め理事の皆様、調査会の皆様、貴重な質問の機会をいただきましたことを本当にありがとうございます。
初めに、改めて、年明け早々に起きました能登半島地震によりお亡くなりになられた方々とその御家族様に心より哀悼の意を表します。また、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げますとともに、発災以来、連日、復興、復旧復興に尽力いただいている全ての皆様に深く感謝と敬意を表するところでございます。
一日も早い復旧復興を願い、我々も引き続き尽力していくところでもございますが、何といっても、国が一体となって被災地を支援していかなければいけないというのは言うまでもございません。そのためにも、今日先生方からお話をいただいた内容というのは非常に大きい。というのは、全国各地域のやっぱり地域経済を盛り上げて支えていくことがやはり大切だということは、私はそういうふうに思っております。
私自身、富士山の麓、御殿場市の市長を十三年ほど務めさせていただきましたけれども、常々考えていたのは、大企業はもとより、中小企業が潤ってこそ本当の日本経済の強さであると、それが構築されるものであるというふうに考えて市の発展に励んでおりました。言い換えれば、各市町の発展の結集こそが県の発展につながり、県の力につながり、その県の発展、力の結集こそが真の日本の強さにつながる、そう信じて、その理念を持って、各自治体の代弁者ということを自負して今参議員としてこの場に立たせていただいているところでございます。
地域経済を盛り上げるためにも、特に一次産業だと思うんですけれども、中小企業の賃上げはもとより、どの業種においても今ちょっとやっぱり人材不足というのが喫緊の課題で、特に地方における人材不足の解消というのは本当に待ったなしの状況ではないのかなというふうには感じているところでございます。
最初に石田参考人にお聞きしたいんですけれども、私、その市長やっていたときに、大学生はもとより、一般の方の再就職希望者、それ、市民でですね、と、特にこれ大学に行く前の高校生。で、これ狙いは何かというと、結局、意外とその地元の高校生というか地元の人って、企業の看板は見ていても、どういう仕事をしているとか、どういう業種があって、どれだけ人が、先ほどどなたか参考人の方おっしゃっていましたけれども、具体的に何人足りなくて、何人というか、余り分かってない、特に、ましてや就職をしたい側も分かってないという中において、しかも、本当は、高校から大学に行ったときに都会に行ってしまうのはこれ仕方がないとは思うんですけれども、本来やっぱり帰ってきてもらいたいわけですよね。なのに、その時点で分からないものが、大学に行って、例えば、東京でも大阪でもいいんですけれども、大都市の企業で内容を見てしまったら、地元に帰る気というのはなかなかやっぱりないと思うんですよね。
そこで考えて、これ平成二十九年につくったんですけど、合同企業ガイダンスというのを市と商工会でつくったんですね。とにかく、市内にある、大中小問わず企業全部来てもらって市民に分かってもらう。しかも、これ、もちろん優先は市民だったんですけれども、市外でもいいようにしたんですが、特に特に高校生、とにかく大学行ってもいいから戻ってきて。で、結構、聞くと、やっぱり戻ってきたときにどういう職場があるかが分からない、何やっているんだか分からないということがあったもんで、そういうことを努力してやったら、一定の成果はやっぱり出たんですよね。
ところが、じゃ、それだけでいけるかといったらいけるはずもなく、で、先生方がおっしゃったようなことを、あらゆることをやってきているんですけど、何が聞きたいかというと、それでもなぜ都会に集中してしまうのか、そのマインドというかですね。
本来であれば、先生方の資料にも書いてあったとは思うんですけれども、逆に貧困が起きると思うんですよね。家賃は高いし物価は高いし、幾ら給与が上がったところで、そもそもですよ、これ賃金が上がっても、私、なかなか本来厳しいと思うんですよ。都会で若い人たちが生活をしていくというのは本当は厳しいと思うんですね。
だから、本来は地方で、まあ一番分かりやすいのは家賃だと思うんですけれども、そういう中においてやっていった方がいいというふうに思うんですけど、その大都市に残りたがる一番の要因って石田参考人は何だと思いますか。また、それをどうやったら解消できるのかなと。これ、デフレマインドとちょっと似ているとは思うんですけど、その辺何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。
石
石田一喜#19
○参考人(石田一喜君) 御質問いただき、ありがとうございます。
非常に取組の内容、大変参考になりました。都市部で住んでみたいというのは、私自身、福島県出身だったんですけれども、やはり憧れというのが非常に強いというふうに思います。ニュース等を見ていても東京の情報がありふれている中で、一回は暮らしてみたいというのを、私の友達も含めて皆さん思っていたことでございます。
ただ、お話しいただきましたとおり、家賃も高い、賃金が多少上がったとしてもなかなか暮らしが厳しいというのが現実で、三十歳を超えたぐらいから、だんだん地方に帰ろうかなというような友達も現実多くなってきたということで、憧れから暮らしてみて、もう地方へという目線が本当にできてきているというのも実感するんですが、じゃ、そこで何の仕事ができるのかなというところで、結局は同じ県の都市部に住むというところで完全に地方に戻り切ってないというところも、やはり仕事がないとか、高校生までいない方は、特にどこで働けるのか求人情報が不足しているというのもあったように感じております。ですので、理想と現実のギャップと、あとはあれですね、働く場所、あとは暮らし方の現実の発想が少し希薄だなという感想です。
済みません、話長くなりました。以上でございます。
この発言だけを見る →非常に取組の内容、大変参考になりました。都市部で住んでみたいというのは、私自身、福島県出身だったんですけれども、やはり憧れというのが非常に強いというふうに思います。ニュース等を見ていても東京の情報がありふれている中で、一回は暮らしてみたいというのを、私の友達も含めて皆さん思っていたことでございます。
ただ、お話しいただきましたとおり、家賃も高い、賃金が多少上がったとしてもなかなか暮らしが厳しいというのが現実で、三十歳を超えたぐらいから、だんだん地方に帰ろうかなというような友達も現実多くなってきたということで、憧れから暮らしてみて、もう地方へという目線が本当にできてきているというのも実感するんですが、じゃ、そこで何の仕事ができるのかなというところで、結局は同じ県の都市部に住むというところで完全に地方に戻り切ってないというところも、やはり仕事がないとか、高校生までいない方は、特にどこで働けるのか求人情報が不足しているというのもあったように感じております。ですので、理想と現実のギャップと、あとはあれですね、働く場所、あとは暮らし方の現実の発想が少し希薄だなという感想です。
済みません、話長くなりました。以上でございます。
若
若林洋平#20
○若林洋平君 まさに今おっしゃるとおりだと思うんですよね。だからこそ、かといって、じゃ、田舎の方も職がないわけじゃなくて、むしろ人手不足なんですよ。この現実をどう考えるかというのは非常にこれ矛盾しているというか。ということは、やっぱり知られてないということだと思うんですよね。
で、簡単にお答えいただきたいんですけれども、やっぱり、私も自治体の長ではあったんですが、その自治体の長によってかなりこれ温度差があるというか、まあその辺、これはあれですかね、平山参考人の方がいいのかな、平山参考人、ちょっと御意見があれば。
というのは、結局、今までは一律に自治体に交付金とか出していたじゃないですか。かといって、じゃ、頑張っているところだけ出すというのは、田口参考人がおっしゃったとおりで、それもちょっとまずい部分もあるとは思うんですけど、でも、のべつ幕なしに出すというのは本当はちょっと私も違うかなとは市長をやっていたときから思っていたんですけれども、その辺、平山参考人、じゃ、ついでに、ついでと言ったら、ごめんなさい、ついでではなく、加えまして、田口参考人にもお話を聞かせていただければ有り難いです。ヤジ
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というのは、結局、今までは一律に自治体に交付金とか出していたじゃないですか。かといって、じゃ、頑張っているところだけ出すというのは、田口参考人がおっしゃったとおりで、それもちょっとまずい部分もあるとは思うんですけど、でも、のべつ幕なしに出すというのは本当はちょっと私も違うかなとは市長をやっていたときから思っていたんですけれども、その辺、平山参考人、じゃ、ついでに、ついでと言ったら、ごめんなさい、ついでではなく、加えまして、田口参考人にもお話を聞かせていただければ有り難いです。ヤジ
福
平
平山洋介#22
○参考人(平山洋介君) 申し上げたかったことは、要するに、分配型から競争型に、この話だけじゃなくて、もういろんなところでそういうふうに変わってきているわけですね。
頑張っているところを応援するというのは、それは全然いいと思うんですけれども、ただ、頑張れないところもある。それは、例えばこういう場とかメディアとかには出てこない、見えていないところで頑張れていないところがたくさんあって、そこを助ける仕組みがなくなってきているというのがやっぱり気になるということです。
例えば、例えがちょっと自分に近くなる、私、ずっと国立大学に勤めておりました、三十年ばかり。勤め始めたときは国立大学平等に扱われていたんですけれども、法人化になってからはとにかく競争しなさいということになって、学内的にも競争、学校間でも競争、まあ自治体みたいなものです。もう競争、競争に次ぐ。競争すればするほど日本の研究力は落ちていったというのが現実。何かまずいこと言っていますかね、大丈夫ですかね。落ちていったのは事実。それはなぜなのかというのも、まだメカニズムよく分かっていないんですが。
ただ、すごくあれですけど、例えばノーベル賞を取られた先生方のお話、私、必ず聞きに行くんですけれども、やはり、若い頃、競争なんかなくて非常に伸び伸び自由にやっていたというふうなことがあって、何かそういうことも重要で、例えば今、自治体の長の方、あちこち非常に頑張っておられるんですけれども、例えば国のコンペ型の助成金を取るために、私が勤めていた大学は、言っていいのかな、要するに、国の補助金を取るために、いかに、もうとにかく書類、山のように書かないといけない。それに頑張るのが大学の幹部の仕事だったわけですよね。でも、本当にそれが僕たちのやりたいことなのかということなんですよね。何かうまく言えませんけど。
だから、競争の在り方も重要だと思うんですけれども、要するに、国の助成金に向かって競争するということだけではないのではないかということが一点。競争とはどういうものを競争というべきかということが一点と、もう繰り返しになりますが、競争に勝てなかった、あるいは競争に乗る気がなかったところが、だんだんメディアからも、僕らも知りませんし、見えなくなってきているんですけれども、そういうところをどうしていくのかということがやはり国政として重要じゃないかなというふうに思います。
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例えば、例えがちょっと自分に近くなる、私、ずっと国立大学に勤めておりました、三十年ばかり。勤め始めたときは国立大学平等に扱われていたんですけれども、法人化になってからはとにかく競争しなさいということになって、学内的にも競争、学校間でも競争、まあ自治体みたいなものです。もう競争、競争に次ぐ。競争すればするほど日本の研究力は落ちていったというのが現実。何かまずいこと言っていますかね、大丈夫ですかね。落ちていったのは事実。それはなぜなのかというのも、まだメカニズムよく分かっていないんですが。
ただ、すごくあれですけど、例えばノーベル賞を取られた先生方のお話、私、必ず聞きに行くんですけれども、やはり、若い頃、競争なんかなくて非常に伸び伸び自由にやっていたというふうなことがあって、何かそういうことも重要で、例えば今、自治体の長の方、あちこち非常に頑張っておられるんですけれども、例えば国のコンペ型の助成金を取るために、私が勤めていた大学は、言っていいのかな、要するに、国の補助金を取るために、いかに、もうとにかく書類、山のように書かないといけない。それに頑張るのが大学の幹部の仕事だったわけですよね。でも、本当にそれが僕たちのやりたいことなのかということなんですよね。何かうまく言えませんけど。
だから、競争の在り方も重要だと思うんですけれども、要するに、国の助成金に向かって競争するということだけではないのではないかということが一点。競争とはどういうものを競争というべきかということが一点と、もう繰り返しになりますが、競争に勝てなかった、あるいは競争に乗る気がなかったところが、だんだんメディアからも、僕らも知りませんし、見えなくなってきているんですけれども、そういうところをどうしていくのかということがやはり国政として重要じゃないかなというふうに思います。
田
田口太郎#23
○参考人(田口太郎君) 国立大学から参っているという田口なので、今おっしゃるとおり、非常に今、競争にさらされている立場でございます。だから、大学からの個人的にもらえる研究費はもう幾ばくもないというのが現状で、ほかから取ってこないと研究すらできない。それは、だから頑張っている人は、でも、研究すればするほど自分の生活がおかしくなっていくというのが現実なんですけれども、その辺りも考える必要があるかなと思いました。
一方で、今先生から御質問いただいたような、例えば首長によってどう違うのかとか、その競争をどう考えるかとか、若い人が何で東京に行ってしまうのかというときに、メディアの情報の在り方というのもすごくあるなと思っています。
例えば、よく所得格差という言葉があちこちで出るんですね。東京と地方でこれだけが違うと。そういう話に対して非常にみんな敏感なんですけれども、収支格差という言葉はほとんど出てこなくて、私は大学生たちに、平均給与と平均家賃というものを比較してグラフで出したりするんですけれども、そうすると、収支で見ると結構地方の方が良かったりするという現実をほぼ知らないという現実はあるかなというふうに思っています。
ですので、この何かメディア等の情報の出し方みたいなものが余り上手じゃないなと思うことと、もう一つは、これはその自治体の考え方ですけれども、これは大学も実はそう、地方大学でも同じなんですけれども、いかに外に出さないのかというような施策がすごく多いんです。私の主張としては、外に出さないんじゃなくて、外に出した上で帰ってきたくなるような町づくりしているのかということがあって、今、地方の国立大学も地元就職率に今KPIが付いているんですけれども、極端な話を言うと、井の中のカワズを育ててどうするんだという話も当然あるわけで、やっぱり大海を知っていろんな力を身に付けて、Uターンしたくなるような地域づくりをどうするか。
そのときに、僕は、行政に必要なのは、首長もそうなのかもしれないですけど、出ていくなではなくて、どんどん出ていっても帰ってこいというような、心、懐の広さみたいなものが地域に恐らく求められていて、先ほど私が出した図で、外に出ていった人たちをいかに関係人口の枠内にとどめるかということも同じで、今地域に、移住者なんかが常に言われることは、結局定住するのかということをずうっと突き付けられ続けるんですね。これは、地域おこし協力隊の人たちも三年間言われ続けています。そんなに定住が大事なのかということは、やっぱり移住者側からすると言いたいわけですよね。
やっぱり、そこで何年か過ごすということはもうそれだけですごく大きいですので、そこで定住しなかったら駄目なんだということではなくて、仮に定住しなかったとして、外に出ていったとしても継続的に関わってくれるような地域をどうつくっていくかということは地域の戦略としては絶対的に必要だと思っていて、それは、そこにマインドを変えていかないと地域の未来というのはなかなか明るくならないのかなというふうに思っています。
以上です。
この発言だけを見る →一方で、今先生から御質問いただいたような、例えば首長によってどう違うのかとか、その競争をどう考えるかとか、若い人が何で東京に行ってしまうのかというときに、メディアの情報の在り方というのもすごくあるなと思っています。
例えば、よく所得格差という言葉があちこちで出るんですね。東京と地方でこれだけが違うと。そういう話に対して非常にみんな敏感なんですけれども、収支格差という言葉はほとんど出てこなくて、私は大学生たちに、平均給与と平均家賃というものを比較してグラフで出したりするんですけれども、そうすると、収支で見ると結構地方の方が良かったりするという現実をほぼ知らないという現実はあるかなというふうに思っています。
ですので、この何かメディア等の情報の出し方みたいなものが余り上手じゃないなと思うことと、もう一つは、これはその自治体の考え方ですけれども、これは大学も実はそう、地方大学でも同じなんですけれども、いかに外に出さないのかというような施策がすごく多いんです。私の主張としては、外に出さないんじゃなくて、外に出した上で帰ってきたくなるような町づくりしているのかということがあって、今、地方の国立大学も地元就職率に今KPIが付いているんですけれども、極端な話を言うと、井の中のカワズを育ててどうするんだという話も当然あるわけで、やっぱり大海を知っていろんな力を身に付けて、Uターンしたくなるような地域づくりをどうするか。
そのときに、僕は、行政に必要なのは、首長もそうなのかもしれないですけど、出ていくなではなくて、どんどん出ていっても帰ってこいというような、心、懐の広さみたいなものが地域に恐らく求められていて、先ほど私が出した図で、外に出ていった人たちをいかに関係人口の枠内にとどめるかということも同じで、今地域に、移住者なんかが常に言われることは、結局定住するのかということをずうっと突き付けられ続けるんですね。これは、地域おこし協力隊の人たちも三年間言われ続けています。そんなに定住が大事なのかということは、やっぱり移住者側からすると言いたいわけですよね。
やっぱり、そこで何年か過ごすということはもうそれだけですごく大きいですので、そこで定住しなかったら駄目なんだということではなくて、仮に定住しなかったとして、外に出ていったとしても継続的に関わってくれるような地域をどうつくっていくかということは地域の戦略としては絶対的に必要だと思っていて、それは、そこにマインドを変えていかないと地域の未来というのはなかなか明るくならないのかなというふうに思っています。
以上です。
若
若林洋平#24
○若林洋平君 ありがとうございました。
まさに、その関係人口も含めて、足りない分はそこで補っていったりとか、そういうことってすごくやっぱり大事な発想になっていくとは思うんですよね。
でも、冒頭、私が質問の中で申し上げたとおり、やっぱり各自治体の良さを、実は、良さというか、その職場ですとか、そういうことをもうちょっとやっぱり、県もそうですし、国も含めて、実はこういう職場があってこういうことがあるよということはもうちょっとやる必要はあるのかな。
また、メディアの方も、やっぱりお願いしたいのは、東京にいてですよ、そりゃそうですよね、家賃が高くてお金足りないに決まっていると思うんですよ。若者も結構きついと思うんですよね。それよりも、実際はそうじゃなくて、伸びるもっと幅があるところもあるよというようなことを伝えることも、是非我々もしっかりと研究してやっていきたいなというふうに思っております。
貴重な質問時間ありがとうございました。以上です。
この発言だけを見る →まさに、その関係人口も含めて、足りない分はそこで補っていったりとか、そういうことってすごくやっぱり大事な発想になっていくとは思うんですよね。
でも、冒頭、私が質問の中で申し上げたとおり、やっぱり各自治体の良さを、実は、良さというか、その職場ですとか、そういうことをもうちょっとやっぱり、県もそうですし、国も含めて、実はこういう職場があってこういうことがあるよということはもうちょっとやる必要はあるのかな。
また、メディアの方も、やっぱりお願いしたいのは、東京にいてですよ、そりゃそうですよね、家賃が高くてお金足りないに決まっていると思うんですよ。若者も結構きついと思うんですよね。それよりも、実際はそうじゃなくて、伸びるもっと幅があるところもあるよというようなことを伝えることも、是非我々もしっかりと研究してやっていきたいなというふうに思っております。
貴重な質問時間ありがとうございました。以上です。
福
森
森屋隆#26
○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆でございます。
石田先生、平山先生、田口先生、御説明ありがとうございました。
最初に、少しちょっと説明をさせてください。
日本は、限界集落が二万ほど、そして消滅集落が六万三千ほどあると、こういうふうに言われていると思います。その多くが人口減少に歯止めが利かず、そして高齢化率の高さが特徴です。
そして、今回、能登半島地震では孤立箇所が複数発生するなど、避難や救助、そして被災地などで多くの課題が浮き彫りになったと思っています。このような課題は能登に限らず、私は日本の多くの地方、地域にも同じ状況が実はあると思っています。
私事になるんですけれども、私は東京の一番西の端にある檜原村というところに住んでいまして、面積は百五・四二キロ平方メートルで、東京で三番目に広いところです。一番目は奥多摩町というところで、二番目は八王子市です。そして、三番目はこの檜原村で、面積は九三%が森林です。
私の小学校のときには人口は六千人ほどいました。今は二千人を切りました。その一割に当たる二百名ほどが村外から老人ホームなどに入居されている方々です。元々の檜原の方じゃなくてですね。それで、今年の成人式は三名でした。高齢化率は五二%超です。
標高は千五百メートルを超える山もあり、当時は林業が中心の仕事でしたので、旧家ほど山奥にあります。あの「ポツンと一軒家」のようなイメージです。昨日もテレビ見た人もいるかと思いますけど、東京で一番標高の高いところに住んでいる人は誰なんだろうというテレビやっていまして、奥多摩町の九百六十メートルぐらいのところに住んでいる方でした。平らな場所が当然少ないために、家の多くは山を背負っていたり、また、川沿いの家は懸け造りのようなところです。そういったところで、ハザードマップでいえばレッドの地区が非常に多いところです。買物は車で三十分から一時間掛けて行きます。そのような地域です。
それでは、今回の地震の教訓と災害リスクヘッジというんですかね、を念頭に質問をしたいと思います。
まず、平山先生に伺いたいと思います。
今説明したように、一般的に空き家は、多くの空き家は、生活にこういった不便で危険地区などが多く、そのためこの物件は空き家になっていて、安価で、さっき頑張っている地域というのありましたけれども、補助金などを利用すれば本当に少ない予算で移住は可能です。そういう人もいます。地域によっては、何年か住めば無料でもらえるというような、そういう政策でも頑張っているところもあると思うんですけど。安価な上、危険なところゆえ、逆に景色はいいんですね、本当、高いところで崖のところにあったりして。日が当たるところに畑をつくっているものですから、住んでいるところは日が当たっていないところに造っているところ多いわけですね。景色はいいんです、川沿いだったりとか。
だから、先ほど言ったように、頑張っているところは、都会から来た人がカフェなどを始めたりして、リノベーションしてカフェなども始めたりするような人もいて、結構人気なんです。不動産屋さんもそのような空き家物件を、さっき説明ありましたけど、持っているけど、空き家で持っているんだけど、売らないんですね。やっぱり危険なところでもあるし、さっき言ったように物置になっているところもあって。だけど、不動産屋さんはそういうところ売れるので、それで補助金も出るので、割と積極的にこの売却を進めているようです。
若者や交流人口を増やしていきたい一方で、これ地方の悩みですから、その一方で、このような物件は自然災害の危険と実は表裏一体であります。行政的なランニングコストや安全な社会的な保障の難しさも実は感じます。この相反する政策が同時進行しているようにも感じます。
平山先生の御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
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最初に、少しちょっと説明をさせてください。
日本は、限界集落が二万ほど、そして消滅集落が六万三千ほどあると、こういうふうに言われていると思います。その多くが人口減少に歯止めが利かず、そして高齢化率の高さが特徴です。
そして、今回、能登半島地震では孤立箇所が複数発生するなど、避難や救助、そして被災地などで多くの課題が浮き彫りになったと思っています。このような課題は能登に限らず、私は日本の多くの地方、地域にも同じ状況が実はあると思っています。
私事になるんですけれども、私は東京の一番西の端にある檜原村というところに住んでいまして、面積は百五・四二キロ平方メートルで、東京で三番目に広いところです。一番目は奥多摩町というところで、二番目は八王子市です。そして、三番目はこの檜原村で、面積は九三%が森林です。
私の小学校のときには人口は六千人ほどいました。今は二千人を切りました。その一割に当たる二百名ほどが村外から老人ホームなどに入居されている方々です。元々の檜原の方じゃなくてですね。それで、今年の成人式は三名でした。高齢化率は五二%超です。
標高は千五百メートルを超える山もあり、当時は林業が中心の仕事でしたので、旧家ほど山奥にあります。あの「ポツンと一軒家」のようなイメージです。昨日もテレビ見た人もいるかと思いますけど、東京で一番標高の高いところに住んでいる人は誰なんだろうというテレビやっていまして、奥多摩町の九百六十メートルぐらいのところに住んでいる方でした。平らな場所が当然少ないために、家の多くは山を背負っていたり、また、川沿いの家は懸け造りのようなところです。そういったところで、ハザードマップでいえばレッドの地区が非常に多いところです。買物は車で三十分から一時間掛けて行きます。そのような地域です。
それでは、今回の地震の教訓と災害リスクヘッジというんですかね、を念頭に質問をしたいと思います。
まず、平山先生に伺いたいと思います。
今説明したように、一般的に空き家は、多くの空き家は、生活にこういった不便で危険地区などが多く、そのためこの物件は空き家になっていて、安価で、さっき頑張っている地域というのありましたけれども、補助金などを利用すれば本当に少ない予算で移住は可能です。そういう人もいます。地域によっては、何年か住めば無料でもらえるというような、そういう政策でも頑張っているところもあると思うんですけど。安価な上、危険なところゆえ、逆に景色はいいんですね、本当、高いところで崖のところにあったりして。日が当たるところに畑をつくっているものですから、住んでいるところは日が当たっていないところに造っているところ多いわけですね。景色はいいんです、川沿いだったりとか。
だから、先ほど言ったように、頑張っているところは、都会から来た人がカフェなどを始めたりして、リノベーションしてカフェなども始めたりするような人もいて、結構人気なんです。不動産屋さんもそのような空き家物件を、さっき説明ありましたけど、持っているけど、空き家で持っているんだけど、売らないんですね。やっぱり危険なところでもあるし、さっき言ったように物置になっているところもあって。だけど、不動産屋さんはそういうところ売れるので、それで補助金も出るので、割と積極的にこの売却を進めているようです。
若者や交流人口を増やしていきたい一方で、これ地方の悩みですから、その一方で、このような物件は自然災害の危険と実は表裏一体であります。行政的なランニングコストや安全な社会的な保障の難しさも実は感じます。この相反する政策が同時進行しているようにも感じます。
平山先生の御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
平
平山洋介#27
○参考人(平山洋介君) 地方の地域がこれからどうなっていくのかということを考えた場合に、結局重要なのは、一つ一つの家なり不動産をお持ちの方がどうするかということの積み重ねだと思うんですよね。何かプロジェクトをやって自治体ががっと何かするというよりも、一人一人がどうお考えでどうしていくかということが重要だと思うんです。その場合、地方の空き家ないしいろんな不動産をお持ちの方がそこにはおられないということがまず重要で、都会におられるんですよね、大体……ヤジ
この発言だけを見る →福
森