法務委員会

2025-04-01 衆議院 全208発言

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会議録情報#0
令和七年四月一日(火曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 西村智奈美君
   理事 小泉 龍司君 理事 津島  淳君
   理事 中野 英幸君 理事 鎌田さゆり君
   理事 黒岩 宇洋君 理事 米山 隆一君
   理事 金村 龍那君 理事 円 より子君
      井出 庸生君    稲田 朋美君
      上田 英俊君    上川 陽子君
      神田 潤一君    工藤 彰三君
      河野 太郎君    棚橋 泰文君
      寺田  稔君    平沢 勝栄君
      森  英介君    若山 慎司君
      有田 芳生君    篠田奈保子君
      柴田 勝之君    寺田  学君
      平岡 秀夫君    藤原 規眞君
      松下 玲子君    萩原  佳君
      藤田 文武君    小竹  凱君
      大森江里子君    平林  晃君
      本村 伸子君    吉川 里奈君
      島田 洋一君
    …………………………………
   法務大臣         鈴木 馨祐君
   法務大臣政務官      神田 潤一君
   外務大臣政務官    英利アルフィヤ君
   最高裁判所事務総局人事局長            徳岡  治君
   最高裁判所事務総局刑事局長            平城 文啓君
   政府参考人
   (警察庁長官官房総括審議官)           重松 弘教君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 松田 哲也君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 石川 泰三君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    森本  宏君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    小山 定明君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 杉山 徳明君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           橋爪  淳君
   法務委員会専門員     三橋善一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月一日
 辞任         補欠選任
  棚橋 泰文君     工藤 彰三君
同日
 辞任         補欠選任
  工藤 彰三君     棚橋 泰文君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
     ――――◇―――――
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西
西村智奈美#1
○西村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る四日金曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西村智奈美#2
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房総括審議官重松弘教さん、警察庁長官官房審議官松田哲也さん、警察庁長官官房審議官石川泰三さん、法務省刑事局長森本宏さん、法務省矯正局長小山定明さん、出入国在留管理庁次長杉山徳明さん及び文部科学省大臣官房審議官橋爪淳さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西村智奈美#3
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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西
西村智奈美#4
○西村委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局人事局長徳岡治さん及び刑事局長平城文啓さんから出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西村智奈美#5
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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西
西村智奈美#6
○西村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。柴田勝之さん。
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柴田勝之#7
○柴田委員 おはようございます。立憲民主党・無所属の柴田勝之です。
 私からは、先日の本会議で質疑した点について、更に詳しくお伺いしていきたいと思います。
 本会議で大臣は、本法案で新設される電磁的記録提供命令について、必ず裁判官の発する令状によること、また、その命令に対しては不服申立てができることという二つの理由から、犯罪と関連性のない個人情報が収集、蓄積されることにはならないと答弁されました。しかし、実務的な観点からすれば、今述べた二点ともその理由にはならないことをまず明らかにしていきたいと思います。
 現行の刑事訴訟法二百十八条二項では、差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、その電子計算機が接続しているリモートサーバーに記録されている電子データを記録媒体にダウンロードした上で、その記録媒体を差し押さえることができるとされています。この場合、捜索・差押許可状には、リモートストレージサービスのサーバーの記録領域であって、差し押さえるべきパーソナルコンピューターの使用者のID及びパスワードでアクセス可能な記憶領域といった記載がされていると認識しております。
 新設される電磁的記録提供命令においても、これと同様に、サーバーの管理者に対して、特定のユーザーのID及びパスワードでアクセス可能な電子データ一式の提供を命じることもあり得ると考えますが、この点について法務省の御見解を伺います。
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森本宏#8
○森本政府参考人 お答えいたします。
 まず、電磁的記録提供命令は、現行の記録命令付差押えと同様に、被処分者に電磁的記録の提供を命ずる処分でございますから、その処分の性質上、提供させるべき電磁的記録について、被処分者、提出する方において、何を提供すればいいのかということが判断できる程度にまず特定できているということが必要になると考えられます。
 一方、先生御指摘の、現行二百十八条二項のいわゆるリモートアクセスによる差押えの令状においては、先生御指摘のような形での特定というのも一つの方法があり得ると思いますが、その特定方法は、提供すべき電磁的記録が全く一緒とは言えませんで、異なる場合もあり得る。
 その上で、電磁的記録提供命令における提供させるべき電磁的記録の在り方につきましては、個別の事案ごとに、具体的な事実関係、証拠関係を踏まえて判断されることになりますので、一概には申し上げにくいところはございますが、被疑事件との関連性が認められることを前提として、被処分者において特定すべき電磁的記録の範囲が判断可能な程度に特定されるということであれば、御指摘のIDやアカウントにより電磁的記録の範囲を特定することもあり得るものとは考えます。
 他方で、先生、最後のところで一件記録というおっしゃり方をしたと思うんですが、その言い方ですと、普通は、例えば事業者が、電磁的記録提供命令を出すということを想定しますと、どの範囲のものを出していいのかということが明らかにならない場合もあると思いますので、そのような形で命令が出されるか、あるいは執行されるかということについてはちょっと、事案によるとは思いますけれども、少なくとも、事業者が提供できる程度に特定されていることが必要になるということになろうかと思います。
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柴田勝之#9
○柴田委員 特定のユーザーのID及びパスワードでアクセス可能な電子領域ということで、一応特定はできるというふうに理解しましたけれども、そのような場合、ユーザーは被疑者とか事件関係者であることは想定されますけれども、そうであっても、提供された電子データの中身を確認した結果、その大部分あるいは全てが犯罪と関係ないデータであった、また、そのデータには当該ユーザーの個人情報、さらには、ほかの人の個人情報が含まれていたということも当然想定されると思います。
 現行法による差押えでも、差し押さえたパソコンなどに記録された電子データを確認したところ、結果的に被疑事件と関係ない個人情報が含まれていたということはあり得ると考えますが、法務省の御認識を伺います。
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森本宏#10
○森本政府参考人 まず、憲法三十五条一項は、何人も、書類及び所持品について押収を受けることのない権利は、押収する物を明示する令状がなければ侵されない旨規定して、包括的な押収を禁止しております。
 これを受けて、現行の刑事訴訟法において、裁判官が発する差押許可状には、被疑者等の氏名、罪名、差し押さえるべき物等を具体的に記載することとされており、捜査機関が差し押さえることができる、記録媒体でいいますと、この令状に記載された、今の範囲に限定されるということになります。
 そして、その令状の審査に当たっては、裁判官は、令状請求書に記載された差し押さえるべきものと被疑事実との関連性を十分に吟味した上で、そのような関連性があると認めたもののみを令状に記載することとなります。その結果、捜査機関が差し押さえることができるものは、被疑事件との関連性があるものに限定されることとなります。
 その上で、一般に、捜査当局においては、法令の趣旨を踏まえて、捜索の現場において、令状に記載された物件の範囲内で、被疑事件等との関連があると判断した物件を差し押さえているものと承知しております。
 もっとも、その処分に対しては不服申立てをすること等ができますので、不服申立て、準抗告等の結果、その処分が取り消されるということは、実務としては想定されているし、現にあり得ることであるとは承知しております。
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柴田勝之#11
○柴田委員 差押えの違法性が争われている国家賠償請求訴訟において、被告の国から、仮に、差し押さえた物件を精査するなどした結果、関連性がないことが事後的に判明したとしても、当該差押えが刑訴法上違法になるものではないという主張がされているというふうに聞いたことがありますが、これは事実でしょうか。
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森本宏#12
○森本政府参考人 まず、今の、先生が御指摘の、国側の主張というものにつきましては、あくまで検察官による捜索現場における差押えに関して、国が国家賠償請求訴訟において同趣旨の文献に基づいて一般論を述べたものというふうに承知しておりますが、国家賠償法上違法になるかという観点と、それから、その行った行為時において、その当該行為が違法となるかという観点にはかなり違いがありますので、そこを同列に論じていいのかどうかというところについてはちょっと疑問を感じているところでございます。
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柴田勝之#13
○柴田委員 電磁的提供命令、警察官によって執行されることが多いと思われますが、警察において、収集した電子データに被疑事実と無関係の個人情報が結果的に含まれていた場合に、特に当該データを消去するという取扱いは現在されておりますでしょうか。
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松田哲也#14
○松田政府参考人 お答えいたします。
 差押え等により押収した証拠物件については、御指摘のとおり個人情報を含んでいるものもあるところ、いずれにしても、差押えは、裁判官が被疑事件等との関連性を認めて令状に記載したものに限定されるものであります。
 一般論として、警察においては、押収した証拠物件は適切な方法で保管した上、送致すべきものは検察官に送致しております。また、捜査上、留置に必要がないことが明らかであると認められるものについては、必要に応じ、検察官に対し、捜査上、留置に必要性がないことの判断にそごがないことを確認の上、還付又は廃棄しているところであります。
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柴田勝之#15
○柴田委員 個人情報にフォーカスしたお答えはなかったというふうにお伺いしましたが。
 あと、本会議で、法務大臣は、収集した電子データの取扱いについて、現行の刑事訴訟法や刑事確定訴訟記録法などにより保管、保存する、あるいは、刑事訴訟法等に従って適正に管理、廃棄するという答弁をされましたが、それらの法律の関連規定に、被疑事実とは無関係の個人情報を含むデータは消去するといった定めはありますでしょうか。御担当の方からお答えください。
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森本宏#16
○森本政府参考人 本会議で大臣から答弁させていただきました、現行法の刑事訴訟法や刑事確定訴訟記録法等により保管、保存すると申しますのは、一般論として申し上げれば、まず、捜査、公判に必要なものとして作成された書類には、刑事確定訴訟記録になった公判に提出されたものと、それから、公判には不提出だったけれどもというもの、それから、起訴されなかった場合には不起訴記録などがございますが、それがそうした法律に基づいて保管、保存されるということになります。
 その上で、今委員御指摘の、それらで保管、保存されることになったものを処分するとか、廃棄するということになりますと、これは、それらの法律に基づいて、何年間保存したら廃棄しろとかいうことになっておりますので、その規定に基づいてやっております。
 その上で、個々のデータについて消去をするという規定はございませんが、他方で、それらの記録は、その後、刑の執行に使ったりとか、あるいは、再審請求等の用に用いたりとかいうことがございますので、それを、記録として一体として保管することとなったものについて何かを捨ててしまうということが行われれば、記録の再現性がなくなりますというところもございますので、一旦、今申したような形での適切な管理になったものについては、保存期間が来るまでは取っておくという定めになっております。
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柴田勝之#17
○柴田委員 これまでの答弁からしますと、要するに、犯罪と関連性のない個人情報が電磁的記録提供命令あるいは差押えにおいて一切収集されないという保証はどこにもないし、その個人情報が適切に、個人情報に着目して処分されるということもないという御答弁だったと思います。
 したがって、本会議で答弁された、電磁的記録命令が裁判官の発する令状によるという点は、犯罪性と関連性のない個人情報が収集、蓄積されない理由としては極めて薄弱であるということが明らかになったと思いますが、この点について法務大臣の見解を伺います。
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鈴木馨祐#18
○鈴木国務大臣 今、刑事局長からも答弁させていただいたところでありますけれども、捜査機関による差押えにつきましては、裁判官の令状の審査に当たっては、令状請求書に記載された差押えされるべきものと被疑事件等との関連性、これを十分に吟味した上で、そのような関連性があると認めたもののみを令状に記載をするということとなります。
 その結果として、私どもとしては、捜査機関が差し押さえることができるものにつきましては、被疑事件等との関連性があるものに限定をされると考えておりますし、その上で、一般に、捜査当局におきましては、法令の趣旨を踏まえて、差押えの現場において、令状に記載された物件の範囲内で、被疑事件等の関連性があると判断した物件を差し押さえているものと承知をしております。
 そういったことから、御指摘のように、現在の実務におきまして、被疑事件等と関係がないものが差し押さえられる、そういった状況にはないと考えております。
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柴田勝之#19
○柴田委員 では、次に、本会議で答弁された不服申立ての点について伺っていきます。
 現行法による差押えで被処分者の所有ではないものが差し押さえられた場合には、そのものの所有者も不服申立てができると解されております。
 同じように考えれば、サーバーの管理者に対する電磁的記録提供命令で、そのサーバーにあるユーザーが保存していた電子データ、これが提供された場合には、当該ユーザーも不服申立てができると解すべきと考えますが、法務省の見解を伺います。
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森本宏#20
○森本政府参考人 捜査機関の処分に対するいわゆる準抗告について定める刑事訴訟法四百三十条においては、不服申立てをすることができる者について「処分に不服がある者」と規定しておりますところ、現行の押収については、直接の被押収者ではなくても、押収物について正当な利益、権限を有する者は準抗告を申立てすることができるというふうに解されております。
 その上で、捜査機関の電磁的記録提供命令に対して不服申立てができる者の範囲については、個別の事案ごとに具体的な事実関係を踏まえて判断される事柄ではございますので、一概にはお答えしかねるところはございますが、お尋ねの、被処分者が管理しているサーバーに命令の対象となる電磁的記録を記録している者については、不服申立ての主体になり得ると考えております。
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柴田勝之#21
○柴田委員 通信傍受法においては、傍受の後、一定期間内に傍受の事実を通信の当事者に通知するということにされており、これは、通信の当事者が傍受された通信の内容を確認する機会及び不服申立てをする機会を保障し、違法な処分が行われた場合の救済を図るとともに、処分の適正な実施を担保しようとするものであるとされております。
 この趣旨からすれば、サーバーの管理者に対する電磁的記録提供命令で、そのサーバーにあるユーザーが保存していた電子データが提供されたような場合、同じ趣旨で当該ユーザーにも通知がされるべきと考えますが、この法案ではその通知がないという理由をお答えください。
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森本宏#22
○森本政府参考人 お答えいたします。
 通信傍受は、現に行われている他人間の通信の内容を知るため、当該通信の当事者のいずれも同意を得ずに行うというものでございます。また、継続的かつ密行的に、憲法の保障する通信の秘密、憲法二十一条二項の通信の秘密を制約する処分であります。こうした通信傍受の性質を踏まえ、通信傍受法においては、当該通信の当事者が傍受された通信の内容を確認する機会及び不服申立てをする機会を保障するなどの観点から、捜査機関において、傍受記録に記録された通信の当事者に対して通知することとされているところでございます。
 これに対しまして、電磁的記録提供命令は、通信傍受とは異なり、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものにとどまり、先ほど申し上げたような、継続的、密行的に通信の秘密を制約する性質の処分ではございません。
 また、実質的に見ても、仮に、被処分者以外の者に対して不服申立ての機会を与えるために、電磁的記録で提供命令や差押えがなされた、電磁的記録提供命令がなされた事態を通知しなければならないといったこととした場合には、罪証隠滅や被疑者の逃亡を招いて捜査の目的を達することができなくなるであるとか、あるいは、提供を受けた電磁的記録に記録された情報に関係する人を特定した上で、その通知をどこまでするのかといった問題もあって、捜査の迅速性も著しく損なわれるなどの問題があるというふうに考えております。
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柴田勝之#23
○柴田委員 本会議で大臣は、電磁的記録提供命令に対して不服申立てができることを、犯罪と関連性のない個人情報が収集、蓄積されない理由とされていました。しかし、命令を受けたサーバーの管理者はユーザーから電子データを預かっているだけですから、その中にユーザーの個人情報が入っているかどうかなんて一々把握していませんし、ユーザーのためにわざわざ不服申立てを行う動機もないと思います。
 個人情報の主体であるユーザーに不服申立ての機会を与える必要性について本会議でお尋ねしましたが、大臣は答弁されませんでしたので、まずこの点について改めてお尋ねします。
 また、個人情報の主体であるユーザーに捜査機関から通知もされない、秘密保持命令が出ればサーバー管理者からも連絡できないのでは、サーバーの管理者の不服申立てができるからといって、犯罪と関連性のない個人情報が収集される歯止めにはならないというふうに考えますが、この点について大臣の御見解を伺います。
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鈴木馨祐#24
○鈴木国務大臣 現行の刑訴法におきまして、捜査機関が差押え等によって被処分者以外の者に関する情報を取得した場合に、その者に通知をすることとはされておりません。
 実質的に見ましても、仮に、被処分者以外の者に対して電磁的記録提供命令が行われた事実を通知しなければならないとした場合に、捜査機関の活動内容、これが捜査対象者に広く知られることとなる可能性がありますので、捜査の密行性を確保できない、さらには、罪証隠滅行為あるいは被疑者の逃亡等を招いて、捜査の目的を達することが困難となるおそれがあるということもあり得ますし、あるいは、提供を受けた電磁的記録等に記録された情報に関係する者を全て特定をした上で、その所在を突き止めて通知等をしなければならないこととなりますが、実際はそういったことは極めて困難でありますし、捜査の迅速性、これを著しく損なうことにもなりかねません。そういった問題があると我々としては考えております。
 そういったことにおいて、捜査機関が電磁的記録提供命令により電磁的記録の提供を受けた場合に、被処分者以外の者に提供の事実等を通知する仕組み、これを設けて不服申立ての機会を与えるまでの必要性はないと我々としては考えているところであります。
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柴田勝之#25
○柴田委員 次に、通信傍受法では、不服申立てによって通信傍受命令が取り消された場合、傍受データやその複製データを消去するという規定が置かれております。これは、当該傍受に係る通信が傍受すべき通信等に当たらない場合などには、検察官等に当該傍受に係る通信の記録を保持させないのが適当であるとされております。
 この趣旨からすれば、電磁的記録提供命令が取り消された場合にも、同じようにデータの消去についての規定が置かれるべきと考えますが、その規定は置かれておりません。そうすると、電磁的記録提供命令が取り消された場合にも、捜査機関が提供されたデータ、複製データを使用するのに制約は特にないということになるんでしょうか、お答えください。
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森本宏#26
○森本政府参考人 お答えいたします。
 先ほどから御答弁させていただいておりますとおり、通信傍受と電磁的記録提供命令の差については先ほど答弁申し上げたとおりでございますが、その上で、現行の刑事訴訟法下では、捜査機関が証拠を収集した場合において、その押収処分がその後取り消された場合、その場合であったとしても、当該証拠の複製等を廃棄、消去することとはされておらず、直ちに裁判において証拠として利用することができなくなることともされておらず、むしろ、最高裁判例により、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが、将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合に初めて証拠能力が否定されるという取扱いが確立しているところでございまして、そういった取扱いとの関係でも、消去の規定は設けておりません。
 実際にそれが証拠として使われるのが適切なのかどうかというのは、まさに、裁判の中で、今申した判例の趣旨等を踏まえて判断されていくことになろうと考えております。
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柴田勝之#27
○柴田委員 要するに、裁判所が著しく不当と判断して排除しない限りは使います、そういうふうに聞こえましたけれども、電磁的提供命令が違法、不当であるとして取り消されても捜査機関は提供されたデータを使えるというのは、どう考えても常識に反するし、国民の皆様の理解は得られないと思いますが、法務大臣、いかがですか。
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鈴木馨祐#28
○鈴木国務大臣 大変、そこの点については申し訳ないながら、今刑事局長からお答えをさせていただいたとおりでございまして、まさに、我が国における刑事法の基本的な考え方、ここに照らしますと、電磁的記録提供命令が取り消された場合に、その命令により提供された電磁的記録に係る証拠を使用することが直ちに否定をされないとして、不当であるとは我々としては考えていないということでございます。
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柴田勝之#29
○柴田委員 次に、現行の差押えにおいても、差し押さえるパソコンに接続されているリモートサーバーから電子データを取ろうとした場合、パスワードがかかってアクセスできないということがあると思いますが、警察ではそのようなときにどう対応しているか、お答えください。
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