法務委員会

2025-04-09 衆議院 全286発言

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会議録情報#0
令和七年四月九日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 西村智奈美君
   理事 小泉 龍司君 理事 津島  淳君
   理事 中野 英幸君 理事 鎌田さゆり君
   理事 黒岩 宇洋君 理事 米山 隆一君
   理事 金村 龍那君 理事 円 より子君
      井出 庸生君    稲田 朋美君
      上田 英俊君    上川 陽子君
      神田 潤一君    河野 太郎君
      棚橋 泰文君    寺田  稔君
      中西 健治君    平沢 勝栄君
      森  英介君    若山 慎司君
      有田 芳生君    篠田奈保子君
      柴田 勝之君    寺田  学君
      平岡 秀夫君    藤原 規眞君
      松下 玲子君    萩原  佳君
      藤田 文武君    小竹  凱君
      大森江里子君    平林  晃君
      本村 伸子君    吉川 里奈君
      竹上 裕子君
    …………………………………
   法務大臣         鈴木 馨祐君
   法務大臣政務官      神田 潤一君
   国土交通大臣政務官    高見 康裕君
   最高裁判所事務総局刑事局長            平城 文啓君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 松田 哲也君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 伊藤 正志君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    竹内  努君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    森本  宏君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    小山 定明君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 杉山 徳明君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 町田 達也君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           橋爪  淳君
   政府参考人
   (国土交通省道路局次長) 佐々木俊一君
   法務委員会専門員     三橋善一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月九日
 辞任         補欠選任
  棚橋 泰文君     中西 健治君
  島田 洋一君     竹上 裕子君
同日
 辞任         補欠選任
  中西 健治君     棚橋 泰文君
  竹上 裕子君     島田 洋一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
     ――――◇―――――
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西
西村智奈美#1
○西村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官松田哲也さん、総務省大臣官房審議官伊藤正志さん、法務省民事局長竹内努さん、法務省刑事局長森本宏さん、法務省矯正局長小山定明さん、出入国在留管理庁次長杉山徳明さん、外務省大臣官房参事官町田達也さん、文部科学省大臣官房審議官橋爪淳さん及び国土交通省道路局次長佐々木俊一さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西村智奈美#2
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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西
西村智奈美#3
○西村委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局刑事局長平城文啓さんから出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西村智奈美#4
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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西
西村智奈美#5
○西村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井出庸生さん。
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井出庸生#6
○井出委員 おはようございます。
 私は大臣には答弁を求めませんので、この後の厳しい野党の御質疑に備えていただければと思います。
 質問の順番を変えて、通告の四番からいきたいと思います。提供命令に今日も絞って質疑をしますが、記録の保管、管理、それから消去、廃棄のところですね。
 まず、法務省に、検察庁に送致をされたもの、これについては、確定記録法で、裁判で確定した記録、それから、不起訴の書類については、それぞれ規定で保存期間が定められているというふうに承知をしております。電磁的記録についても、これまでの答弁を見ていれば、確定した裁判記録は、当然、確定記録法によって保存期限があり消去、不起訴記録ですとか、それから裁判所に不提出のものも既にある規定が適用されるのかなと思います。
 その上で、電磁的記録というものには、電磁的記録を紙とか媒体として持っている、印刷をしたり媒体であったり、それと別に、今回の論点でもありますが、パソコン、端末間で生のデータの移動というものも、これからというか、もう既にあるんじゃないかなとも思っているんですが、その辺りの取扱いが、既存の法律とか規定によって、保存と、保存期間が来たら消去、廃棄される、そういう運用でいいのか、ちょっと教えてください。
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森本宏#7
○森本政府参考人 お答えいたします。
 電磁的記録提供命令で収集されたデータにつきましては、刑事確定訴訟記録法のほか、法務大臣訓令である記録事務規程等の各種規定に従って一定期間適正に保管、保存された後、必要がなくなったものについて廃棄される、そういう流れを想定しております。
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井出庸生#8
○井出委員 少し細かく確認をしておきたいと思います。
 電磁的記録には、これまでは、通話履歴であればそれを印刷したものが記録となるですとか、物によってはCD―Rとかに収めて保存をしておいて、保存期間が来たら廃棄、ぶっ壊して処分するというようなこともあると思うんですが、もう一つちょっと気になっているのは、これから捜査機関とか同士で、端末間、パソコン同士で生のデータをやり取りすることもあるだろう。当然、だから、手に取ることはできない、パソコンの端末上の中に生のデータがあって、私はそういう生のデータも、確定記録法ですとか、それぞれの規定を適用するのがいいんじゃないかなと思いますが、その点、いかがでしょうか。
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森本宏#9
○森本政府参考人 お答えいたします。
 今先生がおっしゃられたように、基本的には、今までの法律の枠組みの中で保存、保管されていたものと同様の形で保管、保存し、そして廃棄するという流れを適正に行うことを念頭に置いております。
 他方で、例えば、先生御指摘のように、今回の電磁的記録提供命令で申し上げますと、百二条の二の一項一号のイの「電磁的記録を記録媒体に記録させ又は移転させて当該記録媒体を提出させる方法」という方法と、それからロで「電気通信回線を通じて電磁的記録を当該命令をする者の管理に係る記録媒体に記録させ又は移転させる方法」という、大きく二つ列挙してありまして、細かい議論になりますが、先生おっしゃるとおり、イの場合は、CD―RとかDVDとかそういう形のものとか、USBとかいろいろなものがあるでしょうけれども、ロの場合というのは、まさにデータとして送られてくるということになります。
 それで、今までの保存のたてつけで申しますと、イのもの、記録媒体として来たものはどちらかというと有体物ですので、証拠品として扱われることがこれまで多かった。他方で、ロのようなものというのは有体物じゃないので、証拠品というよりは、どちらかというと、今回でいうと電磁的記録になるわけですが、ほかの証拠書類と同じように、証拠書類も電磁的記録になりますので、物というよりは証拠書類的な扱いになるという意味では、記録の方になじむものが多いように思います。
 ですので、どちらかに規律するということになりますが、ここだけでも分かれていますので、どういうものが来るのかということを考えながら、今後、先ほど申しました記録事務規程であるとか証拠品事務規程の中で、どういう形で今までと同じような保存形態を取るのがいいのかということは細かく検討することになろうかと考えております。
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井出庸生#10
○井出委員 大筋の方向性は出ていると思いますので、またその細かい検討についても適宜説明をしていただきたいというふうに思います。
 次に、警察庁に伺います。
 資料を用意しておりまして、資料の二枚目ですね。これは、私が法制局と一緒に刑事手続における書類、証拠物の流れを一覧にしたもので、警察、一番上の送致のところの一番右側ですね、検察に送らない証拠それから記録、それから、検察には送るけれども、コピーというものかそういうものが保存をされているケースがあると思います。
 そうした警察の中でとどめ置いているものについては、令和六年五月二十日の厳格な管理等についての通達、これに電磁的記録が入っているんですが、保管期間については、捜査資料は、捜査幹部が必要がなくなったと認める場合には、確実に廃棄又は消去することと。これは、立憲民主党の階猛先生のようなきちっとした方であればこの規定でもいいと思うんですが、私のように、必要なくなるものは全て捨ててしまって、後で大事なものがないという人間にとっては極めて困る規定だと思います。
 警察庁に伺いますが、やはり今回の法改正で、さっき法務省とのやり取りであった紙それから媒体、物、まあ物は返却なんでしょうけれども、電磁的データについても、当然、生データがパソコンにある、形としては取り出さないけれども、そのものについても、その管理について新たな規定等が必要ではないかと思いますが、その点の答弁をお願いします。
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松田哲也#11
○松田政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、今回の改正で新設される電磁的記録提供命令により提供される電磁的記録につきましては、これまで警察において証拠物件として管理してきた有体物とは異なる保管、管理が求められることとなると考えられるところであります。
 一般論として、警察においては、法律の改正等に伴って新たな制度の運用が開始される場合には国家公安委員会規則や通達を改正することがあるところでございますが、改正法が成立し、電磁的記録提供命令が新設された場合においても、必要な規定の整備を検討してまいりたいと考えております。
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井出庸生#12
○井出委員 これは、きちっと保存をしなければいけない、それから必要のないものはやはり消去をするべきだという、両方あるんですが、消去してしまって後でなかったというようなことになっても困るので、そこの線引きというのは非常に難しいと思います。ただ、パソコン上の管理になりますので、アクセスをする者を限定するとか、そのフォルダの中をしっかりと整理するとか、コピーすればコピーの履歴も残りますから、パソコンならではの管理の仕方というものは十分にその制度を立案することは可能だと思いますので、そうした観点で、確実にとか、そういうちょっと精神論ではなくて、少しそのものに合った規定を作っていただきたいと思います。
 それから、次に最高裁に伺います。
 この提供命令の安全の担保は、令状を取る、そこが唯一、一番重要なところであると思います。この令状について、私がさきの、四月四日、参考人質疑で先生方に伺ったときに、法制審に出られていた池田先生と樋口先生が、私が提供命令には罰則があるから令状審査が厳しくなるのではないかという趣旨の質問をしたときに、お二人とも、実際上そのような効果が生じると思われるですとか、事実上の効果としては罰則を意識するようになるような変化はあると。一方で、お二方とも、令状審査の質的な差異はないとか、理論面から見た運用に変化はないはずと述べている。
 私のスタンスとしては、やはり、有形物、媒体ではなくなって、データで丸ごと取ってくることになるので、提出する方の気持ちとしても、よりきちっと指定された方がありがたい。ましてや罰則がかかっているという意味では、厳格な令状審査を求めたいと思います。
 そこで、その二人の参考人がお話をしていた、実際上、事実上の効果、罰則を伴うことによって令状審査が慎重、厳格になるということがあり得るのか。私はあり得ると思っているんですが、あり得るのか、それはあり得ないと否定をできるのか、そのどちらか伺っておきたいと思います。
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平城文啓#13
○平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 これまで裁判官は、嫌疑の存在、強制捜査の必要性、被疑事実と対象物の関連性等、諸般の事情を勘案いたしまして厳格に令状審査を行ってきたところでございます。このような姿勢は、電磁的記録提供命令に係る令状審査においても変わるところはないと認識しております。
 もっとも、電磁的記録提供命令違反に罰則が設けられていること自体が裁判官の令状審査に事実上どのような影響を与えるかという点でございますが、これは明確にお答えすることは困難でございまして、委員御指摘の事実上の効果があることを肯定することはできませんが、否定することもできないものと考えております。
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井出庸生#14
○井出委員 大変分かりにくいけれども、よく分かりました。ありがとうございます。
 それで、令状主義というのはただ令状を取ればいいということではないので、それはGPS捜査の違法判決、最高裁判決でも、令状を取ることはもちろんだが、きちっと立法措置もしろというような指摘もあったと思いますので、令状を取ればいいというものじゃないぞということはしっかり申し上げておきたいと思います。
 それと、最後に、法務省のこれまでの答弁について一点ただしておきたいと思います。
 違法に収集された証拠については直ちにその能力は失わない、昭和五十三年の最高裁判例に基づいてそういう答弁をしてきております。しかし、その最高裁判例を、今日、資料の一枚目につけておるんですが、ばあっと線が引いてあるんですが、前半は法務省のおっしゃるとおり。しかし、真ん中ら辺に二重線で「しかし、」というところがあって、「しかし、」以降は、令状主義の精神を没却するような重大な違反があれば云々とあって、重大な違法があり、相当でないと認められる場合はその証拠能力は否定されると。
 私は、この判例というものは、この「しかし、」の前と後、セットだと思いますので、是非今後の議論ではその二つを答弁していただきたいと思いますが、刑事局長に見解を求めます。
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森本宏#15
○森本政府参考人 お答えいたします。
 今、先生が御紹介になられた判例は、違法収集証拠排除法則と言われるものの代表的な判例で、どのような場合に違法収集証拠として証拠が排除されるかということに関する最高裁の規範を示したものと理解しておりますので、先生がおっしゃったような両面があるものというふうに理解しております。
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井出庸生#16
○井出委員 刑訴法の一条は、刑事事件について、公共の福祉や個人の基本的人権の保障を全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法規を適正かつ迅速に適用するということになっております。このことをよく肝に銘じて、くれぐれも捜査側の真相究明のためだったら何でもというような思考に陥らないように、そのことだけは心してやっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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西
西村智奈美#17
○西村委員長 次に、松下玲子さん。
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松下玲子#18
○松下委員 立憲民主党、松下玲子です。
 本日は、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案、通称刑事デジタル化法案についてと、人質司法について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、法案の提案理由説明には、情報通信技術の進展及び普及に伴い、刑事手続等においても情報通信技術を活用し、手続を円滑、迅速なものとするとともに手続に関与する国民の負担を軽減することが喫緊の課題となっていますとあります。今回の一部改正法律案が国民の負担軽減に資するものとなっているのか、本当に国民の利益となっているのかという視点で質問をしたいと思います。
 また、情報通信技術が進展して、およそ三十年が経過しています。情報通信技術の進展や普及とともに、スマートフォンやタブレット、パソコン等の情報通信機器は、私たちの日常生活にはなくてはならないものにもなっています。
 今回、初めて、情報通信技術の進展等に対応するため、刑事訴訟法等を一部改正する法律案が政府から提案され、西村委員長を始め委員会理事の皆様の御尽力によって、参考人質疑も行うなど、丁寧な審議を行っていると思っています。
 私自身、刑事手続のデジタル化には賛成の立場ですが、新たに創設される電磁的記録提供命令制度で、膨大な個人情報の取扱いに、個人情報保護やプライバシー権、通信の秘密の観点から、人権や尊厳が守られたものとなっているのかという疑問もあります。
 先日の参考人質疑でも、坂口参考人からは、現在の法案は、捜査機関の利便に資する多くの制度を創設する一方で、国民のプライバシーの権利や被告人の防御権を軽視し、バランスを欠いた内容になっているため、主に二つのポイントにつき修正を強く求めていますという意見がございました。
 今回の改正案の基となった法制審議会刑事法(情報通信技術関係)部会の議事録を、私自身確認をいたしました。情報通信技術の進展等に対応するための刑事法の整備についてを議題として、一年半にわたり十五回会議が開かれています。この法制審議会刑事法部会の委員選定はどのように行ったのでしょうか。IT、デジタル等の情報通信技術や個人情報保護に関する専門家が、私が見る限り入っていないように見受けられるのですが、情報通信技術関係の部会にもかかわらず、両専門的知見を持った委員が入らずに会議が行われていたのであれば、これは大きな問題であると思います。
 情報通信技術や個人情報保護に関する専門家が部会委員にいたのかどうか、教えてください。
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森本宏#19
○森本政府参考人 お答えいたします。
 まず、法制審議会令におきましては、法制審議会の委員について、学識経験のある者のうちから、法務大臣が任命し、そのうち、部会に属すべき委員は、法制審議会総会の承認を経て、会長が指名することとされております。
 そして、その上で、御指摘の刑事法(情報通信技術関係)部会の委員については、法制審議会令に基づきまして、諮問の趣旨及び内容に照らし、刑事法の学識経験を有する研究者四名が任命、指名されたほか、刑事司法制度に関する専門的知見を有する法律実務家等として裁判官二名、弁護士二名を含む委員七名が任命、指名されました。
 同部会におきましては、刑事法の研究者の委員等が刑事法分野における個人情報保護に関する専門的知見を有していたほか、関係官という立場で議論に加わった法務省デジタル統括アドバイザーがデジタル技術に関する専門的知見を有していたところであり、そうした専門的知見も踏まえて十分な議論が尽くされたものと考えております。
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松下玲子#20
○松下委員 今お答えがありました、委員の中には刑事法の中で個人情報保護に関しての知見がある方がいた、情報通信に関しては関係官にいたと。関係官の、この法務省デジタル統括アドバイザーの方のことかと思うんですが、関係官というのは、採決の権利も持っていないですし、委員とは異なりますよね。
 二十人以内で構成するとなっているところ、十一人、七人と四人なので、十一人の委員と部会長で構成されていたと思うんですが、これはまだ、二十人以内だと定員というか枠が余っているので、個人情報保護や情報通信に特化した専門家の意見も聞くべきだったんじゃないでしょうか。いかがですか。
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森本宏#21
○森本政府参考人 関係官は、法制審議会がその調査に関係があると認めた者は、会議に出席し、審議の参考に供するために、議事に関して、説明し、又は意見を述べることができるとされておりまして、そういった立場で御参加いただいたというふうに考えておりまして、先ほども申しましたとおり、十分な審議が尽くされたとは思っておりますけれども、委員御指摘の点につきましては今後の参考にさせていただきたいというふうに考えております。
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松下玲子#22
○松下委員 今後の参考だと困っちゃうんですよ。今回、非常に、個人情報保護やプライバシー権、また情報通信技術の進展に伴った法改正を初めて刑事訴訟法で行うわけですから、この法制審の部会というのはとても重要だったと思うんですね。
 実は、この部会の前には検討会を行っていますよね。刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会、以下検討会と言いますが、ここの委員と私比べてみたんですね、検討会の委員と、この法制審の委員。ほとんど、同じ方もいらっしゃるんですが、一人、刑事訴訟法が御専門の学識で、情報、プライバシーにも特化していらっしゃる先生、これは笹倉宏紀先生と書いてあるんですが、論文もちょっと調べてみたんですけれども、何で、検討会には入っていらっしゃったのに、法制審にはいらっしゃらないのか、私はちょっと不思議でならないです。
 そして、この法制審の前段の検討会の中では取りまとめが出ていますので、そちらも確認をしてみました。法制審の議論と大きく異なっていることも気になりました。
 検討会では、例えば、オンライン接見に関しての異なる委員からの意見に関しても、取りまとめではきっちり両論併記になっているんですね。メリットやデメリットが両方示された後に、この検討結果を踏まえて、更なる協議が進められることが期待されると締めくくられています。
 一方、法制審の部会では、こうした検討結果を踏まえているとは思えない、例えば電磁的記録提供命令に関しては、懸念や留意事項を述べた委員の意見が、特に理由の説明がないまま、最後の案には反映されていないということがありました。オンライン接見に関しても、その必要性について同委員から強く求められていますが、法制審部会の骨子案には、残念ながら全く書かれていません。
 なぜ、被疑者、被告人がオンラインで弁護人等と接見する権利が実現されなかったのか、私はとても疑問に思います。検討会では議論されていましたからね。そして、そもそも現行法でオンライン接見は禁止されているのか、教えてください。
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森本宏#23
○森本政府参考人 お答えいたします。
 まず、刑事訴訟法三十九条一項に規定する接見につきましては、被疑者、被告人が収容されている刑事施設等に弁護人等が赴いた上で対面で行われるものであって、電話の使用は同項に規定する権利としての接見には含まれないものと解されておりまして、いわゆるオンライン接見も同項の接見には含まれないと解されておりますが、他方で、委員御指摘のとおり、刑事訴訟法上、オンライン接見を禁止する規定はないものと承知しております。
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松下玲子#24
○松下委員 参考人質疑で、この法制審の部会の委員でもありました池田参考人は、オンライン接見は、刑事訴訟法、今御紹介あった三十九条一項で許容されているという解釈を示されましたよね。弾力的にニーズの高いところから実施していくという運用を着実に推進してほしいといった陳述をされていました。
 今禁止はされていないというふうにおっしゃいましたが、対面でというのは第三十九条の刑訴法の条文には書いていないと思いますけれども、書いてありますか。
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森本宏#25
○森本政府参考人 三十九条一項の解釈、考え方において、そのような考え方が示されているということで申し上げたところでございます。
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松下玲子#26
○松下委員 法文の解釈はいろいろあると思うんですけれども、まず条文には書かれていませんよね。私が先ほどお伺いしたときに、現行で禁止されているのかということで、禁止はされていないということでしたが、対面でとお答えがあったのは、これは誤解を招くので、解釈でというふうにちゃんと説明してほしかったと思います。
 そして、解釈というのであれば、池田参考人は、オンライン接見は許容されているという解釈を示されております。そこで禁止をされていないということは分かりました。
 次に、この法制審議会刑事法部会の試案の段階で、被疑者、被告人がオンラインでの弁護人等の接見についての制度導入が、残念ながら見送られています。オンライン接見の実現及び法制化は、全国五十六の弁護士会及び弁護士連合会から求められており、法制審においても久保委員が導入を求めて発言をしていますが、その理由が示されることなく法制審の答申からは外れ、今回の法案にも含まれていません。禁止されてもいません。
 オンライン接見の必要性はないというのが、政府のお考えなのでしょうか。法制審の議論の状況を見守った上でも、なお法案に採用しなかった理由を教えてください。
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森本宏#27
○森本政府参考人 まず、弁護人との接見は、被告人等の防御権を保障する上で重要な意義を有するものと認識しておりまして、オンラインによる外部交通の実施に対するニーズが高い地域があるということも承知しているところでございます。
 その上で、オンライン接見につきまして、弁護人以外の者が弁護人に成り済ますことや接見が認められていない第三者が同席すること等を有効に防止できるのは、いわゆるアクセスポイント方式を取る場合に限られるというふうに考えられるところでございますが、そのアクセスポイント方式によるオンライン接見を被疑者等の権利として位置づけることについては、法制審議会において議論がなされたところでございます。
 刑事訴訟法上の権利として位置づけて、明文の規定を置くべきとの意見があった一方で、全ての刑事施設等でオンライン接見を実現できる見通しがないのに権利化してしまうと、大部分の施設において被疑者等が法律上認められた権利を行使できないという状態が長期にわたって続くことになるでありますとか、それから、刑事訴訟法上の権利とせず、運用として、ニーズの高い地域から弾力的に実施していくのが適切であるといった意見があり、答申には盛り込まれなかったところでございます。
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松下玲子#28
○松下委員 先日のこの委員会の質疑でも、立憲民主党の篠田委員が、弁護士として北海道で刑事弁護に当たって、直ちに依頼者の元に遠距離を車で駆けつけたというお話もございました。
 法務省としてもオンライン接見の必要性は認めていると、今、お答えから私は受け取りました。にもかかわらず、今回制度化できなかったのは、全ての、日本全国あまねく実現をすることが困難だからだというふうにも、今お答えを聞きました。
 でも、全てすぐできないからといって、今まさに困っている人がいて、必要な地域があって、オンライン接見を望んでいるにもかかわらず制度化されないということは、私は残念でなりませんし、これは何とか、制度化がもちろんベストではありますが、今、お答えの最後に、アクセスポイント何ちゃらかんちゃらといって、法律でも禁止されているわけではないですから、できるところからやろうかなみたいなふうに聞こえたのですが、そうしたところを少しでも今回の法改正で担保する必要があると私は思います。
 やはり、都市と地方では移動にかかる時間も費用も大きく異なりますよね。オンライン接見をあまねく全国で実現するためには、様々な環境整備が必要であろうということも理解をいたします。だからといって、できるところもできないままでは、これは本当に何のための刑事訴訟法のIT化、デジタル化なのか、理解に私は苦しみます。
 刑事手続において情報通信技術を活用することにおける重要な視点が、検討会において共有されています。とても大切な視点だと思いますので、その一部を御紹介します。
 刑事手続における情報通信技術の活用は、刑事手続に携わる者の負担を軽減し、その合理化に資するものであるが、それのみを目的とすべきではなく、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現することを目的とする、刑事訴訟法第一条、刑事手続の円滑かつ適正な実施に資するために、そして、被疑者、被告人、被害者を始めとする国民について、捜査、公判に関与する負担を軽減し、それらの者の権利利益の保護、実現に資するために活用されるべきである。
 刑事訴訟法等の一部改正は、国民の権利利益の保護、実現のために必要な制度を設けるべきであると私は思います。今回の法改正で国民の利益に資する部分はどこかを教えてください。
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森本宏#29
○森本政府参考人 お答えいたします。
 本法律案は、刑事手続等の各場面において情報通信技術の活用を可能とすることによって、手続の円滑化、迅速化及びこれに関与する国民の負担軽減を図るものでございます。
 例えば、本法律案におきましては、証拠書類の電子データ化等によりまして、弁護人が、電子データである証拠書類について、裁判所や検察庁においてコピーの手間なく謄写することが可能となるとともに、オンラインにより閲覧、謄写することも可能としております。また、身柄拘束に関する不服申立て等をオンラインにより迅速に行うことも可能となっております。これらを通じて、被疑者、被告人、弁護人側の防御上の負担が大幅に軽減されることがまず期待されると思っております。
 それから、犯罪被害者の観点から申しますと、被害者参加人として公判廷以外の場所に在席してビデオリンク方式により公判期日における手続に参加することを可能とすることとしているところでございまして、これを通じて犯罪被害者等の負担の軽減が図られることも期待されます。
 さらに、本法律案におきましては、証人尋問をビデオリンク方式により実施することができる範囲を拡充し、例えば、多忙な医師に専門家としての証言を求める場合等においてもビデオリンクによる尋問を可能とすることとしているところでございまして、これを通じまして、証人の出頭に伴う業務上の負担も軽減されることが期待されるということでございまして、本法律案は、こういった様々な方々の立場に立って広く利益があるというふうに考えております。
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