決算委員会

1954-10-11 衆議院 全285発言

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会議録情報#0
昭和二十九年十月十一日(月曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 田中 彰治君
   理事 押谷 富三君 理事 鍛冶 良作君
   理事 田中 角榮君 理事 高橋 英吉君
   理事 河野 金昇君 理事 柴田 義男君
   理事 杉村沖治郎君
      天野 公義君    徳安 實藏君
      松山 義雄君    三和 精一君
      藤田 義光君    中嶋 太郎君
      片島  港君    高津 正道君
      三鍋 義三君    山田 長司君
      大矢 省三君    吉田 賢一君
      池田正之輔君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (京都大学総
        長)      滝川 幸辰君
        参  考  人
        (東京大学教
        授)      団藤 重光君
        参  考  人
        (成蹊大学教
        授)      佐藤  功君
        専  門  員 大久保忠文君
        専  門  員 岡林 清英君
    —————————————
九月二十八日
 委員櫻内義雄君辞任につき、その補欠として藤
 田義光君が議長の指名で委員に選任された。
十月八日
 委員中村高一君辞任につき、その補欠として池
 田禎治君が議長の指名で委員に選任された。
同月十一日
 委員丹羽喬四郎君、三鍋義三君、山田長司君、
 池田禎治君及び矢尾喜三郎君辞任につき、その
 補欠として三和精一君、柴田義男君、高津正道
 君、杉村沖治郎君及び大矢省三君が議長の指名
 で委員に選任された。
同日
 委員高津正道君辞任につき、その補欠として山
 田長司君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事山田長司君及び吉田賢一君の補欠として柴
 田義男書及び杉村沖治郎君が理事に当選した。
    —————————————
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 参考人招致の件
 参考人より意見聴取
 政府関係機関の収支(日本開発銀行の造船融
 資)に関する件
    —————————————
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田中彰治#1
○田中委員長 これより決算委員会を開きます。
 まずお諮りいたします。理事吉田賢一君から理事辞任の申出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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田中彰治#2
○田中委員長 御異議なしと認め、理事辞任を許可するに決しました。
 この際その補欠選任をいたしたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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田中彰治#3
○田中委員長 御異議なしと認めます。よつて杉村沖治郎君を理事に指名いたします。
    —————————————
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田中彰治#4
○田中委員長 本日は前会に引続いて、政府関係機関の収支のうち造船融資に関する件を議題として調査を進めます。
 そこで本問題の調査の完璧を期するため、さきに証人喚問を行つたのでありますが、証言問題について幾多法律上の疑義を生じましたので、学識経験者を招聘し、その意見を求めることに決定し、前回の委員会におきまして、その参考人を指名、決定いたしたのでありますが、そのうち京都大学総長滝川幸辰君、東京大学教授団藤重光君を除くほかはいずれも公務の都合で出席できない旨の申出がありました。よつて前二氏にあらためて成蹊大学教授佐藤功君、法政大学法学部長中村哲君、日本弁護士協会理事長戸倉嘉市君、キリスト教新聞主幹武藤富男君の四氏を参考人に追加指名してその出席を求め、本日は滝川幸辰君、団藤重光君、佐藤功君より、明十二日は戸倉嘉市君、中村哲君、武藤富男君よりそれぞれ意見を聴取いたしたいと存じますが、さよう決定するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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田中彰治#5
○田中委員長 起立多数。よつてさよう決しました。
 この際参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用中のところ本委員会のために御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。すでに御承知の通り本委員会は国政調査の一項目として政府関係機関の収支のうち日本開発銀行の造船融資に関する件について調査中でありますが、さきに本委員会に出頭した証人検事総長佐藤藤佐君、東京地検検事正馬場義続君が職務上の秘密として証言を拒否した事項について、法務大臣に対し証言及び書類提出の承認を求めたのてありますが、その承認を拒否し、理由の疏明をして来たのであります。この承認拒否の理由を受諾することができない場合には、内閣に対して、その証言または書類の提出が国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の声明を求めることになりますが、この種の事例は初めてのことであり、先例にもなることでありますので、本委員会におきましては審査の慎重を期するため、参考人として学識経験者の意見を聞き、あわせて今後の証人喚問の参考にもなりますので御足労願つたわけであります。従いまして右の点をお含みの上、忌憚なき御意見を開陳されるようお願いいたす次第であります。
 それではこれより御意見を求めることになりますが、問題の点といたしましては、すなわち第一に、本委員会は国会に与えられた国政調査権に基いて国家の利益のために調査するのであつて、それが捜査の問題に関しても、ある程度詳細に証言すべきであろうと考える次第であります。もとより国政調査権に基く証言の必要性については一応の段階はあるでしようが、はなはだしく調査に支障を来すようなことは国政調査権の性質上許さるべきではなく、職務上の秘密といつても、もちろんその限界が固定したものでもないと思います。よつて国政調査の目的またはその必要性のいかんによつて、秘密の限界は相対的に動くものではないでしようか。そこで国政調査権に基く証言要求とその証人及び職務上の秘密の限界についての問題。
 第二に、国政調査権は一応国政一般にわたると考えなければならないと思うのでありますが、ただ司法は行政と異なつて憲法及び法律の拘束を受けるだけで、これを国政調査の名のもとに云々するということになると裁判の権威というものが疑われ、国家の法秩序の上からも許されないことと思いますが、検察という事務は司法作用に密接に関連し、司法権の行使を可能ならしめる作用であるとしても司法作用そのものではないのであつて、司法に関する行政的な事務であろうと考えます。従いまして検察事務の内容が司法事務の内容と同じように国政調査に対して不可侵なものであるとか、内容的にその批判を許さないものであるとかというようなことはできないのではないかと思います。そこで国政調査権と検察事務との関係についての問題。
 第三は、かりに検察事務と司法事務とが相互に密接な関係があつて、公訴が裁判所に係属している間は、捜査及び公訴追行の内容については国政調査権に対して、ある範囲職務上の秘密として保護されなければならないとしても、現在問題になつている造船問題についてはすでに起訴されておる多数の被告人があり、佐藤榮作君も政治資金規正法の罪名ではあるが起訴されておるのであります。そこでその起訴されておる事実を今証言することがどの程度公訴の障害になるものか、ともかく事件は相当の程度まで公知になつておると思います。従つてたとえば佐藤榮作君が金を受取つたことは確かであり、その意味づけのため開発銀行の融資に関係があつたかどうか。これは否認するであろうが、そうするとすでに起訴状に書いてあるリベートの行先を証言することになるのであります。従つてこれが国家の重大な利益に悪影響があるとまでは思われないのでありますが、こういう点についての問題。
 第四に、証人、特に吉田首相についてでありますが、造船融資に関連して幾多の疑義があり、調査の徹底を期する必要上証人として喚問することに決定し、その手続をとつたのでありますが、証人は閣議及び閣議の状況奏上とか、外遊準備等々のため、指定期日以降外遊出発まで、すなわち九月十八日から九月二十六日までの間出席できない旨の届出があつたのでありますが、本委員会といたしましては、この出席拒否の理由が正当の理由とは認めがたいとの決議によつて、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第八条により告発したのでありますが、この出席を拒否し得る正当な理由の限界。
 第五に、国政調査権に基く首相の証人出頭拒否による告発の場合、憲法第七十五条の国務大臣の訴追との関係。
 以上五点について各参考人の御意見を承りたいのであります。
 参考人各位には大体お一人三十分程度で御意見の開陳を願つた後、委員各位の質疑に移ることにいたしたいと思いますから、さよう御了承願います。
 それではまず京大総長滝川幸辰君からお願いいたします。
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鍛冶良作#6
○鍛冶委員 議事進行。——この間この委員会で決定せられたのは、法務大臣からの回答に対してそれが正当であるかどうかということを学識経験者から聞くということに決定した。当時は、吉田総理が出て来ることの公務についてもやろうという理事会におけるお諮りがありましたが、この委員会では決定にならなかつたはずであります。しかるにただいま委員長の読み上げられたのを聞いておると、両方のものをやられる。これは、第一の点はきめたのでありまするからわれわれは異議がございませんが、第二の点は決定にならざるものを本日議題にせられたものと考えますから、これを拒否いたします。それが第一。
 それから第二に、私はそこへ出ておられる参考人諸君にお聞きしたいのですが、われわれは……。
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田中彰治#7
○田中委員長 それは許しません。
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鍛冶良作#8
○鍛冶委員 内容ではない。議事進行に関してだ。
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田中彰治#9
○田中委員長 その発言は許しません。
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鍛冶良作#10
○鍛冶委員 内容ではない。ぼくの言うのを聞き給え。
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田中彰治#11
○田中委員長 その発言は許しません。
    〔「聞く必要なし」と呼び、その他発言する者あり〕
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田中彰治#12
○田中委員長 その発言は許しませ
 ん。
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鍛冶良作#13
○鍛冶委員 それでは委員長に聞く。本日出られる方は日本の一流の学者なんである。学者として学問上の経験に基く意見を聴取せられても、ただ単に問題を出してその意見を求められるものと私は解釈しておる。しかるに先ほど来委員長がそこで読み上げるのを聞くと、委員長はこう思う、この点はこうであるがどうだ、これならば意見を求めるのじやなく、委員長の意見に対して答弁を求めることになる。私は、いやしくも本日ここに出て来られたる学者方は、さような委員長の意見のよしあしを判断に来られたものでないと思う。私はその点をお聞きしたい。あなた方はそれでもお答えになるかどうか。きよう委員長はそういうことを聞いてよろしいと思つておられるかどうか、さらにまた参考人にあなたから聞いてもらいたい。
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田中彰治#14
○田中委員長 さしつかえないと思つております。
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鍛冶良作#15
○鍛冶委員 参考人として聞いておるのじやない、委員長はおれはこう思うがどうだ、そんなことをやる必要は一つもありません。私は問題にならぬと思う。私は内容については何も言つていない。そういう意味で学者の方々は出ておられぬと思つておるが、委員長はいいと思つておられるかどうか、また参考人はどう思つておられるか、ただしてもらおう。
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田中彰治#16
○田中委員長 鍛冶君にお答えします。委員長はさしつかえないと思つております。
 何か今鍛冶君のことについて、反対の議論がありますればこれを許します。
    〔「進行々々」と呼び、その他発言する者あり〕
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田中彰治#17
○田中委員長 それではどうぞ。
    〔「参考人にお伺いしているのだ」と呼び、その他発する者あり〕
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田中彰治#18
○田中委員長 参考人に申し上げますが、少しも遠慮せぬでいいからどうぞやつてください。少しも遠慮する必要はありません。
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滝川幸辰#19
○滝川参考人 私がここへ参つたのは法律上の意見を述べに来たので、お尋ねになつておる内容は、ここにいただいたものしかありません。従つてこれが政治上どう影響するかということは、全然考慮の外に置いております。法律上の意見だけ申し上げます。
    〔「委員長の言うたことに対して答えなさい」と呼ぶ者あり〕
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田中彰治#20
○田中委員長 参考人は委員会が呼んであるんです。
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鍛冶良作#21
○鍛冶委員 少しあなたは発言を注意してください。
    〔「妨害するな」「妨害じやない」と呼び、その他発言する者多し〕
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田中彰治#22
○田中委員長 御静粛に願います、自由党の方。——妨害すれは退場を命じます。妨害してみなさい。……
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滝川幸辰#23
○滝川参考人 初めに委員長が何か申されましたし、また委員から何か申されたが、私は一向考慮に入れておりません。
    〔「われわれは今委員長の言われたことしかわからない」と呼び、その他発言する者多し〕
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滝川幸辰#24
○滝川参考人 ここに尋問事項があるんです。これにお答えしたらいいだろうと思います。
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田中彰治#25
○田中委員長 鍛冶さん、もう少し学のあるところでお考えになつてください。
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滝川幸辰#26
○滝川参考人 これにお答えしたらいいんでしよう。
    〔「何かわからない」と呼ぶ者あり〕
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田中彰治#27
○田中委員長 委員会から行つております。
    〔「それは困る、何というものかわからなければ……」と呼ぶ者あり〕
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田中彰治#28
○田中委員長 わかつています。あなたのところにちやんと届けてあります。
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滝川幸辰#29
○滝川参考人 何か初めから委員会はけんかをしているようですが、私はけんかに関係ないですから……。それで今ここに書いてありますことについてお答えするわけなんですが、検事総長の佐藤藤佐君とそれから東京地方検察庁検事正の馬場義続君、この両君が証人としてこの委員会へ喚問されて、そうしてある事項は証言をされ、ある事項は証言を拒否されたようです。それから引続いて……。
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