農林水産委員会

1957-10-09 参議院 全115発言

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会議録情報#0
昭和三十二年十月九日(水曜日)
   午前十時二十九分開会
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  委員の異動
九月二十一日委員東隆君辞任につき、
その補欠として松本治一郎君を議長に
おいて指名した。
十月一日委員松本治一郎君辞任につ
き、その補欠として東隆君を議長にお
いて指名した。
十月七日委員梶原茂嘉君辞任につき、
その補欠として加藤正人君を議長にお
いて指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     堀  末治君
   理事
           藤野 繁雄君
           東   隆君
           清澤 俊英君
           島村 軍次君
   委員
           青山 正一君
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           柴田  栄君
           田中 啓一君
           仲原 善一君
           北村  暢君
           鈴木  一君
           戸叶  武君
           上林 忠次君
           千田  正君
           北條 雋八君
  国務大臣
   農 林 大 臣 赤城 宗徳君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安樂城敏男君
  説明員
   農林大臣官房長 齋藤  誠君
   農林大臣官房予
   算課長     昌谷  孝君
   水産庁長官   奧原日出男君
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  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○農林水産政策に関する調査の件
 (昭和三十三年度農林水産関係予算
 に関する件)
 (農林水産基本政策に関する件)
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堀末治#1
○委員長(堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開催いたします。
 最初に、委員の変更について御報告いたします。九月二十一日東隆君が辞任され、松本治一郎君が選任され、十月一日、松本治一郎君が辞任され、東隆君が選任され、十月七日、梶原茂嘉君が辞任され、加藤正人君が選任されました。
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堀末治#2
○委員長(堀末治君) 次に、理事の補欠互選を行います。
 東委員が一時委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になっておりますので、その補欠互選を行いたいと存じます。その方法は、成規の手続を省略して、便宜委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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堀末治#3
○委員長(堀末治君) それでは、理事に東隆君を指名いたします。
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堀末治#4
○委員長(堀末治君) 昭和三十三年度農林省関係予算の件を議題といたします。
 この件については、先般農林省の概算要求書がまとまったようでありますから、本日農林当局からその説明を聞くことにいたします。官房長は今省議に出ておられるようですから、予算課長の昌谷君からお聞きすることにいたします。
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昌谷孝#5
○説明員(昌谷孝君) 昭和三十三年度の農林省関係予算の概算要求書第一次分といたしまして、先般大蔵省に省議を経て提出いたしました分がまとまりましたので、御説明いたしたいと思います。
 お手元にお届けいたしました資料によって、概要を御説明いたしたいと存じます。
 まず、一般的な編成方針でございますが、これにつきましては、すでに先般農林水産政策要綱が決定を見まして、その線で今後の農林省施策を展開して参るという基本方針が定まっておりますので、今般の予算につきましても、せんだっての政策要綱に沿いまして要求いたすことにした次第であります。従いまして、例年のごとく特に予算上事新しく編成方針を述べませんで、ここに一番から八番まで列挙いたしました各項目は、ただいま申しました農林水産政策要綱のそれぞれの大きな柱を、そのまま確認をいたしておる次第であります。
 次に、予算の概算要求の規模でございますが、要求規模につきましては、千七百四十五億ということに相なったわけでございます。これは例年の通り、農林省所管予算のほか、関係いたします総理府その他それぞれの省の、農林省所管あるいは農林関係予算を全部足し合わせました合計額でございます。その詳しい数字につきましては、四ページの表で見ていただきたいと思います。
 四ページから五ページにかけましての表で、所管別の関係予算を述べたわけでありますが、五ページの農林関係予算合計という、一番しりのところにございますように、三十三年度概算要求は千七百四十五億四千二百万円ということに相なっております。これは、三十二年度の、前年度と書いてございますのは、今で申しますとまだ本年度でございますが、三十二年度予算が八百九十四億九千七百九十五万円というのに対しまして、明年度の要求が千七百四十五億ということでございます。従いまして、三十二年度予算と比較をいたしますと、一ページのところで書きましたように、八百五十億円の増加要求になっておるわけでございます。それから御参考までに、これを前年、三十二年度予算の当初のときに農林省が要求いたしました数字と比較いたしますと、それが約手六百億でございますが、千五百八十何億だったかと思いますが、それと比較いたしますと、百三十六億円の増、成立いたしました八百九十四億に比べまして八百五十億の増となっております。
 なお、以上が一般会計のスケールでございますが、このほか、(ロ)で書きましたように、財政投融資の書画といたしまして、まず農林漁業金融公庫につきましては、貸出規模を六百五億円ということで要求をいたしております。三十二年度の農林公庫は、御承知のように、三百五十億の貸付計画でございますから、それに比較いたしますと、かなり大幅な増加を要求いたしておるわけでございます。で、六百五億の資金構成といたしましては、御承知のような公庫の資金繰りでもございますので、一般会計から三百二十六億円、預金部資金百七十九億円、回収金を百二十億というような資金の裏づけによりまして、六百五億の貸出規模を要求いたした次第でございます。
 次に、(ハ)でございますが、これは農林漁業金融公庫を含めました一般の投融資計画が、合計で六百六十六億円。これは後ほど、表がございますので、それによって御説明をいたしたいと思います。
 大体要求いたしましたものの規模はこのようなことでございますが、なお大きな項目が幾つか、今回の要求ではまだ十分に結論を得ておりませんので、保留をいたされております。いずれ十月あるいは十一月中くらいには成案をまとめまして、大蔵当局の方へ要求書を提出いたしたいと存じておりますが、そのおもなものがこの円のところに述べてございます。食糧管理特別会計への一般会計からの繰り入れ、あるいは輸入食糧等価格調整積立金というようなものを新たに、食糧管理の必要上設けようかということを研究いたしておりますが、そういうものを設けるといたしますれば、それの発足の際の原資を一般会計から仰ぐということになろうかと思います。それから先般来御議論のありました牛乳、乳製品の需要調整並びに需要増進に要する経費でございます。学校給食あるいは酪農資金の設立ということに伴います所要資金でございます。本件は、ある程度本年度中に処理をいたさねばならぬ問題を含んでおりますので、本年度中にどれだけをやり、明年度予算においてどれだけをやるかというようなことについて、なお大蔵当局の方と相談中でございます。そのほか、新政策要綱で考えておりました未利用土地の総合的な利用調査、これについては調査報告その他について目下省内で小委員会を設けて検討いたしておりますので、その結論を得次第追加要求をいたすつもりでおります。それから漁業共済に必要な経費でございますが、これも三十二年度予算におきまして一部委託費の成立を見ましたので、調査の委託をいたすことになっております。共済会による共済規程の認可手続等も進行中でありますので、その模様によりまして明年度どのような予算要求にいたすか、なお検討いたしたい問題がございますので、あとに譲った次第でございます。
 大体おもなものはそのようなものでございますが、これらの追加要求になろうと思われるものや、食糧管理特別会計への繰り入れを除いて考えましても、約百四十億程度に上る見込みでございます。食糧管理特別会計の方が例年の通りでございますので、それを含めますと、約三百億近い追加要求の必要があろうかと思います。それらを含めますと、すでに出しました千七百四十五億を加えますと、約二千億近い要求に相なろうというふうに申しておる次第でございます。
 大体、大まかな要求の規模は以上の通りでございますが、三ページ以下に表をつけましたので、これによりまして多少御説明をつけ加えて参りたいと思います。
 三ページの農林関係一般会計概算要求総括表と申しますのは、関係予算千七百四十五億の要求につきまして、所管とか機能を離れまして、それぞれの関係局別に分類をしてみた表でございます。で、千七百四十五億のうち、公共事業費が八百八十七億で、公共事業以外の一般経費が八百五十八億というわけでございます。この表につきまして特にお断わり申し上ぐべき点と思いますのは、食糧庁の明年度要求につきましてだけ、対前年比十一億の減少が起きております件でございますが、本件は、従来食糧庁がパンの学校給食を廉価に行いますため、小麦につきまして廉価販売を行なったわけでございます。その廉価で売るための費用約十三億円を一般会計から食管特別会計に繰り入れておったわけでございます。本年度の十五億の中にはその十三億を含んでおるわけでございますが、明年度につきましては、文部省当局とも相談をいたしました結果、本補助金は文部省の方から地方に出していただいた方が実態の把握に便利ではないだろうかということで、食糧庁の方は普通の市価で地方で売却をいたしまして、それを安くするための諸費用は文部省の方で補助をしていく。一食当りどの程度とか、児童の負担力でございますとか、いろいろまあ今まででも文部省がほとんど中心になって、いろいろ企画その他をやっていただいたわけでございますが、実は向うの要請が非常に強うございますので、この際文部省から要求を願った方がよろしくないかという趣旨で、農林省要求から落したわけでございます。その結果がかようなことになったわけでございまして、そうしてどの局も、当初要求のことでもございますので、相当の増額要求になっております。
 それから次に、先ほども触れました四ページ、五ページの表でございますが、これはいわゆる関係予算を所管別に分類をいたした表でございます。そこで、まず千七百四十五億のうち、Aと書きました農林省所管予算が千二百五十億あるわけでございます。本年度が八百十二億でございますから、現状では四百三十八億の増加要求ということに相なっております。この関係予算中農林省所管予算につきましては、一般の公共事業以外につきましては、ここにございますような人件費、事務費というような分け方で区分をいたしてみたわけでございますが、この中で、備考にも書きました通り、特に注目と申しますか、今後問題になろうかと思います点は、従来のいわゆる定員外職員、常勤及び常勤的非常勤職員についてその定員化を要求をいたしております。で、一般会計につきまして約八千人に近い要求に相なるわけでございますが、これは現状ではいわゆる常勤職員、それから賃金支弁によります常勤的非常勤職員の増員について要求がいたされております。もちろん今後公務員制度調査室、行政管理庁あるいは大蔵省、それぞれの事業省が相談をいたしまして、これを詰めて参らなければなりませんが、目下いろいろの資料を準備して対策を考慮中でございます。学歴でございますとか、勤務の年数でございますとか、あるいは現在従事しております業務の内容でございますとか、そのようないろいろの角度から、今後関係各省の間で相当議論の分れるところがあろうかと存じますが、一応私どもの要求といたしましては、現在いわゆる定員外として登録いたしております者全員についての定員化の要求をしております。それが一つの目ぼしい項目かと思います。以下は公共事業をいつもの分け方で分けております。
 五番目の災害復旧事業費でございますが、災害復旧事業費は、百一億の前年度予算に比べまして明年度の要求が百十三億ということで、一般の予算の増加要求の割合にはふくらんでおりません。これは御承知の通り、二十八年災、二十九年災がだいぶはかどりましたので、大体私どもの理想といたしております復旧の進度で参りまして、来年度百十三億あれば事が足りるというふうに見ておるわけでございます。もちろん、この中には、本年度四月以降起りましたいわゆる当年災につきましては、まだ要求が出してございません。これは大蔵省との最終段階になりますころには、今年度の、三十二年発生の災害についての本年度中予備費でやりますものの規模がきまりますし、それに見合いまして明年度予算で計上すべき規模もきまってくると思います。それを待ちまして、この上に追加するわけでございます。これは今の段階では、三十一年発生災害までについて要求がしてございます。基幹的なものについて三・五・二、その他のものについて二・二・三・三という、私どもがかねがね主張いたしております進度によっての要求がこの程度で済むことになって参り、全体の規模を整える上におきましては、かなりありがたいことであろうかと思います。
 鉱害復旧事業費の「未定」と書いてございますのは、例年通産省の方で計数を出していただくことになっておりますので、それがまとまりますまで未定であります。
 それから関係予算の所管の第二といたしましては、総理府所管というのがあるわけでございますが、総理府所管につきましては百六十二億円の要求になっておりまして、本年度について比較いたしますと八十一億の増加になります。総理府所管といたしましては、御承知のように、その大宗をなしますものは、北海道の開発庁に計上いたします北海道関係の公共事業費でございます。これが百四十三億円ということに相なります。
 それから三十三年度から新たに登場いたしましたものとして、総理府所管といたしましては、2にあげました経済企画庁所管として十六億円の離島振興関係経費がございます。これは前年度のところはカッコをして示してございますが、これはカッコがしてある意味は、数字は農林省所管、つまり内地の一般のところに一括この七億は入っておるわけでございますが、比較の便宜上、重複をいたしますがカッコでここにあげてあるわけでございまして、これは先般来政府部内で御相談の結果、閣議の御了解がありまして、明年度から離島振興の関係は経済企画庁に一括計上しよう、そうして実行の段階で、ちょうど北海道と同じように、関係各省に移しかえをしてやって参ろうということに御決定があったわけでございまして、その線に沿って私どもの方と経済企画庁とで共同作業をいたしまして、大蔵省への要求は経済企画庁からしていただいて、経済企画庁は建設省、運輸省、農林省等関係各省の離島関係予算を一括大蔵省へ要求をし、国会でも御説明するというふうなことに相なったわけでございます。
 それから総理府所管の第三番目は、これは昨年もございましたが、科学技術庁の関係で、特に原子力関係の研究費は科学技術庁が一括各省分をまとめて要求をいたしまして、実施の段階で各省に配分をするということになっております。その関係でございます。
 それから所管別の第三といたしまして労働省所管をあげておりますが、これはいわゆる失業対策費でございます。特別失対と称しておりますが、特別失業対策事業費といたしまして労働省が一括計上をするわけでございまして、それぞれの地域の特性に従いまして、事業を実施いたします建設なり農林の各省へ分配をいたされるわけでございます。三十二年度は林野関係、主として治山関係でございますが、といたしまして一億円と、漁港関係といたしまして六千百万円が計上いたされたわけでございます。漁港につきましては、私どもの、これは今後の労働、農林、大蔵関係各省とのお打ち合せで、まだどうなるかわかりませんが、農林省といたしましては、初めから要求する段階では、水産関係は、一般の漁港修築の中に含めてこの種のものも要求をいたしたわけであります。林野の方だけが、治山関係の特別失対事業を、特に特別失対事業として要求いたした。これは三十二年度の利用の実情等を考えまして、需要度からいいまして、こういうことをやってみたわけでありますが、なお、労働省方面と御相談の結果によりましては、あるいはまた、これは模様を変えるということに相なるかもわかりません次第であります。
 次に、関係予算の第四番目といたしまして、建設省所管があげてございますが、これは庁舎等関係営繕費でございます。主として地方の出先庁舎の関係の充実を考えて、建設省にこれだけの要求をお願いをいたしておるわけでございます。
 それから第五番目は、大蔵省所管といたしまして、三百二十六億があげてございますが、これは先ほど申し上げました農林漁業金融公庫の六百五億円の貸付計画に見合います一般会計からの出資期待額であります。で、前年度は、当初の段階では百四十億円を一般会計の出資に仰ぎたいという要求をいたしたわけでございますが、最終段階におきましては、一般会計から出資をしないで、産業投資特別会計の出資を七十億円だけ実現を見たわけでございます。この前年度のところに、産投といたしまして、カッコして七十億計上してございますのは、今申しました産業投資特別会計から出ました出資のことであります。なお、五ページのカッコの中は七十億円でございます。百億円というのは誤まりでございます。御訂正をお願いいたします。
 大体以上が所管別に見ました場合の、いわゆる農林関係予算千七百四十五億円の大要でございます。
 次に、六ページの表になりますが、六ページから七ページにかけましての分類は、昨年度以来やっておりますおもな施策別に今の千七百四十五億円を分類をいたしてみたわけでございます。これは後ほど各局のおもな事項を御説明いたす機会がございますので、この喪について、ことで特に御説明をいたすことを省略さしていただきたいと思います。
 それから次に横とじになりまして、農林水産新政策関係予算というのをあげてございます。これは冒頭お断わり申し上げましたように、農林水産政策要綱を骨子として明年度の予算の要求を考えたわけでございますので、千七百四十五億円という要求の中に、いろいろ経常的な別個の要求もございますが、各政策要綱の各項目に見合ってそれを分類をいたしてみますと、この表のようなことに相なっておるわけでございまして、総体といたしまして、一般会計で九百四十四億。一番最後のところであげておりますが、千七百四十五億のうち、九百四十四億を、一応政策要綱に直接的に関連した経費ということで分類をいたしております。なお、新政策、いわゆる政策要綱は、一般会計の直接的な支出のほか、公庫資金でございますとか、その他開拓者資金融通でございますとか、あるいは中金資金に仰ぎますいわゆる制度金融でございますとか、そういうものをあわせて期待をいたしておりますし、手うちの方に相当の今後の重点があるわけでございますので、その数字も、あわせて各項目ごとに計上いたしてみましたのを合計をいたしますと、公庫資金その他の政府資金で五百八十六億円、制度金融の関係で期待いたしております融資額が百五十三億円というようなことになったわけでございます。そのおのおのの項目ごとの金額等につきましては、あまり長くなりますので、一応省略をさしていただいて、次に、最後に各局別におもな事項を御説明いたしますので、そのときにあわせて出て参りますので、その機会に譲らしていただきたいと思います。
 それから、その次の表は、公共事業費の概算要求額を、おもな項目ごとに分類をいたした表でございます。これも例年の分類とさほど違いませんので、あまり詳しく申し上げませんが、明年度の問題といたしましては、金額的に一つの問題事項となりますのは、前年度に特別会計でスタートいたしました農業関係公共事業費が、特別会計で発足いたしました関係上、相当年次計画等も、きちんきちんとやって参る必要がございますので、明年度分としては、かなりの増額が不可避でございます。そういうことが相当のウエートを持っておろうかと思います。
 なお、地すべり対策等につきましては、先般来の関係各省との研究の結果、いまだ何と申しますか、立法措置その他のことにつきましては、目下研究中でございますが、予算といたしましては、法律を待つまでもなく、相当徹底してやって参りたいということで、特に従来の予算の中から抜き出しまして、地すべり対策を大きく取り上げたわけでございます。
 印旛沼干拓が特に一億円出ておりますのは、御承知の第二次余剰農産物資金の約五億円を千葉県に融資をいたしまして、千葉県をして印旛沼の直轄事業分の一部、疎水掘さくをやってもらったわけであります。それに見合います償還財源の計上であります。
 公共事業費につきましては、全般的に申し上げますと、実は本年当初以来、経済企画庁と関係各省が協議をいたしております五カ年計画の改訂の問題がございます。で、農林省といたしましては、五カ年あるいはそれ以上の、五年を含めました長い期間の長期計画を考えておるわけでありまして、その当面、最初の五年という意味で、三十三年度から始まる五年計画を、別途経済企画庁と打ち合せを続けております。で、本予算の要求は、経済企画庁に私どもが五カ年計画として持っていっております事業分量、そのうちの初年度分ということで、財政当局等から見ますと、かなりの食い違いのある数字がありますが、それを要求の骨子といたしております。今後経済企画庁が中心になりまして、なおいろいろ御検討が重ねられると思いますので、その模様いかんによりまして、今後それに対応して予算等も考えて参らなければならぬと思っております。
 漁港は、公共事業費として、今申し上げました一般的な議論があるわけでございますが、なお漁港につきましては、それ以前に、漁港整備計画という基本計画を持っておりますが、その計画を、従来の計画のズレを回復いたしながらやって参るということであります。
 災害復旧につきましては、先ほど申し上げました通りでございまして、大体その程度でよろしいかと思います。
 次の七番目の十四ページの表でございますが、これが農林関係財政投融資の計画の概要でございます。冒頭第一ページで、明年度の財政投融資計画を六百六十六億円というふうに御説明をいたしました。この表で六百六十六億円がはっきり出ておりませんので、御説明を申し上げますと、六百六十六億円といっております数字は、三十三年度のまず一番上の行の農林漁業金融公庫に対する国庫からの投資期待額三百二十六億円……。三十三年度の財政投融資計画六百六十六億円というふうに御説明いたしたこの数字は何かと申しますと、三十三年度国庫からは、合計いたしますと四百七十三億円出ておりますが、この中には、いわゆる投資に該当いたしませんものも含んでおりますので、この中から国庫に出資を願っております三百二十六億円だけを引き抜いたわけであります。それと、あとは運用部または簡保の二百四十九億円、その他の九十一億円、との三つを足しましたものが六百六十六億円であります。この六百六十六億円に見合います前三十二年度の額は、三十二年度のところで、国庫を除きまして、運用部百二十五億、簡保百十七億、産投七十億、この三つがございますが、この三つを合計いたしますと三百十二億になります。この三百十二億と、今申し上げました六百六十六億とが見合うわけであります。ちょっと表の作り方がうまくいっておりませんので……。大体以上の通りでございます。よろしゅうございますか。
 財政投融資のそれぞれの規模につきましては、ここに述べましたような各種公団でありますとか、特別会計がございますが、それにつきましては、特にこまかくなり過ぎますので省略をいたします。
 次のページに、農林漁業金融公庫の貸付予定額六百五億円につきましての、一応の事業別区分を御説明がしてあります。六百五億円のうち、非常に大きく増加をいたしておりますものは、まあ土地改良その他の公共事業費は例年のことでございますが、自作農維持下から五行目くらいのところにございます自作農維持、これが三十二年は五十億でございますが、これをさらに積極的に運用いたすという政策要綱の線に沿いまして、百二十三億というふうな相当な増額要求が出ておりますことと、それから開拓、あるいは寒冷地農業振興ということで、セット的な融資をそれぞれ十七、あるいは十六億四千というような、新しい試みが提案されております。以上のほかは特別事新しくございません。
 次に、今まで主として一般会計のことを申し上げておりましたが、特別会計につきまして、すでにまとまりましたものの要求規模が次の表に出ております。
 食糧管理特別会計につきましてはまだ成案を得ておりません。その他の特別会計につきましては、一応ここにまとまったわけでございますが、農業共済再保険につきましては、先だって法律が改正されました。その改正制度に基いての要求でございまして、特段の変った、と申しますか、特に申し上げることはないかと存じます。
 次の森林火災保険につきましては、これもやりますことは従前と何ら変りはございませんが、最近の本特別会計の経営の実態を見まして、保険料率の一部引き下げを考えております。
 同様に、第九番目の中小漁業融資保証特別会計につきましても、最近の実績に徴しまして、保証料の一部引き下げを考えております。
 開拓者資金融通特別会計は、政策要綱の線に沿いまして、先般の法律で臨時措置法ができました関係もございまして、既入植者の措置、あるいは今後の開拓の営農規模等につきまして、新しき提案が行われておりますので、かなりの増加になったわけであります。
 大体以上で予算につきましての御説明が終ります。
 以下に各局別のおもな事項について、簡単な記述をいたしまして御説明をいたしておりますが、あまり長くなりますので、簡単に項目だけ触れて申し上げたいと思いますが、官房の所管事項といたしましては、国際協力事業、あるいは海外農林水産研修者の受け入れ、まあ両々、二つの主として国際協力関係の事項について、事新しく特に申し上げることもないのでありますが、一応官房のやっております現業的な仕事として、こういった点が重要になって参りますので、ここにあげたわけでございます。
 それから経済局の関係といたしましては、農業委員会の関係は法律改正が行われまして、大体今後の農業委員会の規模、方向等につきましては、三十二年度予算の予算折衝の段階で、大蔵省ともある程度の了解に達しておりますので、本年度はあまり極端な食い違いの問題は出て参らないかと思っておりますが、委員会数が四千百ということになりましたのは、前年度はまだ新法に切りかえ前の、整備統合前の数字が一部入っておりますので、五千百七十というようなことになりますが、八月以降、おそらく本年末くらいまでに四千百程度に統合される見込でありますので、それを基礎にいたしたわけであります。農業協同組合の関係といたしましては、前年度の八億一千万円を八億七千七百万円で要求をいたしておりますので、指導監督等につきまして、特に本省はもちろん、全国中央会、あるいは地方の中央会等が自主監査をやるという点に相当重点を置いて、予算の要求をいたしております。その他農業協同組合関係では、一連の整備促進的な法律関係がございますが、そのほか、一番最後に書きましたように、農業協同組合職員の共済組合を作りたいと考えております。これは新たな立法を必要とする事項でございますが、私立学校職員の共済組合ができておりますのにならいまして、農協職員の資質向上、あるいは身分の安定というような点を主たるねらいといたしまして、職員共済組合を作りたいと考えております。
 それから輸出の関係は、これはマグロあるいはミカンの輸出振興のため、ジェトロが二、ニューヨーク等で行います宣伝事業が主たるものになります。明年度の問題といたしましては、米国向け合板の問題が御承知のような情勢にありますので、これを取り上げております。なお、本経費は例年農林省から要求をいたしますが、最終段階では農林省の要求分として通産省で計上していただくという例になっておりますので、あるいは最終段階では、例年の例によりまして、そういう扱いに相なるかもしれないわけであります。
 それから経済局関係のもう一つの問題は、保険の農業共済の関係でございますが、これは先ほど申しましたように、新制度によります要求でございまして、大きな問題といたしましては、通常災害についての国庫負担の割合が、従来三分の一でございましたのが、法律の改正を機といたしまして二分の一に相なったという関係、それから損害評価につきまして、各共済組合連合会が徹底して、もっと各組合の損害評価の地ならしをしていただくという意味で、連合会による実測、坪刈り等を加味いたしました損害評価の徹底ということを考えております。その辺がおもな相違であろうかと思います。
 それから統計調査部の関係は、四十一億円に対しまして五十五億円の要求になっておりますが、この中の約三十七億円は人件費に当りますので、それは例年の通りでございますが、新しいおもな統計として明年度考えておりますのは、ここに書きましたように一から八まで書きましたが、こういうものが目新しい統計でございます。
 農地局の関係でございますが、これは公共事業費がおもな内容になりますが、大規模開発事業の体系的実施と申しますのは、ここに書かれておりますように、将来の方向としては、水系別事業計画を確立いたしたいと考えておるわけでございますが、とりあえず既存の国営、県営、団体営という事業体系を相関連せしめて要求が出してあるわけであります。なお、特別会計との関連でございますが、御承知のように、三十二年度特別会計が発足いたしましたときは、直轄、代行の干拓事業、これは継続、新規ともに特別会計に移ったわけであります。灌漑排水事業につきましては、とりあえず三十二年度新規実施いたしますもののみを特別会計の対象にいたしたわけでございますが、明年度の要求といたしましては、大きな灌漑排水事業の継続分につきまして、特別会計に途中から乗り移るという要求をいたしております。たとえば豊川用水でございますとか、大井川でございますとか、そのような大きなかつ多目的なものでございます。
 それから農地局関係の来年度要求の第二番目の問題といたしましては、市町村別土地改良開発事業の総合実施ということを考えております。これはここに書きましたように、市町村ごとの基本的な土地改良計画、総合的な土地改良計画を県に頼みまして作ってもらい、これを相当長期間にわたって逐次全国に及ぼして参る計画を、二年目くらいにやりまして、三年目くらいから事業をやって参る。事業の主たる内容は、地元増反事業と小規模土地改良事業ということで考えております。一番の大規模土地改良事業との相互関連をもちろん考えるわけでございますが、ここでの主たる事業内容はそういうことになります。明年度は、とりあえず、内地、北海道ならしまして、百五十カ町村について計画を樹立して参るわけでございます。その分の事業化は、三十五年度くらいから出て参ります。明年度の事業といたしましては、そういった事新しい計画を必要としない、すでに相当コンクリートな計画が地元にある数十カ町村につきまして、明年度とりあえず増反あるいは小規模土地改良事業をやって参るという考え方でございます。
 それから第三番目は、畑地の土地改良の問題でありますが、これは、ここに書きました数字は、狭い意味の畑地土地改良のほか、従来水田関係にあります灌排事業の中で、畑地にも、その中に畑地を受益面積として持っておりますものを全部引っこ抜きました関係上、非常に七十六億というような大きな数字が出ております。主たる事業の内容は、排水事業といわゆる畑地灌漑事業でございます。で、この七十六億円のうち、狭義のと申しますか、本来の狭い意味での畑地土地改良事業は約三十八億円でございます。
 それから農地局の第二番目の大きな問題は開拓でございますが、開拓につきましては、二百二億ということで相当の大規模な予算要求になりますが、これの考え方の骨子は、農林政策要綱で触れましたことに尽きておりますので、ここで詳しく御説明することを省略さしていただきたいと思います。明年度の新規入植戸数は五千十六戸を予定いたしております。三十二年度は四千戸であったわけであります。それでそのことだけ申し上げまして、考え方の詳細につきましては、政策要綱で御説明があったかと思いますので、省略さしていただきます。
 自作農資金の問題は、主として農林漁業金融公庫の問題でございますが、ここにあります三億六千万円は未墾地関係の県の事務費が主体でございます。
 それから災害復旧及び防災事業、これは先ほど来初めの表の御説明で申し上げておりますので、省略をいたします。
 次に、振興局の関係でございますが、振興局の関係では、いわゆる新農村、これが四十一億になります。で、新規が、計画地域といたしましては九百でございますが、事業の実施地域は、新規が千、それから継続が九百六十六、これで発足以来五百、千、千というふうにやって参っておりますので、その差額はすでに九百六十六、切りましたのは三十二年度にその半ばがはみ出しております関係でありますから、結局二千五百を手がけることになるわけであります。ここで特に申し上げますのは、初年度取り上げました約五百カ町村が二年終りまして、一応特別助成期間が終るわけでございますので、そのあとの処置といたしまして、農林漁業金融公庫の被補助の融資を継続的に、その特別助成の終った地域については用意をいたしております。その他変ったことはございません。
 改良資金につきましては、それぞれ技術導入資金あるいは施設資金について、最近の要請に応じました施設項目の追加がございますが、運営の根本には従来と変ったことはございません。
 改良普及事業の整備拡充の関係では、まず最初に普及員の技能の強化と申しますか、最近の営農指導の実態に応じますために、園芸、畜産、機械、これらの非常に最近の要望の多い技術指導につきまして、より高度の技術指導に耐えられますよう、特技普及員を確立いたしたいと思っております。
 それから生活改善普及員につきましても、漁村、山村等に強い要望もございますし、現在約千五百地区普及地区がございますが、生活改善普及員の配置のない地区もありますので、そういうことのないように、全部に漏れなく普及員を配置いたしたいと思っております。
 それから普及事業の三番目といたしましては、農林政策要綱の線に沿いまして、営農方式の改憲刷新をやって参ります場合に、従来の作付体系を新しく地域ごとに適応したものとして考えていく必要がございますが、それも濃密指導をいたしますために、営農改善モデル施設というものを三カ年間に千百七十七カ所設けましたが、主として県におりますSPが直接乗り出しまして、普及員を動員いたすと同時に、SPが直接グループ、なして乗り出しまして、直接的な濃密的な指導をやって参りたい。で、畜産への転換を促進いたしますとか、あるいは新しいそれぞれの地域に即した営農指導をやって参りたいということであります。それの指針といたしますのは、従来の予算で従来事業として。やっておりました営農試験地でありますとか、地域改良計画というようなものを参考にしながら、やって参りたいと思います。
 次に、振興局関係の畑作振興対策でございますが、ここに次の寒冷地も実は畑作なのでございますが、寒冷地に含まれません狭い意味の畑作振興として一億二百万円がございます。これは寒冷地以外の県につきましてホイル・トラクターによる振興でありますとか、あるいは大豆、トウモロコシ等の生産地を育成いたしますとか、あるいはカンショにつきまして直播その他生産費の合理化を指導いたしますとか、そのような一連の施策がございます。
 次の寒冷地対策は、三十二年度に発足を見ました寒冷地対策を、規模としてはそのまま踏襲をいたしております。と申しますのは、三十二年度と由しましても、機械の導入等がなかなか一ぺんに参りませんので、まだ事業の成果を十分に発揮いたしておりませんので、この際急にこの種の事業を広げましても、事業効果の方も確認しながらやって参りたいと思いますので、規模は前年通りでございます。
 畑地の関係で、今話が出ましたのでお断りしておきますと、公共事業は先ほど申しましたが、公共事業以外では、狭い意味の畑地改良あるいは寒冷地等、振興局、それからこれから御説明いたします畜産局にも、いろいろ畑地関係の予算があるわけでございますが、一般会計の公共事業以外の畑地関係予算を抜き出して集計いたしてみますと、約二十一億の予定になっております。それで、公共事業の方が、先ほど申しましたように、狭い固有の加地対策が三十九億でございますので、両者合せますと、約六十億が畑地関係の明年度の要求ということになります。これに対応いたします本年度予算は、公共事業で十一億、非公共で十三億、合せて二十四億。二十四億円に対しまして、明年度は約六十億円を畑地関係の振興予算として要求いたしております。
 畜産局につきましては、草地改良事業あるいは自給飼料対策等がございますが、あまり内容にこまかく入りましても何でございますから、ざっと見て参ります。寒冷地対策は、先ほど機械で申しましたと同じことで、本年度のスケールでございます。
 それから四番目にございます畜産による営農改善事業と申しますのは、先ほど振興局のところで、普及関係の濃密指導として、経営改善モデル施設というものをSPが直接やって参るという御説明を申しましたが、そこで必要とする家畜につきまして、畜産局が家畜の面で協力をいたす、現地では一体的にこの改善施設を運営して参るという趣旨で、家畜の関係を畜産局に計上いたしたわけであります。
 五番目の畜産による中小農業振興でございますが、これは三十二年度に新たに入りましたが、かなりそのスケールを広げております。なお、これによりまして、沿岸漁村等における養豚事業等の奨励をもこの施策の中で含めてやって参りたいと思っております。家畜防疫事業につきましては、若干変った点はございますけれども、さほどでございませんので、省略さしていただきます。
 蚕糸局の関係では、生糸の需要増進、これはニューヨークでの輸出奨励事業でございます。多少の経費の増額を見ております。新たにフランスのリヨンにも事務所を設けたいというようなことにもなっております。
 繭の合理的増産は、先年来やっております繭の生産費の低下、品質の向上という線でございます。
 養蚕技術の改良普及につきましても、特に変ったことはございません。
 製糸設備の処理については、三十二年度に法律をもって発足いたしたわけでございますので、その残事業分を三十三年度に完了するという前提で要求をいたしております。
 食糧庁の関係では、食料品工業の振興でありますが、これは主として経営指導が中心になります。
 二番目の澱粉の新規用途等の開拓でございますが、これに約一億計上してございますが、これは今後の特別会計の予算の組み方とも関連してくるわけでございますが、一応結晶ブドウ糖産業の育成強化のために、食糧庁が、食管特別会計が澱粉の安売りをいたしたい、その安売りをするための経費を一般会計から補てんをいたしたいという趣旨のものであります。そのほか新規用途の開拓のために、農林水産技術会議が中心になりまして、澱粉の新規用途開拓のための試験研究を総合的に展開して参りたいという、その二つで約一億になっております。
 林野庁の関係といたしましては、公共事業費は先ほど総括的に御説明を申し上げましたので、その程度にさしていただきますが、四番目の地元施設の拡充と申しますのは、これは国有林による地元協力でございます。従って、この数字は国有林野特別会計の中の数字の御説明であります。
 五番目が奥地製炭の助成でございまして、これは新規に製炭施策として林野庁から出ております。補助の内容は、簡易搬送施設等共同施設の助成でございます。
 水産の関係に入らしていただきますが、水産では、国際漁場の確保と未開発漁場の開発という関係が、まず一億四千九百万円ございます。やりますことは、著しく従来と変る点はございません。
 二番目が、沿岸内水面漁業の振興でございます。これは浅海増殖事業等が中心になりますが、従来の浅海増殖あるいは内水面の増殖事業の残事業を、残り五カ年で完結して参りたいという点と、それから従来の補助率三分の一を二分の一に引き上げたいという点が、著しい相違点であろうかと思います。
 三番目の海外漁業に関する施設の組織化と申しますのは、これは従来の海外漁場の調査のほか、海外への漁業進出あるいは漁業提携のための奨励施策が含まれております。
 漁港の整備は、修築整備計画の線に沿いまして要求をいたしております。
 流通機構の整備及び価格の安定として四千六百万円充てておりますが、これはある特定の水揚げ場所につきまして、大衆多獲魚が非常に一時的に豊漁になり、価格が暴落を来たすというようなおそれのある際に、系統組合が加工に乗り出しまして、それによって魚価の暴落を防ぎたいという趣旨の施策であります。対象といたします魚種は、スルメイカとサンマでございますが、スルメあるいはサンマかすの形で保管をいたしたいということでございます。なかなか内容としてはむずかしい施策でございまして、相当まだこれは私どもとしても十分の研究を積んでおりませんが、一応系統漁業組合に対する共同保管の奨励金という形で予算は計上してございます。
 次の農林水産技術会議の関係は、各種の試験研究機関の経費、あるいは技術会議が中心となって協議会をもって推進をいたして参ります試験研究費に要する予算でございます。
 大体ざっと、端折りまして恐縮でございましたが、明年度の現状での千七百四十五億円につきましての大ざっぱな御説明を、以上いたしましたわけでございます。
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千田正#6
○千田正君 きょうは説明だけで終りますか。多少質問もいたしますか。
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堀末治#7
○委員長(堀末治君) 少し時間がありますから、事務当局に対する質問だけをおやり下さい。
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千田正#8
○千田正君 大体の御説明を承わりましたが、それで従来の予算の要求の技術としましては、今までは直接に大蔵省に農林省としての立場を要求しておったのですが、最近非常に経済企画庁の力が強いということがあるかどうかしらぬが、ある程度経済企画庁あたりがチェックされるのではないかというような機運があるように思いますが、その点はどうですか。どうも今までの予算の説明を承わっておりますと、従来の説明よりもやや経済企画庁あたりからのチェックがあるような気がするが、その点についてはどうなんですか。
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齋藤誠#9
○説明員(齋藤誠君) 来年度の予算の要求の方法並びにそれに対する取扱いでございますが、先般経済企画庁におきまして、来年度における経済の見通し並びにそれに対する態度、また大蔵省から来年度の予算編成方針に関する一般的な方針が示されたのでありまして、われわれが現在承知しておる限りにおきましては、そういう一般論としての考え方なり扱い方なりについては、これは経済企画庁におきまして審議されることと思いますけれども、直接予算の事項、その他の内容につきましての調整というようなことにつきまして、従来と変ったことがあるというようには聞いておらないのであります。
 この機会に一言、今御発言がございましたことと関連があるいはあろうかと思いますので、経済五カ年計画と予算との関係について申し上げてみますと、経済五カ年計画につきましては、目下経済企画庁を中心に作業を進めておるわけでございます。しかし、この経済五カ年計画につきましては、従来と異にいたしまして、年次別計画を立てないで五カ年間の総体的な計画を立てておりますので、直接三十三年度予算についての結びつきを個々の事業について関連を持たせて調整するというようなことは、従来とは若干異なるのではなかろうかと、かように考えておるわけであります。もちろん計画の中に織り込まれる事業なり、あるいは考え方なり、あるいは経済の進度なりというようなものについては、それとの調整というものが一般論としては考えられると思いますけれども、来年度の個々の計画につきまして具体的な調整をはかるというようなことは、今のところないのではなかろうかというように、われわれ事務当局としては聞いておるような次第でございます。
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千田正#10
○千田正君 一般政策の面においては、執行機関であるところの政府は、国会あるいは国民に対して明らかにしておる通りの政策を掲げておるのだから、その政策の面において農林政策とある一致するところのものがあることについては了解できますけれども、予算の審議の過程において、ある場合において政策に一致しておっても大蔵省との関連等によってチェックされるような気が、われわれからいえばするのです。従来とだいぶ違っているというふうに考えるが、そういう点は毛頭ありませんか。
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齋藤誠#11
○説明員(齋藤誠君) ただいま申し上げたように了解いたしております。
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千田正#12
○千田正君 大体の説明を承わりましたが、私は不勉強な点もあると思ってまことに恐縮ですが、これは一応表題にもうたっておるように、「計数は異動することがある」という面もありますが、先ほどの説明によると、今度の八月以降の災害に対するところの予算については、さらにこれに追加して要求する、こういう考えであるようでありますが、それには間違いはないでしょうね。
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昌谷孝#13
○説明員(昌谷孝君) その通りでございまして、三十二年発生災害につきましては、今までのところ、進度率はおおむね二割五分という線を目標といたしまして、予備費を査定の済みましたものから逐次出しております。先般の閣議で、農地関係につきましては八月災害まで、それから林野庁関係につきましては七月災害まで、支出を完了いたしました。従いまして、明年度は、私どもの希望から申しますれば、残りのうちの四割を完了いたしたいという線が、この上に追加して出て参るわけでございます。
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千田正#14
○千田正君 さらに、この第一ページにありますところの「三十三年度農林関係予算要求について」のうちで、この表題で明らかにされておらないところの問題、たとえば(イ)(ロ)(ハ)(ニ)等の問題については、さらに今後あらためて確定した後に報告する、こういう考えでおられるわけですね。たとえば(ニ)の問題の牛乳の乳製品、あるいは土地利用総合調査費であるとか、漁業共済に関する必要な予算の措置とかというような問題については、この表には十分載っておらないのですが、これは次の機会に追加して要求するという意味を含んでおるわけですね。
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昌谷孝#15
○説明員(昌谷孝君) その通りでございます。それらをよく概算いたしまして、食管繰り入れを除いて、まだ百四十億程度の追加を、今月末あるいは来月早々などにとりまとめまして、第二次分として大蔵省へ説明をいたす予定をいたしております。
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千田正#16
○千田正君 これは確定してから、一つはっきりまた委員会に御報告を願って、われわれにも審議させていただきたいと思うのであります。
 時間をあまりとってはいけませんので、ただ一つだけ伺いますが、水産関係におけるところの公共事業費において、総理府所管の面における水産公共事業費と、それから農林省一般の会計のうちからの水産公共事業費の経費との比較ですが、北海道は従来ともに重点的に考えてある程度相当確保していますが、一般の方が少いというふうに考えられますが、これはどうなんですか。
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昌谷孝#17
○説明員(昌谷孝君) 漁港の基本的な要求につきましては、先ほど来申しましたように、すでに確立しております漁港整備計画によりまして、現在継続中の六百四港をなるべく短期間に修築を終えて参るということで、基本線が礁立されております。で、その線で要求をいたしておるわけでございますが、明年度の重点といたしましては、特に離島関係が漁港等について非常におくれておるという点が痛感されますので、たまたま経済企画庁所管でお願いをする離島の関係については、相当従来の、何と申しますが、ベースを変えて、今まで通りではいかぬという認識で、かなり重点を置いて要求が出ております。従いましてと申しますか、全体の基調といたしましては、漁港整備計画を予想の線で推進いたすということで貫いておりますので、その間のバランスはこういうことでとっているつもりでございます。
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千田正#18
○千田正君 労働省所管の水産関係の公共事業費は、今度の要求にはゼロということになっているのは、どういうわけですか。
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昌谷孝#19
○説明員(昌谷孝君) これは、実は昨年大蔵省へ出しましたときは、労働省所管の特別失対事業は、林野、漁港とも特別に分けて要求せずに、農林省の中で初めは一本で要求をいたしたわけであります。大蔵省の段階で労働省にも入っていただきまして、御相談の結果、林野関係で一億、漁港関係で約六千万というものを特に、特別失対事業ということでひもをつけた。で、本年度も多少その点の研究をいたしてみたのでありますが、治山につきましては、非常に事業効果が直接的で、私どもとしても自信をもって特別失対事業として申し上げ得るのでありますが、漁港の場合には、特別失対事業ということにあまりこだわって予算を執行いたしますと、かえって不便を生じますので、私どもの当初の希望といたしましては、できることならば特に特別失対事業と言わずに、一般の漁港修築事業としてやらしていただきたいということで、一般の中に、その三十二年度の六千万円の系統を含めて要求をいたしているつもりであります。従いまして、特に労働省の方の強い御要請がなければ、こういう形で押えていただくことになりますし、また労働省の方から特に強く、漁港についても失対事業を一部ほしいというお話になりますと、現在、特別失対ということでなしに一般の中に含めて要求しておりますものの中から、一部をそういう形で区分計上いたすということに相なるかもしれない。いずれにいたしましても、総体としての規模は、それぞれの所管に区分計上いたしましたものの合計を見て、私どもはいつも論議をいたしておりますので、その点は、計上の便宜と申しますか、施策の重点の置き方のいかんによりまして、計上区分が変って参るというふうなことで理解をいたしております。
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千田正#20
○千田正君 かりに、これは北海道とか、東北とかというものは、年々、今年は幸いにあまり不漁という問題は起きておらないわけだけれども、明年度において不漁というような問題が起きてくると、必ず失対の問題が起きてくるんです。そういう場合において、明年度の予算の中に失対という項目がなかった場合においては、これはもうそういう事態が生じた場合には、どういう方法によって支出をされるのですか。
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昌谷孝#21
○説明員(昌谷孝君) かりに、私どもの今要求しております姿で漁港関係が成立いたしましたとして、御指摘のように、そのような失対的な事業が必要になりますれば、特に失対事業とうたいませんでも、その公共事業費の実行面におきまして、十分そういった趣旨の取り入れ方は可能であると思います。
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雨森常夫#22
○雨森常夫君 農林省の各種の補助、助成事業の中で、来年度この予算要求の中で従来と違った補助率であるとか、あるいは助成の対象、助成の内容が従来と違っているものがだいぶあるように聞きましたが、そいつを一つ新旧対象して簡明な資料としていただきたい。
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千田正#23
○千田正君 もう一点。海外振興の関係で、移住の面においては、今年はわずかに昨年より三千万追加しただけでしょう。昨年は六千万のやつ、今年は移民に対する促進の対策、移民対策の関係では、今年は九千万でしょう。こんなことで、農林白書に堂々とうたっているような、海外の移住政策というものが実行できるかどうか。これは農林大臣にあらためて農林行政の立場から方針を聞こうと思うのですが、これはもっと盛られないのですか。昨年は外務省は十億の予算をとっている。海外移住政策に対して、三十一年度においては外務省は十億の予算をとって、農林省はわずかに三千万円、三十二年度はわずかに六千万円、こんなことでほんとうの海外移住ということは実際できるかどうか、海外調査ができるかどうかということを、われわれ考えるのですね。たとえばドイツであるとか、イタリアであるとかいうところは、もう農林関係の移民に対しては徹底的に予算を組んで、そうして農林省の役人は現地に派遣されて、ジープでかけ回って、そうして適地適作の根本的な調査をしてから、移住という問題に対して国家的処置をとっている。どれだけの人間を三十三年度には移住させる計画でこれだけの予算を作ったのですか。
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齋藤誠#24
○説明員(齋藤誠君) 海外移住の促進につきましては、農林省としても重大な関心を持っております。ただ、この事業につきましては、農林部門で担当する部面もあるが、主として外務省で担当するところが非常に多いのでございます。戸数につきましては、昨年度九千戸に対しまして、本年度は一万二千戸ということで計画いたしておりますが、その海外渡航に要する送出費なり援護費なりというものにつきましては、大部分外務省予算に計上されておるわけであります。われわれの方といたしましては、この移住に伴う調査なり訓練なりをいたしますほか、本年度といたしましては、特に海外に移住する者に対する国内の援護措置についての必要な経費も計上して、移住については一そうの努力を続けていきたい、かように考えておるわけであります。金額面では、農林省の予算が去年の四千万円くらいに対しまして、その倍額九千四百万円という予算を一応計上いたしておりますが、これは全体の移住の一部でございますので、農林省の担当する部門における施策としては、今後とも強力に進めて参る考えでございます。
 なお、移住につきましては、移住事業のほかに、例の労務者派遣の部門もございますので、これに対する経費も、従前通り、一千人ということで計上いたしておる次第であります。
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千田正#25
○千田正君 そうなるというと、移民というものは、かりに農漁民の移民というものに対しては、農林省としては国内的な訓練しかやらないと、こういう考えですか。
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齋藤誠#26
○説明員(齋藤誠君) 移住問題につきましては、前々から外務、農林、そのほか関係省と協力一致してやるべきである。われわれとしてはもちろん、農民が向うに定着するまでの過程におきましては、農業部門が大部分である。従って、現地の調査、あるいは現地における営農の指導とかいった部面についても、うまくこれを遂行するためには、そこまで実は乗り出してやるべきであるというふうな意見もあるわけでございます。しかし、いろいろ海外関係もございますし、われわれとして、そういうことにある程度の見通しなり、計画を立ち得るような調査とかいうようなことについては、今後とも積極的にやって参りたいとは考えておりますけれども、直接海外移住の経費につきましては、今申しましたように、外務省で所管すべきものもあり、あるいは農林省の所管すべきものもあるということで、事業自身としては一体として遂行していくと、かように考えております。
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千田正#27
○千田正君 これは大臣と論ずべき問題でしょうが、各国の農民の移民状態を、もちろん農林省は御調査なすっておると思います。日本は世界各国のうちで一番移民をしなければならない国の情勢なんですね。にもかかわらず、農民の移住に対しての農林省の関心はこれくらいの予算面にしか現われてこないということは、まことに私は遺憾だと思うのです。ドイツをごらんなさい。イタリアをごらんなさい。向うの農林省や労働省が主体となって、そうして現地調査をして、そのためには相当の予算をとって、そうして自分らの国民が、やがて外国へ移住するだけの準備を十分整えて、外務省のように、もうハイヤーに乗って、カクテル・パーティだけやっていては、移民はできませんよ。アマゾンの奥なり、チリーの奥に入って、そうしてある場合には猛獣毒蛇の間を駆け回って、果して日本の国民が永住の地として入れるかどうか、これは外務省の役人ではなくて、本当に農林省の役人のあなたが真剣になって日本国民の移民というものを考えた場合には、こんな予算ではとてもお話にならぬじゃありませんか。これはむしろ大臣と論争すべき問題だと思いますけれども、官房長はおそらくこういう問題については考えていない。一応私は要望しておきます。
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堀末治#28
○委員長(堀末治君) 他に御質疑ございませんか。——御質疑がなければ、午前中はこれにて暫時休憩いたします。午後は大臣が見えることになっておりますから、午後一時から再開することにいたします。
   午前十一時五十一分休憩
   —————・—————
   午後一時二十四分開会
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堀末治#29
○委員長(堀末治君) これより委員会を再開いたします。
 前回の委員会に引き続いて、農林水産基本政策の件を議題にいたします。
 この件について大臣に御質問の向きは、漸次御質疑をお願いいたします。
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