商工委員会

1962-02-08 参議院 全60発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和三十七年二月八日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
  —————————————
 出席者は左の通り。
   委員長     武藤 常介君
   理事
           川上 為治君
           中田 吉雄君
   委員
           赤間 文三君
           上原 正吉君
           大泉 寛三君
           小林 英三君
           吉武 恵市君
           近藤 信一君
           吉田 法晴君
           田畑 金光君
  国務大臣
   通商産業大臣  佐藤 榮作君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       大川 光三君
   通商産業大臣官
   房長      塚本 敏夫君
   通商産業省石炭
   局長      今井  博君
   通商産業省鉱山
   保安局長    八谷 芳裕君
   中小企業庁長官 大堀  弘君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   労働省労働基準
   局賃金課長   東村金之助君
   労働省職業安定
   局調整課長   北川 俊夫君
  —————————————
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調
 査
 (石炭問題及び国内地下資源開発問
 題に関する件)
  —————————————
この発言だけを見る →
武藤常介#1
○委員長(武藤常介君) これより、商工委員会を開会いたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。石炭問題等に関し質疑の通告がございますので、これを許します。吉田君。
この発言だけを見る →
吉田法晴#2
○吉田法晴君 先国会で、石炭問題それから鉱業問題について決議をいたしましたが、その決議がどういう工合に実行されているかということを中心にしてお尋ねをいたしたいのであります。せっかく大臣も御出席いただきましたから、その決議の精神に従って、通産政策という中で、重要な点についてもお尋ねをいたしたいと思いますが、まず、総合エネルギー対策の確立という点であります。決議の中に、「総合エネルギー対策の樹立にあたっては、国産エネルギー源を安定供給源として重視する方針を堅持し、輸入エネルギー源については、長期の見透しを慎重に検討するとともに石油市場特に石油市価の安定について確固たる措置を講ずべきである。」、なお、項目の中にもございますが、総合エネルギー対策の樹立について、政府として、どういう工合にその確立に努力をしているかを、まず最初にお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
佐藤榮作#3
○国務大臣(佐藤榮作君) 石炭対策並びに総合エネルギー対策、前国会における衆参両院においてそれぞれ決議がございました。いわば、超党派的に決議をいただいたわけであります。私どもも、エネルギーの現状等からいたしまして、これに対する対策を樹立することの急務を痛感いたしておりましたので、国会における皆様方の決議の趣旨を尊重いたしまして、それぞれ手配いたしたつもりでございます。しかし、なかなか予算などは、一挙にこれを、私どもが要望するところまで持ち上げることは困難でございます。しかし、国会の決議があったということを反映いたしまして、比較的在来に見ない増額措置をとってくれたように思います。これもひとえに皆様方の御鞭撻、御支援のたまものだと、実は感激にたえない次第でございます。
 ところで、ただいまお話にございました総合エネルギー対策、これを樹立するという決議をしたにかかわらず、そういうものが具体化しておらないじゃないかと、こういう御意見だと存じます。過日も、衆議院における予算委員会におきまして、社会党の勝間田委員から、総合エネルギー対策の樹立の緊要性を強く主張されたのでございます。その際に、政府の考え方を明らかにいたしたつもりであります。ただいまの段階におきましては、それぞれのエネルギー源に対する審議会等がございます。この審議会を通じまして、それぞれの対策を立てていきたい。そうして将来実情に応じて、要すれば総合エネルギー審議会、そういう方向へ持っていったらどうだろうか。まあ、現在の段階と申しますか、これは石炭に対しては石炭対策、あるいは電力に対しては電力対策、あるいは石油に対しては石油の対策、こういうものを進めていったらばどうだろうか。もちろん、ただいまのように、三本立に考えましても、相互の関連を全然無視して、それぞれの事業の整備を進めていくわけではございません。産業構造等の審議会におけるエネルギー部会等の意見も十分しんしゃくし、そうして基本的な総合エネルギー対策というものを念頭に置いて、そうしてそれぞれのエネルギー部門の位置づけを、今日はそれぞれの業法で進めてみよう、まずその段階だ、実はかように考えている次第でございます。これは将来絶対にやらない、こういうことを申すわけではございませんが、ただいまの状況下におきまして、ただちに総合エネルギーという審議会等にまで発展することが、いかがであろうかということで、私どもやや慎重な態度をとっている、こういうことでございます。この点はおそらく今までの審議の経過におきまして、私ども政府側の意見を表明いたしておりますので、吉田さんも御承知のことだろうと思いますが、特に御理解をいただきたいのです。
この発言だけを見る →
吉田法晴#4
○吉田法晴君 この前の国会の商工委員会の席上、通産大臣からは、五千五百万トンというベースは、将来にわたって不動のものではなくて、おそらくその額は増加するであろうと、こういう御答弁等をいただいております。抽象的に五千五百万トンのベースがふえるかもしらぬということではなくて、その需要の確保の具体策についても、すみやかに確立を願いたいというのが、決議の精神である。文言もそういう工合になっている。それに対して今の御答弁は石炭、電力、石油等それぞれの部門において審議会をこしらえて検討をしておる。そしてそのための業法といいますか、まあ石油業法等を御提出になるようでありますが、総合的な政策の樹立は、まあ調整と、それから必要があれば、将来においてぜひ作ろうということで、いわば総合エネルギー対策をすみやかに確立をしてもらいたい。その中における輸入源はどうするか、国内資源はどういう地位を持つのか、石油、石炭との関連において、石炭はどの程度の地位を確保すべきか、そしてその裏づけとして需要の確保の具体策を考えてもらいたい。決議の案文の中には、政府あるいは石炭業界、電力、鉄鋼等関連産業の積極的な協力を求め、あるいは産炭地等の火力発電を建設し、石炭の需要確保あるいは安定確保に遺憾なきを期すること、こういう文句があるのでありますから、それぞれの部門で検討し、ただ調整をするということを決議が求めたわけではなくて、石炭について言いますならば、総合エネルギーの中における石炭の地位、それからその具体的な需要の確保の裏づけをもってすみやかに確立をしてもらいたい、こういうことだと思いますので、衆議院における答弁、それから今の答弁と決議の精神とは、これは相当違うと思うのであります。方向は、御答弁はわかっておるのですが、決議の精神から言いますならば、もう少し進んでもらわなきゃならぬと思う。それからそれぞれの部門でいわば部門的な審議会じゃなくて、総合エネルギー審議会といったようなものが考えられなければ、総合的なエネルギー対策は立たぬのではないか、こういう感じはこれは私だけではなかろうと思うのでありますが、その点についてもう一度御答弁願いたいと思います。
この発言だけを見る →
佐藤榮作#5
○国務大臣(佐藤榮作君) お尋ねをあるいは私は取り違えたかと思います。ただいまの吉田さんの重ねてのお尋ねで、あるいは私もう少し別な方向から御説明すればよかったかと思いますが、申すまでもなく、政府はいわゆる所得倍増計画なるものを持っております。今後のエネルギーの需給という長期にわたる見通しを一応立てております。その長期の需給計画の場合に、この需給を遂行する場合に石炭がいかにあるべきか、こういう観点に立って、すでにあるいは山元発電であるとかあるいは揚げ地発電であるとか、その他一般に電力ももう少し石炭を使ったらどうか、あるいは製鉄、ガス等の原料炭についても数量はふやし得るのではないか、こういうことがございますので、具体的にこういう方向にもすでに折衝いたしまして、そうして電力については今まで二千万トン、これを三百万トンふやす計画、その長期引取計画を電力業界の了承を得ております。したがいまして、今計画されております山元発電なりあるいは揚げ地発電なり、これを順次遂行して参るつもりであります。また製鉄あるいはガス等の原料用炭が三十八年千二百万トン、それから三十九年千三百万トンこれまたそれぞれふやしていく業界の了解といいますか、長期引き取りの見通しを樹立することができました。したがいまして、この両部門では一応数字は固まったかと思います。もう一つは、大口の消費者としてセメント工業があるわけでございます。大体私ども六百万トン程度はどうかと、こういうことで、セメント業界に交渉いたしておりますが、このほうは最終的に話を取りつけた、こういう状況ではございません。まことに遺憾に思いますけれども、これはいわゆる燃料炭の部類でございますので、実際の需給の状況を見まして、セメント業界に対しても強く要請して参るつもりでございます。
 その石炭自身について一部においては、もう少し需給の関係で数量をふやし得るんじゃないか、こういう御意見がございます。外貨節約という面、あるいは安定供給という面、あるいは雇用の問題等からいたしましても、国内資源である石炭がもう少し使えることは、しごくけっこうだと思いますが、ただいまの国際液体エネルギー源との競争の立場で見ますと、いわゆる石炭鉱業の合理化を進めて、そうして炭価を引き下げるという、これはなかなか容易なことではございません。ここらに実は進めるにいたしましても、一つの目安を置かざるを得ない、こういうことに実は相なっておるのであります。私はただいま申しますような数量の増加で満足とは思いませんが、現状においてのいわゆる需要者側の協力というものは比較的順調に進んでおるのじゃないか、かように思います。
 なお、石炭業界に対して私どもが要望いたしますことは、価格の問題でございます。価格の問題をいかにするかということでございます。いろいろ苦心をいたしております。この点は石炭業会の現状にもやむを得ざるものがあるやに見受けますので、炭価の決定等については、通産省としては相当慎重な態度をとって業界に対する認識のほどを、そういう場合に気持の上でも表わしていく方法はないかということで、慎重にただいま検討しておるという実情でございます。
 あるいはお尋ねの全体に対するお答えにならないかとも思いますけれども、この所得倍増計画を遂行していき、そうしてエネルギーの需要が非常に増大していく、その場合において国内エネルギーというものが、どういうように使われていくか、その増加分に対してどういう役割を果たすか、こういうことを中心にしてただいまお答えした次第でございます。
この発言だけを見る →
吉田法晴#6
○吉田法晴君 今、主として石炭を中心にして石炭の側から需要の確保、電力、製鉄等についてお話があり、それから合理化、価格の引き下げ問題等について政府の方針を示されたわけでございますが、合理化審議会における動向あるいは千二百円下げの具体化の見通し、あるいはこれについての動き等については、私も承知しているところであります。そういう先ほど言われましたような石炭、電力、石油等、それぞれの部門での審議、それぞれからする努力ということでは、総合エネルギー対策というものは、なかなか急速には確立できにくいのではないか。数字についていいますならば、今の五千五百万トンベースは上げられるかもしれない。それから四十五年三億八千万トン換算分の中で考えられている石炭部分というものは、これもふえるかもわからぬ。パーセンテージをあげて質疑をいたしたわけでありますが、そういう数字に関連をして、総合エネルギー対策の中で石炭がどういう地位を占めるかということをすみやかに確定をすることが石炭産業の安定のこれは一番大きなゆえんではないか。そのためにはそれぞれの部門の審議会でなくて、それぞれの部門の審議会は審議会でかまいませんけれども、これを総合した総合エネルギー審議会といいますか、こういうものを立てる必要があるのではないかという点を第一に質問を申し上げ、それからまあその補足として質問を申し上げたわけであります。決議の精神もそこにあると考えられますので、総合エネルギー対策を策定する努力、そのために審議会を設けるべきじゃないか。あるいはそれぞれの部門の審議を急速に総合する方策について態勢を整えるべきじゃないかという意味で、重ねてお尋ねいたします。
この発言だけを見る →
佐藤榮作#7
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま申し上げましたように、総合エネルギー対策という場合にも、エネルギーの需給計画の基本が所得倍増計画にあるものですから、この所得倍増計画を中心にして、そしてそれぞれのエネルギー部門が担当するものを考えていく。そしてまあ石炭についても、ただいま御説明申し上げたようなパーセンテージでそれを伸ばしていく、こういう考え方であります。ただ石炭の場合は主要な出炭といいますか、供給の七割程度が長期引取計画ということで確保されるということを実は主体に考えております。したがいまして残りの部分がそれぞれの用途において、またそのときの経済事情等において消化される、かように御理解をいただきたいと思います。他の産業部門ということとの関連は一体どうなのかと、こういった、重ねてお尋ねございますれば、ただいま申し上げた所得倍増計画を基礎にして、そしてエネルギーの総需要量というものを算定し、それを各部門に割り当てて、考えておる、かように御了承いただきたいと思います。
この発言だけを見る →
吉田法晴#8
○吉田法晴君 総合の方策、それから総合エネルギー対策の中でその策定をすべき機関について考慮すべきじゃないかというお尋ねをしたのですが、それについて御答弁がございませんでした。これは大臣じゃなくても局長でもいいのですが、今の合理化審議会の大まかな進行は承知をいたしておるわけでありますけれども、合理化計画について今大臣は慎重に云々ということでございますか、新しい年次計画を立てよう、物価、生産費の高騰に見合って、現段階で新しく検討をし直さなければならぬのじゃないかという動きがあるようでありますが、決議の中には、需要の安定、それから近代化、合理化の中で雇用の安定を確保するということがこの決議の相当重要な部分として入っておる。そうすると、その合理化過程、いわば今後の、大臣の言葉で言えば所得倍増計画の中でエネルギー需要はどの程度にあるのか。石炭はどの程度、国内石炭はどの程度の地位を持つべきか。生産数量、その中での原価、それから設備、それを裏づける需要あるいは市場構造等もあろうと思うのでありますが、その中で労働者はどの程度三十八年度に、あるいは四十年度に、四十五年度に必要かという数字が出て参ると思うんでありますが、その計画の中で労働者の生活と雇用の安定を実現してもらいたいというのが決議の精神。その作業がどういう工合に進みつつあるか、あるいは進めようとされておるのか、これはこれからの仕事だと思うのでありますけれども、こまかい点はあとからでもいいんですが、大綱を一つ御説明を願います。
この発言だけを見る →
佐藤榮作#9
○国務大臣(佐藤榮作君) 石炭対策は先ほど来需給の問題について一応触れまして、そうしてこれは吉田さんもおそらくお尋ねのうちの含みにもあることだろうと思うととは五千五百万トンを六千万トンにできないだろうかというお話しがあろうと思いますが、先ほど来申し上げますように、需給の安定といいますか、ことに需要側の安定、その方策を行政的措置として電力あるいは製鉄、ガス等の部門について御披露いたしたしわけであります。
 ところで今度は労務の点で一体どうなのか、これはもう前国会におきましても基本的な方針を申し上げたつもりでございます。いわゆる合理化はどんどん進んでゆくだろう、千二百円下げということがその目的を達したら、もうそれからコストを下げるわけでもないというものではなくて、おそらく業界自身はさらに日進月歩合理化を進めてゆかれるんだ、そうすると、一人当たりの出炭量はこれは相当上がってゆくと考えなければならない。そうすると、五千五月万トンの出炭だと一人当たりの出炭が増せばそれだけの労務は要らないという計算になる。この労務は一体どうするんだという問題に当然逢着すると思います。
 その場合にいろいろの方法があると思いますが、失職者というものがいわゆる閉山、廃止等によって生ずる離職者あるいは今日ある山が積極的に事業の拡大をしないで合理化だけするならば、やはり犠牲者が出てくるだろう、そこにも失職者が出てくるだろう、こういうことになるのでございます。
 まず一番先に考えられることは炭鉱労務者の失職者は新らしい炭鉱において職場を見つけるということが一番いい方法じゃないか、そういう意味の立場に立って、今日までの未開発炭田等を新規に開発するという、そういう方向で吸収はできないだろうか、まずこれを一つ考えるべきだろう、そういう意味で、今後の問題といたしましては、未開発炭田は北海道方面にあるわけでございますから、そのほうの需要が相当強く出てくるだろう。またもう一つは、現に失業者ができ、そうして生活の保護世帯がふえておるというような地域において、その土地で事業を起こす方法はないか、これが第二の対策でありまして、いわゆる産炭地振興事業団、これを作りましたゆえんも実はここにございます。今回は発足するばかりでございますので、予算規模等もまことに少額でありまして、今生ずるであろう離職者対策としては金額等まことに私は不十分であると思います。思いますが、皆様方の御鞭撻でこれがとにかく発足するということは一つの前進であり、これを一つうまく使っていきたいと、かように実は思います。
 それから第三の問題といたしましては、この離職者を吸収するのは、あえて炭鉱に限らないじゃないかと、その他の職業部門においても、これの再就職の道を開くべきじゃないか、こういう基本的な考え方に立って労働省が再教育あるいは就職あっせんと、そのための便宜をはかるというような処置をそれぞれとっているわけでございます。
 それからもう一つ、基本的な問題で、ただいま申し上げるような離職者に対するそれぞれの対策はありますが、石炭業自身がいわゆる斜陽産業にあらずして、今後、安定基幹産業である、こういう立場に立ったときに、新規労務者の確保というか、人員の交代について遺憾なきを期するような考え方ですべての政策を進めていかなきゃならない。その意味におきましては、通産省は通産省としてかねてから申し上げておるように、石炭産業は斜陽産業にあらず、これはりっぱな基幹産業であり、国内の安定産業としてまた重要な役割を果たすんだと、この意気込みにおいて労使とも安定産業としてこれを盛り立てる、これに通産省が協力することが必要だと、そういう方法がとられますならば、必ず新規労務者の確保もできるだろうと思います。
 また、話が少し前後いたしましたが、この合理化が進むに従って職場を失うというような、こういう不幸な方方が今後考えられるのは、いわゆる中高年令層であろう、そこに特殊な離職対策、これが必要だろう、実はかように考えまして、労働省ともいろいろお話をしておるわけでございます。きわめてわずかではございますが、外国に対しましても、この石炭鉱業はまだドイツなぞ労務を必要としておるようでございまして、そういう意味で外国の職場にも転出する者が今後はまた出てくるんじゃないか。——せんだって、アルゼンチンの大統領が来られましたが、アルゼンチンなどもそういう意味ではなお開発の余地があるようでありますし、そういう意味の協力を求めておるものもあるようであります。離職者対策、これは何と申しましても、それぞれの人たちの気持から申せば、離職したその土地で、また同じ職場で——それはあえて同じ炭鉱と申すわけではございませんが、石炭で離職したから石炭業でやはり職を求めたい、そういう気持は非常に強いだろうと思いますので、その点には特に私どもも留意して参りたい、かように考えております。
この発言だけを見る →
吉田法晴#10
○吉田法晴君 大臣は従来の離職者対策中心の考え方で、決議の要請しておるところを全的に受けて方針を立てていただいていないのじゃないかという実は感じがするんです。合理化も、人を減らすだけが合理化のように感じておる。若干まあ未開発炭田の開発だとか、新しい産業部門での吸収云々といったようなものがございますけれども、あるいは産炭地振興もありますが……。そうじゃなくて、総合エネルギー対策を立てて、そしてその中で、今の言葉の中にありましたが、斜陽産業でない安定基幹産業なんだという地位をはっきり確定することが決議の要請をしているところ。若干の失業者が出る、あるいは他に移住しなければならぬ者が出るということは、これは必然的にありますから、それはまあ労働省にまたなきゃならぬ、これは私どもも考えておりますが、大もとのとにかく安定産業としての石炭産業の確定、それからその中における雇用と生活の安定をこれは通産省へお願いをしなきゃなりませんので、そこで、そういう意味の総合エネルギー対策を立てて下きい、これが決議の精神です。新しい炭鉱あるいは未開発炭田等を開発するというならば、それは年次計画の中にやはり入ってこなければならない。で、五千五百万トンが六千万トンになるようにということを要望しているだろうと言われましたが、その六千万トンにはいつなるのか。それからその中で、炭鉱は、新炭田——未開発炭田の、新しい開発をする炭田としてどの程度の石炭が出るのか、そこにどれだけのとにかく人間が吸収し得る、こういう案を早く立ててもらいたいというのが要望であります。
 そこでまあこれは大まかな大臣答弁でありましたから、石炭局長から御答弁を願いたいのですが、このコスト・ダウンの具体化、合理化政策の具体化を新しい情勢を盛り込んで再検討しなければならぬということで作業をしておられるんですが、それはいつごろできるのか。私はまあその際にこれは全体の総合エネルギーの中で石炭の地位がきまり、それとの関連で各山でどのくらい出すということが出てくるんだろうと思いますが、実際になされている作業は、企業別の年次計画をとって、それを積み上げてといいますか、それを総合して計画を立てようとなさっているかのように思うので、その点を私は多少私のほうで要望する点からいうと、順序が違うと思うんですけれども、それはとにかくとして、今進められております計画の取りまとめはいつごろになるのか。それからその中で生産量あるいは投入設備あるいは国の合理化、近代化の資金の援助、それから国内需要の増大等は考えられていると思うんですけれども、その中で労働者あるいは労働条件というものはどういう工合に織り込まれようとしているか。それがいつごろには明らかになってくるか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
佐藤榮作#11
○国務大臣(佐藤榮作君) あとで具体的なことは局長からお答えさしたいと思います。思いますが、吉田さんの知恵も少し借用したいのです。ただいまの合理化という問題ですが、この合理化ということを私は馘首ということを考えるという、そういう言い方、これはまあ結果的な問題といいますか、整理というものは結果的な問題になっている、かように御理解をどうしてもいただきたいのでございます。これは私が申すまでもないことですが、この五千五百万トンでいわゆる高能率炭鉱を進めていき、低能率炭鉱の廃止等をきめて推進して参りますと、いわゆる高能率炭鉱、それだけについて申しましても、出炭量が一人当たり二十五トンあるいは三十トン以上になる。あるいは特殊の山においてすでに五十トンになっている。こういうような成績を上げてくると、その山自身の掘り方にもよると思いますけれども、やはり現在の人はそれだけは要らなくなる、こういうのがまあこれはもう数学的というか、あるいは当然の理屈のように実は思うのであります。そこで新しいものを作って吸収するとか、あるいは整理をしばらく見合わす、こういう措置をとったらというのがあるいは一部にあるかと思いますが、新しい山を開拓するにいたしましても、おそらく現実に炭が出てくるまでに二年ないし三年はかかるでありましょう。そういたしますと、今後の需要をまかなうという方向から見ますと、この新規計画を実施するまでには相当時日がかかる。その間は一体労務者はどうなるのか、こういう問題がありましょうし、また廃止する炭田そのものの人の問題がある。これはもう能率を上げていく余地がないからこそ廃止ということに実はなる。そういうことになってくると実はここに手の打ちようはないのじゃないか。そこで問題は、国内エネルギーと国際エネルギーとを、いわゆる経済のバランスを割ってなお国内資源を確保するという別な方策が生れてくれば、これはともかくでございますが、現状の姿において消費者の自由というか、その選択にまかす、これは完全にまかすわけではございませんが、非常に気持とすれば消費者に自由に選択さすというその原則に立って処理して参りますと、これはよほど国家的な保護助成をいたさないと、現在の労務者を離職させないということはなかなか困難じゃないか、こういうように実は思います。私は非常に打ち割ったお話を申し上げ、また国会等の御協力も得ておりますので、超党派的な観点に立ちまして、この労務者に対する犠牲がいかにすれば軽減できるだろうか、こういうことで、軽減方法では努力して参ったつもりであります。ありますが、どうも大勢とすればある程度の犠牲者を出さざるを得ないのじゃないか、こういうことでございますので、この基本的な主張を、これは非常に名案があればぜひとも教えていただきたいと思うし、ここらに私のほうに非常に苦心のあるところをひとつ御理解をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
今井博#12
○政府委員(今井博君) 先ほど大臣から、現在の合理化計画に対するいろいろな改定といいますか、新しい年次計画の樹立についてのお話がございましたが、事務当局といたしましては、過日石炭鉱業審議会を開きまして、それの大綱を報告したのであります。おおむね三月末を目標にいたしまして、現在の合理化計画のさらに詳細な、三十七年、三十八年、三十九年、この三カ年に重点を置きまして、年次別の具体的な合理化計画というものをさらに掘り下げようということで作業を進めることに相なりました。その考え方は、御指摘のような物価の上昇の問題、あるいは賃金のベース・アップの問題、それから今度予算で三カ年で六百二十万トンのスクラップを行なうということが認められておりますので、そういうものを前提にいたしまして、既定の計画である千二百円引き下げというものを遂行した場合に、いかなる結果が出るか、経理面にどのような影響がくるかということを作業いたしました。それからさらに労務情勢は一体どうなるかということも相当具体的に、地域別、山別にも掘り下げまして、その上でさらに審議会にはかりまして、従来の千二百円引き下げのテンポでいいかどうか、そういうものを総合的に判断してやろうという考え方で作業を進めております。非常に簡単に申し上げれば、最近の情勢において徹底的なひとつ実態分析をやろう、こういう考え方であります。
この発言だけを見る →
吉田法晴#13
○吉田法晴君 石炭局長の答弁、これは実情でありますから、あとで関連して若干質問いたしたい。
 通産大臣が最初御答弁になりました、合理化を進めていけば、能率が上がり人がいらなくなるではないか、首切りを先に考えているわけではないけれども、結果としては出るのじゃないか、こういうお話、これは実際に行なわれている合理化はそのとおりです。しかし企業の努力にまかせて、総合エネルギー対策の中で石炭の占めるべき地位というものを国内産業保護の見地もあって立てられるならば、質問の中で出てきましたように、五千五百万トンが六千万トンにもなろう、それから筑豊炭田で閉山あるいは縮小する山の人間が、北海道なりあるいは有明新炭田の開発に行くだろう、こういうことになるのですが、その作業を、政治ならばそれをやはり先にするのが、これは政府の任務じゃないか、あるいは政治の任務じゃないかというのが私どもの考えです。いわばこれは自由経済だからしようがないじゃないかといわれるかもしれませんけれども、斜陽産業だといわれる議論あるがのに、いや斜陽産業ではないのだ、安定した基幹産業として盛り立てるのだということならば、これは成り行きにまかせて、人が減るあるいは首切られる、それをあとしりぬぐいすればいいという従来の方策ではなくて、安定した職場としての石炭産業を作る。そうしてそこで雇用、生活を安定させるということにならなければならぬと思う。その具体策を、具体的な数字をあるいは年次別の計画を早く立ててもらいたいというのが、あの決議の精神だと思う。思うだけに、先ほどの、ある程度の労働者の失業が出てくるのはやむを得ないと認めて下さいという言葉は、決議の精神からいえば、基本的に私はやはり返上して、その具体策あるいは年次計画をあるいは総合エネルギー対策を早く確立して、その中で安定産業としての石炭の地位をきめてもらいたい。その中で最大限のとにかく労力の確保あるいは職場の確保をはかってもらいたい。そのためには各企業からの計画を取り集め、実態をとることも必要でしょうけれども、需要の確保あるいはその上に立つ石炭産業の安定産業としての方策を確立してもらいたい。それを年次的に計画をするということになれば、今の合理化審議会なりあるいは石炭鉱業審議会の動向だけに待っているわけにはいかないのじゃないか。総合エネルギー対策審議会を決議の精神に従って作ってもらいたい。これが要望であるし、それから決議の精神だと考えますので、その点をお願いしているわけであります。
 それから石炭局長の答弁の中で、新しい年次計画を作ろうとしているが、その中で労働者はどの程度心要なんだ、あるいは確保されるんだという点は、これは三月末を目途にしてということですが、その計画の中にこれは入っているわけですね。
この発言だけを見る →
今井博#14
○政府委員(今井博君) それは十分考えているところです。
この発言だけを見る →
佐藤榮作#15
○国務大臣(佐藤榮作君) 吉田さんに今のようにきめつけられると、どうもたいへん私のほうのお答えが言葉足らずで、舌足らずで誤解を招きやすいように思います。私が申し上げておりますのは、とにかく合理化を進めていく。その合理化を進めることが、なるほど一時的には労務者の犠牲であるかのように見受けるけれども、これが石炭産業の発展の基礎でもあるということ、このほうにやはり重点を置いてひとつ御理解おきを願いたいと思います。
 それからもう一つは、総合エネルギーに対しての政策が一体どうなるか。そこでそういう問題に話が進んでいくのじゃないか、かように思います。今回石油事業法を制定したいということも、そういう意味合いにおいては、やや総合的な効果を発揮するものじゃないかと私考えます。で、先ほどの話で、吉田さんのように、合理化すれば当然首切りが出るのじゃないか、このようなことですが、そう簡単なものではございませんので、そこを御理解いただきたいと実は申したのであります。私どももいろいろ努力し、いろいろな方法をとっていくが、なお足らない点をひとつ教えていただくことはできないだろうか、こういうことを実は申したのであります。その点を誤解のないように願いたいと思います。
 なお、問題の所在として、石油業法、いずれ法案を提案いたしました上で御審議をいただくことになりますが、この石油業法というものに関連し、石炭の輸入の自由化、これをその時期の問題であるとか、あるいは重油等の自由化等についてまでも、その時期的な議論にまで実は発展しておる、そういうことを私どももむしろ総合的立場においてはいろいろ工夫もし、現代産業に対する圧迫にならないように名案がないだろうかというのがただいまの非常な苦心でございまして、あわせてつけ加えさしていただいた次第でございます。
この発言だけを見る →
吉田法晴#16
○吉田法晴君 輸入エネルギー資源についての、いわば規制と申しますか、計画的な輸入の点は、これは石油業法との関連で詳しくは審議しなければならぬと思うのですが、しかし安定産業とするためには、これは自由化のテンポの問題、それから対策等を具体的にやはり考えなければならぬ、関税の問題もあり、あるいは輸入規制の問題もございましょう。それからあるいはその増高をする石油等の需要先の問題もありましょう、いずれにしても規制というか、あるいは計画化というか、そういう点が必要になって参ると思いますし、それから合理化のテンポについても要望がいろいろある点は、御承知のとおりですし、あるいは今の答弁からいうと、相当考えているということかもしらぬと思うのですが、その点はここで詳しく触れる時間もございませんし、他日に譲りたいと思うのですが、今までの答弁の中で、この合理化計画の新しい年次計画を立てようとするところで、労働者の生活と雇用の安定のためには通産省としても努力をしている、こういうようなお話でございました。ところが実際には冬山で閉山、縮小、それから賃金の切り下げ等のために、有能なといいますか、あるいは優秀な労働力がむしろ稼行しておる炭鉱の中から逃げて、残っておる労働力は年寄りであるとか、低下をしつつあるというのも現実、それから新しい炭田の開発を考えているのだということですが、それではこの新しい年次計画の中で、先ほど大臣は北海道の話が出ましたが、それから考えられる点は有明炭田なり何なりですが、その開発の見通し、それから年次計画の中に新しい炭田に吸収される計画、それから新しい産業で吸収するという方法もあるのじゃないか、こういうお話でございましたが、新しい産業でどういう工合に吸収をしていくという方策があるのか、その辺をひとつ具体的に承りたい。
この発言だけを見る →
佐藤榮作#17
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の有明、あるいは北海道炭田の開発、これはひとつ局長から答えさすといたしまして、新しい職場、これは労働省のお仕事ですから、あまり私が申し上げてもまたしかられるかわかりませんが、この労働省の今回の予算はそういう意味のものが相当今までになく予算的にも計上された、かように思います。そこで、いわゆる再教育の問題があり、職場あっせんの問題がありあるいは受け入れを容易にするような施策などを実は取っているわけであります。しかし、私ども、根本には、最初申し上げましたように、やはり過去の職場の経験を生かすという気持、あるいはその土地というものになかなか離れにくいということで、労働省のやります職場のあっせんはよほど御理解をいただかないと、効果があがらないのじゃないか。ただ、労務だから、また同じように地下の仕事だからといって、土建や、港湾のほうへ持っていきましても、どうも現在までは長続きはしておらない、あるいはまた家庭工業の面にこれらの方々が、組合などもいろいろ指導しておやりになっているようでございますが、なかなか成功率は少ないようだし、ここらにやはりお互いが長く働いたその経験というか、また事業に対する愛着というものが断ち切れないと、十分の効果があがらないんじゃないか。しかし、これを十分御理解をいただくように労働省なり、また旧経営者などもそういう意味で努力をしているようであります。ただいまの古田さんのお話しのうちに、新しいものが何があるかと言われましたが、これは労働大臣、総務長官のほうからお答えするだろうと思いますが、私はただいまのような感じを持ちますので、制度そのものとしては、いろいろ議論がありますが、いわゆる大炭鉱が閉鎖した後の第二事業会社というか、こういうふうなものが労働条件などが相当悪くっても、そこに職場を見つけておる、今の現状は、私が触れた職場を愛するとかあるいは自分の過去の経験を生かすとか、その土地に対する愛着だとか、こういうものが現実の実績として実は現われているのじゃないか、そういう意味のことをやはり第一に考うべきだと、先ほどお答えしたとおりな気持ちでございます。
この発言だけを見る →
吉田法晴#18
○吉田法晴君 通産大臣として御答弁をいただく点が労働大臣にすりかえられましたけれども、私は新しい年次計画を立てるならば、その中で生活と雇用の安定をどういう工合に努力をしているのだ、こういう御答弁があり、それから新しい炭田の開発を考えているということならば、年次計画の中に、それでは何年から新らしい炭田にはどれだけの労働力の需要の増加があるのだ、それから新産業都市建設法なりあるいは低開発地帯の開発について産業を興していこうとするならば、そこにどれだけの労働力の需要を作るのだ、こういう点は、これは通産大臣としてお考えにならなければならぬと思うんですけれども、それぞれの法案を見てみますと、そういうものはあまりないようでありますので、実はお尋ねをしたわけなんです。それから第二会社あるいは租鉱権炭鉱への移動というようなお話しもありましたが、それには最低賃金制なりあるいは保障賃金制がなければ、優秀な労働者は炭鉱から出て行ってしまって残っているのは年寄りだけ、古い経験者があまり転換はできないから、つるはし一丁で劣悪な労働条件のもとでも働かざるを得ない。これは炭鉱を愛するというか、定着をせざるを得ないからそうなっているんですから、それを防ぐためには最低賃金制なり、あるいは保障賃金制なりというものを作らなければならないという問題が起こってくる、こう思うんです。賃金の問題はまたあとで労働省にお尋ねいたしますが、そういう通産省としての、あるいは石炭行政に関連をして、どういう工合に生活と雇用の安定をするかという具体策を承りたいと実は思ったわけですが、石炭局長から御答弁いただけますか。まだ三月終わり近くならなければ御答弁できないのですか。
この発言だけを見る →
今井博#19
○政府委員(今井博君) 現在の作業をいたしておりまする年次計画におきましては、相当具体的に掘り下げをいたしますので、地域別にはある程度の数字が出ると思います。資料としては、もちろん大きな山別についてももちろん資料はでき上がると思いますが、ただいま御指摘になりましたような新しい炭田の開発、この問題は有明炭田の二百万トンの開発計画というものは具体的にきまっておりますが、もう一つの有望地区の石狩の南部につきましては、まだ調査中でございまして、三カ年の年次計画の中には、そういう新規開発というものはちょっと間に合わぬのじゃないか。と申しますのは、相当大きな投資を必要とする、相当時間がかかりますので、それを短期の年次計画の中へ入れるいうことは、実際問題としては私は困難だろう、こう思っておりますが、その場合に、新規にどのくらいふえるかという問題、それから同じくビルド・アップの山につきましても、先ほど大臣がおっしゃいましたような合理化をやった場合に、やはり能率があがればやはり人間がそれだけ縮小するという問題等もございますので、新しいビルド・アップをやった場合に、人間が相当ふえるということにはならないのじゃないないかというふうに実は推定いたしておりますが、そういう点もかみ合わせて、それから現在の合理化に上ってあまり労働情勢を無視したような状態等は、これはやはり相当考えなければいけませんので、そういう点も含めまして、現在やっておる千二百円引き下げのテンポについてあらゆる点から検討して、ひとつ実情に合ったものにしたい、こういうことを考えております。その過程におきましては、当然労働賃金の問題ある程度のこれはベース・アップというものももちろん考えて適正なものをもちろん算定してわれわれは入れるつもりでございますので、ただそれを地域別あるいは山別に具体的にどうなり、それをどういうふうに離職者対策を講ずるかという点までなりますと、やはり相当時間がかかりますので、一応三月末を目標に荒削りのものを作りまして、それで一応中間的な概定をいたしまして、それからさらに御指摘になったような点もあわせて最終的にでき上がるのは七月までくらいにかかるのじゃないかということを考えておりますが、概定するのは、中間的には三月末、こういう予定で進んでおります。
この発言だけを見る →
吉田法晴#20
○吉田法晴君 伺っておりますと、やっぱりコストの問題からあるいは経営という点から考えられて、決議の中心であります労働者、人間の生活という点が中心になって十分考えられていないようでございます。新年次計画を立てて参ります場合にも、雇用それから労働条件についても言及をされましたけれども、労働省とも協議の上十分決議の精神が生かされるような態勢を作っていただくように、あるいは方策の中にこの労働問題、人間の問題が中心的に考えられますように、協議といいますか、御努力を願いたいと思います。要望をいたしておきます。
 あと同僚議員からも質問がございますようですから、決議の中身の問題で問題点を、これは全部逐次御説明願えばいいですが、その時間がございませんから、決議の中にあります主要な点についてお尋ねをいたしておきたいと思います。
 未開発炭田の開発問題は、これは抽象的でありますが出ました。詳しい討議はまたの機会に譲りまして、その中にあります石炭産業の抜本的対策として鉱区の調整という点がうたわれております。これは中小炭鉱の残るものが三百幾らと、こういう点を考えますと、残る炭鉱が代近的なものになりますためには、近代化資金の融資も必要でありましょうけれども、鉱区の調整という問題も必要的に起こって参ると思うのです。それらの点についてはどういう工合にせられておるのか、あるいはしようとせられておるのか。それから近代化、機械化の点について、水力採炭あるいは運搬系統の改善等が論議せられておりましたが、それらの点がどういう工合になっておるかお尋ねをいたします。
この発言だけを見る →
今井博#21
○政府委員(今井博君) 鉱区の調整の問題は、現在の鉱業法でも運用によって相当やれますので、その範囲内においては相当年間数、相当件数をさばいておるわけでありますが、やはり具体的なケース・バイ・ゲースで、その鉱区調整の問題は同じような方法で極力さばいていこうと思っておりますが、しかし根本的には現在の鉱業法の制度があっせん程度でございますので、やはり鉱区調整を根本的に解決するためには、調整問題について相当政府が決定権を持つとか、そこまで実は踏み込まないと、根本的な鉱区調整問題は非常にむずかしいじゃないか。この点は鉱業法改正問題とあわせて今審議をいたしております。
 それから流通機構の問題につきましては、やはり共同輸送体制、共同荷役体制あるいは共同貯炭、こういう問題が非常に重要でございますので、ただこれをいきなり実は提案しましても、実際問題としてなかなか利害が伴いましてうまくいきません。このたび石炭の専用船というものがわずかでございますが実は認められまして、この専用船の運用の点について今運輸省と相談いたしておりますが、共同輸送、共同荷役、共同貯炭というところまでぜひ持って参りたいと思いまして、ほぼそれの共同体制については関係者の大体賛同を会得つつありますので、これを契機にひとつそこへ極力早く進みたい、こう思って指導をいたしております。ただ流通機構全体の整備改善、これは販売機構等も含めますと非常に複雑な問題になりますので、これは現在専門家を逐次呼びまして、専門的な意見を今聞いておりまして、どういうふうに持っていくかということについては、まだ御報告申し上げる段階に至っておりませんが、これからできるだけひとつ努力いたしたいと、こう考えております。
この発言だけを見る →
吉田法晴#22
○吉田法晴君 今の答弁の中に、近代化、機械化の点について答弁が落ちましたが……。
この発言だけを見る →
今井博#23
○政府委員(今井博君) 近代化につきましては、従来大規模な坑道を、縦坑を掘るということを中心に進めて参っておりまして、これは従来の方針に沿って継続いたすつもりでございますが、機械化の問題につきましては、このたび近代化資金の中で、完全機械化の問題それから水力採炭で五億程度の予算を計上いたしました。特に機械化の問題は現在の、特に九州の離島地区とかあるいは三池であるとか、北海道地区とか、そういうところでは、傾斜のないところでは、この水力採炭が非常にむずかしゅうございますので、そういう地区には機械化を進める。それから傾斜のありますところは水力採炭が最近非常に成功いたしまして、これはことしは相当実用化されると、こう思っております。特に従来問題でありました筑豊地区におきましても、むしろ水力採炭が非常に適当な地区がたくさんあるのじゃないかというふうに予想されまして、そういたしますると、筑豊の相当品位の悪いところも合理的に掘り得るのじゃないかという見通しを一部持っておりますので、水力採炭の実施につきましては、ソビエト調査団の報告等もございまして、相当見込みも立ち得るのじゃないかと思いますが、なお詳細はいずれ機会を新たにして御報告申し上げたいと思います。
この発言だけを見る →
吉田法晴#24
○吉田法晴君 需要の確保対策について、先ほど電力、鉄鋼等の関連産業の協力の点はお話が出ました。産炭地等の火力発電を建設し、火力用炭を大幅に確保するという点について予算要求等もございましたが、脇田、それから苅田の低品位炭発電の点についても努力をなされているあとは承知をせぬわけではございませんけれども、将来について第二期工事との関連において若干の不安があるように考えるのでありますが、産炭地揚げ地火力発電による需要の増大について、どういう工合に措置をなされておるか、お尋ねをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
今井博#25
○政府委員(今井博君) 産炭地発電の問題は従来からいろいろ計画がございまして、全国にわたって実施をいたしておりますが、特にお尋ねの九州地区につきましては、御承知のように、西日本共同火力が苅田に二十二万キロを現在建設中でございまして、これを本年度は財政投融資で十八億円のワクを計上いたしまして、この第一期を早く完成しようと思っております。第二期につきましてはまだはっきりいつやるかということはきまっておりませんが、これもできるだけ早くやりたいと思っております。それからお尋ねの電発が現在若松でやっております脇田の産炭地発電は、現在第一期工事を実施中であります。第二期の十五万キロにつきましては、現在まだ話し合いは確定いたしておりません。これはほんとうの低品位炭火力でございまして、特に沈澱微粉等を利用する計画でございますので、これが成功すれば、遠賀川の流域の活用という点では非常に私は効果があるのじゃないか、こう思っておりますが、まだ何分それについての、特に沈澱微粉についての活用についてまだ目鼻がついておりません。これは今後電力方面、われわれのほうでは公益事業局とも十分相談いたしまして、できるだけ早く実施したい、石炭側としてはこの実現を非常に熱望いたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →
吉田法晴#26
○吉田法晴君 その点について大臣かの答弁を得たいと思うのですが、脇田の第三期につきましては、通産省で調査費をつけて調査をしてこられました遠賀川の汚濁水処理という問題があります。これは遠賀川なり、それから従来捨てておりました選炭用水の中から低品位炭を取るということになれば、新しい需要といいますか、新しい分野が開けてくるわけです。調査のある程度の成果も見ておる、見通しも得ておるということでありますが、これをパイプで下流に持ってきて発電をするということになれば、非常なプラスになることは、これはもうだれが見ても議論のないところであります。しかもそれを上流から下流に持ってきて発電をするということになれば、これは脇田以外にはないわけです。ほかに持っていくというわけには参りませんから、脇田ということになりまして、そこである程度の見通しがつけば、場所なりあるいは計画なりというものは第二期までを含んで用意がされておるわけでありまして、これは将来にわたってはっきり見通しをつけなければならぬ、調査も何年目になりますか、そろそろ結論が出るところでありますから、その調査の結論をもって脇田の第二期工事の見通しをやはり早くつけて参らなければならぬと思います。共同火力について輸送の問題等もございますが、共同火力については、これは財政投融資もございますし、あるいは地元の協力もあって、ある程度の見通しが立っておるとのことでありますが、これらの点については通産省としても、将来について不安なからしめる措置というものが心要だと思うのですが、通産大臣の御答弁をお願いをしておきたいと思います。
この発言だけを見る →
佐藤榮作#27
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の若松あるいは苅田のお話が出ておりますが、遠賀川の水系の沈澱微粉の使い方、これは国内資源としては大きいものだと思います。ただ遠賀川の水系——北九州ではいろいろ問題があるのです。問題というのは、この水を目当ての問題がですね。吉田さんも御承知のように、あるいは灌漑用水との分配の問題であるとか、あるいは北九州の工業地帯の工業用水の問題であるとか、この水の問題が、うまく分配方法がつくと、あわせてただいまの沈澱微粉の使い方という方向にも非常に役立つのじゃないかと思います。何分にも関係者が多くて簡単にはちょっと結論を出しかねておるというのが実は現状でございます。私は産炭地発電というものは、もうすでに若松や苅田にかかっておりますけれども、こればかりでは実はないと思います。すでに大村は御承知のとおりでございますし、ここに第二期工事が進んでおる。あるいは佐賀県に新しいものを作れという御要望が出たり、あるいは大村付近にもその必要が説かれておりますし、ことに有明製鉄というものが具体化すれば、当然こういう面の発電所は必要になるだろう。これなどは九州地区とすれば産炭地を控えておりますだけに、できるだけ石炭を使っていただくように政府も進めて参るつもりであります。あるいはまた北海道においては、釧路その他の地区においてそれぞれ火力発電の計画はございます。これらのものを順次取り上げることが実は必要じゃないか。だから産炭地発電、これが筑豊の山のまん中に発電所を設けるというばかりが計画ではないと思います。吉田さんもそういう意味で御指摘になったと思いますが、九州全体の相当地域で考えてやる、北海道においても同様だと考えます。あるいは常磐地帯におきましても適当な場所を考える、こういうことを考えるべきじゃないか、かように思いますので、計画的な数字は先ほど三百万トンということを申しました。これはいわゆる揚げ地発電ばかりのものとお考えにならないで、広範に考えてしかるべきだ、かように実は思います。懸案事項をそれぞれ片づけていくことがまず非常に大事なことだと思います。
 なお、少し答弁がさかのぼって恐縮でありますが、先ほど今井石炭局長がお答えいたしましたことで、鉱区の整理の問題、これは具体的に進めて参ると行政上の権限だけでなくて、現実には組合側の協力を得なければならない面が多分にあるのであります。実際問題として。そういう意味で各界の理解を求め、これに特に留意して参るつもりであります。
 また次の問題として流通機構の開発の問題ですが、これは将来の問題になるというが、非常に困難な問題があります。いわゆる炭種の銘柄の簡素化という問題、これも購入資金なり、先ほどのように共同貯炭場だとか共同荷役というようなことがどんどん進む。あるいは共同販売というようなことにまで進むということを考えますと、どうしても困難だといわれている炭種銘柄の整理といいますか単純化、こういう方向にも意を用いてもらいたい。こういうふうに考えております。これをつけ加えさしていただきます。
この発言だけを見る →
吉田法晴#28
○吉田法晴君 産炭地の振興につきましては、事業団の御協力によってやっと出発をしたわけですが、決議の中にあります「産炭地域を振興するために、必要な土地及び水資源の確保、産業道路の開発等産業立地条件の整備、雇用の増大に資する諸事業の経営及びこれらに対する投資、その他助成等の施策を実施する産炭地振興事業団を設立する」、こうあるわけですが、土地の点については考慮を願ったようでありますが、額が十分でないという点は、水の問題あるいは道路の問題等については、ほとんど省が建設省その他にわたるということもあったろうと思うのでありますが、産炭地振興事業団の仕事の中には入っておらぬ。産炭地振興のためには、土地だけでなしに水の問題も、あるいは道路の問題も、それから先ほど指摘をいたしました雇用の増大の問題も、これからもっと考えていただかなければならぬ、施策を願わなければならぬ点等があると思うのでありますが、その点に、どういうように対処しようとしておられるかお聞きいたします。
 なお、産炭地振興会の中で、等という文句を入れて、農業関係の点も振興方策の中に入れ得るように実は修正をしたわけでありますけれども、地元からの要望には畜産、園芸、あるいはこれと関連する加工業の振興等まで含めて、等の中に農業関係の振興方策というものも要望として出ておるわけであります。
 これらの点について産炭地振興の具体化の中で、どういう工合に進められておるか。各市町村あるいは各県から要望が出まして、それぞれ取り上げられ、これから具体的に実施に移る段階でございますので、全般的にあるいはこまかい答弁は石炭局長からでもいいですが、お願いいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
佐藤榮作#29
○国務大臣(佐藤榮作君) 産炭地振興事業団、これは今国会でぜひとも早く協賛を得て実行に移したいのでございます。この問題はあるいは建設省に関連し、あるいは農林省、あるいは労働省、またその他の省にも実は関連をもつものであります。そういう点から各行政官庁の緊密な連携を必要とするわけであります。これを最初作ります際に、通産省の専管にはたしてしていいのかどうか。そういうことで、いろいろ議論をいたしました。しかしやはり責任官庁を明確にしておくことが、こういうものの運用には役立つだろう、かように考えまして、各省の協力を得るということで、ただいま通産省においてこれを進めていく、主務官庁である通産省が専管でやることになりました。
 その立場から見ますと、実はあるいは新しい事柄でありますし、ただいま言われますように、土地造成自身通産省でそういう経験はないのでありますが、今回、そういうことをやる。道路あるいは水の問題、これなども問題が具体化すれば、そのつど関係省の協力を得るという方法に進めていきたいと、実は通産省内部におきましても、石炭局だけではなく、いわゆる中小企業等の団地化の計画もございますから、そういうものとあわせて見ることが必要だ、かように思いますし、また、お話になりましたように、この事業団は融資もすることになっております。あるいは果樹、酪農というようなものも、果樹はその規模等にもよると思いますが、酪農などは比較的対象になりいいのではないか、かように思います。そういう点も、資金の量との問題でございますが、大きく拡大して、そういう意味の振興に資していきたい、かように思います。
 ただいまのところ、具体的に何があるかと言われましても、まず第一が調査の段階だし、各地方の御協力を得るとか、要望にこたえるとか、そういう事柄が第一だろうと思います。できるだけ実効をあげるように促進して参る所存でございます。
この発言だけを見る →
← 戻る