科学技術振興対策特別委員会

1964-10-08 参議院 全175発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和三十九年十月八日(木曜日)
   午前十時二十三分開会
  —————————————
 出席者は左のとおり。
   委員長     村尾 重雄君
   理事
           丸茂 重貞君
           加瀬  完君
   委員
           上原 正吉君
           源田  実君
           近藤 鶴代君
           白井  勇君
           横山 フク君
           小林  武君
           松本 賢一君
           浅井  亨君
  国務大臣
   国 務 大 臣 愛知 揆一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   原子力委員会委
   員       兼重寛九郎君
   防衛庁防衛局長 海原  治君
   科学技術庁長官
   官房長     江上 龍彦君
   科学技術庁原子
   力局長     村田  浩君
   外務省アメリカ
   局安全保障課長 山中 駿一君
   水産庁調査研究
   部長      花岡  資君
  —————————————
  本日の会議に付した案件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (原子力潜水艦の寄港に関する件)
○派遣委員の報告
  —————————————
この発言だけを見る →
村尾重雄#1
○委員長(村尾重雄君) ただいまより科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 愛知科学技術庁長官から発言を求められておりますので、この際これを許します。愛知長官。
この発言だけを見る →
愛知揆一#2
○国務大臣(愛知揆一君) 科学技術振興対策特別委員会の皆さまに一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 去る七月、はからずも科学技術庁長官の職をになうことになりましくその責任の重大さを痛感いたしておる次第でございますが、今日まで当委員会にごあいさつする機会がございませんで、たいへん延び延びで失礼をいたしております。
 従来、科学技術の行政全般にわたりまして、当委員会におかれましては、きわめて御熱心な御審議が行なわれ、わが国における科学技術の振興のために格段の御努力をいただいておることはかねがね承知しておりまして、まことにありがたく存じておりますが、今後とも一そうの御指導、御鞭撻を賜わりますように、この機会に特にお願いを申し上げておく次第でございます。
この発言だけを見る →
村尾重雄#3
○委員長(村尾重雄君) 以上で、愛知科学技術庁長官のあいさつは終わりました。
  —————————————
この発言だけを見る →
村尾重雄#4
○委員長(村尾重雄君) 次に、原子力潜水艦の寄港に関する件を議題といたします。
 本件について、愛知科学技術庁長官より、概要の説明を求めます。
この発言だけを見る →
愛知揆一#5
○国務大臣(愛知揆一君) 米国原子力潜水艦の寄港問題については、わが国の原子力利用に関する安全問題を取り扱っている政府の機関として、原子力委員会は、国民を放射能の危険から守るという立場から、主としてその安全性の問題について検討を行なってまいった次第でございます。
 この検討を行なうにあたりまして、米国原子力潜水艦が国際法上軍艦としての特殊な地位を有しますために、軍事上の機密に属する技術的資料の提供を受けることが不可能でありますことは、国際慣行上やむを得ないところであると存ずる次第でございます。
 このような事情から、原子力委員会は、設計、運転、操作等の詳細な技術的資料に基づいて行なう原子炉安全専門審査会による審査等の安全性確認の方式ではなく、国民の安全を確保するために必要な米国の保証その他の措置及びわが国がとるべき措置について慎重に検討を行なってまいったのでございます。
 安全性の検討についての以上の考え方から、原子力委員会は、昨年以来外務省を通じて米国政府と交渉を重ねてまいりましたが、その努力の結果、
 (一) 原子炉設計の安全性、乗組員の訓練、操作手続は、米国の原子力委員会及び原子炉安全諮問委員会の審査を受けているものでありますこと、
 (二) わが国の港における運航に関連してとられる安全上のすべての予防措置及び手続は、米国の港におけると同様に厳格に守ること。
 につきまして米国政府の保証をとりつけますとともに、
 (三) 寄港期間中米国原子力潜水艦の乗り組み員は、潜水艦上の放射線管理及び同潜水艦の近傍における環境放射能のモニタリングについて責任を負うこと、
 (四) 潜水艦の排出水の放射性物質の濃度は、わが国の法令及び基準並びに国際基準に適合していること、
 (五) 使用済み汚染除去剤は、港内または陸地近辺では決して放出せず、また、既知の漁区の近傍では、いかなるところでも放出しないこと、
 (六) 潜水艦の燃料交換及び動力装置の修理は、わが国またはその領海内においては行なわないこと、
 というような、これら米国政府の保証及び約束を取りつけましたことは、当時の声明及び覚書の中に取り入れられておるとおりでございます。
 原子力委員会といたしましては、米国原子力潜水艦のこれまでの運航の実績をも考慮しつつ、以上の交渉経過から得られました米国政府の保証と約束を総合的に検討して、それが事実そのとおりに実行されまするならば、国民の安全上支障はないものとの結論に達しましたので、去る八月二十六日、全会一致をもってこの見解を決定するとともに、直ちに委員長から総理大臣に口頭で報告を行なった次第でございます。
 なお、科学技術庁といたしましては、右の原子力委員会の見解に述べられております意見に基づきまして、原子力潜水艦の入港の前後及び停泊中における放射能の調査並びに近海における放射能調査について、関係各省庁の行なう調査を総合的に推進いたしておるという実情でございます。
 以上、御報告を申し上げます。
この発言だけを見る →
村尾重雄#6
○委員長(村尾重雄君) ただいまの説明に対し、質疑がおありの方は順次御発言を願います。
 なお、政府側からは、技術庁長官愛知揆一氏、原子力局長村田浩氏、原子力委員会委員兼重寛九郎氏、防衛庁防衛局長海原治氏、外務省アメリカ局安全保障課長山中駿一氏、科学技術庁長官官房長江上龍彦氏、水産庁調査研究部長花岡資氏、その他各氏が御出席しております。
この発言だけを見る →
加瀬完#7
○加瀬完君 原子力潜水艦の寄港を認めるにあたりまして、それが核兵器の持ち込みにつながらないか、国民の安全性を脅かすことはないか、この二点が、いずれも心配がないという確認がされて受け入れに踏み切った、このように、政府のいままでの言明を承ると、了解できるわけでございますが、そう了解してよろしゅうございますか。
この発言だけを見る →
愛知揆一#8
○国務大臣(愛知揆一君) ただいまお話しのとおり、原子力潜水艦の問題につきましては、原子炉の安全性の問題、これは、ただいま申しましたように、国民生活に支障がない、安全であるという見解になりましたこと、それから、いわゆる核兵器は持ち込まないという従来からの既定方針が守られるという、この二点でありますことはお示しのとおりでございます。
この発言だけを見る →
加瀬完#9
○加瀬完君 核兵器の問題はあとにいたしまして、放射能被害に対する国民生活の安全性の問題でございますが、その理由といたしまして、国際放射線防護委員会の基準と、アメリカ合衆国の、あらためて取り入れました基準とは同じだという御説明になっておるようでございますが、国際放射線防護委員会の基準は原子力潜水艦にも適用すると、そういう含みが前提となってつくられたものでございますか、あるいは原子力潜水艦の関係においても当然含まれると了解すべきものでございますか。
この発言だけを見る →
愛知揆一#10
○国務大臣(愛知揆一君) この点は、いわゆる第一次冷却水の放出に関しまする、いわゆる放射能の許容基準の問題であると思います。で、これは、八月、あの当時に公表されました声明で申しますと、声明の第二項、それから覚え書きの第三項及び第四項に掲げられてあるとおりでございまして、結論としまして、今回の原子力潜水艦の放出する第一次冷却水のいわゆる許容基準については、日本側の法律及び基準並びに国際基準に完全に適合すると、こういうふうに認めておるわけでございます。
この発言だけを見る →
加瀬完#11
○加瀬完君 新聞紙上に発表されたアメリカの口上書の内容におきましては、日本の基準と完全に一致するとはどこにも書かれておらないわけでございますが、書かれておりますか。それとも、ほかに何か特別のアメリカからの文書の取りかわしがあるのでございますか。
この発言だけを見る →
愛知揆一#12
○国務大臣(愛知揆一君) その点については、兼重原子力委員から専門的に御説明をお願いすることにいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
兼重寛九郎#13
○説明員(兼重寛九郎君) ただいまの御質問は、国際放射線防護委員会の基準というものの性格を申上げたほうがよろしいと思います。それは、たとえば放射性の物質の濃度につきましては、その水を毎日二〇リットルあるいは二〇・二リットル、そのくらいのものは人間が一生涯飲んでも、現在の知識では、それは支障がないという判定から、いろいろな核種につきまして、これ以上やってはならないという数字を示しておるわけでございます。で、各国それを反映しました基準をとっております。したがって、アメリカの基準と日本の基準が完全に一致するということではございません。しかし、その基準をもとにしておりますから、その違いが非常に大きなものでないことは考えられます。
 それで、アメリカの原子力潜水艦からの、一番問題になります一次冷却水の放出基準というものは、やはりそれを反映してつくられておるわけでございますが、そのものがまた日本の放射性廃棄物の廃棄基準と完全に一致するわけのものではございません。そこで、アメリカ側には、日本の廃棄基準はこういうものである——たとえば周辺監視区域というようなものがございますけれども、潜水艦の場合には、その周辺監視区域というのは、船の舷側と申しますか、そこが境目であるということも先方には示しまして、で、日本の基準はこういうことを要求しておる、それで、あなたのほうの排出するものがそれに合うのかどうかということに対しまして、エード・メモワールにありまするように、アメリカの原子力潜水艦の排出物は日本の法律及びそういう基準に完全に適合するものであるという、こういうことを言っておるわけでございます。したがって、両方の基準が完全に一致するとは向こうの書面にも申してはおりません。
この発言だけを見る →
加瀬完#14
○加瀬完君 具体的に伺いますが、例の冷却水の問題でございますが、潜水艦の放出基準は、合衆国標準局便覧六九号によって、新しい、より厳格な勧告を反映したものである、こういうように口上書にはあるわけですね。いままでは五二号によっておったものを、六九号を反映させると——反映させるということは、六九号を適用するということとは違うわけです。日本の基準というのは大体六九号でございましょう。
 そうすれば、六九号に近づけるということは読み取れるけれども、六九号のとおりにすると言っておるわけではない。「反映する」ということは、すなわち、近づけてはおりますけれども、日本の基準よりははるかに低いものだというようにも解釈できるわけです。しかし、政府の諸般の説明というものは、そういうことではなくて、あたかも日本の基準とアメリカの基準が一つになったんだというような、そう了解される説明をいたしておりますけれども、それは、口上書の中からは、そう読み取るわけにはまいらないのではないかと申し上げておるわけであります。どうですか、この点は。
この発言だけを見る →
兼重寛九郎#15
○説明員(兼重寛九郎君) この前のいわゆるスキップ・ジャック報告というものに書いてありますのを読んでみますと、そのときの放射性物質の廃棄基準をきめますときに目標にいたしましたことは、環境——環境と申しますのは、日本でいえば周辺監視区域の外側の一般の人の関連する、そういう部分です。たとえば港内とか、そういう一般の部分、そこの放射性核種の平均濃度が米国標準局要覧第五二号——当時は五二号で、それがその後六九号に変わったということは今度わかったことですが、その当時は五二号に掲げられた連続被曝の場合の最大許容濃度の十分の一以上増大しないようにするということを目標にする、英文では、たしか「シュッド・ノット・インクリーズ」というような言い方をしておりますが、それ以上上がってはいけない、そういうことを目標として放射性物質の廃棄の手続をきめて、その手続は、あの表にあります数字の百倍をこえなければ捨ててもよろしいと、こういうことでございます。
 そこで、たとえば日本学術会議から示されました参考資料などにも、そこにちょっと誤解があるようでありまして、この、十分の一以上増大しないようにすることを目標として、ということがスキップ・ジャック報告には書いてあるのでございますけれども、これは取り上げてございません。それは見落とされたのかと思うのでございますが、それがございませんで、それに相当する数字が廃棄基準にある百倍をこえなければ排出してよいという、その百倍をとっておるというので、千倍も違うのだということが書いてございますけれども、それは比較するものが違うのでございます。
 そこで、日本のそういう放射性物質の廃棄基準のようなものは、原子炉の場合は保安規程というのにそれを入れてきめることになっておるのでございます。それで、日本原子力研究所の東海研究所にあります原子炉、その第一号以来、日本の使っております表にある値の百倍をこえなくて、できれば一日の間の平均、やむを得ない場合は三カ月の平均がその表の数字の十分の一をこえない場合には捨ててよろしいというふうに言っておるわけでございます。それが日本のそういう放射性の物を廃棄するものの手続でございまして、そういうような考え方はアメリカも日本も同じであります。——私は数字を申し上げておるわけではございません、考え方が。それで、今度のエード・メモワールにも、このときのスキップジャップ報告に掲げられたそういう考え方の原理は、そのまま応用して、基準が五二号から六九号に変わったんだ、こういうふうに書いてございますから、それで、そのこと自体が日本のものと全く同じだというふうには考えません。しかし、向こうの保証は、日本の基準に実際は合う、こういうことを言ってきたから認めたわけであります。
この発言だけを見る →
加瀬完#16
○加瀬完君 いま委員長がおっしゃいますことは、私はうなずけない。日本の規制は飲料水の最大許容濃度の十分の一を押えている。向こうはいままで百倍を押えていたわけですね。それを十分の一に近づけるということは、反映するということばから了解できますけれども、十分の一に厳格に押えるということは一つも言っておらない。だから、同じであるということは、どこからも私は出てこないと思うし、あるいは近づけるということは、百倍のものを放出しないという保証にもならないのじゃないですか。
この発言だけを見る →
兼重寛九郎#17
○説明員(兼重寛九郎君) 私の申しておりますのは、日本ではそういう十分の一までの三カ月の平均で言っておるわけであります。その三カ月の平均で言っておるということが、学術会議の参考資料にも、やはりそれも落ちておりまして、あたかも瞬間の、こういう、いろいろふえたり減ったり濃くなったり薄くなったりするのでございますが、その三カ月の平均で日本の規制も抑えたわけであります。で、アメリカのほうは、それを一年で押えておるのではないかと思いますから、その一年で平均を押えるということと三カ月で押えるということとは、完全に一致はもちろんいたしておりません。けれども、相当長期間の平均を言うことであるということでは両方一致しております。それで、たとえば百倍と申しますのは、そのときの瞬間の値でございます。そのときの最高の値で、平均とは違ったものを言っておるわけでございます。
 で、ただいまの加瀬先生のお感じは、その瞬間の最高の値と平均の値を比べておいでになるような気がいたしますから、それを直していただきたいと思います。
この発言だけを見る →
加瀬完#18
○加瀬完君 私は、兼重先生の個人的な御見解をいま承ろうとしておるわけではないのです。アメリカから日本に手交された口上書の内容は、五二号をやめて新しく六九号を反映させるとおっしゃっておることは、先ほどから先生の御説明にある日本の基準にそのまま適用するということには、この文章の上からは受け取れないじゃないか。それを、結局日本の基準に合ったものだから心配ないという解釈がどこから出てくるものなのか。これはなるべく大臣に聞きたい。
この発言だけを見る →
兼重寛九郎#19
○説明員(兼重寛九郎君) 日本の基準に合っておるということは、アメリカ側のエード・メモワールで明らかにしておることでございまして、その六九号を反映したものに改められておるということは、それを裏づける資料でございます。ですから、まあ、どういう言い方をしたらいいか、たとえば、もとのままであっても実際の廃棄物が日本の基準に合っているものだということを言った場合には、それを信用するたてまえなら、基準は基準で、あらかじめ実際のものはそれに合ったものであるかどうかということを信用するかしないかということになるわけでありますが、それを信用するものの裏づけといたしまして、五二号と六九号の違いは、核種によってはやはり数百倍違うわけであります。ですから、そういうものの違いをそのまま残しておいて、実際の放出物が日本のそういう法律、規則に合致するといいましても、これを疑うという気持ちは起こり得るものでございますから、そこで、六九号は日本の基準に非常に近いものでございますので、それを反映したものになっているということは、いまの日本の規則、法律に合致するということに対して非常に有力な裏づけである、こう考えておるわけであります。
この発言だけを見る →
加瀬完#20
○加瀬完君 それならば、なぜ一体原子力委員会なり政府なりは、六九号を適用するという確かなものをアメリカから得なかったのですか。六九号を反映するということは、若干いまの条件より日本の条件に近づけるということにすぎなくて、日本の条件のとおりにするということにはならない、口上書の説明をそのままにとれば。しかし、この問題は、兼重先生は後に残られるでしょうから、もう少し詳しく後で伺います。
 大臣に次に伺いますが、「例外的な運航上の必要ある場合には夜間にも移動をする」、こう口上書にございますね。それで、何のために一体原子力潜水艦が入ってくるのだと言えば、休養とかレクリエーションとか、あるいはその他の物資の補てんのためだと言う。そのワクに限られるならば、原子力兵器の持ち込みもないであろうし、あるいは安全性も、日中誘導船が、あるいは補助的ないろいろな機関が援護をして港に入れるのだから差しつかえないという御説明であったわけですけれども、アメリカの口上書を見れば、夜間でも必要があれば当然入港することがあり得るわけなんです。こういう場合は、そうすると、誘導船もなければ、補助的な機関もないわけです。あるいは危険度も、いわゆる日中の場合とでは違ってくることになりますね。そういう問題が残っておりますのにもかかわらず、日中だけ安全性が確保されるという形で受け入れをすることは、もう一つ大きな問題が残るわけですけれども、この間の事情はいかがなものでしょう。
この発言だけを見る →
愛知揆一#21
○国務大臣(愛知揆一君) これは、今回の口上書なり、あるいは声明なりの上には、いま御指摘のように、例外的な運航上の必要によって夜間に移動することがあるかもしれないということが書いてございますが、一般原則によりましても、潜水艦の航行については、入港の場合は日中浮上して航行するということが原則でございますから、アメリカの今回の原子力潜水艦におきましても、当然この原則が普通の場合であって、念のために、あるいは例外的な運航上の入港の必要がある場合はと書いただけであって、原則はあくまで日中浮上して入港するというふうに私は了解しております。
この発言だけを見る →
加瀬完#22
○加瀬完君 原則以外は被害が起こらないという保証は、どこにもないわけです。日中運航することが九九%であっても、一番危険率の高いのが、むしろその例外的な夜間運航ということになるわけです。夜間運航の場合にも危険率が高まらないか、こういったような点については十二分の検討が政府において行なわれておるはずだと私どもは考えます。そうでなければ、かりにそれが例外的な形であっても、こういう口上書の中に明らかに一カ条を加えるからには、起こり得る例外でありますから、夜間港に原子力潜水艦が入るということであれば、それに対する危険性の濃度というものも当然綿密に計算をされなければならないはずなんで、この点どういう検討が、どういう確率が政府としては得られたことになりますか。
この発言だけを見る →
愛知揆一#23
○国務大臣(愛知揆一君) 私どもといたしましては、原子力潜水艦というものが、そもそも原子炉を推進力に使うということにおいて他の潜水艦と違うというだけの点であって、その原子炉なり運航の安全について保証を、先ほど申しましたようにアメリカ側が与えておる、これがそのまま実行される場合においては安全である、こういうふうな判定に立っておりますから、その限りにおいては、日中の運航であろうが夜間の運航であろうが区別はない、こういうふうに考えております。ただ、これは先ほど申しましたように、一般的な原則として、潜水艦というものは日中浮上して航行するのが原則であるから、今回の場合におきましても、それがあくまでも原則である、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →
加瀬完#24
○加瀬完君 アメリカがどう言おうと、一応原子力委員会としては、当然危険度については十二分な検討がされているはずであります。と申しますのは、原子力委員会の声明によりますと、「寄港地周辺の住民の安全を確保するために必要な保証を明確にし、その措置に遺憾なきを期するための努力を続けて来た。」と、こうおっしゃる。政府の態度だってやはり同じだと思う。だから、そこで、それならば昼間もさることながら、われわれしろうと考えには、さらに危険率が高まると思われる例外的な夜間の運航というのはあり得るわけであるから、それに対する検討はどうなされたのか、あるいは対策はどう立てられたのか、原子力委員会として十二分に検討したとおっしゃるのだから、その検討の経過を承りたい、こういうわけです。
この発言だけを見る →
愛知揆一#25
○国務大臣(愛知揆一君) その点については、それでは兼重委員から御答弁をいたします。
この発言だけを見る →
兼重寛九郎#26
○説明員(兼重寛九郎君) 原子力委員会の基本的な考え方は、軍艦でありますために、相手国政府の保証を取りつけるということにございまして、いまの問題に関しましては、声明の中の初めのところに、合衆国の港における原子力潜水艦の運航に関連してとられる安全上のすべての予防措置及び手続が、わが国の港においても厳格に順守されることを保証する、とございます。それを補足するようなことがメモワールの中にもございます。それで、もし夜間の入出港、あるいは潜航して出入りするということが危険度を非常に高くするものであるならば、おそらく合衆国の港においてもそういうことは許されないはずと了解しております。そういうようなことを、アメリカでは許されないようなことを日本の港においてするということはしないたてまえになっております。したがって、アメリカの一般市民が、その入港する付近の者が、安全を保証されているよりも日本側が保証されないということはない、こう考えております。
この発言だけを見る →
加瀬完#27
○加瀬完君 原子力潜水艦の危険率は十万分の七だと、ある学者は言っておりますが、一応こういう客観的な危険率というものは十万分の七程度あるものだと考えてよろしゅうございますか。これは兼重委員に伺います。
この発言だけを見る →
兼重寛九郎#28
○説明員(兼重寛九郎君) お答えいたします。
 十万分の七という言い方がよろしいかどうか、私いまもとの文章をつかまえておりませんけれども、あれはサバンナに対する検討の結果でございます。それで、原子力潜水艦が商船のサバンナよりもより安全であるのか、非常に危険であるのかということの判定は、厳密に申しますと、できないわけでございます。それで、ある学者は、もう軍艦というのはそういう商船に対して非常に危険なものであるという判断をしておられるのではないかと思われる意見の方もあります。それから、いまの、十万分の七と言われた学者は、むしろ軍艦のほうがそういう運航に関しての安全度は高い、こういう判定をしておられるわけであります。この辺は、どちらも、一面から見たら、そのとおりであろうと思うのでございます。そこで、そういうような問題、一体潜水艦が夜出入りをすることは絶対に避けなければいけないことであるのか、どういう注意をすればそういうことは許されるのか、その辺は、全部アメリカの特に海軍が責任を持ってこういう安全上のすべての予防措置及び手続をとってやる、そういうことに、正式に申せば、期待することになるわけでございます。
この発言だけを見る →
加瀬完#29
○加瀬完君 アメリカにばかり原子力委員会が期待されては、国民はおおきに迷惑なんです。原子力関係の、特に放射能物質に対する研究というものは、日本だって相当、被害を受けているだけに進んでおるわけですから、そういう意味でも、原子力委員会は各学者を動員してまでも問題の究明というものをすべきだと思うのです、ただ、アメリカの資料とアメリカの言質だけで信用しているということでは私どもは納得できない。
 そこで、とにかく原子力船は、商船であろうと軍艦であろうと、一応危険率というのは考えられる。それならば、その危険率というものは、地域条件が違えば危険率も違ってくる、こういうことにはなりませんか。具体的に申し上げますと、兼重先生の御説明では、アメリカの港でだいじょうぶだから横須賀でも佐世保でもだいじょうぶだろうということになりますが、だいじょうぶかもしれませんけれども、危険率というものは、横須賀には横須賀の地域条件がある。アメリカの港にはアメリカの港の地域条件がある。その他のもろもろの条件があるでしょう。そういうものを厳密に計算しなければ、アメリカの港でだいじょうぶだから、同等に、横須賀の港でも日本の港でも危険率はないということには私はならないと思う。で、横須賀の港における、あるいは佐世保の港における、予想される入港候補地である地域の危険率というものを、あらゆる角度から計算分析をして、だいじょうぶという保証が一体成り立っているのかどうか、この点を聞きたい。
この発言だけを見る →
← 戻る