農林水産委員会
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会
会議録情報#0
昭和四十一年六月二日(木曜日)
午前十一時十五分開会
—————————————
委員の異動
六月二日
辞任 補欠選任
大河原一次君 山本伊三郎君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 山崎 斉君
理 事
園田 清充君
野知 浩之君
武内 五郎君
渡辺 勘吉君
宮崎 正義君
委 員
青田源太郎君
梶原 茂嘉君
小林 篤一君
櫻井 志郎君
田村 賢作君
高橋雄之助君
任田 新治君
仲原 善一君
温水 三郎君
森部 隆輔君
八木 一郎君
川村 清一君
中村 波男君
村田 秀三君
森中 守義君
矢山 有作君
山本伊三郎君
北條 雋八君
国務大臣
農 林 大 臣 坂田 英一君
政府委員
農林政務次官 後藤 義隆君
農林省農政局長 和田 正明君
農林省農地局長 大和田啓気君
事務局側
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
説明員
大蔵省主計局主
計官 平井 廸郎君
農林省農政局参
事官 横尾 正之君
—————————————
本日の会議に付した案件
○農地管理事業団法案(内閣提出、衆議院送付)
○農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前十一時十五分開会
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委員の異動
六月二日
辞任 補欠選任
大河原一次君 山本伊三郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 山崎 斉君
理 事
園田 清充君
野知 浩之君
武内 五郎君
渡辺 勘吉君
宮崎 正義君
委 員
青田源太郎君
梶原 茂嘉君
小林 篤一君
櫻井 志郎君
田村 賢作君
高橋雄之助君
任田 新治君
仲原 善一君
温水 三郎君
森部 隆輔君
八木 一郎君
川村 清一君
中村 波男君
村田 秀三君
森中 守義君
矢山 有作君
山本伊三郎君
北條 雋八君
国務大臣
農 林 大 臣 坂田 英一君
政府委員
農林政務次官 後藤 義隆君
農林省農政局長 和田 正明君
農林省農地局長 大和田啓気君
事務局側
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
説明員
大蔵省主計局主
計官 平井 廸郎君
農林省農政局参
事官 横尾 正之君
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本日の会議に付した案件
○農地管理事業団法案(内閣提出、衆議院送付)
○農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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山
山崎斉#1
○委員長(山崎斉君) ただいまから委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について報告いたします。
本日、大河原一次君が委員を辞任され、その補欠として山本伊三郎君が選任されました。
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この発言だけを見る →まず、委員の異動について報告いたします。
本日、大河原一次君が委員を辞任され、その補欠として山本伊三郎君が選任されました。
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山
櫻
櫻井志郎#3
○櫻井志郎君 あまり時間もないようですから、簡潔にお尋ねいたしますし、答えもひとつ簡潔にお願いしたいのです。大臣にお尋ねしたいこと等もありましたが、大臣の都合が悪いようですから局長からお答え願いたいのですが、第一番に、この法案はまことに私は基本的にはけっこうだと思っておるのですが、中身に入りましていろいろ考えさせられる点もありますし、わからない点もあるのですが、これと関連いたしまして、いわゆる離農対策について農林省としてはどういうふうに考えておられるのか。これは先国会でありましたか、本会議で質問した際も、農政問題として離農対策についてもっと政府が積極的に考える必要があるのではないかということを私お尋ねしたんですが、そのときでありましたかはっきり覚えておりませんが、赤城前農林大臣は、この問題については積極的考慮をいたしたいということを答弁しておられること等もあるんですが、現段階において農林省はどういうふうに考えているか、どういうふうに具体的にあるいは法案なり措置として考えているか、それをひとつ劈頭にお願いします。
この発言だけを見る →横
横尾正之#4
○説明員(横尾正之君) 御承知のように、先般行なわれましたセンサス等の結果等によって見ますると、農家の離農する率は相当程度進行しておる状況にあるわけでございます。もとより地域、地帯によりましてその状況には差異がございますが、全般的にはこの五カ年間におきます離農の進捗状況は、その前の五カ年間と比較をいたしまして相当進んでいる、こういう実態にあるかと存じます。
そこで農林省といたしましては、このような農家が離農するにあたりまして、できるだけ困らないようにするというような観点から、一つの問題といたしましては、これらの離農する方々が離農先で就業の問題についていろいろな条件下で可及的に安定した職場を得られるというようなことも必要でございますので、農林省内部といたしましては、農業委員会を中心にして行なっておりますところの農家労働力対策事業を活用し、労働省で行なっております各種の雇用対策方面と連絡をとりつつ、できるだけ円滑な離農が行ない得るように配慮いたしておるわけでございます。
なお、一方離農にあたりましては、農地、宅地等も手離すことになりますので、これにつきましては既存の金融制度等も活用いたしまして、その方面につきまして現在の条件下で恒久的に配慮するようつとめておるわけであります。しかしながら、先ほど申しましたように、離農が相当進捗してまいっておるという実態に即しまして、今後の施策につきましてはさらに検討を深める必要があるというようなことからいたしまして、そのためには、まず離農の実態をつぶさに調査をいたしまして、離農に際しましてどのような点についてさらに配慮する必要があるかということを十分に調べた上で、そのような調査の上に乗りまして今後検討を深めてまいりたいということで、四十一年度におきましては、金額は約五百五十八万円でございますが、予算を計上いたしまして、先ほど申しましたような調査を実施いたしました。その調査と関連をいたしまして、離農に関しまする農村におきます各種リーダーの意向のアンケート調査をあわせてするというようなことによりまして、そのような準備の上で今後さらに検討を深め措置をするようにつとめてまいる、こういうふうに考えておる次第でございます。
この発言だけを見る →そこで農林省といたしましては、このような農家が離農するにあたりまして、できるだけ困らないようにするというような観点から、一つの問題といたしましては、これらの離農する方々が離農先で就業の問題についていろいろな条件下で可及的に安定した職場を得られるというようなことも必要でございますので、農林省内部といたしましては、農業委員会を中心にして行なっておりますところの農家労働力対策事業を活用し、労働省で行なっております各種の雇用対策方面と連絡をとりつつ、できるだけ円滑な離農が行ない得るように配慮いたしておるわけでございます。
なお、一方離農にあたりましては、農地、宅地等も手離すことになりますので、これにつきましては既存の金融制度等も活用いたしまして、その方面につきまして現在の条件下で恒久的に配慮するようつとめておるわけであります。しかしながら、先ほど申しましたように、離農が相当進捗してまいっておるという実態に即しまして、今後の施策につきましてはさらに検討を深める必要があるというようなことからいたしまして、そのためには、まず離農の実態をつぶさに調査をいたしまして、離農に際しましてどのような点についてさらに配慮する必要があるかということを十分に調べた上で、そのような調査の上に乗りまして今後検討を深めてまいりたいということで、四十一年度におきましては、金額は約五百五十八万円でございますが、予算を計上いたしまして、先ほど申しましたような調査を実施いたしました。その調査と関連をいたしまして、離農に関しまする農村におきます各種リーダーの意向のアンケート調査をあわせてするというようなことによりまして、そのような準備の上で今後さらに検討を深め措置をするようにつとめてまいる、こういうふうに考えておる次第でございます。
櫻
櫻井志郎#5
○櫻井志郎君 どうも結論は一向に対策が進捗しておらないということにとれるのですが、もっと農林省は本腰を入れて離農対策を考えてくれないと、ことばだけで、やっております、やっておりますということでは、これはたいへんまずいと思う。ほんとうに本腰を入れて、ひとつ早念に対策を立てるようこれは注文をつけておきます。
それから自立経営農家の育成ということが、基本法の中心とも言いかねますけれども、まあ大きな目標の一つでもありましょうし、今度の法案においても、基本法の十五条にいっておるこの問題に関連して、二十六条に触れておるのですが、自立経営農家という、ことばとしては、観念としてはよくわかるのですが、どうも具体的にあまり明確でない。もちろんこの法案の説明の考え方の中に、農林省としてはこの問題に触れておられますけれども、どうも私はあまり明確につかみ得ないのです。何か局長のほうから、もう少し簡潔明細な考え方が聞けるならひとつお答え願いたい。
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大
大和田啓気#6
○政府委員(大和田啓気君) 御指摘のように、自立経営の観念は、基本法の十五条で抽象的な規定をいたしております。これを私ども端的に申しますと、家族経営農業に専念して農業所得によって相当な生活程度が上げられるような農家というふうに規定いたすことが一番具体的ではないかと思います。しかし、それだけではなお政策目標とするのにいささかばく然としておりますので、やや具体的に申し上げますと、これは経済中期計画のときにもそういう考え方を出したわけでございますが、農家で地元の農村にいる勤労者の生活程度と同じような生活程度を農業所得によって上げることのできるような家族農家、そういうふうな規定のしかたが現在の段階で一番適当ではないか。それはただいまの経済調査その他の資料によりますと、大体農業所得だけで年間七十万円程度を上げる農家であれば、私がいま申し上げたような農家と言えるのではないか。ただ、これはあくまで発展的な観念といいますか、勤労者との比較においてきめられるものでございますから、勤労者の所得なり生活水準が年々上がってまいるわけでございますから、自立経営農家の農業所得もおのずと年々上がっていくというそういう弾力的な観念であろうと考えます。
〔委員長退席、理事野知浩之君着席〕
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櫻
櫻井志郎#7
○櫻井志郎君 この事業団構想を実施していくことは、これは農政の基本政策として当然必要だと思うのですが、ただ、同時に数多く存在しておる兼業農家、零細農家、こうしたものの対策をどういうふうに農林省が考えておるか。それからあわせて、私はかねてから主張しているのですが、農林省の例の専業、兼業の区別というものを、これは解釈を変えなければ大体いかぬじゃないか。世帯主とか、あと取りとかいう人が農業に専念しているのが専業農家と考えていいはずなんです。すぐお嫁にいく娘さんか何かが会社に勤めているとか、次男、三男の人が月給取りをしているとか、そういうのもいまの農林省の定義では兼業農家という。この考え方はたいへん間違った——間違ったと言ってはおかしいのですが、こういう定義をつけたのは、あるいは明治時代、大正の初期にその定義をつけたときの社会環境というものを、いまでもそうであるような錯覚のままにその定義をそのままにしているという考え方であると思うのですが、農林省はこの点を改めると同時に、いま私が疑問にしている兼業農家、零細農家に対する対策というものをどう考えておるか、それをひとつお示し願いたい。
この発言だけを見る →大
大和田啓気#8
○政府委員(大和田啓気君) 御指摘の二点、私はまさにその通りであろうと思います。第一の兼業農家あるいは零細農家に対して農林省はどういうふうに考えるかということでございますが、私ども農政の立場として考えまして、特殊の農家あるいは特別といいますか、少数の農地に専業的な農家だけがうまくいけば農政はそれでいいというふうには毛頭考えておりません。農業生産を高めるためにも、あるいは農家の所得なり生活水準を上げるためにも、そういう一部の農家だけでなくて、全体の農家、兼業農家なり、あるいは零細農家なりを含めて、全体の農家の農業生産を高める、あるいは所得を上げることが私は農政の大きな筋道であろうと思っております。しかし、それと同時に、今回農地管理事業団を出すに至りました経過を申し上げますと、農政の一つの基本的な立場としては私が申し上げたとおりでございますけれども、最近のように兼業農家がこれだけ進み、農家らしい農家といいますか、先ほど私が申し上げましたように、農業に専念して農業所得でやっていけるような農家というものをほんとうに相当の数をつくっていかないと、日本の農業の生産力というものは決して上がらない。また都市と農村との生活水準なり所得の格差の是正ということができないというわけでございますから、全体の農家を対象として農政を進めながら、やはりそれと同時に農業で自立できる農家を相当程度育成することに私は力を注ぐべきだという立場に立っておるわけでございます。
ただ、兼業農家なり、零細農家なりに対してどういう対策があるかということでございますが、実は私から申し上げるまでもなく、農家の階層の分化といいますか、戦前のような農家一本で同質、質の同じものでございませんで、きわめて農業を片手間にして農業を副業と考える農家から、農業でほんとうに生活する農家まで、農村において農家の階層分化というものはきわめて著しいわけでございます。また、戦前では小さな農家イコール貧農でございましたけれども、最近における兼業化の進みぐあいを見ますと、むしろ三ちゃん農家でどっかに勤めているという農家の生活水準は専業的な農家よりも高いということが普通見られるわけでございまして、兼業農家なり、あるいは零細農家に対しましてそう一がいに問題の定義ができないというふうに思います。そうして農業所得だけではとても生活することのできないような農家に対しましては、地域開発、工場分散あるいは雇用の促進あるいは社会保障ということが私はやはり農政としても考えなければならないことであろうと思います。先ほど離農対策についてお触れになりましたけれども、離農対策という問題と同時に、私は零細農家対策なり兼業農家対策なり何なりとして社会保障の問題が今後の農政として大きくとりあげられるべきものであろうと思います。それと同時に、そういう兼業農家なり、あるいは零細農家が農業にだんだん関心を失ってきておりますことも事実でありますし、またその人たちは、主人公は工場や、あるいは会社に勤めに出て、主婦や、あるいは老人が農業をやって非常に過労に陥っていることも事実でございますから、私はそういう面に、農業生産なり、あるいは農家対策としては、やはり大きな機械を中心とした共同化を農林省として本格的に進めるべき時期にすでにきている。これは構造改善事業その他でここ数年農林省として相当力を尽してやっておるわけでございますけれども、その点についての今後の努力は私はますますやらなければならないというふうに思っております。
さらに、兼業農家と専業農家の定義についての御意見がございましたが、まさにそのとおりで、私もときどき農村に行って兼業農家というものをずっとたぐっていきますと、農林省の統計調査の分類によりますと、三町歩の水田の農家で娘が一人、学校の先生をしたり郵便局に勤めたり、第一種兼業農家ということでございますから、その娘が嫁に行けばまた専業農家になるということでございますから、これは私どもが農政を考える場合の統計の取り扱いとして、いまの専業、兼業農家というものは実情に沿わないものがあろうかと思っております。そういうことで実は統計調査部でも最近兼業、専業の区別を、経営主なり、あるいはそのあと取りの就業の実態についてやるように統計を変えております。一種兼業、二種兼業、専業という区別もこれはいままでの連続の中で統計を見る必要上、一がいに捨てるわけにはいきませんので、一種兼業、二種兼業というようなことで統計もとっておりますけれども、それはあくまで過渡的なことで、大体いま御意見がございましたように、経営主なり、あるいはあと取りなりの農業就業の実態に即して兼業農家と専業農家と区別するという方向で統計の整理をしておるわけでございます。
この発言だけを見る →ただ、兼業農家なり、零細農家なりに対してどういう対策があるかということでございますが、実は私から申し上げるまでもなく、農家の階層の分化といいますか、戦前のような農家一本で同質、質の同じものでございませんで、きわめて農業を片手間にして農業を副業と考える農家から、農業でほんとうに生活する農家まで、農村において農家の階層分化というものはきわめて著しいわけでございます。また、戦前では小さな農家イコール貧農でございましたけれども、最近における兼業化の進みぐあいを見ますと、むしろ三ちゃん農家でどっかに勤めているという農家の生活水準は専業的な農家よりも高いということが普通見られるわけでございまして、兼業農家なり、あるいは零細農家に対しましてそう一がいに問題の定義ができないというふうに思います。そうして農業所得だけではとても生活することのできないような農家に対しましては、地域開発、工場分散あるいは雇用の促進あるいは社会保障ということが私はやはり農政としても考えなければならないことであろうと思います。先ほど離農対策についてお触れになりましたけれども、離農対策という問題と同時に、私は零細農家対策なり兼業農家対策なり何なりとして社会保障の問題が今後の農政として大きくとりあげられるべきものであろうと思います。それと同時に、そういう兼業農家なり、あるいは零細農家が農業にだんだん関心を失ってきておりますことも事実でありますし、またその人たちは、主人公は工場や、あるいは会社に勤めに出て、主婦や、あるいは老人が農業をやって非常に過労に陥っていることも事実でございますから、私はそういう面に、農業生産なり、あるいは農家対策としては、やはり大きな機械を中心とした共同化を農林省として本格的に進めるべき時期にすでにきている。これは構造改善事業その他でここ数年農林省として相当力を尽してやっておるわけでございますけれども、その点についての今後の努力は私はますますやらなければならないというふうに思っております。
さらに、兼業農家と専業農家の定義についての御意見がございましたが、まさにそのとおりで、私もときどき農村に行って兼業農家というものをずっとたぐっていきますと、農林省の統計調査の分類によりますと、三町歩の水田の農家で娘が一人、学校の先生をしたり郵便局に勤めたり、第一種兼業農家ということでございますから、その娘が嫁に行けばまた専業農家になるということでございますから、これは私どもが農政を考える場合の統計の取り扱いとして、いまの専業、兼業農家というものは実情に沿わないものがあろうかと思っております。そういうことで実は統計調査部でも最近兼業、専業の区別を、経営主なり、あるいはそのあと取りの就業の実態についてやるように統計を変えております。一種兼業、二種兼業、専業という区別もこれはいままでの連続の中で統計を見る必要上、一がいに捨てるわけにはいきませんので、一種兼業、二種兼業というようなことで統計もとっておりますけれども、それはあくまで過渡的なことで、大体いま御意見がございましたように、経営主なり、あるいはあと取りなりの農業就業の実態に即して兼業農家と専業農家と区別するという方向で統計の整理をしておるわけでございます。
櫻
櫻井志郎#9
○櫻井志郎君 いまの統計問題は、私はこの前の本会議で強く主張したところですが、だんだんそれを取り入れかかっておるという話も聞いて、改善の方向に進んでいるということを考えるのですが、いまの局長の答弁としては私は満足します。しかし、そのことばをやはりほんとうに実行していっていただくということを守っていただきたいと思います。
それから、ちょっと与党としては少し言いにくいことですが、当初管理事業団の問題を考えたときに、たしか農林省は二重価格制度の中で考えておるんじゃなかったか、あるいは私の記憶違いかもしれませんが、二重価格制度を考えておった。それから融資利率もたしか二分ですか、農林省は考えておる。ところが折衝の過程において、それがいよいよになると吹っ飛んでしまう。法律が成立しましても、将来そうした最初の方向に改善していくというような考え方をいまも持っておられるかどうか、その点ひとつお答えいただきたいと思います。
〔理事野知浩之君退席、委員長着席〕
この発言だけを見る →それから、ちょっと与党としては少し言いにくいことですが、当初管理事業団の問題を考えたときに、たしか農林省は二重価格制度の中で考えておるんじゃなかったか、あるいは私の記憶違いかもしれませんが、二重価格制度を考えておった。それから融資利率もたしか二分ですか、農林省は考えておる。ところが折衝の過程において、それがいよいよになると吹っ飛んでしまう。法律が成立しましても、将来そうした最初の方向に改善していくというような考え方をいまも持っておられるかどうか、その点ひとつお答えいただきたいと思います。
〔理事野知浩之君退席、委員長着席〕
大
大和田啓気#10
○政府委員(大和田啓気君) 農地管理事業団の仕事をしていく過程で、農家らしい農家といいますか、農業を一生懸命でやって農業で生活する農家の土地が少しずつふえていくということで、その土地価格の負担が農家にとって非常に大きいものになりますと、かえって農業経営を阻害するということにもなりかねませんので、農家負担の適正化につきましては、私どもこの問題の当初から非常に大きな関心を持っておったことでございます。それで省内の討議の過程におきましていまお話に出ましたような二重価格を議論したことがございます。これは省内の議論の中で、やはり二重価格でございますと、事業団がかりに農地を買って売る場合でも、買う値は時価で売る値は何か特別な価格を設定するということは、農家負担の軽減という立場からはプラスであるけれども、場合によりましては農地価格を高める必要が一方では出てくるかもしれませんし、さらには事業団が幾らで農家に土地を売るかということは、これはなかなか計算上むずかしい問題がございます。単に財政負担が非常に大きくなるだろうということだけでなくて、価格算定についてもむずかしい問題がございますので、部内の検討の過程で二重価格論は捨てて時価でやる、そのかわり長期、低利の融資をつけるというふうに結論をつけたわけであります。それから、長期、低利と申しましても、願わくば二分、四十年ということで、これは大蔵省との折衝に持ち出した問題で、折衝の過程において二分、四十年というのは現在の金融事情からいってあまり低過ぎるので、三分、三十年ということに結論として落ち着いたわけであります。三分、三十年で計算いたしますと、一反歩二十万円の農地で年の償還金は一万二千円だったと思います。これは私どもいろいろな計算をいたしましても大体農家としてやっていけるというふうに考えております。まあ各国の事例を見ましても大体三分、三十年くらいでこういう問題を処理しているところもございますが、もし少し低い利子で長い年限の償還をやっているところもございますが、三分、三十年ということは、ただいまのところではこれで落ち着いて動かすわけにはまいりませんが、農地事業団の今後の活動の過程においてさらに再検討したらどうかというふうに現在考えております。
この発言だけを見る →櫻
櫻井志郎#11
○櫻井志郎君 いろいろお尋ねしたいこともあるのですが、時間がありませんから、少し急ぎますが、この事業団構想で土地の所有形態が変わってきても、物理的な土地の持っている諸条件ですね。簡単に言えば圃場整備が必要であるとか、あるいはかんがい排水設備をよくしなければならぬとか、農道を改善していかなければならぬとか、そういう具体的な農業の近代的生産条件を具備する物理的な問題と、この管理事業団の構想の中に含まれている問題とをどういうふうに現実には組み合わせしていこうという考えでございますか。
この発言だけを見る →大
大和田啓気#12
○政府委員(大和田啓気君) 私ども経営改善なり、あるいは農業生産性を高める立場に立って、耕作規模を拡大することが第一の鍵であると思って、農地管理事業団法案の御審議をわずらわしている次第であります。土地の規模が大きくなればそれで農業経営の改善が行なわれるとか、生産性が一ぺんに上がるとは考えておりません。そのためには土地の基盤整備、これはかんがい排水、暗渠排水等々のいわゆる基盤整備の事業を進めること、さらに農業金融について整備を加えること、あるいは技術指導をすること等々、私は農地管理事業団が設置されて活動をいたします場合に、土地改良その他一切の農業施策がそれに伴ってさらに充実されなければ、この法案がねらっておるような農業生産力の向上とか、あるいは自立経営の育成とか、あるいは協業の助長ということが不可能である。農地管理事業団だけが単騎出馬してうまくいくというふうには考えておらないわけでございます。しかし、耕作規模の拡大ということをめぐって、その道を迂回して、それ以外の施策を一生懸命やっても、これもまた限界がある。やっぱりこれは農業政策の一つの基礎であって、これを固めると同時に、その他の施設をあわせて勇敢にやらなければいかぬというふうに考えておるわけであります。
この発言だけを見る →櫻
櫻井志郎#13
○櫻井志郎君 ちょっとぼくの質問が、言い方が悪かったか取り方が悪かったか、聞いたことと答えとちょっと違うんですが、あなたの答えられた必要であるその必要性の問題、抽象論をぼくは言っているんじゃないんだ、実際の行政として管理事業団の経営面積拡大のこの手段と、実際に近代的生産に合致するような土地の条件を整備していくこととの組み合わせの時点というものを、どういうふうに行政上運んでいかれる考えでしょうかということが質問の中心だったんですけれども、そういうことは別にして、時点も考えずに可能なものからやっていくんだということなのか、何か計画性を持って考えておられるのか。
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大和田啓気#14
○政府委員(大和田啓気君) あるいは私のお答えがまだ足らないのかわかりませんが、農地管理事業団のような構想は、たとえばフランスにおいてあるわけです。フランスの例などは、単に農地管理事業団的なものが土地を買って売るばかりではなしに、未墾地等を含めて開発あるいは基盤整備をやって、これを自立経営となるような農家に売り渡すということをやっております。私ども事業団法案を検討いたします場合に、今度新しく未墾地のほうをつけ加えたわけですが、基盤整備的な仕事を事業団にやらせることはどうかということについてはだいぶ検討いたしましたけれども、とにかく日本では耕地整理法以来数十年の土地改良制度の伝統がございますから、またそれにつけ加て農地管理事業団がそういう実務をすることは、いまの段階では適当ではあるまいというふうにいたしたわけでございます。しかし、お手元に差し上げました「農地管理事業団の運営の考え方」でもお示しいたしておりますように、農地管理事業団の事業というのは土地改良、換地処分あるいは農用地の開発造成ということと連絡をとってやらなければ、ただある農地を売ったり買ったりするということだけでは十分でございませんから、農地管理事業を村で実行いたします場合に、その基準となる農地管理の方針を作成いたします場合、あるいは農地管理事業団が実際仕事をいたします場合に、私は市町村当局なり、あるいは土地改良区等々と十分連絡をとって、そういう機関の仕事と農地管理事業団の仕事とを十分かみ合わせていくように指導をいたしたい、こういうふうに考えております。
この発言だけを見る →櫻
櫻井志郎#15
○櫻井志郎君 私はそのフランスの実例を知っているがゆえにお尋ねしたのだが、そのことを検討された上で、さしあたってはいまの姿でいきたいというお考えなら、それはそれで別に私は異議があるわけじゃないのだけれども、それはやはり一応考えてみる必要はあるのじゃないかということだけ申し上げておきます。
そこで、未墾地の問題に局長が触れられたので、私も未墾地についてちょっとお尋ねいたしますが、これは先般提案したときは未墾地は入っていませんでしたね。今度新しくこの問題を加えた。この加えることによって、端的に言って、農地造成事業を促進していく上において、行政上非常に効果があるというような判定の上に立って新しく法案にこれを加えてこられたのかどうか、その考えを伺いたい。
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大
大和田啓気#16
○政府委員(大和田啓気君) 私は農家の経営改善なり、あるいは規模拡大に、農用地の造成ということが今後非常に意味を持つであろうというふうに考えておりますが、現在の開拓方式は、これはよく先生御承知のとおり、いわゆる開拓パイロット方式ということで、未墾地についての権利が得られたところで、国営なり県営なり、あるいは団体営なり、それぞれ事業規模に従って開拓をやっていくというシステムをとっているわけでございます。これは農地法で実は未墾地の強制買収の規定があるわけでありますけれども、戦後のいろいろな経済、社会事情の変化によりまして、強制買収という形で未墾地の処理がなかなか困難になってまいりましたので、昭和三十六年に開拓の方式を変えて今日に至っているわけでございます。ところで、相対売買あるいは相対で借りるということで現在やっておりますけれども、農村なり農山村の実情からいたしますと、ただ相対で話をつけるということがなかなかむずかしい場合が多いわけでございます。したがって、開拓適地である、あるいはそこで草地造成することがきわめて望ましいところでも、なかなか所有者と従事者との交渉がうまくいかないで、開拓なり、あるいは草地造成の仕事が流れるということはよくあることでございます。農地管理事業団は、決して強制力を用いるわけではございませんけれども、とにかく農地管理事業団といういわば公的な機関があっせんの役を買って出て、熱心に未墾地についての権利の取得等々に努力をすれば、私は日本においてまだまだ開拓なり、あるいは草地の造成なりが相当進むというように考えております。したがいまして、開拓なり、あるいは草地の造成を進めるという立場で、私は農地管理事業団に未墾地の問題を入れたことが、今後相当な意味を持ってくるというふうに信じているわけでございます。
この発言だけを見る →櫻
大
大和田啓気#18
○政府委員(大和田啓気君) 私どもこの農地管理事業団を動かす場合に、役所の立場で網をかぶせるように地域を割り当てするというふうには全然考えておりません。それから、かりにそこの農家が望んでも、たとえば、もうすでに都市化されている地帯あるいは都市近郊で長く農村地域としてとどまらないようなところでは、私は地価が高いということもございますし、農地管理事業団を動かすことが適当でないだろうと思います。したがいまして、俗にいえば農村らしい農村と、長く今後農業地帯としてとどまるようなところで、まあ村の人たちがやろう——これは市町村長が都道府県知事に頼むという形で出てくるわけでございますが、そのときに知事は都道府県農業会議に意見を聞いて農林大臣に申し出ると、そういうふうにまずその農村の地帯が今後農業地帯としてとどまるであろうということと、それからさらに市町村当局あるいは農家なりがそれを現実に望むと、いわば下のほうから指定をしてくれということを待って、農林大臣としてこれを指定してやると、そういうふうに考えているわけです。
この発言だけを見る →櫻
大
大和田啓気#20
○政府委員(大和田啓気君) 私ども考えております条件としては、今後長く農業地帯としてとどまるし、また農業構造の改善ということに熱烈な関心を持っておる村というふうに考えておりますけれども、何割以上自立経営農家が育成されるといえふうにかたくは条件として考えておりません。
この発言だけを見る →櫻
櫻井志郎#21
○櫻井志郎君 農地法の改正問題ですが、農地法の改正はやらなければいけないというような意見は、これは私のみならず各方面からそういう意見が相当出ておりますし、これも昨年の本会議のときに質問したとき、赤城大臣は、たしか検討中という答えだったと思うんだが、現在、検討がどの程度進んでおるのか。まあ全般的にいってその問題が一つ。
それから農地制度の再検討、農地法の改正問題とこの法案の問題との関連ということをどういうふうに考えておられるか、どういうふうに考えて現在検討を続けておられるのか、その点ちょっと……。
この発言だけを見る →それから農地制度の再検討、農地法の改正問題とこの法案の問題との関連ということをどういうふうに考えておられるか、どういうふうに考えて現在検討を続けておられるのか、その点ちょっと……。
大
大和田啓気#22
○政府委員(大和田啓気君) 前の国会で赤城農林大臣から、農地法の改正について前向きに検討をさせるというお話がございまして、私どもも実は昭和三十七年の秋以来、農地制度研究会というものを省内に置いて、学者あるいは学識経験者等を入れて相当熱心にまた詳細に農地制度を検討いたしております。私どもといいますか、農地局では、その研究会と並行して、農地法を改正すべきとすればどこの点が問題であるかということを相当詳細に検討しておるわけでございます。時間がございますれば若干の論点御披露もいたしたいと思いますけれども、ただ、結論的に大まかに申し上げますと、私ども昭和二十七年に農地改革のあとを受けて農地法を制定いたしまして、現在の農地法の骨格は、戦後二十年長く維持されておったわけで、耕作者の地位を守るといいますか、土地所有によって、耕作者の犠牲において土地所有者が利益を得るようなことは、農地制度については避けなければならないという根本方針、あるいは農地制度が農業生産力を高める方向に運用さるべきだという、そういう根本的な精神においては、私は、農地法は現在でもなお十分その生命を持っておると思います。
しかし、一つだけ申し上げますならば、農地法の中で一番大きな問題は、やはり私は、小作制度についての法律の規定なりその運用であろうと思います。やや具体的に申し上げますと、先ほどもお話に出ましたけれども、二種兼業農家といいますか、農業所得よりも他の所得が多い、いわば農業を片手間としておるような農家が現在四割二分ほどございます。そしてその人たちが耕しておる土地が全体の農地の約二割二分程度でございます。しかし、この人たちは先ほど申し上げましたように、非常に複雑な内容を持っておりますけれども、相当多数の人が、主人公が工場につとめたり、あるいは会社につとめたりして、いままでのように五反歩なら五反歩あるいは六反歩なら六反歩という農地を全部耕す必要がないような経済条件になっておる者が相当あろうと思います。まあ、飯米は必要でございますから、二反なり三反なりはまず当分は耕すにしろ、とにかく、いま耕している五反なり六反なりは、全部はその耕作を継続する必要がないというふうに判断をし、また御当人たち毛そう考える人が私は数多くあろうと思います。しかし、小作料の統制額というものは、これは昭和三十年にきめましてから、水田で中田で反当にして千百円でございます。それから耕作権の確立ということで、これは日本の農地制度として非常に長い伝統で、先輩たちが非常な努力で築き上げてきたものでございますけれども、とにかく一たん貸せば、借り手が承知しない限りは土地が戻らないというふうに現実においてなっておるわけでございますから、五反歩、六反歩耕しておる人が、土地を売るつもりはないけれども貸してもいいという人たちが相当いても、うっかり貸すとあぶないということで貸さない、この人たちはほうっておいて荒らしづくりをして生産力を非常に落とすか、あるいは通常請負耕作といわれるように、やみ小作の形で人に耕させる、この場合の小作料というものは、地域によって違いますけれども、反にして一万円とか一万五千円とかいうのが決して珍しくございません。また、耕作者のほうからいいましても、ことしは耕すけれども、来年は耕すようになるかどうかという耕作権の保障は全然ございません。したがいまして、小作料を非常に低く押え、また耕作権を非常に強くすることが耕作者のためであることは間違いないけれども、同時にまた、新しく土地を借りてもう少し経営を伸ばそうという立場からいえば、それが大きな桎梏になって、小作料の水準というものは千百円ですけれども、現実に払う小作料は一万円とか一万五千円、法律上は耕作権は非常に強くなっておるけれども、事実上は請負耕作の形で、来年は耕すことができるかどうかという保障がない。そういう状態になっておることは、やはり小作制度の問題あるいは小作料の問題として当然正当に評価すべき時期に来ておるというふうに思います。ただ、先生も御承知のように、農地制度というものは、何といっても農業構造の基礎でございますし、小作料を動かすということも、いろいろ税制なり、あるいは米価等々にも影響があるところでございますから、私どももそういう問題意識を持ちながら、やはり取り扱いとしては十分慎重にやらなければならない、小作制度ばかりでなしに、農地法全体を通じて私は相当直すことが日本の農業にとってもう必要な段階に来ておるけれども、その取り扱いについては私どもの検討も深めると同時に、関係方面といいますか、いろいろな立場の人たちの意見も十分伺って処理すべきものだというふうに考えております。まあ、先生おっしゃるように、農地法の改正法案の提出ということはそう簡単にはできないでおるわけでございますけれども、農林省の中では、十分私が申し上げましたような角度から真剣に取り組んで検討をいたしておるわけでございます。
なお、農地管理事業団につきましては、この法律にもございますように、農地管理事業団が活動をしやすいように農地法の特例をある程度まで定めております。農地管理事業団が相手方になるような売買貸借は農地法の許可が要らない、あるいは農地管理事業団に土地を貸して、農地管理事業団がまただれかに土地を貸すというような場合は、耕作権の規定を除外する、また、十年なら十年ということで貸借をいたしますと、十年たって返してくれといえば返すことになるようなふうになっておるわけであります。また、農地管理事業団に土地を貸してまた貸しをしてもらう場合でも、不在地主の規定は除くと、あるいは一町歩の保有面積の例外は除くというような形で、農地管理事業団自身が活動をしやすいようには農地法についての特例の手当てをいたしておるわけでございます。
また、まあ第三の問題として、農地法を改正すればもう農地管理事業団なんかなくても農地の流動化が行なわれるという御議論もあるわけでございますが、私はそれは絶対そうではないというふうに思います。これは一つの例を申し上げましても、ドイツ、フランス等々において、農地法の規制というものは決して日本のようなきびしいものではございませんけれども、農地管理事業団類似の国家的な機関を置いて、そこで経営規模の拡大のために大いに苦心し、努力しておるわけでございますから、農地法さえ直せば、あるいは極端な議論として、農地法さえ撤廃すれば農地の流動化がいいような方向に向かうというふうに私は絶対考えておらないわけでございます。
この発言だけを見る →しかし、一つだけ申し上げますならば、農地法の中で一番大きな問題は、やはり私は、小作制度についての法律の規定なりその運用であろうと思います。やや具体的に申し上げますと、先ほどもお話に出ましたけれども、二種兼業農家といいますか、農業所得よりも他の所得が多い、いわば農業を片手間としておるような農家が現在四割二分ほどございます。そしてその人たちが耕しておる土地が全体の農地の約二割二分程度でございます。しかし、この人たちは先ほど申し上げましたように、非常に複雑な内容を持っておりますけれども、相当多数の人が、主人公が工場につとめたり、あるいは会社につとめたりして、いままでのように五反歩なら五反歩あるいは六反歩なら六反歩という農地を全部耕す必要がないような経済条件になっておる者が相当あろうと思います。まあ、飯米は必要でございますから、二反なり三反なりはまず当分は耕すにしろ、とにかく、いま耕している五反なり六反なりは、全部はその耕作を継続する必要がないというふうに判断をし、また御当人たち毛そう考える人が私は数多くあろうと思います。しかし、小作料の統制額というものは、これは昭和三十年にきめましてから、水田で中田で反当にして千百円でございます。それから耕作権の確立ということで、これは日本の農地制度として非常に長い伝統で、先輩たちが非常な努力で築き上げてきたものでございますけれども、とにかく一たん貸せば、借り手が承知しない限りは土地が戻らないというふうに現実においてなっておるわけでございますから、五反歩、六反歩耕しておる人が、土地を売るつもりはないけれども貸してもいいという人たちが相当いても、うっかり貸すとあぶないということで貸さない、この人たちはほうっておいて荒らしづくりをして生産力を非常に落とすか、あるいは通常請負耕作といわれるように、やみ小作の形で人に耕させる、この場合の小作料というものは、地域によって違いますけれども、反にして一万円とか一万五千円とかいうのが決して珍しくございません。また、耕作者のほうからいいましても、ことしは耕すけれども、来年は耕すようになるかどうかという耕作権の保障は全然ございません。したがいまして、小作料を非常に低く押え、また耕作権を非常に強くすることが耕作者のためであることは間違いないけれども、同時にまた、新しく土地を借りてもう少し経営を伸ばそうという立場からいえば、それが大きな桎梏になって、小作料の水準というものは千百円ですけれども、現実に払う小作料は一万円とか一万五千円、法律上は耕作権は非常に強くなっておるけれども、事実上は請負耕作の形で、来年は耕すことができるかどうかという保障がない。そういう状態になっておることは、やはり小作制度の問題あるいは小作料の問題として当然正当に評価すべき時期に来ておるというふうに思います。ただ、先生も御承知のように、農地制度というものは、何といっても農業構造の基礎でございますし、小作料を動かすということも、いろいろ税制なり、あるいは米価等々にも影響があるところでございますから、私どももそういう問題意識を持ちながら、やはり取り扱いとしては十分慎重にやらなければならない、小作制度ばかりでなしに、農地法全体を通じて私は相当直すことが日本の農業にとってもう必要な段階に来ておるけれども、その取り扱いについては私どもの検討も深めると同時に、関係方面といいますか、いろいろな立場の人たちの意見も十分伺って処理すべきものだというふうに考えております。まあ、先生おっしゃるように、農地法の改正法案の提出ということはそう簡単にはできないでおるわけでございますけれども、農林省の中では、十分私が申し上げましたような角度から真剣に取り組んで検討をいたしておるわけでございます。
なお、農地管理事業団につきましては、この法律にもございますように、農地管理事業団が活動をしやすいように農地法の特例をある程度まで定めております。農地管理事業団が相手方になるような売買貸借は農地法の許可が要らない、あるいは農地管理事業団に土地を貸して、農地管理事業団がまただれかに土地を貸すというような場合は、耕作権の規定を除外する、また、十年なら十年ということで貸借をいたしますと、十年たって返してくれといえば返すことになるようなふうになっておるわけであります。また、農地管理事業団に土地を貸してまた貸しをしてもらう場合でも、不在地主の規定は除くと、あるいは一町歩の保有面積の例外は除くというような形で、農地管理事業団自身が活動をしやすいようには農地法についての特例の手当てをいたしておるわけでございます。
また、まあ第三の問題として、農地法を改正すればもう農地管理事業団なんかなくても農地の流動化が行なわれるという御議論もあるわけでございますが、私はそれは絶対そうではないというふうに思います。これは一つの例を申し上げましても、ドイツ、フランス等々において、農地法の規制というものは決して日本のようなきびしいものではございませんけれども、農地管理事業団類似の国家的な機関を置いて、そこで経営規模の拡大のために大いに苦心し、努力しておるわけでございますから、農地法さえ直せば、あるいは極端な議論として、農地法さえ撤廃すれば農地の流動化がいいような方向に向かうというふうに私は絶対考えておらないわけでございます。
櫻
櫻井志郎#23
○櫻井志郎君 局長のいまのお答えの中で、小作制度、小作料、それから請負耕作の問題にも触れられたのですが、私はいつだったか忘れたのだけれども、日本経済新聞に請負耕作制度は合法化される、請負耕作でも、現在の農地法からいっても合法的なやり方もあれば、完全に法律に引っかかるという、大別して請負耕作の内容を二つに分けられると思うのですが、その請負耕作制度を合法化できるように農林省が考えておるというのではなしに、もっと突き進んだ、あたかも実施できるようなことを農林省が近くやるというような記事が、いまちょっと私、記事を持っていないのでこういうふうに書いてあったということは言えないのだけれども、その請負耕作問題が日経に出ておった。そうすると、そういうことが可能になってくると、先ほど私が質問しようかどうしようかなあと思った問題ですが、三分、三十年償還という問題とからみ合わせて、請負耕作制度のある程度の解決がつけば、この事業団法がもくろんでおる問題とどう関連してくるか、極端なことをあげていえば、いま局長も触れられたけれども、一部の議論としては、この法案が必要ではないのではないか、なくとも農地法あるいは改正するとか、いま私が言う請負耕作の問題を解決していくことによって、ある程度その必要性というものはなくなるんじゃないかというふうにも考えられぬでもないのですが、その点はどうなんですか。
この発言だけを見る →大
大和田啓気#24
○政府委員(大和田啓気君) 日経の請負耕作に関する記事は私も見ました。多少新聞記事には誤解といいますか、書き足らない点がございます。と申しますのは、請負耕作と一口に言いますけれども、その中には全然内容が違うと言ってもいいような二種類のものが入っておるわけでございます。一つは、私が申し上げましたように、実際のやみ小作で、相対で小作料を一万円なり一万五千円なり、あるいは耕作権が全然確立されていないものを請負耕作という形で農地法の脱法としてやっているのが一つございます。それからもう一つは、請負耕作という名前を使いながら、たとえば農事実行組合でありますとか農協でありますとか、そういうものが集団栽培あるいは技術信託というような名前で農作業を小さい農家にかわってやる。それを請負耕作という形で表現している場合があるわけであります。私がその日経の記事を考えますと、日経の記事で請負耕作を農林省が認めるというふうに書いたのは、請負耕作の第二の範疇のもので、相対のやみ小作を合法化するということではございませんで、農協なり、あるいは農事実行組合なり、その他の農業生産法人が作業の請け負いをやるというものを、農林省としてはあまり農地法に触れるというようなことをやかましく言わないで、そういうものは私が先ほど申し上げましたように兼業農家対策なり、あるいは零細農家対策として今後進めるべき一つの道でございますから、その点についてはあまり農地法をたてにとってやかましく言わない、請負耕作の中には筋のいいものと筋の悪いものがあるというふうに申し上げたらいいかもわかりませんが、やみ小作の問題についてはこれはやっぱり農地法の問題として、これは農地小作制度なり、あるいは小作料改定の問題として正面から扱わないと、これをやみくもに認めるということは私は適当でないというふうに考えます。しかし、片方の技術信託だとか、あるいは集団栽培というような形で、放っておけば生産が落ちるような農家をできるだけ組織化して生産力を上げる。あるいはその人たちの所得を少しでも上げるという方向では私はあまり農地法をやかましく言わないで、現在の法制のもとでもある程度まで自由にそういうものができるようにすべきではないかという、そういうふうに考えるわけであります。
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山
山
山崎斉#27
○委員長(山崎斉君) 委員会を再時いたします。
農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
質疑のある方は、順次御発言を額います。
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質疑のある方は、順次御発言を額います。
山
山本伊三郎#28
○山本伊三郎君 それでは、農水委員会で差しかえで私が御質問申し上げます。
農林漁業団体職員共済年金、略して農林年金と称しておりますが、この農林年金についてわが党はわが党の対案と申しますか、考え方をもうすでに示しております。衆議院において相当長期にわたって審議をされたようでありますが、どうもわれわれの考え方からすると、今度の法律案については、農林漁業団体に対する優遇措置として厚生年金から昭和三十三年に移行したのでありますけれども、どうもわれわれとしては納得できない点が多々ありますので、次第にそれを明らかにしつつ、政府の見解をただしたいと思っております。
まず、その前提といたしまして、衆議院で若干修正をされたようでありまするが、その修正された個所とその理由、それについて政府のほうからひとつ説明を額いたい、かように思う次第であります。
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まず、その前提といたしまして、衆議院で若干修正をされたようでありまするが、その修正された個所とその理由、それについて政府のほうからひとつ説明を額いたい、かように思う次第であります。
和
和田正明#29
○政府委員(和田正明君) 衆議院で自民党、社会党、民社党三党の共同の御提案で修正になりました点は二点でございます。第一点は、政府の原案では、既裁定の年金につきましては、退職年金、障害年金を六万円、遺族年金を三万円というふうに最低額を上げまして、その場合に組合員期間がいずれも二十年以上に限るということにしてあったわけでございますが、そのうち障害年金につきましては二十年という組合員期間を必要としないというふうに修正をされたわけでございます。修正の御趣旨は、障害年金は組合員期間の長短と関係なく支払わるべき性質のものだという御趣旨であったかと理解をいたしております。
それから第二点は、現在法律の六十二条で、国庫は毎年度予算の範囲内におきまして農林年金が毎年度給付に要します費用の一六%の補助をすることができるというふうに今回の提案ではなっておるわけでございますが、その六十二条にさらに一項を加えられまして、第二項として、政府は毎年度予算の範囲内におきまして財源調整上必要があると認めるときは前項の補助のほかに補助をすることができるという趣旨の規定を挿入をされたわけでございます。改正の御趣旨は、すでに先般修正点についての提案理由の御説明にもございましたように、今後農林年金の組合員の給与が低いということ、それからそれと対応して掛け金がやや高いということ、それらの点を十分考慮して、財源調整上必要があるときには一六%という定額の補助のほかに必要な費用を国が補助することが適当であるという御趣旨であったかと了解をいたします。
この発言だけを見る →それから第二点は、現在法律の六十二条で、国庫は毎年度予算の範囲内におきまして農林年金が毎年度給付に要します費用の一六%の補助をすることができるというふうに今回の提案ではなっておるわけでございますが、その六十二条にさらに一項を加えられまして、第二項として、政府は毎年度予算の範囲内におきまして財源調整上必要があると認めるときは前項の補助のほかに補助をすることができるという趣旨の規定を挿入をされたわけでございます。改正の御趣旨は、すでに先般修正点についての提案理由の御説明にもございましたように、今後農林年金の組合員の給与が低いということ、それからそれと対応して掛け金がやや高いということ、それらの点を十分考慮して、財源調整上必要があるときには一六%という定額の補助のほかに必要な費用を国が補助することが適当であるという御趣旨であったかと了解をいたします。