社会労働委員会

1973-06-15 衆議院 全428発言

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会議録情報#0
昭和四十八年六月十五日(金曜日)
   午前十一時七分開議
 出席委員
   委員長 田川 誠一君
   理事 伊東 正義君 理事 塩谷 一夫君
   理事 橋本龍太郎君 理事 山下 徳夫君
   理事 川俣健二郎君 理事 八木 一男君
   理事 寺前  巖君
      小沢 辰男君    大橋 武夫君
      加藤 紘一君    瓦   力君
      小林 正巳君    斉藤滋与史君
      住  栄作君    田中  覚君
      高橋 千寿君    戸井田三郎君
      登坂重次郎君    羽生田 進君
      増岡 博之君    枝村 要作君
      大原  亨君    金子 みつ君
      島本 虎三君    田口 一男君
      田邊  誠君    多賀谷真稔君
      山本 政弘君    石母田 達君
      田中美智子君    大橋 敏雄君
      坂口  力君    和田 耕作君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
 出席政府委員
        厚生政務次官  山口 敏夫君
        厚生大臣官房審
        議官      出原 孝夫君
        厚生省公衆衛生
        局長      加倉井駿一君
        厚生省環境衛生
        局長      浦田 純一君
        厚生省医務局長 滝沢  正君
        厚生省薬務局長 松下 廉蔵君
        厚生省社会局長 加藤 威二君
        厚生省児童家庭
        局長      穴山 徳夫君
        厚生省保険局長 北川 力夫君
        社会保険庁医療
        保険部長    江間 時彦君
        労働事務次官兼
        労働省労政局長 石黒 拓爾君
        労働省労働基準
        局長      渡邊 健二君
        労働省婦人少年
        局長      高橋 展子君
        労働省職業安定
        局長      道正 邦彦君
 委員外の出席者
        環境庁長官官房
        審議官     橋本 道夫君
        環境庁企画調整
        局公害保健課長 山本 宜正君
        大蔵省主計局主
        計官      渡部 周治君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    —————————————
委員の異動
六月十五日
 辞任         補欠選任
  村山 富市君     大原  亨君
同日
 辞任、        補欠選任
  大原  亨君     村山 富市君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四七号)
 日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第四九号)
     ————◇—————
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田川誠一#1
○田川委員長 これより会議を開きます。
 健康保険法等の一部を改正する法律案及び日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行ないます。
 申し出があります。順次これを許します。川俣健二郎君。
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川俣健二郎#2
○川俣委員 まず大臣、初めに公害の問題ですが、いよいよ第三水俣を契機に日本の国はもう公害だらけの、魚もうっかり食えないという状態になったわけです。これについては近く大きな連合審査、あるいはその他の国会における審議委員会があると思うのだが、厚生省のほうで近くPCBと魚の摂取量、この指導要綱を出す。それからあわせてこういう魚は食うなといういろいろな手引きを厚生省が、ようやく教えてくれるそうだが、なるべく魚はまるごと食うな、はらわたに悪いのはうんと入っているぞ、そういうことでしょうが、それと水銀の許容基準ですね。この二つが大体いつごろ出る運びになっているか、聞きたい。
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齋藤邦吉#3
○齋藤国務大臣 水銀の問題はきわめて深刻な問題でございます。そこで政府におきましても先般、水銀等汚染対策推進会議を設置することといたしまして、三木環境庁長官のもとで関係各省の局長さん方が集まって、この深刻な事態に強力にかつ早期に対処するような体制をつくらなければならない、こういうことになっておりますことは、すでに御承知のとおりでございます。
 その関係各省全体の計画の中で、厚生省が取り扱います問題は、魚介類に対する水銀の安全基準の早期設定、これが私どもの省で行なわなければならない問題でございまして、この問題の解決のためにさっそく専門家の方々のお集まりいただいた委員会をつくりまして、目下検討していただいておるわけでございますが、私どもとしましては国民の不安を一日も早く除く、こういう考え方から六月中、今月一ぱいにこの安全基準の設定をはかっていくようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。もとより役所側だけでやるわけではありませんで、それぞれの専門の学識経験者の方々の真剣な御討議を経なければならぬ問題でございますので、そのとおりに必ずなるということは私も言い得ないと思いますが、委員の方々には、国民の必配しておることでございますので、今月一ぱいに何とか早く結論を出していただくようにということで、お願いをいたしておるような状況でございます。
 それを受けまして、いろいろな近ごろのPCBとかいうことが一般国民には非常にわかりにくいことでございますから、われわれの食生活において、もう少しわかりやすい説明ができるようにしなければなるまい、そういうことを考えておりまして、この安全基準の早期設定と相まって今月中に、できるだけ早く基準を示すようにいたしたい、かように考えておるような次第でございます。
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川俣健二郎#4
○川俣委員 早急に出すとかそういう抽象的なめどだったら、私はもっと突っ込んでいこうと思ったが、六月一ぱいで出すということであれば、この質問は、これで終わりたいと思います。
 それで、きょうの質疑ですが、この前私が関連質問で、中医協、これは一つの事件だと私は思うくらいに大きな問題だと思うのですが、かっては各地方の医師会、お医者さん方は、日本医師会長のかさのもとに寄らば大樹の陰で、まずあれに言わしておけ、われわれ得するから、こういう態度でしたが、この前の製品ボイコットの問題で、これはちょっとひどいということで、かなり地方の医師会が反論なりがたがたしてきたことを私は地元に帰って見きわめてきましたが、その問題を法解釈とか憲法違反とかいう論議は、きょうはやめますけれども、大臣は、この健保の審議に中医協の問題を避けて通れるというように考えられておるのか、きわめて十分に関係があるのだというように考えられておるのか、その辺をまず聞かせてもらいたいと思います。
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齋藤邦吉#5
○齋藤国務大臣 中医協のああした紛糾か生じておりますことは、私としてもまことに残念しごく遺憾と存じておる次第でございまして、何とか一日も早く正常な状態に復帰するようにということを念願いたし、医師会長にもたびたびお目にかかりましたし、支払い側の方々からの御意見も十分いろいろ承っておるわけでございますが、きょうの時点において、この解決のためには、もう少し時間がかかると私は判断をいたしておるような次第でございます。
 そこで、この問題と健保法との関係でありますが、純法律的には関係がないともいえましょう。しかし中医協が正常化し、その結論がどう出るかということも、またいろいろな法律の審議の段階において、もちろんこれはどの程度上がるかというようなことは一切私どもの容喙しないところでございますから、正確な資料として参考にするというわけにいかぬかもしれませんが、正常化されればどうなるであろうかといったふうないろいろな推測的な判断資料が出せる、こういうふうなこともいえるわけでございまして、関連があるかないか、こう言われますと、法律的には関連はない。しかし関連があるというならば、それは将来の診療報酬がどの程度になるであろうかという推測的な判断が出せる、こういうふうなことにおいて関連があるということもいえるとは思いますが、私どもは由来診療報酬の改定ということについては容喙をいたさないたてまえをとっております。
 支払い側と医療関係者の間で御相談を願って、それを建議し、それに基づいて私どもは諮問する、こういう形でございまして、今日まででも健保法のいろいろな審議に際して、診療報酬がどうのということが絶対不可欠の関連があるというふうには考えていないわけでございます。
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川俣健二郎#6
○川俣委員 関連がないといえば関連がない、あるといえばあるという程度だという。それじゃ、この間大臣は数回あっせんに乗り出したのだが、この前も不調に終わった。そこで向こうのほうは何がきっかけで、こういう問題が発生したわけですか、中医協の事件というのは。
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北川力夫#7
○北川(力)政府委員 中医協におきます今回のトラブルは私どもも非常に残念に思っております。今回の中医協の論議は昨年秋から始まりました次の診療報酬の改定ということに関連してでございます。
 簡単に経過をたどってみますと、昨年の九月から始まりまして、診療担当者側からは、昨年二月改定の際の中医協の建議書にもございました、いわゆる経済変動に対応する診療報酬の改定、また医薬技術の進渉に対応する診療報酬の改定ということを受けまして、いわゆるスライド制の問題と、かたがた点数診療報酬の不合理是正ということが提起をされたわけであります。支払い者側からは診療報酬の適正化という問題の中でのいわゆるスライド問題ということと、より大きくは薬価基準の適正化問題が提起をされました。
 そういうことで年が明けまして、大体毎月二回交互に議論が行なわれまして、四月の終わりには双方の審議も相当に煮詰まった段階になってまいりまして、連休が明ければ何とか結論に近づこう、こういうような論議が中医協の場では行なわれておったわけであります。そういうことで五月になりましてからの状況は、むしろ論議が相当に尽くされておりましたので、会長が中心になって診療担当者側の意見を聴取し、また支払い者側の意見を聴取して、いわゆる最終的な両方の意見の調整に入っておったような実情でございます。そういう実情で五月の十日と十五日、あとまだもう一回十八日を予定いたしておりました途中で今回のような事態が起こったわけであります。
 したがって、今回のトラブルは長い経過もいろいろございますけれども、最後の段階におきましては会長のあっせんの段階で両方の主張の間の相違というものと、それから会長のほうにおける、このあっせんのいろいろな方法というふうな問題が——中医協の場は、利害関係がなかなか複雑にふくそうした場でございますから、そういうような問題を中心にして、相互に多少の理解の不十分、あるいはまた若干の行き違いというふうなものもございまして、そういう問題が結果的には調停の最終の段階で現在のようなかっこうでストップをしている、こういうのが現在までの経過並びに偽らざる実情であろうかと私どもは考えております。
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川俣健二郎#8
○川俣委員 大臣がこの間お会いしたときに、お断わりするということで文書を突きつけられたでしょう。その文書の中身は、向こうの医師会の代表が言うのには、背信行為ではないか。スライド制導入というものをこの前の総辞退のときに、時の総理と厚生省当局が約束したというのはうそか、これをはっきりしてください。それとも医師会のほうがうそを発表しているのか。
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齋藤邦吉#9
○齋藤国務大臣 先般、武見会長にお目にかかりましたときに、中医協の現状に対する私の見解というものをいただいたわけでございまして、私はいま中医協の現状に対してこういうふうに考えておる、こういうことの書面をいただいてきたわけでございます。
 そこで、スライド制の実施という問題につきましては、昨年なくなられました斎藤厚生大臣と医師会との間に、診療報酬を物価、人件費にスライドしていくということについて、厚生大臣としてこれが実現に努力するという、昭和四十六年七月二十八日の医師会との了解事項、しかもそれは当時の佐藤総理が立ち会っておる、こういうふうな事項については、同じ自民党政府の大臣として、私も責任継続の原則からいたしまして、この約束は果たすように努力しなければならない、こういうふうに私は考えておるわけでございます。
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川俣健二郎#10
○川俣委員 それでは確認しますけれども、毎年の医療料金のスライド制は厚生当局は考えておるのだということでいいのでしょう。確認します。
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齋藤邦吉#11
○齋藤国務大臣 スライド制の問題につきましては、私が申し上げるまでもなく、御承知のように中医協という場において診療報酬が決定されるわけでございます。この紛糾が生ずる前に、支払い側においては年一回、月をきめて診療報酬の改定を行なうことを検討しましょう、こういうことを支払い側が会長に申し、会長はこれを受けて医療担当者にその旨を伝えたが、医療担当者側は年一回、月をきめて検討するということでは不満である、物価、賃金の上昇にスライドしていくというスライド制をとるべきではないか、こういうふうなことで、紛糾がそこから始まってきておるわけでございます。
 診療報酬の改定は、由来中医協において御相談を願うということでございまして、私個人がどう思うかという意見は言わないことにいたしてあるわけでございます。
 私が医療担当者の方々にお目にかかりましたときには、具体的な問題としてお答えはいたしません。医療問題についての私の一般的な所信としては、このように考えていますということを申し上げておるわけでございまして、私が自分の権限で、職権でスライド制を実現するという立場にはないわけでありまして、私は言うておりますように、約束したことは守るように努力しなければならない、こういうことで中医協の会長その他にお願いする立場にあるわけで、私が診療報酬を決定する、こういう立場にはないわけであることを御理解いただきたいと思います。
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川俣健二郎#12
○川俣委員 それは違うよ。齋藤厚生大臣は厚生行政でもかなりの権威者であるのかな、労働行政もかなり造詣が深い方だと思うのですが、両者があの事態のときに紛争を生じたわけでしょう、時の政府——社会党の政府じゃない、時の政府がそれをとったわけでしょう。私は責任をもってそれをやりましょう、その約束はスライド制を約束しているんでしょう。それを齋藤厚生大臣個人がやるとかなんとかいう問題じゃないですよ。厚生当局もそれにつながっているわけでしょう。なくなった斎藤厚生大臣じゃないですよ。いま生き生きとしている齋藤厚生大臣ですよ。弾力条項等大いに関係があるだろうが、みんな知っているだろうから聞くのだけれども、それを避けて通って、それはまず中医協でもう一ぺんやってくれというのは、労使交渉のたてまえとして、おかしいよ。
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齋藤邦吉#13
○齋藤国務大臣 御承知のように診療報酬改定というのは中医協という機関があるわけでございますから、中医協という機関を無視して、私が、どのくらいにするとかこうするとかいうことは言う立場にはない、これは御理解いただけると思う。ただ私、厚生大臣としては、前のなくなられた斎藤さんのお約束したことは斎藤昇個人が約束したのではない、厚生大臣として約束したわけでありますから、当然私はその責任を継続して負わなければならぬ。したがって、診療報酬の改定にあたってスライド制を実現するように努力する、これは私は当然だと思うのです。努力しておるつもりであります。さように考えております。
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川俣健二郎#14
○川俣委員 そうだとすれば、武見会長がおれのほうにあっせんに来るのじゃなくて、向こうのほうにあっせんに行けと言われるのは当然だと思います。政府がちゃんと責任をもって仲に入って、そのスライド制は私が約束しましょうと言ったのは政府なんでしょう。そういうことなんでしょう。それはわれわれは理屈は合わないと思う。そういう前提でいなければだめだよ。それでなければいつまでたっても——齋藤厚生大臣は私のほうできめる筋合いではないとりっぱなことを言うけれども、それを突っぱっておる間は、中医協は解散のままだとぼくは思う。それはどうです。
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齋藤邦吉#15
○齋藤国務大臣 いろいろ御批判、十分私も理解できます。ですから、武見会長が言われるのは、おまえがあっせん者ではないのだ、おまえ自身の責任において中医協の会長と問題を詰めなさい、こうおれは思っておるんだよ、こういう趣旨の見解でございます。こういうことで、武見さんがそういうことを言われる言われないは別として、厚生大臣の所轄にある中医協が混乱をして、なかなかまだ事態の収拾ができないということは、いずれにせよ私の責任だと考え、痛感をし、中医協が正常に戻るように努力を現在いたしもし、努力しなければならぬと考えておりますが、医療担当側、さらに支払い側、いろいろ言い分があるわけでございます。その言い分について、いろいろなことを言うことは、私としては、かえって事態を混乱させるということをおもんぱかって、実は答弁を控えておるわけでございますが、紛糾していること自体は、まさしく私の責任であると受けとめて努力しているような次第でございます。
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川俣健二郎#16
○川俣委員 それでは、ひるがえって、時の政府がそういう約束をしたものを、また中医協でもう一ぺんやってくれという状態に厚生省はいるのだろうけれども、そこで、今回の事件の発端はそういう政府の約束もあることだし、どうしてもスライドをとるのなら、やはり中医協としては医療の社会化というものも並行的に考えていかなければならない、こういうところから発端が出てきたわけです。
 ところが、議事録を読んでみると、この間辞任に追い込まれた河原委員の強い発言よりは、むしろ安恒委員が強い発言をして、その雰囲気を納得に追い込んでいっている。そこへ河原委員が、私らもそう思う、スライド制というのを導入する限りは、医療の社会化というものもあわせて並行的に審議する必要があるのだ、そういうところへ持ってきたら、医師会側は、医療の社会化はという言い方が気に食わぬという問題になって、製品のボイコット問題になった。そこで、それではいま中医協の言った、言わないの問題よりは、ある面では医療の社会化をやると開業医がなくされるとか、あるいは国営、国管で医者は縛られるとか、そういう誤解もある。そうは厚生大臣は思ってないと思う、医療の社会化というものは。
 では厚生大臣どう思われるか。特に私が大臣に聞きたいのは、スライド制を導入するのなら、医療の社会化まで織り込んで、厚生省が責任と権限を持ってスライド制と医療の社会化というものを両方厚生行政の上に乗せなければだめだと私らは思うのですけれども、厚生大臣は医療の社会化というものをどう思われるか。
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齋藤邦吉#17
○齋藤国務大臣 私も、実は中医協のその場でどういうことばを使われたかはよく存じておりません。医療の社会化ということばを中心にいろいろ言われておりますが、もしそれが、社会化ということばそのものが、いわゆる自由開業医制度を廃止するということばであるならば、これは私はおかしいと思います。しかし、どうもその辺の内容については、私もあまりつまびらかにいたしておりませんで、私は医療の社会化という内容、意味するところを十分理解いたしておりません。
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川俣健二郎#18
○川俣委員 それなら時の厚生大臣としては——時の厚生大臣ですよ、河原委員は、厚生行政の専門職じゃないですよ。その人ですらスライド制を政府が約束した、これはやらなければならぬだろう、だとすれば、医療の社会化もあわせてやらなければならぬだろう、こういうようなことを、専門の人でない河原委員ですら言っておるのに、時の厚生大臣が、医療の社会化を理解してないなんということを言うのでは——では、大臣でなくて、局長でもいいです、どう思っておるのか、医療の社会化というものは。
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北川力夫#19
○北川(力)政府委員 医療の社会化というのは、学問的にも非常にいろいろ見解かあるだろうと思います。いま御指摘のございました、この前の中医協の場で医療の社会化という問題に端を発してトラブルの起こりましたことは、先生の御指摘のとおりでございます。
 ただ、医療の社会化ということが、直ちに医療の国営化ということになるのかどうかという点につきましては、これはいろいろ議論があると思うのです。たとえば地域医療を確立するとか、あるいは総合医療を確立するとか、そういったこともやはり広い意味では、こういう概念に当たるかもしれませんし、今回の問題は、どうも医療の社会化ということ、即医療の国営化というふうにつなげて問題がとらえられたところに、トラブルのもとがあると思うのです。
 いま問題に出ました総辞退の結末としての、いわゆる厚生大臣と武見会長の合意十二項目の中にございます、いわゆるスライドという問題につきましては、いま大臣も申し上げましたが、診療報酬を物価、人件費にスライドしていくことについて、厚生大臣としても、これが実現に努力する、こういっているわけでございますから、これは厳密な意味でのスライド制であるかどうか、そういう点はこれまたいろいろ議論が分かれると思います。
 でございますから、私どもは現在のトラブルは、そういう医療社会化、即医療の国営化、そういう前提のもとに端を発したと考えておりますが、医療の社会化がどうだというふうに聞かれますと、そのこと自体は、この概念はかなり広範な概念であると思いますし、それから、いま私が申し上げました合意十二項目の一項目にございます文言、これは完全なるスライド制の確立ということを必ずしも十分に意味しているものとは私は考えておりません。いわゆる物価、人件費に対応をして診療報酬が改定されるということ、また改定される、実際の審議される場は中医協である、しかし厚生大臣としても、やはり大いに努力をする、こういうことでございますから、全体的に、総合的に見てみますと、この問題は、いま申し上げたようなかなり幅のある解釈が可能であろう。したがって厚生大臣といたしましても、また厚生省当局といたしましても、診療報酬の改定をこのような考え方に立って考えていく、またそのような考え方で中医協においても審議をされるということにつきましては、現在の中医協の現状から見て、まさにそういうような線に沿って行なわれている、われわれはそのように理解をいたしておるような次第でございます。
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川俣健二郎#20
○川俣委員 それでは理解がだいぶ違うけれども、医師会の一部には医療の社会化というのを本質的に拒否反応を示す人がいるが、少なくともいま局長が言ったようなことを、そういうところがら、いまの中医協の解散状態を正常化するのにひもどいていく必要があると思います。医療の社会化というのは決してそういうものじゃないです。スライド制も政府は責任をもってこれから毎年やるとすれば、医療の社会化もこういうような観点で必要なんだ、そういう努力というものを全然なされてないと思うのです。ただ何とかそこをひとつ、またテーブルに着いてくれや、これではいつまでたっても中医協はもとへ戻らないですよ。そういうところの糸口がない。私はそういう努力は必要だと思いますよ。どうです。
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北川力夫#21
○北川(力)政府委員 私が申し上げました、いまの医療の社会化ということについてのいろいろな考え方は、いろいろ誤解があると困りますのでつけ加えて申し上げておきますが、私の考えでございますので、いろいろこれについては、まだまだ議論はあると思います。
 それから努力の問題ですが、中医協という場は、先生も御承知のとおり診療担当者と医療費を実際に負担いたします支払い者側あるいは保険者、こういった者がお互いに議論をする場でございまして、まことにその利害関係が複雑に錯綜しておるということは事実でございます。またその複雑に錯綜しておることが、多年中医協の場をきわめてむずかしい場にしていることもまた先生お認めかと思います。そういうことがございまして、いまおっしゃいました、たとえば医療の社会化ということば一つとらえましても、いわば理屈の問題も一つございましょうし、また経緯の問題もこざいましょうが、長年のそういう経緯の積み重ねで、そういう表現がいいかどうかわかりませんが、お互いにややもすれば硬直するような要因が絶えず伏在をしておる、こういう状況でございますので、そういうものが今回の機会に出てまいりまして、はなはだ残念ながら現在停止をしているという状況が偽らない現状であろうかと思います。
 そういう意味合いでございますから、理屈の上からのこの問題の解決と、それからいま大臣が申しました厚生大臣としてのより高い見地からのこの問題のアプローチ、両方面からこの問題は至急に解きほぐしていく、こういうことが私どもの現在の考え方でございます。
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川俣健二郎#22
○川俣委員 それは私は、こういうふうに公害だとか、あるいは福祉だ、いろいろ社会が複雑になってきたときの厚生行政、特に医療行政というのは、たいへんだと思う。それはわかるけれども、やはり約束したことは、そういう方向で行かないとだめだということなんですよ、特に厚生行政は。大臣、私はそう思いますよ。
 じゃ、もう一つの例を申し上げますと、こういうことがあったというのだけれども、それは事実だろうか。私は知らないけれども、政務次官にちょっと聞きたいのですが、いわゆる心身重症児の社会事業をやっておる施設が民間に方々にあるわけです。かつての厚生大臣でしたか、重症児こそ社会福祉のかなめということで、ちょっと世に訴えたわけであります。それは自民党の厚生大臣ですけれども……。
 そこで、この四月三日に厚生省と交渉を行なったというのです。ところが、そこの労務状態というのは、あとで話を続けますけれども、もうかなりひどいものです。残業だって労働基準法がはたして守られておるかどうか。労働省も各課長方来ておるようだが、あとでみんなに聞かしてもらいたいのだよ。ただ非常に私が遺憾に感ずるのは、特に政務次官が、それじゃひとつ島田療育園なり、びわこ施設なりを私は見ましょう、こう言ったところで労使の紛争が一応おさまった。それが四月三日だ。ところが、いつまでたっても、うんともすんともない。そこで五月三十一日に抗議スト、そしてこれからストライキを設定しておる、こういう状態だというのだ。山口政務次官はそういううそをつく人じゃないと思うのだけれども、はたしてそれは約束したのかどうか。
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山口敏夫#23
○山口(敏)政府委員 ただいま川俣先生の御指摘のとおり、福祉社会の中で、特に重症身障児をはじめ身障者の方々に対する社会的な理解や共感というものがより必要であるということは、もう当然でございますし、また、そうした施設に働いておられます職員の方々の待遇を少しでも改善しなければならない、また、より社会的な理解も深めていただかなければならない、こういう考え方の上に立ちまして、四月三日、厚生省で島田療育園の方々あるいはびわこ学園の方々の陳情を伺いました。そして私も、厚生政務次官という立場であると同時に一人の政治家としても、ぜひそうした福祉の現場というものに対して実状を認識を深める意味におきましても、また今後の新しい施設の問題点をより理解する上におきましても、ぜひひとつおじゃまして、いろいろ率直な意見の交換もさしていただきたい、むしろ私どものほうから前向きにお願いをしたというような経緯もございます。
 しかし、そのときにも申し上げましたことは、御承知のとおり国会の開会中でございますので、国会が終わり次第ひとつおじゃまさしていただきたい、こういうお約束をしたわけでございますが、幸か不幸か国会の会期が延長されまして、これまた重要法案等も、特にわが省の関係の重要法案も国会の中で十分解決のめどもついておらないというような実情の中におきましては、どうしても国会のほうにより時間をとられるということで、心ならずもまだ施設のほうに訪問できないというところでございます。
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川俣健二郎#24
○川俣委員 この間労働政務次官がILOに行くというので、そういう政務次官おったかなと言う人がおったけれども、政務次官は盲腸じゃないんだから。しかし、いいですか、外国へ行くのじゃないんですよ。あなた、幸か不幸か国会が延びたということは、これはずいぶん言うものだなと思うのですけれども、外国へ行くのじゃないんですよ。片や東京、片や琵琶湖ですよ。何が時間ないのだ。あなた、いつ行くんだ。国会が終わる七月まで行かないつもりか。それをはっきり言ってください。
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山口敏夫#25
○山口(敏)政府委員 決して私自身が施設の視察の問題に対しまして、これを避けているとか、あるいは逃げておるとかいうような気持ちがかりにも自分の心の中にありますれば、そうした懇談のときも、あるいは陳情を承ったときも、しいて私のほうからぜひ訪問したい、実情を伺いたいというようなことは申し上げないわけでありますから、私自身は一日も早く見たいという気持ちにおいては、いまも変わらないところであります。
 ただ、その伺った諸問題に対してかりに約束をしたときに、実行し得る物理的な状況も、あるいは行政の中における予算的なアプローチ、まあ戦術的な問題等も考えましたときに、見ることだけは早く見る、ところが、その約束がなかなか実行でき得ないということは、せっかく福祉の第一線に立って働いていただいております職員の方々の心に、いたずらに不信を招くようなことがあってはならないという私なりの判断というものが、あるいは川俣先生のいまの御批判につながるような点があったことにつきましては十分反省し、できるだけ早く行くことが、あるいはよかったのかなという感じを持つわけでありますが、私なりの考え方からしますると、国会が終わったあとのほうが、伺った話をより実践する作業でも、また期待にもこたえられるのじゃないか、こういう考え方で延ばしておったわけでございます。
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川俣健二郎#26
○川俣委員 まず人は、行ってみるとわかるのですけれども、民間ですから、抗議をやる人は、特に介護職員はほんとうに国、政府にたよっているんだ。そういう状態だから、それじゃあなたの出張はあとで理事会ではかってみますけれども、あなた自身は行く気があるということをまず披瀝されたが、一応きょうだいぶ来ているようだから、あなた会って、そこでよく説明して、近いうちに行くということを約束できますか。
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山口敏夫#27
○山口(敏)政府委員 できるだけ早い機会に実際を拝見さしていただいて、またいろいろ御意見も承るということについては、はっきり約束できます。
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川俣健二郎#28
○川俣委員 それともう一つ、今後は大臣に、そういう状態があった、大臣お耳に入っていたかどうか知らぬが、いままで紛争があった。そこで、政務次官が行って、見た、ああひどいな、これじゃだめなんです。少なくとも厚生政務次官だから、しかも賃上げとかその他改善を要求しておるのだから、ある程度大幅な権限を政務次官に与えてくださいよ。どうですかね。
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齋藤邦吉#29
○齋藤国務大臣 いやしくも政務次官が視察をし、いろいろ回答するときには責任をもって答えなければならぬわけでございますから、事前にいろいろな事態を調べておきまして、それはもちろん政務次官ですから、大きな権限をお持ちのことでございますから、言い得ることははっきり言うということになろうと考えております。
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