本会議

1975-10-24 衆議院 全77発言

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会議録情報#0
昭和五十年十月二十四日(金曜日)
    —————————————
  昭和五十年十月二十四日
    午後二時 本会議
    —————————————
○本日の会議に付した案件
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい
  ては十五分質疑答弁討論その他については十
  分とするの動議(宇野宗佑君外二十四名提
  出)
 議院運営委員長田澤吉郎君解任決議案(藤田高
  敏君外三名提出)
  質疑終局の動議(宇野宗佑君外二十四名提
  出)
  討論終局の動議(宇野宗佑君外二十四名提
  出)
 逓信委員長地崎宇三郎君解任決議案(久保等君
  外八名提出)
  質疑終局の動議(宇野宗佑君外二十四名提
  出)
  討論終局の動議(宇野宗佑君外二十四名提
  出)
    午後六時四十分開議
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前尾繁三郎#1
○議長(前尾繁三郎君) これより会議を開きます。
     ————◇—————
 発言時間に関する動議
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前尾繁三郎#2
○議長(前尾繁三郎君) 宇野宗佑君外二十四名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議が提出されました。
 本動議は記名投票をもって採決いたします。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
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前尾繁三郎#3
○議長(前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
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前尾繁三郎#4
○議長(前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。——開鎖。
    〔議場開鎖〕
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前尾繁三郎#5
○議長(前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
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前尾繁三郎#6
○議長(前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 三百十六
  可とする者(白票)       百六十三
    〔拍手〕
  否とする者(青票)       百五十三
    〔拍手〕
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前尾繁三郎#7
○議長(前尾繁三郎君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑、答弁、討論その他については十分とするに決しました。
    —————————————
 宇野宗佑君外二十四名提出発言時間制限の動議を可とする議員の氏名
      足立 篤郎君    阿部 喜元君
      愛野興一郎君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      稲村 利幸君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    江藤 隆美君
      小此木彦三郎君    小沢 一郎君
      小澤 太郎君    小渕 恵三君
      越智 伊平君    大石 千八君
      大石 武一君    大竹 太郎君
      大野  明君    大村 襄治君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    加藤 陽三君
      海部 俊樹君    梶山 静六君
      片岡 清一君    金丸  信君
      金子 一平君    亀岡 高夫君
      鴨田 宗一君    唐沢俊二郎君
      仮谷 忠男君    瓦   力君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      木村武千代君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    熊谷 義雄君
      倉石 忠雄君    小泉純一郎君
      小島 徹三君    小平 久雄君
      小林 正巳君    小宮山重四郎君
      小山 省二君    河野 洋平君
      國場 幸昌君    近藤 鉄雄君
      左藤  恵君    佐々木義武君
      佐藤 文生君    斉藤滋与史君
      坂田 道太君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    塩川正十郎君
      塩崎  潤君    塩谷 一夫君
      篠田 弘作君    澁谷 直藏君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      菅波  茂君    瀬戸山三男君
      染谷  誠君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 正巳君    高橋 千寿君
      竹内 黎一君    竹中 修一君
      谷川 和穗君    地崎宇三郎君
      中馬 辰猪君    塚原 俊郎君
      坪川 信三君    戸井田三郎君
      渡海元三郎君    床次 徳二君
      中尾 栄一君    中曽根康弘君
      中村 弘海君    中山 正暉君
      灘尾 弘吉君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 直己君
      西銘 順治君    根本龍太郎君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      羽田  孜君    羽田野忠文君
      羽生 田進君    葉梨 信行君
      萩原 幸雄君    橋口  隆君
      橋本登美三郎君    橋本龍太郎君
      旗野 進一君    八田 貞義君
      浜田 幸一君    早川  崇君
      林  大幹君    原田  憲君
      廣瀬 正雄君    福田 篤泰君
      福永 一臣君    藤井 勝志君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      古屋  亨君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    前田 正男君
      増岡 博之君    松澤 雄藏君
      松永  光君    松野 頼三君
      松本 十郎君    三池  信君
      三木 武夫君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    三塚  博君
      箕輪  登君    湊  徹郎君
      宮崎 茂一君    宮澤 喜一君
      村岡 兼造君    村上  勇君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山 ひで君    森  美秀君
      森  喜朗君    森下 元晴君
      安田 貴六君    山崎  拓君
      山崎平八郎君    山下 徳夫君
      山村新治郎君    山本 幸雄君
      綿貫 民輔君    渡部 恒三君
      渡辺 栄一君
 否とする議員の氏名
      阿部 昭吾君    阿部 助哉君
      井岡 大治君    井上  泉君
      石野 久男君    板川 正吾君
      稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君
      上原 康助君    枝村 要作君
      小川 省吾君    大出  俊君
      岡田 哲児君    加藤 清政君
      加藤 清二君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      金瀬 俊雄君    金子 みつ君
      川俣健二郎君    木島喜兵衞君
      木原  実君    久保 三郎君
      久保  等君    久保田鶴松君
      小林 信一君    兒玉 末男君
      上坂  昇君    佐々木更三君
      佐藤 観樹君    佐野 憲治君
      佐野  進君    斉藤 正男君
      坂本 恭一君    阪上安太郎君
      島本 虎三君    嶋崎  譲君
      下平 正一君    田口 一男君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      高沢 寅男君    竹村 幸雄君
      塚田 庄平君    土井たか子君
      堂森 芳夫君    中村  茂君
      楢崎弥之助君    野坂 浩賢君
      芳賀  貢君    馬場  昇君
      長谷川正三君    原   茂君
      日野 吉夫君    平林  剛君
      福岡 義登君    藤田 高敏君
      古川 喜一君    堀  昌雄君
      松浦 利尚君    三宅 正一君
      美濃 政市君    武藤 山治君
      村山 喜一君    村山 富市君
      森井 忠良君    八百板 正君
      八木  昇君    山口 鶴男君
      山田 耻目君    山田 芳治君
      山中 吾郎君    山本 政弘君
      山本弥之助君    湯山  勇君
      米田 東吾君    横路 孝弘君
      横山 利秋君    和田 貞夫君
      渡辺 三郎君    渡辺 惣蔵君
      青柳 盛雄君    諫山  博君
      石母 田達君    梅田  勝君
      浦井  洋君    金子 満広君
      木下 元二君    栗田  翠君
      小林 政子君    紺野与次郎君
      柴田 睦夫君    庄司 幸助君
      瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君
      田代 文久君    田中美智子君
      多田 光雄君    津金 佑近君
      津川 武一君    寺前  巖君
      土橋 一吉君    中川利三郎君
      中路 雅弘君    野間 友一君
      林  百郎君    東中 光雄君
      平田 藤吉君    不破 哲三君
      正森 成二君    増本 一彦君
      三浦  久君    三谷 秀治君
      村上  弘君    山原健二郎君
      米原  昶君    浅井 美幸君
      新井 彬之君    石田幸四郎君
      大久保直彦君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      鬼木 勝利君    北側 義一君
      小濱 新次君    坂井 弘一君
      坂口  力君    鈴切 康雄君
      瀬野栄次郎君    田中 昭二君
      高橋  繁君    竹入 義勝君
      林  孝矩君    広沢 直樹君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      松尾 信人君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    内海  清君
      小沢 貞孝君    折小野良一君
      河村  勝君    小宮 武喜君
      佐々木良作君    竹本 孫一君
      玉置 一徳君
    —————————————
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前尾繁三郎#8
○議長(前尾繁三郎君) 藤田高敏君外三名から、議院運営委員長田澤吉郎君解任決議案が提出されました。
 本決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略して、議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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前尾繁三郎#9
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。
    —————————————
 議院運営委員長田澤吉郎君解任決議案(藤田
  高敏君外三名提出)
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前尾繁三郎#10
○議長(前尾繁三郎君) 議院運営委員長田澤吉郎君解任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。藤田高敏君。
    —————————————
 議院運営委員長田澤吉郎君解任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
    〔藤田高敏君登壇〕
    —————————————
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藤田高敏#11
○藤田高敏君 私は、ただいま議題となりました議院運営委員長田澤吉郎君の解任決議案につきまして、日本社会党、日本共産党・革新共同並びに公明党、三党を代表いたしまして、その趣旨を説明いたします。拍手
 具体的なその理由を説明する前に、決議案の案文について朗読をいたします。
    議院運営委員長田澤吉郎君解任決議案
  本院は、議院運営委員長田澤吉郎君を解任する。
  右決議する。
    〔拍手〕
    〔拍手〕
 以下、私はこの決議案の趣旨に沿って、具体的な解任の理由を訴えたいのであります。
 まず、その直接的な責任は、何といっても、この国会が始まりました当初、約一カ月半前にさかのぼらなければなりませんが、九月十六日、議院運営委員会理事会におきまして、いわゆる値上げ法案の処理に関する確認事項が決定をされました。
 それは言うまでもなく、政府は、いわゆる値上げ法案の提出時期については、高度の政治判断をもって行うということであります。
 いま一つの問題は、議運としては、これらの法案が提出された段階で、当然のことでありますが、その取り扱いについては従来の方法で協議する。従来の方法とは、議運の法案係において協議するということであります。この確認事項を田澤委員長みずからじゅうりんをしたということが、その責任を問われる第一の理由であります。拍手
 第二の理由は、九月二十六日、いわゆるこの確認事項があるにもかかわらず、衆議院規則六十七条の二によりまして、いわゆる強行採決をやったのであります。
 これまた、衆議院規則をひもとくまでもなく、六十七条の二は、「議院運営委員長は、特に緊急の必要があるときは、会期中、何時でも、委員会を開くことができる。」となっておるのでありますが、その時点において、果たしてどれだけの緊急性があったのか。委員長の職権をもって強行採決に付さなければならない緊急性は、今日の時日経過の中から判断をいたしましても、その緊急性は全くなく、まさに衆議院規則六十七条の二の乱用と言わなければならないのであります。拍手
 さればこそ、この責任を問われまして、今月に入って十月の十六日、議運委員会におきまして、具体的にその責任を問われたことは、議員諸君も御承知のところであります。そうして、その責任のとり方については、議運委員長はいわゆる職権をもって強行採決をし、そういう強引な議事運営をやったことは遺憾であり、陳謝するという、今日まで議運委員長が陳謝の意思表明をしたのは初めての出来事であります。そういう形で陳謝の意思表明をやったこの委員長が、さらに、昨日のこの議院運営委員会の理事会におきまして、本日の議院運営委員会並びにこの本会議の日程を強行するという暴挙に出たのであります。これは、まさにこの国会を混乱に陥れた直接的最大の原因でありまして、その責任はきわめて重大であり、田澤委員長の責任を問うゆえんのものが、ここにあるわけであります。拍手
 さて、私は、いま翻って考えるときに、今国会混乱の原因の政治的背景というものを考えるときに、直接的には、先ほど説明をいたしました田澤委員長の責任と同時に、この国会がかくのごとく混乱をしてまいりましたその政治的な背景というものは、まず第一に、三木内閣が全く無定見、国会運営に対する何の見通しもなく臨時国会を九月十一日に召集したところに、そもそもの問題点があったと思うのであります。そうして、この無定見な国会の召集にもかかわらず、これを強力にバックアップした自民党の党利党略的な国会開会並びにその運営に対して、議運委員長である田澤君が、そのいわば党利党略の先兵的な役割りを果たす、そういう議会の運営をやったところに、私は、大きな政治的な背景と問題点があると思うのであります。拍手
 なお、党利党略とは何か。私どもは、この国会の開会に当たりまして、社会党を中心とする野党各党はこぞって、まず予算案を出すべきである、補正予算案を出して、そうして、いま国民が最もこの国会に注目をしておる不況克服の問題、反インフレ、物価高をどのように抑制をしていくのかという問題、あるいは、前国会におきまして、衆議院で全会一致で決定を見ております独禁法の提出あるいは年金、郵便貯金法、簡易生命保険法、石油コンビナート等災害防止法案等々、いわゆる私どもが生活法案と言っておりますが、これらの生活法案を早期に提出をして、国民の期待にこたえ得る国会にすべきであるということを主張してまいりました。しかしながら、今日に至るも独禁法はいまだに提案をされておりません。そうして、先ほど指摘いたしました生活法案十本、条約案件一本のごときは、閣議決定をして一カ月間も値上げ法案の人質にするという、まさに党利党略的な議会運営をやってきたではありませんか。この責任は国民的な立場において厳しく追及されてしかるべきものであります。拍手
 私たちは、このように見てまいりますと、自民党は、あるいは三木内閣は、値上げ法案、いわゆる値上げ三法優先審議のために、かくのごとくまで強行に次ぐ強行採決をやり、そうして、強引な、むちゃくちゃとも言うべき国会運営をやってきたところに、今日の国会混乱の最大の原因があるのではないでしょうか。拍手
 特に、私ども社会党を中心とする野党四党は、昨日の議院運営委員会の理事会におきましても、目下予算委員会において真剣な審議が展開をされておる、議長裁定による国会正常化の端緒として予算委員会が開会をされておる。しかしながら、いわゆる議長裁定が出された後においても、仮谷問題という、いいかげんな国会答弁という失言問題が起こってきた。こういう新しい条件の中で、われわれは、きょうの本会議を強行することについては、慎重を期すべきであるということをまず第一に主張いたしたのであります。
 第二は、予算委員会の開会中であり、そうして、予算委員会の開会中にこのような本会議を強行する悪例をつくることは、議院運営委員会の面目にかけて、またその権威において行うべきでないということを主張いたしました。
 三つ目の問題は、この予算審議の中には、当然のこととして、補正減額の対象として問題になっております酒、たばこ等の法案が具体的な対象になっておるわけでありまして、こういう予算案の審議、結論が出ないまま、法案だけを先行して、無謀とも言うべき議会運営を行うことは、従来の議会慣行から見ても、その責任はきわめて重大と言わなければならない。こういう観点からも、本日のこの本会議の設定に対して、私どもは厳しく注意と反省を求めてきたところであります。
 さらに、もしわれわれの以上指摘したようなそういう意見、主張に耳をかさないで本会議を強行する場合、再び国会が混乱するおそれがある。せっかく国民の目は予算委員会に集中をしておる。そのときに、この種の無謀とも言うべき国会運営によって、国会が再び混乱をするようなことになれば、まさに、これは国民のひんしゅくを買い、国民の立場から言えば、国会不信のそしりを免れないではないか。こういうことを考えるときに、私どもは、いわゆる高度の政治的判断をする立場からも、このような本日の本会議の開会は行うべきでないということを強く主張してきたのであります。しかしながら、これらの具体的な主張に対しては、何ら耳をかしませんでした。
 私は議員諸君にも訴えたいのであります。いま私が訴えておるこのような主張点というものは、客観的に十分評価してしかるべき主張点ではないかということであります。にもかかわらず、このような謙虚にして、国会の権威を高め、議会制民主主義を発展さす立場から主張してきた私どもの主張を退けて、そうして、今日このような無理な本会議を設定した政治的意図は何かと言えば、私はそこには非常に恐るべき条件が隠されていると思うのであります。
 その一つは、言うまでもなく、予算委員会の審議を通じて、三木内閣は有言不実行の内閣である、いいかげんな政治姿勢というものが国民の前に明らかになってきた、このことを恐れたのではないか。さらに、仮谷建設大臣のいいかげん答弁の責任追及を回避する手段として、こういう国会運営の暴挙に出てきたのではないか。さらには、クリーン三木と言われてきた三木内閣が、そうではなかったという政治の実態が、昨日来から予算委員会を通して大きく浮き彫りにされてきた。さらには、不況克服というけれども、それは独占資本のための不況克服であって、額に汗して働く勤労国民のための反インフレ、雇用安定の不況克服でないという実態が明らかになってきた。いま一つは、三木内閣のいいかげんな外交政策の実体というものがだんだんと明確になってきた。
 したがって、予算委員会において正常な議会審議が続けられれば続けられるほど、三木内閣の信頼というものが地に落ちていくということを恐れて、そうして、こういう強引な国会運営をやることによって、国民の目をごまかそうとする、そういう政治的陰謀が隠されておるところに、この国会運営の問題があると思うのであります。拍手
 こういう政治的な意図と背景の上に立って、田澤議運委員長は、昨日来から、このような委員会及び国会運営を、従来の慣行を無視し、そうして、せんだっての議運委員長の陳謝を行った経緯があるにもかかわらず、再びその責任を問われるような強引な議会運営をやった責任をここに厳しく追及をいたしまして、私の趣旨説明を終わりたいと思います。拍手
    —————————————
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前尾繁三郎#12
○議長(前尾繁三郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。森井忠良君。
    〔森井忠良君登壇〕
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森井忠良#13
○森井忠良君 対話と協調とか、社会的不公正の是正とか、国民向けにかっこよいことを言い続ける三木内閣が、去る九月十一日に本臨時国会を召集して以来、政府・自民党のいわゆる二段ロケット方式の審議要求は無残な影を残し、国会は依然として視界ゼロが続いておりますが、私は、その根源にメスを入れ、ただいま提案されました田澤議院運営委員長の解任決議案に賛成をする立場から、日本社会党を代表して、御質問いたしたいと存じます。拍手
 その第一は、去る九月十六日、衆議院議院運営委員会理事会の確認事項についてであります。
 御承知のとおり、政府・自民党は、今国会を不況打開の国会と国民に宣伝をしながら、九月十一日に召集した時点では、そのための予算すら提案をせず、値上げ三法案の審議のみを要求するという、きわめて理不尽なものでございました。したがって、心ある国民や全野党の反撃を受けまして、国会は混迷を続けた後、九月十十六日の議院運営委員会理事会の確認事項となったわけでございます。すなわち、同理事会では、値上げ三法案の委員会付託に当たっては、高度な政治判断を行うこと、したがって、委員会付託は従来の方法で協議をする、つまり、各党合意の上でなければ付託をしないという中身であったではございませんか。
 しかるに、田澤議院運営委員長は、この確認事項を無視いたしまして、九月二十六日、衆議院の議院運営委員会を職権開会いたしまして、自民党だけで採決を強行し、やがて、御承知のとおり、あの十月一日の大蔵、逓信両委員会での三法案の強行採決を生んだわけでございまして、田澤委員長の責任はきわめて重大であり、背信行為は、許すべからざる暴挙であると私は考えるのでございます。拍手
 議会制民主主義を口にしながら、かつ、その推進を積極的に行う立場にある議院運営委員長が、みずからその逆を行ったのでございまして、一体、議院運営委員会理事会では、この確認事項をどのように扱われたのか明確にされるとともに、議院運営のかなめとも言うべき田澤委員長の背信行為を許しておいて、これからの国会運営が果たしてうまくいくのかどうか、この際、明確にしていただきたいと思うわけでございます。拍手
 質問の第二点は、さきに申し上げました九月二十六日の議院運営委員会を田澤委員長が職権開会、そうして、値上げ三法案の委員会付託を自民党だけで強行採決したことについての法的な疑義についてでございます。
 先ほどの藤田議員の説明によりますと、この職権開会は、衆議院規則第六十七条の二によるものと言われておりますが、私はきわめて問題があると思うのであります。この条項によれば、「緊急の必要があるときは、何時でも、委員会を開くことができる。」となってはおりますが、一体、何の緊急性があったのか、ぜひとも明らかにしていただきたい。酒やたばこや郵便料金の値上げは、国民のためには全く迷惑な法案であり、緊急どころか、おくれることによって国民に喜ばれる中身でございます。拍手
 第三の質問は、さすがの田澤委員長も世論に押されまして、かつ、議長裁定もございまして、ついに、去る十月十六日の仮谷発言を処理する議院運営委員会におきまして、これまでの暴挙を陳謝いたしました。皆さん、遺憾の意ではありません。陳謝であります。これは、私の承知いたします限り、陳謝とは、初めてのことでありまして、一体どういう意味を持つのか。陳謝と遺憾の意の違いを、この際、明確にしていただきたいと思うわけでございます。
 さらに重要なことは、この十月十六日の議院運営委員会で、次のように田澤委員長は発言をしております。つまり、「去る九月二十六日、議院運営委員会において、与野党の話し合いがまとまらぬまま委員会を強行したことは、まことに遺憾に存じ、陳謝いたします。今後、議院運営委員会は各党話し合いの場であることを確認して、委員会運営に当たりたいと存じます。」田澤議運委員長は、このように明確に陳謝をしておるわけでありますが、このように陳謝をしながら、またまた昨夜、衆議院議院運営委員会を職権で招集する、そして本日の本会議を生むという、全く反省の色のない行為をとっておるのでございます。一体、これで今後の議会運営に責任が持てるのかどうなのか、あわせてお答えをいただきたいと思うわけでございます。拍手
 最後に、議長裁定との関係についてお伺いをいたします。
 今回の議長裁定は、国会を正常化し、国民の生活を守るという期待にこたえるために出されたものであると私どもは理解をいたします。したがって、わが党も尊重するという立場をとったのでございますが、これは、当面の不況打開、暮らしを守る立場からでございまして、値上げ三法案に対しては、徹底的に反対して闘うと通告してあるのでございます。したがって、本日の本会議を強行開会し、値上げ三法案を可決しようという意図に対してわれわれが強く反対をすることは、議長裁定とは全く矛盾しないと思うのでありますが、その辺のお考えをぜひともお伺いいたしたいと存じます。
 以上で私の質問を終わります。拍手
    〔藤田高敏君登壇〕
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藤田高敏#14
○藤田高敏君 森井議員の質問に、懇切丁寧にお答えいたしたいと思います。拍手
 まず、第一の質問は、九月十六日の議運理事会におきまして、先ほど質問もございましたように、二つの確認事項があった、その意味するものは何か、こういうことでございます。こういう確認事項が弊履のごとく、一方的に、あるいは委員長の独断によってじゅうりんされるようなことでは、今後の議会運営について信頼を置くことができないのではないか、こういう質問であったと思います。
 全くそのとおりでございまして、さればこそ、私どもはこのような解任決議案を出し、議会としての良識ある結論を求めているところでございます。
 高度の政治的判断とは何かと言えば、これは先ほどもちょっと私申し上げましたが、いわゆる値上げ法案をめぐって、下手に、この扱いが間違った取り扱いをすると、国会は大変なことになる。そういうことで、その時点における議運理事会の確認といたしましては、率直に申し上げて、予算案が提出される時期までは、値上げ法案については出さないという意味のことであったわけであります。
 また、法案の取り扱いにつきましては、議運理事会における法案係において、従来はどの法案はいつ本会議にかけるか、いつ委員会におろすかという点については、法案係で協議をいたしまして、そうして、各党の合意を見た上で、その処理をいたしておるのであります。ところが、残念ながら、この法案処理の委員会というのは、ただの一度も開かれなかったという経緯のあることをここに御報告しなければならないことを、きわめて残念に思う次第であります。拍手
 次に、六十七条の二によって議運委員長があのような強行をやったが、その法的疑義は、法的に見てどういうところに疑義があるのか、それほどまでに緊急性があったのかということであります。
 これは私の先ほどの趣旨説明の中でも申し上げましたが、それほどの緊急性はさらさらございませんでした。それは論より証拠でございまして、この強行採決をやったのは、九月の二十六日であります。きょうは十月の二十四日であります。かれこれ一カ月間、この法案が今日に至ってようやく強行採決という手段によって審議をされようとしておるこの実態を見ても、そこには何らの緊急性はなく、問題は、この値上げ法案に緊急性があったとするなれば、値上げ法案だけを先議して、そうして結論を出すという、党利党略的ないわゆる緊急性があったと答弁せざるを得ないと思うのであります。拍手
 三つ目の問題は、議運委員長の遺憾の意と陳謝の意の表明の違いについてということであります。
 これは、なかなか、率直に申し上げて、この答弁はむずかしいかと思いますが、遺憾の意というのは、きわめて常識的な意味において文字どおり遺憾の意でございまして、陳謝というのは、悪いことをした、今後は絶対このようなことはしないという、将来に向けての改心の意思を含めての、いわばわび証文でございまして、そこにはおのずから遺憾の意と陳謝の意におきましては、質的な意味において大きな違いがある、このように理解をいたしたいのであります。拍手
 最後の御質問は、議長裁定を受けた立場から見て、私どもがいまこのように反対の立場で国会運営に当たることは、議長裁定との関係において矛盾することはないかということでありますが、絶対矛盾はしないどころか、議長裁定に最も忠実な私は立場であろうと思います。
 なぜかと申しますなれば、私どもは、国会の権威とは何か、それは、何も自民党や与党に対する権威ではない、国民の立場に立って私ども国会の権威ということを守っていくべきであろう、国会の権威とは何か、それは国民の民主的な権利と生活を守るというところに私は基本が置かれるべきであろうと思います。
 そういう観点から申しますと、私ども社会党初め野党、特に社会党の場合は、この裁定案を尊重するに当たりまして、酒、たばこ、郵便料金値上げ法案は大衆収奪の政策であり、さきの国会で廃案となった経緯から見て、これを成立させることはできない。あくまで粉砕のために、その成立を阻止するために全力を尽くして対決をする。また、議長が補正予算の審議途中で値上げ三法を処理するとの態度は適切でないので、高度の政治判断をするよう強く要請するということを、議長裁定を尊重するという立場に立ちながらも、値上げ三法に対する今後の私どもの対応の仕方としては、前尾議長に対しても明確に意思表示をしてきたところでございまして、何ら、この裁定案を尊重するというその立場に立った私どもの立場と、今日私どもがとっておる立場は、全然矛盾しないということを答弁いたす次第でございます。拍手
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前尾繁三郎#15
○議長(前尾繁三郎君) 坂井弘一君。
    〔坂井弘一君登壇〕
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坂井弘一#16
○坂井弘一君 ただいま趣旨説明がありました議院運営委員長田澤吉郎君の解任決議案について、公明党を代表しまして、若干の質疑を行うものであります。拍手
 国会が国権の最高機関であり、議会制民主主義のルールにのっとった運営が行われなければならないことは、いまさら私が指摘するまでもありません。なかんずく、衆議院における議院運営委員長という立場は、議長と並んで衆議院の運営のかなめでございまして、国会の権威を高め、議会制民主主義の発展に資する重要な役割りを担うものであります。
 ゆえに、議院運営委員長は、その運営に当たりましては、当然、一党一派に偏することなく、議会制民主主義のルールを最大限に尊重する決意と自覚を持ち、さらには、国会を私物化せんとする暴挙に対しましては、断固闘い、これを排除して、国会の権威を守り、高からしめるところの正義感と、高潔にして高邁なる精神と人格を具備する、真の政治家とも言うべき人物がその任に当たるべきであります。
 田澤委員長は、青森の四枚腰といわれるその粘り強さ、がまん強さには定評がございます。なおかつ、二十代で県会議員、三十代で県会議長、そして三十五年の総選挙で国会入りを果たした人でございまして、みずからは東北のケネディと称しているそうであります。ケネディと自称しているその根拠につきましては、私の知るところではございません。しかしながら、少なくとも今世紀の代表的政治家と自負している以上は、国民の政治不信を高めるような暴挙は断じて行えなかったと思うのでありますが、東北のケネディたる田澤委員長をして、今回のような暴挙を行わしめた原因は一体どこにあったのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
 また、田澤君は、昭和四十六年以来、議院運営委員長としてその手腕を発揮し、その底抜けの陽気さは、与野党に特に反感も抱かせることなく今日に至ったのであります。このまま従来の姿勢を堅持して正常な議会運営を行っていたならば、さぞかし東北のケネディとしての名声が内外に定着したことは想像にかたくありません。
 しかるに、議会の申し子と自称している三木内閣になってからは、全くその性格を一変するがごとき暴挙を繰り返したことは、一体どういう理由からでしょうか。まことに不可思議と言わざるを得ないのであります。片や議会の申し子であり、片や東北のケネディなのであります。
 さて、田澤君は、自民党にあって大平派に属し、党副幹事長、郵政政務次官というポストを歴任し、どちらかと言えば、じみな分野で活躍されてきたようでありますが、今回の酒、たばこ、郵便の三値上げ法案については、みずからの派閥の領袖である大平大蔵大臣を助けるために、あえて強行採決を行ったという説もありますが、この間の事情について、御存じであればお答え願いたいと思います。
 また、今日の混乱国会を招いた元凶は、田澤議院運営委員長による値上げ三法案の委員会への強行付託にあると考えますが、この点につきまして、明確、かつ詳細なる御答弁をお願いいたしたいと存じます。
 特に、値上げ三法案の提出に関しましては、九月十六日の議運理事会におきまして、「高度の政治判断で対処する」「従来の慣例にのっとり、与野党合意で扱いを決める」ということで正式な合意を見ていたわけでありますが、しかるに、二十六日には議運委員会を自民党単独で開き、本会議を一方的に省略して各委員会に付託するという、議会制民主主義と国民を全く裏切る暴挙を行ったのであります。本会議における趣旨説明を省略して委員会に付託したことは、本会議における議員の審議権を剥奪するものでありまして、議会制民主主義を根底から破壊する重大な問題であり、断じて許せないところであります。拍手
 このような暴挙について、田澤君は、前国会で一院通過した法案については、本会議で趣旨説明を行わないで、そのまま当該委員会に付託されるという先例を盾にとって、その正当性を主張しておりました。しかし、インフレ、不況というかつてないこの深刻な状況下にありまして、いまや、国民生活に関連の深いこの値上げ三法案であります以上は、本会議で審議せよという野党の要求は、これまた当然と言わなければならないと存じます。慣例を盾にとりまして、国民生活に密着した値上げ三法案を委員会に強行付託した態度は、数を頼んだ、議会制民主主義を破壊する暴挙以外の何ものでもないことを重ねて断ずるものであります。この点につきまして、御見解を承りたいのであります。拍手
 九月二十六日の田澤君の暴挙により、国会は完全にその機能をストップしたわけでありますが、正式に合意されたことがいとも簡単に破られるようでは、今後何を信頼し、法案の選択または国会での扱い方をすればよいというのでありましょうか。対話と協調は、三木内閣の表看板であります。しかるに、田澤君は、問答無用の方式を用いたのであります。これでは、真の国会正常化は達成でき得ないと思うものでありますが、いかがお考えでございましょうか。
 しかも、許せないことには、再び同様の暴挙を田澤君が強行したことであります。すなわち、昨日の議運委員会において、委員長職権で一方的に計らい、二十四日午後二時本会議を開会することを公報に掲載させたのであります。一度ならずも二度も、議会制民主主義の精神である話し合いによる議会運営を踏みにじったことは、前代未聞のことでありまして、議会史に汚点を残すものであると思うのでございますが、この点に関しまして、提案者の御所見を伺いたいのでございます。
 従来、各委員会委員長の解任決議案はたびたび本会議に提出されてまいりましたが、いまだかつて、議院運営委員長の解任決議案は、衆議院、参議院を通じまして、上程されたことはないと私は記憶をいたしております。議運委員長の解任決議案は前代未聞であると考えますが、この点については、いかがでありましょうか。
 最後に、このような不名誉な決議案が採択される以前に、田澤君がみずからの暴挙を謙虚に反省し、みずからが委員長の座からおりることを強く要請いたしまして、私の質疑を終わる次第であります。拍手
    〔藤田高敏君登壇〕
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藤田高敏#17
○藤田高敏君 公明党の坂井議員にお答えをいたします。
 なかなかうがった質問でございまして、私、質問の要旨を的確に把握したかどうか、不十分なところがあろうかと思いますが、以下、お答えをいたしたいと思います。
 まず第一は、東北のケネディを自称する田澤君をして、今回のような暴挙を行わしめた原因と背景はいかなるものであるか、詳細に説明されたいという意味であったと思います。
 これは先ほどから説明をしてきましたように、あるいは森井議員への答弁でも答えましたように、その背景となるものは、私は、三木内閣及び自民党の今国会に対応する基本姿勢の誤りから来たと思うのであります。いわゆる独禁法を提案したり、あるいは生活関連法案を早く上程したり、あるいは予算案を出して、不況対策本来の審議をやるべきであるにもかかわらず、そういうものをすべて後回しにして、いわゆる値上げ法案を優先審議して結論をつけろと、こういう自民党のいわば至上命令といいましょうか、政治的圧力によって、田澤委員長がそういう態度をとらざるを得なかった。これは私、先ほども答弁したとおりでございまして、田澤委員長に直接その責任を問わなければならない条件と、いま言った政治的背景という、二つの条件があったと思います。
 二つ目は、議会の申し子であると自任する三木内閣で、田澤君が性格を一変するようなことを引き起こした理由を、もし承知していたら明らかにしてもらいたい。
 これは、先ほど私が答弁したこととも関連をいたしますが、これは党利党略のために、個人的には田澤さんという人はりっぱな人だ、しかし、個人の性格がりっぱであっても、やはり自民党という、こういう少し無理押しをする政党の圧力のためには、田澤さんもどうすることができなかったのじゃなかろうか、まあ、こう考えるわけであります。
 三つ目の質問は、大平派に所属する田澤君が、大蔵大臣を助けるために強行採決を行ったのではないかといううわさがあるが、この間の事情を知っておれば、聞かしてもらいたいということであります。
 これは私の考えでありますが、補正予算を優先審議するということは、田澤議員個人は十分その重要性を理解しておったとしても、前国会からの関連法案であるということで、たまたま、私の承知いたしております限り——派閥のことを言うのはどうかと思いますが、せっかくの質問でございますのでお答えをいたしますけれども、大平派に所属しておるというふうに聞いております。そういう点からいきますと、やはり大平大蔵大臣のメンツを立てる忠誠心のあらわれとしてこうやったのではなかろうか、こう考える次第であります。
 第四点は、今日の混乱国会の元凶は田澤君の強行付託にあると思うが、どうか。
 これは私、先ほども言いましたように、二つの条件がありまして、田澤委員長の責任を直接問われるものと、いわゆる政府・自民党の政治的な背景、この二つの条件があったと思います。
 五点目は、本会議における議員の審議権を剥奪して、民主政治を根底から覆すようなことにならないかということでありますが、これはもう私は、憲法を引き合いに出すまでもなく、憲法の精神からいっても、御質問のとおり、全くそのとおりであろうと考えます。
 六つ目の質問は、各野党が主張した、値上げ三法案の取り扱いに対する要求は不当なものであったと考えているが、御説明を願いたい。
 これは、三木総理自身が、反インフレ、物価抑制を、あるいは、社会的不公正の是正ということを三木内閣の中心課題として政権の座についておるということは、しばしばこの本会議場を通し、委員会を通して国民の前に明らかにしたところでありまして、このような値上げ法案を行うということは、政府主導型の公共料金の値上げによってインフレを助長さし、物価を引き上げることになるわけでありますから、こういう取り扱いは、不当だと言わなければならないと思います。
 次に七つ目の質問は、田澤君のようなやり方は、議会制民主政治を破壊し、国民の政治不信を高めるものとして厳しく指摘されているが、田澤君は反省しているかどうか説明しろ、こういうことであります。
 これは半ば皆さんの御判断にゆだねることが適当かと思いますが、先ほどこれまた私が説明をいたしましたように、田澤委員長が、異例な陳謝の意思表明を議運委員会で行ったにもかかわらず、引き続いてこのような暴挙をやったところを見ると、少なくとも、今日時点では反省の色がない、こういうふうにお答えせざるを得ないと思うのであります。拍手
 あと二つであります。
 前途ある田澤君が、解任されるよりもそれ以前に、その非を悔いて、みずから辞任するよう強く求めることが人間性あふれる方途とも思われるが、その辺をどうお考えになられるか。
 私はそのとおりだと思うのであります。あえて言いますなれば、こういう辞任要求をされる前にみずから辞任されることが、いわば武士の情けともいうべきものではなかろうか、このように考えております。
 最後に、今回の、議運委員長解任決議が本院で提案されて賛否を問われることは、かつてなかったものと承知しておるが、こうした悪例は議会政治に重大な汚点を残すものではないかという質問でございます。
 その点につきましては、私も、この解任決議の趣旨説明に当たりまして前例を調べてみましたが、いままでこのような前例はございます。しかし、今回のように、一国会の中で二回までもこの議運委員長の責任を問われるような、いわば悪質な行動に出たということは、これは異例なことであろうと思います。
 以上、答弁にかえたいと思います。拍手
    —————————————
  質疑終局の動議
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前尾繁三郎#18
○議長(前尾繁三郎君) 宇野宗佑君外二十四名から、質疑終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
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前尾繁三郎#19
○議長(前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
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前尾繁三郎#20
○議長(前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。——開鎖。
    〔議場開鎖〕
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前尾繁三郎#21
○議長(前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
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前尾繁三郎#22
○議長(前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
 投票総数 三百七十五
  可とする者(白票)       二百十四
  否とする者(青票)       百六十一
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前尾繁三郎#23
○議長(前尾繁三郎君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。
    —————————————
 宇野宗佑君外二十四名提出質疑終局の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    愛野興一郎君
      赤城 宗徳君    天野 公義君
      天野 光晴君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      稲村 利幸君    今井  勇君
      宇田 國榮君    宇野 宗佑君
      上田 茂行君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 英男君
      浦野 幸男君    江藤 隆美君
      小此木彦三郎君    小沢 一郎君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大石 千八君
      大石 武一君    大竹 太郎君
      大野  明君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大平 正芳君
      大村 襄治君    奥田 敬和君
      奥野 誠亮君    加藤 紘一君
      加藤常太郎君    加藤 六月君
      加藤 陽三君    海部 俊樹君
      笠岡  喬君    梶山 静六君
      粕谷  茂君    片岡 清一君
      金丸  信君    金子 一平君
      金子 岩三君    亀岡 高夫君
      鴨田 宗一君    唐沢俊二郎君
      仮谷 忠男君    瓦   力君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      木村武千代君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      熊谷 義雄君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    黒金 泰美君
      小泉純一郎君    小坂徳三郎君
      小島 徹三君    小平 久雄君
      小林 正巳君    小宮山重四郎君
      小山 省二君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    國場 幸昌君
      左藤  恵君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤 孝行君
      佐藤 文生君    佐藤 守良君
      斉藤滋与史君    坂田 道太君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀  節君
      塩川正十郎君    塩崎  潤君
      塩谷 一夫君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島田 安夫君
      島村 一郎君    正示啓次郎君
      白浜 仁吉君    菅波  茂君
      鈴木 善幸君    住  栄作君
      瀬戸山三男君    染谷  誠君
      田川 誠一君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      高鳥  修君    高橋 千寿君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      竹中 修一君    谷川 和穗君
      地崎宇三郎君    塚原 俊郎君
      坪川 信三君    戸井田三郎君
      渡海元三郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    中尾  宏君
      中川 一郎君    中曽根康弘君
      中村 弘海君    中村 寅太君
      中山 正暉君    灘尾 弘吉君
      楢橋  進君    丹羽喬四郎君
      丹羽 兵助君    西岡 武夫君
      西村 英一君    西村 直己君
      西銘 順治君    野田 卯一君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      羽田  孜君    羽田野忠文君
      羽生 田進君    葉梨 信行君
      橋本登美三郎君    橋本龍太郎君
      長谷川四郎君    旗野 進一君
      服部 安司君    浜田 幸一君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      林  大幹君    林  義郎君
      原田  憲君    廣瀬 正雄君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 一臣君
      福永 健司君    藤井 勝志君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      船田  中君    古屋  亨君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    前田治一郎君
      前田 正男君    増岡 博之君
      松澤 雄藏君    松永  光君
      松野 幸泰君    松野 頼三君
      松本 十郎君    三池  信君
      三木 武夫君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    三塚  博君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    宮崎 茂一君
      宮澤 喜一君    村岡 兼造君
      村上  勇君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山 ひで君
      森  美秀君    森  喜朗君
      森下 元晴君    森山 欽司君
      安田 貴六君    保岡 興治君
      山口 敏夫君    山崎  拓君
      山崎平八郎君    山下 徳夫君
      山田 久就君    山中 貞則君
      山村新治郎君    山本 幸雄君
      吉永 治市君    綿貫 民輔君
      渡部 恒三君    渡辺 栄一君
      渡辺 紘三君    渡辺美智雄君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    阿部未喜男君
      井岡 大治君    井上  泉君
      井上 普方君    石野 久男君
      板川 正吾君    稲葉 誠一君
      岩垂寿喜男君    上原 康助君
      枝村 要作君    小川 省吾君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      岡田 哲児君    岡田 春夫君
      加藤 清政君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      金瀬 俊雄君    金丸 徳重君
      金子 みつ君    川崎 寛治君
      川俣健二郎君    河上 民雄君
      木島喜兵衞君    木原  実君
      久保 三郎君    久保  等君
      小林 信一君    兒玉 末男君
      上坂  昇君    佐々木更三君
      佐藤 観樹君    佐藤 敬治君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      斉藤 正男君    坂本 恭一君
      阪上安太郎君    柴田 健治君
      島本 虎三君    嶋崎  譲君
      下平 正一君    田口 一男君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      高沢 寅男君    竹村 幸雄君
      楯 兼次郎君    塚田 庄平君
      土井たか子君    堂森 芳夫君
      中澤 茂一君    中村  茂君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      野坂 浩賢君    馬場  昇君
      長谷川正三君    原   茂君
      日野 吉夫君    平林  剛君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      藤田 高敏君    古川 喜一君
      堀  昌雄君    松浦 利尚君
      三宅 正一君    美濃 政市君
      武藤 山治君    村山 喜一君
      村山 富市君    森井 忠良君
      八百板 正君    八木  昇君
      安井 吉典君    山口 鶴男君
      山田 耻目君    山田 芳治君
      山中 吾郎君    山本 政弘君
      山本弥之助君    湯山  勇君
      米田 東吾君    横路 孝弘君
      横山 利秋君    吉田 法晴君
      和田 貞夫君    渡辺 三郎君
      渡辺 惣蔵君    青柳 盛雄君
      荒木  宏君    諫山  博君
      石母 田達君    梅田  勝君
      浦井  洋君    金子 満広君
      木下 元二君    栗田  翠君
      小林 政子君    紺野与次郎君
      柴田 睦夫君    庄司 幸助君
      瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君
      田代 文久君    田中美智子君
      多田 光雄君    津金 佑近君
      津川 武一君    寺前  巖君
      土橋 一吉君    中川利三郎君
      中路 雅弘君    中島 武敏君
      野間 友一君    林  百郎君
      東中 光雄君    平田 藤吉君
      不破 哲三君    正森 成二君
      増本 一彦君    松本 善明君
      三浦  久君    三谷 秀治君
      村上  弘君    山原健二郎君
      米原  昶君    浅井 美幸君
      新井 彬之君    石田幸四郎君
      大久保直彦君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      鬼木 勝利君    北側 義一君
      小濱 新次君    坂井 弘一君
      坂口  力君    鈴切 康雄君
      瀬野栄次郎君    田中 昭二君
      高橋  繁君    竹入 義勝君
      林  孝矩君    広沢 直樹君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      松尾 信人君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君
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前尾繁三郎#24
○議長(前尾繁三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。加藤紘一君。
    〔加藤紘一君登壇〕
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加藤紘一#25
○加藤紘一君 私は、ただいま藤田高敏君が議院運営委員長の解任決議案について述べられた提案理由説明を静かにお聞きいたしました。
 しかし、その説明は、まさに事実を歪曲したものであり、全く党利党略に出たもの以外の何物でもありません。よって、私は自由民主党を代表して、かかる理不尽な決議案に断固反対の意見を申し述べるものであります。拍手
 言うまでもなく、議院運営委員会の職責は、議長を補佐し、議院の円満にして正常な運営を図り、国会の機能を十分に発揮して、国民の負託にこたえることであります。
 田澤委員長は、かつて昭和四十六年七月から約一年半の議院運営委員長の重責にあって、りっぱにその職責を果たされ、昨年十二月の第七十四臨時国会に、再びその手腕を買われこの委員長に就任され、現在に至っているのでございます。その間、与野党の意見が鋭く対立して、きわめて困難な事態に逢着したことが幾度かございましたが、田澤委員長は、望洋とした風貌の中に、卓越した識見をもって事に当たり、全身全霊を傾けて、公正な議事運営に努めてこられたのでございます。
 提案者は、本決議案提出の理由として、今回の酒、たばこ、郵便三法案の付託決定に際して田澤委員長のとられた措置を挙げているのでございます。
 わが党は、三法案の提出以来、再三にわたり、野党四党に対し、三法案の取り扱いについて協議に入るように求めてまいりましたが、野党の諸君は、あくまでもこれを拒否し続けたのであります。よって、わが党は、やむなく、直ちに委員会に付託するよう議長に答申することを提案いたしました。しかるに、野党の諸君は、これにも反対されましたので、田澤委員長は、やむを得ず委員会を開会し、議長において付託するよう決定を見たのであります。
 議案の審議は、われわれ国会議員に課せられた最大の責務であります。提出されてすでに八日間も経過した三法案の取り扱いも決定しないまま、いたずらに放置することは許されません。田澤委員長は、この観点に立って、憲法、国会法の精神にのっとり処置されたのでありまして、これを第一の解任の理由に挙げていることは、国会みずからの審議権を否定しているもの以外の何物でもございません。
 また、提案者は、本決議案提出の第二の理由に、今回の三法案の本会議上程について田澤委員長のとった措置を挙げておられるようでございます。
 今回の三法案の扱いについては、党派を離れて、ひたすら公正な運営を念願されておる前尾議長が、各党の考え方を篤と聞き、慎重にも慎重を期し、熟慮の上、議長裁定を下されたことは、皆さん御承知のとおりでございます。各党それぞれの意見もあり、考え方もあるでありましょうが、一度議長の裁定が下った以上は、議長の権威を尊重し、これに従うことが、議会制民主主義のルールであります。拍手わが自由民主党が直ちにこれをお受けしたのも、この理由からにほかなりません。また、野党の一部には反対するかたくなな政党もありましたが、日本社会党及び民社党がこの裁定を尊重する旨を表明されたことは、議会制民主主義の発展のためにも敬意を表するものでございます。
 議長裁定の骨子は、値上げ三法案は、補正予算の審議に入った後の本会議において議長が処理すること、そして、その処理は再来週、すなわち現時点で言えば、今週中に処理いたしたいというものでございます。
 このような事態を踏まえて、田澤委員長は、議長裁定をいかに円満に具体化していくかについて心を砕き、心血を注がれたのでございます。しかしながら、結局与野党の歩み寄りは見られず、田澤委員長におかれましては、最後には、多数の意見に従って処するという民主主義の原則にのっとって判断し、みずからの責任をもって処置されたのであります。
 しかるに、ただいま提案された決議案は、田澤委員長の議会人としてのこの当然の行為をいたずらに誹謗し、理由なき理由を付して解任せんとしているのであります。これは、いかにわれわれと政治的立場を異にするといえども、提出者の真意をはかりかねるところでございます。また、このようなルールを無視し、利己的な野党諸君を相手に連日奮闘しておられる田澤委員長に、心からの同情を禁じ得ません。拍手そのしんぼう強さ、そして話し合い尊重の精神だけでも、田澤委員長は名委員長と言えるのでございます。拍手
 ここに、正義と良識をもって任ずる議員諸君とともに、本決議案に断固反対の意思を表明して、討論を終わります。拍手
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前尾繁三郎#26
○議長(前尾繁三郎君) 斉藤正男君。
    〔斉藤正男君登壇〕
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斉藤正男#27
○斉藤正男君 私は、日本社会党を代表し、議院運営委員長田澤吉郎君解任決議案の趣旨に賛成の討論を行うものであります。拍手
 田澤吉郎君は、大正七年一月、青森県南津軽郡に生まれておりますが、実は、かく言う私も大正七年生まれであります。とかく、うま年の男は前ひざではね上がりぎみで、事は常に慎重に運ばなければいけないということを多くの人たちからも忠告をされ、私もまたその気配がありますので、きわめて日常活動には慎重を期してまいったつもりであります。同じ大正七年生まれの田澤君の今回のこの国会における行動は、同期に生まれた男としてもきわめて残念であります。
 また、君は若くして志を立て、東北の名門東奥義塾に学び、早稲田大学の政経学部を卒業されております。大隈重信侯が地下で何とあなたのことを考えているであろうか。それにも増して、早稲田大学創立のために、多くの人には知られておりませんけれども、小野梓先生は、当時の憲法を十分研究をされ、当時としては、憲政の神様として、これまた早稲田大学に不朽の名を残しております。
 そういう意味からいっても、私は、田澤吉郎君の今度の行動については、どうしても理解できません。
 しかも、ことしは国民参政八十五周年、普選実施五十年、婦人参政三十年、あなたの名前で憲政記念館ではこの盛大な式典が挙行されたではありませんか。言うならば、あなたは、今時点における憲政の守護神として、当然憲政正常化のために挺身しなければならない。しかも、ことしは国際婦人年であります。酒が値上がりをし、たばこが値上がりをし、郵便料金が値上げをされ、家計を圧迫し、一番このことに苦しみ悩むのは婦人ではありませんか。私は、有権者の過半数を占める有権婦人の方々が、あなたを怨嗟の目で恨んでいる姿が、ほうふつとして眼に浮かぶのであります。拍手
 しかも、去る十六日、先輩各位に聞いてみましても、いまだかつて経験したことのないという、議院運営委員会を第一委員室で開催をされました。議院運営委員会は、普通、所定の場所で行われるのが当然でありますけれども、あのひのき舞台で、しかも、あなたは冒頭、なぜその不手際につき陳謝をしたのでありましょうか。先ほどの反対討論者は、謝ることはないと言われましたけれども、すでにあなたはあの委員会の冒頭で謝っておるのであります。謝る理由がなければ、なぜあのとき開き直らないのか、私には論理がわかりません。しかも、一度ならず二度まで、きょうこの本会議の冒頭、あなたに対する解任決議案が再度提出されるということは、よくよくのことでなければかようなことはないと存ずるわけであります。拍手
 私は、あなたとは公私の間でいろいろな関係がございます。特に、韓国の青年李採九君の救済問題につきましては、立場は違います。与野党の差はありますけれども、あなたも人道的な立場から、きわめて熱心にこの問題と取り組んでくれました。私は、そういう点では、あなたの政治活動につき、高くこれを評価をし、実は感謝すらいたしておったのでありますけれども、そのあなたの快挙も、きょうのこの一事で、すべて帳消しであり、マイナスであります。拍手
 また、私は、あなたが第一回目の議院運営委員長に就任をされた当時、お供をして、欧米各国の議会制度の視察に同行させていただきました。どこへ行っても、そのあなたの行動たるや、本院の議院運営委員長として全く恥ずかしくない、うってつけの行動だったにもかかわらず、これまたそのあなたが、何で一度ならず二度までもこのような愚挙をあえてされたのか、全くわからないのであります。
 私は、率直に申し上げて、あなたがこの本会議がこの行動に出る前に、自由民主党に対し、院に対し、議院運営委員長の職をみずから辞退する行動に出てほしかったと思います。しかし、そのようなことはできない事情があったのでありましょう。私は、国会の名において、あなた個人の問題というよりも、自由民主党のために、実にこの暴挙を惜しむものであり、憲政史上大きな汚点を残したと考えるわけであります。
 欽定憲法と言われ、明治憲法と言われた旧帝国議会時代でも、予算委員会開会中に一つの法案が院を通過、成立するなんということは、恐らくなかったと考えております。これもまた、あなたが議院運営委員長時代に一つの汚点として歴史上残っていくことを考えますと、残念でたまりません。
 私は、心から賛成者の提案に敬意を表し、そしてまた、この解任決議案に満堂の諸君の賛成を期待し、討論を終わるものであります。拍手
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前尾繁三郎#28
○議長(前尾繁三郎君) 松本善明君。
    〔松本善明君登壇〕
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松本善明#29
○松本善明君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、議院運営委員長田澤吉郎君解任決議案に賛成の討論を行うものであります。拍手
 議院運営委員長田澤吉郎君は、昨日から本日にかけて、わが党を初め野党の反対を押し切って、議題さえない本会議の設定を行い、その本会議の開会を強行したのであります。その行為は、国権の最高機関である国会の秩序を乱し、その民主的運営を踏みにじる不当不法をあえて犯したものであるばかりではなく、この本会議で政府・自民党が画策する値上げ三法案の成立に手をかし、加担したものであります。拍手
 そもそも、酒、たばこ、郵便料金の値上げ問題は、深刻な不況、インフレ対策が強く求められているこの国会において、大企業本位の不況対策を行うか、国民生活の立場に立った不況対策を行うかのかぎとなるものであります。また、国民からしぼり取って大企業に国家資金を注ぎ込み、てこ入れを行う反動政策の突破口を開かせるかどうかという重大な問題であります。
 わが党は、今国会を、不況、インフレのもとできわめて困難な状態に陥れられている国民の生活を防衛するとともに、日米首脳会談の危険な実態の究明を行うなど、国民の立場に立って審議するものとしなければならないと主張してまいりました。ところが、政府・自民党は、前国会で国民の大きな批判を受けて廃案となった酒、たばこ、郵便料金値上げ法案をあくまで成立させようとして、補正予算の準備もできていない九月十一日に国会を召集し、七十五日という大幅会期を決定し、これら法案を提出してまいりました。
 今国会は、このように開会劈頭から異常でありました。したがって、議院の運営は、旧来にも増して、慎重かつ公正に進めるべきことが求められていたにもかかわらず、議院運営委員長田澤吉郎君は、九月二十六日、わが党初め野党が一斉に反対しているにもかかわらず、議院運営委員会の職権開会を強行し、三法案の関係委員会付託を、自民党の単独で強行採決するという暴挙に出たのであります。
 議院運営委員長田澤吉郎君のこの行為は、職権を乱用して委員会を混乱に陥れ、委員会の秩序を撹乱してはばからないものであります。
 その後、これらの法案は、周知のように、五党国対委員長会談の行われている最中に、大蔵、逓信両委員会で自民党の単独強行採決が行われたのであります。田澤君の行為は、このような暴挙に道を開き、今国会全体の混乱の端緒をつくったものとして、その責任はきわめて重大であり、厳しく追及されなければならないものであることは言うまでもありません。拍手
 このようにして引き起こされた国会の異常事態に対して、議長が示した裁定案は、三法案について、補正予算の審議に入った後の本会議において議長が処理したいというものでありました。これは、新たな強行採決の日程を決めるものでありました。わが党は、このような裁定を認めず、やり直しを要求いたしました。
 さらに重大なのは、現在予算委員会が開会され、予算が審議中であるということであります。
 三法案の当否は、酒、たばこ、郵便料金の値上げ問題を含む補正予算の審議が終わって、初めて明らかになるものであります。現に、わが党の荒木議員は、この審議の中で、たばこの原価、郵便料金の値上げの影響についての資料と報告を求め、その資料提出と報告が二十五日に行われることになっておりました。そして、これに基づいて、二十七、八日にもわが党の再追及が行われる予定であったのであります。このような審議を無視して値上げ三法案を本会議に上程するということは、新たな暴挙を重ねるものと言わなければなりません。拍手
 今国会では、仮谷建設大臣が、国会答弁をいいかげんなものという暴言を吐いて、陳謝をいたしました。予算委員会の審議を軽視した今回の暴挙は、予算委員会の審議をじゅうりんするものであり、いいかげん答弁以上に重大なものであります。わが党は、国権の最高機関の審議をこのようにないがしろにすることを、断じて許すことができません。拍手
 こうして、きわめて不当不法な本会議が強行されているのであります。議院運営委員長田澤吉郎君は、さきに述べた九月二十六日のこれら三法案の単独委員会付託について陳謝をしたのでありますが、本日の暴挙は、わが党が指摘していたように、この反省が全くの口先だけのものであったということを明白に証明をしております。拍手
 このような暴挙の責任は、一体どこにあるのでありましょうか。それは言うまでもなく、三木内閣、自民党にあります。政府・自民党が酒、たばこ、郵便料金の値上げを強行して、公共料金、独占価格値上げの引き金を引こうとしていることこそ、最も糾弾されなければならないことであります。田澤君は、これら一連の暴挙の中で重要な役割りを果たしました。この責任はきわめて重大であります。
 さらに、九月二十六日と本日の議院運営委員会での暴挙については、直接責任を負わなければなりません。
 このように、議会制民主主義をどろぐつで踏みにじるような田澤君に、とうてい議院運営委員長の資格がないことは、言うまでもありません。
 私は、以上のような理由で、断固として、議院運営委員長田澤吉郎君の解任の決議案に賛成する意見を述べて、討論を終わります。拍手
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  討論終局の動議
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