大蔵委員会

1980-03-28 参議院 全410発言

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会議録情報#0
昭和五十五年三月二十八日(金曜日)
   午後一時三分開会
    —————————————
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     福間 知之君     川村 清一君
     多田 省吾君     中野  明君
     鈴木 一弘君     和泉 照雄君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         世耕 政隆君
    理 事
                中村 太郎君
                細川 護煕君
                片岡 勝治君
                矢追 秀彦君
                中村 利次君
    委 員
                浅野  拡君
                岩動 道行君
                梶木 又三君
                河本嘉久蔵君
                坂野 重信君
                嶋崎  均君
                塚田十一郎君
                藤井 裕久君
                藤田 正明君
                小野  明君
                川村 清一君
                小谷  守君
                丸谷 金保君
                和泉 照雄君
                中野  明君
                佐藤 昭夫君
                渡辺  武君
                市川 房枝君
                野末 陳平君
   国務大臣
       内閣総理大臣   大平 正芳君
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
   政府委員
       防衛庁防衛局長  原   徹君
       防衛施設庁労務
       部長       伊藤 参午君
       大蔵政務次官   遠藤  要君
       大蔵大臣官房審
       議官       水野  繁君
       大蔵大臣官房審
       議官       福田 幸弘君
       大蔵大臣官房審
       議官       梅澤 節男君
       大蔵大臣官房審
       議官       垂水 公正君
       大蔵大臣官房審
       議官       宮本 保孝君
       大蔵省主計局次
       長        禿河 徹映君
       大蔵省主計局次
       長        吉野 良彦君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省関税局長  米山 武政君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆司君
       国税庁次長    伊豫田敏雄君
       国税庁直税部長  矢島錦一郎君
       国税庁調査査察
       部長       矢崎 新二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       行政管理庁行政
       監察局監察官   重富吉之助君
       農林水産省畜産
       局審議官     井上 喜一君
       郵政省貯金局奨
       励課長      神谷 和郎君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○税理士法の一部を改正する法律案(第九十回国
 会内閣提出、第九十一回国会衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    —————————————
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世耕政隆#1
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 税理士法の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、右四案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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丸谷金保#2
○丸谷金保君 今回の所得税法の改正、大変御苦労なさっておりますし、少額貯蓄者の利用者カードの導入というふうな問題につきましては、これは実際にはやってみなければいろんな問題点がまたわからないわけですけれど、一応前向きに取り組んだということは、私も実は評価しているんです。しかし、評価はしているけれど、じゃこれで全くいいかということになると、他に方法がなかったのかということについては、さらにこれは論議を深めておく必要がある問題でなかろうか、かように考えておる次第でございます。
 これは、一つは、こういうカード式によって番号を打つのと、申告納税制度という大前提に立った場合に、少額貯蓄者の税額控除というふうな方法もあり得たんじゃなかろうかと。なぜそういう方法を採用しなかったのか、それらの、現在の略して言うグリーンカード方式と税額控除方式とのそれぞれについて大蔵当局としては検討しておったと思いますので、その点をひとつ御説明いただきたいと思います。
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高橋元#3
○政府委員(高橋元君) 利子・配当課税でございますが、これは四十五年に基本的に総合課税に移行することが望ましいという方向を出しまして、それをそのときから十年間、源泉選択、分離選択課税の制度を残しておりました。五十五年の末をもって源泉選択課税の期間が切れますので、今後は所得税法の大原則に戻りまして、利子・配当所得について総合課税を行うという時期であります。
 ところで、現在預金というのは、個人預金でございますと、二百数十兆という大きさになるわけでございますが、それが郵便貯金で三億口を超え、それから民間の金融機関の預金で一億数千万口を超えております。こういう非常に大量の預貯金について、また株式につきましても同様でございますが、配当につきまして、その支払いの際に、どうやって所得を把握するかということが一番基本でございます。
 そこで、いまもお話のございましたように、いろいろな方法につきまして税制調査会なり私どもの部内で検討いたしたわけでございます。いまお話のございました税額控除方式というのは、恐らく非課税貯蓄制度を一切やめる、郵便貯金なりマル優についても全部制度を廃止をいたしまして、すべての預金について課税をいたします。そのかわり、マル優でもって比較的低額の所得者が受けておられる税制上の優遇に相当する部分をそれぞれの所得税から控除してもらう、こういう御提案だと思うのであります。それは私どもも十分検討いたしておったわけでございますが、基本的に、いま申し上げた数億口という預金の口座、それから公社債の枚数、それから株式の株数、ぞれそれにつきまして、実は日本の長い間の慣行がそうなってきたわけでございますけれども、それが本当にだれの名義のものであるかということが把握できないわけでございます。
 したがいまして、全部について課税をすると、現在二〇%普通であれば源泉徴収いたしておりますが、二〇%の源泉徴収でその方のを総合した場合の税率に足りるのか足りないのかわからないわけでございます。ですから、マル優制度のもとに、また郵便貯金の非課税制度のもとに、少額貯蓄について優遇をしておるそれだけの税額控除を考えることはできますけれども、しかしながら、その基礎になります課税の公平、これはそれぞれの預金の名義を正確に把握して、御自分の預金についての利子、また御自分の株式についての配当、それらを他の所得に総合して課税をしていくということは理想でございますから、どうしても本人の名義を確認する方法、それから確認された名義について名寄せをする方法と、それを考えませんと実を上げることはとうていできない、形を変えたまた分離課税制度に戻ってしまうということが考えられます。
 そこで、税制調査会でも、それ以外にも、たとえば納税者番号というものをつくりまして、すべての人、それからすべての法人につきまして強制的に付番をいたすわけであります。その番号がなければ預貯金に関する取引、利子・配当に関する取引ができないわけでございます。取引をする際にはその付番された番号を全部通知をすると、こういう制度を考えたこともございますけれども、これもすべての国民にいわば一斉に事前に付番をするという制度でありますから、これにつきましても国民のプライバシーと申しますか、そういうこともございまして、一般の御理解が行き届かない面がまだまだある。
 もう一つ考えました制度は、先ほど申し上げました、丸谷先生からお話ありました制度をちょっと変えた形になりますけれども、すべての預貯金について、たとえばいま所得税の最高税率が七五%でありますから、七五%で源泉徴収してしまう。それで後は御本人が、自分のどういう名義になっておるものであれ、自分の金融資産を自分で名寄せをして税務署に申告していただく。そうしますと、その分は還付になるわけです。七五%以上の税率の方はないわけでございますから、すべての場合に還付が起こってまいります。
 そういう制度も考えてみたわけでございますが、冒頭おっしゃいます税額控除方式とこの最高率源泉徴収方式とには、物すごい数の還付が伴うという問題が起こってまいります。現在、三月十五日に確定申告をしてくださる方が約四百万ぐらいおります。還付を受けにおいでになる方も、同じ数おいでになるわけでございます。もとより正当な還付は国民の権利でありますから、税務署の窓口でも極力優先してやっておるつもりでございますけれども、短期間のことでございますから非常に事務が錯綜いたします。四百万ですらそうでございますから、仮に最高率源泉徴収いたしますと、一億の方が全部還付を請求されるということになってしまって、これはもう窓口の混乱ははかり知れない。それはひいては国民に非常に御不便をおかけするということになりますので、実際的にはできない制度であろうという結論に達しております。
 で、いろいろ申し上げましたけれども、いろいろな方式を検討いたしました結果、現在御提案いたしております所得税法によるグリーンカード制度を採用して、五十九年一月一日から全体の利子・配当所得について総合課税に移行するという結論に達したというのが、私どもの検討の結果であります。
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丸谷金保#4
○丸谷金保君 いまの銀行法の現行のままではやっぱり問題があると思うんですが、六月、十二月というふうな利息計算をすれば、還付にしないで所得申告をするときに一緒にして税額控除の方式をとることができるんじゃないですか。十二月ですと銀行の方が未払い利息の勘定を立てますから、きちっともうぎりぎりその日のうちくらいに全員のあれができている、税額控除ができるわけですね、利息の課税の金額は。ですから、十二月にできれば、二月の申告のときには還付をするんでなくて、もうその時点で総合課税の中に入れて申告をすると一遍で済む、こういうことが起きるし、それから同じように、今度は歳入の方について、三月以前に収納しておけば支払い財源に還付の財源が困るというようなことにもならないんじゃないですか。
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高橋元#5
○政府委員(高橋元君) 現在利子・配当につきましては、支払いの都度源泉徴収をいたしております。源泉分離を選択しておられれば三五%でございますし、それからそれ以外のものであれば二〇%源泉徴収をいたします。ただし、マル優郵便貯金につきましては利子を取っておりません、こういう制度でございますから。金融機関または証券会社なり配当の支払い代行会社から配当を受け取られる場合には、すでに源泉徴収は済んでおるわけであります。
 先ほど還付と申し上げましたのは、実は源泉徴収税率を、いま二〇でやっておりますのを七五という個人の所得税の最高税率まで上げてしまえば、架名のものも御自分で名寄せなさるでしょうし、納税者が還付の権利を行使するために自分の預金を全部自分で名寄せなさる。そういう意味では、一番完全な制度に観念的にはなり得る。したがって、七五%の源泉徴収ということを仮に考えてみますということを申し上げたわけでございます。したがって、その場合には七五%と、御本人のそれぞれの方の現実に適用される所得税の税率、四六とか三八とかさまざまございますけれども、その税率の差額が必ず戻ることになるわけです。それは税務上戻るわけです。そういうふうに申し上げたつもりだったわけでございます。
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丸谷金保#6
○丸谷金保君 通知預金や定期預金はそういうことになりますけれど、普通預金の場合、現在やっぱり分離課税をやっておりますね。その関係が非常にむずかしくなる分については、それほどのことじゃなくできるじゃないですか。
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高橋元#7
○政府委員(高橋元君) 普通預金につきましても、現在源泉徴収はさせていただいております。その源泉徴収税率は二〇%または源泉分離であれば三五%、これは定期と同様であります。
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丸谷金保#8
○丸谷金保君 そうめんどうにはならないような気がするんですがね。一番確実な把握ができて、四百万あるから四百万全部還付請求ということなくて、申告のときで、ほとんど多少の所得税を払う人はその税との差額も出てきますし、預金利子等の分もですね。だから、むしろ現在所得税の前年度に申告になっていました、十月か九月ごろに一遍予定申告ですか、ああいうので税額取っていますね。そういうのと同じように十二月末で切って、それらが税の財源になって、三月に還付するとなったらもう三月直ちにできる。
 必ずしも四百万が四百万全部還付になるというわけじゃない。何かもっと別な理由、たとえばそのことが政策的に貯金を奨励するということに大きな支障になるという角度での、私はこれは採用できない原因じゃなかったのかなと思って聞いたんですが、そこら辺いかがですか。
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高橋元#9
○政府委員(高橋元君) 利子・配当につきましても、総合課税方式に移行すると申し上げました。その総合課税と申しますのは、利子を受け取られる方のそれぞれの全体の所得がどうなっているかということによって、適用される最終的な税率がみんな違っておるということでございます。したがって、源泉徴収をどんなに精密にいたしましても、その方が現実に申告なさる税率と利子について、すでに源泉でいただいている税率との差額というものが出てくるわけでございます。それが申告で納めていただくか申告で還付をするか、いずれかという形になります。ほとんどの場合になります。それが一つの問題でございます。
 もう一つの問題は、まあこれは国税庁おりまして申し上げにくいのですが、かなり大口の所得の脱漏がある場合に、調査をしてみますと、そういう方々の脱漏した所得は架名の預金になっておる、架空名義預金になっている場合がずいぶんございます。架空名義の預金につきましては、マル優でない限りは源泉徴収をかけておるわけでございますけれども、しかしながら、それが正しく申告されるという保証もこれまたないわけでございます。したがって、その二つの問題を解決しようといたしますと、どうしてもグリーンカードのようにカードをもって御本人であることを金融機関に示して知らせていただいて、金融機関も確かにカードを持っておられる御本人の名義の口座に受け入れるということを確認をいたしまして、その上そこからその方々の預金を、さまざまの口数の預金を名寄せをしていくということが必要になってくるわけであります。
 そういたしませんと、預金に関する課税の公正ということは、税法の法律の条文としてはともかく、実際の制度の執行においてはとうてい期せられない。それが今回のグリーンカード制度を御提案申し上げた一番根本の考え方、根本の必要性でございます。
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丸谷金保#10
○丸谷金保君 この場合たとえば住民票、必ずそういうことが必要になってきますね。そうすると、あれですか、普通預金等においても、そういう住民票等を持参しない場合には通帳はもう一切つくらないと。郵便貯金の場合はどうなります、この場合。
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高橋元#11
○政府委員(高橋元君) そういうことにお聞き取りいただいたとすると、私の御説明が悪かったわけでおわびをいたしますが、現在は普通預金につきましては確定申告をなさる必要がございませんで、これは比較的利子も安いわけでございますから、二〇%源泉徴収をいただけば、あとの支払い利息につきましては申告が不要であります。このことは、国税庁の実務の面もございまして、五十九年一月一日以降も恐らく変わらないだろうと思います。
 問題は、預金の大半を占めております、利子所得につきましての大半を占めております定期の預貯金でございますから、これにつきましてはすべてグリーンカード制度の対象といたします。対象といたしますのは、その方がマル優なり郵便貯金なり非課税の制度を適用しようとするときには、グリーンカードで御本人の名前と番号を告知していただいて、金融機関が確認をいたしまして、それを預金証書なり預金通帳なりに書くわけでございます。そういう形で、確かにグリーンカードをお持ちの御本人の預金ですということで、それを三百万なら三百万というマル優の限度の中に抑えていくようにする。
 グリーンカードをお持ちでない方で、普通預金をなさろう、また定期預金をなさろうという方は、住民票なりそれから会社の登記簿の抄本なりというものを金融機関にお示しいただいて、これは何丁目何番地におる実在の人物でありますということを金融機関が確認をいたしまして、それでお預かりをして利子の支払いをすると、こういうことでございます。
 したがいまして、グリーンカードというのは、原則としてマル優の、または郵便貯金の非課税を受ける場合の要件でございまして、あわせていま住民票または会社登記簿の抄本と申し上げましたけれども、マル優で預金を持っておって、また課税貯蓄を持たれる方が大部分でございましょうから、そういう方は住民票のようなめんどうなものでなくて、郵便局にお持ちになるグリーンカードを、課税貯蓄を預け入れる場合にも課税貯蓄の利子を受け取る場合にもお示しいただければ、それでよろしいということに考えておるということであります。
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丸谷金保#12
○丸谷金保君 実は、現行のマル優の制度のような三百万というふうなことについての免税の措置ですわね。市役所へ行って住民票をもらうということも、これ実はなかなか一大決心の要ることなんです。われわれはいとも簡単に住民票と言いますけれど、一般の大衆はあそこをまたいで中へ入るだけでもえらい抵抗を感じるし、やっぱりにこにこして応対をしていても、非常に入りにくいという感じを残念ながら持っておるわけです。で、それが全部こういう貯金をする場合にそういうものを持ってこなけりゃだめだということになると、もうそういうのならやめちゃおうというのが大分出てくるのじゃないでしょうか。
 それともう一つ心配なのは、実際に現行のあれからいっても、財形の五百万とマル優の三百万で八百万ですわね。四人家族でそれぞれの名前にすれば三百万のマル優だけでも千二百万、こういう余裕のある国民というのは一体どれだけいるだろうかと考えますと、そんなに大きな数じゃないですね、実際問題として。しかし、きのうも話がありましたように、わずかの者であっても、それらが多額の要するに架空名義預金でもって非常な脱税をしているというふうなものをなくしていくというために、全部の善良な国民がグリーンカードを持たなきゃならなくなる。何かもう一知恵なかったものでしょうか。
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高橋元#13
○政府委員(高橋元君) 現在でもマル優をお預けになる場合には、非課税貯蓄申告書というものを最初に出していただくわけであります。どの金融機関のどこどこの店に預金の形で二百万預けます、それはマル優にしてくださいということを金融機関の支店長を通して税務署長に申告をしていただく、これは多種類、多店舗でございますなら、三百万の枠は幾つの店に分けてもよろしいわけでございます。それをまずやった上で、一回一回預金をするときに、また非課税貯蓄申込書というのを出していただくわけでございます。そういう手続はいまお願いをいたしております。
 その非課税貯蓄申告書をお出しになるときに金融機関の支店長さんが、この人はどうも本当の名前じゃないらしい、大石内蔵助というのはおかしいじゃないかということであれば、住民票でもよろしいわけですし、運転免許証でもよろしいわけですが、その方が大石内蔵助であるということを見せてくださいということをお願いをすることになっております。やはり本人確認というのは、金融機関の責任でやることになっております。
 しかしながら、それをずいぶん長い問やってきたわけでございますが、やってもやはり架名の預金というものが非常に多いわけでございますし後を絶たないわけでございます。事柄の性質上幾らあるかということは、私どもちょっと把握しかねますけれども、個別の被疑事例から調べてみますと、相当数あると残念ながら推定せざるを得ない。
 そこで、最初に一回だけ住民票を税務署の窓口に出してグリーンカードの申請をしていただくということは、確かに御不便のようでありますけれども、貯金の利子または公社債の利子について非課税という特典を得られるためにどうしても出していただく、一回だけはごしんぼう願いたいと思います。以後はそのカードをお持ちになれば、非課税貯蓄申告書というのを一々お出しいただかなくてもいいわけで、カードに、どこどこの銀行に私は百万の枠をつくりますと書いていただけばよろしい。それは全国的に引っ越しをなさっても、同じものがずっと使えるという制度にしようというのが今回のあれでございまして、総合課税移行のために必要最低限の措置として、私どもはこういうことを国民の皆様方にお願いをしたいというふうに思います。
 もう一つのいまのお示しは、一人で三百万ですから、制度が三つございまして、マル優と国債別枠と郵便貯金と使えば一人九百万円である、九百万円とそれからもう一つ財形の五百万の枠と合わせれば千四百万でございます。そういうものをフルに使えるだけの所得ないし資産のある人がそういないだろうから、この際マル優はやめてしまったらどうかという御提案だと思います。
 これにつきましても、税制調査会で、いま貯蓄優遇と貯蓄奨励ということを考えるような政策的な目的というのは、昭和二十何年時代から考えますと相当薄れてきてしまっておりますから、見直してはどうかというかなりの御意見がございましたけれども、いろいろ議論をいたしまして、少額の貯蓄者に対する制度でもあるし、金融取引の基礎的な要件にもなっておるわけで、いまにわかにそこを変えるわけにいかないのではないかという御結論になったわけでございます。
 ちょっとその部分を読ましていただきますと、これらを合わせると一人千四百万円までの貯蓄が「非課税となるので、これが果して少額貯蓄の保護優遇という趣旨からみて妥当かどうか疑問であるとする指摘もあるが、国民生活の実態等を考慮し、非課税限度額は現状どおり維持してよい」というのが、税制調査会での二年にわたる御検討の御結論であったわけでございます。
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丸谷金保#14
○丸谷金保君 税制調査会のそうした見解もよくわかるんですが、その前に一つ、税務署が要するにマル優関係のいま申しました大石内蔵助はおかしいんじゃないかということで、金融機関に立ち入り検査に入りますわね。そうしていろいろ大分おかしいそういう脱税の実態を発見しますでしょう。これは全部やるというわけにいかないんですが、そういう場合にはランダムでやるんですか、どうなんでしょうか。
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伊豫田敏雄#15
○政府委員(伊豫田敏雄君) 銀行調査のお話でございますけれども、われわれの方は、いわゆる俗にフィッシングと言っておりますけれども、ともかく帳簿を全部見せなさい、そこから課税すべきものを拾い出しましょう、こういうことは金融機関調査の場合には通常行っておりません。それで、ある程度の資料がございまして、あるいはその他いろいろの情報がございまして、税務署長が銀行調査の必要ありと認めた場合について、当該件名あるいは人名あるいは関係者名を明記いたしました上で調査に入っているのが現在の実情でございます。したがいまして、ランダムでというふうなことを考えているわけではございません。
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丸谷金保#16
○丸谷金保君 そうしますと、今度は追徴金ということになりますね、そういう脱税の事実がわかると。発見しますと、追徴金ということになるでしょう。しかし、架空名義の相手方をつかまえられない場合には、いま銀行が代理して支払いしておりますわね。これは一体どういう科目のどういう勘定からああいう支出ができるんでしょうか。
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伊豫田敏雄#17
○政府委員(伊豫田敏雄君) ランダムのお話にちょっと戻らしていただきますけれども、おっしゃいますとおり、限度を超したか、あるいは非課税貯蓄申告書が正しく出されているかどうかということについては、何しろ非課税貯蓄申告書の数というのは三十八年以来大体二億枚以上ございます。こういう状態でございますので、それの調査につきましてはある一定の署を拾いまして、しかもその署におけるある地区を拾いまして、その間に、その範囲内において調査を行い、それによってその波及効果を求めるというふうなのが、現在のこの問題に対する税務の実情でございます。
 それから、いま先生のおっしゃいました、実際に架名であった場合にという問題でございますが、払いますのは銀行でございます。銀行から徴収しておりますのは、それなりの規定がございまして、虚偽記述をしたということで、現在銀行から三五%の税率で徴収しているという状況でございます。
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丸谷金保#18
○丸谷金保君 ちょっと何か二つの方法を上手にこうダブらせて、この上と下との御答弁をなさっているような気がするんです。
 もう一回問題を明らかにしますと、銀行等の金融機関に立ち入って、これらのものはおかしいということでもって調査する場合がありますわね。主としてこれは強制調査になりますか。そのほかにもう一つあるわけですね、銀行に入って調査するのは。それで、前段の私の質問に対しては、先のお話をしましたね。それから、後段の質問に対しては後の、そうでなくて一定の地域なり一定の金融機関なりを、まあ銀行とはあえて言いませんが、金融機関等の中からこうずっといろんな形で抜き取りをして調査すると、こういうこともやっていますね。二つやっているんでしょう、一つでなくて。
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伊豫田敏雄#19
○政府委員(伊豫田敏雄君) お答えいたします。
 話が若干混乱いたしました。私は分けて申し上げたつもりで、片一方をもって片一方の答弁にかえるつもりはございませんでした。
 現実には、税務署の方に預金の利子の支払いについて支払い調書というのが参ります。それからそれと同時にもう一つ、税務署の方には、先ほどから何遍も申し上げておりますように、非課税貯蓄申告書というのが参ります。それで、この二つにつきまして、それぞれ私の方で、税務署の方で、たとえば——たとえばでございますが、葉書を出す等によりその本人確認を行うわけでございまして、その結果、その本人の確認ができないものについて、それを明らかにした上で、その点を銀行の方にお尋ねをしている。それによって、事実架名であることが判明するというのが手順でございまして、私はその点につきましては、ランダムという感じとちょっとまた違いますものですから、申し上げておきたいと思います。
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丸谷金保#20
○丸谷金保君 一応、金融機関からの報告によって税務署が名寄せしますわね。名寄せで発見できるのもあるし、わからないのもあると。申告書は出ていない、名義だけあると。この事実は余り国民は知らないんですよね、実際は。そして金融機関も、そういうことをしているということを国民に、要するに預金者に知らせません、なるたけ。預金の吸収に非常に障害があると。
 ここで、今度は郵便貯金が出てくるんです。郵便貯金の方はそれはやりませんね。三百万円が限度なんですから、やっていませんね。どうですか。
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伊豫田敏雄#21
○政府委員(伊豫田敏雄君) 郵便貯金の問題は郵政省の問題でございますが、私が承知しております範囲におきましては、郵政省におきましては三百万の限度を超過しているかどうかについてやはり同じように名寄せをやっておられると。その名寄せの程度については、私、部外の者で承知いたしませんが、その努力を行っていると聞いております。
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丸谷金保#22
○丸谷金保君 結果は、税務署の方に報告は受けていませんね。
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高橋元#23
○政府委員(高橋元君) 郵便貯金は、総額制限ということが郵便貯金法に決まっておりまして、全国のどこの店から受け入れてもいいわけでございますが、一人について三百万円を超えて預金をしてはいけないことになっております。
 さっきもちょっと申し上げたのでございますが、郵便貯金の口数は全部で三億三千百万、これは去年の三月の数字でございますが、口数があります。それは非常に小口の、恐らく大部分は小口だと思いますが、定額貯金証書という紙になっておるわけでございます。通帳になっておりませんで、定額貯金証書という紙を、まあ東京で預けたこともあれば網走で預けることもあるわけでございましょうから、何のたれべえさんが、同じ人が郵政大臣に預けたということを本当は名寄せをしなきゃいけないわけでございますね。三億三千万の名寄せをどこでやるかといえば、これは地方の貯金局でやるわけでございますけれども、通帳があればもちろん残高が出ますからわかりますが、通帳のないものにつきましては、これは郵政省はかなり厳格にやっておるのでございましょうけれども、まだ十分やり切れているわけでもない。年に二万口、二万件、金目にして二百億ぐらいは三百万の総額制限を超えまして、減額請求と申しますか、払い戻しをしてくださいという通知を預金者にしておることが現状のようであります。
 それが二万口であるのか、もっと多くのものの一部であるのか、そこは郵政省もいろいろ努力をしておると思いますけれども、全国の名寄せということを手でやるとすると、大変な手間がかかるわけでございます。現在郵政省は、私の承知しております限りではオンラインのコンピューター組織というのを全国的に導入の準備を進めておりまして、五十七年度ぐらいになりますと、東京、大阪、名古屋の三地区、三大ブロックにつきましては、コンピューターでオンラインでつながるようになる予定でございます。
 したがって、そこまでいきますと、かなり名寄せの仕事も進むと思いますが、現在全部手作業でやっております段階では、必ずしも完璧を期せられないのが現状かと思います。それはやはり郵便貯金法ということの総額制限という別個の体系でやっておりますから、したがいまして、三百万円を故意または重大な過失によって超えた場合には国は課税権を持つというのが現在の考え方でありますけれども、三百万円の中のものについては、一切所得税は非課税というのがいままでのたてまえでございます。
 したがいまして、それにつきまして税務署長に通知を受けるというような当然の制度になっておりません。銀行でございますと、支払い調書が出てまいりますが、郵便貯金についてはすべて三百万の下で、非課税の貯蓄であるというのが現在の郵便貯金法の制度でございます。したがって課税権が及ばない。税務署長についても当然のこと、通知がない。故意または重大な過失がある場合には税務署が照会をいたしまして、郵便局からその者の貯蓄がこうなっておるということを知らせてもらう、こういうふうになっておるのが現状であります。
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丸谷金保#24
○丸谷金保君 それで、大体いま郵貯は五十兆と言っていますわね。そのほとんどがマル優でしょう。人口で割り算してごらんなさい、どういうことになります。どなたか計算してください。オギャッと生まれた赤ん坊からおじいさんまで入れても、五十兆を一億で割ってごらんなさい。
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高橋元#25
○政府委員(高橋元君) 五十四年三月末、手元にあります計数で申し上げますと、通常貯金、通帳のあるものが六千三百二万口あります。それから定額貯金、これは証書でございます。一枚一枚の紙であります。二億二千八百五十四万枚あります。そのほか積み立て等が千八百三十七万口ございます。合わせて三億九百九十三万口。これで預けておられますのが四十四兆九千九百二十億円預けておられますから、一口平均は十四万五千円であります。ただし、三億でございますから、一億に縮小いたしますと、一人四十万というのが郵便貯金の利用実績、昨年の三月の数字であります。
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丸谷金保#26
○丸谷金保君 それは一億で割るからそういうことになるんです。常識的に考えて、これは相当なマル優の架空名義の脱税がここで行われているということは明らかでしょう。これは大蔵省、国税庁の方について見ると、郵貯は、これは聖域なんですね、手が出せない。そうなんですね。手が出せないですね。
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高橋元#27
○政府委員(高橋元君) 聖域と心得ておるわけではございませんが、法のたてまえが違っておりまして、郵便貯金につきましては所得税法の九条の、いままでのあれでいきますと一号というのがございまして、郵便貯金の利子は非課税ということになっておるわけでございます。
 ただし、故意または重大な過失で三百万円を超えたものを除くと、こうなっておりますから、三百万円の総額制限を故意、重大な過失で突破した場合だけしか課税権がないということになっておりますので、したがって課税当局が調査に入れないというのがいままでのしきたりであったわけでございます。
 今度はその点を、御提案申し上げた案では変えまして、郵便貯金について非課税の取り扱いを受けようとするときにはグリーンカードを郵便局の窓口に示してください、郵便局はそれをその方の通帳なり証書に書きます。そこで初めて課税になりまして、通知のないものについては税務署長にお知らせをいただくという制度に改めるわけであります。
 したがいまして、いま御懸念のありましたこと、いままで往々言われてまいりましたことは、今回のグリーンカード制度で非常な前進を見るであろうというふうに私どもは期待をしておりますし、そういうふうに郵政当局と相談をいたしております。これからも相談してまいりたいというふうに考えております。
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丸谷金保#28
○丸谷金保君 ようやく核心に触れた問題点が出てきたんです。というのは、今度のグリーンカード、こういうことをやらなくても金融機関の方は、税務署が名寄せをやっていますし、相当程度の把握はいままでもできているわけです。だから、グリーンカードの焦点というのは、郵貯等が一番大きな焦点だということがどこかで本音として出てくるかと思って、いままでずっと聞いていたんですけれど、どこからも出てこないんですよ。それであえてこの問題のメカニズムを明らかにしたんです。今度は郵貯については、そういう点で非常にきちっとするということになりますね、このグリーンカードで。どうなんですか。
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高橋元#29
○政府委員(高橋元君) さような期待をしておるわけであります。
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