社会労働委員会

1985-03-07 衆議院 全237発言

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会議録情報#0
昭和六十年三月七日(木曜日)
    午前九時四十八分開議
出席委員
  委員長 戸井田三郎君
   理事 稲垣 実男君 理事 小沢 辰男君
   理事 丹羽 雄哉君 理事 浜田卓二郎君
   理事 村山 富市君 理事 大橋 敏雄君
   理事 塩田  晋君
      愛知 和男君    伊吹 文明君
      古賀  誠君    自見庄三郎君
      谷垣 禎一君    友納 武人君
      中野 四郎君    長野 祐也君
      西山敬次郎君    野呂 昭彦君
      林  義郎君    藤本 孝雄君
      湯川  宏君    網岡  雄君
      河野  正君    多賀谷眞稔君
      竹村 泰子君    永井 孝信君
      森井 忠良君    沼川 洋一君
      橋本 文彦君    森田 景一君
      森本 晃司君    小渕 正義君
      塚田 延充君    浦井  洋君
      小沢 和秋君    菅  直人君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 増岡 博之君
 出席政府委員
        厚生政務次官  高橋 辰夫君
        厚生大臣官房総 長門 保明君
        務審議官
        厚生省健康政策
        局長      黒木 武弘君
        厚生省健康政策
        局長      吉崎 正義君
        厚生省保健医療
        局長      大池 眞澄君
        厚生省保健医療
        局老人保健部長 水田  努君
        厚生省生活衛生
        局長      竹中 浩治君
        厚生省薬務局長 小林 功典君
        厚生省社会局長 正木  馨君
        厚生省保険局長 幸田 正孝君
        厚生省援護局長 入江  慧君
        社会保険庁医療
        保険部長    坂本 龍彦君
        社会保険庁年金
        保険部長    長尾 立子君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部公害課長  上野 治男君
        大蔵省主計局主
        計官      小村  武君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   濱本 英輔君
        社会労働委員会
        調査室長    石黒 善一君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任          補欠選任
  長野 祐也君      山中 貞則君
同日
 辞任          補欠選任
  山中 貞則君      長野 祐也君
    ―――――――――――――
三月六日
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(新井
 彬之君紹介)(第一七九一号)
 同(伊吹文明君紹介)(第一七九二号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一七九三号)
 同(奥田敬和君紹介)(第一七九四号)
 同(瓦力君紹介)(第一七九五号)
 同(自見庄三郎君紹介)(第一七九六号)
 同(中林佳子君紹介)(第一七九七号)
 同(林百郎君紹介)(第一七九八号)
 同(簑輪幸代君紹介)(第一七九九号)
 同(網岡雄君紹介)(第一八〇六号)
 同(梅田勝君紹介)(第一八〇七号)
 同(小川国彦君紹介)(第一八〇八号)
 同(大石千八君紹介)(第一八〇九号)
 同(古賀誠君紹介)(第一八一〇号)
 同(武部文君紹介)(第一八一一号)
 同(野口幸一君紹介)(第一八一二号)
 同(松浦利尚君紹介)(第一八一三号)
 同(村山富市君紹介)(第一八一四号)
 同(森本晃司君紹介)(第一八一五号)
 同(塩崎潤君紹介)(第一八二五号)
 同(長谷川四郎君紹介)(第一八二六号)
 同(森田一君紹介)(第一八二七号)
 同(愛知和男君紹介)(第一八三二号)
 同(臼井日出男君紹介)(第一八三三号)
 同(浦井洋君紹介)(第一八三四号)
 同外一件(小川仁一君紹介)(第一八三五号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第一八三六号)
 同(月原茂皓君紹介)(第一八三七号)
 同(辻第一君紹介)(第一八三八号)
 同(森喜朗君紹介)(第一八三九号)
 同(稲葉誠一君紹介)(第一八七五号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第一八七六号)
 同(戸田菊雄君紹介)(第一八七七号)
 同(永井孝信君紹介)(第一八七八号)
 同(林義郎君紹介)(第一八九三号)
 同(沼川洋一君紹介)(第一九三七号)
 保育所制度の充実に関する請願(村岡兼造君紹
 介)(第一八五七号)
 老人医療無料制度復活等に関する請願(中川利
 三郎君紹介)(第一八六八号)
 民間保育事業振興に関する請願(松浦利尚君紹
 介)(第一八六九号)
 児童扶養手当制度改悪反対に関する請願(池端
 清一君紹介)(第一八七〇号)
 同(金子みつ君紹介)(第一八七一号)
 同(竹村泰子君紹介)(第一八七二号)
 同(土井たか子君紹介)(第一八七三号)
 同(網岡雄君紹介)(第一九三四号)
 臨床研修指定病院の研修医採用等に関する請願
 (永井孝信君紹介)(第一八七四号)
 医療・福祉の充実等に関する請願(浦井洋君紹
 介)(第一八八九号)
 医療保険制度の改善等に関する請願(辻第一君
 紹介)(第一八九〇号)
 身体障害者の雇用対策等に関する請願外一件
 (池端清一君紹介)(第一八九一号)
 同(村山富市君紹介)(第一九〇八号)
 同外一件(田中美智子君紹介)(第一九三五号
 )
 健康保険本人十割給付回復等に関する請願(東
 中光雄君紹介)(第一八九二号)
 国立腎センター設立に関する請願(近江巳記夫
 君紹介)(第一九〇四号)
 外国残留日本人及び帰国者に対する特別措置法
 の制定に関する請願(吹田愰君紹介)(第
 一九〇五号)
 老人福祉の改善に関する請願(森本晃司君紹介
 )(第一九〇六号)
 はり、きゆう、マッサージ業の安定充実に関す
 る請願(山崎拓君紹介)(第一九〇七号)
 同(山崎拓君紹介)(第一九三八号)
 医療保険制度の充実改善に関する請願(梅田勝
 君紹介)(第一九三三号)
 国民健康保険制度の改善等に関する請願(中川
 利三郎君紹介)(第一九三六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 厚生関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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戸井田三郎#1
○戸井田委員長 これより会議を開きます。
 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森井忠良君。
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森井忠良#2
○森井委員 増岡厚生大臣は広島の御出身でございます。私などよりはるかに被爆者問題についてはお許しゅうございます。また、被爆者の方々の悲惨な状況等につきましても熟知をしていらっしゃるわけでございます。そういう意味では、ことし被爆四十周年を迎えておるわけでございますが、被爆者の方々は年々お年を召しておられまして、恐らく被爆五十周年というのはもうあり得ないというくらいの気持ちで被爆者援護法をつくってもらいたい、そういう切なる要望があるわけでございます。
 この際、質問の冒頭になりますけれども、そしてまたこの問題につきましてはこの国会で原爆特別措置法を御提案をしておられますから、細かい議論はいずれその場でするにいたしましても、御就任に当たりまして、今申し上げました被爆四十周年におきます被爆者の要望をどうおとらえになり、援護法についてどのようにお考えか、お考えを承っておきたいと思います。
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増岡博之#3
○増岡国務大臣 御指摘のように、被爆後既に四十年を経過したわけでございますけれども、今なお障害に苦しんでおられる方々に対しましては、深い同情の念を持たざるを得ないと思っておるわけでございます。私どもといたしましては、従来から放射能の影響による健康障害という観点から、広い意味では国家の特別の補償という見地から二法の充実に努めてまいったところでございます。
 援護法の御要請があるということは従来からもよく承知をいたしておるところでございますけれども、何分ほかの戦災者の方々との均衡等の問題もございますので、放射線との因果関係に着目をした二法の拡充を図ることがより現実的には被爆者対策に対処しやすいという考え方を持っておるところでございまして、今後ともそういう方向で努力をしてまいりたいというふうに考えております。
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森井忠良#4
○森井委員 この問題につきましては、先ほども申し上げましたように政府の法案も出されておるわけでございますから、いずれその節に改めて議論をいたしたいと思いますが、この際私どもの態度だけ明確にさせていただいておきますと、私どもとしては野党各党、さらには与党の皆さんにも御協力をいただきまして、被爆者援護法案を国会に提出をしたいと思っております。したがいまして、この問題につきましては後刻改めて議論するということを申し上げておきます。
 次に、予算に関連をいたしますことで幾つか御質問をしたいと思います。一つは国庫補助金の削減の問題であります。それからもう一つは政管健保の国庫補助の繰り入れの特別措置についてであります。三つ目は、行革特例法に関します厚生年金等の国庫負担の四分の一カットの問題であります。私どもは、いずれにしてもこんなむちゃくちゃな法案はないわけでありますから廃案にしたいと思っておりますが、それはいずれ審議の段階で明らかになるといたしましても、ここで問題にしたいのは厚生省の態度であります。したがって、そういう観点から御質問申し上げたいと思います。
 第一に国庫補助の削減の問題であります。高率補助につきましては、御存じのとおり一〇%のカットの方針が昨年の概算要求の段階で出されました。これは社会局長、例えば生活保護費は一〇%の削減になっていますか。
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正木馨#5
○正木政府委員 お答えいたします。
 今度の補助率につきましては統一方針のもとに引き下げが行われておるわけでございますが、生活保護に関して言いますと一二・五%ということでございます。
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森井忠良#6
○森井委員 はい、そうですかと引き下がったわけですか。これは問題だと思うわけですよ。去年の概算要求では、例えば生活保護について言えば、現在十分の八の国庫負担ですし、その当時の方針は御存じのとおり一〇%のカットです。そうすると、十分の八は十分の七・二にならなければならない。なぜ十分の七になったのか。今おっしゃったように一二・五%の削減という形になった。これはどだい話が違うじゃないですか。
 時間がありませんから一遍に聞きますけれども、そうなってきた場合に、一体どういう措置をとるのか。生活保護について絞って申し上げますと、全国同じぐらいの生活保護家庭の数じゃないわけですね。生活保護家庭が多い県も少ない県もある。産炭地等は生活保護家庭の数の多さは深刻なものです。したがって大変だと思うわけでありますけれども、仄聞するところによると、予算が通った場合には二百億の調整交付金というものを考えておられる。では、どういうふうに配分されるのか。まだあくまでも予算は通っておりませんから、あなた方の答弁はなかなか難しいと思うが、基本的な姿勢としてこれでいいのか、どういうふうな措置をとろうとしているのか、これを明らかにしてもらいたい。
 それから二つ目は、例えば私の選挙区にもあるのですけれども、二千万円か三千万円オーバーいたしましたために不交付団体になったという地方自治体があるわけですね。わずかの差です。しかし、今申し上げましたように、そういったところが高率補助の切り下げをされますと、わずか二千万円か三千万円の黒字のために不交付団体になっておる、本来ですと、これは当然地方交付税等で措置をされるわけでありますが、不交付団体にはそういった措置もとられない。非常に深刻な状態があるわけでございます。厚生省として一体どのように考えておられるのか、この際明らかにしていただきたいと思います。
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正木馨#7
○正木政府委員 まず第一点の補助率につきまして、おおむね一割ということであれば、生活保護について言えば十分の八が十分の七・二になるはずじゃないか、それが十分の七というのはどういうことだという御質問でございますが、今回の高率補助金の補助率の引き下げに当たりましては、行革審の意見等を受けまして、各省足並みをそろえて二分の一を超える高率補助金についての引き下げを行ったわけでございますが、政府案の決定に際しましては、引き下げ率おおむね一割ということにめどを置きまして、ただ、ばらばらになりますと現在の補助体系を複雑化するのではないかということで、区切りのいい直近の補助率に統一するということにいたしたわけでございます。したがって、生活保護について言いますと十分の七ということになったわけでございます。
 ところで、そういったことによって地方に対する財源負担を一体どう措置するのかというのが第二の御質問でございますが、先生御案内のように、今回の措置による地方負担の増分につきましては、基本的には地方財政計画の作成を通じまして全体としての所要の措置をとることといたしておるわけでございます。しかし、先生からのお話しのように、生活保護の保護率というのは全国平均で申しますと一・二%強でございますが、非常に開きがあるということで、団体によっては歳出規模に占める生活保護費の割合が非常に高い。その辺についての円滑な運営にいろいろ配慮しなければならないということで、今回の措置に伴いまして急激な負担増を緩和する、そして円滑、適正な生活保護の実施を図るということで、二百億円の生活保護臨時財政調整補助金の計上をお願いいたしておるわけでございます。
 これの配分に当たりましては、今後詰めていくことになりますが、基本的な考え方といたしましては、今回の補助率引き下げによる影響が特に大きく、かつ財政力の脆弱な地方公共団体で、しかも生活保護について一生懸命やっておられるといったところを中心に配分を行いたいということを考えておるわけでございます。具体的には財政当局とも十分相談をいたしまして、適切な配分をいたしていきたいというふうに思っております。
 それから第三点の、では、こういった場合に、交付税の不交付団体であっても非常に苦しさのぎりぎりのところがあるじゃないかということでございます。この今回の補助金の創設の趣旨からいたしまして、私どもやはり財政力の脆弱な団体となりますと、普通交付税の交付団体をまず対象にするのが妥当ではないかというふうに思っておりますが、おっしゃいますように、不交付団体でございましても、五十九年度べースで申しますと六百五十一市のうちの八十三程度の市が不交付団体でございますが、そういう不交付団体におきましても財源超過の程度とか、あるいはその他のもろもろの状況を考えまして、いかにするのがいいのかというのは今後の一つの検討課題であろうというふうに思っております。
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森井忠良#8
○森井委員 時間がありませんから、今の答弁決して納得はできませんけれども、問題点として指摘をしておきたいと思います。
 二つ目は、先ほど申し上げました政管健保の国庫補助の繰り入れの特例措置についてであります。
 昭和五十九年度の政管健保の決算見込みによりますと、九百三十九億の黒字が出る見込みだ。したがって、この金額についてまで一六・四%の国庫負担を事実上削減をする、そういう中身になっておるわけでございます。先ほど言いましたように、法案の審議は別にいたしまして、一体これが法の趣旨としていいのかどうなのか、私はここが問題だと思うわけであります。大体、黒字が出れば、本来なら弾力条項があるわけでありますから、保険料を引き下げる。これは九百三十九億、仮にこれを保険料に換算をいたしますと千分の二くらいになるはずです。間違っていれば指摘をしてください。千分の二くらいになるはずです。これは少々推移を見なければなりませんから今すぐとは言いませんが、やはり本来ならこれは保険料に連動させるべきだ。逆に、そのかわり赤字になったときは弾力条項がありまして保険料を引き上げることもできるのですから、それが健保の趣旨です。たまたま黒字が出たからといって、いきなりそれを国庫に召し上げられるというのは、これはどう考えたって私は納得できない。明らかにしていただきたいと思います。
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坂本龍彦#9
○坂本政府委員 政府管掌健康保険の黒字につきましての御指摘でございますが、一つには、非常に一般会計の状況が苦しいということで、福祉予算全般についても何とか必要な額を編成するために、いろいろと工夫を強いられる状況でございました。ちょうど、五十九年度の様子を見ますと九百三十九億円の剰余が出るという見込みになるわけでございまして、これにつきましては、国庫補助率を引き下げることなく六十年度の繰入額を一時的に減額をするという措置をとることによりまして、また将来政管健保の財政状況に応じてこの減額分を繰り戻すということをはっきりさせることによりまして、政管健保の運営には支障を生じないという前提で一般会計の支出の負担を少しでも軽減したい、こういう趣旨でとられたものでございます。
 保険料率を引き下げるという考え方も、もちろん理論的にはあり得るわけでございまして、先ほどおっしゃいましたように、もし数字的にこれを当てはめてみますと千分の二程度の引き下げというのは、一年度間に限ってはあるいは可能かと存じますが、この黒字がどの程度継続するかという問題につきましては、なおまだこれから時間をかけて推移を見守っていかなければなかなか判断は難しかろうと考えております。
 さような意味におきまして、これから高齢化が、進みますし、あるいは医療の内容が高度化するにつれて医療費の伸びというものもやはり理論的には大きくなってくるということも考えられますので、将来の政管健保の運営に備える意味において、やはり現時点においては私どもは保険料率を現状のまま据え置いていきたいと考えておる次第でございますが、いずれにしましても、政管健保の財政運営には支障のないようにこれからも留意をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
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森井忠良#10
○森井委員 坂本部長、僕は何もかも承知をして聞いてるんですよ。今までの制度の運営の仕方からしてこんな例がありましたか。もう積立金という制度そのものが、それは特別会計ですから考え方としてはあるかもしれませんけれども、これは考えられないことなんですよ。積立金に一たんしておいて、そしてそこからまた繰り出すという形になっておるわけですね。こんないびつなことが許されていいのか。ちょっと口幅ったい言い方で恐縮ですけれども、この九百三十九億の黒字というのは一体何ですか、これは。保険料が大部分でしょう、黒字になった理由は。国庫負担は一六・四%なんだから、大部分は保険料なんです。それを拠出者に関係なしに国庫に事実上繰り入れるというようなこと、そこの考え方が私は問題だと指摘をしておるわけですよ。
 もう一遍この点について答弁をいただきたいのと、時間がありませんから質問を二つ三つ続けますが、二つ目は、これはいつ返してもらうんですか。法案を見ますと、「後日」と書いてある。「後日」とは、これは「当分の間」というのが永久に続く場合もあるくらい法律というのはなってるわけですから、一体「後日」とはいつなのか。それから、返すとは書いてないです。適切な措置を講ずるものとする--返すとも書いてありますか。「金額を繰り入れる措置その他の適切な措置を講じなければならない。」こうなっておるわけですね。絶対に返すとは書いてない。私は、若干勘ぐりがひどいのかもしれませんけれども、ぱっと頭の中に浮かびましたのは、昭和四十八年以前の健保の赤字ですよ。当時三千億、今六千億近くなってますね。これといつかの時代に相殺されるのではないかという感じがしてならない。この点、大蔵省からも明確にしていただきたい。それが二つ目。
 それから、三つ目は金額です。九百三十九億と私申し上げましたけれども、法案にはそう書いてある。ところが、厚生省の説明はそうじゃない。厚生省の説明はこういうふうに書いてありますね。「昭和五十九年度の単年度収支差見込額から昭和四十八年度末累積債務資産見合分の償還に充当する額を除いた額の範囲内で、減額する。」こういうふうに私ども説明を受けておるわけです。どっちが本当ですか。つまり、締めてみなければまだわからないわけでしょう、五十九年度も、正確に言うとまた五十九年度は本日ただいまの時点で進展中ですから。だから、健保の性格上、例えばこれから急に風邪でもはやったら、また変わってくるというようなことがあるわけですから、したがって、法案要綱を見ますと九百二十九億と書いてある。あなた方の説明は、先ほど言いましたように抽象的に、結果として出た収支差額と、こうなっておるわけであります。この点も明らかにしてもらいたい。時間がありませんから、簡単に三点について。
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坂本龍彦#11
○坂本政府委員 第一点の考え方の問題でございます。確かに、保険料によって生じておる黒字でございますが、その黒字を六十年度については一般会計の方の繰り入れを減額という形をとるわけでございますけれども、これは先ほど申しましたように、一般会計の窮状からしてやむを得ない措置である。しかし、将来はこれを繰り戻すということにしておりますので、一時的にはいわば一般会計との間で調整をしたような形にはなるわけでございますが、基本的には、それは健康保険の資産として実質的には保有できる形になると私どもは考えておりますので、政管健保の運営に支障を来すようなものとは考えておりません。
 第二に、繰り戻しの関係でございますが、法案にも、後日、政府管掌健康保険の財政の状況を勘案しつつ繰り戻すということははっきりしております。したがって、繰り戻すこと自体については、これは法律上明らかである。ただ、その時期については政管健保の運営の状況を見つつということで、具体的に昭和何年度というところまでは書いてございませんが、いずれにしても、政管健保の運営に支障を来すことのないように繰り戻しを行っていくということは法律上もはっきりしておるわけでございます。
 第三に、金額でございますが、九百三十九億円と申しましたのは、五十九年度の剰余見込み額九百五十億円から四十八年度以前の累積債務のうち保険料で償還すべき十一億円を償還した後の九百三十九億円、こういう意味でございます。ただ、九百五十億円自体が現時点での見込みでございますから、これは結果といたしましては多少変わるということは全くないとは申せませんが、私どもとしては、大体現在の状態からして少なくとも九百五十億円の剰余が出るということについては、まず問題はなかろうというように考えておる次第でございます。
 それから、昭和四十八年以前の累積債務の償還にこの黒字を充てていくというおそれはないかという御質問でございますが、私どもとしては、四十八年度以前の累積債務のうちでいわゆる損失見合いの分は一般会計から償還するという扱いになっておるわけでございまして、保険料財源をもってこれを償還するということは考えておりません。
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小村武#12
○小村説明員 一番最後の点の昭和四十八年度末累積債務の償還の件でございますが、かねてより私どもお答えしておりますとおり、損失見合い分について国庫で負担をするという考え方については何ら変更はございません。
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森井忠良#13
○森井委員 主計官、もう一つ質問があったのですが、九百三十九億、これも坂本部長の答弁がありましたが、やはり九百三十九億ということで事実上確定をしなければならぬのでしょうな、法案要綱の方がそうですから。まあこれはどちらでもいいです。我々としては廃案にしたいという気持ちで、姿勢だけ聞いておるわけですから。
 ただ、この際、大蔵省に聞いておきたいと思いますけれども、九百三十九億は「後日」云々となっておりますけれども、「後日」とはいつですか。
 それから、今の坂本医療保険部長の答弁に大蔵省としても異論はないか、この点だけ一言はっきりしておいてください。
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小村武#14
○小村説明員 まず第一点の「後日」でございますが、法律に規定しておりますように、政管健保の財政状況を見て、その財政状況によって繰り戻しを行うということでございまして、医療費という変動要素の大きい会計でございます。したがいまして、将来どういうことになるかわからないということもございまして、機動的に対処できるようにこういう規定を置いたわけでございます。
 その他の点につきましては、坂本部長お答えのとおりでございます。
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森井忠良#15
○森井委員 いずれどこかの場で法案審議があるわけですから、これも問題点の指摘にとどめておきます。
 三つ目の問題は、行革特例法に伴いますところの厚生年金の国庫負担の四分の一削減の継続であります。五十九年で終わっていなければならぬわけでありますが、六十年も引き続いてやるということであります。それで、どうもこの問題については、森井のやついずれ早く死ねばいいとぐらい思っているかもしれませんけれども、私のおる限りこれは絶対に忘れることはありませんので、必ず適切な措置をしていただかなければならぬと思うのでありますが、数字だけ確認をしておきますと、行特法によります特例措置で厚生年金の国庫負担の減額が行われた金額、五十七年度が千八百三十億、五十八年度が二千百七十億、五十九年度が二千四百二十億、それに六十年度は予算上見ますと三千五十億、合わせて九千四百七十億、これは元金だけですね。もう既に一兆円にはなっていると思いますけれども、これは大変なことだと思うわけです。
 私はいつかの社会労働委員会で六十年度をどうするのかと言ったら、そのときはわからないと答えた、わかっているくせに。それで結局、今年度も三千五十億ほど事実上国庫負担を減らすわけでありますけれども、これは明確に返しますね。この場合、私はまた厚生省に嫌みを言うようでありますが、今私が申し上げた数字に間違いはないかということと、運用利益も含めて、例えば、いわゆる特例公債がなくなる年というのは昭和六十五年度となっていますから、昭和六十五年度に払っていただいたとして、幾らぐらいの金額になるのか、明らかにしてもらいたいと思います。
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長尾立子#16
○長尾政府委員 お答えを申し上げます。
 先生、今お話しがございました厚生年金保険の国庫負担の繰り延べ額でございますが、当初予算のベースでお話しございました六十年度現在で九千四百七十億、これは元本でございます。ということは、先生のおっしゃるとおりでございます。
 利息の計算でございますが、一定の仮定を置きまして、つまり、現在厚生年金が資金運用部に預託をしております実際の利回りを勘案いたしまして計算をいたしますと、六十年度末におきまして先生御指摘のように一兆円を超えます金額、一兆七百七十五億円という金額になるわけでございます。これを六十五年度末ということで先生お話しの形で試算をさせていただきまして、この運用の利息相当も今申し上げましたような考え方で計算をさせていただきますと一兆五千二百四十八億、これは六十五年度末の数字でございますが、というものになると考えております。
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森井忠良#17
○森井委員 この際、大蔵省の考え方も聞いておきたい。特に返済のめど等について……。
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小村武#18
○小村説明員 行革特例法に基づきます厚生年金等の国庫負担の減額につきましては、五十七年から五十九年までの特例措置ということで当初お願いをしたわけでございますが、残念ながら五十九年度における特例公債脱却ができなかったということで、六十年度予算編成におきましても、まことにやむを得ない措置としてまた一年の延長をお願いしたところでございます。
 この国庫負担の減額分につきましては、再三私どもの大臣もお答えしておりますように、年金財政の安定を損おわないよう、かつ国の財政状況を見ながらできるだけ速やかに着手をしたいということでございます。そういった方針については一切変更はございません。
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森井忠良#19
○森井委員 この際、大臣にお伺いをしたいのですが、今お聞きのように、何か厚生省の行政は財源が足りないときは探れば搾るほど財源が出てくるという感じで、次から次へと大蔵に押し切られていっておるという現状があるわけでございます。
 立場は違いますが、やはり私どもも厚生省のファンの一人であります。したがって、こんなことが許されていいものか。私もささやかな経験ですけれども、ずっと本委員会で議論を続けてきておりまして、こんな年というのはないと思うわけです。例えば、まさか医療保険の黒字にまで手をつけられるというのは思いもしませんでした。そういう意味では、閣僚のお一人でございますから、したがって内閣の方針にとやかく言うのはなかなか御答弁としてはしにくいとも思いますけれども、やはりこれ以上のことはない、今後は一切しないというふうなことを明言できますか。
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増岡博之#20
○増岡国務大臣 ただいままでの措置は、医療保険におきましても年金におきましても事実上の経営には支障がないということでやむを得ず承諾、了承いたしておるところでございます。そのような根幹にかかわるようなことであれば、これは断固お断りをしなければならぬと思いますし、また一たんお貸ししておるわけでございますから、できるだけ早い時期にお返しをいただきたいというふうに考えております。
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森井忠良#21
○森井委員 次の問題に入りますが、一月二十四日に社会保障制度審議会が老人福祉のあり方につきまして建議をしておるわけでございます。私も委員の一人ではありますけれども、幾つか指摘があるわけでありますが、その中で特に目立ちますのは、老人病院と特別養護老人ホームとの関係であります。重介護を要する老人は心身の状態にはほとんど差がない、療養上の介護も同じなのに入所手続があったり、あるいは費用負担の仕組みが違うなど、この際、何とか調整もしなければならぬ、そういうことが建議の中の一つのポイントとして指摘をされておるわけでございます。
 これは確かにそのとおりだと私も思うわけでございまして、この際、老人病院と特養とをある程度整理をしていかなければならぬのじゃないか。そういった意味で、これは画期的な建議の一つだと私は思うわけでございますけれども、ああそうですかというわけじゃないわけでありまして、一体、厚生省はこれに対してどう対応しようとされておられるのか、明らかにしていただきたいと思うのです。
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吉崎正義#22
○吉崎政府委員 御指摘のとおり、お年寄りを適切に処遇するためには、今の福祉施設の体系と病院の体系だけでは不十分であると私どもも考えております。
 お話しのございました制度審の建議、傾聴すべき御意見であると思う次第でございます。厚生省といたしましては、そういう状況にございますので、お年寄り対策の総合対策の中で、医療と福祉の中間的な機能を有する施設のあり方などにつきまして、予算が認められましたならば来年度に関係の専門家、学識経験者による検討会を設置をいたしまして幅広い検討を進めていく方針にいたしております。
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森井忠良#23
○森井委員 検討会をおつくりになるということでありますから、一刻も早く的確な対応をしていただきますように要求をしておきたいと思います。
 この際、もう一つ関連をするわけでありますが、聞きたいと思うわけでございます。寝たきり老人の介護の問題ですね。もう家族の方々の心労というのは大変だと思うわけであります。したがって、各地方自治体等におきましても、それを軽減するという意味でショートステー事業というのを最近ぼつぼつやっておるわけでございます。国も当然そういった地方自治体の動きも見ながら、こういった施設の強化について進めていただかなければならぬ時期に私は来ていると思うわけでございます。この点についても対策があれば明らかにしてもらいたいと思うのです。
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増岡博之#24
○増岡国務大臣 これから迎える高齢化社会に対しましては、寝たきり老人並びに痴呆性老人の対策がまず第一に手がけなければならぬ問題だと承知をいたしております。したがいまして、昭和六十年度の予算編成に際しましても、ホームヘルパーでありますとかショートステーでありますとか、そういう在宅老人の対策につきましても十分配慮を加えたつもりでおるわけでございますけれども、これから後もそのような観点からあらゆる方面にわたっての努力を積み重ねてまいらなければならぬというふうに考えております。
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森井忠良#25
○森井委員 時間の関係ではしょらせていただきまして、次の質問に入りたいと思います。
 私、一つ文書を持っております。ちょっと読み上げますので、関係の皆さんよく聞いていただきたいのでありますが、「健保組合方式は、その集団の実情に即して行きとどいた管理運営ができること、企業または業種の共同連帯意識を基盤として経営における責任体制が確保されること、事業主と被保険者が積極的に運営に参加し、自主的、民主的な経営が実現できることなど極めてすぐれた特質をもっており、民間活力による経営の効率を最大限に生かすことのできる管理運営方式である。」これは健保組合のメリットのことをうたっておると思うのであります。私もそう思うわけでありますが、厚生省の考え方はいかがでしょう。
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幸田正孝#26
○幸田政府委員 ただいまお読み上げいただいた健保組合の長所といいますか自主性といいますか、そういうものは御指摘のとおりと考えております。
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森井忠良#27
○森井委員 そこで、健保の統合一本化というのがあるわけですね。今御答弁をいただきました幸田保険局長、あなたは当時の金丸総務会長のところに呼ばれましたね、十月五日。そこには三師会の人が見えております。それから当時の渡部厚生大臣も見えておるわけでございます。そうして、そこで統合一本化について具体的に政府に対して進めるという要請があったと聞いております。そのとおりですか。
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幸田正孝#28
○幸田政府委員 当時の金丸総務会長からそのようなお話があったことはございます。
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森井忠良#29
○森井委員 健保の審議に当たりまして、いわゆる健康保険制度の統合一元化というのが日本医師会から問題になってまいりまして、自由民主党は昭和五十九年八月十日付で日医を含むいわゆる三師会と覚書を締結をしております。その最初に、医療保険制度の統合一本化を五年後に行う。去年は昭和五十九年でありますから、したがって昭和六十四年までに医療保険制度の統合一本化を行う、これがまず三師会と自民党との間で協議をされました。これはちゃんと二階堂副総裁あるいは金丸総務会長などなど自民党の主要メンバーがすべて調印をしているものであります。
 統合一本化というのはどういう意味ですか。これは日本語のとおり読みますと制度の統合になっているわけです。今メリットとしてお認めになりました健保組合あるいは政管健保と国民健康保険などなどですね、すべての制度を統合一本化すると読めるんです。厚生省おやりになりますか。
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