社会労働委員会

1985-04-25 参議院 全305発言

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会議録情報#0
昭和六十年四月二十五日(木曜日)
   午前十時二十三分開会
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   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     矢野俊比古君     前島英三郎君
     斎藤 十朗君     川原新次郎君
     和田 静夫君     粕谷 照美君
     藤井 恒男君     抜山 映子君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     川原新次郎君     山東 昭子君
     曽根田郁夫君     森山 眞弓君
     粕谷 照美君     片山 甚市君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤 政夫君
    理 事
                佐々木 満君
                関口 恵造君
                高杉 廸忠君
                中野 鉄造君
    委 員
                石井 道子君
                大浜 方栄君
                山東 昭子君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                前島英三郎君
                村上 正邦君
                森下  泰君
                森山 眞弓君
                糸久八重子君
                粕谷 照美君
                片山 甚市君
                浜本 万三君
                中西 珠子君
                安武 洋子君
                抜山 映子君
                下村  泰君
       発  議  者  糸久八重子君
       発  議  者  中西 珠子君
   委員以外の議員
       発  議  者 目黒今朝次郎君
   国務大臣
       労 働 大 臣  山口 敏夫君
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       大出 峻郎君
       厚生省児童家庭
       局長       小島 弘仲君
       労働大臣官房長  小粥 義朗君
       労働大臣官房審
       議官       白井晋太郎君
       労働大臣官房審
       議官       野見山眞之君
       労働省労働基準
       局長       寺園 成章君
       労働省婦人局長  赤松 良子君
       労働省職業安定
       局長       加藤  孝君
       労働省職業能力
       開発局長     宮川 知雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        此村 友一君
   説明員
       外務省国際連合
       局外務参事官   村田 光平君
       文部大臣官房人
       事課長      横瀬 庄次君
       通商産業省産業
       政策局国際企業
       課長       川口 順子君
       通商産業省立地
       公害局鉱山課長  久賀 俊正君
       運輸省航空局管
       制保安部管制課
       長        小山 昌夫君
       労働省婦人局婦
       人政策課長    松原 亘子君
       労働省婦人局婦
       人福祉課長    川橋 幸子君
       自治省行政局公
       務員部公務員第
       一課長      紀内 隆宏君
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  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (長崎県三菱石炭鉱業高島礦業所の坑内ガス爆発災害に関する件)
○雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案(第百一回国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
○職業訓練法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○育児休業法案(糸久八重子君外二名発議)
○育児休業法案(中西珠子君外二名発議)
○林業労働法案(目黒今朝次郎君外一名発議)
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遠藤政夫#1
○委員長(遠藤政夫君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十四日、藤井恒男君、矢野俊比古君、和田静夫君及び斎藤十朗君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として抜山映子君、前島英三郎君、粕谷照美君及び川原新次郎君がそれぞれ選任されました。
 また、本日、川原新次郎君及び曽根田郁夫君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として山東昭子君及び森山眞弓君がそれぞれ選任されました。
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遠藤政夫#2
○委員長(遠藤政夫君) まず、労働問題に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は御発言を願います。
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高杉廸忠#3
○高杉廸忠君 実効ある男女雇用平等について今国会会期末の重要な審議に際し、恐縮でありますが、お許しをいただいて緊急問題について労働大臣にただしたいと存じます。
 労働大臣、昨日、長崎県高島町にある三菱石炭鉱業高島礦業所で、死者十一人、重軽傷五名を出した痛ましい炭鉱事故、坑内災害が起こりました。この際、亡くなられました方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々にも御家族の方にも、心から弔意を表する次第であります。
 報道によりますと、同礦業所は可燃性ガスの含有率が高い甲種炭坑でありまして、事故現場近くの送風ファンがとまっていたため、坑道上部にメタンガスがたまり、何かの火源で爆発したのではないかと報じられています。また、一説では、安全対策の手落ちから人災ではないかとも報じられているわけです。
 炭鉱災害や労働災害については本委員会においてもしばしば取り上げられまして、その安全対策については万全を期すために今日まで労働安全問題に取り組んできたところであります。
 そこで大臣、調査と緊急対策についてお伺いしたい。こういう災害についてどのように考えているのか、この際、お伺いをする次第であります。
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山口敏夫#4
○国務大臣(山口敏夫君) 今般のような大災害の発生はまことに遺憾でございます。心から十一名の犠牲者の方の御冥福をお祈り申し上げております。
 労働省といたしましては、先生から御心配、御指摘もちょうだいいたしましたが、長崎労働基準局に災害対策本部(本部長長崎労働基準局長)を設置いたしました。また、長崎労働基準局労働衛生専門官、労災補償課長補佐、長崎労働基準監督署次長以下七人のスタッフを現地に派遣をいたしました。また、本省から労働衛生課の主任労働衛生専門官を現地に直ちに派遣したところでございます。また、長崎、九州、大牟田、筑豊、熊本の各労災病院及び産業医科大学におきまして被災者の受け入れ態勢を整えたところでございます。また、緊急医薬品、CO中毒治療用の再圧タンクを手配をいたしましたところでございます。
 今後の措置といたしまして、被災状況、発生原因等の調査を進める、被災労働者及びその遺族に対する労災補償について迅速な給付が行えるよう、事務処理体制の整備を行い、補償の万全を期す、また、被災者に対する緊急検診等に万全を期する、かように進めたいと考えております。
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高杉廸忠#5
○高杉廸忠君 こうした災害によってとうとい人命の多くを失う悲劇というのはまことに不幸なことであると思うんです。私は、本委員会においても機会あるごとに、働く人たちの安全対策についてはその万全を期すために提言も行ってまいりました。大臣、しばしば私も言っておりますように、安全なくして労働なしであります。こうした不幸な事故を繰り返さないためにも、関係省庁とも十分な協議の上、その安全対策に万全を期すべきであると同時に、被災されました方々の御家族に対しても十分な手厚い援護を行うべきだ、こう考えます。
 大臣の労働者の安全確保並びに御家族の方の援護についての所見、そして今後の決意、これを伺いまして、貴重な時間を割愛をいただき、御協力をいただきましたことにお礼を申し上げて私の緊急質問を終わります。大臣の決意を伺います。
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山口敏夫#6
○国務大臣(山口敏夫君) 繰り返しますが、こうした大災害の発生はまことに遺憾に存じ、こうした事故が再び起こらないように、まさに万全を期すということが労働行政の基本である、かように認識をしております。
 労働者の命と健康を守る、これを最重要課題として、今後とも労働災害問題についての改善方を一層進めたい、かように考えます。
 また、本件につきましても、今後通産省等関係省庁とも十分連絡をとりまして、災害原因の調査と事故の再発防止のために全力を挙げて取り組みたいと考えております。
 また、遺族、被災者の補償等につきましても万全を期す、かような決意で取り組まさせていただきたいと考えておりますので、またよろしく御協力のほどをお願い申し上げたいと思います。
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遠藤政夫#7
○委員長(遠藤政夫君) 本調査はこの程度にとどめます。
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遠藤政夫#8
○委員長(遠藤政夫君) 前回に引き続き、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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粕谷照美#9
○粕谷照美君 最初に、大臣に婦人差別撤廃条約に関連して質問をいたします。
 私事にわたりますが、私は一九七四年、第十回の参議院選挙に初めて当選をいたしました。当時、田中寿美子議員、また市川房枝議員というような我々の大先輩がいらっしゃいまして、この婦人問題について非常に熱心に取り組みをされました。翌七五年にはメキシコで国連婦人の十年の世界会議がありました。それをきっかけにして、この国会の中でも超党派の「国連婦人の十年」推進議員連盟が結成されました。当時は二百二十名を超す人数がいましたが、今は選挙があったりお亡くなりになったり、なかなかこれがふえませんで百八十人ぐらいになっておりますが、この国連婦人の十年議員連盟は、国会の中で法律の改正だとかあるいは制度の改革などについて熱心な討議をしてきたというふうに思っております。それを受けてまた政府も大変な努力をされてきました。あわせまして院外では、四十八の民間婦人団体あるいは労働組合の婦人部なども入りましてその連絡会議が結成され、それぞれの自分たちの団体において、そしてまた団体としてまとまっての大きな運動を展開してきたと思います。
 そういう中で、八〇年に中間年世界会議がデンマークで開かれました。私もそのときは国会から派遣をされてデンマークに行っておりましたけれども、その中間年のときに婦人差別撤廃条約が出され、それを日本の国が批准を前提に署名をするという非常に重要な会議だったわけですが、なかなかその署名をしてよろしいという通知が本国から来ない、本国から来ないと、こう外務省が騒いでいたのを今でも覚えております。しかしようやく許可が出まして、高橋展子大使がこれに署名をされました。私は、あのときの感激を今でも忘れることはできません。
 そしてことしは八五年で、もう国連婦人の十年の最後の年であります。その条約批准というのは世界的な女性の闘いと同時に、また男性の協力もあったからこそ大きく前進をしてきたのだというふうに思いますけれども、そういうバックがなければ私は今の日本の政府が婦人差別撤廃条約を批准をするということをなかなかオーケーはしなかったのではないだろうか、こんな感じがするわけであります。
 大臣は、この差別撤廃条約を批准すること、あるいはその批准をすることに伴ったいろいろな法改正、それをあわせて、どんな感慨をお持ちですか。
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山口敏夫#10
○国務大臣(山口敏夫君) 先生が七五年からの経過についてのいろいろな感想、所感も御発言いただいたわけでございますが、この十年間だけでも女子労働者が五百万規模で労働市場に参加をしていただいておる。これはそれぞれの女子の皆さん方の職業人としての意識やあるいは能力、意欲というもののたまものであろうと思いますが、同時に、家庭の中における男性側の共同責任とか理解も今までとは違って大きな改善も図られておると、こういうことでもあろうと思うわけでございます。
 そうした社会の大きな意識の変化、また状況の中におきまして、日本政府も女子差別撤廃条約の批准というものに大変熱心に取り組んでおるわけでございますし、その国内法の整備の一環として、こうして社労委員を中心として男女均等法案が熱心に御論議いただいておることにつきましても、我々も心から敬意と感謝を申し上げておるところでございます。願わくはこの均等法の成立をいただき、この法案を一つの踏み台として、さらに、粕谷先生、皆さん方がお取り組みいただいておりました男女のあらゆる分野における差別や問題が改善、前進される一つの要素になっていただけないか、こういう気持ちでこの法案の御審議をお願いしておるところでございます。
 さらに、こうした問題の論議を含めて、雇用問題に限らずあらゆる社会分野における女子の能力、また意欲、また参加への姿勢が前進、拡大されることを私は心から望んでおるものでございます。
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粕谷照美#11
○粕谷照美君 前労働大臣の坂本さんは去年の予算委員会で、糸久議員の質問に対しましてこういう言葉を出していらっしゃるのです。何さまこれはコペルニクス的転回でございましてというわけです。つまり、この婦人差別撤廃条約の中に含まれている文言、あるいはそれに伴って日本の国がいろいろな法律を変えていこうという、そのことはコペルニクス的転回だというんです。今まで天が回っていると思っていましたのに、今度は自分が立っている地球が回っているのだということで、そのことを発表したコペルニクスが大変な弾圧を受けたわけでありますが、そういう状況だという認識をお持ちだったわけです。大臣は昭和十五年生まれで随分お若いから、そんな発想をお持ちじゃないと思いますけれども、私たちは役割分担をめぐるこの論議が男性の中の意識を揺さぶっているという感じがしてなりません。
 ところで、その差別撤廃条約の精神にふさわしい、雇用における男女の平等のいい法律をつくってもらいたいと運動してきた大勢の婦人たちにとって、今回出されている法律というのは非常に残念な法律だ、もう期待に反するというふうに私も考えます。それで、その法律の中身についてはいろいろな議論があったわけですし、質疑も展開されました。そのことを踏まえながら、二時間の時間をいただいておりますので、私なりに別の角度から質問をしていきたいというふうに思っております。
 法制局来ておられますか。――すべて我が国の法律というのは憲法のもとにつくられているというふうに思います。しかしながら、その憲法の理念に基づきとか憲法第何条に基づきとかという、こういう法律というのは極めて少ないのじゃないかと思うんです。ですから、一つは、法律は憲法のもとで、憲法の精神を具現するためにつくられるということの私の理解でよろしいか。
 二番目に、例えば警察法などを見ますと、「いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等」というふうに、憲法条項が法律の中に入っております。公職選挙法でもそうですね、第一条に、「日本国憲法の精神に則り、」、こう入っております。また、生活保護法などは、「日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、」、こうあります。憲法のもとの法律にわざわざ憲法条項をきちっと入れたということの意味は何でしょうか。
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大出峻郎#12
○政府委員(大出峻郎君) ただいま御指摘がありましたように、すべての法律は憲法の下位に置かれておる、こういうことでございますので、憲法の許容する範囲内において法律というものは制定をされるべきものである、いやしくも憲法の規定に反してはならないということは言うまでもないところでございます。
 ところで、いろいろな法律の中には、その目的規定等におきまして、ただいまお話しのございましたように、日本国憲法の精神にのっとりとか、あるいは日本国憲法第何条に規定する理念に基づきと定めている、そういう立法例が時としてあるわけでございます。このような規定が設けられておりますのは、一般的、抽象的に申し上げますれば、憲法が定めている基本原則あるいは憲法のいわば理念というようなものを具体化するための法律に使われていることが多いかと思います。こういう法律につきましては、憲法の諸規定やあるいは憲法の理念と密接な関係のあるそういう法律でございますので、そういう意味におきましてこれらの関係を明らかにしたり、あるいは強調をするためにそのような文言が用いられておるというふうに考えられるわけであります。
 例えば、今お話しのございましたように、生活保護法の第一条におきましては、「日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、」というふうにございます。公職選挙法第一条におきましては、「日本国憲法の精神に則り、」というふうな規定ぶりがあります。地方自治法第一条におきましては、日本国憲法という文言は用いられておりませんけれども、憲法の第九十二条に規定されている「地方自治の本旨」というような言葉を引用いたしまして、そういう精神に基づいてという意味で「地方自治の本旨に基いて、」というふうにあるわけでありますが、これは、これらの法律の目的なりあるいはその内容がいずれも憲法に定める理念なりあるいは制度というものを具体化するためのものであるという観点から規定をされているというふうに考える次第であります。
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粕谷照美#13
○粕谷照美君 労働大臣、これ労働省でもいいのですけれども、今の法制局の説明によれば、憲法の精神に密接に関係のするものだったら憲法条項が入る、こういうふうにおっしゃるんですけれども、先ほどの坂本前労働大臣の話じゃありませんが、コペルニクス的転回の中からつくられてくるこの法律なんです、勤労婦人福祉法の焼き直しとは言いながらもね。そういう中で憲法条項が入っていないということは、出されてきた今の案に入っていないということはちょっと弱いのではないかと、今の法制局の説明を聞きますと私は思うのですが、これはわざわざ断らなくても当然その文言は入っていると。もし入っているとすれば、憲法のどの条項が入っているというように理解をしたらよろしいでしょうか。
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赤松良子#14
○政府委員(赤松良子君) 機会均等法案は、具体的には憲法の理念を実現するために、「目的」、「基本的理念」その他に書かれているような精神で法案化されたものでございますので、憲法の精神にのっとってつくられたものであるということは、私どもの立法趣旨の中に明らかだというふうに今までもお答えもしてきたつもりでございます。
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粕谷照美#15
○粕谷照美君 何条何条ということをおっしゃっていただきたいのですが、時間がありませんので次に移ります。
 大分この問題について厳しく、福祉法であって、この法律の目的の中には女性にとって男性と同じように働くことが基本的人権であるという視点が欠落をしているとか、このような福祉法では女子差別撤廃条約の十一条一項の(a)に言う「すべての人間の奪い得ない権利としての労働の権利」を保障するという、こういう考え方が入っていないという指摘は厳しくこの参議院においても、我が党の糸久議員あるいは久保田議員から質問があったところであります。追及もされたところであります。
 しかし、福祉法といいましても、また考えてみますと、例えば母子及び寡婦福祉法、それから児童福祉法、あるいは老人福祉法、さらには生活保護法などが私は福祉関係の法律だというふうに思うんですけれども、これなんか同じ福祉法といっても、この法律と違いまして権利意識というものがぴしっと国民の中に入るような文言になっているんですね。そういう意味では、私は権利、基本的人権であるというこの視点が非常に欠落をしているという皆さんの指摘は正しいというふうに思いますけれども、労働省としては、これはもう確実に婦人の人権を、働くことについての人権を保障しているという法律であるというふうに考えていらっしゃいますか。
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赤松良子#16
○政府委員(赤松良子君) 憲法の基本的人権の中の勤労権が男女平等に保障されるということが、この法律案の、このたびの改正の中の主たる目的であるというふうに感じております。
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粕谷照美#17
○粕谷照美君 そうなんですね。男女平等であるという今の局長の答弁は私はよろしいと思います。しかし平等の「平」の字が入っていないのですね。「均」が入っているのですよ。議事録を拝見しますと、局長は、平等とは入っていないけれども、労働法規においては平等と言わないで均等と言うのだ、したがって、「均等」という言葉を入れたのだ、こういう説明をしていらっしゃる。まあ共通一次だったらこれは通るかなと思いながら、議会で確認をされたことですから、均等ということは平等ということと同じである、このことを再確認をしたいというふうに思います。いかがですか。
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赤松良子#18
○政府委員(赤松良子君) 憲法では法のもとの平等という言葉が使われておりますが、労働法規におきましては、労働基準法その他すべて、平等と全く同じ概念のもとに均等という言葉が使われておりますので、この法案が労働関係の法案であることから均等という言葉を使ったということを従来申し上げてきたところに全く変わりはございません。
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粕谷照美#19
○粕谷照美君 それではこういうように読み取っていいですね、題名において、雇用の分野における男女の平等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案、いかがですか。
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赤松良子#20
○政府委員(赤松良子君) 意味上では、全くそのとおりだと思います。
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粕谷照美#21
○粕谷照美君 次に、皆さんから非常に厳しい指摘があるこの法律案でありますが、一体なぜ政府がこのような勤労婦人福祉法の焼き直しで出してきたか、大勢の人々が、たくさんの団体が一致して雇用平等法という単独立法を出してもらいたい、こう言ってきたにもかかわらず、このような形になって提案をされてきたかということをいろいろ考えますと、そのバックというものをやっぱり考えないわけにはまいらないと思うんです。
 去年の三月の二日、日経連から質問状が出されておりますね。その内容は一体何か。そして、その質問にはどのような形でお答えになったか伺います。
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白井晋太郎#22
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。
 今先生おっしゃいましたように、日経連から、昭和五十九年三月二日、総理大臣、外務大臣、労働大臣に対しまして、女子差別撤廃条約が企業経営に与える影響及び批准のための最低要件についての質問書が提出されました。これに対しまして労働省は、政府の統一見解としまして次のように回答をいたしております。
 女子差別撤廃条約は女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃することを目指しているものでございますが、本条約は条約の規定ぶり等から判断して、雇用の分野においては漸進的な実施が認められると解されることから、本条約の批准は我が国社会の現状を踏まえつつ、条約の要請を満たす法的整備を行うことによって十分可能であるというふうに考えられること、及びその批准のための最低要件といたしましては、雇用の分野については法的措置を講ずる必要があること、その場合、「妊娠又は母性休暇を理由とする解雇及び婚姻をしているか否かに基づく差別的解雇」については禁止措置(最低限民事的強行規定)により担保しなければならないと解せられること、また批准のための最低要件として、母性保護措置以外の労働基準法の女子保護規定については、基本的には見直すことが必要であるが、条約上漸進的実施が認められると解せられるところから、批准時にすべて改正していなくても許容されるものと考えられることを回答いたしております。
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粕谷照美#23
○粕谷照美君 私もこの文章を読んでみましたけれども、非常に詰問的でありますね。最後の文章に、「何卒宜しくお願い申しあげます。」という言葉はついていますけれども、非常に日経連としては不満であるという態度が明確に出されています。しかも問題なのはこの質問が文書で出されているにもかかわらず文書で回答されなかった。国民の前に明らかにされていない。意見の対立があるわけですから、経営者側でない人たちにもきちんと労働省がこのような考え方を持っているということを私は明確にすべきであったと思いますが、なぜ文書で回答しなかったのか。しかも、文書で回答しなかったにもかかわらず、日経連タイムスを読みますと、ちゃんと今御報告になったようなことが書いてあるわけですね。これ、文書でやられたのじゃないですか、それが一つ。
 それから、日経連が何で四年近くも前の話を質問してきているのですか。これは昭和五十五年七月十七日、鈴木内閣発足の当日署名されたのでありますが、「署名することを決定した閣議は、その前々日七月十五日伊東首相臨時代理の内閣においてなされており、このような企業経営に重大な影響をもたらす条約の署名について事前に我が方になんの連絡もなかったように記憶するのであります。政府としてはたいした影響をもたらさないというお考えであったのでしょうか。」と、嫌みも含めての、これは何というのですかね、大変な圧力だというふうに思うわけです。私はこういう圧力に労働省が屈したのではないんだろうか、こんな感じがしてなりません。労働省、御答弁いただきます。
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白井晋太郎#24
○政府委員(白井晋太郎君) まず第一点でございますが、文書で回答するかどうかの問題でございますけれども、労働省としましては、これは日経連に限らず労使団体からの意見書、要望書に対しましては、通常、文書で回答はいたしておりません。文書で正式に回答すべきものとは判断しなかったわけでございますし、日経連も口頭での回答ということで了解いたしたわけでございます。したがいまして、政府が正式の立場で文書で回答するということは、ちょっと先生の考え方と違うかもしれませんが、そこまで考えなかったということでございます。
 それから第二点の、四年もたって云々ということでございますが、これは推測するところ、当時日経連の質問書は、当時、労働省の婦人少年問題審議会におきましてこの問題が活発に議論されておりまして、雇用における男女の機会均等と待遇の平等を確保するための方策については、法的整備もやむを得ないというような審議の中身でございました。その場合に、どのように整備をする必要があるのかということを日経連としても検討するために、この条約が企業に与える影響及び批准のための最低要件について政府の見解を求めたものであろうというふうに推測をいたしております。我々としては、財界の圧力とは受け取っておりません。
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粕谷照美#25
○粕谷照美君 その当時、「男女雇用平等法は日本を潰す」、屋山太郎さんという政治評論家がいろいろ書いているのですけれどもね。何を書いているかと言いますと、いろいろありまして、「政府が立法化にあたって重要な問題点を隠蔽し、まさにペテン師の如き態度で作業を進めていることだ」、こういうことをも言っていらっしゃる。 さらには、条約の署名式が七月の十七日、デンマークのコペンハーゲンで行われ、「日本からは高橋展子首席代表が署名した。奇しくもこの日は鈴木善幸氏が国会で首相に指名された日だが、「署名する」旨を決めたのは二日前の十五日。つまり、伊東正義官房長官が首相代理を務める臨時閣議で署名を決めたのだ。まさにドサクサまぎれの閣議決定であり、その証拠に当時の藤波労相もその後任の藤尾労相も共に「さっぱり記憶にない」ありさまなのだ。日経連は「当時、全く相談を受けなかった」と今になって政府に質問状を出す始末である。」このようなことを言われているのですね。
 私はこういうようなことが本当にそういうものであったとしたならば、いいかげんな、まさに差別撤廃条約の審議になっているというふうに国民に思われるのではないかと心配をするものであります。労働省としては、この時期にどのような考え方で対処しておられましたか。
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赤松良子#26
○政府委員(赤松良子君) この条約が大変広範な内容を持っていること、また先ほどコペルニクス的転回というような言葉が出ておりましたけれども、今までの価値観を大きく揺るがす可能性を含んでいるものであるというようなことにかんがみまして、非常にその及ぼすところは大きいという認識で政府部内では慎重に検討がされていたというふうに承知をいたしております。
 そして、内閣総理大臣を長とする、各省庁事務次官を本部員といたします婦人問題企画推進本部で、この署名に先立ちまして、六月の二十二日だったと思いますが、国内行動計画後半期における重要課題として、批准のため国内法制等諸条件の整備に努めるものとするという内容の申し合わせを正式にしているところでございます。このような申し合わせができたということで署名に踏み切ったというふうに私は理解をいたしております。
 本部の正式なメンバーでございます労働省といたしましては、その本部の申し合わせに臨むに際しまして、部内で適切な検討は当然されたわけでございます。
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粕谷照美#27
○粕谷照美君 慎重な審議の結果、この差別撤廃条約の署名をするという態度が決まったということについては了解をいたしました。
 ところで、ことしの一月の十七日、日経連の労働問題研究委員会が「活力ある社会をつくるために」という表題で報告を出しております。その中を読んでいきまして私はびっくりしたのですけれども、「第六章教育問題 (一)家庭教育」の部分です。「われわれは離婚の増加傾向を憂える。いったん結ばれ、子供までもうけた親が、子供の幸福を無視して離婚する。」云々とこうありまして、「われわれは男女雇用機会均等法案の審議過程において、何回か児童の福祉のことを頭に置くように要望してきた。」これは何も企業側からだけではないとは思いますが、その次がいけないんですね。「この法律の施行後、離婚が増加し、児童に不幸をもたらすというようなことの起こらないことを切望せざるをえない。」。
 大臣、この法律が通ったら離婚が増加するというようにあなたはお考えですか。
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山口敏夫#28
○国務大臣(山口敏夫君) せっかく子供までもうけた両親が離婚をするということが、幼児の心身の発育によい影響を与えるはずがない、こういう見解は私も同感でございます。
 しかし、この男女雇用均等法が成立をして離婚がふえるかどうか。これはやはり家庭内における共同責任を夫と妻がいかに理解し合うか、そこで協力をお互いがし合うか、こういうことでございまして、むしろ、やはり男女の、日本の社会的な大きな変化や女子勤労者の社会参加における社会の前進発展、こういう大局的な大きな意義もあるわけでございますから、私はこうした法案を通じて、男性、女性の役割分担と同時に理解と協力が促進をされる、こう確信をしておるものでございます。
   〔委員長退席、理事佐々木満君着席〕
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粕谷照美#29
○粕谷照美君 大臣の見解は、ちょっと私の質問とはすれ違っているんですよね。しかし、この法律が出て結果が出なければ私自身も自信がないわけでありますけれども、どうしてもやっぱり家庭責任は男女ともに負うんだ、この教育を徹底させていくことと、女性が働きやすい条件をつくっていくということ、この保証なしには心配されるようなことがあるかもしれない。したがってそれに対する国の責務、それから地方公共団体の責務、あわせて労働組合も含めて女性自身の自立とか学習とかというものが私は大事だというふうには思っております。
 さて、それでもう一つちょっと労働省にお願いをしたいのですけれども、やっぱり最低働く者を守ってくれるのは労働省だというふうにみんな思っているわけです。ところが、こんな法律が出てきたのでは、労働省は一体どっちの味方なんだろうかという心配をしているわけです。例えば建議で両論併記といいますけれども、本当は三論あった。労働者側と使用者側と意見が対立した。これはもう雇う側と雇われる側ですから対立して不思議はありません。一致しているところもあるわけですけれども。しかし、対立したときに、もう一つ公益委員の側が別の考え方を出しているわけでしょう。そうすると、せっかく公益委員をお願いをしたということは、企業と労働者側の意見が対立したときのその調整であったというふうに思うんですね。せめてその公益委員の意見というものをなぜ取り入れなかったかという不満は出てくるわけであります。その点はどのようにお考えですか。
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