社会労働委員会

1986-03-06 衆議院 全261発言

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会議録情報#0
昭和六十一年三月六日(木曜日)
    午前九時三十分開議
出席委員
  委員長 山崎  拓君
   理事 稲垣 実男君 理事 小沢 辰男君
   理事 高橋 辰夫君 理事 浜田卓二郎君
   理事 池端 清一君 理事 村山 富市君
   理事 大橋 敏雄君 理事 塩田  晋君
      愛知 和男君    伊吹 文明君
      稲村 利幸君    古賀  誠君
      自見庄三郎君    谷垣 禎一君
      戸井田三郎君    友納 武人君
      長野 祐也君    西山敬次郎君
      野呂 昭彦君    浜野  剛君
      林  義郎君    網岡  雄君
      金子 みつ君    河野  正君
      永井 孝信君    森井 忠良君
      沼川 洋一君    橋本 文彦君
      森田 景一君    森本 晃司君
      伊藤 昌弘君    浦井  洋君
      小沢 和秋君    菅  直人君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 今井  勇君
 出席政府委員
        文部省大臣官房会
        計課長     坂元 弘直君
        厚生政務次官  丹羽 雄哉君
        厚生大臣官房総
        務審議官    北郷 勲夫君
        厚生大臣官房審
        議官      木戸  脩君
        厚生大臣官房会
        計課長     末次  彬君
        厚生省保健医療
        局長      仲村 英一君
        厚生省保険医療
        局老人保険部長 黒木 武弘君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部長 森下 忠幸君
        厚生省薬務局長 小林 功典君
        厚生省社会局長 小島 弘仲君
        厚生省児童家庭
        局長      坂本 龍彦君
        厚生省保険局長 幸田 正孝君
        厚生省年金局長 吉原 健二君
        社会保険庁医療
        保険部長    花輪 隆昭君
        社会保険庁年金
        保険部長    長尾 立子君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局取引部流
        通対策室長   野崎  修君
        警察庁刑事局保
        安部公害課長  上野 治男君
        大蔵大臣官房参
        事官      塩田 薫範君
        大蔵省主計局主
        計官      中島 義雄君
        厚生大臣官房政
        策課長     岸本 正裕君
        社会労働委員会
        調査室長    石川 正暉君
    —————————————
委員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  網岡  雄君     多賀谷眞稔君
  金子 みつ君     佐藤 観樹君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤 観樹君     金子 みつ君
  多賀谷眞稔君     網岡  雄君
    —————————————
二月二十七日
 年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改
 正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三〇号)
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
同日
 国立篠山病院等の移譲反対等に関する請願(河
 土民雄君紹介)(第八二四号)
 同外二件(堀昌雄君紹介)(第八二五号)
 同(藤木洋子君紹介)(第八七七号)
 同(土井たか子君紹介)(第九〇七号)
 同(佐々木良作君紹介)(第九四一号)
 難病患者等の医療及び生活保障等に関する請願
 外一件(前川旦君紹介)(第八二六号)
 同(村山富市君紹介)(第八二七号)
 同(小沢和秋君紹介)(第八七八号)
 同(菅直人君紹介)(第八七九号)
 同(辻第一君紹介)(第八八〇号)
 同(菅直人君紹介)(第九〇八号)
 同(菅直人君紹介)(第九三一号)
 同外三件(伊藤昌弘君紹介)(第九四五号)
 同(池端清一君紹介)(第九四六号)
 同(菅直人君紹介)(第九四七号)
 同(塚田延充君紹介)(第九四八号)
 建設国民健康保険組合の改善に関する請願(山
 下八洲夫君紹介)(第八二八号)
 腎疾患総合対策確立に関する請願(相沢英之君
 紹介)(第八二九号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第八三〇号)
 同(武田一夫君紹介)(第八三一号)
 同(中村茂君紹介)(第八三二号)
 同(原田昇左右君紹介)(第八三三号)
 同(福田一君紹介)(第八三四号)
 同(藤井勝志君紹介)(第八三五号)
 同(山下八洲夫君紹介)(第八三六号)
 同(山中末治君紹介)(第八三七号)
 同(愛知和男君紹介)(第八七一号)
 同(浦井洋君紹介)(第八七二号)
 同(小沢和秋君紹介)(第八七三号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第八七四号)
 同(友納武人君紹介)(第八七五号)
 同(平石磨作太郎君紹介)(第八七六号)
 同(多賀谷眞稔君紹介)(第九〇五号)
 同(若林正俊君紹介)(第九〇六号)
 同(中西啓介君紹介)(第九二八号)
 同(日笠勝之君紹介)(第九二九号)
 同(山村新治郎君紹介)(第九三〇号)
 同(塚田延充君紹介)(第九四二号)
 同(浜田卓二郎君紹介)(第九四三号)
 同(元信堯君紹介)(第九四四号)
 原爆被害者援護法制定に関する請願(中川利三
 郎君紹介)(第九〇四号)
 老人医療の無料化制度復活等に関する請願(柴
 田睦夫君紹介)(第九二七号)
 国立療養所松戸病院と国立柏病院の統廃合反対
 等に関する請願外一件(新村勝雄君紹介)(第
 九三九号)
 母子保健水準の維持発展に関する請願(浜田卓
 二郎君紹介)(第九四〇号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給
 に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三一号)
 年金福祉事業団法及び国民年金法等の一部を改
 正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三〇号)
 厚生関係の基本施策に関する件
     ————◇—————
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山崎拓#1
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森井忠良君。
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森井忠良#2
○森井委員 大臣御就任おめでとうございます。
 私は広島でございますが、去年の暮れ組閣が完了いたしまして、早速電話がかかってまいりました。ああ今井勇先生というのは被爆地広島を社会労働委員会の委員派遣で団長として御調査をいただきました。平和記念館を見ていただいたり、原爆養護老人ホームを見ていただいたわけでございますが、相当な印象をお持ちになって帰られたと思うわけでございまして、大臣はまた広島の対岸の愛媛県の御選出でもございますし、広島県民は大変親しみを持っておるわけでございます。恐らく被爆者援護対策についても相当前進があるだろうと、大臣にかける期待というのは実は非常に大きいわけでございます。
 また、私的にわたりまして大変恐縮でございますが、私自身と大臣とはこの社会労働委員会で、与野党という違いはありましたけれども、お互いに理事として苦労いたしました。なかんずく被爆者の援護対策についても相当汗をかいていただいたつもりでございまして、小生の終生忘れ得ぬところでございます。
 したがいまして、今井厚生大臣に対しましては、真っ先にまずこの被爆者の援護対策の問題を聞いてくれという声があるわけでございまして、少なくとも今までと同じようなことをやったんじゃ、これは今井大臣らしくないわけでございまして、やはり相当な前進があるだろうというふうに私自身も率直に思うわけでございます。
 また思い起こしますと、私ども野党が提出をいたしました原爆被爆者援護法案につきまして、大臣は提案者の私に対しまして質問も行っていただきました。これは大臣だけではありません、丹羽政務次官も私に対しまして質問をしていただいたわけでございます。大臣の質問も御立派でございましたけれども、思い起こしてみますと、丹羽政務次官の私に対する質問も、これも相当なものでございました。私どもと気心がぴったりと合っておりまして、例えば原爆投下というのは明確に国際法違反であるということをおっしゃっておられたわけでございます。
 等々を考えますと、ことしは、御存じのとおり、十年に一回の大がかりな被爆者の実態調査、死没者の調査等も行われるわけでございますが、今申し上げましたように、従来にない新たなものが何か出るだろう。官僚のしがらみというのがありますけれども、これを克服するかどうかというのが、私どもは今井大臣のこれからの飛躍をなさるかどうか、そのかぎを握っておると思うわけでございまして、歯にきぬ着せぬ大臣の所感をこの際お伺いをしておきたいと思うのです。
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今井勇#3
○今井国務大臣 私も森井先生と一緒に被爆地を訪れたこともありますし、またお話のとおり、援護法につきましての野党の案に対しましてやりとりをしたことがきのうのように思い出されるわけでございます。
 非常に御熱心に被爆の問題に取り組んでおられます先生の今のお言葉でございますから、十分まじめに受けとめまして、できる限りのことをいたしてまいりたいと思っております。厳しい財政状況下ではありますことを存じながらも、できる限りのことをいたしてまいりたい、こう思っておりますので、御答弁をさせていただきたいと思っております。
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森井忠良#4
○森井委員 この問題につきましては、いずれ法案の審議の時期がございますので、この程度にとどめさせていただきたいと思います、
 さて、昭和六十一年度の予算案、現在審議中でございますが、厚生省としては相当御苦労が多かったのではないかと思うわけでございます。どう見積もっても、当然増経費というのは一兆五千億に上る、しかし大蔵省はマイナスシーリングを掲げて相当厳しい査定をする、そういう状況にあったと思うわけでございますけれども、いずれにいたしましても、まずお伺いをいたしたいのは、六十一年度予算案の編成に当たって、何が一番苦労の種であったのか、何が一番問題であったのか、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。
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北郷勲夫#5
○北郷政府委員 予算のときに何が一番苦労だったかというお尋ねでございますが、当然のことでございますが、いわゆる厳しいシーリング枠がございまして、その中でどうやって本当に予算が組めるか、このシーリングの別枠も限られておりますし、当然増の経費が非常に多いわけでございますので、そういうものをどうやって手だてを講じて実質的な福祉の水準を落とさないような予算を組むかという点が一番最大、もうそれに尽きるわけでございます。
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森井忠良#6
○森井委員 具体的には、ことしは先ほど申し上げましたように、当然増経費、まあ大まかな数字でございますが、一兆五千億でしたね。それに対しまして、概算要求基準というのができまして三千九百億余り、残りは全部カットしてしまえという形であります。去年も当然増経費は六千五百億、それに対しまして概算要求基準は三千四百億、したがって委縮減額は三千百億。たどっていきますと、六十年度も五十九年度も五十八年度も五十七年度も、ずっと概算要求基準というのができまして、当然増経費を相当切り込まなければならぬという状況であります。これは来年度も同じような予算編成を行うという形になるのですか。
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北郷勲夫#7
○北郷政府委員 先生も御承知のように、厚生省の予算は毎年当然増が出る構造になっておりますので、まだ来年度のことは、現在予算を審議いただいている最中でございますので、来年のことを申し上げる段階ではないとは存じますが、当然のことながら、来年度もここ数年と同じような当然増経費が生ずるということは予測されるわけでございます。で、来年どうするかということについても非常な困難が予想されますので、いろいろどうするかというようなことも、まだ六十一年度予算の審議中でございますから申し上げるのはいかがかと存じますが、どうしようかという問題についてはいろいろ思いをめぐらせてはいるというような状況でございます。
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森井忠良#8
○森井委員 増岡前厚生大臣は去年の暮れの予算折衝におきまして、こういう形の当然増経費、それに対して委縮減額などなど考えて切り込みを続けておりますともう来年からは予算が組めない、新たな発想のもとに予算編成を行うべきであるということで一定の提案を大蔵大臣にしておられますね、社会保障特別会計の設置について。これは恐らく今までの状態でいけば予算が組めない、全般的に見ると御存じのとおりの財政事情でありますから、少なくとも他の省庁と同じように一律カットを前提とした社会保障予算というのを組むのはもう無理がある、こういうことで正式に申し入れをしておられると思うわけでありますけれども、社会保障特会というのはおやりになるのですか。
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今井勇#9
○今井国務大臣 私も事務の引き継ぎをいたしましたときに前大臣からそのようなお話を聞きまして、おっしゃいますように、当然増がこれから避けられないという性格を持っているものが厚生省には非常に多いものでございますから、その社会保障予算を一般会計から切り離して社会保障に関する給付と負担の関係を明確に示すということは私は極めて有力な示唆に富んだ御見解であったと思います。しかしながら一方考えますと、なかなか国の財政構造全体にも関係する問題でございますから、やはりこの問題を頭に置きながらも今後の社会保障の問題、予算のあり方について十分検討してまいらなければならぬ問題だと思っておりますので、十分ひとつ今後の問題として頭に置いて勉強してまいりたいと思っております。
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森井忠良#10
○森井委員 大蔵大臣見えておりますか。——いませんね。あなた、大蔵大臣じゃない。大蔵大臣の御出席を要求したのでありますけれども、どうも主計官のようであります。御苦労さん。御苦労さんですが、非常に重要な問題なので私は大蔵大臣の出席を要求いたしました。主計官で役不足というわけじゃありませんが、大蔵大臣のかわりに答弁ができるのならひとつお答えいただきたいと思うのでありますが、この社会保障特会について大蔵省の考え方を聞きたい。
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中島義雄#11
○中島説明員 最近、社会保障勘定の分離の問題につきまして幾つかの御提言がなされていることは十分承知しております。そのうちの一つといたしまして、昨年厚生大臣から御提案のありましたいわゆる社会保障特会の構想ということについても私どもは承知いたしておるところでございます。これらの御提言は、今後高齢化の進展等に伴いまして社会保障関係費の増加がどうしても避けられないということを前提といたしますと、今後の社会保障負担をどのような形でお願いするかというような観点に立って大変示唆に富んだ御提案であるということは私どもも同様の受けとめ方をしておるところでございます。
 ただし、他方におきましては、社会保障関係費につきまして、俗な表現で恐縮でございますが、いわゆる聖域というような形で今後とも必要な歳出の合理化努力というようなものが不十分とならないかどうか、あるいは社会保障だけがそのような別枠という扱いでやるということが他の経費とのバランス上納得が得られるかどうかといった幾つかの問題点もあろうかと思うわけでございます。
 そこで財政当局といたしましては、こうした御提言を含めまして各界の御意見を承りながら今後歳出歳入構造のあり方、それから受益と負担のあり方等、幅広い観点から真剣に検討を重ねてまいりたいと考えておる次第でございます。
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森井忠良#12
○森井委員 これは大臣にもお聞きをいただきたいのですけれども、厚生省における、あるいは社会保障予算における当然増経費とは何ぞや。これは他の省庁と違いまして一律削減の対象になるかどうか極めて疑わしい、むしろはっきり言えば一律削減の対象にならない。例えば年金の給付でありますけれども、これは一定の年齢に達したら年金を差し上げますよという前提のもとにせっせと長い間保険料を掛けさせておる。したがって、当然これは支払わなければなりませんし、その意味では国の債務でもあります。
 大体、厚生省の予算というのは年金と医療で恐らく八割ぐらいは当然増経費が出てくる。これは人口の高齢化その他ありますから出てくる。これは異論のないところだろうと思うのです。そういたしますと、当然増経費というのは、前の年よりふえても当然増を足したのが初めて前の年並みの予算額であるという認識に立たなければならぬ。当然、金額的に絶対金額だけを見たのではおかしいことになる。例えばことしで言えば一兆五千億の当然増経費があるわけでありますが、その大部分は年金と医療です。なかんずく年金の支払いであります。こういったものを大なたを振るって切る、さっき言いましたように、当然増一兆五千億、そのうち認められたのは三千九百億余りでありまして、一兆一千億に余る当然増経費をぶった切るというのは、これはもうどう考えてもおかしい。大臣、いかがですか。
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今井勇#13
○今井国務大臣 まさに先生のおっしゃるような当然増というものを持っておりますことが我が省の予算の極めて特色でありますことは、おっしゃるとおりでございます。そんなことで私どもは年金にしても医療保険にいたしましても制度の根幹にかかわる改革に取り組んでまいりました。六十一年度の予算におきましても老人保健制度や高率の補助金の見直しを行うことにしておるわけでございます。しかしながら、おっしゃいますように、じゃ六十二年度以降を例えば考えましても、予算編成につきまして今の段階では予測しがたいものでありますけれども、従来のやり方ではなかなか困難な予算編成になるというふうに私は思っております、
 したがって、厚生省としては今後とも社会保障の水準をどうしても確保しなければなりませんから、どのような方策が可能であるか、あるいは予算編成のあり方も含めて関係当局とも十分相談をしながら検討を進めることにいたしたいと思います。その場合に、先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、社会保障特別会計の考え方というのも一つの重要な検討材料になるものだというふうに私は考えております。
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森井忠良#14
○森井委員 基本的な認識は大体一致するようでありまして、また与党の皆さんも、そうだそうだと言ってもらっておりますからわかるのでありますが、確かに一般会計がマイナスシーリングの中で、社会保障予算も同じようにマイナスシーリングというのは認められない。このことについてはお互いに異存のないところだろうと思うわけです。
 そこで、考え方として幾つか出てきておるようであります。学説も幾つかありますけれども、要約をいたしますと、一般会計の中に社会保障勘定を設けるという発想と、それから、そうじゃなくて新たに社会保障特別会計を設けるという発想と二通りになっておるようでありますけれども、増岡厚生大臣から大蔵大臣に示されましたあの社会保障特別会計の構想というのは、そのどっちになるのか、そして今井大臣になりました新体制下の厚生省としてはどういうふうなお考えに立っておられるのか、あるいは今まだ検討中なのか、その辺について作業の状況をお知らせをいただきたいと思う。
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北郷勲夫#15
○北郷政府委員 増岡前大臣のお考えになっております社会保障特別会計は、当然のことでございますが、一般会計とは別の、特会でございますから一般会計とは別に設けるというようなものでございます。
 それから、現在どういう検討をしておるかということでございますが、これはまだ確たるものではございませんが、いろいろ技術的な問題がございます。特別会計等をつくると申しましても、いろいろ検討点がたくさんございまして、一体どういう趣旨で設けるかというふうなところから出発しなければいかぬわけでありまして、主として考えておりますのは、給付と負担の関係を明確化する。非常に社会保障給付の規模が大きくなっておりますし、国民の負担も非常に大きいわけでございますので、負担と給付、保険料がどういうところに給付に向かっているかということを国民の前に明らかにする、こういうのが一つの大きなねらいだと考えておるわけでございます。
 そういった目的を実現いたしますために、例えば、特会でございますから歳入歳出というような勘定が当然出てくるわけでございますが、その対応関係をどういうふうに形づくるか、その目的に沿った対応関係を明確化する方法をどういうふうなことにしたらいいかということは非常に大事な問題でございます。
 それから、特別会計に加えようといたします事業の範囲、これもいろいろ議論をしなければならぬ。仮に実施するといたしましても、議論が相当あるところでございます。社会保険、医療、年金、保険は当然だと存じますが、そのほかの福祉関係についても入ってこなければおかしいものがあるわけでございまして、ただ、性格上入れられないものもある。社会防衛的なものについては入らぬとか、そういったことで、対象事業の範囲をどういうふうにするかというような点もあるわけであります。
 それからまた、非常に大事な点でございますが、特会を設けました場合に、歳入の問題がございます。当面予想されます歳入不足を、一体どういうふうな歳入を想定するのかということも検討点でございまして、そういった点について内部的にいろいろ議論をいたしておるという段階でございます。
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森井忠良#16
○森井委員 まだ不確定要素がたくさんあるから答弁しにくいかと思うのでありますが、先ほど北郷審議官は、六十二年度の予算編成に当たっても六十一年度以上の当然増経費が出るだろうという発言をされました。どれくらい見込んでおられますか。アバウトの数字で結構であります。
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北郷勲夫#17
○北郷政府委員 これは、先ほど申し上げましたように、まだ確定数字を、当然のことながらまだ六十一年度予算自体が成立いたしておりませんので、そういった作業はいたしておらないのでありますが、先ほど先生もおっしゃいましたように、五十八年度からここ数年間を見てまいりますと、大体八千億から九千億の当然増が毎年出ておるわけでございます。
 先ほど、六十年度六千五百億というようなことを先生おっしゃいました。これは、いわゆる健保の平年度化が抜けておりますので、通常の性格から見ますと、やはり大体八千億ぐらいの当然増が出ておるわけでございまして、大体八千億から九千億程度の当然増は出ておりますので、ほぼ同じ程度の自然増が出るのではなかろうかというふうに、これは想定でございますが考えておるところでございます。
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森井忠良#18
○森井委員 今年度の当然増よりも減るのは、それは次から次へと制度改悪するからそういうことになるのでありますが、いずれにしても、長い間社会保障や労働政策をずっと手がけてきた私としては、こんなひどい予算の組み方というのはないと思う。
 福祉元年という言葉がありました。田中内閣のときです。評価はいろいろ分かれますが、福祉の予算だけは削ってはならぬという、そのことの表現としては適切ではなかったか、中身はともかくといたしまして。今は、福祉であろうと、あるいは防衛予算であろうと全部同じ。しかも、最近は防衛予算の方がうんと突出をするという形になってまいりました。憤慨にたえないところであります。
 そこで、来年度以降の予算の組み方について、先ほど大蔵省は、社会保障特会について一応の理解を示しておられると私拝聴したのでありますけれども、今までと同じ組み方をするか、あるいは社会保障特会あるいは社会保障勘定といいますか、そういった、一般会計と別枠にして、そして先ほど言いましたように、高齢化社会に備えまして、福祉については後退をさせない。だから勘定を別にいたしまして、少なくとも今までつぎ込んでまいりました一般会計の予算は削らない。これが第一。したがって、それだけでは当然財源不足を生じますから、増大する福祉予算については何らかの新たな財源の手当てをしたい、これが社会保障特会の具体的な提言だろうと思うのです。この点については大蔵省、どうですか。
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中島義雄#19
○中島説明員 まず、来年度の予算編成をどのような形で進めるかにつきましては、まだ六十一年度予算の御審議をお願いしている段階でございますので、私どもとしても具体的な方針を考えておりません。今後検討させていただきたいと存じます。
 ただ、先生御指摘のように、いわゆるシーリシグの手法によりまして大変厳しい予算編成を繰り返しておるという中で、社会保障に必要な財源を確保していくことが大変に難しい課題であるという点につきましては、私どもも同様に考えておるわけでございます。
 ことしの、昭和六十一年度予算におきましても、一般歳出が総額としてマイナス十二億という中で、社会保障関係費の伸び額は二千六百九億ということで最大の伸びを確保いたしておりまして、その財源は、他の経費を節減合理化しながら捻出しておるわけでございます。このように、私どもは、厳しい概算要求の枠の設定の中で、いろいろ御批判は賜りながらも、社会保障については最大限の重点を置かせていただいておるということをまず御理解いただきたいと思います。
 来年度以降どのようにするかにつきまして、いわゆる社会保障勘定の分離との関連についてのお尋ねでございますが、これについては、先ほど厚生省の方からの答弁もございましたように、幾つかの検討すべき点があるわけでございます。
 特に財源との問題につきましては大変難しい課題でございまして、どのように考えていくか。例えば税制調査会など、関係審議会などの意見も十分聞かなければならないわけでございます。したがいまして、概算要求をいただくときまでにそのような新たな方策を打ち出すかどうかにつきましては、私はなかなか困難な問題もあろうかと考えておるわけでございます。
 社会保障関係の財源の問題につきましては、もう少し長い観点から検討を加えさせていただきたいと考えておる次第でございます。
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森井忠良#20
○森井委員 これは厚生大臣にお伺いをしたいわけでありますけれども、先ほど私申し上げましたように、今まで厚生省が検討してきておられたものは、これは学者の学説等も参考にしておられますが、このままでは、一般会計と同じような扱いをされたのでは社会保障の予算は組めない、そういう前提に立って、増岡前大臣が特会に対しまして大蔵大臣に提言をされました。
 中身は、今まで組んでまいりました一般会計の社会保障関係予算、その割合は維持する、これが第一点であります。今までどおりの割合を予算上維持していく。しかし、申し上げましたように、当然増経費がふえておりますから、それでは足りません。その部分については福祉目的税的なものをこの際導入をして社会保障の充実を図っていきたい。ですから、新たな財源を求めるというのは、厚生省が今まで参考にしておられますのは福祉目的税なのですね。その中身は所得型の付加価値税があるいはEC型の付加価値税か、その辺についてはまだ判断をしておられませんけれども、いずれにいたしましても新たな財源プラス従来の社会保障関係の予算、こういったものを考慮に入れて、申し上げましたように積年の予算編成の悩みといいますか、そういったものを晴らしたい、こういうことだろうと思うのでありますけれども、そういうふうな前提でこれから御検討を進められるというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
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北郷勲夫#21
○北郷政府委員 福祉目的税の問題につきましては、今税制調査会でいろいろ検討がなされておるわけでございまして、私どもの方から余り申し上げにくいのでございますが、例えば特別会計をつくりましたときにどういう財源を想定するかという点では非常に大事なポイントになる点でございます。そういう意味で、私どもはそういったものも財源構成の一つとして想定はしておるということでございまして、どういう形のものかというようなことは、これは専門でございませんので、今ちょっとおっしゃいました所得型とか消費型とか、こういう問題については私どもまだ詳細には考えておりませんが、財源の構成の想定の一つとしていろいろ考えてはいるという状況でございます。
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森井忠良#22
○森井委員 一口で言いますと、そうなると、こういうことですか。いずれにしても、今までの予算の編成のやり方じゃだめだ、したがって、厚生省としては特会も含めて新たな道をこの際探求をしたい、そして六十二年度の予算編成に当たってはそういった立場でこれから努力をしたい、こういうふうに理解してもいいのですか、厚生大臣。
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今井勇#23
○今井国務大臣 確かに政府委員が答弁しましたようにいろいろ問題がありますが、どうもこのままでは増大します予算になかなか対応しにくいという現実が参りますので、やはり六十二年度以降の予算編成につきましては何か一つ考えなければならぬ。その場合に、私ども御答弁申し上げました、前大臣も言われました社会保障特別会計の考え方も一つの有力な検討材料になるのだというふうに私は考えております。
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森井忠良#24
○森井委員 どうも、聞いておりまして非常に腰が弱いといいますか、まだ六十一年度の予算の審議中ですから無理もないのですけれども、いずれにいたしましても、この際明確に申し上げておきたいと思うのでありますが、今までのような予算編成ではこれはだめだということではほぼ一致すると思うのです。だからこそ、去年増岡前厚生大臣がああいう申し入れをなさったということでありますから、そういうふうに理解したいと思うのです。
 この際、大蔵省にも再度確認をしておきたいのでありますけれども、今までの予算編成、いろいろ反省点もあると思うのでありますが、厚生省の提言に従って大蔵省としても真剣にこの問題の検討をするということなのかどうなのか、この点、一言でいいからはっきりさせてください。
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中島義雄#25
○中島説明員 これまでの予算編成の手法につきましていろいろ御批判は私ども承知しておりますけれども、そういった厳しい予算編成の過程で、またさまざまな長期的な観点から見て意義のある制度の改革が進んできたことも事実であろうかと存じます。
 これから先、いつまでこのような手法を続けられるかについては、またいろいろな御意見があることは十分踏まえまして、私どもも幅広い観点から真剣に検討してまいりたいと考えておるところでございます。
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森井忠良#26
○森井委員 この問題はこれくらいにしておきます。
 次に、やはり厚生省が一番頭を痛めただろうと思うのでありますが、ことしもまたまた大蔵省によって無理難題を強いられてまいりました。幾つもありますけれども、その端的な例は政管健保の国庫負担の繰り延べであります。去年が九百二十九億。去年も腹が立ちましたけれども、これは一年限りだろうと思って我慢しました。そうしましたら、ことしまた千三百億国庫負担の繰り延べをやられました。これは金がないからでは済まされない。短期給付に係る保険料、それをこの際召し上げるというわけでありまして、私は何としても納得のできないところであります。同時に厚生省の弱腰についても強く反省を求めたいと思うわけでありますが、これは一体どういう根拠に基づいているのですか。健康保険法にはないですね。だから、財確法を出しているのだと言われるかもしれませんが、大蔵省、わけを説明してみなさい。
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中島義雄#27
○中島説明員 昭和六十一年度予算編成といいますのは、大変厳しい制約のもとで財政改革を一歩でも進めるという観点からいろいろな苦心を重ねて編成してきた予算でございます。そういった中で、必要な社会保障財源を何とか確保するために、政管健保につきましても、たまたま政管健保の収支において剰余が見込まれるということに着目いたしまして、臨時の措置といたしまして政府の方でお借りしたという次第でございます。
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森井忠良#28
○森井委員 厚生省、ここ数年、政管健保の財政というのは黒字が続いているのですね。ずっと借金を返してまいりました。もう昭和四十八年以前の債務につきましても、資産見合いについては返済をいたしまして、借金ゼロです。これはかつて三Kと言われましたけれども、今健保のKはなくなってしまった。毎年毎年黒字決算を続けてまいりました。なかんずく昭和六十年度の決算見込みについては、これは二千億に余る黒字決算を想定をしておるわけであります。大きな原因は何ですか、これは。
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花輪隆昭#29
○花輪政府委員 お答えいたします。
 五十九年度、六十年度、引き続きまして二千億程度の剰余が出る、こういう見込みに相なったわけでございますが、その原因といたしましては、健康保険法改正後におきまして、医療費の伸びが予測を下回っておるというふうなところにあるわけでございまして、その背景といたしましては、国民の健康意識の徹底というふうなものも基礎にはあるのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
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