外務委員会

1987-05-18 衆議院 全415発言

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会議録情報#0
昭和六十二年五月十八日(月曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 山口 敏夫君
   理事 甘利  明君 理事 浦野 烋興君
   理事 奥田 敬和君 理事 北川 石松君
   理事 中山 利生君 理事 高沢 寅男君
   理事 神崎 武法君 理事 永末 英一君
      大石 正光君    鯨岡 兵輔君
      坂本三十次君    椎名 素夫君
      塩谷 一夫君    杉浦 正健君
      竹内 黎一君    武村 正義君
      虎島 和夫君    中山 正暉君
      水野  清君    村上誠一郎君
      森  美秀君    岡田 利春君
      河上 民雄君    伏屋 修治君
      正木 良明君    渡部 一郎君
      岡崎万寿秀君    松本 善明君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 倉成  正君
 出席政府委員
        防衛庁人事局長 松本 宗和君
        防衛施設庁長官 宍倉 宗夫君
        防衛施設庁施設
        部長      岩見 秀男君
        防衛施設庁労務
        部長      西村 宣昭君
        外務政務次官  浜野  剛君
        外務大臣官房審
        議官      柳井 俊二君
        外務大臣官房審
        議官      遠藤 哲也君
        外務大臣官房領
        事移住部長   妹尾 正毅君
        外務省北米局長 藤井 宏昭君
        外務省欧亜局長 長谷川和年君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   恩田  宗君
        外務省経済局次
        長       池田 廸彦君
        外務省経済協力
        局長      英  正道君
        外務省条約局長 斉藤 邦彦君
        外務省国際連合
        局長      中平  立君
        外務省情報調査
        局長      新井 弘一君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全調査室長  尾藤  隆君
        外務大臣官房文
        化交流部長   田島 高志君
        通商産業省機械
        情報産業局航空
        機武器課長   今野 秀洋君
        資源エネルギー
        庁長官官房国際
        原子力企画官  石海 行雄君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全審
        査課長     山本 欣市君
        外務委員会調査
        室長      門田 省三君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十八日
 辞任         補欠選任
  石原慎太郎君     杉浦 正健君
  武村 正義君     虎島 和夫君
同日
 辞任         補欠選任
  杉浦 正健君     石原慎太郎君
  虎島 和夫君     武村 正義君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国際花と緑の博覧会政府代表の設置に関する臨
 時措置法案(内閣提出第三八号)
 文化交流に関する日本国政府とソヴィエト社会
 主義共和国連邦政府との間の協定の締結につい
 て承認を求めるの件(条約第一号)
 多数国間投資保証機関を設立する条約の締結に
 ついて承認を求めるの件(条約第四号)
 商品の名称及び分類についての統一システムに
 関する国際条約及び商品の名称及び分類につい
 ての統一システムに関する国際条約の改正に関
 する議定書(千九百八十六年六月二十四日にブ
 ラッセルで作成)の締結について承認を求める
 の件(条約第七号)
 関税及び貿易に関する一般協定のジュネーヴ議
 定書(千九百八十七年)の締結について承認を
 求めるの件(条約第八号)
 民間航空機貿易に関する協定附属書を改正する
 議定書(千九百八十六年)の締結について承認
 を求めるの件(条約第九号)
 原子力事故の早期通報に関する条約の締結につ
 いて承認を求めるの件(条約第一〇号)
 原子力事故又は放射線緊急事態の場合における
 援助に関する条約の締結について承認を求める
 の件(条約第一一号)
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び
 安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び
 に日本国における合衆国軍隊の地位に関する協
 定第二十四条についての特別の措置に関する日
 本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結につ
 いて承認を求めるの件(条約第三号)
     ――――◇―――――
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山口敏夫#1
○山口委員長 これより会議を開きます。
 国際花と緑の博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法案、文化交流に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、多数国間投資保証機関を設立する条約の締結について承認を求めるの件、商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約及び商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約の改正に関する議定書(千九百八十六年六月二十四日にブラッセルで作成)の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定のジュネーヴ議定書(千九百八十七年)の締結について承認を求めるの件、民間航空機貿易に関する協定附属書を改正する議定書(千九百八十六年)の締結について承認を求めるの件、原子力事故の早期通報に関する条約の締結について承認を求めるの件、原子力事故又は放射線緊急事態の場合における援助に関する条約の締結について承認を求めるの件及び日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上各案件を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
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高沢寅男#2
○高沢委員 地位協定に関する特別協定についてお尋ねをいたします。
 昭和五十三年以来、いわゆる思いやり予算ということで在日米軍の労務費の一部を日本側で負担をして今日に至ったわけです。ところが、今回その裏づけとしてこういう特別協定を締結するということになった経過あるいはその理由、まずそれをお尋ねをしたいと思います。
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藤井宏昭#3
○藤井(宏)政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、昭和五十三年度、五十四年度以降在日米軍の経費の一部につきまして、その地位協定二十四条の解釈によりまして日本側が負担してまいった経緯があるわけでございますけれども、さらに昨年の末に至りまして、最近の日米両国を取り巻きます経済情勢の変化によりまして、在日米軍経費なかんずく労務費が急激に逼迫しているという事態にかんがみまして、在日米軍従業員の安定的な雇用の維持を図り、さらにもって在日米軍の効果的な活動を確保するための方策について検討を行ってまいったわけでございます。このような検討を踏まえまして、政府はこの協定を締結することにつきまして昨年の十二月以来米側と交渉を行ったわけでございますけれども、本年の一月三十日本協定の案文について最終的な合意を見まして、日米間で署名に至ったものでございます。
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高沢寅男#4
○高沢委員 今藤井局長からの御説明の中で、最近の日米間の経済情勢ということも一つ挙げられましたが、私はもちろんそれもあると思いますが、しかし振り返ってみれば、五十三年以来の思いやり予算というものが年々非常に大きくなってきたということで、あの地位協定の二十四条のアメリカ側で負担するもの、日本側で負担するもの、そういう定めが一応あるわけですが、あれとの関係において、現実の思いやり予算を出しているというこの実態が余りにも二十四条との矛盾が大きくなった、こういうことも今回特別協定を必要とするに至った、こういうことではないかと思いますが、この点はいかがですか。
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藤井宏昭#5
○藤井(宏)政府委員 昭和五十三年及び五十四年に行われましたいわゆる思いやり予算につきましては明確なる我が方政府の解釈がございまして、その解釈の範囲内でその後も在日米軍従業員の給与の一部を手当てしてきてまいったわけでございます。
 したがいまして、二十四条一項自体、それの解釈あるいは運用ということ、それが今回の取り決めということで直接結びついているということではございませんで、委員御存じのとおり、最近の経済情勢、特になかんずく為替の著しい変動、円高という事態を迎えまして、在日米軍の経費がドルベースでは大変に急増した。その結果、日本人の従業員の雇用の安定が脅かされている。それは日米安保条約に基づきましての在日米軍の円滑なる運営に対しましてもそれが問題であるという認識に基づきまして、今回さらに我が国として何ができるかを検討しました結果、先ほど申しましたような特別協定ということになったわけでございます。
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高沢寅男#6
○高沢委員 局長も御存じのように、今までも外務委員会では何回も何回もあの思いやり予算は地位協定二十四条のアメリカ負担と日本負担を定めたあの規定と外れているではないか、こういう議論があったことは御承知のとおりです。しかし、政府側はその解釈の範囲内でというようなことでずっと今まで押し通してきたわけですが、もともとそれは、やはり解釈の範囲内でということでは済まない。あの二十四条の規定と違うことを現実にはやってきたんだ。ただ、やってきたことが量的にだんだんふえてきたということ、円高という事情のもとにその金額をますます拡大しなければいかぬというところまで来たときに、もう解釈の枠内でという言い抜けでは通らないというところまで来たから今度の特別協定ということになったと私は見るわけですが、この点はいかがですか。
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藤井宏昭#7
○藤井(宏)政府委員 先ほどから御説明申し上げておりますとおり、円高は、御存じのとおり一昨年のプラザ合意によりまして円高という事態が生じたわけでございます。したがいまして、それが現実に在日米軍の財政負担を急激に悪化させましたのは昨年でございます。したがいまして、この問題はまさに最近の経済情勢、特に円高というものによって招来された事態ということでございまして、委員御指摘のような一般的な、我が国が在日米軍従業員の労務費の肩がわりと申しますかそういうものをふやしてきて従来の解釈では、というような事態というよりは、むしろ極めて異常なる経済状態がここに生起したという現実、これを踏まえましての暫定的、一時的、限定的な、特例的な措置であるというのが我々の認識でございます。
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高沢寅男#8
○高沢委員 その議論はまた後でやることにいたします。
 今度のこの協定を結ぶことによって日本側がこれでお金を余計に出すわけですから、その意味においてはメリット、デメリットといえば、そのデメリットが日本側のものになるとは思いますが、しかしまた一方、日本側から見てどういうメリットがあるのか。それから、アメリカ側から見て、この特別協定によってどういうメリットがあるのか、その辺のところをひとつお聞きしたいと思います。
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藤井宏昭#9
○藤井(宏)政府委員 日本側から見ますと、明確なメリットは、やはり在日米軍の従業員約二万名強おりますけれども、その安定的な雇用が図られるということでございます。それは、さらに在日米軍の効果的な活動確保に資するということ、これは安保条約の目的達成の上で重要なことであると思います。
 アメリカ側にとりましては、申すまでもないことでございますけれども、いろいろな試算がございますけれども、急激な円高によりまして、円ベースでは変わらなくてもドルベースでは急激に在日米軍の支出が伸びております。その一部を緩和できるというメリットがあることは申すまでもないことであると存じます。
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高沢寅男#10
○高沢委員 今、日本側のメリットの一つとして、局長はこれによって在日米軍で働く日本の労務者の雇用が安定できる、こういうことを言われました。
 御承知のとおり、我々日本社会党は、安保あるいはそれに伴う地位協定というふうな、全体の日米の軍事同盟体制には当然反対なわけです。しかし、現実にそういうものがあって、そこで日本の労務者の人が働いておる。とすれば、現状の中ではこの雇用の安定ということは、これはまた我々は非常に重要な問題と考えているわけでありますが、そうすると、今のお答えから見れば、この特別協定ができて、そしてこの労務費についての日本側の負担ということがはっきりなされていくということになれば、現在の米軍関係で働いている労務者の雇用はこれによって確保できる、こういうふうに私は見ていいのか。
 聞くところによれば、こういうふうな事態にもかかわらず、なおかつアメリカの当局ではなるべくそういう日本人の労務者を減らしていこう、解雇していこうというふうなことを、向こうはいろいろ問題を出しておるというふうにお聞きしておりますが、その点の見通しはどうですか。
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宍倉宗夫#11
○宍倉政府委員 お尋ねのように、アメリカ側といたしましては、この協定によりまして百六十五億円日本側が負担をしてくれるということでございますので、懐ぐあいといたしましてはそれだけ楽になることは事実でございます。しかしながら、アメリカ側がこの円高でドル支出をふやさなければならない金額と申しますのは、その百六十五億円を日本側が今までよりも持ってくれるということですべて解消するというわけでないことも、これまた事実でございます。
 この協定を締結する以前におきまして、既に横須賀等におきまして人員整理をいたしたいというような申し出も出ておりますし、あるいは時間給制度を設けたいというような提案も出ているわけでございます。これらがすべて、今回の協定を国会でお認めいただきまして発効いたしましたならば、すべて消えてしまうというようなほど、アメリカ側として楽になるというわけでないことも事実でございます。
 ただ、今回の協定を御承認いただければ、またそれだけアメリカ側としては日本側の要望に沿った形で駐留軍従業員の雇用の安定に努力するということも、これは彼ら確約いたしているわけでございます。でございますので、今回の協定ですべて問題が片づくとは私ども思っておりませんが、これによりまして一層、ないよりははるかに従業員の雇用の安定が確保されるというふうに考えております。
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高沢寅男#12
○高沢委員 根本的に言えば、この日米安保条約によってアメリカ軍が日本に駐留しているということは、一つは日本を守るためという名目もあるけれども、より多くはアメリカ自身の極東戦略の展開という立場があるわけでありますから、したがいまして、米側のドル支出が非常に苦しいという説明もされましたけれども、それはそれでアメリカ自体がちゃんと支出するものはすべきであるということにもなるわけであって、この特別協定ができた段階では、今言われましたように、私としては日本側のアメリカに対する対応としては、とにかく在日米軍基地で働く人の雇用が脅かされることが断じてないように、そのことについてはしっかりとまた今後とも、これは外務省ベースでもあるいは防衛施設庁ベースでも、ひとつぜひ御努力はお願いしたい、こう考えるわけであります。
 それで次へ進みますが、昨年の十月、この衆議院の本会議で、中曽根総理が思いやり予算のことについて答弁されております。思いやり予算については、円高状況下でもあくまで既存の法体系の中で行わなければならない、こういうことを昨年十月の衆議院本会議で答弁をされていたわけですが、それから二カ月たてばもう今度のこの特別協定の話し合いが始まる。一カ月でそれが締結に至るというふうにとんとんと進行してきたわけですが、私は当時、この中曽根総理が答弁をされた十月段階で、既に事務レベルではこの特別協定のお話し合いが日米間で始まっていたんじゃないのかこんな感じがいたします。
 そうであるとすれば、中曽根総理の本会議で言うならば大見えを切られた、円高の事情にもかかわらず現行の法体系でいくのだ、こういう大見えを切られたことと、この事態の現実の進行の間には非常な矛盾があったのではないのか、こんな感じがしますが、この点は事務レベルとしてはいかがですか。
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藤井宏昭#13
○藤井(宏)政府委員 この段階では、事務レベルで日米の間で本件について特に話し合っているという事実は全くございません。
 中曽根総理がこのように御答弁なさいました趣旨を私が解釈するのはいかがかと思いますけれども、中曽根総理は、何らかいい方法はないかと防衛庁も苦心して検討しておるということで、この問題自身が存在するという――問題自身と申しますのは、急激な円高等によりまして在日米軍の経費が逼迫してきている、雇用の安定云々、こういう問題でございますけれども、そういう認識は中曽根総理もございましたし、事務レベルにもございました。しかし、具体的にアメリカとこのような特別協定という構想で話をするというようなことは、この時点では全く出ておりません。
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高沢寅男#14
○高沢委員 この協定の本文の方へ入りたいと思いますが、先ほど藤井局長は、最近の日米間の経済情勢の変化、これは言うならば円高の急激な進行であるということで説明されました。もう一度重ねて、この経済情勢の変化というのはそういうことだ、今度この特別協定を必要とするに至った事情というのは専ら円高の進行である、こういうふうなことで御説明になりましたが、そういうふうに押さえていいですか。
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藤井宏昭#15
○藤井(宏)政府委員 協定の解釈といたしまして、最近における経済情勢の変化ということの中にはいろいろな要素が入り得ると思います。これは、アメリカの方にも解釈をする余地があるわけでございますから、その点で円高だけであるというふうに限定することはいかがかと思いますけれども、特に円高を念頭に置いておるということは間違いない点でございます。
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高沢寅男#16
○高沢委員 それでは参考までに、円高のほかにこういう事情もあるというようなものもあったら、どうぞ教えてください。
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藤井宏昭#17
○藤井(宏)政府委員 例えば、我が国における一般的な雇用情勢の悪化とか、円高から派生しました我が国における経済情勢、そういうものが、例えば駐留軍労務者の解雇というようなことになりますと、その転職等に与えます影響、そういうことも全体に含めまして最近の経済情勢ということで理論的にはいろいろ考えられるかと思います。
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高沢寅男#18
○高沢委員 それでは、今の藤井局長の御答弁は、円高、それからくる雇用情勢の不安定が心配されるということで、これを経済情勢の変化と位置づけた、こう言われますと、施設庁長官、先ほどあなたの言われた、これができれば、言うならば対米関係においては雇用の安定ということをしっかりこれでもって守っていくというふうなことにも、これは藤井局長の御答弁にも通ずると思いますが、この点はひとつまた施設庁長官、その決意といいますかお考えをお聞きしたいと思います。
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宍倉宗夫#19
○宍倉政府委員 おっしゃるとおりでございまして、今回この協定を国会にお願いをし、我が方で今年度で申し上げますれば百六十五億円従前よりも余計の支出をするわけでございますから、それに応じた形で米側に対しましては駐留軍従業員の雇用の安定に一段と努力してもらうように私どもとしても折衝をしていくつもりでございます。
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高沢寅男#20
○高沢委員 ぜひそれをお願いして、そこで今度は円高問題になりますが、これは藤井局長もおわかりのように、昭和五十三年に日本が思いやり予算で負担をするようになっていったあのころの背景を今考えてみると、当時かなりこの円高問題というのはずっと出てきたわけです。もともと一ドル三百六十円というふうなところから始まってきた円ドル関係があのころはちょうど百八十円ぐらいにいきまして、当時も随分円高、円高ということが問題になったということを私は記憶しておりますが、そういう背景の中で思いやり予算というものが昭和五十三年から始まってきた、こうなりますね。
 ところがその後、つい最近のプラザ合意からの急激な円高は別として、それまでの間の円ドル関係はまた円が安くなるとかいろいろな変化があったわけです。あったけれども、その間を通じてこの思いやり予算の在日米軍の労務費の日本負担というものは、年々その間一貫して増加してきた、こういう経過がありますが、私は、円高ということがそれだけ重要な今度の特別協定の制定の前提とすれば、逆に今度は円安になれば、円とドルの関係に変動が生ずれば、この特別協定というものは必要がなくなるんじゃないのか、思いやり予算というものはそれだけ必要がなくなるんじゃないのか、こんなことも裏返してみれば考えられるわけでありますが、そういう点はどうなんでしょうか。
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藤井宏昭#21
○藤井(宏)政府委員 五十三年、五十四年当時は、委員御指摘のように円高の現象もございました。それからオイルショックの物価高騰等々いろいろな情勢があったわけでございます。その後、その時点に比べますと若干円安になりましたけれども、在日米軍駐留軍経費という面で考えますと、いろいろ計算してみましても、いわゆる円安メリット、五十三年、五十四年のころから比較しての円安メリットというものはそれほど大きくないというふうに計算されるわけでございまして、今後の問題といたしまして、将来事態が変わって円安になってきたらどうかという御指摘でございますけれども、将来の問題といたしまして、そういうことがあれば当然その時点でいろいろ考えていくということでございますけれども、現在の経済情勢、それから雇用の安定という見地等考えまして五年間ということで一応こういう暫定的、一時的な措置をとるということでございます。
 ただ、もちろん将来非常に急激な変化というものが、これは全く仮定の議論でございますけれども、もしありますとすれば、その時点でまたいろいろ考えることになると思いますけれども、いずれにしましても、我々といたしましては現在の経済情勢とか雇用の安定という見地から見まして五年間の暫定的な一時的な措置をとるということが一番適切ではないかというふうに判断した次第でございます。
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高沢寅男#22
○高沢委員 今のお答えでは、円ドル情勢の変化によってはこういうこともまた見直すこともある、こういうことで、それはそれとしてお聞きして、ただ、今度は五年の有効期間ですね、この五年の有効期間を過ぎてなお円ドル状態が今のような状態が続けば、五年の後もまたこれが継続されるということになるのかどうかその辺の見通しはどうですか。
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藤井宏昭#23
○藤井(宏)政府委員 何度も同じ言葉を使って恐縮でございますけれども、今回の措置は、最近の経済情勢の変動にかんがみまして暫定的、一時的な特例的な措置ということでございまして、その変動の様子、それから雇用の安定ということを考えまして、余り短期であり過ぎても雇用の安定に貸さないわけでございますので五年ということに限ってお願い申し上げているわけでございます。したがいまして、その後一体どうなるだろうかということ、一つ明瞭なことは、この特例の条約は廃止になるわけでございまして、そこには、残るものは二十四条一項ということでございます。その後どうなるかということにつきましてはこの段階では何とも申し上げられない。いずれにしましても、この条約はなくなるということは明確であるということでございます。
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高沢寅男#24
○高沢委員 この協定の第一条では、在日米軍の労務者に対する「手当の支払に要する経費の一部」、その「一部」というのは「当該経費の二分の一に相当する金額を限度として負担する。」こういう表現になっておりますね。これはその言葉どおりに読めば二分の一というものが上限であるということで、二分の一より以下も当然あり得るというふうに受けるわけですが、ことしの百六十五億という負担はアメリカ側の負担との比率においてどのくらいの比率になっているのか二分の一であるのかどうか、その辺はいかがですか。
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宍倉宗夫#25
○宍倉政府委員 ことしの場合についてお答え申し上げますと、対象となる諸手当の合計額が四百七億ということでございます。そのうちの百六十五億円を私どもの方が持とうということで予算でお願いを申し上げておりますが、割りますと四〇%程度ということでございます。
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高沢寅男#26
○高沢委員 六対四というふうなことだということはわかりました。
 ただ、その場合、もう一つお聞きしたいことは、円ドルの関係は日々に動いておりますね。そのどの時点でとったらということがこの場合関係してくると思いますが、今言われた六対四というような比率がそういう変化によって動き得るということなのか、ある時点でもうアメリカは六割、日本は四割、こう決めて、その後仮に動いたにしても、それは、アメリカ側はそれだけドル支出をどうするか、響いてくるということになると思いますが、そういうふうに、一応ことしの場合には六対四の比率でいくととらえていいのかどうか。これはいかがですか。
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宍倉宗夫#27
○宍倉政府委員 日本人従業員に支払うお金はもちろんのことでございますが、円建てでお払いをするわけでございます。したがいまして、総体マクロの話で先ほど私申し上げましたが、四百七億円に対して百六十五億円というのは、ドルと円との為替レートが変わっても、円建てベースですから、その比率は総体マクロとしては変わらないわけでございます。
 この協定が発効した後に、具体的にそれをどういうふうに毎月毎月の支払いベースとして日本側と米側が分け持っていくかということにつきましては、これは実施過程というか実施細目でございますので、そこのところは事務的にやりやすい方法、わかりやすい方法を選択してやっていこうと考えておりますが、総体金額として今年度四対六ということについては変わりがないと思います。
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高沢寅男#28
○高沢委員 もう一度念を押しますが、今の御説明では総額四百七億、そのうち日本側は百六十五億。これを引き算すれば、アメリカ側は円ベースでは二百四十二億になります。この二百四十二対百六十五、これはもうことしはこれなんだから、ただ、二百四十二億という円ベースになるために、今の円ドルの動きによってはアメリカ側の出すドルは場合によればふやさなければいかぬとか、場合によれば減るとかそういう変動はあるんだ。しかし円建てでアメリカの二百四十二億は、これはことしはこれで決まりです、こう見ていいのですか。
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宍倉宗夫#29
○宍倉政府委員 考え方としてはそのとおりでございます。
 したがって、予算で決めたときの為替レートが一ドル百六十円何がしかだったかと思いますが、現在のように百四十円程度ということになりますと、この決め方自体、ドルベースでいくとアメリカの負担額はそのときよりは非常に多くなっているということになろうかと思います。そのときに考えたよりもそれだけアメリカ側としては負担額が多くなるという意味でつらくなるという情勢ができているわけでございます。
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