予算委員会公聴会
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会
会議録情報#0
昭和六十三年二月十五日(月曜日)
午前十時一分開議
出席委員
委員長代理理事 奥田 敬和君
理事 近藤 元次君 理事 野田 毅君
理事 宮下 創平君 理事 山下 徳夫君
理事 上田 哲君 理事 村山 富市君
理事 池田 克也君 理事 吉田 之久君
愛野興一郎君 池田 行彦君
稲村 利幸君 上村千一郎君
海部 俊樹君 倉成 正君
左藤 恵君 佐藤 信二君
佐藤 文生君 志賀 節君
田中 龍夫君 戸塚 進也君
西岡 武夫君 細田 吉藏君
三ッ林弥太郎君 村田敬次郎君
村山 達雄君 若林 正俊君
井上 一成君 上原 康助君
川崎 寛治君 菅 直人君
佐藤 敬治君 辻 一彦君
坂口 力君 冬柴 鉄三君
水谷 弘君 宮地 正介君
田中 慶秋君 楢崎弥之助君
寺前 巖君 中島 武敏君
矢島 恒夫君
出席公述人
杏林大学社会科
学部教授 田久保忠衛君
全日本民間労働
組合連合会事務
局長 山田 精吾君
株式会社テレビ
東京常務取締役
解説委員長 鈴木 幸夫君
上智大学経済学
部教授 岩田規久男君
財団法人食料・
農業政策研究セ
ンター理事長 並木 正吉君
中央大学経済学
部教授 丸尾 直美君
出席政府委員
内閣官房副長官 小沢 一郎君
北海道開発政務
次官 上草 義輝君
防衛政務次官 高村 正彦君
経済企画政務次
官 臼井日出男君
国土政務次官 大原 一三君
外務政務次官 浜田卓二郎君
大蔵政務次官 平沼 赳夫君
大蔵省主計局次
長 寺村 信行君
文部政務次官 船田 元君
厚生政務次官 長野 祐也君
農林水産政務次
官 北口 博君
通商産業政務次
官 浦野 烋興君
運輸政務次官 久間 章生君
郵政政務次官 白川 勝彦君
建設政務次官 古賀 誠君
自治政務次官 森田 一君
委員外の出席者
予算委員会調査
室長 右田健次郎君
─────────────
委員の異動
二月十五日
辞任 補欠選任
小坂徳三郎君 戸塚 進也君
砂田 重民君 若林 正俊君
大久保直彦君 冬柴 鉄三君
岡崎万寿秀君 寺前 巖君
正森 成二君 矢島 恒夫君
同日
辞任 補欠選任
戸塚 進也君 小坂徳三郎君
若林 正俊君 砂田 重民君
─────────────
本日の公聴会で意見を聞いた案件
昭和六十三年度一般会計予算
昭和六十三年度特別会計予算
昭和六十三年度政府関係機関予算
────◇─────
この発言だけを見る →午前十時一分開議
出席委員
委員長代理理事 奥田 敬和君
理事 近藤 元次君 理事 野田 毅君
理事 宮下 創平君 理事 山下 徳夫君
理事 上田 哲君 理事 村山 富市君
理事 池田 克也君 理事 吉田 之久君
愛野興一郎君 池田 行彦君
稲村 利幸君 上村千一郎君
海部 俊樹君 倉成 正君
左藤 恵君 佐藤 信二君
佐藤 文生君 志賀 節君
田中 龍夫君 戸塚 進也君
西岡 武夫君 細田 吉藏君
三ッ林弥太郎君 村田敬次郎君
村山 達雄君 若林 正俊君
井上 一成君 上原 康助君
川崎 寛治君 菅 直人君
佐藤 敬治君 辻 一彦君
坂口 力君 冬柴 鉄三君
水谷 弘君 宮地 正介君
田中 慶秋君 楢崎弥之助君
寺前 巖君 中島 武敏君
矢島 恒夫君
出席公述人
杏林大学社会科
学部教授 田久保忠衛君
全日本民間労働
組合連合会事務
局長 山田 精吾君
株式会社テレビ
東京常務取締役
解説委員長 鈴木 幸夫君
上智大学経済学
部教授 岩田規久男君
財団法人食料・
農業政策研究セ
ンター理事長 並木 正吉君
中央大学経済学
部教授 丸尾 直美君
出席政府委員
内閣官房副長官 小沢 一郎君
北海道開発政務
次官 上草 義輝君
防衛政務次官 高村 正彦君
経済企画政務次
官 臼井日出男君
国土政務次官 大原 一三君
外務政務次官 浜田卓二郎君
大蔵政務次官 平沼 赳夫君
大蔵省主計局次
長 寺村 信行君
文部政務次官 船田 元君
厚生政務次官 長野 祐也君
農林水産政務次
官 北口 博君
通商産業政務次
官 浦野 烋興君
運輸政務次官 久間 章生君
郵政政務次官 白川 勝彦君
建設政務次官 古賀 誠君
自治政務次官 森田 一君
委員外の出席者
予算委員会調査
室長 右田健次郎君
─────────────
委員の異動
二月十五日
辞任 補欠選任
小坂徳三郎君 戸塚 進也君
砂田 重民君 若林 正俊君
大久保直彦君 冬柴 鉄三君
岡崎万寿秀君 寺前 巖君
正森 成二君 矢島 恒夫君
同日
辞任 補欠選任
戸塚 進也君 小坂徳三郎君
若林 正俊君 砂田 重民君
─────────────
本日の公聴会で意見を聞いた案件
昭和六十三年度一般会計予算
昭和六十三年度特別会計予算
昭和六十三年度政府関係機関予算
────◇─────
奥
奥田敬和#1
○奥田(敬)委員長代理 これより会議を開きます。
委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。
昭和六十三年度一般会計予算、昭和六十三年度特別会計予算、昭和六十三年度政府関係機関予算、以上三案について公聴会を開きます。
この際、御出席の公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
公述人各位におかれましては、御多用中にもかかわりませず御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。昭和六十三年度総予算に対する御意見を拝聴し、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。
なお、御意見を承る順序といたしましては、まず田久保公述人、次に山田公述人、続いて鈴木公述人の順序で、一人二十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
それでは、田久保公述人にお願いいたします。
この発言だけを見る →委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。
昭和六十三年度一般会計予算、昭和六十三年度特別会計予算、昭和六十三年度政府関係機関予算、以上三案について公聴会を開きます。
この際、御出席の公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
公述人各位におかれましては、御多用中にもかかわりませず御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。昭和六十三年度総予算に対する御意見を拝聴し、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。
なお、御意見を承る順序といたしましては、まず田久保公述人、次に山田公述人、続いて鈴木公述人の順序で、一人二十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
それでは、田久保公述人にお願いいたします。
田
田久保忠衛#2
○田久保公述人 田久保でございます。
私は、最近の国際情勢を顧みまして、観察いたしまして、日本の外交、防衛、これはどうあるべきかという観点からいろいろ意見を申し述べたいと存じます。
まず、最大の今の問題でございますけれども、米ソ関係であります。米ソ関係は、INF全廃条約に昨年の十二月、レーガン、ゴルバチョフがワシントンで調印したわけでございます。これで国際情勢が一挙にデタントの情勢に入った、したがって国際情勢は緊張緩和の方に向いている、よって日本の防衛もこれは余り重視しなくていいんだというような、そうとも受け取れる御議論が私はあったように見受けるわけでございます。現に日本の一部にもそういう意見があるように考えるわけでございます。これは間違いではないかというふうに私は考えております。
それはゴルバチョフ外交をどう評価するかという一点に尽きるわけでございますが、これはスタイルが変化したのかあるいはサブスタンス、態様が変化したのかあるいは実体が変化したのか、この判断がなかなかつきにくいということだと思うのでございます。全核兵器の四%弱が全廃される、これはそれなりに大いに意義がある。それから検証、これも画期的なものであるというふうに思うのでございますけれども、何が変化して何が変化しなかったのかというところから考えますと、これはよく慎重に考えていかなければいけないのではないかというふうに思うのでございます。
私は、INF全廃条約が結ばれましたプロセスを見ておりますと、これはつまり反核・平和の運動が成功してこうなったのであろうか、そうではないんではないかと思うのであります。反核・平和の運動も確かに意義のあるものだと思うのでございますけれども、これはやはりレーガンの力の政策あるいは西側の団結というものが大きな役割を果たしたのではないか。
私は四つ問題を挙げたいと思うのであります。レーガンの軍事費でございます。八〇年度から八五年度までのアメリカの軍事費、実質三二%の増、これが第一でございます。二番目は、欧州にアメリカの中距離核を展開した、この既成事実がございます。それから三番目に、まだ海のものとも山のものともわかりませんが、SDI。これは八三年三月二十三日、レーガンが構想を公表したわけでございますけれども、これがいつの間にか政治的あるいは外交上の武器になった、これが私は三番目の強さだと思うのであります。それから四つ目は、米日欧、この西側の団結。これは八三年の例のウィリアムズバーグ・サミット、中曽根前総理が少なからぬ役割を果たされたわけでございますが、あの政治声明を見ておりますと、西側の安全保障は不可分であると、すこぶる重要な一句が盛られている。これがゴルバチョフを交渉の場に引き出した大きなてこになったのではないかなというふうに私は判断しているわけでございます。
もちろんソ連の内部事情もございましょうが、こういう交渉事になりますと、片方の手でパンチ力がある、その上に立って右の握手をする二路線方式、この左のパンチを忘れた場合にはこういうINF全廃条約というものは実現できなかったのではないかなというふうに考えているわけでございます。
さて、INFが全廃された後の国際情勢はどういうことになるか。これは、私は、通常兵器、通常兵力の重視ということに相なろうか、こう思うのでございます。例えば欧州でございます。INF全廃、これが大きなインパクトを与えている。例えば西ドイツとフランスでございます。これは一月二十二日でございますけれども、西独・フランス安全保障協議会というものができたわけでございます。ここで仏独合同旅団四千二百人編成が決まっている、こういうことでございまして、通常戦争にどう備えるかということが欧米の大きな関心事ではないかなというふうに私は判断しているわけでございます。
時間がございませんので急ぎますと、日本でございますけれども、一九七八年の指針に基づきまして、防衛庁も盛んに日米間の戦術的協議を進めておられる。私はこれは大変結構なことだと思うのであります。共同作戦計画、シーレーンの防衛計画、インターオペラビリティー、それから今回一月に防衛庁長官がカールッチ米国防長官との間でお話しになられた有事来援の問題、次から次へとこういうところで、日米間大変亀裂が深まっておりますけれども、安全保障面では非常に関係が強まっている、結構なことだなというふうに思うのでございます。
そこで、ここで私が少し注文をつけさせていただきますと、戦術面の協議が行われている。しかし国際情勢というのはかなり劇的に変わっているのではないか。例えば一月十二日でございますが、例のイクレ国防次官、ウォルステッター前NATO司令官、この二人が幹事になりまして十三人の専門家がつくった「選別的抑止力」という報告書がございます。一月二十日にレーガンが「アメリカの国家安全保障戦略」という報告書を出した。前者は兵器技術、この劇的な変化でございます。世界が変わっていて、どうやら脱核兵器時代、この到来を告げたように私は感ずるわけでございます。
いずれも通常戦争が改めて重視され始めたということだと思うのであります。それからレーガンの戦略に関する報告書、これもきちっと国際情勢を踏まえた上での報告書だと私は思うのであります。こういう面で日米間に戦略上の話し合いを持ったらどうか。もっともっとこれから強化すべきは戦略上の話し合いではないか。二十一世紀をにらんだ日本の防衛政策、九〇年以降のことも大いに考えていただきたいというふうに思うのでございます。
それから、以上のことから申しますと、来年度の予算でございますが、五・二%の増、極めて妥当である。むしろ、私の考えからいたしますと、少な過ぎる感もあるのではないかな、こう思うのであります。いずれにいたしましても、現在の国際情勢にかんがみまして、日本は粛々と自衛力の整備に努めるべきだ、これを逆戻りさせるような理由は皆無であるというふうに考えております。
二番目に申し上げたいのは、西側の一員としての自覚でございます。自覚と責任ということでございます。
これはいろんな数字があるわけでございますけれども、日本経済は考えられないぐらいに大きなものになった。一九四五年、日本のGNPなんというのは、これはゼロに等しかったのだろうと思うのであります。六〇年、世界に占める日本のGNPは三%。これが八〇年になりますと一〇%。今円高でございますから、換算、これをどうするかいろいろ難しいわけでございますけれども、一説によりますと、一五、六%という数字が出る。これだけのGNPを持った国が国際的責任をどう果たすか、ここのところが重要ではないかなと思うのでございます。
一方、アメリカのGNPでございますけれども、戦後これはどんどんどんどん落ちる一方である。先ほど六〇年の数字を申し上げましたが、世界に占めるアメリカのGNP、六〇年三三%でございますね。八〇年になりますと二二%。これはどんどん下がっていって、日本がどんどん上がるというふうには考えられませんが、どうも日米間に経済の力で地殻変動が見られるということでございます。これで経済摩擦が起こるのはむしろ当然でございます。
これを解消するということから考えますと国際化。後から国際化ということを考えて、やはり日米摩擦あるいはほかの国との摩擦がなかったら国際化という議論は起こらなかったと思うのであります。それで国際化、物、金あるいは人、これは重要でございますけれども、いろいろ難問がございますけれども、どんどん進めなければいかぬだろう、こう思います。
それからODA、これももう諸先生方大変御努力なされて、円高のせいもありますけれども、百億ドルを突破した。私はすばらしいことだと思うのであります。ただ、これを推し進めていくだけでいいのか。やはり経済大国としての責任、これをどういうふうに果たすかということでございます。私は大きく行動で示さなければいけないだろうというふうに思うのであります。例えば、これは余り明るみに、まだ公表されていないわけでございますけれども、大来佐武郎先生がやっておられる民間の日本国際フォーラムというものがある。ここで実は大変な報告書が近々出るわけでございます。
これは「日本、アメリカ、アジアNICS間の構造調整」という答申でございます。民間でこれだけのものができている。つまり、日米間の構造調整をする。経済摩擦をなくす。そのかわりアメリカには財政赤字の削減を強く要請する。そのかわり——そのかわりがたくさんあるわけでございますけれども、そのかわり日本は、アメリカ側の赤字削減、これを本格的にやりますとデフレ効果を生むのではないか、あるいは縮小均衡の状態になるのではないか、これをアブソーバーとして日本が内需振興で大いにやる。NICSをアメリカの経済が直撃する、あるいは中南米を直撃する、その間に日本が大きな国際的役割を果たす。二十一世紀に伸びる私は心意気を示したものだ、こう思うのでございます。こういうような思い切った措置をこれからどんどんとっていかなければいけないのではないかな、こう思うのでございます。
そこで、経済の部門、これは今申し上げたようなことでいいと思うのでございますけれども、問題はそれだけで済まないことがある。例えば昨年大いに問題になりましたペルシャ湾の問題でございます。西側の一員——私は自民党の推薦でここに出まして自民党に注文をつけるようで大変恐縮でございますけれども、西側の一員と大きな声で言って、その役割をどうするかが問われたのが私はペルシャ湾の問題だと思うのです。西側の一員、これは例えばアメリカがクウェートのタンカー十一隻を防衛する。これはなかなか我々にできるものではない。アメリカが協力要請したときサッチャーも断った。当然だと思うのであります。
ただし、公海上、オマーン沖でアメリカのテキサコ・カリビアン、大型タンカーが触雷した、そのときにイギリス、フランス、イタリー、ベルギー、オランダ、これはみんな掃海艇を派遣しているわけであります。ところが日本は何もしない。行動では少なくとも何もしない。西ドイツでありますけれども、西側の一員、西ドイツはNATO地域以外の地域に派遣、海外派兵できない仕組みになっておりますが、地中海に三隻の艦艇を派遣した、これでパトロールを受け持った、こういうことでございます。
日本は行動では少なくとも示していない。西側の一員というアパートがあって、門に火がついた。一番力の強い男がバケツを持ってこれに水をかけている。今度は玄関に火がついた。これはみんなが火を消している。西ドイツは水道の蛇口と現場をバケツのリレーをしているわけであります。日本はまだ部屋にいる。こういうことで西側の一員としてのロジックが通るだろうかどうか。これは憲法の枠内でできるという政府の見解もあるわけでございます。今の体制でできるぎりぎりの行動による誠意、これを示さなかった。今後こういう同じような例が出た場合にどうするのか。私は、ここでひとつ大きな心意気を示していただきたい、これは軍国主義の復活とかなんとかとは全然別個の問題だというふうに考えるわけでございます。
それから、私が最後に申し上げたいのは、どうも今の国際情勢、世界のバランスが変わりつつあるのではないかな、こういうことでございます。
最近のインターナショナル・ヘラルド・トリビューン、一月二十七日、八日両日に紹介されておりますけれども、エール大学のポール・M・ケネディ教授、歴史学の大家であります。彼が、今のアメリカの情勢というのは、一九〇〇年、二十世紀への曲がり角を曲がったばかりのイギリスに酷似している。実に似ている。以後、イギリスは衰退の一途をたどったわけであります。これはボーア戦争、ドイツと対抗した。今のアメリカはベトナム戦争、ソ連と対決している。実に似ている。経済はがたがたである。
そこでポール・ケネディ教授は——私はこの点は余りポール・ケネディ教授と意見は一致しないわけでございますが、アメリカが一挙に衰退するなんということは考えられない。なだらかに坂道を下がっていくだろう。五十年とか六十年、曲折はあっても大きな没落、衰退というものはなかろうと思うのであります。ただし、世界のバランスは徐々に変わっていくという認識を持たなかったらいけないのではないか、こういうことでございます。アメリカも徐々に手じまいの状態に入っていくだろう、こう思うのでございます。
実は、最近気になりますのが、レーガンの特別顧問をやりましたドーグ・バンドーという人がおる。これがCATOという研究所で在韓米軍の段階的撤兵という論文を十二月に書きまして、日本の新聞にも一部紹介されたことがございます。これは五年以内に撤退する、その後、日韓で安保条約を結んだらいいじゃないかというようなことをこの結論のところでちょっと言っているわけでございます。これは今の状態だと荒唐無稽ということになると思います。それから、十二月二十六日付のエコノミスト、このエコノミストでアジアの安全保障という特集がございまして、この結論のところで、中国も軍事的に強くなるだろう、その場合に日本が中国との間で安全保障条約を結んだらどうかというようなことをちょっと書いているわけでございます。
私は、エコノミストの記事も前のバンドー氏の論文も、これは今のところ現実離れがしているけれども、いずれも、大きく国際情勢、バランス・オブ・パワー、一種の均衡が崩れていくのではないか、二十一世紀に崩れていくのではないか。経済の次元だけをとりますと、これはもう二極構造というのはなくなっている。日本のGNPがソ連を抜いてしまった。日本のパーキャピタ、一人当たりにいたしますと、アメリカのGNPを抜くところまで来ている。EECは、これはEECだけでGNPはアメリカを抜いてしまった。つまり、米ソ二極というのは経済の次元に関する限りない。こういうところで、この中で政治、軍事、このバランスがどう変わっていくか。二十一世紀に目を凝らした対策が私は必要ではないかな、こういうふうに考えるわけでございます。
いろいろ申し上げたいことがございますが、つまり、私が申し上げたいことは日本の責任ということでございます。今までの受動的な対応でいいのかどうかということなんでございます。
それは、竹下首相が一月の十三日でございますか、レーガンと会談いたしました後、ナショナル・プレス・ビルディングの記者会見に臨まれた。そこで、「世界に貢献する日本」ということを言われて、私は大変これはいいことだなと思ったわけでございます。
実は、私の記憶ですと、八一年五月五日に、当時の鈴木総理でございますが、ニューヨークのジャパン・ソサエティーの演説でこういうことを言われた。日本は、従来の受動的受益者から能動的創造者になるんだ、行為者になるんだ、第三の開国を迎えましたということをおっしゃった。私は、一種の感慨を持ってこの発言を拝聴したわけでございます。しかし、以後七年たつわけでございますけれども、これは行動で、西側の大国としての、あるいは一員としての行動をお示しになったかどうか、私は、これは心もとないと思うのでございます。
この点を竹下総理はお気づきになったかどうか知りませんが、「世界に貢献する日本」ということを言われた。いよいよ言葉ではなく、行動で西側の一員を示す時期に来ているなというのが私の結論でございます。
ちょうど二十分になりましたので、これでやめておきたいと思います。御清聴ありがとう存じました。拍手
この発言だけを見る →私は、最近の国際情勢を顧みまして、観察いたしまして、日本の外交、防衛、これはどうあるべきかという観点からいろいろ意見を申し述べたいと存じます。
まず、最大の今の問題でございますけれども、米ソ関係であります。米ソ関係は、INF全廃条約に昨年の十二月、レーガン、ゴルバチョフがワシントンで調印したわけでございます。これで国際情勢が一挙にデタントの情勢に入った、したがって国際情勢は緊張緩和の方に向いている、よって日本の防衛もこれは余り重視しなくていいんだというような、そうとも受け取れる御議論が私はあったように見受けるわけでございます。現に日本の一部にもそういう意見があるように考えるわけでございます。これは間違いではないかというふうに私は考えております。
それはゴルバチョフ外交をどう評価するかという一点に尽きるわけでございますが、これはスタイルが変化したのかあるいはサブスタンス、態様が変化したのかあるいは実体が変化したのか、この判断がなかなかつきにくいということだと思うのでございます。全核兵器の四%弱が全廃される、これはそれなりに大いに意義がある。それから検証、これも画期的なものであるというふうに思うのでございますけれども、何が変化して何が変化しなかったのかというところから考えますと、これはよく慎重に考えていかなければいけないのではないかというふうに思うのでございます。
私は、INF全廃条約が結ばれましたプロセスを見ておりますと、これはつまり反核・平和の運動が成功してこうなったのであろうか、そうではないんではないかと思うのであります。反核・平和の運動も確かに意義のあるものだと思うのでございますけれども、これはやはりレーガンの力の政策あるいは西側の団結というものが大きな役割を果たしたのではないか。
私は四つ問題を挙げたいと思うのであります。レーガンの軍事費でございます。八〇年度から八五年度までのアメリカの軍事費、実質三二%の増、これが第一でございます。二番目は、欧州にアメリカの中距離核を展開した、この既成事実がございます。それから三番目に、まだ海のものとも山のものともわかりませんが、SDI。これは八三年三月二十三日、レーガンが構想を公表したわけでございますけれども、これがいつの間にか政治的あるいは外交上の武器になった、これが私は三番目の強さだと思うのであります。それから四つ目は、米日欧、この西側の団結。これは八三年の例のウィリアムズバーグ・サミット、中曽根前総理が少なからぬ役割を果たされたわけでございますが、あの政治声明を見ておりますと、西側の安全保障は不可分であると、すこぶる重要な一句が盛られている。これがゴルバチョフを交渉の場に引き出した大きなてこになったのではないかなというふうに私は判断しているわけでございます。
もちろんソ連の内部事情もございましょうが、こういう交渉事になりますと、片方の手でパンチ力がある、その上に立って右の握手をする二路線方式、この左のパンチを忘れた場合にはこういうINF全廃条約というものは実現できなかったのではないかなというふうに考えているわけでございます。
さて、INFが全廃された後の国際情勢はどういうことになるか。これは、私は、通常兵器、通常兵力の重視ということに相なろうか、こう思うのでございます。例えば欧州でございます。INF全廃、これが大きなインパクトを与えている。例えば西ドイツとフランスでございます。これは一月二十二日でございますけれども、西独・フランス安全保障協議会というものができたわけでございます。ここで仏独合同旅団四千二百人編成が決まっている、こういうことでございまして、通常戦争にどう備えるかということが欧米の大きな関心事ではないかなというふうに私は判断しているわけでございます。
時間がございませんので急ぎますと、日本でございますけれども、一九七八年の指針に基づきまして、防衛庁も盛んに日米間の戦術的協議を進めておられる。私はこれは大変結構なことだと思うのであります。共同作戦計画、シーレーンの防衛計画、インターオペラビリティー、それから今回一月に防衛庁長官がカールッチ米国防長官との間でお話しになられた有事来援の問題、次から次へとこういうところで、日米間大変亀裂が深まっておりますけれども、安全保障面では非常に関係が強まっている、結構なことだなというふうに思うのでございます。
そこで、ここで私が少し注文をつけさせていただきますと、戦術面の協議が行われている。しかし国際情勢というのはかなり劇的に変わっているのではないか。例えば一月十二日でございますが、例のイクレ国防次官、ウォルステッター前NATO司令官、この二人が幹事になりまして十三人の専門家がつくった「選別的抑止力」という報告書がございます。一月二十日にレーガンが「アメリカの国家安全保障戦略」という報告書を出した。前者は兵器技術、この劇的な変化でございます。世界が変わっていて、どうやら脱核兵器時代、この到来を告げたように私は感ずるわけでございます。
いずれも通常戦争が改めて重視され始めたということだと思うのであります。それからレーガンの戦略に関する報告書、これもきちっと国際情勢を踏まえた上での報告書だと私は思うのであります。こういう面で日米間に戦略上の話し合いを持ったらどうか。もっともっとこれから強化すべきは戦略上の話し合いではないか。二十一世紀をにらんだ日本の防衛政策、九〇年以降のことも大いに考えていただきたいというふうに思うのでございます。
それから、以上のことから申しますと、来年度の予算でございますが、五・二%の増、極めて妥当である。むしろ、私の考えからいたしますと、少な過ぎる感もあるのではないかな、こう思うのであります。いずれにいたしましても、現在の国際情勢にかんがみまして、日本は粛々と自衛力の整備に努めるべきだ、これを逆戻りさせるような理由は皆無であるというふうに考えております。
二番目に申し上げたいのは、西側の一員としての自覚でございます。自覚と責任ということでございます。
これはいろんな数字があるわけでございますけれども、日本経済は考えられないぐらいに大きなものになった。一九四五年、日本のGNPなんというのは、これはゼロに等しかったのだろうと思うのであります。六〇年、世界に占める日本のGNPは三%。これが八〇年になりますと一〇%。今円高でございますから、換算、これをどうするかいろいろ難しいわけでございますけれども、一説によりますと、一五、六%という数字が出る。これだけのGNPを持った国が国際的責任をどう果たすか、ここのところが重要ではないかなと思うのでございます。
一方、アメリカのGNPでございますけれども、戦後これはどんどんどんどん落ちる一方である。先ほど六〇年の数字を申し上げましたが、世界に占めるアメリカのGNP、六〇年三三%でございますね。八〇年になりますと二二%。これはどんどん下がっていって、日本がどんどん上がるというふうには考えられませんが、どうも日米間に経済の力で地殻変動が見られるということでございます。これで経済摩擦が起こるのはむしろ当然でございます。
これを解消するということから考えますと国際化。後から国際化ということを考えて、やはり日米摩擦あるいはほかの国との摩擦がなかったら国際化という議論は起こらなかったと思うのであります。それで国際化、物、金あるいは人、これは重要でございますけれども、いろいろ難問がございますけれども、どんどん進めなければいかぬだろう、こう思います。
それからODA、これももう諸先生方大変御努力なされて、円高のせいもありますけれども、百億ドルを突破した。私はすばらしいことだと思うのであります。ただ、これを推し進めていくだけでいいのか。やはり経済大国としての責任、これをどういうふうに果たすかということでございます。私は大きく行動で示さなければいけないだろうというふうに思うのであります。例えば、これは余り明るみに、まだ公表されていないわけでございますけれども、大来佐武郎先生がやっておられる民間の日本国際フォーラムというものがある。ここで実は大変な報告書が近々出るわけでございます。
これは「日本、アメリカ、アジアNICS間の構造調整」という答申でございます。民間でこれだけのものができている。つまり、日米間の構造調整をする。経済摩擦をなくす。そのかわりアメリカには財政赤字の削減を強く要請する。そのかわり——そのかわりがたくさんあるわけでございますけれども、そのかわり日本は、アメリカ側の赤字削減、これを本格的にやりますとデフレ効果を生むのではないか、あるいは縮小均衡の状態になるのではないか、これをアブソーバーとして日本が内需振興で大いにやる。NICSをアメリカの経済が直撃する、あるいは中南米を直撃する、その間に日本が大きな国際的役割を果たす。二十一世紀に伸びる私は心意気を示したものだ、こう思うのでございます。こういうような思い切った措置をこれからどんどんとっていかなければいけないのではないかな、こう思うのでございます。
そこで、経済の部門、これは今申し上げたようなことでいいと思うのでございますけれども、問題はそれだけで済まないことがある。例えば昨年大いに問題になりましたペルシャ湾の問題でございます。西側の一員——私は自民党の推薦でここに出まして自民党に注文をつけるようで大変恐縮でございますけれども、西側の一員と大きな声で言って、その役割をどうするかが問われたのが私はペルシャ湾の問題だと思うのです。西側の一員、これは例えばアメリカがクウェートのタンカー十一隻を防衛する。これはなかなか我々にできるものではない。アメリカが協力要請したときサッチャーも断った。当然だと思うのであります。
ただし、公海上、オマーン沖でアメリカのテキサコ・カリビアン、大型タンカーが触雷した、そのときにイギリス、フランス、イタリー、ベルギー、オランダ、これはみんな掃海艇を派遣しているわけであります。ところが日本は何もしない。行動では少なくとも何もしない。西ドイツでありますけれども、西側の一員、西ドイツはNATO地域以外の地域に派遣、海外派兵できない仕組みになっておりますが、地中海に三隻の艦艇を派遣した、これでパトロールを受け持った、こういうことでございます。
日本は行動では少なくとも示していない。西側の一員というアパートがあって、門に火がついた。一番力の強い男がバケツを持ってこれに水をかけている。今度は玄関に火がついた。これはみんなが火を消している。西ドイツは水道の蛇口と現場をバケツのリレーをしているわけであります。日本はまだ部屋にいる。こういうことで西側の一員としてのロジックが通るだろうかどうか。これは憲法の枠内でできるという政府の見解もあるわけでございます。今の体制でできるぎりぎりの行動による誠意、これを示さなかった。今後こういう同じような例が出た場合にどうするのか。私は、ここでひとつ大きな心意気を示していただきたい、これは軍国主義の復活とかなんとかとは全然別個の問題だというふうに考えるわけでございます。
それから、私が最後に申し上げたいのは、どうも今の国際情勢、世界のバランスが変わりつつあるのではないかな、こういうことでございます。
最近のインターナショナル・ヘラルド・トリビューン、一月二十七日、八日両日に紹介されておりますけれども、エール大学のポール・M・ケネディ教授、歴史学の大家であります。彼が、今のアメリカの情勢というのは、一九〇〇年、二十世紀への曲がり角を曲がったばかりのイギリスに酷似している。実に似ている。以後、イギリスは衰退の一途をたどったわけであります。これはボーア戦争、ドイツと対抗した。今のアメリカはベトナム戦争、ソ連と対決している。実に似ている。経済はがたがたである。
そこでポール・ケネディ教授は——私はこの点は余りポール・ケネディ教授と意見は一致しないわけでございますが、アメリカが一挙に衰退するなんということは考えられない。なだらかに坂道を下がっていくだろう。五十年とか六十年、曲折はあっても大きな没落、衰退というものはなかろうと思うのであります。ただし、世界のバランスは徐々に変わっていくという認識を持たなかったらいけないのではないか、こういうことでございます。アメリカも徐々に手じまいの状態に入っていくだろう、こう思うのでございます。
実は、最近気になりますのが、レーガンの特別顧問をやりましたドーグ・バンドーという人がおる。これがCATOという研究所で在韓米軍の段階的撤兵という論文を十二月に書きまして、日本の新聞にも一部紹介されたことがございます。これは五年以内に撤退する、その後、日韓で安保条約を結んだらいいじゃないかというようなことをこの結論のところでちょっと言っているわけでございます。これは今の状態だと荒唐無稽ということになると思います。それから、十二月二十六日付のエコノミスト、このエコノミストでアジアの安全保障という特集がございまして、この結論のところで、中国も軍事的に強くなるだろう、その場合に日本が中国との間で安全保障条約を結んだらどうかというようなことをちょっと書いているわけでございます。
私は、エコノミストの記事も前のバンドー氏の論文も、これは今のところ現実離れがしているけれども、いずれも、大きく国際情勢、バランス・オブ・パワー、一種の均衡が崩れていくのではないか、二十一世紀に崩れていくのではないか。経済の次元だけをとりますと、これはもう二極構造というのはなくなっている。日本のGNPがソ連を抜いてしまった。日本のパーキャピタ、一人当たりにいたしますと、アメリカのGNPを抜くところまで来ている。EECは、これはEECだけでGNPはアメリカを抜いてしまった。つまり、米ソ二極というのは経済の次元に関する限りない。こういうところで、この中で政治、軍事、このバランスがどう変わっていくか。二十一世紀に目を凝らした対策が私は必要ではないかな、こういうふうに考えるわけでございます。
いろいろ申し上げたいことがございますが、つまり、私が申し上げたいことは日本の責任ということでございます。今までの受動的な対応でいいのかどうかということなんでございます。
それは、竹下首相が一月の十三日でございますか、レーガンと会談いたしました後、ナショナル・プレス・ビルディングの記者会見に臨まれた。そこで、「世界に貢献する日本」ということを言われて、私は大変これはいいことだなと思ったわけでございます。
実は、私の記憶ですと、八一年五月五日に、当時の鈴木総理でございますが、ニューヨークのジャパン・ソサエティーの演説でこういうことを言われた。日本は、従来の受動的受益者から能動的創造者になるんだ、行為者になるんだ、第三の開国を迎えましたということをおっしゃった。私は、一種の感慨を持ってこの発言を拝聴したわけでございます。しかし、以後七年たつわけでございますけれども、これは行動で、西側の大国としての、あるいは一員としての行動をお示しになったかどうか、私は、これは心もとないと思うのでございます。
この点を竹下総理はお気づきになったかどうか知りませんが、「世界に貢献する日本」ということを言われた。いよいよ言葉ではなく、行動で西側の一員を示す時期に来ているなというのが私の結論でございます。
ちょうど二十分になりましたので、これでやめておきたいと思います。御清聴ありがとう存じました。拍手
奥
山
山田精吾#4
○山田公述人 山田です。公述の機会をいただきましたことをお礼申し上げたいと思います。
我が国の進路につきましては、先行き不透明の中であれこれと議論を呼んでおりますけれども、どちらにしましても、国民生活の質を高めるための内需拡大をどう進めるのか、このことが大方の国民の気持ちではないかというぐあいに私どもは受けとめております。それだけに、今回の通常国会に対しましては大きな期待も寄せておりますし、私たちはあえて、勝手な言い方ですが、生活国会だというような名づけもしております。
ところが、先週の予算委員長の辞任をめぐる国会の動きなんかを見ておりますと、果たしてこれで国民の期待にこたえられるのかどうか、率直に言いましてこれで大丈夫なのか、大きな不安なり疑問を持っております。このようなことで、ますます政治への不信を強めていくことを大変危惧していると率直に申し上げておきたいと思います。
先ほど、きょうは予算委員長ではございませんけれども、ごあいさつをいただきましたが、きょうの公聴会も一体どうなるんだろうかということを大変気にしておりまして、何か一言触れられるのかなと思いましたが、全然ございませんでした。ぜひ、国民生活に密着しました、そしてわかりやすい国会論議を展開して、政治の信頼の回復に、ひとつ全力を挙げていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
それから、世の中全体が寄らば大樹の陰というような、各界全体を通しましてその風潮が大変強くなっていることも気になります。このことも、今日のいろいろな問題を引き起こしている大きな要因にもなっているように思います。これは、国会の皆さん方だけではなしに、我々労働界に所属する人間としても、実は極めて反省をしているわけなんですが、端的に言いまして、経済界にしましてもうちの会社は、うちの会社は、労働界にしましてもうちの組合は、政界もうちの選挙区は、といったミクロ的な選好という、こういう傾向が非常に、余りにも強くなっているんではないかな。もちろん、私は生意気なことを言っていますけれども、うちが大切であるということは、言われるまでもなく十分承知の上で実は申し上げているわけであります。
昨年は、「塀の中の懲りない面々」というのが大変流行語になりましたが、その背景にはいろんな意味合いが含まれているように思えてなりません、私の勝手な思いかもしれませんけれども。今最も大切なことは、マクロ的な視点を大事にすることが我が国の進路を切り開く重要なポイントになっているのではないかと反省もし、今最も求められているものではないかと思っております。
予算審議に当たりましては、釈迦に説法かもわかりませんが、前回この場でも私は申し上げましたけれども、まず第一に、中流意識論に浮かれ、国民生活の実態が見失われているのではないか、このことも大変気になっております。前川レポートの指摘を待つまでもありません。経済成長の成果が生活の質の向上に反映されてないということです。
最近各省庁が発表しました各種の生活調査、消費調査、貯蓄調査などにも見られますように、目標とは裏腹に、逆の方向に向かっているとしか思えないわけです。生活水準が人並みを中流意識と考えた場合、中流意識も前回、三年前の調査から二・四ポイントも下がっております。将来の暮らしに否定的な見方をする人は、同じく前回の五七・一%から六五・一%とふえております。十人に七人が将来に対して悲観的な見方をしている。また貯蓄の所得間格差を見ますと、貯蓄高よりも負債高の方が多いサラリーマン世帯は二〇・七%。サラリーマン世帯の五分の一が負債超過の世帯というような現状です。
さらに、昭和六十二年十一月総務庁家計調査報告によりますと、全世帯の実質家計消費支出は前年同月比二・〇%増で堅調でありますけれども、勤労者世帯に限りましては実質〇・八%減。これは二カ月連続のマイナスを記録しておるということです。一方、自営・自由業など一般世帯は八・三%増と、十カ月連続のプラスとなっておる。消費面の格差がこういう面でも顕著にあらわれている。このようなことを挙げますと数限りなくあると思います。
昨年、この場で、公聴会でも、国税庁発表による昭和六十年度の民間給与の実態の一部を御紹介いたしました。昭和六十一年度は、一年を通して勤務した給与所得者は三千七百二十九万人です。平均給与は三百六十三万円です。これは残業手当を含む諸手当、ボーナスを入れてのすべての収入という額であります。平均年齢は四十・八。勤続年数は十一・〇年。事業所の規模を見ますと、本当に驚くような実態であります。一人から九人の規模、八百八十八万人、全体の二一%を占めておりますけれども、平均の収入給与は二百六十七万円です。五千人以上の規模が二百二十三万人おりますが、五・三%を占めて五百二十三万円というような状況です。
両者の格差を見ますと、給与面では一〇〇対六五、ボーナスの面では一〇〇対一七。仮に三十人から九十人で比較しますと、一〇〇対七七、一〇〇対四四というふうに、むしろ年々格差が大変開いているというような状況だということも十分知っておいてほしいと思います。全体に占める規模五百人以上、二二%ですから、圧倒的に中小零細企業で働いている人たちが多いということなんです。年収三百万以下は四九・三%、三百万円から五百万円以下は三〇・七一%、中堅サラリーマンがよく話題になりますが、五百万円以上という人は二〇・一%しかいないということなんです。六百万円以上はそのうち一一・九%というのです。
税制問題とか社会保障の問題を議論する際に、ぜひこういう実態についても念頭に置きまして議論をしていただくことが非常に大事なことではないかということで、私はあえて冒頭に申し上げたわけです。
第二に、円高と購買力平価、そして労働時間の短縮の問題です。
円高メリット・差益還元につきましては、政府は六〇%以上の効果を明らかにしていますが、生活の実感から見ればそんな気持ちには到底なれません。消費者物価の動向から見ましても、そのことを物語っていると思います。横ばいからやや最近は上昇の機運にあるというようなことがそれを示していると思います。殊に円高の急騰によりまして、我が国の名目賃金は世界のトップ水準だと言われておりますが、さらさらそういうような実感は持てません。そういう実態でもありません。
私ども連合は、家庭の幸せを中心にして、総合生活の改善を進めるために欧米並みの生活を目指すことにしております。このことは、欧米との購買力の差が余りにも大きいということです。昨年、経済企画庁が発表しました物価レポートに紹介されていますように、OECD調査、これは五年に一回なんですけれども、一九八五年時点の為替レートが一ドル二百三十九円、購買力平価は二百二十五円、物価水準はアメリカの〇・九四倍でありました。
二年を経過しました。連合でOECDの方式で試算をしてみました。それによりますと、八七年為替レートは百三十八円に上がり、この二年間で消費者物価上昇はアメリカで七・〇%、日本で一・一%をもとにしますと、購買力平価は二百十三円、物価水準は一・五四倍、これはアメリカの一・〇〇に対してであります、大都市における地価高騰を加味しますと、格差は一層拡大をすることになることは皆さん御承知のとおりです。従来の物価対策の強化とともに、ぜひ物価構造にメスを入れ、抜本的な見直しが緊急な課題であります。まずOECDの調査を待つだけでなく、政府としても独自の調査体制をつくり、実態を明らかにしてもらいたいと思うわけです。我が国の経済力と社会生活環境の余りにも大きな開きが、このようなゆがみを生み出していることは言うまでもありません。
特に、労働時間の欧米との差はそれを象徴的に示しております。多くの問題を含みながらも労基法の改正が四月一日からスタートします。一九九〇年代の初めには完全週休二日、週四十時間の実現をしなければなりません。その環境づくりのためにも、経済力の社会への還元を政策的に検討する段階に具体的に来ていると思います。時短促進の決め手は、政府の責任で実行できます公務員の土曜閉庁による週休二日制の実施を直ちに行うべきだと思います。金融機関についても言うまでもありません。
第三に、土地住宅対策であります。
土地住宅対策を思い切って進めてほしいわけですが、一時期に比べ、国会の議論のトーンが非常に落ちているような気がして心配です。その理由は、値下がり傾向にあるという見方が何か左右しているようでありますが、そんなことでは困ります。連合では、首都圏サラリーマンを対象として本年一月十七日から二十日間、緊急な調査を行いました。その内容は、既にきのうからきょうにわたってマスコミを通じて報道されているとおりであります。
時間がございませんから多くを紹介するわけにはいきませんが、下がっていない、まだ上がっているというのが、二十三区では七五・五%、六十キロ圏外でも七九・四%、その間はほとんど八〇%以上の人が、土地は下がってはいない、むしろ上がっているというようなことを端的に私どもに表明をしております。原因と責任につきましては、もう圧倒的に、何もしてこなかった政府にある、六〇・七%。不動産業者による土地転がし、一四・七。金融機関による土地融資の行き過ぎ、一一・五。東京の国際都市が非常にその理由になっておりますが、サラリーマンの受けとめ方ではわずかに五・〇%というような見方ですから、ちょっと国会で議論される面とサラリーマン、国民が受けとめる面と、土地が暴騰した理由についての見方にかなりな差があるなということを、この際率直に申し上げておきたいと思います。
対策についても触れたいわけですけれども、時間の関係で省略しますが、一言だけ申し上げたいと思うのです。
本当に涙ぐましいような調査の結果が出ているのですが、サラリーマンは、大都市での住宅、持ち家についてはもうあきらめたと言われるのが一般的なのですが、年収四、五年分でまだ入手できれば、生活を切り詰めても何としてでもマイホームを持ちたいという方が、やはりこの大都市には依然として六〇%おるということが明らかになってきました。もうだめだ、もうあきらめ切っている人は三〇%、どうしていいかわからぬという人が一〇%以上おられるというような実態ですから、ひとつ国会でも大いに私たちの気持ちを受けてもらいましてやってほしい。憲法論議がよくございますが、土地につきましては四人のうち三人までが、土地私有制度のもとで社会的、公共的制約を容認いたしますというような気持ちもこの調査で明らかにされてきております。
さらに、第四には雇用対策であります。どのような対策を進めるにいたしましても、四%から五%程度の実質経済成長率を定着させることが何よりも大事なことだと思います。
環境の暖かでないところでは、産業構造の転換も大変な犠牲を出すことになります。それに、適正為替レートの安定化、産業空洞化を避けるための適切な産業調整等、雇用ミスマッチの厳密なチェックが大事だと思いますし、中高年者の雇用対策、企業海外進出、外人労働者の受け入れの問題など、たくさんの課題が雇用問題を通じまして山積をしております。雇用は全体として明るくなったと言われておりますけれども、産業、業種、地域、年齢といった現状のばらつきに加えて構造転換に伴う先行き不安があります。
昨年十二月、完全失業者百六十一万人、失業率二・六%、有効求人倍率〇・八五倍、全国平均に比べ時点のとり方は若干ずれておりますけれども、九州では失業率は四・〇%、有効求人倍率は〇・五二倍です。北海道は失業率三・六%、有効求人倍率はわずかに〇・三倍というような実態です。全国的に見ましても、年齢の面では五十五歳以上有効求人倍率は〇・一、仕事をしたくても仕事がないという実態にあります。特定地域、特定産業に対する助成政策の実施による地域活性化、とりわけこれらの地域は農産物の自由化の影響を大変大きく受けておるということも新しい問題として一つ加えながら、十分な雇用対策を進める必要があると思います。さらに、産業、地域の構造転換を先取りした環境づくりは言うまでもありません。
最後になりましたが、第五に税制改革と減税についてであります。
税制改革、減税は今や天の声でありまして、総理府の世論調査でも不公平、重税感は昭和四十六年で五四%でしたが、昭和六十一年ではどの課題も抜きまして八一・三%になっております。これは圧倒的にサラリーマンの声といいますか、怒りだというぐあいにぜひひとつ受けとめてもらいたいと思いますし、私どもも、もちろんその主張を今日まで続けてまいりました。昭和五十二年から事実上据え置かれてきたということです。
昭和四十年から五十年の十年間で、減税は三兆六千九百二十五億円です。昭和五十一年から六十二年、昨年までの十二年間で、わずかに二兆六千二百七十億円の減税しかなかったということなのです。殊に昭和四十九年の一兆七千二百七十億円の減税は、当時の政府予算規模で見直しますと、約五兆円に匹敵する金額であります。このようなことが、もともとの不公平税制に対する強い不満がある上に、さらに火を注いだ結果が税制に対する不満を一層増大させているということです。もちろん減税だけではなく、税制改革に手をつけなかったことにも大きな原因があります。また今日までのわずかな減税は、減税というよりも、物価上昇による極めて部分的な是正措置だというぐあいに私どもは受けているわけであります。
昨年十一月から私も税制調査会のメンバーに参加しております。竹下総理は、所得、資産、消費の均衡のとれた改革と二十一世紀高齢社会に備えての財源確保を諮問されました。その際に、確かに一切の予見を与えないものとして——だが実際は、予見どころか自民党の首脳の皆さん方は、新型間接税秋口に結論を公然と発言をしておられますし、ちまたでは、政府税調はしょせん自民党税調の隠れみのだということを言われております。もしそういうことであれば、政府税調の責任も問われることになると思います。ぜひこの点は、政府税調が自由にまじめに議論ができるような環境づくりにひとつ御協力をいただきたいと思います。まあ、小倉会長の言うことかもわかりませんけれども……。
私の所属します連合の基本的な態度を率直に申し上げますが、新型間接税秋口に結論を前提とした税制改革は絶対に進めるべきではありませんし、もしその導入を目指すならば、まず国民の信を問うことが議会制民主主義のルールであるということを、連合は一体何を考えているのかなんということをよく問われるのですが、この席で明確にひとつ申し上げておきたいと思います。
本来の税制改革をぜひやってほしいという私たちの気持ちを申し上げたいと思いますが、税制改革は、制度と財政を切り離して、まず制度の不公平税制の是正を中心に徹底した改革をひとつ進めていただきたいということ。特にサラリーマンの立場から四つの不公平。一つは、名目賃金がふえることによる実質大幅増税。二つは、執行上の不公平、いわゆるクロヨン。三つには、資産課税の骨抜きを初めとする制度上の不公平。四つ目、税金の使われ方に対する不公平などが私たちの税制改革に当たっての原則であります。
一番目の所得の問題についてですが、公平の原則はサラリーマン源泉徴収納税を基本としてぜひ考えてもらいたいということです。申告納税者すべてを指すわけではありませんけれども、所得捕捉率にいわゆるクロヨン問題が存在していることは紛れもない事実であります。昭和五十二年から六十二年、十一年間の所得税の推移を私どもは試算をしてみました。サラリーマン給与は三七・九%ふえておりますけれども、税金は九八・五%ふえておりまして、一%に対して二・六%の増です。申告所得者の所得は三〇・一%ふえまして、三六・一%の税金の増ですから、一%に対して一・二%であります。これは間違いのない数字でございますから、こういうことを私どもはクロヨンの背景として実は申し上げているということであります。
制度面からの不公平もあります。記帳義務と総収入申告制の強化。みなし法人税、専従者給与制度、医師優遇税制、こういう制度についてはひとつなくしてもらいたい。推計課税、挙証責任の見直し、悪質脱税の罰則強化、時効の延長、こういうことについて私どもは所得の問題について強調しているということです。具体的にはインデクセーション、物価調整の制度をぜひひとつ導入してほしいということです。
今回、私どもは昭和六十三年度の減税としまして一兆一千億円の所得税減税、四千八百億円の住民税減税を主張しております。この理由は極めて簡単であります。昭和五十二年から消費者物価上昇が三四・六%ございました。そのうち二回にわたりまして減税が行われまして、ちょうどその差し引き残高が一兆一千億円になりますから、ぜひ一遍税制改革の前に整理をつけていただきたいというような考え方であります。
税率構造の見直しにつきましても一〇%から六〇%、このことにつきましては、キャピタルゲインが一体どうなるのかということを見ながら税率の段階についてはさらに我々の見解を明らかにしたいと思います。
資産についても、時間がありませんから簡潔に申し上げます。資産については、キャピタルゲインについてはぜひ原則課税ということを明確にしてほしい、そして漏れがないように。キャピタルゲインについては我々はクリーンカードというような言い方をしておりますが、マル優に対して根こそぎやっちゃったのですから、キャピタルゲインについてほっておくというのは極めて問題だということが一言で言えば私どもの言い分であります。
さらに、アメリカの国税庁では四つの武器を政府に与えております。自民党の皆さん、これは聞いてください、大事なことです。一つは、社会保障番号の導入の問題です。巨大なコンピューターシステム、それから株式の売買によるキャピタルゲインに対する取り扱い、悪質な脱税の罰則強化。ということで時間がなくなりまして、後でまた御質問にお答えする形で申し上げたいと思います。
えらい済みませんでした。拍手
〔奥田(敬)委員長代理退席、野田委員長代理着席〕
この発言だけを見る →我が国の進路につきましては、先行き不透明の中であれこれと議論を呼んでおりますけれども、どちらにしましても、国民生活の質を高めるための内需拡大をどう進めるのか、このことが大方の国民の気持ちではないかというぐあいに私どもは受けとめております。それだけに、今回の通常国会に対しましては大きな期待も寄せておりますし、私たちはあえて、勝手な言い方ですが、生活国会だというような名づけもしております。
ところが、先週の予算委員長の辞任をめぐる国会の動きなんかを見ておりますと、果たしてこれで国民の期待にこたえられるのかどうか、率直に言いましてこれで大丈夫なのか、大きな不安なり疑問を持っております。このようなことで、ますます政治への不信を強めていくことを大変危惧していると率直に申し上げておきたいと思います。
先ほど、きょうは予算委員長ではございませんけれども、ごあいさつをいただきましたが、きょうの公聴会も一体どうなるんだろうかということを大変気にしておりまして、何か一言触れられるのかなと思いましたが、全然ございませんでした。ぜひ、国民生活に密着しました、そしてわかりやすい国会論議を展開して、政治の信頼の回復に、ひとつ全力を挙げていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
それから、世の中全体が寄らば大樹の陰というような、各界全体を通しましてその風潮が大変強くなっていることも気になります。このことも、今日のいろいろな問題を引き起こしている大きな要因にもなっているように思います。これは、国会の皆さん方だけではなしに、我々労働界に所属する人間としても、実は極めて反省をしているわけなんですが、端的に言いまして、経済界にしましてもうちの会社は、うちの会社は、労働界にしましてもうちの組合は、政界もうちの選挙区は、といったミクロ的な選好という、こういう傾向が非常に、余りにも強くなっているんではないかな。もちろん、私は生意気なことを言っていますけれども、うちが大切であるということは、言われるまでもなく十分承知の上で実は申し上げているわけであります。
昨年は、「塀の中の懲りない面々」というのが大変流行語になりましたが、その背景にはいろんな意味合いが含まれているように思えてなりません、私の勝手な思いかもしれませんけれども。今最も大切なことは、マクロ的な視点を大事にすることが我が国の進路を切り開く重要なポイントになっているのではないかと反省もし、今最も求められているものではないかと思っております。
予算審議に当たりましては、釈迦に説法かもわかりませんが、前回この場でも私は申し上げましたけれども、まず第一に、中流意識論に浮かれ、国民生活の実態が見失われているのではないか、このことも大変気になっております。前川レポートの指摘を待つまでもありません。経済成長の成果が生活の質の向上に反映されてないということです。
最近各省庁が発表しました各種の生活調査、消費調査、貯蓄調査などにも見られますように、目標とは裏腹に、逆の方向に向かっているとしか思えないわけです。生活水準が人並みを中流意識と考えた場合、中流意識も前回、三年前の調査から二・四ポイントも下がっております。将来の暮らしに否定的な見方をする人は、同じく前回の五七・一%から六五・一%とふえております。十人に七人が将来に対して悲観的な見方をしている。また貯蓄の所得間格差を見ますと、貯蓄高よりも負債高の方が多いサラリーマン世帯は二〇・七%。サラリーマン世帯の五分の一が負債超過の世帯というような現状です。
さらに、昭和六十二年十一月総務庁家計調査報告によりますと、全世帯の実質家計消費支出は前年同月比二・〇%増で堅調でありますけれども、勤労者世帯に限りましては実質〇・八%減。これは二カ月連続のマイナスを記録しておるということです。一方、自営・自由業など一般世帯は八・三%増と、十カ月連続のプラスとなっておる。消費面の格差がこういう面でも顕著にあらわれている。このようなことを挙げますと数限りなくあると思います。
昨年、この場で、公聴会でも、国税庁発表による昭和六十年度の民間給与の実態の一部を御紹介いたしました。昭和六十一年度は、一年を通して勤務した給与所得者は三千七百二十九万人です。平均給与は三百六十三万円です。これは残業手当を含む諸手当、ボーナスを入れてのすべての収入という額であります。平均年齢は四十・八。勤続年数は十一・〇年。事業所の規模を見ますと、本当に驚くような実態であります。一人から九人の規模、八百八十八万人、全体の二一%を占めておりますけれども、平均の収入給与は二百六十七万円です。五千人以上の規模が二百二十三万人おりますが、五・三%を占めて五百二十三万円というような状況です。
両者の格差を見ますと、給与面では一〇〇対六五、ボーナスの面では一〇〇対一七。仮に三十人から九十人で比較しますと、一〇〇対七七、一〇〇対四四というふうに、むしろ年々格差が大変開いているというような状況だということも十分知っておいてほしいと思います。全体に占める規模五百人以上、二二%ですから、圧倒的に中小零細企業で働いている人たちが多いということなんです。年収三百万以下は四九・三%、三百万円から五百万円以下は三〇・七一%、中堅サラリーマンがよく話題になりますが、五百万円以上という人は二〇・一%しかいないということなんです。六百万円以上はそのうち一一・九%というのです。
税制問題とか社会保障の問題を議論する際に、ぜひこういう実態についても念頭に置きまして議論をしていただくことが非常に大事なことではないかということで、私はあえて冒頭に申し上げたわけです。
第二に、円高と購買力平価、そして労働時間の短縮の問題です。
円高メリット・差益還元につきましては、政府は六〇%以上の効果を明らかにしていますが、生活の実感から見ればそんな気持ちには到底なれません。消費者物価の動向から見ましても、そのことを物語っていると思います。横ばいからやや最近は上昇の機運にあるというようなことがそれを示していると思います。殊に円高の急騰によりまして、我が国の名目賃金は世界のトップ水準だと言われておりますが、さらさらそういうような実感は持てません。そういう実態でもありません。
私ども連合は、家庭の幸せを中心にして、総合生活の改善を進めるために欧米並みの生活を目指すことにしております。このことは、欧米との購買力の差が余りにも大きいということです。昨年、経済企画庁が発表しました物価レポートに紹介されていますように、OECD調査、これは五年に一回なんですけれども、一九八五年時点の為替レートが一ドル二百三十九円、購買力平価は二百二十五円、物価水準はアメリカの〇・九四倍でありました。
二年を経過しました。連合でOECDの方式で試算をしてみました。それによりますと、八七年為替レートは百三十八円に上がり、この二年間で消費者物価上昇はアメリカで七・〇%、日本で一・一%をもとにしますと、購買力平価は二百十三円、物価水準は一・五四倍、これはアメリカの一・〇〇に対してであります、大都市における地価高騰を加味しますと、格差は一層拡大をすることになることは皆さん御承知のとおりです。従来の物価対策の強化とともに、ぜひ物価構造にメスを入れ、抜本的な見直しが緊急な課題であります。まずOECDの調査を待つだけでなく、政府としても独自の調査体制をつくり、実態を明らかにしてもらいたいと思うわけです。我が国の経済力と社会生活環境の余りにも大きな開きが、このようなゆがみを生み出していることは言うまでもありません。
特に、労働時間の欧米との差はそれを象徴的に示しております。多くの問題を含みながらも労基法の改正が四月一日からスタートします。一九九〇年代の初めには完全週休二日、週四十時間の実現をしなければなりません。その環境づくりのためにも、経済力の社会への還元を政策的に検討する段階に具体的に来ていると思います。時短促進の決め手は、政府の責任で実行できます公務員の土曜閉庁による週休二日制の実施を直ちに行うべきだと思います。金融機関についても言うまでもありません。
第三に、土地住宅対策であります。
土地住宅対策を思い切って進めてほしいわけですが、一時期に比べ、国会の議論のトーンが非常に落ちているような気がして心配です。その理由は、値下がり傾向にあるという見方が何か左右しているようでありますが、そんなことでは困ります。連合では、首都圏サラリーマンを対象として本年一月十七日から二十日間、緊急な調査を行いました。その内容は、既にきのうからきょうにわたってマスコミを通じて報道されているとおりであります。
時間がございませんから多くを紹介するわけにはいきませんが、下がっていない、まだ上がっているというのが、二十三区では七五・五%、六十キロ圏外でも七九・四%、その間はほとんど八〇%以上の人が、土地は下がってはいない、むしろ上がっているというようなことを端的に私どもに表明をしております。原因と責任につきましては、もう圧倒的に、何もしてこなかった政府にある、六〇・七%。不動産業者による土地転がし、一四・七。金融機関による土地融資の行き過ぎ、一一・五。東京の国際都市が非常にその理由になっておりますが、サラリーマンの受けとめ方ではわずかに五・〇%というような見方ですから、ちょっと国会で議論される面とサラリーマン、国民が受けとめる面と、土地が暴騰した理由についての見方にかなりな差があるなということを、この際率直に申し上げておきたいと思います。
対策についても触れたいわけですけれども、時間の関係で省略しますが、一言だけ申し上げたいと思うのです。
本当に涙ぐましいような調査の結果が出ているのですが、サラリーマンは、大都市での住宅、持ち家についてはもうあきらめたと言われるのが一般的なのですが、年収四、五年分でまだ入手できれば、生活を切り詰めても何としてでもマイホームを持ちたいという方が、やはりこの大都市には依然として六〇%おるということが明らかになってきました。もうだめだ、もうあきらめ切っている人は三〇%、どうしていいかわからぬという人が一〇%以上おられるというような実態ですから、ひとつ国会でも大いに私たちの気持ちを受けてもらいましてやってほしい。憲法論議がよくございますが、土地につきましては四人のうち三人までが、土地私有制度のもとで社会的、公共的制約を容認いたしますというような気持ちもこの調査で明らかにされてきております。
さらに、第四には雇用対策であります。どのような対策を進めるにいたしましても、四%から五%程度の実質経済成長率を定着させることが何よりも大事なことだと思います。
環境の暖かでないところでは、産業構造の転換も大変な犠牲を出すことになります。それに、適正為替レートの安定化、産業空洞化を避けるための適切な産業調整等、雇用ミスマッチの厳密なチェックが大事だと思いますし、中高年者の雇用対策、企業海外進出、外人労働者の受け入れの問題など、たくさんの課題が雇用問題を通じまして山積をしております。雇用は全体として明るくなったと言われておりますけれども、産業、業種、地域、年齢といった現状のばらつきに加えて構造転換に伴う先行き不安があります。
昨年十二月、完全失業者百六十一万人、失業率二・六%、有効求人倍率〇・八五倍、全国平均に比べ時点のとり方は若干ずれておりますけれども、九州では失業率は四・〇%、有効求人倍率は〇・五二倍です。北海道は失業率三・六%、有効求人倍率はわずかに〇・三倍というような実態です。全国的に見ましても、年齢の面では五十五歳以上有効求人倍率は〇・一、仕事をしたくても仕事がないという実態にあります。特定地域、特定産業に対する助成政策の実施による地域活性化、とりわけこれらの地域は農産物の自由化の影響を大変大きく受けておるということも新しい問題として一つ加えながら、十分な雇用対策を進める必要があると思います。さらに、産業、地域の構造転換を先取りした環境づくりは言うまでもありません。
最後になりましたが、第五に税制改革と減税についてであります。
税制改革、減税は今や天の声でありまして、総理府の世論調査でも不公平、重税感は昭和四十六年で五四%でしたが、昭和六十一年ではどの課題も抜きまして八一・三%になっております。これは圧倒的にサラリーマンの声といいますか、怒りだというぐあいにぜひひとつ受けとめてもらいたいと思いますし、私どもも、もちろんその主張を今日まで続けてまいりました。昭和五十二年から事実上据え置かれてきたということです。
昭和四十年から五十年の十年間で、減税は三兆六千九百二十五億円です。昭和五十一年から六十二年、昨年までの十二年間で、わずかに二兆六千二百七十億円の減税しかなかったということなのです。殊に昭和四十九年の一兆七千二百七十億円の減税は、当時の政府予算規模で見直しますと、約五兆円に匹敵する金額であります。このようなことが、もともとの不公平税制に対する強い不満がある上に、さらに火を注いだ結果が税制に対する不満を一層増大させているということです。もちろん減税だけではなく、税制改革に手をつけなかったことにも大きな原因があります。また今日までのわずかな減税は、減税というよりも、物価上昇による極めて部分的な是正措置だというぐあいに私どもは受けているわけであります。
昨年十一月から私も税制調査会のメンバーに参加しております。竹下総理は、所得、資産、消費の均衡のとれた改革と二十一世紀高齢社会に備えての財源確保を諮問されました。その際に、確かに一切の予見を与えないものとして——だが実際は、予見どころか自民党の首脳の皆さん方は、新型間接税秋口に結論を公然と発言をしておられますし、ちまたでは、政府税調はしょせん自民党税調の隠れみのだということを言われております。もしそういうことであれば、政府税調の責任も問われることになると思います。ぜひこの点は、政府税調が自由にまじめに議論ができるような環境づくりにひとつ御協力をいただきたいと思います。まあ、小倉会長の言うことかもわかりませんけれども……。
私の所属します連合の基本的な態度を率直に申し上げますが、新型間接税秋口に結論を前提とした税制改革は絶対に進めるべきではありませんし、もしその導入を目指すならば、まず国民の信を問うことが議会制民主主義のルールであるということを、連合は一体何を考えているのかなんということをよく問われるのですが、この席で明確にひとつ申し上げておきたいと思います。
本来の税制改革をぜひやってほしいという私たちの気持ちを申し上げたいと思いますが、税制改革は、制度と財政を切り離して、まず制度の不公平税制の是正を中心に徹底した改革をひとつ進めていただきたいということ。特にサラリーマンの立場から四つの不公平。一つは、名目賃金がふえることによる実質大幅増税。二つは、執行上の不公平、いわゆるクロヨン。三つには、資産課税の骨抜きを初めとする制度上の不公平。四つ目、税金の使われ方に対する不公平などが私たちの税制改革に当たっての原則であります。
一番目の所得の問題についてですが、公平の原則はサラリーマン源泉徴収納税を基本としてぜひ考えてもらいたいということです。申告納税者すべてを指すわけではありませんけれども、所得捕捉率にいわゆるクロヨン問題が存在していることは紛れもない事実であります。昭和五十二年から六十二年、十一年間の所得税の推移を私どもは試算をしてみました。サラリーマン給与は三七・九%ふえておりますけれども、税金は九八・五%ふえておりまして、一%に対して二・六%の増です。申告所得者の所得は三〇・一%ふえまして、三六・一%の税金の増ですから、一%に対して一・二%であります。これは間違いのない数字でございますから、こういうことを私どもはクロヨンの背景として実は申し上げているということであります。
制度面からの不公平もあります。記帳義務と総収入申告制の強化。みなし法人税、専従者給与制度、医師優遇税制、こういう制度についてはひとつなくしてもらいたい。推計課税、挙証責任の見直し、悪質脱税の罰則強化、時効の延長、こういうことについて私どもは所得の問題について強調しているということです。具体的にはインデクセーション、物価調整の制度をぜひひとつ導入してほしいということです。
今回、私どもは昭和六十三年度の減税としまして一兆一千億円の所得税減税、四千八百億円の住民税減税を主張しております。この理由は極めて簡単であります。昭和五十二年から消費者物価上昇が三四・六%ございました。そのうち二回にわたりまして減税が行われまして、ちょうどその差し引き残高が一兆一千億円になりますから、ぜひ一遍税制改革の前に整理をつけていただきたいというような考え方であります。
税率構造の見直しにつきましても一〇%から六〇%、このことにつきましては、キャピタルゲインが一体どうなるのかということを見ながら税率の段階についてはさらに我々の見解を明らかにしたいと思います。
資産についても、時間がありませんから簡潔に申し上げます。資産については、キャピタルゲインについてはぜひ原則課税ということを明確にしてほしい、そして漏れがないように。キャピタルゲインについては我々はクリーンカードというような言い方をしておりますが、マル優に対して根こそぎやっちゃったのですから、キャピタルゲインについてほっておくというのは極めて問題だということが一言で言えば私どもの言い分であります。
さらに、アメリカの国税庁では四つの武器を政府に与えております。自民党の皆さん、これは聞いてください、大事なことです。一つは、社会保障番号の導入の問題です。巨大なコンピューターシステム、それから株式の売買によるキャピタルゲインに対する取り扱い、悪質な脱税の罰則強化。ということで時間がなくなりまして、後でまた御質問にお答えする形で申し上げたいと思います。
えらい済みませんでした。拍手
〔奥田(敬)委員長代理退席、野田委員長代理着席〕
野
鈴
鈴木幸夫#6
○鈴木公述人 鈴木でございます。私は、日本経済新聞で長く論説の仕事をやっておりまして、今テレビに参りましてから役員をやっておりますけれども、解説の仕事を兼ねてやっております。専門はマクロ経済でございますけれども、本日は、予算審議に関連いたしまして、内需拡大と産業構造の調整の問題並びに貿易の問題について若干意見を述べさせていただきたいと思います。
御承知のように、現在為替レートは小康状態を保っておりまして、各国間の協調介入と最近発表されましたアメリカの貿易収支の改善、そういったようなことが背景になって、目下のところは為替レートは百二十円台の後半から百三十円というようなところで大体落ちついているわけでございます。国内景気も予想以上に今のところは好調で、企業の収益率も前年に比べますとかなり大幅に改善されているということで、出荷とかあるいは生産も相当順調であるということで、今のところは内需が一応軌道に乗っているという評価が一般的に大変強いわけでございます。
私はこれについて、今後これがどうなるかということは後で申し上げたいと思いますが、ここでちょっと特に先生方に私として強く指摘したいことが一つございます。それは先ほども御指摘がありましたように、前川リポートあるいは新前川リポート、この新前川リポートには私も実は審議に参加しているわけですが、こういったところで非常に強調されました経済構造の調整の問題、これは内容的には内需主導型の経済に持っていく、貿易の黒字をできるだけ縮小する、あるいはNICSその他の諸国との間で水平分業型の構造に持っていくということが基本的なねらいであるわけですけれども、今までは円高といいますと、専らデフレ的な側面ばかりが強調されておりましたけれども、最近経済構造の調整が物すごく急速に進んでおりまして、私どもの見るところでは、第一段階のいわば円高への適応段階は一応通り過ぎた、いよいよ本格的にこれから二、三年かけて総仕上げの段階に入ってきているのではないかというふうに考えられます。
御承知のように、日本の貿易の黒字も昨年の七月以降ずっとマイナスが続いておりまして、円建てベース、数量ベースではそうですし、ドルベースでも最近少しずつ黒字が減ってきているということでございますが、特に輸出関連産業、製造業、これは大企業も中小企業も含めまして、あるいは東京周辺のみならず地方も含めまして、大変な勢いでもってこの構造調整が進んでおります。特に海外へ生産拠点を移すというのが前年に比べて倍以上のテンポで進んでおりますし、企業の合理化努力あるいは新製品の開拓とかいったようなことで高度化への志向をしたいわば合理化努力というようなものが大変進んでおるわけでございます。
特にプラザ合意で昭和六十年の九月ごろ二百四十円であったのが一年ちょっとの間に百五十円段階まで入り、その後今日まで百二十円台というところまできたわけでございますけれども、特に企業の方々が血のにじむような努力をされたのは、二百四十円から百五十円に至る一年ちょっとの間でございます。ここではもうまさしく死に物狂いで大企業も中小企業の方々も努力されたわけでございますが、その結果としてある程度方向づけができた。その方向に従って徐々に、何といいますか、レールをさらに延ばしていくという過程において、大体数カ月単位で十円刻みというようなことで為替レートが上がってまいりましたけれども、大体企業の方で想定いたしました為替レート、採算レートの方がむしろ現実の為替レートよりも高目に設定されたということもありまして、かなりそういう面で企業の努力によって乗り切ることができたということだと思います。
率直に申し上げますと、今製造業関係の構造調整というものは、先生方がもちろん御承知でしょうけれども、一般に想像されている以上に大変広範に進んでおりまして、むしろ進んでいないのは何かといいますと、政府があるいは行政面で介入度の強い、政治の面からの発言力が相当影響しているような産業分野においては構造調整が非常におくれておる。進んでいるのは心しろ政府の息のかからないといいますか、余り政府に面倒を見てもらわないような産業の方が急速に構造転換が進んでおりまして、むしろ政府の息のかかっている産業が逆に合理化がおくれていることによって、せっかくの製造業部門の真剣な努力に対して水を差すようなそういう傾向もないわけではない。そうだとは断定できませんけれども、そういう面があるんだということ。
それから、もう一つ強調したいことは、今仮に、そういうことはありませんけれども、円が百八十円とか二百円に仮に戻るようなことになった場合には、日本の現在の産業界は大混乱を呈するであろう。せっかくここまで円高を通じて一生懸命に構造転換をやってまいりまして、その軌道にやっと乗りかかったというところで、今度は逆に円安に急激に戻るというようなことになると、かえって大変な混乱が起こって、その方がむしろ私どもは心配である。逆に言えば、もちろんあしたから円が百十円になるとかあるいは百円になるということになれば、これまた大変なことでございますけれども、少なくとも数カ月のこのタイムラグでせいぜい十円刻みぐらいのことで、長い期間をかけて円がじりじりと上がっていくということであるならば十分対応できるということでございまして、むしろ百二十円台というこの現在の為替レートというものが構造調整の上において非常に大きな原動力になってきておるということを御理解いただきたいと思います。
それじゃどういうふうに対応しているのかということでございますけれども、言うまでもなく、最近の製品輸入の急激な増加、あるいは海外生産へのいろいろなシフトということから始まって、日本の企業が海外でつくったものがどんどん逆輸入してくるというようなこともございます。先進国との間では、例えばヨーロッパの車、ベンツだとかあるいはアメリカの事務機械とかいったような先進国の得意な分野のものが依然として製品輸入もふえておりますけれども、全体としてNICS関係の製品、これの輸入が激増しているわけでございます。
昨年の製品輸入の統計、これは貿易統計が出ておりますが、その中で日本の製品輸入は四四%という数字が出ております。ところが私どもは、これは少なくともことし五〇%はもちろん超えますけれども、場合によっては五十数%ぐらいまで行くのではなかろうかというふうに感じております。ということは、ことしから来年にかけていよいよ本格的に日本の国内マーケットで外国の製品と日本の製品とが今まで以上に激しい形で販売合戦を展開しなければならないということで、これは企業にとっても大変なことでございますが、しかしこれは、これから先は私の個人的見解でございますけれども、日本の企業にとっては、これは決してマイナスではないのだ、むしろ国際的に見て非常にNICSあるいは先進国との間で水平分業が急速に進んでいる証拠でありまして、そういう面では日本の企業がいわばグローバリゼーションというか国際化、そういうことを進めていく上において、どうしても生きるために必要なことであり、また同時に、今の円高のもとにおいて日本の企業自体が、NICSや先進諸国からの製品輸入あるいは半製品輸入によって相当程度合理化のために役に立っているということが指摘されなければならないのではないかというふうに考えております。
最近の例でございますが、これは八七年の一月から八月までの期間をとりましても、例えば三十五ミリのカメラの製品輸入の比率が四一%、それから電卓が五二%、ポータブルラジオが六〇%、扇風機が五五%、白黒テレビ、これなんかは六七%、ラジオカセットが四五%といったぐあいに非常に製品輸入がふえておりますけれども、この大半はNICSの製品であるかあるいは日本がNICSで生産した製品、いわゆる私どもはジャパニックスと申し上げておりますけれども、このジャパニックス製品というものがかなりの比重を占めているということを御理解いただきたいと思うわけです。
今までは日本の企業が下請生産だとかサブアセンブリーの仕事をNICSの諸国に持っていきまして、そこからでき上がったものを輸入して、そして日本が最終製品をつくるという形をとっておりましたけれども、最近は製品そのものまで、いわゆる日本の企業の現地での製品がどんどん入ってくるようになってきたということで、日本の企業のブランドをつけたもの、それから現地の企業のブランドをつけたもの、双方あるわけでございますけれども、NICS諸国のブランドをつけたものの中にも、日本から行った半製品あるいは資材といったものが相当程度入っているということを理解しなければならないということだと思います。
そういう意味におきまして、現在の円高は、企業にとっては製品輸入がふえているということは、もちろん競争が国内で激しくなることの反面、日本の企業にとっても、それは非常にメリットがあることであって、例えば韓国が昨年労働争議がいろいろありましたけれども、企業がストライキを起こしますと、日本のVTRの工場が操業停止をしなければならぬ、そういったことが現実に起こっているわけでございます。それほど依存関係ができているということを理解しなければならないと思います。
同時に、今申し上げたように、円高によって原材料あるいは部品、半製品が非常に安いということと関連いたしまして、原油も昨年は非常に安かった。これも今後の見通しとしては、バレル当たり十五ドルをいつまでも切るような状態が続くということになると、アメリカにとってもあるいは北海油田を抱えているイギリスその他にとっても、やはりいろいろ問題があるわけでございますから、十五ドルを切るような状態がずっと続くということは難しいかもしれませんけれども、スポットその他の面でまだしばらくもう少し弱含みの状態が続くのではなかろうか。ただ、原油の場合は、下がればいいというものではございませんので、余り下がりますと、途上国の問題あるいは世界経済全体に与える影響というものは、むしろ逆にマイナスの影響も出てまいりますので、その辺のことは余り楽観はできないということはございます。
それはともかくといたしまして、先ほどから御指摘がございますように、日本の消費者物価というものが余り下がっていないというかむしろ物によっては上がっているということでございますが、このことは実はいろいろな評価があるわけでございます。西ドイツは、マルクが上がれば卸売物価が下がり、またさらに消費者物価もそれに比例して下がるということで、よく日本では西ドイツに見習えということがあるわけで、私も基本的にはそれは正しい考え方だと思いますけれども、現実に今、日本の企業の構造転換が中小企業の末端に至るまで非常に進んで、しかもなおかつ今日、昨年に比べて製造業も流通業も大変企業収益率が高いというような状態はなぜ続いているのかということを考えてみますと、これははっきり申し上げて、消費者物価が下がっていないために企業にそれだけの構造転換をやるゆとりがあったのだということで、消費者に還元するのは非常におくれているけれども、まあそういう意味において、企業段階においての構造調整を進める上では役に立ったということが言えるかもしれません。
そのことはともかくといたしまして、こういう形で日本の産業界が急激に円高に伴う構造転換ということを進めてまいりました。問題は、一体このままの状態がいつまで続くのかということと、それから、こういう状態を政府として一体ほっておいていいのかどうかという問題があるわけでございます。
と申しますのは、今まではともかく、民間の側もこれまで輸出でいろいろ稼いだストックもございましたし、それから昨年は先生方の御努力によりまして七兆円という大型の財政措置というものが進められているというようなことで、いろいろな政策要因と、それから企業努力とが絡み合いまして、どうにかこうにか今日まで急激に転換が進んでまいりましたけれども、問題は、これから先ということになりますと、やはり非常に問題が幾つかあるわけでございます。
〔野田委員長代理退席、奥田(敬)委員 長代理着席〕
昨年からことしにかけて内需が伸びていることの内容を見ますと、非製造業の設備投資がかなり急激に伸びておりますけれども、これはもう最近やや息切れ状態でございます。それにかわりまして製造業関係の設備投資が昨年の中ごろから急激に回復してまいりました。最近、けさも新聞なんかを見ましても、製造業の設備投資が前年に比べて一二、三%ぐらいまでふえるのではないかというような予測も出ておりますが、私もそのぐらいはいくのではないかというふうに考えておりますけれども、実は問題は、アメリカ、ヨーロッパあるいはNICS諸国、それぞれの今後の経済の動きというものがどういうふうに動いていくのかということについて、まだまだ企業経営者の中には不安感が非常に強いということがございますので、製造業関係の設備投資が、もしここで何らかの格好でまた再びアメリカで大きな変動が起こるということがありますと、また再び萎縮する可能性もないわけではないということも心配されます。
そういう面で、まず一つは、アメリカに対していろいろな面で、ドルの安定のみならず、経済の運営についてもいろいろ注文をつけなければならぬということはございますけれども、私が申し上げたいのは、製造業の設備投資のみならず、昨年非常に好調であった住宅投資もことしは相当落ち込んでくるのではないかというふうな感じがしております。昨年伸びましたのは、これは政策努力もいろいろあるかもしれませんけれども、基本的にはやはり土地価格の上昇、それに伴って東京の都心あたりに住んでいた人が家を売ってさらに郊外へ出る、郊外の人がさらにより郊外へ出るというような形で、そういう面での新築需要とか増改築需要もありましたけれども、一番大きなのは、やはりオフィスだとか貸し家というものを当て込んで、非常に貸し家住宅とかオフィス関係のビルが急速に伸びたということが一つあるわけでございます。
時間がございませんから詳しいことははしょりますけれども、ところが、最近都心の家賃も大分下がってまいりましたし、都心の地価そのものも停滞ぎみであるということで、それがまた逆に、これからの住宅建設の面では今までのようにプラスには働かない。これはむしろ望ましいことかもしれませんけれども、特に税の面で、相続税だとか固定資産税との関連で、郊外の地主さんたちがどんどんマンションを建てるというようなことがあって、しかも建てたもののなかなか借り手がないというようなこともいろいろ起こっているようでございます。
それから、昨年からことしにかけて伸びた中のもう一つの理由は、在庫投資が非常に伸びたわけですけれども、これももう既に企業が相当生産をふやしまして在庫投資も大体一巡してきたということだと思いますし、また公共投資についても、一昨年から昨年にかけて、いよいよ政府も思い切って大型の補正を組まれたりしたわけですけれども、ことしも公共投資はその伸びを正常に維持されながらやっておられるということは大変歓迎しておりますが、私どもが懸念しておりますのは、もし万が一今後、アメリカの経済の動向いかんにもかかわりますけれども、大きな変動というものが起こった場合に、財政というものが即座に機動的に対応できるような態勢というものはやはり続けておいていただきたいというふうに考えております。
個人消費につきましては、これはもう最近失業率もやや低下しておりますので、雇用者の数もややふえてまいりました。昨年は春闘で公称三・六%、ボーナスは前年より低かったというようなことがございました。これは当時の環境からいって、企業の経営も構造転換のために必死の状況であり、組合側もまた大変、全体の経済情勢というものを読んで慎重に対応されたということからこういうことになったと思いますが、ことしは企業収益率が前年に比べてかなり今のところは改善しておりますから、企業の支払い能力もある程度はふえてきておる。したがって私は、これは個人的感触ですけれども、四%は超える賃上げはあり得ると思いますが、これも企業によって、支払い能力によって影響されるわけでございます。
問題は、賃金がその程度の上昇であったとしても、雇用者数もふえますから、当然GNP統計で言う雇用者所得というものは相当大幅に伸びるのであろうと思いますけれども、ただ、そのことが個人消費全体にどれだけ強い影響を与えるか。最近は金利も下がっておりますし、アメリカの株式市場のああいう状況、日本の株価の最近の不安な状況ということからしても、日本の場合はアメリカほど一般の個人投資家の比重は高くありませんし、また、株を持っている個人投資家が比較的長く株を持つという傾向がございますけれども、いずれにしましても、金融資産の価値というものが今までに比べて若干落ちているというか、金融資産に対する期待というものがやや弱まっているということもございます。そのことは逆に言うと、先行きについて消費者にとっても不安感もいろいろ出てきているのではないかということで、これが消費の拡大につながるのか、あるいは消費の抑制につながるのか、なかなか微妙なところでございます。
ただ問題は、先ほども申し上げましたように、これから二、三年ないし四、五年かけて、いよいよ本格的な構造調整の段階に入ってくるわけでございます。私は産業構造審議会の委員をやっておりますけれども、中期の構造調整期に入ったということなんですけれども、このためにはやはり、先ほどもほかの方からも御指摘がありましたが、海外需要をできるだけ減らして、年間一ポイントぐらいずつ比重を減らしていって、そして国内の需要をできるだけふやしていく。平均五%ポイントぐらいの内需というものは常に支えていかなきゃならないということになりますと、実質で経済成長率はやはり四%を切るようなことは絶対あってはならない。もし四%を切るようなことになりますと、せっかくここまで進んだ構造調整というものが後戻りする。失業あるいは民間活力の減退、あるいは、稼働率が下がることによってコストが上昇してまいりますと収益が悪化してまいります。地域経済にもそれは影響が出てくるということでございますので、やはり何としてもここは政府が財政その他の支援措置を維持していかなければならないということでございます。
私は、財政が積極的に減税の面だとか公共投資だとかいろいろな面で手を打っていただきたいとは思っておりますが、ただそれについて、最後でございますけれども、一つ二つ注文があるわけでございます。
まず、税制改革については、先ほどからほかの方からも御指摘がございましたが、私は、これはもう絶対に早急に実現していただきたい。同時に、これはあくまで直接税と間接税を、両方一体となって国際化という視点からやはり強く実現していただきたいということでございまして、所得税累進課税をできるだけ簡素化していくということと、法人税の軽減、それも当然だと思いますし、特に、個人、法人の国家離れといいますか、最近は企業の中でも、外地でもって資金を調達し、外地でもって生産し、外地でもって物を売り、そして税金も外地で払うというような企業がだんだんこれから出てくるのではないかというふうなことがございます。そういうことをなくすためにも、やはり直接税の状況というものを国際的にも見直していく。同時に、大型間接税、これもできるだけ広く薄く、私は個人的には、例外措置はゼロにしてもいいからできるだけ広く薄くやるべきだというふうに考えておりますけれども、そういうことをやっていただきたい。
そして、公共投資もぜひやらなければいけませんけれども、ただ、今までのように各省一律の配分といったような総花的なことではなくて、やはり技術開発に関連したものとか、あるいは先ほどから御指摘のあるように本当に長期に、長い目で社会資本の充実として理屈に合うもの、あるいは構造調整に役立つものというものに重点を置いていただきたい。特に公共投資については、これは一種の公共財だというふうに考えていいと思いますが、公共財に準ずるものとしてやはり相当程度政府がバックアップしていかないと、日本の国内の内需拡大と申しましても、要するに海外から、これからNICS諸国の製品も日本にどんどん入ってまいりますけれども、そういうものに対応してできるだけ日本が高度な、より品質の高いマーケットを拡大していくことにおいては、やはりどうしてもそういうことが必要になる。
それから、最後に一言だけ申し上げたいのは、財政を拡大するのは結構ですけれども、その場合に、食糧だとか土地問題を含めて、先ほど申し上げましたように政府がいろいろ介入している分野についての構造調整が大変おくれている。それについての対応をぜひ真剣にやっていただきたいということで、大変抽象的な話に終わりましたけれども、後ほどまた御質問がございましたらいろいろお答えしたいと思いますので、これで失礼させていただきます。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →御承知のように、現在為替レートは小康状態を保っておりまして、各国間の協調介入と最近発表されましたアメリカの貿易収支の改善、そういったようなことが背景になって、目下のところは為替レートは百二十円台の後半から百三十円というようなところで大体落ちついているわけでございます。国内景気も予想以上に今のところは好調で、企業の収益率も前年に比べますとかなり大幅に改善されているということで、出荷とかあるいは生産も相当順調であるということで、今のところは内需が一応軌道に乗っているという評価が一般的に大変強いわけでございます。
私はこれについて、今後これがどうなるかということは後で申し上げたいと思いますが、ここでちょっと特に先生方に私として強く指摘したいことが一つございます。それは先ほども御指摘がありましたように、前川リポートあるいは新前川リポート、この新前川リポートには私も実は審議に参加しているわけですが、こういったところで非常に強調されました経済構造の調整の問題、これは内容的には内需主導型の経済に持っていく、貿易の黒字をできるだけ縮小する、あるいはNICSその他の諸国との間で水平分業型の構造に持っていくということが基本的なねらいであるわけですけれども、今までは円高といいますと、専らデフレ的な側面ばかりが強調されておりましたけれども、最近経済構造の調整が物すごく急速に進んでおりまして、私どもの見るところでは、第一段階のいわば円高への適応段階は一応通り過ぎた、いよいよ本格的にこれから二、三年かけて総仕上げの段階に入ってきているのではないかというふうに考えられます。
御承知のように、日本の貿易の黒字も昨年の七月以降ずっとマイナスが続いておりまして、円建てベース、数量ベースではそうですし、ドルベースでも最近少しずつ黒字が減ってきているということでございますが、特に輸出関連産業、製造業、これは大企業も中小企業も含めまして、あるいは東京周辺のみならず地方も含めまして、大変な勢いでもってこの構造調整が進んでおります。特に海外へ生産拠点を移すというのが前年に比べて倍以上のテンポで進んでおりますし、企業の合理化努力あるいは新製品の開拓とかいったようなことで高度化への志向をしたいわば合理化努力というようなものが大変進んでおるわけでございます。
特にプラザ合意で昭和六十年の九月ごろ二百四十円であったのが一年ちょっとの間に百五十円段階まで入り、その後今日まで百二十円台というところまできたわけでございますけれども、特に企業の方々が血のにじむような努力をされたのは、二百四十円から百五十円に至る一年ちょっとの間でございます。ここではもうまさしく死に物狂いで大企業も中小企業の方々も努力されたわけでございますが、その結果としてある程度方向づけができた。その方向に従って徐々に、何といいますか、レールをさらに延ばしていくという過程において、大体数カ月単位で十円刻みというようなことで為替レートが上がってまいりましたけれども、大体企業の方で想定いたしました為替レート、採算レートの方がむしろ現実の為替レートよりも高目に設定されたということもありまして、かなりそういう面で企業の努力によって乗り切ることができたということだと思います。
率直に申し上げますと、今製造業関係の構造調整というものは、先生方がもちろん御承知でしょうけれども、一般に想像されている以上に大変広範に進んでおりまして、むしろ進んでいないのは何かといいますと、政府があるいは行政面で介入度の強い、政治の面からの発言力が相当影響しているような産業分野においては構造調整が非常におくれておる。進んでいるのは心しろ政府の息のかからないといいますか、余り政府に面倒を見てもらわないような産業の方が急速に構造転換が進んでおりまして、むしろ政府の息のかかっている産業が逆に合理化がおくれていることによって、せっかくの製造業部門の真剣な努力に対して水を差すようなそういう傾向もないわけではない。そうだとは断定できませんけれども、そういう面があるんだということ。
それから、もう一つ強調したいことは、今仮に、そういうことはありませんけれども、円が百八十円とか二百円に仮に戻るようなことになった場合には、日本の現在の産業界は大混乱を呈するであろう。せっかくここまで円高を通じて一生懸命に構造転換をやってまいりまして、その軌道にやっと乗りかかったというところで、今度は逆に円安に急激に戻るというようなことになると、かえって大変な混乱が起こって、その方がむしろ私どもは心配である。逆に言えば、もちろんあしたから円が百十円になるとかあるいは百円になるということになれば、これまた大変なことでございますけれども、少なくとも数カ月のこのタイムラグでせいぜい十円刻みぐらいのことで、長い期間をかけて円がじりじりと上がっていくということであるならば十分対応できるということでございまして、むしろ百二十円台というこの現在の為替レートというものが構造調整の上において非常に大きな原動力になってきておるということを御理解いただきたいと思います。
それじゃどういうふうに対応しているのかということでございますけれども、言うまでもなく、最近の製品輸入の急激な増加、あるいは海外生産へのいろいろなシフトということから始まって、日本の企業が海外でつくったものがどんどん逆輸入してくるというようなこともございます。先進国との間では、例えばヨーロッパの車、ベンツだとかあるいはアメリカの事務機械とかいったような先進国の得意な分野のものが依然として製品輸入もふえておりますけれども、全体としてNICS関係の製品、これの輸入が激増しているわけでございます。
昨年の製品輸入の統計、これは貿易統計が出ておりますが、その中で日本の製品輸入は四四%という数字が出ております。ところが私どもは、これは少なくともことし五〇%はもちろん超えますけれども、場合によっては五十数%ぐらいまで行くのではなかろうかというふうに感じております。ということは、ことしから来年にかけていよいよ本格的に日本の国内マーケットで外国の製品と日本の製品とが今まで以上に激しい形で販売合戦を展開しなければならないということで、これは企業にとっても大変なことでございますが、しかしこれは、これから先は私の個人的見解でございますけれども、日本の企業にとっては、これは決してマイナスではないのだ、むしろ国際的に見て非常にNICSあるいは先進国との間で水平分業が急速に進んでいる証拠でありまして、そういう面では日本の企業がいわばグローバリゼーションというか国際化、そういうことを進めていく上において、どうしても生きるために必要なことであり、また同時に、今の円高のもとにおいて日本の企業自体が、NICSや先進諸国からの製品輸入あるいは半製品輸入によって相当程度合理化のために役に立っているということが指摘されなければならないのではないかというふうに考えております。
最近の例でございますが、これは八七年の一月から八月までの期間をとりましても、例えば三十五ミリのカメラの製品輸入の比率が四一%、それから電卓が五二%、ポータブルラジオが六〇%、扇風機が五五%、白黒テレビ、これなんかは六七%、ラジオカセットが四五%といったぐあいに非常に製品輸入がふえておりますけれども、この大半はNICSの製品であるかあるいは日本がNICSで生産した製品、いわゆる私どもはジャパニックスと申し上げておりますけれども、このジャパニックス製品というものがかなりの比重を占めているということを御理解いただきたいと思うわけです。
今までは日本の企業が下請生産だとかサブアセンブリーの仕事をNICSの諸国に持っていきまして、そこからでき上がったものを輸入して、そして日本が最終製品をつくるという形をとっておりましたけれども、最近は製品そのものまで、いわゆる日本の企業の現地での製品がどんどん入ってくるようになってきたということで、日本の企業のブランドをつけたもの、それから現地の企業のブランドをつけたもの、双方あるわけでございますけれども、NICS諸国のブランドをつけたものの中にも、日本から行った半製品あるいは資材といったものが相当程度入っているということを理解しなければならないということだと思います。
そういう意味におきまして、現在の円高は、企業にとっては製品輸入がふえているということは、もちろん競争が国内で激しくなることの反面、日本の企業にとっても、それは非常にメリットがあることであって、例えば韓国が昨年労働争議がいろいろありましたけれども、企業がストライキを起こしますと、日本のVTRの工場が操業停止をしなければならぬ、そういったことが現実に起こっているわけでございます。それほど依存関係ができているということを理解しなければならないと思います。
同時に、今申し上げたように、円高によって原材料あるいは部品、半製品が非常に安いということと関連いたしまして、原油も昨年は非常に安かった。これも今後の見通しとしては、バレル当たり十五ドルをいつまでも切るような状態が続くということになると、アメリカにとってもあるいは北海油田を抱えているイギリスその他にとっても、やはりいろいろ問題があるわけでございますから、十五ドルを切るような状態がずっと続くということは難しいかもしれませんけれども、スポットその他の面でまだしばらくもう少し弱含みの状態が続くのではなかろうか。ただ、原油の場合は、下がればいいというものではございませんので、余り下がりますと、途上国の問題あるいは世界経済全体に与える影響というものは、むしろ逆にマイナスの影響も出てまいりますので、その辺のことは余り楽観はできないということはございます。
それはともかくといたしまして、先ほどから御指摘がございますように、日本の消費者物価というものが余り下がっていないというかむしろ物によっては上がっているということでございますが、このことは実はいろいろな評価があるわけでございます。西ドイツは、マルクが上がれば卸売物価が下がり、またさらに消費者物価もそれに比例して下がるということで、よく日本では西ドイツに見習えということがあるわけで、私も基本的にはそれは正しい考え方だと思いますけれども、現実に今、日本の企業の構造転換が中小企業の末端に至るまで非常に進んで、しかもなおかつ今日、昨年に比べて製造業も流通業も大変企業収益率が高いというような状態はなぜ続いているのかということを考えてみますと、これははっきり申し上げて、消費者物価が下がっていないために企業にそれだけの構造転換をやるゆとりがあったのだということで、消費者に還元するのは非常におくれているけれども、まあそういう意味において、企業段階においての構造調整を進める上では役に立ったということが言えるかもしれません。
そのことはともかくといたしまして、こういう形で日本の産業界が急激に円高に伴う構造転換ということを進めてまいりました。問題は、一体このままの状態がいつまで続くのかということと、それから、こういう状態を政府として一体ほっておいていいのかどうかという問題があるわけでございます。
と申しますのは、今まではともかく、民間の側もこれまで輸出でいろいろ稼いだストックもございましたし、それから昨年は先生方の御努力によりまして七兆円という大型の財政措置というものが進められているというようなことで、いろいろな政策要因と、それから企業努力とが絡み合いまして、どうにかこうにか今日まで急激に転換が進んでまいりましたけれども、問題は、これから先ということになりますと、やはり非常に問題が幾つかあるわけでございます。
〔野田委員長代理退席、奥田(敬)委員 長代理着席〕
昨年からことしにかけて内需が伸びていることの内容を見ますと、非製造業の設備投資がかなり急激に伸びておりますけれども、これはもう最近やや息切れ状態でございます。それにかわりまして製造業関係の設備投資が昨年の中ごろから急激に回復してまいりました。最近、けさも新聞なんかを見ましても、製造業の設備投資が前年に比べて一二、三%ぐらいまでふえるのではないかというような予測も出ておりますが、私もそのぐらいはいくのではないかというふうに考えておりますけれども、実は問題は、アメリカ、ヨーロッパあるいはNICS諸国、それぞれの今後の経済の動きというものがどういうふうに動いていくのかということについて、まだまだ企業経営者の中には不安感が非常に強いということがございますので、製造業関係の設備投資が、もしここで何らかの格好でまた再びアメリカで大きな変動が起こるということがありますと、また再び萎縮する可能性もないわけではないということも心配されます。
そういう面で、まず一つは、アメリカに対していろいろな面で、ドルの安定のみならず、経済の運営についてもいろいろ注文をつけなければならぬということはございますけれども、私が申し上げたいのは、製造業の設備投資のみならず、昨年非常に好調であった住宅投資もことしは相当落ち込んでくるのではないかというふうな感じがしております。昨年伸びましたのは、これは政策努力もいろいろあるかもしれませんけれども、基本的にはやはり土地価格の上昇、それに伴って東京の都心あたりに住んでいた人が家を売ってさらに郊外へ出る、郊外の人がさらにより郊外へ出るというような形で、そういう面での新築需要とか増改築需要もありましたけれども、一番大きなのは、やはりオフィスだとか貸し家というものを当て込んで、非常に貸し家住宅とかオフィス関係のビルが急速に伸びたということが一つあるわけでございます。
時間がございませんから詳しいことははしょりますけれども、ところが、最近都心の家賃も大分下がってまいりましたし、都心の地価そのものも停滞ぎみであるということで、それがまた逆に、これからの住宅建設の面では今までのようにプラスには働かない。これはむしろ望ましいことかもしれませんけれども、特に税の面で、相続税だとか固定資産税との関連で、郊外の地主さんたちがどんどんマンションを建てるというようなことがあって、しかも建てたもののなかなか借り手がないというようなこともいろいろ起こっているようでございます。
それから、昨年からことしにかけて伸びた中のもう一つの理由は、在庫投資が非常に伸びたわけですけれども、これももう既に企業が相当生産をふやしまして在庫投資も大体一巡してきたということだと思いますし、また公共投資についても、一昨年から昨年にかけて、いよいよ政府も思い切って大型の補正を組まれたりしたわけですけれども、ことしも公共投資はその伸びを正常に維持されながらやっておられるということは大変歓迎しておりますが、私どもが懸念しておりますのは、もし万が一今後、アメリカの経済の動向いかんにもかかわりますけれども、大きな変動というものが起こった場合に、財政というものが即座に機動的に対応できるような態勢というものはやはり続けておいていただきたいというふうに考えております。
個人消費につきましては、これはもう最近失業率もやや低下しておりますので、雇用者の数もややふえてまいりました。昨年は春闘で公称三・六%、ボーナスは前年より低かったというようなことがございました。これは当時の環境からいって、企業の経営も構造転換のために必死の状況であり、組合側もまた大変、全体の経済情勢というものを読んで慎重に対応されたということからこういうことになったと思いますが、ことしは企業収益率が前年に比べてかなり今のところは改善しておりますから、企業の支払い能力もある程度はふえてきておる。したがって私は、これは個人的感触ですけれども、四%は超える賃上げはあり得ると思いますが、これも企業によって、支払い能力によって影響されるわけでございます。
問題は、賃金がその程度の上昇であったとしても、雇用者数もふえますから、当然GNP統計で言う雇用者所得というものは相当大幅に伸びるのであろうと思いますけれども、ただ、そのことが個人消費全体にどれだけ強い影響を与えるか。最近は金利も下がっておりますし、アメリカの株式市場のああいう状況、日本の株価の最近の不安な状況ということからしても、日本の場合はアメリカほど一般の個人投資家の比重は高くありませんし、また、株を持っている個人投資家が比較的長く株を持つという傾向がございますけれども、いずれにしましても、金融資産の価値というものが今までに比べて若干落ちているというか、金融資産に対する期待というものがやや弱まっているということもございます。そのことは逆に言うと、先行きについて消費者にとっても不安感もいろいろ出てきているのではないかということで、これが消費の拡大につながるのか、あるいは消費の抑制につながるのか、なかなか微妙なところでございます。
ただ問題は、先ほども申し上げましたように、これから二、三年ないし四、五年かけて、いよいよ本格的な構造調整の段階に入ってくるわけでございます。私は産業構造審議会の委員をやっておりますけれども、中期の構造調整期に入ったということなんですけれども、このためにはやはり、先ほどもほかの方からも御指摘がありましたが、海外需要をできるだけ減らして、年間一ポイントぐらいずつ比重を減らしていって、そして国内の需要をできるだけふやしていく。平均五%ポイントぐらいの内需というものは常に支えていかなきゃならないということになりますと、実質で経済成長率はやはり四%を切るようなことは絶対あってはならない。もし四%を切るようなことになりますと、せっかくここまで進んだ構造調整というものが後戻りする。失業あるいは民間活力の減退、あるいは、稼働率が下がることによってコストが上昇してまいりますと収益が悪化してまいります。地域経済にもそれは影響が出てくるということでございますので、やはり何としてもここは政府が財政その他の支援措置を維持していかなければならないということでございます。
私は、財政が積極的に減税の面だとか公共投資だとかいろいろな面で手を打っていただきたいとは思っておりますが、ただそれについて、最後でございますけれども、一つ二つ注文があるわけでございます。
まず、税制改革については、先ほどからほかの方からも御指摘がございましたが、私は、これはもう絶対に早急に実現していただきたい。同時に、これはあくまで直接税と間接税を、両方一体となって国際化という視点からやはり強く実現していただきたいということでございまして、所得税累進課税をできるだけ簡素化していくということと、法人税の軽減、それも当然だと思いますし、特に、個人、法人の国家離れといいますか、最近は企業の中でも、外地でもって資金を調達し、外地でもって生産し、外地でもって物を売り、そして税金も外地で払うというような企業がだんだんこれから出てくるのではないかというふうなことがございます。そういうことをなくすためにも、やはり直接税の状況というものを国際的にも見直していく。同時に、大型間接税、これもできるだけ広く薄く、私は個人的には、例外措置はゼロにしてもいいからできるだけ広く薄くやるべきだというふうに考えておりますけれども、そういうことをやっていただきたい。
そして、公共投資もぜひやらなければいけませんけれども、ただ、今までのように各省一律の配分といったような総花的なことではなくて、やはり技術開発に関連したものとか、あるいは先ほどから御指摘のあるように本当に長期に、長い目で社会資本の充実として理屈に合うもの、あるいは構造調整に役立つものというものに重点を置いていただきたい。特に公共投資については、これは一種の公共財だというふうに考えていいと思いますが、公共財に準ずるものとしてやはり相当程度政府がバックアップしていかないと、日本の国内の内需拡大と申しましても、要するに海外から、これからNICS諸国の製品も日本にどんどん入ってまいりますけれども、そういうものに対応してできるだけ日本が高度な、より品質の高いマーケットを拡大していくことにおいては、やはりどうしてもそういうことが必要になる。
それから、最後に一言だけ申し上げたいのは、財政を拡大するのは結構ですけれども、その場合に、食糧だとか土地問題を含めて、先ほど申し上げましたように政府がいろいろ介入している分野についての構造調整が大変おくれている。それについての対応をぜひ真剣にやっていただきたいということで、大変抽象的な話に終わりましたけれども、後ほどまた御質問がございましたらいろいろお答えしたいと思いますので、これで失礼させていただきます。どうもありがとうございました。拍手
奥
奥
戸
戸塚進也#9
○戸塚委員 自由民主党の戸塚進也でございます。
公述人の皆様、大変参考になる御意見をいただいてありがとうございました。わずか十五分でございますので、三人の方にお伺いいたしますが、ごく簡単にお答えいただきたいと存じます。
最初に田久保公述人にお尋ねしたいと思います。
今般の日米首脳会談は、私もワシントンに行って実感もし、調べてまいりましたが、非常によい印象をアメリカ側は持っている。大変喜ばしいことであります。しかし、これから各論におきまして一つ一つやはり課題を片づけなければならない、こういう立場から、先般、ちょうど竹下総理が訪米の際にワシントン・ポストの意見広告に、アメリカのいわゆるノーベル賞学者たちがサイン入りで日米自由貿易協定というものはどうだ、こういうような提言がございました。これは私は、将来に向けては非常に大事な課題ではないだろうか。今度アメリカ、カナダもいろいろ考えるようでございますが、この点について公述人の御意見を伺いたい。
この発言だけを見る →公述人の皆様、大変参考になる御意見をいただいてありがとうございました。わずか十五分でございますので、三人の方にお伺いいたしますが、ごく簡単にお答えいただきたいと存じます。
最初に田久保公述人にお尋ねしたいと思います。
今般の日米首脳会談は、私もワシントンに行って実感もし、調べてまいりましたが、非常によい印象をアメリカ側は持っている。大変喜ばしいことであります。しかし、これから各論におきまして一つ一つやはり課題を片づけなければならない、こういう立場から、先般、ちょうど竹下総理が訪米の際にワシントン・ポストの意見広告に、アメリカのいわゆるノーベル賞学者たちがサイン入りで日米自由貿易協定というものはどうだ、こういうような提言がございました。これは私は、将来に向けては非常に大事な課題ではないだろうか。今度アメリカ、カナダもいろいろ考えるようでございますが、この点について公述人の御意見を伺いたい。
田
田久保忠衛#10
○田久保公述人 日米自由貿易協定というものでございますけれども、お触れになりましたように、カナダとアメリカの間にはこの協定があるわけでございます。それから、この構想は、数年前にたしかマンスフィールド大使がお述べになった。日本側はこれに反応しなかった。最近も一貫してマンスフィールド大使はこれにお触れになっていらっしゃるわけでございます。私は、全くこれに対しては異存はございません。何とかこれは取っかかりを持ちまして実現に努力していただきたいなというふうに考えております。
この発言だけを見る →戸
戸塚進也#11
○戸塚委員 朝鮮半島の問題について認識を伺いたいと思うのですが、大韓航空機事件についてのあのテロ行為というのは、私どもは本当に許しがたいことだと思っております。しかも、それは韓国が演出したなどというような一部の議論はまことに遺憾だ、このようにも私は思っているわけでございますが、ただ、そうだからといって北朝鮮をどこまでもどこまでも追い込めるということではなくて、やはりオリンピック等には、これは平和的にみんな参加してほしい、世界じゅうが全部参加してほしいというような角度からはやはり呼びかけを続けつつ、北朝鮮のああいう暴挙に対しては断固たる措置をとる、こういう自民党や現在の政府のとっておる態度に対して、公述人はどういうふうにお考えになるか伺いたい。
この発言だけを見る →田
田久保忠衛#12
○田久保公述人 私も同感でございます。韓国の発表を、あれは替え玉だとか人間の差しかえだ、こういうことはみだりに言うべきことではないのではないか。例えば日本で丸岡事件というのがあった。これは今逮捕されているわけでございます。これに対して韓国が、あれは替え玉だとか差しかえだと言ったら、これは日本に対する侮辱だと思うのであります。こういうことは軽々しく言うものではなかろう、かように思うわけでございます。
それから、自民党政府がとっていらっしゃる北朝鮮に対する制裁措置でございます。私、全く公平に見るわけでございますけれども、北と日本との間で迷惑を受けているのはどっちかということでございますね。貸した金は返してもらえない、人は誘拐される、その疑いが極めて濃厚である、それから第十八富士山丸事件、これは人質にとられたようなものでございます。これは幾つ例を挙げてもどうにもならない問題である。国交がございませんのでどういうふうにして交渉するか。私は、平和的解決というのはもちろん大賛成でございますけれども、できる限度があるのではないか。これは赤十字を通じて話し合いをする以外にない。
こうなりますと、私は、強い制裁措置、これは制裁措置というのは、我々の意図がどこにあるかということを相手にわかってもらうための、意図を知らせるためのものだと思うのであります。一方で私は握手をしたいと思うのでございますが、この取っかかりが得られない。北朝鮮を追い詰めてはいけないという意見は、私はそれはそのとおりだと思うのであります。ただし、追い詰めるも追い詰めないも、話し合いの取っかかりがない以上は、私は、強い制裁措置に応ぜざるを得ないだろう、かように思っております。
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こうなりますと、私は、強い制裁措置、これは制裁措置というのは、我々の意図がどこにあるかということを相手にわかってもらうための、意図を知らせるためのものだと思うのであります。一方で私は握手をしたいと思うのでございますが、この取っかかりが得られない。北朝鮮を追い詰めてはいけないという意見は、私はそれはそのとおりだと思うのであります。ただし、追い詰めるも追い詰めないも、話し合いの取っかかりがない以上は、私は、強い制裁措置に応ぜざるを得ないだろう、かように思っております。
戸
戸塚進也#13
○戸塚委員 イージス艦のことについて先生の見解を伺いたいと思います。
先週、アメリカの議会で大きな議論になりましたのは、世界の平和のためにも日米間でイージス艦の問題を解決することがいいということはアメリカはわかっていても、スパイ防止法も何もない日本にこれをやっていいのかねという大きな議論がある。やはり私たちは、言論の自由とかあるいは諸権利はしっかり守らなければいけないけれども、防衛の機密についてはしっかり法律で制定せねばいかぬ、こういう考えを持っておりますが、公述人はどうお考えになりますか。
この発言だけを見る →先週、アメリカの議会で大きな議論になりましたのは、世界の平和のためにも日米間でイージス艦の問題を解決することがいいということはアメリカはわかっていても、スパイ防止法も何もない日本にこれをやっていいのかねという大きな議論がある。やはり私たちは、言論の自由とかあるいは諸権利はしっかり守らなければいけないけれども、防衛の機密についてはしっかり法律で制定せねばいかぬ、こういう考えを持っておりますが、公述人はどうお考えになりますか。
田
田久保忠衛#14
○田久保公述人 イージス艦の問題もそうでございますけれども、アメリカが日本に情報交換で懸念を持っているのは、今おっしゃったような点だと思うのでございます。
それは、私、一九七〇年に時事通信のワシントン支局長で、あそこで働いたことがあるのでございますけれども、ちょうどニクソンの訪中、あの前後でございますけれども、日本に重大なことを言うと漏れるおそれがあるというのを、当時のロジャーズ国務長官がオフレコの記者会見なんかでしばしば漏らしていた。これはイージス艦の問題だけではなくて機微にわたる情報の交換、これが同盟国の間でもスムーズに行われない。少なくとも先方から疑惑を持って見られる、これも何とかしなければいけないなというふうに考えております。おっしゃるとおりだと思うのです。
この発言だけを見る →それは、私、一九七〇年に時事通信のワシントン支局長で、あそこで働いたことがあるのでございますけれども、ちょうどニクソンの訪中、あの前後でございますけれども、日本に重大なことを言うと漏れるおそれがあるというのを、当時のロジャーズ国務長官がオフレコの記者会見なんかでしばしば漏らしていた。これはイージス艦の問題だけではなくて機微にわたる情報の交換、これが同盟国の間でもスムーズに行われない。少なくとも先方から疑惑を持って見られる、これも何とかしなければいけないなというふうに考えております。おっしゃるとおりだと思うのです。
戸
戸塚進也#15
○戸塚委員 それでは、山田公述人にお伺いいたします。
私は、連合という労働組合の団体は、二十一世紀の、日本のだけではなくて世界の労働界を引っ張るようないい労働組合、団体になっていただきたい、そういう非常な大きな期待を持っております。そういう見地からお伺いいたしますが、今回の連合の現在考えていらっしゃる範囲では、日米安保というものはどのように評価していらっしゃるか教えていただきたい。
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山
戸
山
山田精吾#18
○山田公述人 連合と政治とのかかわり合いについて今から議論に入りますが、我々としては、平和憲法を守る問題だとかそれから軍縮だとか非核三原則だとかそういうことは平和の問題として掲げておりますが、さらに突っ込んだ議論というのは今後の課題になると思います。
この発言だけを見る →戸
戸塚進也#19
○戸塚委員 では、韓国の問題についてお尋ねしたいのであります。
先週も、土井委員長があえて訪韓をして、盧大統領予定者、もちろんその後大統領になってからのことでございますが、盧大統領とも会談される意思がある、非常に立派なことだと私は高く評価するわけでございますが、社会党推薦にもなっていらっしゃる連合さんでございます。韓国の労働界との交流とか、あるいは韓国というものが国家でないという現実の認識というのは私はおかしいと思うが、この辺については、公述人、どうお考えになりますか。
この発言だけを見る →先週も、土井委員長があえて訪韓をして、盧大統領予定者、もちろんその後大統領になってからのことでございますが、盧大統領とも会談される意思がある、非常に立派なことだと私は高く評価するわけでございますが、社会党推薦にもなっていらっしゃる連合さんでございます。韓国の労働界との交流とか、あるいは韓国というものが国家でないという現実の認識というのは私はおかしいと思うが、この辺については、公述人、どうお考えになりますか。
山
山田精吾#20
○山田公述人 連合は結成と同時に、世界労連ではなく国際自由労連に実は一括加盟をいたしました。韓国の労働組合も国際自由労連に加盟しておりますから、お互いに友好な仲間で、今回土井委員長が行かれることは非常にいいことではないかと見ております。
この発言だけを見る →戸
戸塚進也#21
○戸塚委員 税制につきましては、本当にごく簡単にお伺いいたしますが、連合さんとしての先ほどの認識はよくわかりました。しかし、直間比率そのものについては、連合さんではどのように考えていらっしゃいますか。
この発言だけを見る →山
山田精吾#22
○山田公述人 直間比率の問題も、非常に注視しております。ただ、一概に直間といいましても、直の中のサラリーマンの部分が非常に私としましては気になる。一五%から今二〇%の段階に上っておりますから、そのままほうられますと大変なことになるんじゃないかという心配は私ども持っておりますが、今後技術的にいろいろな議論はひとつやっていきたいと思いますし、私どもの見解ももっと整理して申し上げたい。直直の中の差があるということです。
この発言だけを見る →戸
戸塚進也#23
○戸塚委員 直直の中については先ほどの御議論もありましたし、よく勉強しなければいけませんが、少なくとも直間の場合に間の方が少な過ぎるではなかろうか、将来においては間の方を何らかの形で改善していくべきではないか、そういう御認識と承ってよろしゅうございますか。
この発言だけを見る →山
山田精吾#24
○山田公述人 ちょっときのう私がNHKのテレビで今のようなことを申し上げましたが、加藤先生がすぐつかまえまして、そうかというようなことで畳み込んでこられますから困るんで、もう少し直の中、間の中を制度的にもやはり見直す中で、どういうぐあいにそのバランスをとったらいいのかということを考えるのが筋ではないか。まさか今、いろいろな議論がありますが、九対一になってもいいよなんて言う調子の人は一人もいないのじゃないかと私は思いますけれどもね。その辺はどうなるか、今からの議論だと思います。
この発言だけを見る →戸
戸塚進也#25
○戸塚委員 先ほど、もし秋に間接税をやるなら信を問えというお話があったわけでございますが、それは御意見として承ったわけでございますが、今後税制の問題が国会においたりあるいは各政党において議論される場合、私たち与党といたしましても、やはり連合さんというものは非常に大きな団体であり、意見を伺うべき大きな団体だというふうに評価をしていると思うのです。そういう場合に、その秋口云々の話は一応おいても、今後政府なりあるいは各党、私は自民党ですから自民党でも連合さんの御意見を十分承りたい、こういったような場合には、これに十分おこたえいただけるようなお気持ちがあるかどうか、伺いたいと思います。
この発言だけを見る →山
戸
戸塚進也#27
○戸塚委員 ありがとうございました。
鈴木公述人にお伺いいたしますが、直間比率について随分お触れになったわけですが、鈴木公述人から見た直間比率の理想的あり方はどのくらいでございましょうか。
この発言だけを見る →鈴木公述人にお伺いいたしますが、直間比率について随分お触れになったわけですが、鈴木公述人から見た直間比率の理想的あり方はどのくらいでございましょうか。
鈴
鈴木幸夫#28
○鈴木公述人 私は、現在のヨーロッパ並みまでいかなくても、今の七、三というか八、二に近いようなこういう状態は、少なくとも六、四ぐらいに変えるべきではないかというふうに考えております。できるだけ早くやっていただきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →戸
戸塚進也#29
○戸塚委員 私は週末になりますと選挙区でいろいろな機関の方、団体の方に税制のあり方について意見を聞いておりますが、実は先週聞いたときに、やはり税制改革は今の公述人のお話のような方向で大事だ、しかしその前に国会のあり方とか国会議員のあり方とかいろいろな問題についてよく考えるべきだ、こういう忠言をいただきました。私も自分がこれは身にしみて感じたことでありますが、公述人がテレビのお仕事をやっていらっしゃって、いわゆる一般国民の声というものが今税制改革についてどういうところにあるだろうか、それからまた、仮にもし国会の問題について考えるとするならばどういう点を留意したらいいとお考えになるか、伺いたいと思います。
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