予算委員会公聴会

2024-02-29 衆議院 全210発言

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会議録情報#0
令和六年二月二十九日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 小野寺五典君
   理事 上野賢一郎君 理事 加藤 勝信君
   理事 島尻安伊子君 理事 橋本  岳君
   理事 牧島かれん君 理事 奥野総一郎君
   理事 山井 和則君 理事 漆間 譲司君
   理事 佐藤 英道君
      井出 庸生君    伊東 良孝君
      伊藤 達也君    石破  茂君
      今村 雅弘君    岩屋  毅君
      衛藤征士郎君    越智 隆雄君
      奥野 信亮君    金田 勝年君
      亀岡 偉民君    後藤 茂之君
      杉田 水脈君    田中 和徳君
      平  将明君    塚田 一郎君
      中山 展宏君    平沢 勝栄君
      古屋 圭司君    牧原 秀樹君
      宮路 拓馬君    山本 有二君
      若林 健太君    渡辺 博道君
      井坂 信彦君    石川 香織君
      大西 健介君    小山 展弘君
      階   猛君    藤岡 隆雄君
      太  栄志君    山岸 一生君
      米山 隆一君    早稲田ゆき君
      奥下 剛光君    林  佑美君
      守島  正君    赤羽 一嘉君
      金城 泰邦君    角田 秀穂君
      高橋千鶴子君    宮本  徹君
      本村 伸子君    鈴木 義弘君
      田中  健君    緒方林太郎君
      福島 伸享君
    …………………………………
   公述人
   (株式会社大和総研副理事長)           熊谷 亮丸君
   公述人
   (日本労働組合総連合会事務局長)         清水 秀行君
   公述人
   (日本大学文理学部教授) 末冨  芳君
   公述人
   (全国労働組合総連合議長)            小畑 雅子君
   公述人
   (一橋大学経済学研究科准教授)          高久 玲音君
   公述人
   (学習院大学経済学部教授)            鈴木  亘君
   公述人
   (一橋大学経済学研究科教授・研究科長)      佐藤 主光君
   公述人
   (株式会社日本総合研究所理事)          西沢 和彦君
   予算委員会専門員     齋藤 育子君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  石破  茂君     高木  啓君
  今村 雅弘君     西野 太亮君
  越智 隆雄君     畦元 将吾君
  亀岡 偉民君     田中 英之君
  田中 和徳君     金子 容三君
  塚田 一郎君     斎藤 洋明君
  平沢 勝栄君     加藤 竜祥君
  古屋 圭司君     岸 信千世君
  早稲田ゆき君     柚木 道義君
  奥下 剛光君     和田有一朗君
  守島  正君     住吉 寛紀君
  赤羽 一嘉君     庄子 賢一君
  衛藤征士郎君     小森 卓郎君
  奥野 信亮君     小林 史明君
  田中 英之君     鈴木 英敬君
  石川 香織君     堤 かなめ君
  小山 展弘君     馬場 雄基君
  階   猛君     神谷  裕君
  米山 隆一君     野間  健君
  和田有一朗君     阿部 弘樹君
  畦元 将吾君     仁木 博文君
  若林 健太君     東  国幹君
  大西 健介君     櫻井  周君
  住吉 寛紀君     守島  正君
  林  佑美君     堀場 幸子君
  角田 秀穂君     中野 洋昌君
  宮本  徹君     塩川 鉄也君
  堤 かなめ君     田嶋  要君
  藤岡 隆雄君     森山 浩行君
  柚木 道義君     西村智奈美君
  阿部 弘樹君     奥下 剛光君
  堀場 幸子君     前原 誠司君
  金城 泰邦君     日下 正喜君
  庄子 賢一君     河西 宏一君
  加藤 竜祥君     英利アルフィヤ君
  金子 容三君     古川  康君
  小林 史明君     藤井比早之君
  小森 卓郎君     和田 義明君
  馬場 雄基君     青山 大人君
  守島  正君     一谷勇一郎君
  緒方林太郎君     福島 伸享君
  東  国幹君     本田 太郎君
  仁木 博文君     山口  晋君
  古川  康君     勝目  康君
  森山 浩行君     福田 昭夫君
  河西 宏一君     稲津  久君
  田中  健君     長友 慎治君
  高木  啓君     五十嵐 清君
  山口  晋君     山本 左近君
  櫻井  周君     山岡 達丸君
  西村智奈美君     鎌田さゆり君
  山岸 一生君     逢坂 誠二君
  一谷勇一郎君     小野 泰輔君
  長友 慎治君     鈴木 義弘君
  神谷  裕君     階   猛君
  野間  健君     山田 勝彦君
  福田 昭夫君     吉川  元君
  奥下 剛光君     岬  麻紀君
  前原 誠司君     早坂  敦君
  鈴木 義弘君     西岡 秀子君
  福島 伸享君     緒方林太郎君
  斎藤 洋明君     中川 貴元君
  山本 左近君     上田 英俊君
  田嶋  要君     緑川 貴士君
  山岡 達丸君     道下 大樹君
  小野 泰輔君     中嶋 秀樹君
  早坂  敦君     市村浩一郎君
  塩川 鉄也君     穀田 恵二君
  山田 勝彦君     大島  敦君
  吉川  元君     原口 一博君
  中嶋 秀樹君     遠藤 良太君
  岬  麻紀君     沢田  良君
  稲津  久君     吉田久美子君
  日下 正喜君     平林  晃君
  西岡 秀子君     長友 慎治君
  鈴木 英敬君     田畑 裕明君
  和田 義明君     山田 賢司君
  青山 大人君     おおつき紅葉君
  逢坂 誠二君     阿部 知子君
  市村浩一郎君     赤木 正幸君
  沢田  良君     足立 康史君
  吉田久美子君     伊佐 進一君
  緒方林太郎君     北神 圭朗君
  英利アルフィヤ君   吉田 真次君
  藤井比早之君     木村 次郎君
  鎌田さゆり君     神津たけし君
  道下 大樹君     篠原  豪君
  穀田 恵二君     高橋千鶴子君
  北神 圭朗君     緒方林太郎君
  本田 太郎君     大岡 敏孝君
  阿部 知子君     荒井  優君
  大島  敦君     米山 隆一君
  原口 一博君     谷田川 元君
  中野 洋昌君     角田 秀穂君
  五十嵐 清君     国光あやの君
  緑川 貴士君     伊藤 俊輔君
  伊佐 進一君     中川 宏昌君
  角田 秀穂君     山崎 正恭君
  田畑 裕明君     石原 正敬君
  中川 貴元君     上杉謙太郎君
  平林  晃君     鰐淵 洋子君
  石原 正敬君     亀岡 偉民君
  上杉謙太郎君     塚田 一郎君
  上田 英俊君     越智 隆雄君
  大岡 敏孝君     若林 健太君
  勝目  康君     田中 和徳君
  木村 次郎君     奥野 信亮君
  岸 信千世君     古屋 圭司君
  国光あやの君     石破  茂君
  西野 太亮君     今村 雅弘君
  山田 賢司君     衛藤征士郎君
  吉田 真次君     平沢 勝栄君
  荒井  優君     山岸 一生君
  伊藤 俊輔君     石川 香織君
  おおつき紅葉君    小山 展弘君
  神津たけし君     早稲田ゆき君
  篠原  豪君     大西 健介君
  谷田川 元君     藤岡 隆雄君
  足立 康史君     奥下 剛光君
  赤木 正幸君     林  佑美君
  遠藤 良太君     守島  正君
  中川 宏昌君     赤羽 一嘉君
  山崎 正恭君     角田 秀穂君
  鰐淵 洋子君     金城 泰邦君
  高橋千鶴子君     宮本  徹君
  長友 慎治君     田中  健君
同月二十八日
 辞任         補欠選任
  今村 雅弘君     柳本  顕君
  衛藤征士郎君     中曽根康隆君
  越智 隆雄君     上杉謙太郎君
  古屋 圭司君     川崎ひでと君
  藤岡 隆雄君     青柳陽一郎君
  緒方林太郎君     吉良 州司君
  田中 和徳君     仁木 博文君
  大西 健介君     吉田 統彦君
  山岸 一生君     松原  仁君
  米山 隆一君     篠原  孝君
  守島  正君     池下  卓君
  金城 泰邦君     中川 康洋君
  吉良 州司君     北神 圭朗君
  若林 健太君     加藤 竜祥君
  青柳陽一郎君     白石 洋一君
  井坂 信彦君     馬淵 澄夫君
  池下  卓君     高橋 英明君
  奥下 剛光君     阿部  司君
  林  佑美君     中司  宏君
  赤羽 一嘉君     中川 宏昌君
  北神 圭朗君     福島 伸享君
  亀岡 偉民君     国光あやの君
  仁木 博文君     三反園 訓君
  松原  仁君     長妻  昭君
  早稲田ゆき君     岡本あき子君
  中川 康洋君     輿水 恵一君
  宮本  徹君     宮本 岳志君
  田中  健君     浅野  哲君
  福島 伸享君     吉良 州司君
  石破  茂君     古川 直季君
  中曽根康隆君     泉田 裕彦君
  平沢 勝栄君     保岡 宏武君
  階   猛君     金子 恵美君
  角田 秀穂君     國重  徹君
  宮本 岳志君     田村 貴昭君
  奥野 信亮君     山下 貴司君
  石川 香織君     近藤 昭一君
  小山 展弘君     山崎  誠君
  白石 洋一君     吉田はるみ君
  長妻  昭君     菊田真紀子君
  中司  宏君     山本 剛正君
  田村 貴昭君     赤嶺 政賢君
  浅野  哲君     田中  健君
  古川 直季君     山口  晋君
  篠原  孝君     重徳 和彦君
  馬淵 澄夫君     近藤 和也君
  吉田 統彦君     大西 健介君
  田中  健君     浅野  哲君
  国光あやの君     山本 左近君
  塚田 一郎君     小森 卓郎君
  菊田真紀子君     渡辺  周君
  山崎  誠君     末松 義規君
  赤嶺 政賢君     本村 伸子君
  泉田 裕彦君     衛藤征士郎君
  上杉謙太郎君     越智 隆雄君
  加藤 竜祥君     若林 健太君
  川崎ひでと君     古屋 圭司君
  小森 卓郎君     塚田 一郎君
  三反園 訓君     田中 和徳君
  保岡 宏武君     平沢 勝栄君
  柳本  顕君     今村 雅弘君
  山口  晋君     石破  茂君
  山下 貴司君     奥野 信亮君
  山本 左近君     亀岡 偉民君
  岡本あき子君     早稲田ゆき君
  金子 恵美君     階   猛君
  近藤 和也君     井坂 信彦君
  近藤 昭一君     石川 香織君
  重徳 和彦君     米山 隆一君
  末松 義規君     小山 展弘君
  吉田はるみ君     藤岡 隆雄君
  渡辺  周君     山岸 一生君
  阿部  司君     奥下 剛光君
  高橋 英明君     守島  正君
  山本 剛正君     林  佑美君
  國重  徹君     角田 秀穂君
  輿水 恵一君     金城 泰邦君
  中川 宏昌君     赤羽 一嘉君
  本村 伸子君     宮本  徹君
  浅野  哲君     田中  健君
  吉良 州司君     緒方林太郎君
同月二十九日
 辞任         補欠選任
  奥野 信亮君     杉田 水脈君
  田中 和徳君     中山 展宏君
  藤岡 隆雄君     太  栄志君
  宮本  徹君     本村 伸子君
  田中  健君     鈴木 義弘君
  緒方林太郎君     福島 伸享君
同日
 辞任         補欠選任
  杉田 水脈君     奥野 信亮君
  中山 展宏君     田中 和徳君
  太  栄志君     藤岡 隆雄君
  本村 伸子君     高橋千鶴子君
  鈴木 義弘君     田中  健君
  福島 伸享君     緒方林太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  高橋千鶴子君     宮本  徹君
    ―――――――――――――
本日の公聴会で意見を聞いた案件
 令和六年度一般会計予算
 令和六年度特別会計予算
 令和六年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
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小野寺五典#1
○小野寺委員長 これより会議を開きます。
 令和六年度一般会計予算、令和六年度特別会計予算、令和六年度政府関係機関予算、以上三案について公聴会を開きます。
 この際、公述人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 公述人各位におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。令和六年度総予算に対する御意見を拝聴し、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。
 御意見を賜る順序といたしましては、まず熊谷亮丸公述人、次に清水秀行公述人、次に末冨芳公述人、次に小畑雅子公述人の順序で、お一人二十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 それでは、熊谷公述人にお願いいたします。
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熊谷亮丸#2
○熊谷公述人 おはようございます。大和総研副理事長の熊谷亮丸と申します。本日は、お招きいただきまして、心より光栄に存じます。
 御審議の参考にさせていただきたく、令和六年度の予算案につきまして、賛成の立場から意見を申し述べたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の資料で、まず一ページ目を御覧いただきたいと思いますが、本日は、ここにございます三つのお話をさせていただきます。
 まず一点目は日本経済の現状と展望ということでございますけれども、四ページ目を御覧ください。ページの一番上のところにございますが、今後の日本経済は、二四年度が〇・八%成長、二五年度が一・三%成長ということで、緩やかな景気拡大が続くという見方をしております。
 四ページ目でございますが、二三年に景気が回復をした背景ということで申し上げますと、コロナ等の、こういった特殊要因が解消したということがあります。左端がインバウンド消費、そして乗用車の生産、実質サービス消費でございますけれども、コロナの解消ですとか、乗用車については半導体不足の解消等によって、かなり高めの経済成長となりました。
 五ページ目を御覧ください。この五ページ、六ページで主なポイントをお示ししておりますので、詳細は後ほど御覧いただきたいと思いますが、まず、一番上のところで、賃上げについては四%台に乗せてくる可能性というのが生じている、そして、物価は二%程度で安定をする、また、後ほど申し上げるように、慢性的な人手不足ということで、余剰労働力というものが足下で非常に低水準であるということがあります。
 経済の下支え、押し上げ要因ということでいえば、自動車の挽回生産、これが現時点で三十三万台程度、〇・九兆円程度、今年の夏ぐらいまで挽回生産が続くことが見込まれます。インバウンドについても、二行目のところにございますが、これから消費額がかなり増えてまいります。また、サービス消費も、かなりコロナで抑えられてきたものが、これから二兆円程度の回復余地がございます。さらには、家計の金融資産は二百三十六兆円程度増加をしている。グローバルに見れば、シリコンサイクルも回復の方向であるということです。
 六ページ目でございますが、政府の経済対策、これは、所得減税が実質所得を一%近く押し上げる。また、日銀は四月にはマイナス金利を解除いたしますけれども、その後も極めて緩和的な金融環境が続きます。他方で、リスクとしては、そこにございますように、専ら海外経済のリスク。後で中国について言及いたしますが、これについては一定の留意が必要であるというところです。
 七ページ目を御覧いただくと、私どもが推計をしている今年度の春闘の賃上げ率は三・八%。これは保守的な数字で、恐らくここから上振れする可能性というものがある。
 八ページは、中国のリスクでございます。
 左のグラフが資本係数と申しまして、注の一のところにある資本ストック割るGDPということで、これが相当上振れをしているということは、今、中国の設備は二千八百四十兆円程度過剰になっている可能性があります。
 右のグラフはかなり専門的なグラフでございますけれども、縦軸が労働係数、労働投入割るGDP、横軸が資本係数、資本ストック割るGDPで、いずれも、値が小さくなって原点に近づくほど労働とか資本の効率がよくなって、遠ざかるほど効率が悪くなる。
 グラフの中で、左上から右下に何本も細い線が引いてありますけれども、この一本の線上だとマクロ的な中国の技術レベルが一定で、これが左下に行くほど技術が進歩するということでございますが、赤い線の中国を見ていただくと、ここ十年余り、一本の線の上で動いていますので、要は、自転車操業的に、外国資本を呼び込んで設備を増やすことによって経済成長をしてきたんだけれども、技術は進歩をしていないということ、その中で設備が二千八百四十兆円の過剰を生んでいるという状態であります。
 九ページ以降で、インフレの動向と日銀の金融政策でございますけれども、まず、十ページに世界経済の長期サイクルをお示しをいたしましたが、この長期のサイクルは二〇二〇年で底入れをして、グローバルに見ればインフレ的な方向へと入ってきております。
 十一ページ、こちらは我が国の物価について定性的なことをお示ししておりますけれども、輸入インフレ、労働需給の逼迫、経済の正常化、過剰貯蓄、そして価格転嫁等々によって、かなりデフレから脱する要因というものが増えている。
 十二ページでお示しをしているのは、我が国の物価を二種類に分けて、価格改定頻度の高いものと低いもの。御注目いただきたいのはブルーの線の価格改定頻度の低い粘着価格でございますけれども、これは九〇年代の頭からがんとして上がらなかったわけですが、この粘着的な価格が今、三%程度のところまで上がってきているという状態です。
 十三ページの左のグラフでございますが、IMFが作成をしているデフレリスク指数というものを私どもが応用して日本のデフレリスクを見たものでございますが、これが下がるほどデフレリスクが小さい。直近は〇・二三ということでございまして、アメリカと同じぐらいの水準で、かなり日本のデフレリスクは後退しているという認識です。
 十四ページは、非常に大きな問題となっております実質賃金の低迷でございますけれども、オレンジ色の線が、実質賃金に対して二四半期程度先行する先行指数を私どもが作成したわけでございますが、先行きの実質賃金は、私どもの見立てでは、早ければ今年の七―九月期にもプラスの方向に転換する可能性があるのではないか。
 そうした中で、十五ページでございますが、日本銀行の金融政策は、上半分のところにございますように、イールドカーブコントロールによって十三兆円程度GDPを押し上げました。ただ、下半分のところにあるような債券市場の機能低下、生産性の低迷、財政規律の弛緩という、これらの問題があるわけでございますので、恐らくは、四月にはマイナス金利をゼロ金利に戻していく可能性が高い。
 他方で、十六ページは、金利が、短期金利、長期金利が一%上昇したときの影響ということですが、一番上のところにあるように、短期金利上昇の悪影響は長期金利よりも大きいということがあります。こういったことを受けて、日本銀行は、ゼロ金利に復帰した後も極めて緩和的な金融政策を続けるという見方です。
 御参考までに、十七ページで、一番上のところに書いてございますが、歴史を振り返ると、利上げの順番はアメリカ、欧州、日本の順で、そして、日本が最後に利上げをすると、日本は景気後退に陥るということでございますので、恐らく日銀は利上げについてはかなり慎重なスタンスを続けるのではないか。
 その中で、十八ページでございますが、今までは左側のゆでガエル構造であったものが、これから右側に移行する。左端のところを見ていただくと、お金が余って、経常黒字になって、円高になりデフレになり金利が低いという、こういった状況でございましたけれども、これからは、高齢化で貯蓄が取り崩され、経常黒字が減少をして、円安、そしてインフレ若しくはスタグフレーションのリスクが出るわけでございますから、こうした状況の中で、一番上に書いてございますが、財政規律を維持するということが極めて肝要であるという考え方です。
 十九ページ以降で、今後の政策対応でございますが、二十ページ、二十一ページは日本政府の方針。後ほど御覧いただきたいと思いますが。二十二ページが、私なりの解釈でございますけれども、まず給付金でホップ、そして減税でステップ、中長期でジャンプということで、日本経済の体質を改善をして、縮小均衡型、コストダウン型の経済から、成長志向型の経済へと移行する。
 二十三ページで、左の一番が所得の低い方、右の十番が所得の高い方ですけれども、そして、緑で書いてある線が、その負担がどれぐらい増えているか、オレンジ色の線が、どれぐらい支援をしているかということで、御覧いただくと、一番左端の所得が低い方について言えば、相当支援が超過をしている。右端の所得が高い方に関して言えば負担の方が大きくて、その間の方々はおおむね均衡しているということですので、低所得者世帯を中心に幅広い世帯の負担を軽減しているということだと思います。
 より長い課題として申し上げると、しっかりと設備投資を出すこと、そして賃金を上げること、さらには社会保障の改革を行うことが課題であると考えておるところでございまして、二十四ページが、まず設備の話でございます。
 上のところに三つ書いてございますが、日本の設備は三つの問題を抱えていて、まず、量が足りない。これは二百兆円以上恐らく不足をしていて、これを挽回すればGDPは一割ぐらい上がってくる。二点目として、質が低い。これによってGDPが一割失われている。そして、生産性が低い分野に偏在していること。これによって二割ぐらいが失われている。やはり設備を出していく余地が大きい。
 具体的には、真ん中の左側のところでございますが、非製造業の無形固定資本だとか、それから製造業の情報通信機器などの、資本の限界生産性の高いところでしっかりと設備投資を増やす必要がある。また、このページの一番下のところにございますけれども、今五兆円ぐらい年間行っている省人化投資をもし年間十六兆円行ったとすれば、十年後の就業者の減少分を相殺することが可能である。
 設備について今申し上げた数字をざっと確認をさせていただくと、二十五ページでございますが、あるべき量と比べれば二百兆円以上不足している可能性がある。右側の囲みのところに式が書いてありますが、最終的には、これによって一二・五%程度GDPが失われている可能性がございます。
 二十六ページは、二つ目の問題点の質の低下と低生産性分野に偏在していることでございますが、左のグラフの各国の資本の生産性を見ると、日本は黄色い線で極めて低い。右のグラフの右端から二番目のところを見ていただくと、まず、二の資本の質の低下、これはビンテージが延びて老朽化をしているということですが、これによる下押しが一〇%程度。それから三の、生産性が低いところに設備が張りついていることによって一八%程度という、これぐらいの下押しが想定されるということです。
 二十七ページ、省人化投資でございますけれども、赤いところに書いてあるように、現在五兆円行っておりますが、これをこれからもし十六兆円に増やしたとすれば、人手不足を賄うことが可能になる。また、ケースの三は、産業構造が変わって介護の人などが増えたときですけれども、これも三十四兆円程度によってある程度賄うことが可能だと。
 二十八ページは、その上で、賃上げを起点にして、賃金と設備の好循環を回すことがポイントであるということ。
 まず、右端のステップの一のところで、今、人手不足、二十年前には余剰労働力が二百八十万人ございましたけれども、現状は三十万人程度であるということですから、まずしっかりと賃上げを行う。次に、上のステップ二でございますが、これによって資本と労働の相対価格が変化することによって設備投資が増える。そして、左半分の資本というところで、ステップ三でございますけれども、例えば資本ストックが、資本装備率が一%上がると生産性は〇・四%上がります。また、労働の質が上がる。例えば、パートタイム比率が五%低下することによって潜在成長率は一・六%上がりますので、結果、労働生産性が上昇をして、ステップ四のところの実質賃金の上昇へとつなげていく。
 こういう形で、賃上げを起点として設備を増やして、生産性を上げて実質賃金を上げるということ、これをしっかりとやっていくことが肝要であるということであります。
 二十九ページは余剰労働力のデータですので、ここは後ほど御覧いただくとして、三十ページの左のグラフでございますけれども、資本と労働の相対価格を見ていて、九〇年代までは、設備投資をした方が有利なので、皆、設備投資をしたわけですけれども、二〇〇〇年代に入って、バブル崩壊で賃金が上がらなくなって、結果、設備はある程度増えたけれども人への分配はなくなった。足下で今賃金が上がっているので、この賃上げをてこにして、そこから設備投資、生産性上昇、実質賃金の増加の好循環というものをしっかりと回していかなくてはいけないのではないか。
 三十一ページ、私もメンバーを務めさせていただいております全世代型社会保障構築会議でございますけれども、この論点を、これを工程表を作って、今粛々と実行していくという方向であります。
 今回の予算でも支援金が盛り込まれておりますが、私は、この支援金を含む、広く薄く国民が子育てを支える仕組みについては、基本的には支持をしているという立場であります。
 そして、三十二ページでございますが、今申し上げたような全世代型社会保障改革等によって将来不安が解消すれば、そこから消費の押し上げが期待される。左のグラフを見ていただきますと、二十代、三十代が将来不安からどんどんお金を使わなくなって、これが日本の経済を下押しをしている。右のグラフで、これからもし将来不安がなくなって消費性向が戻るようであれば、七兆円から十兆円程度の消費の押し上げ効果というものが期待されます。
 今日は、三つの点について申し上げました。
 一点目として、日本経済は幾つかの要因があって巡航速度での緩やかな景気拡大が続きますが、ただ、海外経済の下振れリスクには細心の注意が必要である。
 二点目として、日本は、やはりグローバルな流れの中で、徐々にデフレを脱する方向に来ていますので、その中で日本銀行は、恐らく四月に向けて、マイナス金利をゼロ金利に戻して、ただ、その後の利上げについてはかなり慎重な、緩和的なスタンスを続けるのではないか。
 三点目として、今回の政策対応は短期のものと中長期のものがある程度バランスよく盛り込まれているということでございまして、他方で、これからの課題としては、やはり設備が足りないので、そこをしっかりと出していくこと、それから、賃上げを起点にして、そこから生産性を上げて、さらに実質賃金を上げるような、賃上げを起点にした好循環というものを起こすということ、さらには、全世代型社会保障改革という、やはり国民の将来不安をしっかりとなくしていくような対応が必要ではないかということでございます。
 私の方からは、御説明は以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
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小野寺五典#3
○小野寺委員長 ありがとうございました。
 次に、清水公述人にお願いいたします。
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清水秀行#4
○清水公述人 ただいま御指名をいただきました連合の清水でございます。
 本日は、このような場で私たち連合の意見を表明する機会をいただき、感謝を申し上げます。
 連合は、働くことを軸とする安心社会を目指しており、本日は、働く者、生活者の立場から意見を申し述べます。
 冒頭、一月一日に発災をしました能登半島地震の被災地の一日も早い復旧復興に向けて、与野党が建設的な議論を行っていただいていることに感謝を申し上げるとともに、一層の充実した政策論議をお願いを申し上げたいというふうに存じておるところでございます。
 それでは初めに、連合の現下の経済、社会の課題認識について申し述べます。
 歯止めのかからない少子化と生産年齢人口の減少は、国力に直結する重大な課題であります。加えて、この間の長期にわたるデフレは、格差の拡大と貧困の固定化を助長させ、これに追い打ちをかけるような物価上昇が低所得者の暮らしと中小企業の経営基盤に大きな打撃を与え続けております。
 言うまでもなく、予算とは、国の在り方や進路を示すものでございます。日本の構造課題を解決し、安心、安全に暮らせる社会を将来世代に引き継ぐには、財政規律の徹底による歳出構造の抜本見直しと、税と社会保障の一体改革による重層的なセーフティーネットの構築が必須であり、もはや残された時間は僅かであるというのが私たちの考えでございます。
 今国会で政治資金問題の真相を明らかにすることも重要ですが、立法府の責任として、政治の停滞を招くことなく、待ったなしの日本の構造課題の解決に向けた審議が尽くされることをまず強く期待をしたいと存じます。
 さて、連合は、二〇二四春季生活闘争、現在闘っております。経済も賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へとステージ転換を図る正念場と位置づけて取り組んでおるところでございます。その成果の鍵を握るのは、雇用労働者の七割が働く中小企業と、四割を占める、パート、有期、契約などで働く仲間の賃上げでございます。
 資料の三ページを御覧ください。
 二〇二三闘争では三十年ぶりとなる高水準の賃上げを実現しましたが、賃上げを上回る物価上昇が続いているため、実質賃金を上昇させるまでには至っておりません。また、中小組合の賃上げは、業績回復の遅れなどから全体よりも低位にとどまっております。
 本年、昨年を上回る高い水準での中小企業の賃上げを実現するには、価格転嫁、価格交渉、取引環境の整備が必要でございます。三ページ下の表を御覧ください。価格転嫁状況に対する連合加盟組合の調査でございます。価格転嫁できた組合の賃上げが価格転嫁できなかった組合を上回っており、価格転嫁と賃上げには相関関係が見られます。
 次に、資料の四ページを御覧ください。
 取引環境の整備に向けて、公正取引委員会から労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針が示されたことは大きな前進でございます。あとは実効性の担保が課題でございますが、昨年九月の中小企業庁の調査では、全体として価格転嫁は改善傾向にあるものの、価格交渉が行われたのは全体の六割弱にとどまっています。コスト要素別に転嫁率を見ますと、労務費は原材料費を十ポイント下回っているということでございます。
 政府には、中小企業がちゅうちょすることなく取引先へ価格交渉の申入れができるよう、大企業のパートナーシップ構築宣言を促すとともに、指針の実効性を高める一層の取組強化と不利益取扱いの禁止などを求めたいと思います。
 次に、雇用形態間の賃金格差の是正も重要であります。
 連合加盟組合では、組合員であるか否かにかかわらず、同じ職場で働く仲間の賃金が働きの価値に見合った賃金となるよう要求、交渉しておるところでございます。政府には、労働組合のない職場においても同一労働同一賃金が実現されるよう企業への指導を強化するとともに、法定最低賃金の大幅な引上げが実現できる環境整備を期待をするところでございます。
 二〇二四春季生活闘争は、三月十一日の週に回答引き出しの山場を予定をしております。先行組合が引き出す賃上げの流れを、労働組合のない企業も含め、多くの中小企業などに波及させることが肝要であり、政労使による社会的メッセージの発信なども検討を求めたいと思います。
 次に、政府内で検討が進められているライドシェアについて、一言申し述べておきたいと思います。
 本年四月から、タクシーが不足する地域や時間帯に限って、タクシー事業者の運行管理下で自家用自動車を活用した新たな仕組みが導入される予定となっておりますが、新たな仕組みにおいても、既存のタクシー事業と同様に、公共交通で保障されている、利用者、歩行者等の交通参加者、そしてドライバーの安全、安心、車両の管理責任などを十分に確保する必要があると考えます。
 特に、ドライバーについては、雇用された労働者でなければ労働関係法令が適用されず、過重労働による健康障害や事故につながる懸念があり、タクシー事業者との雇用契約に厳に限る、そのように述べたいと思います。
 なお、タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行うことは、先行する諸外国において様々な問題が指摘されていることに加え、タクシー産業の健全な発展を阻害する懸念があり、極めて慎重であるべきと考えます。
 次に、税制改正関連法案ですが、昨年六月に政府が閣議決定をしました骨太方針二〇二三では「税体系全般の見直しを推進する。」と示されていましたが、今回の法案では税体系全般の見直しには全く踏み込んでいないということで、修正案を二点申し上げたいと思います。
 一点目は、低所得者への給付と併せて行う所得税、個人住民税の定額減税です。政策目的が、税収増の還元から、物価高に負けない賃上げを実現するための環境整備に変更されたことで、連合の組合員からも、何のための減税なのか分かりづらいとの声が寄せられています。さらに、企業や地方自治体からも、事務費用の増加や申請に関わる人的負担増に対しての懸念の声が寄せられています。
 資料の五ページを御覧ください。
 連合は、今回のように給付と減税を同時に行うのであれば、マイナンバー制度を活用した正確な所得捕捉に基づく給付つき税額控除の仕組みを早期に構築すべきと考えます。特に、所得税非課税世帯などには食料品など生活の基礎的消費に係る消費税負担分を給付する消費税還付制度を導入し、低所得者の負担軽減につなげるべきと考えます。
 二点目は、ガソリン価格高騰対策です。連合は、そもそもガソリン価格の約三割が税金であることも踏まえ、五十年にわたって課税している当分の間税率は二〇〇九年に課税根拠を失っているので廃止をし、ガソリンの価格を引き下げる恒久的な措置を講ずるべきと考えます。なお、その際は、税制全体の見直しの中で、地方財政の根拠にもなっておりますので、地方財政に影響を及ぼさない代替財源の確保も必要であると考えております。
 連合はこの間、地方連合会とともに、全国の首長や地方議会から、給付つき税額控除の仕組みの構築と当分の間税率の廃止を求める意見書の国への提出を働きかける取組を行っています。現時点で全国約三十の県や市町村と協議をしており、更に進めていきたいと考えております。
 次に、子供、子育て政策について四点申し上げます。
 一点目は、新設する支援金制度を盛り込んだ子ども・子育て支援法等改正法案でございます。
 岸田首相は、支援金制度については、医療保険料と併せて徴収する額は月額平均五百円弱だが、賃上げと歳出改革により実質的な負担は生じないと述べていらっしゃいます。連合は、子供、子育ては社会全体で支えることが大前提であり、そのために必要な負担について反対するものではありません。しかし、結果として可処分所得が減少してしまうことや医療保険の保険料と併せて徴収されることなどについて、国民の理解や納得は全く得られていないということを申し上げたいと思います。
 加えて、支援金制度は、給付と負担の関係が不明確、子供、子育て支援以外にも使途が広がりかねない、労働者の、拠出する側の意見反映の仕組みがないなど、多くの課題があります。これらの点について、国会での徹底した審議を求めたいと思います。
 二点目は、検討中の日本版DBS法案についてでございます。
 こども基本法の理念の下、子供の最善の利益を実現するため、性犯罪を防止することは極めて重要であります。しかし、検討中の日本版DBSでは初犯を防ぐことはできません。そのため、学校や保育所などで子供が大人と密室で一対一とならないようにすること、あるいは、性加害者への更生プログラム受講の義務化、被害者も加害者も出さないための教育、研修の充実など、十分な予算措置を伴う実効性ある包括的な対応が必要であると思います。
 さらに、事業者が労働者の性犯罪歴を照会し、事業者が回答を得る仕組みでは、個人情報の漏えいする懸念が払拭できません。職業選択の自由や個人情報を保護する観点からも、労働者本人の申請に基づき、労働者本人が性犯罪歴がないことの証明を受ける、そういった仕組みとすべきではないかと考えております。
 また、性犯罪歴がある者への安全措置が取れない場合は解雇可能とする方向での検討は、解雇権の濫用を促しかねず、断じて容認できない部分がございます。
 三点目は、育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案についてです。
 男女が共に育児、介護などの家族的責任と仕事やキャリア形成を両立するためには、法改正により柔軟な働き方の選択肢を増やすことに加え、長時間労働を前提としない働き方を実現することが重要であります。また、一人親家庭、障害のある子や医療的ケアが必要な子を育てる親など、労働者の個別の事情に配慮した対応も必要と考えます。
 四点目は、民法等の一部を改正する法律案です。
 法定養育費の制度化や先取特権の付与により養育費確保の実効性を高めること、これは一人親家庭の貧困解消に向けて一歩前進するものと考えます。
 父母離婚後の共同親権に関しては、父母間に対立がある場合などに家庭裁判所が関与する仕組みが設けられました。これまで以上に重要な役割を果たすことになる家庭裁判所の体制強化とそのための財源確保を始め、子の福祉確保の観点から慎重な審議を求めたいと思います。
 次に、雇用保険関連でございます。
 今国会に雇用保険法等の一部を改正する法律案が提出されています。法案には、労働者の主体的な能力開発を支援し、労働者個人への給付を拡充するための教育訓練給付の給付率の引上げや、こども家庭庁が少子化対策と位置づける育児休業給付の給付率引上げなどが含まれております。
 能力開発や子育て支援の充実は重要ですが、雇用保険の本来の目的は労働者の生活及び雇用の安定であり、その目的の範囲を超えるような政策は雇用保険財源以外の一般財源などで実施することが引き続き求められると考えます。
 また、育児休業給付の保険料率の引上げを含めた雇用保険料率の引上げは、労使の多大な負担増となります。今回のように、雇用保険勘定の育児休業給付部分をこども金庫に移管したとしても、保険料やその使途の在り方については、保険料納付者である労使が参加する労働政策審議会において議論することが重要ではないでしょうか。
 次に、今国会に提出予定の技能実習制度等の見直しに関する法案について申し述べます。
 法案検討のために入管庁に設置された有識者会議には、連合も委員として参画してまいりました。政府が二月九日に決定した法改正に向けた方針では、監理団体の厳格化、監理、支援体制の強化、検討プロセスの透明性確保策など、外国人労働者の保護に資するものと受け止めております。
 しかし、方針には、有識者会議の最終報告書と異なる記載も散見されます。育成就労制度の職種につきましては特定技能制度の分野に合わせるとする一方、技能実習でしか受け入れていない職種については、当該職種が果たしてきた人材確保の機能の実態を確認した上で、特定産業分野への追加を検討とされております。最終報告書の、就労を通じた人材育成になじまない分野は対象外とした記載から大きく変更されており、未熟練外国人労働者の安易な受入れ拡大につながりかねないと危惧しておるところでございます。
 加えて、改正法の施行前に特定技能制度への分野追加が検討される旨の報道もございましたが、法改正の趣旨である制度の適正化を実現するためには、こうした駆け込み追加が行われることはあってはならないと考えます。両制度の受入れ分野の追加、設定は、改正法の施行後に検討すべきだと考えております。
 なお、政府方針には、制度の運用状況について不断の検討と必要な見直しを行うとあります。その際は、公開された公的な場において、労使を含めた関係者等によって検討することが重要であると考えます。また、当該制度だけでなく、他の在留資格を含めた外国人労働者の受入れと共生の在り方全般について検討する場が必要であると考えます。
 次に、カーボンニュートラルの実現に向けた対応について申し上げます。
 政府が宣言しました二〇五〇年カーボンニュートラルは、気候変動対策としての観点はもとより、我が国の産業競争力の維持強化、グリーンで良質な雇用の創出、地域経済の維持向上の観点からも、あらゆる手段を総動員した取組を進めなければなりません。
 今国会に提出されましたCCS事業法案と水素社会推進法案は、我が国の産業競争力の維持強化に資するものであり、早期の成立を求めたいと思います。
 一方、昨年成立したGX推進法の理念に盛り込まれた公正な移行を実現するには、国、地域、産業の各レベルで政労使が加わる社会対話の場が必要であります。政府には、省庁横断的な体制の下での社会対話の場の早期設置と、その場での課題の深掘りや複数のシナリオによる政策立案のプロセスをロードマップに織り込み、十分な予算措置を行うことを求めたいと思います。
 次に、持続可能で包摂的な社会の実現について三点申し述べます。
 一点目は、あらゆるハラスメントの防止です。
 連合は、安心して働ける職場環境構築のため、あらゆるハラスメント禁止に係るILO第百九十号条約の批准を求めています。特に、カスタマーハラスメントは、事業主の望ましい取組として指針に定められているにすぎず、法的には何ら措置されておりません。ハラスメントを根絶するためには、ハラスメント自体を禁止する法整備が必要と考えます。
 二点目は、選択的夫婦別氏制度です。
 住民票やマイナンバーカード、運転免許証など、旧姓併記を認める対象は徐々に増えていますが、公文書などは原則戸籍名しか認められていないケースが多いのが実態でございます。また、G7の中で認めていないのは日本だけであり、国際社会では旧姓使用の通称使用は通用しません。一九九六年に法制審議会が法案要綱を答申してから二十八年がたちました。個人の尊厳や人権の保護のため、今こそ選択的夫婦別氏制度を導入すべきと考えます。
 最後に三点目でございますが、差別禁止のスタンダードであるILO第百十一号条約です。
 ILO百十一号条約は、ILO加盟百八十七か国中百七十五国が既に批准しており、日本がいまだに未批准であることは大きな問題であると思います。日本が差別を許さない国であることを国内外に示す意味でも、条約の早期批准を求めたいと思います。
 以上申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。拍手
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小野寺五典#5
○小野寺委員長 ありがとうございました。
 次に、末冨公述人にお願いいたします。
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末冨芳#6
○末冨公述人 皆様、日本大学の末冨でございます。お手元の黄色い資料を基に今日はお話をさせていただきます。
 本日、私は、令和六年度予算案、そして、今国会で予定されております子ども・子育て支援法の改正につきまして、大変意義があることであるという立場から意見を申し述べさせていただきます。
 安心で幸せな子育てを支えるこども金庫創設の意義と展望ということでお話をいたします。
 私は、実は、教育無償化を含む教育行財政の専門家でございます。ただし、内閣府時代から十年にわたって子供の貧困対策に関わっており、子供政策についても長年蓄積を積んでまいりました。例えばですけれども、一ページ目の左側、こども基本法に関する著作もございますし、右側に「子育て罰」という本も記してございます。
 二ページ目に進みますが、この子育て罰というのは何かと申しますと、OECDでチャイルドペナルティーと呼ばれているものが元の言葉になります。先進国最悪の我が国の一人親の貧困というものは、特に子育てをしながら働く母親の賃金水準が著しくよくないことによります。
 ただし、それ以外にも、率直に申し上げて、この国では長年、子育てを自己責任とみなし、親子に冷たく厳しい政治や社会であったのではないか、そのように子育て当事者が受け止めざるを得ない状況があるということです。特に、二〇二一年の七月に、児童手当の所得制限が導入されるということで、私も怒って本を出版してしまいました。
 次のページに参りますけれども、ただ、以前の明治日本というのは、子供天国というふうに呼ばれていた時代がございます。ところが、令和の日本というのは、正直に言うと、女性として、母として生きていると、とてもつらいです。
 例えばですけれども、三ページ目の絵にございますが、ぶつかり男、ぶつかり女と呼ばれる、妊婦さんやママや赤ちゃんを狙ってくる人たちがいるんですね。こうした方たちは、迷惑行為防止条例の対象となっていないんです。本当は誰よりも守られなければいけない人たちが守られていないということで、このような大人たちが平気で赤ちゃんやママをターゲットにしないようにしてほしい、それも子育て罰をなくすことだろうというふうに考えています。
 そして、四ページ目ですけれども、この場に私が立っておりますのは、ここまでの国会参考人としての経緯があるからだろうとも思います。まず、二〇二一年、児童手当の所得制限は子育て罰だとすごく怒っていました。そして、二〇二二年、こども基本法成立、大変うれしかったですけれども、大事なのは財源、財源、財源だということで、このときもまだまだ怒っていました。
 次のページに行ってください。五ページ目、笑顔です。なぜかと申しますと、子供のための財源がしっかり確保される、特に全ての子供を応援するという姿勢がまさに異次元であるということで、私自身は、あっ、日本も本気で子育て罰をなくすために変わろうとしているんだということを大変高く評価しております。
 ここからが本論ですけれども、六ページ目、本日は御覧の三つの柱でお話をさせていただきます。
 七ページ目、まず一番、こども金庫創設の意義ということですけれども、五ページに要点をまとめてございます。
 こども金庫創設の意義ですけれども、まず、子供を産み育てることはリスクであるということで、公助のための特別会計ができるということは非常に意義があることです。また、全世代、事業主が連帯して子供、子育てを支えるということで、支援金だけではない、一般会計からの繰入れや、あと歳出削減も含めて、子供、若者を支えていくんだという多様な財源。それが子供政策への使途限定、リングフェンスト財源として使われるということ。それとともに、消費増税のときは、正直、子供たちに幾ら使われたのか見えづらかったんですね。そうではなくて、特別会計にすることで、幾ら使って、幾ら子供、若者のために応援しているんだということが分かりやすくする見える化。あわせまして、全ての子供を応援するということについて大変高い意義が認められます。これらはまさに普遍主義の子供政策であるということで、これまでの日本政府とは次元が異なる、私たちは、レベルが上がっているというふうに捉えています。
 また、支援金制度については、この予算委員会でも大変真剣な御議論が交わされておりますけれども、私自身は、子育てのリスクを支えるための多様な財源の一つとしては極めて重要で意義があるものであるというふうに考えております。
 九ページ目に参ります。
 こちら、こども未来戦略マップです。確かに、専門家が見れば、ここはもうちょっとこうした方がいいんじゃないかということはございます。ただし、子供を産み育てることはリスクということから、子供を産み育てることは幸せで楽しい日本になっていくんだというふうな、子育ての安心をつくる公助システムの基礎設計としては重要です。これは大変重要なスタートラインだと思います。
 そして、十ページ目ですね。
 実は、私自身も子供の貧困対策団体の理事をしておりますが、子供、子育ての四団体として、この間、子供財源、そして子供、若者政策の拡充を是非してくださいということで、明るい圧力団体をやってまいりました。それらの団体の採点表がこちらになります。妊娠、出産手当の無償化、児童手当のユニバーサル化を始め、大変評価できる部分もあるけれども、例えばですけれども、子育てのケアマネジャー制度、ここからしっかりつくってほしいというふうに、まだまだここから二歩目、三歩目、四歩目、更にその先へ駆け出していってほしいという願いも込めて採点表を作っております。
 そして、十一ページ目ですね。
 令和六年度予算案ですが、特に、多子世帯に手厚い支援が行われております。こちらについても大変いろいろな視点から御議論があることは承知しておりますが、私自身の科研費の調査結果によれば、多子世帯ほど、所得制限なく全ての子供を応援してほしいんだということ、たとえ上の子が成人しても支援は続くということを支持されているということでございます。
 そして、次のセクション、十二ページ目。
 それでは、この三・六兆財源、そしてここまで積み上げてこられた財源含め、ここからの財源も含めて、子供財源が少子化対策として効果を上げるための条件についてお話をさせていただきます。
 十三ページ目に参ります。
 御存じのとおり、少子化というのは、非婚化と無子化、一人っ子化によって起きています。非婚化は、若者の非正規化、低所得化、長時間労働による時間貧困、そして女性の就労上の不利、特に、子育てする女性の不利や、ケアの負担も女性に偏りがちである、更に言うと、教育、子育てにお金がかかる社会によって促進をされてきました。
 これらにアプローチするために、三・六兆円財源、大変重要なわけですが、ただし、次のページに進んでください、更に三・六兆円財源の向こうを見据えて私たちが何を意識しなければならないかというと、日本の若者は今、大変思慮深いプレーヤーだということです。今、日本の若者たちは、結婚して出産したいなと思ったときに、子供を大学に行かせられるか、幸せな子育てができるかということを最初によく考えます。そうすると、この世の中では無理だと思って諦めてしまう。その諦めを生まないことというのが、実は日本の少子化対策のポイントとなるということでございます。
 次のページに参ります、十五ページ目。
 すなわち、子供を産み育てることが若い世代にとって今は明確にリスクです。そうではなく、国を挙げて応援する、そして事業主さんも応援するということによって、これはメリットだ、子供を持つことはメリットなんだというための、信頼される制度設計が不可欠でございます。
 この間、特に、次元の異なる少子化対策については、私のところにも様々な御意見が寄せられました。その様々な御意見の中から、子供財源が効果を上げるためには三つの問題の改善が必要だという整理をいたしました。まず一つ目、政治不信問題、これは今話題の件ではございません。もう一つが、こどもまんなか三点セット問題。そして最後が、受益感なし問題ということです。
 十六ページ目に参ります。
 まず、政治不信問題というのは何かというと、無償化や児童手当の所得制限撤廃、どうせ続かないのではないですかと、総理が替わる、政権が替わるたびに目まぐるしく変化を繰り返してきてしまった日本の子供、子育て支援政策に対して、実は多くの子育て当事者は不信感を持っているということでございます。これは改善されなければなりません。あわせて、稼いでもほとんど税金に持っていかれて所得制限も重いということも指摘されております。
 さらに、次のページですけれども、私も自分の講義で、異次元の少子化対策はこんなふうになるんだよというふうにうれしく話したところ、大学生から、自分たちは応援されている気がしませんという厳しい指摘をいただきました。あわせまして、地方の助産師さんからは、こども誰でも通園制度は生後六か月からだ、実は、産後うつにとって一番大事な生後六か月までの支援が足りていないんです、地方にはリソースも少ないですという御相談もいただいております。
 これらにどう対応していけばいいのかということで、十八ページですね。
 まず、政治不信問題につきましては、やはり、政権、政党を超えて、子供たちの財源をつくるんだ、そしてもう後戻りはしない、全ての子供、若者を応援するんだということで、この点だけは必ず与野党で合意いただきたく存じます。
 あわせまして、右側、こどもまんなか三点セット問題ですが、実は、ほかの参考人も御指摘されていますけれども、この国では、扶養控除、減税の仕組み、そして現金給付がまずばらばらです。ここをまず一体化させていただきたい。すなわち、給付つき税額控除の仕組みとして、あらゆる世代に優しい仕組みをつくっていただきたいということです。
 それと併せて、後ほど申し上げますが、実は、若い世代が一番望んでいるのは、保育、教育の無償化、そして質の向上となっております。現在与党で御検討されている高校生の扶養控除の縮小、子供増税は、今のタイミングではやめた方がいいというのが私の明確な意見です。特に、物価高の中で、せっかく支援が増えたのに増税しますということは、やはり今までの悪夢を繰り返しているじゃないかという失望に子育て当事者や若い世代をいざないます。今じゃない。次のステップで考えてください。
 十九ページは、私自身も、高校生扶養控除の廃止は今やめてください、縮小もやめてくださいということで与野党の皆様方にお願いしていますけれども、それは、別に与党が憎いとかそういうわけではないんです。今ではない。少子化対策というのは今増税をしては意味がなくなるからということで、一生懸命訴えているということです。
 二十一ページに参ります。
 現在の子供、若者支援政策というものの充実を考えたときに、実は、十五歳から十九歳、二十から二十四歳の若者期の貧困が深刻である、この点について今後更なるアプローチが必要であるということを訴えたいと思います。
 次に、二十二ページですけれども、先ほど無償化の話を申し上げました。こちらも私自身の科研費の調査ですけれども、二十代から三十代の若い世代、特に若い女性の五割弱が、所得制限のない〇―二歳保育無償化、高校無償化、そして児童手当等を含む経済的支援について支持すると。つまり、若い世代は所得制限がない方がいいと思っているわけです。これは四十代以上の意識とは明確に異なるということになっております。
 さらに、次のページに行くと、では、今回は経済的支援、保育無償化、高校無償化の三つで聞いたけれども、所得制限がないものということで一番支持されるのは高校無償化です。ただし、もしもこの調査に大学無償化、減税、働き方改革、支援金等を入れたらどうなるのかということについては、まだ調査はできていません。逆に言うと、ここからの少子化対策をより効果的にするために、こちらの方は政府で迅速に行われるべきだというふうに考えております。
 二十四ページの方ですけれども、こちらも、インターネットを利用して行われた異次元の子育て政策の王座決定戦ということですけれども、小中高大全員無償化というのが優勝しました。ただし、非常な激戦でして、準優勝が所得制限撤廃や専門職員の待遇改善といったものになっております。
 こうした子育て当事者の声に応えるためにも、二十五ページですね、子供、子育て四団体からのお願いとしては、こども金庫、子供財源の基盤を確立して加速化プランを実施するのは頑張ってほしい、応援している、ただし、深刻化する少子化の中で、直ちに第二歩、第三歩も加速していただきたいと。一歩一歩着実に歩んでいただいているのは分かります。ただし、この国の少子化のスピードは、厚労省の予想をはるかに上回る速度で進んでしまっています。
 私たちは、共に手を携えて、少子化の改善、若い人たちが幸せで安心な子育てをするということのために全力で駆け出さなくてはならないということをお願いしたいと思います。
 二十六ページのこども未来戦略にも、「決して、「加速化プラン」で終わるものではない。」とございますが、もうどんどん先に進んでいきましょうということをお願いいたします。
 そして、最後に、二十七ページですけれども、こども基本法第十一条にのっとった子供、若者真ん中政策マネジメントの提案ということをいたします。
 二十八ページ、こども基本法の第十一条には、大変重要な条文があります。何が書かれているかというと、子供、若者に関する政策を決めるときには、子供や若者、そして子育て当事者の意見を反映させていくようにしましょう。これはなぜ重要かというと、政策効率を高めるために重要です。あわせて、こども家庭庁設置法には、こども家庭審議会もそのための機関としてしっかりと活動するんだということも書かれております。
 ただし、この際に、二十九ページ、こども家庭庁の体制、なお一層の進歩が必要です。特に、EBPM体制の強化は重要でございます。
 こども家庭庁には大臣直属のEBPM研究会という組織がございますけれども、省庁横断型でEBPMをしていただきたい。特に、迅速に子供、若者、子育て当事者のニーズを調査し、効果ある政策を精査できる状態にしていただきたいということです。
 あわせまして、若者支援に関する部会は、こども家庭審議会にはございません。それを支える体制がないからです。だからこそ、子供たち、若者たちのために日夜を問わず頑張ってくださっている、こども家庭庁の定員、体制の拡充をお願いいたしたく存じます。
 次のページ、三十ページですけれども、子供、若者真ん中政策マネジメントの提案ということをお願いいたします。
 特に、KPIとして重要なのは、赤いセルですね、若い世代の人たちが妊娠、出産、子育てを希望できるようになって、希望できる人たちが実際に子育てに至ったかどうかということの検証こそが極めて重要です。
 そこに至るプロセスを書いてございますが、特に、私自身は、今若者や子育て当事者に、本当に自分たちに受益があるのか、応援されている気がしないというその感覚を解消する、そのギャップを埋めることこそが大事で、そのためには、EBPMを活用し、子供、若者真ん中の政策マネジメントを実施する必要があるということでございます。
 そして、三十一ページですね。
 あわせまして、なぜ政府を挙げた子供、若者真ん中の政策マネジメントが重要かといいますと、国民や事業主に支援金負担をお願いするのであれば、政府による説明責任や結果責任をきちんと国民や事業主さんにお返しすることが必要でございます。だからこそ、政策マネジメントを重視してくださいということです。
 あわせまして、令和八年度以降に予定されます支援金負担につきましては、政府が今示しておられる諸条件がございます。賃金上昇等、一生懸命頑張っていただいているなというのも分かりますけれども、特に若者や子育て当事者の手取り減になるということは、率直に申し上げて、今までの日本国のエビデンスは、手取りが減れば少子化が進むという鉄則がございます。そこに抵触するようであれば、若い世代への支援金の負荷を高めるということについては慎重な御判断をお願いいたしたくございます。
 最後のページになりますけれども、いろいろ厳しいことも申し上げましたが、とはいえ、このこども金庫、そして令和六年度の予算というものは、安心で幸せな子育てが実現できる日本国への大切な第一歩です。どうぞ、与野党挙げて、令和日本を再び子供天国、子育て天国として進化させていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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小野寺五典#7
○小野寺委員長 ありがとうございました。
 次に、小畑公述人にお願いいたします。
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小畑雅子#8
○小畑公述人 全労連の小畑です。
 本日は、二〇二四年度政府予算に関わって、労働者の立場、労働組合の立場からの発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 長く続いたコロナ禍、相次ぐ自然災害などにより地域経済は疲弊し、そこに物価高騰が追い打ちをかけています。この間の労働組合などの奮闘により、二三春闘では一定の賃上げをかち取ることができましたが、長く続く日本の低賃金構造を抜本的に転換するには至っておらず、実質賃金は下がり続けており、労働者、国民の要求はますます切実なものがあります。
 現在、全労連は、二四国民春闘の取組を進めているところですが、現場の声も踏まえ、働く仲間の要求を実現する観点から、幾つかの点について意見を述べさせていただきます。
 一点目です。
 元旦の能登半島地震により甚大な被害が発生し、現在も、被災地では、断水が続くなどライフラインの復旧がままならない中で、避難所生活を強いられている皆さんが多数おられます。被災地の皆様に心からの哀悼とお見舞いを申し上げます。
 私も、一月二十六日、全国の働く仲間から寄せられた義援金を持って、直接石川県庁を訪問し、また、七尾市の医療機関や労働組合にも義援金や支援物資を届けながら、懇談をさせていただきました。
 その中で、御自身も被災されながら地域医療のために必死に頑張る医療従事者の皆さんから、今は使命感で気持ちが張り詰めているが、これが切れてしまったら離職者も出るのではないかとの切実な声を伺いました。
 実際、資料に入れてありますが、二月九日には読売新聞、十四日にはテレビ朝日が奥能登地域の四つの病院でおよそ七十人の看護師が退職意向と報じ、被災地に不安が広がっています。
 医療体制の確立なくして、地域の復興はあり得ません。地域のために頑張る病院や医療従事者の自助努力のみに任せることなく、医療従事者の皆さんが働き続けられる職場環境づくりのために、最大限の努力を国にお願いします。
 その上で、政府がこの間進めてきた公立・公的病院などの削減、縮小ありきの地域医療構想を撤回し、医師、看護師、医療技術職員、介護職員等を大幅に増員し、夜勤改善等、勤務環境と処遇を改善すること、また、公立・公的病院の再編統合や病床削減方針を見直すことなど、安全、安心の医療、公衆衛生、介護、福祉提供体制を確保することを求めます。
 医療体制のみならず、能登半島地震の被害がこれほど甚大で長期にわたっている背景には、この間進められてきた自治体の広域合併や公務員削減などにより、地域の実態に応じたきめ細かな施策が取れなくなってきてしまったことがあります。また、広域集約化で地方のインフラを切り捨て、インフラ整備のために欠かせない国の予算を切り詰めてきたこともあると思っております。資料を以下三ページ、四ページ、五ページなどに入れてありますので、御覧ください。
 二〇二四年度予算に当たっては、能登半島地震からの復旧復興予算の確保を最優先にするとともに、今後も予想される自然災害への対応と備えとしても、国家公務員の定員合理化計画の廃止を始め、公務員の定数削減をやめ、地域住民が安心して暮らせるきめ細かい公務、公共サービスを提供できる体制を確立できる予算とすることを求めます。
 二点目は、大幅賃上げ、底上げについてです。
 いよいよ二四春闘が山場を迎えます。全労連は、今春闘に当たって、賃金が下がり続ける国から上がる国への転換を求めて、産別と地方が一体となった取組を強めています。
 政府、財界も年明けから構造的な賃上げと言っておられるわけですが、そこで掲げられている三位一体の構造改革、これは、成果型賃金の促進と更なる雇用の流動化政策であり、全ての労働者の賃上げを実現するものではありません。
 私たちは、構造的な賃上げというのであれば、政府にできる賃上げのための政策が幾つもあると考えています。
 例えば、公務員労働者のみならず、公務、公共関連で働く労働者なども含めて、資料七ページに入れてありますが、全労連公務部会の試算では九百万人以上に影響を及ぼす国家公務員賃金を抜本的に引き上げること、また、診療報酬や障害福祉サービス等報酬、介護報酬など、政府が設定する公定価格に大きく左右されるケア労働者の処遇改善を行うこと、そして、全国一律最低賃金制度を確立し、少なくとも千五百円以上に引き上げることなどです。
 本日は、時間の関係で、最低賃金について絞ってお話をさせていただきます。
 長期にわたる日本経済の停滞と衰退から経済の好循環に転換させるためには、GDPの六割を占める国民の消費購買力を高める必要があります。そのためにも、最低賃金の改善による賃上げの、底上げが必要だと思っています。
 日本の最低賃金は、九ページにありますが、地域別であることが海外と比べても上がらない原因になっています。現行法では、最低賃金決定の三要素、その地域の労働者の生計費と賃金、事業の支払い能力を考慮し、最低賃金額を決めています。地域別である限り、最低賃金が低い地域では、その現状の支払い能力や経済状況を基に最低賃金額が決められ、低いままとなってしまいます。また、最低賃金額の高い地域は、低い地域を考慮し決められています。
 このように、地域別制度は、最低賃金額が低い地域は常に低いままにとどまり、引上げを妨げる構造的な欠陥があります。人口の一極集中や若者の都市部への流出を止めることもできません。最低賃金が低い地域は労働者の賃金が低くなり、年金、生活保護費、公務員賃金など、あらゆる生活と経済格差につながっています。最低賃金額が低い地域の経済の疲弊を生み、日本経済をゆがめ、冷え込ませている決定的な原因になっています。
 労働者の賃金は、経済の最も基本的なベースです。このベースを一律にしなければ、どんな経済対策を講じても日本経済を再生することはできないと思います。
 日本の最低賃金は、十ページにありますが、最も高い東京は時給千百十三円、最低は八百九十三円となっており、その差は二百二十円。この格差は十六年で二倍強まで広がっています。月十二万円から十六万円では、とても自立して生活することができません。
 私たちの最低生計費試算調査、十一ページに資料を入れてありますが、健康で文化的な生活をする上で必要な最低生計費に地域による大きな格差がないということがこの調査で分かっています。また、若者が自立した生活をする上で必要な最低生計費は月に二十五万円程度、月百五十時間の労働時間で換算すると時給千五百円以上がどこに住んでいても必要だという結果が出されています。
 全労連は、こうしたことから、最低賃金法を改正し、早期に全国一律化と千五百円以上にすることを求めています。
 資料十二ページを御覧ください。改定のポイントは四つです。
 一、地域別を全国最低賃金にすること。五年の経過措置を設け、公務にも適用すること。二、健康で文化的な最低限度の生活が確保できる水準を科学的な生計調査を基に決めること。最低賃金決定の三要素のうち、企業の支払い能力は削除すること。三、中央最低賃金審議会で全国最低賃金を決め、地方最低賃金審議会では地域別特定最賃のみの審議とすること。そして四、中小企業支援を国に義務づけることです。中小企業支援策として、国の責任で、中小企業、小規模事業所への特別補助を行うことや、原材料費と人件費が価格に適正に反映される仕組みを総合的に整備することなどが求められると考えています。
 以上のように、最賃法を改定することで、誰でも、全国どこに住んでいても、普通に暮らせる賃金が保障されることになり、地域間格差を解消し、地域経済を活性化することにつながります。
 同時に、全国一律最低賃金千五百円以上の実現は、男女賃金格差を解消し、ジェンダー平等を実現する上で欠かせない課題であるということも申し上げておきたいと思います。
 二〇二二年の国税庁民間給与実態調査によれば、男女の賃金格差は歴然としています。グラフを入れてありますが、平均給与は、男性五百六十三万円に対して、女性は三百十四万円。正規雇用の場合は、男性五百八十四万円、女性四百七万円。非正規雇用では、男性二百七十万円に対して、女性百六十六万円です。正規でも男女の格差は一〇〇対七〇ですが、平均では一〇〇対五五と、更にその差が開きます。これは、平均給与の低い非正規雇用に女性が多いことが大きな原因の一つです。男性正規雇用を一〇〇とすれば、女性非正規雇用の平均給与は何と二八にしかなりません。これでは、自立して普通に暮らしていくことは到底無理です。
 この間、政府、財界は、男性稼ぎ主モデルの日本型雇用によって、男性に長時間労働、女性には不安定雇用を押しつけてきました。雇用機会の均等や女性活躍を唱えつつ、女性差別を温存して、世帯単位で見れば女性の働き方は家計補助的なものだから低賃金に置かれたままでいい、こうした考え方で、パート、アルバイトなどの非正規雇用労働者、とりわけ女性労働者を低賃金に置いてきたことが根底にあります。
 女性労働者の五割を超える非正規雇用労働者の賃金を底上げすることなしに、男女の賃金格差を解消することはできません。そのためにも、全国一律最低賃金千五百円以上の実現は喫緊の課題であると言えます。
 女性活躍推進法の改正によって、二〇二二年七月から男女賃金格差公表制度が開始されました。全体としてしかつかめなかった男女の賃金格差の実態が企業ごと、国の省庁ごと、地方自治体ごとにつかめるようになったのは大きな前進だと思っております。その実態をつかんだ上で、企業ごと、省庁ごと、自治体ごとになぜそうなっているのかの分析を進め、改善に取り組んでいただきたいと思います。同時に、根本の原因を取り除いていくことは政府の責任であると考えます。
 二月九日には、ILOの条約勧告適用専門家委員会が、同一価値の労働についての男女労働者の同一報酬に関する百号条約、ILO百号条約ですね、この日本での適用に関して、全労連を含む政労使の報告を踏まえて所見を発表しています。その結論部分で、日本政府に対して、日本において顕著なジェンダー賃金格差が引き続き存在していることを指摘した上で、水平的、垂直的な職業的ジェンダー格差、長時間労働と仕事と家庭の調和を含む根底にある要因に対処するために、労働者と使用者組織と協力して積極的措置を継続させること及び男女間の同一価値労働同一賃金の実現を視野に現行法の改正を進め、適切な監視と手続及び是正措置に必要な措置を講じることを要請しているということも申し添えておきます。
 三点目に、労働時間、労働法制についてです。
 最低賃金のところで申し上げたとおり、日本型雇用の男性稼ぎ主モデルによって、男性には長時間労働、そして女性にはケア労働と低賃金の不安定雇用が押しつけられてきました。ここを変えていくためには、男女共に、労働者が生活時間を取り戻し、家族的責任、ケア労働を担えるように、労働時間そのものの短縮が求められています。資料十四には、家庭内のケア労働時間についての資料を示してあります。
 全労連は、そうした観点から、労働時間の短縮はジェンダー平等実現を推進するものと位置づけて、二三春闘から、所定労働時間を一日七時間、週三十五時間とすることを重要な要求の一つとして職場討議を積み重ねてまいりました。
 女性部でこのことを議論したときにも、もし一日の労働時間が七時間だったら、正規で働くことを諦めずに働き続けることができた、最初から正規雇用を選択することができたとの意見が多数寄せられました。
 男性も女性も家族的責任を果たしながら働き続けることができる条件を確立していく要求として、賃上げと一体に、法定労働時間一日七時間、週三十五時間を目指す運動として更に発展させていきたいと考えています。それは、先ほど御紹介いたしましたILO条約勧告適用専門家委員会が日本政府に要請する内容とも合致するものだと考えます。
 ところが、今、政府、財界は、労働時間短縮を求める労働者の声に背を向けて、労働者保護法制としての労働基準法自体を変質させる具体化を急速に進めようとしています。
 昨年十月二十日に発表された、厚生労働省新しい働き方研究会報告では、多様な働き方が広がる中で、労働基準法の基本的な概念の社会の変化に応じた検討が必要としました。
 さらに、それを受けて、具体化する形で、今年の一月十六日には、経団連が労使自治を軸とした労働法制に関する提言を発表しています。経団連の提言では、柔軟な働き方を労働者が求めているとして、労働基準法による労働者保護のための労働時間規制ではなく、個別企業の労使が話し合い、働き方を選択できる労使協創協議会の創設を法制化する検討をすべきとまで述べています。
 それは、これまで労働者の闘いが築いてきた権利としての一日八時間の労働時間規制など、労働者保護のための労働基準法の概念を企業利益優先に変質させようとするものであり、断じて容認できるものではありません。
 労働者保護、家族的責任を男女共に果たすことができる労働時間の上限を法律で規定した上で、さらに、働きやすい職場、働きやすい労働条件をつくるために労使対等に進められるのが労使交渉です。柔軟な働き方を実現するためとして個別企業の労使関係の在り方にまで踏み込む議論はやめ、労働者の要求に基づいて、労働者保護、労働時間規制を確固として確立していくことを求めます。
 最後に、以上申し上げてまいりました施策を進めるための財源について申し上げたいと思います。
 貧困と格差の広がりを是正し、公正な社会に転換していくために、国の果たす役割は大きいと言わなければなりません。私たちは、以上述べてきたような施策は、税の集め方や税の使い方を変えれば可能であるというふうに考えています。
 二〇二三年、これほどの物価高騰、資材高騰の下でも、資本金十億円以上の大企業は内部留保を十六兆円余りも積み増しして、その額は五百二十七・七兆円にも膨れ上がっています。この内部留保を、下請中小零細企業への支援や取引価格の適正化、生活できないほどに下げられてしまった労働者の賃上げに使うべきだと考えます。同時に、内部留保への課税や累進課税への転換によって税収を増やすことは可能です。
 そして、何よりも、岸田政権は、一昨年の暮れに閣議決定のみで改定した安保三文書に基づいて、五年で四十三兆円ともなる軍事費を使うという大軍拡方針を急速に強引に今進めています。しかも、防衛省が先頃立ち上げた有識者会議では、物価高騰や円安などを理由に、四十三兆円を更に増額する議論までされていることが報道されています。
 しかし、物価高騰で苦しんでいるのは労働者、国民の側です。五年で四十三兆円もの予算を軍事費に回すのではなくて、一日も早い被災地の復旧復興、抜本的な賃上げ策、そして、今最も重要な課題の一つである少子化対策にこそつぎ込んでほしいというのが国民の率直な願いです。異次元の少子化対策といいながら、その財源として公的医療保険の保険料に千円も上乗せしていたのでは、いつまでたっても少子化問題は解決しないと思います。
 岸田総理大臣は、通常国会の施政方針演説において、憲法改定に関わって、あえて自民党総裁として申し上げれば、任期中に実現したいというふうにおっしゃいましたが、自民党総裁としてやるべきことは、憲法改定ではなく、自民党の裏金問題の真相の徹底解明ではないでしょうか。
 改憲ではなく、憲法を生かして、労働者、国民の命、暮らしを守る二〇二四年度予算案の策定をお願いいたしまして、私からの発言を終わらせていただきます。
 本日は大変ありがとうございました。拍手
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小野寺五典#9
○小野寺委員長 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
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小野寺五典#10
○小野寺委員長 これより公述人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。越智隆雄君。
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越智隆雄#11
○越智委員 自由民主党の越智隆雄でございます。
 熊谷公述人、清水公述人、そして末冨公述人、小畑公述人、今日は、お忙しい中、お時間を使っていただいてここに来ていただいて、お話しいただいて、これから意見交換させていただける、本当にありがたいというふうに思っております。
 戦後八十年がたとうとしておりますけれども、前半戦はよくやったなと思うんですけれども、この三十年、なかなか苦しい時期が続いています。失われた三十年とも言われますけれども、私は、十年ごとに挑戦しては挫折してという思いでやっておりまして、最初の九〇年代は統治システム改革をやったわけでありますけれども、二〇〇〇年代に入って小泉構造改革、そして、二〇一〇年代に入ってアベノミクス。アベノミクスでは、一億総活躍ですとか働き方改革ですとか、今いろいろ議論されていますけれども、生活変革まで踏み込んだというふうに思っております。そして今、四回目の挑戦でありまして、新しい資本主義を掲げておりますけれども、これはどうにかして実現をしていかなきゃいけないということだというふうに思っております。
 公述人の皆様には、そういう中で、現時点での重要ないろいろな課題あるいは取組を御紹介いただいて、御意見いただいたことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
 まず最初の質問なんですけれども、私、最初の質問者ですので、四人の皆様それぞれに、この令和六年度予算についての評価と課題についてお伺いしたいんです。
 政府の方は、この予算のテーマといいますか課題として、当然、賃上げですとか、あるいは内需主導の持続的な成長、子供、子育て、安全保障環境への対応、また財政の信認確保と、いろいろと課題を挙げていますけれども、それぞれのお立場から見たときに、特にこの点は評価したいとか、あるいは特にこの点は課題だということがあれば、お一人ずつ、端的にお話をいただけたらありがたいと思います。
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熊谷亮丸#12
○熊谷公述人 御質問ありがとうございます。
 まず、令和六年度予算について評価ができる点というところでございますけれども、一つは、骨太の方針で、歳出構造を平時に戻していくということでございまして、基本的にはこれに沿った予算なのではないか、具体的には、コロナの予備費を五兆円から一兆円に減額をして、また補正の規模の縮小、さらには基金の資金投入の縮小等々によって、新規の国債発行額は〇・二兆円減額したと承知しております。
 それから、二点目としては、やはり賃金が物価になかなか追いついていかないというところが、ここが課題でございましたが、例えば、診療報酬改定における賃上げ枠の設定ですとか、若しくは公共事業の単価の引上げ等によって、物価上昇に負けない賃上げを目指すという点も、ここも評価できるのではないか。
 三点目としては、めり張りでございますけれども、やはり子供、子育て予算だとか防衛力の強化、さらには科学技術の振興といったものは、ここは、いろいろな御意見はあるのだと思いますが、過去最高を記録していて、これは、私なりに解釈をすると、一つは、社会的課題をしっかりと解決をするということ、もう一つは、成長基盤を強化する、また、現下の国際情勢の中で、やはりこのままでは、防衛についてもやはり強化しなくてはいけないということだと思いますから、そういった意味で、めり張りが非常についた予算だったのではないかと考えます。
 他方で、課題について申し上げれば、一つは、これから金利のある世界に入っていくわけでございますから、やはりPBの黒字化の目標をしっかりと堅持をすることが肝要ではないか。
 二点目として、防衛や子供の財源は、大枠はできているわけでございますけれども、まだ最終の詰めの部分で安定財源を完全に確保したというところまではなかなか言えない。
 三点目として、物価対策、エネルギーの補助等でございますけれども、これは、足下で見れば、エネルギー価格は今落ち着いてきているわけであって、むしろ食品が比較的高めであるということでございますから、やはり補助をいつまでも続けることはできないわけですので、そこの出口のことをしかるべきタイミングでやはり議論をしていかないといけない。
 最後に、四点目としては、産業支援、半導体でございますが、これは、政策としては、方向性は評価できるにしても、やはり国際的に見ればかなり政府の依存が突出をしているという状況でございますので、例えば二ナノの半導体が作れればいいわけですけれども、本当にうまくいくかどうかはこれからの話ですので、やはり、そこでうまくいったとき、この政策を続けるのではなくて、しっかりと縮減していく仕組みというようなものもビルトインしていかないといけない。
 全体としては、今後の課題、やはり、しっかりと費用対効果を見た上で、必要なところにめり張りをつけた予算づけをしてPDCAサイクルを回す、ここが大きな課題ではないかと考えます。
 ありがとうございました。
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清水秀行#13
○清水公述人 来年度予算案につきまして今御質問ございましたが、まず、やはり歯止めのかからない少子化、あるいは生産年齢の人口が減少しているということ、これは国力に関わる重大な課題というふうに私も最初に申し上げましたが、それに向けてということでいえば、やはり十分な予算の体制は取れていないというところ、若干そういったところを感じるところでございます。
 私たちとすれば、経済も賃金も物価も安定的に上昇する、そういった社会に向けて、様々な政策、それに伴う予算の配分をしていただいているというようには感じます。しかしながら、それが好循環につながるかどうかということについては、まだまだ十分な検証が必要ではないかということがあります。
 それから、七十兆を超える税収がある中で、やはり財政規律の徹底ということを、今こそやはり歳出構造の抜本的な見直しを図るべきではないのかということであります。
 若干減ったとはいえ、百兆を超える予算が組まれている中で、やはり将来世代にツケを回さない、そういった予算づくりに向けていくことが必要ではないか。私たちも、所得が上がりましたから、その分税金も払いました、その分税収も増えたのでありますが、それをやはり好循環に回していくにはまだまだ、展開する予算としては、私たちとすれば不十分なところがあるというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
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末冨芳#14
○末冨公述人 御質問ありがとうございます。
 まず、令和六年度予算案で最も高く評価しておりますのは、やはり児童手当の所得制限撤廃、そして十八歳までの延長です。これは全ての子供たちを応援するという日本国としての姿勢の表れであると同時に、長年、子供の貧困対策団体が求めておりました高校生世代が苦しいということに対してもある程度の対応が可能になっているからです。
 ただし、同時に、課題といたしましては、児童扶養手当の増額が第三子に限定されており、予算としても七億円の増にしかすぎないことです。児童扶養手当、すなわち、一人親支援の方策として最も必要なのは、母一人、子供が一人か二人という母子世帯貧困です。第一子からの児童手当の増額を私たちはお願いをしてまいりました。この点も、こども未来戦略の後の第二歩、第三歩で直ちに実現をいただければと思います。
 以上です。
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小畑雅子#15
○小畑公述人 御質問ありがとうございます。
 二〇二四年度予算の評価について御質問をいただきました。私どもの考えは、先ほども述べたとおりで繰り返しになってしまうかもしれませんが、三点申し上げます。
 まず一点目は、構造的な賃上げということで予算全体を組み立てようとしていることについては非常に重要なことだというふうに思っておりますが、構造的な賃上げというからには、今まで実質賃金が下がり続けていたこの構造を、上がり続けていく、そういう構造に転換をしていくということが最も重要なことだというふうに考えております。それに当たっては、全ての労働者の賃上げにつながるような政策を是非取り入れてほしいというふうに思っているということが一点目です。
 二点目は、全世代型社会保障を掲げておられますが、全世代型というのであれば、世代間分断などではなくて、全ての世代が安心して暮らせるような、そういう社会保障の制度が必要だというふうに思っています。
 今、子育て世代の皆さんや若者が本当に不安に思っていることは、自分が生涯ずっとこの国で安心して暮らしていくことができるだろうか、安心して子育てすることができるだろうかということですから、先の世代までを見通したところで安心して暮らせるような、年金制度も含めてきちんとした社会保障制度が確立できる、そういう制度を見通した予算の組立てというのが必要ではないかというふうに考えているということが二点目です。
 三点目に、そうした政策を実現していくための予算の使い方として、最後に先ほど申し上げさせていただいたとおり、防衛費に突出した予算の使い方を見直すということが大事なのではないかというふうに考えております。
 以上です。
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越智隆雄#16
○越智委員 ありがとうございました。
 あと四分でございますので、熊谷さんに一問一答でお願いしたいと思います。
 先ほどお話を伺って、政策対応についてということで、賃上げから設備投資、生産性向上、そして実質賃金の流れがとても大事だというお話がございまして、私もそのとおりだと思います。
 その関係が深いものとして、株価と政策の枠組みについてお話を聞きたいんですけれども、株が高いです、その要因を教えてほしいと思っていて、何を言いたいかというと、脱中国という話もありますけれども、昨日、実は金融関係者の意見を聞く機会があったんですけれども、外国人が日本にかつてないほど今注目しているというわけですね。
 そういう意味では、お金の流れも投資の流れも来ておりますし、今人の流れもあるわけですけれども、その裏側に、先ほどちょっといろいろと御意見あるようでしたけれども、新しい資本主義という枠組みが、最初何だか分からなくて新しい社会主義とか言われましたけれども、二〇二二年になって、ダボス会議でモダン・サプライサイド・エコノミクスという概念が出てきて、アメリカとかヨーロッパでも同じ歩調で政策を進めているということで、企業誘致とか、今、実際に動きが出てきているというふうに思います。
 ですので、株高の要因とこの新しい資本主義についての意見、評価あるいは課題を教えていただきたいと思います。
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熊谷亮丸#17
○熊谷公述人 御質問ありがとうございます。
 株高の要因については複数ございますが、まず、日本がデフレから脱却する、潮目が変わる、こういう期待が特に外国人の投資家の間で強まっている。
 二点目としては、世界が分断していますので、中国から逃げる資金が日本に向かっている。
 三点目として、日本銀行の緩和が続いておりますので、これによって円安になって、外国人投資家から見れば投資をしやすい環境がある。
 四点目として、東証の改革、これは私もメンバーでございますけれども、日本の企業が今度こそ変わるのではないか、そういう強い期待感があるということ。
 そして、五点目として、これは、政権が推進をしたNISAの拡充等、この辺りの資産所得倍増プランのようなものが非常に高く評価をされているというところがあろうかと思います。
 お尋ねのあった新しい資本主義でございますが、私自身は、これは方向性として非常に評価をしておるところでございまして、どこが新しいかということで申し上げれば、一点目として、人を中心とした無形資産のところが日本は弱かったわけでございますから、そこにしっかりと投資を行っていく。そういう文脈の下で、今回の子供、子育てプランも作られている。
 二点目として、今まで社会課題というのはどちらかといえば政府が全部丸抱えのようなところもありましたが、こういった外部不経済、社会課題を成長のエンジンに変えていくということが、これが二つ目の新しい部分。
 三点目として、新しい官民連携ということで、これは、象徴的には経済安全保障等でございますが、官と民がしっかりと役割分担をして、例えばグリーンなどの分野で、予見可能性を持つ形で投資を行う。
 そして、四点目として、これはKPIにはなっておりませんが、国民のウェルビーイング、幸福のようなものを従来と比べればより視野に入れるような形で政策運営をしていくということでございますので、今申し上げた中、特に、やはり人への投資のところを中核に置くというところが、これがやはり新しい部分で、その辺りを含めて、海外の投資家が今度こそ日本が変わるのではないかという、それがやはり今の株高を招いているところがあるのではないかと考えます。
 ありがとうございます。
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越智隆雄#18
○越智委員 ありがとうございました。
 時間が来てしまいましたので、経済のかじ取りもこれからいろいろと御指導いただきながらしていきたいと思いますし、また、末冨さんの先ほどのお話を伺って、やはり安心感、将来の制度に対する安心感というのはとても大切で、少子化対策は本当に実効があるものにしていかなきゃいけないと思いますので、先ほどお話を伺って大変参考になりました。
 以上にします。ありがとうございました。
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小野寺五典#19
○小野寺委員長 次に、佐藤英道君。
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佐藤英道#20
○佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道でございます。
 公述人の先生方、今日は貴重な御提言、また御意見、本当にありがとうございます。
 私の方からは、少子化対策として政府が決定をいたしました子供、子育て加速化プランを中心にお聞きをさせていただきたいと思います。
 初めに、末冨公述人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 一昨日、二月二十七日、厚生労働省は、昨年の出生数は約七十五万人と、過去最低を更新したと発表をいたしました。まさに、少子化対策は待ったなしの喫緊の課題であります。若い世代が、結婚すること、子供を持つことについて希望しない、諦めるといった方も急速に増えてきており、こうした状況を変えていかなければならないと思います。
 公明党は、妊娠、出産から、子供が育ち巣立つまでをトータルで応援することが必要と、一昨年、子育て応援トータルプランを提案をし、政府の子供、子育て加速化プランにもこうした声を反映していただいたと評価をしているところであります。
 少子化対策として政府が決定した三・六兆円の子供、子育て加速化プランについて、どのように評価しているのか、末冨公述人からお話をお聞きしたいと思います。
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末冨芳#21
○末冨公述人 御質問、大変ありがとうございます。
 大変大きな質問でございますけれども、三・六兆円の加速化プランというものは、私のスライドで申し上げますと九ページに、こども未来戦略のマップとして、その概要が示されていると存じます。
 どのような評価をということですけれども、実は、こども金庫制度の創設と関わりまして、特に支援金については、やはり子育てのリスクに関わる部分に使うというのは大変評価されるところでございます。
 あわせまして、子育てを、実際、産んでみて一番心配なのは教育費でございます。その教育費についても、まず多子世帯からだけれども、こちらの方は、一般歳入や、将来的には恐らく歳出削減も含めて財源を確保していかれるという基本設計を示されているところも併せて重要かと思います。
 それとともに、まず産むか産まないかを迷うといったときに、育児休業給付ですとか働き方の柔軟さ、時短勤務等に対しても促進策を積極的に打っておられるところも大変評価されます。
 ただし、若者期の貧困については、なお一層の支援が必要です。特に先進諸外国では、働いていてもなお低所得の若者には若者手当等の給付がございます。若者自身に手取りをちゃんと確保していく、若者だって生存権がある、社会に参画していくんだということについては、まだ、今から私たちは検討していかなければならないだろうと思います。
 あわせまして、非正規雇用や個人事業主、自営業の方たちにとっては、正規社員ほどのまだメリットは感じられないのかなという仕組みにもなっておりますので、どのような働き方を選んでも、子育てはメリットだ、国が応援してくれる、安心で楽しいんだと思える、より確かな仕組みへの進歩もお願いいたしたく存じます。
 以上でございます。
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佐藤英道#22
○佐藤(英)委員 今お話にあった支援金制度について、もう少し掘り下げてお伺いをしたいと思います。
 熊谷公述人、末冨公述人にお話を伺ってまいりたいと思いますが、少子化対策は、場当たり的ではなく、将来にわたって施策が継続することが大事であり、安定財源の確保が極めて重要であると考えております。
 そんな中、三・六兆円の加速化プランの財源として、二・六兆円の歳出改革など、一兆円の支援金という仕組みが今議論されているところであります。
 歳出改革などにより社会保険料の負担も軽減させるわけでありますけれども、この支援金の制度の設計に当たっては、現役世帯の負担増という意見もありますが、子育て世帯にとっては確実に給付を充実させるものであります。先日も、政府から、子供一人当たり平均百四十六万円の支援の改善という説明があったところであります。
 支援金制度は、全ての世代、全ての経済主体が子育て世帯を支えるという新しい分かち合いの仕組みだと考えております。
 そこで、伺います。少子化対策として、支援金制度を含む財源確保の在り方についてどのように評価されていらっしゃるのか、熊谷公述人、末冨公述人にお伺いしたいと思います。
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熊谷亮丸#23
○熊谷公述人 御質問ありがとうございます。
 まず、加速化プラン全体の枠組みということで申し上げれば、既定の保険料の財源ですとか公費の財源を最大限活用しながら徹底した歳出改革に取り組むということでございまして、その意味では、赤字国債に頼って将来世代に安易に負担を先送りすることなく、歳出改革を基本とした姿勢で取り組んでいる、これをまず全体的には評価をさせていただいております。
 その上で、子供、子育て支援金でございますけれども、少子化対策は社会の参加者全員が受益を受ける取組であって、高齢者を含めた全ての世代、そして企業を含めた全ての経済主体を対象として、幅広く支え合うための支援金制度を導入するということは合理的である、こういう考え方でございます。
 その中で、一部で御議論のある、歳出改革によって分子の伸びを抑えて、そして賃上げによって分母を高めることで支援金の導入による社会保障負担率の上昇を抑えていく、こういう方向性でございますけれども、私自身は、これは合理的な考え方だと思っておりまして、実質的な負担が生じないということについてはマクロの社会保障負担率に関して検討していくべきであり、この方針は基本的に私は正しいと捉えています。
 もちろん、ミクロで見れば、施策の充実と支援金拠出の両面で様々な影響がありますので、それについては政府からも丁寧な説明が期待されるというところかと思います。
 加えて、今、私も入っております全世代型社会保障構築会議で、改革の工程表というものを作りました。これは極めてやはり重要で、社会保障分野についての歳出改革を不断に進めていくということが肝要であると思います。
 いずれにしても、全体としては、歳出改革によって保険料負担の軽減効果を生じさせて、その範囲の中で子供、子育てに対する支出の財源をいただくということは、私は総合的に見れば極めて正しい政策ではないかと考えております。
 ありがとうございました。
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末冨芳#24
○末冨公述人 御質問ありがとうございます。
 まず、支援金制度自体は、御指摘のように、全世代、そして事業者を含めて、受益を受ける人たちが幅広く子供、若者を支えていくんだという基本設計は大変すばらしいものかと思います。
 あわせまして、やはり、例えばですけれども、私もこの間、財源、いろいろな方とお話ししてまいりましたが、消費増税だと今言えば、世の中全体が大変意気消沈いたします。それぐらい国民の生活が厳しくなっている中で、ではどのように負担してもらうかというときに、子供を育てることはやはり大変なんだ、今までは家族で頑張りなさいということだったけれどもそうじゃない、この国のために、安心して楽しい子育てができるように、幸せな子育てができるように社会全体で応援するための財源をつくる、すなわち目的的な財源であるということが極めて重要かと思います。
 ただし、様々な御批判が私のところにも寄せられておりますし、ここから更に、御納得がいただける、ちゃんと結果を出していけるような、よりきめ細やかな制度設計も要ると思っています。
 特に、現役世代の方がより多く負担してしまうという御批判に対しては、その部分をどうやって全世代で支えるのか、なお精緻な議論が必要な状況にあるとは思っております。
 あわせまして、先ほど申し上げたとおり、令和八年度で大丈夫ですかということについても、しっかりと政府を挙げて精査の仕組みをおつくりいただき、この働き方の方たちは大丈夫だ、あるいは非正規の方たちも大丈夫だ、若しくは、なお賃上げしなければ実質手取り減になってしまうといったような、どの働き方、どのような暮らし方の若い世代に対しても中立公平であるという前提を何とか実現していただきたいなと思います。
 ともあれ、全ての受益者が子供、若者、子育てを支えていく、そのための財源ができるということについては、財政制度としても、大変意義深い歴史的な制度をつくられるというふうに考えております。
 以上です。
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佐藤英道#25
○佐藤(英)委員 今回の支援の拡充の中で、共働き、共育ての推進についても大きなテーマとなっておりますので、清水公述人、末冨公述人にお話を伺います。
 未婚女性の希望子供数が大きく減少しています。子育てと仕事が両立しづらい職場環境を変えて、女性の不安を払拭していかなければならないと思います。
 加速化プランでは、育休手当の拡充や育児時短給付の創設など、大きく支援が充実する内容となっており、柔軟な働き方も推進していくとされております。
 共働き、共育ての推進について、政府の取組をどのように評価しているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
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清水秀行#26
○清水公述人 御質問ありがとうございます。
 子育てに関わって、働き方の改革というのは、この間、相当議論をされてきております。そして、今回は、予算にもありますように、休業した者に対して、そこについての補助をしていく、そういったことについても議論されている。そういったいわゆる現物の支給の部分、こういったところについては十分な議論がされていますけれども、その検証をするシステム、これを大事にすることが必要ではないかなと思っています。
 やはり、現役世代の人、そして子育てをする世代の人、それから、これから子育てを考えている若い大学生、私も大学で授業をさせていただくことがありますが、その中で、社会保障のお金がどのように使われて、どのように今後それが私たちの負担になるのか、そういったことをしっかりと見せていただきたい、将来の、先の見える子育ての全体化を見たいというふうなことがございます。
 今回の予算、様々な措置がされておりますが、是非それが展開できる、そして、本人だけではなくて、子育てを支える社会の担い手である、例えば保育所であるとか幼稚園であるとか、そういったところで働く、子供を預かって育てる、そこのところの人たちへの手当の改善など、そういったことも全般的に行っていただきたいということが、私は子育てにとって大事になっていくのではないかと思っております。
 以上でございます。
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末冨芳#27
○末冨公述人 御質問ありがとうございます。
 共働き、共育ても進めましょうというのは大変いいことなんですけれども、実は女性の産後というのは大変厳しいものがございまして、大体全治六か月ぐらいの交通事故に相当するというような状態でございます。無理に働かない、体を休めるということが、実は、産後うつの防止であったり、あるいは、その後の第二子、第三子を望まれる場合の女性自身の健康にとっても大変大事なんですね。
 だからこそ、男性の育休をいかに支えるかということも大事ですし、そのためには、先ほど保育士さん等の専門職の待遇改善のお話もありましたが、特に中小企業さんは、人が一人休むというのは大変なダメージを負われます。だからこそ、支える人たちも支える仕組みというものも連帯の中でつくっていただくことが重要かと思っております。
 以上になります。
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佐藤英道#28
○佐藤(英)委員 じゃ、最後にもう一点、末冨教授に伺います。
 二〇三〇年に向け、教育の無償化を始め、更に少子化対策を充実していくべきと考えますけれども、最後に御意見を伺いたいと思います。
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末冨芳#29
○末冨公述人 二〇三〇年が少子化反転のラストチャンスだということをしっかりと強調いただいているということは、本当に総理を始め岸田政権の閣僚の皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 そのためには、先ほど来申し上げておりますが、まず子供たちの人生のことにしっかりと向き合っていただきたいと思います。特に、法制上働けないゼロから十五歳の子供たちは、年少扶養控除がないまま、ここに来ています。ほかのどの世代にも扶養控除があるにもかかわらずです。
 あわせまして、先ほど申し上げましたが、高校生の扶養控除も今は絶対に縮小しては駄目だということにもしっかり向き合っていただきたいです。
 その上で、現金給付、児童手当等との整理はしっかりいただきたいというのは先ほどお願い申し上げましたが、少子化を反転するためには、やはり子育てに安心を生む、特に保育、教育の現物給付の質の問題については、ここまで国会論戦でも中核的な議論にはなっておりません。質のための投資、とりわけ保育や教育を支える人や体制への投資というものについても是非お願いいたしたく存じます。それが安心で幸せな子育てを支える非常に大きな柱となってくると存じます。
 以上です。
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