外務委員会

1989-11-10 衆議院 全261発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成元年十一月十日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 相沢 英之君
   理事 大石 正光君 理事 柿澤 弘治君
   理事 北川 石松君 理事 中村正三郎君
   理事 浜田卓二郎君 理事 河上 民雄君
   理事 神崎 武法君 理事 林  保夫君
      糸山英太郎君    椎名 素夫君
      中村喜四郎君    浜野  剛君
      深谷 隆司君    石橋 政嗣君
      高沢 寅男君    渡部 一郎君
      松本 善明君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 中山 太郎君
 出席政府委員
        外務大臣官房領
        事移住部長   久米 邦貞君
        外務省アジア局
        長       谷野作太郎君
        外務省北米局長 有馬 龍夫君
        外務省欧亜局長 都甲 岳洋君
        外務省経済局次
        長       内田 勝久君
        外務省経済協力
        局長      松浦晃一郎君
        外務省条約局長 福田  博君
        外務省国際連合
        局長      遠藤  實君
        外務省情報調査
        局長      山下新太郎君
 委員外の出席者
        防衛庁防衛局運
        用課長     守屋 武昌君
        防衛庁防衛局調
        査第二課長   嶋口 武彦君
        環境庁長官官房
        国際課長    加藤 三郎君
        外務大臣官房審
        議官      高橋 雅二君
        外務委員会調査
        室長      藪  忠綱君
    ─────────────
十一月九日
 国際開発協力基本法案(第百十四回国会衆法第九号)の提出者「川崎寛治君外十五名」は「川崎寛治君外十四名」に訂正された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 国際情勢に関する件
     ────◇─────
この発言だけを見る →
相沢英之#1
○相沢委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大石正光君。
この発言だけを見る →
大石正光#2
○大石(正)委員 きょう大臣が十分ほどおくれてまいるようでございますので、その前に、つい数日前まで行われました地球環境会議に関して、ちょっと御質問させていただきたいと思います。
 先日開催されました地球環境会議で、実は大会宣言が発表をされたわけでありますが、そこの中において、二酸化炭素の削減を二〇〇〇年までにするというお話であります。特に先進国と発展途上国とのそれぞれの問題が二つあるわけでありますが、まずもって、その中でアジアにおける日本の立場として、この地球環境会議の二酸化炭素の削減ということに関しまして、日本がどのような役割を果たしたらいいかということを、まずアジア局長にお話を聞きたいと思います。
この発言だけを見る →
遠藤實#3
○遠藤(實)政府委員 アジア局長の答弁の前に、実は今回の会議におきまして討議された内容と、それから基本的なCO2の排出の問題について、ちょっと簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
 二酸化炭素は、御案内のように、地球温暖化の非常に大きな原因というふうにされておりまして、したがいまして、先般のハーグにおきます会議におきまして、各国が安定化する必要性というのを認識いたしまして、それで今後、気候変動に関するパネルがございますが、そこで検討されるレベルにできるだけ早期に安定させることが必要だということに合意をいたしたわけであります。この二酸化炭素の問題につきましては、さらに森林が二酸化炭素を吸収する役割を当然果たしているわけでございまして、この森林の減少を食いとめる、むしろ食いとめるのみならず、純増を目指すというふうな目標が示されたわけであります。そういった観点から、さらに途上国に対する資金的援助の具体的なあり方についても検討が要請されているということでございます。
 特に、アジア諸国につきましては、今後炭酸ガスの排出について、途上国の場合におきましてはなかなか先進国と同様にいかない面もございますけれども、やはり技術移転その他を通じて協力していくということも必要でございますし、さらに森林の減少についてもいろいろと協力する必要があるというのが一般論でございます。
 特にアジア地域につきましては、改めてアジア局長なり経協局長から答弁があると思います。
この発言だけを見る →
大石正光#4
○大石(正)委員 国連局長からいろいろお話をいただいたわけでありますが、日本が環境公害で随分いろいろと努力をし、日本の産業の寄与のために努力をして今日まできたわけでありますが、今回の環境会議の中で、外国の記者から批判的な質問がかなりあるわけであります。日本がかつていろいろな面で、二酸化炭素、硫黄酸化物のいろいろな除去の問題で公害設備をして、環境庁が非常に厳しい規制をして今日の日本があったと思うわけでありますが、今日日本が世界に貢献する役割の中で、そういう問題をもっと積極的に取り入れていかなければならないと私は思うわけであります。
 今回のこの会議に際しまして、環境庁長官がお見えになっていろいろと発言をされたわけでありますが、この会議の要点だけを、環境庁でどのようにこれから考え、これから前向きで国際的に貢献をしていかれるのか、その辺をひとつ御質問をしたいと思います。
この発言だけを見る →
加藤三郎#5
○加藤説明員 今回の会議につきましては、環境庁といたしまして、人類の将来にとって重大な脅威となる温暖化問題に立ち向かうためには、環境政策を担当する閣僚が、先進国とかあるいは途上国の別なく、また国の体質の違いを超えて多数参加しまして、政治レベルで具体的にコミットすることが重要という観点から、私どもといたしましては、環境庁長官を代表といたしまして積極的に対応してまいったわけでございます。
 今回の成果の主なところを幾つか申し上げますと、今先生が触れられましたCO2などの温室効果ガスの排出を安定化することの必要性を世界で初めて認識したという点、しかもそれは、一方で世界経済の安定的発展を図りつつというそういう文脈の中で、今申し上げましたCO2などの排出の安定化というものを認めたことは非常に重要なことだというふうに考えております。
 それから、私ども先進工業国といたしましては、このIPCC、政府間で設けられておりますパネル、それからさらに、その後に引き続きます第二回の世界気候会議で検討されますその安定の水準、目標水準を決めるわけでございますが、その水準に可能な限り早く達成すべきことも合意したということも非常に重要なことだというふうに考えておるわけであります。
 それからさらに、この会議では、熱帯林等の森林の減少に歯どめをかける、そしてその熱帯林等の森林資源の増減をバランスさせ、さらに二十一世紀の初めからできるだけ年間千二百万へクタールという割合で増加させるという暫定目標を示しまして、その実現可能性をさらに検討することになったといったようなこと、非常に重要な成果が得られたというふうに思っております。
 私どもといたしましては、今先生おっしゃられました、かつての公害対策におきます経験、そういったものを十分に生かしまして、政府部内では関係する省庁と十分に協力をしながら、今回の宣言に盛られた趣旨を最大限に活用しますように努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
この発言だけを見る →
大石正光#6
○大石(正)委員 今お話しのような形でぜひとも環境庁のかつての経験を生かして国際協力をしていただきたいと思うわけでありますが、この環境会議の中で、それぞれ先進国の中で二つに大きく分かれたような気がいたします。例えば日本とかソ連、アメリカ、イギリスとか非常に積極的に工業が進化しているところと、先進国でありながら工業というものがある程度積極的に進んでない地域と、大きく分かれるわけでありますが、特に発展途上国に関しましては大変大きな問題になっていると思います。いろいろとJICAを初め各国で、アジア各国の中でも盛んにその会議をしながら、地球の環境整備、特に日本の場合は熱帯雨林とか熱帯の材木とかアジアの中でさまざまな批判があるわけでありますが、やはりアジアの中での日本の役割は大変重要になってくると思います。
 特に、ヨーロッパで問題になっております酸性雨、硫黄酸化物や大気汚染に関しての酸性雨が日本でもかなり強くなってきているわけでありまして、その影響力の一番の大きいもとは、やはり中国だと思うわけであります。中国は石炭や石油を使った化石燃料を中心にいろいろと工業化を進めておるわけでありますが、中国もかなりその点を意識いたしまして、できる限り早い時期に大気汚染等を含めた公害を少しずつ除去する方向で考えているようでありますが、ぜひ日本の外務省においても、この点を支援しながら、日本がこれから公害のさまざまな問題を、経験を生かしながら中国に技術援助や資金援助をする形で、大気汚染に対してともに二国間の協力をしてもらうことがぜひとも必要じゃないかと思うわけであります。どうかその点、ぜひ前向きで実行していただきたいと思いまして、その点を外務省としてはどのように考えているか、ひとつお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
松浦晃一郎#7
○松浦政府委員 先生御指摘の中国との関係を具体的にお話しさせていただきます前に、先ほど国連局長から一般的な話がございましたけれども、援助を担当しております私からアジア諸国との関係に焦点を絞って具体的にどういうふうに対応を考えているかということを申し上げたいと思います。
 私ども大げさに言えば車の両輪で考えてまいりたい。一つは、アルシュ・サミットの際に日本が表明いたしました基本方針でございますけれども、今後三年間で三千億円程度の環境を改善していく援助を行っていくということで、積極的に環境をよくする援助を車の一つの輪とし、それからもう一つの柱は、従来から行ってきております援助を進めるに当たって、特にインフラ関係の援助についてでございますが、少しでも環境を悪くすることのないようにしっかり対応する、そういう見地から、先般も円借款を担当いたします海外経済協力基金でガイドラインを作成いたしまして公表した次第でございます。こういう二本柱で対応してまいりたいと思っております。
 中国に関しましても同様でございまして、先生御指摘の大気汚染に関しましても、水対策、騒音対策等も含めまして、北京にいわば中国の環境問題に対します頭脳ともなるべき環境保全センターを設置するということで、竹下総理が昨年夏、中国を訪問されました際に合意をしておられるわけでございます。その後の出来事によって若干作業が中断をしておりますけれども、基本的には私どもは、中国に対しましても環境関係の援助、これは今申し上げました三千億円の中になりますけれども、積極的に考えていきたい。それから通常の援助におきましても、大気汚染等にも十分配慮した、そういうことのないような援助をしていきたい、こういうふうに考えております。
 具体的な、先生御指摘の酸性雨に関しましては、私が承知しておりますのは、酸性雨の原因に関しては、さらに究明する点が必要だということになっておりますが、隣国、特に韓国、中国とは、この問題について既に話を始めておりまして、例えば韓国に関しましては、日韓科学技術協力協定のもとで酸性雨の調査研究協力を進めるべく情報交換をやっていると承知しておりますし、中国との関係におきましても、今私が申し上げました援助の点も踏まえつつ、日中環境会議においてこういう問題が議論され出したと承知しております。
この発言だけを見る →
大石正光#8
○大石(正)委員 日中間においても日韓間におきましても、この大気汚染の問題を含めて、ぜひとも今後とも大いに努力していただきたいと思うわけであります。
 大臣がお見えになりましたので、中国との問題をお聞きをしたいと思います。
 実は、ブッシュ大統領が一周年に当たる七日にホワイトハウスで、米中間の関係について、さきのニクソンの訪中は米中関係の今後に大きく貢献するものだ、天安門事件は障害になったが、地政学から見ても、米国は中国との関係の再正常化に努めなければならないという発言をされておるわけでありますが、大臣は、アメリカの対中国政策の中で、日本がどのように米中の間で仲介をされていかれるのか、ちょっとお考えをお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
中山太郎#9
○中山国務大臣 日本と中国との関係は、アメリカ、ヨーロッパと基本的に大変異なっておる。しかし基本は、我々は一衣帯水の地域にあって、歴史的にも文化的にもあるいは通商上も過去長い歴史の上での深い関係がございます。そういう意味で、中国の近代化、改革・開放路線に日本政府としては引き続き協力をしていきたいという考え方が基本にございますが、アメリカの対中政策というものも、今のところ大変厳しい姿勢をとり続けているという中で、日本は災害援助とか文化の交流とかという面につきましては、今引き続き前向きの姿勢で対処しておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
大石正光#10
○大石(正)委員 この間の天安門事件で、さきの宇野総理大臣や三塚外務大臣が、アジアにおける日本の位置づけや、そしてまた人道的には賛同するけれども、日本は経済的、地勢的に見て中国への制裁はしない、アメリカやヨーロッパに対してもそういうことをしないようにという発言をしていただきましたことは大変すばらしいと思うわけであります。
 ここ一両日キッシンジャー元長官が訪中しております。ニクソンが訪中するときもキッシンジャーが訪中するときも、本来ならば十月に入る予定で、その当時既に組んでいたはずであります。ところがどちらも日にちがかなりおくれました。またもう一つは、非常に不思議なことでありますが、ニクソン元大統領が訪中したときは天安門事件での人民解放軍が広場からいなくなり武装警官にかわりました。今回キッシンジャーが行ったときには鄧小平さんが中央軍事委員会の主席をやめる。とにかくアメリカに対して意図的にやったような感じがするわけであります。アメリカも対中政策を大いに考え直さなければならないと同時に、中国もアメリカの立場をよくわかって、アメリカに対して反省を促しているような気がしてならないわけであります。
 私は、アジアの中の日本がいかに中国とともに助け合いながら世界平和に貢献する必要性があるかということはもちろんわかっているわけでありまして、これから対中政策の中でもっともっと日本独自の考え方を推し進めながら、ぜひとも協力を進めていく必要があると思うわけでありますが、その点をどのようにお考えでございますか。
この発言だけを見る →
中山太郎#11
○中山国務大臣 日本政府としては、天安門事件以来どのようなことが日中間に起こったかといいますと、先般伊東正義代議士を団長とする超党派の使節団が訪中されまして、そして今まで外国からの来訪者には会っておられなかった鄧小平氏を初め中国の当時の指導者たちが皆さん会われて、虚心坦懐に日本の訪中団といろいろお話し合いをされたということは、それだけ大きな意味を持っているというふうに私どもは理解をいたしております。
 また、この使節団の先生方には大変御苦労をいただきましたけれども、西側の中の日本が、政府ではなしに、与党も含めた超党派の議員団が訪問し、中国首脳と会われて虚心坦懐な話し合いが行われたということを私ども日本政府としては大変高い評価をいたしております。
この発言だけを見る →
大石正光#12
○大石(正)委員 そのようなお話でありますが、実は参議院選挙のときに天安門事件で与野党ともいろいろと発言をされました。今回伊東先生が行かれたのは、私はそのようには感じておりません。あの参議院選挙の一つの釈明に行かれたと私は率直に言って思っております。中国もそのように考えていると私は解釈をしているわけであります。
 アメリカと中国は非常に友好関係にありますけれども、日本はかつて中国にいろいろと御迷惑をかけたということもあり、アメリカと中国の立場と日本と中国の立場はやはり微妙に違ってくると思います。そういう意味では、中国に対して、資金援助の面でも、ただ表面的な道路や鉄道やダム、そういう施設をつくるのではなく、西ドイツやアメリカがやっているように、人材教育やもっと積極的に内部に入った資金援助並びに技術援助、教育面の援助をやらなければ、日本に対して中国国民が感謝をする気持ちにはならないと私は思うわけであります。
 今公害施設の研究所をつくられるようでありますが、日本は、フィリピンでもそうでありますが、報道でいろいろ御指摘あるように、施設はつくるけれども、ただつくっておしまいであって、その後の運営とか、そういうものに対しては監督もしないし管理もしない、ただ人を派遣して終わるわけであります。特に、中国における医療の研究所や中国の病院に対しましても、医者は派遣するけれども、レントゲン技師や看護婦やさまざまなそういう面での補充が全然されていない。ですから実質は動かないと同じであります。アメリカがいろいろな資金援助なんかしているときに、必ず後々まできちっと管理をして運営しているように、ODAという資金援助なり無償、有償の援助をするならば、最後まできちっと面倒を見ながら、人材教育をしながら育てていくという、そういう一つの方法をやらない限り、いつまでも日本は世界の金持ちで、ただ金をもらえばいいという国で終わってしまうと私は思うわけであります。ですから、これからのODAの資金援助の中での基本的なことは、私は、そういう面を含めた長期的な資金というものを考えながら、ただ数をいっぱいやればいいというのではなくて、そういうものを考えて、これからの援助方法を絶対考えなければならない。そのためには、毎年予算で大分御苦労されておるわけでありますが、そういう面での人材の確保というものをもっと積極的に進める、私はそのことをぜひ大臣にお願いをしたいと思うわけでございます。
この発言だけを見る →
中山太郎#13
○中山国務大臣 今先生御指摘のように、相手国の人づくりあるいは教育に対する協力というものは、ODAを実施する上で不可欠の案件であろうということは私も十分承知をいたしておりまして、さきのアジア・太平洋の経済閣僚会議におきましても、日本政府の立場としては、アジア・太平洋地域における人づくり、これに対して日本は協力をするということを申しておりました。御趣旨を十分踏まえて政府としてはこれから対応してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
大石正光#14
○大石(正)委員 ちょうどきのう鄧小平さんが中央軍事委員会主席からおりられまして江沢民さんがなりました。前にいろいろと流れの中で趙紫陽さんが要するに副委員長になられてやられたわけでありますが、なかなか中国の軍としてはそれを受け入れにくかったわけであります。今回、鄧小平さんがおりられて江沢民さんを中央軍事委員会の主席にされるわけでありますが、それは中国のやり方でありますから、私ども何もそのことに関して発言する必要はないわけでありますが、ただ、このような形によってどんどん時代が若返ってまいります。江沢民氏がどのような形で鄧小平氏から受け継いで、軍事を監督し、そして中国国民を指導するかということは、これからの中国の考えでありますが、あの天安門事件の後、私も中国に参りまして、北京大学の学生や教授とも話をいたしました。しかし、あの開放の中でのやり方、それぞれ学生運動は基本的には学生も了解し、中国政府も了解をしております。ただ、やり方がまずかったということでありまして、中国の学生や教授はもっと地道に長期的に中国の内部改革をしたい、そのことを大前提に考えているわけでありますが、その大きな流れの中で今中国はどんどん若返りをしております。そしてまた軍事委員会も若返りをするわけでありますが、これから先、日中間において今まで長期的に田中先生や大平先生の時代に日中の正常化を図られてから、日本は中国に対して積極的な若い方々へのアプローチが非常に少ない。古い友人にばかり積極的に行くだけであって、今新しいそれぞれの各大臣やそれぞれの先生方にはだれ一人として行かないのです。私は、なぜ農林省や環境庁も含めて、通産省も含めて、各省が積極的に中国の各部と交流をし、事務次官の交流を重ねることをしないのか。私は何回となく通産省や農林省の事務次官にお話をしました。行きたいという話はするけれども、何となく行きにくくなっているのか行こうとしない。私は要するに、トップレベルの会談よりも事務サイドのレベルの会談、交流をもっと重ねた上で密接に結ばれなければ、ますます日中間が必要なときに表面だけで終わってしまって、だれ一人として将来お互いに助け合っていくのがなくなって、何か日本だけ残されたような感じの、かつてニクソンが日本を飛び越えて正常化を米中でしたように、私はそのようなことが非常に起きる気がしてならないわけであります。ぜひともその点を大臣にこれから御指導をいただいて、その面を含めて積極的に日中間に対してのもっと奥深い行政を、交流をひとつしていただきたいと心からお願いを申し上げます。
 時間が余りありませんので、最後の御質問をさせていただきますが、実は今いろいろと騒がれております外国人留学生の問題があります。特にこの間のベトナムや中国の難民という形の問題があったわけでありますが、今この中ではいろいろ技術者や単純労働者、不法就労者と三つに分かれての外国人労働者の受け入れがあるわけでありますが、今入管法の中でいろいろやっている中で改正をしているわけでありますが、不法就労者が約十万人ほどいるわけでありまして、その方々が結局は何もしないまま非常にわけのわからないようなベールに包まれた形で問題が出ているわけであります。いろいろ入管法の改正をしているようでありますが、私はもっとこれを幅広く受け入れるべきであると思いますが、大臣はどのようにお考えでございますか。
この発言だけを見る →
中山太郎#15
○中山国務大臣 今先生の御指摘のように、今の日本の国内におけるいわゆる不法就労している外国人、約十万人と推定をされております。この不法就労者がなぜ日本にこれだけいるのかということは、結局観光ビザとかあるいは留学生というようなタイトルで入国された方々が日本における高賃金のいわゆる建設現場とかいろいろなところで働いておられる。この問題をきちっと国家として整理をしていかなければ、問題は何十年かの後に日本の国家にとって大きな問題になっていくことは間違いがないと外交を預かる者としては考えております。
 御案内のように、今の日本は大変な経済成長をいたしておりまして、きついあるいは汚い、危険、このような作業現場にはこのごろの日本の働く方々がなかなか行きたがらない。もっと高い賃金でいい安全な場所がある、しかもきれいな場所がある、こういうことでございまして、そこらにこの労働者のニーズというものが現存していることは否めない事実だろうと思います。それだけに結局労働賃金が高い。そこへ観光ビザとかいろいろなビザで入ってこられた外国人が働いておられる。その実数が政府でどれだけ把握できるか。これは極めて重要な国家の問題でございまして、しかもこの労働自身の構造といいますか、このまま放置いたしますと、いわゆるきつい、汚い、危険な労働現場に外国人の労働者が集中してくるということになりまして、労働構造、労働人口の構造上の一つの変化が日本の国内に定着してくる可能性が極めて大であろうと考えております。
 こういうことでありまして、これが何十年かたった後の日本における労働市場で一体どういう影響を与えてくるか、そういうことを考えておりますと、やはりここできちっといわゆる日本の入国に関する、研修を目的とした外国人の受け入れ、これの制度を明確にしなければならない。そして研修が終わったら、相手国との協定によって、例えば二年あるいは三年間で期限が切れた場合にはお帰りをいただくということも必要になってまいりましょう。また、いわゆる現在のような不法労働の場合には、労災事故が起こった場合の補償というものは一体どうなっていくのか。そこいらが一つの大きな日本の国内の現在まで社会保障に包まれた、発展途上国から見れば本当に夢のような社会保障制度を日本自身が今つくっておるわけでありますから、そういう社会保障体制が発展途上国と比べると比較にならないほど完備した日本で、入ってきた、時限を切った外国人の労働に対する補償問題あるいは保険問題、これをどのように扱っていくかということは、単に外務省だけの問題ではございませんで、労働省も厚生省もすべて、法務省ももちろん関係省庁が協議をし、さらに国家としてどのような考え方でこれからこの発展途上国からの研修者あるいは労働者というものに対処をするかという基本的な政策を早急に確立しなければならないというふうに理解をいたしております。
この発言だけを見る →
大石正光#16
○大石(正)委員 時間がほとんどありませんので、確かに大臣の言われたような方向で進めていただきたいと思うわけであります。
 実は、この間テレビでちょっと対談をしましたときに、千人からの電話がありまして、外国人労働者を認めるか認めないかという千人のアンケートの中で、約六割が反対だということであります。今若い人が三キと言われる汚い、危険、きついとかいうようなさまざまな仕事をやらないわけでありますが、私が今質問しました三つの問題は、日本が国際社会の中でこれから積極的に貢献をしていく中で、日本国内の世論というものがいかに大切であり、国際社会の世論とどれだけかけ離れているかということを考える共通の点であります。
 これから、ひとつ外国人労働者を含めて、ぜひとも日本の世論、日本の国民の考え方をもっと積極的にオープンにさせ、もっと国際社会人の責任を持たせるように各省ごとに努力しながら世論形成に努めていかなければ、幾ら政府が推し進めて、正しい正しくないと言われても、結局は形だけに終わってしまうと思います。どうかひとつ今後とも、今御努力されております大臣のお考えのとおりに、国際世論の中での責任を十分国民に理解されるような努力をぜひともしていただければ、私は今の外国人労働者を含めた諸問題も解決の方向に向かうと思うわけでありまして、その点をひとつお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →
相沢英之#17
○相沢委員長 柿澤弘治君。
この発言だけを見る →
柿澤弘治#18
○柿澤委員 きょうは中山大臣に、日本を取り巻く諸情勢、その中で今大石委員からもありましたけれども、日本の果たす責任、グローバルパートナーシップという問題についてもお聞きをしていきたいと思います。
 今大石委員からも言及がありましたが、きのうの鄧小平さんの交代、これは外務大臣としてはいい方向だと思っておられますか。
この発言だけを見る →
中山太郎#19
○中山国務大臣 今先生お尋ねの新しい中国の軍事委員会の人事の異動、そういうものにつきまして、私どもは、中国の近代化路線というものは既に定着をいたしておりますし、改革・開放路線も引き続きその線上で進んでいくものだというふうに認識をいたしております。
この発言だけを見る →
柿澤弘治#20
○柿澤委員 そうすると、これからの対中新規援助等についても前向きで取り組む一つのきっかけになり得るとお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
中山太郎#21
○中山国務大臣 まだ新しい中国の政府首脳あるいは党の幹部の具体的な政策の発表というものが行われておりません。しかし、外務省といたしましては、これからの中国政府の政策がどのように前へ向いていくのか、そこいらをしかと見定めた上でこれからの政策を決定してまいりたい、このように考えております。
この発言だけを見る →
柿澤弘治#22
○柿澤委員 江沢民さんが新しい責任を引き受けたという段階で、今まで以上に積極的に働きかけていく一つのチャンスだと思いますが、どうでしょうか。
この発言だけを見る →
中山太郎#23
○中山国務大臣 今江沢民氏が新しく指導者としての地位につかれたということは、一つの極めて大きな中国の十年間にわたる鄧小平氏の指導体制がかわったということでございますが、日本政府、外務省といたしましては、文化交流の面で、日中文化交流のために既に文化交流部長を団長とする団を中国に派遣いたすことを昨日決定いたしました。
この発言だけを見る →
柿澤弘治#24
○柿澤委員 こういう一つのきっかけをつかんで、日本の外交も対中政策についてウエート・アンド・シーでなくて、ある意味では交流を深める方向で考えていくということも必要ではないかと思いますし、それと同時に、アメリカを初めとする西欧諸国が望む中国のより一層の開放、より一層の民主化の定着、そういうものについても日本が積極的に発言していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
中山太郎#25
○中山国務大臣 先生御意見のとおりでございまして、私どもとしては、西側諸国と緊密に連絡、意見の交換をしながら、今後の対中国政策に取り組んでまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
柿澤弘治#26
○柿澤委員 日米問題でございますが、実はけさもヒルズ・アメリカ通商代表と朝食をともにしてまいりました。そこでヒルズ通商代表は、今回の第二回の構造協議、SIIの進展についても自分は非常に不満足であるということをはっきりおっしゃっておられました。このままいくと、来年の春までに具体的な成果が得られるかどうか心配である、その場合には議会の対日批判というものが強まって抜き差しならないところへ来ることを非常に恐れる、こういうことをおっしゃっておられました。私ども日本側も、このSIIが何とかスーパー三〇一条の発動とか日米の貿易戦争の激化を避けるために成功してほしいと考えておりますし、自由民主党の中にも経済調整に関する特別調査会をつくって、その点について政府、各省庁とも連携をとりながら、政治的なイニシアチブをとるべきものについてはとっていくということで努力をしていきたいと思っているわけですが、どうも一回、二回の日米の話し合いを聞いていますと、やはりこれは四つ相撲をとっているというよりも、何かまだ離れて突っ張り合っている、しかも各省が自分のところは悪くないという形でいろいろ主張を展開しているように思えて仕方がないのですが、外務大臣として日本のこの対応の仕方をいかがお感じでしょうか。
この発言だけを見る →
中山太郎#27
○中山国務大臣 外務大臣といたしましては、この日米間の構造調整会議を含め一連の日米間の外交案件が極めて重要な段階に差しかかりつつあるという認識を持っております。
 先般来の予算委員会でも申し上げておりますけれども、やはり世界じゅうで、また西側陣営にとっても日本にとって一番大切な国は一体どこの国かということを国民がしっかり認識をして、これから日本の外交に御理解をいただかないと、日本の外交というものがなかなかうまく広がっていかない。そういう意味では、アメリカ合衆国というものは安全保障条約の日本との締結国でございますから、日本にとっては一番大切な国家でございますが、経済上ではこの日本の方が一方的に貿易の膨大な黒字を計上して、そのためにアメリカの議会が大変硬化をしているというのも事実でございます。しかも、先生今御指摘のように、明春にかけて日米関係は極めて厳しい状況に入る可能性がある。
 そういう中で、日本の外交を預かる者としてどういうふうにこれから考えていかなければならないかというのは、私は率直に申し上げまして、いろいろな日米間の懸案を先送りするのではなくて、的確に、個別な問題はできるだけ早く日米間で合意がとれるように結論を出すことが外交上極めて必要であろうというふうな認識に立っております。そうして私ども、日米間が今日まで維持してきた、あるいは国会議員同士の会合、政府間の話し合い、そういうものの中で醸成されてきたこの不動の信頼関係が一歩たりとも崩れないような形を堅持するということが日本の安全と繁栄のためにもう絶対不可欠な条件であるという認識を持っております。
この発言だけを見る →
柿澤弘治#28
○柿澤委員 中山大臣のお考えを伺って私も大変意を強くしておりますが、先般の参議院選挙のときにも、農産物の自由化に対する農民の懸念が自民党に対して大変厳しい結果をもたらしたと思うのです。そういう意味で言うと、最近そうした農業問題だけでなく、例えば流通問題の改善とかいろいろな問題について問題が起こるたびに、アメリカにそんなに譲歩をする必要があるか、むしろ言うべきことをきちっと言うべきではないか。「NOと言える日本」という本も出て大変話題になっているようですが、もちろん言わなければならない点についてはっきり日本側の主張を言うことも大事です。それからアメリカ側に求めるべきことを求めることも大事です。しかし議論をしている段階からもう行動すべき段階に来ている。そういう意味では、日本側が一方的に行動する必要もあるのではないか。そうでないと、日米間に大きな火種をつくってしまうということを私は心配いたしております。そういう意味で、必要な段階になりましたら、外務省または外務大臣がぜひリーダーシップをとっていただいて、これは各省の問題ではなくてまさに外交問題でございますから、日米間の火種をおこすようなことのないようにひとつ努力をしていただきたい。またそういう意味で総理大臣もリーダーシップをとっていただきたい。そういうふうに外務大臣からもアドバイスをしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
この発言だけを見る →
中山太郎#29
○中山国務大臣 先生の御指摘になりました点は、我が国にとりましても極めて大事な問題でございます。
 私は、三日前でございますか、先般のアジア・太平洋閣僚会議に出席されたベーカー国務長官とも会談をいたしまして、日米間の信頼関係というものを堅持するということ、お互いが信頼し合って物事を処理していくことが原点であるということもお互い認識をし合っております。ベーカー長官との間ではいろいろな日本の外交問題も話をいたしておりますが、先送りをしてはならない。今先生御指摘のように、各省がそれぞれこの協議に参加しておりますけれども、日本の縦割り機構の原因から問題を解決せなければならないのを先送りしてはならない。これが一番大事だと思います。そして問題の重要性を国民の皆様方にもよく認識をしていただく。政府が国民と一緒になって、御理解をいただいた上でアメリカとの外交問題の火種を消していくという努力をせなければならない。そういう意味では、自由民主党の特別の調査会ができまして、党を挙げてこの問題にも御協力をいただくことに政府としては深い敬意を払っておる次第でございます。
この発言だけを見る →
← 戻る