大蔵委員会
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会
会議録情報#0
平成五年二月二十六日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 藤井 裕久君
理事 井奥 貞雄君 理事 石原 伸晃君
理事 田中 秀征君 理事 前田 正君
理事 柳本 卓治君 理事 仙谷 由人君
理事 渡辺 嘉藏君 理事 日笠 勝之君
浅野 勝人君 岩村卯一郎君
江口 一雄君 衛藤征士郎君
大島 理森君 河村 建夫君
小林 興起君 左藤 恵君
戸塚 進也君 福田 康夫君
光武 顕君 村井 仁君
山下 元利君 渡辺 秀央君
伊藤 茂君 池田 元久君
小野 信一君 佐藤 恒晴君
沢田 広君 戸田 菊雄君
中村 正男君 早川 勝君
細谷 治通君 井上 義久君
河上 覃雄君 正森 成二君
中井 洽君
出席政府委員
大蔵政務次官 村上誠一郎君
大蔵大臣官房審 田波 耕治君
議官
委員外の出席者
参 考 人 大田 弘子君
(経済評論家)
参 考 人
(日本労働組合 中川 宏一君
総連合会社会政
策局長)
参 考 人
(税制調査会会 加藤 寛君
長)
大蔵委員会調査 中川 浩扶君
室長
—————————————
委員の異動
二月二十四日
辞任 補欠選任
浅野 勝人君 唐沢俊二郎君
岩村卯一郎君 臼井日出男君
江口 一雄君 越智 通雄君
衛藤征士郎君 倉成 正君
遠藤 武彦君 中山 太郎君
大島 理森君 浜田 幸一君
中井 洽君 永末 英一君
同日
辞任 補欠選任
臼井日出男君 岩村卯一郎君
越智 通雄君 江口 一雄君
唐沢俊二郎君 浅野 勝人君
倉成 正君 衛藤征士郎君
中山 太郎君 遠藤 武彦君
浜田 幸一君 大島 理森君
永末 英一君 中井 洽君
—————————————
本日の会議に付した案件
租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第四号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 藤井 裕久君
理事 井奥 貞雄君 理事 石原 伸晃君
理事 田中 秀征君 理事 前田 正君
理事 柳本 卓治君 理事 仙谷 由人君
理事 渡辺 嘉藏君 理事 日笠 勝之君
浅野 勝人君 岩村卯一郎君
江口 一雄君 衛藤征士郎君
大島 理森君 河村 建夫君
小林 興起君 左藤 恵君
戸塚 進也君 福田 康夫君
光武 顕君 村井 仁君
山下 元利君 渡辺 秀央君
伊藤 茂君 池田 元久君
小野 信一君 佐藤 恒晴君
沢田 広君 戸田 菊雄君
中村 正男君 早川 勝君
細谷 治通君 井上 義久君
河上 覃雄君 正森 成二君
中井 洽君
出席政府委員
大蔵政務次官 村上誠一郎君
大蔵大臣官房審 田波 耕治君
議官
委員外の出席者
参 考 人 大田 弘子君
(経済評論家)
参 考 人
(日本労働組合 中川 宏一君
総連合会社会政
策局長)
参 考 人
(税制調査会会 加藤 寛君
長)
大蔵委員会調査 中川 浩扶君
室長
—————————————
委員の異動
二月二十四日
辞任 補欠選任
浅野 勝人君 唐沢俊二郎君
岩村卯一郎君 臼井日出男君
江口 一雄君 越智 通雄君
衛藤征士郎君 倉成 正君
遠藤 武彦君 中山 太郎君
大島 理森君 浜田 幸一君
中井 洽君 永末 英一君
同日
辞任 補欠選任
臼井日出男君 岩村卯一郎君
越智 通雄君 江口 一雄君
唐沢俊二郎君 浅野 勝人君
倉成 正君 衛藤征士郎君
中山 太郎君 遠藤 武彦君
浜田 幸一君 大島 理森君
永末 英一君 中井 洽君
—————————————
本日の会議に付した案件
租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第四号)
————◇—————
藤
藤井裕久#1
○藤井委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、参考人として経済評論家大田弘子君、日本労働組合総連合会社会政策局長中川宏一君及び税制調査会会長加藤寛君、以上三名の方に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。参考人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
なお、議事の順序についてでありますが、まず、各参考人にそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、次に、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
それでは、大田参考人からお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、参考人として経済評論家大田弘子君、日本労働組合総連合会社会政策局長中川宏一君及び税制調査会会長加藤寛君、以上三名の方に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。参考人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
なお、議事の順序についてでありますが、まず、各参考人にそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、次に、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
それでは、大田参考人からお願いいたします。
大
大田弘子#2
○大田参考人 おはようございます。大田でございます。
租税特別措置法案の中で、高齢者マル優の限度額引き上げ、それから居住用財産の買いかえ特例、この二つを中心に意見を申し上げます。
まず、高齢者マル優の問題ですが、私はこの制度は廃止の方向が望ましいと思っております。その理由は三つございます。
第一は、利子非課税ということは、見方を変えますと補助金を渡すということと同じです。ですから、この制度の場合は、高齢者に補助金を差し上げる、それも貯蓄を持っている高齢者だけに補助金を差し上げる、それもたくさん貯蓄を持っている高齢者ほどたくさんの補助金を差し上げる、こういう制度です。こういう制度になぜ多くの方々が賛成なさるのか、私には理解できません。
それから第二に、日本はこれから急速に高齢化が進みます。この高齢化社会の負担をだれがどういう形で担うかという問題です。現在のように、現役世代は扶養する人、高齢者は扶養されるだけの人という関係ですと、現役世代はとてもこれからの負担を担っていけません。重くなり過ぎます。ですから、高齢者もこれからは一定の負担を担っていくことが必要だと私は思います。もちろん、経済力の弱い高齢者への配慮は必要ですけれども、高齢者イコール弱者ととらえることは望ましくありませんし、現実的でもありません。
それから、第三です。年金の保険料ですとか税負担が重くなる中で、現役世代はこれから自分の老後に向けて貯蓄を行ってまいります。したがって、これから必要となる税制上の措置は、高齢者に対してではなく、むしろ若い層です。これから資産形成をスムーズに行っていけるように、税制上の配慮をすることが必要だと思います。
こういう理由で、高齢者マル優は廃止すべきだと思っておりますので、ここでさらに限度を引き上げることには反対です。ただ、当初要求されました限度額よりかなり圧縮されましたので、この点だけを評価しております。
次に、買いかえ特例について意見を申し上げます。
土地に対する課税は、私は保有税を強化し、譲渡税を軽減することが基本だと思っております。譲渡課税が重過ぎますと、土地の流動性が阻害されますし、それから住みかえを必要とする世帯とそうでない世帯と比べましたときに、住みかえた世帯の方が不利になってしまいます。ですから、譲渡税は軽くする方向だと思いますが、ただし、譲渡税を軽くするためには保有税を強化することがあわせて必要になります。保有税が軽いために、土地が過度に有利な資産になってまいりました。そして巨額の譲渡益が生まれてまいりました。この巨額の譲渡益が生まれる状況をなくしておくことが必要です。今回、固定資産税は評価の適正化が行われることになっておりますが、あわせて非常に大きな負担調整措置がとられることになっておりますので、保有税としての役割は必ずしも果たしておりません。
こういう状況で買いかえ特例が復活しますこと
には懸念がありますが、ただ幸いなことにさまざまな要件がつけられております。売る資産だけではなくて、買いかえる資産についても適正な水準かどうかを見るとか、あるいは二年間の短期的対応ということですので、妥協し得る水準かと思います。問題は、これからどのようにして保有税の強化を行っていくかということだと思います。
保有税に関しまして、一つ気になる点がございますので、あわせて意見を申し上げます。それは、今地価税の撤廃を求める声がまた強くなってきていると耳にいたします。ただ、私は、これはとんでもないことだと思っております。これまでも、地価が少し下がりますと、業界から土地対策を緩和せよという要求が上がります。そして、この要求を受け入れて土地対策が緩和される、そしてまた地価が高騰する素地がつくられるという愚かしいことが繰り返されてまいりました。今回もこのあしき前例を繰り返してはならないと思います。
土地が下がって困っている業界もありますでしょうが、土地が下がって喜んでいる国民はたくさんおります用地価が高騰しましたことが社会資本整備をおくらせましたし、私どもの生活をさまざまな面でゆがめてまいりました。このことを考えますと、ここで地価を下げ切って二度と地価が高騰しない構造をつくっておくこと、ここで土地神話を完全に脱却してしまうことが何より大切です。地価が下がることで痛みを負う層は当然あるでしょうけれども、こうした層はこれまでの高い地価の恩恵を受けてきた層でもありますし、痛みなくして構造改革はできないかと思います。
あと、残りの時間で、景気刺激策としての所得税減税について簡単に意見を申し上げさせていただきます。
私は、景気刺激のための所得税減税には反対です。その理由は、効果が極めて弱いからです。現在消費者の心理が冷え切っているというふうに言われますが、私は必ずしもそのようにはとらえてはおりません。百貨店統計だけ見ますと落ち込んでおりますけれども、スーパーの売り上げはそれほどではありません。ここで暖冬の影響が出ておりますが、それでも百貨店ほどの落ち込みではありません。それから、ディスカウントショップの中には売り上げが伸びているところもかなりあります。
それから、こういう状況を見ますと、必ずしも必需的な支出まで切り詰めている状態とは言えません。それから、自動車の販売台数などを見ましても、ピーク時からの変化率で見ますと急速な落ち込みですけれども、水準はバブル期以前に戻ったにすぎません。好景気の間に、異常なほどに車ですとか耐久消費財の購入が進みました。山が高かったわけですから、その反動もこれは当然だと思います。
今の状況は、消費者心理が冷え込んでいるというよりも、堅実な消費にニーズが変化したと見た方が妥当だと私は思っております。このニーズにかなった商品ですと、今でも売れております。逆に言いますと、このニーズにかなった商品が出てきませんと、減税が行われても買いません。後ろにおられる連合の方には申しわけないのですが、春闘の賃上げは余り期待できそうにありませんので、なおさら貯蓄に向かう傾向があると思います。それから、ミドルクラスの雇用調整が行われたとか、この一面の状況が拡大されて大変だ、大変だと騒がれることも貯蓄に向かう傾向を強めているかと思います。
今回の不景気の場合は、特に所得税減税の景気刺激効果は弱いと思います。効果が弱い減税を赤字国債を発行して行いますと、いずれ償還のツケが回ってまいります。そこまでして今所得税減税を行うべき時期がどうか、冷静に判断すべきです。
ただ、私も所得税減税の必要性そのものは否定いたしません。昭和六十三年の抜本改革以来調整が行われておりませんので、所得税の構造を見直す時期は迎えております。それから、現在の税負担は所得税に偏っております。このゆがみを是正して、消費税の税率を上げるというような税構造全体の改革が必要です。しかし、これは景気刺激のためにばたばたと行うことではありませんし、実施時期から見て景気浮揚効果もありません。今、本格的な税構造の議論が必要なだけに、ここで安易な減税が行われることを私は懸念しております。言葉が悪いのですけれども、景気対策をにしきの御旗にして将来に対して無責任な減税が行われることを懸念しております。
日本は、これから急速に高齢化が進みます。高齢化社会は負担の増加する社会でもありますので、今から公平な負担の枠組みをつくっておくことが必要です。
第一に、所得税に偏った負担のゆがみを是正すること、第二に資産の面で公平な課税が行われるようにすること、この二点が私は特に必要と思っております。
超高齢化社会を迎える直前の非常に重要な時期を迎えておりますので、豊かな高齢化社会を支える税制をぜひつくっていただきたいとお願い申し上げます。
ありがとうございました。(拍子)
この発言だけを見る →租税特別措置法案の中で、高齢者マル優の限度額引き上げ、それから居住用財産の買いかえ特例、この二つを中心に意見を申し上げます。
まず、高齢者マル優の問題ですが、私はこの制度は廃止の方向が望ましいと思っております。その理由は三つございます。
第一は、利子非課税ということは、見方を変えますと補助金を渡すということと同じです。ですから、この制度の場合は、高齢者に補助金を差し上げる、それも貯蓄を持っている高齢者だけに補助金を差し上げる、それもたくさん貯蓄を持っている高齢者ほどたくさんの補助金を差し上げる、こういう制度です。こういう制度になぜ多くの方々が賛成なさるのか、私には理解できません。
それから第二に、日本はこれから急速に高齢化が進みます。この高齢化社会の負担をだれがどういう形で担うかという問題です。現在のように、現役世代は扶養する人、高齢者は扶養されるだけの人という関係ですと、現役世代はとてもこれからの負担を担っていけません。重くなり過ぎます。ですから、高齢者もこれからは一定の負担を担っていくことが必要だと私は思います。もちろん、経済力の弱い高齢者への配慮は必要ですけれども、高齢者イコール弱者ととらえることは望ましくありませんし、現実的でもありません。
それから、第三です。年金の保険料ですとか税負担が重くなる中で、現役世代はこれから自分の老後に向けて貯蓄を行ってまいります。したがって、これから必要となる税制上の措置は、高齢者に対してではなく、むしろ若い層です。これから資産形成をスムーズに行っていけるように、税制上の配慮をすることが必要だと思います。
こういう理由で、高齢者マル優は廃止すべきだと思っておりますので、ここでさらに限度を引き上げることには反対です。ただ、当初要求されました限度額よりかなり圧縮されましたので、この点だけを評価しております。
次に、買いかえ特例について意見を申し上げます。
土地に対する課税は、私は保有税を強化し、譲渡税を軽減することが基本だと思っております。譲渡課税が重過ぎますと、土地の流動性が阻害されますし、それから住みかえを必要とする世帯とそうでない世帯と比べましたときに、住みかえた世帯の方が不利になってしまいます。ですから、譲渡税は軽くする方向だと思いますが、ただし、譲渡税を軽くするためには保有税を強化することがあわせて必要になります。保有税が軽いために、土地が過度に有利な資産になってまいりました。そして巨額の譲渡益が生まれてまいりました。この巨額の譲渡益が生まれる状況をなくしておくことが必要です。今回、固定資産税は評価の適正化が行われることになっておりますが、あわせて非常に大きな負担調整措置がとられることになっておりますので、保有税としての役割は必ずしも果たしておりません。
こういう状況で買いかえ特例が復活しますこと
には懸念がありますが、ただ幸いなことにさまざまな要件がつけられております。売る資産だけではなくて、買いかえる資産についても適正な水準かどうかを見るとか、あるいは二年間の短期的対応ということですので、妥協し得る水準かと思います。問題は、これからどのようにして保有税の強化を行っていくかということだと思います。
保有税に関しまして、一つ気になる点がございますので、あわせて意見を申し上げます。それは、今地価税の撤廃を求める声がまた強くなってきていると耳にいたします。ただ、私は、これはとんでもないことだと思っております。これまでも、地価が少し下がりますと、業界から土地対策を緩和せよという要求が上がります。そして、この要求を受け入れて土地対策が緩和される、そしてまた地価が高騰する素地がつくられるという愚かしいことが繰り返されてまいりました。今回もこのあしき前例を繰り返してはならないと思います。
土地が下がって困っている業界もありますでしょうが、土地が下がって喜んでいる国民はたくさんおります用地価が高騰しましたことが社会資本整備をおくらせましたし、私どもの生活をさまざまな面でゆがめてまいりました。このことを考えますと、ここで地価を下げ切って二度と地価が高騰しない構造をつくっておくこと、ここで土地神話を完全に脱却してしまうことが何より大切です。地価が下がることで痛みを負う層は当然あるでしょうけれども、こうした層はこれまでの高い地価の恩恵を受けてきた層でもありますし、痛みなくして構造改革はできないかと思います。
あと、残りの時間で、景気刺激策としての所得税減税について簡単に意見を申し上げさせていただきます。
私は、景気刺激のための所得税減税には反対です。その理由は、効果が極めて弱いからです。現在消費者の心理が冷え切っているというふうに言われますが、私は必ずしもそのようにはとらえてはおりません。百貨店統計だけ見ますと落ち込んでおりますけれども、スーパーの売り上げはそれほどではありません。ここで暖冬の影響が出ておりますが、それでも百貨店ほどの落ち込みではありません。それから、ディスカウントショップの中には売り上げが伸びているところもかなりあります。
それから、こういう状況を見ますと、必ずしも必需的な支出まで切り詰めている状態とは言えません。それから、自動車の販売台数などを見ましても、ピーク時からの変化率で見ますと急速な落ち込みですけれども、水準はバブル期以前に戻ったにすぎません。好景気の間に、異常なほどに車ですとか耐久消費財の購入が進みました。山が高かったわけですから、その反動もこれは当然だと思います。
今の状況は、消費者心理が冷え込んでいるというよりも、堅実な消費にニーズが変化したと見た方が妥当だと私は思っております。このニーズにかなった商品ですと、今でも売れております。逆に言いますと、このニーズにかなった商品が出てきませんと、減税が行われても買いません。後ろにおられる連合の方には申しわけないのですが、春闘の賃上げは余り期待できそうにありませんので、なおさら貯蓄に向かう傾向があると思います。それから、ミドルクラスの雇用調整が行われたとか、この一面の状況が拡大されて大変だ、大変だと騒がれることも貯蓄に向かう傾向を強めているかと思います。
今回の不景気の場合は、特に所得税減税の景気刺激効果は弱いと思います。効果が弱い減税を赤字国債を発行して行いますと、いずれ償還のツケが回ってまいります。そこまでして今所得税減税を行うべき時期がどうか、冷静に判断すべきです。
ただ、私も所得税減税の必要性そのものは否定いたしません。昭和六十三年の抜本改革以来調整が行われておりませんので、所得税の構造を見直す時期は迎えております。それから、現在の税負担は所得税に偏っております。このゆがみを是正して、消費税の税率を上げるというような税構造全体の改革が必要です。しかし、これは景気刺激のためにばたばたと行うことではありませんし、実施時期から見て景気浮揚効果もありません。今、本格的な税構造の議論が必要なだけに、ここで安易な減税が行われることを私は懸念しております。言葉が悪いのですけれども、景気対策をにしきの御旗にして将来に対して無責任な減税が行われることを懸念しております。
日本は、これから急速に高齢化が進みます。高齢化社会は負担の増加する社会でもありますので、今から公平な負担の枠組みをつくっておくことが必要です。
第一に、所得税に偏った負担のゆがみを是正すること、第二に資産の面で公平な課税が行われるようにすること、この二点が私は特に必要と思っております。
超高齢化社会を迎える直前の非常に重要な時期を迎えておりますので、豊かな高齢化社会を支える税制をぜひつくっていただきたいとお願い申し上げます。
ありがとうございました。(拍子)
藤
中
中川宏一#4
○中川参考人 おはようございます。連合の中川でございます。限られた時間ですので、三点ばかり申し上げたいと思います。
第一点は、景気対策及びサラリーマンの重税構造の是正の観点から大型の所得減税、教育や住宅などの政策減税をぜひ実現していただきたいということであります。
この点は、既に二十二日の予算委員会公聴会で私どもの山田事務局長が申し上げておりますので、細かいことは質問等でさせていただくということにして省かせていただきますが、二十四日に社会党、公明党、民社党三党が共同で自民党に提出しました予算修正要求を私どもも積極的に支持しております。ぜひ今国会で実現をしていただくようにお願いをしたいと思います。消費不況の中で国民の方は、先ほども連合は春闘で余り頼りにならぬ、こういうふうに言われましたけれども、決してそうではありませんで、我々も頑張ります。国会でもひとつ頑張っていただきたい、こういうふうに思っております。
第二点は、居住用買いかえ特例制度の問題についてでございます。
私ども連合は、勤労者、サラリーマンの立場から政策、制度の取り組みをかなり重視しておりますし、その実現に向けて努力をしておりますが、この制度の復活を喜ぶ声はほとんどありません。ある面で言えば、望んでもいない制度が声高に出てくるのはどういうことかな。やはり地価をこれ以上下げさせないでやろうとする諸政策の一環ではないだろうかというふうに感じているわけであります。確かに、地価は下落傾向にありますけれども、まだ依然として高いということであります。あるいは首都圏ではまだバブル以前に比べて約二倍の水準になっています。こうなりますと、御承知のように、「生活大国五か年計画」で明らかにされている、東京など大都市でも年収の五倍程度の持ち家という目標にはほど遠い現状にあるというふうに見ております。
私どもは、中長期的に見て、地価の下落傾向を一層促進し、バブル高騰以前の地価まで段階的に引き下げていくべきだ、そういう土地政策が求められていると考えております。日本の土地資産の総額がアメリカの三・六倍、単位面積当たりで九十倍という異常な現状は、何としても早く改革をしていかなければなりません。その意味では、土地政策は景気対策的視点よりも構造的な視点を重視すべきであろうというふうに思っております。
確かにここ数年、政府は、十分とは言いませんけれども、国民の声に押されて、土地政策について随分構造的な視点から諸対策をとってこられだと思います。土地基本法の制定を初め、地価税の創設や土地譲渡益課税の強化あるいは三大都市圏における市街化区域での生産緑地の指定を受けない農地に対する宅地並み課税など、土地税制や供給対策あるいは都市計画法の改正などで土地神話
を打ち砕く諸改革がなされたと思います。その際、この買いかえ特例は、地価高騰を東京都心の商業地から全国に波及させた元凶あるいは象徴的な制度として、原則として廃止ということになったわけであります。
しかしながら、最近の新聞報道などを見ておりますと、政府の最近の動きは、どうも地価下落、これ以上地価を下げさせない、あるいは下支えを図ろうとしている動きに見えます。例えば国土庁でも、監視区域での上限規制を一部の区域では今後弾力的に対応するやに伺っていますし、また地価の上昇トレンドをGNPの上昇トレンドと見合いで考えていくというふうなことも聞かされています。また、大蔵省でも地価が鎮静化したという判断で国有地をこれから売ろうじゃないかというふうなことを検討しているという記事を読んでおります。
このように見ますと、地価上昇の象徴的な制度として廃止された買いかえ特例の復活も、こうした一連の動きと無縁ではないのではないだろうかというふうに考えているわけであります。私どもは、なぜこの時期にという疑問はぬぐい去れないわけであります。また、この制度自身、これは私の個人の意見ですが、この制度は地価が上昇することを前提にしない限り成り立たないのではないだろうかというふうに感じているわけです。
確かに、いろいろな条件がついております。しかし、そうはいっても、既に現行の三千万の控除と軽減税率があります。これによって、既にこれを適用している人が大体八七%というふうに聞いておりますので、そういう意味では現行制度で十分ではないだろうか。買いかえ特例を復活させることは我々としては反対であり、問題があると思っております。
また、この制度は、社会的公平性の観点からいってどうだろうかという問題があります。
この制度自身は既に住宅を持っている人たちの制度ですから、これから家を持とうとする人たちあるいは賃貸住宅居住者との資産格差がますます拡大するのではないかという点であります。第一次住宅取得者に対するハンディをどういうふうにするのかというふうな意味で公平性が欠けるのではないかというふうに思っております。そういう意味で、この制度は選択制を一応出しているわけですが、税制は簡素を旨とするというのが基本ですが、選択制であること、あるいは課税の繰り延べですから帳簿を持たない個人に対して取得価格を将来に引き継ぐという形になります。そういう意味では、税の執行上も問題が出てくるのではないかというふうな感じを持っております。
さらに、二年間の時限立法という関係ではどうなのかというふうなことも考えるわけであります。地価高騰のおそれが生じたときは見直すというふうに言われていますが、これまでの我が国の土地政策が機動的に発動されたことは余りありません。
いずれにしても、この制度自身は廃止、復活を繰り返してきました。八八年にこれまでの土地税制の反省から廃止された経緯に立ては、復活させるべきではないのではないかと思っております。土地政策は、中長期的に適用されて初めて実効が上がります。景気対策のための復活は朝令暮改と言わざるを得ないと思います。鎮静化し始めた地価を政府みずからが再上昇させることで、土地政策への国民の信頼を大きく損なうことのないように強く要請をしたいと思っております。
第三点は、財形貯蓄の非課税限度額の一千万円までの引き上げについてであります。
今回五十万円引き上げられまして五百五十万円までが非課税となりました。老人マル優と横並びで五十万円引き上げられたのですが、若干理解に苦しんでいるところであります。この非課税限度額については、一九七四年に五百万円に引き上げられて以来ほぼ二十年間据え置かれたままであります。
財形貯蓄は、御承知のように住宅取得と老後のために勤労者がそれぞれ毎月の給料から積み立てて、自分たちの努力で将来の支出のために、住宅とか年金のために、支出のために貯蓄しているものであります。
そもそも財形貯蓄自身は、西ドイツの戦後復興のための社会労働政策の柱の一つとして成立した労働者の財産形成促進法を見習ったものでしたが、ドイツの法律が数次にわたって改正され、さまざまな政府の援助で制度的にも充実し、今日のドイツの住宅政策の基盤になっていたものであります。ドイツでは住宅政策から株など資本参加にも政策の重点が移っていますが、すべての制度に税制の優遇措置があり、割り増し金や付加金が政府や州から出されております。
しかし、十年おくれてできた日本のこの制度は必ずしも十分なものになっていません。加えて住宅政策そのものも、日本の場合は勤労者にとっては生涯ローンに追われるというふうな現状であります。そういう意味で、我々の方はドイツの制度に比べても、せめて非課税限度額を五百万から一千万まで上げてもらえないだろうか、本来ならばもっと財産形成に関する充実した制度が必要なのでありますが、せめてものささやかなお願いであります。
そういう意味で、我が国の税制を見ますと、勤労者は源泉徴収制度のもとにほぼ全部捕捉されております。先ほどの買いかえ特例の問題では急速復活してまいります。しかし、我々が二十年来要求しているこの問題については一顧だにされない。わずか五十万円でいいというふうな形になっております。そういう点で、ぜひとも御検討いただきながら、勤労者がゆとりと豊かさを感じられる日本の社会にしていただければというふうに思っております。
既に、財産形成審議会では、公労使三者一致で九〇年、九二年と二回にわたって非課税限度額の拡大、一千万円までの引き上げを答申しておりますことを申し上げまして、若干時間が延びましたが、私の意見陳述とさせていただきました。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →第一点は、景気対策及びサラリーマンの重税構造の是正の観点から大型の所得減税、教育や住宅などの政策減税をぜひ実現していただきたいということであります。
この点は、既に二十二日の予算委員会公聴会で私どもの山田事務局長が申し上げておりますので、細かいことは質問等でさせていただくということにして省かせていただきますが、二十四日に社会党、公明党、民社党三党が共同で自民党に提出しました予算修正要求を私どもも積極的に支持しております。ぜひ今国会で実現をしていただくようにお願いをしたいと思います。消費不況の中で国民の方は、先ほども連合は春闘で余り頼りにならぬ、こういうふうに言われましたけれども、決してそうではありませんで、我々も頑張ります。国会でもひとつ頑張っていただきたい、こういうふうに思っております。
第二点は、居住用買いかえ特例制度の問題についてでございます。
私ども連合は、勤労者、サラリーマンの立場から政策、制度の取り組みをかなり重視しておりますし、その実現に向けて努力をしておりますが、この制度の復活を喜ぶ声はほとんどありません。ある面で言えば、望んでもいない制度が声高に出てくるのはどういうことかな。やはり地価をこれ以上下げさせないでやろうとする諸政策の一環ではないだろうかというふうに感じているわけであります。確かに、地価は下落傾向にありますけれども、まだ依然として高いということであります。あるいは首都圏ではまだバブル以前に比べて約二倍の水準になっています。こうなりますと、御承知のように、「生活大国五か年計画」で明らかにされている、東京など大都市でも年収の五倍程度の持ち家という目標にはほど遠い現状にあるというふうに見ております。
私どもは、中長期的に見て、地価の下落傾向を一層促進し、バブル高騰以前の地価まで段階的に引き下げていくべきだ、そういう土地政策が求められていると考えております。日本の土地資産の総額がアメリカの三・六倍、単位面積当たりで九十倍という異常な現状は、何としても早く改革をしていかなければなりません。その意味では、土地政策は景気対策的視点よりも構造的な視点を重視すべきであろうというふうに思っております。
確かにここ数年、政府は、十分とは言いませんけれども、国民の声に押されて、土地政策について随分構造的な視点から諸対策をとってこられだと思います。土地基本法の制定を初め、地価税の創設や土地譲渡益課税の強化あるいは三大都市圏における市街化区域での生産緑地の指定を受けない農地に対する宅地並み課税など、土地税制や供給対策あるいは都市計画法の改正などで土地神話
を打ち砕く諸改革がなされたと思います。その際、この買いかえ特例は、地価高騰を東京都心の商業地から全国に波及させた元凶あるいは象徴的な制度として、原則として廃止ということになったわけであります。
しかしながら、最近の新聞報道などを見ておりますと、政府の最近の動きは、どうも地価下落、これ以上地価を下げさせない、あるいは下支えを図ろうとしている動きに見えます。例えば国土庁でも、監視区域での上限規制を一部の区域では今後弾力的に対応するやに伺っていますし、また地価の上昇トレンドをGNPの上昇トレンドと見合いで考えていくというふうなことも聞かされています。また、大蔵省でも地価が鎮静化したという判断で国有地をこれから売ろうじゃないかというふうなことを検討しているという記事を読んでおります。
このように見ますと、地価上昇の象徴的な制度として廃止された買いかえ特例の復活も、こうした一連の動きと無縁ではないのではないだろうかというふうに考えているわけであります。私どもは、なぜこの時期にという疑問はぬぐい去れないわけであります。また、この制度自身、これは私の個人の意見ですが、この制度は地価が上昇することを前提にしない限り成り立たないのではないだろうかというふうに感じているわけです。
確かに、いろいろな条件がついております。しかし、そうはいっても、既に現行の三千万の控除と軽減税率があります。これによって、既にこれを適用している人が大体八七%というふうに聞いておりますので、そういう意味では現行制度で十分ではないだろうか。買いかえ特例を復活させることは我々としては反対であり、問題があると思っております。
また、この制度は、社会的公平性の観点からいってどうだろうかという問題があります。
この制度自身は既に住宅を持っている人たちの制度ですから、これから家を持とうとする人たちあるいは賃貸住宅居住者との資産格差がますます拡大するのではないかという点であります。第一次住宅取得者に対するハンディをどういうふうにするのかというふうな意味で公平性が欠けるのではないかというふうに思っております。そういう意味で、この制度は選択制を一応出しているわけですが、税制は簡素を旨とするというのが基本ですが、選択制であること、あるいは課税の繰り延べですから帳簿を持たない個人に対して取得価格を将来に引き継ぐという形になります。そういう意味では、税の執行上も問題が出てくるのではないかというふうな感じを持っております。
さらに、二年間の時限立法という関係ではどうなのかというふうなことも考えるわけであります。地価高騰のおそれが生じたときは見直すというふうに言われていますが、これまでの我が国の土地政策が機動的に発動されたことは余りありません。
いずれにしても、この制度自身は廃止、復活を繰り返してきました。八八年にこれまでの土地税制の反省から廃止された経緯に立ては、復活させるべきではないのではないかと思っております。土地政策は、中長期的に適用されて初めて実効が上がります。景気対策のための復活は朝令暮改と言わざるを得ないと思います。鎮静化し始めた地価を政府みずからが再上昇させることで、土地政策への国民の信頼を大きく損なうことのないように強く要請をしたいと思っております。
第三点は、財形貯蓄の非課税限度額の一千万円までの引き上げについてであります。
今回五十万円引き上げられまして五百五十万円までが非課税となりました。老人マル優と横並びで五十万円引き上げられたのですが、若干理解に苦しんでいるところであります。この非課税限度額については、一九七四年に五百万円に引き上げられて以来ほぼ二十年間据え置かれたままであります。
財形貯蓄は、御承知のように住宅取得と老後のために勤労者がそれぞれ毎月の給料から積み立てて、自分たちの努力で将来の支出のために、住宅とか年金のために、支出のために貯蓄しているものであります。
そもそも財形貯蓄自身は、西ドイツの戦後復興のための社会労働政策の柱の一つとして成立した労働者の財産形成促進法を見習ったものでしたが、ドイツの法律が数次にわたって改正され、さまざまな政府の援助で制度的にも充実し、今日のドイツの住宅政策の基盤になっていたものであります。ドイツでは住宅政策から株など資本参加にも政策の重点が移っていますが、すべての制度に税制の優遇措置があり、割り増し金や付加金が政府や州から出されております。
しかし、十年おくれてできた日本のこの制度は必ずしも十分なものになっていません。加えて住宅政策そのものも、日本の場合は勤労者にとっては生涯ローンに追われるというふうな現状であります。そういう意味で、我々の方はドイツの制度に比べても、せめて非課税限度額を五百万から一千万まで上げてもらえないだろうか、本来ならばもっと財産形成に関する充実した制度が必要なのでありますが、せめてものささやかなお願いであります。
そういう意味で、我が国の税制を見ますと、勤労者は源泉徴収制度のもとにほぼ全部捕捉されております。先ほどの買いかえ特例の問題では急速復活してまいります。しかし、我々が二十年来要求しているこの問題については一顧だにされない。わずか五十万円でいいというふうな形になっております。そういう点で、ぜひとも御検討いただきながら、勤労者がゆとりと豊かさを感じられる日本の社会にしていただければというふうに思っております。
既に、財産形成審議会では、公労使三者一致で九〇年、九二年と二回にわたって非課税限度額の拡大、一千万円までの引き上げを答申しておりますことを申し上げまして、若干時間が延びましたが、私の意見陳述とさせていただきました。
どうもありがとうございました。拍手
藤
加
加藤寛#6
○加藤参考人 加藤でございます。
租特法改正案につきまして意見を申し上げます前に、現在日本で論ぜられております財政あるいは税制の問題について若干触れることをお許しいただきたいと思います。
所得減税ということが最近非常によく言われまして、私は所得減税につきましては、御承知のとおり公共投資に向かうのか、あるいはそのほか政策減税とかいろいろな考え方がございますけれども、基本的に景気対策のための所得減税とそれから中長期的に考える所得減税とは別個に扱うべきだと考えております。
景気対策として考えますときには、これは全く現在の不況には間に合わない、現在の状況の中ではこれは効果を出しません。なぜかと申しますと、所得減税をいたしますとき、これは既にいろいろな研究によって明らかでございますけれども、第一年度目の効果が少ないからであります。二年目、三年目には効果が出ます。しかし、一年目には効果がございませんから、その効果のないことを考えますと、ここで景気対策のための所得減税を行うことは妥当ではないと私は考えております。しかし、私たち税制調査会といたしましては、どういうふうにすれば最も課税の公正を図ることができるかという立場から絶えず研究を続けておるところでございますから、その意味では、私は中長期的には所得減税の問題も当然視野の中に入る、こういうふうに考えているわけでございます。
しかも、御承知のとおり一時的に所得減税をやるといういわゆる戻し減税的な考え方もございますけれども、これもまた効果があり得ない。なぜかと申しますと、去年の十二月にボーナスが支給されましたときに、そのボーナスがどこへ使われたかということを統計的に調べたものがございます。この調査報告は完全なものと皇言えませんから、そういう意味では私はこれを全部信ずるわけではございませんけれども、一般的に申しまし
て、ボーナスは約六割の方が貯蓄に回しております。これほど金融に対して批判が高まっている中でこれが貯蓄に回るということは、私は非常に日本の健全な姿を示していると考えております。
なぜならば、昭和恐慌が始まります前の金融恐慌、昭和二年、このときには御承知のとおり取りつけ騒ぎが起こるという重大事件が発生しております。つまり、金融に対する信用が大きくなくなったのであります。しかし、現在はこのようなことにつきましては余り大きな社会問題は起きておりません。ということから考えましても、貯蓄に回っていくということは今の国民の考え方から申しまして当然のことと言わなければならないのでありまして、そのようなわけで、私は所得減税につきましては、これを景気対策として実行することはいささか効果がなさ過ぎるというふうに考えております。
しかもこれを赤字国債によって行うということは全く私どもには考えられません。なぜかと申しますと、歴史的にも理論的にも政策的にも、これは今日に至るまで世界ですべて問題になったことでございます。なぜかと申しますと、日本で申しますれば歴史的に、御承知のとおり高橋是清蔵相がこれを行い、さらに大平蔵相がこれを行って、そのとき結果的に御承知のようにこれを解決することができませんでした。もちろん高橋蔵相も大平蔵相も、そのとき蔵相でございますが、大平蔵相も、懸命になってこの後片づけをしようとされたのでございますけれども、これを解決することができませんでした。これは歴史的な一つの厳然たる事実であります。私どもといたしましては、気持ちの上ではこれを解決しなければならないということを思いながら、そこへなかなか行くことができない、そういう方向を発見することができないというのが今までの日本の一つの歴史でございます。これはまた世界でも共通の現象と言ってもよろしいのでございます。
そしてまた、理論的にもこれは正確に証明することができません。なぜならば、御承知のように、今世界の政府は、民主主義になりますとひとりでにだんだんと政府を大きくしていこうというトレンドが働きます。この国家経費膨張の法則というのはいまだに覆されておりません。つまり、どんどん政府が大きくなるということは避けられないのであります。それが決して悪いというのではなくて、大きくなることについて歯どめをつくることが難しいということであります。
そのようなことで、さらに私どもはレントシーキングという言葉を使うのでございますが、公的な規制を使って、その公的な規制の上に利益を上げていこうとする者が国民の中には存在するのであります。このような人たちに対してどのような制度を設けるか、あるいはどのような確約を設けるかということが赤字国債をやるときの大きな問題でございまして、今日に至るまでまだそれが解決しておりません。よく言われますのは、一度赤字国債を発行しても、これを増税によって、あるいはそのほかの方法によって補えばいいではないかという考え方がございますけれども、このような考え方に対しては、それが果たして歯どめとなり得るかどうかわかりません。
なぜかと申しますと、増税が後に行われるということを一たん国民が考えますときには、減税をされましても必ずそれを覆すような行動が起こるということが、一九七五年以来アメリカにおいても日本においても一つの確認された理論でございまして、その理論からまいりまして、これは合理的期待といっておりますけれども、認めることができないのでございます。
さらにまた政策的に考えましても、政策的な条件の中では歴史的状況が必要になります。現在の日本の状況を判断する際にどのような歯どめをつくることができるかということになると、いまだにその答えが出ておりません。ということから考えまして、歴史的にも理論的にも政策的にも、私は、赤字国債を財源にして所得減税を行うということはそもそもできないことだ、こういうふうに考えております。
その次に、租特法に入らせていただきますが、今までのお二人の御議論と関係がございますので、なるべく簡単に申し上げさせていただきます。
老人マル優の非課税限度の引き上げでございますが、これは私ども税調としての考え方としましては、課税ベースの拡大ということを考えておりますので、このような特別なところにいろいろなことを考えるということについては余り私どもの趣旨にそぐわないと考えております。
第二番目には、高齢者間には大きな資産の格差が生まれておりまして、その資産の格差をどのようにこれから是正していくかが重要でございます。したがって、このようなことを考えますときには、老人マル優の非課税限度額の拡大は望ましくないと私は考えておりました。しかし今日、御承知のとおり利子が非常に下がっていくというような状況の中で、国民にもしそういう不安があるとすれば、そういう気持ちが出てくるということはあることだと私は思っております。したがって、それに対して私どもは否定をしながら、しかしそれについてどのようなことが行われるかということについて、私どもとしましてはなるべくやらない方向で考えてほしい、こう考えておりました。そのような結論に従っていろいろと御議論をいただきまして、そして五十万円と、わずかでございますけれども引き上げられたということにつきましては、これは一応私どもの考えている範囲の中におさまっている、こう判断をしたわけでございます。
それからまた、居住用の財産の買いかえ特例でございますが、これも、円滑な住みかえが必要であるということは私どもも認めております。しかし、一次取得者、つまり第一次取得者に対してはこれは効果がないわけでありまして、既に土地を持っている、あるいは家屋を持っているという者について行われるわけでありますから、これも決して私は好ましいことだとは思っておりません。しかしながら、これがいろいろな条件をつけて認められたことについて、私どもは、私どもの考えていることについては決して逸脱をしていないというふうに考えております。
それからまた、地価税につきましても、既に私どもはそれについての意見を持っているわけでございますけれども、一言で申し上げますならば、それは当面の地価の下落だけを目的として地価税がつくられたわけではございません。そこがよく誤解されているところではないかと思いますのであえて申し上げたのでございますが、そのほか租時法の整理合理化、あるいは道路財源について、ガソリンと軽油の税負担格差を縮小してNOxの対策に資するようにぎりぎりの工夫をしていただいたというふうなことでもって、そのほかのことについては妥当な結論があったのではないか、こういうふうに考えております。
以上、終わらせていただきます。拍手
この発言だけを見る →租特法改正案につきまして意見を申し上げます前に、現在日本で論ぜられております財政あるいは税制の問題について若干触れることをお許しいただきたいと思います。
所得減税ということが最近非常によく言われまして、私は所得減税につきましては、御承知のとおり公共投資に向かうのか、あるいはそのほか政策減税とかいろいろな考え方がございますけれども、基本的に景気対策のための所得減税とそれから中長期的に考える所得減税とは別個に扱うべきだと考えております。
景気対策として考えますときには、これは全く現在の不況には間に合わない、現在の状況の中ではこれは効果を出しません。なぜかと申しますと、所得減税をいたしますとき、これは既にいろいろな研究によって明らかでございますけれども、第一年度目の効果が少ないからであります。二年目、三年目には効果が出ます。しかし、一年目には効果がございませんから、その効果のないことを考えますと、ここで景気対策のための所得減税を行うことは妥当ではないと私は考えております。しかし、私たち税制調査会といたしましては、どういうふうにすれば最も課税の公正を図ることができるかという立場から絶えず研究を続けておるところでございますから、その意味では、私は中長期的には所得減税の問題も当然視野の中に入る、こういうふうに考えているわけでございます。
しかも、御承知のとおり一時的に所得減税をやるといういわゆる戻し減税的な考え方もございますけれども、これもまた効果があり得ない。なぜかと申しますと、去年の十二月にボーナスが支給されましたときに、そのボーナスがどこへ使われたかということを統計的に調べたものがございます。この調査報告は完全なものと皇言えませんから、そういう意味では私はこれを全部信ずるわけではございませんけれども、一般的に申しまし
て、ボーナスは約六割の方が貯蓄に回しております。これほど金融に対して批判が高まっている中でこれが貯蓄に回るということは、私は非常に日本の健全な姿を示していると考えております。
なぜならば、昭和恐慌が始まります前の金融恐慌、昭和二年、このときには御承知のとおり取りつけ騒ぎが起こるという重大事件が発生しております。つまり、金融に対する信用が大きくなくなったのであります。しかし、現在はこのようなことにつきましては余り大きな社会問題は起きておりません。ということから考えましても、貯蓄に回っていくということは今の国民の考え方から申しまして当然のことと言わなければならないのでありまして、そのようなわけで、私は所得減税につきましては、これを景気対策として実行することはいささか効果がなさ過ぎるというふうに考えております。
しかもこれを赤字国債によって行うということは全く私どもには考えられません。なぜかと申しますと、歴史的にも理論的にも政策的にも、これは今日に至るまで世界ですべて問題になったことでございます。なぜかと申しますと、日本で申しますれば歴史的に、御承知のとおり高橋是清蔵相がこれを行い、さらに大平蔵相がこれを行って、そのとき結果的に御承知のようにこれを解決することができませんでした。もちろん高橋蔵相も大平蔵相も、そのとき蔵相でございますが、大平蔵相も、懸命になってこの後片づけをしようとされたのでございますけれども、これを解決することができませんでした。これは歴史的な一つの厳然たる事実であります。私どもといたしましては、気持ちの上ではこれを解決しなければならないということを思いながら、そこへなかなか行くことができない、そういう方向を発見することができないというのが今までの日本の一つの歴史でございます。これはまた世界でも共通の現象と言ってもよろしいのでございます。
そしてまた、理論的にもこれは正確に証明することができません。なぜならば、御承知のように、今世界の政府は、民主主義になりますとひとりでにだんだんと政府を大きくしていこうというトレンドが働きます。この国家経費膨張の法則というのはいまだに覆されておりません。つまり、どんどん政府が大きくなるということは避けられないのであります。それが決して悪いというのではなくて、大きくなることについて歯どめをつくることが難しいということであります。
そのようなことで、さらに私どもはレントシーキングという言葉を使うのでございますが、公的な規制を使って、その公的な規制の上に利益を上げていこうとする者が国民の中には存在するのであります。このような人たちに対してどのような制度を設けるか、あるいはどのような確約を設けるかということが赤字国債をやるときの大きな問題でございまして、今日に至るまでまだそれが解決しておりません。よく言われますのは、一度赤字国債を発行しても、これを増税によって、あるいはそのほかの方法によって補えばいいではないかという考え方がございますけれども、このような考え方に対しては、それが果たして歯どめとなり得るかどうかわかりません。
なぜかと申しますと、増税が後に行われるということを一たん国民が考えますときには、減税をされましても必ずそれを覆すような行動が起こるということが、一九七五年以来アメリカにおいても日本においても一つの確認された理論でございまして、その理論からまいりまして、これは合理的期待といっておりますけれども、認めることができないのでございます。
さらにまた政策的に考えましても、政策的な条件の中では歴史的状況が必要になります。現在の日本の状況を判断する際にどのような歯どめをつくることができるかということになると、いまだにその答えが出ておりません。ということから考えまして、歴史的にも理論的にも政策的にも、私は、赤字国債を財源にして所得減税を行うということはそもそもできないことだ、こういうふうに考えております。
その次に、租特法に入らせていただきますが、今までのお二人の御議論と関係がございますので、なるべく簡単に申し上げさせていただきます。
老人マル優の非課税限度の引き上げでございますが、これは私ども税調としての考え方としましては、課税ベースの拡大ということを考えておりますので、このような特別なところにいろいろなことを考えるということについては余り私どもの趣旨にそぐわないと考えております。
第二番目には、高齢者間には大きな資産の格差が生まれておりまして、その資産の格差をどのようにこれから是正していくかが重要でございます。したがって、このようなことを考えますときには、老人マル優の非課税限度額の拡大は望ましくないと私は考えておりました。しかし今日、御承知のとおり利子が非常に下がっていくというような状況の中で、国民にもしそういう不安があるとすれば、そういう気持ちが出てくるということはあることだと私は思っております。したがって、それに対して私どもは否定をしながら、しかしそれについてどのようなことが行われるかということについて、私どもとしましてはなるべくやらない方向で考えてほしい、こう考えておりました。そのような結論に従っていろいろと御議論をいただきまして、そして五十万円と、わずかでございますけれども引き上げられたということにつきましては、これは一応私どもの考えている範囲の中におさまっている、こう判断をしたわけでございます。
それからまた、居住用の財産の買いかえ特例でございますが、これも、円滑な住みかえが必要であるということは私どもも認めております。しかし、一次取得者、つまり第一次取得者に対してはこれは効果がないわけでありまして、既に土地を持っている、あるいは家屋を持っているという者について行われるわけでありますから、これも決して私は好ましいことだとは思っておりません。しかしながら、これがいろいろな条件をつけて認められたことについて、私どもは、私どもの考えていることについては決して逸脱をしていないというふうに考えております。
それからまた、地価税につきましても、既に私どもはそれについての意見を持っているわけでございますけれども、一言で申し上げますならば、それは当面の地価の下落だけを目的として地価税がつくられたわけではございません。そこがよく誤解されているところではないかと思いますのであえて申し上げたのでございますが、そのほか租時法の整理合理化、あるいは道路財源について、ガソリンと軽油の税負担格差を縮小してNOxの対策に資するようにぎりぎりの工夫をしていただいたというふうなことでもって、そのほかのことについては妥当な結論があったのではないか、こういうふうに考えております。
以上、終わらせていただきます。拍手
藤
藤
中
中村正男#9
○中村(正男)委員 お三方の参考人の皆さんには、大変早朝からこの大蔵委員会にお出ましをいただきまして、ありがとうございます。
今それぞれのお立場で、当面いたしております減税問題、景気対策、さらには租特法についての御意見を伺いました。限られた時間でありますけれども、さらに中身の濃い御意見をちょうだいする、そういう意味合いで二、三質問をさせていただきます。
まず、加藤参考人にお伺いいたしますが、基本的に租税特別措置法、これについてのお尋ねでございますけれども、現在、大蔵省から聞きますと約二百八十余りの項目がございまして、とりわけ減収効果のあるものとしては、ことしの、五年の
改正後では百九十七項目、翻って見てみますと、昭和五十八年には百六十五項目、その間、減るというのではなしにずっとふえ続けてきている、これが一つあるわけです。私どもは、できるだけ公平、公正な税制、そういう意味合いでは、本来租特法というもの、これは不公平税制の温床ではないか、こういう見方をいたしております。
確かに、税制というのは毎年の改革で改良はしていかなければならない、あるいはまた、当初理想的な形で税制がスタートしたとしても、その後の社会の変化等で修正は加えていかなければならない、また毎年個別に発生する問題についてもこれは対応していかなければならない、そういうことは理解をしておるのですけれども、ずっとこの大蔵委員会で毎年租特法を論議する際、大蔵省当局は、抜本的な整理統合をやった、したがってことしはこれだけを何とか審議してもらいたい、こういう形で提起されてくるのです。しかし、中身は大なり小なり、そうは大きくは変わっていない、その政策目的を達成したものまでまだ依然としてそのまま手がつけられずに残っている、これが率直な私どもの見方であるわけです。
そこで、そういったことに対する加藤参考人の御意見をお伺いしたいのですが、私は、乱暴な言い方をするようですけれども、一度これを全廃して、そして項目ごとにそれぞれの関係者なり中立的な立場の人を含めて検討して、どうしても必要なものは新たにそれを起こしてくる、そういうことをやらない限り抜本的な不公平税制が解消されない、そういう立場であるわけですが、その点について、まずお聞きをしたいと思います。
この発言だけを見る →今それぞれのお立場で、当面いたしております減税問題、景気対策、さらには租特法についての御意見を伺いました。限られた時間でありますけれども、さらに中身の濃い御意見をちょうだいする、そういう意味合いで二、三質問をさせていただきます。
まず、加藤参考人にお伺いいたしますが、基本的に租税特別措置法、これについてのお尋ねでございますけれども、現在、大蔵省から聞きますと約二百八十余りの項目がございまして、とりわけ減収効果のあるものとしては、ことしの、五年の
改正後では百九十七項目、翻って見てみますと、昭和五十八年には百六十五項目、その間、減るというのではなしにずっとふえ続けてきている、これが一つあるわけです。私どもは、できるだけ公平、公正な税制、そういう意味合いでは、本来租特法というもの、これは不公平税制の温床ではないか、こういう見方をいたしております。
確かに、税制というのは毎年の改革で改良はしていかなければならない、あるいはまた、当初理想的な形で税制がスタートしたとしても、その後の社会の変化等で修正は加えていかなければならない、また毎年個別に発生する問題についてもこれは対応していかなければならない、そういうことは理解をしておるのですけれども、ずっとこの大蔵委員会で毎年租特法を論議する際、大蔵省当局は、抜本的な整理統合をやった、したがってことしはこれだけを何とか審議してもらいたい、こういう形で提起されてくるのです。しかし、中身は大なり小なり、そうは大きくは変わっていない、その政策目的を達成したものまでまだ依然としてそのまま手がつけられずに残っている、これが率直な私どもの見方であるわけです。
そこで、そういったことに対する加藤参考人の御意見をお伺いしたいのですが、私は、乱暴な言い方をするようですけれども、一度これを全廃して、そして項目ごとにそれぞれの関係者なり中立的な立場の人を含めて検討して、どうしても必要なものは新たにそれを起こしてくる、そういうことをやらない限り抜本的な不公平税制が解消されない、そういう立場であるわけですが、その点について、まずお聞きをしたいと思います。
加
加藤寛#10
○加藤参考人 お答えさせていただきます。
今先生おっしゃいましたように、私は、租特法というのが不公平の源泉である、なり得るということにつきましては、まことに同じ意見でございます。
その意味で、私は、租特法というのは次第に整理統合していくことが必要であると思いますし、また、よく言われますように、これは外国の意見でございますけれども、消費税のようなものが導入されるときには、そういういろいろな租特法のようなものが整理統合されることが望ましい、こういうことでございます。
しかし、よく私は言うのでございますけれども、比喩的なことをお許しいただきますが、木というものが育ってまいりますときには、育っていくときにどんどんその枝を出してまいります。租特法というのは、そういう意味ては枝がどんどん出ているわけであります。その枝が伸びていきまして、それが余り大きくなって茂みがひどくなりますと、今度は本体そのものがだめになってまいります。そこで、その本体を生かすためには、やはり枝を少しずつ刈り取っていかなければならぬ。しかし、枝を全部刈り取ってしまいますと、これは結果的にはまた木がだめになってしまいます。
その意味で、木というものを育てるように税制を考え、余り茂ってはいけないということを前提にしながらも、しかし、その中で刈り取るべきところ、茂みの強いところをなるべく是正していく、こういう考え方で徐々に進めることが民主主義社会における税制改革だ、私はこういうふうに理解しております。
以上でございます。
この発言だけを見る →今先生おっしゃいましたように、私は、租特法というのが不公平の源泉である、なり得るということにつきましては、まことに同じ意見でございます。
その意味で、私は、租特法というのは次第に整理統合していくことが必要であると思いますし、また、よく言われますように、これは外国の意見でございますけれども、消費税のようなものが導入されるときには、そういういろいろな租特法のようなものが整理統合されることが望ましい、こういうことでございます。
しかし、よく私は言うのでございますけれども、比喩的なことをお許しいただきますが、木というものが育ってまいりますときには、育っていくときにどんどんその枝を出してまいります。租特法というのは、そういう意味ては枝がどんどん出ているわけであります。その枝が伸びていきまして、それが余り大きくなって茂みがひどくなりますと、今度は本体そのものがだめになってまいります。そこで、その本体を生かすためには、やはり枝を少しずつ刈り取っていかなければならぬ。しかし、枝を全部刈り取ってしまいますと、これは結果的にはまた木がだめになってしまいます。
その意味で、木というものを育てるように税制を考え、余り茂ってはいけないということを前提にしながらも、しかし、その中で刈り取るべきところ、茂みの強いところをなるべく是正していく、こういう考え方で徐々に進めることが民主主義社会における税制改革だ、私はこういうふうに理解しております。
以上でございます。
中
中村正男#11
○中村(正男)委員 せっかくでございますから、とりわけ税制については、連合として、本当に長年にわたって検討されておられます。連合の立場から、私が今申し上げた点についてお考えがあればお聞きをしたい。とりわけ不公平税制の最たるものとして、連合として指摘をしたいということがあれば、あわせてお聞きをしたいと思います。
諸外国に比して、私は、やはり日本は租特法といいますか特例が多過ぎるのではないか、これは率直な気持ちでございますので、その辺もあわせてお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →諸外国に比して、私は、やはり日本は租特法といいますか特例が多過ぎるのではないか、これは率直な気持ちでございますので、その辺もあわせてお願いしたいと思います。
中
中川宏一#12
○中川参考人 十分なお答えになるかわかりませんが、私どもの場合、サラリーマンの立場で一番強調していますのは、物価調整制度の導入です。
これは御承知のように、我々は源泉徴収で丸ごと取られております。それから、税率はありますが、その中で、所得が上がればそのまま税負担が上がっていくような構造になっています。これは、したがいまして、せめて物価スライドで最低の控除額を決めてもらいたいというふうなことを言っているわけです。物価調整制度の導入を政府税調その他で何回も繰り返しておりますけれども、まだ検討の段階にも入っていないというふうなことで非常に残念に思っております。
それから、そういう意味で、この点はサラリーマンの立場でいえば、自営業の皆さんは領収書で物価が込められて、物価が込み込みの領収書で確定申告ができる、我々はそれができないというふうなことで申し上げているわけであります。
それから、我々ももう資産、所得、消費、それぞれに対して総合的な税制体制にしてもらいたいというふうなことを申し上げています。既に政府税調で総合課税化の問題も出ました。納税者番号制度も検討されているように聞いています。我々は、それを早期にやっていただきながら総合課税の方向へ持っていっていただきたいというふうに考えているわけであります。特に、一生懸命賃上げしましても、それに見合う、それに対応して約二倍ないし三倍で税負担が上がる、税負担の伸び率が上がるということは、何としても是正していただきたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →これは御承知のように、我々は源泉徴収で丸ごと取られております。それから、税率はありますが、その中で、所得が上がればそのまま税負担が上がっていくような構造になっています。これは、したがいまして、せめて物価スライドで最低の控除額を決めてもらいたいというふうなことを言っているわけです。物価調整制度の導入を政府税調その他で何回も繰り返しておりますけれども、まだ検討の段階にも入っていないというふうなことで非常に残念に思っております。
それから、そういう意味で、この点はサラリーマンの立場でいえば、自営業の皆さんは領収書で物価が込められて、物価が込み込みの領収書で確定申告ができる、我々はそれができないというふうなことで申し上げているわけであります。
それから、我々ももう資産、所得、消費、それぞれに対して総合的な税制体制にしてもらいたいというふうなことを申し上げています。既に政府税調で総合課税化の問題も出ました。納税者番号制度も検討されているように聞いています。我々は、それを早期にやっていただきながら総合課税の方向へ持っていっていただきたいというふうに考えているわけであります。特に、一生懸命賃上げしましても、それに見合う、それに対応して約二倍ないし三倍で税負担が上がる、税負担の伸び率が上がるということは、何としても是正していただきたいというふうに思っております。
中
大
大田弘子#14
○大田参考人 不公平税制の最たるものは、やはり自営業者とサラリーマンの所得捕捉のアンバランスだと思います。いわゆるクロヨンと言われている問題です。この部分を是正するためには消費税の税率を上げることが必要だと思います。その前提としまして、消費税の中での現在の消費税の不合理な点、伝票方式でないということ、それから簡易課税制度が設けられているということ、この点の見直しが必要だと思っております。
それから、今、中川さんがおっしゃいました物価調整減税という考え方にも私は賛成です。ただ、それを明確に指標化してインデクセーションを行うかどうかが問題だと思っております。アメリカでもインデクセーションを行って物価調整減税を行ったことがかなりの財政支出につながりましたので、その点が問題だろうと思います。
現在は、課税最低限を引き上げること、それから各税率が適用される範囲の所得額を上げていくこと、この改革が必要だと思っております。
この発言だけを見る →それから、今、中川さんがおっしゃいました物価調整減税という考え方にも私は賛成です。ただ、それを明確に指標化してインデクセーションを行うかどうかが問題だと思っております。アメリカでもインデクセーションを行って物価調整減税を行ったことがかなりの財政支出につながりましたので、その点が問題だろうと思います。
現在は、課税最低限を引き上げること、それから各税率が適用される範囲の所得額を上げていくこと、この改革が必要だと思っております。
中
中村正男#15
○中村(正男)委員 次は、当面いたしております五年度税制の問題でありますが、私は大体五つぐらい問題点があると思うのです。
それらについての御所見をお伺いしたいと思うのですが、一つは景気対策のための租税措置を今回どう対応をしたのかということであります。我々の理解では、個人としては所得税の減税なりあるいは法人としては投資減税等々考えられるのですけれども、これが余り際立ったものがない、これが指摘の一つであります。
それから二点目は、とりわけ勤労者の重税感緩和のための所得税の見直しが行われなかったという点だと思うのです。特にこの重税感という意味合いでは、抜本改革が一九八八年以降行われておりません。課税最低限はそのままであります。この課税最低限を平均的な国民所得で割りますと、八九年は三〇・八、これは抜本改正の翌年であります。ところが九二年にはこれがもう二六・二%に下がっている。これを一つ見ても極めて重税感が強い、これが何ら対応されてないという点が一つ。
それから、同じような意味合いで、国税の収入の中の源泉所得税と申告所得税が占める割合、これを見てみましても、八九年は源泉所得税の割合が二六・八、申告所得税の割合が一〇・八、これが九二年にはいずれも三二・五、九・二と、こういう数字になっておりまして、もう既に抜本改革以前に戻っている。これが率直な見方ではないかと思いますが、それについてのお考えをお聞きしたい。
それから三点目は、土地税制の強化であります。それぞれお三方とも、基本的には地価税の問題とか土地税制、とりわけ保有についての税制は強化せにゃいかぬ、こういう御意見でありますから私も同感であります。
ただ、けさの新聞では地価税の四年度の申告分がそれぞれ出ておりまして、それなりの業界の反発の御意見もあったのですけれども、私は、やはり問題は導入時に骨抜きにされた、この基礎控除が大法人では十億円、それから一平米三万円以下は非課税だとか、こういう当初導入時の、非常に狭めてしまった、そこにも一つの問題があるんじゃないか。その点についての御意見をお伺いしたいと思います。
それから四点目は、資産所得課税ですね。だんだん経済がストック化してまいります。そこから当然収益も新たな発生が出てくるわけですけれども、それに対する的確な税制というのが行われてない。これについての御所見をお伺いしたいと思います。
最後五点目は、消費税そのものに対する問題でありますが、基本的には、これは欠陥税制で、導入されたまま今日に至っておる。その上で一部では税率のアップだとかそういうものが論議されておるのですけれども、まず原点に戻って、本来こういう欠陥的な消費税を是正しなくちゃならないんじゃないか。国会でもそれを一部やりましたけれども、抜本的な是正には至ってない。それが一つ。
それからもう一つは、これは私どもの意見にもあるのですけれども、先ほどから言われておりますが、高齢化社会に合った税制、豊かな高齢化社会のための税制というのは当然これから我々は考えていかなきゃならない。その場合、消費税というものを国民全体がそういう意味合いで理解していくということでは、社会保障費に限定して、言ってみればこの際欠陥を是正した上でそういう形、目的税にすべきではないのかというふうに思うわけであります。
以上、五点についてそれぞれ、今度は大田先生の方から。
この発言だけを見る →それらについての御所見をお伺いしたいと思うのですが、一つは景気対策のための租税措置を今回どう対応をしたのかということであります。我々の理解では、個人としては所得税の減税なりあるいは法人としては投資減税等々考えられるのですけれども、これが余り際立ったものがない、これが指摘の一つであります。
それから二点目は、とりわけ勤労者の重税感緩和のための所得税の見直しが行われなかったという点だと思うのです。特にこの重税感という意味合いでは、抜本改革が一九八八年以降行われておりません。課税最低限はそのままであります。この課税最低限を平均的な国民所得で割りますと、八九年は三〇・八、これは抜本改正の翌年であります。ところが九二年にはこれがもう二六・二%に下がっている。これを一つ見ても極めて重税感が強い、これが何ら対応されてないという点が一つ。
それから、同じような意味合いで、国税の収入の中の源泉所得税と申告所得税が占める割合、これを見てみましても、八九年は源泉所得税の割合が二六・八、申告所得税の割合が一〇・八、これが九二年にはいずれも三二・五、九・二と、こういう数字になっておりまして、もう既に抜本改革以前に戻っている。これが率直な見方ではないかと思いますが、それについてのお考えをお聞きしたい。
それから三点目は、土地税制の強化であります。それぞれお三方とも、基本的には地価税の問題とか土地税制、とりわけ保有についての税制は強化せにゃいかぬ、こういう御意見でありますから私も同感であります。
ただ、けさの新聞では地価税の四年度の申告分がそれぞれ出ておりまして、それなりの業界の反発の御意見もあったのですけれども、私は、やはり問題は導入時に骨抜きにされた、この基礎控除が大法人では十億円、それから一平米三万円以下は非課税だとか、こういう当初導入時の、非常に狭めてしまった、そこにも一つの問題があるんじゃないか。その点についての御意見をお伺いしたいと思います。
それから四点目は、資産所得課税ですね。だんだん経済がストック化してまいります。そこから当然収益も新たな発生が出てくるわけですけれども、それに対する的確な税制というのが行われてない。これについての御所見をお伺いしたいと思います。
最後五点目は、消費税そのものに対する問題でありますが、基本的には、これは欠陥税制で、導入されたまま今日に至っておる。その上で一部では税率のアップだとかそういうものが論議されておるのですけれども、まず原点に戻って、本来こういう欠陥的な消費税を是正しなくちゃならないんじゃないか。国会でもそれを一部やりましたけれども、抜本的な是正には至ってない。それが一つ。
それからもう一つは、これは私どもの意見にもあるのですけれども、先ほどから言われておりますが、高齢化社会に合った税制、豊かな高齢化社会のための税制というのは当然これから我々は考えていかなきゃならない。その場合、消費税というものを国民全体がそういう意味合いで理解していくということでは、社会保障費に限定して、言ってみればこの際欠陥を是正した上でそういう形、目的税にすべきではないのかというふうに思うわけであります。
以上、五点についてそれぞれ、今度は大田先生の方から。
大
大田弘子#16
○大田参考人 まずサラリーマンの重税感の問題ですけれども、この点に関しましてはおっしゃるとおりだと思います。ですから、先ほどのお答えと重複いたしますけれども、課税最低限は引き上げるべきだと思いますし、各税率を適用する刻みに該当する所得額、これを拡大していくことが必要であると思っております。
それから消費税の増税、これも先ほどの答えと重複いたします。
それから、土地税制の強化といたしまして、地価税の導入時にかなり骨抜きになったんじゃないかという御指摘ですが、これも賛成でございます。地価税の申告状況を見ますと、ごく一握りの企業がたくさんの土地を、一%の法人が全法人の資産額の六割以上を占めている、一%の法人の中のさらに三%の法人、資本金百億円以上の企業が四割を占めている。面積からいいましても四割ぐらいを占めている。この実態を考えますと、大き過ぎる基礎控除の中の特に面積控除、平米当たり三万円という控除が私は大き過ぎるのじゃないか。面積をたくさん持てば持つほど控除が大き過ぎるということが不公平につながっているのではないかなと思っております。
それから資産所得課税ですけれども、これにつきましては、利子課税、株式譲渡益課税について政府税調でも議論が行われましたが、実は貯蓄をどう扱うかというのは課税の原則に関する大きい問題を含んでおります。つまり、課税のベースを所得にするのか支出にするのか、この大きな根源的な議論を含んでおります。その全体の中で考えるべきだと思いますが、少なくとも総合所得税という考え方を続けていくならば、やはり納税者番号を導入して貯蓄に分離課税ではなく総合所得税の中で課税していく、それからキャピタルゲインについても課税していくことが必要です。
それから、少なくとも高齢化社会に向けた資産形成のあり方ということでいいますと、一定額までの貯蓄に対して、老後に向けた貯蓄に限定して何らかの優遇策がとられることは妥当ではないかと思います。
それから、消費税を社会保障費に目的税化してはどうかという御意見ですが、目的税自体は決して望ましいとは思いませんが、社会保障費の中でも税が使われる部分というのは、年金の国庫負担分、それからもう一つは介護などの福祉サービスの分野です。この介護などの福祉サービスの分野は今極めておくれておりまして、早急に財源の対策をとって充実していかなきゃいけない部、分です。それを考えますと、私は目的税化という考え方も十分にあり得ると思っております。
それから、高齢化社会ということで一つ申し忘れました。サラリーマンの重税感というところでぜひ、年金の保険料も上がっていくという、出ていく財布からは税も社会保険料も同じところで出ていきますので、それを合わせて負担というものを考えていかなきゃいけないと思います。
たくさんの質問で回答がばらばらして申しわけありません。
この発言だけを見る →それから消費税の増税、これも先ほどの答えと重複いたします。
それから、土地税制の強化といたしまして、地価税の導入時にかなり骨抜きになったんじゃないかという御指摘ですが、これも賛成でございます。地価税の申告状況を見ますと、ごく一握りの企業がたくさんの土地を、一%の法人が全法人の資産額の六割以上を占めている、一%の法人の中のさらに三%の法人、資本金百億円以上の企業が四割を占めている。面積からいいましても四割ぐらいを占めている。この実態を考えますと、大き過ぎる基礎控除の中の特に面積控除、平米当たり三万円という控除が私は大き過ぎるのじゃないか。面積をたくさん持てば持つほど控除が大き過ぎるということが不公平につながっているのではないかなと思っております。
それから資産所得課税ですけれども、これにつきましては、利子課税、株式譲渡益課税について政府税調でも議論が行われましたが、実は貯蓄をどう扱うかというのは課税の原則に関する大きい問題を含んでおります。つまり、課税のベースを所得にするのか支出にするのか、この大きな根源的な議論を含んでおります。その全体の中で考えるべきだと思いますが、少なくとも総合所得税という考え方を続けていくならば、やはり納税者番号を導入して貯蓄に分離課税ではなく総合所得税の中で課税していく、それからキャピタルゲインについても課税していくことが必要です。
それから、少なくとも高齢化社会に向けた資産形成のあり方ということでいいますと、一定額までの貯蓄に対して、老後に向けた貯蓄に限定して何らかの優遇策がとられることは妥当ではないかと思います。
それから、消費税を社会保障費に目的税化してはどうかという御意見ですが、目的税自体は決して望ましいとは思いませんが、社会保障費の中でも税が使われる部分というのは、年金の国庫負担分、それからもう一つは介護などの福祉サービスの分野です。この介護などの福祉サービスの分野は今極めておくれておりまして、早急に財源の対策をとって充実していかなきゃいけない部、分です。それを考えますと、私は目的税化という考え方も十分にあり得ると思っております。
それから、高齢化社会ということで一つ申し忘れました。サラリーマンの重税感というところでぜひ、年金の保険料も上がっていくという、出ていく財布からは税も社会保険料も同じところで出ていきますので、それを合わせて負担というものを考えていかなきゃいけないと思います。
たくさんの質問で回答がばらばらして申しわけありません。
中
中川宏一#17
○中川参考人 第一点の課税最低限については、当然引き上げるべきだと思っております。同時に、中堅サラリーマンが非常に重税感を持っている。ここを何とかしなければいけないのじゃないだろうかと思っておりまして、単に税率構造の改善ということだけではなくて、先ほど物価調整減税の問題を申し上げましたけれども、全体の底上げ等、中堅サラリーマンの重税感に対する対策を強化をするべきではないだろうかと思っております。
それから、土地税制についてはおっしゃるとおりで、地価税が創設されたときには、とりあえず発足させて今後拡充していこうということでつくったと思います。そういう意味では非常に不十分であるという立場に立っております。特に長期間保有されている遊休地その他に対する課税も含めて、この土地税制の拡充強化は必要だと考えております。
それから、資産所得の課税の問題について、先ほど申し上げましたように、納税者番号、それを踏まえた総合課税の中でキャピタルゲインを含めて全体を把握するというふうな考え方をもっと強化をしていくべきだと考えております。
最後の消費税の問題については、我々もやるのならEC型の付加価値税でやるべきだと思っております。
ただし問題は、消費税が非常に大きな反響を呼んで選挙の大きな争点になって、国民の大きな怒りがあったことを忘れてはならないだろうと思っております。そういう意味で、税制の導入に対しては国民合意の選択、取り組みが必要ではないだろうかと思います。
いずれにしましても、資産、所得、消費に対するバランスのある課税の対策ということは必要であります。そういう意味で、一方では低所得者に対する逆進性あるいは累進性の緩和、こういったことを考えながら全体としては考えていかざるを得ないだろうと思っております。今のような、みんなが三%納めたものが必ずしも政府の国庫に入らないというふうな体制、そういったことも検討をしていく必要があるだろうと思っております。
そういう意味で、今の税制が労働所得に対して比重が非常に大きい、こういうことに対する抜本的な改革をぜひともお願いしたいと思いますし、我々サラリーマン、被害者意識が強過ぎると思われるかもしれませんが、ほかの階層に比べれば非常にきちんと納めている、そして厳しく取り立てられていると思っております。ぜひともそういう点も含めて総合的に検討していただければありがたいと思っております。
この発言だけを見る →それから、土地税制についてはおっしゃるとおりで、地価税が創設されたときには、とりあえず発足させて今後拡充していこうということでつくったと思います。そういう意味では非常に不十分であるという立場に立っております。特に長期間保有されている遊休地その他に対する課税も含めて、この土地税制の拡充強化は必要だと考えております。
それから、資産所得の課税の問題について、先ほど申し上げましたように、納税者番号、それを踏まえた総合課税の中でキャピタルゲインを含めて全体を把握するというふうな考え方をもっと強化をしていくべきだと考えております。
最後の消費税の問題については、我々もやるのならEC型の付加価値税でやるべきだと思っております。
ただし問題は、消費税が非常に大きな反響を呼んで選挙の大きな争点になって、国民の大きな怒りがあったことを忘れてはならないだろうと思っております。そういう意味で、税制の導入に対しては国民合意の選択、取り組みが必要ではないだろうかと思います。
いずれにしましても、資産、所得、消費に対するバランスのある課税の対策ということは必要であります。そういう意味で、一方では低所得者に対する逆進性あるいは累進性の緩和、こういったことを考えながら全体としては考えていかざるを得ないだろうと思っております。今のような、みんなが三%納めたものが必ずしも政府の国庫に入らないというふうな体制、そういったことも検討をしていく必要があるだろうと思っております。
そういう意味で、今の税制が労働所得に対して比重が非常に大きい、こういうことに対する抜本的な改革をぜひともお願いしたいと思いますし、我々サラリーマン、被害者意識が強過ぎると思われるかもしれませんが、ほかの階層に比べれば非常にきちんと納めている、そして厳しく取り立てられていると思っております。ぜひともそういう点も含めて総合的に検討していただければありがたいと思っております。
加
加藤寛#18
○加藤参考人 お答えさせていただきます。
順々に申し上げて、要点だけになりますがお許しいただきます。
第一は、景気対策をどれだけ考えたかということでございます。これは御承知のとおり、既に去年の十二月に成立しました大型補正予算、これがもちろんいろいろな効果を持つのでございます。
しかし、私ども非常に心配しておりますのは、日本の今の不況は単なる循環的不況ではございません。循環的不況ではないということは、不況になったから財政で効果を出すかというと、この効果は間接的になります。したがって、循環的でない構造的不況でございますから、構造を直さなければいけないわけです。対策にかかわらずなかなか効果を発揮しませんのは、現在のこの不況が、それは構造的に不良資産を抱え込んでいる今の状況でございます。その対策をどうするかによって決まるわけでございまして、それは単なる財政政策ではできないと考えておることが一つでございます。
それから、二番目の問題でございますが、重税感の問題でございます。
これは、確かにおっしゃるとおり、今、次第に負担感がふえておりまして、その意味では上昇しておりますけれども、しかし日本の場合は課税最低限は決して低くございませんし、同時にまた、その意味ではこの前も抜本改正で段階を変えたわけでございます。これを将来どう変えるかということは、もう私ども頭の中に描いていなければいけないのでございますが、そういうことを描いて考えますと、今急にそれをやるというぐあいにはいかない。やはりこれは慎重に審議して、そして私たちが答えを出すべき問題だろう、こういうふうに思っておりますので、現在の税制のところでは、それが予算のところで出なかったということでございます。
そして、同時に重税感の問題でございますけれども、これもさっき申しましたように構造的問題がここに重なっているわけでございます。したがって、私が先ほど政策的な判断と申し上げましたのは、それは一つのことを実行いたしますときには、それに対する歯どめをどう考えるか、つまり作戦的に、前進したときには、いつとまっていつ後退するかということも必ず頭の中に入れた考え方をしないと、政策は投げやりになってしまうという危険がございます。そういうことを考えますと、私どもとしては中長期的にこの問題に対して対処すべきであって、御承知のように税制の抜本改革があったところで、まだ負担感は数字的にも若干低いところがございます。ただ、これはいろいろな統計がございますから答えを一義的に出すことはできませんが、そういう議論があるということは、結果的にこれを検討する余地がまだ残されているということでございます。
それから三番目でございますが、これは御承知のとおり源泉と申告の問題がございます。これはこれからどういうふうな税制体系に変えていくかということが非常に重要なんでございますが、先ほども大田参考人がおっしゃいましたけれども、これから消費に重点を置くのか、あるいは資産に置くのか、あるいはそのほか所得に重点を置くのか、いろいろとございますが、二十一世紀を考えたときには、ちょっと早過ぎるかもしれませんけれども、支出税という考え方が世界的に広がってくるだろうと私は思っております。そのようなときには、バランスの問題についてはこの支出税で解決することが可能になってまいりますので、そういう方向を今頭の中に置きながら、私どもは十年後の税制をどうしたらいいかというふうに考えているところでございます。
それから四番目には、おっしゃいましたような資産所得の課税でございますが、これは御承知のように総合課税の方向を今検討しているところでございまして、本当にできるかできないかということを前提にした上でこれから論じていくところでございますので、またいろいろと御指導いただきたいと思っております。
それから五番目でございますが、消費税の問題でございます。欠陥消費税、こうおっしゃったのでございますけれども、私どもから見ますと、これは欠陥があることがわかっておりますから、欠陥があるというと間違っていたかということになりますが、そういう意味の欠陥ではなくて、余り完全に把握はできないことは初めからわかっているわけです。そこで三%にしたのだということです。つまり、五%という案があのときもありましたけれども、しかし三%の方がなるべく大きな抜け穴ができないという意味で三%になっております。その意味で、これをこれから直していくとすれば、インボイス方式を考えなければいけないし、あるいはいろいろな抜け穴がございますからその抜け穴を押さえていかなければならぬ。こういうことで、もし消費税を国民の皆さん方が全部納得してくれれば、私は、これは将来の支出税に結びつけていくための一つの重要な布石だと考えています。しかし、それにもかかわらず私は、まだそこまで踏み切って考えでいいのかどうか、もっと視野を広くして直間比率をどういうふうに考えたらいいかというふうに問題を進めるべきではないかと思っております。
それから、地価税の問題でございます。先ほどちょっと申し上げましたけれども、地価税というのは、地価が上がっているからこれを下げるためにやったものではございません。したがって、地価税というものは、ある意味で構造的な不均衡を直すため、つまり不良資産のようなものが発生いたしましたのは、そこに集中的に過剰信用が流れ込んできたためでございますね。その過剰信用が流れ込んでくる、そういう金融構造、信用構造を直さないとこれを直すことができないというわけでございますから、その意味で、地価税を導入したということは、これは大変よい方法であったと私は思っております。
ただ、これにつきましては、当初一%などという案もございましたし、かなり厳しい案がございました。しかし逆にまた、それでは厳し過ぎるから大変だという案もございました。きょう発表されました新聞で見ますと、先ほども大田参考人がおっしゃったように非常に偏っているような感じがございますが、逆に申せば、そういう偏ったところがあるように、日本の資産というものが非常に不均衡になっていたということでございますね。そういうものを直すためにこの地価税は非常に有効な方法になったのではないか、こういうふうに考えております。
そして、さらにつけ加えますと、この地価税とは別に、先ほどのお話の中に消費税を高齢化社会のための目的税にすべきではないかという御意見がございましたが、私は、目的税化ということに対してはちょっと慎重でございまして、目的税になったことによって財政が硬直化することが危険でございます。その意味では、むしろ高齢化ということに対する対応は、何も社会保障だけではなくていろいろな政策があるわけであります。例えば少子、子供が少なくて、少産少子というああいう状況もございますね。こういうこともやはり高齢化社会の一つの原因になるわけです。
そういうことを考えますと、そこら辺も含めた広い意味の財政が必要になってまいりますので、目的税化を考えていくことはむしろ望ましくない、正しい消費税というものが決しておかしいものではない、これはむしろ将来の日本の税制の当然の方向であるということを国民に何とか理解してもらうことが第一条件ではないか、私はこう考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →順々に申し上げて、要点だけになりますがお許しいただきます。
第一は、景気対策をどれだけ考えたかということでございます。これは御承知のとおり、既に去年の十二月に成立しました大型補正予算、これがもちろんいろいろな効果を持つのでございます。
しかし、私ども非常に心配しておりますのは、日本の今の不況は単なる循環的不況ではございません。循環的不況ではないということは、不況になったから財政で効果を出すかというと、この効果は間接的になります。したがって、循環的でない構造的不況でございますから、構造を直さなければいけないわけです。対策にかかわらずなかなか効果を発揮しませんのは、現在のこの不況が、それは構造的に不良資産を抱え込んでいる今の状況でございます。その対策をどうするかによって決まるわけでございまして、それは単なる財政政策ではできないと考えておることが一つでございます。
それから、二番目の問題でございますが、重税感の問題でございます。
これは、確かにおっしゃるとおり、今、次第に負担感がふえておりまして、その意味では上昇しておりますけれども、しかし日本の場合は課税最低限は決して低くございませんし、同時にまた、その意味ではこの前も抜本改正で段階を変えたわけでございます。これを将来どう変えるかということは、もう私ども頭の中に描いていなければいけないのでございますが、そういうことを描いて考えますと、今急にそれをやるというぐあいにはいかない。やはりこれは慎重に審議して、そして私たちが答えを出すべき問題だろう、こういうふうに思っておりますので、現在の税制のところでは、それが予算のところで出なかったということでございます。
そして、同時に重税感の問題でございますけれども、これもさっき申しましたように構造的問題がここに重なっているわけでございます。したがって、私が先ほど政策的な判断と申し上げましたのは、それは一つのことを実行いたしますときには、それに対する歯どめをどう考えるか、つまり作戦的に、前進したときには、いつとまっていつ後退するかということも必ず頭の中に入れた考え方をしないと、政策は投げやりになってしまうという危険がございます。そういうことを考えますと、私どもとしては中長期的にこの問題に対して対処すべきであって、御承知のように税制の抜本改革があったところで、まだ負担感は数字的にも若干低いところがございます。ただ、これはいろいろな統計がございますから答えを一義的に出すことはできませんが、そういう議論があるということは、結果的にこれを検討する余地がまだ残されているということでございます。
それから三番目でございますが、これは御承知のとおり源泉と申告の問題がございます。これはこれからどういうふうな税制体系に変えていくかということが非常に重要なんでございますが、先ほども大田参考人がおっしゃいましたけれども、これから消費に重点を置くのか、あるいは資産に置くのか、あるいはそのほか所得に重点を置くのか、いろいろとございますが、二十一世紀を考えたときには、ちょっと早過ぎるかもしれませんけれども、支出税という考え方が世界的に広がってくるだろうと私は思っております。そのようなときには、バランスの問題についてはこの支出税で解決することが可能になってまいりますので、そういう方向を今頭の中に置きながら、私どもは十年後の税制をどうしたらいいかというふうに考えているところでございます。
それから四番目には、おっしゃいましたような資産所得の課税でございますが、これは御承知のように総合課税の方向を今検討しているところでございまして、本当にできるかできないかということを前提にした上でこれから論じていくところでございますので、またいろいろと御指導いただきたいと思っております。
それから五番目でございますが、消費税の問題でございます。欠陥消費税、こうおっしゃったのでございますけれども、私どもから見ますと、これは欠陥があることがわかっておりますから、欠陥があるというと間違っていたかということになりますが、そういう意味の欠陥ではなくて、余り完全に把握はできないことは初めからわかっているわけです。そこで三%にしたのだということです。つまり、五%という案があのときもありましたけれども、しかし三%の方がなるべく大きな抜け穴ができないという意味で三%になっております。その意味で、これをこれから直していくとすれば、インボイス方式を考えなければいけないし、あるいはいろいろな抜け穴がございますからその抜け穴を押さえていかなければならぬ。こういうことで、もし消費税を国民の皆さん方が全部納得してくれれば、私は、これは将来の支出税に結びつけていくための一つの重要な布石だと考えています。しかし、それにもかかわらず私は、まだそこまで踏み切って考えでいいのかどうか、もっと視野を広くして直間比率をどういうふうに考えたらいいかというふうに問題を進めるべきではないかと思っております。
それから、地価税の問題でございます。先ほどちょっと申し上げましたけれども、地価税というのは、地価が上がっているからこれを下げるためにやったものではございません。したがって、地価税というものは、ある意味で構造的な不均衡を直すため、つまり不良資産のようなものが発生いたしましたのは、そこに集中的に過剰信用が流れ込んできたためでございますね。その過剰信用が流れ込んでくる、そういう金融構造、信用構造を直さないとこれを直すことができないというわけでございますから、その意味で、地価税を導入したということは、これは大変よい方法であったと私は思っております。
ただ、これにつきましては、当初一%などという案もございましたし、かなり厳しい案がございました。しかし逆にまた、それでは厳し過ぎるから大変だという案もございました。きょう発表されました新聞で見ますと、先ほども大田参考人がおっしゃったように非常に偏っているような感じがございますが、逆に申せば、そういう偏ったところがあるように、日本の資産というものが非常に不均衡になっていたということでございますね。そういうものを直すためにこの地価税は非常に有効な方法になったのではないか、こういうふうに考えております。
そして、さらにつけ加えますと、この地価税とは別に、先ほどのお話の中に消費税を高齢化社会のための目的税にすべきではないかという御意見がございましたが、私は、目的税化ということに対してはちょっと慎重でございまして、目的税になったことによって財政が硬直化することが危険でございます。その意味では、むしろ高齢化ということに対する対応は、何も社会保障だけではなくていろいろな政策があるわけであります。例えば少子、子供が少なくて、少産少子というああいう状況もございますね。こういうこともやはり高齢化社会の一つの原因になるわけです。
そういうことを考えますと、そこら辺も含めた広い意味の財政が必要になってまいりますので、目的税化を考えていくことはむしろ望ましくない、正しい消費税というものが決しておかしいものではない、これはむしろ将来の日本の税制の当然の方向であるということを国民に何とか理解してもらうことが第一条件ではないか、私はこう考えております。
以上でございます。
中
中村正男#19
○中村(正男)委員 中川参考人にだけちょっとお伺いいたしますが、居住用財産の買いかえ特例の問題、これはもう御指摘されましたが、要は、現行でも一定の要求のある人については十分カバーできているわけです。その上なおかつ今回これを復活しよう、こういう意図はやはり地価高騰につながっていく、私はこう思わざるを得ないわけですし、連合という立場で、仮にこれが復活された場合、一体どの程度これを利用しようとする階層がおられるのかということですね。実態としてのお考えをお聞きをしたいと思います。これが一つ。
それから、財形貯蓄の問題なんですが、これも大蔵省は、結局利用率が低いじゃないか、まだ平均的に五百万円までいっていない、それが極めて強く前へ出て今回わずか五十万円にとどまった、こう思うのですけれども、それでは、なぜ利用率
がそういう程度にとどまっておるのか、そのことについてお伺いしたいと思います。その二つをお願いいたします。
この発言だけを見る →それから、財形貯蓄の問題なんですが、これも大蔵省は、結局利用率が低いじゃないか、まだ平均的に五百万円までいっていない、それが極めて強く前へ出て今回わずか五十万円にとどまった、こう思うのですけれども、それでは、なぜ利用率
がそういう程度にとどまっておるのか、そのことについてお伺いしたいと思います。その二つをお願いいたします。
中
中川宏一#20
○中川参考人 買いかえ特例の問題ですが、我々の方でどこまでという具体的な調査をしたことはありませんから冒頭申し上げましたような結果でございまして、我々の方でこれから考えますと、それほど活用できるものではないだろう、転勤のときに役に立つんじゃないかというふうな話もありますが、そうそうこういうふうなことを使うというのはほとんどありませんと思います。大企業の場合は社宅その他で対応してまいりますし、中小ではそういう思い切った転勤というものはありませんものですから、これがほとんど役には立たぬのではないかなというふうに思っております。
そういう意味で、先生おっしゃるように、私どもも、買いかえ特例は地価の底支えの、下支えの政策の一環ではないだろうかというふうに考えているところであります。
確かにいろいろな条件があります。しかし、実態的に言って、先ほど申し上げましたように、八七%の人が軽減税率の方で処理をしているということになれば、なぜ今ここでそんなことをやらなきゃいけないのかということにもなると思うのです。そうしますと、考えてみると、勘ぐりはしませんが、地価の底支え、そしてまた高騰の危惧を持たせる、あるいはみんなもうこれで地価はとまったんだ、これから上回るのだということからの思惑買いみたいなものが出てくるのではないだろうかと思っております。
それから、財形の問題について十分お話しできませんでしたので申し上げたいと思いますが、確かにこれは数字で、住宅では百四十万円、一人平均で積立額が百四十万円です。住宅ではそうで、年金では百一万円というふうになっております。しかし、これは毎月毎月二万円なり三万円なり積み立ててやっていくわけですから、ある面で言えば契約高が低いのは当然であるわけです。十五年ないし二十年積み立ててようやく一千万なり五百万なりになっていくというふうになっているわけで、その点、非課税限度額を大きく下回っているから、この非課税限度額を引き上げる必要はないということにはならないと思うのです。
特に、今どき一千万円で土地が買えるあるいは家が買えるという段階じゃありません。むしろ一千万円ではどうにもならないという現状でありまして、後はローンでやれという考え方もあると思いますが、勤労者が汗水垂らしてためていく、そしてそれを元手にして土地や建物を買っていくということに対する政府のバックアップ対策が当然あってしかるべきではないだろうか。二十年前の五百万円の非課税がそのまま据え置かれてやられるということについては非常に疑問を感じております。確かに今、政府は、日本は貯蓄が多過ぎるじゃないか、こういうふうに言われていますが、目的のある、例えばこういう財形の貯蓄に対して非課税限度額を下げていく、あるいは上げないというふうなことはいかがなものかというふうに考えているわけです。
この発言だけを見る →そういう意味で、先生おっしゃるように、私どもも、買いかえ特例は地価の底支えの、下支えの政策の一環ではないだろうかというふうに考えているところであります。
確かにいろいろな条件があります。しかし、実態的に言って、先ほど申し上げましたように、八七%の人が軽減税率の方で処理をしているということになれば、なぜ今ここでそんなことをやらなきゃいけないのかということにもなると思うのです。そうしますと、考えてみると、勘ぐりはしませんが、地価の底支え、そしてまた高騰の危惧を持たせる、あるいはみんなもうこれで地価はとまったんだ、これから上回るのだということからの思惑買いみたいなものが出てくるのではないだろうかと思っております。
それから、財形の問題について十分お話しできませんでしたので申し上げたいと思いますが、確かにこれは数字で、住宅では百四十万円、一人平均で積立額が百四十万円です。住宅ではそうで、年金では百一万円というふうになっております。しかし、これは毎月毎月二万円なり三万円なり積み立ててやっていくわけですから、ある面で言えば契約高が低いのは当然であるわけです。十五年ないし二十年積み立ててようやく一千万なり五百万なりになっていくというふうになっているわけで、その点、非課税限度額を大きく下回っているから、この非課税限度額を引き上げる必要はないということにはならないと思うのです。
特に、今どき一千万円で土地が買えるあるいは家が買えるという段階じゃありません。むしろ一千万円ではどうにもならないという現状でありまして、後はローンでやれという考え方もあると思いますが、勤労者が汗水垂らしてためていく、そしてそれを元手にして土地や建物を買っていくということに対する政府のバックアップ対策が当然あってしかるべきではないだろうか。二十年前の五百万円の非課税がそのまま据え置かれてやられるということについては非常に疑問を感じております。確かに今、政府は、日本は貯蓄が多過ぎるじゃないか、こういうふうに言われていますが、目的のある、例えばこういう財形の貯蓄に対して非課税限度額を下げていく、あるいは上げないというふうなことはいかがなものかというふうに考えているわけです。
中
中村正男#21
○中村(正男)委員 最後に、景気対策という観点での減税問題について改めてお聞きをしたいと思います。
今まで財界の方々は声をそろえて四兆ないし五兆円の大型減税を直ちに実施をせよと政府に向かって盛んにおっしゃっておられます。また、政府の方は、今度は財界に向かって、この春の賃金交渉、ひとつ思い切って賃上げをやってもらいたい。私は、極めてお互い無責任だと思うのです。本来それぞれがやらなきゃならない課題に口を閉ざして相手側にそれを求める。
そのことはそのこととして、ただ両者も、やはり今日の不況というのは消費不況である、はっきりそこに視点を置いての御意見になっているわけでして、そのためには、それを脱却していくためには、やはり購買力の回復しかないということに尽きると思うのですね。したがって、私は、やはり減税というのはもう天の声だというふうに、極めて乱暴な言い方ではありますけれども、そういう状況になってきておると思います。
そこで、私どもも先般、社会、公明、民社三党共同で所得税減税を中心にした景気対策を申し入れをいたしまして、三月一日に回答をいただくことになっております。
そこで、お三方に、我々が要求しておるこの所得税減税を中心にした景気対策、このことについて御所見をお伺いしたいと思います。
私どもは、確かに単純にこれが景気対策になるとは思っておりません。とりわけ戻し税の効果というのは率直に言って私どもも疑問であります。ただ、それは、やはり先行きに、特に勤労者の場合、先行きに重税感が軽減されるということと結びついておれば、我々が要求しておる戻し税というものも有効に消費に回るのではないか、だからあくまでも戻し税と制度改正はセットで実現をしなきゃならない、こういう立場であります。
問題は、赤字国債でということなんですが、これにもいろいろ御意見ございますが、例えば今の、冒頭から申し上げておりますような不公平税制の是正、とりわけ総合所得課税ですね、これを一日も早く実施をして、そこから新たに生み出した税収については、今回のいわゆる減税の償還財源に充てていくというふうなことをやれば何とかこれのつじつまは合うんじゃないか、こう思っておるわけですが、時間が参りましたので、一言すつで結構ですが、お願いいたします。
この発言だけを見る →今まで財界の方々は声をそろえて四兆ないし五兆円の大型減税を直ちに実施をせよと政府に向かって盛んにおっしゃっておられます。また、政府の方は、今度は財界に向かって、この春の賃金交渉、ひとつ思い切って賃上げをやってもらいたい。私は、極めてお互い無責任だと思うのです。本来それぞれがやらなきゃならない課題に口を閉ざして相手側にそれを求める。
そのことはそのこととして、ただ両者も、やはり今日の不況というのは消費不況である、はっきりそこに視点を置いての御意見になっているわけでして、そのためには、それを脱却していくためには、やはり購買力の回復しかないということに尽きると思うのですね。したがって、私は、やはり減税というのはもう天の声だというふうに、極めて乱暴な言い方ではありますけれども、そういう状況になってきておると思います。
そこで、私どもも先般、社会、公明、民社三党共同で所得税減税を中心にした景気対策を申し入れをいたしまして、三月一日に回答をいただくことになっております。
そこで、お三方に、我々が要求しておるこの所得税減税を中心にした景気対策、このことについて御所見をお伺いしたいと思います。
私どもは、確かに単純にこれが景気対策になるとは思っておりません。とりわけ戻し税の効果というのは率直に言って私どもも疑問であります。ただ、それは、やはり先行きに、特に勤労者の場合、先行きに重税感が軽減されるということと結びついておれば、我々が要求しておる戻し税というものも有効に消費に回るのではないか、だからあくまでも戻し税と制度改正はセットで実現をしなきゃならない、こういう立場であります。
問題は、赤字国債でということなんですが、これにもいろいろ御意見ございますが、例えば今の、冒頭から申し上げておりますような不公平税制の是正、とりわけ総合所得課税ですね、これを一日も早く実施をして、そこから新たに生み出した税収については、今回のいわゆる減税の償還財源に充てていくというふうなことをやれば何とかこれのつじつまは合うんじゃないか、こう思っておるわけですが、時間が参りましたので、一言すつで結構ですが、お願いいたします。
大
大田弘子#22
○大田参考人 まず私は、先ほど申し上げましたように、消費不況ではないと思っております。バブルのときが異常であったと思っております。ここはちょっと認識が違います。
それから、三党でお出しになりました減税要求ですけれども、やはり財源面が最大の問題でありまして、赤字国債というのはツケの先送りですから、私は反対です。これは先ほど加藤先生がおっしゃった御意見に賛成です。
それから、不公平税制の是正ですとか総合課税への移行はもちろん必要ですが、これは景気対策としての即効性はありません。戻し税はもう絶対に反対です。これは一時のばらまき減税にすぎない。これにかつての戻し税減税も多大の行政コストをかけております。そして効果は上がっておりません。この状況を確認すべきだと思います。
以上です。
この発言だけを見る →それから、三党でお出しになりました減税要求ですけれども、やはり財源面が最大の問題でありまして、赤字国債というのはツケの先送りですから、私は反対です。これは先ほど加藤先生がおっしゃった御意見に賛成です。
それから、不公平税制の是正ですとか総合課税への移行はもちろん必要ですが、これは景気対策としての即効性はありません。戻し税はもう絶対に反対です。これは一時のばらまき減税にすぎない。これにかつての戻し税減税も多大の行政コストをかけております。そして効果は上がっておりません。この状況を確認すべきだと思います。
以上です。
中
中川宏一#23
○中川参考人 私どもは、冒頭申し上げましたように、ぜひとも実現していただきたいという立場であります。
我々も所得税減税、物調減税を中心にした所得税減税を長年申し上げてきました。国会でもいろいろな形でお願いをしてまいりました。しかし実際には実現しなかったわけです。
この不況の中で、我々の方は消費不況ととらえておりますが、三・三%の実質経済成長を実現するために、ではどうするか。残されたのは所得税減税しかないのではないだろうかというふうに考えているわけです。いろいろな運動の経過の中で、我々としても赤字国債を認めているわけではありません。必ずしも賛成はできないというふうには思っていますが、こういう状況の中で赤字国債を出すのもやむを得ないというふうに考えているわけです。景気の底のところで財政政策が発動されて、景気が上昇の面でそれを回収していくという調整基金的な制度だって考えるべき段階ではないだろうかと考えております。
そういう意味で我々は、いろいろ問題はあるということは十分承知していますが、この不況克服のためにあるいはサラリーマンの重税感の是正のために、所得税減税を中心にする今回の三党案についてはぜひ実現をしていただきたいと思っております。
この発言だけを見る →我々も所得税減税、物調減税を中心にした所得税減税を長年申し上げてきました。国会でもいろいろな形でお願いをしてまいりました。しかし実際には実現しなかったわけです。
この不況の中で、我々の方は消費不況ととらえておりますが、三・三%の実質経済成長を実現するために、ではどうするか。残されたのは所得税減税しかないのではないだろうかというふうに考えているわけです。いろいろな運動の経過の中で、我々としても赤字国債を認めているわけではありません。必ずしも賛成はできないというふうには思っていますが、こういう状況の中で赤字国債を出すのもやむを得ないというふうに考えているわけです。景気の底のところで財政政策が発動されて、景気が上昇の面でそれを回収していくという調整基金的な制度だって考えるべき段階ではないだろうかと考えております。
そういう意味で我々は、いろいろ問題はあるということは十分承知していますが、この不況克服のためにあるいはサラリーマンの重税感の是正のために、所得税減税を中心にする今回の三党案についてはぜひ実現をしていただきたいと思っております。
加
加藤寛#24
○加藤参考人 今大出参考人がおっしゃったように、現在は消費不況ではございません。構造的不況でございますから、これは全く政策的に違った方法をとらなければなりません。
それからさらに、今ここで所得減税を大幅にやっても後でそれをこうやって補えばいいじゃないかということは、もう昭和の初めからずっと言われてきたことでございますけれども、日本でい
まだかつて行われたことがございません。ということを考えますと、私は、このお考えには一つの立場としての御意見はあると思いますけれども、全体としてこれを認めることはできない、こういう考え方でございます。
この発言だけを見る →それからさらに、今ここで所得減税を大幅にやっても後でそれをこうやって補えばいいじゃないかということは、もう昭和の初めからずっと言われてきたことでございますけれども、日本でい
まだかつて行われたことがございません。ということを考えますと、私は、このお考えには一つの立場としての御意見はあると思いますけれども、全体としてこれを認めることはできない、こういう考え方でございます。
中
藤
沢
沢田広#27
○沢田委員 続いて質問しますが、二分ぐらい休憩しますから水でも何でも、お茶は出ませんが飲んでください。
お手元へちょっとプリントして、ここで多くを言うのは時間がかかると思いましたので。
まず加藤先生の方に、答申がこれほど無視されて今日の国会を迎えているわけでありますが、税制調査会としても、これは一言あってしかるべきではないかという気がするのです。私は、言葉が悪いからかもわかりませんが、総辞職でもして政府に尊重する意思を迫るくらいの決意があってしかるべきではなかったか。内答のいかんは別としましても、少なくとも政府はもう少しそういうものを尊重していく、こういう姿勢が、これは大臣がいれば答えてもらうところですが、あってしかるべきではなかったかと思うのですが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →お手元へちょっとプリントして、ここで多くを言うのは時間がかかると思いましたので。
まず加藤先生の方に、答申がこれほど無視されて今日の国会を迎えているわけでありますが、税制調査会としても、これは一言あってしかるべきではないかという気がするのです。私は、言葉が悪いからかもわかりませんが、総辞職でもして政府に尊重する意思を迫るくらいの決意があってしかるべきではなかったか。内答のいかんは別としましても、少なくとも政府はもう少しそういうものを尊重していく、こういう姿勢が、これは大臣がいれば答えてもらうところですが、あってしかるべきではなかったかと思うのですが、いかがでしょうか。
加
加藤寛#28
○加藤参考人 政府税制調査会といたしましては、御承知のとおり今回の私どもの答申と政府の決定とが若干違っております。その点は先ほどもちょっと申し上げましたが、一つは老人マル優の枠拡大でございます。しかし、考えてみれば、これは最初三百万を七百万にというようなお話で議論が進んでいたようでございますから、その意味で五十万にとどまったということは私どもの意見を大きく取り入れていただいた、こういうふうに理解をしております。
それから、さらにまた買いかえ特例でございますが、これにつきましても私たちといたしましては、余り効果のあることではない、しかも土地を最初に、第一次の取得者には余り効果のあるものではございませんから、その意味でこれは好ましくないという立場をとっておったのでございますが、これもいろいろな制限を設けまして、その制限の中でということになりますと非常に限られておりますけれども、しかしその限られたことによって私どもは土地対策のあるいは地価対策の方向を逸脱したものではないということで是認をしているところでございます。
この発言だけを見る →それから、さらにまた買いかえ特例でございますが、これにつきましても私たちといたしましては、余り効果のあることではない、しかも土地を最初に、第一次の取得者には余り効果のあるものではございませんから、その意味でこれは好ましくないという立場をとっておったのでございますが、これもいろいろな制限を設けまして、その制限の中でということになりますと非常に限られておりますけれども、しかしその限られたことによって私どもは土地対策のあるいは地価対策の方向を逸脱したものではないということで是認をしているところでございます。
沢
沢田広#29
○沢田委員 続いて、あの答申は、今の状況というものをある程度予測されて昨年の暮れ出したものだろうと思っているわけです。ただ、社会的に見ると物すごい不況という表現と、あるいはこれは後の条項にもありますが、対策が言うならばちぐはぐなものがあるのではないかという意見もあります。
これは加藤先生に、あと二先生にもお伺いしますが、現下の景気について、答申と景気は間違ってないのか、その点、見通しは若干展望を欠いたのか、これは言いにくいかもしれませんが、どちらなのかお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →これは加藤先生に、あと二先生にもお伺いしますが、現下の景気について、答申と景気は間違ってないのか、その点、見通しは若干展望を欠いたのか、これは言いにくいかもしれませんが、どちらなのかお答えいただきたいと思います。