大蔵委員会

1993-04-21 衆議院 全256発言

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会議録情報#0
平成五年四月二十一日(水曜日)
    午前十時四分開議
出席委員
   委員長 藤井 裕久君
   理事 井奥 貞雄君 理事 石原 伸晃君
   理事 田中 秀征君 理事 前田  正君
   理事 柳本 卓治君 理事 仙谷 由人君
   理事 渡辺 嘉藏君 理事 日笠 勝之君
      浅野 勝人君    岩村卯一郎君
      江口 一雄君    衛藤征士郎君
      大島 理森君    大野 功統君
      河村 建夫君    小林 興起君
      鴻池 祥肇君    左藤  恵君
      福田 康夫君    光武  顕君
      村井  仁君    山口 俊一君
      山下 元利君    伊藤  茂君
      池田 元久君   宇都宮真由美君
      上田 卓三君    小野 信一君
      佐藤 恒晴君    沢田  広君
      戸田 菊雄君    中沢 健次君
      中村 正男君    細谷 治通君
      山下八洲夫君    河上 覃雄君
      倉田 栄喜君    正森 成二君
      伊藤 英成君    中井  洽君
 出席国務大臣
       大 蔵 大 臣  林  義郎君
 出席政府委員
       皇室経済主管   河部 正之君
       大蔵大臣官房総  日高 壮平君
       務審議官
       大蔵省主計局次  涌井 洋治君
       長
       大蔵省主税局長  濱本 英輔君
       大蔵省理財局長  藤井  威君
       大蔵省証券局長  小川  是君
       大蔵省銀行局長  寺村 信行君
       大蔵省銀行局保  鏡味 徳房君
       険部長
       大蔵省国際金融  中平 幸典君
       局長
       証券取引等監視  石坂 匡身君
       委員会事務局長
       国税庁調査査察  野村 興児君
       部長
 委員外の出席者
       公正取引委員会
       事務局審査部管  上杉 秋則君
       理企画課長
       宮内庁長官官房  古居 儔治君
       審議官
       環境庁企画調整
       局環境保健部保  清水  博君
       健業務課特殊疾
       病対策室長
       法務省刑事局刑  大泉 隆史君
       事課長
       法務省人権擁護  澤田 成雄君
       局調査課長
       外務省北米局北 佐々江賢一郎君
       米第二課長
       厚生省生活衛生  織田  肇君
       局食品保健課長
       厚生省保険局保  紺矢 寛朗君
       険課長
       通商産業省通商  小平 信因君
       政策局米州課長
       運輸省自動車交  星野 茂夫君
       通局保障課長
       労働大臣官房参  後藤 光義君
       事官
       建設大臣官房技  城処 求行君
       術調査室長
       自治省行政局選
       挙部政治資金課  大竹 邦実君
       長
       会計検査院事務
       総局第三局運輸  重松 博之君
       検査課長
       大蔵委員会調査  中川 浩扶君
       室長
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十一日
 辞任         補欠選任
  遠藤 武彦君     山口 俊一君
  中村正三郎君     鴻池 祥肇君
  渡辺美智雄君     大野 功統君
  上田 卓三君     山下八洲夫君
  早川  勝君    宇都宮真由美君
  大野由利子君     倉田 栄喜君
  中井  洽君     伊藤 英成君
同日
 辞任         補欠選任
  大野 功統君     渡辺美智雄君
  鴻池 祥肇君     中村正三郎君
  山口 俊一君     遠藤 武彦君
 宇都宮真由美君     早川  勝君
  山下八洲夫君     上田 卓三君
  倉田 栄喜君     井上 義久君
  伊藤 英成君     中井  洽君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 皇太子徳仁親王の婚姻を記念するための五万円
 の貨幣の発行に関する法律案(内閣提出第七〇
 号)
 国の会計、税制及び金融に関する件
     ――――◇―――――
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藤井裕久#1
○藤井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、皇太子徳仁親王の婚姻を記念するための五万円の貨幣の発行に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を求めます。林大蔵大臣。
    ―――――――――――――
 皇太子徳仁親王の婚姻を記念するための五万円
  の貨幣の発行に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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林義郎#2
○林(義)国務大臣 ただいま議題となりました皇太子徳仁親王の婚姻を記念するための五万円の貨幣の発行に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、皇太子殿下御成婚を記念するため、五万円記念金貨幣、五千円記念銀貨幣及び五百円記念白銅貨幣の発行を予定しておりますが、現在、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律においては額面が一万円を超える記念貨幣を発行できないことから、五万円金貨幣の発行ができるよう本法律案を提出した次第であります。
 この法律案は、皇太子殿下御成婚を記念して、特別に五万円の貨幣を発行できることとするとともに、本法律案に基づき発行される貨幣につきまして通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律の関係条文を適用し、その素材、量目、発行枚数等を政令で定めること等とするものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
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藤井裕久#3
○藤井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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藤井裕久#4
○藤井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田卓三君。
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上田卓三#5
○上田(卓)委員 まず、皇太子の御結婚につきまして国民の一人として祝福を申し上げたい、このように思っております。
 それでは、記念貨幣発行につきましての概要についで御質問申し上げたい、このように思います。
 まず、記念貨幣の発行枚数、それから金貨の金地金の量、それから一般財源への繰入額について説明していただきたい。
 また、最近一万円札の偽造事件が発生いたしておりますが、今回の記念貨幣の偽造防止対策はどうなっておるのか、また、希望者への引きかえ方法はどうなるのか、あわせて御説明願いたいと思います。
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藤井威#6
○藤井(威)政府委員 御説明申し上げます。
 まず、今回の皇太子殿下の御成婚に係ります記念貨幣の概要でございますが、今大臣の方から提案理由で御説明いたしましたように、五万円金貨幣、五千円銀貨幣、五百円白銅貨幣の発行を予定いたしております。
 まず、五万円金貨幣でございますが、正式には法律の成立を待って政令により決定するということになりますけれども、現在我々考えておりますのは、もちろん素材は純金でございますが、量目十八グラム、直径二十七ミリ、枚数は二百万枚というふうに考えております。この二百万枚という枚数は、前回発行いたしました金貨、今上天皇の御即位記念の金貨の発行枚数と同じでございます。
 それから、五千円銀貨幣につきましては、素材は純銀でございますが、量目は十五グラム、直径三十ミリ、枚数は五百万枚という予定をいたしております。
 五百円白銅貨幣につきましては、素材は白銅でございまして、量目七・二グラム、直径は二十六・五ミリメートル、枚数は三千万枚ということを予定いたしております。
 それから、二番目に御質問がございました歳入増加の問題でございますが、今回の記念貨幣発行は歳入の増加を目的として行うものでは全くございませんけれども、結果としては、一般会計の歳入増加要因になるだろうということは事実でございます。現在、必要な経費等を勘案しまして、今回の記念貨幣発行による歳入増加見込み額の計算をしている真っ最中でございましで、まだ正確な精査を必要とする段階でございますけれども、現在のところの大ざっぱな見込みでは、大体六百億円程度の収入になるのではないかというふうに考えております。
 それから、三番目に偽造防止対策について御質問がございました。
 御承知のように、戦後初めて発行いたしました御在位六十年記念の十万円金貨幣につきまして大量の偽造事件が発生したというまことに遺憾なことがございまして、前回の今上天皇の御即位記念の金貨幣につきましては、種々の偽造防止対策を施したところでございますが、今回の皇太子殿下の御成婚記念の金貨幣につきましでも、天皇陛下御即位記念金貨幣と同様の偽造防止対策をしたいというふうに考えております。
 具体的には大きく四つの点がございまして、一つは表面の光沢の強い貨幣とするということ。
 それからもう一つは図柄の、非常に細部でございますけれども、これを全部同じということにしませんで、一定枚数ごとに微妙に変えまして、同一パターンの貨幣が大量に存在することのないようにする。同一パターンの貨幣が大量に存在するときには、これはおかしいというふうに判断できるような、そういうことを施したいというのが第二番目でございます。
 第三番目は、機械装置を用いますと判別可能な特殊加工を施したいと思っております。
 第四番目に、金貨を入れますパックの一部に、印刷局等の高度技術を用いまして、パックに入っている限り偽造が非常に困難なようにする、こういう処理をいたしたいと思っております。
 天皇陛下御即位記念十万円金貨幣につきましては、今のところ偽造というような不慮の出来事は発生しておりませんが、これと同様の十分な措置をとりたいと思っております。
 なお、銀貨幣につきましても、今回はパックに封入する、そのほかに新たな図柄の細部を一定枚数ごとに微妙に変えるという、先ほど金貨幣についで申し上げましたと同じような技術を使いたいというようなことも考えております。
 それから、四番目に引きかえ方法について御質問がございました。
 金貨幣の引きかえは、国会で御承認いただけるということが前提でございますが、その上で、技術的にもやはり鋳造に若干の時間を要しますので、どうしても秋口ぐらいにならざるを得ないと思っております。その段階までの間に引きかえ方法を考えたいと思っておりますけれども、今のところまだ決めてございません。公平な引きかえが行われるように努めるとともに、引きかえに当たって混乱をできる限り回避するような十分な配慮をいたしたいというふうに考えております。
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上田卓三#7
○上田(卓)委員 宮内庁にお伺いをしたいと思います。
 現行の貨幣法は第五条第二項で、記念貨幣は「国家的な記念事業として閣議の決定を経て発行する」こういうふうに定められておるわけであります。今回は皇太子の御成婚を国の儀式とするという四月十三日の閣議決定が根拠とされておるわけであります。
 そこで、まず一点は、国の儀式という行事で何をするのか、法的性格はどうなのかということ、それから予算金額の支出費目は何か。
 二番目は、国の儀式以外の行事についてはどのような行事があるのか、法的性格、費用、支出費目は何か。
 それから三番目でありますが、秋篠宮の結婚の隊との違いは何か。簡単に説明していただきたい、このように思います。
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古居儔治#8
○古居説明員 先生おっしゃいましたように、去る四月十三日の閣議で国の儀式とする儀式が決まったわけでございまして、中身は三つございます。皇太子殿下の結婚式に係ります一連の儀式、行事のうち国の儀式といたしますのは、結婚の儀と朝見の儀と宮中饗宴の儀の三つの儀式でございます。
 結婚の儀と申しますのは、皇太子殿下と皇太子妃殿下が賢所におきまして結婚のお誓いをするという儀式でございます。それから朝見の儀と申しますのは、天皇、皇后両陛下が皇太子、同妃両殿下から結婚のあいさつを受ける、そういう儀式でございます。それから宮中饗宴の儀と申しますのは、皇太子殿下と皇太子妃殿下、両殿下の結婚を披露され、国民の代表の方々から祝福を受けられるため、宮中で饗宴を催されるものでございます。
 これらの儀式の性格でございますけれども、憲法第七条の定める国事行為として行われるものでございます。なお、経費の点につきましては、後ほど経済主管の方から御答弁申し上げます。
 それから、国事行為以外の皇室の行事としてどういうものが行われるかということでございます。
 主なものだけ申し上げますと、これはもう四月十三日に行われた儀式でございますが、一つは、納采の儀というのがございました。これは、皇太子のお使いが妃となられる方の住まいに赴きまして、皇太子が結婚の約をなされる旨を述べて、いわゆる納采の品を呈するという儀式でございます。
 それから、昨日行われました告期の儀というのがございまして、これは、勅使が妃となられる方の、小和田邸に赴きまして、結婚の儀を行う期日を伝えるという儀式でございます。
 それから、結婚の儀のあった当日の夕方、供膳の儀というのがございます。これは、東宮仮御所におきまして、皇太子、皇太子妃両殿下が初めてお膳をともにするという儀式でございます。
 それから、三箇夜餅の儀というのがございます。これは、皇太子、皇太子妃両殿下にお祝いのおもちを供するという儀式でございます。
 主な儀式はこういうものがございまして、この法的性格は、皇室の内輪の行事でございまして、国事行為でもなく公的行為でもない、その他の行為になるというふうに考えております。
 それから、第三点目の御質問でございますが、三つの儀式を皇太子殿下は国事行為として行い、秋篠宮殿下の場合には国事行為としなかった、どういうふうに差があるのかという御質問でございました。
 皇太子殿下の御結婚は、皇太子殿下が皇位継承の第一順位者であられるということ、それから我が国の憲法が皇位の世襲制を定めているということ、それから国民の関心が高く国民的慶祝の対象となるということなどから、その根幹をなす今申しました三つの儀式を国の儀式として行うことが適当だというふうに判断をしたものでございます。
 これに対しまして、秋篠宮殿下は皇位の継承第二順位者でございまして、皇太子殿下とは御身位が異なるということで、国事行為とはなされなかったものでございます。
 以上でございます。
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河部正之#9
○河部政府委員 ちょっと初めに、ただいまの古居審議官の答弁で訂正させでいただきたいと存じますが、納采の儀は四月十三日と申し上げたと思いますが、四月十二日でございまして、失礼いたしました。
 それでは、経費の関係につきましでお答え申し上げます。
 今回の御結婚に必要な経費は、国事行為として行われます結婚の儀、朝見の儀、宮中饗宴の儀の三つの儀式に必要な経費、それから、妃殿下が御使用になられます乗用車の整備等に必要な経費でございます。
 これらの経費は全額予備費使用で対応することといたしまして、昨日、四月二十日の閣議におきまして、宮廷費で二億八千六百万円の予備費使用を決定していただいたところでございます。そのうち、結婚の儀、朝見の儀、宮中饗宴の儀の三つの国の儀式にかかわる経費は二億二千三百万円でございます。
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上田卓三#10
○上田(卓)委員 結婚の儀、朝見の儀、宮中饗宴の儀、いずれも基本的には皇室の私的行事、行為としてやはり内廷費を増額してでもそれで処理することが正しいのではないか、私自身はそのように思っでおるわけであります。
 特に結婚の儀は、旧皇室典範の皇室親族令に基づく賢所大前の儀を踏襲した宗教色の強い儀式であるわけでありまして、国事行為にはなじまないと私は思っております。秋篠宮の場合は公的行事にすぎなかったわけであります。
 今回は皇位継承第一位といっただそれだけの理由だというふうに思うのですけれども、御兄弟でもあるわけですから、同じ扱いでいいのではないかなというように思うのです。秋篠宮もそのぐあいによれば皇位継承する場合もあるわけですね。だから、そういうことで殊さらにそういう差を設けるということについて私はどうもわからない、こういうように思っておるわけであります。その点について余り大した答えは出てこないのじゃないかというふうに思いますので、さらに進めたいと思います。
 金貨の発行でございますが、どうも皇室関係に偏っているのじゃないかな。皇太子の結婚を機に、今回は三度目の金貨発行を行うわけであります。何か大蔵省が最近の皇室ブームに便乗してというんですか、あるいは財源確保のために結婚を政治利用化しているのじゃないか。実際余り財源確保につながっていないようにも思うのですけれども、どうもそういう金貨の発行となれば皇室関係というようになるものですから、国民はそのように見るわけです。
 そういう点について、現在の天皇あるいは秋篠宮の結婚の際には記念貨幣を発行されておりませんね。そういう意味では今回だけですね。その理由は何かあるのですか。
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藤井威#11
○藤井(威)政府委員 最後にお話がありました点だけお答えをいたします。
 皇太子殿下の御成婚を記念した貨幣というものの発行は今回が初めででございます。前回と申しますか、現在の天皇、皇后両陛下が皇太子の時代に御結婚なさったときには発行いたしておりません。私の理解では、実はあのころは記念貨幣を発行する観念、慣行、そういうものがなかったんだと思います。
 戦後初めて記念貨幣が出ましたのが昭和三十九年のオリンピック記念の千円銀貨でございまして、それ以降記念貨幣という概念が登場したわけでございましで、今回たまたま、御成婚に際しては初めででございますけれども、そういう事情があったものというふうに考えております。
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上田卓三#12
○上田(卓)委員 いずれにいたしましても、どうもよくわからない感じがするわけであります。
 そこで、さまざまな機会に記念貨幣を発行するということはいいことではないか、このように私は思っております。しかし、先ほど申し上げましたように、皇室関係だけが金貨に偏っておる、こういうようなこともありますので、やはり国際的に意義のあるテーマについて政府あるいは国が挙げて取り組む際に、社会啓発や世論喚起を促す意味で記念貨幣を発行するということが大事ではないか。
 例えば、ことしは国際先住民年であるわけでございますから、アイヌ民族の権利宣言を記念する記念貨幣などはむしろ積極的に発行したらどうか、こういうふうに思うわけであります。
 皇室にこだわると金貨の額面がどうしても上がる、こういう嫌いがあるわけでありましで、そうじゃなしに、プレミアム貨幣にして額面をもっと下げるということも大事ではないか。また、通貨としてというよりも記念品として流通させるということも大事ではないかな。金貨であれば、買ったときだけ関心があるのですけれども、金庫にしまっでおるということで実際通貨として流通することはないのですね。だから、額面を下げれば、記念品的なものであれば、常に国民が手にとって、ああこういうことがあったんだなということが認識されるというように思うのですね。
 それと、例えば一万円の額面であっても、記念品であれば、価値のあるものであれば、実際は五万円で流通する、そういう場合もあると思うのですね、だから、一万円のものを大蔵省は五万円で売ることもできるわけですね。切手などはそういうことはしておりませんけれどもね。しかし、そういうような形で、財源確保というならそういう方法もあるのではないのかなというように私は思っております。
 また、先般も大蔵委員会で大阪の造幣局を視察、私も参加させでいただいたのですけれども、手工業というのですか、非常に緻密な技術を要して、大変熱心に現場の人たちが働いておられるのを見まして、これはどうしても継承していかなければ、仕事がなければ技術が落ちてくるわけですし、人も要らないということにもなるわけでございますので、できる限り記念品というのですかそういうものを機会あるごとに発行して、そういう技術を蓄えていくというのですか、あるいは継承するというのですか、そういうことが非常に大事ではないか、私はこういうふうに思っておるわけであります。その点についてどのようにお考えになっておられますか。
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藤井威#13
○藤井(威)政府委員 今先生から幾つかの御提案があったというふうに考えます。
 まず第一番目に、例えば国際的行事のようなものに際して記念貨幣を発行するというような考え方はどうだろうかという御示唆がございました。
 どのような行事に際して記念貨幣を発行するかということは、従来から我々繰り返し御説明いたしておるところでございますけれども、国民がこぞってお祝いをし、または記念すべき事柄についで、国がこれを記念するにふさわしい事業であるかどうかというのを重要な判断基準として、記念貨幣の発行の前例なども勘案しながら決定してまいっております。
 こういう事業はどうだということについて、今の判断基準に合うかどうかということを仮定の問題についで具体的にここで申し上げるのは非常に困難でございますけれども、一般論といたしましては、そういう国際的行事も国民的に記念すべき事柄かどうかという点を勘案して、ケース・バイ・ケースに判断していくべきものであろうというふうに考えております。
 それから、二番目にプレミアム型の記念貨幣の発行について御示唆がございました。
 これは昭和六十三年四月一日から施行されました現行の貨幣法、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律によりますと、貴金属を含む記念貨幣等について、先生がおっしゃいますように、額面以上の価格で政府が販売する貨幣、我々プレミアム型記念貨幣と言っておりますが、そういう発行が認められております。したがって、やろうと思えばできるわけでございます。実際今までこういうプレミアム型の記念貨幣を販売した例はございませんけれども、諸外国の例なんかを見てみますと、むしろこういう型の記念貨幣の方が多いという先生の御指摘のとおりの状況があろうと我々も思っております。
 先ほど申しましたように、記念貨幣の発行の要件、条件、環境というようなものも当然考えなければいけませんが、そういうものが合致して、適当な機会があれば発行することについても検討してみたいというふうに考えております。
 それから造幣事業の技術維持、おっしゃることは非常によく私も理解できます。しかもまだ、この造幣事業の中核であります貨幣製造事業というのが我が国経済にとって非常に重要なことであるということもよくわかっております。
 ただ、余り記念貨幣を頻繁に発行するということも、記念貨幣というものの持つ性格からどうかなということもございます。記念貨幣というのは、先ほどのようなやはり国民全員が国家的行事として記念すべきだというふうなある程度のコンセンサスのもとで、今のようなペースで発行していくというのが今のところ適当なんじゃないかなというふうな考え方を持っております。
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上田卓三#14
○上田(卓)委員 いずれにしても記念貨幣が余り流通していないですね。たんすにしまい込んであったり金庫の中にあったりして、実際国民の目に日常触れる機会がないような形になっているんじゃないのか。だから、そういう点はやはり抜本的に改革していかなければならない。しょっちゅう出すのもどうかというような理由にはならぬ、私はそういうふうに思っておりますので、切手などのようにシリーズ化するというようなこともあるわけですから、ぜひともそういうこともしてもらいたい、こういうふうに思います。
 今お話しのように、国家的な記念行事に限らずケース・バイ・ケースで、こういうことで、いわゆる国民的行事という幅広い範囲でならば弾力的に貨幣が発行できるということになりますので、ぜひともそのことをしていただきたい。
 また同時に、現場で働く人たちからは、やはりこれまで培ってきたそういう技術やノウハウを将来にわたって残していく、こういうことをしなければ大変だという声も非常に強く出ておりますので、そのことをひとつお考えをいただきたい。大臣に発言を求めたいと思います。
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林義郎#15
○林(義)国務大臣 上田議員の御質問でございますが、貨幣を発行するのに、お話のようにいろいろな事業があったときに記念して出したらよろしい、もう少し流通するということも一つのお考えだと私は思います。
 ただ、余り貨幣というものをたくさん出していないというのが今までの形でありますし、あれもこれもといろいろなものが出てくると、これも貨幣かね、どうかねというような話になってもやはり困るだろうと私は思うのです。メダルとは違いますから、やはりその辺はおのずからなる限界がある。
 我々の今まで持っている貨幣のイメージというのは、やはり何年と書いてあるものが貨幣だろうな、こう思っているところでありまして、その辺とのバランスをどうとっていくのかというのがこれからの問題だろうと思います。御提言もありますから、いろいろと私も考えさせていただきたいなと思っているところです。
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上田卓三#16
○上田(卓)委員 ぜひとも前向きに検討していただきたい、このように思います。
 次に、皇太子の結婚にかかわって身元調査のことが新聞などで今までにいろいろ報道されておるわけです。今の天皇は即位に当たって、皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす、こういうように述べられておるわけであります。
 憲法の第九十九条は、憲法遵守の義務が天皇にもあることを定めているわけであります。また憲法第十四条は、華族制度を廃止し、社会的身分や門地による差別を否定しております。二十四条では婚姻は両性の合意に基づいて成立する、これは当然のことであろうというふうに思うわけでありますが、国内には部落差別とか民族差別あるいは障害者差別など厳しい差別が今なお存在していることは御存じだというふうに思うわけでありますが、とりわけ結婚や就職といった人の一生にかかわる大切な時期に大きな壁となってあらわれてくるのではなかろうか、こういうように思っております。
 そういう意味で、結婚や就職の際の身元調査や家系調査は差別につながるということで、我々は法務省や労働省あるいは地方自治体、民間企業、宗教界の皆さんとともに身元調査お断り運動というのですか、全国的に展開しておるわけでありまして、大阪などでは部落差別を目的とした興信所や探偵社による身元調査を規制する条例もできておるわけであります。
 ところが、先ほど申し上げましたように、一月六日の皇太子妃内定以来、新聞、雑誌、テレビなどでは江戸時代にまでさかのぼる小和田家の家系図を掲載して、家柄や家族などについて過剰な報道をしておるわけでありまして、皇太子妃を選ぶに当たっては皇室専門の興信所員が四代前まで徹底調査、こういうような報道もあるわけでございまして、宮内庁みずからがそういう民間調査機関に指示して調査しでおったのかどうか、その点についてお聞かせをいただきたい、このように思うわけであります。
 その前に、法務省と労働省の方がお見えでございますが、一般的な身元調査についてどういう見解を持っているのかお答えいただきたい、このように思います。
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澤田成雄#17
○澤田説明員 お答えいたします。
 私ども法務省の人権擁護機関といたしましては、部落差別など人権侵犯を意図した身元調査をすることはもちろんでありますが、部落差別等人権侵犯につながるおそれのある、そういう身元調査をすることも許されないというふうに考えているところでございます。
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後藤光義#18
○後藤説明員 お答えいたします。
 労働省といたしましては、かねてより同和関係住民の就職の機会均等を確保することは同和問題解決の中心的課題との認識のもとに、応募者の適性、能力のみによって採否を決める公正な採用選考を行うよう啓発指導を展開してきているところでございます。
 しかしながら、就職差別につながるおそれのある不適正な事例につきましては、全国から報告をとっているわけですが、これを見ますと、昭和六十年当時に比べますと減少してきてはいるものの、最近では横ばいの状況にございまして、身元調査にかかわる事例も年に数件の報告を受けているところでございまして、まことに遺憾であると考えているところでございます。
 平成三年の地対協の意見具申では、今後の重点課題の中に就労対策や啓発が取り上げられているところでございまして、労働省といたしましては、この意見具申を踏まえ、今後とも就職差別を解消し、同和関係住民の雇用の促進と安定を図るため、公正な採用選考の実施等について事業主に対する積極的な啓発指導を粘り強く実施してまいりたい、このように考えております。
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上田卓三#19
○上田(卓)委員 宮内庁はどうですか。今回の皇太子の結婚相手、いろいろ二百人ぐらいおられたようにも聞いておるわけですけれども、そういう方々の身元調査というのですか、あるいは小和田家についてのそういう調査などをしたのですか。あるいは直接しなくても民間の調査機関に依頼したということはありますか。
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古居儔治#20
○古居説明員 お答えを申し上げます。
 宮内庁といたしましては、将来日本の象徴になられる皇太子殿下にふさわしい配偶者をお世話するという立場にあるものでございますので、まさにお妃候補としてふさわしい方が、どこにどういう方がおられるかといったこと等につきまして、必要な情報収集等の調査を行ったことは事実でございます。その際に、宮内庁の能力にも限界がありますので、一部外部の方の協力を得たということも事実でございます。
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上田卓三#21
○上田(卓)委員 ふさわしくないとかふさわしいとか、それじゃ、候補にのった方々は要するにふさわしくなかったわけですか。
 そうすると、どこでだれがそういうことを、ふさわしいとかふさわしくないとか、特に本人の「経歴、性格、趣味、素行、健康状態」あるいはもっと「直系は四代前までさかのぼり、大祖父、祖父の兄弟姉妹まで徹底的に調べた。両親については交友関係、勤務先、近所の評判」と、これは人権侵害になりませんか。
 気持ちはわかるんですよ。だけれども、これは憲法で定められている両性の合意に基づくということで、皇太子自身も憲法を守るとおっしゃっているのだから、また結婚については恐らく自分が決めるということになるのじゃないですか。それを、取り巻きというのですか、あなた方がふさわしいとかふさわしくないとか、どうのこうのと言うこと自身、私は問題があると思うのですが、どうですか。
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古居儔治#22
○古居説明員 先生おっしゃいますこともわかるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、皇太子殿下の配偶者につきましては、皇太子殿下が将来我が国の象徴になられる方であるということから、その配偶者としてふさわしい方を見出す必要があるということ。
 もう一つは、一般の国民の場合と異なりまして、皇族男子の婚姻につきましては、先生御案内のように、皇室典範の第十条によりまして「皇室会議の議を経ることを要する。」というふうに規定されておりますところから、これらに必要な限度において調査をさしていただいたところでございます。
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上田卓三#23
○上田(卓)委員 いずれにしても、昭和二十二年に制定された皇室典範の皇位継承は男性というのですか、男に限るというようなことも含めて、私は憲法違反の疑いがあるのじゃないか。それとも皇室典範というのは、もう憲法から乗り越えて雲の上にあるのかということになると思うのですね。皇太子自身もあるいは今の天皇自身も日本国憲法を守るとおっしゃっておるわけですから。
 今また、ふさわしい人であるかどうかというのは本人が一番わかっているのじゃないですか、皇太子さんが。自分の相手なんだから、生涯連れ添う相手なんですから、任しでおくわということではないのでしょう。いろいろおつき合いがあったということもあるのですからね。
 それを後で、家柄がどうであってこうであって問題はなかったということが新聞で報道、テレビで報道されると、やはり国民の中で、それはそうだという意見も当然あるでしょうけれども、多くは何だ、我々国民を差別しているのかと、やはりあの人たちは一握りの人たちだよなと、あるいはそういう二百人近いうわさされた方々、選ばれなかったことで喜んでいる人もあるのじゃないかと思いますけれども、それは好き好きですけれども、非常に私は問題を残しておるというふうに考えております。
 そういう点についで、私は労働省とか法務省は身元調査、これは同和問題だけじゃないですよ。あらゆる差別につながるということで、そういうものを、やはり今の本人の問題なんですから、親、兄弟あるいはその過去をさかのぼるということ自身、非常に人権侵害なんですからね。だからその点についてちゃんとすべきではないか、こういうふうに思いますし、またイギリスの例じゃないけれども、女王がおられるように、男でなければならぬというようなことも、もう時代の流れから見ても私は時代錯誤もいいところじゃないかなというように思っておりますので、そのことだけ申し上げておきたい、もう答弁はいいですから。
 次に、もう時間も余りございませんけれども、大蔵大臣に新総合経済対策についでお聞かせいただきたい、こういうように思います。
 新聞によりますと、宮澤総理は今回の経済対策について、大きさもスピードも画期的だ、こういう自画自賛をしておられるようでありますが、私はそんなに大げさに自慢するほどのものではないのではないか、こういうように思っております。
 そもそも三・五%という政府の九二年度の経済見通しは一体どうなったのかと言いたいわけであります。先日、大蔵省に聞いたところ、十二月に修正した一・六%という数字も怪しい、こういうようなお話であったわけでございまして、財政運営の責任者として、大蔵大臣はこの見通しが達成できなかった責任をどう受けとめておられるのかということでございます。
 また、政府は三・三%の成長を達成できるということで九三年度本予算を組んだのではなかったか、こういうように思うわけでありまして、不足があれば本予算に組み込むべきであって、予算成立直後に十三兆二千億もの追加策を組まねばならないというのは予算編成上ゆゆしき事態ではないか、このように思っておりますので、大臣の所見を伺いたい、このように思います。
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林義郎#24
○林(義)国務大臣 上田議員御質問の問題は、昨年の予算の問題、平成四年度の問題、それから昨年の八月につくりました総合経済対策の問題、平成五年度の予算及び今回の新総合経済対策に対するところの問題だろうと思います。
 確かに平成四年度の問題につきまして、当初三・五%の成長、こういうことでやってまいりました。やってまいったのですが、やはり株式の価格の下落であるとか土地価格の下落、いわば資産価額の下落ということが相当に経済に影響いたしまして、なかなか難しいことになってきた。そんなことから昨年の八月に総合経済対策を立てたわけでありまして、それを実行していこうということでやってきたわけであります。
 やはり経済でございますから、当初見通しをしたところでなかなかそのとおりに動かないということも事実であります。特に日本が持っていますところの経済社会というのは自由社会でありますし、国民所得の中で申しますならば、消費というものが六〇%を占めている、民間設備投資というものが二〇%を占めるという、大きなところでいいますと、そのぐらいになってくる。
 民間の活動がいかがかというものが大きなものでありましで、政府がつくりましたところで政府の働く役割というのはわずかでありますから、やってみると、当初予定しでおったというか、当初見通しておったものよりはなかなかうまく動いていってないのは、私は正直にこれは事実だろうと思います。
 むしろ政府見通しというものは、あくまでもこういった形でもってやっていきたい、こういうふうな見通しを申し上げたところでございましで、状態がうまく動いていかなくなったならば、それに対し適切な判断を下して追加的なことをする、また、少しよ過ぎるような話になったならば、それを抑え目に判断をしていくというのが、私は経済運営の基本的なあり方だろうと思うのであります。
 そういったことからいたしまして、補正予算を組みまして、新総合経済対策をやりました。やったときに、また四年度のものは一・六%ぐらいになるだろう、こういうふうなことを申しました。正直言って、つくりました段階のときには、補正予算を出したりなんかするのがちょっとおくれでしまったものですから、ちょっと時間的におくれた、だから本当ならば十二月ぐらいにある話のものが一月に伸びてしまった、こういうふうな話でありますし、今、出しましたものは相当にいい方向で動いではきておりますから、特に三月ぐらいになりましたならば相当にその効果は出てきておったと私は言えるんだろう、こう思います。
 そういったような格好でやってきましたし、平成五年度の予算につきましても、昨年の十二月に編成いたしまして、一月から国会に予算の御審議をお願いして、三月三十一日に成立させでいただいた、こういうことでございます。
 その審議の過程を見ましても、一月、二月、先ほど申しましたような補正予算の執行がなかなかうまくいかないというような話もありまして、特に二月ごろになりますと、なかなかこれは大変だなという感じを持っておったわけでありますが、予算を早く成立させるということも一つの大きな景気対策にもなりますし、そうした形のもので予算をまず成立させていかなければならない。
 その後におきまして、言うならば若干早かったといえば早かったかもしれませんけれども、やはり適切な対策を打つという形で新しい施策をやっていこう、これでもって私は三・三%という、目下考えでおりますところの経済成長というものはまず達成される範囲にある。宮澤総理の言葉をかりますと、ウィズインリーチというんですから、手の届くところに、こういうことをアメリカで言った、こういうふうな話でありますけれども、そういうふうな格好で動いでいけるものじゃないかな、私はこう思っておるところであります。
 財政を預かっております私といたしましては、日本経済を持続的な経済成長の方向へ何とか持っていけるような格好に持っていかなければならない。当面の状況を見ましても、いろいろないい数字も出ておりますけれども、まだまだもうひとつというのが正直なところ、感じでございますので、こうした形の新しい政策を、いずれ補正予算の御審議をお願いすることになるだろう、こう思っておりますが、そうした形でもって、いい、持続可能な成長の方向へ持っていきたい、こういうふうに考えていることを申し上げておきたいと思います。
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上田卓三#25
○上田(卓)委員 実際国が確実に公共事業として年度内に使える金額はどれだけになるのか、こういうふうに考えますと、やはり限られてくるんじゃなかろうかなというふうな感じがしでいるわけでございます。
 何といいましても、例えば、住宅建設の促進のための住宅金融公庫の融資の拡大をするとか言っておりますけれども、これは建てるのは結局民間でもあるわけですし、また、地方単独事業をお願いするといっても、これはどれだけ地方がそれにこたえてくれるのかということにもなるんじゃないかと思います。また、土地取得や融資などは、波及効果は確かにあるんですけれども、直接GNPに寄与するということではない、こういうふうに思うわけであります。
 また、先ほど申し上げましたように、公共事業が年度内にどれだけ消化されるかというようなことで、本当に三・三が達成できるのか、具体的に根拠というものを明らかにしていただきたいのですが、本来は達成目標というんですか、あるいはこの数字、こういうものについては、大蔵省自身はもう自信をなくしているんじゃないかな、余りにもかけ離れているんで。だから、その点について、大臣の考え方をもう一度お聞かせいただきたい、このように思います。
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日高壮平#26
○日高政府委員 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、これからの景気の先行きを考えてみた場合に、先般の十兆七千億円に及ぶ総合経済対策の効果というものも、かなりの部分が本年一月以降に出てきているということは否めないだろうと思います。先般、年度内成立させていただいた五年度当初予算、これも景気に配慮しで公共投資等については十分配慮しているという状況でございます。
 それに加えて今回の新対策の公共投資等の追加が決まり、いずれ私どもできるだけ早く補正予算をお願いをして、その早期の成立をお願いしたいと思っておりますけれども、そうしたことが相まってまいりますと、公共投資等につきましては、年度を通じてあるいは本年一月以降、ずっといわば切れ目なく執行されていくということが可能になってまいると思います。
 そういう意味から申し上げますと、例えば昨年の秋ごろから十二月にかけての公共投資等は若干中だるみの状態がございましたけれども、これは補正予算の成立が十二月になったということもございますが、早期に今回の対策を実行してまいりますれば、そうしたことがなく、切れ目のない執行が可能になってくる。そういう状況を考えますと、私どもとしては、政府の経済見通しで想定した姿というものも、先ほど大臣も申し上げましたように、十分達成範囲内のものであろうというふうに考えているわけでございます。
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上田卓三#27
○上田(卓)委員 国が公共事業に力を入れる、こういうことでありますが、多くの企業はリストラをやっておるわけでありまして、縮み志向とかあるいは減量経営、こういうようなことで、結局縮小均衡というのですか、あるいは雇用調整をするというような形で、なかなか景気の先行きが見えない、こういう状況ではないかなと思っておるわけであります。
 三月期の東京地区の百貨店の売り上げを見ましても、前年比で二・四%も落ち込んでおりますね。あるいは日本経済研究センターの調査によると、消費低迷はこれからが本番、こういうようなことも言われておるわけでありまして、所得税減税抜きの総合経済対策というのでは、どうも景気回復に直接つながってこないのではなかろうか、こういうように考えておるわけであります。
 政党も、与野党協議ということもあるわけでございますけれども、やはり大蔵大臣はここで、景気の気というのは気分の気ということもあるように、病は気からという言葉もあるように、やはり減税になると少し気分が乗るというのですか、それがその部分だけじゃなしに、つい家にある預金もはたいて、衝動というのですか、そういう気分にさせなけりゃ、各家庭に何ぼ金あっても買う気しない、先が見えない、こういうことになるんで、やはり呼び水的な性格というものも私は非常に大事ではないかと思うのですね。
 だからそういう意味で、所得税減税というものが景気浮揚に大いに役に立つ、こういうふうに私たちは考えているのですが、大臣、どうですか。
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林義郎#28
○林(義)国務大臣 病も気からというお話でございますが、私は今、日本経済はそんなにおかしなところになってきていない、少し明るさが見えてきている、しかしながらまだまだいいところには行かないような、まだ気迷いの状況がある、病気で言うならばそんなようなことじゃないかなと思っているのです。
 そういったような状況でありますから、今これで政府の方が指導してやるということならば、いろいろな新しい公共事業等を起こしまして仕事を起こしてやる。仕事を起こしてやれば皆さんそこで働くことができる。病院をつくりましたり、下水道をつくりましたり、あるいは道路その他のことでいろいろ仕事をやっていけば、その仕事によって日本経済全体として活気がついてくる。むしろ公共事業というような形でやることによりまして活気がつくのじゃないかな、こういうふうに考えているところでございます。
 所得税減税というのは、今上田先生からお話もありましたが、随分長く当委員会におきましても御議論いただいているところであります。私は、もうたびたび繰り返し申し上げているからまたかとお聞きになるかもしれませんけれども、やはり景気対策として、今申しました公共事業等と比較して所得税減税でやるのは一体どうかということになりますと、せっかく所得税減税に回したものがなかなか消費に回らないのじゃないか。
 もう一つ言いますと、給料、今大きなところは皆銀行振り込みみたいな形になっているわけですね。減税いたしましても、銀行振り込みで、なんぼしたよ、こういうことでちょっとわからないということであろうと思うのですね。それを、例えば小切手か現金か何かではあっと渡してこれだけ減税したぞと言えばあれでしょうけれども、そういったシステムというのはなかなかこれは大変な金がかかる話だし、とてもできる話じゃありません。
 それから、第一に、何といったところで巨額の財源を要する。こういうふうなお話になってきますと、どうしても赤字国債によらざるを得ない。そうすると、赤字国債によるということについては、今の人がいい目を見るために将来に負担を残すというふうな形になったときに、一体その辺をどう考えるのか。特に我々が今生きている政治家として後代に対していろいろな負担を残すことは一体どんなものであろうかなという御議論があります。
 それから所得税減税ということになれば、所得税のあり方として、相当に高いところまで日本は所得税のかからないような形になっておるわけでございますから、そうしたものでやるのは一体どうだろうかな。むしろ先ほど先生からも御指摘になりましたような住宅促進のための促進税制であるとか、あるいは民間の企業がリストラをやるといったときの設備投資減税などという税制上の措置でやった方がいいのじゃないかな、こういうふうに考えておるところでございます。
 もちろん、こういった問題につきましては、もう私から申し上げるまでもありません。与野党間で引き続き協議をするというふうなことになっておりますので、その協議の行方は十分に見守ってまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
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上田卓三#29
○上田(卓)委員 いずれにしても、やはり国民の消費というのが究極の景気浮揚策だと私は思うのですね。だから、そういう企業が融資を受けるとか、家を買いたい人が融資で買えるようになるとか、これは限られた人々でもあるわけですね。直接やはり景気そのものに影響するものではない、波及効果はありますが、私はそういうふうに思っているわけです。
 そういう意味で、減税すれば振り込み、直接現金じゃなしにそういう銀行振り込み云々ということもありますけれども、それはそんなことを言ってもちゃんと戻ってくることは事実なんですから、やはりそれだけ気分がよくなるということにもなるわけでありまして、きのうも中村議員からもお話がありましたように、要するに可処分所得が減っているわけですから、それをやはりちゃんと解決するということが私は根本ではないかな、こういうふうに思っでおるわけでありましで、そういう意味で、国民に消費とか購買意欲がないというのじゃなしに、やはりそういう可処分所得に問題がある、減少に問題があるということでひとつ理解をしてもらたいたい、こういうふうに思うわけであります。
 後世に借金を残す、こういうようなことですけれども、それも事実ですけれども、一にも二にも景気を回復することが大事でありまして、景気が回復されたら税収も伸びるわけですから、普通の企業でも一緒なんですね。そうですね。やはり労働者に労働意欲がなければ賃金を上げて意欲を沸き立たせるということも、これは企業の経営戦略の一つなんですよ。やはり意欲がなければだめなんですからね。
 だから、そういう点で国民に活を入れるというんですか、奮い立たせる、そういう役割を所得税減税は持っているんじゃなかろうか、こういうふうに私は考えておるわけであります。そのことを強く要求したい、このように思っております。
 いずれにしても、円高が進んでおるわけでありまして、あるいは不況がどうなるのか、こういうことで国民は非常に心配をしておるわけです。大臣がおっしゃっでいるように、三・三を達成する、こういうことでありますけれども、これは実際達成できなかったらどうするんですか。その点についで、最後にひとつ自信のほどを答弁しでいただきまして、質問を終わりたい、このように思います。
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