大蔵委員会

1993-06-02 衆議院 全232発言

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会議録情報#0
平成五年六月二日(水曜日)
    午前十時三分開議
出席委員
   委員長 藤井 裕久君
   理事 井奥 貞雄君 理事 石原 伸晃君
   理事 田中 秀征君 理事 前田  正君
   理事 柳本 卓治君 理事 仙谷 由人君
   理事 渡辺 嘉藏君 理事 日笠 勝之君
      浅野 勝人君    岩村卯一郎君
      江口 一雄君    衛藤征士郎君
      遠藤 武彦君    大島 理森君
      河村 建夫君    左藤  恵君
      戸塚 進也君    中村正三郎君
      光武  顕君    村井  仁君
      山下 元利君    伊藤  茂君
      池田 元久君    上田 卓三君
      小野 信一君    佐藤 恒晴君
      沢田  広君    戸田 菊雄君
      中沢 健次君    中村 正男君
      早川  勝君    細谷 治通君
      和田 貞夫君    井上 義久君
      河上 覃雄君    正森 成二君
      中井  洽君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 林  義郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  村上誠一郎君
        大蔵大臣官房会 中川 隆進君
        計課長
        大蔵大臣官房総 日高 壮平君
        務審議官
        大蔵省主計局次 竹島 一彦君
        長
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        大蔵省証券局長 小川  是君
        大蔵省銀行局長 寺村 信行君
        大蔵省銀行局保 鏡味 徳房君
        険部長
        大蔵省国際金融 中平 幸典君
        局長
        証券取引等監視 石坂 匡身君
        委員会事務局長
        国税庁次長   瀧川 哲男君
        国税庁課税部長 松川 隆志君
        国税庁徴収部長 中山 寅男君
        国税庁調査査察 野村 興児君
        部長
 委員外の出席者
        郵政省貯金局業 浅岡  徹君
        務課長
        大蔵委員会調査 中川 浩扶君
        室長
    —————————————
委員の異動
六月二日
 辞任         補欠選任
  池田 元久君     和田 貞夫君
同日
 辞任         補欠選任
  和田 貞夫君     池田 元久君
同日
 理事日笠勝之君五月二十六日委員辞任につき、
 その補欠として日笠勝之君が理事に当選した。
    —————————————
五月二十七日
 電波によるたばこ宣伝の廃止に関する請願(長
 谷百合子君紹介)(第二四四三号)
 同(山中邦紀君紹介)(第二四四四号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二五一三号)
 同(細谷治通君紹介)(第二五一四号)
 同(山中邦紀君紹介)(第二五一五号)
 同(秋葉忠利君紹介)(第二五三四号)
 所得税などの大幅減税に関する請願(遠藤乙彦
 君紹介)(第二四四五号)
 同(森本晃司君紹介)(第二四四六号)
 同(藤原房雄君紹介)(第二五〇〇号)
 同(山田英介君紹介)(第二五〇一号)
 中小業者婦人の自家労賃に関する請願(山田英
 介君紹介)(第二五〇二号)
 共済年金の改善に関する請願(戸井田三郎君紹
 介)(第二五一二号)
同月二十八日
 所得税の課税最低限の大幅引き上げに関する請
 願(岡田利春君紹介)(第二五六四号)
 同(小沢和秋君紹介)(第二五六五号)
 同(金子満広君紹介)(第二五六六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二五六七号)
 同(児玉健次君紹介)(第二五六八号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二五六九号)
 同(菅野悦子君紹介)(第二五七〇号)
 同(辻第一君紹介)(第二五七一号)
 同(寺前巖君紹介)(第二五七二号)
 同(東中光雄君紹介)(第二五七三号)
 同(不破哲三君紹介)(第二五七四号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二五七五号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二五七六号)
 同(正森成二君紹介)(第二五七七号)
 同(三浦久君紹介)(第二五七八号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二五七九号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二五八〇号)
 同(正森成二君紹介)(第二八〇九号)
 電波によるたばこ宣伝の廃止に関する請願(秋
 葉忠利君紹介)(第二五八一号)
 同(秋葉忠利君紹介)(第二七一八号)
 同(中沢健次君紹介)(第二七一九号)
 同(中西績介君紹介)(第二八〇七号)
 共済年金の改善に関する請願(小杉隆君紹介)
 (第二七一六号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第二七一七号)
 所得税などの大幅減税に関する請願(玉城栄一
 君紹介)(第二八〇八号)
六月一日
 共済年金の改善に関する請願(自見庄三郎君紹
 介)(第二九二二号)
 電波によるたばこ宣伝の廃止に関する請願外一
 件(秋葉忠利君紹介)(第二九二三号)
 同(加藤万吉君紹介)(第二九二四号)
 同(山中邦紀君紹介)(第二九二五号)
 所得税の課税最低限の大幅引き上げに関する請
 願(徳田虎雄君紹介)(第二九二六号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国の会計、税制及び金融に関する件
     ————◇—————
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藤井裕久#1
○藤井委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤井裕久#2
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、日笠勝之君を理事に指名いたします。
     ————◇—————
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藤井裕久#3
○藤井委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。早川勝君。
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早川勝#4
○早川委員 きょうは一般質問ということでございますので、何を質問してもよろしいということなものですから、最初に、当面の諸問題、関心事が幾つかございますので、それについてお聞きしたいと思っております。なお、できるだけ大臣に直接お答えいただければとお願いを申し上げておきます。
 当面の問題の第一点は、五月三十一日で歳入の方を締め切られたと思うのですけれども、新聞等でいろいろ税収不足が伝えられておりますけれども、どれくらいがほぼ確定値に近い数字で、今日の時点で明らかになっているのかというのを明らかに示していただきたいと思っております。二兆円とか三兆円とか言われておりますけれどもどうなのかというのが第一点。
 それから、それに関連して、その税収をどういった形で処理されようとしているのかということでございます。これまた決算調整資金等で処理すると伝えられているわけでございますが、それらを含めまして、最初に平成四年度の税収の決算見込みとその処理につきまして伺いたいと思います。
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林義郎#5
○林(義)国務大臣 四年度の税収につきましては、現在三月末の税収までしか判明しておりません。進捗割合は七〇%ぐらいということでございますから、確たることを申し上げるわけにはまいらないわけでございますし、四月、五月の動向を十分に注視していく必要があるだろうと思います。どういうふうな数字になっているかということは詳しく政府委員から御答弁させていただきます。
 もう一つの問題としてありました決算調整資金云々、こういうことですが、これは歳入歳出の不足が出たというときの話でございまして、どの程度の不足になるのか、これは税収だけではございませんで、歳出の方の不用がどのくらい出るか、そのほかの収入がまたどのくらいあるのかということもあるだろうと思いますので、まだ確固たることを申し上げるような段階にはございませんが、とりあえず税収動向につきまして、一兆円、二兆円とかというような話も新聞に出ておりますから、その点も含めまして政府委員から少し具体的な話を説明させたいと思います。
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濱本英輔#6
○濱本政府委員 三月末税収が判明いたしましたところで進捗割合が七割強ということでございまして、今日ただいまの段階ではそれ以上の情報を我々は持ち得ないわけでございますけれども、四年分の所得税の確定申告の結果が先般明らかになりまして、これが前年比三七・八%のマイナス、約四割減ということで、これは予想を上回って低調でございました。四年度の申告所得税収が補正後の見積もりを相当下回ることは避けがたいと感じておりますし、四年度税収全体につきましても、補正予算の見積もりで想定しました税収動向の達成は容易でない状況かと思われます。
 ただ、まず今のお尋ねのお求めに対しましてお答えが準備できますには、四月分税収の姿がつかめること、さらにウエートの大きい三月決算法人に係ります法人税あるいは消費税がまとまって納付されます五月分税収の動向を確認いたしませんことにはそれ以上のことにつきまして付言し得ない状況でございます。四月分税収につきましては、近々取りまとめが可能だと思います。五月分税収ということになりますと、それがはっきりいたしますのは七月の初めということになるだろうと思います。今の税収状況につきまして、大臣からのお答えのとおりでございますけれども、多少補足させていただきました。
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早川勝#7
○早川委員 不足になるだろうということで、歳入欠陥ということになると決算調整資金を使わざるを得ないということが伝えられているわけでございます。
 決算調整資金は今は残高ゼロだというふうにも伺っておりますし、借りる場合にはどういう形で、もしそれを使うとすればどういうルートで、二兆円があるいは三兆円か定かでございませんけれども、では、その仕組みを簡単に説明してください。
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竹島一彦#8
○竹島政府委員 四年度の決算が締められまして仮に歳入が不足するということになりました場合には、お尋ねのとおり決算調整資金制度を利用することになるわけでございますが、現在、決算調整資金に残高がございませんので、これは国債整理基金にございますお金を決算調整資金に入れまして、そこから一般会計にお金を移して決算を締めるということになります。
 なお、そういうことで国債整理基金から繰り入れましたものにつきましては、決算調整資金法上規定がございまして、平成六年度までにその金額を繰り戻すということが義務づけられておるわけでございます。
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早川勝#9
○早川委員 今年度の影響について、恐らくまた答弁がないと思いますが、もし締め切ったときに調整資金を使うようなことになれば、一般に言われておりますように実質赤字国債ではないか。今年度の当初予算のときにも、隠れ借金で特例国債ではなかったかとか、いろいろな議論がございましたけれども、前年度、平成四年度予算においても実質赤字国債を発行せざるを得ない形に追い込まれた、こういう認識をせざるを得ないわけでございますけれども、この点についての大臣のお考えを伺いたいと存じます。
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竹島一彦#10
○竹島政府委員 あらかじめ予算におきまして一定の歳出を賄うために当初からないしは補正段階で特例公債を出すというのと異なりまして、この決算の取り扱いについての決算調整制度と申しますのは、それとは異質なものというふうに考えております。
 先ほど申し上げましたように、決算調整資金にそのお金がない場合には国債整理基金から融通をするということになっていますが、これは翌々年度までには繰り戻さなければならぬということになっておりまして、いわば国債整理基金に属している現金を一時的に融通するという性格でございます。そういう意味で特例公債の発行とは異質であると考えております。
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早川勝#11
○早川委員 特例国債というのは借金だと思うのですが、借金であれば一緒ではないかなと非常に単純に考えさせていただきたいと思います。
 二番目の関心事であるのは、金融機関の抱えている不良債権の問題ですね。新聞等でも公表されておりますが、公表された範囲で、数字だけで結構ですが、簡単に教えていただきたいと思います。
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寺村信行#12
○寺村政府委員 去る五月二十七日及び二十八日に、都市銀行、長信銀行、信託銀行の二十一行から個別に破綻先債権と六カ月以上延滞債権の額が公表されました。それを集計いたしますと、全体で十二兆七千七百四十六億円となっております。
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早川勝#13
○早川委員 それに地銀十行の数字も出たわけでございますが、この不良債権の、今局長が述べたような数字が出されたその後に、それぞれの専門家から実態をあらわしていないのではないかという評価なりコメントが出されたわけですね。
 御存じのように、今回の不良債権の範囲で、延滞債権は地方銀行は織り込まなかった、明らかにしなかった、そして金利減免と棚上げ債権はディスクローズの対象外であったということがあったわけですね。そういったことを明らかにするという観点からいえば、そういうものをすべて明らかにした方がいいのではないか、明らかにした方が信頼が、そしてまたこれからの解消の展望が具体的に出せるのじゃないか、こういう議論があるわけでございますけれども、ディスクローズの範囲をこれから検討する必要があるのではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
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寺村信行#14
○寺村政府委員 今回のディスクロージャーは、昨年十二月に金融制度調査会のディスクロージャー作業部会から中間報告が出されまして、その報告の趣旨を踏まえまして全国銀行連合会の方で統一基準を定めまして、それに沿いましてディスクロージャーが行われたものでございます。
 この金融制度調査会の中間報告におきましては、不良資産の開示に当たりましては、信用秩序の維持に十分な配慮を行いまして、初めての経験でもございますので、漸進的、段階的に行っていく必要があるという趣旨から、まずは元本の回収可能性に着目をいたしまして、近い将来において償却する可能性が高いものとして経営破綻先債権、それから将来において償却すべき債権に転換する可能性のある延滞債権につきましてまず開示することが適当ではないかとされたところでございます。
 金利減免債権につきましては、元本の回収が一応前提となった上で再建計画が確定されているというものでございますので、漸進的、段階的に進めるに当たっては、当面開示を求めないということにされたわけでございます。ただ、この報告では、そのディスクロージャーの実施状況を見守りながら今後検討すべき事柄である、このように位置づけられているところでございます。
 こういった経過で今回のディスクロージャーが行われたものでございます。
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早川勝#15
○早川委員 アメリカの証券会社の東京支店のある人がこのディスクロージャーを見ましてコメントをしているのですね。アメリカは直接的にきちんと全体を明らかにして早期に不良債権を解消させていく、それについて日本の場合は非常にゆっくりだ、ゆっくりやっていくのが日本の国民の選択だろう、これは新聞に載っていたのですけれども、こういうコメントがあります。
 したがって、これは大臣の感想をお聞きしたいのですが、最後にこういうこと宣言っています。「しかし、私からみると、銀行が健全な企業に回す金を削って倒産する会社に資金を貸すというのは「金融共産主義」ではないかと思う。」金融共産主義。コミュニストの方ですね、コミュニズム。こういう記事を読んだわけでございます。いろいろな意味で、金融の構造協議を含めて違いがあるわけでございますけれども、こういうことを考えますと、ディスクローズの仕方というのをもっと、ただし条件は幾つかつけるかもしれませんけれども、わかるようにすればいいと思うのですね。そういった意味で、今回の範囲を次回にはもっと広げる必要があるのではないかと思うのですが、その考え方とこのコメントについて、これは大臣の感想で結構ですので、伺いたいと思います。
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林義郎#16
○林(義)国務大臣 今お話がありましたが、こういったディスクロージャーをしなくちゃならないというのは、やはり金融機関の不良債権の処理をやっていくということだろうと私は思います。それのためには、やはり金融機関が自主的な判断で自主的な努力を基本としつつ、早期にやっていくということが必要でありますし、一遍で、一朝すぐにというわけにはなかなかいかない話でもございますから、段階的にやっていく、こういうことで考えていくことが必要だろうと思います。そういった意味で、先ほど政府委員から御答弁申し上げましたような格好でのディスクロージャーをしているところだろうと思いますし、私は、こういった形でやっていくことによりまして金融機関が基礎体力を蓄えながら漸次不良資産の解消に向かっていくことができるものだろうと思っています。
 金融共産主義というお話、ちょっと聞きなれないお話でございますが、共産主義ということになると、コミュニズム、一体どういうことなのかな。言葉どおり読みますと、ともに産出する、こういうことでございますから、ともに助けていくというような話なのかなという感じを持っていますが、ともに助けていくということではなくて、やはり金融機関それぞれの自分の自助努力でもっていろいろとやっていかなければならない話じゃないかな。金融秩序というものもありますけれども、これはあくまでも預金者保護というのが一つの考え方であろうと思いますから、それが全体に及ぶことのないようなことというのを、もしもこの共産主義というような話で言っているならばそういうことかもしれません。
 しかし私は、金融共産主義という言葉からすると、どうも何か別の意図があるのじゃないかなという感じを持っていることだけ、せっかくのお話でございますから、当たっているか当たってないか内容も読んでおりませんからわかりませんが、言葉だけで申し上げますと、ちょっと当たらない話ではないかなという感じを持っているということだけ申し上げておきたいと思います。
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早川勝#17
○早川委員 それに関連して、大蔵省は、バブルの問題が起きたときに、不動産関係の融資が非常にずさんであった、一因であったということは、これは定評があるわけでございますが、それとの関連で、九一年の十二月末にいわゆるトリガー方式を取り入れて、できるだけ抑制をするという方針を決めたわけでございますね。
 日銀の調査によりますと、全国銀行の不動産業向け貸し出し残高がそのとき決めたルールを超えた。まさに大蔵省が注意喚起をしなければいかぬ。ところが、今回大蔵省はそれを見送っているということが伝えられているわけでございますが、それは事実かどうかということと、なぜみずから決めたルールを無視して触れないのか、この二点を伺いたいと思います。
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寺村信行#18
○寺村政府委員 まずは、御指摘の点は事実でございます。不動産向けの貸し出しが総貸し出しの三%を上回る状態が三カ月連続をいたしております。したがって、形式的には注意喚起の要件に合致することになっております。
 ところで、トリガー方式を定めました際にも、そもそもこの規制の趣旨は、不動産の投機的な取引を抑制しようという趣旨のものでございます。現在の状況を金融機関からヒアリングをいたしますと、不動産業向けの貸し出しが増加いたしております主因は、地方の土地開発公社等の公的機関向けの貸し出しが大幅に増加している、それから、資金繰りが悪化をした不動産業者への運転資金が増加をしている。それから三点目は、一般企業、ノンバンクがリストラを行います際に不動産会社に保有不動産を売却する、そこで土地の益出しを行うわけでございますが、土地を売却してリストラ資金に充てるということが行われるわけでございますが、その買い取り資金の融資が行われている。それから、これは大手の不動産会社でございますが、社債償還等のためのリファイナンス資金のための貸し出しの増加が見られる。こういったことによりまして貸し出しが増加をいたしておりまして、不動産の投機的取引等を背景とするものではないということが判明をいたしました。
 さらに、五月十九日国土庁より発表されました短期地価動向調査によりますと、大都市圏の地価は引き続き下落しておりますし、地方圏でも地価は横ばいまたは下落の傾向が継続をいたしております。
 このようなことを総合的に勘案いたしますと、地価高騰のおそれがあることを前提とする金融界への注意喚起を現時点で行う必要はないという判断をしたということでございます。
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早川勝#19
○早川委員 そうしますと、個々の条件を見て総合的に判断をされたということなんですが、一言で言えば、投機的な資金として使われない限りいい、こういうふうに断定的にとらえてよろしいわけですか。
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寺村信行#20
○寺村政府委員 そのときの金融情勢を総合的に勘案しながら、ただいま申し上げましたように、地価高騰の引き金となるような貸し出しが行われていないということであるならば、これは例えば地方公共団体の先行取得による貸し出しが増加しているというようなことをあえて抑制する必要はないという判断でございます。
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早川勝#21
○早川委員 そうはいいましても、地価はまだまだ高いというのが実感でございますので、また地価高騰が始まったなんということが伝えられないようにしていただきたいわけでございますので、十分にかつ早期に手を打つような判断をしていただきたいということを要望いたしておきます。
 それから、減税の問題は後ほど詳しくやってもらいますが、減税の必要性について、簡単に一つの観点だけ私は指摘をしたいと思うのです。
 円高が今御存じのような状況で進んでいるわけでございますが、銀行の試算によりますと、レートが一ドル百十円ということで推移しますと、GNPに対して〇・六%マイナス、引き下げる効果があるんだということが言われているわけです。これは大蔵省の審議官が答えられるかどうかわかりませんけれども、〇・六%GNPをアップするに必要な減税額というのは当然どこかで調べられたと思いますが、もしおわかりでしたら言っていただけますか。
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日高壮平#22
○日高政府委員 まず、基本的に円高がGNPにストレートにどれだけの影響を与えるかという点につきましては、実は正直申し上げると定説はございません。いろいろな要因、いろいろな側面がございますし、それからそのときの経済情勢によって十分変わってき得るということでございますので、まず今の、最近における円高が、こういう状況が続けば〇・六%影響を与えるという見方については、私どももその程度がなというふうに考えているわけではございません。まずその点だけ先に申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つ、これは経済対策をどういう形で実行していくかということを私ども考えてまいりました場合に、よく言われておりますように、例えばいわゆる需給ギャップがGNPの大体どのくらいあって、それをどういう形で埋めていくかという手法をとって、そういう手法によって経済対策の必要額、規模を決めていくという手法をとっていないということでございます。それは最終的に需要をつくるという、もちろんそういう公共部門で需要をつくり上げていくということが一つの目的ではございますけれども、全体にGNPをどれだけかさ上げしていくかという形での規模の決定をいたしておりません。したがって、今御指摘がございました、円高の影響によるいわばマイナス分をどれだけ減税でカバーできるかという点についても、確たる御答弁はできかねるということで御理解を賜りたいと思います。
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早川勝#23
○早川委員 ことしの予算審議の中で、また当委員会におきましても所得減税の効果、公共投資並みとかあるいはそれを超えているとかいろいろ議論がされてきたわけでございます。今審議官は、百十円でどれぐらいGNPにマイナス効果が起きるかというのは定かでない、当然そう答えられると思うのですが、一つの試算として、百十円で推移をすればGNPはマイナス〇・六になりますよ、ダウンしますよというのがあるわけですね。ことしの二月段階での試算が行われたときに、所得税減税を四兆円実施する、四兆円実施すると景気刺激効果としてGNPが〇・八から一・〇%ふえるというのを出した一つの研究結果があるのです。もう一つは、同じく四兆円の減税をやりますとGNPでちょうど〇・六%ふえますよ、こういう試算をした研究所があります。経済企画庁だと一兆円の所得税減税をやって〇・一%相当だ、こういう試算を出しているわけです。それぞれ出したわけです。
 そうすると、大臣に見通しを含めて答えていただければありがたいのですが、円高が、今百六円とか百七円ということですが、百十円で推移するとGNPは先ほど言ったような数字が下がりますのでは、それをカバーする必要があるのじゃないかなと。減税でやれば今言ったようなちょうど〇・六とか一%カバーできるというふうに、この二つの数字を並べて読むとそういうふうになるわけでございますが、そういった観点から減税という問題をもう一度、財源論があるのはわかりますけれども、検討する余地があるのではないかと思いますけれども、いかがですか。
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林義郎#24
○林(義)国務大臣 早川先生の数字の話、ちょっと私も手元にございませんから、その数字がどうだということについてもいろいろ議論があるのだろうと私は思います。その議論はございますが、円高になって相当に影響が出てくるということははっきりしているのだろうと私は思うのです。
 それは何かといいましたならば、輸出の方の採算、企業にとっての採算がよろしくなくなる。逆に言いますと、輸入の方が採算はよくなるわけでございまして、その辺のバランスというのはいろいろ考えていかなければならない。そのはじいた数字というのが輸出に対する影響だけだということになるとやはり片手落ちではないかなという感じを私は持っているのでありまして、内需拡大というものを私たちはこれからやっていかなければならない。経済政策としてそういったことをやっていく。円高対策というか経常収支対策ということで私たちが考えていますのは、やはり内需を思い切り拡大をしていく、こういうことでありまして、それに対する影響がどうなってくるかというのは必ずしもはっきり言えないのじゃないかな、こう私は思っておるところであります。
 いろいろと勉強してみなければなりませんし、今は百十円になったならばどうだこうだというのは、ちょっと私は数字的に持ち合わせがないし、いろいろな計算はあるのでしょうけれども、果たしてそれがどうなのか、その計算の根拠も私は少し勉強してみなければならない点があるのだろうと思っておるところでございます。
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早川勝#25
○早川委員 計算の根拠の問題というよりも、やはり円高、黒字対策を含めてこれまた一つの研究所の、銀行の調査が出ているわけです。例えば、レート、為替の影響それから内需拡大の影響、つまり輸入数量増加の効果を比べますと、八六年から九〇年までですから五年間ですが、為替によって年平均四十七億ドルの縮小だと、貿易黒字は。ところが、内需拡大をやれば年平均百三十八億ドルぐらい、約三倍弱ぐらいの効果があったということなのです。つまり、黒字の問題が日米構造協議の中で、あるいは日米の経済の話の中でも、あるいはサミットでもつながっていくかもしれませんけれども、日本の貿易黒字をどうするかあるいは経常黒字をどうするかという話がございますね。為替調整だけでは今言いましたように効果は余り大きくないわけでして、そういった意味で内需拡大の方がいいわけですね。
 そうしますと、内需拡大でこれからやらなければいけないのはやはり減税じゃないかなと思うわけでございますけれども、依然として財源がないから無理だというお答えですか。これはぜひ大臣に伺いたいと思います。
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林義郎#26
○林(義)国務大臣 内需拡大のための個人消費刺激ということで必要ではないかというのが先生の御議論だろうと思いますが、私は繰り返して申し上げておりますけれども、内需拡大をしていく、そういったことからするならば、公共事業等によりましていろいろな仕事をやっていく、その仕事をやっていくことによりましてそれぞれの所得がふえていく、それが一番大切なことではないかな、私はこう思っておるところでございます。
 公共事業をやって金をどこかに使ってしまった。その金が消えてなくなるわけでは一つもないのでありまして、公共事業をやりましたならば、建設会社の労賃の支払いも出てくる、また資材を購入するところの会社の収入になる、またその会社の方々の給料もふえてくる、給料にはね返ってくる、こういうふうな格好で出てくるわけでございます。私は、そういったような形で企業活動が活発化していく、それによりまして所得がふえていくという方が望ましいことではないか。
 特に、一般的ないわば所得税減税という形でやりましたならば、これよりは、いろいろな点で考えまして、すぐに消費に結びつくというような形じゃなくて、今申しましたような、どちらかというと迂回的な話で、仕事を通じてやる方が経済的にいっても効果があるし、これは消費の関数とかなんとかということからいいましても、私はそういうことははっきりしているだろうと思います。当面の消費が冷えておるような状況からいたしますと、今単にすぐに所得税をそのまま減税いたしましても、その減税が貯蓄の方に回る可能性というのは割と高いのじゃないかな、こう思っておるところでございます。そういった意味で、所得税減税については景気対策の問題としては疑問があるということを申し上げておるところでございます。
 実は私も、ちょっとこれはあれですけれども、この前言われたのは、所得税減税だからすぐに消費に回る、公共事業だから消費に回らないなどというような議論がどこかにあるんだそうですが、そういうことじゃないのでございまして、公共事業をやっていろいろなものを建てる、それによってずっと金が回っていくということは同じことでございますから、その効果というものは、明らかに結果としては全体の消費をふやしていく、所得をふやしていく効果になっていくものだろう、私はこう思っております。
 かてて加えて、言うまでもありませんけれども、その財源をどうするかという問題がございますし、もう一つは税制体系としての問題がございますが、先生の今の御指摘は個人消費刺激策としての問題ということでございますから、私の考え方をあえて申し上げさせていただいた次第でございます。
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早川勝#27
○早川委員 直接的に個人消費という問題ではなくて、特に必要なのは政府の姿勢をいかにあらわすかということで、所得税減税を実施するか否かというもう一つの側面を重視してもらいたいなという感じがいたします。
 そこで、今大臣も答えられたわけでございますけれども、また秋以降に向けまして抜本的な税制改革が多分議論されていくのではないかと思います。その中身ということよりも、それこそ、大臣がどう考えられているかという観点で私は質問をさせていただきますが、御存じのように、きのう衆議院の地方行政委員会が「地方分権の推進に関する決議」をやったわけですね。これからの社会を地方分権型に変えていこうということで画期的な決議だと思いますし、やがて本会議でもということが、これは与野党通じての意思だと思っております。その中で、「地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図り、二十一世紀に向けた時代にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務である。」こういうふうに決議文の中に盛り込まれております。行政権限の問題あるいは許認可の問題等々あるわけですけれども、やはり財源の問題が、再配分の問題が非常に重要だと私は思っております。
 そこで、昭和六十一年のときの「税制の抜本的見直しについての答申」があるわけですが、そこで「国・地方間の税源配分」という項があるわけですが、一言で言えば、こういうことが書いてあるわけです。
 国・地方間の税源配分のあり方は、地方交付税や国庫支出金、さらには、国と地方との行政事務配分のあり方等広範な問題と関連している。これはそのとおりですね。その次なんですね。しかしながら、今回の税制の抜本的見直しの主眼が社会経済情勢の変化を踏まえ、税収中立を前提に国税・地方税を通じ、税制のゆがみ、ひずみを是正する点にあり、国・地方の行財政制度全体に係る問題は直接の審議対象を超える面があるところから、税源配分の問題については、抜本的見直しの枠組みの中で、税収の変動によって国及び地方団体の財政運営に基本的に影響を与えることのないよう配慮しつつ処理することが適当であると考える。なお、税源配分問題については、行政事務配分のあり方等も含め十分検討すべきであるとの指摘も行われたところである。つまり、前段の出だしはそのとおり適当なんですが、最後はどう言っているかというと、税源配分の問題には触れませんよということなのですね。私はそういうふうに読み取ったのですね。これは六十一年十月の抜本的見直しについての答申であります。
 それから、昭和六十三年四月の「税制改革についての中間答申」についてもほぼ同じようなことが書いてあるわけですね。この税制改革については、国と地方の税源配分については触れませんよということなのですね。同じようなスタンスなのですよ。考えなければいけない、だけれども、抜本的に移譲するようなことは今回の答申の枠外だというのを繰り返し書かれて、実際には行われてないわけですね。
 これから考えると、地方分権の時代だ、地方重視あるいは地方主権の時代だといったときに、この税制調査会に同じような諮問の仕方をし、同じような認識であれば、税源配分とかそういうことは起きないのではないかと思うのですけれども、また、それを正さなければいけないと思うのですけれども、それについて大臣はどうお考えですか。
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林義郎#28
○林(義)国務大臣 税制調査会で六十一年の答申がありましたというのは、抜本改革をやったときの話だろう、こう思うのです。そんなことでありますが、私は、税制というものは、やはり国全体の問題を考えて、公平な観点、また簡素な制度であるという観点、そういった形から基本的には議論をしていくべきものだろうと思いますし、地方の問題につきましてもいろいろと考えていかなければならない点だろうと思うのです。
 特に税源配分の問題につきましては、地方交付税とか国庫支出金等種々の制度のあり方に基本的に関係する問題でございますし、また一方では、地方公共団体というのは、憲法にも掲げられておるところの地方自治の原則に、趣旨に基づいてやる、こういうことで書いてあるわけでありますから、そういった形で独立のものである、そういった国と地方との機能分担とか費用負担のあり方につきましては見直しをしていかなければならない、これは幅広い観点からいろいろな見直しを行っていくべき課題じゃないだろうかな、私はそういうふうに素直に思っているところでございます。先ほど先生から御指摘のありました地方行政委員会での決議というのがありました。そういったものも私どもも承知しておりますから、いろいろな角度から検討していくことが必要ではないかなと思います。
 地方税につきましては、地方税だけでやるというふうな話になりますと、地域間の格差がございますから、非常に裕福なところではたくさん税収がある、貧困なところではなかなか税収が上がらない、こういうふうなアンバランスも出てくると思います。そうしますと、税源の偏在という問題がありますから、やはりこういったことも考えておかなくちゃならないと思っています。
 いずれにいたしましても、地方財政につきましては、円滑な運用に支障のないように、従来からも配慮をしてきているところでありますし、今後とも適切な対策は立てていかなければならない、私はそういうふうに考えておるところでございます。
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早川勝#29
○早川委員 その場合に、御存じのように交付税だとか補助金で再配分機能をしているわけでして、そこで、いわば地方にウエートが最終的にかかっているよという話をされると思うのです。補助金というのは、交付税というのは、いわば国が取ってそれを地方に流すわけですから、そういうことを考えますと、当然大臣も御存じだと思うのですが、個人所得に対する税金が国、地方がかるわけでございますけれども、国が七割取るわけですね、個人所得に対する税、所得税が典型ですが。それで都道府県が一二%、それから市町村が一七%なのですね。いわば税源配分がそうなっていますよということであります。それから、法人所得に対しては、同じような近い数字なのですが、国が六五・九ですから六六%、三分の二は国が取るわけですね。それから都道府県が二四%ですから四分の一ですね。それから市町村が九・九、一割ですね、法人の場合。これが第一次的にそれぞれの団体が取るわけでして、その後に交付税で配分されていくわけです。
 これは平成四年度の状況なのですが、この配分というのは、当面フィフティー・フィフティーにするのか、あるいは本来的には地方にウエートをかけていくべきだというのは私の考え方であり、地方分権社会を築くためには不可避だと思うのですね。そういったことをぜひ理解していただきたいというのが第一点です。
 それから二点目は、税調が七月からというような記事も出ているわけでございますが、この国と地方との税源配分の問題についても、きちっと税調に検討しろということを言っていただかないと、出てきた答申の内容は先ほど紹介したようなことですね。
 一般論としてはよくわかるけれども、結果的には、やりませんでした、国税のことだけをやりましたという答申が出る可能性が強いと思うのですね。税源配分のことをきっちり検討をして、やりなさいと。昭和三十六年の答申の場合には、かなりそれに本格的に取り組んでいるのですよ。地方と国との税源配分はいかにあるべきかというのをきちんとやっているわけです。したがいまして、この夏以降の税調審議に当たっては、改めて税源配分を真っ正面から審議しろということを言っていただきたいわけですけれども、いかがですか。
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