本会議

1993-05-12 参議院 全59発言

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会議録情報#0
平成五年五月十二日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十五号
  平成五年五月十二日
   午前十時開議
 第一 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国務大臣の報告に関する件(平成五年度地
  方財政計画について)及び地方交付税法等の
  一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、商法等の一部を改正する法律案及び商法等
  の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律
  の整備等に関する法律案(趣旨説明)
 一、労働基準法及び労働時間の短縮の促進に関
  する臨時措置法の一部を改正する法律案(趣
  旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
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原文兵衛#1
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 平成五年度地方財政計画についての国務大臣の報告及び地方交付税法等の一部を改正する法律案についての提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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原文兵衛#2
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。村田自治大臣。
   〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
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村田敬次郎#3
○国務大臣(村田敬次郎君) 平成五年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明を申し上げます。
 平成五年度の地方財政につきましては、最近における経済情勢の推移と地方財政の現状にかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方税負担の公平適正化を推進するとともに、地方一般財源の所要額の確保を図ることを基本としております。
 また、歳出面におきましては、経費全般について徹底した節減合理化を図るとともに、景気に十分配慮しつつ、自主的.主体的な活力ある地域づくり、住民生活の質の向上のための社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、快適な環境づくりなどを積極的に推進するため必要な事業費の確保に配意する等、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、地方財政の健全性の確保にも留意し、節度ある行財政運営を行うことを基本としております。
 以下、平成五年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 第一に、地方税については、最近における社会経済情勢の変化に対応して早急に実施すべき措置を講じることとしております。
 第二に、地方交付税については、将来にわたる交付税総額の安定的な確保に配意しつつ、平成五年度の地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう、その総額を確保するとともに、四千億円を減額する特例措置等を講じることとしております。
 第三に、公共事業等に係る国庫補助負担率の恒久化に伴う地方財政への影響額等については、地方団体の財政運営に支障が生じることのないよう適切な財政措置を講じることとしております。
 また、義務教育費国庫負担金等のうち共済費追加費用、保健所運営費交付金等の国庫補助金等の一般財源化及び国民健康保険制度に係る保険基盤安定制度の暫定措置に伴う影響額については、所要の財源措置を講じることとしております。
 第四に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、景気にも十分配慮して、自主的・主体的な活力ある地域づくり、住民生活に直結した社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、快適な環境づくり、住民生活の安全の確保等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講じることとしております。
 第五に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることとしております。
 以上の方針のもとに、平成五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は七十六兆四千百五十二億円となり、前年度に比し二兆五百一億円、二・八%の増加となっております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成五年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に三百七十億円を加算した額から、特例措置額四千億円及び交付税特別会計借入金元利償還額千八百二十四億円を控除した額とすることとした結果、十五兆四千三百五十一億円となっております。
 また、特例措置額四千億円に相当する額等につきましては、後年度の地方交付税の総額に加算することとしております。
 さらに、平成五年度分の普通交付税の算定につきましては、自主的な地域づくりの推進、高齢者の保健福祉の増進、森林・山村対策等のため地方団体が必要とする経費の財源を措置するため、単位費用を改定すること等としております。
 以上が、平成五年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。拍手
    ―――――――――――――
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原文兵衛#4
○議長(原文兵衛君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。山口哲夫君。
   〔山口哲夫君登壇、拍手〕
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山口哲夫#5
○山口哲夫君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して質問をいたします。
 地方交付税並びに地方財政計画の質問に入る前に、今日非常に重大な情勢を迎えておりますカンボジア問題について質問をいたしたいと思います。詳しくは改めて政府から報告があると思いますので、本日はとりあえず以下の問題について質問をいたします。
 既にカンボジアにおいては二名の日本人死者を含む五十二名の国連要員の死者が出ており、この数はさらにふえるおそれが強いのであります。
 私は、これらの犠牲者に心から哀悼の意を表明いたします。
 さて、村田国家公安委員長には、けさカンボジアから帰国されたばかりですが、早速お聞きをいたしたいと思います。
 まず、見舞われた入院中の警察官及びプノンペンで会見された警察官からどのような報告と要請を受けられたのか、具体的に報告をいただきたいと思います。また、明石代表に対して何を要請され、どのような回答を得たのか、さらにカンボジア情勢とUNTAC要員の安全確保についてどのような見通し、認識を得られたのかを御報告いだだきたいと思います。
 我が党ま、自衛隊を除く文民のPKO要員の派遣を主張してまいりました。しかし、これはあくまで平和維持活動の原則が守られていることが前提であります。
 しかし、今日のカンボジア情勢は、国連PKOの前提となる三原則がほぼ崩壊状態にあるというのが衆目の一致するところであります。武力襲撃、そして武力衝突は多発し、大規模化の様相も呈しております。軍隊の宿営地への集結や武装解除も実施されておりません。パリ協定に言う停戦の実質は存在していないのであります。また、UNTAC自体が紛争当事者の一方から公然と敵視されております。UNTACがポル・ポト派を除く各派の軍隊で投票所を守らせるとするならば、国連の中立性さえ問われることになるのではないでしょうか。これでは自由かつ公正な選挙は全く不可能と言わなければなりません。カンボジア情勢及び紛争当事者とUNTACの関係について、総理の認識をお伺いしたいのであります。
 UNTACの使命はカンボジア国民の和解と復興にあり、選挙はそのための手段であります。この際、国連は紛争当事者の合意と協力が得られるよう説得と調整に全力を尽くすべきであります。その結果、選挙が多少延期されることがあるでしょうけれども、選挙さえ実施すれば事足れりという態度では、紛争はさらに拡大し、本来の和解と復興もできず、いたずらに犠牲者をふやすことになりかねないのであります。
 政府は、この際、停戦や選挙の実施に関する紛争当事者の実質的な合意が存在していないという現実に立脚して、PKOのあり方を根本的に問い直すとともに、これ以上の犠牲者が出ないよう自衛隊を含むすべてのPKO要員を撤収すべきであり、この方向で国連に働きかけるべきであると思いますけれども、総理の答弁を求めるものであります。
 さて、地方財政計画と地方交付税に関して質問をいたします。
 交付税の質問に入るその前提として、国と自治体との関係について確認をしておかなければなりません。
 七年前、私は予算委員会で当時の中曽根総理にこの質問をいたしたことがあります。そのとき中曽根総理の答弁は、自治省が本来持っている監督権に基づいて自治体を指導助言するというのが国と自治体との関係であると答弁をいたしました。唖然としたのであります。まさに戦前の内務官僚の考え方をそのまま持っているのであります。国と自治体との関係というものは、国が上にあって自治体が下にあるなんというものではありません。これはあくまでも対等、平等が原則であります。そういう考え方に立つならば、まず地方自治体が持っている権利というものをきちんと認めるということが、国と自治体との関係で最も重要な問題であると言わなければなりません。ところが、その権利を財政的な面で四千億も特例減額をやるということで踏みにじったのが今日の実態であります。
 地方交付税というものは、五つの国税に対する一定率を掛けたその金額が地方交付税の総額であり、これが自治体の財政的な権利でもなければなりません。それを交付税総額から四千億円、昨年は八千五百億円、その前の年は四千五百二億円、三年間で何と一兆七千二億円と、う莫大な金額を国に吸い上げたのであります。当然私どもは許すことはできないのであります。このことについて、自治体の財政的な権限を一方的に国が踏みにじったと考えるけれども、総理のお考えを聞きたいのであります。
 このような考え方があるからこそ、私どもは地方行政委員会でも国会決議をいたしました。すなわち、「地方交付税を国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から直接交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる制度を積極的に検討すること。」毎回のように国会決議をしているのであります。すなわち、交付税というものは国の一般会計を通すのではなくして、直接地方交付税の特別会計に直入をせいというのが私どもの考え方なのでございます。これに対する大蔵大臣とそれから自治大臣の見解を承りたいのであります。
 さらに問題は、法律とそれから大蔵大臣と自治大臣の間で決められた覚書まで踏みにじって、七千二百三十一億円という莫大な金額をこれまた一方的に四年間延期して九七年度から交付税に加算をするということをやってまいりました。これも私どもとしては到底納得できることではありません。国の権力によってこれは地方財政を支配したということになるのではないだろうか。この点に対する総理の見解を承りたいのであります。
 さて、地方自治体にはやらねばならない問題が山積をいたしております。例えば道路の舗装率一つとってみても、国道は八七・七%、これに比べて都道府県道は四八・三%、市町村道に至っては一五・一%という、まことに少ない舗装率であります。本来、国民の多くが通勤、通学あるいはお買い物に毎日使うこの市町村道が最も舗装率がおくれているという実態なのであります。
 さらに、今、政府は、西暦二〇〇〇年を目指して寝たきり老人ゼロを実現しようということで、ゴールドプラン、すなわち老人保健福祉計画を実行いたしております。その重要な事業の一つにホームヘルパーの増員問題があります。ところが、このホームヘルパーを二〇〇〇年には十万人にするという計画でありますけれども、そのことが実現されたといたしましても、西暦二〇OO年で人口十万人に対するホームヘルパーの数は何とわずかに九十人であります。福祉国家と言われるスウェーデンは現在既に十倍以上の九百二十人であります。したがって、地方自治体はもっと積極的にこの事業を実施していかなければなりません。
 また、生活関連社会資本整備の国際比較を見てみますと、道路の舗装率は、イギリスが一〇〇%、ドイツが九九%、アメリカ九〇%、フランス九二%、日本はわずかに七〇%であります。下水道の普及率は、イギリス九五%、ドイツ九一%、アメリカ七三%、フランス六四%に対して、これまた日本はわずかに四五%であります。都市公園一人当たりの面積に至っては、ドイツが三十七・四平米、イギリス三十・四平米、アメリカ十九・二平米、フランス十二・二平米に対し、我が国は何と一けたの二・六平米であります。
 このように社会資本整備は、総理は生活大国を目指そうとしているけれども、極めてお粗末なのが実態なのであります。このようなことは文化面においてもあるいは環境面においても同じことが言えるのでありまして、我が国はこういった公共事業を急がなければならないのであります。したがって、生活大国を目指そうとするならば、その実現のために最も財政負担を強いられている地方自治体に対し、まず財政計画を大幅にふやし、その中で地方交付税の増額を行うべきであると考えるけれども、総理の見解を承りたいのであります。
 さてもう一つ、国庫補助負担金の一般財源化の問題があります。これについては我が党も基本的に賛成であります。しかし、権限の移譲がセットでなければならないという条件づきであります。ところが、本年はこの一千八十四億円という莫大な金額を、本来ならば地方交付税とは別枠で補助負担金を支出していたのでありますから、当然交付税に別枠として積むのが常識ではないでしょうか。それを一般の地方交付税の中で一千八十四億円を見るということは、その分だけ自治体の地方交付税を期待していたものが減らされたということになりはしないでしょうか。これに対する総理の見解を承りたいのであります。
 政府はどうも野党を甘く見ているようであります。どうせ野党は交付税には反対しないであろう、そういうふうにたかをくくって、したがってこの三年間連続して特例減額をやってきたのではないでしょうか。
 さて、四月十三日に発表された新総合経済対策十三兆二千億円、この中には地方単独事業が三兆五千億円も含まれております。公共事業四兆一千七百億円、この大部分は地方自治体が負担をして実行しなければならないのであります。地方自治体は、総理の言う新総合経済対策を進めるためにも大変な財政負担を強いられるのであります。私どもはこういう実態を考えるときに、これからますます地方自治体の財政が苦しくなろうとしているときに、我々の今日までの忠告に一切耳をかさないというのであるならば、我々も今後この地方交付税に反対する決意を固めなければならないときが来るのではないかと考えるのであります。
 最後に、来年度以降、総理は特例減額あるいは補助負担金の交付税枠内での一般財源化は絶対にやらないということをここで言明していただきたいと思いますし、またこれから行われようとする新総合経済対策の地方財政に対しましては、この地方財政に十分な措置をとる、自治体に負担をかけないということをここでお約束いただき、答弁のいかんによっては再質問することを議長にお願いして、質問を終わります。拍手
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
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宮澤喜一#6
○国務大臣(宮澤喜一君) 去る五月四日、カンボジアにおいて国際平和協力業務に従事しておりました我が国文民警察要員五名が、他のUNTAC要員とともに武装グループに襲撃されました。うち、高田晴行さんが殉職され、残り四名の方々も負傷されるという痛ましい事件がありました。
 かかる事件の発生に対し、深い悲しみと強い憤りにたえず、高田さんの御冥福をお祈りし、御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々の一日も早い御回復を祈念しております。世界平和のため努力してこられた前途有為な人材を失ったことは、まことに断腸の思いであります。
 カンボジアにおきましては、このほかにも種々の暴力行為、テロ事件が発生をしております。また、ポル・ポト派が選挙への不参加を表明いたしましてプノンペンの事務所を閉鎖するなど、不安定な要因が存在をしております。カンボジア四派のうちポル・ポト派を除く三派は武装解除に応じるなどおおむねUNTACに協力してまいりましたが、ポル・ポト派が武装解除に応じず、これが今日の事態の一つの原因になったわけでございますが、ポル・ポト派のUNTACへの非協力的態度はいろいろな意味で国際的に非難をされているところであります。
 しかし、現在カンボジアの情勢を見ますと、どのような局地的な停戦違反事件はございますが、もとより全面的に戦闘が再開されているわけではありません。また、カンボジアにおける紛争当事者各派はパリ和平協定におのおの署名をいたしており、UNTACの設立についてもSNCを通じてこれを受け入れ、またUNTACの活動を受け入れているわけであります。ポル・ポト派自身も、パリ和平協定につきましては、最近の声明においても和平協定そのものは自分たちは認めるのである、むしろ和平協定が十分に忠実に実施をされていないところに問題があるというのが主張であります。
 すなわち、ポル・ポト派の主張によれば、ベトナムの人たちがまだ多数残留をしておるというようなこと、あるいはSNCが期待されたような独立の権限を十分に行使していないといったようなそういう主張でございますので、ポル・ポト派自身がパリ協定という和平の枠組みあるいはUNTACの活動を否定するというような立場には立っていないというふうに思われます。事態は複雑でございますが、基本的にはそういう構図であるというふうに思われます。
 したがりて、パリ和平協定に基づく和平プロセスの基本的枠組みは依然として維持されている、いわゆる法に言う五原則は満たされているというふうに考えておりますので、ただいまの時点で中断、撤収等を検討すべき状況ではないというふうに私は判断をいたしております。
 また、このようなポル・ポト派の選挙不参加にもかかわらず、既にカンボジアにおきましては住民の九〇%と推定される四百七十万に上る選挙登録が行われております。このことはカンボジアの国民の多くが選挙を望んでいるということの証左であると思われますし、また制憲議会選挙を予定どおり実施することにつきましては、シアヌーク殿下自身もこれについて、つい二、三日前にも国民に呼びかけられ、また国際社会も累次これを確認しているところでございますから、我が国としても選挙が予定どおりかつ安全裏に実施されるようUNTAC関係諸国とともに努力をすることがこの際緊急な要務であろうと思います。いずれにいたしましても、派遣要員の安全対策につきましては、政府として万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、法案につきましての御質問でございましたが、国と地方公共団体とは、国民がゆとりと豊かさを実感できる生活大国の実現という共通の目標に向かって、御指摘のようにそれぞれおのおの機能と責任を分担し協力する関係にあると承知をいたしております。その際、住民に身近な行政はなるべく住民に身近なところで地方公共団体が処理されることがこれが考え方の基本であると考えております。そのためには、国から地方への事務・権限の委譲等地方分権を推進し、地方公共団体の自主性、自律性の強化を図ることが必要であるというのが私の基本認識であります。
 地方交付税の性格についてもお尋ねがございましたが、地方交付税は地方団体に法律上当然に帰属するという意味において地方の固有財源であると考えて差し支えないと思います。平成五年度の地方財政につきましては、住民福祉の向上、景気に配慮した地方単独事業の大幅な増額など財政需要を的確に見込み、所要の地方交付税総額を確保した上で、現下の厳しい国の財政事情のもとで国と地方の公経済のバランスをも勘案し、地方交付税総額の特例措置を行うこととしたものでありまして、この間の事情につきましては何とぞ御理解を得たいと存じます。
 その際、今後の地方交付税の安定的な確保と地方財政の健全性の維持が不可欠であるという観点から、法律や覚書によって五年度の地方交付税に加算することとされている額について、その一部を後年度に繰り延べることといたしたものであります。今後とも地方財政の円滑な運営には十分配慮をしてまいらなければならないと思います。
 生活大国を実現いたしますために、住民に身近な行政を行っている地方団体の役割はもとより極めて重要でありまして、自主財源である地方税とあわせ地方交付税等の一般財源の充実強化が必要と思います。今後ともこうした観点から、地方交付税所要額の確保等地方一般財源の充実強化を図っていくことといたしたいと思います。
 国庫補助金等の一般財源化に見合う所要額につきましては、毎年度地方財政計画に適切に計上をすることによりまして地方財政全体として必要な財源を確保し、地方財政の運営に支障が生じることのないよう措置することと、たしているところであります。地方財政そのものは、多額の借入金残高を抱えております上、現下の経済状況のもとで税収の伸び悩みなど厳しい環境に置かれているものと認識をいたしております。決して余裕がある状況であるとは考えておりません。また、今後社会資本整備の充実、高齢化社会の進展への対応など多額の財政需要が将来にわたって見込まれているところであります。このため、今後とも地方財政の円滑な運営に支障が生じませんよう、地方財政計画の適切な策定を通じ地方財政の充実を図っていく必要があると考えております。
 残りのお尋ねにつきましては関係大臣からお答えをいたします。拍手
   〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
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村田敬次郎#7
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、宮澤総理からの御指示によりまして、五月八日から十二日までカンボジアを訪問いたしました。その際、今回のカンボジア訪問におきまして、バンコク市内の病院に入院中の文民警察官四名を見舞ったほか、プノンペン市内において文民警察官十三名と会見いたしましたが、彼らからは治安状況や生活環境についての報告を受けました。非常に彼ら文民警察官の諸君は、責任感圧盛にして誠心誠意しっかり勤務に精励をしておられるという頼もしい印象を受けて帰ってまいった次第でございます。
 また、明石代表との会見につきまして御報告を申し上げます。私は明石UNTAC代表に対して、文民警察隊員に対する警護の強化、配置先の再検討、プノンペンにおける安全対策会議の開催などを強く要望いたしました。それに対して明石特別代表からは、UNTACとしても隊員の安全対策に万全を期したい、UNTAC要員の配置については再度緊急に検討したい、安全対策のための会議を巡回によって行うといった対応が示されました。
 カンボジア情勢につきましては、我が国文民警察隊員の高田さんが痛ましい死を遂げられる等、総理から御報告のありましたようにいろんな不安定な要因が存在するのは事実でございます。しかしながら、現在カンボジアにおいて全面的な戦闘が行われているわけではなく、パリ和平協定の枠組みは依然維持されておると総理から御答弁のあったとおりでございます。そうした情勢のもとで、世界でも最大の二万六千人のUNTAC要員が選挙実施に向けて現在懸命の努力をしているところでございます。したがって、我が国から派遣されている要員につきましても、各国と同様その安全対策に万全を期することま言うまでもありませんが、引き続き担当業務を進めることが非常に重要であると考えております。
 地方交付税を一般会計を通すことなく交付税特別会計へ直接繰り入れる措置につきましては、かねてから地方制度調査会等からも御指摘をいただいているように、地方交付税の性格、すなわち地方公共団体の固有財源であることをより明らかにする措置であると考えており、自治省としてはその実現を図ることが望ましいものと考えております。
 以上、お答え申し上げます。拍手
   〔国務大臣林義郎君登壇、拍手〕
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林義郎#8
○国務大臣(林義郎君) 山口議員の御質問にお答え申し上げます。
 私に対する御質問は、地方交付税を国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から直接交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れる制度を検討すべきではないか、こういった御質問でありまして、私の見解はどうかという御質問だと思います。
 かねてから国会でいろいろ御議論のありたところでございますが、地方交付税を一般会計から交付税特別会計に繰り入れるという現行制度は、昭和二十九年の地方交付税制度創設以来とられているところの制度でございます。これを変更することは国の予算制度または会計制度にも大きな影響を及ぼすものでありますし、極めて問題が多いところではないか、こういうふうに考えているところでございます。拍手
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原文兵衛#9
○議長(原文兵衛君) 山口哲夫君。
    〔山口哲夫君登壇、拍手〕
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山口哲夫#10
○山口哲夫君 村田国家公安委員長は極めて重要な任務を持ってカンボジアに行ったはずであります。一体文民警察官と会ってどんな報告を受けたのか、その概要についてもう少し具体的に説明をしていただかなければ、今のような説明では一体何のために行ったのかさっぱりわからないではないでしょうか。もう少し誠意を持った説明をしていただきたい。
 それからもう一つ、総理にお聞きしたいのは、パリ協定はポル・ポト派が認めていると盛んに言うけれども、問題は、国連のPKO三原則の一番大事なところの紛争当事者の停戦合意の成立が崩れているではないか、この一番大事なことが崩れているのになぜ今日までPKO活動を続けなければならないのか、そういうことについて具体的に説明を求めているのであります。
 特に、このPKO三原則の第一というものは、実施段階で四つの原則が守られていなければならないと言っているのであります。それは、停戦合意をした四派が絶対に発砲し合ってはならないという大原則があるはずであります。それなのに四十数件も既に発砲事件が発生しているではないか。そしてプノンペン政府がポル・ポト派を攻撃しているというのは、これは一体この原則に違反していないのかどうなのか。
 こういう具体的な事例に立ったならば、当然この三原則は守られていない、崩壊していると見なければならない。そうするならば、当然我が国の要員も撤収しなければならないのではないですか。そのことはこの法案提出のときに盛んに政府みずからが言っていたことではないか。それと全く食い違っていることに対して、今単にパリ協定が認められているということだけでもって撤退させないということにはつながらない、このことを強調したいのであります。
 さて、交付税の問題であります。
 まず、この交付税の問題については、総理はこれは自治体固有の財源であることを認めておきながら、それではなぜ四千億を吸い上げるのかということに対して理由は何も言わないでただ認めてほしいと言ったって、地方自治体はこれは納得できる問題ではないのであります。この理由を明らかにしていただきたい。
 そしてもう一つは、この交付税を一般会計から特別会計に入れるのではなくして、直接特別会計に交付税総額を入れなさい、こういう決議に対してどう考えているのかという質問に対して、予算委員会では自治大臣は決議を守りますという決意表明をしているのであります。それを今あいまいな態度でもって答弁するというのは一体どういうことなんですか。この自治大臣の答弁と、大蔵大臣は決議には反対であるということを言っているのであります。この問題は、総理の諮問機関である地方制度調査会が何回もこのことを総理に対して答申して、直入をしなさいということを再三言っているのであります。それを一向に守らないというのは一体どういうわけなんですか。総理の見解をもう少しはっきりとお聞きしたいのでございます。拍手
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
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宮澤喜一#11
○国務大臣(宮澤喜一君) 第一の問題は、先ほどお答えをいたしたつもりでございましたが、十三年に及ぶ戦闘が行われて関係者がすべて戦い疲れて、結局いろいろ経緯はございましたけれども、各国も仲介をいたしてパリの和平協定というものができた。これには全部の各派が署名をいたしたわけでございますから、それが基本の枠組みでございます。
 そこで、ただそういう状況でございましたから、平和を確保するために国連の平和維持活動が始まったわけでございますけれども、過去にそういういきさつがございましたから、すぐにすべてが静かになるというわけにはいかない、平和を確保するという努力が今選挙に向かって行われているというのが現実であると思います。
 そこで、確かにクメール・ルージュは御承知のように一種の攻撃的な行為がところどころでございますけれども、先ほども申しましたパリ和平協定というものはむしろ積極的に評価をしている立場であります。それが、ベトナム人がなお排除されていないという主張であったり、SNCが十分に独立の機能をしていないという主張であって、パリ和平協定そのものを否定しているという立場ではない。これはごくごく最近の声明もそう言っておるわけでございますから、そういう意味で停戦合意というものが破れていないというふうに考えるわけであります。
 次に、地方税のことについてお話がありまして、確かに地方財政も決して楽ではございませんけれども、国の財政もさらにそれを上回るような状況の中で、予算編成に際しまして、結局地方の財政国の財政といっても、いずれにしてもそれは国民の財政であるというような大乗的な見地から地方に対して了解を得てああいう措置をいたした。これは決して本来好ましいことではございませんけれども、総合的に考えました措置としていたしましたもので御理解を得たい、こう考えておるわけでございます。
 最後に、直入の問題は、これは長い間の御指摘のような議論のある問題でございますけれども、いずれにしても予算制度、会計制度等々に非常に大きな影響のある問題でございますので、両省間でなお協議を続けてもらいたいというふうに考えております。拍手
   〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
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村田敬次郎#12
○国務大臣(村田敬次郎君) 実際にカンボジアに参りまして、そして私が見た生な感想を述べさせていただきたいと思います。
 カンボジアには二万六千名のUNTAC要員、地球上最大の要員が行っておられるわけでございまして、まさにカンボジアは国の夜明けを迎えようとしておる、そしてカンボジア国民にUNTAC要員、国連、日本も全面的な協力をするという建前でございまして、このことは明石代表とも一時間半にわたって会見をし、そして強く日本の文民警察等の安全を心から要請を申し上げたわけでございます。
 そして、プノンペン市内で行われました文民警察官との会見、あるいは現地を視察して各地の方々、そしてまた日本の文民警察官との会見におきましていろいろ生な感想を聞かせていただきました。そして、私は先ほど申し上げたように、これらの文民警察官は責任感旺盛で、一生懸命職務に従事しておるという、私は国家公安委員長あるいは自治大臣としての所感を得て帰ってきたところでございます。率直にここで御報告を申し上げます。
 また、交付税の直入問題につきましては、総理からも御答弁がございました。これは先ほど申し上げましたように、地方固有の財源であるということで自治大臣としては直入制度を心から望んでおるわけでございまして、公経済を担う大蔵、自治両省がその両翼として貸し借りという問題が出ておるわけでございますが、これは必ず全額国家財政から返していただくという建前であり、その方向に向かって協議を続けておるところでございます。この点は絶対に御心配がないように努力をいたします。拍手
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原文兵衛#13
○議長(原文兵衛君) 自治大臣の答弁については、後刻協議することとし、次に進みます。
     ─────・─────
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原文兵衛#14
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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原文兵衛#15
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。後藤田法務大臣。
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕
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後藤田正晴#16
○国務大臣(後藤田正晴君) 商法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、会社をめぐる最近の社会経済情勢等にかんがみ、株主による会社の業務執行に対する監督是正機能をより強固にするとともに、株式会社の監査役制度の実効性を高めるために必要な措置を講ずるほか、株式会社の社債による資金調達の需要の増大の状況にかんがみ、企業の資金調達の方法の合理化を図るとともに、それに伴い、社債権者の保護を強化するため、商法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律及び担保附社債信託法の一部を改正しようとするものでありまして、その改正の要点は、次のとおりであります。
 まず、商法につきましては、第一に、株主の代表訴訟の遂行に伴う株主の負担を軽減するため、この訴訟の目的の価額を九十五万円とみなすこととするとともに、代表訴訟に勝訴した株主はとの訴訟に要した費用で訴訟費用でないものの相当額の支払いを会社に対して請求することができる改正をすることとしております。
 第二に、株主が会社の会計帳簿等を閲覧謄写することができることを容易にするため、閲覧謄写することができる株主の持ち株要件を発行済み株式の総数の十分の一から百分の三に緩和する改正をすることとしております。第三に、株式会社の監査役の地位の強化を図るため、監査役の任期を二年から三年に伸長する改正をすることとしております。
 第四に、企業の資金調達の方法の合理化を図るとともに、それに伴い、社債権者の保護を強化するため、社債発行限度に関する規制を廃止し、これにかえて、社債を募集するには、会社は、社債管理会社を定め、社債権者のために社債の管理を行うことを委託することを原則的に義務づけるとともに、社債管理会社の社債権者に対する義務及びその権限を明確にし、また、社債権者集会における社債権者の議決権の行使を容易にする改正をすることとしております。
 次に、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律につきましては、大会社における監査役制度を充実強化するため、第一に、監査役の員数を二人以上から三人以上に増員する改正をすることとしております。
 第二に、監査役のうち一人以上は、その就任前五年間、会社またはその子会社の取締役または使用人でなかった者でなければならないとする改正をすることとしております。
 第三に、監査役の全員で監査役会を組織し、監査役会において監査役の協議により監査の方針等を定めるとともに、監査役の報告に基づいて監査報告書を作成しなければならないとする等の改正をすることとしております。
 最後に、担保附社債信託法につきましては、担保付社債の募集の公告の制度を廃止して、社債申込証により募集及び申し込みをさせる等の改正をするほか、商法の社債に関する制度の改正に伴い、所要の改正をすることとしております。
 次に、商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、商法等の一部を改正する法律の施行に伴い、社債発行限度暫定措置法等を廃止するとともに、非訟事件手続法外六十八の関係法律について規定を整備し、所要の経過措置を定めようとするものであります。
 以上が商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の趣旨であります。拍手
    ―――――――――――――
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原文兵衛#17
○議長(原文兵衛君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。峰崎直樹君。
    〔峰崎直樹君登壇、拍手〕
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峰崎直樹#18
○峰崎直樹君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました二法律案に対し、総理並びに関係大臣に質疑を行います。
 去る四日、国連カンボジア暫定統治機構UNTACに派遣された文民警察官五人の死傷事件が発生しました。
 質疑に先立ち、私は死亡した高田晴行警視の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げます。また、負傷された要員各位に心からお見舞い申し上げます。
 このような事態に対し、総理は仕方ないなと発言されたとも報じられておりますが、その真意を明らかにしていただきたいと存じます。
 さて、商法に改正を加える必要があるとすれば、その要綱を示されたいと法務大臣が法制審議会に諮問したのは今から四十年近くも前の一九五四年、昭和二十九年のことです。その答申を受けてこれまでに累次にわたる法改正が行われてまいりました。
 特に、一九六五年、昭和四十年代からの数年置きの商法改正は、いずれも資本の自由化と株式会社の不祥事対策を背景にしたびほう策的改正にとどまるものとは言えないでしょうか。確かに、会社は利潤を追求する営利法人であって慈善事業団体ではありません。しかしながら、現代の国民生活や海外取引は企業の存在抜きには語れないものとなっており、今や会社の社会性、公共性は国際的にも無視することはできない時代になっております。
 一九七四年、昭和四十九年の商法改正案の議決に際し、本院法務委員会は、「大規模の株式会社については、その業務運営を厳正公正ならしめ、株主、従業員及び債権者の一層の保護を図り、併せて企業の社会的責任を全うすることができるよう、株主総会及び取締役会制度等の改革」を行うよう政府に求めました。
 ところが、国民の怒りと政治不信を増幅させた東京佐川急便に見られる取締役の特別背任事件、イトーヨーカ堂や金権腐敗政治とも密接に関連した平和相互銀行事件に見られる監査役の不祥事等々、累次の商法改正にもかかわらず、企業犯罪は依然として後を絶ちません。また、ロッキード事件以来、政治腐敗はとどまるところを知らず、総理御自身も関与を指摘されたリクルート事件に見られる企業の反社会性も記憶に新しいところです。さらには、やみ献金の原資とも見られる今般のゼネコンなどの異常なまでの使途不明金の存在、これらはいずれも長期自民党政治支配のもとにおける汚職と利権政治を再生産する構造的な政治機構が一向に改善されてはおらず、またこれまでの商法改正が何ら本院の附帯決議にこたえるものとはなっていないことの証左ではないでしょうか。
 その意味において、商法改正は決して政治改革と無縁の存在ではないし、また取締役や監査役の犯罪を阻止できず、とどまるところを知らない多額の使途不明金をチェックできない監査制度等は、株主や債権者などの権利を完全にじゅうりんするものであり、この際、商法サイドからの徹底的な改革も必要になっているのではないでしょうか。
 さらに、会社法については、ここ十数年来顕著となっている経済の国際化等の進展に伴う企業経営環境の激変に配慮し、国際会計基準の導入等をも念頭に置き、また二十一世紀を展望した新たな視点から、我が国のあるべき企業法制を構築するための抜本的見直しを図る時期が到来していると言えるのではないでしょうか。
 私は、このような認識のもとに、今回の改正法案の疑問点などについて順次お伺いしていきたいと思います。
 まず、私の認識に対する総理の御所見を伺いたいと存じます。
 次に、総理の政治姿勢を伺いたいと存じます。
 今や政治改革の最大の課題は、金権腐敗政治を一掃し政治倫理を確立することにあると思います。そのためには、総理の強力なリーダーシップのもとに所要の新法制定を検討するほか、現行の法律や制度の運用を一部改正の必要性を含めていかに一体的、有機的に活用してその実効性を図っていくかが求められているのです。
 それには、第一に、企業・団体献金を即座に廃止することが必要です。幾ら政治家個人間の寄附を禁止してみても抜本的な改革にならないと思いますが、いかがですか。
 第二には、代表質問で我が党の矢田部議員が質問したように、英国並みの政治腐敗防止法の速やかなる制定が必要です。今衆議院政治改革調査特別委員会で審議中の自民党提出の関連議案では真の政治浄化への基本法と言うには甚だ不十分だと思います。総理・総裁として、矢田部議員に対する答弁の責任を問いたいと思います。
 ところで、今回の商法改正も理念的な改正にとどまり、真に機能的、効果的な法改正になっていないというのが学者、有識者の多数意見です。基本法たる商法の改正には十分なる検討と精緻な理論的整合性が要請されるにもかかわらず、七月の東京サミットを念頭に、日米構造問題協議での指摘事項を早期に解決しようとする余り、総理お得意の外圧をてこにして新総合経済対策にまで盛り込んで本案の早期成立を期し、その速やかなる施行を図る旨決定したのではないでしょうか。仮に今国会で成立したとしても、施行期日が数カ月先と予想される本案に景気対策の効果を期待することはそもそも困難であるし、宮澤内閣の経済運営の失敗を棚上げにしたまま、安易に基本法たる商法をなりふり構わず経済対策に結びつけようとする発想は筋違いと思いますが、いかがですか。
 バブル当時に発行されたワラント債の償還が本年度約十一兆円に上ると言われております。今回の社債制度の改正はそれをも念頭に置いたものであり、企業の資金調達の関係上どうしても改正案の年内施行に持っていきたいというのが政府・自民党の本音なのではないでしょうか。そうだとすると、このような社債発行を許容していた現行の制限規制そのものが不備であったと言うべきであるし、何よりもバブル経済の運営に加担した政府・自民党の責任が問われるべきなのではないでしょうか。資金調達の容易化は、会社にメリットはあっても、本当に社債権者の保護の強化につながる改正と言えるのでしょうか。発行限度枠の撤廃を焦る余り、将来の不良債権の発生防止に手抜かりはないと言えるのでしょうか。社債管理会社の設置だけで本当に社債権者は十分保護されると言えるのでしょうか。
 また、さまざまな意見のある自己株式の取得及び保有に関する規制の見直しについても、新総合経済対策において次期常会までにと期限をつけてまで結論を急ぐ理由についても明らかにしていただきたいと思います。
 次に関係大臣にお伺いいたします。
 一九七四年、昭和四十九年、監査制度を中心とする改正が行われましたが、その後、衆参両院の法務委員会の附帯決議を受け、法制審議会などにおいて会社法の全面改正作業が本格的に始動するところとなりました。一九八一年、昭和五十六年には株式制度と会社の機関、株式会社の計算、公開に関する改正が、また一九九〇年、平成二年には小規模かつ閉鎖的な会社にも適合する法制度の整備、債権者保護を図るとともに、会社の資金調達方法を合理化するための改正が行われたわけですが、今回の改正はこのような一連の商法改正作業の一環としてはどのように意義づけられるのでしょうか。商法の抜本的改正終結への展望を含めて今後の方針を明らかにしていただきたいと存じます。
 次に、改正案は株主による会社の業務執行に対する監督是正機能の強化のために所要の改正を行うこととしているのですから、一九九〇年、平成二年の改正では取り上げないこととされた計算書類の登記所における公開制度や中規模会社の計算書類の適正担保の制度こそ今回の改正案に含める努力をするべきであったと思います。なぜ今回の改正案に含めなかったのかを明らかにしていただきたいと思います。
 監査機能の強化について伺います。
 監査役の任期の伸長や員数の増員、監査役会の法定化はおおむね大会社の現状を追認化するだけの改正ではないでしょうか。実務的には既に行われていることを法定化することにどのような意義があるのでしょうか。これで監査機能の強化が図られるとする根拠についても明らかにしていただきたいと思います。
 私は、監査役機能の実効性担保のためには、監査役の選任、人事権の独立性を確保する改正の方がよほど実務的ではないかと考えています。監査役制度の改正は、社外に人材を求めたり監査役会を法定化することに意義があるのではなく、経営者の影響力の及ばないところで選任されるようにすることこそ重要であると思いますが、いかがでしょうか。
 また、今回の改正案の社外監査役についての選任要件は極めてあいまいで、運用上の抜け道もあり、ほとんど効果が期待できないように思えます。要件について見直す考えはありませんか。監査役会の法定化は監査役個々人の意見反映の機会を現在よりも減殺させることにはなりませんか。従来の答弁との整合性についても明確な説明を求めます。
 政治改革との関連において、今やみ献金の原資ともなっている使途不明金の是正が大きな社会問題になっております。取締役が経理操作を行ったとしても、貸借対照表や損益計算書等の会社の会計帳簿からのチェックは必ずしも容易ではないと想像されますし、現実的に会社の計算書類等からは形式的には把握しがたいと思われます。しかも、現行商法上の仕組みは、不実記載や粉飾決算等の場合などに所定の罰則が適用されるケースが考えられるだけで、使途不明金そのものの発生を防止するような手だては何ら講ぜられておりません。現在は専ら税法上の問題として処理されておりますが、これでは監査機能の強化と言ってみても、株主の権利擁護のためには何の改善にもなりません。
 そこで、取締役の忠実義務違反の観点等から、商法においてもその規制のあり方を真剣に検討すべきではないかと思いますし、法人税法第百五十九条の積極的な運用も検討する必要があると思います。関連法規の一体的、有機的対処の必要性を含めて、法務大臣、大蔵大臣の所見を伺いたいと思います。
 また、使途不明金の多いゼネコン各社に対し、指名競争入札制度や談合等、やみ献金等の誘因になっていると思われる事項や企業倫理確立のための指導について、建設大臣から是正の概要と決意のほどを伺っておきたいと思います。
 次に、株主の代表訴訟の目的の価額を九十五万円とみなすこととする改正は、裁判所によって取り扱いがまちまちとなっている訴訟費用の算定に公平性を確保するものであり、改善と理解します。ただ、この法理は株主訴訟にとどまらず広くクラスアクション全般に及ぼすように関係法の改正を検討するべきであると思いますが、いかがですか。
 また、いわゆる国民の裁判を受ける権利と乱訴の防止、あるいは総会屋等による悪用の危険性の阻止についての所見と対応はどのようになっているのかも明らかにしていただきたいと思います。
 なお、株主の会計帳簿等の謄写閲覧権の緩和は理念的改善にとどまるのではないでしょうか。法律内部の整合性としての持ち株三%の要件にこだわる余り、せいぜい千株単位で所有している一般株主には全く無縁の改正とは言えないでしょうか。法務大臣は本当に実効性のある改正と思われているのでしょうか。
 一九九〇年、平成二年の改正案議決の際の当委員会の附帯決議において、「今後の法改正に当たっては、より一国会社全般の実情に配慮しつつ、実効性ある立法措置を講ずること。」を求めました。EC統合や日米構造問題協議での問題点の指摘等を念頭に置けば、国際化の進展に伴って経済活動に関する制度やルールの統一化は国際的にも不可欠のものとなっております。国際会計基準の導入、金融システムの安定性の確保を初め、企業のディスクロージャーの実施はますます重要になってきております。
 最後に、このような観点に立って、今後の商法の改正のあり方、抜本的な検討の必要性についての総理の所見を伺って、私の質疑を終わります。拍手
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
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宮澤喜一#19
○国務大臣(宮澤喜一君) カンボジアで起こっておりますことは重大な事態でございますので、その対応について仕方がないなどということを発言したことはもとよりございません。
 それから、企業の不祥事件について御言及がありまして、商法におきまして会社の業務執行が適正、円滑に行われ、株主、会社債権者及び従業員の利益が十分保護されるように制度上の改善が図られてきているものと思いますけれども、一部企業をめぐる不祥事件の発生について、商法その他の法令に従った会社運営が行われていなかった結果ではないかと考えられ、これはまことに残念なことと考えております。
 会社が商法を初め各種の法令を遵守して行動するよう、これまで監査制度の充実強化など商法中り諸制度の改善を図り、会社の違法、不当な行為り防止に努めてまいりました。今回の改正における株主の権利の強化及び監査制度の改善もこれに寄与するところが大きいものと期待をいたしております。経済の国際化等に対応いたしまして、これまでも昭和四十年代以降、会社法全体の見直し作業を続け、数次にわたる商法改正を経てきておりますか、今後とも社会経済情勢等の変化に適切に対応いたしまして、我が国のあるべき会社法制の整備に努めていかなければならないと存じます。団体献金のことにつきまして、これは以前にも申し上げましたが、企業も一つの社会的な存在でありますので、政治活動の自由を有するものと思います。したがって、企業等の団体献金は一概に否定すべきものとは思いません。しかし、それにはおのずから節度があるべきであろうと思います。政治改革に関連いたしまして、自由民主党ではこの点につきまして、政治資金の調達を政党中心とする目的を持ちまして、企業等の団体献金は少額のものを除き政党に限ることということを提案しておると承知をいたしております。確かに、我が国の現在の国民の政治不信は非常に深刻なものでございますので、かつて十九世紀の終わりにイギリスでいたしましたような、あのような政治腐敗防止の努力は目下極めて最も大切なことであるというふうに存じておりまして、各党とも政治改革について真剣な御論議をいただいておるところと承知をいたしております。
 次に、今回の改正事項中の社債制度に関するものでございますが、この点にりきまして先般の新総合経済対策において言及をいたしておりますけれども、しかし社債制度に関する問題は長期間にわたって商法改正の重要課題として検討されてきたものでございまして、当面の経済対策のためにこれが行われたということでは事実でございません。
 また、自己株式の取得につきましても、経済対策で言及いたしておりますけれども、これにつきましてもかねてから商法改正の検討課題として取り上げられてきているものでございまして、総じてこの商法改正というのは非常に長い時間をかけて将来に向かっての大きな作業でござい.ますので、そのときどきの経済対策からそれをどうこうするという性質の問題ではないというふうに考えております。
 今後の問題でございますが、社会情勢の変化、企業活動の国際化等を通じまして適時適切にその改正を考えていくことが肝要と存じます。
 残りの問題につきましては関係大臣からお答えいたします。拍手
   〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕
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後藤田正晴#20
○国務大臣(後藤田正晴君) 峰崎議員にお答えを申し上げます。
 社債管理会社の設置だけでは社債権者の保護は十分ではないのではないか、こういう御指摘でございますが、改正法におきましては社債管理会社に対して社債償還請求の権限のほか、発行会社の業務及び財産状況の調査権を付与するなど、社債権者の権利を保護するために十分な権限を付与するとともに、善管注意義務及び公平誠実義務などその義務を明確にし、義務違反の場合の損害賠償責任を課するなど十分な手当てをいたしております。これと、証券取引法上の各種の規制及び社債の信用性についての格付制度、こういったものの充実強化とあわせて社債権者の利益は十分に保護されているのではないか、かように考えております。
 今回の商法改正は、従前の改正との関連でどのように一体意義づけておるのか、こういう御質問でございますが、法務省といたしましては昭和四十年代以降、会社法の全面的見直し作業を行って、昭和四十九年、昭和五十六年、平成二年と逐次検討の終了したものから改正を行ってきておるものでございますが、今回の改正はこのような会社法の全面的な見直し作業の成果の一つでございます。
 特に、監査役制度の改正は、従前の改正において強化された監査役の権限の行使をより容易にするためのものでございます。
 また、社債制度の改正は、企業の資金調達の合理化、円滑化及び社債権者の保護という観点から、昭和五十年代から検討を重ねてきたものでございまして、最近における社会経済情勢の変化に適切に対応するものであると考えております。
 計算書類の登記所における公開制度及び会計調査人制度を改正案に盛り込まなかったのは一体どういうわけだ、こういう御質問でございますが、株式会社においてはその有限責任の前提として会社の計算の適正を確保し、またその計算書類を公開することが重要であり、そのような観点から法務省では計算書類の登記所における公開制度や中小会社の計算書類の適正担保の制度につき検討を続けてきておるところでございますが、現在までまだ関係各界の意見の一致を見るに至っておりません。今回の改正案に盛り込むことができなかったわけでございます。法務省としては、今後とも関係各界の意見を十分にお聞きして、適切な結論が得られるよう努力をしていく考えでございます。
 今回の監査役制度の改正によって監査機能の強化が一体図られておるのかどうか、こういう御質問でございますが、監査役は株式会社の最高機関である株主総会で選任される会社の機関であって、既に強力な監査権限を法律により与えられているものでございますが、今回の改正は監査役の任期を延長してその地位の安定化を図るということ、また大会社については、監査役の員数を増加して社外監査役及び監査役会の制度を導入しようとするものでござ、まして、これにより、従来に比べてより組織的かつ効率的な監査が行われることが期待されると考えております。
 社外監査役の要件を見直すべきではないか、こういう御指摘でございますが、会社の業務執行等に一定期間関与しなかった者に監査させるということによって業務執行に対する監査機能を高めるという社外監査役制度の趣旨に基づきまして、社外監査役の要件を、「その就任の前五年間会社又はその子会社の取締役又は支配人その他の使用人でなかった者」と定めておるものでございまして、現状においてはこれで適切な改革ではなかろうか、かように考えております。
 次に、監査役会が監査役個々人の意見反映の機会をかえって減殺するのではないか、こういう御指摘でございますが、各監査役は監査役会の決議に基づいてその事務を分担して行うこととなるわけですが、監査役会は監査役の権限の行使を妨げることはできません。また、監査報告書には各監査役の個人の意見を付記することができると、かようにされておるわけでございまして、監査役の意見反映の機会が減殺されることはないものと、かように考えております。
 次に、商法においていわゆる使途不明金の規制を検討すべきではないか、こういう御指摘でございますが、商法上はいわゆる使途不明金という概念は認められていないものでございます。いわゆる使途不明金に関して不正経理を行うということは商法の既に禁止するところであって、不正経理に関与した取締役等は罰則の制裁を受け、また会社等に対して損害賠償の責めを負うこととされておるなど、商法上、既に必要な規制は行われておるのではないか、かように考えております。
 次に、株主の代表訴訟の目的の価額についての改正をクラスアクション全体に及ぼすべきではないか、こういう御指摘でございますが、株主の代表訴訟は全株主の利益のためにその代表者として取締役の責任を追及するというものであって、今回の改正はその訴訟の訴額に関する疑義を解消するためのものでございます。
 なお、その他一般の民事訴訟等の申し立てに要する手数料のあり方については、御指摘の点も含め、さまざまな意見のあることは私は承知をいたしておりますが、そのような意見も踏まえて慎重に検討すべき課題である、かように考えております。
 次に、株主の代表訴訟における乱訴の防止のための対応いかん、こういう御質問でございますが、商法上、当該訴訟を提起するための手続が規定されているほか、被告取締役は悪意のある原告株主に対して相当の担保を提供させることを裁判所に申し立てることができることになっておるところでございまして、この制度の適切な運用等によって乱訴の弊は防止される、かように考えております。
 次に、会計帳簿等の閲覧謄写権の持ち株要件を百分の三に緩和してもそれでは実効性がないのではないか、こういう御質問でございましたが、会計帳簿の閲覧謄写権を有する株主の持ち株要件は、御承知のとおり現行法では発行済み株式総数の十分の一以上とされておりますが、この要件は余りにも厳し過ぎるということを考えまして、改正案は株主による会社の業務執行に対する監督是正機能を強化するために百分の三に緩和するものでございまして、株主の権利の強化という点において私は重要な意義を持っておる、かように考えておるわけでございます。
 以上でございます。拍手
   〔国務大臣林義郎君登壇、拍手〕
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林義郎#21
○国務大臣(林義郎君) 峰崎議員の私に対する御質問は、使途不明金の是正のために法人税法百五十九条の積極的な運用を検討したらどうかと、こういう御質問だったと思います。
 使途不明金が書いてございますのは、脱税犯という項目で百五十九条にございますが、これに基づきまして調査査察を厳正に行っていくべきではないかと、こういう御趣旨と理解いたしまして申し上げますが、一般論として調査査察を行うためには同条での構成要件がございます。偽りその他の不正の行為があること、第二に法人税を免れたという逋脱の結果が発生をしておること、第三に一般の刑法犯と同様に故意があること、これが必要でございまして、これらについて立証し得る見通しがあるかどうかを検討した上で調査査察の要否を判断するという建前になっております。
 使途不明金がある場合には、まず使途不明金が実際には当該法人に留保され、その法人の所得を構成しているのか、または実際に支出され、支出先の相手方の所得を構成しているのか、使途を解明する必要があると思います。その結果、使途不明金がいずれかの側の所得を構成することが明らかになった場合におきまして、それが偽りその他不正の行為によって通脱された所得であり、かつ脱税についての故意が認められれぽ調査査察を行うという建前になっております。
 こうした考え方に基づきまして、これまでも調査査察を行ってきているところであり、今後とも厳正に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。拍手
   〔国務大臣中村喜四郎君登壇、拍手〕
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中村喜四郎#22
○国務大臣(中村喜四郎君) 峰崎議員にお答えをいたします。
 私に対しましての御質問は、使途不明金の多いゼネコン各社に対する指名競争入札制度や談合等、やみ献金等の誘因になっておると思われる事項や企業倫理の確立のための指導についての是正の概要と決意いかにという御質問でございました。
 建設省と、たしましては、今回の件に伴って建設業界が国民の厳しい批判を受けることとなり、あわせて公共工事の入札・契約制度の運用について不透明な点があったのではないかという指摘が行われていることを重く受けとめ、建設業界の倫理の確立を図り、入札・契約制度について透明性、競争性を一層高めていくために省を挙げて現在取り組んでいるところでございます。
 具体的には、平成五年度より新たな入札方式の導入を行うこととするとともに、入札手続改善検討委員会において現行の指名競争入札手続について一層の透明性、競争性を確保するための指名基準の具体的かつ明確な運用基準の策定等の具体策を取りまとめてまいりました。また、日本建設業団体連合会、全国建設業協会等においては、企業倫理の確立のために決議等を行っており、その内容の遵守、徹底に努めているところであります。
 今後、建設省としては、入札手続の改善の的確な実施を図るとともに、建設業界に対し適宜適切な指導を図り、国民の信頼の回復に全力を挙げて取り組んでいく決意であります。拍手
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原文兵衛#23
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
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原文兵衛#24
○議長(原文兵衛君) 先ほどの国務大臣の報告及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨説明に対する山口君の質疑に対し、答弁の補足があります。村田自治大臣。
   〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
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村田敬次郎#25
○国務大臣(村田敬次郎君) 山口議員の御質問にお答え申し上げます。
 カンボジアに我が国から派遣されておる文民警察官の厳しい生活環境や治安状況、日本とは違った現地での生活の苦労ぶりなどについて報告を受けた次第でございます。
 以上、御答弁申し上げます。拍手
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原文兵衛#26
○議長(原文兵衛君) これにて平成五年度地方財政計画についての国務大臣の報告及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨説明に対する質疑は終了いたしました。
     ─────・───── 
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原文兵衛#27
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 労働基準法及び労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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原文兵衛#28
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。村上労働大臣。
   〔国務大臣村上正邦君登壇、拍手〕
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村上正邦#29
○国務大臣(村上正邦君) 労働基準法及び労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 今日の我が国の経済的発展は、長い間に培われてきた国民の勤勉、実直、すぐれた創意工夫、そして働くことをとうとぶ精神に支えられており、こうした日本人の持つ伝統的な価値観を大切にしつつ、労働時間の短縮を推進していきたいと考えております。
 衣食足りて礼節を知ると言われてきましたが、我が国の経済力が相当の水準となり、衣食がある程度満足できるところまできている今日では、生活の豊かさやゆとりを実感するためには、「住」と「時」のゆとりが求められているところであります。
 労働時間の短縮は、働く人々が時間的余裕を持ち、家族とのコミュニケーションや健康の増進により、心身を健全にし、能率的でよりよい仕事をするための大きな課題であり、「時」のゆとりを実感することのできる生活大国実現のための大きな柱であります。
 このため、政府といたしましては、労働時間の短縮、中でも完全週休二日制の定着に向け取り組んできたところであります。特に、昭和六十二年の労働基準法の改正により、完全週休二日制に相当する週四十時間労働制を法定労働時間の目標とし、段階的にその短縮を進めてまいりましたが、既に十分な年月を経ており、週四十時間労働制の実施を図ることが求められているところであります。
 また、労働時間の短縮が難しい中小企業に対する支援措置の充実が必要となっております。
 政府といたしましては、このような課題に適切に対処するため、中央労働基準審議会の建議を踏まえ、法律案を作成し、同審議会にお諮りをした上、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、労働基準法第三十二条第一項に明記されている週四十時間労働制を平成六年四月より実施することにするとともに、中小企業等の実情に配慮して、平成九年三月三十一日までの間、必要な猶予措置を講ずることとしております。
 第二に、年間単位での休日増を図るために、現行の三カ月単位の変形制を最長一年単位の変形制に改正することとしております。
 第三に、時間外及び休日労働に係る法定割り増し賃金率について、二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ命令で定めることとしております。
 第四に、年次有給休暇につきまして、継続勤務要件を六カ月に短縮し、出勤率の算定に当たって育児休業について出勤したものとみなすこととしております。
 第五に、労働時間短縮を進めにくい中小企業等に対する支援を行うため、労働時間短縮支援センターを指定し、労働省令で定める助成金の支給等を行わせることとしております。
 その他、裁量労働制の対象業務の範囲を具体的に命令で定めることとし、また、林業について労働時間法制の適用対象事業に加えることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、労働基準法の改正部分については平成六年四月一日、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の改正部分については公布の日としております。
 以上が労働基準法及び労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。拍手
    ―――――――――――――
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