厚生委員会

1996-05-14 衆議院 全163発言

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会議録情報#0
平成八年五月十四日(火曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 和田 貞夫君
   理事 衛藤 晟一君 理事 木村 義雄君
   理事 鈴木 俊一君 理事 青山 二三君
   理事 石田 祝稔君 理事 柳田  稔君
   理事 横光 克彦君 理事 荒井  聰君
      伊吹 文明君    稲垣 実男君
      狩野  勝君    近藤 鉄雄君
      田中眞紀子君    竹内 黎一君
      戸井田三郎君    長勢 甚遠君
      根本  匠君    堀之内久男君
      持永 和見君    保岡 興治君
      山下 徳夫君    赤松 正雄君
      粟屋 敏信君    大野由利子君
      鴨下 一郎君    北村 直人君
      高市 早苗君    福島  豊君
      桝屋 敬悟君    山本 孝史君
      田邊  誠君    森井 忠良君
      枝野 幸男君    岩佐 恵美君
      土肥 隆一君
 出席政府委員
        厚生大臣官房長 山口 剛彦君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (元厚生省後天
        性免疫不全症候
        群の実態把握に
        関する研究分担
        研究者)    松 田重三君
        厚生委員会調査
        室長      市川  喬君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 厚生関係の基本施策に関する件(エイズ問題)
     ――――◇―――――
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和田貞夫#1
○和田委員長 これより会議を開きます。
 この際、申し上げます。
 本日は、委員室での喫煙は征遠慮願いたいと存じます。
 また、報道関係者の方々にお願いいたします。傍聴人の撮影は御遠慮願いたいと存じます。
 以上、御協力をお願いいたします。
    ―――――――――――――
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和田貞夫#2
○和田委員長 厚生関係の基本施策に関する件、特にエイズ問題について調査を進めます。
 本日は、参考人として、元厚生省後天性免疫不全症候群の実態把握に関する研究分担研究者松田重三君に御出席を願っております。
 松田参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
 議事の進め方といたしましては、初めに委員会を代表いたしまして委員長から総括的にお尋ねし、次いで委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 まず、委員長から松田参考人にお尋ねいたします。
 エイズ研究班における審議状況についてお尋ねいたします。
 研究班会議では、特に帝京大症例の判定と血液製剤に関する対策の二点について、班員相互の間で意見の対立や議論があったと言われていますが、その要点を御説明願いたいと思います。
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松田重三#3
○松田参考人 ただいまの質問にお答えいたします。
 エイズ研究班の第一回会議におきまして、安部班長が、帝京大学にエイズと疑われる症例がいるということを概略説明いたして報告いたしました。それに反応いたしまして、各研究班員は、エイズがもし日本にいるのなら、すぐに国民に知らせて対策を練るべきであるという意見を述べます。
 しかし、第二回の班会議におきまして、帝京大症例の詳細が報告されたのでありますが、例えばステロイドを使用したとか、その他、リンパ球は減少の程度が低いとか、あるいはカリニ肺炎がない、あるいは血友病B患者にはエイズが非常にまれであるというようなことが挙げられて、最終的にエイズ症例は否定されました。
 しかし、第三回の会議におきまして、帝京大学の、今は亡くなられました病理の教授の解剖所見、それから、ステロイドをこんなに使用しても重篤な日和見感染症はまず起こり得ないというようなコメントをつけて報告いたしましたが、この病理の所見もことごとく否定されてしまいました。
 しかし、議論が続きましたので、塩川班員が、帝京大症例の病理標本を順天堂大学の病理の教授に見てもらうということを提案いたしまして、その結果、第四回の班会議で塩川班員が報告いたしましたが、順天堂大学の病理の教授の診断は肝硬変症と敗血症であってエイズではないという報告をいたしまして、最終的にエイズが否定されてしまったわけであります。
 しかし、現在使っている非加熱製剤はアメリカからのものであるので非常に危険性も高い、したがって、血友病を診ている専門医にこの製剤について検討してもらおうということで、いわゆる風間小委員会を設置いたしまして検討していただいたわけでありますが、最終的には、クリオはなるほど安全ではあるけれども、利便性の点から見て非加熱製剤は捨てがたいということで、そのまま非加熱製剤が使用を続けられたことは御存じのとおりであります。
 その後は、加熱製剤の治験が始まったわけでありますが、長い年月がかかりまして、最終的に、血友病患者さん多数、HIVに感染してしまったわけであります。
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和田貞夫#4
○和田委員長 参考人は、エイズ研究班において、帝京大症例を正式にエイズと認定すべきであったと思われますか。もしそう思われるならば、その理由を極めて簡潔に述べてください。
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松田重三#5
○松田参考人 私は、帝京大症例がエイズと認定されていたならば、現在のような血友病患者さんに広がっているHIVの悲劇は防げたのではないか。もし帝京大症例が認定されていれば、すぐさま超法規的対策により加熱製剤が緊急輸入され、あるいはクリオの増産を日赤に頼んでいたはずであります。したがって、帝京大症例がエイズと認定されなかったということは非常に残念に思っています。
 また、郡司課長あるいは塩川班員は、帝京大症例をエイズとして否定したわけではない、限りなくクロに近いというエイズ疑い例であると述べられたのでありますが、もし仮にそうであるとするならば、なぜすぐさま血液製剤に対する適切な対応をとらなかったのか、今考えても不思議でなりません。
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和田貞夫#6
○和田委員長 以上をもちまして、私からお尋ねすることは終わりました。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長勢甚遠君。
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長勢甚遠#7
○長勢委員 参考人は御苦労さまでございます。
 エイズ薬害という極めて悲惨で、また不幸な事態の真相究明は我々の務めでございますので、全力を挙げておるところでございますけれども、なかなか明確なイメージが出てこない。大変我々もいらいらしておるということが率直な今の思いでございます。
 そういう中で、参考人の、四月十七日でしたか、参議院での御答弁というのは大変際立っておるわけでございまして、いろいろな事情がおありだろうと思うのでございますが、そういう中で、学者の良心に従って明確な答弁をされたことに対しましては心から敬意を表しておりますし、今も委員長の御質問に対しまして同様の御答弁があったわけであります。
 同時に、ほかの参考人の方々とは大変な食い違いが何点かあるわけで、その食い違いをただしていくことが真相を明らかにする大きなかぎではないか、こう思っております。恐らく、国民の方々も同じ思いで参考人の御答弁に注目をされ、また、マスコミ等も大々的に取り上げられたような印象を持っております。
 しかし、そういうことでございますから、逆に、関係者にとりましては参考人の答弁というのは大変な衝撃であったのではないか、こう思うわけで、したがって、参議院の答弁の後、その前も週刊誌等でもいろいろ御発言をされておられるようでございますが、特に国会での答弁の後は、参考人の周囲といいますか、参考人に対して、この件についていろいろなことが起きたのではないかなと私は想像するわけでございます。
 あの後、最近ですか、参考人の周辺でこの件に関してどんなことが起きておるのか、また、何か変わったようなことが起きておるのかというようなことがあれば教えていただきたいと思いますし、また、この件についての現在の参考人の心境があればお示しをいただきたいと思います。
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松田重三#8
○松田参考人 私が、いろいろなマスコミに対してお答えしていたこと、あるいは参議院の喚問にお答えしたことに対して、私に対して特に何か影響があったということはございません。
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長勢甚遠#9
○長勢委員 発言の真意等について問い合わせといったようなものは何もございませんでしたか。
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松田重三#10
○松田参考人 先生が御質問になった趣旨はよく理解できないのですが、私に対しての圧力とその他ということでありましたら、全くございません。
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長勢甚遠#11
○長勢委員 圧力という意味で申し上げたのではなくて、御発言の内容についての問い合わせですとか、あるいはこういうことと違うではないかという問い合わせですとか、そういうようなものもございませんでしたか。
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松田重三#12
○松田参考人 一切ありません。
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長勢甚遠#13
○長勢委員 大学の中でも、先生のこの問題についての対応について、評価というか雰囲気というものは何かございますか。
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松田重三#14
○松田参考人 私が参議院の喚問において発言したことは、前の晩に、言うべきかどうか非常に迷ったのでございます。
 一つは、私の医者としての立場、特に大学内及び医学界における立場が非常にまずいものになるのではないか、学者としての生命が終わることまで考えたわけでありますが、やはりHIVという重篤な感染をした血友病患者さんたちの無念さを晴らすために、また、研究班員としての責任を今こそ全うすべきであるという決心から、勇気あるという言葉もありましたが、私は真相を話すことを決心したわけであります。
 幸いにして、帝京大学の総長を初め病院長は、私の発言に対して一言も非難をしませんでした。むしろ、よくやったということで、お褒めの言葉といっては語弊がありますが、そういったことでありまして、帝京大学における私の立場はむしろ好意的なものであります。これはやはり、帝京大学自体が反省をしているとみなしてもよいのではないか。これからも病院長を初め全員一致してこの真相解明に、また患者さんの治療に全力を尽くしていこうという心意気で今臨んでおります。
 また、学会におきましては、もちろん個々に当たったわけではございませんが、比較的好意的に迎えられておりますが、やはり批判するドクターも多数いることは事実であります。
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長勢甚遠#15
○長勢委員 参考人の大変な御決意に改めて敬意を表する次第であります。
 今、病院長というようなお話がございましたが、学内の組織はつまびらかではございませんが、理事長さんがおられたり、学長さんがおられたり、病院長さんがおられたりということになっているのではないかと思いますが、その方々から今お話のございましたような激励といいますか評価というものをいただいておられる、こういうふうに私は理解しますが、それでよろしいですか。
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松田重三#16
○松田参考人 くしくも、本年の四月一日より病院長が交代いたしました。これは年齢のこともございましてかわったわけでありますが、前院長からもそのようなお言葉をいただきましたし、現在の病院長からも、同様、院長室に呼びつけられまして、そのようなお言葉をいただきました。
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長勢甚遠#17
○長勢委員 議論がなかなかわかりにくいのは、一つは、このエイズ研究班等において、学問的な立場からの意見の相違があったということは事実としてあるわけでございますが、その背景があったのかなかったのかということが我々には全然見えませんし、また、その学説の争いなるものも、私自身は専門家でもないものですから、こうだと言われればそういうものかなと思わざるを得ないと思う部分もあるし、ああだと言われればそういうものであるのかなと。そうすると、学者さん方が専門の立場で十分な議論を真剣になさった結果としてああなったと言われるとそうなのかなとも思うし、非常にそこがいらいらする原因になっていると私は思うのです。
 そういう中で、参考人は、非加熱製剤の継続使用あるいは帝京大症例の認定見送りについて、厚生省から天下りをした製薬会社の方々あるいは厚生省上層部から圧力があったのだといったことを断定的な推論として繰り返し答弁をされておられるわけであります。学説の争いの是非は私にはわかりませんが、しかし、そのときに圧力が確実にあったということが証明されれば非常にわかりやすいことになるのだろう、こう思うわけでございますが、そういう意味で、ぜひここの点は我々としても明確にしていくことが使命だろうと思っております。
 そういう意味で、大変言いにくいこともあるかもしれませんが、先生の、良心に従うという敬けんなお気持ちにすがるわけでございますが、いつ、だれが、だれに、どのように圧力をかけたのかということについてぜひ教えていただきたい。
 というのも、郡司さんも安部さんも塩川さんもあるいは徳永さんも、そういう圧力はなかった、そういう、松田参考人の答弁とは全く食い違う答弁をこの場でなされておるわけでございますので、これは我々が一番知りたいところでございますので、いつ、だれが、だれに、どのように圧力をかけたというふうにお感じになったのか、あるいは事実としてあったのか、ぜひ詳しく教えていただければありがたいと思います。
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松田重三#18
○松田参考人 今の先生の御質問にお答えするためには、やはり帝京大症例をエイズと認定されなかった経緯と、それから順天堂大学症例がエイズと認定された経緯を簡単に御説明した方がよろしいと存じます。
 帝京大症例につきましては、御存じのとおり、エイズを否定されたわけであります。
 特に、先ほど申しましたように、その理由といたしまして第一番目に挙げられたのがステロイド剤の使用でございます。
 私は、臨床免疫学を専門とする医者でありまして、現在までに多数のリューマチや膠原病患者を診察してまいりました。特に膠原病患者に対しては、治療のためにステロイド剤を投与するわけであります。しかも、病気をコントロールするためには、膠原病患者さんは一生涯ステロイド剤を飲み続けなくてはなりません。したがって、長期にわたり、かつ大量のステロイド剤を服用するわけであります。しかし、私の長年の経験からいいま
して、よほどのことがない限り、免疫不全症がもともとない限り、このようなステロイド剤を長期投与したとしましても、膠原病患者にいわゆる日和見感染症が発症することはごくごくまれであります。
 翻って帝京大学症例を見てみますと、短期間に、それもごく中等量と申しましょうか、そういったステロイド剤を投与しただけでこのように重篤な日和見感染症が生じるとは到底考えられないわけであります。
 したがって、ステロイド剤を投与したからエイズを否定するという合理的な理由は全く見当たりません。
 さらに、リンパ球の減少が軽度であるということも指摘されました。
 しかし、リンパ球が減っていたことは事実でありますし、また、順天堂大学症例と比べてみますと、帝京大学症例のリンパ球の何と二倍以上もある症例がいとも簡単にエイズと認定されてしまった奇妙さがあるわけであります。
 三番目といたしましては、本症例にはカリニ肺炎がなかったということが指摘されました。
 なるほど、当時使用されたCDCの診断基準には、エイズにはカリニ肺炎とカポジ肉腫が合併するということが明記されておりますが、その下の方には、真菌症でありますカンジダ症あるいはサイトメガロウイルス感染症ということがエイズの必須条件として挙げられているわけでありますが、この帝京大症例の解剖の結果、全身性のカンジダ症とサイトメガロウイルス感染症が発見されたわけでありまして、エイズを否定する材料にはならないわけであります。
 さらに、血友病B患者であるということでも否定されましたが、血友病AであれBであれ、非加熱製剤を投与し続けられた症例でありますから、エイズ発症のリスクグループであることには間違いなくて、これを否定する理由にはならないわけであります。
 したがいまして、帝京大症例をエイズと否定することには合理的な理由が見当たらないわけであります。塩川班員は、当時は研究班の班員は一流の学者が集まって医者の良心に従って帝京大症例の検討を行ったとおっしゃっていますが、以上述べたような理由から、帝京大症例をエイズとして認定しなかった理由は全く思い浮かばないわけでありまして、そういった理由から、塩川班員の医師としての良心を覆さなくてはならないような圧力がかかったのではないか、そういうふうに推察したわけであります。
 さらに、順天堂大学症例は、先ほどの塩川班員の喚問におきまして、消耗性症候群であるということを塩川班員は述べておられました。
 しかし、消耗性症候群というのは、体重が非常に減少して、かつ非常に治りにくい病気であります。当時は、エイズと診断されて、長くとも、どんなに頑張っても三年以上生きる症例はほとんどいなかったわけであります。現在も、消耗性症候群になった患者さんは、ほとんど治療法がないまま、一年以内に亡くなっていくのが現実であります。しかるに、順天堂大学症例は何と十年も生存した、これは非常に奇妙であります。
 したがって、帝京大症例を隠すために順天堂大症例をでっち上げたというようなことも考えられる。これも塩川班員の良心をどうしても曲げなければいけなかったような圧力がかかったのではないかと推察したわけであります。
 さらに、前回、参議院でも申しましたとおりに、塩川班員は、ある大学関係の有力な教授でありますが、許可をもらっていないので名前を明かすことはできませんが、その教授のところにいらっしゃって、厚生省は非常に困っている、安部先生の発言や行動に対して非常に困っているので班長をやめるように説得してほしいと頼んだそうであります。幸いにして、その有力教授は安部先生にコンタクトをせずに、塩川先生に対して、自分でやりなさいということを言ったそうでありますが、そのような奇妙な行動をなさるということも学者としての良心ということを疑わざるを得ないわけであります。
 それから、やはり有力な中央薬事審議会委員のお話、これは非常に親しくしていただいている先生でありますが、これも許可をもらっていないのでお名前を明かすことはできませんが、中央薬事審議会委員をなさっていたその先生のところに、厚生省から天下った会社の社長が直談判に来たそうであります。というのは、新薬を申請したのでありますが、いろいろな問題点がありまして、もう一度再検討するように会社に戻したそうでありますが、そこのところをどうにかしてくれという直談判があったそうであります。
 幸いにしてその薬は、幸いという言葉は語弊があるのかもしれませんが、その薬は最終的には認可されなかったと先日その中央薬事審議会の委員に確認しましたが、このような事実と研究班での帝京大症例の認定の不可思議な経過あるいは順天堂大学症例の不可思議な認定などを考慮いたしますと、やはり何か塩川班員の態度並びに研究班の進行を変更するような重大な圧力が加わったのではないかと推察したわけであります。
 以上であります。
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長勢甚遠#19
○長勢委員 大変失礼でございますが、私ら専門家でないものですから、最初におっしゃった部分は、先日来のこの委員会でも、ステロイドの問題でありましてもあるいは順天堂症例の認定の問題にしましても、食い違いについていろいろほかの同僚議員から御質問があった点でございますが、これは一種の、私からすれば、どっちの学問が正しいのかというふうな話に近くなってきます。
 したがって、意見が違った以上は何かおかしいことがあったのだとだけ言われましても、私としては、そうかなとなかなか納得できないです。いや、なかったとも言えませんし、あったとも私としては納得がいかない、得心がいかない。先生の言っておられることが間違っているという意味じゃございませんが。
 ただ、今おっしゃった中で、やはり参議院でもお話がございましたが、中央薬事審議会の委員さんのお話でございますとか、あるいは塩川先生がある先生におっしゃったとかいったようなことは、これは重要な手がかりだと思うのですね。ぜひ、そのある大学の有力な方であるとか、そういう方がだれなのかということがわからないと、国民の方もわかったようなわからないような、疑心暗鬼にどうしてもなってしまうので、これはポイントであるだけに、今、御了解を得ていないので申し上げられないというお話でございましたが、何とかこれを解明しないことには我々も役目を果たせないなという思いで実はおるのです。
 どうしても申し上げられないということではあるでしょうけれども、ここはもう先生が頼りでございますから、これだけ先生一生懸命やっていただいておるので、ぜひ国民のためにも、この人に聞いたらうまくわかるのだよということぐらいこの場で教えていただければ本当にありがたいと思うのです。
 仮に、どうしても名前が言えないということであれば、私ら不勉強で十分なせんさくができないで申しわけなく思いますが、こういうことをあなた方やったらちゃんとわかるようになるのだよというようなことぐらい、ひとつサジェスチョンをいただけないものでしょうか。
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松田重三#20
○松田参考人 私もここの場でお名前を申し上げたい気持ちでいっぱいでありますが、やはりそのお二人の教授は私を信用してお話しくださった。断りなしにここでお話しすると、お二人と私との関係がこれで永久になくなってしまうということからも、帰りましてもう一度お聞きして、もし許可が得られましたら、先生にお伝えいたしたいと思います。
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長勢甚遠#21
○長勢委員 これは一つの大きなポイントだと私も思っていますので、御努力もいただきたいと思います。何せ、これだけの不幸な、悲惨な事態が起きたことでございますから、あるいはその先生に御迷惑がかからないような方法もあるかもしれませんので、非公式にでもいいですから、私なりあるいは委員会なりにお力添えを賜りたいとお願
いを申し上げます。
 それから、どうしても先生にだけはお聞きしておかなければいかぬのは、最前来のこの委員会で、先生の御答弁と塩川先生の御答弁とには明確な違いが何点かあるわけであります。これも、それは世の中にはいろいろな経過で食い違いというのはたびたび起こることは起こるのですけれども、何でこんなことになるのだろうというのはだれが考えたっておかしなことなので、その点、ひとつ教えてもらいたいのです。
 一つは、いわゆるスピラ認定についてでございます。
 五月八日のときの塩川先生の答弁では、スピラ会合が行われた日には中国に行っておって、自分はその会合に出席をしていない、このように明確に御答弁をされておられるのでございますが、四月十七日の参考人の答弁とではまるで違う、正反対なわけで、これは単なる事実でございますから、どのように思われますか。先生の記憶違いということもあり得るわけですけれども、記憶違いであるというふうに思われますか、どうですか。
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松田重三#22
○松田参考人 前回の記録を見ていただくとおわかりになると思いますが、私の趣旨は、恐らくはということで申したわけであります。塩川班員の答弁によりますと、中国にいらっしゃっていたということでありますが、このようなスピラとの重大な会議のときに中国にいて万里の長城の観光旅行をしていたということは、私には到底信じられないことであります。
 私がこのような発言をいたしましたのは、スピラ博士との会談は東京在住の班員を至急集めて開催するということ、それからもう一つは、塩川班員は研究班の中でも非常に重要なキーパーソンでありまして、この方が出席していないということは到底考えられなかったからであります。
 さらに、私がこのスピラとの会談に出席していたのではないかとお答えいたした真意は、塩川班員がエイズのプロジェクトチームに回答した中で、このように答えていらっしゃいます。もしアメリカのエイズ専門家が帝京大症例をエイズと認定したならば、私がそれを反対する理由は全くなくて、認定したであろうということをお答えしております。
 しかるに、スピラ会談には出席していなかったとしても、第四回の班会議で安部班長がスピラ会談の結論、すなわち、帝京大症例はステロイド剤を投与されたとしてもエイズであることには間違いないということを報告しているのでありますから、その会議に塩川班員は、二転三転して出席した、しないと言っていらっしゃいますが、出席していたことは間違いございません。
 したがって、スピラ判定を知っていたわけでありまして、知っていたにもかかわらず帝京大症例を改めて否定したわけであります。
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長勢甚遠#23
○長勢委員 スピラ判定について塩川先生が御存じだったかどうかということを今お聞きしたのではなくて、そのときに出席されておったということが事実であるかどうかについて。塩川先生は、事実でない。それはスピラ判定を知っておられたかどうかという話と直接には関係ない、まあ間接には関係ありますけれどもね。それは、今のお話ですと恐らくということですから、推定の中で出席されたに違いないとお思いになったということであって、明確に事実であったかどうかは正確には確認はできない、こういうふうに受けとめてよろしいですか。ちょっと時間もありませんので、端的にお答えください。
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松田重三#24
○松田参考人 そのとおりであります。
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長勢甚遠#25
○長勢委員 もう一点は、先ほども委員長に対する御答弁でございましたが、順天堂大学へ検体を持っていって診断をされた、そしてその報告を塩川先生がされた、こういう御答弁でございましたが、塩川先生からは、検体を持ち帰ったことはない、このように明確に答弁をされておられるわけであります。
 これも、それの評価についてはまたいろいろあると思うのですが、事実として、順天堂大学へ検体を持っていって診断を受けたという事実があるというのが先生の御答弁であり、ないというのが塩川先生の答弁ですが、事実だけについての現在での御意見というか、お考えを教えてください。
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松田重三#26
○松田参考人 その点に関しましては、私の記憶が間違っていたかどうかということを確認するために、先週、病理学教室に行って確認してまいりました。
 幸いにして、当時の病理組織標本をつくっていた女性がおられまして、その方と二人だけで話すと客観性がございませんので、病理学教室の教授同席のもとに確認いたしましたところ、当内科の医師がその亡くなられた教授のところに来て、順天堂大学に標本を持っていかなくてはならないので至急標本をつくってほしいと頼まれたそうであります。そうして、その亡くなられた教授は、ブロックと呼ばれる、標本を封じ込めたものがありますが、それを十数個選んで、そして標本をつくって渡したということであります。さらに、なぜ新しくつくったかと申しますと、なくなることを懸念したからだそうであります。
 以上のことより、順天堂大学に標本を持っていったことは間違いございません。
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長勢甚遠#27
○長勢委員 どうもありがとうございました。大変貴重な答弁だと思うのです。先ほどの件もそうですが、これはもうポイントですから。
 やったことをやらないという答弁を塩川先生がおっしゃったのだとすれば、我々の疑惑というものも、これはもう深まらざるを得ない。しかし、正直言って、何の証拠もなく、あなた、うそつきだとか、インチキしたと言うわけにもいきませんので、当委員会としても、これはやはり、だれが、いつ、どうしたのかということを、先ほど申し上げましたが、ぜひはっきりするのが役目だと思います。
 大変貴重な御答弁をいただきましたが、今ここの場ではだれと言えないのだろうと思いますが、先ほど申しましたように、ぜひこの場で具体的に白黒がつけられるように、御協力というかお力添えを賜りたいと思いますが、よろしゅうございますか。
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和田貞夫#28
○和田委員長 松田参考人の御協力をお願いいたします。
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長勢甚遠#29
○長勢委員 時間がないので、ほかにも聞きたいこともあったのでございますが、圧力があったということが一つと、もう一つは、何か学会というものがあって、これがどうも私には、外側におると少しわからないところがあって、どうもそれがどの程度影響したのかわからないのです。
 大学同士の争いですとか、あるいは学者同士の争いですとか、あるいは学会というか、学会も細分化されておるようでございますが、その中での争い、いわば手柄争いであったり、地位争いであったり、名誉争いであったりと、具体的にはどうもこれは、これこそ推測でございますが、どうも先生のお話を伺っていますと、これは私は責任持って発言できることではございませんが、間違ったらごめんなさいですが、塩川先生が厚生省等の圧力によって何かやった、それの背景には、安部先生とのいろいろな確執もあったのではないか、あるいは学会同士の争いもあったのではないか、それがうまく有無相通じてこんな悲惨な結果になったのではないかということもあるのかなという思いすらするわけでございます。学会というのはどんなものであって、それがこの大変不幸な事態を招くときにどんな影響を与えたのだろうということが非常にそら恐ろしくなるわけです。
 これから再発防止をするためにも、学会というのは何かということを踏まえてやはり考えていかなければならないのだろうと思うだけに、今はちょっと時間がないものですから雑駁に申し上げましたが、今回の学会のそういういろいろな実情というものがこの結論を出す経過の中にどういう影響があったとお感じになっておられるか、教えていただきたいと思います。
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