大蔵委員会

1996-02-22 参議院 全121発言

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会議録情報#0
平成八年二月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 二月十六日
    辞任         補欠選任
     平田 耕一君     佐藤 泰三君
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     伊藤 基隆君     志苫  裕君
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     塩崎 恭久君
     渡辺 孝男君     水島  裕君
 二月二十二日
    辞任        補欠選任
     水島  裕君     渡辺 孝男君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山虎之助君
    理 事
                石川  弘君
                楢崎 泰昌君
                牛嶋  正君
                直嶋 正行君
                梶原 敬義君
    委 員
               大河原太一郎君
                金田 勝年君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                塩崎 恭久君
                須藤良太郎君
                西田 吉宏君
                猪熊 重二君
                海野 義孝君
                白浜 一良君
                益田 洋介君
                水島  裕君
                渡辺 孝男君
                清水 澄子君
                吉岡 吉典君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  久保  亘君
   政府委員
       大蔵政務次官   山崎 正昭君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵大臣官房参
       事官
       兼内閣審議官   河上 信彦君
       大蔵省主計局次
       長        伏屋 和彦君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       国税庁課税部長  内野 正昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       農林水産省経済
       局農業協同組合
       課長       米田  実君
   参考人
       日本銀行理事   山口  泰君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○租税及び金融等に関する調査
 (財政及び金融等の基本施策に関する件)
    —————————————
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片山虎之助#1
○委員長(片山虎之助君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、平田耕一君が委員を辞任され、その補欠として佐藤泰三君が、また、去る十九日、伊藤基隆君が委員を辞任され、その補欠として志苫裕君が、また、昨日、渡辺孝男君及び上杉光弘君が委員を辞任され、その補欠として水島裕君及び塩崎恭久君がそれぞれ選任されました。
    —————————————
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片山虎之助#2
○委員長(片山虎之助君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 租税及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行理事山口泰君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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片山虎之助#3
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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片山虎之助#4
○委員長(片山虎之助君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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塩崎恭久#5
○塩崎恭久君 自由民主党の塩崎恭久でございます。
 きょうは大臣にお出ましをいただきまして御質問させていただくわけでございますが、規制緩和の問題につきまして少し聞かせていただきたいと思います。銀行局はこのところ大分忙しそうでございますので、きょうは証券局中心にということでやらせていただきたいと思っているわけでございます。
 先般、「規制緩和推進計画の見直し・検討状況」というものの中間公表というのが出ました。大変大部なものでございますが、この中で三つほど具体的に取り上げさせていただきまして、お話を聞かせていただきたいと思うわけでございます。
 もう御案内のように、これは三月末までにもう一回見直しをしっかりするということになっているわけでございまして、これが一月に出て、三月まで審議を続けて、これについての答えを三月末までに出すというふうに承っているわけでございますが、この中間公表の後の話、あるいは今後どうするのか、そういうことも含めてお話をいただきたいと思うわけでございます。
 三つ取り上げておりますのは、この中間公表の中に「対応」というのがございまして、「措置済・措置予定」、「検討中」、「措置困難」、「その他」と四種類あります。「その他」は別といたしまして、きょうは三種類を選ばせていただきまして、「措置予定」のもの、これは時価発行公募増資の規制の問題でございます。それから「検討中」というものでございますが、これは社債の流通市場の整備の問題でございます。そして、「措置困難」ということで中間公表で出てまいりました大型私募債のルールの問題でございます。
 規制緩和がなぜ必要かなどというようなことはもう今さら言うまでもないわけでございますけれども、改めてこの数年を振り返ってみますと、日本の景気が停滞をする中で、数十兆円の景気対策を打ってきたにもかかわらずゼロ成長近傍で低迷を続けているということで、やはり財政のみに頼っていたのでは日本の経済政策はだめだという認識はもう皆さんお持ちであろうかと思うわけでございます。そして、やっぱり日本経済を再活性化するために根本から直さなきゃいけないということで、行革委員会を含め、いろんな場面で規制緩和に本格的に取り組んでいるわけでございます。
 特に、高齢化が迫りくる中で、活力ある社会をどうやって維持発展させるのかということで、今ちょうど厚生の分野では公的介護保険という話が上がっておりますけれども、活力ある社会を保ちつついかに福祉を達成していくかという、両方を達成していかなければいけないという大変難しい問題になっているわけでございます。
 実は、昨日、自由民主党の行政改革推進本部で外部の顧問の先生方と、今、総理でございますが、橋本自由民主党総裁を初め役員との懇談がございました。その中で特に党外の顧問の方々が一様に言っていたことは、やはり漸進主義といいましょうか、ステップ・バイ・ステップのアプローチじゃだめだと、やっぱり発想の転換をしなければいけないんだというお話でございました。
 折しも、住専の問題で大変騒がしい昨今でございますけれども、金融の行政あるいは政策につきましても抜本的にやっぱり見直さなきゃいけないということになっております。かつて金融不祥事があったときには証券行政も抜本的に見直そうということで、今回のこのまとめの中にも書いてございますけれども、「公正で透明な証券市場を確立していく」と、大蔵省みずからがこういうふうに考えを改めたといいましょうか、変えたといいましょうか、ということになっているわけでございます。
 ちょうど先般、与党の行革プロジェクトでも、今までなれ親しんでまいりました為銀主義の問題をどう考えるのか、このことについても聖域なく問いかけていこうということで、私たちも問題を投げかけ、恐らく外為審でもこれからそのお話をしていただけるんではないか、こう思っているわけでございます。
 前置きがちょっと長くなりましたけれども、そんなようなことで、証券も含めて金融の産業としての活性化も必要でございますし、また先ほど申し上げたように、日本の経済の再活性化を図るという意味でもこの規制緩和を証券あるいは金融の分野でしっかりとやっていくということが大事なんだろうと思うわけでございます。
 ということで、三つ取り上げさせていただくわけでございますが、まず第一の時価発行公募増資に係る規制の撤廃の問題でございます。
 ことしの一月に、これは株じゃなくて社債の方でございますけれども、適債基準の撤廃とかいう、こういうかなり大胆な措置をとられました。そのときの発表文というのを見てみますと、「適債基準及び財務制限条項の設定の義務付けを撤廃し、今後は当事者の自由な意思に委ねることを基本としつつ、」と、これが大変大事なことだろうと思うんです。「投資家保護の観点から最低限必要な企業内容等の開示制度の充実を図るという考え方に立ち、」ということでございますから、恐らくこの考え方は株であろうと社債であろうと証券全般にわたって同じなんだろうと思うわけでございます。
 そういう中で、この時価発行公募増資をいつまでとめておくのかということでございまして、これは「措置予定」ということでございますから、緩和ないしは撤廃ということでこの中間公表にも書かれているわけでございます。
 ただ、今ちまたではどこまで本当にやるのかということを大変心配している向きもございまして、当初いわゆる五円、十円という規制がございました。規制といってもこれは自主ルールみたいなものでございましたが、一株当たりの配当が五円以上と。これは一株当たりの税引き後経常利益が十円以上というのが最初あった自主ルールみたいなものでございました。その後、昭和六十二年、六十三年、そして平成元年と異常に時価発行増資がふえたわけでございます。もちろんエクイティーによる調達というのが全般的にふえた中でこの公募増資もふえてきたということでありますけれども、それで平成二年に株価が急落をし、この時価発行増資もとまってしまって、以来、再開ができずに、平成五年になって条件をつけてまたスタートをしたということであります。
 そのときの条件が今まで生きているわけでありまして、いわゆる株主資本利益率、ROEというのが一〇%以上なければいけない。これは実は、今一般的に言われているのは三%程度と言われているわけでありますから、とてもではないけれども一〇%ROEがある企業というのは余りない。それから、二割増配を公約できる。二割増配を必ず次の期もやりますと言えるところもなかなか少ないんだろうと思います。それから、潜在株式比率一割未満。こういうものがあったり、原則の話ではありますけれども、こういうものがまだ生きている。
 これを今回検討し、なおかつ「措置予定」ということになっているわけでございますが、例えばそのROEを一〇%から六%にするとか、そういう程度のピースミールアプローチでいくのか。それともやはり、この適債基準の撤廃のときに出ておりますように、「今後は当事者の自由な意思に委ねることを基本としつつ、」と、つまり市場参加者の意思にゆだねるというような形でもう完全に撤廃をするということでいくのか。その辺をどう考え、どうやろうとされているのか、その辺をまずお聞かせをいただきたいと思います。
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長野厖士#6
○政府委員(長野厖士君) 時価発行公募増資に係りますがイドラインの内容、そういったものが実施されるに至った過去の経緯につきまして、ただいま先生から御指摘になったとおりでございます。
 そして、このガイドライン、ただいま数字を挙げて御指摘いただきましたように、基本的な考え方といたしまして、時価発行の公募増資等におきましては、株式数の増加がございまして一株当たりの利益が減少する、また株価が低下するということで、株主という立場から見ますと株主利益の希薄化ということが起こるような取引でございますので、やはり増資に伴って調達資金の収益性というものが十分に確保される必要があるだろう。そういう物の考え方に立ちまして、ただいまROE等々お挙げになりました数字、この数字そのものの根拠というのはまた別途議論が要るかもしれませんけれども、物の考え方といたしましては、やはり時価発行なさる方々は株主の利益というものにも十分配慮している企業であってほしいという願いの込められたガイドラインだろうと思います。
 前回のバブルのときに、私は、言葉はきついかもしれませんけれども、発行体の方々が無コスト資金とおっしゃってどんどん増資をなさった、株主に資金をお願いしておいて、無料の蛇口で水をひねり出すような感じであったということについて、やはり何がしかの経済全体としての反省が入り用ではなかろうかという感じは持っておるわけでございます。
 したがいまして、こういった株主の利益に配慮するという基本的な考え方が市場関係者、発行体あるいは仲介者の間で十分浸透するという仕組みができますれば、役所がガイドラインという形でいろんな数値を示してハードルをつくるということが必要でなくなるだろうというふうに考えておりまして、そういう状況が早く来るということを今期待しておるところでございます。
 そういった考え方に立ちまして、今後こういった基本的な考え方が十分に浸透しまして、まさに正しい意味で資本市場において自己責任原則が働きまして健全なマーケットメカニズムが機能するようにするためには、あとどういうことが必要であるかということをよく考えた上で検討結果を出してもらいたい、こう考えておるところでございます。
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塩崎恭久#7
○塩崎恭久君 今の御答弁を聞いておりますと、増資をすると供給がふえるから値段が下がる、そうすると株主は不利益をこうむるというふうにおっしゃったかと思うわけでございます。株主の利益を守る仕組みが大事だということもおっしゃいましたけれども、その仕組みをつくることと、政府が株価を株主のために守ってあげるということが果たして政策目標になり得るのかどうかというのは私は大変疑問があるだろうと思うんですね。供給がふえて価格が下がるのは経済学では当たり前な話であって、その供給をふやそうとする会社の意図も、これは市場参加者としてのやることでありますから、株主も市場参加者であって、それは当然ある企業が増資をして株価が下がるかもわからない。しかし、その企業のトータルの価値というものは、それは変わらないわけでありますから、その分、株数がふえて株価が下がる。ぶっかけたものは同じだということでありますから。
 では、一体政府は何を守るのか。株主利益といいますが、株価を守ることが、あるいは株価を維持することが直接的な大蔵省の政策目的である時代はもう済んだのではないかなと私は思っているわけでありますし、それがやっぱり根本的な規制緩和の考え方。もうここで大蔵省みずからが、当事者の自由な意思にゆだねることを基本としつつというのは、やっぱりそれも含めてやるべきことだろうと思うんです。
 ですから、ROEを一〇から六にするとか、そういうような考え方というのは、かつての規制あるいは投資家保護というのは、確かにこれは政治家も何か事件があるたびに大蔵省においでいただいて批判をしてきた、繰り返してきたということもあって、いつの間にか証取法上の投資家保護というのがかなり拡大解釈をされて、やらなければいけないように追い込まれてしまった大蔵省も大変だなとは思いますけれども、しかし、今何度も申し上げているように、株価を維持することが政策目標になり得るということはなかなかいかがなものかなと私は思うんですが、いかがでしょうか。
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長野厖士#8
○政府委員(長野厖士君) 私の表現がいささか舌足らずであったと存じます。
 私が申し上げたかったのは、株価を維持するということよりも、増資に応ずる投資家にとって、その増資を行う企業体が株主利益に十分配慮した例えば配当政策といったものをとっていっている企業であるかどうかという重要な投資判断があるであろう。そして、今のガイドラインはそういうのを、このラインであれば間違いなくクリアしますということを数字的にお示ししておるガイドラインでありますけれども、そのガイドラインがなくなったときに、発行体の意図としてやはり増資に伴う株主利益の還元ということについての姿勢というものが制度、慣行として何らかの形で定着する、あるいは株主から判断でき得るものであってほしい、そういった道を今模索させていただいている。
 したがって、一〇が六かというような議論よりも、全体として株主がきちんと発行体の実情について把握できる、配当政策等の意図が把握できるといったような環境が醸成されるために私ども何か少し汗をかくことがあるかどうか、それを見きわめながらこのガイドラインの取り扱いを検討いたしたい、こんな気持ちでおるところでございます。
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塩崎恭久#9
○塩崎恭久君 ということであれば、例えばディスクロージャーのあり方をもっと見直してきっちりやらすようにした上で、ROEなどの制限をなくすというふうに理解したらよろしいんですか。
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長野厖士#10
○政府委員(長野厖士君) そういったことも含めましてこれから十分に考えたいと思います。
 もう一つの要素といたしまして、これは先生御指摘いただきましたように、バブルとその崩壊の市場の混迷の中で緊急避難的にとっておるわけでありますから、株式市場全体が既にそういった病気療養期間を終わったという確認も一方では現実問題としては必要かなと思っておりますけれども、それはタイミングの話でございまして、内容的には今御指摘のような点も含めまして検討させていただきたいと思います。
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塩崎恭久#11
○塩崎恭久君 景気回復宣言もしているわけでございますし、今申し上げたようなことでひとつ、何だそれだけかとやっぱり思われないような規制緩和をぜひお願いしたいというふうに思います。
 次の話題でございますが、大型私募債に行く前に、むしろもうちょっと大きな、「検討中」ということでこの中間公表では処理されておりました社債の流通市場の整備の状況につきましてちょっとお話を伺いたいと思うわけでございます。
 具体的には、証券局に社債受渡し・決済制度研究会というのがありまして、そこで社債の流通市場の問題についてずっと去年の七月から検討していただいているわけで、その検討状況と今後の方向性、タイミング等々最後に聞きたいわけでありますが、発行市場につきましては、先ほど冒頭申し上げたように、適債基準についても、あるいは財務制限条項の設定義務についても撤廃をされるということで、かなりな英断をされて、発行市場の出しやすさという意味では多くの評価を得ているだろうと思うわけでございます。
 ところが、その一方で流通市場は全くまだ整備がされていないということで、私も余り社債市場についてはよく知らなかったわけでありますが、昨年いろいろまた勉強し直してみまして、改めてこの流通市場を何とかしないとよくないなと。特に今銀行がああいうような状況で、不良資産でなかなか前向きな融資に移れないという中で資本市場での資金調達が必要だということでございますから、ますます先ほどの増資の問題も含めて資本市場の整備というのが大事だろうと思うんです。
 この社債の流通市場というのは、古い方々などは、社債というのは大体発行したら持っているものだというふうに、私の父の年代ぐらいの人たちは大体そう思っていたようであります。しかし、アメリカなんかの場合は全然そうじゃなくて、例えばアメリカなんかの場合、二年前ですけれども、大体発行残高の六倍ぐらいの回転をしている。それから日本でもかつて日本銀行やあるいは銀行シ団で持っていた国債がかなり流通をするようになりました。これもいろいろな変遷を経てなるようになりましたけれども、今、二百二十兆ぐらいあるんでしょうかね、国債の残高が。それに対して三千五百兆ぐらいの売買が行われているということでありますから、国債の流通市場という意味では十七倍ぐらい回っているということであります。
 それに対して、じゃ社債はどうなっているかというと、残高が十八兆で、流通、つまり売買の往復で十一兆しか売買されていないということでありますから、六割ぐらいしか回っていないということであります。
 どこに問題があるのか。いろいろあるわけですが、この社債というのは、皆さんも御案内のように、社債等登録法という昭和十七年にできた古典的な法律に基づいて今でも動いているわけでありまして、十七年というのは、先般廃止されました旧食管法とか、まだ生きておりますけれども現行日銀法等ができた年であります。戦中であります。そのときにできた社債等登録法の仕組みの中でまだ社債というのが出ていて、登録済み証なる紙っぺらが、これも郵便で、このコンピューターの時代に郵便でやりとりされる。
 おまけに、資金決済は十日に一遍しか行われないということであります。国債は今まで五日に一遍しか決済されないということで、今度はローリング決済というのになるようなお話も聞いているわけでありますが、十日に一遍の決済といっても、郵送でやっているのを含めると最長で一カ月ぐらい決済が行われないということで、いつも決済のリスクを負いながら今売買が行われているというのが現状でありますから、当然、決済リスクがあるということで流通コストが高くなる。そうすれば発行コスト自体、発行条件自体にいい影響を与えるわけがない。つまり、売れる当てがないものを買ってくれと言ってもなかなかいい値段で買ってくれないのと同じであって、これを何とかしなきゃいけない。
 このコスト高の分が今まできっと、最近随分社債で調達しているところもふえてまいりましたけれども、そういう人たちのコストに上乗せをされているということで、これを何とかしなければいけないということで、実は平成元年ぐらいに大体の方向性が出ていたわけでございますね。しかし、いろいろ利害関係者が多いものですからなかなかこの流通市場の仕組みができないということで、去年の七月に先ほど申し上げた研究会をつくられたというふうに理解しているわけであります。
 実は、私ども与党の行革プロジェクトチームで去年の秋に、居住者ユーロ円債の九十日間国内還流制限の撤廃を唱えまして、大蔵省は当初、還流制限を許してしまうとユーロ円債を日本の企業が発行するようになって、国内の発行市場が空洞化しちゃうということで反対をされていたわけですね。しかし、結果として十二月に、この平成八年の四月に九十日間の還流制限を四十日にする、アメリカが四十日ですがそれと同じにして、そして平成十年四月には完全撤廃するということで、かなりの英断をしていただいたわけであります。
 私も大蔵省もよく踏み切ったなというふうに思いましたが、そのときの私が受け取ったメッセージは、二年後にこれを完全撤廃するということは、二年後にはもう国内の流通市場もおおむねワークするようになっているということを決断されたんではないかなと私は受け取ったわけであります。
 そういう意味で、昨年の六月の緊急円高経済対策の中でこの研究会というのがスタートしたと聞いておりますけれども、この中での検討状況、何がポイントになっていて、いつまでに結論を出すつもりなのか、そして新しい制度ができるとするならばいつごろそれをスタートするおつもりなのか、その辺についてお話を伺いたいと思います。
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長野厖士#12
○政府委員(長野厖士君) 御指摘のとおり、昨年来、社債の受け渡し決済制度の改善を図るべく研究会を設けまして今鋭意検討いただいておるところでございます。そしてまた、そこの検討の場所ではだんだんと議論の焦点が絞られてきておるというふうに認識しております。
 先般、一応の研究会の途中の仕切りといたしまして、早急に実現可能なものであって、市場の関係者が進んで利用するものを構築しようという二つの前提条件のもとに、問題点の一番でございます、先生御指摘になりました決済遅延という問題を解消することが一つ。二つ目には、証券と資金の同時決済ということを実現するような仕組みにしたい。三番目に、マーケットの議論というのは全く白紙に絵をかくようなわけにはまいりませんけれども、将来への発展性、将来の究極の姿というものを目指すようなものであってほしい。四番目に、関係者が大勢ございますから、制度の中立性が確保されていることが望ましい。五番目に、これは流通でございますから、効率的でコストが妥当なものという五つの条件。私どもは、これをお取りまとめになりました蝋山先生の名前をとりまして蝋山五原則というふうに呼ばせていただきたいと考えておりますけれども、そういった五つの原則のもとに具体的な改善案のたたき台をつくるべく、これからタスクフォースを設けまして、実務者で一つのたたき台の案をつくるという検討状況にございます。
 これは検討状況でございますけれども、基本的な問題認識といたしましては、まさに先生が御指摘いただきましたように、発行市場というものをほぼ完全な自由化に近い形のところまで持ってくることができたと考えておりますけれども、やはり流通市場というものが十分に整備されておりませんと発行市場の自由化措置自体が十分な効果を発揮し得ないだろうという認識を持っておりまして、こうした市場におきましては、これからは流通市場の整備ということが私どもの一番の検討課題かなと思っております。
 御指摘のとおり、この案件は既に十年来いろいろな方々がいろいろな御議論をなさってまいりましたけれども、気持ちの上では、この年がこの十年来の議論にけじめをつけるべき年だという認識を持っておりますので、早急にこのタスクフォースでの議論を進めていただいた上で、研究会の御結論を待って、何らかの実りある成果を得たいとふうに今考えているところでございます。
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塩崎恭久#13
○塩崎恭久君 今、局長の方からけじめの年だというお言葉でございますが、たしかこの研究会がスタートしたときに、夏ぐらいまでに結論を出すというふうに伝わっていたかと思うわけであります。そもそもこういう研究会の議論の中身が余り見えてこないというのも問題だなと私は思っておりますが、大体いつごろまでに結論が出るのか。
 つまり、先ほど申し上げたように平成元年に大体の大筋が、例えば登録済み証はもうやめましょうとか、記番号をもうやめましょうとかいろいろな話が出ていたけれども、いろいろな案もかなりできかかっていたにもかかわらず平成五年ぐらいにつぶれているとか、そういうことを考えると、本当に今度は大丈夫なのか、本当に答えを出してくれるんだろうなということを心配している向きもある。何分にもこの研究会の中身が見えていない市場関係者がおられますから、そういう人たちのためにも、けじめですからもう余りしつこく言わせてはいけないのかもわかりませんが、そういうことかというふうに理解しておりますけれども、改めて、ことし本当にやるのかどうかというのをもう一回お答えいただきたいと思います。
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長野厖士#14
○政府委員(長野厖士君) 今、蝋山座長の研究会に具体的な作業をお願いいたしておりますから、私の口から具体的な形で日程について御拘束申し上げるわけにはいかないという気持ちもございますけれども、蝋山座長のお気持ちとしましては、タスクフォースにおける実務家の検討というものは一、二カ月は当然のことながら入り用かと思いますけれども、それを待って、連休の前後には研究会にこれから最後に詰めていくべき一つの案が出てくるという日程を組んでおるというふうに伺っております。
 そういったことを踏まえますと、先生がおっしゃいましたように、私はことしがと申しましたけれども、ことしも後ろの時期ではないところまでという気持ちで研究会の先生方にも御審議を煩わせ、できるだけ早くという気持ちでまいりたいと考えております。
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塩崎恭久#15
○塩崎恭久君 何しろ昭和十七年にできた制度で営々と今日までやってきたわけでありますから、いろんなしがらみというものがやっぱりあるんだろうと思うんです。大事なことは、過去のしがらみはしがらみとして、それにとらわれることがないように、先ほど蝋山五原則ということをおっしゃいましたけれども、特に今、繰り返して申し上げるように、銀行からの融資がなかなか思うようにいかない中で、企業が元気になって、福祉を賄えるだけの経済の成長というものをもたらすためにも、やはり使い勝手のいい、そしてまた先ほどもおっしゃったようなコストの安い資金調達ルートというものをつくっていただかなきゃいけないんだろうと思うんです。ですから、しがらみに余りとらわれずにぜひ頑張ってもらいたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、先般の中間公表では「措置困難」ということになっておりました大型私募債ルールの規制緩和でございます。
 今申し上げた社債の一種ではあるわけでございますが、先ほどのは流通するわけでありますけれども公募のお話でございまして、いわゆる私募、つまり勧誘対象が五十人未満、あるいはプロの投資家だけを相手にするプロ私募というどっちかに入るもので、なおかつ二十億円以上を大型私募債と言っているようでありますけれども、これについてのルールがかなり厳しく課されております。これは、証券が流通をされると貸し出しなのか債券なのかよくわけがわからぬというような、そういう垣根の議論もあるのかもわかりませんが、いずれにしても、皆さんも御存じかもわかりませんが、驚くほど細かく規制をしているわけであります。
 四つ種類がありまして、一つは、一回当たりに出せる発行額の上限というのは二百億円で決まっておって、それから二番目に年間発行額も千二百億円まで、年間発行回数も六回まで、なおかつ発行後二年間は転売をしてはいけませんと、こういう四種類の規制がかかっているわけであります。それで、産業界からかなり苦情といいましょうか要望が出ているわけでありまして、これを即時撤廃してほしいという話でございます。
 規制している理由というのは、この中間公表にも書いてありますけれども、これを見ますと、「公募債市場と私募債市場の適正なバランスを確保しつつ、私募の取扱い業務の適正な遂行を確保する」、こう書いてあるんです。
 私は、ちょっとどうかなというふうに思いますのは、公募債市場と私募債市場の二つの市場の適正なバランスに配慮しながらこういう規制をかけているんだということは、言ってみれば需給調整を当局がやっているというふうにもとれるわけであって、適正なバランスが必要であることは結果としては大事なことなんだろうと思いますけれども、むしろこれは市場が、マーケットが決める適正なバランスということだろうと思うわけでありまして、そこを大蔵省がこの程度が適正なバランスのとれた公募と私募のバランスだと言うのはちょっとおかしいんじゃないかなというふうに思うわけであります。
 確かに、安定的で低コストな資金調達ルートという意味では公募債の方が私募債よりはいいということは間違いないわけでありますけれども、しかしやっぱり調達サイドから見て選択が可能だということが大事なんだろうと思うんです。ですからそれがどっちに行くかというのは、やっぱり同じ条件でどっちへも行けるようにしておいて、結果としてバランスがとれるような格好になるというのが理想なんだろうと思うんです。そういう意味では、これは居住者ユーロ円債の還流制限の撤廃のときにも、いわば空洞化を一時的にしてしまうかもわからないけれども、英断をされて九十日を四十日にし、またもう二年後には撤廃をするということまでお決めになった。
 そういう意味では、同じような論理で考えれば、ここでこれはもう撤廃して、公募債は先ほどやると言っていらっしゃるわけだし、ここでたとえ私募債の方を自由化しても公募債の方の整備がとまったりだめになったりするようなことはもうないんだろうと思うんです。
 ですから、そういう意味では、今何度も繰り返して言うように、資金調達のルートというのはいろんな形である方がいいわけでありますから、そういう意味でこれはもう自由化してもいいんではないだろうかというふうに私は思います。何度も繰り返して言うように、何しろ当事者の自由な意思にゆだねるということを基本とする証券局の政策としては、これもやっぱり自由化すべきではないだろうかというふうに思うわけでありますので、「措置困難」ということで一月にお出しになったこれをもう一回考え直していただけないだろうか。
 これは実は、私ども与党の行革プロジェクトでもお願いをしておりますし、私ども自由民主党の行革推進本部の規制緩和委員会、唐沢委員会と言っておりますが、そこでもお願いをしているわけでございますけれども、その辺のお考えについてお聞かせいただきたいと思います。
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長野厖士#16
○政府委員(長野厖士君) 塩崎先生に改めて申し上げるのも失礼かと存じますけれども、公募債と私募債というものの違いというものを考えてみまするに、公募債はディスクローズのある有価証券で、私募債はディスクローズなき有価証券と言うことが一つできると思います。あるいは、公募債は一般の広い投資家を対象としたものである、私募債は限られた投資家を対象としたものであるという違いがございます。
 したがいまして、私募債のマーケットに関しまして、ディスクロージャーなき有価証券という性格にかんがみまして、ディスクロージャーを必要としないような投資家に限る等々の制約条件というのは、アメリカのSEC等々においても同じように置かれておるところだと考えております。
 ただ、私がちょっと考えますのは、発行体の方々が非常に私募債の使い勝手をよくするということに熱い目線を注がれる背景には、一つはディスクロージャー負担を軽くしたいという気持ちと同時に、先生が御指摘になりました公募債市場というものが、発行市場の方は昨年までいろいろございましたし、それから流通市場は先ほどの御質問のような問題がございますので、結局公募債市場が使い勝手が悪いということで、私募債の市場というものを使いたいというお気持ちが非常に強いのかなと。
 しかし、発行市場の方の問題の改善に成果が上がらないままこれを許していきますと、結局ディスクロージャーなき有価証券というものだけが日本の公社債市場の中心になってしまうという問題があるので、公募市場と私募市場のバランスのとれたということを申し上げておるわけでございまして、数量的に六対四とか、そういうめどとかいうようなことではなくて、事柄の考え方と考えておるわけでございます。
 そこで、そういう非常に基本的な問題があるという意味で「措置困難」ということで発表させていただいておりますけれども、措置困難と申し上げたことは検討も何もしていないという意味合いではございません。先生が先ほど来御指摘になった問題意識につきましては私ども問題意識を持っておりますし、先ほど御質問いただきました社債の流通制度というものが完備されてくるようであれば、今までは公募債市場がなかなか未発達だから私募債市場も多少それに合わせて不自由にしなければいけなかったという制約条件があったとすれば、むしろ発想を逆にして、公募債市場を使い勝手をよくすることによって私募債市場も多少使い勝手をよくすることができる、そういう拡大均衡的な発想がとり得ないかどうかということは私ども気持ちの奥にはございます。
 その上で、まだ道筋が見えておりませんので、特に公募市場の方の流通市場の問題について道筋が完全に見え切っておりません、努力中でございますので、こちらの方につきましては当面「措置困難」とさせていただいておりますけれども、気持ちといたしましては、今申し上げましたような拡大均衡的な形で道筋が見つからないかということにつきましては、これから努力させていただきたいと考えております。
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塩崎恭久#17
○塩崎恭久君 私募はディスクロがないという今のお話でございますが、確かに日本ではそういうふうに言われているわけですけれども、アメリカの場合はむしろ私募というのはかなりディスクロがきついと聞いておりますし、私も実際ディスクロの私募の場合のアメリカの資料というのを見せていただきました。かなり分厚い、事細かに書いたデータが出ているものを出さなければ私募の社債というのは出せないということでありますから、今おっしゃったディスクロなしだからこの私募のあれはいけないというのは、工夫の仕方によってどうにでもなるんじゃないかなというふうに私は思うんです。
 ですから、そこはいろいろ意見の差があるかもわかりませんからあれでございますけれども、もう一つは、やっぱりこれはプロの世界に近いんだろうと思うんですね、私募というのは。であるからこそディスクロが緩い。アメリカの場合は、公募の方はもう格付がはっきりしていますし、一様にディスクロしていますから問題ない。むしろそれが日本の方はきっちりしていないというところが問題であって、あとプロの世界でどれだけ厳しくやるかというのは、これまた市場参加者が、アメリカのように、プロの世界であるにもかかわらずさらに細かなディスクロージャーを要求されるというケースもあるわけでありますから、先ほどおっしゃったのは必ずしも正しくないんではないだろうかというふうな気がいたします。
 しかしいずれにしても、均衡拡大的になるように公募の方の整備を見ながらということでありますけれども、ひとつ居住者ユーロ円債のときと同様に、少しせっかちなぐらいでも、私はそのくらいでがたがたするような市場でもないと思いますし、むしろそれをやることによって風通しがよくなるという意味でプラスの方が多いんではないかと思いますので、先ほどの蝋山委員会がいつ出るか、見えてからということでは夏以降みたいなことになっちゃいますけれども、ぜひこれはもっと早目に、洞察力のある大蔵省でございますから、先を見ていただきたいというふうに思います。
 そこで、最後に大臣に一言だけお伺いしたいわけでございますが、きょうも新聞に少し報道されておりました。きのう自由民主党の行革推進本部で、先ほど申し上げたように党外の顧問の方々においでいただいていろいろ行革について御意見を賜りました。その席で、実はきょう新聞が一部誤って報道しておりましたので改めて言っておきますが、冒頭の本部長あいさつということで水野本部長があいさつをしたときに、実はその前の日に、規制緩和委員会、唐沢委員会でEUの代表の方においでをいただいて規制緩和の話を分野ごとに聞いたんです。全体の話ももちろん聞きましたけれども、その中で皆さんが一様に言ったのは、どうもこのところ政府として規制緩和はもうどこかに行っちゃったような気がするという印象が多いよと。実はきのうの党外顧問の方々の中でも、ダボス会議に行ったときにやっぱりみんなそう言っていたというような話も聞いてまいりました。
 そういうことでありますので、これはやっぱり大変いかぬなということで、きのう実はそれを水野先生が橋本総理・総裁に申し上げて、外国にも外務省を通じてこんな分厚いやつを全部報告をしているはずなのに、それが理解されていないというのは心外でもあるし、また努力をしなければいけないだろうというふうに言っておりました。
 EUの代表団がもう一つ言っておったのは、アメリカの人たちも同じように見ていると。つまりもう日本では規制緩和の熱は冷めているというふうに受け取られているという話でございましたのですが、こういうふうにとられてそれでいいのか、その辺を大蔵省として、そしてまた副総理としてもぜひ一言賜りたいと思うんです。
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久保亘#18
○国務大臣(久保亘君) 規制緩和につきましては、昨年の三月三十一日に規制緩和推進計画が策定され、これは三年計画として前倒しされることになっているわけであります。
 大蔵省といたしましても、金融、証券、保険、通関、流通等の幅広い各分野におきまして、規制緩和の項目を盛り込んだこの計画の推進に努力をいたしているところでありますけれども、昨年も、いろいろな経済対策をつくります機会、あるいは大阪のAPECの会議におきましても、また十二月には、証券分野等についての規制緩和措置においても積極的に取り組んでまいったところでございます。
 現在は、本年三月末の同計画の改定に向けて、各界の御意見等を伺いながら積極的な努力をいたしているところでございます。大蔵省といたしましても、また政府といたしましても、規制緩和にはさらに積極的に取り組んでまいる決意でございます。
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塩崎恭久#19
○塩崎恭久君 御決意のほどはよくわかるわけでございますが、先ほど来ずっと話が出ている、例えば居住者ユーロ円債の還流制限撤廃というのはかなり思い切ったことをされたと私は思っているんです。それから、財務制限条項とか適債基準とかの撤廃も同じようにかなり頑張っていただいたと思っているわけでありますけれども、そういうものが外国から見て規制緩和を一生懸命やっていると全く理解されていない。これは何でだろうかと。ですから、同じペースで同じようなやり方をしていたのでは、外国は相変わらず同じように思って、今の内閣は規制緩和をやる気がないんだなというふうに思い続けるような気がしてならないんです。そのときには、政治の方は一生懸命になっているけれども役所は嫌がっているのかねというふうな話も出ておりましたけれども、なぜそんなことになってしまったのかを含めて、もう一回お願いできたらと思います。
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久保亘#20
○国務大臣(久保亘君) 橋本内閣が発足いたしましてからようやく一カ月余りを経過したところでございますが、規制緩和、行政改革といったような課題は内閣に与えられている最も重要な政治課題だと考えておりまして、もしその点において海外における理解が十分でないとすれば、やはりこれから、特に三月末の規制緩和推進計画の改定に当たって、積極的な内閣としての考え方が伝わるようさらに努力をしなければならないと考えております。
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塩崎恭久#21
○塩崎恭久君 終わります。ありがとうございました。
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楢崎泰昌#22
○楢崎泰昌君 先般の委員会で財政赤字体質のことについて質問をいたしましたが、時間が十分でなかったので、さらにこの問題を続けて御質問申し上げたいと思っております。
 先般の委員会では、公債残高が平成八年度の末において二百四十兆余になるということで、これは大変な赤字体質になっておるな、二十一兆円の国債を平成八年度に発行しなきゃならないということも非常に大変なことだなということを申し上げ、かつ財政再建についても、財政健全化についても認識を幾つか問うてまいりました。
 さらに、二百四十兆の国債残高と言うけれども、実は「中期的な財政事情に関する仮定計算例(イ)」によれば、従来の傾向をそのまま放置したら四百八十兆円の国債残高になるではないか、そのほかにさらに処理を要する事項として四十三兆円が外側にあるねと、こういうお話をずっとしてまいりました。
 その財政危機の中において、大蔵省が国会にお出しになった「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」ということで中期的な考え方をお示しになっておられますが、その中で政府の方は、今後経済成長に伴う税収の増加にそんなに大きく期待することは困難なんだということを一つ前提に置き、さらに公債残高の累増に伴う公債費の増加、地方交付税の増加、既存の制度・施策のもとにおける一般歳出の増加額等、到底すべてを賄い切るわけにはいかぬと。賄い切るわけにはいかぬということになると、四百八十兆に近づくのかなというような気もするんですけれども、そこは財政構造について思い切った見直しを行っていかなければ年々拡大するので、ぜひ財政健全化の取り組みを行いたいということが述べられているわけでございます。
 歳出構造がそういうことになるということは望ましいんですが、さらにその仮定計算例(ロ)として、一般歳出が五%に伸びる場合、三%に伸びる場合、あるいは〇%の場合というぐあいに置かれ、そして平成十五年に特例債発行がゼロになるということを想定して幾つかの仮定計算例が置かれているわけでございます。
 このような計算を国会に出されたのは恐らくことしが初めてであろうというぐあいに認識をしておりまして、そういう意味では財政健全化に対する財政当局の意識が少し前進したのかなと思います。ただ、ほんの少し、文字の上だけというような感じもしないわけではないんですけれども、仮定計算例(ロ)のうち、五%だったら大変だと、三%でも大変だと。平成八年の一般歳出の増を見てみますと、政府案ベースで二・四%の増になっております。
 そういうことから見ますと、なかなかゼロにすることは難しいな、しかしゼロにしなければ到底財政再建はできないのだなということをこの表を見て感ずるんですけれども、財政当局として、この仮定計算例ゼロに向かって進めていきたいと考えているのか、これはとても難しいよと考えておられるのか。そこら辺の決意というんでしょうか、決意ないしは見通しにもなるかもしれませんが、そういう観点に立った大蔵大臣の御所見を承りたいと思いますが、いかがでございましょう。
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伏屋和彦#23
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 今委員が御指摘されましたように、今回「中期的な財政事情に関する仮定計算例」というものをお出ししているわけでございます。これは、中期的な財政運営についての審議の御参考にしていただくために、一定の仮定のもとに機械的手法によりまして今後の財政収支の状況を試みに計算したものでございます。その仮定計算例(ロ)で、今委員が言われましたように一般歳出の伸び率〇%、三%、五%というケースでお示しているわけでございますが、これは今後の財政改革の御議論をしていただくに当たりまして、その参考に資するために、相互に比較して検討していただくための便宜を考えまして、わかりやすい三ケースを機械的に置いたものでございます。したがいまして、それぞれに特別の政策的意図が込められているものではないわけでございます。
 いずれにいたしましても、財政の厳しい状況の中でこれを放置することはできないわけでございまして、過去におきましては厳しいシーリング、例えばマイナスシーリングなどのもとで昭和五十八年度から六十二年度の当初予算におきましては一般歳出の伸び率を〇%以下とした例があるわけでございますが、現在のこの我が国の財政状況からいいますと、財政健全化に取り組むことが喫緊の課題でございます。
 今後、歳出の全般につきまして、先ほど委員が話されましたこの「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」にもございますように、これまでは財政支出が適当とされてきました施策につきましても、今日の情勢のもとでなお財政が関与すべき分野か否かという行財政の守備範囲の見直しの観点に立ちまして、聖域を設けることなく制度の根本にまでさかのぼって洗い直しを行うことが重要な課題であると考えているわけでございます。
 今後、国会の場とか財政制度審議会等での御議論をいただきまして、それを踏まえながら財政改革に強力に取り組んでまいりたいと考えているわけでございます。
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楢崎泰昌#24
○楢崎泰昌君 今仰せになりましたように、過去においても、昭和五十八年から六十二年まで五年間一般歳出の増加ゼロということでやってこられました。が、その後漸増をして、それ以後は大体三%ないし四%、ことしは二・四%というぐあいになさいましたけれども、増加傾向に入っていることは間違いありません。それは経済対策ということもあったと思いますけれども、どうも最近は財政の増加傾向がぶり返しているというような感じになっているというぐあいに思うんです。
 そこで、この「基本的考え方」で、今、伏屋主計局次長がおっしゃったように、「聖域を設けることなく制度の根本にまでさかのぼって洗直しを行うことが重要な課題である。」というぐあいにうたわれていますが、実はこの文言は去年の文書の中にもあった文章のような気がするんですね。要するに、言葉だけが躍っているんじゃないか、本気でやっていないんじゃないかというような感じが強くするわけであります。先ほどちょっと申し上げましたように、現在の経済情勢あるいは経済成長の見通し等々を見まして、財源がどんどん出てくる、要するに税収に期待するという時代は少し過ぎているような感じがいたします。そうしますと、歳出について厳しい自制を行っていかなければならぬということではあるんですが、言葉だけというぐあいに私は申し上げましたけれども、具体的に何か考えていることがあるんでしょうか。
 私は、平成八年度の予算を見てみても大きな制度改変はなかったような気がするんですね。こういう財政危機の中にあっては、やはり制度改変というような大きなものがなければ財政の健全化は保っていけないんじゃないかというぐあいに思いますが、いかがでしょうか。
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伏屋和彦#25
○政府委員(伏屋和彦君) 平成八年度予算、特例公債を含みます多額の公債発行に依存せざるを得ない状況でございまして、一方で、限られた財源の中で景気への配慮など現下の経済情勢に適切に対処するとともに、一方で、今言われました一般歳出の方でございますが、私どもといたしまして従来にも増しましていろいろ見直しを行ったわけでございます。特に、経常部門は厳しく経費を抑制いたしまして、伸び率一・五%ということで、六十三年度以降では最も低い伸びとしたところでございます。その意味では、資源の効率的な、重点的な配分に努めておるということを御理解いただきたいと思います。
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楢崎泰昌#26
○楢崎泰昌君 一生懸命御努力されているということはそのとおりでしょうけれども、それにもかかわらず一般歳出が二・四%の伸びになっているということは、財政健全化の方向にしっかり足を踏み出していないということではないかというぐあいに考えているんです。大きな制度改変が多分必要でしょう。それについては、まだ八年度予算も参議院に回ってきていない状態ですから、それをまだ申し上げる状態ではないと思いますけれども。
 例えば補助金について、補助金の額がどれだけあるのか、まずお伺いをしましょう。補助金の総額、そして地方に対する補助金、それは幾らぐらいでしょうか。
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伏屋和彦#27
○政府委員(伏屋和彦君) 補助金の総額ということでのお尋ねでございます。
 一般会計全体で七十五兆一千四十九億円のうち一般歳出が四十三兆でございますが、そのうち補助金は総計といたしまして十八兆七千三百六十六億円ございます。これ以外に産業投資特別会計の繰り入れ等もございますが、私ども一応、一般歳出の中の補助金等という整理では十八兆七千三百六十六億円と整理しておるわけでございます。
 地方は、今手元に細かいデータがなくてまことに申しわけございませんが、従来から地方公共団体への補助金の割合は約八割ということで計算ができておりまして、その意味からいいますと約十四兆前後かと思いますが、ちょっと細かい数字がなくて申しわけございません。
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楢崎泰昌#28
○楢崎泰昌君 今仰せになりましたのは一般会計分だけなんですね。あと特別会計に随分ありますから、地方公共団体に対する補助金というのは非常に膨大なものに上っているというぐあいに思います。
 例えば補助金の査定の仕方、補助金の考え方というのも、実は地方分権との関係からいいますと、非常に極端に言えば一般財源化したらどうだと、こういうような議論もございます。それから農林系統ではメニュー方式というのが随分行われているわけですね。
 それで、補助金を交付するということについていろいろな問題が指摘されていますけれども、例えば箱物の補助金だと非常に規格が厳重で、そしてこれこれ以上のものでなきゃいかぬと採択基準をどんどん上げていくというようなことで、地方に行ってみると実情に合わないような建物が随分建っているというぐあいに指摘をされているんですね。もしこれを地方団体にお任せをすればさらに効率的にこれを使うことができると。
 例えば、一千万円のものはいかぬというぐあいに今言っていますが、いや一千万円でもいいものができていくというような状況もあって、何も補助金の補助金交付要領に限定されて大きな建物を建てなければだめなんだという代物でもないと。言ってみれば地方公共団体の判断力を生かし、そして大蔵省の予算編成もそのようなものじゃなくて、現在のようなものでなくて、一定の基準を設けなきゃならぬのかもしれないけれども、それを非常に緩くして地方公共団体にお任せをし、それを効率的に使っていただくとか、そのような制度の大きな改変あるいは査定の改変。これも主計局が大変御苦労なさって一件別に査定を一つ一つなさっておられるんだそうですね。
 むだな努力とはもちろん言いません。査定をするには細かい事情がわからなければ査定はできないでしょうから、そういうこともあるいは必要かもしれませんけれども、私の方から見ると、主計局が非常に膨大なエネルギーを使っていると同時に、各省が膨大なエネルギーを使う、そしてその結果として中央集権が強まり地方分権が進んでいないというようなこともあるように思うんです。
 そういう意味では、現在の予算の仕組みそのものを、考え方を変えていくというようなことが必要なのではないだろうかというぐあいに考えるんですけれども、これは大きな制度改変だとはいうけれども予算の編成の仕方で変わっていくわけですね。そういう意味では大蔵省側の反省だとか感想だとかそういうものはありませんか。
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伏屋和彦#29
○政府委員(伏屋和彦君) 今、補助金等につきまして、全体の予算編成の中での一つのテーマとして委員から大事な点を御指摘いただいたと思います。補助金等につきましては、先ほど委員が言われました、一つは地方行政のいわば自主性、選択の幅を広げるというか、自主性の尊重。もう一つ、やはりこれも先ほど委員が言われましたのですが、国の側から見ての財政資金の効率的な使用という観点から、これは補助制度の見直しとか補助対象の重点化、統合メニュー化、一般財源化等を行うなど、やはりその整理合理化を積極的に今推進していかなければならないと思います。
 他方、補助金等は、一定の行政水準の維持とか特定の施策の奨励等のための政策手段として、やはり政策遂行の上で重要な機能を担っているものであるわけでございます。
 したがいまして、御指摘にありました、これから補助金等の整理合理化を進めるに当たって、やはり引き続きその前提となります制度・施策そのものの見直しを行いつつも、類似の目的を有する補助金等につきましては統合メニュー化を進めるとか、さらには地方公共団体の事務事業として同化、定着しているものなどにつきましては一般財源化を図るなど、いろいろ御意見を承りながらその整理合理化を推進していかなければならないと考えております。
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