厚生委員会

1997-06-05 参議院 全193発言

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会議録情報#0
平成九年六月五日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     加藤 修一君     水島  裕君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     今井  澄君     朝日 俊弘君
 六月五日
    辞任         補欠選任
    菅野   壽君     瀬谷 英行君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         上山 和人君
    理 事
                尾辻 秀久君
                佐藤 静雄君
                和田 洋子君
                菅野  壽君
                瀬谷 英行君
    委 員
                大島 慶久君
                塩崎 恭久君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                長峯  基君
                南野知惠子君
                宮崎 秀樹君
                木暮 山人君
                水島  裕君
                山本  保君
                渡辺 孝男君
                朝日 俊弘君
                西山登紀子君
                釘宮  磐君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
   政府委員
       厚生大臣官房総
       務審議官     中西 明典君
       厚生省健康政策
       局長       谷  修一君
       厚生省保健医療
       局長       小林 秀資君
       厚生省薬務局長  丸山 晴男君
       厚生省老人保健
       福祉局長     羽毛田信吾君
       厚生省保険局長  高木 俊明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   説明員
       文部省高等教育
       局医学教育課長  寺脇  研君
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  本日の会議に付した案件
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○理事補欠選任の件
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上山和人#1
○委員長(上山和人君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、加藤修一君が委員を辞任され、その補欠として水島裕君が選任されました。
 また、昨四日、今井澄君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君が選任されました。
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上山和人#2
○委員長(上山和人君) 健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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菅野壽#3
○菅野壽君 健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、引き続き質問をさせていただきます。
 本法律案及び衆議院修正における問題点、抜本改革に向けての課題が浮き彫りになっておりますが、本日はこの点を中心に再度御質問いたします。
 第一に、小児の薬剤負担の問題であります。
 今回の小児に係る過重な薬剤負担は、子育てに係る経済的コストを軽減するということを明記しましたエンゼルプランと矛盾する点があるんですが、この点についてお伺いします。
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高木俊明#4
○政府委員(高木俊明君) 子育てに対します社会的な支援、これは非常に子供の数が減っておりますから非常に重要な課題でございます。そういった意味で、政府としましてもエンゼルプランを定めまして、そして着実な推進ということを図ってきておるわけであります。
 そういった意味では、医療費の問題につきましては、現在、難病の子供たちあるいは未熟児、障害児、こういった手厚い支援が必要となる児童の特別な疾病に着目しまして、治療費の公費負担というのを行っております。今回の薬剤負担が入りましても、これらの子供たちにつきましてはこれまでと同様に公費でその分を負担する、そういう取り扱いにいたしております。
 一方、医療保険制度全体の中における仕組みとしましては、やはり給付と負担の公平というような観点、あるいはまた薬剤使用の適正化というような視点から一部負担をお願いしておりまして、そういった意味で、今回この薬剤負担を新たにお願いするに当たりましては、子供たちにつきましても一般的には同じような形で御負担いだだかざるを得ないというふうに考えております。
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菅野壽#5
○菅野壽君 また、現在すべての都道府県におきまして何らかの形で乳幼児医療無料化、軽減が実施されている状態でございます。小児薬剤別途負担が地方財政に与える影響も無視できないと思いますが、この点、厚生省はどう考えていらっしいますか。また、地方財政に及ぼす影響額について試算がありましたらお知らせ願いたいと思います。
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高木俊明#6
○政府委員(高木俊明君) 御指摘のとおり、現在、全国の都道府県におきまして、いわゆる乳幼児に対します医療費の自己負担分、これの減免措置等を行っております。これは対象範囲あるいはまた償還方法、現物給付方法とかそのやり方もそれぞれ各都道府県において必ずしも同じではございませんけれども、何らかの形でこういうようなことが行われているという状況を私ども承知をいたしております。
 そこで、今回新たに薬剤の一部負担をお願いするということになった場合に、これまでの措置に加えて各都道府県、これはそれぞれの自治体における単独事業ということで取り組んでおられるわけでありますが、どのような取り組み方になるのかということにつきましてはこの法律成立後における対応というものを見定めていきませんとはっきりはいたしません。ただ、今回の薬剤の一部負担の導入に伴いまして、仮に六歳未満の乳幼児につきましてどれだけ負担することになるのかということで考えてみますと、制度全体で百十億円というふうに私ども見込んでおります。したがって、各自治体がこの分についてもそれぞれの単独事業として御負担いただくということになるとトータルとしてはこの程度の額になるのかな、こういうふうに考えております。
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菅野壽#7
○菅野壽君 他方、乳幼児無料化については従来から国の事業として行われるべきとの強い要望があります。先日来の答弁で、小児の過重な薬剤負担について抜本改革の中で検討すると言っていますが、その検討項目の中にはいわゆる乳幼児医療無料化、軽減も含まれていると理解してよいのでしょうか、伺います。
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高木俊明#8
○政府委員(高木俊明君) 現行制度は、もう御案内のとおりでありますが、そういった中で各都道府県、市町村を通じてやっておりますけれども、各都道府県におかれまして県単の事業ということで一部負担分を公費で支援をするというような事業が行われております。
 それに対して、むしろ医療保険制度の仕組みの中でそういったような支援策というものを盛り込んだ方がいいのではないかということは、本委員会においてもいろいろと御意見がございますけれども、私どもとしましては、今回医療保険制度の全体的な見直しをする際に給付率というものをどういうふうに考えていくのか、そういった中でお年寄り、それからまたこういった乳幼児等につきまして特別の配慮ということを考えていくべきなのか、そういった点等を含めまして全体的な検討をしたいと思っております。そういった中で、合理的な、かつ理解を得られるような案というものを考えていきたい、このように考えております。
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菅野壽#9
○菅野壽君 六月三日の質疑で局長は、改正案における健康保険法第四十三条ノ八第五項の規定を修正した理由について、政府案では法律に規定したものを政令に落とした旨御答弁がありました。すなわち、一部で報道されたように、これは患者負担が医療費総額を上回る事態は生じないと理解してよいのでしょうか、お知らせください。
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高木俊明#10
○政府委員(高木俊明君) 衆議院で修正が行われた際に条文上も手直しが行われております。
 これは、私ども法制的な問題として理解をしておりますのは、今御指摘の政府原案では健康保険法の四十三条ノ八第五項というのがございましたが、これの修正が行われました。政府原案でここに規定しております内容というのは、薬剤に係る新たな患者負担をお願いするに当たりまして、医療費総額を超えるような事態、これは極めてレアケースでありますけれども理論的には考えられる、これはやはり適当ではないということでございまして、その医療費の給付総額の実費というものを超えることがないような、そういった条文を手当てをいたしました。
 これが修正でそこの部分が修正されまして、こういったものについては政令で定められるというふうな形になりました。これは、法制的には政府原案にありました新たな薬の一部負担が医療給付費の総額を超えることのないようにするというその規定をここでは政令で定めることができるというふうに説明を受けておりまして、それならば私どもとしては差し支えないだろうということでこの修正を受け入れさせていただいたわけであります。
 そういった意味で、これが法律の条文上は修正されましたけれども、政令で同じものを定めますので実態的には政府原案と変わらない、こういうふうなことで考えております。
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菅野壽#11
○菅野壽君 修正後の第四十三条ノ八第五項は、薬剤の「一部負担金ノ額ノ算定方法ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム」としています。
 一部の新聞では、この政令で相当弾力的な運用が可能である旨の報道がなされております。しかし、それでは法律の意味がなくなります。租税法定主義の原則にも反するおそれがあります。
 ここで想定している政令事項とはほかにどのようなものがあるのでしょうか、具体的にお知らせ願います。
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高木俊明#12
○政府委員(高木俊明君) 薬剤の「一部負担金ノ額ノ算定方法ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム」というふうに改められたわけでありまして、そういった中で、薬剤に係る一部負担金の額そのものについては法律に定められておりまして、これそのものを変更したりということでありませんで、あくまでもそういった中で技術的な算定方法に関して必要な事項というものを政令で定められるということになったということで理解しておりまして、そういった意味では租税法定主義というものに反するということにはならないというふうに考えておりますし、また法制的にもそういうふうな説明を受けております。
 この政令で今後何を定めるかということでありますが、現在私ども考えておりますのは、政府原案にありましたような薬剤に係る患者負担が医療費給付の総額を上回ることがないということについて政令でこれを定めるということにいたしております。
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菅野壽#13
○菅野壽君 いずれにしろ、改正案では五百七十一円未満の薬剤投与では薬剤負担が一〇〇%という事態が生じます。つまり、比較的少額で投薬日数の少ない場合ほど負担割合が重くなるのです。これは患者のコスト意識の喚起により薬剤使用の適正化を図った改正案の趣旨に逆行するのではないでしょうか。
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高木俊明#14
○政府委員(高木俊明君) 今回の修正に伴う矛盾点と申しますか、問題点の御指摘だと思います。
 政府原案につきましては、衆議院における審議の過程におきましても医療機関の窓口事務、それからまた患者さんサイドにおいてもなかなか計算が厄介で額が非常にわかりにくくなるんじゃないかという強い御批判がございました。そういった御批判を受けまして、やはり一つにはそういった事務の簡素化というものを図るような、そういう案というものが検討され、それからまたもう一つにはできるだけいわゆる高薬価の新薬シフトというふうなものの歯どめになるような、そういった機能というものも含んだものが望ましいのではないかということで今回の衆議院における修正が行われたというふうに私どもは理解をいたしております。
 そういった中で、この衆議院における修正案の四百円、七百円、千円という一部負担の額、この額の計算基礎というのが平均的な投薬日数、こういつたものを基礎に、それからまた種類についてそれぞれ二種類から三種類、あるいは四種類から五種類、それから六種類以上ということである程度グルーピングしておりますので、そういった意味ではそれぞれ平均的な数値というものを基礎に四百円、七百円、千円というのが計算されております。
 そういうふうにいたしますと、どうしてもそこに平均より下回る、あるいはそれより安い薬というものが投与されますと、四百円、七百円、千円というような額よりも薬代の実費の方が安いというような状況がどうしても生じてしまうという問題がございますけれども、やはりこういうふうな形で定めた場合にはどうしてもその辺のところは出てくるのはやむを得ないというふうに思います。
 ただ、問題はその頻度の問題、程度の問題、それがどの程度許容されるものなのかどうかという問題だろうというふうに思っておりまして、そういった中でとりわけ小児についてはやはり非常に矛盾が大き過ぎるのではないかという指摘がございますことは承知しておりますけれども、衆議院におきます修正ということでございますので、今それに対して私どもの理解としては今申し上げたようなことにとどめさせていただきたいと思います。
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菅野壽#15
○菅野壽君 一方、負担額を見ますと、多剤投与を必要とする重症患者や高齢者ほど負担は重いものとなります。患者が薬の種類、量を選べない中で重度の患者や高齢者ほど負担額が多くなることは問題が大きいと言わざるを得ません。
 厚生省は、老人保健法における低所得者の範囲を拡大することは将来に向けての検討課題と言っていますが、しかし現段階においても薬剤の別途負担については何らかの歯どめの措置が必要ではありませんか、伺います。
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羽毛田信吾#16
○政府委員(羽毛田信吾君) 薬剤に係ります負担につきましては衆議院での御修正がございまして、政府といたしましては、今回の修正後の改正案におきましては、薬剤が一種類の場合は負担を要しないようにするというような御配慮がされておること、また額につきましても薬剤の種類数に応じまして四百円ないし千円という水準でやっていただいておりますことから、今回の改正は一方において若人の負担ということについてもお願いをいたしておりますのでそういったこととの比較におきましても、また今回のこういった負担を設けました薬剤使用の適正化という趣旨からいたしましても、また大きな背景として危機的な状況にございます医療保険財政を維持するという観点に立ちましても、何とかこの御負担を高齢者の方々についてもいただきたいものというふうに考えておるところでございます。
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菅野壽#17
○菅野壽君 医療保険における給付の内容と範囲の見直しについてお伺いいたします。
 平成七年の社会保障制度審議会の勧告では、「医療資源の適正な配分を図るため、医療保険の給付の内容や範囲の見直しが必要である。」と言っていますが、これから抜本改革を進めるに当たりまして、厚生省ではこの点具体的にどのような視点で何を重点に進めようとしているのですか、お伺いします。
 あわせて、公的保険と民間保険の守備範囲についてもお示しください。
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高木俊明#18
○政府委員(高木俊明君) 医療保険制度の抜本的な改革の内容につきましては、本法案の成立後速やかに検討に着手をしていく予定にしております。そういった中でございますのでまだ確定的なことを申し上げるわけにいきませんけれども、私としましては、まず一つには公的医療保険でどこまでカバーすべきかという問題につきましては、一つの考え方として、保険制度でありますからいざというときにきちんと機能するような保険制度であるべきであるというふうに思います。
 そういった中で、相扶共済の制度ということでありますので、負担していただく方と、それからまた保険を利用する、利益を受けられる方、こういうふうな形のバランスということも考えながら制度の安定というものを考えていかなきゃいけないというふうに考えますと、所得水準等の状況から見て、通常負担できる範囲内のものであればむしろそれはそれぞれ御負担いただくような仕組みというものを基本にすべきではないか。しかしながら、真に負担が必要な場合、大変な場合にはまさにこの医療保険制度というものがきちんと有効に機能をする、そしてきちんとした保障が行われる、そういうような保険システムというものを目指すことがこれからの新しい時代においては必要なのではないかというふうに思っております。
 そういった中で、当然、所得の低い方、そういった方に対する配慮というものを十分やはり考えるべきでありますし、従来、医療保険というのは一般制度であるから、全く所得によらずとは申しませんけれども、保険料の方はそれぞれ所得に応じて御負担いだだくけれども給付の方はそういった点を抜きにやってくるというような形でありましたけれども、あるいはまた一部負担についても、高額療養費制度というのはございますけれども、やはり所得によらず一律に決めているというような格好がございましたけれども、その辺のところもあわせてもうちょっと福祉制度、福祉制度というのはどちらかというとむしろ所得に応じてきめ細かく逆にまた配慮をしているための矛盾というのがございますけれども、そういった福祉制度のよさというものも加味しながら医療保険制度というのを考えるということも必要なのではないかというふうな気持ちでおります。
 それからまた、医療サービスの基本的な部分、これは公的保険できちっとカバーしていくという、そういった原則というものはきちんと維持をしていくことが必要であろうというふうに思いますし、そういった意味で、財政が不如意になってきたからということによって保険の給付からどんどん外に出していくというような考え方ではなくて、やはりカバーすべきものはきちっとカバーしていく、それらをきちっと見据えた上で長期的な医療保険制度の財政の安定というものがどう図られるのかということで検討していかなきゃいけないというふうに思っております。もう一つは、そういった中でも医療に対する国民の要求の多様化というのは生活水準の向上等によりまして随分変わってきておりますから、そういった面における対応なり配慮、これは必要だろうというふうに思っているわけであります。
 公的保険と民間保険との関係でありますけれども、そういった中で公的保険を超える部分について、そこは民間がそこら辺のところを営業として保険をしていくというようなことはそれぞれ民間企業における企業の判断でやっていくことになるんだろうというふうに思いますし、私どもとしては、そういった中で公的保険の守備範囲という意味ではまさに基本的な部分、その基本的な部分は何かということは、まさに国民的な合意と申しますか、そういった中で決まっていくべきものであろうというふうに考えております。
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菅野壽#19
○菅野壽君 国民の高度、多様なニーズへの対応という観点から、最近顕著なのは特定療養費の拡大であります。
 この特定療養費の趣旨、これまでの経緯及び近年になってこの拡大が顕著な理由について御説明を願います。あわせて、特定療養費に係る今後の具体的な方策についても伺います。
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高木俊明#20
○政府委員(高木俊明君) 特定療養費制度というものが設けられました背景としましては、これまで国民生活の水準が向上してきた中で医療に対するニーズというものが非常に多様化してきている、そういうような多様化にどういうふうにこたえていくべきなのかということの中で検討がなされてきた結果、特定療養費制度というものが導入されたわけであります。
 まず最初に導入されたときの考え方、これは昭和五十九年に導入されたわけでありますが、いわゆる高度先進医療というのが非常にふえてきた、そういった中でそれがまだ保険の中に一般的に取り入れて全額を医療保険でカバーをするというところまではいかない、しかしそういう医療に対して公的保険というのは全く関係なしということでいいのかというと、加入者の公平という点等々を加味しても、従来医療保険制度の中で見てきた部分、それに相当する部分というのは医療保険でカバーをしょうと。しかし、高度な、かつ先進的な医療ということによってそれをはみ出す部分というのが起こるわけでありまして、そこの部分については自己負担ということでお願いしょうという考え方でまず入ったわけであります。
 それからまた、差額ベッドの問題、こういった問題についても特別的な要求によりまして差額ベッドというものを利用したいという場合については、基本的なベッド代については保険で見ますけれども、それを超える部分については自己負担をお願いしよう、こういうような考え方であります。
 それからまた、歯科材料につきましても、ベースは通常の医療保険で見ているところまでは見ますけれども、例えば金属床による総義歯の提供というような場合について、それを超える部分については自己負担をお願いする、こんなふうな考え方で始まったわけであります。
 これを導入するに当たりましては、いわゆる中医協の中におきまして十分御審議いただいて、どれを特定療養費制度ということで導入すべきかどうかということについては十分御検討いただいた上で導入が行われてきたわけであります。
 そのほか、最近における状況としては、例えば予約診療のケースあるいはまた時間外診療、患者さんの都合で時間外に受けたいというふうな場合、こういうようなものについても特定療養費制度というものを適用するというような形で行われてきておるわけであります。
 この特定療養費制度のあり方といいますか、どういう範囲についてこういう制度をもっと拡大していくべきかどうかということについては今後さらに検討していく必要があると思いますけれども、公的医療保険制度と国民の医療に対する多様な要求といいますか、そういったものとの調和を図るという方法として一つのやり方ではないかというふうに思いますし、これらについてはやはり国民生活の水準の向上とか価値観の多様化、そういった面を踏まえて今後ともこれが、余り行き過ぎるというと問題になると思いますけれども、適正な範囲内では有効な方法として私ども考えております。
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菅野壽#21
○菅野壽君 最後に、厚生大臣にお伺いいたします。
 特定療養費はこれまで診療報酬改定によって次々に拡大されてまいりました。しかし、国会の論議を経ることなく、国民の知らないうちに患者の負担増が拡大しているという点について問題はないでしょうか。高額療養費の限度額や市販薬類似医薬品の給付の見直し等についても同様の懸念があります。
 本日は、行政の判断一つで患者負担が安易に拡大していく懸念と政策決定の手法のあり方について伺って私の質問を終わります。
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小泉純一郎#22
○国務大臣(小泉純一郎君) 国民の知らないところで勝手にやっているというわけではありませんで、事実、昨年末の与党三党の合意でもいろいろ指摘されております。
 例えば、市販の薬品とか高額療養費について抜本的な見直しの中で検討すべきだとか、特定の療養について特別の病室に入ったときなどには患者の同意を条件として医療機関が特別な料金を患者から徴収できるという制度等その見直しについても関係審議会に諮るなど、手続としては私は適正に行われていると。いかに政令とはいえども勝手にできる状況じゃありませんし、国会での審議の状況、政党の考え方、審議会の考え方、そして国民がどう思うかという、そのような幅広い観点から適正だと思われる方法をとっているわけでありまして、知らないところで勝手ということは断じてないということを御理解いただきたいと思います。
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菅野壽#23
○菅野壽君 終わります。
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田浦直#24
○田浦直君 自由民主党の田浦直でございます。
 私、前回は現場の声を中心にいろんな質問をさせていただきましたが、今回は少し抜本的なことについて御質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 橋本内閣が、現在、財政は主要先進国中最悪の危機状態に陥っている、あるいは後世にツケを回さないようにというふうな認識のもとに財政改革を今一生懸命行っている、このことに対しては非常に評価をいたしたいと思っているわけでございます。
 一昨日、「財政構造改革の推進について」ということで閣議決定案というものが出されました。その中に「社会保障」というところがございますので、ここに書かれていることからまず御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず初めに、この中に「十年度予算については、一般歳出を対九年度比マイナスとすることとしていることを踏まえ、約八千億円超の当然増について五千億円を上回る削減を行う」というふうに書いてあるわけなんですね。十年度は八千億の自然増があるだろうということだと思うんですが、この八千億の自然増と見込まれる内訳、それはどうなっておりますか。
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中西明典#25
○政府委員(中西明典君) 平成十年度につきましては、御指摘のとおり、九年度に比べまして当然増八千億円超が見込まれるわけでございますが、その内訳につきましては、年金等に関する当然増が約千五百億、医療に関する当然増が約五千五百億、福祉等に関する当然増が約一千億円、かように見込んでおるところでございます。
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田浦直#26
○田浦直君 今、改正案が出されておりますね。それで生じる財政効果というのがあると思うんですが、それは大体どのくらいなのか、そしてその金額は今御説明の中に含まれておるのかどうかをまずお尋ねしたい。
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中西明典#27
○政府委員(中西明典君) 極めて厳密に計算されたわけではございませんが、今回の健保法改正に伴う、この法案が通ったとした場合の、平年度化といいますか、それのはねというのは当然、当然増としてはね返ってくるというふうに考えております。
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田浦直#28
○田浦直君 今、この改正案で平成十年度改善される金額というのは大体お幾らと見込んでいるんですか。
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高木俊明#29
○政府委員(高木俊明君) 今度の改正で修正等がありましたから相当財源的には縮減されておるわけでありますけれども、制度改正を行わなかったとした場合には六兆九千億円ほどの、これは平成九年度ベースでありますが、平成九年度もし改正を行わないとしたら六兆九千億ぐらいの国庫負担が必要となる。それに対して、制度改正を行うことによりまして国庫負担で六兆七千六百億ぐらいに減ってくるだろうと。そうすると、その差というのが一千四百億というふうに考えておるわけであります。
 それで、それが全体的に織り込まれた形で平成十年度は伸びを考えておりますから、その程度の分が制度改正が行われたことによって平成十年度は国庫負担が減っておる、こういうふうな計算になっておると思います。
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