日米防衛協力のための指針に関する特別委員会

1999-03-18 衆議院 全340発言

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会議録情報#0
平成十一年三月十八日(木曜日)
    午前八時五十分開議
  出席委員
   委員長 山崎  拓君
   理事 赤城 徳彦君 理事 大野 功統君
   理事 玉沢徳一郎君 理事 中谷  元君
   理事 中山 利生君 理事 畑 英次郎君
   理事 前原 誠司君 理事 遠藤 乙彦君
   理事 東  祥三君 理事 西村 眞悟君
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      浅野 勝人君    石川 要三君
      今村 雅弘君    岩下 栄一君
      大石 秀政君    大島 理森君
      河井 克行君    瓦   力君
      栗原 裕康君    小島 敏男君
      阪上 善秀君    桜田 義孝君
      田村 憲久君    西川 公也君
      萩山 教嚴君    福田 康夫君
      細田 博之君    宮腰 光寛君
      宮島 大典君    八代 英太君
      吉川 貴盛君    米田 建三君
      伊藤 英成君    上原 康助君
      岡田 克也君    桑原  豊君
      玄葉光一郎君    土肥 隆一君
      横路 孝弘君    赤松 正雄君
      市川 雄一君    佐藤 茂樹君
      山中あき子君    井上 喜一君
      達増 拓也君    木島日出夫君
      佐々木陸海君    東中 光雄君
      伊藤  茂君    辻元 清美君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  小渕 恵三君
        法務大臣    陣内 孝雄君
        外務大臣    高村 正彦君
        大蔵大臣    宮澤 喜一君
        文部大臣
        国務大臣
        (科学技術庁長
        官)      有馬 朗人君
        厚生大臣    宮下 創平君
        農林水産大臣  中川 昭一君
        通商産業大臣  与謝野 馨君
        運輸大臣
        国務大臣
        (北海道開発庁
        長官)     川崎 二郎君
        郵政大臣    野田 聖子君
        労働大臣    甘利  明君
        建設大臣
        国務大臣
        (国土庁長官) 関谷 勝嗣君
        自治大臣
        国務大臣
        (国家公安委員
        会委員長)   野田  毅君
        国務大臣
        (内閣官房長官
        )
        (沖縄開発庁長
        官)      野中 広務君
        国務大臣
        (総務庁長官) 太田 誠一君
        国務大臣
        (防衛庁長官) 野呂田芳成君
        国務大臣
        (経済企画庁長
        官)      堺屋 太一君
        国務大臣
        (環境庁長官) 真鍋 賢二君
        国務大臣
        (金融再生委員
        会委員長)   柳沢 伯夫君
 出席政府委員
        内閣官房内閣安
        全保障・危機管
        理室長
        兼内閣総理大臣
        官房安全保障・
        危機管理室長  伊藤 康成君
        内閣法制局長官 大森 政輔君
        内閣法制局第一
        部長      秋山  收君
        内閣法制局第二
        部長      宮崎 礼壹君
        防衛庁長官官房
        長       守屋 武昌君
        防衛庁防衛局長 佐藤  謙君
        防衛庁運用局長 柳澤 協二君
        防衛庁人事教育
        局長      坂野  興君
        防衛施設庁長官 大森 敬治君
        防衛施設庁総務
        部長      山中 昭栄君
        防衛施設庁施設
        部長      宝槻 吉昭君
        外務省総合外交
        政策局長    加藤 良三君
        外務省アジア局
        長       阿南 惟茂君
        外務省北米局長 竹内 行夫君
        外務省条約局長 東郷 和彦君
        大蔵省国際局長 黒田 東彦君
        厚生省健康政策
        局長      小林 秀資君
        運輸省運輸政策
        局長      羽生 次郎君
        運輸省港湾局長 川嶋 康宏君
        運輸省航空局長 岩村  敬君
        海上保安庁長官 楠木 行雄君
        労働大臣官房長 野寺 康幸君
        建設省河川局長 青山 俊樹君
        建設省道路局長 井上 啓一君
        自治大臣官房総
        務審議官    香山 充弘君
 委員外の出席者
        衆議院調査局日
        米防衛協力のた
        めの指針に関す
        る特別調査室長 田中 達郎君
委員の異動
三月十八日            
 辞任         補欠選任
  相沢 英之君     岩下 栄一君
  平林 鴻三君     吉川 貴盛君
同日               
 辞任         補欠選任
  岩下 栄一君     栗原 裕康君
  吉川 貴盛君     今村 雅弘君
同日               
 辞任         補欠選任
  今村 雅弘君     平林 鴻三君
  栗原 裕康君     相沢 英之君
同日
 理事東祥三君同日理事辞任につき、その補欠として西村眞悟君が理事に当選した。
二月十九日
 日米物品役務相互提供協定の改定反対に関する請願(中路雅弘君紹介)(第六二〇号)
 同(古堅実吉君紹介)(第六五三号)
 周辺事態法などの制定反対に関する請願(佐々木陸海君紹介)(第六四二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第六七一号)
 新ガイドラインの廃棄に関する請願(保坂展人君紹介)(第七二二号)
 新ガイドライン関連法制定反対に関する請願(濱田健一君紹介)(第七七二号)
同月二十五日
 日米物品役務相互提供協定の改定反対に関する請願(平賀高成君紹介)(第七八七号)
 同(中路雅弘君紹介)(第八八八号)
 同(中林よし子君紹介)(第八八九号)
 周辺事態法などの制定反対に関する請願(平賀高成君紹介)(第八八四号)
 同(中路雅弘君紹介)(第九〇六号)
 同(中林よし子君紹介)(第九〇七号)
 新ガイドライン関連法制定反対に関する請願(古堅実吉君紹介)(第八八五号)
 同(知久馬二三子君紹介)(第九五三号)
 新ガイドラインの廃棄に関する請願(辻元清美君紹介)(第八九〇号)
 同(土井たか子君紹介)(第九一六号)
三月五日
 新ガイドラインと有事法制化反対に関する請願(土井たか子君紹介)(第九八四号)
 新ガイドラインに基づく周辺事態法などの制定反対に関する請願(穀田恵二君紹介)(第九八五号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第九八六号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第九八七号)
 同(中島武敏君紹介)(第九八八号)
 同(東中光雄君紹介)(第九八九号)
 同(松本善明君紹介)(第九九〇号)
 同(大森猛君紹介)(第一一二〇号)
 同(金子満広君紹介)(第一一二一号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一一二二号)
 同(児玉健次君紹介)(第一一二三号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第一一二四号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第一一二五号)
 同(辻第一君紹介)(第一一二六号)
 同(中路雅弘君紹介)(第一一二七号)
 同(平賀高成君紹介)(第一一二八号)
 同(不破哲三君紹介)(第一一二九号)
 同(藤木洋子君紹介)(第一一三〇号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一一三一号)
 同(松本善明君紹介)(第一一三二号)
 新ガイドライン・有事法制化反対に関する請願(畠山健治郎君紹介)(第一〇〇七号)
 同(畠山健治郎君紹介)(第一〇一九号)
 同(保坂展人君紹介)(第一〇二〇号)
 同(横光克彦君紹介)(第一〇二一号)
 同(畠山健治郎君紹介)(第一〇三三号)
 同(濱田健一君紹介)(第一〇三四号)
 同(保坂展人君紹介)(第一〇三五号)
 同(横光克彦君紹介)(第一〇三六号)
 同(土井たか子君紹介)(第一〇四八号)
 同(畠山健治郎君紹介)(第一〇四九号)
 同(畠山健治郎君紹介)(第一〇六六号)
 同(保坂展人君紹介)(第一〇六七号)
 同(畠山健治郎君紹介)(第一一三三号)
 同(保坂展人君紹介)(第一一三四号)
同月十二日
 有事法制化反対に関する請願(保坂展人君紹介)(第一一九九号)
 新ガイドライン・有事法制化反対に関する請願(辻元清美君紹介)(第一二〇〇号)
 同(保坂展人君紹介)(第一二〇一号)
同月十八日
 新ガイドラインに基づく周辺事態法などの制定反対に関する請願(金子満広君紹介)(第一三六九号)
 同(児玉健次君紹介)(第一三七〇号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第一三七一号)
 同(中林よし子君紹介)(第一三七二号)
は本委員会に付託された。
三月九日
 ガイドライン関連法案の慎重審議に関する陳情書(第一〇八号)
 周辺事態法の制定反対に関する陳情書外五件(第一〇九号)
は本委員会に参考送付された。
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件(第百四十二回国会条約第二〇号)
 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案(内閣提出、第百四十二回国会閣法第一〇九号)
 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百四十二回国会閣法第一一〇号)
    午前八時五十分開議
     ――――◇―――――
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山崎拓#1
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事東祥三君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山崎拓#2
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山崎拓#3
○山崎委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に西村眞悟君を指名いたします。
     ――――◇―――――
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山崎拓#4
○山崎委員長 第百四十二回国会、内閣提出、日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の各案件を一括して議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。高村外務大臣。
    ―――――――――――――
 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件
 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案
 自衛隊法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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高村正彦#5
○高村国務大臣 ただいま議題となりました日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を説明申し上げます。
 政府は、平成九年九月に公表した新たな日米防衛協力のための指針の実効性の確保のため、周辺事態、すなわち我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態が生じた際に活動する日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間の物品または役務の相互の提供を行い得るようにするため、平成八年に締結した現行協定を改正する協定を締結することにつき、アメリカ合衆国政府との間で交渉を行いました。その結果、平成十年四月二十八日に、東京でこの協定に署名を行った次第であります。
 この協定は、日米共同訓練、国際連合平和維持活動または人道的な国際救援活動に必要な物品または役務の提供について、現行協定が定める自衛隊と米軍との間の相互主義の原則に基づく枠組みを周辺事態に際しても適用し得るようにするため、現行協定を改正するものであります。この協定により、自衛隊は、周辺事態において、周辺事態に対処するための我が国の措置について定めた関連の法律に従って米軍に対し物品または役務を提供し、当該法律によって認められた自衛隊の活動に関し米軍から物品または役務を受領することができることとなります。
 この協定により、周辺事態に際して活動する自衛隊と米軍との間の物品または役務の相互の提供の基本的条件が定められ、我が国の平和及び安全の維持に寄与することになると考えます。
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山崎拓#6
○山崎委員長 次に、野呂田防衛庁長官。
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野呂田芳成#7
○野呂田国務大臣 まず、ただいま議題となりました周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態、すなわち周辺事態に際しまして、当該事態に対応して我が国が実施する措置、その実施の手続その他の必要な事項を定めることを内容としております。
 平成九年九月に日米安全保障協議委員会で了承され、安全保障会議の了承を経て、閣議報告された新たな日米防衛協力のための指針は、より効果的かつ信頼性のある日米防衛協力のための堅固な基礎を構築することを目的としており、同指針の実効性を確保することは、我が国の平和と安全を確保するための態勢の充実を図る上で重要であります。このような観点から、平成九年九月二十九日の閣議決定において、指針の実効性を確保し、もって我が国の平和と安全を確保するための態勢の充実を図るため、法的側面を含め、政府全体として検討の上、必要な措置を適切に講ずることとされ、これを受けて、政府全体として鋭意検討してきたところであります。
 本法律案は、こうした検討の成果を踏まえ、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して我が国が実施する措置等を定め、もって我が国の平和及び安全の確保に資することを目的として提案するものであります。
 以上が、この法律案の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一に、政府が周辺事態に際して、適切かつ迅速に対応措置を実施し、我が国の平和及び安全の確保に努めること、対応措置の実施は武力による威嚇または武力の行使に当たるものであってはならないこと、及び関係行政機関の長は相互に協力すること等の対応の基本原則を定めております。
 第二に、周辺事態に際して一定の後方地域支援、後方地域捜索救助活動及び船舶検査活動を実施することが必要な場合には、閣議の決定により基本計画を定めることとしております。
 第三に、自衛隊による後方地域支援としての物品及び役務の提供、後方地域捜索救助活動及び船舶検査活動の実施等を定めております。
 第四に、関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、対応措置を実施することとしております。
 第五に、関係行政機関の長は、地方公共団体の長その他の国以外の者に対し必要な協力を求め、または依頼することができること、及びその協力により損失を受けた場合には、政府はその損失に関し必要な財政上の措置を講ずることとしております。
 第六に、内閣総理大臣は、基本計画の決定または変更があったときは、その内容を遅滞なく国会に報告しなければならないこととしております。
 第七に、後方地域捜索救助活動または船舶検査活動を行っている者の生命等を防護するために、必要最小限の武器の使用ができることとしております。
 以上が、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 次に、自衛隊法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 外国における緊急事態に際して防衛庁長官が行う在外邦人等の輸送について、平成八年来政府部内で進めてきた緊急事態対応策の検討結果を踏まえ、在外邦人の輸送体制の強化を図るため、また、新たな日米防衛協力のための指針において、周辺事態における日米間の協力の一つとして非戦闘員を退避させるための活動が挙げられたことを受け、その実効性を確保するため、在外邦人等の輸送手段に船舶等を加えるとともに、輸送の職務に従事する自衛官が隊員及び輸送対象である邦人等の生命等の防護のための必要最小限の武器使用ができることとする必要があります。
 以上が、この法律案の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一に、在外邦人等の輸送手段の追加でございます。
 現行法においては、輸送手段は、まず自衛隊法第百条の五第二項の規定により保有する航空機、すなわち政府専用機等であり、空港施設の状況等により、その他の輸送の用に主として供するための航空機も使用できることとされておりますが、これに加え、輸送の対象となる邦人の数等の事情に応じて、在外邦人等の輸送に適する船舶及び当該船舶に搭載された回転翼航空機を用いることができることとするものであります。
 第二に、武器の使用に関する規定の新設でございます。
 緊急事態が生じている外国において輸送の職務に従事する自衛官が、自己もしくは自己とともに当該職務に従事する隊員または保護のもとへ入った当該輸送の対象である邦人等の生命等の防護のため、やむを得ない場合に武器を使用することができることとするものであります。
 以上が、自衛隊法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
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山崎拓#8
○山崎委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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山崎拓#9
○山崎委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野功統君。
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大野功統#10
○大野(功)委員 おはようございます。自由民主党の大野功統でございます。
 いよいよ、待ち焦がれておりましたガイドライン法案の審議入りでございます。何しろ、橋本前総理とアメリカのクリントン大統領が、ガイドラインをつくろうではないか、こういうことで共同宣言を発表いたしましたのが三年前でございます。それを受けて、ガイドライン関連法案等が国会に提出されましたのが去年の四月二十八日でございます。それから一年たっております。
 すぐにでも採決、こういう心がはやるのでございますが、やはりこれは、二十一世紀の日本の安全保障をどうしていくのか、その枠組みをどうするのか、こういう極めて大事な問題でございますから、十分審議をしていただいて、その上で幅広い支持をちょうだいしたい。大事な問題ですから、五十一対四十九なんというマージナルな支持じゃなくて、幅広い支持をお願いして、そして早く成立してもらいたい、こういう期待でいっぱいでございます。
 これまでも、審議という点に関しましては、予算委員会等でかなり審議されておるような状態だと思います。審議というよりも、討議されているというような状態だと思います。考えてみますと、ガイドライン関連法案等の持ついろいろな側面、問題点、これはかなり浮き彫りにされてきているのではないか。例えば、国会の承認をどうするか、安全保障条約の目的の範囲内かどうか、これを明記するのかどうか、あるいは後方地域支援の問題、後方地域捜索救助活動の問題、あるいは民間との協力、地方公共団体との協力問題、問題点の所在はかなり明らかになってきていると思います。
 そこで私は、少し視点を変えまして、このガイドライン関連法案のよって立つ背景を少し議論させていただきたい、このように思うわけでございます。
 背景の第一は、何といっても、日本の安全保障の枠組みの中でこのガイドライン関連法案等というのはどういう位置づけにあるのだろうか、こういう問題であります。それが第一。それから第二は、このガイドラインというのが歴史の流れの中でどのような意味づけ、意義づけがあるのか、こういう二点でございます。
 まず第一の、今のガイドライン関連法案等、これが現在の日本の安全保障の政策あるいは枠組みの中でどういう位置づけにあるのか、こういう問題について質問をさせていただきたいと思います。
 思い出してみますと、ちょうど四年前になりますけれども、当時私は、自由民主党の国防部会長をしておりました。そして、自衛隊をゴラン高原のUNDOF、国連平和維持活動に参加させるべきかどうか、こういうことの下調査のためにゴラン高原に調査に参りました。当時のイスラエルのラビン首相にお目にかかったわけでございます。そのとき、ラビン首相の言葉で、私は、恐らく生涯忘れ得ないだろう、こういう言葉を聞きました。
 これは、きょうガイドライン特別委員会の理事をされております前原先生も御一緒させていただいておりますから、よく覚えていらっしゃると思いますけれども、ラビン首相いわく、平和を維持するということは血を流さないで済むのだ、だから、日本は一生懸命この分野で頑張ってほしい、しかし、平和をつくるということについては、血を流さなければいけない場合もあるのだ、こういうお話でございました。私は、大変感銘を受けました。そしてまた、ラビン首相は、こういう言葉を私どもに教えてくれて、その後数カ月で凶弾に倒れて、みずから血を流されたわけでございます。
 私はそういう意味で、やはり安全保障を考える場合に、安全保障の環境づくりに一生懸命頑張っていかなければいけない、このことをまず忘れてはならないというふうに思うわけでございます。
 ピースキーピング、血を流さないで済むというピースキーピングの問題であります。それは外交努力であり、あるいは安全保障対話の問題であり、あるいは人的交流の問題かと思います。あすからまた、小渕総理には、韓国へいらっしゃって金大中大統領にお会いになるそうでございますが、こういうふうに首脳同士が会う、これは物すごい安全保障環境をよくするための努力であると思っております。
 こういう意味で、これまでも小渕政権のもとであらゆる環境づくりをなさってきていらっしゃるわけでありますけれども、小渕総理にお伺いしたいのです。もし、二十一世紀の安全保障環境づくりの中で、いっぱいあると思います。これだけは、この一つだけは絶対にやりたい、こういういわば信頼醸成、小渕ガイドラインみたいなものの中で小渕ガイドライン・ナンバーワンがございましたら、ぜひともお示しをちょうだいできればありがたいと思います。
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小渕恵三#11
○小渕内閣総理大臣 一つだけと問われますとなかなか難しい問題だろうと思いますけれども、やはり平和を志向される国々と緊密な連携をとることが大切だと思っておりますが、それには、何よりもまず、我が国としては、我が国民がみずからの国をみずからで守るというきちんとした姿勢を保つということが大切なことではないかと考えております。
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大野功統#12
○大野(功)委員 大変難しい質問をさせていただいたのですが、私簡単に、もっと単純に考えますと、人的交流、これはこれから日本はやっていかなければいけないな。例えば留学生問題でございます。例えば、石油危機のときに、アラブ諸国と人的交流がなかったがゆえに、石油の獲得がなかなかできなかったというような問題。それから、留学生というのを考えてみますと、留学生はやはり未来からの大使である、さらに、留学生というのは将来の安全保障になるのではないか、こういうことであります。
 また、私自身、フルブライトの留学生でございましたけれども、今、フルブライトの留学生計画そのものが、ことしのノーベル平和賞にしようということで運動が起こっておりますけれども、やはりこの日本の人的ネットワークを世界に張りめぐらす、これがやはり私は平和の基礎、いわば安全保障環境をつくっていく上で一つの問題点かな、こんなふうに思っていますので、留学生問題もよろしくお願い申し上げます。
 それがいわば安全保障全体の枠のピースキーピングの問題でありますが、今度はピースメーキングの問題。これはラビン首相に言わせますと、場合によっては血を流さなければいけない問題だ、こういうことでございます。ただ、日本には憲法上、集団的自衛権は行使できない、こういう問題があるわけでございます。一生懸命安全保障の環境をよくする努力はする、しかし、火事は出さないようにしても火事が出る場合がある、そういうときに、一体どういうふうに考えていけばいいのか。基本的な原則は、集団的自衛権は行使できないわけでございます。
 今の安全保障条約ができた際に、当時、六〇年でございますが、岸総理の説明で、自衛隊が日本の領土外に出て実力を行使することはいかなる場合もあり得ない、こういうふうに説明しておられるわけでございます。
 今回の法律につきましても、法律第二条で、武力による威嚇、武力の行使に当たるものであってはならない、こういうことがきちっと書いてありますし、武器の使用についても限定的にやるんだ、こういうことがきちっと書いてあるわけであります。
 そういうことで、これはもう確認するまでもないことでございますけれども、そういうような原則をやはりきちっと今回のガイドライン関連法案につきましても守っていくんだ。我々としては、集団的自衛権の問題はもっともっと議論して理解を深めていかなきゃならない問題だと思いますけれども、今までの解釈でありますと、権利は、集団的自衛権はあるんだけれども、持っているんだけれども、憲法上それは行使できないんだ。そういうことで、その思想が一貫して今回の法律にも貫かれている、こういうことを、確認するまでもないことでありますが、確認をさせていただきたいと思います。
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佐藤謙#13
○佐藤(謙)政府委員 今先生から御指摘がございましたように、法案の第二条におきまして「対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」と、周辺事態への対応の基本原則を記しているわけでございますし、実際のその内容につきましても、例えば後方地域支援につきましては、その行為自体が武力行使に当たるものでもなく、また後方地域で行われる等という要件から考えまして、武力行使とまた一体化するおそれもない、こういう内容のものでございます。
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大野功統#14
○大野(功)委員 それから、今回の法律というのは、いわばそういう全体の枠組みの中で日米の防衛協力をする枠組みを決めている、その枠組みのマニュアルを決めているわけでございます。
 そういうことで考えていきますと、これまでの日米の関係というのは、日本は安保条約の五条で守ってもらう、そのかわりに日本は施設・区域を提供する、言ってみれば人と物との協力関係であったというふうにも見られるわけであります。しかしながら、これからは平和づくりに、ピースメーキングに日本の人も協力するんだ、こういうことで、大変大きな意味を持っていると私は思うのであります。
 この協力のマニュアルがそういうふうになることによって、やはり何だか他人任せにした平和づくりというものを自分のものとして考えるような大きな突破口になっていくんじゃないか。日本人が、これまでは日本以外で起こっていることはもう全く関心がない、こんな心から、やはりその心が変わっていって、他人任せであってはならないんだ、これはマニュアルの態勢の整備でございますけれども、態勢の整備が心の整備になっていくんじゃないか。国を守るということをもっともっと真剣に考えていく、家族を守るということをもっともっと真剣に考えていく、そしてアメリカの青年と共通の価値観を持っていく、こういうふうになっていく物すごく大きなきっかけになっていくのではないか、このように思うわけでございます。
 総理にお伺いしますが、私はそういうふうに思っているのであります。ガイドラインの議論というのが、日本人のあり方を考える上で、日本人の自立した精神を築く上で非常に大きな意味になるんじゃないか、このように思うわけでございますが、総理の御所見をお聞かせください。
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小渕恵三#15
○小渕内閣総理大臣 今般の新たな日米防衛協力のための指針は、冷戦終結後も依然として不確実、不安定性が存在している中で、日米安保条約に基づく日米安保体制のより円滑かつ効果的な運用を確保するため策定されたものであります。同指針におきましては、日米両国政府がおのおのの判断に従い、日米協力のための効果的態勢の構築のための努力を具体的な政策や措置に反映させる旨がうたわれておるところでございます。
 また、同指針の実効性を確保するために作成されました周辺事態安全確保法案は、周辺事態に対応するために必要な措置等を定め、我が国の平和と安全の確保に資することを目的とするものであり、このような日米安保体制のより効果的な運用を確保し、我が国に対する武力攻撃の発生等を阻止することに資するものであります。
 このような現在国会にお諮りしている法案等は、大野議員御指摘のとおり、あくまでも我が国の自主的判断に基づき行う法整備の一環でございます。
 政府として、今後とも、御指摘の点も念頭に置きつつ、さまざまな機会をとらえまして、近隣諸国に対ししかるべき説明をしてまいりたいと考えております。
 今、大野委員御指摘の、心の問題と言われますことはなかなか難しい問題でございますが、いずれにいたしましても、日米相協力してこの極東の平和と安全に資する目的でもって日米安保条約がありますし、今度のガイドラインは、特に我が国の平和と安全に対しての責任を負うということを確実性あるものにしようということでございます。
 そこには当然、私としては、委員のおっしゃるように相ともに協力していくという意味で、心の問題というのがちょっと説明がなかなかしにくいところではございますけれども、両国が相協力、同盟的な立場で協力し合うというところに、根底として信頼感あるいは心の問題と申しますか、こうした一致点がなくしては、あくまでも条約の法文だけの問題ではない。そこには、両国ともしっかりとした基盤があり、我が国としてもそうした精神を持って、あくまでも、でき上がりますガイドラインも心がこもったものでなければ当然その効果を発揮し得ないものだ、こう認識をいたしております。
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大野功統#16
○大野(功)委員 ただいま総理から、心のこもったものでなければなかなか協力の実が上がらないんじゃないか、こういう御答弁をちょうだいしまして、我が意を得たりと本当にうれしく思う次第でございます。
 次に、周辺事態が起こった場合に、あらゆる努力をした上でこういう事態になる、こういうことでありますけれども、まずいきなり発動するわけではありません。
 第一に、この地域でどうも火種があるな、危険が増してくるな、こういう情報が必ずあるわけでございます。ですから、情報の交換が第一段階だと思います。
 そして、第二段階として、その情報を分析する、分析の結果危機管理をする。それは、日米共同で、その地域と、これはやはり外交交渉なりそういう安保対話なりの問題でありますが、安定化の努力をする。この危機管理が第二の段階。
 それから、第三段階では、やはり日米で共同作戦をつくっていかなきゃいけない。そして、いよいよどうしても抑止できない場合に初めてこの作戦の開始、こういうことになろうかと思うのであります。
 事前協議の問題で、今までの日米安保条約では、例えば区域・施設の変更とか出動とか、そういうときに事前協議という言葉が使われております。しかし、もっともっと事前協議を幅広くする、日米間で協力する。そういう意味では、実施段階、実行段階で初めて事前協議が出てくるのではなくて、情報の交換の段階から、初めの段階からそういう協議を密接にしていく。いわばこれも事前協議と言っていいんじゃないかと私は思いますが、そういうことがこれから物すごく大事になってくるんじゃないか。
 そうしますと、全体の情報交換のところから始まって実際に出動するまでの全体の調整、日米間の調整のメカニズムは一体どうなるのだろうか。それから、共同作戦をつくる場合に、別に日本の自衛隊とアメリカの軍隊との統合的な指揮官がいるわけではありません。したがって、具体的に、どういうレベルでどういうぐあいに共同作戦がつくられるのだろうか、太平洋軍まで巻き込むのか、統合参謀本部まで巻き込んでいくのかどうか、こういうことが疑問になるわけであります。
 まず第一に、事前協議はぜひとも情報交換の段階からやっていただきたい、これについての御所見。それから二番目に、全体の調整のメカニズムはどうなるのだろうかという問題。それから三番目に、共同作戦は日米どういうレベルで行われるのか。この三つについてお答えをいただきたいと思います。
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高村正彦#17
○高村国務大臣 事前協議のことだけ私に答えさせていただいて、後また防衛庁長官が答えるということでございますが、安保条約に言う事前協議というのは、三つのことが規定されていますが、米国側が日本に事前協議をしなければいけない、そして、日本がイエスと言った場合でないとアメリカはやってはいけないということが事前協議の定義になっているわけで、そのほかに随時協議というのが安保条約四条にあって、そのことで、今委員がおっしゃったような情報の交換等を随時やっているということだけ申し上げておきたいと思います。
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野呂田芳成#18
○野呂田国務大臣 日米間におきましては、日米安保体制のもと、大臣レベルの安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2と言っているものでございますとか、安全保障高級事務レベル協議、SSCと言っているものなど、平素からいろいろなレベルでの安全保障上の情報交換や意見交換を行ってきているところでございます。
 我が国に対して武力攻撃が行われた場合とか、今委員が御指摘のとおり、周辺事態等に際しては、随時密接に行われるこれらの情報交換や意見交換等が一層緊密に行われるということになります。このような事態についての共通の認識に到達するための努力が払われる、こういうことは当然でございます。その点は、日米防衛協力のための指針にも明記されているところでございます。
 また、新たな指針には、先ほどもお話がございました、緊急事態に円滑かつ効果的に対応し得るように、平素から日米間で共同作戦計画及び相互協力計画について検討を行うことも述べられているところであり、それらについても目下協議を重ねつつあるところであります。
 さらに、新たな指針においては、緊急事態に際して日米がおのおの行う活動の間の整合を図るとともに、適切な日米協力を確保するために、このような事態に際し日米が行う活動の相互間の調整を行うためのメカニズムとして、調整メカニズムを平素から構築しておくこととされているところであります。
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大野功統#19
○大野(功)委員 ただいまの調整メカニズム、現状はよくわかりましたけれども、私は、このガイドライン関連法案等が成立するに当たりまして、この調整メカニズムを、もっともっと新しく強い、日米の連帯を強めるためのメカニズムをつくってもらいたいな、こういうことでございます。
 それによりまして、今、随時行われていることは十分わかりましたけれども、それを制度化していく、こういうことについてはいかがお考えでございましょうか。
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野呂田芳成#20
○野呂田国務大臣 御指摘のように、一層そういうものを継続、反復して強化してまいりたいと思っております。
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大野功統#21
○大野(功)委員 ありがとうございました。
 次に、協力の枠組みの中で一つの問題点は、これはマニュアル、つまり手続も含めたマニュアルでありますから、極めて透明性が要求されると思うのであります。具体性が要求されると思うのであります。国民としては、なるべく透明にしてもらいたい、具体的にしてもらいたい。しかしながら、第一線の指揮官から見ると、余り具体的に書かれたら身動きができないのかな、こういう問題も出てこようかと思います。しかしながら、マニュアルがあるからこそ、現場の指揮官もそのマニュアルに沿って、新しい、全く予測していなかったことが起こりましても対応ができる、こういうふうにも思うわけであります。
 今度のマニュアルを見てみますと、例えば対外的な面、つまり後方地域支援とか後方地域捜索救助活動、船舶検査活動、これにつきましては、それぞれ別表一、別表二でわかりやすく書いてあるわけであります。したがいまして、わかりやすく書くことによって、諸外国の無用の不信感は出てこないと私は思いますし、また、戦争に巻き込まれるんだなどという議論をする向きもありますけれども、これがあるために歯どめがきちっとかかっている、このように理解して、私は評価するものであります。
 しかしながら、対内的な点、つまり、民間に協力を求める、あるいは地方公共団体に協力を求める、この点については必ずしも透明性がないような気がするわけであります。もちろん、法律の専門家でありますと、この対内的な問題というのは、日米地位協定に根差すものであり、あるいは、例えば港湾法、航空法にきちっと規定しているということでわかるわけでありますが、国民すべてが法律の専門家ではありません。
 そこで、この法律を、ガイドライン関連法案等だけを見たら、対内的な部分、地方公共団体に対する協力の要請あるいは民間に対する協力の要請、この部分は不透明なところが多いのじゃないか、このように思うわけであります。私は、この点をもっともっと透明にしていただく努力があってしかるべきだというふうに思うわけでありますが、この点はどういうふうにお考えでございましょうか。
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野呂田芳成#22
○野呂田国務大臣 御指摘のようなことは考えられることでありますけれども、周辺事態でどういう事態が生起するかということは、必ずしも、あらかじめ予想することができるわけでもございません。だから、その事態に対してどういう協力を求め、または協力を依頼することが起こるかということは、あらかじめ全部網羅的に特定することは困難であると思います。
 そこで、政府は一応、関係者が集まって、この協力を求める十項目等の事項が原形であるというような考え方で、地方公共団体にも示しているわけでございます。
 何とか、予算委員会でもいろいろ議論になりましたが、例えば輸送等に関しては、運輸大臣から、ある種のマニュアルをつくって、そういうものを少しわかりやすくしたいという御発言もありましたし、私どももさらに、こういった点については、協力を求められる側に対しまして、もう少しわかりやすいような方法を用いて徹底してまいりたい、こういうふうに考えております。
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大野功統#23
○大野(功)委員 わかりやすい、透明性のあるマニュアルとなるよう期待しております。
 あと、枠組みの問題で、例えば国会の承認とかそういう問題もお伺いしたいのでありますけれども、時間がございませんので、第二の側面でございます、歴史の流れの中でこのガイドラインがどういう意義を持つものであるか、この点について御質問をさせていただきます。
 歴史の流れの中で、日本の防衛というのは、国連というものがあって、そして日米安保体制、日米二国間同盟体制というのがあって、そして冷戦の終了があって現在に至っているわけでございます。
 そこで、今、日本の体制を考えますと、戦後の国連第一主義、日米安保条約もそういう節があるわけでありまして、同盟関係でございますけれども、例えば第五条を見ましても、アメリカの行動というのは、安全保障理事会が国際の平和と安全を回復し及び維持するために必要な措置をとったときには終了だ、こういうふうに書いてあるわけでありまして、国連が出てくるまでの間、日米安保がある、こういう建前になっております。その後の国連の役割、例えば、現実には国連軍が存在しない、あるいは大国がビートー、拒否権を持っている、こういうことで、現実にはなかなか動きにくいところはありますけれども、やはり国連の傘というのがあって、その中で同盟関係がある。
 では、その重みはどうなんだ、こういうことでありますけれども、キーワード、例えば安全保障条約と国際連合とそれから憲法という言葉、これが私は日本の安全保障におけるキーワードだと思っておりますが、そのキーワードが使われている回数をちょっと見てみますと、日米安保条約では、日米安保という言葉は六回使われております。国際連合という言葉は十一回使われております。憲法は三回使われております。わずか十条ばかりの安保条約でございますけれども、憲法は三回使われております。
 それが新ガイドラインになりますと、安保条約では六回使われておりました日米安保という言葉が十四回使われておりまして、憲法という言葉は一回。国際連合という言葉は、安保条約では十一回使われておりましたが、今度の新ガイドラインでは四回しか使われていない。安保条約という言葉は使われ方がだんだんふえておりますけれども、国際連合という言葉の使われ方は減ってきている、こういう現象でございます。
 そのことは、いわば日本の歴史を振り返ってみましても、日英同盟の二十年間、日本は大変平和を享受できたわけであります。また、日米同盟の、日米安保条約の四十年間、これも大変な平和を享受できているわけでございます。しかも、日米同盟というのがアジアにおける公共財とまで言われるようになった、アジアにおける安全と平和のインフラとまで言われるようになってきております。
 そういう意味で、ちょっとお尋ね申し上げたいのでありますが、二国間同盟の重要性がますますふえている、そして、これまでのガイドラインになかった周辺事態のところが今回の措置で埋まってきている、こういうことから、私は、今回のガイドラインというものが、アジア太平洋の平和のために日本とアメリカが協力して努力しているんだという物すごく強いメッセージになるのではないか。それから、日本が周辺諸国の潜在的な危機や地域紛争あるいは人道的危機、自然災害というものに対して、日本なりの努力、日本のやり方での努力、これをアメリカと協力して一生懸命やっていくんだ、こういう強いメッセージになっていくのではないか、このように思っておりますが、いかがでございましょうか。
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高村正彦#24
○高村国務大臣 現在お諮りしているガイドライン関連法案等でありますが、冷戦終結後も依然として不安定、不確実な要因が存在する中で、まさに委員がおっしゃるように、日米安保体制のより効果的な運用を確保して、我が国に対する武力攻撃の発生等を抑止することに資するものであります。
 我が国の平和と安全に重要な影響を与える周辺事態が生起した場合、米軍は、事態の拡大の抑止、収拾のため種々の活動を行うことが想定されるわけでありますが、このような米軍に対し、委員が御指摘のとおり、我が国が何らの協力も行えないとすれば、事態はさらに拡大しますし、我が国の平和と安全に一層深刻な影響が及ぶこととなるおそれがあるわけであります。したがいまして、周辺事態における我が国の対米協力というのは、まさに我が国の平和と安全の確保に資するものであると考えます。
 ただ、委員がおっしゃった、安保条約と国連との重みがどうだというお話でありますが、この二つが相反するものであれば、どっちをとるかという話になるわけでありますが、全く相反するものでなくて、安保条約も国連憲章の枠内ということでございますから、どちらも大切だということで一貫しているわけでございます。
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大野功統#25
○大野(功)委員 ただいま外務大臣から、国連と日米安保条約、マルチとバイ、両方とも大切なんだとおっしゃってくださいました。私も全く同感でございますけれども、世の中には往々にして、マルチとバイというのはゼロサムゲームである、こういうふうに解釈する向きがあります。私は、もう日本の今の安保体制、国連という非常にきれいな理想的な着物を着た二国間同盟関係だ、すばらしいできぐあいだなと思っております。そういう関係を今後とも引き続いて努力して維持していかなきゃいけない、このようなことだと思っております。
 そこで、次に、キーワードとして、今回も、周辺事態とは何だ、周辺とは何だという議論が随分予算委員会でもありました。例えば、この場合のキーワードは極東であります。これは安保条約に出ております。それから周辺という言葉であります。アジア太平洋という言葉であります。ちょっと見てみますと、安保条約では極東という言葉が三回使われております。その間に防衛大綱で一回使われております。新ガイドラインではもう使われなくなっております。それから、周辺という言葉でありますが、安保条約では使われておりませんが、新ガイドラインでは二十八回使われております。アジア太平洋地域、私が一番好きなキーワードでありますけれども、これは日米安保条約では全く使われておりませんで、日米安保共同宣言で十二回使われておる、こういうことになっております。
 言葉だけでとらえますと、アジア太平洋というのが一番大きな概念で、その次に極東があって、極東よりも周辺というのは狭い感じかな、こういう感じが言葉としてはするのでありますが、こういうふうに言葉が変わってきているというのは、何か特別な意味があるのかないのか、この辺について御解説をいただければありがたいと思います。
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高村正彦#26
○高村国務大臣 昭和五十三年に旧指針が作成された後、二十年近くが経過する間、冷戦が終結して国際情勢が大きく変化したわけであります。しかしながら、我が国を取り巻く国際情勢には、依然として不安定、不確実な要因が存在しているわけであります。このような情勢において、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える周辺事態に際する対応を中心として、より効果的な日米防衛協力関係を構築することが一層重要になってきたわけであります。
 このような認識のもとで、日米両政府は、日米安保共同宣言において、これは平成八年四月になされたものでありますが、指針の見直しを開始することで意見の一致を見て、その後、日米協議を行い、平成九年九月に新指針を公表した次第でございます。新指針により、日米安保体制のもとでの日米間の防衛協力関係がより一層効果的なものとなり、ひいては日米安保体制の信頼が一層向上することにつながるものと考えているわけであります。
 そして、周辺事態は、御指摘の極東やアジア太平洋といった観点ではなくて、あくまで我が国の平和及び安全に重要な影響を及ぼすか否かに注目したものでございます。
 また、日米安保条約のもとで我が国に駐留する米軍の存在がアジア太平洋地域諸国に安心感を与えている、結果としてこの地域の安定要因となっていることについては、これまでも繰り返し御説明してきたところでございます。
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大野功統#27
○大野(功)委員 時間がなくなってまいりましたので、あと一、二問に絞らせていただきますけれども、一つは周辺事態。いろいろ議論しております、定義はどうなんだと。これは別の機会に別の方にやっていただくとしましても、私は、避けて通れない問題が台湾問題だと思うのです。
 アメリカは、この問題については全く明らかにしていない。いわばストラテジック・アンビグイティー、戦略的あいまいさで対処している。これに対して日本も、アメリカがそうすることに対してどうするかは全く言わない。いわば二重のストラテジック・アンビグイティー、二重のあいまいさで対処している。これは私は、二重のあいまいさで対処していくべきだと思っておりますが、しかしながら、この台湾問題を平和的に解決していくべきだ、この強いメッセージを常に出していかなきゃいけないし、中国に常に多国間の中で安保対話、安保問題の議論に入ってもらっていかなきゃいけない、こういう努力をぜひともお願いしたいと思っております。
 二問続けて申し上げますのでよろしくお願いしたいのですが、もう一つは、これまで、安保条約の五条は日本を守ってもらうんだ、それから六条はそのかわり地域、区域を提供するんだ、こういうような人と物との協力関係。これが、先ほども申し上げましたように、今回はそれに加えて人と人との協力ができてくるんだ、こういう意味で本当に大きな転換期だと思っております。
 冷戦時は、一度戦争が起こったらもうそれで世界が終わりなんだということで、日本の出る幕がなくなっていたのかもしれません。しかしながら冷戦終結後は、アジアの地域の中で、日本は責任ある大国としていかにそのような事態に対応していくか、これはアジア諸国が見守っていると思うのですね。
 もし日本が、そういう事態が起こって何も回答しない、ノーアンサーであれば、これはもう諸外国の信頼を失っていくだろうし、それから、間違った回答をすれば、日本はまた軍国主義の道を歩むのか、こういうようなことを思うだろうし、無用の不信感を起こすでしょう。それから、もし回答が物すごく遅ければ、これはいつもながらのツーレート・ツーリトルかということになりますので、私は、やはり日本が責任ある態度できちっと対応していくべきだと思います。
 そういう意味で、人と人の協力、自分の手を汚さないという話からやはり協力していくんだ、こういう意味で日米協力関係に新しい一ページを開くのではないか、私はこのように思っております。
 その点についてのコメントをちょうだいして、私の質問を終わらせていただきます。
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高村正彦#28
○高村国務大臣 周辺事態というのは、あらかじめ地域を特定できないという意味で地理的概念でないと何度も言っているわけでございますが、そういうことでありますから、台湾のみならずどこの地域でも、入っているとか入っていないとかいうことは言えないということは御理解いただきたいと思います。
 そして、委員が御指摘になったように、我が国は、日中共同声明において表明された基本的立場を堅持した上で、台湾をめぐる問題が当事者間の話し合いにより平和的に解決されることを強く希望している、このメッセージはここで改めて出させていただきます。
 そして、日米安保条約に新しい一ページを開くものではないか、こうおっしゃったわけでありますが、それは言葉のとりようでそういうことも言えるのかもしれませんが、この法案は、日米安保条約の目的の枠内において、そして、そういう中において日本としても、日本の平和と安全に資するために活動している米軍に対してはできるだけ汗を流して協力しよう、こういうことを目指したものでございます。
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大野功統#29
○大野(功)委員 ありがとうございました。
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